説明

凍結米飯製造装置及び凍結米飯製造方法

【課題】ベルトコンベア等に米飯をこびり付かせずに、また米飯を細かく粒状にして連続的に冷凍できるようにする凍結米飯製造装置を提供する。
【解決手段】冷却室11内を排出口24側に向かって移動するベルトコンベア12上に米飯13を供給して製造する凍結米飯製造装置において、ベルトコンベア12の上方で凍結前の米飯13を冷却室11内の空間に飛ばしてほぐし、該ほぐされた米飯13をベルトコンベア12上に落下させることにより米飯13をベルトコンベア12上に供給する米飯供給手段14と、冷却室11内空間に飛ばされている米飯13に表面凍結用の冷気を吹き付ける表面凍結用の冷却器17と、を備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は凍結米飯製造装置及び凍結米飯製造方法に関するものであり、特に、米飯を一粒ずつに分けた状態で冷凍することができる凍結米飯製造装置及び凍結米飯製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、凍結米飯の製造方法として、例えば特許文献1に記載される方法が知られている。特許文献1の凍結米飯の製造方法は、米を水洗いした後、水に所定時間浸漬し、水切りした後、蒸してα化(糊化)させ、次にそのα化した米をほぐしながら冷却し、その冷却した米を凍結処理して凍結米飯を得るものである。
【0003】
また、従来、α化した米飯を凍結処理する装置として、凍結米飯製造装置が提供されている。この装置は、蒸し処理(加熱処理)による米飯のα化(糊化)で、その表面に発生した粘り物質(いわゆるネバ)によって米粒同士がくっ付き合い、一つの塊となっている米飯を、ほぐして一粒ずつの状態とし、その一粒ずつの状態とした米飯を連続的に冷凍するように構成しているので、製造効率がよく、凍結米飯の製造に欠かせない装置となっている。
【0004】
図3は、従来の凍結米飯の製造装置の概略図を示す。同図において、凍結米飯製造装置50は、粒状化室51aと凍結室51bを有した冷却室51と、該冷却室51内に設けられたベルトコンベア52と、該ベルトコンベア52上に載せられた米飯53(図4参照)を一粒ずつにほぐす、ほぐし装置54を備えている。また、前記粒状化室51aと前記凍結室51bには、それぞれ冷却器55,55が設けられている。さらに、前記ベルトコンベア52の上方には、前記冷却器55,55と前記ベルトコンベア52の間を仕切るようにしてスリット板56が配設されている。
【0005】
なお、前記ほぐし装置54は、図4に示すように、前記ベルトコンベア52上で、2つの櫛歯状をしたパドル部材54a,54aを互いに反対方向に回転させて米飯53を順に掻き上げ、その掻き上げにより米飯53の塊をほぐすようになっている。
【0006】
このように構成された凍結米飯製造装置50の動作を次に説明する。まず、前記冷却室51の入口57側において、α化された米飯53が前記ベルトコンベア52上に載せられ、これが出口58側に向かって搬送される。そして、前記入口57側で前記ベルトコンベア52上に載せられた米飯53は、前記粒状化室51a内に送られ、複数の前記ほぐし装置54の動作で小さな塊にほぐされるとともに、前記冷却器55からの冷気で表面が凍結され、その後、前記凍結室51bに送られる。該凍結室51bでは、小さな塊で、かつ、表面が凍結された米飯53を、前記ほぐし装置54の動作でさらに一粒ずつにほぐしながら前記冷却器55の冷気により米飯53の内部を完全に凍結させ、その後、前記出口58から排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−70800号公報(第1〜5頁)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図3に示した従来の凍結米飯製造装置50では、前記ほぐし装置54で米飯53を掻き上げるとき、前記パドル部材54a,54aと前記ベルトコンベア52の間の隙間が大きくなると、米飯53の一部が板状やブロック状になるという問題点があった。また、板状やブロック状になった米飯53が前記ベルトコンベア52上にこびり付く。このため、米飯53を取り除く作業を頻繁に行う必要があり、作業性が悪いという問題点があった。
【0009】
そこで、ベルトコンベア等に米飯をこびり付かせずに、また米飯を細かく粒状にして連続的に冷凍できるようにするために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1記載の発明は、冷却室内を出口側に向かって移動するベルトコンベア上に米飯を供給して凍結米飯を連続して製造する凍結米飯製造装置において、前記ベルトコンベアの上方で凍結前の米飯を前記冷却室内空間に飛ばしてほぐし、該ほぐされた米飯を該ベルトコンベア上に落下させることにより、米飯を該ベルトコンベア上に供給する米飯供給手段と、前記冷却室内空間に飛ばされている米飯に表面凍結用の冷気を吹き付ける表面凍結用冷却器と、を備える凍結米飯製造装置を提供する。
【0011】
この構成によれば、α化された米飯は、ベルトコンベア上に載せられる前、冷却室内空間に飛ばされて、ほぐされるとともに、ベルトコンベア上に落下されるまでの間に表面が凍結され、その表面に発生していた粘り物質(いわゆるネバ)が取り除かれる。したがって、ベルトコンベア上に落下された米飯は、表面が凍結されて粒状化され、またネバもなくベルトコンベアに貼り付くことがない。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、上記表面凍結用冷却器は、上記ベルトコンベアの上方に向けて冷気を吹き出す圧力を、上記冷却室の中央側ゾーンでの圧力よりも前記冷却室の壁側ゾーンでの圧力を大きく設定してなる凍結米飯製造装置を提供する。
【0013】
この構成によれば、ベルトコンベアの上方に向けて吹き出している冷気の圧力を、冷却室の中央側ゾーンでの圧力よりも前記冷却室の壁側ゾーンでの圧力の方を大きく設定しているので、冷却室内空間に飛ばされて壁側に向かった米飯は、壁側ゾーンに発生している大きな吹き出し圧力によって冷却室の中央側ゾーン、すなわちベルトコンベアが設置されている中央側ゾーンに寄せられ、そのままベルトコンベア上に落下して行くことになる。同時に、壁に付着する米飯を無くすことができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の構成において、上記冷却室は、上記表面凍結用冷却器が配設されてなる表面凍結用冷却室と内部凍結用冷却器が配設されてなる内部凍結用冷却室に仕切られ、上記ベルトコンベアは、前記米飯を前記表面凍結用冷却室から前記内部凍結用冷却室内を通って前記出口側に向けて搬送可能に設けてなる凍結米飯製造装置を提供する。
【0015】
この構成によれば、表面凍結用冷却室で米飯の表面を急速冷凍し、その後、内部凍結用冷却室内で米飯内部を完全に凍結させることができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、冷却室内を出口側に向かって移動するベルトコンベア上に米飯を供給して凍結米飯を連続して製造する凍結米飯製造方法において、前記凍結前の米飯を前記冷却室内空間に飛ばして前記ベルトコンベアの上方でほぐすとともに、前記冷却室内空間に飛ばされている米飯に表面凍結用の冷気を吹き付け、表面が凍結された米飯を前記コンベア上に落下させることにより米飯をベルトコンベア上に供給し、その後、米飯の内部をベルトコンベア上で凍結させるようにした凍結米飯製造方法を提供する。
【0017】
この方法によれば、α化された米飯は、ベルトコンベア上に載せられる前、冷却室内空間中に飛ばされて、ほぐされるとともに、ベルトコンベア上に落下されるまでの間に表面が凍結され、その表面に発生していた粘り物質(いわゆるネバ)が取り除かれる。したがって、ベルトコンベア上に落下された米飯は、表面が凍結されて粒状化され、またネバもなくベルトコンベアに貼り付くことがない。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の方法において、上記表面が凍結された米飯を載せて移動する上記ベルトコンベアの下流側に内部凍結用冷却室を設け、内部凍結用冷却室で米飯の内部を凍結させる凍結米飯製造方法を提供する。
【0019】
この方法によれば、表面凍結用冷却室で米飯の表面を急速冷凍し、その後、内部凍結用冷却室内で米飯内部を完全に凍結させることができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の発明は、α化された米飯は、ベルトコンベア上に載せられるとき、その表面に発生していた粘り物質(いわゆるネバ)は既に取り除かれ、細かく粒状化されているので、米飯をベルトコンベア等にこびり付かせずに、また米飯を細かく粒状にして効率良く素早く冷凍することができる。すなわち、米飯の表面を素早く凍結させて、うま味成分を外に逃がさずに米飯内部に閉じ込めることができるので、味を劣化させることなく凍結米飯を連続して製造することができる。また、ベルトコンベア等に米飯がこびり付くのを防止することができるので、清掃作業等が簡略化され、作業性も向上する。
【0021】
請求項2記載の発明は、冷却室内中に飛ばされた米飯を、冷却室の中央側に寄せてベルトコンベア上に正しく落下させることができる。また、壁に付着する米飯を無くすことができる。これにより、請求項1記載の発明の効果に加えて、さらに清掃作業等の簡略化が図れ、作業性も向上する。
【0022】
請求項3記載の発明は、表面凍結用冷却室で米飯の表面を急速冷凍し、その後、内部凍結用冷却室内で米飯内部を完全に凍結させるので、うま味成分を外に逃がさずに米飯内部に閉じ込めた状態で冷凍処理を行うことができる。これにより、請求項1または2記載の発明の効果に加えて、さらに効率良く冷凍処理を行うことができる。
【0023】
請求項4記載の発明は、α化された米飯は、ベルトコンベア上に載せられるとき、その表面に発生していた粘り物質(いわゆるネバ)は既に取り除かれ、細かく粒状化されているので、米飯をベルトコンベア等にこびり付かせずに、また米飯を細かく粒状にして効率良く素早く冷凍することができる。すなわち、米飯の表面を素早く凍結させて、うま味成分を外に逃がさずに米飯内部に閉じ込めることができるので、味を劣化させることなく凍結米飯を連続して製造することができる。また、ベルトコンベア等に米飯がこびり付くのを防止することができるので、清掃作業等が簡略化され、作業性も向上する。
【0024】
請求項5記載の発明は、表面凍結用冷却室で米飯の表面を急速冷凍し、その後、内部凍結用冷却室内で米飯内部を完全に凍結させるので、うま味成分を逃がすことなく米飯内部に閉じ込めた状態で冷凍処理を行うことができる。これにより、請求項4記載の発明の効果に加えて、さらに効率良く冷凍処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施の形態に係る凍結米飯製造装置の概略図。
【図2】同上凍結米飯製造装置の冷気吹き付け圧力を説明する説明図。
【図3】従来の凍結米飯製造装置の概略図。
【図4】従来装置おけるほぐし装置の説明図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は、ベルトコンベア等に米飯をこびり付かせずに、また米飯を細かく粒状にして連続して冷凍できるようにするという目的を達成するために、冷却室内を出口側に向かって移動するベルトコンベア上に米飯を供給して凍結米飯を連続して製造する凍結米飯製造装置において、前記ベルトコンベアの上方で凍結前の米飯を前記冷却室内空間に飛ばしてほぐし、該ほぐされた米飯を該ベルトコンベア上に落下させることにより、米飯を該ベルトコンベア上に供給する米飯供給手段と、前記冷却室内空間に飛ばされている米飯に表面凍結用の冷気を吹き付ける表面凍結用冷却器と、を備えるようにしたことにより実現した。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の凍結米飯製造装置及び凍結米飯製造方法の好適な実施例を添付図面に基づき詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明に係る凍結米飯製造装置の縦断面図である。同図において、凍結米飯製造装置10は、粒状化室11aと凍結室11bを有した冷却室11と、前記粒状化室11aと前記凍結室11b内を水平に移動するエンドレス状のベルトコンベア12と、該ベルトコンベア12上に米飯13を供給する米飯供給手段14と、前記粒状化室11aに設けられた表面冷却用の冷却器15及び冷気吹き出し器16と、凍結室11bに設けられた内部冷却用の冷却器17及び冷気吹き出し器18とを備えている。なお、ここでの米飯13は、白米、及び、白米に具材を混ぜてなるピラフ、炒め飯、炊き込み飯等を含むものである。
【0029】
前記冷却室11の前記粒状化室11aと前記凍結室11bとの間は、前記ベルトコンベア12及び前記米飯13を通過させるための上側連通口19aと前記ベルトコンベア12を通過させるための下側連通口19bとを設けてなる仕切壁20により仕切られている。また、前記粒状化室11aの前壁面上部には米飯供給口21が設けられ、前壁面下部には前記ベルトコンベア12を通過させるための連通口22a,22bが設けられている。一方、前記凍結室11bの後壁面には、前記ベルトコンベア12で運ばれてシュータ23上に落下する凍結処理済みの米飯13を、前記冷却室11の外側に排出させるための排出口24が設けられている。
【0030】
前記ベルトコンベア12は、ベルトの下側から吹き付けられた冷気がベルトの上側に通過して行くように、ネットベルトまたは孔付のスチールベルトでなる。該ベルトコンベア12は、モータ(図示せず)で駆動されるローラ25の回転により、前記粒状化室11a側から前記凍結室11b側に向かってエンドレス状に移動する。
【0031】
前記米飯供給手段14は、前記冷却室11の外側に配設されているベルトコンベア26とほぐし装置27を備えている。前記ベルトコンベア26は、モータ(図示せず)で駆動されるローラ28の回転により、前記冷却室11の前記米飯供給口21に向かってエンドレス状に移動することができるもので、該冷却室11の外側でα化された米飯13が載せられ、この米飯13を該米飯供給口21に向かって搬送する。
【0032】
前記ほぐし装置27は、前記米飯供給口21に対応し、かつ、前記ベルトコンベア26上に隣接して設けられている。該ほぐし装置27では、前記ベルトコンベア26に載せられて前記米飯供給口21に運ばれて来た、凍結処理前のα化された米飯13を、前記粒状化室11a内の空間に飛ばして一粒ずつにほぐすもので、例えば回転される櫛状をしたパドル部材等である。
【0033】
前記粒状化室11aに設けられた前記冷却器15及び前記冷気吹き出し器16は、前記ほぐし装置27により前記粒状化室11a内の空間に飛ばされて一粒ずつにほぐされた米飯13の表面を瞬間的に凍結させるものである。このうち、前記冷却器15は、前記粒状化室11a内の温められた空気を回収して再び冷やし、前記冷気吹き出し器16は、前記冷却器15で冷やされた空気を前記ベルトコンベア12の下側から吹き付けるようにして前記粒状化室11a内に冷気を送り込むようになっている。そして、本実施例では、前記冷却器15及び前記冷気吹き出し器16は、前記粒状化室11a内の温度を−45℃程度に保持する。
【0034】
また、前記冷気吹き出し器16の冷気の吹き出しは、図2中に圧力分布を二点鎖線で示すように、前記ベルトコンベア12を挟んで左右両側に配置されている壁面29,29に近いエリアにおける吹き出し圧力P1が、前記粒状化室11aの中央側におけるエリアにおける吹き出し圧力P2よりも大きくなるように設定してある。
【0035】
すなわち、前記冷気吹き出し器16による冷気吹き出し圧力を上記のように設定すると、前記ほぐし装置27により前記粒状化室11a内に飛ばされ、かつ、前記壁面29,29に向かった米飯13は、大きな吹き出し圧力P1を受けて前記粒状化室11aの内側、すなわち前記ベルトコンベア12の上方に集められ、これが前記ベルトコンベア12上に落下することになり、前記粒状化室11a内の空間に飛ばされて落下して来る米飯13を自動的に前記ベルトコンベア12上に集めることができる。また、前記粒状化室11a内に飛ばされた米飯13が前記壁面29,29に付着するのを防ぐことができる。
【0036】
前記凍結室11bに設けられた前記冷却器17及び前記冷気吹き出し器18は、前記ベルトコンベア12で粒状化室11aから該凍結室11bに搬送されて来た米飯13の内部を凍結させるものである。このうち、前記冷却器17は、前記凍結室11b内の温められた空気を回収して再び冷やし、前記冷気吹き出し器18は、前記冷却器17で冷やされた空気を下側から該ベルトコンベア12に吹き付けるようにして前記凍結室11b内に冷気を送り込むようになっている。そして、本実施例での前記冷却器17及び前記冷気吹き出し器18は、前記凍結室11b内の温度を−35℃程度に保持する。
【0037】
次に、上記実施例における凍結米飯製造装置10の作用を説明する。まず、前記米飯供給手段14の前記ベルトコンベア26で、前記冷却室11の前記米飯供給口21に運ばれて来たα化された米飯13は、前記ほぐし装置27で前記ベルトコンベア26上から前記米飯供給口21を通って前記粒状化室11aの空間内に、一粒ずつ、または細かい塊にほぐされて飛ばされ、これが前記冷却室11の前記ベルトコンベア12上に集められて落下する。また、前記粒状化室11aの空間に飛ばされた米飯13は、−45℃の冷気によって表面が瞬間的に凍結される。これにより、表面のネバが無くされた状態で前記ベルトコンベア12上が落下され、この落下時の衝撃で細かい塊の米飯13もさらに一粒ずつに分離される。すなわち、一次流動による表面凍結処理が行われる。
【0038】
また、表面が凍結されて前記ベルトコンベア12上に落下された米飯13は、前記ベルトコンベア12の移動により前記凍結室11b内に送られ、該凍結室11b内の−35℃の冷気によって内部まで凍結処理される。すなわち、通気凍結が行われる。このようにして内部まで凍結処理された米飯13は、前記ベルトコンベア12で前記排出口24側に送られ、さらに前記シュータ23上に落下されて前記冷却室11の外側に排出される。これにより、凍結米飯を連続的に製造することができる。
【0039】
したがって、上記実施例による凍結米飯製造装置10によれば、α化された米飯13は、前記ベルトコンベア12上に載せられるときには、その表面に発生していた粘り物質(いわゆるネバ)は既に取り除かれて細かく粒状化されているので、米飯13を前記ベルトコンベア12等にこびり付かせることなく、また米飯を細かく粒状にして効率良く素早く冷凍することができる。すなわち、米飯13の表面を素早く凍結させて、うま味成分を外に逃がさずに米飯内部に閉じ込めることができるので、味を劣化させることなく凍結米飯を連続的に製造することができる。また、前記ベルトコンベア12や前記壁29等に米飯13がこびり付くのを防止することができるので、清掃作業等が簡略化され、作業性も向上する。
【0040】
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上説明したように、本発明は凍結米飯を製造する以外に、粒状材を凍結させる技術にも応用できる。
【符号の説明】
【0042】
10 凍結米飯製造装置
11 冷却室
11a 粒状化室
11b 凍結室
12 ベルトコンベア
13 米飯
14 米飯供給手段
15 冷却器
16 冷気吹き出し器
17 冷却器
18 冷気吹き出し器
20 仕切壁
21 米飯供給口
23 シュータ
24 排出口
26 ベルトコンベア
27 ほぐし装置
28 ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却室内を出口側に向かって移動するベルトコンベア上に米飯を供給して凍結米飯を連続して製造する凍結米飯製造装置において、
前記ベルトコンベアの上方で凍結前の米飯を前記冷却室内空間に飛ばしてほぐし、該ほぐされた米飯を該ベルトコンベア上に落下させることにより米飯を該ベルトコンベア上に供給する米飯供給手段と、
前記冷却室内空間に飛ばされている米飯に表面凍結用の冷気を吹き付ける表面凍結用冷却器と、
を備えることを特徴とする凍結米飯製造装置。
【請求項2】
上記表面凍結用冷却器は、上記ベルトコンベアの上方に向けて冷気を吹き出す圧力を、上記冷却室の中央側ゾーンでの圧力よりも前記冷却室の壁側ゾーンでの圧力を大きく設定してなることを特徴とする請求項1記載の凍結米飯製造装置。
【請求項3】
上記冷却室は、上記表面凍結用冷却器が配設されてなる表面凍結用冷却室と内部凍結用冷却器が配設されてなる内部凍結用冷却室に仕切られ、上記ベルトコンベアは、前記米飯を前記表面凍結用冷却室から前記内部凍結用冷却室内を通って前記出口側に向けて搬送可能に設けてなることを特徴とする請求項1または2記載の凍結米飯製造装置。
【請求項4】
冷却室内を出口側に向かって移動するベルトコンベア上に米飯を供給して凍結米飯を連続して製造する凍結米飯製造方法において、
前記凍結前の米飯を前記冷却室内空間に飛ばして前記ベルトコンベアの上方でほぐすとともに、前記冷却室内空間に飛ばされている米飯に表面凍結用の冷気を吹き付け、表面が凍結された米飯を前記コンベア上に落下させることにより米飯をベルトコンベア上に供給し、その後、米飯の内部をベルトコンベア上で凍結させるようにしたことを特徴とする凍結米飯製造方法。
【請求項5】
上記表面が凍結された米飯を載せて移動する上記ベルトコンベアの下流側に内部凍結用冷却室を設け、該内部凍結用冷却室で米飯の内部を凍結させることを特徴とする請求項4記載の凍結米飯製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−217666(P2011−217666A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89876(P2010−89876)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(390026974)株式会社東洋製作所 (132)
【Fターム(参考)】