説明

冷却装置

【課題】燃料電池車両の内部の限られた空間において、複数のラジエータを、その各通風部の面積を広く確保した状態で配置した上で、燃料電池車両に対して固定することが可能な冷却装置を提供すること。
【解決手段】この冷却装置6は、第一通風部611を有し、第一通風部611に風を通過させることによって燃料電池装置2を冷却するFCラジエータ61と、第二通風部621を有し、第二通風部621に風を通過させることによって駆動モータ4を冷却するEVラジエータ62と、を備え、FCラジエータ61には棒状のブラケット12a,12bが固定され、EVラジエータ62は、第二通風部621を第一通風部611に重ねた状態で
ブラケット12a,12bに固定されており、ブラケット12a,12bの一端が、燃料電池車両1の車体に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池車両に搭載される冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、将来の石油枯渇や地球温暖化に対する対策として、燃料電池から供給される電力によって走行する燃料電池車両の開発が進められている。このような燃料電池車両は、高温の状態で発電する燃料電池を冷却するために、ラジエータ等の冷却装置を必要とする。
【0003】
また、燃料電池車両は、燃料電池から供給される電力を受けて駆動力を発生する駆動モータを備えているが、燃料電池車両が走行する際はこの駆動モータからも熱が発生する。従って、駆動モータを冷却するための冷却装置が更に必要となる。
【0004】
しかし、燃料電池の動作温度(固体高分子型燃料電池の場合は90度前後)は、駆動モータの動作温度(60度前後)よりも高いため、燃料電池と駆動モータとはそれぞれ独立に温度制御を行う必要がある。すなわち、これらを単一の冷却装置によって冷却するのではなく、燃料電池を冷却するための冷却装置と、駆動モータを冷却するための冷却装置とを、互いに独立に設ける必要がある。
【0005】
下記特許文献1には、燃料電池を冷却するための第一ラジエータと、駆動モータを冷却するための第二ラジエータとを、車両の前後方向に沿って並べて配置し、更にその後方に配置された共用の空冷用ファンによってこれらを冷却する構成の冷却装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−327325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
冷却装置としてラジエータを用いる場合、ラジエータの冷却性能はその通風部の面積に比例するため、高い冷却性能を得るためには通風部の面積をできるだけ広くする必要がある。しかし、燃料電池車両の内部においてラジエータを搭載することのできる空間は限られているため、このような空間の制限の中で、できる限り通風部の面積を広くすることが求められる。
【0008】
上記特許文献1に記載の冷却装置は、燃料電池車両の車体に対して複数のラジエータを固定するために、車体へ固定するための機構を複数のラジエータ毎にそれぞれ設けている。具体的には、各ラジエータに設けられた支持ピンが、車体に設置された支持部材の支持用穴に対して装着される構造となっている。その結果、車内の限られた空間において上記支持部材などを別途設置するため、その分、ラジエータの通風部の面積を狭くする必要があった。
【0009】
また、車両用のラジエータにおいては、空冷用ファンによって発生する風がラジエータの冷却に有効利用されるように、空冷用ファンとこれに隣接するラジエータとの間に、ファンシュラウドと呼ばれる導風板が配置されるのが一般的である。そこで、このファンシュラウドを延長し、車両の前後方向に沿って並べて配置された複数のラジエータの外周全体を囲むように形成することによって、複数のラジエータを、当該ファンシュラウドを介して車内に固定するという方法も考えられる。
【0010】
しかし、その場合は、ラジエータと車体(ボディ)との間にファンシュラウドを配置するための隙間が必要となるため、その分、ラジエータの外形を小さくする必要があり、結局はラジエータの通風部の面積が狭くなってしまう。
【0011】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料電池車両の内部の限られた空間において、複数のラジエータを、その各通風部の面積を広く確保した状態で配置した上で、燃料電池車両に対して固定することが可能な冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明に係る冷却装置は、燃料電池が供給する電力により駆動モータの駆動力を発生し走行する燃料電池車両に搭載される冷却装置であって、第一通風部を有し、前記第一通風部に風を通過させることによって前記燃料電池を冷却する第一ラジエータと、第二通風部を有し、前記第二通風部に風を通過させることによって前記駆動モータを冷却する第二ラジエータと、を備え、前記第一ラジエータには棒状のブラケットが固定され、前記第二ラジエータは、前記第二通風部を前記第一通風部に重ねた状態で前記ブラケットに固定されており、前記ブラケットの一端が、前記燃料電池車両の車体に固定されることを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、燃料電池を冷却する第一ラジエータと、駆動モータを冷却する第二ラジエータとが、それぞれの通風部を重ねた状態で棒状のブラケットに対し固定される。その上で、当該ブラケットの一端を燃料電池車両に対して固定することで、第一ラジエータと第二ラジエータの両方が燃料電池車両に対して固定される。このため、車体へ固定するための機構を複数のラジエータ毎にそれぞれ設ける必要がなくなり、冷却装置を燃料電池車両に固定するための機構を簡略化することができる。その結果、車内の限られた空間において、第一ラジエータ及び第二ラジエータの通風部の面積を広く確保した状態で、冷却装置を燃料電池車両に対して固定することができる。
【0014】
また本発明に係る冷却装置では、前記ブラケットは、前記燃料電池車両の左右方向において、前記第一ラジエータの端部よりも内側となる位置に配置されることも好ましい。
【0015】
この好ましい態様では、前記燃料電池車両の左右方向において、第一ラジエータの端部よりも内側となる位置に棒状のブラケットが配置される。従って、車内の限られた空間のうち、燃料電池車両の左右方向において第一ラジエータの端部よりも外側には、棒状のブラケットを配置するための空間を確保する必要がない。このため、第一ラジエータの端部を燃料電池車両の左右方向に向けて拡張し、第二ラジエータよりも高い冷却性が求められる第一ラジエータの通風部の面積を広く確保することができる。
【0016】
また本発明に係る冷却装置では、前記第一ラジエータは、前記第一通風部に冷媒を供給するための第一タンクを有しており、前記ブラケットは前記第一タンクに固定されていることも好ましい。
【0017】
この好ましい態様では、ブラケットと第一ラジエータとの固定を、第一通風部ではなく第一タンクにおいて行っている。このため、ブラケットを固定するための機構を第一通風部に対して設ける必要がなく、第一通風部全体を冷却のために有効に利用することができる。一方、ブラケットを固定するための機構を第一タンクに設けても、第一ラジエータの冷却性能は低下しない。すなわち、この好ましい態様では、第一ラジエータの冷却性能を低下させることなく、ブラケットを第一ラジエータに固定することができる。
【0018】
また本発明に係る冷却装置では、前記第二ラジエータは、前記第二通風部に冷媒を供給するための第二タンクを有しており、前記ブラケットは前記第二タンクに固定されていることも好ましい。
【0019】
この好ましい態様では、ブラケットと第二ラジエータとの固定を、第二通風部ではなく第二タンクにおいて行っている。このため、ブラケットを固定するための機構を第二通風部に対して設ける必要がなく、第二通風部全体を冷却のために有効に利用することができる。一方、ブラケットを固定するための機構を第二タンクに設けても、第二ラジエータの冷却性能は低下しない。すなわち、この好ましい態様では、第一ラジエータ、第二ラジエータの冷却性能をいずれも低下させることなく、ブラケットを第一ラジエータ及び第二ラジエータに固定することができる。
【0020】
また本発明に係る冷却装置では、前記ブラケットは、その軸方向が前記燃料電池車両の上下方向と略一致するように配置されることも好ましい。
【0021】
この好ましい態様では、棒状のブラケットの軸方向が、燃料電池車両の上下方向と略一致するように配置される。このため、ブラケットの一端と燃料電池車両の車体との固定は、冷却装置の上部もしくは下部において行われることとなる。従って、冷却装置の左右においては固定するための機構を設ける必要が無くなり、第一ラジエータ及び第二ラジエータそれぞれの端部を燃料電池車両の左右方向に向けて拡張し、それぞれの通風部の面積を広く確保することができる。
【0022】
また本発明に係る冷却装置では、前記ブラケットは、前記燃料電池車両の左右方向において、前記第一ラジエータの両端部近傍にそれぞれ設けられることも好ましい。
【0023】
この好ましい態様では、その軸方向が燃料電池車両の上下方向と略一致するように配置された棒状のブラケットが、燃料電池車両の左右方向において第一ラジエータの両端部近傍にそれぞれ設けられる。このため、第一ラジエータの第一通風部を通過する風の流れが、ブラケットに当たって乱れてしまうことが抑制される。その結果、ブラケットによる冷却性能の低下を抑制することができる。
【0024】
また本発明に係る冷却装置では、第三通風部を有し、前記第三通風部に風を通過させることによって前記燃料電池車両の空調用冷媒を冷却する第三ラジエータをさらに備え、前記第三ラジエータは、前記第三通風部を、前記第一通風部及び前記第二通風部に重ねた状態で前記ブラケットに固定されていることも好ましい。
【0025】
この好ましい態様では、燃料電池車両の空調用冷媒を冷却する第三ラジエータについても、ブラケットに固定された状態で燃料電池車両内に配置される。このため、第三ラジエータを車体に固定するための機構を別途設ける必要がなくなり、冷却装置を燃料電池車両に固定するための機構を更に簡略化することができる。その結果、車内の限られた空間において、第一ラジエータ、第二ラジエータ、及び第三ラジエータの通風部の面積をいずれも広く確保した状態で、冷却装置を燃料電池車両に固定することができる。
【0026】
また本発明に係る冷却装置では、前記ブラケットの一端にはフック穴が形成されていることも好ましい。
【0027】
第一ラジエータ、第二ラジエータ、及び第三ラジエータをブラケットに固定した構造の冷却装置は、その重量が大きくなるため、冷却装置を車体へ固定する作業が困難になるという問題がある。この好ましい態様では、ブラケットの一端にフック穴を形成している。このため、例えば燃料電池車両の車体に設けられたフックに対して上記フック穴を掛けることにより、ブラケットの一端が燃料電池車両に固定された状態とすることができる。その結果、重量が大きい冷却装置を車体に固定する作業が容易となる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、燃料電池車両の内部の限られた空間において、複数のラジエータを、その各通風部の面積を広く確保した状態で配置した上で、燃料電池車両に対して固定することが可能な冷却装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態である冷却装置を搭載した燃料電池車両の構成を、側面視において模式的に示した図である。
【図2】図1に示した燃料電池車両の構成の一部を、上面視で模式的に示した図である。
【図3】図1に示した冷却装置を構成するFCラジエータの構造の一部を模式的に示した図である。
【図4】図1に示した冷却装置の一部について、その具体的な構成を説明するための分解図である。
【図5】図1に示した冷却装置の一部について、その具体的な構成を上面視で示した断面図である。
【図6】図1に示した冷却装置を燃料電池車両の内部に固定する方法を、模式的に示した図である。
【図7】図3に示したFCラジエータを構成する、冷却チューブの形状を示した図である。
【図8】B型冷却チューブの形状を示した図である。
【図9】図7に示した冷却チューブが、FCラジエータのタンクにろう付け固定された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0031】
まず、図1及び図2を参照しながら、本発明の一実施形態である冷却装置を搭載した燃料電池車両の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態である冷却装置を搭載した燃料電池車両の構成を、側面視において模式的に示した図である。図2は、図1に示した構成の一部を、上面視で模式的に示した図である。図1に示されるように、燃料電池車両1は、燃料電池装置2と、燃料タンク3と、空調装置5と、冷却装置6によって構成されている。
【0032】
燃料電池装置2は、燃料電池車両1を走行させるための電力を発生させる装置であって、燃料電池車両1のフロアパネルの下方に配置されている。燃料電池装置2は、例えば、高分子電解質型燃料電池であり、多数の単セルを積層したスタック構造となっている。単セルは、イオン交換膜からなる電解質膜の一方の面に空気極を有し、他方の面に燃料極を有し、さらに空気極および燃料極を両側から挟み込むように一対のセパレータを有する構造となっている。この場合、一方のセパレータの水素ガス通路に水素ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス通路に酸化ガスが供給され、これらの反応ガスが化学反応することで電力が発生する。
【0033】
燃料タンク3は、燃料電池装置2に供給する水素ガスを貯えておくためのタンクであって、燃料電池車両1の後方部に配置されている。燃料タンク3から燃料電池装置2に供給される水素ガスの流量は、アクセル開度等によって定まる要求電力に応じて、図示しない制御装置及び流量調整弁等により制御されている。
【0034】
駆動モータ4は、燃料電池装置2から供給される電力によって駆動力を発生させるモータである。かかる駆動力によって燃料電池車両1に複数設けられた車輪7が回転し、燃料電池車両1が走行する。
【0035】
空調装置5は、燃料電池車両1の室内温度を調整するためのものである。空調装置5は、図示しないコンプレッサとエバポレータとの間で冷媒を循環させ、室内の熱を外部に移動させる一般的な方式のものである。
【0036】
冷却装置6は、主にFCラジエータ61と、EVラジエータ62と、空調ラジエータ63と、サブラジエータ64によって構成されており、燃料電池車両1を構成する燃料電池装置2、駆動モータ4等の冷却を行うための装置である。
【0037】
冷却装置6を構成している上記複数のラジエータは、冷却対象であるそれぞれの装置との間で、図示しない配管を通じて冷媒を循環させる。各ラジエータはそれぞれ通風部を有しており、当該通風部を通過する風が冷媒から熱を奪うことによって各装置の冷却が行われる。各ラジエータの通風部に対する風の供給は、燃料電池車両1のバンパフェイス部分に設けられた通風口8から導入した外気を、第一ファン65、及び第二ファン66によって車両後方に向けて流すことによって行われる。
【0038】
FCラジエータ61は、燃料電池装置2を冷却するためのラジエータである。燃料電池装置2により発電がおこなわれると、それに伴い反応熱が生じるため、燃料電池装置2を構成する各単セルの温度が上昇する。FCラジエータ61は第一通風部611を有しており、第一通風部611を通過する空気によってかかる反応熱の一部を放出することにより、各単セルの温度を適切な範囲に維持している。
【0039】
EVラジエータ62は、駆動モータ4を冷却するためのラジエータである。駆動モータ4は、燃料電池装置2からの供給される電力によって駆動される電磁モータであるため、動作中においてはジュール熱によってその温度が上昇する。EVラジエータ62は第二通風部621を有しており、第二通風部621を通過する空気によってかかるジュール熱を放出することで、EVラジエータ62の過昇温を防止している。
【0040】
空調ラジエータ63は、空調装置5が室内から奪った熱を外気に放出するためのラジエータである。空調ラジエータ63は第三通風部631を有しており、コンプレッサとエバポレータとの間で循環する冷媒を、第三通風部631を通過する空気によって冷却することで、空調装置5による室内の空調機能を維持するものである。
【0041】
FCラジエータ61、EVラジエータ62、空調ラジエータ63は、燃料電池車両1の前方から後方に向かう向きにこの順序で配置され、第一通風部611、第二通風部621、及び第三通風部631を重ねた状態で一列に配置されている。FCラジエータ61の更に後方には、ファンシュラウド67を介して第一ファン65が配置されている。
【0042】
第一ファン65は、通風口8から導入した外気を車両後方(図1の右方向)に向けて流すためのファンである。上記のように、FCラジエータ61、EVラジエータ62、空調ラジエータ63は、それぞれの通風部を重ねた状態で一列に配置されている。このため、第一ファン65が動作することによって、それぞれの通風部に対して風が供給される。換言すると、FCラジエータ61、EVラジエータ62、空調ラジエータ63が、一つの第一ファン65を共有している。図2に示すように、第一ファン65は、燃料電池車両1の左右方向に一対に設けられた二つのファンによって構成されている。
【0043】
ファンシュラウド67は、FCラジエータ61と第一ファン65との間において、両者の外周を取り囲むように配置された導風板である。このようにファンシュラウド67を配置することにより、FCラジエータ61と第一ファン65との間から漏洩する空気の量が低減されるため、第一ファン65によって生じた風が冷却のために有効利用されている。ファンシュラウド67は、FCラジエータ61の後方側(燃料電池車両1の後方側)の面に対して固定されている。
【0044】
図2に示すように、燃料電池車両1の内部には、車体前後に延びた一対の梁であるサイドメンバ9a、9bが配置されている。FCラジエータ61、EVラジエータ62、空調ラジエータ63、第一ファン65、及びファンシュラウド67は、全てこのサイドメンバ9a、9bの間に形成された空間内に配置されている。
【0045】
サブラジエータ64は、FCラジエータ61と同様に燃料電池装置2を冷却するためのラジエータであって、FCラジエータ61の冷却性能を補う目的で配置されている。サブラジエータ64は、燃料電池車両1の車体内部のうち右ヘッドランプ10aの下方において、上面視で傾斜状となる向きに(通風部が車体右前方を向くように)配置されている。また、サブラジエータ64は、サイドメンバ9aの前方側端部の近くで且つ右側の側面に対し、金属板で形成されたサイドブラケット11を介して固定されている。
【0046】
続いて、図3を参照しながら、FCラジエータ61の構成について具体的に説明する。図3は、FCラジエータの構造の一部を模式的に示した図である。
【0047】
FCラジエータ61は、矩形に形成された第一通風部611の上辺と下辺に、それぞれ第一上部タンク612a、第一下部タンク612bを備えた構造となっている。第一上部タンク612aの内部には空間が形成されており、第一上部タンク612aの壁面には、この空間に冷媒を流入させるための開口部である流入ポート613aが形成されている。第一下部タンク612bの内部にも同様に空間が形成されており、第一下部タンク612bの壁面には、この空間から冷媒を流出させるための開口部である流出ポート(図示せず)が形成されている。
【0048】
第一通風部611は、中空の筒状に形成された複数の第一チューブ616と、放熱フィン617とによって構成されている。第一チューブ616の上端は第一上部タンク612aの壁面を貫通した状態でろう付け固定され、第一チューブ616の下端は第一下部タンク612bの壁面を貫通した状態でろう付け固定されている。このため、上記第一上部タンク612aの内部空間と第一下部タンク612bの内部空間とは、第一チューブ616によって連通した状態となっている。
【0049】
ここで、第一チューブ616の構造を、図7を参照しながら説明する。第一チューブ616は、金属板を断面が楕円形上の筒となるように加工した後、金属板の端部同士を溶接することによって形成している。このため第一チューブ616は断面が楕円状の中空部100を有し、その表面には、軸方向に沿った溶接部110が形成されている。
【0050】
第一チューブの構造としては、上記のような溶接チューブ構造の他、図8に示したような所謂B型チューブ構造と呼ばれる構造としてもよい。B型チューブ構造とは、図8のように金属板の中央部を屈曲させた状態でろう付け固定し、二つの中空部100a、101aを形成したものである。
【0051】
しかし、このようなB型チューブ構造の場合、屈曲部付近において金属板の面と面が重なった状態となるために、ろう付けの際、酸化被膜除去のために塗布されるフラックスがろう付け部110aの近傍に残留しやすく、フラックスを除去するための純水洗浄に長時間を要してしまうという問題がある。フラックスが残留すると、冷媒に溶出したフラックスの成分がイオン化して燃料電池装置2に到達してしまい、燃料電池装置2を構成する固体高分子膜を劣化させてしまう。このため、フラックスは確実に除去しておく必要がある。
【0052】
本実施形態の第一チューブ616は、上記のようにB型チューブ構造ではなく、図7に示した溶接チューブ構造を採用している。溶接チューブ構造の場合、ろう付けと異なりフラックスを塗布する必要がないため、フラックスを除去するために長時間洗浄する必要がないという利点がある。
【0053】
図9に示したように、FCラジエータ61は、上記のような溶接チューブ構造を有する複数の第一チューブ616を、その上端を第一上部タンク612aの壁面を貫通した状態でろう付け固定した構造となっている。また、第一チューブの下端も同様に、第一下部タンク612bの壁面を貫通した状態でろう付け固定した構造となっている。
【0054】
第一チューブ616と第一上部タンク612aとの固定、及び第一チューブ616と第一下部タンク612bとの固定は、いずれもフラックスを使用してろう付けにより行う必要がある。FCラジエータ61を製作する際は、第一上部タンク612aに第一チューブ616を挿入した状態で、第一上部タンク612aの内部のうち第一チューブ616が突出している面(図9のAで示された面)の全体にマスキングを行った後、第一上部タンク612aの外部からフラックスを塗布してからろう付けを行うことが望ましい。
【0055】
その結果、フラックスの塗布量が低減される上、冷媒が通過する第一上部タンク612aの内部に残留するフラックスも微量となるため、フラックスを除去するためにろう付け後に行う純水洗浄の時間を低減することができる。これは、第一チューブ616と第一下部タンク612bとの固定においても同様である。また、FCラジエータ61の他、EVラジエータ62、空調ラジエータ63を製作する場合においても同様である。
【0056】
尚、サブラジエータ64も、一対のタンクと、その間に配置された複数のチューブ及び放熱フィンによって構成されている。しかし、サブラジエータ64は小型のラジエータであるため、フラックスを用いず、これに替えてマグネシウムを加えたろう材による真空ろう付けを行うことで、フラックスを除去するための純水洗浄を不要とすることができる。
【0057】
図3に戻って説明を続ける。第一チューブ616は、互いに並行となるように複数配置されており、隣接する第一チューブ616同士の間には、放熱フィン617が第一チューブ616に接触した状態でコルゲート状に配置されている。
【0058】
続いて、FCラジエータ61の機能について簡単に説明する。燃料電池装置2において加熱された冷媒は、図示しない配管を通じて、流入ポート613aから第一上部タンク612aの内部に形成された空間に流入する。その後、冷媒は各第一チューブ616に分配され、各第一チューブ616の内部を通って第一下部タンク612bに到達する。
【0059】
冷媒が第一チューブ616を通過する際、第一チューブ616の壁面を経由して、放熱フィン617に冷媒からの熱が伝達される。放熱フィン617はコルゲート状に配置されているため、その周囲には無数の開口618が形成されている。開口618には、第一ファン65から供給する風が常に通過しているため、かかる風によって放熱フィン617に伝達された熱が外部に放出される。
【0060】
従って、冷媒が第一下部タンク612bに到達した時点においては、冷媒は放熱フィンにより冷却され、その温度が低下した状態となっている。冷却された冷媒は、第一下部タンク612bに形成された流出ポートから流出し、図示しない配管を通じて燃料電池装置2に再度供給され、燃料電池装置2を冷却する。
【0061】
以上の通り、FCラジエータ61の構造及び機能について説明したが、EVラジエータ62、空調ラジエータ63の構造及び機能についても上記と同様であるため、これらについての詳細な説明は省略する。すなわち、EVラジエータ62も、一対のタンク(第二右部タンク622a、第二左部タンク622b)と、それらの間に形成されたチューブ及び放熱フィンを備えている。一方、一対のタンク(第二右部タンク622a、第二左部タンク622b)は、矩形に形成された第二通風部621の上辺と下辺ではなく、左辺と右辺とに設けられている点がFCラジエータ61と異なっている。
【0062】
空調ラジエータ63も、一対のタンク(第三右部タンク632a、第三左部タンク632b)と、それらの間に形成されたチューブ及び放熱フィンを備えている。一方、一対のタンクである第三右部タンク632a、第三左部タンク632bは、矩形に形成された第三通風部631の上辺と下辺ではなく、左辺と右辺とに設けられている点がFCラジエータ61と異なっている。
【0063】
続いて、図4及び図5を参照しながら、冷却装置6の具体的な構成について説明する。図4は、冷却装置6の一部について、その具体的な構成及び配置を説明するための分解図である。図5は、冷却装置6の一部について、その具体的な構成及び配置を上面視で示した断面図である。
【0064】
既に説明したように、FCラジエータ61、EVラジエータ62、空調ラジエータ63は、第一通風部611、第二通風部621、及び第三通風部631を重ねた状態で一列に配置されている。そのうちFCラジエータ61は、これらの中で最も高い冷却性能が求められる。従ってその外形は、車両の高さ方向、及び車両の左右方向のいずれにおいても、EVラジエータ62、空調ラジエータ63の外形よりも大きなものとなっている。
【0065】
FCラジエータ61の第一上部タンク612aには、車両の左右方向両端部にそれぞれ取付座部614a、615aが形成されている。また、第一下部タンク612bには、車両の左右方向両端部にそれぞれ取付座部614b、615bが形成されている。これら取付座部(614a、615a、614b、615b)には、ビスを挿入固定することが可能な雌ねじ穴がそれぞれ形成されている。
【0066】
車両の左右方向においてFCラジエータ61の両端部近傍には、棒状のブラケット12a、12bがそれぞれ固定されている。ブラケット12aは、その上端部にビス穴121aが形成され、下端部にビス穴122aが形成されている。これらは、それぞれ取付座部614a、614bの位置と対応するように形成されている。従って、ビス穴121aに挿入したビスを取付座部614aに挿入固定し、ビス穴122aに挿入したビスを取付座部614bに挿入固定することによって、ブラケット12aがFCラジエータ61に対して固定されている。
【0067】
ブラケット12bも同様に、その上端部にビス穴121bが形成され、下端部にビス穴122b(図示せず)が形成されている。これらは、それぞれ取付座部615a、615bの位置と対応するように形成されている。従って、ビス穴121bに挿入したビスを取付座部615aに挿入固定し、ビス穴122bに挿入したビスを取付座部615bに挿入固定することによって、ブラケット12bがFCラジエータ61に対して固定されている。
【0068】
このように、一対のブラケット12a、12bはいずれも、FCラジエータ61を構成する第一上部タンク612a、及び第一下部タンク612bに対して固定されている。ブラケット12a、12bを固定するための機構を第一通風部611に設ける必要がないため、第一通風部611の全体を冷却のために有効に利用している。
【0069】
また、図5で明らかなように、一対のブラケット12a、12bはいずれも、燃料電池車両1の左右方向において、FCラジエータ61の端部よりも内側となる位置に配置されている。従って、車内の限られた空間のうち、燃料電池車両1の左右方向においてFCラジエータ61の端部よりも外側には、ブラケット12a、12bを配置するための空間を確保する必要がない。このため、FCラジエータ61の端部を燃料電池車両1の左右方向に大きく形成することが可能となっており、EVラジエータ62よりも高い冷却性が求められるFCラジエータ61の第一通風部611の面積を広く確保している。
【0070】
EVラジエータ62の第二右部タンク622aには、2か所の取付座部624a、625aが形成されている。また、第二左部タンク622bには、2か所の取付座部624b、625b(図示せず)が形成されている。
【0071】
ブラケット12aは、その側方(車両の右方向)に突出形成された二か所の突起部123a、124aに、それぞれビス穴125a、126aが形成されている。これらは、それぞれ取付座部624a、625aの位置と対応するように形成されている。従って、ビス穴125aに挿入したビスを取付座部624aに挿入固定し、ビス穴126aに挿入したビスを取付座部625aに挿入固定することによって、EVラジエータ62はブラケット12aに対して固定されている。
【0072】
ブラケット12bも同様に、その側方(車両の左方向)に突出形成された二か所の突起部123b、124b(図示せず)に、それぞれビス穴125b、126b(図示せず)が形成されている。これらは、それぞれ取付座部624b、625bの位置と対応するように形成されている。従って、ビス穴125bに挿入したビスを取付座部624bに挿入固定し、ビス穴126bに挿入したビスを取付座部625bに挿入固定することによって、EVラジエータ62はブラケット12bに対して固定されている。
【0073】
このように、一対のブラケット12a、12bはいずれも、EVラジエータ62を構成する第二右部タンク622a、及び第二左部タンク622bに対して固定されている。ブラケット12a、12bを固定するための機構を第二通風部621に設ける必要がないため、第二通風部621の全体を冷却のために有効に利用している。
【0074】
空調ラジエータ63の第三右部タンク632aには、2か所の取付座部634a、635aが形成されている。また、第三左部タンク632bには、取付座部634bが形成されている。
【0075】
ブラケット12aは、その側方(車両の右方向)に突出形成された突起部127aに、ビス穴128aが形成されている。このビス穴128aは、取付座部635aと略同一の高さに形成されている。また、ブラケット12aは、その前方(車両の前方向)に突出形成された突起部129aに、ビス穴130aが形成されている。このビス穴130aは、取付座部634aと対応する位置に形成されている。
【0076】
第三右部タンク632aには、固定部材13が固定されている。固定部材13にはビス穴131、及びビス穴132が形成されており、ビス穴131に挿入したビスを取付座部635aに挿入固定することによって、第三右部タンク632aと固定部材13とが固定されている。
【0077】
更に、ビス穴132に挿入したビスを、ブラケット12aのビス穴128aに挿入固定することによって、ブラケット12aと固定部材13とが固定されている。すなわち、空調ラジエータ63は、固定部材13を介した状態でブラケット12aに対して固定されている。また、ビス穴130aに挿入したビスを取付座部634aに挿入固定することによっても、空調ラジエータ63はブラケット12aに対して固定されている。
【0078】
ブラケット12bは、その前方(車両の前方向)に突出形成された突起部127bに、ビス穴128bが形成されている。このビス穴128bは、取付座部634bの位置と対応するように形成されている。従って、ビス穴128bに挿入したビスを取付座部634bに挿入固定することによって、空調ラジエータ63はブラケット12bに対して固定されている。
【0079】
このように、一対のブラケット12a、12bはいずれも、空調ラジエータ63を構成する第三右部タンク632a、及び第三左部タンク632bに対して固定されている。ブラケット12a、12bを固定するための機構を第三通風部631に設ける必要がないため、第三通風部631の全体を冷却のために有効に利用している。
【0080】
以上に説明したように、FCラジエータ61、EVラジエータ62、及び空調ラジエータ63は、いずれも一対のブラケット12a、12bに対して固定されている。さらに、図5に示したように、FCラジエータ61の車両後方側の面には、ファンシュラウド67、及び第一ファン65が固定されている。従って、FCラジエータ61、EVラジエータ62、空調ラジエータ63、ファンシュラウド67、第一ファン65が、全て一体となり冷却ユニット6aを構成している。
【0081】
ブラケット12aの上端部には、車両の前後方向に向けて貫通した穴であるフック穴68aが形成されている。また、ブラケット12bの上端部には、車両の前後方向に向けて貫通した穴であるフック穴68bが、フック穴68aと同じ高さにおいて形成されている。
【0082】
続いて、上記冷却ユニット6aを燃料電池車両1の内部に固定する方法を、図6を参照しながら説明する。図6に示したように、燃料電池車両1の内部には、二つのフック14、15が、車体に対して固定された状態で形成されている。フック14、15は、いずれも、燃料電池車両1の内部において上壁20から鉛直下方に伸びた後、燃料電池車両1の前方に向かって屈曲したJ型のフックとして形成されている。
【0083】
また、フック14、15は、燃料電池車両1の左右方向に離間し、互いに同じ高さとなる位置に形成されている。フック14とフック15との間隔は、フック穴68aと67bとの間隔と同一である。
【0084】
冷却ユニット6aを燃料電池車両1の内部に固定する際は、フック14、15に対して、上記フック穴68a、67bを掛けることにより、冷却ユニット6aを吊り下げた状態としている。冷却ユニット6aは、3つのラジエータ及び第一ファンをすべて一体化することによりその重量が大きなものとなっているが、吊り下げて固定する構造としたため、冷却ユニット6aを燃料電池車両1の内部に固定する作業は容易なものとなっている。尚、冷却ユニット6aを固定する作業をさらに容易なものとするため、冷却ユニット6aの周囲(例えば下方)からラジエータを支える支持機構をさらに設けてもよい。
【0085】
また、本実施形態では、燃料電池車両1の内部において、フック14、15は燃料電池車両1の上壁20に固定されている例を示した。このような態様の他、例えば燃料電池車両1の左右方向に延びるように形成された梁(クロスメンバ)に対し、フック14、15を形成してもよい。
【0086】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0087】
1:燃料電池車両
2:燃料電池装置
3:燃料タンク
4:駆動モータ
5:空調装置
6:冷却装置
6a:冷却ユニット
61:FCラジエータ
611:第一通風部
612a:第一上部タンク
612b:第一下部タンク
613a:流入ポート
614a,614b,615a,615b、624a,624b,625a,625b,634a,634b,635a:取付座部
616:第一チューブ
617:放熱フィン
618:開口
62:EVラジエータ
622a:第二右部タンク
622b:第二左部タンク
621:第二通風部
624a,624b,625a,625b:取付座部
63:空調ラジエータ
631:第三通風部
64:サブラジエータ
632a:第三右部タンク
632b:第三左部タンク
65:第一ファン
66:第二ファン
67:ファンシュラウド
68a,68b:フック穴
7:車輪
8:通風口
9a,9b:サイドメンバ
10a:右ヘッドランプ
10b:左ヘッドランプ
11:サイドブラケット
12a,12b:ブラケット
13:固定部材
14,15:フック
20:上壁
100,100a:中空部
110:溶接部
110a:ろう付け部
121a,121b,122a,122b,125a,125b,126a,126b,128a,128b,130a,131,132:ビス穴
123a,123b,127a,127b,129a:突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池が供給する電力により駆動モータの駆動力を発生し走行する燃料電池車両に搭載される冷却装置であって、
第一通風部を有し、前記第一通風部に風を通過させることによって前記燃料電池を冷却する第一ラジエータと、
第二通風部を有し、前記第二通風部に風を通過させることによって前記駆動モータを冷却する第二ラジエータと、
を備え、
前記第一ラジエータには棒状のブラケットが固定され、
前記第二ラジエータは、前記第二通風部を前記第一通風部に重ねた状態で前記ブラケットに固定されており、
前記ブラケットの一端が、前記燃料電池車両の車体に固定されることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記ブラケットは、前記燃料電池車両の左右方向において、前記第一ラジエータの端部よりも内側となる位置に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記第一ラジエータは、前記第一通風部に冷媒を供給するための第一タンクを有しており、前記ブラケットは前記第一タンクに固定されていることを特徴とする、請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記第二ラジエータは、前記第二通風部に冷媒を供給するための第二タンクを有しており、前記ブラケットは前記第二タンクに固定されていることを特徴とする、請求項3に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記ブラケットは、その軸方向が前記燃料電池車両の上下方向と略一致するように配置されることを特徴とする、請求項4に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記ブラケットは、前記燃料電池車両の左右方向において、前記第一ラジエータの両端部近傍にそれぞれ設けられることを特徴とする、請求項5に記載の冷却装置。
【請求項7】
第三通風部を有し、前記第三通風部に風を通過させることによって前記燃料電池車両の空調用冷媒を冷却する第三ラジエータをさらに備え、
前記第三ラジエータは、前記第三通風部を、前記第一通風部及び前記第二通風部に重ねた状態で前記ブラケットに固定されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記ブラケットの一端にはフック穴が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一に記載の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−99982(P2013−99982A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243725(P2011−243725)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】