説明

冷蔵庫

【課題】加熱源の熱が貯蔵室内に伝わるのを抑制し、消費電力の低減を図ることのできる冷蔵庫を提供することにある。
【解決手段】一つ又は複数の仕切り部材により区画された断熱箱体と、前記断熱箱体の前面開口を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成された断熱空間である貯蔵室と、を備え、前記仕切り部材の前面部は金属部材であり、該金属部材と接するように冷凍サイクルの一部である放熱パイプが配設され、該放熱パイプの後部に断熱材を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
放熱パイプ後部の断熱材に関する従来技術として、特開平6−159918号公報(特許文献1)がある。この例では、箱体開口部の仕切り部に仕切り部材で構成された凹形状部に断熱材として発泡スチロールを収納し、前部に放熱パイプを配設し仕切り板を配している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−159918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の冷蔵庫では、放熱パイプ及びヒータの熱が熱伝導で貯蔵室内に流入し

、貯蔵室内の温度を上昇させ冷却時間が長くなってしまっていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、加熱源の熱が貯蔵室内に伝わるのを抑制し、消費電力の低減を図ることのできる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、一つ又は複数の仕切り部材により区画された断熱箱体と、前記断熱箱体の前面開口を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成された断熱空間である貯蔵室と、を備え、前記仕切り部材の前面部は金属部材であり、該金属部材と接するように冷凍サイクルの一部である放熱パイプが配設され、該放熱パイプの後部に断熱材を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、加熱源の熱が貯蔵室内に伝わるのを抑制し、消費電力の低減を図ることのできる冷蔵庫を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の略式縦断面図である。
【図2】実施例1の仕切り部材の略式縦断面である。
【図3】実施例2の仕切り部材の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、一つ又は複数の仕切り部材により区画された断熱箱体と、前記断熱箱体の前面開口を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成された断熱空間である貯蔵室と、を備え、前記仕切り部材の前面部は金属部材であり、該金属部材と接するように冷凍サイクルの一部である放熱パイプが配設され、該放熱パイプの後部に断熱材を有する。これにより、冷蔵庫運転中の放熱パイプの熱が貯蔵室内に伝わるのを抑制することができるため、貯蔵室内を冷却するのに要する時間が短縮することができ、消費電力量の低減を図ることができる。
【0010】
また、一つ又は複数の仕切り部材により区画された断熱箱体と、前記断熱箱体の前面開口を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成された断熱空間である貯蔵室と、を備え、前記断熱扉は左右に配置された一対の回転扉であって、一方の前記回転扉の開放端部に他方の前記回転扉の開放端部との隙間を塞ぐ回転仕切り部材を備え、該回転仕切り部材の前面部は金属部材であり、該金属部材と接するようにヒータが配設され、該ヒータの後部に断熱材を有する。これにより、冷蔵庫運転中のヒータの熱が貯蔵室内に伝わるのを抑制することができるため、貯蔵室内を冷却するのに要する時間が短縮することができ、消費電力量の低減を図ることができる。
【0011】
また、前記断熱材は、熱伝導率が20mW/m・K以下の第一の断熱材、又は該第一の断熱材と30mW/m・K以上の第二の断熱材を組み合わせる。これにより、加熱源及び他の構成部品との組み立て形状を考慮して、加熱源が貯蔵室に与える熱影響を抑制することができる。
【0012】
また、前記第二の断熱材は、部品締結部に配置する。これにより、締結部から箱体外面へ熱を伝わりやすくして、放熱性能を向上することができる。
【0013】
また、前記第一の断熱材は、一面以上にスキン層を有し、該スキン層以外の面に吸湿防止用のシール材又は撥水コートを設ける。これにより、断熱材の劣化を防止しつつ、断熱性能を長期維持することができる。
【0014】
以下、本発明の実施例を図1から図3を用いて説明する。図1は本発明の実施形態に係る冷蔵庫の略式縦断面図である。図2は実施例1の仕切り部材の略式縦断面である。図3は実施例2の仕切り部材の概略図である。
【0015】
(実施例1)
図1において、冷蔵庫箱体1は冷蔵室7と冷凍温度帯室(上段冷凍室11,製氷室9,下段冷凍室13)とを断熱的に仕切る冷蔵−冷凍仕切り部材2(第一仕切り部材)、上段冷凍室11及び製氷室9と下段冷凍室13とを仕切る冷凍−冷凍仕切り部材3(第二仕切り部材)、冷凍温度帯室と野菜室15とを断熱的に仕切る冷凍−野菜仕切り部材4(第三仕切り部材)により区画され、前面開口を開閉する扉によって、断熱空間が開閉される。
【0016】
すなわち、冷蔵室扉5と冷蔵庫箱体1で冷蔵室7、製氷室扉8と冷蔵庫箱体1で製氷室9、上段冷凍室扉10と冷蔵庫箱体1で上段冷凍室11、下段冷凍室扉12と冷蔵庫箱体1で下段冷凍室13、野菜室扉14と冷蔵庫箱体1とで野菜室15を形成している。
【0017】
一般的に、冷蔵室扉5は片開きタイプ(シングルドア)と両開きタイプ(フレンチドア)とがあり、両開きタイプの場合、左右に一対の扉がヒンジを介して回動可能に軸支されている。一方の冷蔵室扉5a(例えば、正面から見て左側の扉)の開放端(ヒンジで固定された側の反対側)には、他方の冷蔵室扉との間の隙間を塞ぐために、各冷蔵室扉5背側に設けたパッキン部内の磁石が着磁して冷気漏れを防ぐ回転仕切り部材6を設けている。
【0018】
冷蔵−冷凍仕切り部材2は、冷蔵室7と冷凍領域である製氷室9及び上段冷凍室11とを区画しており、冷蔵−冷凍仕切り部材2の上面2aと冷蔵−冷凍仕切り部材2の下面2bは樹脂で形成されており、上面2aと下面2bとで前後方向に2分割している。この分割した後方側の空間には、硬質ウレタンフォーム2eを冷蔵庫箱体1の発泡時に充填している。分割した前方側の空間は、冷蔵庫箱体1の前面開口を形成する金属部材2d(例えば、仕切り用鉄板)にて閉塞され、金属部材2dに接触するように放熱パイプ16が配設されている。放熱パイプ16は、金属部材2dの結露を抑える効果もある。放熱パイプ16と冷蔵−冷凍仕切り部材2後部との間には、加熱源である放熱パイプ16の熱が貯蔵室内に伝わらないように、断熱材2cにて遮断している。
【0019】
断熱材2cを熱伝導率の低い(20mW/m・K以下)断熱材18で構成することにより、放熱パイプ16の熱が庫内に伝導するのを抑制することができる。これにより、貯蔵室内の温度上昇が少なくなり、温度復帰に要する時間が短くなるため、消費電力量の低減を図ることができる。
【0020】
なお、冷蔵−冷凍仕切り部材2に限らず、冷凍−冷凍仕切り部材3、冷凍−野菜仕切り部材4も同様に、前面に金属部材を備え、該金属部材と接するように冷凍サイクルの一部である放熱パイプを配設して、該放熱パイプの後部に断熱材を備えるように構成してもよい。これにより、結露防止を図ると共に、結露防止の熱源が貯蔵室に与える影響を抑制することができる。
【0021】
また、回転仕切り部材6は、前面部は金属部材6a(例えば、回転仕切り用鉄板)であり、金属部材6aと接するように加熱源であるヒータ6bが配設され、ヒータ6bの後部に断熱材6cを有する。これにより、加熱源であるヒータ6bの熱が貯蔵室内に伝わるのを抑制することができるため、貯蔵室内を冷却するのに要する時間が短縮することができ、消費電力量の低減を図ることができる。
【0022】
(実施例2)
仕切り部材(冷蔵−冷凍仕切り部材2、冷凍−冷凍仕切り部材3、冷凍−野菜仕切り部材4、回転仕切り部材6)は、樹脂製の外郭の開口面に、金属部材を固定した構成である。この場合、組み立て構成上、樹脂部材に金属部材を締結する引掛け部、ネジを固定するネジボス17等、すなわち締結部が存在する。
【0023】
仕切り部材に配置する断熱材は、熱伝導率の低い(20mW/m・K以下)断熱材18(第一の断熱材)、又は第一の断熱材と熱伝導率が高い(30mW/m・K以上)断熱材19(第二の断熱材)とを組み合わせて、放熱パイプやヒータである加熱源の熱が、貯蔵室内に伝わるのを抑制する。すなわち、部品締結部に第二の断熱材を配置する。これにより、締結部から箱体外面へ熱を伝わりやすくして、放熱性能を向上することができる。また、貯蔵室内の温度上昇が少なくなり、温度復帰に要する時間が短くなるため、消費電力量の低減を図ることができる。
【0024】
なお、断熱材の成形方法は、例えば、一体発泡工程にて箱体にウレタン注入する際に同時に発泡を行うもの、分離発泡にて樹脂部材にウレタンを注入したものを製品に組み付けるもの、型発泡にて従来のスチロフォームと同様に断熱材のみ発泡するもの、切り出しにてウレタンのブロックを作り、それから切出すもの、がある。
【0025】
また、第一の断熱材18の一面以上にスキン層を有し、該スキン層以外の面に吸湿防止用のシール材又は撥水コートを設ける。これにより、断熱材の劣化を防止しつつ、断熱性能を長期維持することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 冷蔵庫箱体
2 冷蔵−冷凍仕切り部材(第一仕切り部材)
2a 上面
2b 下面
2c 断熱材
2d 金属部材
2e 硬質ウレタンフォーム
3 冷凍−冷凍仕切り部材(第二仕切り部材)
4 冷凍−野菜仕切り部材(第三仕切り部材)
5 冷蔵室扉
6 回転仕切り部材
7 冷蔵室
16 放熱パイプ
17 ネジボス(締結部)
18 熱伝導率の低い断熱材(第一の断熱材)
19 熱伝導率の高い断熱材(第二の断熱材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ又は複数の仕切り部材により区画された断熱箱体と、前記断熱箱体の前面開口を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成された断熱空間である貯蔵室と、を備え、前記仕切り部材の前面部は金属部材であり、該金属部材と接するように冷凍サイクルの一部である放熱パイプが配設され、該放熱パイプの後部に断熱材を有することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
一つ又は複数の仕切り部材により区画された断熱箱体と、前記断熱箱体の前面開口を開閉する断熱扉と、前記断熱箱体と前記断熱扉とで形成された断熱空間である貯蔵室と、を備え、前記断熱扉は左右に配置された一対の回転扉であって、一方の前記回転扉の開放端部に他方の前記回転扉の開放端部との隙間を塞ぐ回転仕切り部材を備え、該回転仕切り部材の前面部は金属部材であり、該金属部材と接するようにヒータが配設され、該ヒータの後部に断熱材を有することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項3】
前記断熱材は、熱伝導率が20mW/m・K以下の第一の断熱材、又は該第一の断熱材と30mW/m・K以上の第二の断熱材を組み合わせたことを特徴とする、請求項1又は2記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第二の断熱材は、部品締結部に配置したことを特徴とする、請求項3記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記第一の断熱材は、一面以上にスキン層を有し、該スキン層以外の面に吸湿防止用のシール材又は撥水コートを設けたことを特徴とする、請求項3記載の冷蔵庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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