説明

冷媒圧縮機

【課題】潤滑油の粘度を低下させても、さらに、高分子材料の部品が増加しても、高効率で信頼性が高い冷媒圧縮機を提供する。
【解決手段】冷媒圧縮機の潤滑油中に含有され、かつ使用する高分子に含まれる2量体〜5量体の環状オリゴマーの総量を、500mg以下とすることにより、潤滑油の粘度を低下させても、高分子材料で形成される部品量が増加しても、環状オリゴマーによるシステムのキャピラリーの閉塞を防止し、システムおよび冷媒圧縮機の信頼性の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫、エアーコンディショナー等に使用される冷媒圧縮機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の冷媒圧縮機としては、地球環境保護の観点から化石燃料の使用を少なくする高効率の冷媒圧縮機の開発が進められており、その中で特に潤滑剤の粘度を低下させて摺動損失の低減を図るとともに、多くの高分子材料を使用した冷媒圧縮機が知られている(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
【0003】
以下、図面を参照しながら上記従来の冷媒圧縮機について説明する。
【0004】
図4は、従来技術の密閉型電動冷媒圧縮機の断面図である。図5は、同圧縮機における図4のB部の拡大図である。
【0005】
密閉容器2内には、巻線5と絶縁紙7とからなる固定子4と回転子6とで形成する電動要素8と、この電動要素8により回転駆動される圧縮要素10がそれぞれ収納され、また、底部には、粘度がVG3〜VG10の潤滑油12を貯留している。
【0006】
電動要素8と圧縮要素10とは、一体に組み立てられて圧縮機構14を構成しており、この圧縮機構14は、複数のコイルばね16により、密閉容器2内に弾性的に支持されている。
【0007】
圧縮要素10は、主軸部20とツバ部22を介して形成された偏心軸部24を備えたシャフト26と、圧縮室30を形成するシリンダーブロック32と、シリンダーブロック32に設けられシャフト26を支持する主軸受34とを備えている。さらに、圧縮要素10は、圧縮室30内で往復運動するピストン36と、ピストン36と偏心軸部24を連結する連結機構38を備えている。
【0008】
また、圧縮要素10は、シャフト26のツバ部22の下部39に設けられ、主軸部20の軸心40aと略直角に設けられた上レース着座面42と、主軸受34の上部に主軸受34の軸心40bと略直角に設けられ、かつシャフト26や回転子6の重力方向の荷重を支持するスラスト摺動部44と、上レース着座面42とスラスト摺動部44との間に設けられたスラストボールベアリング46を備え、レシプロ式密閉型圧縮機を形成している。
【0009】
サクションチューブ21は、密閉容器2に固定され、かつ冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続されており、冷媒ガス(図示せず)を密閉容器2内に導く。サクションマフラー23は、バルブプレート25とヘッド27に挟持されている。
【0010】
シャフト26は、一端が密閉容器2内に貯留した潤滑油12に連通する給油機構50と、主軸部20に、給油機構50によって汲み上げられた潤滑油12の一部をスラスト摺動部44に供給する給油溝52を有している。
【0011】
電動要素8は、シリンダーブロック32の下方に固定された固定子4と主軸部20に焼嵌めなどで固定された回転子6とから構成されている。
【0012】
スラストボールベアリング46は、複数のボール60と、ボール60を保持するホルダ
ー部62と、ボール60の上下に各々配設された上レース64と下レース66とを備えている。そして、上レース64はツバ部22の上レース着座面42と接しており、下レース66は、スラスト摺動部44と接している。
【0013】
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
【0014】
電動要素8に外部電源(図示せず)より通電がされると、回転子6が回転し、これに伴ってシャフト26が回転する。そして、偏心軸部24の旋回運動が連結機構38を介して往復運動に変換され、ピストン36に伝えられる。その結果、ピストン36は圧縮室30内で往復運動を行い、圧縮要素10が所定の圧縮動作を行う。
【0015】
この動作により、冷媒ガスは冷却システム(図示せず)から圧縮室30内へ吸入、圧縮された後、再び冷却システムへと吐出される。
【0016】
このときに、シャフト26の給油機構50は、潤滑油12を汲み上げ、各摺動部(図示せず)を潤滑する。そして、潤滑油12の一部は、給油溝52からスラスト摺動部44へ供給されてスラストボールベアリング46を潤滑する。
【0017】
シャフト26と回転子6の重量は、スラストボールベアリング46で支えられると共に、シャフト26の回転時は、ボール60が上レース64と下レース66との間で転がる。このことにより、シャフト26を回転させるトルクは、スラストすべり軸受けに比べて小さくなる。そのために、スラスト軸受けでの損失を小さくすることができ、入力を低減することができるので、圧縮動作を高効率で行うことができる。
【0018】
また、絶縁紙7の材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であり、サクションマフラー23の材料は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)であり、ホルダー部62はポリアミド(PA)である。さらに、インバーターモーターにおける絶縁部材には、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ならびにポリフェニレンスルフィド(PPS)が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特開平10−339289号公報
【特許文献2】特開2003−105099号公報
【特許文献3】特開2007−292018号公報
【特許文献4】特開2009−221872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、従来のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)ならびにポリフェニレンスルフィド(PPS)においては、各高分子材料に含まれるオリゴマー量の含有率を規制しているが、上記高分子材料に含まれるオリゴマーが全て抽出された場合、冷却システムを構成するキャピラリーが閉塞するという問題があった。
【0021】
特に、近年、潤滑油の低粘度化が進むにつれて高分子材料からオリゴマー抽出する速度が速くなり、さらに、高効率化のためにボールの保持器としてポリアミド(PA)材料を用いたスラストボールベアリングを使用していることから、コンプレッサー内のオリゴマーの総量が増加することで、キャピラリーが閉塞する可能性が高くなる課題があった。
【0022】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、圧縮機に使用する高分子材料に含まれる2量体〜5量体の環状オリゴマーの総量を500mg以下とすることで、潤滑油の粘度を低下させても、さらに高分子材料の部品が増加しても、高効率で信頼性が高い冷媒圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の冷媒圧縮機は、密閉容器内に、粘度がVG3〜VG10の潤滑油を貯留するとともに、電動要素と、前記電動要素によって駆動され、かつ冷媒を圧縮する圧縮要素を収容し、前記電動要素ならびに前記圧縮要素を構成する少なくとも一つの部材を、高分子材料からなるものとし、前記高分子に含まれる2量体〜5量体の環状オリゴマーの総量を500mg以下としたものである。
【0024】
かかることにより、潤滑油の粘度を低下させても、また、高分子材料の部品が増加しても、システムのキャピラリーが閉塞することを防止し、冷媒圧縮機における効率の向上、並びに信頼性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の冷媒圧縮機は、電動要素ならびに圧縮要素を構成する少なくともひとつの部材が高分子材料からなるものとし、前記高分子に含まれる2量体〜5量体の環状オリゴマーの総量を500mg以下とすることにより、潤滑油の粘度を低下させても、また、高分子材料の部品が増加しても、システムのキャピラリーが閉塞することを防止し、高効率で信頼性が高い冷媒圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態1における冷媒圧縮機の断面図
【図2】同冷媒圧縮機における図1のA部の拡大図
【図3】オリゴマー量とキャピラリー閉塞の関係を示した説明図
【図4】従来例を示す冷媒圧縮機の断面図
【図5】同圧縮機における図4のB部の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0027】
請求項1に記載の発明は、密閉容器内に、粘度がVG3〜VG10の潤滑油を貯留するとともに、電動要素と、前記電動要素によって駆動され、冷媒を圧縮する圧縮要素を収容し、前記電動要素ならびに前記圧縮要素を構成する少なくとも一つの部材が高分子材料であり、前記高分子に含まれる2量体〜5量体の環状オリゴマーの総量を500mg以下としたものである。
【0028】
かかることにより、潤滑油の粘度を、VG3〜VG22の範囲としても、システムのキャピラリーが閉塞することを防止し、システムおよび圧縮機の信頼性を向上することができる。
【0029】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記高分子材料を、少なくともポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)ならびにポリフェニレンスルフィド(PPS)のいずれか一つとしたものである。
【0030】
かかることにより、個々の高分子材料から全てのオリゴマーが抽出しても、システムのキャピラリーが閉塞することを防止し、信頼性が向上する。
【0031】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記冷媒を
、R600a、またはR600aを主成分とする混合物とし、前記潤滑油を、鉱油、エステル油またはアルキルベンゼン油、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコールのいずれか一つ、またはこれらの混合物としたものである。
【0032】
かかることにより、前記潤滑油の粘度をVG3〜VG10としても、システムのキャピラリーが閉塞することを防止し、信頼性を向上することができる。
【0033】
請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記冷媒を、R134a、R134aを主成分とする混合物、あるいはR1234yfまたはR1234yfを主成分とする混合物とし、前記潤滑油を、エステル油、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコールのいずれか一つ、またはこれらの混合物としたものである。
【0034】
かかることにより、前記潤滑油の粘度をVG3〜VG10としても、システムのキャピラリーが閉塞することを防止し、信頼性を向上することができる。
【0035】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の発明において、前記圧縮要素を、回転子と該回転子に連結されたシャフトの自重を支えるスラスト軸受部を有する構成とし、前記スラスト軸受部を、スラストボールベアリングを具備する構成としたもので、スラストボールベアリングの軸受機能を維持することができ、圧縮機の信頼性を維持することができる。
【0036】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態よってこの発明が限定されるものではない。
【0037】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における冷媒圧縮機の断面図である。図2は、同冷媒圧縮機における図1のA部の拡大図である。図3はオリゴマー量とキャピラリー閉塞の関係を示した説明図である。
【0038】
図1、図2において、密閉容器102内には、固定子104と回転子106とからなる電動要素108と、この電動要素108により回転駆動される圧縮要素110がそれぞれ収納され、また、底部には、潤滑油112として粘度がVG3〜VG10の鉱油を貯留している。電動要素108と圧縮要素110は、一体に組み立てられて圧縮機構114を構成している。この圧縮機構114は、複数のコイルばね116により、密閉容器102内に弾性的に支持されている。
【0039】
圧縮要素110は、主軸部120とツバ部122を介して形成された偏心軸部124を備えるシャフト126と、圧縮室130を形成するシリンダーブロック132と、シリンダーブロック132に設けられ、かつシャフト126を支持する主軸受134とを備えている。さらに、圧縮要素110は、圧縮室130内で往復運動するピストン136と、ピストン136と偏心軸部124とを連結する連結機構138を備えている。また、圧縮要素110は、シャフト126のツバ部122の下部139に設けられ、主軸部120の軸心140aと略直角に設けられた上レース着座面142と、主軸受134の上部に、主軸受134の軸心140bと略直角に設けられ、かつシャフト126や回転子106の重力方向の荷重を支持するスラスト摺動部144と、上レース着座面142とスラスト摺動部144の間に設けられたスラストボールベアリング146を備え、レシプロ式密閉型圧縮機を形成している。
【0040】
サクションチューブ121は、密閉容器102に固定されるとともに、冷却システムの低圧側(図示せず)に接続され、冷媒ガス(図示せず)を密閉容器102内に導く。サク
ションマフラー123は、バルブプレート125とヘッド127に挟持されている。
【0041】
シャフト126は、一端が密閉容器102内に貯留した潤滑油112に浸漬し、潤滑油112を汲み上げ可能とした給油機構150と、給油機構150によって汲み上げられた潤滑油112の一部を、主軸部120のスラスト摺動部144に供給する給油溝152を有している。
【0042】
電動要素108は、シリンダーブロック132の下方に固定された固定子104と、主軸部120に焼嵌めなどで固定された回転子106とから構成されている。
【0043】
スラストボールベアリング146は、複数のボール160と、ボール160を保持するホルダー部162と、ボール160の上下に各々配設された上レース164と下レース166とを備えている。そして、上レース164は、ツバ部122の上レース着座面142と接しており、下レース166は、スラスト摺動部144と接している。
【0044】
以上のように構成された密閉型圧縮機について、以下その動作を説明する。
【0045】
電動要素108へ外部電源(図示せず)が通電されると、回転子106が回転し、これに伴ってシャフト126が回転する。そして、偏心軸部124の旋回運動が連結機構138を介して往復運動に変換され、ピストン136に伝えられる。このことにより、ピストン136は圧縮室130内で往復運動を行い、圧縮要素110が所定の圧縮動作を行う。それにより、冷媒ガスならびに潤滑油112は、冷却システム(図示せず)から圧縮室130内へ吸入され、圧縮された後、再び冷却システムへと吐出される。
【0046】
シャフト126の回転に伴い、シャフト126の給油機構150は、潤滑油112を汲み上げ、各摺動部(図示せず)を潤滑する。そして、潤滑油112の一部は、給油溝152からスラスト摺動部144へ供給され、スラストボールベアリング146を潤滑する。
【0047】
このとき、潤滑油112内には高分子材料から抽出されたオリゴマーが含まれているが、使用する高分子材料に含まれる2量体〜5量体の環状オリゴマーの総量を500mg以下としていることから、当然、潤滑油112内に含まれるオリゴマー量は500mg以下となっている。したがって、オリゴマーによるシステムのキャピラリーの詰りが防止でき、システムにおける信頼性の向上を図ることができる。
【0048】
ここで、図3を用いて、オリゴマー量とキャピラリー閉塞の関係について説明する。
【0049】
図3は、R600a冷媒を使用する冷蔵庫システムに搭載したコンプレッサーの潤滑油に、あらかじめ約200mg〜600mgのPETオリゴマーを入れたVG8の鉱油を採用し、その冷蔵庫システムを稼動させた際のキャピラリー閉塞率を示した図である。なお、使用したPETオリゴマーは、PETフィルムからクロロフォルムを用いたソックスレイ抽出法により抽出したものである。
【0050】
図3に示した結果から、PETオリゴマー量が300mg以上になると、キャピラリーが目詰まりを生じる閉塞率が2〜3%に微増し、PETオリゴマー量が600mg近傍になると、その閉塞率が約50%に急増していることが分かる。このことは、油中に存在するPETオリゴマーが増加することにより、冷却システム内に吐出される油を媒体として、冷却システム内のPETオリゴマー量も増加し、その量が一定値を超えることにより、減圧機構であるキャピラリー部を通過できずに堆積することを示している。
【0051】
その結果、閉塞率が増加していると考えられる。したがって、冷却システム内へのPE
Tオリゴマーの吐出量(吐き出し量)を制限するために、媒体である油中に抽出するオリゴマー量を600mg以下に制限することは有効な手段である。さらに、300mg以下にすることで、さらなる効果が得られることは、本実施の形態における検討結果より明白である。
【0052】
また、近年、システム技術においては、高効率化を図るために潤滑油の粘度を低くする傾向にある。しかしながら、潤滑油の低粘度化にともない、当然、分子量の低い成分が多くなることは言うまでもない。この低分子量成分が、コンプレッサーに使用している高分子材料の分子間に入り込み、2量体〜5量体の環状オリゴマーを抽出させる。
【0053】
したがって、油の分子量の低い成分が多くなることで、オリゴマーの抽出速度が速くなる可能性があり、短期間でオリゴマーを多量に抽出させる可能性がある。しかし、油中にオリゴマーを封入して行った図3に示す検討は、オリゴマーの抽出速度が速くなる傾向を最大限に加速したものであり、このことから考え、油の低粘度化によりオリゴマーの抽出速度が速くなっても、2量体〜5量体の環状オリゴマーを500mg以下にすることにより、キャピラリーの閉塞が防止できる。
【0054】
また、本実施の形態においては、R600aの冷媒と、潤滑油に粘度がVG8の鉱油を挙げて説明したが、使用する油の粘度がVG3〜VG10であれば、抽出速度の観点から同様の効果が得られる。さらに使用する冷媒がR600aを主成分とする混合物とし、油をエステル油またはアルキルベンゼン油、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコールのいずれか一つ、または、これらを鉱油の混合物としても同様の効果が得られる。
【0055】
また、使用する冷媒を、R134a、R134aを主成分とする混合物、R1234yf、またはR1234yfを主成分とする混合物とし、油を、エステル油、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコールのいずれか一つ、またはこれらの混合物としても、オリゴマーの抽出並びにキャピラリー閉塞の関係から考えて、同様の効果が期待できる。
【0056】
なお、本実施の形態においては、往復動式の冷媒圧縮機を例示して説明したが、回転式やスクロール式、振動式等、摺動部や吐出弁を有する他の圧縮機においても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明にかかる冷媒圧縮機は、低粘度潤滑剤を用いながら信頼性が高い圧縮機を提供することが可能となるので、冷凍サイクルを用いた機器に幅広く適用できる。
【符号の説明】
【0058】
102 密閉容器
106 回転子
108 電動要素
110 圧縮要素
112 潤滑油
126 シャフト
144 スラスト摺動部
146 スラストボールベアリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器内に、粘度がVG3〜VG10の潤滑油を貯留するとともに、電動要素と、前記電動要素によって駆動され、冷媒を圧縮する圧縮要素を収容し、前記電動要素ならびに前記圧縮要素を構成する少なくとも一つの部材が高分子材料であり、前記高分子に含まれる2量体〜5量体の環状オリゴマーの総量を500mg以下とした冷媒圧縮機。
【請求項2】
前記高分子材料を、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)ならびにポリフェニレンスルフィド(PPS)とした請求項1に記載の冷媒圧縮機。
【請求項3】
前記冷媒を、R600a、またはR600aを主成分とする混合物とし、前記潤滑油を、鉱油、エステル油またはアルキルベンゼン油、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコールのいずれか一つ、またはこれらの混合物とした請求項1または2に記載の冷媒圧縮機。
【請求項4】
前記冷媒を、R134a、R134aを主成分とする混合物、あるいはR1234yfまたはR1234yfを主成分とする混合物とし、前記潤滑油を、エステル油、ポリビニルエーテル、ポリアルキレングリコールのいずれか一つ、またはこれらの混合物とした請求項1または2に記載の冷媒圧縮機。
【請求項5】
前記圧縮要素を、回転子と該回転子に連結されたシャフトの自重を支えるスラスト軸受部を有する構成とし、前記スラスト軸受部を、スラストボールベアリングを具備する構成とした請求項1から4のいずれか一項に記載の冷媒圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−11216(P2013−11216A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144005(P2011−144005)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】