説明

凝縮した蒸気を収集するための装置および真空システム

【課題】物理蒸着中に、凝縮した蒸気を収集するための装置および真空システムを提供する。
【解決手段】物理蒸着中に、凝縮した蒸気を収集するための装置は、真空チャンバ内の1つ以上の蒸気源に隣接して配置されるように構成された筐体を備える。この筐体は、対象物を収容するように構成された空間の体積を部分的に囲む筐体の内面を含み、この筐体は、上記1つ以上の蒸気源よりも低い温度に保たれる。上記筐体の内面は1つ以上の排水溝に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、概して蒸気の収集に関し、具体的には蒸気の凝縮および収集に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
ディスク形態の薄膜磁気および光磁気(MO)媒体は一般的に、高分子潤滑剤たとえばパーフルオロポリエーテルの薄膜で潤滑されており、これにより、コンタクトスタートストップ(「CSS」)モードおよびロード/アンロード(「L/UL」)モードいずれでも機能するハードディスクシステムの場合のように浮上高さが低い状態で動作するデータ/情報記録および読取ヘッド/変換器とともに使用するときのディスクの摩耗は減少する。従来は、潤滑剤の薄膜を製造中のディスク面に塗布する際、少なくとも1つの記録層を含む薄膜からなる積層体が形成されたディスクを、適切な溶剤、一般的にはパーフルオロカーボン、フルオロハイドロカーボン、またはハイドロフルオロエーテルに溶かした少量の潤滑剤、たとえば約1重量%未満のフッ素含有ポリマーを収容する槽に浸漬することによって、この潤滑剤の薄膜をディスク面に塗布する。しかしながら、このような浸漬プロセスに特有の欠点は、大量の溶剤が消費されるために製造コストが増すこと、および、毒性のまたは有害である可能性がある溶剤蒸気が作業場所に存在するために環境破壊が懸念されることである。
【0003】
上記欠点に鑑みれば、薄膜潤滑剤の蒸着は、この浸漬潤滑に代わる魅力的な方法である。具体的には、潤滑膜の蒸着は、溶剤を用いないプロセスである。加えて、蒸着技術は、適切な高分子潤滑剤と、潤滑剤の蒸着前に空気に晒されていない新たに成膜された炭素系保護オーバーコート層からなる蒸着面を有する磁気および/またはMOディスク基板とともに使用したときに、最大約100%結合した潤滑剤分子を提供できる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示のある局面において、物理蒸着中に、凝縮した蒸気を収集するための装置は、真空チャンバ内の1つ以上の蒸気源に隣接して配置されるように構成された筐体を備える。この筐体は、対象物を収容するように構成された空間の体積を部分的に囲む筐体の内面を含み、この筐体は、上記1つ以上の蒸気源よりも低い温度に保たれる。上記筐体の内面は1つ以上の排水溝に結合される。
【0005】
本開示の実施の形態は、添付の図面に、限定ではなく例示を目的として示されており、図中、同様の構成要素には同様の参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1A】蒸気潤滑システムの構成の実施の形態を示す。
【図1B】蒸気潤滑システムの構成の実施の形態を示す。
【図2A】ある実施の形態に従い潤滑剤蒸気を収容し凝縮する装置の側面図を示す。
【図2B】図2Aの装置の端部の正面図である。
【図2C】図2Aの装置の端部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
図1Aを参照して、ディスクドライブ媒体の潤滑剤の物理蒸着プロセスにおける、蒸着システム120は、蒸気源110内の液体潤滑剤を加熱する熱源101を含み、蒸気源および熱源はいずれも真空チャンバ108内に収容され潤滑剤蒸気を生成する。加熱された潤滑剤は、周囲温度のまたは周囲温度を下回る潤滑剤よりも高い蒸気圧を有し得る。この潤滑剤蒸気は、蒸気源110から、加熱された拡散板112における一並びの孔を通して、未加熱の対象物を潤滑剤でコーティングすることができる真空チャンバ108内の空間に、放出される。この蒸気は、真空条件下で隙間を移動し、対象物の未加熱の面上で凝縮する。この対象物はたとえばディスクでもよい。ある実施の形態では、加熱された1つの蒸気源110によって放出された蒸気にディスクの片面を晒してもよい。別の実施の形態では、加熱された2つの蒸気源を用いて放出された蒸気にディスクの両面を晒してもよい。拡散板112は、ディスクの面全体に空間的に均一的な膜を作るために設けられる。上記一並びの孔、および、蒸気源110とディスクとの間の隙間は、視線方向の蒸着が最大になるように設計されるものの、蒸気には拡散板112の孔を通して放散する性質があるため、相当な量の潤滑剤はディスク面に成膜されない。この未使用の潤滑剤は従来、真空チャンバ108の壁の上で凝縮する可能性があり、または、真空チャンバ108に結合されたポンプシステムによって除去することができる。いずれにしても、この潤滑剤は、ディスク上では利用されずに失われたものとみなされる。利用されない潤滑剤があるためにコストが増すことに加えて、真空チャンバ108またはシステムポンプ内で凝縮した潤滑剤は、早期のポンプ故障といった他の不利益な影響を及ぼす可能性がある。
【0008】
図1Bを参照して、ディスクドライブ媒体の潤滑剤の物理蒸着プロセスにおける、蒸着システム120’は、蒸着システム120の構成要素の一部またはすべてを含み得るが、筐体200をさらに含む。以下、筐体200について詳しく説明する。
【0009】
図2Aは、潤滑剤蒸気を収容し収集する装置200の正面図であり、この潤滑剤蒸気はさもなければ装置200を収容する真空チャンバ108の内壁上に付着するであろう。ある実施の形態において、装置200は、1つ以上の蒸気源110に対向して配置されるように構成され、蒸気源110は、対象物の両側に実質的に面する。この対象物はたとえば磁気メモリディスクまたは光磁気ディスクといったディスクでもよい。ある実施の形態では、2つの蒸気源110が、これら2つの蒸気源110の間にディスクを挟んで向かい合っている。装置200は、ディスクを収容する、2つの蒸気源110の間の空間を囲み得る筐体230を含む。スペーサ240の熱伝導率が低いので、蒸気源110の熱が筐体230を加熱するのを防ぐまたは遅らせることができる。蒸気をより効率的に凝縮できるようにするために、断熱性のスペーサ240は、筐体230の両側を対応する蒸気源110に機械的に結合する一方で、筐体230を熱い蒸気源110から断熱する手段を提供し、意図に反して筐体230に入るかもしれない蒸気潤滑剤の量を減じるために限られた隙間を維持してもよい。
【0010】
相対的に温度が高い蒸気源110と温度が低い筐体230との間の大きな温度差を保つことによって、筐体上での蒸気の凝縮速度は速くなる。セラミック材およびある種の金属の熱伝導率が低いことは周知である。たとえば、アルミナおよびその他のセラミック材の熱伝導率のおおよその範囲は10−50W/m‐°Kである。316および316Lといったある種のステンレス鋼の熱伝導率は約15−30W/m‐°Kであり、インコネル(INCONEL)(登録商標)の熱伝導率は約15−20W/m‐°Kである。このような材料は、熱伝導率が低い材料であると特徴付けることができる。比較のために、アルミニウム金属は、約200W/m‐°Kという高い熱伝導率を有する。
【0011】
筐体230は、上シールド231と下シールド232とを含む概ね多角形、楕円形、円形、または同様の形状でもよい。各シールドはアーチ型の面234を含み、このアーチ形状の頂点は、ディスクの平坦面とほぼ同一線上にありかつ同心であり、ディスクの中心に対して、シールド231、232の実質的に最も外側の境界を形成する。上シールド231内では、凝縮した蒸気が、重力の作用によって、シールド231の内面に沿って下向きに流れてディスク面から遠ざかるため、凝縮した蒸気がディスク上に滴り落ちることはないであろう。下シールド232内では、このアーチ形状が樋の機能を果たし、この樋の中を凝縮した蒸気が重力の作用によって下向きに流れて実質上ディスクの下で集まるであろう。少なくとも上シールド231も、アーチ面234の各「足」部分に排水溝245を含み、この排水溝は、凝縮した蒸気が下向きに流れる際にこれを捕えることにより、凝縮した蒸気が蒸気源110の拡散板112の上を流れないようにし、凝縮した蒸気がディスク上に滴り落ちないようにし、さらに、凝縮した蒸気が筐体230の外に滴り落ちないようにする。下シールド232に結合された排水路250は、凝縮した蒸気を貯めるために容器265に導く。貯められた凝縮蒸気を次の蒸着で再利用してもよい。これに代えて、貯められた凝縮蒸気を継続的に蒸気源110に再循環させてできるだけ速やかに再利用できるようにしてもよい。
【0012】
蒸気圧は、周囲温度(たとえば室温)またはそれよりも低い温度では、非常に低いことがあるので、蒸気源110と筐体230の温度差を、筐体の温度を下げることによって大きくすると、凝縮効率を高めることができ、真空チャンバ108またはポンプシステムの一部で蓄積し得る蒸気の量を減じることができる。このため、熱伝導率が高い1つ以上の冷却板290を筐体230とともに配置することによって、筐体230からの熱伝達によってさらに周囲温度よりも低温に冷却し、筐体230と蒸気源110の温度差を大きくしてもよい。周囲温度よりも低温に冷却するために、冷却板290を真空チャンバ108の外部にある放熱フィン(図示せず)、ペルティエ冷却器(図示せず)、流体伝熱装置(図示せず)などに結合することを含む、異なるいくつかの構造を用いてもよい。
【0013】
筐体230のシールド232の底部分にある小さく細い通路開口部254によって、蒸着プロセスにおいてディスクを挿入し取出すことができるようにしてもよい。この開口254を最小寸法に保つことによって、筐体から漏れ出して真空チャンバまたはポンプシステムの壁に達する可能性のある蒸気の量を減じつつ、ディスクを挿入し取出すことができるようにしてもよい。
【0014】
筐体230を酸化速度が遅い材料で構成してもよい。これに代えてまたはこれに加えて、筐体230を、熱伝導率が低い材料、たとえば、150W/mK以下、ある実施の形態では80W/mK以下、またはある実施の形態では40W/mK以下といった低い熱伝導率を有する材料で構成してもよい。筐体230の典型的な材料には、たとえばステンレス鋼(例としてステンレス鋼316または316L)、インコネル(INCONEL)(登録商標)などが含まれる。ただし、筐体230を本明細書で具体的に指定していない他の材料で作ることもできる。こういった材料は、筐体230の加熱を減じることによって蒸気のより高い凝縮速度を保つことができるであろう。筐体の研磨された内面は、凝縮した蒸気の流れおよび排出を促進できる。ディスク上に蒸着した蒸気の化学的安定性および純度を保つために、または他の目的のために、気体放出速度が実質的にごく低く、腐食速度が実質的にごく低く、蒸気と化学物質の反応に対して不活性である筐体材料を選択してもよい。
【0015】
別の実施の形態では、筐体を形成する材料として、複数の材料を組合わせたものを使用してもよい。たとえば、筐体230の本体は、熱特性、強度などを考慮したある材料で形成し、内面に形成される材料は、有益と思われる表面特性を考慮して選択してもよい。たとえば、筐体230の内面を、化学的に非反応性のまたは非腐食性の選択された材料で電気めっきしてもよい。または、これに代えて、化学的に不活性の面、または、凝縮した蒸気の移動および排出を促す面を与えることができるテフロン(登録商標)を内面に形成してもよい。テフロン(登録商標)は非粘着性であるからである。
【0016】
筐体230のアーチ233の形状は下シールド232にもあるので、凝縮した蒸気は、シールド231の内面234を排水溝245に沿って流れ落ちるとともに、下シールド232のアーチ233に向かって内向きに流れる。このアーチ233はたとえば上シールド231に対して反転している。下シールド232の下部に結合された排水路250は、凝縮した蒸気を、下シールド232の内向きに傾斜した内面235から筐体230の出口255へと導く。排水路250は、分割構造を有する、すなわち、開口254を挟んで2つの溝付き排水路251および252に分かれているので、ディスクを筐体230に挿入して蒸気源110の拡散板112に晒しその後取出すことができる。
【0017】
2つの排水路251および252に溝を設けることによって、凝縮した蒸気が、ディスクを通す開口に流れ込んでそこから真空ポンプシステムに入らないようにする。筐体230の底部分にある小さく細い通路開口部254によって、蒸着プロセスにおいてディスクを挿入し取出すことができる。この開口254を最小寸法に保つことによって、筐体から漏れ出して真空チャンバまたはポンプシステムの壁に達する可能性のある蒸気の量を減じつつ、ディスクを挿入し取出すことができる。2つの排水路251、252は、凝縮した蒸気を下向きに容器265まで導く樋260に結合された出口259で合流する。
【0018】
貯められた凝縮蒸気を次の蒸着で再利用してもよい。これに代えて、貯められた凝縮蒸気を容器265から蒸気源110に再循環させて実質的に速やかに再利用できるようにしてもよい。
【0019】
本発明のさまざまな実施の形態の数多くの特徴を、本発明のさまざまな実施の形態の構造および機能の詳細と合わせて述べてきたが、この開示は例示に過ぎず、詳細事項について、特に構成部品の構造および配置に関する事項について、本発明の原理内で、添付の請求項を表現する用語の広く一般的な意味で示される範囲の中で、変更が可能であることが理解されるはずである。たとえば、特定の構成要素は、本発明の範囲および精神から外れることなく、実質的に同じ機能性を保ちつつ、特定の応用システムによって異なることがある。加えて、本明細書に記載の好ましい実施の形態は、気体を制御して真空チャンバに導入するためのオリフィスを有する特定の一組のマニホルドに向けられているが、本発明の教示を本発明の範囲および精神から外れることなく他の気体処理システムに応用できることが当業者にはわかるであろう。
【0020】
このように、本明細書に記載の実施の形態は、従来の静的蒸着装置および方法には含まれない多数の特徴をもたらし、かつ、最適化された摩擦特性を得るために厚みが均一である潤滑剤の保護膜を成膜することを含む薄膜磁気およびMO記録媒体の自動化された製造プロセスにおいて特に有用である。具体的には、本明細書に記載の実施の形態では、潤滑剤を回収し回収した潤滑剤を再利用するので、潤滑剤の使用を原因とする製造コストを削減できる。さらに、本明細書に記載の実施の形態は、磁気およびMO媒体の自動化された製造と、他のすべての側面では完全に適合することに鑑みると、従来の製造装置/技術の一部として容易に利用できる。加えて、本明細書に記載の実施の形態は、潤滑を利用する、たとえば機械部品、ギヤ、リンク機構など、多種の製品の製造において利用される多岐にわたる蒸着プロセスに広く応用できる。最後に、本明細書に記載の実施の形態は、周囲温度における蒸気圧が昇温状態における蒸気圧よりも低い多岐にわたる蒸着プロセスに広く応用できる。
【0021】
本明細書に記載の実施の形態を利用して、事実上どのような材料でも成膜できる。ある実施の形態では、潤滑剤、たとえば薄膜磁気およびMO記録媒体のための潤滑剤を成膜できる。薄膜磁気およびMO記録媒体のためのさまざまな種類の潤滑剤を成膜できる。代表的な種類の潤滑剤には、たとえばパーフルオロポリエーテル(PFPE)が含まれ得る。
【0022】
代表的なPFPEは、例として、末端のアルコールで官能化されたPFPE,末端のフォスファゼンで官能化されたPFPE、末端のアミノで官能化されたPFPE、またはこれらの組合せを含み得る。市販されている例に含まれるものとしては、末端各々に2つの水酸基を有する官能化されたPFPEであるZ−TETRAOL(登録商標)(Solvay Solexis, Inc.、ブリュッセル、ベルギー)(Z−TETRAOL(登録商標)製品の具体例はZ−TETRAOL2000(登録商標))、末端各々に1つの水酸基を有する官能化されたPFPEであるZ−DOL(登録商標)(Solvay Solexis, Inc.、ブリュッセル、ベルギー)、一方の末端にシクロトリホスファゼン基を有し他方の末端に水酸基を有する官能化されたPFPEであるA2OH(登録商標)(株式会社MORESCO、日本)、一方の末端にアリールオキシ基で置換されたシクロホスファゼン基を有し他方の末端に2つの水酸基を有する官能化されたPFPEであるADOH(登録商標)(株式会社MORESCO、日本)(ADOH(登録商標)の具体例はADOH−2000(登録商標)(MORSCO、日本))、および、Z−TETRAOL(登録商標)と同様に各末端に2つの水酸基を有するがDEMNUM(登録商標)主鎖(CFCFCFO単位)を含むD4−OH(株式会社MORESCO、日本)を挙げることができる。
【0023】
代表的な官能化されたPFPEは、(末端基に対向する)主鎖に沿ってさらに官能基を含むこともできる。CまたはCパーフルオロエーテル単位の繰返し等、他の官能化された主鎖構造も利用できる。
【0024】
この開示全体を通して示されるさまざまな側面は、当業者がこの構成を実現し使用することができるようにすることを目的として提供されている。この開示全体を通して示される化合物および装置のさまざまな変更、変形、および修正は、当業者には容易に明らかになるであろう。また、本明細書に開示されている概念を、他の化合物および装置まで拡大してもよい。したがって、請求項は、この開示のさまざまな側面に限定されることを意図しているのではなく、請求項の文言と合致する全範囲に対応する。当業者に周知のまたは後に周知となるであろう本開示に記載のさまざまな側面の構成要素の構造的および機能的均等物はすべて、特に本明細書に引用により援用され、請求項に包含されることを意図している。加えて、本明細書に開示されているものは、このような開示が請求項に明確に記載されているか否かにかかわらず、公衆に開放されることを意図していない。請求項の構成要素は、その構成要素が「〜ための手段」という表現または方法の請求項の場合は「〜ための工程」という表現を用いて明示的に記載されていない限り、米国特許法第112条第6項の規定によって解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑剤の物理蒸着中に、凝縮した蒸気を収集するための装置であって、
真空チャンバ内の1つ以上の蒸気源に隣接して配置されるように構成された筐体を備え、前記筐体は、前記1つ以上の蒸気源よりも低い温度に保たれるように構成され、
前記筐体は、
対象物を収容するように構成された空間の体積を部分的に囲む内面と、
前記筐体の内面に結合された1つ以上の排水溝とを含む、装置。
【請求項2】
前記1つ以上の蒸気源各々と前記筐体との間の1つ以上の断熱スペーサをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記断熱スペーサは、熱伝導率が低いセラミックを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記筐体は、熱伝導率が80W/mK以下の材料からなる、請求項1、2、または3に記載の装置。
【請求項5】
潤滑剤の物理蒸着中に、凝縮した蒸気を収集するように構成された真空システムであって、
真空ポンプシステムに結合されるように構成されたチャンバと、
前記チャンバ内の1つ以上の蒸気源と、
前記1つ以上の蒸気源に隣接して配置されるように構成された筐体とを備え、
前記筐体は、
対象物を収容するように構成された空間の体積を実質的に囲む内面と、
前記筐体の内面に結合された1つ以上の排水溝とを含み、
前記筐体は、熱伝導率が80W/mK以下の材料からなり、
前記真空システムは、前記1つ以上の蒸気源各々と前記筐体との間の1つ以上の断熱スペーサをさらに備える、真空システム。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【公開番号】特開2012−214893(P2012−214893A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−76331(P2012−76331)
【出願日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】