説明

凝集反応情報入力処理システムおよび方法

【課題】システム構成が簡単かつ低コストで、作業効率をさらに向上させた凝集反応情報入力処理システムを提供する。
【解決手段】
検査デバイス識別部材7と、この検査デバイス識別情報8を読み取る識別情報読取手段3と、入力指示器9およびデジタイザを搭載し、表示画面10が水平に配置された表示手段4と、表示画面上の所定領域11に検査デバイス2を配置可能に位置決めする位置決め手段5と、内部制御手段6とを備え、内部制御手段は、識別情報読取手段で読み取られた検査デバイス識別情報に関係する検査デバイスの各ウェルWのイメージ画像12を、所定領域に対応する表示画面に表示させ、所定領域に配置された検査デバイスの各ウェルの上部に対する入力指示器の接触状態を検出することによって、当該検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果をパターン表示させ、その目視判定結果を記録するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凝集反応情報入力処理システムおよび方法、より詳細には、検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えた検査デバイスにおける凝集反応を目視判定して得られた凝集反応情報を入力処理するための、凝集反応情報入力処理システムおよび方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療現場において、被検査者の血液や体液などの検体の凝集反応検査を行う際に、マイクロプレートと呼ばれる検査デバイスが用いられている。マイクロプレートは、例えば光透過性を有するプラスチック材料などから形成され、検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えている。1つのマイクロプレートにおいて、例えば横8×縦12の配列で計96個のウェルを備えているものが一般的である。
【0003】
このマイクロプレートを用いて従来から行われている凝集反応検査について、以下に簡単に説明する。
まず、検体と試薬とをマイクロプレートの各ウェル内に分注する。そして、この分注から所定時間経過した後、各ウェル内で生じた凝集反応を、検査者が目視判定する。この目視判定において、検査者は、どのウェル位置がどのような凝集状態になっているかを頭に記憶して、それらの凝集反応情報をワークシート等の紙媒体に記録するかパソコン等の端末に入力して処理する。
しかしながら、この方法では、検査者がウェル位置とその凝集状態を1つずつ頭に記憶して作業を進めていかなければならないため、その作業が極めて非効率であり、検査者に大きな負担がかかっていた。また、この作業において、特に、検査者がウェル位置を間違えた場合(例えば、あるウェル位置の凝集状態を他のウェル位置の凝集状態と勘違いした場合)、紙媒体への記録ミスや端末への入力ミスが生じ、これが重大な医療検査ミスにつながるという問題もあった。
【0004】
ところで、上記作業の非効率を改善して検査者の負担を軽減させるために、タッチ式マイクロプレートリーダを備えた凝集反応情報入力処理システム(データ収集システム)が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
【0005】
図9は、非特許文献1のホームページの『タッチ式マイクロプレートリーダKI−100』の内容から類推される凝集反応情報入力処理システムを概略的に示した斜視図である。図9に示すように、この凝集反応情報入力処理システム100は、マイクロプレートリーダ101と、マイクロプレート102と、タッチペン等の入力指示器103と、上位コンピュータ104とを備える。
マイクロプレートリーダ101は、マイクロプレートリーダ本体の内部に形成された収容部101aと、マイクロプレートリーダ本体の上面にそれぞれ設けられた、ガラスタッチパネル部101bと、表示部101cと、操作キー部101dとを有する。収容部101aは、マイクロプレートリーダ本体の一側面に形成された挿入開口から挿入されたマイクロプレート102を収容可能になっている。ガラスタッチパネル部101bは、透明で平坦なガラス製の公知のタッチパネルからなる。表示部101cは複数のLEDからなる。表示部101cの各LEDは、マイクロプレート102の各ウェルWの配列に対応させた配列で、パネル部101bに隣接して配置されている。
【0006】
この凝集反応情報入力処理システム100を用いた凝集反応情報入力処理方法について、本出願人が非特許文献1に開示された内容から類推できる範囲で、以下に簡単に説明する。
まず、マイクロプレート102の各ウェルWに検体と試薬とを分注し、凝集反応が生じたマイクロプレート102を挿入開口に挿入して収容部101a内にセットする。その後、検査者が、収容部101a内にセットされたマイクロプレート102の各ウェル位置の凝集状態を、ガラスタッチパネル部101bの上側から目視判定する。この目視判定において、検査者は、判定を行うべきウェル位置に対応する上側のガラスタッチパネル部101bを、入力指示器103でタッチする。このタッチ後、判定を行うべきウェル位置に対応する表示部101cのLEDが例えば赤く表示(図9の斜線部分参照)される。これによって、検査者は、自らが選択した判定を行うべきウェル位置に問題がないことを確認できる。その後、検査者は、操作キー部101dを入力操作することによって、判定を行うべきウェル位置の凝集状態に関する必要な情報を入力する。そして、操作キー部101dをさらに入力操作することによって、判定を行うべき各ウェル位置とその凝集状態を含む凝集反応情報が、マイクロプレートリーダ101から上位コンピュータ104に送られて処理される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】インターネットURL<http://www.koden.jp/product_04.html>、高電工業株式会社のホームページ、平成22年9月2日検索
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、非特許文献1の凝集反応情報入力処理システム100では、上記作業の非効率や検査者の負担は若干改善、軽減されるものの、以下のような課題が依然として存在している。
(1)第1に、この凝集反応情報入力処理システム100では、少なくとも、マイクロプレートリーダ101および上位コンピュータ104といった2つの高度な情報処理装置が必要となる。したがって、そのシステム構成は複雑で、低コスト化も困難である。
(2)第2に、この凝集反応情報入力処理システム100では、判定を行うべきウェル位置に対応するガラスタッチパネル部101bを入力指示器103でタッチした後、当該ウェル位置が正しく選択されたかを、ガラスタッチパネル部101bに隣接する表示部101cの対応するLEDの位置をみて確認する作業が、依然として必要となる。したがって、この凝集反応情報入力処理システム100において、作業効率が大きく改善されたとは言い難い。
【0009】
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、システム構成が簡単かつ低コストで、作業効率をさらに向上させた凝集反応情報入力処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本第1発明は、検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えた少なくとも1以上の検査デバイスにおける各ウェル内で生じる凝集反応を目視判定することによって、得られた凝集反応情報を入力処理するための凝集反応情報入力処理システムであって、前記検査デバイスの各々に取り付けられ、前記検査デバイス毎の検査デバイス識別情報を有する検査デバイス識別部材と、前記検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を読み取る識別情報読取手段と、入力指示器およびデジタイザを搭載し、当該入力指示器によって入力指示操作可能な表示画面が水平に配置された表示手段と、前記表示画面上の所定領域に前記検査デバイスを配置可能に位置決めするための位置決め手段と、前記識別情報読取手段、入力指示器およびデジタイザの出力に基づいて、前記表示手段を制御する内部制御手段と、を備え、前記内部制御手段は、前記識別情報読取手段によって読み取られた検査デバイス識別情報を受信することにより、当該検査デバイス識別情報に関係する検査デバイスの各ウェルのイメージ画像を、前記所定領域に対応する前記表示画面に表示させるイメージ画像表示部と、前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの上部に対する、前記入力指示器の接触状態を検出することによって、当該検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果をパターン表示させる凝集反応結果表示部と、前記凝集反応結果表示部によってパターン表示された目視判定結果を記録する判定結果記録部と、を含むことを特徴とする凝集反応情報入力処理システムとしたものである。
上記第1発明によれば、内部制御手段が識別情報読取手段、入力指示器およびデジタイザの出力に基づいて表示手段を制御することによって、検査デバイスの凝集反応情報が入力処理されるように簡単に構成されている。したがって、従来技術のような、マイクロプレートリーダおよび上位コンピュータといった2つの高度な情報処理装置は不要となる。したがって、システム構成を従来のものと比べてより簡単なものにすることができ、低コスト化を実現することができる。
また、上記第1発明によれば、検査デバイスの各ウェルのイメージ画像が表示された表示画面上の所定領域に当該検査デバイスが位置決め配置され、その検査デバイスの各ウェルの上部に入力指示器を接触させることによって、当該検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視結果がパターン表示されるように構成されている。したがって、各ウェル位置とその凝集状態の関係を、検査デバイスの上側から的確に目視確認できるので、得られた凝集反応情報を入力処理する作業効率をさらに向上させることができる。
【0011】
本第2発明は、検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えた少なくとも1以上の検査デバイスにおける各ウェル内で生じる凝集反応を目視判定することによって、得られた凝集反応情報を入力処理するための凝集反応情報入力処理システムであって、少なくとも1以上の被検査者および検査項目に関する情報を含む検査依頼情報を受信することにより、各検査項目に対応する検査デバイス毎に、少なくとも分注シーケンス、ウェル位置および被検査者に関する情報を含む検査デバイス分注情報を作成して、データベースに登録する検査依頼情報受信手段と、前記検査デバイスの各々に取り付けられ、前記検査デバイス毎の検査デバイス識別情報を有する検査デバイス識別部材と、前記検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を読み取る識別情報読取手段と、前記各検査デバイスにおける凝集反応の目視検査前において、前記識別情報読取手段によって読み取られた各検査デバイス識別情報を受信することにより、前記検査デバイス毎の検査デバイス識別情報と検査デバイス分注情報とを紐付けした検査デバイス紐付け情報を作成して、前記データベースに登録する検査デバイス予約設定手段と、入力指示器およびデジタイザを搭載し、当該入力指示器によって入力指示操作可能な表示画面が水平に配置された表示手段と、前記表示画面上の所定領域に前記検査デバイスを配置可能に位置決めするための位置決め手段と、前記識別情報読取手段、入力指示器およびデジタイザの出力に基づいて、前記表示手段を制御する内部制御手段と、を備え、前記内部制御手段は、前記検査デバイス予約設定手段による検査デバイス紐付け情報の作成後に、さらに前記識別情報読取手段によって読み取られた検査デバイス識別情報を受信することにより、前記データベースに格納された前記検査デバイス紐付け情報を検索して、当該検査デバイス識別情報に紐付けされた検査デバイス分注情報がある場合に、当該検査デバイスの各ウェルのイメージ画像を、前記所定領域に対応する前記表示画面に表示させるイメージ画像表示部と、前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの上部に対する、前記入力指示器の接触状態を検出することによって、当該検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果をパターン表示させる凝集反応結果表示部と、前記凝集反応結果表示部によってパターン表示された目視判定結果を記録する判定結果記録部と、を含むことを特徴とする凝集反応情報入力処理システムとしたものである。
上記第2発明によれば、各検査デバイスにおける凝集反応の目視検査前に識別情報読取手段によって読み取られた検査デバイス毎の検査デバイス識別情報と、検査依頼情報受信手段によって作成された検査デバイス分注情報とが、検査デバイス予約設定手段によって紐付けされて、検査デバイス紐付け情報としてデータベースに登録されるように構成されている。したがって、複数の検査デバイスにおける凝集反応を目視検査する場合にも、各検査デバイスの検査デバイス識別情報と検査デバイス分注情報との整合性を保つことができる。
【0012】
本第3発明は、上記第1発明または第2発明において、前記凝集反応結果表示部が、前記所定領域に前記検査デバイスが正しい向きに配置されているかを判定し、前記検査デバイスが正しい向きに配置されていない場合には、前記入力指示器による目視判定結果の入力指示を行えないようにする凝集反応情報入力処理システムとしたものである。
上記第3発明によれば、所定領域に検査デバイスが誤った向きに配置されたことに起因する目視判定結果の入力ミスを防止することができる。
【0013】
本第4発明は、上記第1〜第3発明のいずれかにおいて、前記イメージ画像表示部が、前記所定領域に前記検査デバイスを正しい向きに配置させるための目印を前記表示画面に表示するようになっている凝集反応情報入力処理システムとしたものである。
上記第4発明によれば、表示画面の目印に従うだけで、検査デバイスを正しい向きに配置させることができる。
【0014】
本第5発明は、上記第1〜第4発明のいずれかにおいて、前記位置決め手段が、前記所定領域に前記検査デバイスを収容可能な収容部を有する透明な平板部材からなる凝集反応情報入力処理システムとしたものである。
上記第5発明によれば、検査デバイスを平板部材の収容部に入れるだけで所定領域に正確にセットすることができる。
【0015】
本第6発明は、上記第1〜第5発明のいずれかにおいて、前記検査デバイスが、当該検査デバイス本体に装着されて各ウェルを上方から被覆する複数の凹部を有する蓋部材を備え、前記凝集反応結果表示部が、前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの前記凹部に対する、前記入力指示器の接触状態を検出することによって、当該検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果をパターン表示させる凝集反応情報入力処理システムとしたものである。
上記第6発明によれば、蓋部材によって各ウェル内へのコンタミ(異物)の混入が抑制される。また、蓋部材の凹部が入力指示器の接触部分を安定的に受けとめるので、検査デバイスの各ウェルの上部に対する入力指示器の接触操作を安定して行うことができる。
【0016】
本第7発明は、検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えた少なくとも1以上の検査デバイスにおける各ウェル内で生じる凝集反応を目視判定することによって、得られた凝集反応情報を入力処理する方法であって、(a)入力指示器およびデジタイザを搭載し、当該入力指示器によって入力指示操作可能な表示画面を有する表示手段を準備して、前記表示画面を水平に配置するステップと、(b)前記各検査デバイスに取り付けられた検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を、識別情報読取手段で読み取るステップと、(c)前記ステップ(b)の実行後に、前記読み取った検査デバイス識別情報に関係する検査デバイスの各ウェルのイメージ画像が前記表示画面に表示された後、前記イメージ画像を含む表示画面上の所定領域に前記検査デバイスを位置決めして配置するステップと、(d)前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの上部に対して、前記入力指示器を接触させるステップと、を備え、前記ステップ(d)の実行後に、前記所定領域に配置された検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果がパターン表示されることを特徴とする方法としたものである。
上記第7発明によれば、検査デバイスの各ウェルのイメージ画像が表示された表示画面上の所定領域に当該検査デバイスを位置決め配置し、その検査デバイスの各ウェルの上部に入力指示器を接触させることによって、当該検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視結果がパターン表示されるように構成されている。したがって、各ウェル位置とその凝集状態の関係を、検査デバイスの上側から的確に目視確認できるので、得られた凝集反応情報を入力処理する作業効率をさらに向上させることができる。
【0017】
本第8発明は、検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えた少なくとも1以上の検査デバイスにおける各ウェル内で生じる凝集反応を目視判定することによって、得られた凝集反応情報を入力処理する方法であって、(a)少なくとも1以上の被検査者および検査項目に関する情報を含む検査依頼情報を受信して、各検査項目に対応する検査デバイス毎に、少なくとも分注シーケンス、ウェル位置および被検査者に関する情報を含む検査デバイス分注情報を作成してデータベースに登録させるステップと、(b)前記各検査デバイスにおける凝集反応の目視検査前において、前記各検査デバイスに取り付けられた検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を識別情報読取手段で読み取り、前記各検査デバイス識別情報と検査デバイス分注情報とを紐付けした検査デバイス紐付け情報を作成して前記データベースに登録させて、検査デバイス予約設定を行うステップと、(c)入力指示器およびデジタイザを搭載し、当該入力指示器によって入力指示操作可能な表示画面を有する表示手段を準備して、前記表示画面を水平に配置するステップと、(d)前記目視検査を行うべき検査デバイスに取り付けられた検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を、前記識別情報読取手段でさらに読み取るステップと、(e)前記ステップ(d)の実行後に、前記読み取った検査デバイス識別情報に関係する検査デバイスの各ウェルのイメージ画像が前記表示画面に表示された後、前記イメージ画像を含む表示画面上の所定領域に前記検査デバイスを位置決めして配置するステップと、(f)前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの上部に対して、前記入力指示器を接触させるステップと、を備え、前記ステップ(f)の実行後に、前記所定領域に配置された検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果がパターン表示されることを特徴とする方法としたものである。
上記第8発明によれば、各検査デバイスにおける凝集反応の目視検査前に識別情報読取手段によって読み取られた検査デバイス毎の検査デバイス識別情報と、検査依頼情報受信して作成された検査デバイス分注情報とが、検査デバイス予約設定手段によって紐付けされて、検査デバイス紐付け情報としてデータベースに登録させるように構成されている。したがって、複数の検査デバイスにおける凝集反応を目視検査する場合にも、各検査デバイスの検査デバイス識別情報と検査デバイス分注情報との整合性を保つことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、システム構成が簡単かつ低コストで、作業効率をさらに向上させた凝集反応情報入力処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(A)は、本発明の第1実施例による凝集反応情報入力処理システムの構成図であり、(B)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおいて、表示手段に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図2】(A)は、図1(A)の検査デバイスを所定領域に配置した状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)のX−X’線に沿った一部断面図であり、(C)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおいて、表示手段に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例による凝集反応情報入力処理方法を説明するフローチャート図である。
【図4】(A)は、本発明の第2実施例による凝集反応情報入力処理システムの構成図であり、(B)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおける検査依頼情報受信手段の動作を説明する図である。
【図5】(A)は、本発明の第2実施例による凝集反応情報入力処理システムの一部構成図であり、(B)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおいて、表示手段に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図6】(A)は、図5(A)の検査デバイスを所定領域に配置した状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)のX−X’線に沿った一部断面図であり、(C)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおいて、表示手段に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施例による凝集反応情報入力処理方法を説明するフローチャート図である。
【図8】(A)は、蓋部材を取り付けた検査デバイスを示す斜視図、(B)は、(A)のX−X’線に沿った一部断面図である。
【図9】従来の凝集反応情報入力処理システムを概略的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明に係る凝集反応情報入力処理システムおよび方法の好ましい実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
[第1実施例]
以下において、(1−1)第1実施例の凝集反応情報入力処理システムの構成、(1−2)凝集反応情報入力処理方法、および、(1−3)効果について、説明する。
【0022】
(1−1)凝集反応情報入力処理システムの構成
図1(A)は、本発明の第1実施例による凝集反応情報入力処理システムの構成図であり、(B)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおいて、表示手段に表示される表示画面の一例を示す図である。
図1に示すように、この凝集反応情報入力処理システム1は、検査デバイス2と、識別情報読取手段3と、表示手段4と、位置決め手段(図示せず)と、内部制御手段6とを備える。
【0023】
検査デバイス2は、検体と試薬とが分注される複数のウェルWを備え、光透過性を有するプラスチック材料などから形成された、公知のマイクロプレートからなる。検査デバイス2は、この実施例では、横8×縦12の配列(ウェル位置が<A−1>〜<H−12>)で計96個のウェルを備えている。
また、検査デバイス2には、当該検査デバイス2の検査デバイス識別情報8を有する検査デバイス識別部材7が取り付けられている。検査デバイス識別情報8は、この実施例ではバーコード形式で検査デバイス識別部材7の表面に記載されている。
【0024】
識別情報読取手段3は、検査デバイス識別部材7の検査デバイス識別情報8を読み取るものであって、この実施例では公知のバーコードリーダからなる。
【0025】
表示手段4は、公知の入力指示器9およびデジタイザ(図示せず)を搭載し、当該入力指示器9によって入力指示操作可能な表示画面10を有する。表示画面10は、水平に配置されている。表示手段4としては、デジタイザを搭載した液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の汎用表示装置が使用される。
【0026】
位置決め手段は、表示画面10上の所定領域(検査デバイス2の大きさに対応した領域)11に検査デバイス2を配置可能に位置決めするためのものである。
【0027】
内部制御手段6は、識別情報読取手段3、入力指示器9およびデジタイザの出力に基づいて、表示手段4を制御するものである。内部制御手段6は、イメージ画像表示部6aと、凝集反応結果表示部6bと、判定結果記録部6cとを含む。
イメージ画像表示部6aは、識別情報読取手段3によって読み取られた検査デバイス識別情報8を受信することにより、当該検査デバイス識別情報8に関係する検査デバイス2の各ウェルWのイメージ画像12を、所定領域11に対応する表示画面10に表示させるものである。
凝集反応結果表示部6bは、所定領域11に配置された検査デバイス2の凝集反応後の各ウェルWの上部に対する、入力指示器9の接触状態を検出することによって、当該検査デバイス2の下部のイメージ画像12における対応する各ウェルWの凝集反応の目視判定結果を色や模様でパターン表示させるものである。
なお、このパターン表示の処理は、デジタイザおよび入力指示器9の公知の座標感知処理によって実行されることが好ましい。
判定結果記録部6cは、凝集反応結果表示部6bによってパターン表示された目視判定結果を、例えばデータベースなどの記録媒体に記録するものである。
【0028】
(1−2)凝集反応情報入力処理方法
以上の構成を有する凝集反応情報入力処理システム1を動作させることによって、本発明の第1実施例による凝集反応情報入力処理方法を実施することができる。
図2(A)は、図1(A)の検査デバイスを所定領域に配置した状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)のX−X’線に沿った一部断面図であり、(C)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおいて、表示手段に表示される表示画面の一例を示す図である。図3は、凝集反応情報入力処理方法を説明するフローチャート図である。
【0029】
まず、図1(A)および図3に示すように、表示手段4を準備して、その表示画面10を水平に配置する(図3のステップS1参照)。
【0030】
次に、検査デバイス2に取り付けられた検査デバイス識別部材7の検査デバイス識別情報8を、識別情報読取手段3で読み取る(図3のステップS2参照)。このステップS2の実行後、イメージ画像表示部6aが識別情報読取手段3から検査デバイス識別情報8を受信する。これによって、図1(A)、(B)に示すように、識別情報読取手段3で読み取った検査デバイス識別情報8に関係する検査デバイス2の各ウェルWのイメージ画像12が表示画面10に表示される。
【0031】
その後、イメージ画像12を含む表示画面10上の所定領域11に検査デバイス2を位置決めして配置する(図3のステップS3参照)。
【0032】
次に、図2(A)、(B)および図3に示すように、所定領域11に配置された検査デバイス2の凝集反応後の各ウェルW(例えば図2のウェル位置<H−6>参照)の上部に対して、入力指示器9を接触させる(図3のステップS4参照)。
そして、イメージ画像12に隣接して表示された目視判定画面13の凝集状態(弱陽性、陽性、再検、保留、陰性)を入力指示器9で選択する(例えば図2のウェル位置<H−6>の場合には、凝集状態として弱陽性を選択する)。このとき、凝集反応結果表示部6bが、ウェルWの上部に対する入力指示器9の接触状態を検出することにより、所定領域11に配置された検査デバイス2の下部のイメージ画像12における対応するウェルWの凝集反応の目視判定結果が色や模様でパターン表示される(例えば図2のウェル位置<H−6>の場合には、斜線パターン表示される)。
さらに、目視判定画面13の下側に表示された終了コマンドを入力指示器9で選択する。このとき、判定結果記録部6cによって、パターン表示された目視判定結果がデータベースなどの記録媒体に記録される。
【0033】
(1−3)効果
第1実施例の発明によれば、内部制御手段6が識別情報読取手段3、入力指示器9およびデジタイザの出力に基づいて表示手段4を制御することによって、検査デバイス2の凝集反応情報が入力処理されるように簡単に構成されている。したがって、従来技術のような、マイクロプレートリーダおよび上位コンピュータといった2つの高度な情報処理装置は不要となる。このため、システム構成を従来のものと比べてより簡単なものにすることができ、低コスト化を実現することができる。
また、第1実施例の発明によれば、検査デバイス2の各ウェルWのイメージ画像12が表示された表示画面10上の所定領域11に当該検査デバイス2が位置決め配置され、その検査デバイス2の各ウェルWの上部に入力指示器9を接触させることによって、当該検査デバイス2の下部のイメージ画像12における対応する各ウェルWの凝集反応の目視結果がパターン表示されるように構成されている。したがって、各ウェル位置とその凝集状態の関係を、検査デバイス2の上側から的確に目視確認できるので、得られた凝集反応情報を入力処理する作業効率をさらに向上させることができる。
【0034】
[第2実施例]
以下において、(2−1)第2実施例の凝集反応情報入力処理システムの構成、(2−2)凝集反応情報入力処理方法、および、(2−3)効果について、説明する。
第2実施例の凝集反応情報入力処理システムは、第1実施例のシステムにさらに様々な機能を追加した点、位置決め手段を平板部材から構成した点が、第1実施例のものと異なる。よって、以下では、これらの異なる点についてのみ、簡単に説明する。
なお、第2実施例において追加した機能は、(i)複数の検査デバイスにおける凝集反応情報入力処理にも対応させた点、(ii)所定領域に検査デバイスを正しい向きに配置させる点、(iii)所定領域に検査デバイスが誤った向きに配置されたことに起因する目視判定結果の入力ミスを防止する点である。
【0035】
(2−1)凝集反応情報入力処理システムの構成
図4(A)は、本発明の第2実施例による凝集反応情報入力処理システムの構成図であり、(B)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおける検査依頼情報受信手段の動作を説明する図である。図5(A)は、本発明の第2実施例による凝集反応情報入力処理システムの一部構成図であり、(B)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおいて、表示手段に表示される表示画面の一例を示す図である。
図4(A)および図5(A)に示すように、この凝集反応情報入力処理システム1’は、位置決め手段5と、データベース6dを含む内部制御手段6’と、検査依頼情報受信手段14と、検査デバイス予約設定手段15とを、さらに備える。
【0036】
位置決め手段5は、図5(A)に示すような、透明な例えばアクリル材料からなる平板部材からなり、所定領域11に検査デバイス2を収容可能な収容部5aを有する。
【0037】
検査依頼情報受信手段14は、少なくとも1以上の被検査者および検査項目に関する情報を含む検査依頼情報を受信することにより、各検査項目に対応する検査デバイス2毎に、少なくとも分注シーケンス(SEQ)、ウェル位置および被検査者に関する情報を含む検査デバイス分注情報を作成して、データベース6dに登録するものである。なお、検査依頼情報はOCRなどの手段によって電子化された情報である。
例えば、検査依頼情報受信手段14は、図4(B)に示すような検査依頼情報を受信した場合、HBsAG(HBs抗原)に対応する検査デバイス分注情報、および、RAPA(rheumatoid arthritis particle agglutination)に対応する検査デバイス分注情報をそれぞれ作成して、データベース6dに登録する。
【0038】
検査デバイス予約設定手段15は、各検査デバイス2における凝集反応の目視検査前において、識別情報読取手段3によって読み取られた各検査デバイス識別情報8を受信することにより、検査デバイス2毎の検査デバイス識別情報8と上記登録された検査デバイス分注情報とを紐付けした検査デバイス紐付け情報を作成して、データベースに登録するものである。
ここで、イメージ画像表示部6bは、検査デバイス予約設定手段15による検査デバイス紐付け情報の作成後に、さらに識別情報読取手段3によって読み取られた検査デバイス識別情報8を受信することにより、データベース6dに格納された検査デバイス紐付け情報を検索する。そして、当該検査デバイス識別情報8に紐付けされた検査デバイス分注情報がある場合に、イメージ画像表示部6bは、当該検査デバイス2の各ウェルWのイメージ画像12を、所定領域11に対応する表示画面10に表示させるようになっている。
【0039】
(2−2)凝集反応情報入力処理方法
以上の構成を有する凝集反応情報入力処理システム1’を動作させることによって、本発明の第2実施例による凝集反応情報入力処理方法を実施することができる。
図6(A)は、図5(A)の検査デバイスを所定領域に配置した状態を示す斜視図であり、(B)は、(A)のX−X’線に沿った一部断面図であり、(C)は、(A)の凝集反応情報入力処理システムにおいて、表示手段に表示される表示画面の一例を示す図である。図7は、本発明の第2実施例による凝集反応情報入力処理方法を説明するフローチャート図である。
【0040】
まず、図4(A)、(B)および図7に示すように、検査依頼情報を受信する(図7のステップS1参照)。このとき、検査依頼情報受信手段14によって、前述したような検査デバイス分注情報が作成されてデータベース6dに登録される。
【0041】
次に、各検査デバイス2における凝集反応の目視検査前において、各検査デバイス識別情報8を識別情報読取手段3で読み取って、検査デバイス予約設定を行う(図7のステップS2参照)。このとき、検査デバイス予約設定手段15によって、前述したような検査デバイス紐付け情報がデータベース6dに登録される。
【0042】
次に、図5(A)および図7に示すように、表示手段4を準備して、その表示画面10を水平に配置する(図7のステップS3参照)。
【0043】
次に、目視検査を行うべき検査デバイス2に取り付けられた検査デバイス識別部材7の検査デバイス識別情報8を、再度識別情報読取手段3で読み取る(図7のステップS4参照)。このステップS4の実行後、イメージ画像表示部6aが識別情報読取手段3から検査デバイス識別情報8を受信する。このとき、イメージ画像表示部6aは、データベース6dに格納された検査デバイス紐付け情報を検索する。そして、当該検査デバイス識別情報に紐付けされた検査デバイス分注情報がある場合に、図5(A)、(B)に示すように、識別情報読取手段3で読み取った検査デバイス識別情報8に関係する検査デバイス2の各ウェルWのイメージ画像12が表示画面10に表示される。
また、このとき、イメージ画像表示部6aが、所定領域11に検査デバイス2を正しい向きに配置させるための目印16を、表示画面10に表示する。
【0044】
その後、図5(A)および図7に示すように、検査デバイス2を収容部5aに入れることにより、イメージ画像12を含む表示画面10上の所定領域11に当該検査デバイス2を位置決めして配置する(図7のステップS5参照)。
【0045】
次に、図6(A)および図7に示すように、まず、所定領域11に配置された検査デバイス2の、検体も試薬も分注されていない空のコントロールウェルCW(例えば図6のウェル位置<H−12>参照)の上部に対して、入力指示器9を接触させ、さらに、更新コマンドを選択する。このとき、凝集反応結果表示部6bが、この接触状態を検出することにより、所定領域11に検査デバイス2が正しい向きに配置されているかを判定する。そして、検査デバイス2が正しい向きに配置されていない場合(例えば、前後方向を間違えて検査デバイスが配置されている場合)には、入力指示器9による目視判定結果の入力指示を行えないようにするように構成されている。
次に、所定領域11に配置された検査デバイス2の凝集反応後の各ウェルW(例えば図2のウェル位置<H−6>参照)の上部に対して、入力指示器9を接触させる(図7のステップS6参照)。そして、イメージ画像12に隣接して表示された目視判定画面13の凝集状態(弱陽性、陽性、再検、保留、陰性)を入力指示器9で選択する(例えば図6のウェル位置<H−6>の場合には、凝集状態として弱陽性を選択する)。
このとき、凝集反応結果表示部6bが各ウェルWの上部に対する入力指示器9の接触状態を検出することにより、所定領域11に配置された検査デバイス2の下部のイメージ画像12における対応する各ウェルWの凝集反応の目視判定結果が色や模様でパターン表示される(例えば図6のウェル位置<H−6>の場合には、斜線パターン表示される)。
さらに、目視判定画面13の下側に表示された終了コマンドを入力指示器9で選択する。このとき、判定結果記録部6cによって、パターン表示された目視判定結果が例えばデータベース6d等に記録される。
【0046】
(2−3)効果
(i)第2実施例の発明によれば、各検査デバイス2における凝集反応の目視検査前に識別情報読取手段3によって読み取られた検査デバイス毎の検査デバイス識別情報8と、検査依頼情報受信手段14によって作成された検査デバイス分注情報とが、検査デバイス予約設定手段15によって紐付けされて、検査デバイス紐付け情報としてデータベース6dに登録されるように構成されている。したがって、複数の検査デバイス2における凝集反応を目視検査する場合にも、各検査デバイス2の検査デバイス識別情報8と検査デバイス分注情報との整合性を保つことができる。
(ii)また、第2実施例の発明によれば、表示画面10の目印16に従うだけで、検査デバイス2を正しい向きに配置させることができる。
(iii)さらに、第2実施例の発明によれば、所定領域11に検査デバイスが誤った向きに配置されたことに起因する目視判定結果の入力ミスを、凝集反応結果表示部6bによって防止することができる。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明の構成はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0048】
例えば、図8に示すように、検査デバイス2が、当該検査デバイス本体に装着されて各ウェルWを上方から被覆する複数の凹部17を有する透明な蓋部材18を備えるように構成しても良い。このとき、凝集反応結果表示部6bが、所定領域11に配置された検査デバイス2の凝集反応後の各ウェルの凹部17に対する、入力指示器9の接触状態を検出することによって、当該検査デバイス2の下部のイメージ画像12における対応する各ウェルWの凝集反応の目視判定結果をパターン表示させる。
この構成によれば、蓋部材18によって各ウェルW内へのコンタミ(異物)の混入が抑制される。また、蓋部材18の凹部17が入力指示器9の接触部分を安定的に受けとめるので、検査デバイス2の各ウェルWの上部に対する入力指示器9の接触操作を安定して行うことができる。
【0049】
例えば、位置決め手段は、平板部材に限定されるものではなく、所定領域11に検査デバイスを位置決めして配置するものであればよい。その他の構成要素についても、特許請求の範囲に記載の構成の範囲内において、様々な変形例を創作することが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 凝集反応情報入力処理システム
2 検査デバイス
3 識別情報読取手段
4 表示手段
5 位置決め手段
6 内部制御手段
6a イメージ画像表示部
6b 凝集反応結果表示部
6c 判定結果記録部
7 検査デバイス識別部材
8 検査デバイス識別情報
9 入力指示器
10 表示画面
11 所定領域
12 イメージ画像
13 目視判定画面
14 検査依頼情報受信手段
15 検査デバイス予約設定手段
16 目印
17 凹部
18 蓋部材
100 凝集反応情報入力処理システム
101 マイクロプレートリーダ
101a 収容部
101b ガラスタッチパネル部
101c 表示部
101d 操作キー部
102 マイクロプレート
103 入力指示器
104 上位コンピュータ
CW コントロールウェル
W ウェル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えた少なくとも1以上の検査デバイスにおける各ウェル内で生じる凝集反応を目視判定することによって、得られた凝集反応情報を入力処理するための凝集反応情報入力処理システムであって、
前記検査デバイスの各々に取り付けられ、前記検査デバイス毎の検査デバイス識別情報を有する検査デバイス識別部材と、
前記検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を読み取る識別情報読取手段と、
入力指示器およびデジタイザを搭載し、当該入力指示器によって入力指示操作可能な表示画面が水平に配置された表示手段と、
前記表示画面上の所定領域に前記検査デバイスを配置可能に位置決めするための位置決め手段と、
前記識別情報読取手段、入力指示器およびデジタイザの出力に基づいて、前記表示手段を制御する内部制御手段と、を備え、
前記内部制御手段は、
前記識別情報読取手段によって読み取られた検査デバイス識別情報を受信することにより、当該検査デバイス識別情報に関係する検査デバイスの各ウェルのイメージ画像を、前記所定領域に対応する前記表示画面に表示させるイメージ画像表示部と、
前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの上部に対する、前記入力指示器の接触状態を検出することによって、当該検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果をパターン表示させる凝集反応結果表示部と、
前記凝集反応結果表示部によってパターン表示された目視判定結果を記録する判定結果記録部と、を含むことを特徴とする凝集反応情報入力処理システム。
【請求項2】
検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えた少なくとも1以上の検査デバイスにおける各ウェル内で生じる凝集反応を目視判定することによって、得られた凝集反応情報を入力処理するための凝集反応情報入力処理システムであって、
少なくとも1以上の被検査者および検査項目に関する情報を含む検査依頼情報を受信することにより、各検査項目に対応する検査デバイス毎に、少なくとも分注シーケンス、ウェル位置および被検査者に関する情報を含む検査デバイス分注情報を作成して、データベースに登録する検査依頼情報受信手段と、
前記検査デバイスの各々に取り付けられ、前記検査デバイス毎の検査デバイス識別情報を有する検査デバイス識別部材と、
前記検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を読み取る識別情報読取手段と、
前記各検査デバイスにおける凝集反応の目視検査前において、前記識別情報読取手段によって読み取られた各検査デバイス識別情報を受信することにより、前記検査デバイス毎の検査デバイス識別情報と検査デバイス分注情報とを紐付けした検査デバイス紐付け情報を作成して、前記データベースに登録する検査デバイス予約設定手段と、
入力指示器およびデジタイザを搭載し、当該入力指示器によって入力指示操作可能な表示画面が水平に配置された表示手段と、
前記表示画面上の所定領域に前記検査デバイスを配置可能に位置決めするための位置決め手段と、
前記識別情報読取手段、入力指示器およびデジタイザの出力に基づいて、前記表示手段を制御する内部制御手段と、を備え、
前記内部制御手段は、
前記検査デバイス予約設定手段による検査デバイス紐付け情報の作成後に、さらに前記識別情報読取手段によって読み取られた検査デバイス識別情報を受信することにより、前記データベースに格納された前記検査デバイス紐付け情報を検索して、当該検査デバイス識別情報に紐付けされた検査デバイス分注情報がある場合に、当該検査デバイスの各ウェルのイメージ画像を、前記所定領域に対応する前記表示画面に表示させるイメージ画像表示部と、
前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの上部に対する、前記入力指示器の接触状態を検出することによって、当該検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果をパターン表示させる凝集反応結果表示部と、
前記凝集反応結果表示部によってパターン表示された目視判定結果を記録する判定結果記録部と、を含むことを特徴とする凝集反応情報入力処理システム。
【請求項3】
前記凝集反応結果表示部が、前記所定領域に前記検査デバイスが正しい向きに配置されているかを判定し、前記検査デバイスが正しい向きに配置されていない場合には、前記入力指示器による目視判定結果の入力指示を行えないようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の凝集反応情報入力処理システム。
【請求項4】
前記イメージ画像表示部が、前記所定領域に前記検査デバイスを正しい向きに配置させるための目印を前記表示画面に表示するようになっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の凝集反応情報入力処理システム。
【請求項5】
前記位置決め手段が、前記所定領域に前記検査デバイスを収容可能な収容部を有する透明な平板部材からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の凝集反応情報入力処理システム。
【請求項6】
前記検査デバイスが、当該検査デバイス本体に装着されて各ウェルを上方から被覆する複数の凹部を有する蓋部材を備え、
前記凝集反応結果表示部が、前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの前記凹部に対する、前記入力指示器の接触状態を検出することによって、当該検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果をパターン表示させることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の凝集反応情報入力処理システム。
【請求項7】
検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えた少なくとも1以上の検査デバイスにおける各ウェル内で生じる凝集反応を目視判定することによって、得られた凝集反応情報を入力処理する方法であって、
(a)入力指示器およびデジタイザを搭載し、当該入力指示器によって入力指示操作可能な表示画面を有する表示手段を準備して、前記表示画面を水平に配置するステップと、
(b)前記各検査デバイスに取り付けられた検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を、識別情報読取手段で読み取るステップと、
(c)前記ステップ(b)の実行後に、前記読み取った検査デバイス識別情報に関係する検査デバイスの各ウェルのイメージ画像が前記表示画面に表示された後、前記イメージ画像を含む表示画面上の所定領域に前記検査デバイスを位置決めして配置するステップと、
(d)前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの上部に対して、前記入力指示器を接触させるステップと、を備え、
前記ステップ(d)の実行後に、前記所定領域に配置された検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果がパターン表示されることを特徴とする方法。
【請求項8】
検体と試薬とが分注される複数のウェルを備えた少なくとも1以上の検査デバイスにおける各ウェル内で生じる凝集反応を目視判定することによって、得られた凝集反応情報を入力処理する方法であって、
(a)少なくとも1以上の被検査者および検査項目に関する情報を含む検査依頼情報を受信して、各検査項目に対応する検査デバイス毎に、少なくとも分注シーケンス、ウェル位置および被検査者に関する情報を含む検査デバイス分注情報を作成してデータベースに登録させるステップと、
(b)前記各検査デバイスにおける凝集反応の目視検査前において、前記各検査デバイスに取り付けられた検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を識別情報読取手段で読み取り、前記各検査デバイス識別情報と検査デバイス分注情報とを紐付けした検査デバイス紐付け情報を作成して前記データベースに登録させて、検査デバイス予約設定を行うステップと、
(c)入力指示器およびデジタイザを搭載し、当該入力指示器によって入力指示操作可能な表示画面を有する表示手段を準備して、前記表示画面を水平に配置するステップと、
(d)前記目視検査を行うべき検査デバイスに取り付けられた検査デバイス識別部材の検査デバイス識別情報を、前記識別情報読取手段でさらに読み取るステップと、
(e)前記ステップ(d)の実行後に、前記読み取った検査デバイス識別情報に関係する検査デバイスの各ウェルのイメージ画像が前記表示画面に表示された後、前記イメージ画像を含む表示画面上の所定領域に前記検査デバイスを位置決めして配置するステップと、
(f)前記所定領域に配置された検査デバイスの凝集反応後の各ウェルの上部に対して、前記入力指示器を接触させるステップと、を備え、
前記ステップ(f)の実行後に、前記所定領域に配置された検査デバイスの下部のイメージ画像における対応する各ウェルの凝集反応の目視判定結果がパターン表示されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−132694(P2012−132694A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282616(P2010−282616)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(592037055)株式会社日本医学臨床検査研究所 (13)
【Fターム(参考)】