説明

冷陰極放電灯点灯装置

【課題】無負荷開放電圧を検出して、回路を短時間に保護する。
【解決手段】放電灯にランプ電圧を印加する出力共振回路のコイルL3,L4の接続点の電圧は、検出電圧として共振電圧検出部11に与えられる。無負荷時等においては、検出電圧は異常に高い電圧となる。共振電圧検出部11は異常な電圧を検出すると、スイッチSWをオンにして、駆動回路の共振回路にコンデンサC8を挿入する。これにより、共振回路の共振条件が満足しなくなり、共振が停止する。こうして、トランジスタQ1,Q2のオン,オフを停止させ、異常な出力の発生を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルのバックライト、スキャナー等の読み取り用光源等の点灯装置として好適な冷陰極放電灯点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種光源用の放電灯として、高輝度、高演色性を有し、長寿命、低消費電力・低発熱化を実現した冷陰極放電灯を採用することがある。この冷陰極放電灯は、例えば、液晶バックライト用光源、FAX・スキャナー読み取り用光源等として多用されている。
【0003】
冷陰極放電灯は、希ガスと微量の水銀を封入したガラス管によって構成する。ガラス管の両端の電極に高電圧を印加することで、冷陰極放電灯は、グロー放電し、水銀から発っせられる紫外線によりガラス管内面の蛍光体が励起されることで発光する。
【0004】
このような冷陰極放電灯の点灯装置としては、電極に高周波、高電圧を印加するDC−ACインバータ方式を採用する。冷陰極放電灯点灯装置は、ガラス管両端の電極に、十分に高い起動電圧を印加することで、放電を開始させる。冷陰極管に電流が流れると、管のインピーダンスが低下して、冷陰極放電灯の両電極間電圧が急激に減少する。電流の増加に伴い、電圧の減少は緩やかとなり、冷陰極放電灯の電極間の電圧は略定電圧となる。
【0005】
このような冷陰極放電灯の特性を利用して、点灯装置は出力共振回路を構成するコンデンサをバラストコンデンサとして用いる構成としている。放電開始前は、冷陰極管のインピーダンスは無限大で、見かけ上無負荷状態となり、出力共振回路から起動電圧よりも高い出力(無負荷開放電圧)が両電極に印加される。放電が始まると、出力共振回路のコンデンサが冷陰極管と並列に接続されることになり、コンデンサと冷陰極管の比較的低い負荷抵抗との合成インピーダンスによる出力電流が流れる。即ち、コンデンサの設定によって出力電流を所定の定電流に制御することが可能である。
【0006】
ところが、冷陰極放電灯が無い場合や破損した場合等においては、出力共振回路が無負荷開放電圧で発振を継続する。即ち、点灯装置の出力端の電圧が異常に上昇することになり、回路部品の耐圧を超えて、部品の焼損、破損等が発生することがある。
【0007】
そこで、特許文献1においては、放電灯点灯装置を保護する温度ヒューズを採用する技術を開示している。この提案においては、チョークコイルの温度上昇を温度ヒューズにより検出し、異常な温度上昇が生じた場合には、温度ヒューズが切れることで、回路を保護するようになっている。
【特許文献1】特開平6−196276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、従来、冷陰極放電灯の点灯装置においては、出力共振回路を構成するコイルに温度ヒューズを装着することで、回路を保護する構成を採用することができる。
【0009】
しかしながら、温度ヒューズは、規定の温度になるまで切断されない。このため、温度ヒューズが切れることによって回路は保護されるが、温度ヒューズが切れるまでの比較的長い時間、高電圧が生じたままとなり、消費電力を浪費してしまうという問題点があった。
【0010】
本発明は、無負荷電圧を検出することで動作を停止させて、高電圧が長時間発生することを防止することができる冷陰極放電灯点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る冷陰極放電灯点灯装置は、直流電圧を交流電圧に変換するための複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子を交互にオン,オフさせる駆動回路と、前記スイッチング素子からの交流電圧の供給点に接続された出力共振回路と、前記出力共振回路の出力に基づく電圧を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に基づいて前記スイッチング素子のオン,オフを停止させる停止手段とを具備したことを特徴とするものである。
【0012】
このような構成によれば、駆動回路によって、スイッチング素子を交互にオン,オフすることで、交流電圧を出力共振回路に供給して、放電灯にランプ電流を供給する。無負荷時においては、出力共振回路の出力が異常に高くなる。検出手段は、この異常な出力を検出する。停止手段は、検出手段によって異常な出力が検出されると、スイッチング素子のオン,オフを停止させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、無負荷電圧を検出することで動作を停止させて、高電圧が長時間発生することを防止することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る冷陰極放電灯点灯装置を示す回路図である。本実施の形態は冷陰極放電灯の点灯装置に適用した例について説明する。
【0015】
電源端子I1,I2には例えば商用交流電源電圧を供給する。整流回路10は入力された交流電圧を整流する。整流回路10の正極性出力端と負極性出力端との間には、チョークコイルL1及び平滑コンデンサC1を接続しており、コイルL1及びコンデンサC1の接続点と整流回路10の負極性出力端との間には、整流されて平滑された直流電圧が現れる。
【0016】
コイルL1及びコンデンサC1の接続点には、N型トランジスタQ1のドレインを接続し、トランジスタQ1のソースはP型トランジスタQ2のソースに接続し、トランジスタQ2のドレインは整流回路10の負極性出力端に接続する。トランジスタQ1のドレインとゲートとの間には抵抗R2,R4を接続し、抵抗R2,R4の接続点は、抵抗R5を介してトランジスタQ2のゲートに接続する。トランジスタQ2のソースとドレインとの間には、抵抗R1及びコンデンサC2の並列回路を接続する。
【0017】
トランジスタQ1,Q2のゲート電圧を決定する抵抗R2,R4(抵抗R2,R5)の接続点は、コンデンサC3,C4を介してトランジスタQ1,Q2のソース同士の接続点に接続する。コンデンサC3には抵抗R3を並列接続し、コンデンサC4にはコイルL2の(a−b)区間を並列接続する。また、トランジスタQ1,Q2のソース同士の接続点と、抵抗R2,R4の接続点との間にはツェナーダイオードZD1,ZD2を接続する。
【0018】
コイルL2は、中間タップaをトランジスタQ1,Q2のソース同士の接続点(以下、接続点aともいう)に接続し、中間タップaと一端bとの(a−b)区間を、上述したようにコンデンサC4に並列接続する。
【0019】
抵抗R3、コンデンサC3,C4、コイルL2並びにツェナーダイオードZD1,ZD2は、後述する停止手段としてのスイッチSW及びコンデンサC8と共に駆動回路を構成する。駆動回路中のコンデンサC4及びコイルL2の(a−b)区間によって共振回路が構成される。コイルL2の中間タップa(a点)と一端b(b点)とには、所定の電圧が共振周波数で交互に現れる。
【0020】
即ち、トランジスタQ1,Q2のソースにはa点の電圧が印加され、b点の電圧はコンデンサC3及び抵抗R3によって調整されて、抵抗R4又は抵抗R5を介してトランジスタQ1,Q2のゲートに印加される。なお、コンデンサC3及び抵抗R3は、抵抗R4,R5の接続点の電圧を、トランジスタQ1,Q2をオンにする適宜の電圧レベルに調整するためのものである。これにより、トランジスタQ1,Q2は駆動回路中の共振回路の共振周波数で交互にオン,オフするようになっている。
【0021】
また、抵抗R4,R5の接続点とトランジスタQ1,Q2のソース同士の接続点との間には、ツェナーダイオードZD1,ZD2を接続しており、ツェナーダイオードZD1,ZD2によって、トランジスタQ1,Q2のゲートに印加されるゲート電圧を所定レベルに制限するようになっている。これにより、大レベルのゲート電圧がトランジスタQ1,Q2のゲートに印加されてトランジスタQ1,Q2が破壊されることを防止することができる。
【0022】
コイルL2の他端cはコイルL3,L4及びコンデンサC5,C7を介して出力端子O1に接続する。出力端子O2はコイルL5,L6を介して整流回路10の負極性出力端に接続する。コンデンサC5,C7の接続点はコンデンサC6を介して出力端子O2に接続する。出力端子O1,O2相互間に冷陰極放電灯12を接続するようになっている。コイルL3〜L6及びコンデンサC5,C6によって出力共振回路が構成される。この出力共振回路の共振周波数は、駆動回路内の共振回路の共振周波数に一致させる。
【0023】
本実施の形態においては、検出手段を構成する共振電圧検出部11を設けている。共振電圧検出部11はコンパレータQ3を有しており、コンパレータQ3の正極性入力端にはコイルL3,L4の接続点から検出電圧を供給するようになっている。コンパレータQ3の負極性入力端には基準電圧Vrefを印加する。コンパレータQ3はコイルL3,L4の接続点に現れる電圧を基準電圧Vrefと比較して、比較結果を無負荷電圧の検出結果として出力する。即ち、コンパレータQ3は、検出電圧のレベルが基準電圧Vrefよりも高くなると、ハイレベルの制御信号を出力する。なお、共振電圧検出部11はコイルL1とコンデンサC1の接続点から電力の供給を受けている。
【0024】
本実施の形態においては、コンデンサC3,C4の接続点はスイッチSW及びコンデンサC8を介してトランジスタQ1,Q2のソース同士の接続点に接続する。共振電圧検出部11は無負荷電圧の検出結果を制御信号としてスイッチSWに供給する。スイッチSWは、コイルL3,L4の接続点の検出電圧が正常な範囲の電圧であることを示す制御信号が与えられてオフ状態を維持する。スイッチSWは、コイルL3,L4の接続点の検出電圧が無負荷電圧であることを示すハイレベルの制御信号が与えられると、オンとなるようになっている。
【0025】
次に、このように構成された実施の形態の動作について説明する。
【0026】
先ず、出力端子O1,O2間に正常な冷陰極放電灯12が接続されている場合について説明する。初期状態ではスイッチSWはオフであり、コンデンサC8は駆動回路の回路定数に影響を与えない。駆動回路に電源端子I1,I2間に商用交流電圧を印加する。整流回路10は商用交流電圧を整流し、コイルL1及びコンデンサC1による平滑作用によって、コイルL1及びコンデンサC1の接続点には、直流電圧が現れる。
【0027】
この直流電圧によって、抵抗R2、抵抗R3、コンデンサC3,C4及びコイルL2による駆動回路、並びに抵抗R1及びコンデンサC2の並列回路を介して電流が流れる。これにより、b点の電圧が上昇して、トランジスタQ1のゲートに、トランジスタQ1をオンにするゲート電圧が供給される。こうして、トランジスタQ1はオンとなり、コイルL1及びコンデンサC1の接続点から、トランジスタQ1のドレイン・ソース、コイルL2,L3,L4、コンデンサC5,C6及びコイルL5,L6を介して整流回路10の負極性出力端に電流が流れる。
【0028】
なお、コイルL2の(a−c)区間に流れる電流によって、コイルL2の(a−b)区間が励起される。即ち、コイルL2の(a−c)区間はc点側が+でa点側が−の起電力が生じ、コイルL2の(a−b)区間はb点側が+でa点側が−の起電力が生じる。これにより、トランジスタQ1のゲートには一層オン状態を加速する電圧が供給される。
【0029】
こうして、共振コンデンサC6の端子電圧が冷陰極放電灯12の起動電圧よりも高くなって、冷陰極放電灯12は放電を開始する。そうすると、冷陰極放電灯12の負荷抵抗が小さくなり、コンデンサC6,C7と冷陰極放電灯12の比較的低い負荷抵抗との合成インピーダンスによる出力電流が流れる。即ち、コイルL1及びコンデンサC1の接続点から、トランジスタQ1のドレイン・ソース、コイルL2,L3,L4及びコンデンサC5,C7を介して冷陰極放電灯12に安定したランプ電流が流れる。
【0030】
トランジスタQ1のオンに伴い共振コンデンサC6に流れる電流によって、コンデンサC6が充電され、コンデンサC6に電流が流れなくなる。そうすると、コイルL2〜L4に生じた逆起電力によって、コイルL2の(a−c)区間は、c点側が−となり、a点側が+となる。同様に、コイルL2の(a−b)区間では、b点側が−となり、a点側が+となる。これにより、トランジスタQ1はオフとなり、トランジスタQ2がオンとなる。
【0031】
駆動回路中の共振回路の共振周波数とコイルL2〜L6及びコンデンサC5,C6からなる出力共振回路の共振周波数とは一致させており、トランジスタQ2のオンに合わせて、出力端子O1からコンデンサC7,C5及びコイルL4〜L2を介してトランジスタQ2のソース・ドレイン間に電流が流れ始める。
【0032】
更にコンデンサC6の充電電荷が放電して端子電圧が0になると、コイルL2〜L5に逆向きの起電力が生じて、コイルL2の(a−b)区間の起電力によって、トランジスタQ1がオン、トランジスタQ2がオフとなる。そうすると、コイルL1及びコンデンサC1の接続点から、トランジスタQ1のドレイン・ソース、コイルL2,L3,L4及びコンデンサC5,C7を介して冷陰極放電灯12にランプ電流が流れる。
【0033】
以後同様の動作が繰返されて、冷陰極放電灯12に安定したランプ電流が流れて、その放電が継続される。
【0034】
ここで、冷陰極放電灯12が例えば破損して、出力端子O1,O2間が無負荷状態になるものとする。そうすると、出力共振回路が無負荷開放電圧で発振しようとする。即ち、コンデンサC6の端子電圧が異常に上昇しようとする。コンデンサC6の端子電圧の上昇によって、コイルL3,L4の接続点の電圧(検出電圧)も上昇する。この検出電圧は共振電圧検出部11を構成するコンパレータQ3の正極性入力端に供給しており、検出電圧が上昇して基準電圧Vrefを超えると、コンパレータQ3の出力はハイレベルの制御信号となる。
【0035】
この制御信号はスイッチSWに与えられており、スイッチSWはハイレベルの制御信号によって導通し、コンデンサC8をコンデンサC4に並列接続する。即ち、駆動回路中の共振回路は、コイルL2の(a−b)区間、コンデンサC4及びコンデンサC8で構成されることになり、この共振回路は共振条件を満足しなくなって、共振状態を停止する。これにより、トランジスタQ1,Q2のオン,オフ動作が行われなくなり、出力共振回路への電流の供給が停止し、コンデンサC6の端子電圧が低下する。
【0036】
このように、本実施の形態においては、無負荷開放電圧を検出すると、駆動回路の共振回路の定数を変化させて共振条件を満足させなくすることで、スイッチングトランジスタのオン,オフを停止させる。これにより、出力共振回路の出力電圧が異常に上昇することを防止することができ、部品の焼損、破損等を防ぐことができる。
【0037】
図2は本発明の第2の実施の形態を示す回路図である。図2において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
本実施の形態は図1のスイッチSW及びコンデンサC8を省略し、スイッチSW2を採用した点が第1の実施の形態と異なる。図2において、コイルL1とコンデンサC1との接続点とトランジスタQ1のドレインとの間にはスイッチSW2を設けている。スイッチSW2は、正常時には導通状態であり、コイルL1とコンデンサC1との接続点に発生する直流電圧を、トランジスタQ1のドレインに供給するようになっている。スイッチSW2は、共振電圧検出部11のハイレベルの制御信号によってオフするようになっている。
【0039】
このように構成された実施の形態においても、出力端子O1,O2間の無負荷状態を、出力共振回路の無負荷開放電圧によって検出する。即ち、コンデンサC6の端子電圧が異常に上昇しようとすると、コイルL3,L4の接続点の電圧(検出電圧)も上昇し、コンパレータQ3の正極性入力端のレベルが基準電圧Vrefを超える。これにより、コンパレータQ3の出力はハイレベルの制御信号となる。
【0040】
この制御信号はスイッチSW2に与えられており、スイッチSW2はハイレベルの制御信号によってオフとなる。つまり、トランジスタQ1のドレインに直流電圧が印加されなくなり、トランジスタQ1,Q2はいずれもオフする。こうして、出力共振回路への電流の供給が停止し、コンデンサC6の端子電圧が低下する。
【0041】
このように、本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0042】
図3は本発明の第3の実施の形態を示す回路図である。図3において図2と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
上記第1及び第2の実施の形態においては、出力共振回路のコイルL3,L4の接続点の電圧を検出電圧として、無負荷開放電圧を検出するようになっている。ところが、共振電圧検出部11の回路定数が駆動回路の共振回路の共振に影響を与える虞がある。この場合、スイッチングトランジスタQ1,Q2の電圧に対する電流の進相が大きくなってしまうことが考えられる。そうすると、スイッチングトランジスタの損失が大きくなり、効率が悪化する虞がある。
【0044】
そこで、本実施の形態においては、無負荷開放電圧の検出を駆動回路から電気的に十分に離間した位置において行うことにより、共振電圧検出部11の回路定数による駆動回路の共振回路への影響を低減するものである。
【0045】
即ち、本実施の形態においては、出力共振回路のコイルL5,L6の接続点の電圧を検出電圧として、無負荷開放電圧を検出するようになっている。コイルL5,L6の接続点は、駆動回路の共振回路から十分な数の素子、即ち、コイルL2の(a−c)区間、コイルL3,L4、コンデンサC5,C6及びコイルL5が介在しており、電気的に十分に離間している。また、コイルL5,L6の接続点の電圧は、出力端子O2の電圧に比べて十分に低く、共振電圧検出部11の素子の耐圧等の設計の自由度が高い。
【0046】
図4及び図5は本実施の形態による効果を説明するためのものであり、図4及び図5は横軸に時間をとり縦軸に振幅をとって、スイッチングトランジスタQ1,Q2のソース・ドレイン間の電圧及び電流波形の変化を示す波形図である。図4は第2の実施の形態における特性を示し、図5は第3の実施の形態における特性を示している。
【0047】
図4においては、本来位相が90度ずれるべき電圧波形と電流波形との位相が、90度から若干ずれていることを示している。このずれによって、損失が生じる。
【0048】
一方、本実施の形態の特性を示す図5においては、電圧波形と電流波形とは、略完全に90度ずれており、スイッチングトランジスタQ1,Q2において損失が生じていないことが分かる。
【0049】
このように、本実施の形態においては、上記各実施の形態と同様の効果が得られると共に、無負荷開放電圧の検出点を、スイッチングトランジスタの駆動回路から電気的に十分に離間した位置に設定していることから、スイッチングトランジスタのソース・ドレイン間の電圧と電流の位相を適正に設定することができ、損失が生じることを防止して、効率を向上させることができる。
【0050】
なお、本実施の形態を第1の実施の形態に適用することができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る冷陰極放電灯点灯装置を示す回路図。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す回路図。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す回路図。
【図4】本実施の形態による効果を説明するための波形図。
【図5】本実施の形態による効果を説明するための波形図。
【符号の説明】
【0052】
10…整流回路、11…共振電圧検出部、Q1,Q2…トランジスタ、C1〜C6…コンデンサ、L1〜L6…コイル、R1〜R3…抵抗。
代理人 弁理士 伊 藤 進

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧を交流電圧に変換するための複数のスイッチング素子と、
前記スイッチング素子を交互にオン,オフさせる駆動回路と、
前記スイッチング素子からの交流電圧の供給点に接続された出力共振回路と、
前記出力共振回路の出力に基づく電圧を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に基づいて前記スイッチング素子のオン,オフを停止させる停止手段とを具備したことを特徴とする冷陰極放電灯点灯装置。
【請求項2】
前記停止手段は、前記駆動回路の回路定数を変化させることによって、前記スイッチング素子のオン,オフを停止させることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極放電灯点灯装置。
【請求項3】
前記停止手段は、前記スイッチング素子への前記直流電圧の供給を停止させることにより、前記スイッチング素子のオン,オフを停止させることを特徴とする請求項1に記載の冷陰極放電灯点灯装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記出力共振回路の出力に基づく電圧を、前記駆動回路と放電灯との間以外の位置において検出することを特徴とする請求項1に記載の冷陰極放電灯点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−127906(P2006−127906A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−314465(P2004−314465)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】