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処理した繊維製品基材および該繊維製品基材の製造方法
説明

処理した繊維製品基材および該繊維製品基材の製造方法

繊維製品基材を処理して超撥液特性を得るための組成物および方法が開示される。繊維性基材に付与される耐久性の顕微鏡的表面構造は、液体が玉となり、その表面から転げ落ちることを可能にする。機械的摩耗もしくはサンド処理技術を用いて、繊維を実質的に破壊することなく、繊維製品基材の表面に顕微鏡的表面構造を創製し、続いて、例えばフルオロカーボン含有反撥剤組成物を用いて化学処理を行うことができる。反撥剤組成物と組合せて粒子を用い、優れた反撥特性を達成することができる。粗雑化した表面繊維の特性、即ち粗さ因子を用いて、処理済み繊維製品表面の顕微鏡的表面構造を特徴付ける。複数の摩耗もしくは洗濯サイクルの後であっても、優れた撥水性および撥油性を達成する処理済み繊維製品基材が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理した繊維製品基材および該繊維製品基材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表面化学および繊維製品分野において、いわゆる超疎水性表面およびそれらの生じる「自己清浄」特性に関して多大な関心が寄せられている。この超疎水性表面の自己清浄効果は、主として、液体(典型的には、水)が、例えば繊維製品基材の表面と如何に相互作用するかによって制御される。液体、空気および平坦固体表面の間の相互作用はヤング式によって決定され、しばしば、液滴と固体表面との接触角によって説明される。接触角は、固体−液体、固体−空気、および液体−空気界面の界面張力によって決定される。固体表面は、例えば、親水性(水に対する強力な親和性もしくは水を吸収する能力を有する)または疎水性(水に対する親和性もしくは水を吸収する能力を欠く)であることができる。典型的には、大きい接触角を有する表面は、より小さい接触角を有する表面よりも疎水性である。ヤング式および固体/液体界面接触角の模式図を図1に示す。
【0003】
ヤング式は均一な平坦表面上の液滴(例えば、水)の接触角を決定するのに有用である。これまでのところ、平坦固体表面上の最大の水接触角は、低表面エネルギーのフッ化材料の約120°である。接触角をさらに改善するには、表面構造の修正が必要である。接触角は、同じ化学的性質を有する平坦な表面上よりも、粗い表面上で実質的に高くなりうることが公知である。比較的高いアスペクト比を有する高度に粗雑化した疎水性表面は、相当な量の空気を水滴の下に捕捉することが可能であり、接触角は150°を上回ることができる(即ち、超疎水性表面)。粗雑面を有する両方の場合においては、水滴と接触する表面積が変化しているため、ヤング式は修正される。水滴をそのような超疎水性表面に置くと、水滴は球のように玉となり、その表面を僅かに傾けたときに転がることができる。しかし、液滴が転がり始める最小傾斜角として定義される、小さい転がり角(roll off angle)を達成するには、大きい接触角だけでは不十分であることに注意すべきである。前進角(advancing angle)と後退角(receding angle)との差として定義される、小さい接触角ヒステリシスも必要である。前進角は、例えばシリンジによって、表面に留められる液滴の体積が増加する間に観察される液体の接触角である。その同じ液滴の体積を減少させることで後退角が生じる。液滴が大きい前進角を有するが実質的により小さな後退角を有する(即ち、実質的な接触角ヒステリシスを有する)場合、液滴は玉となりうるが、その液滴を転がすのにより大きな転がり角が必要である。さらに、これは、その背後の表面に液体の跡を残すことがある。他方、液滴が実質的なヒステリシスなしに大きい前進および後退接触角の両方を有する場合、その液滴は玉となり、その背後の表面に著しい液体の跡を残すことなく小さい傾斜角で転がることが可能である(即ち、超撥液性表面)。この玉形成および転がり作用は、液滴がその表面から転がり落ち、固定されていない汚れもしくはほこりを液滴と共に運び去ることを可能にし、これが「自己清浄」特性につながる。他方、接触角がより小さい平滑表面上では、液滴が表面の汚れを拾い上げることはない。典型的には、これは汚れを再分配するのみである。これらの道筋を図2に模式的に図示する。
【0004】
この超撥水自己清浄アプローチは、自然界で、蓮と呼ばれる水を好む植物において見いだされる。蓮はアジア原産の湿地種であり、泥水から成長したとしてもその清浄性を維持するため、純粋の象徴として尊ばれている。蓮の超撥水自己清浄特性は、粗い物理的表面構造および疎水性表面化学の組合せから生じる。具体的には、蓮の葉の表面は、図3に示されるように2つのレベルの表面不規則性を示す。各々の葉の表面(図3Aおよび3Bをも参照)は、高さが約5〜10μmおよび間隔が約10〜15μmの小隆起の列で覆われている。これら3つの図の全てにおいて20ミクロンを示す目盛りが明らかであり、これが表面の特徴のおおよそのサイズの見積もりを可能にする。また、この非平坦表面構造の組は、実測で直径が約1nm未満であるより小さいワックス状の疎水性結晶で覆われている。蓮の葉の表面上のこの「二重」レベルの構造が全体的な表面の粗さを増加させ、これに対応して、その有効な疎水性を高めるものと考えられる。疎水性の「谷間」を有するこの2段構造は、その谷間を充填するのが水にとってエネルギー的に好ましいものではないため、表面の空気空間に、例えば濃縮、蒸発もしくは高衝撃の暴風雨からの水が侵入する可能性を低下させる。従って、蓮の葉の物理的表面構造は、その表面化学(疎水性ワックス結晶)と連携して、その表面を、水が玉となって転がり、固定されていない汚れを表面から運び去る超撥水性の自己清浄表面として作用させるものと考えられる。表面での水の存在下におけるこの超撥水性自己清浄作用は、しばしば、「蓮効果(Lotus-Effect)」として知られる。
【0005】
蓮との類似性から、流体に反撥し、超撥液性および関連の自己清浄特性を示す繊維製品表面は、それらの外見をより効率的に維持することが可能である。即ち、蓮に類似する特性を有する繊維製品表面は非常に望ましいものになりうる。蓮の特性を有する繊維製品基材を用いて、例えば、雨具、ボートカバー、日よけ、庭の備品(lawn furniture)、衣服のような用途のために、高度に撥水性および/または液体汚れ反撥性の布を製造することができる。撥水性および/または液体汚れ反撥性である布を提供する際に、それらの布は細菌およびカビの成長にも耐性であることもできるが、これは、水および/または他の液体がそのような表面に集まるかまたは運び込まれて細菌およびカビの増殖拠点をもたらす傾向にはないためである。
【0006】
反撥性繊維製品基材は以前から利用可能である。例えば、フルオロカーボン処理が、そのような基材に反撥性仕上げをもたらすことが公知である。多くのフルオロカーボン含有組成物が、繊維製品基材に塗布したときに、水および油の両方に対する反撥性をもたらすことが公知である。しかし、超撥水性表面に必要な大きい接触角および小さい転がり角を得るためには、蓮の葉に類似する表面構造が通常は必要である。そのような蓮様の表面構造を得ようとする他者による様々な努力が存在する。これらは、例えば、米国特許第6,068,911号(Shoujiら);米国特許出願公開第2002/0016433号(Kellerら);ならびに米国特許出願公開第2002/0150723号、第2002/0150724号、第2002/0150725号、第2002/0150726号、第2003/0013795号、および第2003/0147932号(Creavis Gesellschaft Fuer Techn. Und Innovation MBH)に記載されている。これらの参考文献は、粒子を使用して本来的に滑らかな平坦表面に粗い構造を構築する手段を開示する。これらの参考文献に従って処理された繊維製品基材は、洗濯されたときに、もしくは通常の使用中に摩耗するときに、その反撥性のほとんどもしくは全てを失うことが多いため、一般には、耐久性のある反撥性をもたらすことがない。従って、洗濯もしくは通常使用による摩耗への暴露の後に、有利な超撥液特性を保持する繊維製品基材は非常に望ましく、かつ新規である。
【0007】
米国特許第5,968,642号(Saito)は、撥水性フルオロ樹脂表面を有する物品を指向する。この物品は、40ミクロン以下の平均径を有するフルオロ樹脂粒子を互いの上に不規則に堆積させることによって形成される不規則多孔性材料で構成される撥水性フルオロ樹脂表面を有する。ここでも、この特許は、平坦な表面を有する基材、例えば、アルミニウムシートを指向する。さらに、不規則表面を有する複雑な構造の繊維製品基材への適用性を示しておらず、繊維製品用途について洗濯および摩耗に対する処理の耐久性を示していない。
【0008】
米国特許第6,649,266号(Grossら)は、清浄化が容易な系のための微小構造表面を有するガラスもしくは金属などの基材およびそのような基材の製造方法を指向する。その処理は、1種類以上の加水分解性化合物の濃縮物を含有する組成物を含んでなる。これら化合物の少なくとも幾つかは、加水分解性および非加水分解性基の両方を10:1〜1:2の比で含む。無機ナノ粒子を用いて微小構造表面を生成させ、次いでコーティング組成物を基材に塗布する。この微小構造表面は、乾燥および/または硬化の前もしくはその間に、エンボス加工ダイでコーティング組成物をエンボス加工することによって得ることもできる。そのような微小構造基材上の水もしくはヘキサデカンについて、接触角は対応する平滑表面の接触角よりも少なくとも5°大きい。この特許に教示される方法は平坦表面上では十分機能するが、その教示は、複雑な構造の基材への適用性を示しておらず、さらに、典型的な繊維製品用途について洗濯および摩耗に対する処理の耐久性を示していない。
【0009】
米国特許出願公開第2003/0096083号(Morganら)は、極度に疎水性である表面を含む物体(特に、液体を受容するための容器)の表面およびそのような表面の製造方法に関する。この参考文献によれば、表面構造が、適切なブラスト材料で表面を微細ブラスト加工することによって、および/または適切なエンボス加工工程でのエンボス加工もしくは適切なエッチング材料によるエッチングによって表面構造を創製する。この参考文献は、複雑な構造の繊維製品を処理する方法を教示しておらず、典型的な繊維製品用途について洗濯および摩耗に対する処理の耐久性を示していない。
【0010】
刊行物の1つ、国際特許出願公開WO01/75216は、繊維製品坦体材料に仕上げ層を適用するための方法を開示する。この刊行物によれば、撥水層もしくは撥油層を、繊維、繊維製品および布からなる群の担体材料に適用する。この撥水もしくは撥油仕上げ層は、少なくとも2種類の撥水性もしくは撥油性成分を含む。第1の成分は少なくとも1種類の分散剤を含み、第2の成分は少なくとも1つの分散相もしくはコロイドを含む。分散剤および分散相はゲル状態で存在する。分散相のコロイドは、分散剤中に異方性様式で分布して、コロイドが仕上げ表面の領域に濃縮された形態で存在するようにし、これが仕上げ層と周囲環境との界面層を形成する。このアプローチの本質的な特徴は、分散系を、仕上げ成分の空間的自己組織化を可能にする「ゲスト−ホスト」系として使用することである。「ゲスト」成分は「ホスト」成分から分離された相となり、円柱状構造の微小粗雑面を有する仕上げ層の頂部に濃縮する。このアプローチは、本質的に相不安定性となる化学混合物に頼っている。従って、このプロセスは制御が困難であり、大規模製造の間に問題を生じる可能性がある。
【0011】
別の刊行物、国際特許出願公開WO02/084016は、自己清浄性および撥水性表面を有する平坦繊維製品構造を指向するものであり、この構造は、(a)少なくとも1つの合成および/または天然の繊維製品ベース材料A、ならびに、(b)接着剤、樹脂もしくはラッカーを用いずにベース材料Aと堅固に連結する粒子に由来する凸部および凹部を有する1つの人工的な、かつ少なくとも部分的に疎水性の表面で構成される。この平坦繊維製品構造は、ベース材料Aを、非溶解状態で粒子を含有する少なくとも1種類の溶媒で処理し、次いで溶媒を除去して、粒子の少なくとも一部をベース材料Aの表面と堅固に連結させることによって得られる。しかし、この刊行物は、小さい動的転がり角ならびに洗濯および摩耗に対する処理の耐久性を示していない。
【0012】
さらに別の刊行物、国際特許出願公開WO02/084013は、自己清浄性および撥水性表面を有するポリマー繊維を指向するものであり、この繊維は、(a)少なくとも1つの合成繊維材料A、ならびに、(b)接着剤、樹脂もしくはワニスを用いることなく固定様式で繊維材料Aに連結される粒子で作製される凸部および凹部を有する合成の、かつ少なくとも部分的に疎水性の表面で構成される。このポリマー繊維は、繊維材料Aを、非溶解形態で粒子を含有する少なくとも1種類の溶媒で処理し、次いで溶媒を除去して、粒子の少なくとも一部を合成繊維材料Aの表面に固定様式で連結させることによって得られる。ここでも、この刊行物は、小さい動的転がり角ならびに洗濯および摩耗に対する処理の耐久性を示していない。
【0013】
フィルム、金属、もしくはセラミック表面において溶媒系中の疎水性粒子および結合剤を用いて超疎水性自己清浄特性を達成する従来技術の系は、繊維製品基材に適用したときに、重大な欠点を有する(例えば、耐久性に劣る)。表面に塗布されるコーティングは、通常使用の間に容易に摩耗する。図4および4Aは、米国特許出願公開第2002/0016433号(Kellerら)に記載される手順に従って疎水性粒子で処理された織り繊維製品基材からの繊維を示す。これらの繊維製品基材は、あるレベルの反撥性を達成することができるが、その反撥性は、繊維もしくは繊維製品基材の洗濯に対して耐久性ではない。疎水性粒子は、表面から容易に、かつ望ましくなく除去される。
【0014】
要約すると、ここで説明されるような蓮効果を達成しようと試みる従来技術の系の大部分は、平坦で滑らかな表面を有する基材、例えば、ガラス、セラミック、金属シート、プラスチックフィルムなどを指向する。そのような滑らかな表面において、超疎水性自己清浄特性に必要な粗い構造は、粒子のみを用いることによって達成することができる。典型的な繊維製品基材(例えば織布)においては、複雑な表面位相が既に存在する。例えば、ミリメートル規模の構造が、糸を織ることによって創製され、10〜100マイクロメートル規模の構造が糸内部の繊維によって創製される。さらに、繊維製品基材は機械的に柔軟である。そのような複雑な構造の柔軟な繊維製品基材においては、蓮効果を示し、かつ繊維製品用途の洗濯および摩耗に対して耐久性である望ましい粗い構造を構築するのに、粒子のみでは通常は不十分である。
【0015】
表面構造は、他の方法によって繊維製品基材に付与することができる。例えば、繊維製品の表面を処理する機械的手段が公知である。望ましい手触り(もしくは感触)または他の特性を、布の擦過、サンド処理、もしくは毛羽立ての技術を含む処理を用いて付与することができる。しかし、繊維製品表面を機械的処理する通常の目的は、布を破壊し、表面の感触をより柔らかなものにする破壊繊維「ヘア」を生成させることである。従って、そのような通常の機械的処理の目的は、通常は繊維を破壊せずに繊維の表面を粗くすることではなく、基材の手触りを修飾することである。例えば、米国特許第6,112,381号、第5,815,896号、第4,512,065号、第4,316,928号および第4,468,844号は、繊維製品基材の表面のための様々なタイプの機械的処理を記載する。しかし、これらタイプのプロセスによって機械的に処理された繊維製品基材は、蓮効果特性に必要な望ましい粗雑面構造を欠くことが見いだされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、超撥液性自己清浄表面を有する繊維製品基材を与える、繊維製品基材を処理もしくは被覆する組成物および/または方法に対する必要性が存在する。小さい動的転がり角(DRA)として測定される高度の反撥性を示す表面特性をもたらす表面構造および繊維製品基材の処理方法が非常に望ましい。また、高度の反撥性を示す表面特性をもたらし、複数回の洗濯および/または摩耗の後に耐久性である表面構造および繊維製品基材の処理方法も望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0017】
驚くべきことに、我々は、そのような複雑な構造の繊維製品基材において、繊維を実質的に破壊することなく繊維製品基材の一部のみ、例えば10%またはそれ以上を機械的に粗雑化することによって超撥液(例えば、超撥水および超撥油)特性を得ることができることを見いだした。この反撥特性の耐久性は、続いて、例えばフルオロカーボン含有反撥剤組成物を用いる化学的処理を伴う基材の機械的処理によって強化することができる。粒子をこの反撥剤化学的処理と組合せて用いることができる。本発明の機械的粗雑化処理は、従来技術において使用される処理形態とは大きく異なる処理形態で行われる。得られる処理された繊維製品基材は、繊維表面の機械的に粗雑化された構造が、繊維自体の一部であり、かつ繊維に耐久的かつ直接的に結合しているため、通常使用の間に経験する複数サイクルの洗濯および/または摩耗に対して耐久性であると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
ここで、本発明の様々な実施形態に言及し、それらの1つ以上の例を以下に記載する。各々の実施例は、本発明を説明するために提供するものであり、本発明の限定として提供するものではない。実際のところ、当分野の当業者には、本発明の範囲もしくは精神から逸脱することなく本発明において様々な変更および変形をなしうることが明らかであろう。本明細書において言及される全ての特許、公開特許出願、およびあらゆる他の刊行物は参照により本明細書中に組み込まれるものとする。
【0019】
前述のように、超撥液性である表面を得るには、望ましい表面粗さを、好ましくは比較的高いアスペクト比を備えて、その表面に構築しなければならない。粗雑面の谷間に捕捉された空気は液滴を玉とし、その表面から転がり落とす。本発明の一要素は、蓮の葉を模倣する粗雑化表面を繊維製品基材上に創製する方法である。本発明は、選択および摩耗に対して耐久性を有する、優れた液体(例えば、水、油など)反撥性および潜在的に容易な清浄特性を繊維製品基材に付与する組成物および繊維製品の処理方法を提供する。
【0020】
粗さは、一般には、表面を比較的平滑で規則的であるものと特徴付けられるものから平滑性および規則性に劣るものとして特徴付けられうる表面に変更する機械的処理、化学的処理、もしくはそれらの組合せの結果として、繊維状繊維製品基材表面に存在するあらゆる隆起、刻み、抉れ、擦れ、窪み、クレーターもしくは他の表面構造を含むように決定される。従って、記述的用語「粗さ」は、一般には、個々の繊維の表面に存在するこれらの表面構造を指し、これらの表面構造は繊維の軸に対して実質的に垂直に位置する。記述的用語「表面構造」も粗雑化された特徴を説明するのに「粗さ」と交換可能に用いられる。繊維表面上の「顕微鏡的表面構造」という用語は、一般には、サイズが繊維の直径よりも小さい表面構造を指す。これらの顕微鏡的表面構造のサイズは、点滴的には、約100μm未満である。
【0021】
粗さは付加的もしくは減算的様式で繊維表面に付与することができる。従来技術の多くは、繊維製品表面を含む表面に様々なタイプの粒子を加えることにより、付加的アプローチを用いて粗雑面構造を構築しようと試みる。粒子を用いて高アスペクト比の粗雑面構造を繊維表面に作製するには、大粒子もしくは高濃度の小粒子のいずれかを表面に塗布しなければならない。いずれの場合においても、粒子のみを用いて、幾らか平滑で柔軟な繊維状繊維製品基材上に耐久性のある高アスペクト比の粗雑面を得ることは困難である。粒子は摩耗もしくは他の方法で表面から容易に除去される傾向にある。
【0022】
その代わりに、繊維製品基材の表面から物質を除去もしくは再配分するのに減算的アプローチにおいて機械的処理、化学的処理もしくはそれらの組合せを用いてこれらの顕微鏡的表面構造を創製することができる。この減算的粗さアプローチは、繊維表面の粗雑化顕微鏡的表面構造が下層をなす繊維製品基材に貼着し、かつその一部であるという利点を有する。この様式での繊維製品基材表面の粗雑化は、その粗さが新規かつ異なる材料を繊維製品基材の繊維に付加した結果によるものではないため、「一体」と呼ぶことができる。粗雑化表面および非粗雑化表面の化学的作製はその処理プロセスによっては認知しうるほど変化していない(即ち、繊維もしくは繊維製品基材の表面に認知しうるほど付加される新規材料はない)。
【0023】
本発明においては、優れた撥液性能を提供するため、一体顕微鏡的表面構造を繊維製品基材に付与するのに減算的アプローチを用いる繊維製品表面の機械的粗雑化を優先的に用いることができる。機械的粗雑化表面構造が一体的であるため、それらは洗濯もしくは通常使用の間に容易に摩耗もしくは洗い流されることはない。従って、一体的表面粗さ、即ち、一体顕微鏡的表面構造は繊維製品基材の反撥特性の耐久性の強化に繋がる。この耐久性は、摩耗および、おそらくは、通常の使用経過において反復される洗濯に耐えることが必要な繊維製品基材に一般に必要である。説明のため、図5Aおよび8Aがここで説明される比較的高度の一体的粗さの領域を示す。
【0024】
本発明の1つの実施形態において、後により詳細に説明される技術に従い、繊維製品表面を機械的に粗雑化して高度に撥液性の繊維製品基材を生成することによって粗さを得ることができる。この実施形態においては、少なくとも1つのサイズ範囲の顕微鏡的表面構造を繊維製品基材の繊維表面に付与することができる。別の実施形態においては、反撥性化学の適用を機械的処理と組合せて用いて高度に撥液性の繊維製品基材を生成することができる。本発明のさらに別の実施形態においては、ナノメートル〜ミクロンサイズの直径を有する粒子を、反撥性化学の適用との前、後、もしくはそれと共に、機械的粗雑化繊維製品表面に付加し、高度に撥液性の繊維製品表面を生成することができる。この実施形態においては、少なくとも2つの異なるサイズ範囲を有する粗雑化表面構造が繊維製品基材の繊維表面に付与される。このサイズ範囲はサイズが重複しないように互いに排他的であってもよく、または幾らか重複していてもよい。これらの実施形態は以下でより詳細に説明する。
【0025】
本発明について、高度に撥液性の粗雑化表面を創製するための方法は広範囲の繊維製品基材に適用することができる。繊維製品基材は、繊維含有繊維製品基材、例えば、織布、編布もしくは不織布であっても、レイドスクリム(laid scrim)であってもよい。これらの繊維含有繊維製品基材はあらゆる組合せで互いに接合させて複合構造を形成することができる。複合構造には、他の材料、例えば、フィルム、コーティング、フォーム、補強基材、接着剤などを含めることができる。複合構造の層は、例えば、限定されることなしに、接着剤、加熱積層、およびそれらの組合せを用いて、互いに接合させることができる。
【0026】
繊維含有繊維製品基材は、繊維、例えば、合成繊維、天然繊維、天然成分を用いる人工繊維もしくはそれらの組合せから形成することができる。合成繊維には、例えば、限定されることなしに、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリアラミド、ポリウレタン、再生セルロース、およびそれらの配合物が含まれる。より具体的には、ポリエステルには、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリフェニレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ酢酸、およびそれらの組合せが含まれる。ポリアミドには、例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、およびそれらの組合せが含まれる。ポリオレフィンには、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびそれらの組合せが含まれる。ポリアラミドには、例えば、ポリ-p-フェニレンテレフタラミド[即ち、Kevlar(登録商標)]、ポリ-m-フェニレンテレフタラミド[即ち、Nomex(登録商標)]、およびそれらの組合せが含まれる。天然繊維には、例えば、限定されることなしに、羊毛、木綿、リネン、ラミー、ジュート、アマ、絹、麻、もしくはそれらの配合物が含まれる。例示的な天然成分を用いる人工材料には、再生セルロース(即ち、レーヨン)、リオセル(lyocell)、もしくはそれらの配合物が含まれる。
【0027】
繊維製品基材は、あらゆるサイズの繊維もしくは糸から形成することができ、これにはミクロデニール繊維および糸(フィラメントあたり1デニール未満を有する繊維もしくは糸)も含まれる。これらの繊維もしくは糸は、スパン繊維、連続フィラメント繊維、二成分繊維、二成分分裂性繊維、もしくはそれらの配合物を含んでなるものであってよい。繊維にはスリットフィルム繊維もしくはテープヤーンが含まれる。
【0028】
前述のように、繊維製品基材に一体粗さを付与するための方法の1つは機械的面仕上げによるものである。本発明の目的上、「面仕上げ」もしくは「面仕上げされた」という用語は、例えば参照される特許および刊行物に記載される方法および技術による、繊維性繊維製品基材の表面を擦過、サンド処理、ブラスト処理、粗雑化、もしくは機械的に変更するための方法もしくは技術のいずれか1つを指す。例えば、米国特許第6,112,381号、第5,815,896号、第4,512,065号、第4,316,928号および第4,468,844号は、各々、繊維製品基材のための様々なタイプの機械的面仕上げ処理を記載する。これらの機械的面仕上げ技術の幾つかの例には、例えば、擦過グリット(例えば、ダイヤモンド、SiC、SiO、Al、TiC、WCなど)で被覆された装置(例えばロール)を用いるサンド処理もしくは擦過、粒子ブラスト処理(例えば、サンドブラスト処理)、高温流体(例えば、水もしくは空気)への基材の暴露などが含まれる。本発明に対して、これらの面仕上げ技術の全て、およびそれらの変形を単独で、もしくは組合せて用いて、繊維製品基材表面を粗雑化し、それらに含まれる繊維の表面に顕微鏡的表面構造を創製することができる。これらの技術に対する変形もしくは変更には、繊維製品基材の表面を、そこに含まれる実質的な数の繊維を破壊することなく、効率的に粗雑化することを可能にするプロセスの変更が含まれる。
【0029】
繊維製品基材を面仕上げする潜在的に好ましい非限定的な機械的手段には、繊維製品基材を、その繊維製品基材に対して静止、振動もしくは回転しうる摩耗表面に暴露することが含まれる。摩耗表面は研磨紙、ダイヤモンド、もしくは他の摩耗粒子で被覆されていてもよい。回転する円柱状ロールが用いられる場合、繊維製品の長さに対して直角に(即ち、その幅にわたって垂直に)、または繊維製品の長さに対して所定の角度で繊維製品基材に当て、繊維製品表面のどの領域もしくは部分が多少なりとも処理を受けるのかを制御することができる。例えば、特定の用途の織物においては、横糸よりもむしろ縦糸が粗雑化処理の大部分を受けることが最も望ましいものでありうる。そのような処理を制御するため、プロセスの様々なパラメータを望ましい結果が達成されるように調整することができる。そのようなパラメータには、例えば、(a)摩耗ロールが当てられるときの繊維製品基材の張力、(b)摩耗ロールの固定圧、(c)繊維製品の移動と比較したロールの回転の相対速度、(d)摩耗ロール(1つまたは複数)と繊維製品との接触の滞留時間、ならびに(d)処理ロール上の摩耗グリットサイズが含まれる。
【0030】
しばしば、布に特定の特徴を付与するのに、例えば、より望ましい手触り(表面の柔らかさを含む)を付与する、布のドレープ性を改善する、布の吐出性(wickability)を改善するなどに通常の面仕上げ技術が用いられる。これらの特徴を繊維製品基材に付与するため、繊維を破壊し、短い破壊された繊維もしくは固定されていない繊維の領域の密度を高める(これは、次に、繊維製品基材表面の「毛深さ」を高める)目的で、(400グリットもしくはより粗い、回転する摩耗ロールを用いる)通常の技術がしばしば用いられる。本発明の目的上、これらの破壊された繊維および基材の毛深さの増加は繊維製品基材の望ましくない特徴と考えられ、これは、繊維製品基材の表面から実質的に突出する繊維とみなすことができる破壊された繊維がその表面の液体の転がりに対する障害として機能しうるという事実のためである。結果として、その表面に多くの破壊された繊維を有する基材は、その基材の撥液性を低下させる傾向にある。実際には、破壊された繊維は、それらが一般には繊維製品の表面から突出する明確な末端もしくは先端を示す繊維であるため、表面画像において同定することができる。それらは、それらの最初の位置から実質的に移動して繊維の実質的な部分が繊維製品の表面から突出している繊維としても同定される。この後者の場合は、例えば、その最初の糸束から移動して異なる糸束に被るか、もしくはその内部に存在している繊維を織物の画像に見ることができるときに生じうる。面仕上げ処理の前にステープルもしくはスパン糸の表面に規則的に存在する短い繊維の先端もしくは末端は、一般には、本発明の目的上、破壊された繊維とはみなされない。
【0031】
機械的面仕上げの従来技術において従来実施されている方法で処理された繊維製品基材の表面を図6に示す。相当量の破壊された繊維および/またはフィラメントを基材40の表面に見ることができる。実際、破壊された繊維がその表面上での主な特徴である。1mmを示す目盛りが図6の下部近辺に明らかであり、表面の特徴のおおよそのサイズの見積もりを可能にする。平方ミリメートルあたりの破壊された繊維の数をこの方法で処理した典型的な繊維製品基材上でカウントすることができ、従来技術における粗い摩耗処理で処理したときに、約9〜約30の範囲にあることが見いだされる。前述のように、繊維製品基材表面から突出するこれらの長い破壊された繊維は超撥液性自己清浄繊維製品基材の創製に有害であることが見いだされている。従って、従来技術において従来実施されている機械的面仕上げ処理は、一般には、超撥液性に有用である顕微鏡的表面構造を繊維製品基材に付与することがない。
【0032】
超撥液特性を有する繊維製品基材を創製するため、機械的面仕上げ処理を非慣例的な方法で用いて表面粗さを基材に付与できることが見いだされている。図5に示されるように、本発明において用いられる面仕上げプロセスは当該産業において通例実施されるものよりも非常に軽い、もしくは細かい、レベルの粗雑化をもたらし、繊維製品基材の表面上の繊維もしくはフィラメントを破壊することなく軽く粗雑化することができる。図5に示される、本発明の方法によって機械的に面仕上げされている繊維製品基材の表面は、図6に示される、従来技術の方法で面仕上げされているものとは大きく異なる。従って、超疎水性繊維製品基材の創製に機械的面仕上げ技術を用いる能力は、従来の面仕上げ技術の目的と比較したときに、新規であり、かつ繊維製品基材に蓮効果を付与するための明白ではない方法であると考えられる。
【0033】
摩耗サンド処理による機械的面仕上げを用いる、ここで説明される本発明の処理を得るには、ロールが約600〜約1200グリットの範囲もしくはより細かい摩耗グリットで被覆されている非常に細かいグリット摩耗もしくはサンド処理ロールが用いられている。これらの摩耗ロールは、相当数の繊維を破壊することなく、大面積の繊維表面を粗雑化することができる。従って、それらは繊維の表面に望ましい一体顕微鏡的表面構造を創製することができ、それが耐久性超撥液性を有する繊維製品基材を生じる。本発明による超撥液性自己清浄繊維製品基材の創製に有害であることが見いだされている破壊された繊維の数は、伝統的な面仕上げ技術によって処理されている繊維製品基材上で観察される破壊された繊維の数よりも実質的に少ない。本発明の処理した基材上で観察される破壊された繊維の数は、典型的には、平方ミリメートルあたり約5繊維未満、好ましくは、平方ミリメートルあたり約3繊維未満である。幾つかの場合においては、破壊された繊維が、基材の表面から突出するのではなく、繊維製品基材の平面内に実質的に横たわりうることが観察される。
【0034】
本発明の目的上、「繊維含有基材の平面内」または「繊維製品基材の平面内」は以下の考察によって解釈することができる。繊維製品基材は、一般には、シート形態で製造もしくは提供される。適用において、繊維製品基材は、少なくとも断片的には、シートの特徴を有する。繊維含有基材の平面は、少なくとも局所的には、その繊維製品基材のシートによって決定することができる。操作上、基材は伸ばしてしわを寄せずに平坦な水平支持表面に置くことができ、その支持表面を基材の平面の決定に用いることができる。
【0035】
本発明において教示される機械的粗雑化によって繊維製品基材の表面に付与される粗雑化表面構造の比分布(specific distribution)は非常に特徴的であり、他の手段によって付与されるものとは異なる。例えば、繊維製品基材を構成する糸もしくは繊維が繊維製品基材に組み込まれる前に粗雑化された場合、糸もしくは繊維上の粗雑化表面構造の均一な分布が期待される。対照的に、本発明の摩耗ロールを用いる繊維製品基材の処理方法は粗雑化表面構造のより不均一な分布を生じる。
【0036】
特に、幾つかの繊維製品基材については、繊維を糸束にグループ化することができる。摩耗ロールを用いる繊維製品表面の機械的処理は、繊維製品基材の高所部分を処理する傾向にある。繊維製品を摩耗処理ロールと接触させたままにする垂直の力に依存して、表面上の異なる量の高所部分を処理することができる。その上、繊維製品基材の機械的面仕上げは、内側繊維が糸束の外側繊維によって保護される傾向にあるため、糸束の内側繊維を粗雑化する傾向にはない。さらに、繊維含有繊維製品基材、例えば、織物は、その布の嵩を実質的に増加させることなく、織物に特徴的な高所および低所領域(即ち、縦糸束および横糸束)の一方もしくは両方のいずれかに粗雑化表面構造を有することができる。
【0037】
さらに、摩耗ロールの角度もしくは方向に依存して、繊維製品基材内の異なる方向を有する繊維を、異なるように処理することができる。例えば、多くの従来技術の摩耗ロール処理系は織物構造の横糸を優先的に処理する。従って、摩耗ロールを繊維製品表面の機械的処理に用いるときに、繊維性繊維製品基材の頂部もしくは底部の全体を処理することができるものの、繊維製品基材の頂面もしくは底面全体を均一に粗雑化することはできない。本発明に従って処理された繊維製品基材表面のパーセンテージは、下記実施例の項でより詳細に開示されるように、平均で約20%と決定されている。驚くべきことに、繊維製品基材表面の比較的小部分のみがそのような撥液性の劇的な改善をもたらすことができるが、撥液性に大きく貢献する表面領域のみが、衝突する液体により接触される可能性が最も高い領域であり、それらが主として機械的に粗雑化された表面の高所部分であると見ることができる。この表面粗さの不均一分布は、機械的に粗雑化された織布、編布、不織布およびレイドスクリム基材によって示されるものと考えられる。繊維製品基材の粗雑化部分のパーセンテージを増加させることで撥液性能がさらに改善されることが予想される。
【0038】
基材に組み込む前の糸もしくは繊維ではなく繊維製品基材を機械的に粗雑化する別の態様は、布の一点の糸の頂面上にある繊維が、その布の異なる点の頂面上には存在し得ないことである。従って、その繊維は布のある部分で粗雑化することができるが、布の別の部分では粗雑化することができない。従って、摩耗ロールを繊維製品表面の機械的粗雑化に用いるときに、繊維性繊維製品基材の頂面もしくは底面の全体が処理されうるものの、その基材の表面を構成する繊維もしくは糸の表面全体は、一般には、粗雑化されない。従って、粗雑化繊維は、その周辺の一部においておよびその長さの一部に沿ってのみ粗雑化されうる。高い撥液性を提供する上で価値を持つには、その粗雑化部分は、(少なくとも液滴が接触するであろう布の高所部分を実質的に覆うように)適切な長さであるべきであり、繊維周辺の粗雑化部分は、繊維製品基材の表面に対して実質的に垂直に位置しているべきである。高撥液特性を得るには繊維製品基材を構成する繊維の全表面積の一部のみが処理されていること必要であるという事実は驚くべきことであろう。しかし、繊維製品基材の表面と接触する液体は、高反撥性繊維製品基材の糸束に吸い上げられ、もしくは浸透し、内側の繊維にさらに接触する傾向にはない。この理解は、各々の繊維もしくは糸の全表面を処理しなければならないものではなく(このタイプの処理はより有効でありうるが)、容易に実施することができるより単純でより経済的な処理方法(例えば、繊維製品全体の摩耗ロール処理)を可能にする。
【0039】
繊維に付与される粗雑化の程度は、以下に詳述されるように、幾つかの繊維製品基材について定量化されている。しかし、一般には、粗雑化繊維をあらゆる破壊された繊維の末端もしくは先端から実質的に離れた端部の粗雑化部分に沿って顕微鏡検査する場合、その粗雑化繊維の外形(基本的には、影)の長さを測定することができる。その粗雑化された外形の長さの繊維に沿った直線長さに対する比は粗さ因子(Roughness Factor)(R.F.)としての役割を果たす。一般に、本発明に従って処理された繊維製品基材から除かれる繊維は、後に詳細に考察されるように、1.10に等しいか、もしくはそれを上回る粗さ因子を有する。
【0040】
前述の詳細な考察に基づき、本発明は、1つの実施形態において、第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分を含んでなり、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する繊維含有基材として説明することができる。粗さ因子は、より好ましくは1.20以上であり、さらに好ましくは1.30以上である。その基材材料自体が既に撥液性ではない場合、撥液性化学的処理を繊維含有基材に適用することができる。典型的には、繊維含有基材は、優れた撥液特性を達成するため、その表面の少なくとも一方の少なくとも10%に一体顕微鏡表面構造を有することができる。しかし、その表面の少なくとも一方の少なくとも15%に一体顕微鏡表面構造を有するのがより好ましく、さらに好ましくは、その表面の少なくとも一方の少なくとも20%に該構造を有する。
【0041】
上記説明において、「繊維含有基材の平面に対して実質的に直角」は、前に定義されるように、物体(具体的には表面構造)が、繊維含有基材の平面から離れて、もしくはその内部に、もしくはそれに対して実質的に垂直に突出する相当な大きさの成分を有することを意味する。撥液性能を高めるこの繊維製品基材の平面に対して直角の突出部については、それらは繊維製品基材の頂面、即ち、接触面上に存在しなければならない。
【0042】
他の実施形態においては、追加の粒状成分を、繊維含有繊維製品基材の表面の少なくとも一方に、反撥性成分の適用の前、後もしくはそれと共に付加し、別のサイズ尺度の粗さを形成することができる。機械的粗雑化処理によって繊維含有繊維製品基材上にもたらされる追加の表面領域が、粒子および/または化学物質を結合させるためのさらなる係留点をも繊維製品基材表面に与え、それにより、粒子および化学物質が繊維製品基材の表面により耐久的に付着するようになることを可能にすることに注意すべきである。繊維製品基材表面を粗雑化する他の機械的手段を、本発明の範囲内で実施することもでき、一般に、望ましい繊維の粗さ因子、有効なパーセンテージの処理表面積、および/または望ましい動的転がり角を達成するあらゆる面仕上げ処理を用いることができる。
【0043】
繊維製品基材の表面繊維を粗雑化するのに機械的面仕上げ技術を用いることに加えて、例えばフルオロカーボン含有組成物もしくは他の撥液性組成物を用いる化学的処理を繊維製品基材に適用して、基材の非撥液性要素を撥液性要素に変換することができる。基材が既に撥液性である場合、さらなる反撥性化学的処理は必要でないこともある。さらに、面仕上げによって形成される一体顕微鏡的表面構造に加えて、粗さの別のサイズ尺度もしくはサイズ範囲を、ナノメートルサイズの粒子を繊維製品基材表面に付加することによって得ることができる。これらの小粒子は、適切に疎水性にされると、蓮の葉に関して前述したワックス状結晶のナノ構造を模倣するものと考えられる。驚くべきことに、機械的面仕上げ処理を施され、続いてフルオロカーボン含有成分および粒状成分(好ましくは、1000ナノメートル未満の粒径を有する)の処理を施された繊維製品基材は、ここで定義される粗さ因子(R.F.)の上昇および動的転がり角(DRA)の減少を含めて、優れた性能特性を示すことがわかった。
【0044】
本発明の幾つかの適用においては、反撥性化合物に加えて架橋剤を適用することが有用である。反撥性化合物にはフルオロカーボン含有反撥性化合物が含まれる。1つの実施形態においては、フルオロケミカル分散体および架橋剤を含有する水性組成物を用いて面仕上げした繊維製品基材を処理することができる。別の実施形態においては、親水性粒子、架橋剤、およびフルオロケミカル分散体を含有する水性組成物を用いて面仕上げした繊維製品基材を処理することができる。この化学法の繊維製品基材への適用は、様々な適用方法(被覆、パジング、噴霧、発泡被覆、印刷、吸尽技術を含むが、これらに限定されない)によって、あるいは、制御された量の懸濁液を繊維製品基材に適用することができるあらゆる他の技術によって達成することができる。これらの適用技術の1つまたは複数を使用することにより、化学物質を繊維製品基材に均一な様式で適用することができる。
【0045】
化学物質は、同時にもしくは連続的に、繊維製品基材に適用することができる。例えば、1つの実施形態において、反撥剤、粒状物質、および架橋剤(これらは1つの浴において一緒に混合される)を含有する混合物を、例えばパジングにより、同時に繊維製品基材に適用することができる。化学物質を繊維製品基材に適用した後、処理した基材を乾燥工程に晒して過剰の液体を蒸発させ、固体活性成分を処理した基材の表面に残す。乾燥は、製造操作において典型的に用いられるあらゆる技術、例えば、テンター枠、マイクロ波エネルギー、赤外線加熱、蒸気、超加熱蒸気、オートクレーブ処理などによる乾燥加熱、またはそれらのあらゆる組合せによって達成することができる。別の実施形態においては、粒状成分(架橋剤を含むかまたは含まない)を含有する混合物を繊維製品基材に適用し、その基材を乾燥させるかまたは湿ったままで、次に反撥剤および疎水性架橋剤を含有する混合物を粒状成分の頂部に適用し、こうして繊維製品基材の表面に連続化学的処理を行う。続いて、その基材を乾燥させる。さらに別の実施形態においては、反撥剤(架橋剤を含むかまたは含まない)を含有する混合物を繊維製品基材に適用し、その基材を乾燥させるかまたは湿ったままで、次に反撥剤、粒状物質、および疎水性架橋剤を含有する混合物を、予め適用した反撥剤の頂部に適用し、こうして繊維製品基材の表面に連続化学的処理を行う。その後に基材を乾燥させる。
【0046】
処理済みの繊維製品基材を、さらなる加熱工程に晒して化学物質の性能もしくは耐久性をさらに強化するのが望ましいこともある。この工程は硬化工程と呼ばれる。例えば、さらなる加熱工程は、(a)化学物質の活性成分の幾つかを一緒に溶融流動させ、均一な粘着性フィルム被覆を表面に与えることを可能にし、(b)化学物質の特定セグメントの好ましい整列を誘導し、(c)化学物質間もしくは化学物質と基材との架橋反応を誘導し、そして(d)それらの組合せを可能にする。
【0047】
多くの場合において、基材が満足に機能するには、その最終用途とは無関係に、耐久性ある撥液性自己清浄特性に加えて、他の特性が望ましいこともある。そのような特性の例には、限定されるものではないが、帯電保護、しわ耐性、望ましい手触り(もしくは感触)要件、染料固定要件、臭気制御、引火性要件、乾燥ゾル化に対する耐性などが含まれる。そのような場合、繊維製品基材を、前述のものに加えて、様々な他の化学仕上げで処理することができる。例えば、繊維製品基材を化学物質、例えば、抗微生物剤、抗菌剤、抗真菌剤、難燃剤、UV阻害剤、酸化防止剤、着色剤、潤滑剤、帯電防止剤、芳香剤など、またはそれらの組合せを含有する仕上げ剤で処理するのが望ましいこともある。そのような化学的処理の多くは、本発明の化学組成物と同時に組み込むことができ、また、そのような処理は本発明の化学組成物での処理に先立って実施することができる。適切な技術を用いて、そのような化学的処理の多くを本発明の化学組成物での処理の後に適用することもできる。
【0048】
さらに、繊維製品基材を典型的な機械的仕上げ技術で処理して望ましい外見、強度、空隙率、および/または布の手触りを達成することもできる。例えば、繊維製品基材を機械的処理、例えば、カレンダー処理、エンボス処理、エッチング、レインボーもしくはホログラムエンボス処理、フィルムもしくは金属ホイルホログラムエンボス処理、布金属化、加熱硬化、サンフォライズ処理、艶出し、シュライナー処理、スエード処理、サンド処理、エモライズ処理(emorizing)、ナッピング、剪断、タイガリング(tigering)、かま蒸し、水、空気、もしくはパターン化ロールの使用による布のパターン化など、またはそれらの組合せに晒すのが望ましいこともある。どの機械的処理が用いられるかに依存して、本発明の機械的および/または化学的処理が適用される前もしくは後のいずれかの処理によって利点を得ることができる。例として、繊維製品基材の第1表面に粗さを創製することに加えて、化学的処理に先立ち、第1表面に既に創製された粗さ構造に有意の影響を与えることなく、その繊維製品基材の第2表面を引き続きカレンダー処理することからの利益を想定することができる。そのような場合、繊維製品基材の第1表面に創製された高度の撥液、自己清浄特性に影響を及ぼすことなく、基材の静水学的特性を有意に改善することができる。
【0049】
本発明の範囲内で、二重の機能的特性を有する表面を備える非対称繊維製品基材を創製できることも意図される。例えば、第1疎水性表面および第2親水性表面を有する、第1および第2表面を有する繊維製品基材を製造することができる。そのような二重機能性繊維製品基材は、例えば、第1表面を面仕上げして一体顕微鏡的表面構造を創製し、繊維製品基材の両面を親水性化学物質で被覆し、次いで基材の第1表面を本発明の化学的処理で被覆することによって作製することができる。別法として、第1表面を面仕上げして一体顕微鏡的表面構造を創製し、疎水性化学を第2表面のみに適用することもできる。化学物質適用方法には前述のもの、例えば、噴霧被覆、発泡被覆などのいずれもが含まれる。結果として、この方法で作製される繊維製品基材は、基材の第1表面上で液体を反撥することにより環境もしくは化学的襲撃からの保護が高まり、同時に、繊維製品基材の第2表面上で湿気、例えば、汗を吸収することにより使用者の快適性が高まる。例えば、繊維製品基材がアパレル用途で用いられる場合、これらは明らかに望ましい特徴である。
【0050】
疎水性粒子のみ(フルオロケミカルを使用せず)を用いて蓮効果表面を創製しようとする他者による試みが、水に対するあるレベルの反撥性を示しうるが、湿潤性成分(例えば油)に対するいかなる反撥性をも示さないことが注目される。しかし、本発明に従って処理された繊維製品基材は、超撥水性および超撥油性の両方を示す。より具体的には、油(例えばコーン油)の液滴は玉となり、その繊維製品を所定の角度で傾けたときに、油の実質的な痕跡を後に残すことなく、処理した繊維製品の表面から転がり落ちる。
【0051】
図5に転じると、繊維性表面を備える第1側面を有する繊維含有繊維製品基材20が示されている。100μmを示す目盛りが図5の下部近辺に明らかであり、顕微鏡的表面構造のおおよそのサイズの見積もりを可能にする。図5は、以下により詳細に説明される実施例10の織りポリエステル布に相当する。繊維性表面は、図5Aおよび5Bに示されるように、表面に広がる繊維23〜25および繊維30〜32を含む。10μmを示す目盛りが図5Aおよび5Bの下部近辺に明らかであり、顕微鏡的表面構造のおおよそのサイズの見積もりを可能にする。織り繊維製品基材に特徴的である第1高所領域21a〜cおよび第2低所領域22a〜cが示されている。
【0052】
この例において、基材20は織布であり、粗雑化表面は、繊維製品基材を細かいダイヤモンドグリットが被覆されたロールで擦過することによって得られる。その編みパターンは、第1高所領域21a〜cを第2低所領域22a〜cよりも高いものとする。従って、第1高所領域21a〜cは擦過処理の間により多くの粗雑化を受け、それに対して第2低所領域は受ける粗雑化はより少なく、実際には、そのような面仕上げ処理から粗雑化をまったく受けないことがある。幾つかの領域が他の領域よりも粗雑化される可能性が高いこの繊維製品基材表面の選択的な機械的処理は、通常は繊維製品基材の構成の関数である。例えば、基材が織布、編布、不織布、もしくはレイドスクリム構造のいずれであるかは、繊維製品基材の繊維方向およびその中での配置に影響を及ぼし、それによりどの領域もしくは繊維(例えば、織物基材における横糸対縦糸)が面仕上げ処理によって粗雑化されうるかが変わる。
【0053】
図5の挿入ボックス21bが図5Aにおいて拡大され、第1高所領域21bの詳細を見ることができる。さらに、個々の繊維23〜25を実質的な表面粗さと共に見ることができ、これらが蓮効果表面を模倣する特徴(即ち、繊維製品基材上に反撥性および/または優れた撥液性を創製し、かつ維持する上で望ましい特徴)を生じる。この反撥性は、その粗雑化表面が繊維製品基材表面の一体化部分であるため、繊維製品基材の洗濯、摩耗、もしくは通常使用の間に容易に失われることはない。加えて、表面積が大きいため、利用される場合には、ナノメートルサイズの粒子がこれらの繊維の粗雑化領域により耐久的に結合する。
【0054】
図5の挿入ボックス22bが図5Bにおいて拡大され、これは第2低所領域22bの拡大図を示す。見てわかるように、この後者の領域内の繊維30〜32上の粗さおよび表面不規則性は非常に少ない。従って、この領域は、その幾何学的位置づけのため、本発明において実施される面仕上げ処理から表面粗雑化を受けることがほとんどない。実質的な繊維粗さを有する面積および繊維粗さが有意に少ない面積の相対パーセンテージは、用いられる面仕上げ処理および繊維製品基材の構成に依存して変化することができる。実際、処理から隠れた繊維もしくは糸の部分のみが、それらが、例えば、織り構成において横糸が縦糸を物理的に覆う交差点にあるため、有意に少ない表面粗さを示す場合がある。
【0055】
図5Cおよび5Dは、図5において示される繊維製品基材20の表面に存在するナノ粒子を示す。図5Cは、粗雑化繊維の表面に存在する個々のナノ粒子41a〜41cを示す。図5Dは、これらの個々のナノ粒子のうちの幾つかが一緒になって凝塊41dを粗雑化繊維の表面に形成しうることを示す。
【0056】
図7Aは、実施例6において説明されるテント布から引き抜かれた粗雑化繊維41の走査電子顕微鏡写真像(SEM)(倍率500×)を示す。粗雑化繊維41は、少なくとも2つの異なるサイズの特徴:(a)機械的面仕上げ処理の結果としての繊維上の顕微鏡的表面構造;および(b)繊維に適用されたナノメートルサイズの粒子の付加;の適用によって創製される。図7Bは粗雑化繊維41の拡大図を示し、さらなる図7C、7Dおよび7Eは、以下でさらに考察される、これらの繊維(1つまたは複数)の粗さ因子(R.F.)を測定するのに採用された一連の工程を示す。以下で概説される手順に示されるように、輪郭の上縁の全長を、画像ボックスの直線長さに対して測定し、第1高所領域内で繊維表面に付与された粗さのおおよそのもしくは平均的な量を決定する。
【0057】
図8Aは、下記の実施例20において説明されるテント布から引き抜かれた繊維50のSEM画像(倍率1000×)を示し、機械的面仕上げによって繊維上に形成された顕微鏡的表面構造を示す。この画像に対応する輪郭、即ち、外形が図8Bに示される。10μmを示す目盛りが図8Aの下部近辺に明らかであり、表面の特徴のおおよそのサイズの見積もりを可能にする。この繊維上に生じた粗さの特徴は蓮の葉上に存在する特徴に非常に似ている。
【0058】
反撥性成分
本発明において反撥性成分としての機能を果たすのに適合しうる多くの組成物が存在する。「反撥性」は、一般に、流体(例えば、水および/または油)が基材に浸透するのを遮断する基材の能力として定義される。例えば、基材は、水および油が繊維製品基材の繊維に浸透するのを遮断することができる繊維製品基材であってよい。
【0059】
特に有用である組成物の1つはフルオロケミカル組成物である。「フルオロカーボン」、「フルオロポリマー」、および「フルオロケミカル」という用語はここでは交換可能に用いることができ、各々少なくとも1つのフッ化セグメントを含むポリマー材料を表す。多くのフルオロケミカル組成物が繊維製品基材上で反撥性を達成できることが公知である。
【0060】
一般に、本発明において有用な反撥性フルオロケミカルには、繊維性基材に乾燥汚れ耐性ならびに水および油反撥性を付与することが当該技術分野において公知であるフルオロケミカル化合物およびポリマーのいずれもが含まれる。これらの反撥性フルオロケミカル化合物およびポリマーは、通常は3〜約20個の炭素原子、より好ましくは約6〜約14個の炭素原子を有する過フッ化炭素鎖を含む1つ以上のフルオロケミカル基を含む。これらのフルオロケミカル基は、直鎖、分岐鎖、もしくは環状フッ化アルキレン基またはそれらのあらゆる組合せを含むことができる。これらのフルオロケミカル基は、好ましくは、重合性オレフィン性不飽和を含まないが、任意に、懸垂型ヘテロ原子、例えば、酸素、二価もしくは六価イオウ、または窒素を含むことができる。完全にフッ素化された基が好ましいが、水素もしくは塩素原子が置換基として存在していてもよい。しかし好ましくは、いずれかが存在するのは炭素原子2個ごとに1個以下である。任意のフルオロケミカル基が、重量基準で約40%〜約80%のフッ素を含むのが好ましく、重量基準で約50%〜約78%のフッ素を含むのがより好ましい。この基の末端部分は、好ましくは、完全にフッ素化されており、好ましくは、少なくとも7個のフッ素原子を含み、例えば、CFCFCF-、(CF)CF-、SFCF-である。過フッ化脂肪族基(即ち、C2n+1-で示される基)が最も好ましいフルオロケミカル基の態様である。
【0061】
本発明の処理において有用な、代表的な反撥性フルオロケミカル化合物には、フルオロケミカルウレタン、尿素、エステル、エーテル、アルコール、エポキシド、アロファネート、アミド、アミン(およびそれらの塩)、酸(およびそれらの塩)、カルボジイミド、グアニジン、オキサゾリジノン、イソシアヌレート、およびビウレットが含まれる。これらの化合物の配合物も有用と考えられる。本発明における処理において有用な、代表的なフルオロケミカルポリマーには、非ビニル性フッ素を含まないモノマー、例えば、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート、オキシアルキレンおよびポリオキシアルキレンポリオールオリゴマーのアクリレートおよびメタクリレートエステル(例えば、オキシエチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシエチレングリコールジメタクリレート、メトキシアクリレート、およびポリオキシエチレンアクリレート)、グリシジルメタクリレート、エチレン、ブタジエン、スチレン、イソプレン、クロロプレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、アクリロニトリル、クロロ酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルアルキルエーテル、ビニルアルキルケトン、アクリル酸、メタクリル酸、2-ヒドロキシエチルアクリレート、N-メチロールアクリルアミド、2-(N,N,N-トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレート、および2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)と分子間重合しているフルオロケミカルアクリレートモノマーを含むフルオロケミカルアクリレートおよび置換アクリレートホモポリマーもしくは共重合体が含まれる。用いられる様々な非ビニル性フッ素非含有コモノマーの相対量は、通常、処理しようとする繊維製品基材、望ましい特性、および繊維製品基材上への適用方式に依存して経験的に選択される。有用なフルオロケミカル処理には、上述の様々な反撥性フルオロケミカルポリマーの配合物に加えて、前述のフルオロケミカル化合物とこれらの反撥性フルオロケミカルポリマーとの配合物も含まれる。
【0062】
本発明において使用しうる反撥性フルオロケミカルの商業的に入手可能な例には、限定されるものではないが、3MによるScotchgardTMファミリーの反撥性フルオロケミカル、DupontによるZonylTMファミリーの反撥性フルオロケミカル、Mitsubishi International CorporationによるRepearlTMファミリーの反撥性フルオロケミカルが含まれ、MitsubishiによるRepearl(登録商標)F-8025もしくはRepearl F-7000が本発明の実施において特に有用である。他のフルオロケミカル、例えば、Dalkin America, Inc.によって供給されるUnidyneTM製品もしくはOMNOVA Solutionsによって配給される製品を用いることもできる。
【0063】
フルオロケミカルに加えて、他の反撥性化学物質、例えば、反撥性シリコーン、ワックスなどを本発明の実施において用いて反撥特性を達成することもできる。反撥性シリコーンは、GE Chemical、Dow Corning、Kelmar Industriesなどから商業的に入手することができる。反撥性シリコーンの例は、ミシガン州MidlandのDow Corningから入手可能なDow Corning 346 Emulsion;サウスカロライナ州DuncanのKelmar Industriesから入手可能なSE-40Aである。ワックスは、PetroLite、Allied Chemical、Cabot、Consosなどから商業的に得ることができる。反撥性ワックスの例は、ノースカロライナ州CharlotteのConsos Inc.から入手可能なConsopel ZW、ジルコニウムワックス系のエマルジョンである。
【0064】
粒状成分
無機もしくは有機の様々な粒状物質を本発明において使用することができる。好ましくは、粒子は、ケイ酸塩、ドープ処理したケイ酸塩、鉱物、シリカ、ポリマー、炭素、グラファイト、金属塩、金属粉末、シリカ被覆した金属粉末、無機酸化物(例えば、金属酸化物)など、およびそれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つの物質を含んでなる。
【0065】
より具体的には、用いることができる粒子の例には、限定されるものではないが、シリカ、コロイド状シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、沈殿炭酸カルシウム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、過フッ化共重合体、テトラフルオロエチレンとの共重合体、ポリビニルピロリドン(PVP)などが含まれる。そのような粒子は、例えばグラフト化により、表面修飾することもできる。
【0066】
幾つかの理由から、選択される粒子のサイズを考慮しなければならない。小さすぎる粒子は、空気を基材表面に捕捉するのに適切な表面粗さを与えない可能性があり、また、本発明の望ましい粗さの特徴を達成するのに次の凝塊の高負荷を必要とする可能性がある。大きすぎる粒子は、処理された繊維製品に霜降り状の白色の外見をもたらす可能性があり、また、繊維製品基材の使用もしくは日常的な維持の間に容易に除去される可能性がある。一般に、約1nm〜約50μmの粒子サイズが、本発明の様々な用途において良好な結果をもたらすことができると考えられる。約5nm〜約1μmの範囲の粒子サイズが特に有用であり、約10nm〜約50nmの範囲の粒子サイズが幾つかの用途において良好に作用することがわかった。これらのサイズの粒子を用いて、蓮の葉上のワックス結晶に類似するナノメートル尺度の粗さを構築し、機械的粗雑化もしくは面仕上げによって課された繊維の粗さを増加させることができ、これが、一般にサイズが100μm未満である顕微鏡的表面構造を与える。
【0067】
本発明において使用する場合、「無機酸化物」もしくは「金属酸化物」という用語は、酸素アニオンもしくはヒドロキシルアニオン、または酸素およびヒドロキシルイオンの混合物と組み合わされている金属カチオンの少なくとも1つの種を含む物質の一般的な群を指す。この物質は、結合もしくは吸着形態にある水をさらに含むことができ、少量の、例えば、5重量%未満の安定化対イオン、例えば、ナトリウムイオン、カルボキシレートイオン、塩素イオン、硝酸イオンなどをさらに含むことができる。本発明の目的上、金属酸化物もしくは無機酸化物が非常に細分された状態にあることが通常は望ましい。コロイド状分散体が、本発明における使用に特に有用な形態を提供する。
【0068】
用いようとする特定の用途に依存して、以下の物質を本発明の実施において用いることができる:
Nalco 1042TMコロイド状シリカ:34%固体(重量基準)水性コロイド状酸性シリカゾルカチオン:イリノイ州NapervilleのNalco Chemical Co.(「Nalco」)から商業的に入手可能;
Nalco 1050TMコロイド状シリカ:50重量%固体水性コロイド状シリカゾル:Nalcoから商業的に入手可能(このゾルは、pH9、直径20nmの平均粒径を有する);
Nalco 2326TMコロイド状シリカ:15重量%固体水性コロイド状シリカゾル:Nalcoから商業的に入手可能(このゾルは、pH9、直径5nmの平均粒径を有する);
Nalco 2327TMコロイド状シリカ:40重量%固体水性コロイド状シリカゾル:Nalcoから商業的に入手可能(このゾルは、pH9、直径20nmの平均粒径を有する);
Nalco 2329TMコロイド状シリカ:40重量%固体水性コロイド状シリカゾル:Nalcoから商業的に入手可能(このゾルは、pH9、直径75nmの平均粒径を有する);
Naico 1056TMアルミナ化シリカ:アルミナ化シリカ粒子(26%シリカおよび4%アルミナ)の30重量%固体水性コロイド状懸濁液:Nalcoから商業的に入手可能;
Nalco 88SN-126TMコロイド状二酸化チタン:二酸化チタンの10重量%固体水性懸濁液:Nalcoから商業的に入手可能;
Nalco 88SN-123TMコロイド状酸化スズ:酸化スズの22重量%固体水性分散液:Nalcoから商業的に入手可能;
【0069】
Cab-O-Sperse S3295TMヒュームドシリカ:ヒュームドシリカの15重量%固体水性分散液:ペンシルベニア州BoyertownのCabot Corporationから商業的に入手可能(この分散液は、pH9.5、および直径約100nmの平均凝集一次粒径を有する);
Cab-O-Sperse A205TMシリカ:Cabot Corporationから入手可能;
Ludox AS 40TMコロイド状シリカ:40重量%固体水性コロイド状シリカゾル:メリーランド州ColumbiaのGrace Davisonから商業的に入手可能(このゾルは、pH9、直径22nmの平均粒径を有する);
Ludox AMTMコロイド状シリカ:30重量%固体水性ゾル:Grace Davisonから入手可能(このゾルは、pH9、直径12nmの平均粒径を有する);
Ludox CL-PTMコロイド状アルミナ被覆シリカ:40重量%固体水性ゾル:Grace Davisonから入手可能(このゾルは、pH4、直径22nmの平均粒径を有する);
Ludox TMATMコロイド状シリカ:34重量%固体水性コロイド状シリカゾル:Grace Davisonから入手可能(このゾルは、pH4.7、および直径22nmの平均粒径を有する);
Sipermat 22LSTM親水性沈殿シリカ:乾燥粉末:ドイツのDogussa Corporationから入手可能(平均粒径が直径4.5nmである);ならびに
Viviprint 540TMポリ(ビニルポリピロリドン)粒子:10重量%固体を含む:ISP Technologiesから。
【0070】
幾つかの場合には、他の機能的特性を有する粒子を用いることができる。そのような粒子は、ここで説明される構造的構築特性を超えて、さらなる特性を付与することができる。例えば、サウスカロライナ州SpartanburgのMilliken Chemicalから入手可能なAlphaSan(登録商標)粒子は、抗微生物特性を繊維製品基材に付与することができる。酸化亜鉛粒子は、臭気吸収特性を付与することができる。また、Milliken Chemicalから入手可能なZelecTM粒子は、帯電防止特性を付与することができる。ホウ酸亜鉛粒子もしくは五酸化アンチモンは、難燃性および殺真菌特性を付与することができる。鉄系の微粒子は磁気およびマイクロ波吸収特性を付与することができる。
【0071】
架橋成分
水に本質的に不溶性(即ち、疎水性)である架橋成分を包含する架橋成分を、任意に、本発明において用いることができる。他の配合物においては、親水性架橋剤が有用であることもある。
他の実施形態において、疎水性架橋成分には、イソシアネートの保護誘導体など、またはそれらの組合せが含まれうる。保護ジイソシアネートが適切な架橋成分になりうる。2つ以上のブロック化イソシアネート化合物を含むモノマーもしくはポリマーが最も好ましい架橋成分になりうる。有用な架橋成分の1つは、Mitsubishi Corp.から入手可能なREPEARL(登録商標)MFTMである。他には、Clariantから入手可能なARKOPHOB(登録商標)DAN(ポリウレタン)、およびDuPontから入手可能なHYDROPHOBOL(登録商標)XANTMが含まれる。
他の有用な架橋剤は、サウスカロライナ州SpartanburugのMilliken Chemicalから入手可能なMilligard MRXTM(ポリウレタン系架橋剤)である。
【0072】
試験方法の説明
(a)撥水性試験
撥水性は、3M撥水性試験II(3M Water Repellency Test II)(1992年5月)に従って試験した。評価スケールは0〜10であり、「0」は最低度の反撥性(より高い表面エネルギーを有する基材)を示し、「10」は最高度の反撥性(より低い表面エネルギーを有する基材)を示す。3M撥水性試験のスケールは、以下の通りである:
・0は0%イソプロパノール(IPA)、100%水(重量基準)
・1は10%IPA、90%水
・2は20%IPA、80%水
・3は30%IPA、70%水
・4は40%IPA、60%水
・5は50%IPA、50%水
・6は60%IPA、40%水
・7は70%IPA、30%水
・8は80%IPA、20%水
・9は90%IPA、10%水
・10は100%IPA。
【0073】
試験試料を平坦な水平表面に置いた。直径約5mmの試験液の3小滴を、スポイトもしくはピペットを用いて、試験試料上の3つの異なる領域に穏やかに乗せた。それらの液滴を揺らさずに10秒間静置させた。10秒後に3滴のうちの2つが依然として球から半球として視認される場合、その試料は試験に合格する。試料に与えられる評点は、視認可能なままである最大の番号がふられた試験液である。
【0074】
(b)撥油性試験
撥油性は、AATCC試験法118-2000に従って試験した。評価スケールは0〜8であり、「0」は最低度の反撥性(より高い表面エネルギーを有する基材)を示し、「8」は最高度の反撥性(より低い表面エネルギーを有する基材)を示す。撥油性スケールは、以下の通りである:
・0はNujolTM鉱物油(基材はこの油で湿潤する)
・1はNujolTM鉱物油
・2は65/35のNujol/n-ヘキサデカン(体積基準)
・3はn-ヘキサデカン
・4はn-テトラデカン
・5はn-ドデカン
・6はn-デカン
・7はn-オクタン
・8はn-ヘプタン。
【0075】
試験試料を平坦な水平表面に置いた。最小の番号がふられた試験液から開始して、直径約5mmの試験液の小滴を、スポイトもしくはピペットを用いて、試験試料上の幾つかの異なる領域に穏やかに乗せた。これらの液滴を揺らさずに30秒間静置させ、45°の角度で液滴を観察した。30秒後に、液体−基材界面で試料基材の浸透もしくは湿潤が生じず、かつ液滴周辺での吸い上げが生じない場合、その試料は試験に合格する。試料に与えられる撥油性評点は、30秒以内に基材を湿らせることのない最大の番号がふられた試験液である。
【0076】
(c)噴霧評点試験
噴霧評点試験は、AATCC(American Association of Textile Chemists and Coiorists)試験法22-2000に従って行った。評価スケールは、以下の通りである:
100:上面の固着もしくは湿潤なし
90:上面の僅かな無作為固着もしくは湿潤
80:噴霧点での条件の湿潤
70:上面全体の部分的湿潤
50:上面全体の完全な湿潤
0:上面および仮面全体の完全な湿潤。
【0077】
(d)動的転がり角(DRA)試験
高度に疎水性の表面、例えば、本発明に係る表面の反撥特性を、通常の接触角測定法を用いて比較することは困難である。これは、大きい接触角(>150°)を高い信頼性で測定することが非常に困難であるためである。繊維製品基材上では、繊維製品の構成によって生じる十分に明確でない基線のため、それはより困難である。水滴の動的転がり角試験を代わりに用いた。ここで、動的転がり角は、水滴を予め傾けられた表面に落としたときに、水滴が予め決定された距離を転がって通過する表面の最小角度として定義される。より小さい動的転がり角の値はより高い反撥性を示す。
【0078】
動的転がり角は以下の手順によって決定する。
サイズが6インチ×4インチであり、傾きを水平に対して0〜90°に調節することができる測定ベンチに試料を乗せる。試料を穏やかな張力の下に置き、あらゆるしわを滑らかにする。その後、ベンチトップ・イオン発生器で試料をブローし、表面に存在しうる静電気を散らす。予め決定された質量(通常は11〜12mg)を有する脱イオン水滴を、予め傾斜させた試料上に、試料の幅をまたいで試料表面の上1cmの距離からシリンジ針を用いて落とす。傾斜の角度を段階的に調節することにより、少なくとも5つの水滴が予め決定された距離を転がって通過する傾斜の最小角度を記録する。予め決定された距離は、通常は3cmである。
【0079】
(e)家庭洗濯手順
洗濯耐久性の試験を試みる家庭洗濯手順を、AATCC試験法130-2000に従い、洗濯手順1(105°F洗濯)およびTide(登録商標) Quick Dissolving Powder洗濯剤を用いて行った。
「洗濯耐久性」は、一般に、合理的な数の標準洗濯サイクルを通して許容しうるレベルの望ましい機能を保持する基材の能力と定義される。基材は繊維製品基材、例えば、布であってよい。
【0080】
(f)マーチンデール(Martindale)摩耗試験
マーチンデール摩耗試験を、Mark III Abrasion Tester BS5690(Shirley Developments Ltd.)を用いることで改変したASTM D4966-98に従って行った。7インチ×7インチの試料を試験ステーションに乗せた。(過重量なしで)擦過シリンダに乗せられた羊毛織布を擦過材料として用いた。この布は、ペンシルバニア州West PittstonのTexFabric Inc.から入手可能な、5.8oz/ydの質量を有する平坦なクロスブレッドウール毛織物であった。この布は、43縦糸/インチおよび30横糸/インチの平坦な織り構造に一緒に編まれているR63 Tex/2縦糸およびR74 Tex/2横糸を含んでなる。縦糸は、直径27.5μmの羊毛繊維から単一540TPMz撚りで作製され、横糸は直径29μmの羊毛繊維から単一500TPMz撚りで作製されたものであった。
次に、試料を予め決定された回数の摩耗サイクルに晒した。
【0081】
さらなる詳細な説明
(A)機械的粗雑化処理
繊維製品基材(例えば、織布、編布、もしくは不織布、レイドスクリム)を、面仕上げプロセスで粗雑化した。これは、特定のグリットサイズもしくはグリットサイズの組合せを有する一連のダイヤモンド被覆ロール(もしくは、幾つかの場合においては研磨紙)を用いて基材の表面を穏やかに粗雑化することを含んでいた。当分野において公知のサンド摩耗処理のためのあらゆる機器を、適切なグリットサイズで処理に利用しうることが予想される。さらに、化学膨潤剤を面仕上げの前もしくはその間に用いて、処理の有効性を強化しうることが意図される。面仕上げプロセスは、繊維製品基材上に相当量の破壊された繊維を生じることなく表面の少なくとも一部が粗雑化されるように、非慣習的な低レベルで行った。繊維製品基材表面を粗雑化する他の手段、例えば、微粒子吹き付け、レーザー摩耗、プラズマ処理、および化学エッチング(例えば酸を使用)を用いることもできる。従って、繊維製品基材表面の表面を粗雑化する化学的手段、機械的手段、もしくは他のあらゆる手段、またはそれらの組合せを用いることができる。
【0082】
本明細書中に示す実施例においては、以下の手順に従って基材の予備処理を行った。
一片の布を約13インチ×60インチのサイズに切断した。この布の2端を縫い合わせてループを形成した。その後、布のループが擦過ロールに当たるように布を独自開発の自家製摩耗機器に乗せた。布の張力は空気充填シリンダによって制御した。布を毎分約8ヤードの速度で移動させた。処理の均衡をとるため、布を、通常は両方向に同じサイクル数で処理した。処理のレベルは、処理ロールのグリット(g)、シリンダの圧力によって決定される布の張力(p)、および布を晒したサイクル数(n)に依存する。処理のレベルはg-p-nで示される。例えば、1200-30-12は、布を各々の方向に1200グリットロールを用いて30psiシリンダ圧で12サイクル処理したことを意味する。通常は約600〜約1200のグリットが、本発明の実施において非常に有用であることがわかった。通常は、布の表面の一部のみをこの面仕上げプロセスによって粗雑化する。全表面積に対する粗雑化面積のパーセンテージは布の構成に依存し、代表的な走査電子顕微鏡写真から見積もることができる。粗雑化面積のパーセンテージを見積もる手順は、以下に詳細に説明される。本発明においては微細グリットロールを用いるため、本発明の面仕上げプロセスによって生じる単位面積あたりの破壊繊維の数は、粗いグリットロールを用いる伝統的な面仕上げプロセスによって生じるものを大きく下回る。
【0083】
(B)粗雑化された表面積のパーセンテージを決定するのに用いられる手順
全ての画像は、SEM画像形成ならびに表面粗さの測定および粗さ因子の決定のための試料調製に関する以下の項で詳細に説明される通りに取得した。処理した布を、突出部、摩滅、粒子などによって生じる表面粗さが明瞭に見えるように配置し、表面の明瞭な画像が得られるようにSEMにおいて位置合わせをする。デジタル画像は、長さ800ピクセル×高さ600ピクセルであった。この画像は布表面の倍率50×で取得した。画像ファイルは、8ビットRGBファイルとしてjpeg形式で保存した。例えば、図5は、SEMから得られた布Q、実施例10の初期画像を示す。粗雑化された布表面(即ち、領域21bとして示される表面)のパーセンテージに焦点を合わせるため、図9Aに示されるように、繊維製品の処理表面のみに焦点を当てた画像の一部を抽出することができる。この場合の繊維製品基材の処理した表面は、第1高所領域21bに相当し、この領域が面仕上げ処理を受け、有意の表面粗さを有する領域を与える。これらの領域21bは、以下でより詳細に説明されるように、通常は1.10以上の粗さ因子を有する。図9Aに示される試料の実際の寸法は、幅2.4mm×高さ1.48mmである。この範囲内の最小表面積がこの分析のために必要である。
【0084】
分析のため、2つのソフトウェアパッケージを用いた。即ち、カリフォルニア州San JoseのAdobe Systems Incorporatedによって提供されるAdobe Photoshop 6.0.1、およびメリーランド州Silver SpringのMedia Cybernetics, Incによって提供されるImage Pro Plus 4.5を用いた。抽出された画像を、Image Pro Plusにおいて、8ビット・グレースケール[各々のピクセルが0(即ち黒色)〜255(即ち白色)のグレー値を受ける)画像に変換した。その後、抽出されたファイルをAdobe Photoshopに移した。繊維製品の粗雑化表面(21bに類似する領域)を表す画像のピクセルを非粗雑化繊維製品表面(22bに類似する領域)から分離するため、直径3ピクセルの消去ツールを用いて、表面繊維が粗雑化されている画像内のピクセルにタグ付けした。これを行うため、アクティブではあるが交差している全てのピクセルを黒色(ピクセル値0)に変換するように、消去ツールを設定した。マウスを拡大画像(Adobe Photoshopのスクリーン上で200%以上)と共に用いて、プロセスにより賦課された表面粗さ(粗雑化され、かつ繊維製品の表面と平行な平面内に実質的に留まる繊維)が明白である50×SEM画像の部分を手で正確にトレースし、それらの画像ピクセルを0に設定した。図9Bは、図9Aと同じ画像を示すが、上述の手順によって、繊維製品基材の粗雑化部分(21bに類似する全ての領域)が黒色(ピクセル値0)に設定されている。この画像は、Image Pro Plusにおける後の分析のため、TIFFファイルとして保存する。
【0085】
Image Pro Plusを用いて、粗雑化表面を表すピクセルが黒色(ピクセル値0)に設定されている画像ファイル(例えば、図9Bに示される)を開く。この画像を、粗雑化されている表面積のパーセンテージの算出に用いる。主として、処理された表面積のパーセンテージ(PS)は、表面画像内のピクセルの総数と比較したときの、表面の粗雑化面積を表す黒色ピクセルのパーセンテージとして算出される。PSを決定するため、Image Pro Plusは、利用者が画像の部分を該部分のピクセル値およびサイズに基づいて選択することを可能にする。粗雑化表面を表すピクセルが黒色(ピクセル値ゼロ)に設定されているため、0に近い値を有するピクセルを分割(選択)することによって、背景を画像から選択することができる。幾つかの複雑さが存在する。画像内に影が存在しうるため、ゼロに近いピクセル値を有するが、表面の粗雑化部分を表さない幾つかのピクセル対象が存在する。これらのピクセル対象は、常に、表面の粗雑化部分よりもかなり少ないピクセルを含んでいる。従って、分析者は、背景とタグ付けされるピクセル対象が、画像内で影のサイズよりも大きいピクセルサイズを有する(これは画像に依存して変化する)ことを要求することにより、輪郭から影を排除することができる。完全にするためには、選択されたピクセルの大きい背景中のあらゆるピクセル「ホール」が自動的に選択されるように粗雑化表面の対象ピクセルをカウントし、かつピクセルが背景の一部としてタグ付けされるように四方接続という意味で互いに隣接しているべきであることが示される。これは、画像内の対象が、指定されたピクセルの上、下もしくはいずれかの側に直接隣接体を有することによって、画像の主体に接続しているべきであることを意味する(対角線のみによって接続しているピクセルは、選択される背景対象には含まれない)。図9Bのタグ付けされた表面粗さの画像の例が図9Cに示されている。この場合、粗雑化されている表面の部分(21bに類似する全ての領域)を表すピクセルは255(即ち、白色)に設定され、他の全てのためのピクセル値は0(即ち、黒色)に設定されている。この画像は、白色ピクセルおよび黒色ピクセルのみが存在する二値画像に変換されている。
【0086】
手中にある図9Cのような画像では、その作業は、白色(粗雑化)であるピクセルの数および画像内のピクセルの総数を測定することである。Image Pro Plusにおいて分割ツールを用いて、粗雑化部分を表すピクセルの数(X)を、この例においては、255(白色)の値を有する全てのピクセルとしてカウントすることができる。画像内のピクセルの総数(X)はImage Pro Plusにおけるビットマップから得ることができるか、またはここでも、分割レベルが設定されていない分割ツールを用いてカウントすることができる。粗雑化された表面積のパーセンテージPSは、以下のように算出することができる:
【数1】

【0087】
(C)化学物質適用手順
以下に示される繊維製品基材を用いる全ての実施例は、以下の手順のうちの1つに従って処理され、それに従って注記される。
(I)一工程適用手順:
1.約13インチ×17インチの布片を、望ましい化学物質を含んでなる化学組成物を入れた浴に浸漬した。
2.他に特記することがなければ、全ての化学物質のパーセント(%)は調製される浴の総重量に基づく重量%であり、化学物質のパーセントもしくは化学物質のグラムが示されているときのそれ以外の残部は水からなる。さらに、化学物質%は製造者から入手した化学物質に基づき、例えば、組成物が30%の活性成分を含む場合、この30%組成物のX%を用いた。
3.布を完全に湿潤させた後、布を処理浴から取り出し、圧搾ロールの間に約40psiの圧力で通して、通常は約30〜約100%の均一な含浸率を得た。
4.その布を引いて張りつめ、枠にピン止めして望ましい寸法を保持した。
5.そのピン枠を、Despatchオーブン中に約350〜約380°Fの温度で約5〜約10分間入れて乾燥させ、仕上げ剤を硬化させた。
6.オーブンから取り出した後、布をピン枠から取り外し、室温で平衡化し、次いで試験に用いた。
【0088】
(II)二工程適用手順:
1.全ての化学物質を1つの化学浴に添加するのではなく、化学組成物を構成する1つ以上の化学物質を、以下に説明される指定された順序で別々に布に適用したことを除いて、一工程適用手順を反復した。
2.化学組成物を構成する1つ以上の化学物質を含有する浴に布を浸漬した。
3.布を完全に湿潤させた後、布を浴から取り出し、一工程適用手順において説明されるように圧搾ロールの間に通した。
4.布を、約300〜約350°Fで約5分間、Despatchオーブン中で乾燥させた(この乾燥工程は任意であり、次の工程に進む間、布は湿ったままでもよい)。
5.次に、第2の化学組成物を構成する望ましい化学物質を含有する新鮮な第2浴に布を浸漬した。
6.その後、一工程適用手順において説明されるように、布を乾燥させて硬化させた。
【0089】
(III)噴霧適用手順:
1.約13インチ×17インチの布片を引いて張りつめ、枠にピン止めした。
2.その後、望ましい化学物質を含有する化学組成物を、圧力20psiで作動するエアブラシModel 150(Badger Air-Brush Co.)を用いて布に噴霧した。この噴霧操作は、布の表面が滴ることなく完全に湿潤するまで行った。
3.ピン枠を、Despatchオーブン中に約200〜約350°Fの温度で約5〜約10分間入れて乾燥させ、仕上げ剤を硬化させた。
4.オーブンから取り出した後、布をピン枠から取り外し、室温で平衡化し、次いで試験に用いた。
【実施例】
【0090】
本発明の様々な実施形態を例として以下に示すが、本発明の範囲が以下に提供される特定の実施例によって限定されることはない。
【0091】
実施例1:マイクロデニール綾織物(面仕上げ、一工程処理)
以下の化学物質を含有する200グラムの浴を調製した:
(1)2グラム(即ち、1%)のSipernat 22LSTM、ドイツのDegussa Corporationから入手可能な親水性シリカ粒子;
(2)8グラム(即ち、4%)のRepearl F-7000、Mitsubishi Corp.から入手可能なフッ化染み反撥剤;および
(3)2グラム(即ち、1%)のMilligard MRXTM、Milliken Chemicalから入手可能な架橋剤。
100%マイクロデニール・ポリエステル布を、この化学組成物を用いて、前述の一工程適用手順に従って処理した。布の化学組成物の湿潤含浸率は約50%であった。
【0092】
マイクロデニール・ポリエステル布は、サウスカロライナ州SpartanburgのMilliken & Companyから入手した。この布は、テクスチャード加工フィラメント・ポリエステル1/140/200デニール縦糸およびテクスチャード加工フィラメント・ポリエステル1/150/100デニール横糸を含んでなり、これらが共に布のインチ当たり175本の縦糸および80本の横糸を有する2×2右手綾織りパターンに編まれていた(以下、本発明のために特に「マイクロデニール綾織物」と呼ぶ)。この布を、ダイヤモンド被覆ロールを用いる面仕上げプロセスにより1200-30-32のレベルで粗雑化した。表面積の約19%を面仕上げプロセスによって粗雑化した。
【0093】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の噴霧評点および動的転がり角を、1回の家庭内洗濯、5回の家庭内洗濯、10回の家庭内洗濯、および20回の家庭内洗濯の後に試験した。それらの試験結果を表2に示す。噴霧評点および動的転がり角は、1000サイクル、2000サイクル、5000サイクル、10000サイクルおよび20000サイクルのマーチンデール摩耗の後にも試験した。それらの試験結果を表3に示す。
【0094】
実施例2:マイクロデニール綾織物(面仕上げ、二工程処理)
実施例1において説明される、同じレベルの面仕上げを有する、面仕上げされたポリエステルマイクロデニール綾織物を、前述の二工程適用手順に従って処理した。この手順の第1工程においては、2%のLudox AM、Grace Davisonから入手可能な12nmの平均粒径を有するコロイド状シリカ粒子を布に適用し、次に布を乾燥させた。手順の第2工程においては、4.0%のRepearl F-7000および1%のMilligard MRXTMの混合物を引き続き布に適用した。
【0095】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。噴霧評点および動的転がり角は、1回の家庭内洗濯、5回の家庭内洗濯、10回の家庭内洗濯、および20回の家庭内洗濯の後に試験した。それらの試験結果を表2に示す。噴霧評点および動的転がり角は、1000サイクル、2000サイクル、5000サイクル、10000サイクルおよび20000サイクルのマーチンデール摩耗の後にも試験した。それらの試験結果を表3に示す。
【0096】
比較例3:マイクロデニール綾織物(粒子なしおよび面仕上げなし)
Sipernat 22LSTM成分を浴から排除し、かつマイクロデニール綾織物を面仕上げプロセスで粗雑化しなかったことを除いて、実施例1を反復した。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。
【0097】
実施例4:自動車用綾織物(面仕上げ、一工程処理)
マイクロデニール綾織物を自動車内張り用ポリエステル布に置き換えたことを除いて、実施例1を反復した。この布の化学組成物の湿潤含浸率は約98%であった。
自動車内張り用ポリエステル布は、サウスカロライナ州SpartanburgのMilliken & Companyから入手した。この布は、テクスチャード加工フィラメント・ポリエステル2/150/34デニール縦糸および横糸を含んでなり、これらが共に2×2右手綾織りパターンに編まれていた(以下、本発明のために特に「自動車用綾織物」と呼ぶ)。この布をライトブラウンで染色した。布を、ダイヤモンド被覆ロールを用いる面仕上げプロセスで1200-30-24のレベルで粗雑化した。表面積の約20%を面仕上げプロセスで粗雑化した。
【0098】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。噴霧評点および動的転がり角は、1回の家庭内洗濯、5回の家庭内洗濯、10回の家庭内洗濯、および20回の家庭内洗濯の後に試験した。それらの試験結果を表2に示す。噴霧評点は、1000サイクル、2000サイクル、5000サイクル、10000サイクルおよび20000サイクルのマーチンデール摩耗の後にも試験した。それらの試験結果を表3に示す。
【0099】
比較例5:自動車用綾織物(粒子なしおよび面仕上げなし)
Sipernat 22LSTM成分を浴から排除したことを除いて、実施例4を反復した。布を面仕上げプロセスで粗雑化することはしなかった。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。
【0100】
実施例6:ポリエステルテント布(面仕上げ、一工程処理)
マイクロデニール綾織物をポリエステルテント布で置き換えたことを除いて、実施例1を反復した。この布の化学組成物の湿潤含浸率は約88%であった。
ポリエステルテント布は、サウスカロライナ州SpartanburgのMilliken & Companyから入手した。この布は、縦糸および横糸方向に70デニール36フィラメントのテクスチャード加工PET糸を有する平織物であった。この布は、布のインチあたり約90本の縦糸および80本の横糸を含んでなるものであった(以下、本発明のために特に「テント布」と呼ぶ)。この布を、ダイヤモンド被覆ロールを用いる面仕上げプロセスで600-30-12のレベルで粗雑化した。表面積の約17%を面仕上げプロセスで粗雑化した。
【0101】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布は、1000サイクル、2000サイクル、5000サイクル、10000サイクルおよび20000サイクルのマーチンデール摩耗の後にも噴霧評点について試験した。それらの試験結果を表3に示す。
【0102】
比較例7:テント布(粒子なしおよび面仕上げなし)
Sipernat 22LSTM成分を浴から排除したことを除いて、実施例6を反復した。布を面仕上げプロセスで粗雑化することはしなかった。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。
【0103】
実施例8:ポリエステル・ボートカバー布(面仕上げ、一工程処理)
以下の化学物質を含有する200グラムの浴を調製した:
(1)2グラム(即ち、1%)のSipernat 22LSTM、Degussaから入手可能な親水性シリカ粒子;
(2)10グラム(即ち、5%)のRepearl F-7000、Mitsubishi Corp.から入手可能なフッ化染み反撥剤;および
(3)2.4グラム(即ち、1.2%)のMilligard MRXTM、Milliken Chemicalから入手可能な架橋剤。
100%ポリエステル・ボートカバー布を、この化学組成物を用いて、前述の一工程適用手順に従って処理した。この布の化学組成物の湿潤含浸率は約66%であった。
【0104】
ポリエステル・ボートカバー布は、サウスカロライナ州SpartanburgのMilliken & Companyから入手した。この布は、テクスチャード加工フィラメント・ポリエステル4/150/36デニール縦糸およびテクスチャード加工フィラメント・ポリエステル4/150/36デニール横糸を含んでなり、これらが共に54縦糸/インチおよび36横糸/インチの平織り構造に織られていた(以下、本発明のために特に「ボートカバー布」と呼ぶ)。この布を、600グリットおよび1200グリット・ダイヤモンド被覆ロールの組合せを用いる面仕上げプロセスを用いて、600-30-12、次いで1200-30-24のレベルで粗雑化した。表面積の約25%を面仕上げプロセスによって粗雑化した。
【0105】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。噴霧評点および動的転がり角は、1回の家庭内洗濯、5回の家庭内洗濯、10回の家庭内洗濯、および20回の家庭内洗濯の後に試験した。それらの試験結果を表2に示す。噴霧評点は、1000サイクル、2000サイクル、5000サイクル、10000サイクルおよび20000サイクルのマーチンデール摩耗の後にも試験した。それらの試験結果を表3に示す。
【0106】
比較例9:ボートカバー布(粒子なしおよび面仕上げなし)
Sipernat 22LSTM成分を浴から排除したことを除いて、実施例8を反復した。布を面仕上げプロセスで粗雑化することはしなかった。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。
【0107】
実施例10:平織りポリエステル布(布Q)(面仕上げ、一工程処理)
ボートカバー布を平織りポリエステル布に置き換えたことを除いて、実施例8を反復した。この布の化学組成物の湿潤含浸率は約32%であった。
平織りポリエステル布は、サウスカロライナ州SpartanburgのMilliken & Companyから入手した。この布は、縦糸方向にフィラメント・ポリエステル糸あたり34フィラメント、4.45デニールおよび横糸方向にフィラメント・ポリエステル糸あたり34フィラメント、4.19デニールを有する1×1平織物であった(以下、本発明のために特に「布Q」と呼ぶ)。この布を、600グリットおよび1200グリット・ダイヤモンド被覆ロールの組合せを用いる面仕上げプロセスを用いて、600-30-6、次いで1200-30-16のレベルで粗雑化した。表面積の約18%を面仕上げプロセスで粗雑化した。
【0108】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。噴霧評点および動的転がり角は、1回の家庭内洗濯、5回の家庭内洗濯、10回の家庭内洗濯、および20回の家庭内洗濯の後に試験した。それらの試験結果を表2に示す。噴霧評点は、1000サイクル、2000サイクル、5000サイクル、10000サイクルおよび20000サイクルのマーチンデール摩耗の後にも試験した。それらの試験結果を表3に示す。
【0109】
比較例11:平織りポリエステル布(布Q)(面仕上げなしおよび粒子なし)
ボールカバー布を布Qで置き換えたことを除いて、実施例9を反復した。この布を面仕上げプロセスで粗雑化することはせず、Sipernat 22LSTM成分は浴から排除した。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。
【0110】
比較例12:マイクロデニール綾織物(面仕上げなし、Kellerらの米国特許出願公開第2002/0016433号に従って調製)
Harald Kellerらの米国特許出願公開第2002/0016433号の実施例9に記載の化学組成物を調製した。
ポリエステルマイクロデニール綾織物を、この化学組成物を用いて、前に説明した噴霧適用手順に従って処理した。この布を面仕上げプロセスで粗雑化することはしなかった。
【0111】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0112】
比較例13:自動車用綾織物(面仕上げなし、Kellerらの米国特許出願公開第2002/0016433号に従って調製)
マイクロデニール綾織物を自動車用綾織物で置き換えたことを除いて、実施例12を反復した。この布を面仕上げプロセスで粗雑化することはしなかった。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0113】
比較例14:テント布(面仕上げなし、Kellerらの米国特許出願公開第2002/0016433号に従って調製)
マイクロデニール綾織物をテント布で置き換えたことを除いて、実施例12を反復した。この布を面仕上げプロセスで粗雑化することはしなかった。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0114】
比較例15:ボートカバー布(面仕上げなし、Kellerらの米国特許出願公開第2002/0016433号に従って調製)
マイクロデニール綾織物をボートカバー布で置き換えたことを除いて、実施例12を反復した。この布を面仕上げプロセスで粗雑化することはしなかった。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0115】
比較例16:平織りポリエステル布(布Q)(面仕上げなし、Kellerらの米国特許出願公開第2002/0016433号に従って調製)
マイクロデニール綾織物を布Qで置き換えたことを除いて、実施例12を反復した。この布を面仕上げプロセスで粗雑化することはしなかった。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0116】
実施例17:ボートカバー布(面仕上げ、一工程処理)
以下の化学物質を含有する200グラムの浴を調製した:
(1)10グラム(即ち、5%)のRepearl F-7000、Mitsubishi Corp.から入手可能なフッ化染み反撥剤;
(2)5グラム(即ち、2.5%)のLUDOX CL-P、Grace Davisonから入手可能なコロイド状アルミナ被覆シリカ粒子;
(3)8グラム(即ち、4%)のMilligard MRXTM、Milliken Chemicalから入手可能な架橋剤。
実施例8に記載したポリエステル・ボートカバー布(面仕上げプロセスで600-30-12、次いで1200-30-24のレベルで粗雑化)を、この化学組成物を用いて、前に説明した一工程適用手順に従って処理した。この布の化学組成物の湿潤含浸率は約65%であった。
【0117】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0118】
実施例18:ボートカバー布(面仕上げなし、一工程処理)
面仕上げしたボートカバー布を、面仕上げプロセスで粗雑化していないボートカバー布で置き換えたことを除いて、実施例17を反復した。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0119】
実施例19:ボートカバー布(面仕上げ、一工程処理)
以下の化学物質を含有する200グラムの浴を調製した:
(1)10グラム(即ち、5%)のRepearl F-7000、Mitsubishi Corp.から入手可能なフッ化染み反撥剤;
(2)2グラム(即ち、1%)のViviprint 540、ISP Technologiesから入手可能なポリ(ビニルポリピロリドン)粒子;
(3)1.6グラム(即ち、0.8%)のLUDOX CL-P、Grace Davisonから入手可能なコロイド状アルミナ被覆シリカ粒子;
(4)2.4グラム(即ち、1.2%)のMilligard MRXTM、Milliken Chemicalから入手可能な架橋剤。
実施例8に記載したポリエステルボート布(面仕上げプロセスで600-30-12、次いで1200-30-24のレベルで粗雑化)を、この化学組成物を用いて、前に説明した一工程適用手順に従って処理した。この布の化学組成物の湿潤含浸率は約68%であった。
【0120】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0121】
実施例20:ポリエステルテント布(面仕上げ、粒子なし、一工程適用)
実施例6に記載したポリエステルテント布(600-30-12のレベルの面仕上げプロセスを伴う)を、前に説明した一工程適用手順に従って処理し、1.0%のRepearl F-7000および2%のMilligard MRXTMの混合物を布に適用した。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0122】
比較例21:テント布(面仕上げなしおよび粒子なし)
実施例6に記載したポリエステルテント布(面仕上げプロセスなし)を、前に説明した一工程適用手順に従って処理し、1.0%のRepearl F-7000および0.25%のMilligard MRXTMの混合物を布に適用した。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。
【0123】
実施例22:ナイロン/木綿配合布(面仕上げ、二工程適用)
50%ナイロン/50%木綿配合布を、前に説明した二工程適用手順に従って処理した。この手順の第1工程において、2%のGrace Davisonから入手可能な12nmの平均粒径を有するLudox AMコロイド状シリカ粒子を布に適用した。この手順の第2工程において、5.0%のRepearl F-7000および1.2%のMilligard MRXTMの混合物を引き続き布に適用した。
【0124】
ナイロン/木綿配合布は、サウスカロライナ州SpartanburgのMilliken & Companyから入手した。この布は、20/1リング・スパン・ナイロン/木綿(52/48)縦糸および17/1リング・スパン・ナイロン/梳き木綿(52/48)横糸を2×1左手綾織り構成で含んでなるものであった(以下、本発明のために特に「ナイロン/木綿配合布」と呼ぶ)。この布を、1000グリッド研磨紙ディスクを用いる自社独自の面仕上げプロセスで粗雑化した。続いて、長い固定されていない繊維を除去するため、布に印を付けた。
【0125】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布を1回の家庭内洗濯および5回の家庭内洗濯の後に試験した。それらの結果を表2に示す。
【0126】
比較例23:ナイロン/木綿配合布(面仕上げなしおよび粒子なし)
実施例22に記載したナイロン/木綿配合布(面仕上げプロセスなし)を、前に説明した一工程適用手順に従って処理し、5.0%のRepearl F-7000および1.2%のMilligard MRXTMの混合物を布に適用した。
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布を1回の家庭内洗濯および5回の家庭内洗濯の後に試験した。それらの結果を表2に示す。
【0127】
実施例24:自動車用綾織物(面仕上げ、二工程適用)
実施例4に記載した自動車用綾織物(面仕上げプロセスで1200-30-24のレベルで粗雑化)を、前に説明した二工程適用手順に従って処理した。この手順の第1工程において、4%のRepearl F-7000、1.2%のMilligard MRX、および0.1%のWetaid NRW(オハイオ州ClevelandのNoveon Inc.から入手可能な非再湿潤静湿潤剤)の混合物を布に適用した。この手順の第2工程において、2.5%のLudox CL-PTM、2.5%のMilligard MRX、および5%のRepearl F-7000の混合物を、布が依然として湿っている間に、引き続き布に適用した。その後、布を乾燥させ、硬化させた。
【0128】
処理済みの布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。処理済みの布の洗濯および摩耗耐性についても試験した。それらの試験結果を、それぞれ表2および表3に示す。
【0129】
実施例25:ポリエステルテント布(面仕上げ、一工程適用)
実施例6に記載した面仕上げされたポリエステルテント布(面仕上げプロセスで600-30-12のレベルで粗雑化)を、5%のSE-40A(サウスカロライナ州DuncanのKelmar Industriesから入手可能なポリジメチルシロキサン系エマルジョン)を用いて、前に説明した一工程適用手順に従って処理した。
この布を、さらなる試験に先立ち、水(洗濯剤なし)で予備洗濯して残留反撥剤を除去し、乾燥させた。この布の動的転がり角を、前に説明した方法により試験したところ、25°であると決定された。
【0130】
比較例26:ポリエステルテント布(面仕上げなし、一工程適用)
面仕上げされたポリエステルテント布を、面仕上げされていないポリエステルテント布で置き換えたことを除いて、実施例25を反復した。この布の動的転がり角を、前に説明した方法によって試験したところ、50°(これは試験機器の限界である)を上回るものと決定された。
【0131】
実施例27:ポリエステルテント布(面仕上げ、一工程適用)
実施例6に記載した面仕上げされたポリエステルテント布(面仕上げプロセスで600-30-12のレベルで粗雑化)を、5%のConsopel ZW(ノースカロライナ州CharlotteのConsosから入手可能な撥水用のジルコニウムワックス系エマルジョン)を用いて、前に説明した一工程適用手順に従って処理した。
この布の動的転がり角を、前に説明した方法によって試験したところ、18°と決定された。
【0132】
比較例28:ポリエステルテント布(面仕上げなし、一工程適用)
面仕上げされたポリエステルテント布を、面仕上げされていないポリエステルテント布で置き換えたことを除いて、実施例27を反復した。この布の動的転がり角を、前に説明した方法によって試験したところ、23°と決定された。
【0133】
実施例29:不織布(面仕上げ、一工程適用)
ポリエステル・ボートカバー布を不織布で置き換えたことを除いて、実施例8を反復した。この布の化学組成物の湿潤含浸率は約78%であった。
不織布は、サウスカロライナ州SimpsonvilleのBBA Nonwovensから入手可能な、25g/mの重量密度を有するポリエステル・スパンボンド布であった。この布を、ダイヤモンド被覆ロールを用いる面仕上げプロセスを用いて、1200-15-6のレベルで粗雑化した。
処理済みの不織布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。
【0134】
比較例30:不織布(粒子なしおよび面仕上げなし)
Sipernat 22LSTM成分を浴から排除したことを除いて、実施例29を反復した。不織布を面仕上げプロセスで処理することはしなかった。
この不織布を、得られたまま(「AR」)の試料について前に説明した方法により、撥水および撥油性、噴霧評点、動的転がり角について試験した。それらの結果を表1に示す。
【0135】
【表1】

【0136】
【表2】

【0137】
【表3】

【0138】
表1の結果は、本発明に従って処理された布が、すべて良好な撥水および撥油性ならびに優れた噴霧評点を提示することを示す。比較例11〜16と比較したときに、本発明に従って処理された布は、撥水および撥油性ならびに噴霧評点に関して非常に良好に機能した。さらに、本発明に従って処理された布は、一般に、比較例のどれよりも非常に小さい動的転がり角を示した。加えて、実施例25〜28は、非フルオロケミカル反撥剤の使用を示す。実施例25および26はシリコーンを反撥剤として用い、実施例27および28はジルコニウムワックスを反撥剤として用いる。実施例25および27の面仕上げされた布(それぞれ、シリコーンおよびワックスで処理)は、実施例26および28の対照布(それぞれ、シリコーンおよびワックスで処理)よりも小さい動的転がり角を示し、面仕上げ処理が、反撥剤のみで処理されたものよりも疎水性の基材をもたらすことが示される。実施例29は、本発明の方法を用いて、面仕上げおよび粒子処理なしの、実施例30に示されるような、同じ不織布よりも動的転がり角が非常に小さい疎水性不織布を達成できることを示す。
【0139】
従って、これら実施例の結果は、繊維製品基材の表面に面仕上げ処理を施し、かつナノ粒子を任意に付加し、それにより蓮の葉の表面上のものに類似する表面粗さを創製して超撥液性繊維製品基材を創製する利益を示す。この処理は、例えば、繊維製品基材に接触する望ましくない液体を容易に玉にして基材の表面から転げ落とすように、「自己清浄」特性を布にさらに付与する。
【0140】
表2の結果は、本発明に従って処理された布が、一般に、20回洗濯による噴霧評点について試験したときに、洗濯に対する良好な耐性を提示することを示す。比較例11〜16と比較したときに、本発明に従って処理された布は、噴霧評点に関して非常に良好に機能する。さらに、本発明に従って処理された布は、一般に、比較例のどれよりも非常に小さい動的転がり角を示す。より具体的には、比較例12〜16は、1回洗濯の後にいかなる疎水性をも示すことができず、それに対して、他の実施例のほとんどは20回洗濯によっても少なくとも中程度に疎水性のままであった。従って、これらの実施例の結果は、繊維製品基材の表面に面仕上げ処理を施し、かつナノ粒子を任意に付加し、それにより蓮の葉の表面に類似する表面粗さを創製して、洗濯に対して耐性である超撥液性自己清浄繊維製品基材を創製する利益を示す。
【0141】
表3の結果は、本発明に従って処理された布のほとんどが、処理済みの布を20000サイクルの摩耗試験に晒した後に、良好な噴霧評点を提示することを示す。比較例12〜16と比較したときに、本発明に従って処理された布は非常に良好に機能する。より具体的には、比較例12〜16は、5000サイクルを経て45〜60の範囲の噴霧評点を示すのみであり、それに対して、本発明に従って処理された実施例の多くは、20000サイクルを経て50〜90の範囲の噴霧評点(4倍の改善)を示した。さらに、実施例1および2は、10000サイクルの摩耗を経て相当に小さい動的転がり角を示し、実施例24は、20000サイクルを経て相当に小さい動的転がり角を示し、従って、本発明に従って処理された布は、摩耗、例えば、通常使用の間に布が遭遇しうるものに晒されたときに、疎水性を維持できることが示された。従って、これらの実施例の結果は、繊維製品基材の表面に面仕上げ処理を施し、かつナノ粒子を任意に付加し、それにより蓮の葉の表面に類似する表面粗さを創製して、摩耗に対して耐性である超疎水性自己清浄繊維製品基材を創製する利益を示す。
【0142】
繊維表面粗さを測定するための試料の調製
実施例の項において前述される布試料からの代表的な繊維もしくは糸を、顕微鏡において検査する前に、検体支持体に慎重に乗せた。蓮効果をもたらすこれらの代表的な粗雑化繊維は、実質的に繊維含有基材の平面内にあることが見いだされた。粗さ因子(R.F.)を、以下にさらに説明するように、実際の繊維の物理的測定によって決定した。一般に、粗さ因子は、高倍率が用いられるときに分析手順において用いられる単位がより多くなるため、高倍率が用いられるとき幾らか大きくなることがある。従って、500×の所定倍率を選択して、繊維製品基材の粗さ因子の測定を標準化した。文献から得られる試料について、または特異点を作製するためのみに、他の倍率に基づく算出が示される。
【0143】
次に、これらの代表的な繊維もしくは糸を、走査電子顕微鏡(SEM)における検査の前に、金の約150〜200オングストロームの均一なコーティングが被着するように、Denton Desk IIモデル・スパッターコーター(Denton Vacuum, Inc.、Morristown、NJ)において金被覆した。
5kV加速電圧で作動するAmray Model 1845FE走査電子顕微鏡(KLA-Tencor, Inc.、160 Rio Robles、San Jose、California 95134)を用いて画像形成を行った。
繊維試料を、様々な倍率で検査したが、最適レベルの詳細が観察されるため500×を最も頻繁に用いた。画像は、WIN TV-GO(Happauge Computer Works, inc.、Happauge、NY)ビデオカードを用いて作製し、IBM互換パーソナルコンピュータでjpg画像として800×600ピクセルで保存した。
【0144】
粗さ因子(R.F.)の決定に用いた手順
代表的な繊維の粗さ因子(「R.F.」)は、以下に示されるように客観的に測定することができる。前述のように画像を取得した。処理済み繊維の側方輪郭の明瞭な画像を見ることができるように、繊維製品基材の処理済み繊維内の粗雑化領域(図7Aを参照)をSEM内で位置決めした。繊維製品の面仕上げの結果としての、窪み、突出部、摩滅、粒子などによる繊維の表面粗さを明瞭に見ることができる。繊維は均一には粗雑化されていないことが指摘される。即ち、繊維製品基材の頂面から離れた側の繊維は、頂面が実質的に粗雑化されうるとしても、まったく粗雑化されないことがある。繊維のR.F.は繊維の連続する側部の頂面上で測定する。破壊された繊維もしくは末端の近辺もしくはその内部では測定しない。
【0145】
生成したデジタル画像は、長さ800ピクセル×高さ600ピクセルであった。これらの画像は、個々の繊維の500×の倍率で取得した。これらの画像ファイルは、8ビットRGBファイルとしてJPEG形式で保存した。
【0146】
図7Aは、SEMから得られた、実施例6に記載のテント布からの繊維の初期画像を示す。端部およびその対応する粗さに焦点を合わせるため、側面から見た処理済み繊維の粗雑化端部のみを示す画像の一区画を抽出することができる。その抽出された画像において、繊維の方向は、画像の片のうちの1つに沿って配向する。その方向を、ここでは、画像の長さと呼ぶ。分析のための画像の長さは100ミクロン以上である。例えば、図7Bは、SEMから得られたテント布の初期画像から抽出された部分を示す。
【0147】
分析のため、2つのソフトウェアパッケージを用いた。即ち、カリフォルニア州San JoseのAdobe Systems Incorporatedによって提供されるAdobe Photoshop 6.0.1、およびメリーランド州Sliver SpringのMedia Cybernetics, incによって提供されるImage Pro Plus 4.5を用いた。抽出された画像を、Image Pro Plusにおいて、8ビット・グレースケール[各々のピクセルが0(即ち黒色)〜255(即ち白色)のグレー値を有する]に変換した。次に、抽出された画像をAdobe Photoshopに移した。繊維の端部を表す画像のピクセルを、背景から分離し、分析の解像度を高めるため、3ピクセル直径の消しゴムツールを用いて、繊維端と背景との境界をトレースした。消しゴムツールは、アクティブではあるが交差するすべてのピクセルを黒色(ピクセル値0)に変換するように設定した。マウスを拡大画像(Adobe Photoshopのスクリーン上で200%以上)と共に用いて、繊維端と背景との境界を手で正確にトレースして背景のピクセルを0に設定した。背景の端部のピクセルをゼロに設定した後、背景の残りも0(黒色)に設定した。
【0148】
図7Cは、上述の手順によって背景が黒色に設定された、図7Bと同じ画像を示す。この画像は、Image Pro Plusにおける後の分析のため、TIFFファイルとして保存する。
【0149】
Image Pro Plusを用いて、暗色背景の画像ファイルを開いた。この画像を用いて繊維端の粗さを算出した。主として、粗さパラメータは、表面からのすべての突出部を含む実際の繊維端(「輪郭(シルエット)」)の長さを、画像の長さで割ったものと定義される(当該繊維が画像の全長に伸びるものと仮定する)。
【0150】
輪郭を決定するため、背景ピクセルをタグ付けし、繊維の表面粗さの形状(即ち、影)を示す背景の白黒画像を創製することができる。輪郭を決定するため、Image Pro Plusは、利用者が画像の一部をその部分のピクセル値およびサイズに基づいて選択することを可能にする。背景ピクセルが黒色(ピクセル値ゼロ)に設定されているため、0に近い値を有するピクセルを分割することによって、背景を画像から選択することができる。
【0151】
画像内に影が存在しうるため、ゼロに近いピクセル値を有するが、背景(従って輪郭)を表さない幾つかのピクセル対象が存在する。これらの対象は、常に、背景よりも少ないピクセルを含む。従って、分析者は、背景としてタグ付けされているピクセル対象が画像内の影のサイズよりも大きいピクセルサイズを有する(これは画像に依存して変化する)ことを要求することにより、輪郭から影を排除することができる。
【0152】
完全にするため、選択されたピクセルの大きな背景内のピクセル「ホール」が自動的に選択されるように対象を選択する。四方接続の意味で互いに隣接するピクセルを、背景の一部としてタグ付けする。これは、画像内の対象が、特定のピクセルの上および/または下またはいずれかの側に直接「隣接体」を有することにより、画像の主体に接続されるべきであることを意味する。対角線のみによって接続されているピクセルは、選択される背景対象には含まれない。図7Cのタグ付けされた背景画像の例を図7Dに示す。手中にあるこの画像を用いると、その作業は、繊維と背景の界面の長さ(即ち、輪郭の長さ)を測定することである。
【0153】
輪郭の長さを測定するには白黒影画像を用いる。用いられる手順は、背景/繊維境界の端をトレースする1ピクセル幅の線を定義することによって界面の長さを見積もる。この1ピクセル幅の線を生成するのに、以下の手順を用いる。
【0154】
まず、影画像を複製する。この影画像の第1コピーを浸食(erision)フィルターと呼ばれる形態フィルターで処理する。浸食フィルターは白黒画像を取り込み、画像の白色部分の境界を移動させて画像の白色部分を減少させ(より少ないピクセル)、かつ暗色部分を増加させる(より多くのピクセル)が、境界線の形状はそのままである。
【0155】
浸食フィルターの形状は3×3の十字である。このフィルターは画像に1回適用する。次に、下の影画像の第2コピーを拡張(dilation)フィルターで処理する。これは浸食フィルターとは正反対である。拡張された画像については、画像の白色部分は増大し、かつ暗色部分は減少し、それにより境界の形状が保存される。この拡張フィルターもやはり3×3十字状フィルターを1パスで用いる。画像演算を用いることで、これらの浸食および拡張画像の絶対的な差が、元の背景/繊維界面の線(幅1ピクセル超)のみを残す画像をもたらす。これは、浸食および拡張フィルターが、界面領域を除いて、画像のすべての部分を残しているために生じる。1ピクセル幅の線を得るには、この絶対的な差の画像を、いわゆる「切り詰め(pruning)」フィルターの1パスで処理する。この手順は、多ピクセル幅の線を取り込み、それらを1ピクセルに縮める。境界線のあらゆる枝分かれは除去される。輪郭画像と呼ばれるこの最終画像が、処理済み繊維の粗さの輪郭を表す1ピクセル幅白色(ピクセル値255)線をもたらす。図7Bの輪郭画像の例を図7Eに示す。
【0156】
粗さ因子(「R.F.」)は粗雑化端部の長さに相当し、一般に、繊維製品繊維が示す表面粗さの程度に直接比例する。それは本明細書に規定される通りに算出される。輪郭画像に対してImage Pro Plusの計数ツールを用いる。計数ツールは、1ピクセル以上のサイズのすべての白色(ピクセル値255)対象を計数するように設定する。多ピクセルは、それらが上述のように四方接続する場合にのみ、1つの対象として計数する。
【0157】
計数ツールは少なくとも2片の情報をもたらす。計数ツールは境界内のピクセルの数および境界内の対象の数を提供する。対象の有意性は元に戻ってピクセルが四方接続しているか否かに関連する。これは、対角線に沿った接続(8接続と呼ばれる)が21/2ピクセルの幾何長さを有し、それに対して4接続は1ピクセルのみの長さを有するため、境界線の長さを算出する上で重要である。境界内にN個の対象およびM個のピクセルが存在する場合、N−1の対角接続(長さ21/2)およびM−Nの直線接続(長さ1)が存在する。従って、輪郭の長さ(L)は、次の通りである(ピクセル単位で):
【数2】

【0158】
画像長さ(L)は単純に画像のピクセル長さであり、これは繊維に沿ってサンプリングされる長さに等しい。これは、Image Pro Plusにおいて、例えば、ビットマップを調べて画像の縦の長さを計数することによって見いだすことができる。当該繊維の粗さ因子(R.F.)パラメータは、以下のような比R.F.を算出することによって得ることができる:
【数3】

【0159】
選択された実施例について生成されたデータを、下記の表4および表5に示す。表1〜表3において生成されたデータに相当する実施例番号を、表4および表5においても用いる。例えば、「実施例2」は、実施例2において前に示したように調製された繊維製品基材を指す。また、比較のため、面仕上げ処理の結果として高度に粗雑化された表面を有し、かつその表面に粒子が存在する領域において基材から抽出された繊維(表中で「FF+粒子」として示す)を、面仕上げからの表面粗さがほとんどもしくは全くないが、その表面に粒子を有する領域において基材から抽出された繊維(表中で「粒子」として示す)と比較した。
【0160】
【表4】

【0161】
【表5】

【0162】
図1Dおよび図1Eに示される結果は、本発明に従って処理された布が、従来技術における他の超疎水性繊維製品表面、例えば、比較例のために本明細書中に記載した表面よりも大きい粗さ因子を示す繊維で構成される表面を有することを示す。これらの粗さ因子データは、粒子のみを用いて粗雑化表面を創製しようとする試みが、小さい粗さ因子(通常は、RF<1.10)を有する布の処理済み表面上の繊維を生じることをも示す。しかし、幾つかの異常な場合には、基材に耐久的に結合していない、大きい隔離粒子凝塊によって大きい粗さ因子値が生じることもある。表4に示される最後の3つの実施例は、高倍率(1000×)でさえ、繊維表面に付加された粒子が、本発明において説明される粗さ因子に有意に寄与することがないことを示すために提供される。従って、本発明によって説明される繊維製品基材の面仕上げおよびその粒子による処理の組合せは、蓮の葉の表面に最も類似する長さ尺度で繊維に課せられる特徴を備える表面を創製し、表面が1.10以上の粗さ因子を示し、かつ処理済み基材が超撥液特性を示す。
【0163】
表1〜表5に示した結果は、表面粗さが、小さい動的転がり角、高い噴霧評点、ならびに水および油に対する高い反撥性から明白なように、繊維製品基材に付与される撥液特性に実際に影響を及ぼすことを示す。本明細書中に示され、かつ説明されているように、本発明の表面は、従来技術の他の表面よりも、優れた耐久性のある撥液性および自己清浄性を示す。表中のデータの比較において、本発明は、最良の反撥性、噴霧評点、および洗濯耐性を有する布が、最高の粗さ因子をも示すことを明瞭に示す。
【0164】
従って、本発明は、優れた撥液および自己清浄特性(これは、そのような特性が望ましい多くの最終用途において有用でありうる)を有する繊維製品基材を創製する要求を満たすことができる。これらの最終用途の幾つかには、限定されることなく、上着類(例えば、雨具)、アウトドア布地(例えば、テント、日よけ、およびボートカバー)、自動車用布地(例えば、自動車用コンバーチブル屋根)、およびアパレルが含まれる。
【0165】
当業者なら、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に対する上記および他の変更および変形を行うことができる。さらに、当業者なら、前述の説明が例示のためのみのものであり、特許請求の範囲に記載される本発明の範囲を限定しようとするものではないことを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】図1は、接触角現象および湿潤を示す概略図である。
【図2】図2は、粗雑面と比較したときの平滑面上の液滴挙動の模式図である。
【図3】図3は、微小構造およびより小さいナノ構造を有する蓮の葉の超疎水性「粗」構造を示す顕微鏡写真である。
【図3A】図3Aは、図3に示される蓮の葉の2段構造を示す拡大顕微鏡写真である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示される蓮の葉の表面不規則性の側面輪郭画像の写真である。
【図4】図4は、繊維の表面に粒子が存在してナノ構造を形成するが、比較的劣る耐久性を示す従来技術の繊維の構造を示す拡大顕微鏡写真(倍率1000×)である。
【図4A】図4Aは、図4の従来技術の繊維に対応する輪郭画像の写真である。
【0167】
【図5】図5は、比較的高レベル粗さの第1領域および比較的低レベル粗さの第2領域を示す実施例10において説明される平織りポリエステル布の構造を示す拡大顕微鏡写真である。
【図5A】図5Aは、比較的高レベルの粗さを有する表面繊維を伴う第1領域の構造を示す図5の拡大顕微鏡写真(倍率500×)である。
【図5B】図5Bは、比較的低レベルの粗さを有する表面繊維を伴う第2領域の構造を示す図5の拡大顕微鏡写真(倍率500×)である。
【図5C】図5Cは、比較的高レベルの粗さを有する繊維の表面に存在する個々のナノ粒子を含む構造を示す図5の拡大顕微鏡写真(倍率50000)である。
【図5D】図5Dは、比較的高レベルの粗さを有する繊維の表面に存在するナノ粒子の凝塊を含む構造を示す図5の拡大顕微鏡写真(倍率50000×)である。
【0168】
【図6】図6は、布の表面に存在する多数の破壊された繊維を示す、通常の粗グリット擦過ロールによって機械的に処理した平織りポリエステル布の構造を示す拡大顕微鏡写真である。
【図7A】図7Aは、高度に粗雑化された端部(それを測定して繊維の粗さ因子を決定することができる)を有する実施例6においてさらに説明されるテント布繊維の構造を示す拡大顕微鏡写真である。
【図7B】図7Bは、高度に粗雑化された端部(それを測定して繊維の粗さ因子を決定することができる)を有する実施例6においてさらに説明されるテント布繊維の構造を示す拡大顕微鏡写真である。
【図7C】図7Cは、高度に粗雑化された端部(それを測定して繊維の粗さ因子を決定することができる)を有する実施例6においてさらに説明されるテント布繊維の構造を示す拡大顕微鏡写真である。
【図7D】図7Dは、図7Cに示される繊維の粗さ因子(R.F.)を測定するために見積もられた算出された輪郭もしくは影を示す輪郭画像の写真である。
【図7E】図7Eは、図7Cに示される繊維の端部輪郭画像の写真である。
【0169】
【図8A】図8Aは、比較的高度の粗さの領域から採取され、対応して高い粗さ因子を有するものと決定される、実施例20において説明されるテント布の繊維の構造を示す拡大顕微鏡写真(倍率1000×)である。
【図8B】図8Bは、繊維の粗さ因子の見積もりに使用しうる図8Aの粗雑化繊維の端部輪郭画像の写真である。
【図9A】図9Aは、比較的高レベル粗さの第1領域(機械的に粗雑化された部分)および比較的低レベル粗さの第2領域を示す、実施例10において説明される平織りポリステル布の構造を示す拡大顕微鏡写真(50×)である。
【図9B】図9Bは、繊維製品基材表面の高度に粗雑化された領域が黒色(ピクセル値0)に設定されていることを除いて、図9Aと同じ画像を示す写真である。
【図9C】図9Cは、繊維製品基材表面の高度に粗雑化された領域を示すピクセルが255(即ち、白色)に設定され、その他の全てのピクセル値が0(即ち、黒色)に設定され、画像が白色ピクセルおよび黒色ピクセルのみが存在する二値画像に変換されていることを除いて、図9Bと同じ画像を示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、
(a)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;
を含んでなる繊維含有基材。
【請求項2】
一体顕微鏡的表面構造が約100μm未満のサイズを有する請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項3】
一体顕微鏡的表面構造がその表面の少なくとも一方の少なくとも10%に存在する請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項4】
一体顕微鏡的表面構造がその表面の少なくとも一方の少なくとも15%に存在する請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項5】
一体顕微鏡的表面構造がその表面の少なくとも一方の少なくとも20%に存在する請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項6】
少なくとも一方の表面に反撥性成分をさらに含む請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項7】
反撥性成分が、フルオロカーボン含有化学物質、シリコーン、ワックス、およびそれらの組合せからなる群より選択される請求項6に記載の繊維含有基材。
【請求項8】
反撥性成分がフルオロカーボン含有化学物質である請求項7に記載の繊維含有基材。
【請求項9】
フルオロカーボン含有化学物質が、フルオロアクリレート含有組成物もしくはフルオロウレタン含有組成物である請求項8に記載の繊維含有基材。
【請求項10】
少なくとも一方の表面に架橋成分をさらに含む請求項6に記載の繊維含有基材。
【請求項11】
架橋成分がポリウレタン系物質である請求項10に記載の繊維含有基材。
【請求項12】
少なくとも一方の表面に粒状成分をさらに含む請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項13】
粒状成分が、約1nm〜約50μmの平均粒径を有する粒子を含む請求項12に記載の繊維含有基材。
【請求項14】
粒状成分が、約5nm〜約1μmの平均粒径を有する粒子を含む請求項12に記載の繊維含有基材。
【請求項15】
粒状成分が、約10nm〜約50nmの平均粒径を有する粒子を含む請求項12に記載の繊維含有基材。
【請求項16】
粒状成分が、ケイ酸塩、ドープ処理したケイ酸塩、鉱物、シリカ、ポリマー、炭素、グラファイト、金属塩、金属粉末、シリカ被覆した金属粉末、無機酸化物、およびそれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つの物質を含んでなる請求項12に記載の繊維含有基材。
【請求項17】
粒状成分がシリカ系物質である請求項16に記載の繊維含有基材。
【請求項18】
シリカ系物質がコロイド状シリカである請求項17に記載の繊維含有基材。
【請求項19】
少なくとも一方の表面に架橋成分をさらに含む請求項12に記載の繊維含有基材。
【請求項20】
架橋成分がポリウレタン系物質である請求項19に記載の繊維含有基材。
【請求項21】
反撥性成分、粒状成分、および架橋成分をさらに含む請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項22】
繊維が約1.20以上の粗さ因子を有する請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項23】
繊維が約1.30以上の粗さ因子を有する請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項24】
繊維含有基材が織布からなる請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項25】
繊維含有基材が不織布からなる請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項26】
繊維含有基材が編布からなる請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項27】
繊維含有基材がレイドスクリムからなる請求項1に記載の繊維含有基材。
【請求項28】
第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、
(a)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;ならびに
(b)反撥性成分;
を含んでなる繊維含有基材。
【請求項29】
少なくとも一方の表面に架橋成分をさらに含む請求項28に記載の繊維含有基材。
【請求項30】
少なくとも一方の表面に粒状成分をさらに含む請求項28に記載の繊維含有基材。
【請求項31】
少なくとも一方の表面に粒状成分をさらに含む請求項29に記載の繊維含有基材。
【請求項32】
第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、
(a)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;
(b)反撥性成分;ならびに
(c)粒状成分;
を含んでなる繊維含有基材。
【請求項33】
少なくとも一方の表面に架橋成分をさらに含む請求項32に記載の繊維含有基材。
【請求項34】
(I)第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、(a)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;を含んでなる繊維含有基材の少なくとも1つの層;ならびに
(II)繊維含有基材、フィルム、コーティング、フォーム、補強基材、および接着剤からなる群より選択される物質の少なくとも1つの追加層;
を含んでなる複合繊維製品基材。
【請求項35】
繊維含有基材が反撥性成分をさらに含む請求項34に記載の複合繊維製品基材。
【請求項36】
繊維含有基材が架橋成分をさらに含む請求項35に記載の複合繊維製品基材。
【請求項37】
繊維含有基材が粒状成分をさらに含む請求項34に記載の複合繊維製品基材。
【請求項38】
繊維含有基材が架橋成分をさらに含む請求項37に記載の複合繊維製品基材。
【請求項39】
繊維含有基材が反撥性成分、粒状成分、および架橋成分をさらに含む請求項34に記載の複合繊維製品基材。
【請求項40】
(I)第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、(a)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;および(b)反撥性成分;を含んでなる繊維含有基材の少なくとも1つの層;ならびに
(II)繊維含有基材、フィルム、コーティング、フォーム、補強基材、および接着剤からなる群より選択される物質の少なくとも1つの追加層;
を含んでなる複合繊維製品基材。
【請求項41】
繊維含有基材が架橋成分をさらに含む請求項40に記載の複合繊維製品基材。
【請求項42】
繊維含有基材が粒状成分をさらに含む請求項40に記載の複合繊維製品基材。
【請求項43】
繊維含有基材が架橋成分をさらに含む請求項42に記載の複合繊維製品基材。
【請求項44】
(I)第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、(a)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;(b)反撥性成分;および(c)粒状成分;を含んでなる繊維含有基材の少なくとも1つの層;ならびに
(II)繊維含有基材、フィルム、コーティング、フォーム、補強基材、および接着剤からなる群より選択される物質の少なくとも1つの追加層;
を含んでなる複合繊維製品基材。
【請求項45】
繊維含有基材が架橋成分をさらに含む請求項44に記載の複合繊維製品基材。
【請求項46】
第1表面および第2表面を備える織り繊維含有基材あって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、
(a)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;ならびに
(b)(i)フルオロカーボン含有反撥性成分、(ii)粒状成分、および(iii)架橋成分、を含む化学混合物;
を含んでなり、洗濯後に実質的に耐久性の撥水性を示し、該撥水性が、3M撥水性試験II(1992年5月)に従って試験したときに少なくとも約5である織り繊維含有基材。
【請求項47】
一体顕微鏡的表面構造が約100μm未満のサイズを有する請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項48】
一体顕微鏡的表面構造がその表面の少なくとも一方の少なくとも10%に存在する請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項49】
一体顕微鏡的表面構造がその表面の少なくとも一方の少なくとも15%に存在する請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項50】
一体顕微鏡的表面構造がその表面の少なくとも一方の少なくとも20%に存在する請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項51】
フルオロカーボン含有反撥性成分がフルオロアクリレート物質を含んでなる請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項52】
粒状成分が、約1nm〜約50μmの平均粒径を有する粒子を含んでなる請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項53】
粒状成分が、約5nm〜約1μmの平均粒径を有する粒子を含んでなる請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項54】
粒状成分が、約10nm〜約50nmの平均粒径を有する粒子を含んでなる請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項55】
粒状成分が、ケイ酸塩、ドープ処理したケイ酸塩、鉱物、シリカ、ポリマー、炭素、グラファイト、金属塩、金属粉末、シリカ被覆した金属粉末、無機酸化物、およびそれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つの物質を含んでなる請求項52に記載の織り繊維含有基材。
【請求項56】
粒状成分がシリカ系物質を含んでなる請求項55に記載の織り繊維含有基材。
【請求項57】
シリカ系物質がコロイド状シリカである請求項56に記載の織り繊維含有基材。
【請求項58】
架橋成分がポリウレタン系物質を含んでなる請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項59】
繊維が約1.20以上の粗さ因子を有する請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項60】
繊維が約1.30以上の粗さ因子を有する請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項61】
基材が、AATCC試験法118-2000に従って試験したときに、少なくとも約5の撥油性を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項62】
基材が、AATCC試験法22-2000に従って試験したときに、100の噴霧評点を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項63】
基材が、約10.0°以下の動的転がり角(DRA)を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項64】
基材が、AATCC試験法22-2000に従って試験したときに、1回の家庭内洗濯の後に少なくとも70の噴霧評点を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項65】
基材が、AATCC試験法22-2000に従って試験したときに、5回の家庭内洗濯の後に少なくとも70の噴霧評点を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項66】
基材が、AATCC試験法22-2000に従って試験したときに、10回の家庭内洗濯の後に少なくとも70の噴霧評点を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項67】
基材が、AATCC試験法22-2000に従って試験したときに、20回の家庭内洗濯の後に少なくとも60の噴霧評点を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項68】
基材が、1回の家庭内洗濯の後に約13.0°以下の動的転がり角を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項69】
基材が、5回の家庭内洗濯の後に約28.0°以下の動的転がり角を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項70】
基材が、10回の家庭内洗濯の後に約35.0°以下の動的転がり角を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項71】
基材が、20回の家庭内洗濯の後に約34.5°以下の動的転がり角を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項72】
基材が、AATCC試験法22-2000に従って試験したときに、2000のマーチンデール摩耗サイクルに晒した後に少なくとも70の噴霧評点を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項73】
基材が、AATCC試験法22-2000に従って試験したときに、5000のマーチンデール摩耗サイクルに晒した後に少なくとも70の噴霧評点を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項74】
基材が、AATCC試験法22-2000に従って試験したときに、10000のマーチンデール摩耗サイクルに晒した後に少なくとも60の噴霧評点を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項75】
基材が、AATCC試験法22-2000に従って試験したときに、20000のマーチンデール摩耗サイクルに晒した後に少なくとも50の噴霧評点を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項76】
基材が、2000のマーチンデール摩耗サイクルに晒した後に28.0°以下の動的転がり角を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項77】
基材が、5000のマーチンデール摩耗サイクルに晒した後に35.0°以下の動的転がり角を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項78】
基材が、10000のマーチンデール摩耗サイクルに晒した後に21.5°以下の動的転がり角を示す請求項46に記載の織り繊維含有基材。
【請求項79】
第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、(i)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;を含んでなる繊維含有基材の製造方法であって、
(a)第1表面および第2表面を有する繊維含有基材を供する工程;ならびに
(b)少なくとも該基材の該第1表面を面仕上げし、それにより該第1表面に一体顕微鏡的表面構造を形成する工程;
を含んでなる方法。
【請求項80】
工程(b)の面仕上げを機械的処理、化学的処理、またはそれらの組合せによって達成する請求項79に記載の方法。
【請求項81】
工程(b)の面仕上げを機械的処理によって達成する請求項80に記載の方法。
【請求項82】
機械的処理を、少なくとも第1表面を1つ以上の摩耗表面に暴露することによって達成する請求項81に記載の方法。
【請求項83】
1つ以上の摩耗表面を、ダイヤモンドグリットまたは研磨紙で被覆する請求項82に記載の方法。
【請求項84】
摩耗表面を、約600〜約1200の平均グリットサイズを有するダイヤモンドグリットで被覆する請求項83に記載の方法。
【請求項85】
摩耗表面が1つ以上の摩耗円柱状ロールを含んでなる請求項84に記載の方法。
【請求項86】
第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、(i)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;を含んでなる繊維含有基材の製造方法であって、
(a)第1表面および第2表面を有する繊維含有基材を供する工程;
(b)少なくとも該基材の該第1表面を面仕上げし、それにより該第1表面に一体顕微鏡的表面構造を形成する工程;ならびに
(c)反撥性成分を含む化学混合物を、少なくとも該基材の該第1表面に適用する工程;
を含んでなる方法。
【請求項87】
工程(b)の面仕上げを機械的処理、化学的処理、またはそれらの組合せによって達成する請求項86に記載の方法。
【請求項88】
工程(b)の面仕上げを機械的処理によって達成する請求項87に記載の方法。
【請求項89】
機械的処理を、少なくとも第1表面を1つ以上の摩耗表面に暴露することによって達成する請求項88に記載の方法。
【請求項90】
1つ以上の摩耗表面を、ダイヤモンドグリットまたは研磨紙で被覆する請求項89に記載の方法。
【請求項91】
摩耗表面を、約600〜約1200の平均グリットサイズを有するダイヤモンドグリットで被覆する請求項90に記載の方法。
【請求項92】
摩耗表面が1つ以上の摩耗円柱状ロールを含んでなる請求項91に記載の方法。
【請求項93】
第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、(i)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;を含んでなる繊維含有基材の製造方法であって、
(a)第1表面および第2表面を有する繊維含有基材を供する工程;
(b)少なくとも該基材の該第1表面を面仕上げし、それにより該第1表面に一体顕微鏡的表面構造を形成する工程;ならびに
(c)反撥性成分および粒状成分を含む化学混合物を、少なくとも該第1表面に適用する工程;
を含んでなる方法。
【請求項94】
工程(b)の面仕上げを機械的処理、化学的処理、またはそれらの組合せによって達成する請求項93に記載の方法。
【請求項95】
工程(b)の面仕上げを機械的処理によって達成する請求項94に記載の方法。
【請求項96】
機械的処理を、少なくとも第1表面を1つ以上の摩耗表面に暴露することによって達成する請求項95に記載の方法。
【請求項97】
1つ以上の摩耗表面を、ダイヤモンドグリットまたは研磨紙で被覆する請求項96に記載の方法。
【請求項98】
摩耗表面を、約600〜約1200の平均グリットサイズを有するダイヤモンドグリットで被覆する請求項97に記載の方法。
【請求項99】
摩耗表面が1つ以上の摩耗円柱状ロールを含んでなる請求項98に記載の方法。
【請求項100】
第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、(i)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;を含んでなる繊維含有基材の製造方法であって、
(a)第1表面および第2表面を有する繊維含有基材を供する工程;
(b)少なくとも該基材の該第1表面を面仕上げし、それにより該第1表面に一体顕微鏡的表面構造を形成する工程;
(c)粒状成分を含む第1化学混合物を、少なくとも該第1表面に適用する工程;ならびに
(d)続いて、反撥性成分を含む第2化学混合物を、少なくとも該第1表面に適用する工程;
を含んでなる方法。
【請求項101】
工程(b)の面仕上げを機械的処理、化学的処理、またはそれらの組合せによって達成する請求項100に記載の方法。
【請求項102】
工程(b)の面仕上げを機械的処理によって達成する請求項101に記載の方法。
【請求項103】
機械的処理を、少なくとも第1表面を1つ以上の摩耗表面に暴露することによって達成する請求項102に記載の方法。
【請求項104】
1つ以上の摩耗表面を、ダイヤモンドグリットまたは研磨紙で被覆する請求項103に記載の方法。
【請求項105】
摩耗表面を、約600〜約1200の平均グリットサイズを有するダイヤモンドグリットで被覆する請求項104に記載の方法。
【請求項106】
摩耗表面が1つ以上の摩耗円柱状ロールを含んでなる請求項105に記載の方法。
【請求項107】
第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、(i)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;を含んでなる繊維含有基材の製造方法であって、
(a)第1表面および第2表面を有する繊維含有基材を供する工程;
(b)少なくとも該基材の該第1表面を面仕上げし、それにより該第1表面に一体顕微鏡的表面構造を形成する工程;
(c)反撥性成分を含む第1化学混合物を、少なくとも該第1表面に適用する工程;ならびに
(d)続いて、反撥性成分および粒状成分を含む第2化学混合物を、少なくとも該第1表面に適用する工程;
を含んでなる方法。
【請求項108】
工程(b)の面仕上げを機械的処理、化学的処理、またはそれらの組合せによって達成する請求項107に記載の方法。
【請求項109】
工程(b)の面仕上げを機械的処理によって達成する請求項108に記載の方法。
【請求項110】
機械的処理を、少なくとも第1表面を1つ以上の摩耗表面に暴露することによって達成する請求項109に記載の方法。
【請求項111】
1つ以上の摩耗表面を、ダイヤモンドグリットまたは研磨紙で被覆する請求項110に記載の方法。
【請求項112】
摩耗表面を、約600〜約1200の平均グリットサイズを有するダイヤモンドグリットで被覆する請求項111に記載の方法。
【請求項113】
摩耗表面が1つ以上の摩耗円柱状ロールを含んでなる請求項112に記載の方法。
【請求項114】
複合繊維製品基材の製造方法であって、
(a)第1表面および第2表面を備える繊維含有基材であって、その表面の少なくとも一方の少なくとも一部に一体顕微鏡的表面構造を有し、該一体顕微鏡的表面構造が該繊維含有基材の平面に対して実質的に直角の突出部を有し、該少なくとも一方の表面が、(i)繊維の長さの少なくとも一部に沿って表面構造を構成する複数の実質的に破壊されていない繊維を有する部分であって、該繊維が約1.10以上の粗さ因子を有する部分;を含んでなる繊維含有基材の少なくとも1つの層を供する工程;
(b)繊維含有基材、フィルム、コーティング、フォーム、補強基材、および接着剤からなる群より選択される物質の少なくとも1つの追加層を供する工程;ならびに
(c)工程(a)および工程(b)の層を一緒に接合する工程;
を含んでなる方法。
【請求項115】
(c)の接合工程を、接着剤、加熱積層、およびそれらの組合せを用いて達成する請求項114に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【公表番号】特表2007−523272(P2007−523272A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−500743(P2007−500743)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/031681
【国際公開番号】WO2005/082616
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(500524682)ミリケン・アンド・カンパニー (23)
【Fターム(参考)】