説明

冷媒回路装置

【課題】冷媒の低温熱及び高温熱を蓄熱してこれらを利用することで省エネルギー化を図ることができる冷媒回路装置を提供すること。
【解決手段】蒸発器14、圧縮機11、凝縮器12、膨張機構13を冷媒配管15で順次接続した冷媒回路10を備え、圧縮機11で圧縮した冷媒の熱を高温蓄熱材に蓄熱する高温蓄熱槽16と、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱を低温蓄熱材に蓄熱する低温蓄熱槽17と、高温熱取得部21と高温熱放出部221〜223との間で封入された作動流体を循環させることで高温蓄熱材の熱を輸送する高温熱輸送ユニット20と、低温熱取得部31と低温熱放出部321〜323との間で封入された作動流体を循環させることで低温蓄熱材の熱を輸送する低温熱輸送ユニット30とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒回路装置に関し、より詳細には、蒸発器と、蒸発器で蒸発した冷媒を吸引して圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮した冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器で凝縮した冷媒を断熱膨張させる膨張機構とを冷媒配管で順次接続して構成され、かつ封入された冷媒を循環させる冷媒回路を備えた冷媒回路装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の冷媒回路装置は冷媒回路を備えている。冷媒回路は、蒸発器、圧縮機、凝縮器及び膨張機構が冷媒配管で順次接続されて構成されており、内部に冷媒が封入されている。蒸発器は、所定の冷却対象室の内部に配設されており、供給された冷媒を蒸発させることにより、冷却対象室の内部雰囲気を冷却するものである。圧縮機は、蒸発器で蒸発した冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出するものである。凝縮器は、圧縮機から吐出された冷媒を周囲空気で冷却することにより凝縮させるものである。膨張機構は、凝縮器で凝縮した冷媒を減圧して断熱膨張させるためのものである。
【0003】
このような冷媒回路装置においては、冷媒の熱を有効に活用するべく、冷媒回路に蓄熱槽を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−38301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上述した特許文献1に提案されているような冷媒回路装置では、低温の蓄熱槽しか設けられておらず、冷媒の低温熱のみしか蓄熱することができなかった。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みて、冷媒の低温熱及び高温熱を蓄熱してこれらを利用することで省エネルギー化を図ることができる冷媒回路装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る冷媒回路装置は、蒸発器と、蒸発器で蒸発した冷媒を吸引して圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮した冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器で凝縮した冷媒を断熱膨張させる膨張機構とを冷媒配管で順次接続して構成され、かつ封入された冷媒を循環させる冷媒回路を備えた冷媒回路装置において、前記圧縮機で圧縮した冷媒の熱を自身の高温蓄熱材と熱交換して蓄熱する高温蓄熱槽と、前記膨張機構で断熱膨張した冷媒の熱を自身の低温蓄熱材と熱交換して蓄熱する低温蓄熱槽と、前記高温蓄熱材に熱的に接続させた高温熱取得部と、高温熱負荷に熱的に接続可能な放熱部位に配設された高温熱放出部とを備え、これら高温熱取得部と高温熱放出部との間で封入された作動流体を循環させることで前記高温蓄熱材の熱を輸送する高温熱輸送手段と、前記低温蓄熱材に熱的に接続させた低温熱取得部と、低温熱負荷に熱的に接続可能な放熱部位に配設された低温熱放出部とを備え、これら低温熱取得部と低温熱放出部との間で封入された作動流体を循環させることで前記低温蓄熱材の熱を輸送する低温熱輸送手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る冷媒回路装置は、上述した請求項1において、前記蒸発器又は前記蒸発器が配設された室から生じたドレン水を前記低温蓄熱槽に輸送して、前記低温蓄熱材に該ドレン水の熱を蓄熱させるドレン水輸送手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、高温蓄熱槽が、圧縮機で圧縮した冷媒の熱を自身の高温蓄熱材と熱交換して蓄熱し、低温蓄熱槽が、膨張機構で断熱膨張した冷媒の熱を自身の低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するので、冷媒回路を循環する冷媒の高温熱及び低温熱を蓄熱することが可能になる。高温蓄熱材に熱的に接続させた高温熱取得部と、高温熱負荷に熱的に接続可能な放熱部位に配設された高温熱放出部とを備えた高温熱輸送手段が、これら高温熱取得部と高温熱放出部との間で封入された作動流体を循環させることで高温蓄熱材の熱を輸送し、かつ低温蓄熱材に熱的に接続させた低温熱取得部と、低温熱負荷に熱的に接続可能な放熱部位に配設された低温熱放出部とを備えた低温熱輸送手段が、これら低温熱取得部と低温熱放出部との間で封入された作動流体を循環させることで低温蓄熱材の熱を輸送するので、高温蓄熱槽及び低温蓄熱槽に蓄熱した熱を有効に利用することができ、高温熱負荷や低温熱負荷に要する電力の低減化を図ることができる。従って、冷媒の低温熱及び高温熱を蓄熱してこれらを利用することで省エネルギー化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置を模式的に示す模式図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置の第1変形例を模式的に示す模式図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置の第2変形例を模式的に示す模式図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2である冷媒回路装置を模式的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る冷媒回路装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置を模式的に示す模式図である。ここで例示する冷媒回路装置は、冷媒回路10と、高温熱輸送ユニット20と、低温熱輸送ユニット30とを備えて構成してある。
【0013】
冷媒回路10は、内部に冷媒(例えば二酸化炭素、R134a等)が封入してあり、圧縮機11、凝縮器12、膨張機構13及び蒸発器14が冷媒配管15にて順次接続して環状に構成してある。
【0014】
圧縮機11は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出口より吐出するものである。この圧縮機11は、例えば、火力発電所、風力発電所等の発電所、あるいは太陽光発電、地熱発電等の発電設備から発電電力の余剰時に投入される電力により駆動するものである。
【0015】
凝縮器12は、通過する冷媒を凝縮させるものである。より詳細に説明すると、圧縮機11で圧縮され、かつ吐出口から吐出されて冷媒配管15を通じて送出された冷媒を周囲空気と熱交換させて凝縮させるものである。
【0016】
膨張機構13は、例えば膨張弁やキャピラリーチューブにより構成してあり、凝縮器12から供給された冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
【0017】
蒸発器14は、所定の冷却対象室に配設してあり、通過する冷媒を蒸発させるものである。より詳細に説明すると、蒸発器14は、膨張機構13で断熱膨張した冷媒を蒸発させることで冷却対象室の内部雰囲気を冷却するものである。
【0018】
このような冷媒回路10には、高温蓄熱槽16、低温蓄熱槽17、第1バイパス経路18及び第2バイパス経路19が設けてある。
【0019】
高温蓄熱槽16は、内部に例えば水等の高温蓄熱材が貯留してあり、かかる高温蓄熱材が、圧縮機11から凝縮器12に至る冷媒配管15を通過する冷媒と熱的に接続してある。このような高温蓄熱槽16は、圧縮機11で圧縮した冷媒の熱を高温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0020】
低温蓄熱槽17は、内部に例えば水やブライン等の低温蓄熱材が貯留してあり、かかる低温蓄熱材が、膨張機構13から蒸発器14に至る冷媒配管15を通過する冷媒と熱的に接続してある。このような低温蓄熱槽17は、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱を低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0021】
第1バイパス経路18は、高温蓄熱槽16の下流側にある第1分岐点P1から分岐し、凝縮器12の下流側にある第1合流点P2に合流する態様で配設してある。かかる第1分岐点P1から凝縮器12に至る経路途中には、第1切換弁151が設けてあり、上記第1バイパス経路18の途中には、第1バイパスバルブ181が設けてある。
【0022】
第1切換弁151は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第1切換弁151は、開成する場合には、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が凝縮器12に向けて流れることを許容する一方、閉成する場合には、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が凝縮器12に向けて流れることを規制するものである。
【0023】
第1バイパスバルブ181は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第1バイパスバルブ181は、開成する場合には、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が第1バイパス経路18を流れることを許容する一方、閉成する場合には、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が第1バイパス経路18を流れることを規制するものである。
【0024】
第2バイパス経路19は、低温蓄熱槽17の下流側にある第2分岐点P3から分岐し、蒸発器14の下流側にある第2合流点P4に合流する態様で配設してある。かかる第2分岐点P3から蒸発器14に至る経路途中には、第2切換弁152が設けてあり、上記第2バイパス経路19の途中には、第2バイパスバルブ191が設けてある。
【0025】
第2切換弁152は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第2切換弁152は、開成する場合には、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が蒸発器14に向けて流れることを許容する一方、閉成する場合には、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が蒸発器14に向けて流れることを規制するものである。
【0026】
第2バイパスバルブ191は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第2バイパスバルブ191は、開成する場合には、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が第2バイパス経路19を流れることを許容する一方、閉成する場合には、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が第2バイパス経路19を流れることを規制するものである。
【0027】
高温熱輸送ユニット20は、高温熱取得部21と、複数の高温熱放出部221,222,223とを高温熱輸送配管23で環状に接続して構成したものであり、内部に水等の作動流体が封入してある。
【0028】
高温熱取得部21は、高温蓄熱槽16における高温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該高温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に高温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。
【0029】
高温熱放出部221,222,223は、それぞれ対応する高温熱負荷241,242,243の所定の放熱部位に配設してあり、直列に接続してある。これら高温熱放出部221,222,223は、上流側から下流側に向けて高温熱負荷241,242,243の大きさが小さくなるように接続してある。つまり、高温熱取得部21の出口側に接続された高温熱輸送配管23に接続された高温熱放出部221の高温熱負荷241が最も大きく、高温熱取得部21の入口側に接続された高温熱輸送配管23に接続された高温熱放出部223の高温熱負荷243が最も小さい。
【0030】
低温熱輸送ユニット30は、低温熱取得部31と、複数の低温熱放出部321,322,323とを低温熱輸送配管33で環状に接続して構成したものであり、内部に水やアルコール等の作動流体が封入してある。
【0031】
低温熱取得部31は、低温蓄熱槽17における低温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該低温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に低温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。
【0032】
低温熱放出部321,322,323は、それぞれ対応する低温熱負荷341,342,343の所定の放熱部位に配設してあり、直列に接続してある。これら低温熱放出部321,322,323は、上流側から下流側に向けて低温熱負荷341,342,343の大きさが小さくなるように接続してある。つまり、低温熱取得部31の出口側に接続された低温熱輸送配管33に接続された低温熱放出部321の低温熱負荷341が最も大きく、低温熱取得部31の入口側に接続された低温熱輸送配管33に接続された低温熱放出部323の低温熱負荷343が最も小さい。
【0033】
以上の構成を有する冷媒回路装置では、次のようにして高温熱負荷241,242,243及び低温熱負荷341,342,343に対して熱を輸送することができる。
【0034】
冷媒回路10においては、第1切換弁151及び第2切換弁152が開成し、かつ第1バイパスバルブ181及び第2バイパスバルブ191が閉成した状態で圧縮機11が駆動することで、圧縮機11で圧縮された冷媒が、凝縮器12、膨張機構13及び蒸発器14を経て圧縮機11に吸引されて循環することになる。これにより、高温蓄熱槽16では、圧縮機11で圧縮された冷媒の熱が高温蓄熱材に伝達されることで蓄熱することができ、低温蓄熱槽17では、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱が低温蓄熱材に伝達されることで蓄熱することができる。
【0035】
このように冷媒回路10に冷媒を循環させる場合において、高温蓄熱槽16における蓄熱負荷が大きいときには、制御手段からの指令により第1切換弁151を閉成させるとともに第1バイパスバルブ181を開成させることで、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が第1バイパス経路18を通過するようにすることができる。これにより、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が凝縮器12を通過することを回避することができ、圧力損失の増大を防止することができる。
【0036】
また、低温蓄熱槽17における蓄熱負荷が大きいときには、制御手段からの指令により第2切換弁152を閉成させるとともに第2バイパスバルブ191を開成させることで、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が第2バイパス経路19を通過するようにすることができる。これにより、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が蒸発器14を通過することを回避することができ、圧力損失の増大を防止することができる。
【0037】
上記高温熱輸送ユニット20においては、高温熱取得部21の出口側に接続した高温熱輸送配管23の途中に設けたポンプPが駆動することで、高温熱取得部21で高温蓄熱材より高温熱と熱交換した作動流体が各高温熱放出部221,222,223を順次通過して高温熱取得部21に戻って循環することになる。これにより、高温蓄熱材の高温熱を輸送して、各高温熱負荷241,242,243に対して高温蓄熱槽16の高温熱を伝達することができる。
【0038】
また、上記低温熱輸送ユニット30においては、低温熱取得部31の出口側に接続した低温熱輸送配管33の途中に設けたポンプPが駆動することで、低温熱取得部31で低温蓄熱材より低温熱と熱交換した作動流体が各低温熱放出部321,322,323を順次通過して低温熱取得部31に戻って循環することになる。これにより、低温蓄熱材の低温熱を輸送して、各低温熱負荷341,342,343に対して低温蓄熱槽17の低温熱を伝達することができる。
【0039】
以上説明したように、本実施の形態1である冷媒回路装置においては、高温蓄熱槽16が、圧縮機11で圧縮した冷媒の熱を高温蓄熱材と熱交換して蓄熱し、かつ低温蓄熱槽17が、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱を低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するので、冷媒回路10を循環する冷媒の高温熱及び低温熱を蓄熱することが可能になる。特に、圧縮機11の駆動を発電所や発電設備における発電電力の余剰時に投入される電力により行うことで、電力の有効活用を行うことができる。
【0040】
そして、高温熱輸送ユニット20が、高温熱取得部21と高温熱放出部221,222,223との間で作動流体を循環させることで高温蓄熱材の高温熱を輸送して、各高温熱負荷241,242,243に対して高温蓄熱槽16の高温熱を伝達し、かつ低温熱輸送ユニット30が、低温熱取得部31と低温熱放出部321,322,323との間で作動流体を循環させることで低温蓄熱材の低温熱を輸送して、各低温熱負荷341,342,343に対して低温蓄熱槽17の低温熱を伝達するので、高温蓄熱槽16及び低温蓄熱槽17に蓄熱した熱を有効に利用することができ、高温熱負荷241,242,243や低温熱負荷341,342,343に要する電力の低減化を図ることができる。
【0041】
従って、上記冷媒回路装置によれば、冷媒の低温熱及び高温熱を蓄熱してこれらを利用することで省エネルギー化を図ることができる。
【0042】
以上、本発明の好適な実施の形態1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下のように種々の変更を行うことができる。
【0043】
図2は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置の第1変形例を模式的に示す模式図である。尚、以下においては、上述した実施の形態1である冷媒回路装置と同一の構成を有するものについては同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0044】
図2に例示する冷媒回路装置は、冷媒回路10と、高温熱輸送ユニット40と、低温熱輸送ユニット50とを備えて構成してある。
【0045】
高温熱輸送ユニット40は、高温熱取得部41と、高温熱放出部42とを高温熱輸送配管43で環状に接続して構成したものであり、内部に水等の作動流体が封入してある。
【0046】
高温熱取得部41は、高温蓄熱槽16における高温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該高温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に高温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。
【0047】
高温熱放出部42は、所定の放熱部位に配設してあり、各高温熱負荷443,453,464に設けられた加熱器442,452,463と個別に回路を構成する複数の熱交換部445,455,461と一つの熱交換器を構成している。つまり、この熱交換器は、高温熱放出部42、第1高温熱交換部445、第2高温熱交換部455及び第3高温熱交換部461が図示せぬフィンを介して互いに熱交換可能に配設して構成してある。
【0048】
第1高温熱交換部445は、高温熱放出部42に隣接配置しており、第1圧縮機11、第1加熱器及び第1膨張機構13とともに環状の第1冷媒循環回路44を構成している。第1圧縮機441は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出口より吐出するものである。第1加熱器442は、第1高温熱負荷443に配設してあり、通過する冷媒を凝縮させることで第1高温熱負荷443を加熱するものである。
【0049】
第1膨張機構444は、例えば膨張弁やキャピラリーチューブにより構成してあり、第1加熱器442から供給された冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
【0050】
第1高温熱交換部445は、第1膨張機構444で断熱膨張した冷媒と、高温熱放出部42を通過する作動流体とを熱交換させて該冷媒を蒸発させるものである。
【0051】
第2高温熱交換部455は、第1高温熱交換部445に隣接配置しており、第2圧縮機451、第2加熱器452及び第2膨張機構454とともに環状の第2冷媒循環回路45を構成している。第2圧縮機451は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出口より吐出するものである。第2加熱器452は、第2高温熱負荷453に配設してあり、通過する冷媒を凝縮させることで第2高温熱負荷453を加熱するものである。
【0052】
第2膨張機構454は、例えば膨張弁やキャピラリーチューブにより構成してあり、第2加熱器452から供給された冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
【0053】
第2高温熱交換部455は、第2膨張機構454で断熱膨張した冷媒と、第1高温熱交換部445を通過する冷媒とを熱交換させて蒸発させるものである。
【0054】
第3高温熱交換部461は、第2高温熱交換部455に隣接配置しており、ボイラ462及び第3加熱器463とともに内部に封入された水を循環させる環状の循環回路46を構成している。第3高温熱交換部461は、自身を通過する水と、第2高温熱交換部455を通過する冷媒とを熱交換させて加熱させるものである。ボイラ462は、所定の燃料を燃焼することで自身の密閉空間内にある水を加熱して蒸気を生成するものであるが、該密閉空間内に供給される水は、第3高温熱交換部461で加熱されたものである。第3加熱器463は、第3高温熱負荷464に配設してあり、ボイラ462から供給された蒸気により第3高温熱負荷464を加熱するものである。
【0055】
低温熱輸送ユニット50は、低温熱取得部51と、低温熱放出部52とを低温熱輸送配管53で環状に接続して構成したものであり、内部に水やアルコール等の作動流体が封入してある。
【0056】
低温熱取得部51は、低温蓄熱槽17における低温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該低温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に低温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。
【0057】
低温熱放出部52は、所定の放熱部位に配設してあり、各低温熱負荷545,555,565に設けられた冷却器544,554,564と個別に回路を構成する複数の熱交換部542,552,562と一つの熱交換器を構成している。つまり、この熱交換器は、低温熱放出部52、第1低温熱交換部542、第2低温熱交換部552及び第3低温熱交換部562が図示せぬフィンを介して互いに熱交換可能に配設して構成してある。
【0058】
第1低温熱交換部542は、低温熱放出部52に隣接配置しており、第3圧縮機541、第3膨張機構543及び第1冷却器544とともに環状の第3冷媒循環回路54を構成している。第3圧縮機541は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出口より吐出するものである。第1低温熱交換部542は、第3圧縮機541で圧縮した冷媒と、低温熱放出部52を通過する作動流体とを熱交換させて該冷媒を凝縮させるものである。第3膨張機構543は、例えば膨張弁やキャピラリーチューブにより構成してあり、第1低温熱交換部542から供給された冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。第1冷却器544は、第1低温熱負荷545に配設してあり、通過する冷媒を蒸発させることで第1低温熱負荷545を冷却するものである。
【0059】
第2低温熱交換部552は、第1低温熱交換部542に隣接配置しており、第4圧縮機551、第4膨張機構553及び第2冷却器554とともに環状の第4冷媒循環回路55を構成している。第4圧縮機551は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出口より吐出するものである。第2低温熱交換部552は、第4圧縮機551で圧縮した冷媒と、第1低温熱交換部542を通過する冷媒とを熱交換させて該冷媒を凝縮させるものである。第4膨張機構553は、例えば膨張弁やキャピラリーチューブにより構成してあり、第2低温熱交換部552から供給された冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。第2冷却器554は、第2低温熱負荷555に配設してあり、通過する冷媒を蒸発させることで第2低温熱負荷555を冷却するものである。
【0060】
第3低温熱交換部562は、第2低温熱交換部552に隣接配置しており、第5圧縮機561、第5膨張機構563及び第3冷却器564とともに環状の第5冷媒循環回路56を構成している。第5圧縮機561は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出口より吐出するものである。第3低温熱交換部562は、第5圧縮機561で圧縮した冷媒と、第2低温熱交換部552を通過する冷媒とを熱交換させて該冷媒を凝縮させるものである。第5膨張機構563は、例えば膨張弁やキャピラリーチューブにより構成してあり、第3低温熱交換部562から供給された冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。第3冷却器564は、第3低温熱負荷565に配設してあり、通過する冷媒を蒸発させることで第3低温熱負荷565を冷却するものである。
【0061】
このような構成を有する第1変形例の冷媒回路装置においても、高温蓄熱槽16が、圧縮機11で圧縮した冷媒の熱を高温蓄熱材と熱交換して蓄熱し、かつ低温蓄熱槽17が、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱を低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するので、冷媒回路10を循環する冷媒の高温熱及び低温熱を蓄熱することが可能になる。特に、圧縮機11の駆動を発電所や発電設備における発電電力の余剰時に投入される電力により行うことで、電力の有効活用を行うことができる。
【0062】
そして、高温熱輸送ユニット40が、高温熱取得部41と高温熱放出部42との間で作動流体を循環させることで高温蓄熱材の高温熱を輸送して、各高温熱負荷443,453,464に対して高温蓄熱槽16の高温熱を伝達し、かつ低温熱輸送ユニット50が、低温熱取得部51と低温熱放出部52との間で作動流体を循環させることで低温蓄熱材の低温熱を輸送して、各低温熱負荷545,555,565に対して低温蓄熱槽17の低温熱を伝達するので、高温蓄熱槽16及び低温蓄熱槽17に蓄熱した熱を有効に利用することができ、高温熱負荷443,453,464や低温熱負荷545,555,565に要する電力の低減化を図ることができる。
【0063】
従って、上記冷媒回路装置によれば、冷媒の低温熱及び高温熱を蓄熱してこれらを利用することで省エネルギー化を図ることができる。
【0064】
図3は、本発明の実施の形態1である冷媒回路装置の第2変形例を模式的に示す模式図である。尚、以下においては、上述した実施の形態1である冷媒回路装置と同一の構成を有するものについては同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
【0065】
図3に例示する冷媒回路装置は、冷媒回路100と、第1高温熱輸送ユニット20aと、第2高温熱輸送ユニット20b、第3高温熱輸送ユニット20cと、第1低温熱輸送ユニット30aと、第2低温熱輸送ユニット30bと、第3低温熱輸送ユニット30cとを備えて構成してある。
【0066】
冷媒回路100は、内部に冷媒(例えば二酸化炭素、R134a等)が封入してあり、圧縮機11、凝縮器12、膨張機構13及び蒸発器14が冷媒配管15にて順次接続して環状に構成してある。
【0067】
このような冷媒回路100には、第1高温蓄熱槽16a、第2高温蓄熱槽16b、第3高温蓄熱槽16c、第1低温蓄熱槽17a、第2低温蓄熱槽17b、第3低温蓄熱槽17c、第1バイパス経路18及び第2バイパス経路19が設けてある。
【0068】
第1高温蓄熱槽16aは、内部に例えば水等の高温蓄熱材が貯留してあり、かかる高温蓄熱材が、圧縮機11から吐出されて冷媒配管15を通過する冷媒と熱的に接続してある。このような第1高温蓄熱槽16aは、圧縮機11で圧縮した冷媒の熱を高温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0069】
第2高温蓄熱槽16bは、第1高温蓄熱槽16aの下流側に配設してある。この第2高温蓄熱槽16bは、内部に例えば水等の高温蓄熱材が貯留してあり、かかる高温蓄熱材が、第1高温蓄熱槽16aを通過した冷媒と熱的に接続してある。このような第2高温蓄熱槽16bは、圧縮機11で圧縮し、かつ第1高温蓄熱槽16aを通過した冷媒の熱を高温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0070】
第3高温蓄熱槽16cは、第2高温蓄熱槽16bの下流側に配設してある。この第3高温蓄熱槽16cは、内部に例えば水等の高温蓄熱材が貯留してあり、かかる高温蓄熱材が、第2高温蓄熱槽16bを通過した冷媒と熱的に接続してある。このような第3高温蓄熱槽16cは、圧縮機11で圧縮し、かつ第1高温蓄熱槽16a及び第2高温蓄熱槽16bを通過した冷媒の熱を高温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0071】
これら第1高温蓄熱槽16a、第2高温蓄熱槽16b及び第3高温蓄熱槽16cでは、最も上流側に配設された第1高温蓄熱槽16aの蓄熱温度が最も高くなり、第2高温蓄熱槽16b、第3高温蓄熱槽16cの順に蓄熱温度が低くなる。
【0072】
第1低温蓄熱槽17aは、内部に例えば水やブライン、相変化蓄熱材等の低温蓄熱材が貯留してあり、かかる低温蓄熱材が、膨張機構13から吐出されて冷媒配管15を通過する冷媒と熱的に接続してある。このような第1低温蓄熱槽17aは、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱を低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0073】
第2低温蓄熱槽17bは、第1低温蓄熱槽17aの下流側に配設してある。この第2低温蓄熱槽17bは、内部に例えば水やブライン等の低温蓄熱材が貯留してあり、かかる低温蓄熱材が、第1低温蓄熱槽17aを通過した冷媒と熱的に接続してある。このような第2低温蓄熱槽17bは、膨張機構13で断熱膨張し、かつ第1低温蓄熱槽17aを通過した冷媒の熱を低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0074】
第3低温蓄熱槽17cは、第2低温蓄熱槽17bの下流側に配設してある。この第3低温蓄熱槽17cは、内部に例えば水やブライン等の低温蓄熱材が貯留してあり、かかる低温蓄熱材が、第2低温蓄熱槽17bを通過した冷媒と熱的に接続してある。このような第3低温蓄熱槽17cは、膨張機構13で断熱膨張し、かつ第1低温蓄熱槽17a及び第2低温蓄熱槽17bを通過した冷媒の熱を低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0075】
これら第1低温蓄熱槽17a、第2低温蓄熱槽17b及び第3低温蓄熱槽17cでは、最も上流側に配設された第1低温蓄熱槽17aの蓄熱温度が最も低くなり、第2低温蓄熱槽17b、第3低温蓄熱槽17cの順に蓄熱温度が高くなる。
【0076】
第1バイパス経路18は、第3高温蓄熱槽16cの下流側にある第1分岐点P1から分岐し、凝縮器12の下流側にある第1合流点P2に合流する態様で配設してある。かかる第1分岐点P1から凝縮器12に至る経路途中には、第1切換弁151が設けてあり、上記第1バイパス経路18の途中には、第1バイパスバルブ181が設けてある。
【0077】
第1切換弁151は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第1切換弁151は、開成する場合には、第3高温蓄熱槽16cを通過した冷媒が凝縮器12に向けて流れることを許容する一方、閉成する場合には、第3高温蓄熱槽16cを通過した冷媒が凝縮器12に向けて流れることを規制するものである。
【0078】
第1バイパスバルブ181は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第1バイパスバルブ181は、開成する場合には、第3高温蓄熱槽16cを通過した冷媒が第1バイパス経路18を流れることを許容する一方、閉成する場合には、第3高温蓄熱槽16cを通過した冷媒が第1バイパス経路18を流れることを規制するものである。
【0079】
第2バイパス経路19は、第3低温蓄熱槽17cの下流側にある第2分岐点P3から分岐し、蒸発器14の下流側にある第2合流点P4に合流する態様で配設してある。かかる第2分岐点P3から蒸発器14に至る経路途中には、第2切換弁152が設けてあり、上記第2バイパス経路19の途中には、第2バイパスバルブ191が設けてある。
【0080】
第2切換弁152は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第2切換弁152は、開成する場合には、第3低温蓄熱槽17cを通過した冷媒が蒸発器14に向けて流れることを許容する一方、閉成する場合には、第3低温蓄熱槽17cを通過した冷媒が蒸発器14に向けて流れることを規制するものである。
【0081】
第2バイパスバルブ191は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第2バイパスバルブ191は、開成する場合には、第3低温蓄熱槽17cを通過した冷媒が第2バイパス経路19を流れることを許容する一方、閉成する場合には、第3低温蓄熱槽17cを通過した冷媒が第2バイパス経路19を流れることを規制するものである。
【0082】
第1高温熱輸送ユニット20aは、第1高温熱取得部21aと、第1高温熱放出部22aとを第1高温熱輸送配管23aで環状に接続して構成したものであり、内部に水等の作動流体が封入してある。
【0083】
第1高温熱取得部21aは、第1高温蓄熱槽16aにおける高温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該高温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に高温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。第1高温熱放出部22aは、第4高温熱負荷24aの所定の放熱部位に配設してある。
【0084】
第2高温熱輸送ユニット20bは、第2高温熱取得部21bと、第2高温熱放出部22bとを第2高温熱輸送配管22cで環状に接続して構成したものであり、内部に水等の作動流体が封入してある。
【0085】
第2高温熱取得部21bは、第2高温蓄熱槽16bにおける高温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該高温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に高温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。第2高温熱放出部22bは、第5高温熱負荷24bの所定の放熱部位に配設してある。
【0086】
第3高温熱輸送ユニット20cは、第3高温熱取得部21cと、第3高温熱放出部22cとを第3高温熱輸送配管23cで環状に接続して構成したものであり、内部に水等の作動流体が封入してある。
【0087】
第3高温熱取得部21cは、第3高温蓄熱槽16cにおける高温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該高温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に高温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。第3高温熱放出部22cは、第6高温熱負荷24cの所定の放熱部位に配設してある。
【0088】
第1低温熱輸送ユニット30aは、第1低温熱取得部31aと、第1低温熱放出部32aとを第1低温熱輸送配管33aで環状に接続して構成したものであり、内部に水やアルコール等の作動流体が封入してある。
【0089】
第1低温熱取得部31aは、第1低温蓄熱槽17aにおける低温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該低温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に低温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。第1低温熱放出部32aは、第4低温熱負荷34aの所定の放熱部位に配設してある。
【0090】
第2低温熱輸送ユニット30bは、第2低温熱取得部31bと、第2低温熱放出部32bとを第2低温熱輸送配管33bで環状に接続して構成したものであり、内部に水やアルコール等の作動流体が封入してある。
【0091】
第2低温熱取得部31bは、第2低温蓄熱槽17bにおける低温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該低温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に低温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。第2低温熱放出部32bは、第5低温熱負荷34bの所定の放熱部位に配設してある。
【0092】
第3低温熱輸送ユニット30cは、第3低温熱取得部31cと、第3低温熱放出部32cとを第3低温熱輸送配管33cで環状に接続して構成したものであり、内部に水やアルコール等の作動流体が封入してある。
【0093】
第3低温熱取得部31cは、第3低温蓄熱槽17cにおける低温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該低温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に低温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。第3低温熱放出部32cは、第6低温熱負荷34cの所定の放熱部位に配設してある。
【0094】
以上の構成を有する第2変形例の冷媒回路装置では、次のようにして第4〜第6高温熱負荷24a〜24c及び第4〜第6低温熱負荷34a〜34cに対して熱を輸送することができる。
【0095】
冷媒回路100においては、第1切換弁151及び第2切換弁152が開成し、かつ第1バイパスバルブ181及び第2バイパスバルブ191が閉成した状態で圧縮機11が駆動することで、圧縮機11で圧縮された冷媒が、凝縮器12、膨張機構13及び蒸発器14を経て圧縮機11に吸引されて循環することになる。これにより、第1〜第3高温蓄熱槽16a〜16cでは、それぞれ冷媒の熱が高温蓄熱材に伝達されることで蓄熱することができ、第1〜第3低温蓄熱槽17a〜17cでは、冷媒の熱が低温蓄熱材に伝達されることで蓄熱することができる。
【0096】
このように冷媒回路100に冷媒を循環させる場合において、第1〜第3高温蓄熱槽16a〜16cにおける蓄熱負荷が大きいときには、制御手段からの指令により第1切換弁151を閉成させるとともに第1バイパスバルブ181を開成させることで、第1〜第3高温蓄熱槽16a〜16cを通過した冷媒が第1バイパス経路18を通過するようにすることができる。これにより、第1〜第3高温蓄熱槽16a〜16cを通過した冷媒が凝縮器12を通過することを回避することができ、圧力損失の増大を防止することができる。
【0097】
また、第1〜第3低温蓄熱槽17a〜17cにおける蓄熱負荷が大きいときには、制御手段からの指令により第2切換弁152を閉成させるとともに第2バイパスバルブ191を開成させることで、第1〜第3低温蓄熱槽17a〜17cを通過した冷媒が第2バイパス経路19を通過するようにすることができる。これにより、第1〜第3低温蓄熱槽17a〜17cを通過した冷媒が蒸発器14を通過することを回避することができ、圧力損失の増大を防止することができる。
【0098】
上記第1高温熱輸送ユニット20aにおいては、第1高温熱取得部21aの出口側に接続した第1高温熱輸送配管23aの途中に設けたポンプPが駆動することで、第1高温熱取得部21aで高温蓄熱材より高温熱と熱交換した作動流体が第1高温熱放出部22aを通過して第1高温熱取得部21aに戻って循環することになる。これにより、高温蓄熱材の高温熱を輸送して、第4高温熱負荷24aに対して第1高温蓄熱槽16aの高温熱を伝達することができる。
【0099】
上記第2高温熱輸送ユニット20bにおいては、第2高温熱取得部21bの出口側に接続した第2高温熱輸送配管22cの途中に設けたポンプPが駆動することで、第2高温熱取得部21bで高温蓄熱材より高温熱と熱交換した作動流体が第2高温熱放出部22bを通過して第2高温熱取得部21bに戻って循環することになる。これにより、高温蓄熱材の高温熱を輸送して、第5高温熱負荷24bに対して第2高温蓄熱槽16bの高温熱を伝達することができる。
【0100】
上記第3高温熱輸送ユニット20cにおいては、第3高温熱取得部21cの出口側に接続した第3高温熱輸送配管23cの途中に設けたポンプPが駆動することで、第3高温熱取得部21cで高温蓄熱材より高温熱と熱交換した作動流体が第3高温熱放出部22cを通過して第3高温熱取得部21cに戻って循環することになる。これにより、高温蓄熱材の高温熱を輸送して、第6高温熱負荷24cに対して第3高温蓄熱槽16cの高温熱を伝達することができる。
【0101】
また、上記第1低温熱輸送ユニット30aにおいては、第1低温熱取得部31aの出口側に接続した第1低温熱輸送配管33aの途中に設けたポンプPが駆動することで、第1低温熱取得部31aで低温蓄熱材より低温熱と熱交換した作動流体が第1低温熱放出部32aを通過して第1低温熱取得部31aに戻って循環することになる。これにより、低温蓄熱材の低温熱を輸送して、第4低温熱負荷34aに対して第1低温蓄熱槽17aの低温熱を伝達することができる。
【0102】
上記第2低温熱輸送ユニット30bにおいては、第2低温熱取得部31bの出口側に接続した第2低温熱輸送配管33bの途中に設けたポンプPが駆動することで、第2低温熱取得部31bで低温蓄熱材より低温熱と熱交換した作動流体が第2低温熱放出部32bを通過して第2低温熱取得部31bに戻って循環することになる。これにより、低温蓄熱材の低温熱を輸送して、第5低温熱負荷34bに対して第2低温蓄熱槽17bの低温熱を伝達することができる。
【0103】
上記第3低温熱輸送ユニット30cにおいては、第3低温熱取得部31cの出口側に接続した第3低温熱輸送配管33cの途中に設けたポンプPが駆動することで、第3低温熱取得部31cで低温蓄熱材より低温熱と熱交換した作動流体が第3低温熱放出部32cを通過して第3低温熱取得部31cに戻って循環することになる。これにより、低温蓄熱材の低温熱を輸送して、第6低温熱負荷34cに対して第3低温蓄熱槽17cの低温熱を伝達することができる。
【0104】
このような第2変形例の冷媒回路装置においては、第1〜第3高温蓄熱槽16a〜16cが、圧縮機11で圧縮した冷媒の熱を高温蓄熱材と熱交換して蓄熱し、かつ第1〜第3低温蓄熱槽17a〜17cが、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱を低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するので、冷媒回路100を循環する冷媒の高温熱及び低温熱を蓄熱することが可能になる。特に、圧縮機11の駆動を発電所や発電設備における発電電力の余剰時に投入される電力により行うことで、電力の有効活用を行うことができる。
【0105】
そして、第1〜第3高温熱輸送ユニット20cが、それぞれ作動流体を循環させることで高温蓄熱材の高温熱を輸送して、第4〜第6高温熱負荷24a〜24cに対して第1〜第3高温蓄熱槽16a〜16cの高温熱を伝達し、かつ第1〜第3低温熱輸送ユニット30cが、作動流体を循環させることで低温蓄熱材の低温熱を輸送して、第4〜第6低温熱負荷34a〜34cに対して第1〜第3低温蓄熱槽17a〜17cの低温熱を伝達するので、第1〜第3高温蓄熱槽16a〜16c及び第1〜第3低温蓄熱槽17a〜17cに蓄熱した熱を有効に利用することができ、第4〜第6高温熱負荷24a〜24cや第4〜第6低温熱負荷34a〜34cに要する電力の低減化を図ることができる。
【0106】
従って、上記冷媒回路装置によれば、冷媒の低温熱及び高温熱を蓄熱してこれらを利用することで省エネルギー化を図ることができる。
【0107】
<実施の形態2>
図4は、本発明の実施の形態2である冷媒回路装置を模式的に示す模式図である。尚、上述した実施の形態1である冷媒回路装置と同一の構成を有するものには同一の符号を付して説明する。ここで例示する冷媒回路装置は、冷媒回路10と、高温熱輸送ユニット60と、低温熱輸送ユニット70とを備えて構成してある。
【0108】
冷媒回路10は、内部に冷媒(例えば二酸化炭素、R134a等)が封入してあり、圧縮機11、凝縮器12、膨張機構13及び蒸発器14が冷媒配管15にて順次接続して環状に構成してある。
【0109】
圧縮機11は、吸引口を通じて冷媒を吸引し、吸引した冷媒を圧縮して高温高圧の状態にして吐出口より吐出するものである。この圧縮機11は、例えば、火力発電所、風力発電所等の発電所、あるいは太陽光発電、地熱発電等の発電設備から発電電力の余剰時に投入される電力により駆動するものである。
【0110】
凝縮器12は、通過する冷媒を凝縮させるものである。より詳細に説明すると、圧縮機11で圧縮され、かつ吐出口から吐出されて冷媒配管15を通じて送出された冷媒を周囲空気と熱交換させて凝縮させるものである。
【0111】
膨張機構13は、例えば膨張弁やキャピラリーチューブにより構成してあり、凝縮器12から供給された冷媒を減圧して断熱膨張させるものである。
【0112】
蒸発器14は、所定の冷却対象室に配設してあり、通過する冷媒を蒸発させるものである。より詳細に説明すると、蒸発器14は、膨張機構13で断熱膨張した冷媒を蒸発させることで冷却対象室の内部雰囲気を冷却するものである。
【0113】
このような冷媒回路10には、高温蓄熱槽16、低温蓄熱槽17、第1バイパス経路18及び第2バイパス経路19が設けてある。
【0114】
高温蓄熱槽16は、内部に例えば水等の高温蓄熱材が貯留してあり、かかる高温蓄熱材が、圧縮機11から凝縮器12に至る冷媒配管15を通過する冷媒と熱的に接続してある。このような高温蓄熱槽16は、圧縮機11で圧縮した冷媒の熱を高温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0115】
低温蓄熱槽17は、内部に例えば水やブライン等の低温蓄熱材が貯留してあり、かかる低温蓄熱材が、膨張機構13から蒸発器14に至る冷媒配管15を通過する冷媒と熱的に接続してある。このような低温蓄熱槽17は、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱を低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するものである。
【0116】
第1バイパス経路18は、高温蓄熱槽16の下流側にある第1分岐点P1から分岐し、凝縮器12の下流側にある第1合流点P2に合流する態様で配設してある。かかる第1分岐点P1から凝縮器12に至る経路途中には、第1切換弁151が設けてあり、上記第1バイパス経路18の途中には、第1バイパスバルブ181が設けてある。
【0117】
第1切換弁151は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第1切換弁151は、開成する場合には、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が凝縮器12に向けて流れることを許容する一方、閉成する場合には、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が凝縮器12に向けて流れることを規制するものである。
【0118】
第1バイパスバルブ181は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第1バイパスバルブ181は、開成する場合には、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が第1バイパス経路18を流れることを許容する一方、閉成する場合には、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が第1バイパス経路18を流れることを規制するものである。
【0119】
第2バイパス経路19は、低温蓄熱槽17の下流側にある第2分岐点P3から分岐し、蒸発器14の下流側にある第2合流点P4に合流する態様で配設してある。かかる第2分岐点P3から蒸発器14に至る経路途中には、第2切換弁152が設けてあり、上記第2バイパス経路19の途中には、第2バイパスバルブ191が設けてある。
【0120】
第2切換弁152は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第2切換弁152は、開成する場合には、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が蒸発器14に向けて流れることを許容する一方、閉成する場合には、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が蒸発器14に向けて流れることを規制するものである。
【0121】
第2バイパスバルブ191は、例えば電磁弁のような開閉可能な弁体であり、図示せぬ制御手段からの開閉指令に応じて開閉するものである。第2バイパスバルブ191は、開成する場合には、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が第2バイパス経路19を流れることを許容する一方、閉成する場合には、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が第2バイパス経路19を流れることを規制するものである。
【0122】
高温熱輸送ユニット60は、高温熱取得部61と、高温熱放出部62とを高温熱輸送配管63で環状に接続して構成したものであり、内部に水等の作動流体が封入してある。
【0123】
高温熱取得部61は、高温蓄熱槽16における高温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該高温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に高温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。高温熱放出部62は、高温熱負荷64の所定の放熱部位に配設してある。
【0124】
低温熱輸送ユニット70は、低温熱取得部71と、低温熱放出部72とを低温熱輸送配管73で環状に接続して構成したものであり、内部に水やアルコール等の作動流体が封入してある。
【0125】
低温熱取得部71は、低温蓄熱槽17における低温蓄熱材に浸漬した状態で配設してあり、該低温蓄熱材に熱的に接続されることで、自身を通過する作動流体に低温蓄熱材の熱と熱交換させるものである。低温熱放出部72は、低温熱負荷74の所定の放熱部位に配設してある。
【0126】
このような冷媒回路装置においては、ドレン水輸送手段80が設けてある。ドレン水輸送手段80は、ドレン皿81と、ドレン水輸送配管82とを備えて構成してある。ドレン皿81は、蒸発器14が配設された冷却対象室141に配設してあり、蒸発器14あるいは冷却対象室141から生ずる結露水等のドレン水を貯留するものである。ドレン水輸送配管82は、ドレン皿81に貯留されたドレン水を低温蓄熱槽17まで輸送するものである。
【0127】
以上の構成を有する冷媒回路装置では、次のようにして高温熱負荷64及び低温熱負荷74に対して熱を輸送することができる。
【0128】
冷媒回路10においては、第1切換弁151及び第2切換弁152が開成し、かつ第1バイパスバルブ181及び第2バイパスバルブ191が閉成した状態で圧縮機11が駆動することで、圧縮機11で圧縮された冷媒が、凝縮器12、膨張機構13及び蒸発器14を経て圧縮機11に吸引されて循環することになる。これにより、高温蓄熱槽16では、圧縮機11で圧縮された冷媒の熱が高温蓄熱材に伝達されることで蓄熱することができ、低温蓄熱槽17では、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱が低温蓄熱材に伝達されることで蓄熱することができる。
【0129】
このように冷媒回路10に冷媒を循環させる場合において、高温蓄熱槽16における蓄熱負荷が大きいときには、制御手段からの指令により第1切換弁151を閉成させるとともに第1バイパスバルブ181を開成させることで、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が第1バイパス経路18を通過するようにすることができる。これにより、高温蓄熱槽16を通過した冷媒が凝縮器12を通過することを回避することができ、圧力損失の増大を防止することができる。
【0130】
また、低温蓄熱槽17における蓄熱負荷が大きいときには、制御手段からの指令により第2切換弁152を閉成させるとともに第2バイパスバルブ191を開成させることで、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が第2バイパス経路19を通過するようにすることができる。これにより、低温蓄熱槽17を通過した冷媒が蒸発器14を通過することを回避することができ、圧力損失の増大を防止することができる。
【0131】
上記高温熱輸送ユニット60においては、高温熱取得部61の出口側に接続した高温熱輸送配管63の途中に設けたポンプPが駆動することで、高温熱取得部61で高温蓄熱材より高温熱と熱交換した作動流体が高温熱放出部62を通過して高温熱取得部61に戻って循環することになる。これにより、高温蓄熱材の高温熱を輸送して、高温熱負荷64に対して高温蓄熱槽16の高温熱を伝達することができる。
【0132】
また、上記低温熱輸送ユニット70においては、低温熱取得部71の出口側に接続した低温熱輸送配管73の途中に設けたポンプPが駆動することで、低温熱取得部71で低温蓄熱材より低温熱と熱交換した作動流体が低温熱放出部72を通過して低温熱取得部71に戻って循環することになる。これにより、低温蓄熱材の低温熱を輸送して、低温熱負荷74に対して低温蓄熱槽17の低温熱を伝達することができる。
【0133】
以上説明したように、本実施の形態2である冷媒回路装置においては、高温蓄熱槽16が、圧縮機11で圧縮した冷媒の熱を高温蓄熱材と熱交換して蓄熱し、かつ低温蓄熱槽17が、膨張機構13で断熱膨張した冷媒の熱を低温蓄熱材と熱交換して蓄熱するので、冷媒回路10を循環する冷媒の高温熱及び低温熱を蓄熱することが可能になる。特に、圧縮機11の駆動を発電所や発電設備における発電電力の余剰時に投入される電力により行うことで、電力の有効活用を行うことができる。
【0134】
そして、高温熱輸送ユニット60が、高温熱取得部61と高温熱放出部62との間で作動流体を循環させることで高温蓄熱材の高温熱を輸送して、高温熱負荷64に対して高温蓄熱槽16の高温熱を伝達し、かつ低温熱輸送ユニット70が、低温熱取得部71と低温熱放出部72との間で作動流体を循環させることで低温蓄熱材の低温熱を輸送して、低温熱負荷74に対して低温蓄熱槽17の低温熱を伝達するので、高温蓄熱槽16及び低温蓄熱槽17に蓄熱した熱を有効に利用することができ、高温熱負荷64や低温熱負荷74に要する電力の低減化を図ることができる。
【0135】
従って、上記冷媒回路装置によれば、冷媒の低温熱及び高温熱を蓄熱してこれらを利用することで省エネルギー化を図ることができる。
【0136】
しかも、ドレン水輸送手段80により、冷却対象室141に貯留されたドレン水を低温蓄熱槽17まで輸送することで、ドレン水の冷熱も低温蓄熱材で蓄熱することができ、更なる省エネルギー化を図ることができる。
【0137】
以上、本発明の好適な実施の形態2について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0138】
上述した実施の形態2では、ドレン水を低温蓄熱槽17に輸送していただけであるが、本発明においては、かかるドレン水を低温蓄熱槽17に貯留してもよいし、低温蓄熱槽17に輸送後に排出してもよい。
【0139】
上述した実施の形態2では、高温蓄熱槽16は凝縮器12と別個のものであったが、本発明においては、高温蓄熱槽と凝縮器とを同一の構成体として用いてもよい。
【符号の説明】
【0140】
10 冷媒回路
11 圧縮機
12 凝縮器
13 膨張機構
14 蒸発器
15 冷媒配管
151 第1切換弁
152 第2切換弁
16 高温蓄熱槽
17 低温蓄熱槽
18 第1バイパス経路
181 第1バイパスバルブ
19 第2バイパス経路
191 第2バイパスバルブ
20 高温熱輸送ユニット
21 高温熱取得部
221 高温熱放出部
222 高温熱放出部
223 高温熱放出部
23 高温熱輸送配管
241 高温熱負荷
242 高温熱負荷
243 高温熱負荷
30 低温熱輸送ユニット
31 低温熱取得部
321 低温熱放出部
322 低温熱放出部
323 低温熱放出部
33 低温熱輸送配管
341 低温熱負荷
342 低温熱負荷
343 低温熱負荷

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発器と、蒸発器で蒸発した冷媒を吸引して圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮した冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器で凝縮した冷媒を断熱膨張させる膨張機構とを冷媒配管で順次接続して構成され、かつ封入された冷媒を循環させる冷媒回路を備えた冷媒回路装置において、
前記圧縮機で圧縮した冷媒の熱を自身の高温蓄熱材と熱交換して蓄熱する高温蓄熱槽と、
前記膨張機構で断熱膨張した冷媒の熱を自身の低温蓄熱材と熱交換して蓄熱する低温蓄熱槽と、
前記高温蓄熱材に熱的に接続させた高温熱取得部と、高温熱負荷に熱的に接続可能な放熱部位に配設された高温熱放出部とを備え、これら高温熱取得部と高温熱放出部との間で封入された作動流体を循環させることで前記高温蓄熱材の熱を輸送する高温熱輸送手段と、
前記低温蓄熱材に熱的に接続させた低温熱取得部と、低温熱負荷に熱的に接続可能な放熱部位に配設された低温熱放出部とを備え、これら低温熱取得部と低温熱放出部との間で封入された作動流体を循環させることで前記低温蓄熱材の熱を輸送する低温熱輸送手段と
を備えたことを特徴とする冷媒回路装置。
【請求項2】
前記蒸発器又は前記蒸発器が配設された室から生じたドレン水を前記低温蓄熱槽に輸送して、前記低温蓄熱材に該ドレン水の熱を蓄熱させるドレン水輸送手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の冷媒回路装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−2718(P2013−2718A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133639(P2011−133639)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】