説明

処理システム、処理方法、処理装置、及びプログラム

【課題】処理装置の電源が停止していてもタイミングを変更でき、消費電力が低く、かつ電力供給が停止している時間の間に処理を実施すべき時刻が経過した場合であっても再度起動することができる処理システムを提供する。
【解決手段】読み出し部21は、起動時にサーバ装置40を介してタイミング情報を読み出し、タイミングの変更処理を行う。また、起動要求出力部23は、次回測定を行うべき時刻までの時間の経過後に自装置を起動させることを要求する起動要求を起動装置30に出力し、終了部28は、測定が完了したときに電源を遮断する。起動部33は、計時部32が起動要求が示す時間の計測を終えたときに、健全性評価装置20を起動させる。また、起動部33は、電力供給装置10からの電力供給が再開されたときに、計時部32が計測する時間にかかわらず健全性評価装置20を起動させる。また、測定部25は、起動した後に測定を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池の充電率に応じて当該蓄電池からの電力供給の停止・再開を切り替える電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理システム、処理方法、処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、橋脚の保守を実施するため、変位計、加速度計、速度計などのセンサを用いて橋脚の振動量を測定し、橋脚基礎の健全性を評価する健全性評価装置が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。橋脚は、交通不便の地にも設けられるため、遠隔地において当該健全性評価装置の操作を行うことが好ましい。特に、現地の状況(例えば、増水時だけ常時測定したいなど)に応じて測定条件を変更できることが望まれている。この場合、通信回線を介して当該条件の変更を行うことが一般的である。
【0003】
また、橋脚は電気事業者による電力供給がない場所にも設けられるため、健全性評価装置は、太陽光発電装置などの自然エネルギー発電と蓄電池との組み合わせによる電力供給装置からの電力供給によって動作することが好ましい。また、蓄電池による電力供給を受けるため、健全性評価装置の消費電力量はできる限り少ないことが望まれる。
【0004】
電力供給装置は、自然エネルギー発電により蓄電池の充電を行うため、運用中に蓄電池のSOC(State Of Charge:充電率)が定格のSOC未満となる可能性がある。SOCが定格未満の状態で蓄電池の使用を続けると、蓄電池が供給する電力量が低くなり、健全性評価装置の動作に十分な電力を供給できなくなったり、過放電状態となって蓄電池が故障してしまったりするおそれがある。このことから、電力供給装置は、蓄電池のSOCが定格の範囲に収まるよう制御して充放電を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−271402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、自然エネルギー発電により蓄電池の充電を行う電力供給装置からの電力供給によって稼動する健全性評価装置に対して通信によって測定条件の変更を行う場合、条件を変更したいときに電力供給装置からの電力供給が停止していると、健全性評価装置との通信ができず、条件の変更ができないという問題がある。また、電力供給装置による電力供給が停止して健全性評価装置が起動していない間に処理を実施すべき時刻が経過すると、健全性評価装置が起動できなくなってしまうおそれがある。
なお、健全性評価装置に限られず、電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理システムにおいて、同様の問題が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、蓄電池の充電率に応じて前記蓄電池からの電力供給の停止・再開を切り替える電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理システムであって、前記電力供給装置からの電力を動力源とする処理装置と起動装置とを備え、前記処理装置は、前記処理装置が起動したときに、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングを示すタイミング情報を遠隔に設置されたサーバ装置から読み出す読み出し部と、前記読み出し部が読み出したタイミング情報から、次回処理を実施すべき時刻までの時間を算出し、当該時間の経過後に前記処理装置を起動させることを要求する起動要求を、前記起動装置に出力する起動要求出力部と、前記処理装置が起動した後に処理を実施する実施部と、前記実施部による処理が完了したときに、前記処理装置の電源を遮断する終了部と、を備え、前記起動装置は、前記処理装置から起動要求を入力し、当該起動要求が示す時間の経過を計測する計時部と前記計時部が前記起動要求が示す時間の経過の計測を終了したときに前記処理装置を起動させる起動部とを備え、前記起動装置の起動部は、前記電力供給装置からの電力供給が再開されたときに、前記計時部が計測する時間にかかわらず前記処理装置を起動させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明においては、前記タイミング情報に、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングとして実施時刻が格納される場合、前記実施部は、現在時刻と前記実施時刻とを比較し、前記実施時刻が現在時刻以降である場合に処理を実施することが好ましい。
【0009】
また、本発明においては、前記タイミング情報に格納されている情報に前記サーバ装置の終了時刻が含まれる場合、前記実施部は、前記タイミング情報が示す終了時刻まで前記処理の実施を繰り返すことが好ましい。
【0010】
また、本発明においては、前記読み出し部は、前記実施部が前記処理の実施を繰り返す毎に、前記サーバ装置から前記タイミング情報を読み出すことが好ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記起動要求出力部は、現在時刻から、前記終了時刻と現在時刻とのうち遅いほうの時刻の所定時間後までの時間を、次回処理を実施すべき時刻までの時間とすることが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、前記タイミング情報に、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングとして実施時刻が格納される場合において、現在時刻から前記実施時刻までの時間が所定の時間以上であるとき、前記起動要求出力部は、現在時刻から前記実施時刻までの時間を、次回処理を実施すべき時刻までの時間とし、前記終了部は、起動要求出力部による起動要求の出力後に、前記処理装置の電源を遮断することが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、前記タイミング情報に、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングとして前記処理を終了した後に次回の処理を実施するまでの時間間隔が格納されている場合、前記起動要求出力部は、当該時間間隔を次回処理を実施すべき時刻までの時間とすることが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、前記実施部による処理の実施中に、当該処理のログを不揮発記憶部に記録するログ記録部を備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明においては、前記タイミング情報には、当該タイミング情報の更新時刻を示す情報が含まれ、前記読み出し部は、前記サーバ装置が保持する前記タイミング情報の更新時刻と前回読み出したタイミング情報の更新時刻とを比較し、前回読み出したタイミング情報の更新時刻のほうが前の時刻を示す場合にのみ、前記サーバ装置が保持する前記タイミング情報の更新時刻を読み出すことが好ましい。
【0016】
また、本発明は、蓄電池の充電率に応じて前記蓄電池からの電力供給の停止・再開を切り替える電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理装置と前記処理装置を起動させる起動装置とを用いた処理方法であって、前記処理装置の読み出し部は、前記処理装置が起動したときに、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングを示すタイミング情報を遠隔に設置されたサーバ装置から読み出し、前記処理装置の起動要求出力部は、前記読み出し部が読み出したタイミング情報から、次回処理を実施すべき時刻までの時間を算出し、当該時間の経過後に前記処理装置を起動させることを要求する起動要求を、前記起動装置に出力し、前記処理装置の実施部は、前記処理装置が起動した後に処理を実施し、前記処理装置の終了部は、前記実施部による処理が完了したときに、前記処理装置の電源を遮断し、前記起動装置の計時部は、前記処理装置から起動要求を入力し、当該起動要求が示す時間の経過を計測し、前記起動装置の起動部は、前記計時部が前記起動要求が示す時間の経過の計測を終了したときに前記処理装置を起動させ、前記起動装置の起動部は、前記電力供給装置からの電力供給が再開されたときに、前記計時部が計測する時間にかかわらず前記処理装置を起動させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、蓄電池の充電率に応じて前記蓄電池からの電力供給の停止・再開を切り替える電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理装置であって、前記処理装置が起動したときに、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングを示すタイミング情報を遠隔に設置されたサーバ装置から読み出す読み出し部と、前記読み出し部が読み出したタイミング情報から、次回処理を実施すべき時刻までの時間を算出し、当該時間の経過後に前記処理装置を起動させることを要求する起動要求を、前記処理装置を起動させる起動装置に出力する起動要求出力部と、前記処理装置が起動した後に処理を実施する実施部と、前記実施部による処理が完了したときに、前記処理装置の電源を遮断する終了部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、蓄電池の充電率に応じて前記蓄電池からの電力供給の停止・再開を切り替える電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理装置のコンピュータを、前記処理装置が起動したときに、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングを示すタイミング情報を遠隔に設置されたサーバ装置から読み出す読み出し部、前記読み出し部が読み出したタイミング情報から、次回処理を実施すべき時刻までの時間を算出し、当該時間の経過後に前記処理装置を起動させることを要求する起動要求を、前記処理装置を起動させる起動装置に出力する起動要求出力部、前記処理装置が起動した後に処理を実施する実施部、前記実施部による処理が完了したときに、前記処理装置の電源を遮断する終了部として機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、処理装置は、起動時にサーバ装置を介してタイミング情報を読み出し、タイミングの変更処理を行う。これにより、管理者が条件を変更する際に処理装置の電源が停止していたとしても、サーバ装置にタイミング情報を記録しておくことで、処理装置の次回起動時にタイミングの変更を行うことができる。
【0020】
また、本発明によれば、処理装置は、次回処理を実施すべき時刻までの時間の経過後に処理装置を起動させることを要求する起動要求を起動装置に出力し、処理が完了した時に電源を遮断する。これにより、処理を行っていないときに処理装置の電源が遮断され、処理を行うべき時刻に処理装置が起動することとなるため、処理装置の消費電力を削減することができる。
【0021】
また、本発明によれば、起動装置は、電力供給装置からの電力供給が再開されたときに、計時部が計測する時間にかかわらず処理装置を起動させる。また、処理装置は、起動した後に処理を実施する。これにより、電力供給が停止している時間の間、すなわち起動装置及び処理装置の電源が遮断されている間に処理を実施すべき時刻が経過した場合であっても、処理装置は、電力供給の再開後すみやかに処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態による健全性評価システムの構成を示す概略図である。
【図2】タイミング情報に含まれる情報を示す図である。
【図3】健全性評価装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】常測モードによる測定動作を示すフローチャートである。
【図5】隔測モードによる測定動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による健全性評価システムの構成を示す概略図である。なお、図1において、実線は情報の流れを示し、点線は電力の流れを示す。
健全性評価システムは、管理者の指示に従って橋脚の健全性を評価するシステムであって、電力供給装置10、健全性評価装置20(処理装置)、起動装置30、サーバ装置40、制御用端末50を備える。なお、電力供給装置10、健全性評価装置20、及び起動装置30は、橋脚の設置場所に設けられ、サーバ装置40及び制御用端末50は、橋脚より遠隔の場所に設けられる。
【0024】
電力供給装置10は、蓄電池12のSOCに応じて、蓄電池12からの電力供給の停止・再開を切り替える。なお、電力供給装置10は、健全性評価装置20及び起動装置30に電力を供給する。
起動装置30は、健全性評価装置20を設定された時間に起動させる。
健全性評価装置20は、サーバ装置40が保持するタイミング情報が示すタイミングで、橋脚に設置されたセンサの情報を読み取り、当該センサ情報に基づいて橋脚の健全性を評価する。
【0025】
サーバ装置40は、健全性評価装置20による評価の実施のタイミングを示すタイミング情報を保持する。また、サーバ装置40は、健全性評価装置20による評価結果を保持する。
制御用端末50は、管理者の操作によってサーバ装置40にタイミング情報を送信し、また管理者の操作によってサーバ装置40から評価結果を受信する。
健全性評価装置20、サーバ装置40及び制御用端末50は、それぞれインターネットを介して互いに接続される。
【0026】
図2は、タイミング情報に含まれる情報を示す図である。
なお、タイミング情報には、測定の種別を示す測定モード、測定及び評価を実施するタイミング、当該タイミング情報の更新時刻が含まれる。
測定モードとしては、常時測定を実行する常測モードか、所定の時間間隔で測定を繰り返し実行する隔測モードかが指定される。
常測モードが指定された場合、タイミングとして、開始時刻(実施時刻)と終了時刻とが指定される。すなわち、常測モードでの測定を行う場合、健全性評価装置20は、指定された開始時刻から指定された終了時刻まで測定を行う。
他方、隔測モードが指定された場合、タイミングとして測定時間と測定間隔とが指定される。すなわち、隔測モードでの測定を行う場合、健全性評価装置20は、指定された測定間隔の間は測定を行わず、当該測定間隔が経過したときに、指定された測定時間の計測を行う。
【0027】
続いて、健全性評価システムが備える各装置の構成について、図1を参照して説明する。
まず、電力供給装置10の構成について説明する。電力供給装置10は、発電機11、蓄電池12、充電率監視部13、電力供給制御部14を備える。
発電機11は、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーを電力に変換し、当該電力を蓄電池12に供給する。
蓄電池12は、発電機11が発電した電力により充電する。また、蓄電池12は、電力供給制御部14を介して電力を健全性評価装置20及び起動装置30に供給する。
充電率監視部13は、蓄電池12のSOCを監視し、SOCが定格の上限に近づいたときに充電を停止させる指示を発電機11に出力し、SOCが定格の下限に近づいたときに健全性評価装置20及び起動装置30への電力供給を停止させる指示を電力供給制御部14に出力する。これにより、充電率監視部13は、蓄電池12の過充電及び過放電を防止する。
電力供給制御部14は、蓄電池12から供給された電力を健全性評価装置20及び起動装置30に供給する。また、電力供給制御部14は、充電率監視部13からの指示に従い、健全性評価装置20及び起動装置30へ電力供給を行うか否かを切り替える。
【0028】
次に、健全性評価装置20の構成について説明する。健全性評価装置20は、読み出し部21、不揮発記憶部22、起動要求出力部23、時刻比較部24、測定部25(実施部)、ログ記録部26、評価部27、終了部28を備える。
読み出し部21は、インターネットを介して、サーバ装置40が保持するタイミング情報を読み出し、不揮発記憶部22に記録する。
不揮発記憶部22は、読み出し部21が読み出したタイミング情報、及びログ記録部26により記録された測定のログを記憶する。
起動要求出力部23は、読み出し部21が読み出したタイミング情報が示すタイミングから、次回測定を行うべき時刻までの時間を算出する。そして、起動要求出力部23は、当該時間の経過後に自装置を起動させることを要求する起動要求を、起動装置30に出力する。
【0029】
時刻比較部24は、タイミング情報が常測モードを示す場合に、開始時刻と現在時刻とを比較し、測定を行うか、起動したまま待機するか、電源を遮断して待機するかを決定する。
測定部25は、橋脚に設置されたセンサを監視し、センサ情報の測定を行う。
ログ記録部26は、測定部25が測定した情報のログを不揮発記憶部22に記録する。
評価部27は、測定部25による測定結果を用いて橋脚の健全性を評価し、当該評価結果をインターネットを介してサーバ装置40に送信する。
終了部28は、自装置の電源を遮断する。
【0030】
次に、起動装置30の構成について説明する。起動装置30は、入力部31、計時部32、起動部33を備える。
入力部31は、健全性評価装置20から起動要求を入力する。
計時部32は、入力部31が入力した起動要求が示す時間の経過を計測する。
起動部33は、計時部32が、起動要求が示す時間の経過の計測を終了したときに健全性評価装置20を起動させる。また、起動部33は、電力供給装置10からの電力供給が再開した場合、計時部32が計測する時間にかかわらず、健全性評価装置20を起動させる。
このように、計時部32は、現在時刻と起動時刻との比較ではなく、起動時間の経過によって健全性評価装置20を起動させるか否かを決定するため、システムクロックの誤差等によって健全性評価装置20を起動させる時刻に誤差が生じることが無い。また、起動部33は、電力供給装置10からの電力供給が再開した場合、計時部32が計測する時間にかかわらず、健全性評価装置20を起動させるため、電力供給装置10が電力供給を停止した後に、健全性評価装置20が停止したままとなることを防止することができる。
【0031】
次に、本実施形態による健全性評価システムの動作を説明する。
健全性評価システムを動作させる前に、管理者は予め、制御用端末50を用いてサーバ装置40にタイミング情報を記録しておく。
図3は、健全性評価装置20の動作を示すフローチャートである。
健全性評価装置20が起動すると、健全性評価装置20の読み出し部21は、インターネットを介してサーバ装置40が保持するタイミング情報へアクセスする。このとき、読み出し部21は、不揮発記憶部22が記憶する前回ダウンロードしたタイミング情報の更新時刻と、サーバ装置40が保持するタイミング情報の更新時刻とを比較する(ステップS1)。なお、初回起動時には、不揮発記憶部22にはタイミング情報が記録されていない。この場合、読み出し部21は、サーバ装置40が保持するタイミング情報の更新時刻のほうが新しいものとして処理を行う。
【0032】
読み出し部21は、サーバ装置40が保持するタイミング情報の更新時刻のほうが新しいと判断した場合(ステップS1:YES)、インターネットを介して、サーバ装置40が記憶するタイミング情報を読み出し、不揮発記憶部22が記憶するタイミング情報を上書きする(ステップS2)。他方、両方のタイミング情報の更新時刻が同じであると判断した場合(ステップS1:NO)、サーバ装置40からのタイミング情報の読み出しを行わない。このように、タイミング情報が新しい場合にのみタイミング情報の受信を行うことで、通信に要する電力を節約することができる。
【0033】
次に、読み出し部21は、ステップS2においてタイミング情報の読み出しが成功したか否かを判定する(ステップS3)。サーバ装置40が記憶するタイミング情報の読み出しに失敗したと判定した場合(ステップS3:NO)、予め設定されたデフォルト値をタイミング情報として不揮発記憶部22に記録する(ステップS4)。なお、本実施形態においては、デフォルトのタイミング情報として、動作モードが隔測モード、測定間隔が1時間、測定時間が5分という値を用いるが、これに限られない。このように、サーバ装置40との通信に失敗した場合に、再接続を行わずにデフォルト値を用いることで、通信に要する電力を節約することができる。
【0034】
上記処理(ステップS1:NO、ステップS3:YES、またはステップS4)によりタイミング情報が確定すると、健全性評価装置20は、不揮発記憶部22が記憶するタイミング情報が示す動作モードが、常測モードであるか、隔測モードであるかを判定する(ステップS5)。健全性評価装置20は、動作モードが常測モードであると判定した場合(ステップS5:YES)、現在時刻が終了時刻より後の時刻であるか否かを判定する(ステップS6)。なお、現在時刻は、健全性評価装置20のシステムクロック(図示せず)から読み出すものとする。そのため、健全性評価装置20は、ステップS1などでインターネットに接続したときにシステムクロックの時刻あわせを行い、時刻の誤差を無くしておくことが好ましい。
【0035】
現在時刻が終了時刻以前の時刻である場合(ステップS6:NO)、健全性評価装置20は、常測モードでの測定を行う(ステップS7)。他方、健全性評価装置20は、動作モードが隔測モードであると判定した場合(ステップS5:NO)、または現在時刻が終了時刻より後の時刻である場合(ステップS6:YES)、隔測モードでの測定を行う(ステップS8)。なお、ステップS6で現在時刻が終了時刻より後の時刻であるために隔測モードでの測定を行う場合は、タイミング情報に測定時間及び測定間隔が含まれないため、デフォルト値を用いた隔測モードの測定を実行する。なお、タイミング情報の測定モードが常測モードである場合、管理者は、常測モード用のタイミング情報である開始時刻及び終了時刻に加え、常測モードの測定が終了した後の隔測モード用のタイミング情報である測定時間及び測定間隔を併せてタイミング情報に格納しても良い。この場合、健全性評価装置は、デフォルト値ではなく、当該測定時間及び測定間隔を用いて隔測モードの測定を実行することとなる。
そして、ステップS7、ステップS8の測定が終了すると、終了部28は、自装置の電源を遮断し、処理を終了する。
【0036】
次に、常測モードによる測定動作について説明する。
図4は、常測モードによる測定動作を示すフローチャートである。
健全性評価装置20がステップS7で常測モードでの測定を開始すると、起動要求出力部23は、不揮発記憶部22が記憶する終了時刻と現在時刻との差の時間に1時間(隔測モードの測定間隔のデフォルト値)を加えた時間を、次回測定を行うべき時刻までの時間として算出する。これにより、健全性評価装置20は、常測モードによる測定が終了したあとに、隔測モードでの測定を行うこととなる。そして、起動要求出力部23は、当該時間の経過後に自装置を起動させることを要求する起動要求を、起動装置30に出力する(ステップS701)。このように、測定を開始する前に起動命令を起動装置30に出力するため、健全性評価装置20が測定中に停止してしまった場合にも、起動装置30は、次回の起動時刻に健全性評価装置20を起動させることができる。
【0037】
次に、時刻比較部24は、不揮発記憶部22が記憶する開始時刻と現在時刻とを比較し、現在時刻が開始時刻より前の時刻であるか否かを判定する(ステップS702)。時刻比較部24は、現在時刻が開始時刻より前の時刻であると判定した場合(ステップS702:YES)、現在時刻と開始時刻との差が4分以内であるか否かを判定する(ステップS703)。時刻比較部24が、現在時刻と開始時刻との差が4分より大きいと判定した場合(ステップS703:NO)、起動要求出力部23は、不揮発記憶部22が記憶する開始時刻と現在時刻との差の時間を、次回測定を行うべき時刻までの時間として算出する。そして、起動要求出力部23は、当該時間の経過後に自装置を起動させることを要求する起動要求を、起動装置30に出力し(ステップS704)、処理を終了する。つまり、起動した時刻と次回測定を行うべき時刻までの時間が長い場合、消費電力の節約のため、自装置の電源を遮断しておく。
【0038】
他方、時刻比較部24が、現在時刻と開始時刻との差が4分以内であると判定した場合(ステップS703:YES)、電源の遮断を行わず、開始時刻まで待機する(ステップS705)。開始時刻までの待機が終了した場合、またはステップS702において現在時刻が開始時刻以降の時刻であると判定した場合(ステップS702:NO)、測定部25は、橋脚に設置されたセンサ情報の測定を開始する(ステップS706)。
【0039】
このように、健全性評価装置20は、常測モードにおいて現在時刻と開始時刻とを比較し、現在時刻が開始時刻より後の時刻であった場合に測定を開始する。これにより、開始時刻において電力供給装置10が電力供給を停止していたために健全性評価装置20が起動していなかった場合にも、その後に健全性評価装置20が起動した際にすみやかに測定を開始することができる。
なお、開始時刻において電力供給装置10が電力供給を停止していたために健全性評価装置20が起動していなかった場合、電力供給の再開後、起動装置30の起動部33がすみやかに健全性評価装置20を起動させることとなる。
【0040】
測定部25がセンサ情報の測定を開始すると、ログ記録部26は、2分間の測定を開始する(ステップS707)。次に、ログ記録部26は、計測している時間が2分を経過したか否かを判定する(ステップS708)。ログ記録部26は、計測している時間が2分を経過したと判定した場合(ステップS708:YES)、測定部25によるセンサ情報の測定のログを不揮発記憶部22に記録する(ステップS709)。次に、評価部27は、測定部25が測定したセンサ情報を用いて橋脚の健全性の評価を行う(ステップS710)。
具体的には、評価部27は、以下の処理を行うことで橋脚の健全性の評価を行う。
まず、評価部27は、橋脚の振動を検出するセンサから取得した振幅スペクトルデータ(センサ情報)を用いて橋脚の卓越振動数を演算する。次に、評価部27は、当該卓越振動数から橋脚の固有振動数を特定する。そして、評価部27は、固有振動数が所定の閾値を下回った場合に、橋脚が不安定で有ると判定する。
評価部27は、橋脚の健全性の評価を終了すると、当該判定結果及びセンサ情報を、インターネットを介してサーバ装置40に送信する(ステップS711)。このように、本実施形態によれば、2分毎に不揮発記憶部22へのログの記録、健全性の評価、及び評価結果の送信を行う。これにより、測定部25による測定中に電力供給装置10からの電力供給が停止した場合にも、測定の途中経過を不揮発記憶部22及びサーバ装置40に残しておくことができる。
【0041】
次に、読み出し部21は、インターネットを介してサーバ装置40が保持するタイミング情報へアクセスし、不揮発記憶部22が記憶する前回ダウンロードしたタイミング情報の更新時刻と、サーバ装置40が保持するタイミング情報の更新時刻とを比較する(ステップS712)。読み出し部21は、サーバ装置40が保持するタイミング情報の更新時刻のほうが新しいと判断した場合(ステップS712:YES)、常測モードの処理を終了し、ステップS2に戻り、タイミング情報の読み出しを行う。これにより、常測モードによる測定の途中で終了時刻までの測定の必要がなくなった場合などに、制御用端末50を用いてサーバ装置40が保持するタイミング情報を書き換える(例えば、測定モードを隔測モードに書き換えたり、終了時刻を早めたりする)ことで、常測モードの測定を中断させることができる。
【0042】
両方のタイミング情報の更新時刻が同じであると判断した場合(ステップS712:NO)、またはログ記録部26が、計測している時間が2分を経過していないと判定した場合(ステップS708:NO)、時刻比較部24は、現在時刻が、不揮発記憶部22が記憶する終了時刻より後の時刻であるか否かを判定する(ステップS713)。
現在時刻が終了時刻以前の時刻である場合(ステップS713:NO)、ステップS707に戻り、測定を継続する。他方、現在時刻が終了時刻より後の時刻である場合(ステップS713:YES)、評価部27は、測定部25が測定したセンサ情報を用いて橋脚の健全性の評価を行う(ステップS714)。そして、評価部27は、橋脚の健全性の評価を終了すると、当該判定結果及びセンサ情報を、インターネットを介してサーバ装置40に送信し(ステップS715)、処理を終了する。
【0043】
このように、常測モードの測定を行う場合、健全性評価装置20は、開始時刻から終了時刻まで測定を継続して行い、次回の起動時としてデフォルトの隔測モードの間隔が示す時刻を設定する。
【0044】
次に、隔測モードによる測定動作について説明する。
図5は、隔測モードによる測定動作を示すフローチャートである。
健全性評価装置20がステップS8で隔測モードでの測定を開始すると、起動要求出力部23は、不揮発記憶部22が記憶する測定間隔を、次回測定を行うべき時刻までの時間とする。そして、起動要求出力部23は、当該時間の経過後に自装置を起動させることを要求する起動要求を、起動装置30に出力する(ステップS801)。
【0045】
次に、測定部25は、橋脚に設置されたセンサ情報の測定を開始する(ステップS802)。
このように、健全性評価装置20は、隔測モードにおいて現在時刻にかかわらずすみやかに測定を開始する。これにより、開始時刻において電力供給装置10が電力供給を停止していたために健全性評価装置20が起動していなかった場合にも、その後に健全性評価装置20が起動した際にすみやかに測定を開始することができる。
【0046】
測定部25がセンサ情報の測定を開始すると、ログ記録部26は、不揮発記憶部22が記憶する測定時間の計測を開始する(ステップS803)。次に、ログ記録部26は、計測している時間が測定時間を経過したか否かを判定する(ステップS804)。ログ記録部26は、計測している時間が測定時間を経過していないと判定した場合(ステップS804:NO)、測定部25によるセンサ情報の測定のログを不揮発記憶部22に記録し(ステップS805)、ステップS804に戻り、計測を継続する。このように、上述したように、ログ記録部26は、測定が終了するまで不揮発記憶部22へのログの記録を行う。これにより、測定部25による測定中に電力供給装置10からの電力供給が停止した場合にも、測定の途中経過を不揮発記憶部22に残しておくことができる。
【0047】
他方、ログ記録部26が、計測している時間が経過時間を経過したと判定した場合(ステップS804:YES)、評価部27は、測定部25が測定したセンサ情報を用いて橋脚の健全性の評価を行う(ステップS806)。そして、評価部27は、橋脚の健全性の評価を終了すると、当該判定結果及びセンサ情報を、インターネットを介してサーバ装置40に送信し(ステップS807)、処理を終了する。
このように、隔測モードの測定を行う場合、健全性評価装置20は、測定時間の間、測定を継続して行い、次回の起動時として測定間隔が示す時刻を設定する。
【0048】
以上の動作により、健全性評価システムは、管理者の指示に従って橋脚の健全性の評価を行う。
本実施形態によれば、健全性評価装置20は、起動時にサーバ装置40を介してタイミング情報を読み出し、タイミングの変更処理を行う(図3のステップS2)。これにより、条件を変更する際に健全性評価装置20の電源が停止していたとしても、制御用端末50を用いてサーバ装置40にタイミング情報を記録しておくことで、健全性評価装置20の次回起動時にタイミングの変更を行うことができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、健全性評価装置20は、次回測定を行うべき時刻までの時間の経過後に自装置を起動させることを要求する起動要求を起動装置30に出力し(図4のステップS701、図5のステップS801)、測定が完了した時に電源を遮断する(図3のステップS9)。これにより、測定を行っていないときに健全性評価装置20の電源が遮断され、測定を行うべき時刻に健全性評価装置20が起動することとなるため、健全性評価装置20の消費電力を削減することができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、起動装置30は、電力供給装置10からの電力供給が再開されたときに、計時部32が計測する時間にかかわらず健全性評価装置20を起動させる。また、健全性評価装置20は、起動した後に測定を実施する。これにより、電力供給が停止している時間の間、すなわち起動装置30及び健全性評価装置20の電源が遮断されている間に測定を行うべき時刻が経過した場合であっても、健全性評価装置20は、電力供給の再開後すみやかに測定を開始することができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、タイミング情報が常測モードを示す場合、測定部25は、現在時刻とタイミング情報が示す開始時刻とを比較し、開始時刻が現在時刻以降である場合に処理を実施する(図4のステップS702)。これにより、開始時刻において電力供給装置10が電力供給を停止していたために健全性評価装置20が起動していなかった場合にも、その後に健全性評価装置20が起動した際にすみやかに測定を開始することができる。
【0052】
また、本実施形態によれば、タイミング情報が常測モードを示す場合、測定部25は、タイミング情報が示す終了時刻まで測定を繰り返し実行する。そして、読み出し部21は、測定部25が測定を繰り返し実行する毎に、サーバ装置40からタイミング情報を読み出す(図4のステップS712)。これにより、常測モードによる測定の途中で測定の必要がなくなった場合などに、制御用端末50を用いてサーバ装置40が保持するタイミング情報を書き換えることで、常測モードの測定を中断させることができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、タイミング情報が常測モードを示す場合において、現在時刻が終了時刻より前の時刻であるとき(図3のステップS6:NO)、起動要求出力部23は、現在時刻から終了時刻の1時間後までの時間を、次回測定を行うべき時刻までの時間とする(図4のステップS701)。他方、現在時刻が終了時刻以降の時刻であるとき(図3のステップS6:YES)、起動要求出力部23は、1時間後(隔測モードの測定間隔のデフォルト値)を、次回測定を行うべき時刻までの時間とする(図5のステップS801)。すなわち、起動要求出力部23は、現在時刻から、終了時刻と現在時刻とのうち遅いほうの時刻の1時間後までの時間を、次回測定を行うべき時刻までの時間とする。これにより、タイミング情報が常測モードの処理が完了した場合においてタイミング情報が更新されなかった場合にも、健全性評価装置20は、隔測モードでの測定に移行することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、タイミング情報が常測モードを示す場合において、現在時刻から開始時刻までの時間が所定の時間以上であるとき、起動要求出力部23は、現在時刻から開始時刻までの時間を、次回測定を行うべき時刻までの時間とし(図4のステップS704)、終了部28は、起動要求出力部23による起動要求の出力後に、健全性評価装置20の電源を遮断する(図3のステップS9)。このように、起動した時刻と次回測定を行うべき時刻までの時間が長い場合、自装置の電源を遮断しておくことで、消費電力を削減することができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、タイミング情報が隔測モードを示す場合、起動要求出力部23は、タイミング情報が示す時間間隔を、次回測定を行うべき時刻までの時間とする(図5のステップS801)。これにより、起動装置30は、タイミング情報が示す時間間隔毎に健全性評価装置20を起動させることができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、ログ記録部26は、測定部25が測定している間、当該測定のログを不揮発記憶部22に記録する(図4のステップS709、図5のステップS805)。これにより、測定部25による測定中に電力供給装置10からの電力供給が停止した場合にも、測定の途中経過を不揮発記憶部22に残しておくことができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、読み出し部21は、サーバ装置40が保持するタイミング情報の更新時刻と前回読み出したタイミング情報の更新時刻とを比較し、前回読み出したタイミング情報の更新時刻のほうが前の時刻を示す場合にのみ、サーバ装置40が保持するタイミング情報の更新時刻を読み出す(図3のステップS1)。これにより、通信に要する電力を節約することができる。
【0058】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、橋脚の健全性評価システムに本発明を適用する例を説明したが、これに限られず、管理者の指示により常測と隔測とを切り替えるシステムであれば、他のシステムに用いても良い。
【0059】
上述の健全性評価装置20は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実施することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実施するようにしても良い。
【0060】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0061】
なお、起動装置30及び電力供給装置10は、電力消費量の観点からコンピュータシステムを有さず、簡易な構成によって動作することが好ましいが、無論、コンピュータシステムによって動作するものであっても良い。
【符号の説明】
【0062】
10…電力供給装置 11…発電機 12…蓄電池 13…充電率監視部 14…電力供給制御部 20…健全性評価装置 21…読み出し部 22…不揮発記憶部 23…起動要求出力部 24…時刻比較部 25…測定部 26…ログ記録部 27…評価部 28…終了部 30…起動装置 31…入力部 32…計時部 33…起動部 40…サーバ装置 50…制御用端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池の充電率に応じて前記蓄電池からの電力供給の停止・再開を切り替える電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理システムであって、
前記電力供給装置からの電力を動力源とする処理装置と起動装置とを備え、
前記処理装置は、
前記処理装置が起動したときに、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングを示すタイミング情報を遠隔に設置されたサーバ装置から読み出す読み出し部と、
前記読み出し部が読み出したタイミング情報から、次回処理を実施すべき時刻までの時間を算出し、当該時間の経過後に前記処理装置を起動させることを要求する起動要求を、前記起動装置に出力する起動要求出力部と、
前記処理装置が起動した後に処理を実施する実施部と、
前記実施部による処理が完了したときに、前記処理装置の電源を遮断する終了部と、
を備え、
前記起動装置は、
前記処理装置から起動要求を入力し、当該起動要求が示す時間の経過を計測する計時部と
前記計時部が前記起動要求が示す時間の経過の計測を終了したときに前記処理装置を起動させる起動部と
を備え、
前記起動装置の起動部は、前記電力供給装置からの電力供給が再開されたときに、前記計時部が計測する時間にかかわらず前記処理装置を起動させる
ことを特徴とする処理システム。
【請求項2】
前記タイミング情報に、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングとして実施時刻が格納される場合、
前記実施部は、現在時刻と前記実施時刻とを比較し、前記実施時刻が現在時刻以降である場合に処理を実施する
ことを特徴とする請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記タイミング情報に格納されている情報に前記サーバ装置の終了時刻が含まれる場合、
前記実施部は、前記タイミング情報が示す終了時刻まで前記処理の実施を繰り返す
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の処理システム。
【請求項4】
前記読み出し部は、前記実施部が前記処理の実施を繰り返す毎に、前記サーバ装置から前記タイミング情報を読み出すことを特徴とする請求項3に記載の処理システム。
【請求項5】
前記起動要求出力部は、現在時刻から、前記終了時刻と現在時刻とのうち遅いほうの時刻の所定時間後までの時間を、次回処理を実施すべき時刻までの時間とする
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
前記タイミング情報に、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングとして実施時刻が格納される場合において、現在時刻から前記実施時刻までの時間が所定の時間以上であるとき、
前記起動要求出力部は、現在時刻から前記実施時刻までの時間を、次回処理を実施すべき時刻までの時間とし、
前記終了部は、起動要求出力部による起動要求の出力後に、前記処理装置の電源を遮断する
ことを特徴とする請求項5に記載の処理システム。
【請求項7】
前記タイミング情報に、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングとして前記処理を終了した後に次回の処理を実施するまでの時間間隔が格納されている場合、前記起動要求出力部は、当該時間間隔を次回処理を実施すべき時刻までの時間とする
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の処理システム。
【請求項8】
前記実施部による処理の実施中に、当該処理のログを不揮発記憶部に記録するログ記録部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の処理システム。
【請求項9】
前記タイミング情報には、当該タイミング情報の更新時刻を示す情報が含まれ、
前記読み出し部は、前記サーバ装置が保持する前記タイミング情報の更新時刻と前回読み出したタイミング情報の更新時刻とを比較し、前回読み出したタイミング情報の更新時刻のほうが前の時刻を示す場合にのみ、前記サーバ装置が保持する前記タイミング情報の更新時刻を読み出す
ことを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の処理システム。
【請求項10】
蓄電池の充電率に応じて前記蓄電池からの電力供給の停止・再開を切り替える電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理装置と前記処理装置を起動させる起動装置とを用いた処理方法であって、
前記処理装置の読み出し部は、前記処理装置が起動したときに、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングを示すタイミング情報を遠隔に設置されたサーバ装置から読み出し、
前記処理装置の起動要求出力部は、前記読み出し部が読み出したタイミング情報から、次回処理を実施すべき時刻までの時間を算出し、当該時間の経過後に前記処理装置を起動させることを要求する起動要求を、前記起動装置に出力し、
前記処理装置の実施部は、前記処理装置が起動した後に処理を実施し、
前記処理装置の終了部は、前記実施部による処理が完了したときに、前記処理装置の電源を遮断し、
前記起動装置の計時部は、前記処理装置から起動要求を入力し、当該起動要求が示す時間の経過を計測し、
前記起動装置の起動部は、前記計時部が前記起動要求が示す時間の経過の計測を終了したときに前記処理装置を起動させ、
前記起動装置の起動部は、前記電力供給装置からの電力供給が再開されたときに、前記計時部が計測する時間にかかわらず前記処理装置を起動させる
ことを特徴とする処理方法。
【請求項11】
蓄電池の充電率に応じて前記蓄電池からの電力供給の停止・再開を切り替える電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理装置であって、
前記処理装置が起動したときに、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングを示すタイミング情報を遠隔に設置されたサーバ装置から読み出す読み出し部と、
前記読み出し部が読み出したタイミング情報から、次回処理を実施すべき時刻までの時間を算出し、当該時間の経過後に前記処理装置を起動させることを要求する起動要求を、前記処理装置を起動させる起動装置に出力する起動要求出力部と、
前記処理装置が起動した後に処理を実施する実施部と、
前記実施部による処理が完了したときに、前記処理装置の電源を遮断する終了部と、
を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項12】
蓄電池の充電率に応じて前記蓄電池からの電力供給の停止・再開を切り替える電力供給装置からの電力供給によって動作し、指定されたタイミングで所定の処理を実施する処理装置のコンピュータを、
前記処理装置が起動したときに、前記処理装置が処理を実施すべきタイミングを示すタイミング情報を遠隔に設置されたサーバ装置から読み出す読み出し部、
前記読み出し部が読み出したタイミング情報から、次回処理を実施すべき時刻までの時間を算出し、当該時間の経過後に前記処理装置を起動させることを要求する起動要求を、前記処理装置を起動させる起動装置に出力する起動要求出力部、
前記処理装置が起動した後に処理を実施する実施部、
前記実施部による処理が完了したときに、前記処理装置の電源を遮断する終了部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−164618(P2012−164618A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26314(P2011−26314)
【出願日】平成23年2月9日(2011.2.9)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】