説明

冷温風装置および冷温風装置の蓄熱方法

【課題】液体蓄熱材の液位が変化しても、熱源から液体蓄熱材への蓄熱に支障が生じにくく、また、熱源から液体蓄熱材への蓄熱を効率よく行うことができる、冷温風装置などを提供することを目的とする。
【解決手段】液体蓄熱材2を貯留する蓄熱槽3と、この蓄熱槽3の上部に配設した熱源4と、この熱源4の表面41(放熱面又は吸熱面)に液体蓄熱材2を噴流衝突させて液体蓄熱材2に蓄熱させる噴流蓄熱手段(51,52,53)と、この噴流蓄熱手段(51.52.53)によって蓄熱した液体蓄熱材2に、装置内部に取り込んだ外気9を噴出させて、液体蓄熱材2と外気9との間で直接接触熱交換する熱交換手段(61,62)と、を備えた冷温風装置1とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷温風装置および冷温風装置の蓄熱方法に関する。詳しくは、蓄熱式(蓄冷蓄熱式)の冷温風装置および蓄熱式の冷温風装置の蓄熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
冷温風装置として様々な構造のものが実用化されている。なかでも、蓄熱式の冷温風装置は、簡単な構造であり消費電力も比較的少ないため、エコロジーの観点から脚光を浴びている。このような冷温風装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものが挙げられる。
【0003】
特許文献1には「ペルチェ素子と、ペルチェ素子に通電する電流を制御する電流制御手段と、ペルチェ素子の放熱面と熱伝達されるように設けられた蓄熱槽(1)と、吸熱面と熱伝達されるように設けられた蓄熱槽(2)と、蓄熱槽(1)と蓄熱槽(2)の異なる熱量をゼーベック素子の二面ある受熱面に個別に熱伝達されるように設けられた熱起電力部と、熱起電力を動力源として駆動する送風手段を有する熱交換器とを備えた熱電池式冷温風装置において、前記電流制御手段が運転を停止した後においても蓄熱槽(1)と蓄熱槽(2)の温度差による熱起電力をもって運転が出来ることを特徴とする熱電池式冷温風装置」が記載されており、これによって「深夜電力の有効利用と空調機の廃熱の再利用が実現できるようになった」とある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−336780号公報(請求項1、発明の効果、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1記載の冷温風装置は、熱源であるペルチェ素子が蓄熱槽の側面に配設されて蓄熱材である水に蓄熱させる構造であるため、蓄熱材(液体蓄熱材)の液位が低下した場合、熱源から液体蓄熱材への蓄熱(熱源から液体蓄熱材への熱交換)に支障が生じやすかった。また、一般的に、熱源から蓄熱材への蓄熱を、より効率的に行うことも望まれていた。
【0006】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、液体蓄熱材の液位が変化しても熱源から液体蓄熱材への蓄熱に支障が生じにくく、また、熱源から液体蓄熱材への蓄熱を効率よく行うことができる、冷温風装置などを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、液体蓄熱材を貯留する蓄熱槽と、この蓄熱槽の上部に配設した熱源と、この熱源の表面(放熱面又は吸熱面)に前記液体蓄熱材を噴流衝突させて液体蓄熱材に蓄熱させる噴流蓄熱手段と、この噴流蓄熱手段によって蓄熱した前記液体蓄熱材に、装置内部に取り込んだ外気を噴出させて、液体蓄熱材と外気との間で直接接触熱交換する熱交換手段と、を備えた冷温風装置とした。
ここで、熱源には、加熱するための加熱源の他、冷却するための冷却源も含まれる。また、蓄熱には、正の熱量を蓄えることの他、負の熱量を蓄えること(蓄冷熱)も含まれる。
【0008】
この冷温風装置は、液体蓄熱材を貯留する蓄熱槽と、この蓄熱槽の上部に配設した熱源と、この熱源の表面に液体蓄熱材を噴流衝突させて液体蓄熱材に蓄熱させる噴流蓄熱手段と、を備えていることから、液体蓄熱材の液位が低下した場合であっても、熱源から液体蓄熱材への蓄熱に支障が生じにくい。熱源は、蓄熱槽に貯留した液体蓄熱材に浸からないように蓄熱槽の上部に配設されることになる。また、これによって、熱源の表面に噴流衝突した液体蓄熱材は蓄熱槽に落下する。
また、噴流蓄熱手段によって、熱源の表面に液体蓄熱材を噴流衝突させて液体蓄熱材に蓄熱させるため、熱源表面と接触して蓄熱される液体蓄熱材の移動が早くなり、熱源から液体蓄熱材への蓄熱が効率よく行える。
【0009】
具体的には、噴流蓄熱手段が、蓄熱槽に貯留した液体蓄熱材を熱源付近まで案内する案内パイプと、この案内パイプに設けられ、熱源の表面に向かって開口する噴流口と、蓄熱槽に貯留した液体蓄熱材を汲み上げて前記噴流口から噴出させるポンプと、を備え、前記噴流口から噴出した液体蓄熱材が熱源表面に噴流衝突するように構成されている冷温風装置とすることが好ましい。
【0010】
熱交換手段が、噴流蓄熱手段によって蓄熱され蓄熱槽に貯留した液体蓄熱材に、装置内部に取り込んだ外気をバブリングして、液体蓄熱材と外気との間で直接接触熱交換する、冷温風装置とすることも好ましい。
【0011】
この冷温風装置は、液体蓄熱材に外気をバブリングして液体蓄熱材と外気との間で直接接触熱交換するため、液体蓄熱材から外気への熱交換が効率よく行える。
また、装置内部に取り込んだ外気に含まれている室内の埃などが、バブリング時に液体蓄熱材に移り外気が清浄化されるため、空気清浄効果がある冷温風装置となる。
【0012】
熱源がペルチェ素子であり、このペルチェ素子は、その表面(放熱面又は吸熱面)とは対をなす裏面(吸熱面又は放熱面)が装置の外側を向くように、蓄熱槽の上部に配設されている、冷温風装置とすることも好ましい。
ペルチェ素子とは、p形およびn形半導体の熱伝素子を並列に配置して、電気的に直列に接続して電流を流すと、ペルチェ効果によって、素子の表面と裏面において、吸熱と放熱を起こすことができる素子である。電流の向きを変えることで、吸熱側と放熱側が切り換わるという特徴を持つ。
【0013】
この冷温風装置は、体積が小さなペルチェ素子を用いるため装置の小型化が容易である。また、ペルチェ素子は騒音や振動を発生しないため、静音性に優れた冷温風装置としやすい。さらに、ペルチェ素子に印加する電流の向きを変えることで吸熱側と放熱側が切り換わるため、冷風装置又は温風装置として切り換え使用することが容易である。加えて、ペルチェ素子の裏面が冷温風装置の外側を向くように蓄熱槽の上部に配設されているため、余分な熱を装置の外部に放出することができる冷温風装置となる。
【0014】
液体蓄熱材が水である冷温風装置とすることも好ましい。
【0015】
この冷温風装置は、寒冷時に温風装置として使用する場合に、低湿度の外気が液体蓄熱材である水と直接接触熱交換する際に絶対湿度が増加することから、温風運転時に加湿効果がある冷温風装置となる。
【0016】
また、前記課題を解決するために、液体蓄熱材である水を貯留する蓄熱槽と、この蓄熱槽の上部に配設した熱源であるペルチェ素子と、このペルチェ素子の表面に前記水を噴流衝突させて水に蓄熱させる噴流蓄熱手段と、この噴流蓄熱手段によって蓄熱した前記水に、装置内部に取り込んだ外気をバブリングして、水と外気との間で直接接触熱交換する熱交換手段と、を備えた冷温風装置であって、ペルチェ素子は、その表面とは対をなす裏面が装置の外側を向くように、前記蓄熱槽の上部に配設されており、噴流蓄熱手段が、蓄熱槽に貯留した水をペルチェ素子の付近まで案内する案内パイプと、この案内パイプに設けられ、ペルチェ素子の表面に向かって開口する噴流口と、蓄熱槽に貯留した水を汲み上げて前記噴流口から噴出させるポンプと、を備え、前記噴流口から噴出した水がペルチェ素子の表面に噴流衝突するとともに、ペルチェ素子の表面に噴流衝突した水が前記蓄熱槽に落下するように構成されている冷温風装置としてもよい。
【0017】
また、これら冷温風装置を蓄熱させるに際しては、例えば、夜間電力を用いて熱源と噴流蓄熱手段を作動して液体蓄熱材に蓄熱させておくことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、液体蓄熱材の液位が変化しても熱源から液体蓄熱材への蓄熱に支障が生じにくく、また、熱源から液体蓄熱材への蓄熱を効率よく行うことができる、冷温風装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】冷温風装置の構造を模式的に示す横断面図(装置載置面と垂直な断面を示す図)である。
【図2】蓄熱(蓄冷熱)時および放冷熱(冷風送風)時の温度変化を示すグラフである。
【図3】吐出冷風温度と液体蓄熱材(水)温度との温度差を示すグラフである。
【図4】雰囲気(室)温と吐出冷風の温度差が8,9,10℃を保つ時間と吐出空気流量の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図を用いて本発明を例示説明する。本発明の冷温風装置は、液体蓄熱材、蓄熱槽、熱源(ペルチェ素子)、噴流蓄熱手段、及び熱交換手段を備えている。以降、各構成要素について詳説する。なお、図1において、熱源であるペルチェ素子は複数個(3個)が図示されているが、説明の都合上、右側のペルチェ素子にのみ符号を付してある。
【0021】
[液体蓄熱材]
液体蓄熱材2は、蓄熱槽3(後述)に貯留され、噴流蓄熱手段5(51,52,53 後述)によって熱源4(後述)からの熱を奪って蓄熱し、この熱源4から奪った熱を熱交換手段6(61,62 後述)によって、装置内に取り込んだ外気9と熱交換するものである。液体蓄熱材2としては、流動性と蓄熱性を備えた「液体」であれば特に制限されない。本実施形態では、液体蓄熱材2として水(HO)を用いた。
【0022】
[蓄熱槽]
蓄熱槽3は、液体蓄熱材2を内部に貯留するものである。本実施形態では、略箱形状の蓄熱槽3を用い、その上面には複数個の熱源4(後述)が配設されている。また、冷温風装置の内部に取り込まれ噴流蓄熱手段5(51,52,53後述)によって熱交換された外気9を、冷温風装置の外部に向けて送風するための送風部材30が設けられている。この送風部材30は先端に送風口を備えている。送風部材30は、先端部に絞り部を設けた先細り形状であり、これによって、冷温風装置を使用する者の体感温を向上させることができる。
【0023】
[熱源]
熱源4は、噴流蓄熱手段5(51,52,53後述)によって熱源4の表面に噴流衝突した液体蓄熱材2と熱交換して、液体蓄熱材2を蓄熱させるものである。本実施形態では、熱源4として、複数個のペルチェ素子4を用いてある。ペルチェ素子4は、その表面41(放熱面又は吸熱面)が蓄熱槽3の内側を向くように、蓄熱槽3の上面に複数個が配設されている。具体的には蓄熱槽3の上面に設けられた複数の嵌合孔に各ペルチェ素子4が嵌め込まれ、これによって、各ペルチェ素子4の裏面42(吸熱面又は放熱面)が冷温風装置1の外側を向いた状態となっている。各ペルチェ素子4の裏面42には、放熱器45がそれぞれ取り付けられている。
【0024】
[噴流蓄熱手段]
噴流蓄熱手段5は、熱源4の表面に液体蓄熱材2を噴流衝突させて液体蓄熱材2に蓄熱させる手段である。本実施形態では、噴流蓄熱手段5が、案内パイプ51、噴流口52、及びポンプ53で構成されており、これらについて以下詳説する。
【0025】
案内パイプ51は、蓄熱槽3に貯留した液体蓄熱材2を熱源4の付近まで案内するものである。本実施形態では、案内パイプ51が、各ペルチェ素子4(各熱源)の下方近傍に位置するように略水平に配設され、その基端側が下方(液体蓄熱材2側)に向かって折れ曲がって、液体蓄熱材2に浸漬したポンプ53と連結している。このポンプ53は蓄熱槽3に貯留した液体蓄熱材2のうち蓄熱槽3の底部に存在する液体蓄熱材2を吸い込むように、蓄熱槽3の底に載置されている。案内パイプ51の先端は閉じており、各ペルチェ素子4と対面する位置に、各ペルチェ素子4に向かって開口する噴流口52が設けられている。なお、図1では、熱源であるペルチェ素子の数に対応して3箇所の噴流口52が設けられているが、説明の都合上、右側の噴流口にのみ符号を付してある。
【0026】
上記噴流蓄熱手段5の動作を説明する。まず、液体蓄熱材2に浸漬したポンプ53を作動させると、蓄熱槽3に貯留した液体蓄熱材2が、案内パイプ51を通り、案内パイプ51に設けられた各噴流口52から各ペルチェ素子4の表面41に噴流衝突する。そして、各ペルチェ素子4の表面41に噴流衝突した液体蓄熱材は、ペルチェ素子4の表面と熱交換して蓄熱され、蓄熱槽3に落下するのである。
【0027】
[熱交換手段]
熱交換手段6は、噴流蓄熱手段5(51,52,53)によって蓄熱した液体蓄熱材2に、冷温風装置の外部から内部に取り込んだ外気9を噴出させて、液体蓄熱材2と外気9との間で直接接触熱交換するものである。本実施形態では、熱交換手段6が、送風機61と送風パイプ62で構成されており、これらについて以下詳説する。
【0028】
送風機61は、冷温風装置1の外部に存在する外気9を冷温風装置1の内部に取り込むためのものである。送風機61としては、例えば、油圧ファン等を用いることができる。送風機61には、送風パイプ62の基端が連結されている。そして、送風パイプ62は、蓄熱槽3に設けられた貫通孔を貫通して、下方に折れ曲がり、蓄熱槽3に貯留した液体蓄熱材2の内部に他端(先端)が浸漬している。送風パイプ62の先端が蓄熱槽3の底部に位置するように熱交換手段を構成することが好ましい。そして、送風パイプ62の先端には、取り込んだ外気9を液体蓄熱材2にバブリングさせるための気泡発生器(図示せず)が取り付けられている。気泡発生器は、多数の細孔から外気を液体蓄熱材2中に噴出し、液体蓄熱材2中に気泡90を形成するものである。
【0029】
上記熱交換手段6(61,62)の動作を説明する。まず、送風機61を作動させると、外気9が送風パイプ62を介して、冷温風装置1の内部に導入される。そして、導入された外気9は、送風パイプ62の先端に取り付けられた気泡発生器から、気泡90となって液体蓄熱材2中に噴出する。これによって、液体蓄熱材2と外気9との間で直接接触熱交換される。さらに、蓄熱槽3に貯留した液体蓄熱材2の液面から弾けた気泡90は、蓄熱槽3に落下する途中の液体蓄熱材2(熱源4に噴流衝突して蓄熱されている)とも熱交換することになり、熱交換効率が一層高まるのである。このようにして液体蓄熱材2と熱交換した外気9は、蓄熱槽3に設けられた送風部材30の送風口から冷温風装置の外部に送風されるのである。
【0030】
上記本発明の冷温風装置は、電気料金の安価な夜間電力の利用に適する。例えば、夜間に、熱源と噴流蓄熱手段を作動(熱交換手段は作動させない)して液体蓄熱材に蓄熱させておき、昼間の運転時に、熱交換手段を運転させることも可能である。
【0031】
なお、本実施形態の冷温風装置のように、取り込んだ外気9を液体蓄熱材2にバブリングさせる場合には、脈動(流量変動、圧力変動)が大きくなって、送風口からの風量が不安定になる傾向にあった。また、本実施形態の冷温風装置のように、先細り形状の送風部材30とすると、体感温を向上させることができることができるものの、脈動が更に大きくなってしまっていた。
そこで、図1に示すように、本実施形態の冷温風装置では、蓄熱槽3に連通するバッファタンク(調圧タンク)7を設けた。これによって脈動を低減させることができ、送風口からの風量を安定化させることができるのである。
【0032】
本発明の冷温風装置の一実施例を冷風装置として用いた場合の実験結果例について、参考までに図2〜4に提示し、以下概説する。
【0033】
図2は,冷温風装置の一連の蓄熱過程および放冷熱における温度変化を示したものである。夜間を想定し、8時間の蓄熱により13Lの水(液体蓄熱材)を約10℃まで冷却し、低温水中に外気を吹き込むことで直接接触熱交換して820L/minの大風量ながら水温よりわずか数℃高温の冷風を得ている。
図3は、吐出冷風温度と水(液体蓄熱材)の温度との温度差を示す図であり、これによると、1,000L/min以上の風量範囲においても水温より5〜6℃高い程度の冷風が得られている。温風または冷風装置としての暖房感や涼感を得るためには室温との温度差が大きな(8℃程度以上の)吐出空気温度が必要であり、蓄熱された熱量を高い熱交換効率で取り出す必要がある。
図4は、雰囲気(室)温と吐出冷風の温度差が8,9,10℃を保つ時間と吐出空気流量の関係を示したものである。これによると、800L/minの大風量においても,温度差8℃を約3時間持続することが可能であった。
【0034】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0035】
上記実施形態では、熱源としてペルチェ素子を用いたが、これに限定されない。ペルチェ素子以外にも、冷凍機、ヒートポンプおよび電気ヒーターなどの冷熱・温熱を発生するものを用いることができる。
【0036】
また、上記実施形態では、ペルチェ素子の裏側に放熱器を取り付けて室内に放熱する構成としたが、これに限定されない。ヒートパイプ等を利用して、室外に放熱する構成としてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、熱交換手段において、送風パイプの先端に気泡発生器を取り付けたがこれに限定されない。気泡発生器を取り付けない構成としてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、熱交換手段として、送風機と送風パイプを用い、蓄熱槽に貯留した液体蓄熱材に、装置内部に取り込んだ外気をバブリングして、液体蓄熱材と外気との間で直接接触熱交換したが、これに限定されない。装置内部に取り込んだ外気を液体蓄熱材にバブリングさせることなく、蓄熱槽に落下する途中の液体蓄熱材(熱源に噴流衝突して蓄熱されている)に外気を直接吹き付けるようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、送風部材30を先細り形状としたがこれに限定されない。先細り形状以外にも、円筒形状等にすることができる。
【0040】
また、上記実施形態では、蓄熱槽3に連通するバッファタンク(調圧タンク)7を設けたがこれに限定されない。バッファタンク7を設けない構成としてもよい。

【符号の説明】
【0041】
1 冷温風装置

2 液体蓄熱材

3 蓄熱槽
30 送風部材

4 熱源(ペルチェ素子)
41 表面
42 裏面
45 放熱器

5 噴流蓄熱手段
51 案内パイプ
52 噴流口
53 ポンプ

6 熱交換手段
61 送風機
62 送風パイプ

7 バッファタンク

9 外気
90 気泡


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体蓄熱材を貯留する蓄熱槽と、
この蓄熱槽の上部に配設した熱源と、
この熱源の表面に前記液体蓄熱材を噴流衝突させて液体蓄熱材に蓄熱させる噴流蓄熱手段と、
この噴流蓄熱手段によって蓄熱した前記液体蓄熱材に、装置内部に取り込んだ外気を噴出させて、液体蓄熱材と外気との間で直接接触熱交換する熱交換手段と、を備えた
冷温風装置。

【請求項2】
噴流蓄熱手段が、
蓄熱槽に貯留した液体蓄熱材を熱源付近まで案内する案内パイプと、
この案内パイプに設けられ、熱源の表面に向かって開口する噴流口と、
蓄熱槽に貯留した液体蓄熱材を汲み上げて前記噴流口から噴出させるポンプと、を備え、
前記噴流口から噴出した液体蓄熱材が熱源表面に噴流衝突するように構成されている
請求項1記載の冷温風装置。

【請求項3】
熱交換手段が、
噴流蓄熱手段によって蓄熱され蓄熱槽に貯留した液体蓄熱材に、装置内部に取り込んだ外気をバブリングして、液体蓄熱材と外気との間で直接接触熱交換する、
請求項1又は2記載の冷温風装置。

【請求項4】
熱源がペルチェ素子であり、
このペルチェ素子は、その表面とは対をなす裏面が装置の外側を向くように、蓄熱槽の上部に配設されている、
請求項1〜3何れか記載の冷温風装置。

【請求項5】
液体蓄熱材が水である、
請求項1〜4何れか記載の冷温風装置。

【請求項6】
液体蓄熱材である水を貯留する蓄熱槽と、
この蓄熱槽の上部に配設したペルチェ素子と、
このペルチェ素子の表面に前記水を噴流衝突させて水に蓄熱させる噴流蓄熱手段と、
この噴流蓄熱手段によって蓄熱した前記水に、装置内部に取り込んだ外気をバブリングして、水と外気との間で直接接触熱交換する熱交換手段と、を備えた
冷温風装置であって、
ペルチェ素子は、その表面とは対をなす裏面が装置の外側を向くように、前記蓄熱槽の上部に配設されており、
噴流蓄熱手段が、
蓄熱槽に貯留した水をペルチェ素子の付近まで案内する案内パイプと、
この案内パイプに設けられ、ペルチェ素子の表面に向かって開口する噴流口と、
蓄熱槽に貯留した水を汲み上げて前記噴流口から噴出させるポンプと、を備え、
前記噴流口から噴出した水がペルチェ素子の表面に噴流衝突するとともに、ペルチェ素子の表面に噴流衝突した水が前記蓄熱槽に落下するように構成されている
冷温風装置。

【請求項7】
夜間電力を用いて熱源と噴流蓄熱手段を作動して液体蓄熱材に蓄熱させておく、請求項1〜6何れか記載の冷温風装置を蓄熱させるための、冷温風装置の蓄熱方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−32101(P2012−32101A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173331(P2010−173331)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(509191872)有限会社HOG.JAPAN (3)
【出願人】(504237050)独立行政法人国立高等専門学校機構 (656)
【Fターム(参考)】