説明

処理剤

【課題】多様な用途に用いられるイオン液体を含む処理剤を提供する。
【解決手段】下記化学式(1)または下記化学式(2)で表わされるイオン液体を含む処理剤。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理剤に関する。より詳細には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体を含む処理剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特定の有機陽イオンおよび陰イオンの組み合わせにより得られるイオン液体が見出された。イオン液体は、陽イオンおよび陰イオンの自由な組み合わせで、融点や水または有機溶媒への溶解度などの各種物性の調整が可能であり、通常100℃以下で液体である第3の液体とも言われている。当該イオン液体に的確な定義はないが、一般的にイオン液体は100℃以下で液体となる安定な塩であり、難燃性または不燃性、不揮発性、高い熱安定性、高いイオン伝導性、もしくは広い電位窓を有する。具体的には、約−100℃〜約300℃の幅広い温度領域で液体状態であり、約10-3〜10-1S/cmと高いイオン伝導度を有し、平均4〜6Vの広い電位窓を有する。例えば、特許文献1には、イオン液体を含有する帯電防止性樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−15573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載のイオン液体を含む帯電防止性樹脂組成物は、帯電防止性能の面で不十分であった。
【0005】
また、イオン液体の多様な特徴を生かした、イオン液体を含む処理剤の開発が望まれているという現状もある。
【0006】
そこで、本発明は、多様な用途に用いられるイオン液体を含む処理剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記化学式(1)または下記化学式(2)で表わされるイオン液体を含む処理剤を提供する。
【0008】
【化1】

【0009】
前記化学式(1)中、R1は、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、A1は、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、nは、1〜50の整数であり、Q1は、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、トリアゾリウムイオン、トリアジニウムイオン、キノリニウムイオン、イソキノリニウムイオン、インドリニウムイオン、キノキサリニウムイオン、ピペラジニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリニウムイオン、およびモルホリニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0010】
【化2】

【0011】
前記化学式(2)中、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、この際、R2およびR3は、同時に水素原子ではなく、A2およびA3は、それぞれ独立して、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、mおよびqは、それぞれ独立して、0〜50の整数であり(mおよびqが同時に0である場合を除く)、Q2は、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、トリアゾリウムイオン、トリアジニウムイオン、キノリニウムイオン、イソキノリニウムイオン、インドリニウムイオン、キノキサリニウムイオン、ピペラジニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリニウムイオン、およびモルホリニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、多様な用途に用いられるイオン液体を含む処理剤が提供されうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】イオン液体からなる処理剤を用いた酸性ガス吸収剤の酸性ガス吸収性能を示すグラフである。
【図2】イオン液体からなる処理剤を用いた電解質についてCV測定を行った結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、下記化学式(1)または下記化学式(2)で表わされるイオン液体を含む処理剤である。
【0015】
【化3】

【0016】
前記化学式(1)中、R1は、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、A1は、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、nは、1〜50の整数であり、Q1は、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、トリアゾリウムイオン、トリアジニウムイオン、キノリニウムイオン、イソキノリニウムイオン、インドリニウムイオン、キノキサリニウムイオン、ピペラジニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリニウムイオン、およびモルホリニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0017】
【化4】

【0018】
前記化学式(2)中、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、この際、R2およびR3は、同時に水素原子ではなく、A2およびA3は、それぞれ独立して、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、mおよびqは、それぞれ独立して、0〜50の整数であり(mおよびqが同時に0である場合を除く)、Q2は、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、トリアゾリウムイオン、トリアジニウムイオン、キノリニウムイオン、イソキノリニウムイオン、インドリニウムイオン、キノキサリニウムイオン、ピペラジニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリニウムイオン、およびモルホリニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種である。
【0019】
上記化学式(1)で表わされるイオン液体は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有する硫酸エステルアニオンを含み、上記化学式(2)で表わされるイオン液体は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するリン酸エステルアニオンを含む。かような構成を有することにより、本発明に係るイオン液体は優れた親水性を示し、帯電防止能および防曇性能を有する。
【0020】
以下、本発明の処理剤に含まれるイオン液体を説明する。
【0021】
[ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有する硫酸エステルアニオンを含むイオン液体]
前記化学式(1)で表わされるイオン液体は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有する硫酸エステルアニオンを含む。
【0022】
前記化学式(1)中のR1として用いられる置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、3−メチルペンタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、4−メチルペンチル基、4−メチルペンタン−2−イル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−(n−プロピル)ブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、n−オクチル基、2−メチルヘキサン−2−イル基、2,4−ジメチルペンタン−3−イル基、1,1−ジメチルペンタン−1−イル基、2,2−ジメチルヘキサン−3−イル基、2,3−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,4−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−メチルヘプタン−2−イル基、3−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−4−イル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、n−ノニル基、1−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−(n−ブチル)ペンチル基、4−メチル−1−(n−プロピル)ペンチル基、1,5,5−トリメチルヘキシル基、1,1,5−トリメチルヘキシル基、2−メチルオクタン−3−イル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、1−エチルオクチル基、1−(n−ブチル)ヘキシル基、1,1−ジメチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、1−エチルノニル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、1−メチルトリデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。入手容易性の観点から、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜8の飽和もしくは不飽和の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましく、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
【0023】
前記化学式(1)中のR1として用いられる置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基の例としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基などが挙げられる。入手容易性の観点から、置換されているかもしくは非置換の炭素数6のアリール基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
【0024】
前記化学式(1)中のR1として用いられる置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基の例としては、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、2−(1−ナフチル)エチル基、2−(2−ナフチル)エチル基、3−(1−ナフチル)プロピル基、または3−(2−ナフチル)プロピル基などが挙げられる。入手容易性の観点から、置換されているかもしくは非置換の炭素数7のアリールアルキル基が好ましく、ベンジル基が特に好ましい。
【0025】
前記化学式(1)中のA1として用いられる炭素数2〜4のアルキレン基の例としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。入手容易性の観点から、エチレン基、プロピレン基が特に好ましい。
【0026】
前述した置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換されているかもしくは非置換のアリールアルキル基、およびアルキレン基中の水素原子は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
【0027】
そのような置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基などのアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基などのアリール基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基などのアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニルなど等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基などのアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基などのアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基などのアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などのアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基などのジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基などの他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基などが挙げられる。
【0028】
前記化学式(1)中のnは、1〜50の整数であり、粘度の低下などによる取扱い易さの観点から、1〜20の整数が好ましく、1〜3の整数が特に好ましい。
【0029】
前記化学式(1)中のQ1で表わされるカチオンとしては、具体的には以下のものが例示できる。
【0030】
アンモニウムイオンの具体的な例としては、以下のようなイオンが例示できる。例えば、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、モノプロピルアンモニウムイオン、ジプロピルアンモニウムイオン、トリプロピルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、モノブチルアンモニウムイオン、ジブチルアンモニウムイオン、トリブチルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン、モノペンチルアンモニウムイオン、ジペンチルアンモニウムイオン、トリペンチルアンモニウムイオン、テトラペンチルアンモニウムイオン、モノヘキシルアンモニウムイオン、ジヘキシルアンモニウムイオン、モノヘプチルアンモニウムイオン、ジヘプチルアンモニウムイオン、モノオクチルアンモニウムイオン、ジオクチルアンモニウムイオン、モノノニルアンモニウムイオン、モノデシルアンモニウムイオン、モノウンデシルアンモニウムイオン、モノドデシルアンモニウムイオン、モノトリデシルアンモニウムイオン、モノテトラデシルアンモニウムイオン、モノペンタデシルアンモニウムイオン、モノヘキサデシルアンモニウムイオン、モノヘプタデシルアンモニウムイオン、モノオクタデシルアンモニウムイオン、モノノナデシルアンモニウムイオン、モノイコシルアンモニウムイオン、モノヘンイコシルアンモニウムイオン、モノドコシルアンモニウムイオン、モノトリコシルアンモニウムイオン、メチル(エチル)アンモニウムイオン、メチル(プロピル)アンモニウムイオン、メチル(ブチル)アンモニウムイオン、メチル(ペンチル)アンモニウムイオン、メチル(ヘキシル)アンモニウムイオン、メチル(ヘプチル)アンモニウムイオン、メチル(オクチル)アンモニウムイオン、メチル(ノニル)アンモニウムイオン、メチル(デシル)アンモニウムイオン、メチル(ウンデシル)アンモニウムイオン、メチル(ドデシル)アンモニウムイオン、メチル(トリデシル)アンモニウムイオン、メチル(テトラデシル)アンモニウムイオン、メチル(ペンタデシル)アンモニウムイオン、メチル(ヘキサデシル)アンモニウムイオン、メチル(ヘプタデシル)アンモニウムイオン、メチル(オクタデシル)アンモニウムイオン、メチル(ノナデシル)アンモニウムイオン、メチル(イコシル)アンモニウムイオン、メチル(ヘンイコシル)アンモニウムイオン、メチル(トリコシル)アンモニウムイオン、エチル(プロピル)アンモニウムイオン、エチル(ブチル)アンモニウムイオン、エチル(ペンチル)アンモニウムイオン、エチル(ヘキシル)アンモニウムイオン、エチル(ヘプチル)アンモニウムイオン、エチル(オクチル)アンモニウムイオン、エチル(ノニル)アンモニウムイオン、エチル(デシル)アンモニウムイオン、エチル(ウンデシル)アンモニウムイオン、エチル(ドデシル)アンモニウムイオン、エチル(トリデシル)アンモニウムイオン、エチル(テトラデシル)アンモニウムイオン、エチル(ペンタデシル)アンモニウムイオン、エチル(ヘキサデシル)アンモニウムイオン、エチル(ヘプタデシル)アンモニウムイオン、エチル(オクタデシル)アンモニウムイオン、エチル(ノナデシル)アンモニウムイオン、エチル(イコシル)アンモニウムイオン、エチル(ヘンイコシル)アンモニウムイオン、エチル(トリコシル)アンモニウムイオン、ジメチル(エチル)アンモニウムイオン、ジメチル(プロピル)アンモニウムイオン、ジメチル(ブチル)アンモニウムイオン、ジメチル(ペンチル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘキシル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘプチル)アンモニウムイオン、ジメチル(オクチル)アンモニウムイオン、ジメチル(ノニル)アンモニウムイオン、ジメチル(デシル)アンモニウムイオン、ジメチル(ウンデシル)アンモニウムイオン、ジメチル(ドデシル)アンモニウムイオン、ジメチル(トリデシル)アンモニウムイオン、ジメチル(テトラデシル)アンモニウムイオン、ジメチル(ペンタデシル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘキサデシル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘプタデシル)アンモニウムイオン、ジメチル(オクタデシル)アンモニウムイオン、ジメチル(ノナデシル)アンモニウムイオン、ジメチル(イコシル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘンイコシル)アンモニウムイオン、ジメチル(トリコシル)アンモニウムイオン、トリメチル(エチル)アンモニウムイオン、トリメチル(プロピル)アンモニウムイオン、トリメチル(ブチル)アンモニウムイオン、トリメチル(ペンチル)アンモニウムイオン、トリメチル(ヘキシル)アンモニウムイオン、トリメチル(ヘプチル)アンモニウムイオン、トリメチル(オクチル)アンモニウムイオン、トリメチル(ノニル)アンモニウムイオン、トリメチル(デシル)アンモニウムイオン、トリメチル(ウンデシル)アンモニウムイオン、トリメチル(ドデシル)アンモニウムイオン、トリメチル(トリデシル)アンモニウムイオン、トリメチル(テトラデシル)アンモニウムイオン、トリメチル(ペンタデシル)アンモニウムイオン、トリメチル(ヘキサデシル)アンモニウムイオン、トリメチル(ヘプタデシル)アンモニウムイオン、トリメチル(オクタデシル)アンモニウムイオン、トリメチル(ノナデシル)アンモニウムイオン、トリメチル(イコシル)アンモニウムイオン、トリメチル(ヘンイコシル)アンモニウムイオン、トリメチル(トリコシル)アンモニウムイオンなどのアルキルアンモニウムイオン。
【0031】
モノビニルアンモニウムイオン、ジビニルアンモニウムイオン、トリビニルアンモニウムイオン、モノプロペニルアンモニウムイオン、ジプロペニルアンモニウムイオン、トリプロペニルアンモニウムイオン、モノブテニルアンモニウムイオン、ジブテニルアンモニウムイオン、トリブテニルアンモニウムイオン、モノペンテニルアンモニウムイオン、ジペンテニルアンモニウムイオン、トリペンテニルアンモニウムイオン、モノヘキセニルアンモニウムイオン、ジヘキセニルアンモニウムイオン、モノヘプテニルアンモニウムイオン、ジヘプテニルアンモニウムイオン、モノオクテニルアンモニウムイオン、ジオクテニルアンモニウムイオン、モノノネニルアンモニウムイオン、モノデセニルアンモニウムイオン、モノウンデセニルアンモニウムイオン、モノドデセニルアンモニウムイオン、モノトリデセニルアンモニウムイオン、モノテトラデセニルアンモニウムイオン、モノペンタデセニルアンモニウムイオン、モノヘキサデセニルアンモニウムイオン、モノヘプタデセニルアンモニウムイオン、モノオクタデセニルアンモニウムイオン、モノノナデセニルアンモニウムイオン、モノイコセニルアンモニウムイオン、モノヘンイコセニルアンモニウムイオン、モノドコセニルアンモニウムイオン、モノトリコセニルアンモニウムイオンなどのアルケニルアンモニウムイオン。
【0032】
ジメチル(ビニル)アンモニウムイオン、ジメチル(プロペニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ブテニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ペンテニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘキセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘプテニル)アンモニウムイオン、ジメチル(オクテニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ノネニル)アンモニウムイオン、ジメチル(デセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ウンデセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ドデセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(トリデセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(テトラデセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ペンタデセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘキサデセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘプタデセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(オクタデセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ノナデセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(イコセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(ヘンイコセニル)アンモニウムイオン、ジメチル(トリコセニル)アンモニウムイオン、ビス(2−メトキシエチル)モノエチルアンモニウムイオン、トリメチル(ビニル)アンモニウムイオン、ビス(2−メトキシエチル)モノメチルアンモニウムイオンなどのアルキル基およびアルケニル基を有するモノアンモニウムイオン。
【0033】
モノベンジルアンモニウムイオン、(1−フェネチル)アンモニウムイオン、(2−フェネチル)アンモニウムイオン(別名:モノフェネチルアンモニウムイオン)、ジベンジルアンモニウムイオン、ビス(1−フェネチル)アンモニウムイオン、ビス(2−フェネチル)アンモニウムイオン(別名:ジフェネチルアンモニウムイオン)などの芳香族置換アルキルアンモニウムイオン;モノシクロペンチルアンモニウムイオン、ジシクロペンチルアンモニウムイオン、トリシクロペンチルアンモニウムイオン、モノシクロヘキシルアンモニウムイオン、ジシクロヘキシルアンモニウムイオン、モノシクロヘプチルアンモニウムイオン、ジシクロヘプチルアンモニウムイオンなどの炭素数5〜16のシクロアルキルアンモニウムイオン;ジメチル(シクロペンチル)アンモニウムイオン、ジメチル(シクロヘキシル)アンモニウムイオン、ジメチル(シクロヘプチル)アンモニウムイオン等のアルキル基およびシクロアルキル基を有するモノアンモニウムイオン;(メチルシクロペンチル)アンモニウムイオン、ビス(メチルシクロペンチル)アンモニウムイオン、(ジメチルシクロペンチル)アンモニウムイオン、ビス(ジメチルシクロペンチル)アンモニウムイオン、(エチルシクロペンチル)アンモニウムイオン、ビス(エチルシクロペンチル)アンモニウムイオン、(メチルエチルシクロペンチル)アンモニウムイオン、ビス(メチルエチルシクロペンチル)アンモニウムイオン、(ジエチルシクロペンチル)アンモニウムイオン、(メチルシクロヘキシル)アンモニウムイオン、ビス(メチルシクロヘキシル)アンモニウムイオン、(ジメチルシクロヘキシル)アンモニウムイオン、ビス(ジメチルシクロヘキシル)アンモニウムイオン、(エチルシクロヘキシル)アンモニウムイオン、ビス(エチルシクロヘキシル)アンモニウムイオン、(メチルエチルシクロヘキシル)アンモニウムイオン、(ジエチルシクロヘキシル)アンモニウムイオン、(メチルシクロヘプチル)アンモニウムイオン、ビス(メチルシクロヘプチル)アンモニウムイオン、(ジメチルシクロヘプチル)アンモニウムイオン、(エチルシクロヘプチル)アンモニウムイオン、(メチルエチルシクロヘプチル)アンモニウムイオン、(ジエチルシクロヘプチル)アンモニウムイオンなどのアルキルシクロアルキルアンモニウムイオン。
【0034】
モノメタノールアンモニウムイオン、ジメタノールアンモニウムイオン、トリメタノールアンモニウムイオン、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン、モノ(n−プロパノール)アンモニウムイオン、ジ(n−プロパノール)アンモニウムイオン、トリ(n−プロパノール)アンモニウムイオン、モノイソプロパノールアンモニウムイオン、ジイソプロパノールアンモニウムイオン、トリイソプロパノールアンモニウムイオン、モノブタノールアンモニウムイオン、ジブタノールアンモニウムイオン、トリブタノールアンモニウムイオン、モノペンタノールアンモニウムイオン、ジペンタノールアンモニウムイオン、トリペンタノールアンモニウムイオン、モノヘキサノールアンモニウムイオン、ジヘキサノールアンモニウムイオン、モノヘプタノールアンモニウムイオン、ジヘプタノールアンモニウムイオン、モノオクタノールアンモニウムイオン、モノノナノールアンモニウムイオン、モノデカノールアンモニウムイオン、モノウンデカノールアンモニウムイオン、モノドデカノールアンモニウムイオン、モノトリデカノールアンモニウムイオン、モノテトラデカノールアンモニウムイオン、モノペンタデカノールアンモニウムイオン、モノヘキサデカノールアンモニウムイオン、モノメチルモノエタノールアンモニウムイオン、モノエチルモノエタノールアンモニウムイオン、モノエチルモノプロパノールアンモニウムイオン、モノエチルモノブタノールアンモニウムイオン、モノエチルモノペンタノールアンモニウムイオン、モノプロピルモノエタノールアンモニウムイオン、モノプロピルモノプロパノールアンモニウムイオン、モノプロピルモノブタノールアンモニウムイオン、モノプロピルモノペンタノールアンモニウムイオン、モノブチルモノエタノールアンモニウムイオン、モノブチルモノプロパノールアンモニウムイオン、モノブチルモノブタノールアンモニウムイオン、モノブチルモノペンタノールアンモニウムイオン、ジメチルモノエタノールアンモニウムイオン、ジエチルモノエタノールアンモニウムイオン、ジエチルモノプロパノールアンモニウムイオン、ジエチルモノブタノールアンモニウムイオン、ジエチルモノペンタノールアンモニウムイオン、ジプロピルモノエタノールアンモニウムイオン、ジプロピルモノプロパノールアンモニウムイオン、ジプロピルモノブタノールアンモニウムイオン、ジプロピルモノペンタノールアンモニウムイオン、ジブチルモノエタノールアンモニウムイオン、ジブチルモノプロパノールアンモニウムイオン、ジブチルモノブタノールアンモニウムイオン、ジブチルモノペンタノールアンモニウムイオン、モノメチルジエタノールアンモニウムイオン、モノメチルジプロパノールアンモニウムイオン、モノメチルジブタノールアンモニウムイオン、モノメチルジペンタノールアンモニウムイオン、モノエチルジエタノールアンモニウムイオン、モノエチルジプロパノールアンモニウムイオン、モノエチルジブタノールアンモニウムイオン、モノエチルジペンタノールアンモニウムイオン、モノプロピルジエタノールアンモニウムイオン、モノプロピルジプロパノールアンモニウムイオン、モノプロピルジブタノールアンモニウムイオン、モノプロピルジペンタノールアンモニウムイオン、モノブチルジエタノールアンモニウムイオン、モノブチルジプロパノールアンモニウムイオン、モノブチルジブタノールアンモニウムイオン、モノブチルジペンタノールアンモニウムイオン、モノシクロヘキシルモノエタノールアンモニウムイオン、モノシクロヘキシルジエタノールアンモニウムイオン、モノシクロヘキシルモノプロパノールアンモニウムイオン、モノシクロヘキシルジプロパノールアンモニウムイオン、モノ(β−アミノエチル)モノエタノールアンモニウムイオン、モノtert−ブチルモノエタノールアンモニウムイオン、モノtert−ブチルジエタノールアンモニウムイオン、モノ(β−アミノエチル)イソプロパノールアンモニウムイオンジエチルモノイソプロパノールアンモニウムイオン、トリメチルモノエタノールアンモニウムイオン、トリエチルモノエタノールアンモニウムイオン、トリエチルモノプロパノールアンモニウムイオン、トリエチルモノブタノールアンモニウムイオン、トリエチルモノペンタノールアンモニウムイオン、トリプロピルモノエタノールアンモニウムイオン、トリプロピルモノプロパノールアンモニウムイオン、トリプロピルモノブタノールアンモニウムイオン、トリプロピルモノペンタノールアンモニウムイオン、ジエチルモノメチルエタノールアンモニウムイオン、ビス(2−メトキシエチル)モノエチルモノメチルアンモニウムイオン、モノエチルモノメチルジエタノールアンモニウムイオン、ジエチルモノメチルモノエタノールアンモニウムイオンなどのアルカノールアンモニウムイオン。入手容易性の観点から、モノエチルモノエタノールアンモニウムイオン、ジエチルモノエタノールアンモニウムイオン、ジエチルモノメチルエタノールアンモニウムイオン、ビス(2−メトキシエチル)モノエチルアンモニウムイオン、ビス(2−メトキシエチル)モノエチルモノメチルアンモニウムイオン、モノエチルジエタノールアンモニウムイオン、モノエチルモノメチルジエタノールアンモニウムイオンが好ましく、モノエチルモノエタノールアンモニウムイオン、ジエチルモノエタノールアンモニウムイオン、ジエチルモノメチルモノエタノールアンモニウムイオンが特に好ましい。なお、上記のアンモニウムイオンにおいて、N上の置換基であることを示す「N−」や「N,N−」などの記載は省略する。
【0035】
イミダゾリウムイオンの具体的な例としては、例えば、イミダゾリウムイオン、N−イソブチルイミダゾリウムイオン、2−メチルイミダゾリウムイオン、2−エチルイミダゾリウムイオン、2−n−プロピルイミダゾリウムイオン、2−イソプロピルイミダゾリウムイオン、2−n−ブチルイミダゾリウムイオン、2−フェニルイミダゾリウムイオン、4−メチルイミダゾリウムイオン、4−エチルイミダゾリウムイオン、4−ニトロイミダゾリウムイオン、4−フェニルイミダゾリウムイオン、2−メチル−4−フェニルイミダゾリウムイオン、4,5−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−イソブチル−2−メチルイミダゾリウムイオン、1−イソブチル−2,3−メチルイミダゾリウムイオン、2,4,5−トリメチルイミダゾリウムイオン、2,4,5−トリフェニルイミダゾリウムイオン、ベンズイミダゾリウムイオン、2−メチルベンズイミダゾリウムイオン、2−フェニルベンズイミダゾリウムイオンなどが挙げられる。入手容易性の観点から、1−イソブチル−2−メチルイミダゾリウムイオン、1−イソブチル−2,3−メチルイミダゾリウムイオンが特に好ましい。
【0036】
ピリジニウムイオンの具体的な例としては、例えば、ピリジニウムイオン、2−イソブチルピリジニウムイオン、3−イソブチルピリジニウムイオン、3−メチルピリジニウムイオン、4−メチルピリジニウムイオン、2−エチルピリジニウムイオン、3−エチルピリジニウムイオン、4−エチルピリジニウムイオン、4−プロピルピリジニウムイオン、2−n−ヘキシルピリジニウムイオン、3−n−ヘキシルピリジニウムイオン、3,5−ジメチルピリジニウムイオン、3,5−ジエチルピリジニウムイオン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジニウムイオン、2−ベンジルピリジニウムイオン、4−ベンジルピリジニウムイオン、2−フェニルピリジニウムイオン、3−フェニルピリジニウムイオン、4−フェニルピリジニウムイオン、2,6−ジフェニルピリジニウムイオン、2−(3−フェニルプロピル)ピリジニウムイオン、4−(3−フェニルプロピル)ピリジニウムイオン、2−ベンゾイルピリジニウムイオン、3−ベンゾイルピリジニウムイオン、4−ベンゾイルピリジニウムイオン、2−メトキシピリジニウムイオン、2−n−ブトキシピリジニウムイオン、2,6−ジメトキシピリジニウムイオン、2−メトキシ−6−メチルピリジニウムイオン、4−メトキシ−3−ニトロピリジニウムイオン、3−エトキシ−2−ニトロピリジニウムイオン、2−メトキシ−3−ニトロピリジニウムイオン、4−(4−ニトロベンジル)ピリジニウムイオン、2−ビニルピリジニウムイオン、4−ビニルピリジニウムイオン、2−ヒドロキシピリジニウムイオン、3−ヒドロキシピリジニウムイオン、4−ヒドロキシピリジニウムイオン、2,4−ジヒドロキシピリジニウムイオン、2,6−ジヒドロキシピリジニウムイオン、3−ヒドロキシメチルピリジニウムイオン、4−ヒドロキシメチルピリジニウムイオン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムイオン、2−ヒドロキシ−6−メチルピリジニウムイオン、3−ヒドロキシ−2−メチルピリジニウムイオン、5−ヒドロキシ−2−メチルピリジニウムイオン、2−ヒドロキシ−3−ニトロピリジニウムイオン、2−ヒドロキシ−5−ニトロピリジニウムイオン、4−ヒドロキシ−3−ニトロピリジニウムイオン、3−ヒドロキシ−2−ニトロピリジニウムイオン、2−ヒドロキシ−6−メチル−5−ニトロピリジニウムイオン、2−エテニルピリジニウムイオン、2−エチニルピリジニウムイオン、2−メチル−5−エチルピリジニウムイオン、4−エチル−2−メチルピリジニウムイオン、5−ブチル−2−メチルピリジニウムイオン 、2−エチル−6−イソプロピルピリジニウムイオン、3−エチル−4−メチルピリジニウムイオン、2−メチル−5−ビニルピリジニウムイオン、4−(フェニルプロピル)ピリジニウムイオン、4−(1−ピペリジル)ピリジニウムイオン、4−ピロリジノピリジニウムイオン、2−ピロリジン−2−イルピリジニウムイオン、4−フェノキシピリジニウムイオン、2−メチル−3−エチルピリジニウムイオン、2−メチル−5−(イソ)プロピルピリジニウムイオン、2−アセチルピリジニウムイオン、3−アセチルピリジニウムイオン、4−アセチルピリジニウムイオン、2−メチル−5−アセチルピリジニウムイオン、2,6−ジアセチルピリジニウムイオン、2−フェノキシ−5−アセチルピリジニウムイオン、2,6−ビス(ヒドロキシメチル)ピリジニウムイオン、2,2'−ビピリジニウムイオン、2,6−ビス(p−トリル)ピリジニウムイオン、N−Boc−3−ヒドロキシ−1,2,3,6−テトラヒドロピリジニウムイオン、N−Boc−1,2,3,6−テトラヒドロピリジニウムイオンなどが挙げられる。
【0037】
ピロリジニウムイオンの具体的な例としては、例えば、ピロリジニウムイオン、N−メチルピロリジニウムイオン、N−エチルピロリジニウムイオン、N−プロピルピロリジニウムイオン、N−ブチルピロリジニウムイオン、N−フェニルピロリジニウムイオン、N−ニトロソピロリジニウムイオン、2−メチルピロリジニウムイオン、2−フェニルピロリジニウムイオン、3−フェニルピロリジニウムイオン、3−ヒドロキシ−1−メチルピロリジニウムイオン、3−(4−メチルフェニル)ピロリジニウムイオン、3−(ピロリジニウム−1−イルメチル)ピペリジン、2−ピロリジニウム−2−イルピリジンなどが挙げられる。
【0038】
ピロリニウムイオンの具体的な例としては、例えば、ピロリニウムイオン、N−メチルピロリニウムイオン、2−アセチル−5−メチルピロリニウムイオン、ピロリニウム−1−カルボン酸メチル、2−アセチルピロリニウムイオン、3−アセチルピロリニウムイオン、2,5−ジメチル−1−(4−ニトロフェニル)−1H−ピロリニウムイオン、1−フルフリルピロリニウムイオン、1−(2−ニトロフェニル)ピロリニウムイオン、1,2,5−トリメチルピロリニウムイオン、2,4−ジメチルピロリニウム−3,5−ジカルボン酸ジエチル、4−メチルピロリニウム−3−カルボン酸エチル、4−フェニルピロリニウム−3−カルボン酸エチル、3,4,5−トリメチルピロリニウム−2−カルボン酸エチル、2,5−ジメチルピロリニウム−3−カルボン酸メチル、1,2,5−トリメチル−1H−ピロリニウム−3−カルボン酸メチル、N−トリメトキシシリルピロリニウムイオン、N−トリエトキシシリルピロリニウムイオン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロリニウムイオン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ピロリニウムイオンなどが挙げられる。
【0039】
ピラジニウムイオンの具体的な例としては、例えば、ピラジニウムイオン、ピラジニウムカルボン酸メチル、ピラジニウム−2−カルボニトリル、ピラジニウムカルボキサミド、2−アセチル−3−エチルピラジニウムイオン、2−アセチル−3−メチルピラジニウムイオン、2−アセチルピラジニウムイオン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジニウムイオン、2−アミノ−3−(フェニルメチル)ピラジニウムイオン、2,3−ビス(2'−ピリジル)−5,6−ジヒドロピラジニウムイオン、2−シアノピラジニウムイオン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジニウムイオン、2,3−ジエチルピラジニウムイオン、6,7−ジヒドロ−5−メチル−5H−シクロペンタピラジニウムイオン、3,5−ジメチル−2−エチルピラジニウムイオン、2,3−ジメチル−5−イソプロピルピラジニウムイオン、2,3−ジメチルピラジニウムイオン、2,5−ジメチルピラジニウムイオン、2,6−ジメチルピラジニウムイオン、2,3−ジフェニルピラジニウムイオン、2−エトキシ−3−エチルピラジニウムイオン、2−エトキシ−3−メチルピラジニウムイオン、2−エトキシピラジニウムイオン、5−エチル−2,3−ジメチルピラジニウムイオン、2−エチル−3−メトキシピラジニウムイオン、2−エチル−3−メチルピラジニウムイオン、エチルピラジニウムイオン、2−フルフリルチオピラジニウムイオン、5−イソブチル−2,3−ジメチルピラジニウムイオン、2−イソブチル−3−メトキシピラジニウムイオン、2−イソプロピルピラジニウムイオン、2−(2−メルカプトエチル)ピラジニウムイオン、2−メトキシ−3−エチルピラジニウムイオン、2−メトキシ−3−(1−メチルプロピル)ピラジニウムイオン、2−メトキシピラジニウムイオン、5−メチル−6,7−ジヒドロシクロペンタピラジニウムイオン、2−メチルメルカプト−3−メチルピラジニウムイオン、2−メチル−3−(メチルチオ)ピラジニウムイオン、2−メチル−3−n−プロピルピラジニウムイオン、2−メチルピラジニウムイオン、2−(メチルチオ)−3−エチルピラジニウムイオン、2−(メチルチオ)ピラジニウムイオン、2−プロピルピラジニウムイオン、2−(1H−ピラゾール−4−イル)ピラジニウムイオン、2,3,5,6−テトラメチルピラジニウムイオン、2,3,5−トリメチルピラジニウムイオン、2−ビニルピラジニウムイオンなどが挙げられる。
【0040】
ピリミジニウムイオンの具体的な例としては、例えば、ピリミジニウムイオン、4−メチルピリミジニウムイオン、4−ヒドロキシピリミジニウムイオン、4,6−ジメチルピリミジニウムイオン、4,6−ジヒドロキシピリミジニウムイオン、2,4,5−トリヒドロキシピリミジニウムイオン、4,6−ジヒドロキシ−2−メチルピリミジニウムイオン、4,6−ジヒドロキシ−5−ニトロピリミジニウムイオン、2,4−ジメチル−6−ヒドロキシピリミジニウムイオン、4,6−ジメチル−2−ヒドロキシピリミジニウムイオン、2−[4−n−(ヘキシルオキシ)フェニル]−5−n−オクチルピリミジニウムイオン、4−ヒドロキシピラゾロ[3,4−d]−ピリミジニウムイオン、4,6−ジヒドロキシピラゾロ[3,4−d]ピリミジニウムイオンなどが挙げられる。
【0041】
トリアゾリウムイオンの具体的な例としては、例えば、1,2,3−トリアゾリウムイオン、1,2,4−トリアゾリウムイオン、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾリウムイオン、3−ヒドロキシ−1,2,4−トリアゾリウムイオン、3−メチル−1,2,4−トリアゾリウムイオン、1−メチル−1,2,4−トリアゾリウムイオン、1−メチル−3−メルカプト−1,2,4−トリアゾリウムイオン、4−メチル−1,2,3−トリアゾリウムイオン、ベンゾトリアゾリウムイオン、トリルトリアゾリウムイオン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾリウムイオン、4,5,6,7−テトラヒドロトリアゾリウムイオン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾリウムイオン、3−アミノ−5−メチル−1,2,4−トリアゾリウムイオン、カルボキシベンゾトリアゾリウムイオン、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾリウムイオン、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾリウムイオン、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾリウムイオン、2−(2'−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾリウムイオンなどが挙げられる。
【0042】
トリアジニウムイオンの具体的な例としては、例えば、1,2,3−トリアジニウムイオン、1,2,4−トリアジニウムイオン、1,3,5−トリアジニウムイオン、3,4−ジヒドロ−3−ヒドロキシ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジニウムイオン、3−(2−ピリジル)−5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジニウムイオン、5,6−ジフェニル−1,2,4−トリアジニウムイオン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリエチル−s−トリアジニウムイオン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリフェニル−1,3,5−トリアジニウムイオン、2−(4−ピリジニル)−1,3,5−トリアジニウムイオン、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジニウムイオン、2,4,6−トリフェニル−s−トリアジニウムイオン、2,4,6−トリ(2−ピリジル)−s−トリアジニウムイオン、2,4,6−トリス(アリルオキシ)−1,3,5−トリアジニウムイオン、1,3,5−トリス(4−ピリジル)−2,4,6−トリアジニウムイオン、2,4,6−トリス(2−ピリジル)−1,3,5−トリアジニウムイオン、1−(1,3,5−トリアジニウム−2−イル)ピペラジン、2,4,6−トリピリジル−s−トリアジニウムイオン、2,4,6−トリス(アリルオキシ)−1,3,5−トリアジニウムイオンなどが挙げられる。
【0043】
キノリニウムイオンの具体的な例としては、例えば、キノリニウムイオン、2−メチルキノリニウムイオン、3−メチルキノリニウムイオン、4−メチルキノリニウムイオン、8−メチルキノリニウムイオン、2,8−ジメチルキノリニウムイオン、3,8−ジメチルキノリニウムイオン、4,8−ジメチルキノリニウムイオン、7−メチルキノリニウムイオン、2,7−ジメチルキノリニウムイオン、3,7−ジメチルキノリニウムイオン、4,7−ジメチルキノリニウムイオン、6−メチルキノリニウムイオン、2,6−ジメチルキノリニウムイオン、3,6−ジメチルキノリニウムイオン、4,6−ジメチルキノリニウムイオン、8−エチルキノリニウムイオン、2−メチル−8−エチルキノリニウムイオン、4−メチル−8−エチルキノリニウムイオン、7−イソプロピル−2−メチルキノリニウムイオン、6−tert−ブチル−4−メチルキノリニウムイオンなどが挙げられる。
【0044】
イソキノリニウムイオンの具体的な例としては、例えば、イソキノリニウムイオン、3−メチルイソキノリニウムイオン、4−メチルイソキノリニウムイオン、5−メチルイソキノリニウムイオン、6−メチルイソキノリニウムイオン、7−メチルイソキノリニウムイオン、8−メチルイソキノリニウムイオン、1,3−ジメチルイソキノリニウムイオン、5,8−ジメチルイソキノリニウムイオン、5,6,7,8−テトラメチルイソキノリニウムイオン、3−tert−ブチルイソキノリニウムイオン、4−tert−ブチルイソキノリニウムイオン、6−tert−ブチルイソキノリニウムイオン、7−tert−ブチルイソキノリニウムイオンなどが挙げられる。
【0045】
インドリウムイオンの具体的な例としては、例えば、インドリウムイオン、3−メチルインドリウムイオン、2−メチルインドリウムイオン、1−メチル−3−メチルインドリウムイオン、2,3−ジメチルインドリウムイオン、3−エチルインドリウムイオン、2−フェニルインドリウムイオン、3−フェニルインドリウムイオン、2,3−フェニルインドリウムイオン、2,3−ジメチル−7−ニトロインドリウムイオン、2,3−ジメチル−7−クロロインドリウムイオン、3−エチル−7−メチルインドリウムイオン、2,3−ジメチル−7−メトキシメチルインドリウムイオン、7−メトキシメチル−3−メチルインドリウムイオン、3−(ピリジン−2−イル)インドリウムイオン、3−(ピリジン−2−イル)−2−メチルインドリウムイオン、3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−2−メチルインドリウムイオン、3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−7−エチル−2−メチルインドリウムイオン、3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−7−メトキシメチル−2−メチルインドリウムイオン、3−(4,6―ジメトキシピリミジン−2−イル)−2−ブトキシメチルインドリウムイオン、3−(4,6―ジエトキシピリミジン−2−イル)−7−メトキシメチルインドリウムイオンなどが挙げられる。
【0046】
キノキサリニウムイオンの具体的な例としては、例えば、キノキサリニウムイオン、2−メチルキノキサリニウムイオン、2,3−ジメチルキノキサリニウムイオンなどが挙げられる。
【0047】
ピペラジニウムイオンの具体的な例としては、例えば、ピペラジニウムイオン、N−メチルピペラジニウムイオン、N−エチルピペラジニウムイオン、N−(イソ)プロピルピペラジニウムイオン、N−ブチルピペラジニウムイオン、N−フェニルピペラジニウムイオン、2−メチルピペラジニウムイオン、2,5−ジメチルピペラジニウムイオン、2,6−ジメチルピペラジニウムイオン、1,4−ジフェニルピペラジニウムイオン、1−アセチルピペラジニウムイオン、1−アリルピペラジニウムイオン、1−(2−メチルアリル)ピペラジニウムイオン、1−(1−メチルブチル)ピペラジニウムイオン、1−ベンゾイルピペラジニウムイオン、1−シクロペンチルピペラジニウムイオン、1−ホルミルピペラジニウムイオン、1−フェネチルピペラジニウムイオン、1−(4−ピリジル)ピペラジニウムイオン、1−(2−ピロリジノエチル)ピペラジニウムイオン、1−(o−トリル)ピペラジニウムイオン、1,4−ジエチルピペラジニウムイオン、1,4−ジホルミルピペラジニウムイオン、1−(1,3−ジメチルブチル)ピペラジニウムイオン、1−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジニウムイオン、1−(2,6−ジメチルフェニル)ピペラジニウムイオン、1−(3,4−ジメチルフェニル)ピペラジニウムイオン、N,N'−ジメチルピペラジニウムイオン、1−(2−エトキシエチル)ピペラジニウムイオン、1−(2−エトキシフェニル)ピペラジニウムイオン、1−(2−メトキシエチル)ピペラジニウムイオン、1−(2−メトキシフェニル)ピペラジニウムイオン、1−(3−メトキシフェニル)ピペラジニウムイオン、1−(4−メトキシベンジル)ピペラジニウムイオン、1−(4−メトキシベンゾイル)ピペラジニウムイオン、1−[2−(フェノキシ)エチル]ピペラジニウムイオン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジニウムイオン、N−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジニウムイオン、1−(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルピペラジニウムイオン、N−4−ベンジル−2−フェニルピペラジニウムイオン、1−ベンジル−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−(3−ビフェニリル)ピペラジニウムイオン、1−(4−ビフェニリル)ピペラジニウムイオン、1−シクロヘキシル−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−(2,3−ジメチルフェニル)−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−(2,4−ジメチルフェニル)−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−(2,5−ジメチルフェニル)−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−エチル−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−(1−エチルプロピル)ピペラジニウムイオン、1−(2−メトキシフェニル)−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−(2−メトキシフェニル)−4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−(3−メトキシフェニル)−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−(3−メトキシフェニル)−4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジニウムイオン、2−メチル−1−(3−メチルフェニル)−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、2−メチル−1−(3−メチルフェニル)−4−(ピペリジン−4−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−[(1−メチルピペリジン−3−イル)メチル]ピペラジニウムイオン、1−メチル−4−(ピペリジン−3−イルメチル)ピペラジニウムイオン、1−(3−メチルピリジン−2−イル)ピペラジニウムイオン、1−(ピペリジン−3−イルメチル)−4−プロピルピペラジニウムイオン、1−(ピペリジン−4−イルメチル)−4−プロピルピペラジニウムイオン、1−アセチル−4−(4−ヒドロキシフェニル)ピペラジニウムイオンなどが挙げられる。
【0048】
オキサゾリウムイオンの具体的な例としては、例えば、オキサゾリウムイオン、4−メチルオキサゾリウムイオン、5−メチルオキサゾリウムイオン、4−フェニルオキサゾリウムイオン、4,5−ジフェニルオキサゾリウムイオン、4−エチルオキサゾリウムイオン、4,5−ジメチルオキサゾリウムイオン、5−フェニルオキサゾリウムイオン、ベンゾオキサゾリウムイオン、5−クロロベンゾオキサゾリウムイオン、5−メチルベンゾオキサゾリウムイオン、5−フェニルベンゾオキサゾリウムイオン、6−メチルベンゾオキサゾリウムイオン、5,6−ジメチルベンゾオキサゾリウムイオン、4,6−ジメチルベンゾオキサゾリウムイオン、6−メトキシベンゾオキサゾリウムイオン、5−メトキシベンゾオキサゾリウムイオン、4−エトキシベンゾオキサゾリウムイオン、5−クロロベンゾオキサゾリウムイオン、6−メトキシベンゾオキサゾリウムイオン、5−ヒドロキシベンゾオキサゾリウムイオン、6−ヒドロキシベンゾオキサゾリウムイオン、ナフト[1,2]オキサゾリウムイオン、ナフト[2,1]オキサゾリウムイオンなどが挙げられる。
【0049】
チアゾリウムイオンの具体的な例としては、例えば、チアゾリウムイオン、2−アミノチアゾリウムイオン、2−メチルチアゾリウムイオン、2−メトキシチアゾリウムイオン、2−エトキシチアゾリウムイオン、2−イソブチルチアゾリウムイオン、2−トリメチルシリルチアゾリウムイオン、5−トリメチルシリルチアゾリウムイオン、4−メチルチアゾリウムイオン、4,5−ジメチルチアゾリウムイオン、2−エチルチアゾリウムイオン、2,4−ジメチルチアゾリウムイオン、2−アミノ−5−メチルチアゾリウムイオン、2−アミノ−4−メチルチアゾリウムイオン、2,4,5−トリメチルチアゾリウムイオン、ベンゾチアゾリウムイオン、2−メチルベンゾチアゾリウムイオン、2,5−ジメチルベンゾチアゾリウムイオンなどが挙げられる。
【0050】
モルホリニウムイオンの具体的な例としては、例えば、モルホリニウムイオン、N−メチルモルホリニウムイオン、N−エチルモルホリニウムイオン、N−(イソ)プロピルモルホリニウムイオン、N−(イソ)ブチルモルホリニウムイオン、N−アセチルモルホリニウムイオン、N−(2−ニトロブチル)モルホリニウムイオン、N−フェニルモルホリニウムイオン、4−モルホリノアセトフェノン、N−(メタ)アクリルモルホリニウムイオン、N−(メタ)アクリロイルモルホリニウムイオン、ビス(2−モルホリニウムエチル)エーテル、4−モルホリニウムニトロベンゼン、ジモルホリニウムメタン、アセトアセトモルホリド、4−tert−ブチル−2−(フェノキシメチル)モルホリニウムイオン、2,6−ジメチルモルホリニウムイオン、4−(2,3−エポキシプロピル)モルホリニウムイオン、N−ホルミルモルホリニウムイオン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリニウムイオン、N−(4−ニトロフェニル)モルホリニウムイオン、N−ノナノイルモルホリニウムイオンなどが挙げられる。入手容易性の観点から、N−メチルモルホリニウムイオン、N−エチルモルホリニウムイオンが特に好ましい。
【0051】
前記化学式(1)中のQ1で表わされるカチオンとしては、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0052】
前記化学式(1)で表わされるイオン液体のより好ましい化合物としては、下記化学式(3)または(4)で表わされるイオン液体が挙げられる。
【0053】
【化5】

【0054】
【化6】

【0055】
[ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するリン酸エステルアニオンを含むイオン液体]
前記化学式(2)で表わされるイオン液体は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するリン酸エステルアニオンを含む。前記化学式(2)中のR2およびR3で用いられる置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基、前記化学式(2)中のA2およびA3として用いられる炭素数2〜4のアルキレン基、ならびに前記化学式(2)中のQ2として用いられるカチオンの具体的な例は、上記の「ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有する硫酸エステルアニオンを含むイオン液体」の項で示した例と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0056】
前記化学式(2)中のmおよびqは、それぞれ独立して、0〜50の整数であり(mおよびqが同時に0である場合を除く)、粘度の低下などによる取扱い易さの観点から、1〜20の整数が好ましく、1〜3の整数が特に好ましい。
【0057】
なお、前記化学式(2)中のR2およびR3のいずれか一方が水素原子であれば、リン酸のモノエステルのアニオンとなり、R2およびR3の両方が水素原子以外の基であれば、リン酸のジエステルのアニオンとなるが、本発明では、モノエステルのアニオンおよびジエステルのアニオンのいずれであってもよい。さらに、前記化学式(2)中のR2およびR3は、同時に水素原子でなければ、同じ基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0058】
前記化学式(2)中のQ2で表わされるカチオンとしては、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0059】
前記化学式(2)で表わされるイオン液体の好ましい化合物としては、下記化学式(5)で表わされるイオン液体が挙げられる。
【0060】
【化7】

【0061】
本発明で用いられる前記化学式(1)または(2)で表わされるイオン液体は、合成品を用いてもよいし市販品を用いてもよい。合成する場合の合成方法は特に制限されず、例えば、アニオン交換法、中和法、酸エステル法など、従来公知の方法で製造することができる。
【0062】
(処理剤)
本発明に係る処理剤は、プラスチック、金属、CO2等のガスなどに対して、物理的な作用または化学的な作用を及ぼす処理剤である。より具体的には、例えば、二次電池用電解液、液体電解質またはゲル電解質、電気メッキ浴、環境低負荷型溶媒(リサイクル可能な反応溶媒)、潤滑剤、帯電防止剤、防曇剤、分散剤、酸性ガス吸収剤、廃水処理剤、合成触媒、難溶性物質の可溶化溶媒、分離抽出溶媒、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)用溶媒、ドラッグデリバリーシステム(DDS)、金属加工、ポリマー加工、セルロース溶解剤などの用途が挙げられる。
【0063】
以下、代表的な処理剤である帯電防止剤、防曇剤、分散剤、酸性ガス吸収剤、電解液および潤滑剤について詳述する。
【0064】
(帯電防止剤)
前記イオン液体を含む処理剤の一実施形態として、帯電防止剤を提供する。
【0065】
帯電防止剤としての前記イオン液体を含む処理剤の使用方法は、特に制限されないが、例えば、帯電防止性を持たせる成形品の製造原料として前記イオン液体を混合する、帯電防止性を持たせる成形品に塗布する方法が挙げられる。ここで前記イオン液体を含む処理剤を用いて帯電防止性を調整できる成形品としては、特に制限されないが、例えば、プラスチック、ガラス、繊維、シートまたはテープなどが挙げられ、好ましくはプラスチックまたはガラスであり、特に好ましくはプラスチックである。プラスチックとしては、例えば、ポリアクリレート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、これらの共重合体であるポリアクリレート−スチレン系樹脂などが挙げられ、好ましくはポリアクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリレート−スチレン系樹脂が挙げられ、より好ましくはポリエステル系樹脂が挙げられる。
【0066】
帯電防止剤として使用される場合の、処理剤中のイオン液体の含有量は、経済的および/または美感的な観点から、処理剤全体を100質量部として、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは1〜10質量部である。
【0067】
帯電防止剤としての処理剤を用いる場合の処理剤に含まれるイオン液体以外の成分としては、例えば、無機系または有機系充填剤、各種界面活性剤、多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、有機金属化合物などの反応性化合物および酸化防止剤、シリコーンオイル、加工助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、スリップ防止剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、光安定剤、滑剤、軟化剤、有色染料、その他の安定剤などが挙げられる。
【0068】
前記帯電防止性を持たせる成形品の製造原料として前記イオン液体を含む処理剤を混合する場合、成形品の全製造原料100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、1〜10質量部が特に好ましい。
【0069】
また、帯電防止性を持たせる成形品に本発明の処理剤を塗布してもよい。
【0070】
前記帯電防止性を持たせる成形品に塗布する方法としては、公知の塗布方法を適宜使用することができ、例えば、スピン塗布、ロール塗布、グラビア塗布、リバース塗布、スプレー塗布、エアーナイフ塗布、カーテン塗布、ロールブラッシュ、含浸などの方法を用いることができる。
【0071】
本発明の処理剤により得られる帯電防止効果は、帯電防止剤に含まれるイオン液体が有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖が有する親水性により、高い伝導度を有する水分子を成形品の表面に効率よく保持して得られる高い導電性に基づき得られるものである。
【0072】
(防曇剤)
前記イオン液体を含む処理剤の一実施形態として、防曇剤を提供する。
【0073】
防曇剤としての前記イオン液体を含む処理剤の使用方法は、特に制限されないが、例えば、防曇性を持たせる成形品の製造原料として前記イオン液体を混合する、防曇性を持たせる成形品に塗布する方法が挙げられる。ここで前記イオン液体を含む処理剤を用いて防曇性を調整できる成形品としては、特に制限されないが、例えば、プラスチック、ガラス、繊維、シートまたはテープなどが挙げられ、好ましくはプラスチック、ガラスである。
【0074】
防曇剤として使用される場合の、処理剤中のイオン液体の含有量は、処理剤全体を100質量部として、経済的および/または美感的な観点から、0.01〜20質量部が好ましく、1〜10質量部が特に好ましい。
【0075】
防曇剤としての処理剤を用いる場合の処理剤に含まれるイオン液体以外の成分としては、例えば、無機系または有機系充填剤、各種界面活性剤、多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、有機金属化合物などの反応性化合物および酸化防止剤、シリコーンオイル、加工助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、スリップ防止剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、光安定剤、滑剤、軟化剤、有色染料、その他の安定剤などが挙げられる。
【0076】
前記防曇性を持たせる成形品の製造原料として前記イオン液体を含む処理剤を混合する場合、成形品の全製造原料100質量部に対して、0.01〜20質量部で処理剤を混合するのが好ましく、1〜10質量部の処理剤を混合するのが特に好ましい。
【0077】
また、防曇性を持たせる成形品に本発明の処理剤を塗布してもよい。
【0078】
前記防曇性を持たせる成形品に塗布する方法としては、公知の塗布方法を適宜使用することができ、例えば、スピン塗布、ロール塗布、グラビア塗布、リバース塗布、スプレー塗布、エアーナイフ塗布、カーテン塗布、ロールブラッシュ、含浸などの方法を用いることができる。
【0079】
前記の方法で得られた成形品の防曇効果は、防曇剤に含まれるイオン液体が有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖の有する親水性により、水分子を成形品の表面に保持することで、曇の原因であるまばらな水滴の形成を防止することができる。
【0080】
(分散剤)
前記イオン液体を含む処理剤の一実施形態として、分散剤を提供する。
【0081】
分散剤としての前記イオン液体を含む処理剤の使用方法は、特に制限されないが、例えば、洗浄剤、染色助剤、柔軟剤、飛散防止剤、アスファルト乳剤、セメントスラリー粘度低下剤、コンクリート空気連行剤、濡れ剤、パラフィン乳化剤、フェルト洗浄剤、乳化重合用乳化剤、水和剤、防腐剤、帯電防止剤、親水性付与剤、殺菌剤などとして使用する方法が挙げられる。分散剤としての処理剤を用いる場合の処理剤に含まれるイオン液体以外の成分としては、特に制限されないが、例えば、洗浄剤、染色助剤、柔軟剤、飛散防止剤、アスファルト乳剤、セメントスラリー粘度低下剤、コンクリート空気連行剤、濡れ剤、パラフィン乳化剤、フェルト洗浄剤、乳化重合用乳化剤、水和剤、防腐剤、帯電防止剤、親水性付与剤、殺菌剤などが挙げられる。
【0082】
乳化重合用乳化剤として用いる場合は、特に制限されないが、例えば、乳化重合用モノマーに滴下する、または一括で混合するなどの方法が挙げられる。
【0083】
乳化重合に用いられる好ましいモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、アクリレート系モノマー、スチレン系モノマー、アリル系モノマー、ビニル系モノマーなどが挙げられ、混合して用いてもよい。好ましくはアクリレート系モノマー、アクリレートモノマーとスチレン系モノマーの混合物である。
【0084】
前記処理剤に含まれるイオン液体は、処理剤全体を100質量部として、前記イオン液体を0.1〜10.0質量部、好ましくは、1.0〜5.0質量部である。
【0085】
本発明の処理剤により得られる分散剤としての効果は、平均粒子径が小さくなることにより耐水性が向上する。また帯電防止性能を有するものは、その効果をより持続させる事ができるなどの効果を得ることができる。
【0086】
(酸性ガス吸収剤)
前記イオン液体を含む処理剤の一実施形態として、酸性ガス吸収剤を提供する。
【0087】
酸性ガス吸収剤としての前記イオン液体を含む処理剤の使用方法は、特に制限されないが、例えば、酸性ガスおよび非酸性ガスを含む混合ガスに前記イオン液体を1種以上含む液体を接触させる方法が挙げられる。ここで、前記混合ガスとしては、酸性ガスが少なくとも1種含まれるガスである。酸性ガスとしては、例えば、COx(例えば、CO)、CS2およびメルカプタン等のガスが挙げられ、非酸性ガスとしては、H2、CO、O2、N2および炭素数2〜10までの炭化水素化合物等のガスである。前記混合ガスは、化石燃料のガス化、改質または部分酸化による合成ガス、天然ガスなどの燃料ガス、火力発電所、セメントプラント、鉄鋼プラント、化学プラントなどから排出される排出ガスなどであってもよい。
【0088】
前記混合ガスをイオン液体と接触させる方法は、特に制限されないが、例えば、混合ガスに前記イオン液体を注ぐ、混合ガスを前記イオン液体の中にバブリングさせるなどの方法であってもよく、混合ガス中でイオン液体を静置するのでもよい。
【0089】
前記混合ガスとイオン液体との接触時の温度は、吸収したガスの分離を抑制するため、0〜100℃であり、好ましくは10〜30℃である。
【0090】
前記混合ガスとイオン液体との接触時の圧力は、物理的吸収の観点から、0.1〜10.0MPaであり、好ましくは1.0〜2.0MPaである。
【0091】
酸性ガス吸収剤として使用される場合の処理剤中のイオン液体の含有量は、吸収量の増加や処理剤の後処理などの観点から、処理剤全体を100質量部として、10〜100質量部であるのが好ましい。
【0092】
酸性ガス吸収剤としての処理剤を用いる場合の処理剤に含まれるイオン液体以外の成分としては、特に制限されないが、例えば、無機系または有機系溶剤、各種界面活性剤、多価イソシアネート化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、有機金属化合物などの反応性化合物および酸化防止剤、シリコーンオイル、加工助剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、スリップ防止剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、光安定剤、滑剤、軟化剤、有色染料、その他の安定剤などが挙げられる。
【0093】
本発明の処理剤により得られる酸性ガス吸収の効果は、例えば、処理剤温度と酸性ガスの分圧に依存するヘンリーの法則もしくはイオン液体の極性に基づくイオン液体および酸性ガスの分子間の相互作用による物理吸着または化学吸着に基づき得られるものであると考えられる。
【0094】
(電解液)
前記イオン液体を含む処理剤の一実施形態として、電解液を提供する。
【0095】
電解液として前記イオン液体を含む処理剤の使用方法は、特に制限されないが、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウム金属二次電池などに用いられる二次電池用電解液、色素増感型太陽電池、燃料電池、キャパシタなどに用いられる液体電解質などとして使用する方法が挙げられる。
【0096】
電解液としての処理剤を用いる場合の処理剤に含まれるイオン液体以外の成分としては、特に制限されないが、例えば、酸化防止剤またはその他の電解液などが上げられる。
【0097】
前記処理剤に含まれるイオン液体は、処理剤全体を100質量部として、10〜100質量部であるのが好ましい。
【0098】
本発明の処理剤により得られる電解液としての効果は、イオン伝導度が大きいまたは電位窓が広いなどの効果を得ることができる。
【0099】
(潤滑剤)
前記イオン液体を含む処理剤の一実施形態として、潤滑剤を提供する。
【0100】
潤滑剤としての前記イオン液体を含む処理剤の使用方法は、特に制限されないが、例えば、機械装置、動力伝達装置などの軸受け、ベアリング、精密小型モーターなどに用いられる潤滑油として使用する方法が挙げられる。
【0101】
潤滑剤としての処理剤を用いる場合の処理剤に含まれるイオン液体以外の成分としては、特に制限されないが、例えば、洗浄分散剤、酸化防止剤、耐荷重防止剤、さび止め剤、腐食防止剤、金属不活性化剤、粘土指数向上剤、流動点降下剤、消泡剤、乳化剤、抗乳化剤、カビ防止剤、固体潤滑剤、その他の潤滑剤、などが挙げられる。
【0102】
前記処理剤に含まれるイオン液体は、処理剤全体を100質量部として、10〜100質量部であるのが好ましい。
【0103】
本発明の処理剤により得られる潤滑剤の効果は、イオン液体の耐熱性、不揮発性に基づき、安定して得られる。
【実施例】
【0104】
本発明の効果を、以下の実施例及び比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
【0105】
(実施例1:[Me−2A][EHDG−S]の合成)
ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名:2−エチルヘキシルジグリコール、略称:EHDG)150.0質量部にトルエン150.0質量部を加えて110℃に昇温した。これにスルファミン酸80.2質量部を加えて3時間反応させた。反応後、過剰のスルファミン酸を濾別して、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩(略称:EHDG−SF)のトルエン溶液を得た。
【0106】
上記で得られたEHDG−SFにイオン交換水を入れて50%水溶液とした。この水溶液100質量部に、N,N−ジエチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、商品名:アミノアルコール2A、略称:2A)を塩化メチルと反応して得られた四級アンモニウムハライド塩(略称:Me−2A)26.6質量部を加えた(EHDG−SFとMe−2Aのモル比は1:1)。仕込み後、常温(25℃)で1時間反応させた。
【0107】
反応終了後、水を減圧留去してトルエンを50.0質量部仕込み、生成した塩を濾別してトルエンを減圧留去し、目的とするイオン液体を52.0質量部得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0108】
(実施例2:[2A][EHDG−S]の合成)
2A 50.0質量部にイオン交換水30.5質量部と塩酸(36%)15.6質量部を加え2A塩酸塩(68.3%水溶液)を合成した。
【0109】
実施例1で得られたEHDG−SFにイオン交換水を入れて50%水溶液とした。この水溶液61.5質量部に2A塩酸塩水溶液を58.0質量部加え、常温(25℃)で1時間反応させた(EHDG−SFと2A塩酸塩のモル比は1:1)。
【0110】
反応終了後、水を減圧留去してトルエンを50.0質量部仕込み、生成した塩を濾別してトルエンを減圧留去し、目的とするイオン液体を20.1質量部得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0111】
(実施例3:[T−IBM−12][EHG−S]の合成)
2Aの代わりに1−イソブチル2−メチルイミダゾール(日本乳化剤株式会社製、商品名:T−IBM−12)を用い、実施例1において、EHDGの代わりにエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名:2−エチルヘキシルグリコール、略称:EHG)を用いて得られたものを用いたことを除いては実施例2と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0112】
(実施例4:[MDA−M][EHG−S]の合成)
2Aの代わりにN,N−ビス(2−メトキシエチル)−N−メチルアミン(略称:MDA−M)を用い、実施例1において、EHDGの代わりにEHGを用いて得られたものを用いたことを除いては実施例2と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0113】
(実施例5:[2A][EHG−S]の合成)
実施例1において、EHDGの代わりにEHGを用いて得られたものを用いたことを除いては実施例2と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0114】
(実施例6:[MEM][EHG−S]の合成)
2Aの代わりにN−エチルエタノールアミン(日本乳化剤株式会社製、商品名:アミノアルコールMEM、略称:MEM)を用い、実施例1において、EHDGの代わりにEHGを用いて得られたものを用いたことを除いては実施例2と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0115】
(実施例7:[T−IBM−12][EHDG−S]の合成)
2Aの代わりにT−IBM−12を用いたことを除いては実施例2と同様にして目的とするイオン液体を得た。得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0116】
(実施例8:[MDA−M][EHDG−S]の合成)
2Aの代わりにMDA−Mを用いたことを除いては実施例2と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0117】
(実施例9:[MEM][EHDG−S]の合成)
2Aの代わりにMEMを用いたことを除いては実施例2と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0118】
(実施例10:[MEM][HeDG−S]の合成)
2Aの代わりにMEMを用い、実施例1において、EHDGの代わりにジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名:ヘキシルジグリコール、略称:HeDG)を用いて得られたものを用いたことを除いては実施例2と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0119】
(実施例11:[Me−T−IBM−12][EHDG−S]の合成)
Me−2Aの代わりに1−イソブチル−2,3−メチルイミダゾリウム塩(略称:Me−T−IBM−12)を用いたことを除いては実施例1と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0120】
(実施例12:[Me−MDA−M][EHDG−S]の合成)
Me−2Aの代わりにN,N−ビス(2−メトキシエチル)−N,N−ジメチルアンモニウム塩(略称:Me−MDA−M)を用いたことを除いては実施例1と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0121】
(実施例13:[2A][EHDG−P]の合成)
EHDG500.0質量部に無水リン酸108.4質量部を加え、70℃で5時間反応させた。この反応液500.0質量部に28重量%アンモニア水205.5質量部を加え、オートクレーブにて12時間反応させた。反応終了後、アンモニア水を減圧留去(温度:90℃、減圧度:1.33kPa(10mmHg))し、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテルリン酸エステルアンモニウム塩(略称:EHDG−PNH4)のEHDG溶液を得た。上記で得られたEHDG−PNH4の50%EHDG溶液57.9質量部に実施例2で得られた2A塩酸塩水溶液(68.3%水溶液)18.9質量部を加えた(EHDG−PNH4と2A塩酸塩とのモル比は1:1.5)。
【0122】
仕込み後、常温(25℃)で1時間反応させた。反応終了後、水を減圧留去し、トルエン80.0質量部を仕込み精製した塩を濾別した。その後、イオン交換水80.0質量部を加えてEHDGを除去し、さらにこの洗浄を4回行った後、イオン交換水を減圧留去して目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0123】
(実施例14:[MEM][EHDG−P]の合成)
2Aの代わりにMEMを用いたことを除いては実施例13と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0124】
(実施例15:[Me−T−IBM−12][EHDG−P]の合成)
Me−2Aの代わりにMe−T−IBM−12を用い、EHDG―SFの代わりに実施例13で得られたEHDG−PNH4を用いたことを除いては実施例1と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0125】
(実施例16:[Me−MDA−M][EHDG−P]の合成)
Me−T−IBM−12の代わりにMe−MDA−Mを用いたことを除いては実施例15と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0126】
(実施例17:[Me−2A][EHDG−P]の合成)
Me−T−IBM−12の代わりにMe−2Aを用いたことを除いては実施例15と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0127】
(実施例18:[Me−T−IBM−12][BTG−P]の合成)
EHDGの代わりにトリエチレングリコールモノブチルエーテル(商品名:ブチルトリグリコール、略称:BTG)を用いたことを除いては実施例15と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0128】
(実施例19:[Me−2A][BTG−P]の合成)
Me−T−IBM−12の代わりにMe−2Aを用い、EHDGの代わりにBTGを用いたことを除いては実施例15と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0129】
(実施例20:[Me−T−IBM−12][HeDG−P]の合成)
EHDGの代わりにHeDGを用いたことを除いては実施例15と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0130】
(実施例21:[MEM][N−1305−S]の合成)
2Aの代わりにMEM、EHDGの代わりにポリオキシエチレントリデシルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール−1305、略称:N−1305)を用いたことを除いては実施例1と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0131】
(実施例22:[MEM][N−707−S]の合成)
2Aの代わりにMEM、EHDGの代わりにポリオキシエチレン多環フェニルエーテル(日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール707、略称:N−707)を用い、常温(25℃)で1時間の代わりに100℃で3時間反応させたことを除いては実施例1と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は90℃において液体であった。
【0132】
(比較例1:[Me−T−IBM−12][TFSI]の合成)
Me−2Aの代わりにMe−T−IBM−12を用い、EHDG−SFの代わりにビストリフルオロメタンスルホニルイミド(TFSI)を用いたことを除いては実施例1と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0133】
(比較例2:[Me−MDA−M][TFSI]の合成)
Me−2Aの代わりにMe−MDA−Mを用い、EHDG−SFの代わりにTFSIを用いたことを除いては実施例1と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0134】
(比較例3:[Me−2A][TFSI]の合成)
EHDG−SFの代わりにTFSIを用いたことを除いては実施例1と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0135】
(比較例4:[Me−MDA−M][EH−S]の合成)
Me−2Aの代わりにMe−MDA−Mを用い、EHDGの代わりに2−エチルヘキサノール(略称:EH)を用いたことを除いては実施例1と同様にして目的とするイオン液体を得た。また、得られたイオン液体は常温(25℃)で液体であった。
【0136】
[帯電防止性の評価]
以下のように作製した前記イオン液体からなる処理剤を用いて得られる試験片の表面固有抵抗率を測定し、帯電防止性を評価した。測定結果を下記表1−1および表1−2に示す。
【0137】
1)試験用樹脂について
1−1)アクリレート系樹脂(P1)の作製
冷却管、窒素導入管、温度計、テフロン半月攪拌翼を備えたコルベンに、トルエン300.0質量部、n−ブチルアクリレート105.0質量部、メチルメタクリレート195.0質量部を仕込み重合触媒として、アゾビスイソブチロニトリルを3.0質量部添加し、90℃で3時間重合を行い固形分50%トルエン溶液の樹脂(P1)を得た。
【0138】
1−2)アクリレート・スチレン系樹脂(P2)の作製
メチルメタクリレートの代わりにスチレン195.0質量部を用いたことを除いては樹脂(P1)の作製と同様にして樹脂(P2)を得た。
【0139】
1−3)ポリエステル系樹脂(P3)について
東洋紡績(株)製バイロン(登録商標)(バイロン20SS)(P3)を用いた。
【0140】
2)エマルジョンの作製
2−1)
冷却管、窒素導入管、温度計、テフロン半月攪拌翼を備えたコルベンに、水100.0質量部を仕込み、80℃まで昇温した。三角フラスコにn−ブチルアクリレート100.0質量部、メチルメタクリレート70.0質量部、スチレン30.0質量部、アクリル酸4.0質量部、乳化剤としてN−707−SF(日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール707−SF、略称:N−707−SF)13.6質量部、水86.3質量部、10%ペルオキソ二硫酸アンモニウム水溶液10.2質量部を仕込み、混合した。これをコルベンに15.7質量部仕込み、80℃に昇温して30分間の初期重合を行った。その後3時間かけて三角フラスコ中のモノマーを80℃で滴下した。さらに80℃で1時間熟成を行った。さらに28%アンモニア水2.0質量部を使用して中和し、エマルジョン(E1)を得た。
【0141】
2−2)
N−707−SFの代わりにポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール1305−SN、略称:N−1305−SN)13.6質量部を混合したことを除いては2−1)と同様にしてエマルジョン(E2)を得た。
【0142】
2−3)
N−707−SFの代わりに、実施例21で得られた[MEM][N−1305−S]4.1質量部を用い、水95.8質量部を用いたことを除いては2−1)と同様にしてエマルジョン(E3)を得た。
【0143】
2−4)
実施例21で得られた[MEM][N−1305−S]の代わりに、N−1305−SN(日本乳化剤株式会社製)13.6質量部用いたことを除いては2−3)と同様にしてエマルジョン(E4)を得た。
【0144】
2−5)
実施例21で得られた[MEM][N−1305−S]の代わりに、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステルナトリウム塩(日本乳化剤株式会社製、商品名:ニューコール707−SN、略称:N−707−SN)13.6質量部用いたことを除いては2−3)と同様にしてエマルジョン(E5)を得た。
【0145】
3)試験片の作製
3−1)溶液重合型試験片
樹脂(樹脂(P1)または樹脂(P2))20.0質量部にイオン液体0.4質量部(樹脂固形分に対し2%)を混合した。得られた混合液をガラス板上に膜厚75μmで塗布し110℃の乾燥機にて10分間乾燥し、試験片を得た。
【0146】
3−2)乳化重合型試験片(イオン液体を添加)
エマルジョン(E1〜E2)100.0質量部にイオン液体1.01質量部(モノマー濃度に対し2%)を混合した。得られた混合液をガラス板上に膜厚75μmで塗布し110℃の乾燥機にて10分間乾燥し、試験片を得た。
【0147】
3−3)乳化重合型試験片(イオン液体を乳化重合用乳化剤として使用)
エマルジョン(E3〜E5)をガラス板上に膜厚75μmで塗布し110℃の乾燥機にて3分間乾燥し、試験片を得た。
【0148】
4)帯電防止性試験(表面固有抵抗率)
4−1)試験片作製後の表面固有抵抗率(R1)
作製後の試験片の表面固有抵抗率を(株)三菱化学アナリテック製高抵抗率計ハイレスターUPおよびURSプローブを用い、印加電圧250Vにて測定した。
【0149】
4−2)水洗後の試験片の表面固有抵抗率(R2)
水1Lに中性洗剤5滴を加えた洗浄水をスポンジに湿らせ、このスポンジで試験片を10回擦り、水道水に次いでイオン交換水の順にすすぎ、水滴を拭き取った後に110℃で5分間乾燥させた。この工程を5回繰り返した後の試験片の表面固有抵抗率を測定したことを除いては、試験片作製後の表面固有抵抗率の測定と同様にして表面固有抵抗率を測定した。
【0150】
4−3)150℃に加熱後の試験片の表面固有抵抗率(R3)
5分間150℃に加熱後の試験片の表面固有抵抗率を測定したことを除いては、試験片作製後の表面固有抵抗率の測定と同様にして表面固有抵抗率を測定した。
【0151】
4−4)180℃に加熱後の試験片の表面固有抵抗率(R4)
5分間180℃に加熱後の試験片の表面固有抵抗率を測定したことを除いては、試験片作製後の表面固有抵抗率の測定と同様にして表面固有抵抗率を測定した。
【0152】
【表1−1】

【0153】
【表1−2】

【0154】
表中、R2*は4−2)での洗浄および乾燥の工程を1回後の試験片の表面固有抵抗率を示す。
【0155】
実施例1〜21に係るイオン液体を用いて作製した試験片は、比較例1〜6に係るイオン液体を用いて作製した試験片よりも低い表面固有抵抗率を有していた。これは、実施例1〜21に係るイオン液体を用いて作製した試験片は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体をその表面に有するため、水の膜が試験片の表面に形成されるため、帯電しにくくなり、比較例1〜4に係るポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有さないイオン液体を含む試験片ならびにイオン液体ではなく無機塩である比較例5および6よりも表面固有抵抗率が低くなったと考えられる。また、実施例1〜21に係るイオン液体を用いて作製した試験片は、中性洗剤による水洗を5回行っても帯電防止性能が維持されており、前記実施例1〜21に係るイオン液体は耐候性が高いことがわかった。
【0156】
さらに、実施例1〜21に係るイオン液体を用いて作製した試験片は、150℃の温度をかけた後でも、その表面固有抵抗率は維持され、特にポリエステル系の樹脂との組み合わせからなる試験片は、180℃の温度をかけた後でも、その表面固有抵抗率は維持されており、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体は耐熱性に優れていることがわかった。
【0157】
以上より、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体を含む膜は、帯電防止性能に優れていることがわかる。
【0158】
[防曇性評価]
一部の実施例に係るイオン液体を用いて作製した試験片について、試験片の表面の曇りの有無より、防曇性を以下のようにして評価した。評価結果を下記表2に示す。
【0159】
高温水層に水を入れ80℃に加熱した後、水面から5cmの高さで試験片に10秒間試湯気を当てた時の状態を目視にて確認し2段階で評価した。
【0160】
○:まったく曇らない
×:曇りまたは液滴が確認される
【0161】
【表2】

【0162】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体を含む試験片の表面は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有さないイオン液体を含む試験片の表面よりも防曇性に優れていた。これは、親水性の高いポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖の存在により、前記試験片の表面に均一な水の膜が形成されやすくなっていることによるものと考えられる。
【0163】
[分散剤としての評価]
一部の実施例に係るイオン液体からなる処理剤について、乳化重合用乳化剤として用い、重合安定性、エマルジョンの平均粒子径および110℃の乾燥機にて10分間乾燥した代わりに3分間乾燥したことを除いては3−2)と同様にして作製した試験片の耐水性を評価した。測定結果を表3に示す。
【0164】
5−1)
N−707−SFの代わりに、実施例22で得られた[MEM][N−707−S](水を留去する前の反応液)の内、13.6質量部を用いたことを除いては2−1)と同様にしてエマルジョン(E6)を得た。
【0165】
5−2)
n−ブチルアクリレートおよびスチレンの代わりに2−エチルヘキシルアクリレート180.0質量部、メチルメタクリレート18.0質量部、アクリル酸2.0質量部を用いたことを除いては2−3)と同様にしてエマルジョン(E7)を得た。
【0166】
5−3)
実施例21で得られた[MEM][N−1305−S]の代わりに、[Na][N−1305−S]13.6質量部用いたことを除いては5−2)と同様にしてエマルジョン(E8)を得た。
【0167】
前記重合安定性は、乳化重合後の濾過残渣質量/エマルジョン中の固形分質量の百分率であり、平均粒子径は、HORIBA社製 散乱式粒子径分布測定装置 LA−950により測定したものである。
【0168】
また、耐水性は、作製した試験片を水に24時間浸漬させた後の塗膜の状態を確認し、以下のように評価した。
【0169】
白濁の状態
○:全体が青白濁
×:全体が白濁
剥離の有無
○:剥離なし
△:部分的に剥離
×:全体が剥離
【0170】
【表3】

【0171】
イオン液体を用いることで重合した樹脂の平均粒子径が小さくなり、塗膜の白濁は起こりにくくなることが分かった。白濁しにくくなったのは、前記平均粒子径が小さく、粒子が高密度に集合していることに伴い前記粒子間に水が浸透しにくくなったことによるものと考えられる。また、剥離しにくくなったのは、多様な要因が複合していると思われるが一因として、水が浸透しにくいことにより前記樹脂のガラス板上への密着性が向上したことによるものと考えられる。
【0172】
[酸性ガス吸収性能の評価]
一部の実施例に係るイオン液体からなる処理剤について、CO2ガス吸収量を以下のように測定し、酸性ガス吸収性能を評価した。測定結果を図1に示す。
【0173】
イオン液体(120ml)をオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製、容量:500ml)に仕込み、CO2/N2混合ガス(ガスクロマトグラフィー(GC)による面積比=27.3/72.8)をオートクレーブの内圧が1MPaとなるように導入した。上記混合ガスとイオン液体を接触後、オートクレーブを開放し、混合ガスをテドラーバッグにサンプリングして、ガスクロマトグラフィーによるガス組成の分析からCO2の吸収量を算出した。
【0174】
GC分析条件
機種 Agilent Technologies 6890N
カラム バリアン製 GS-GASPRO 30m×0.32mm
カラム温度 40℃(3分間保持)
気化室温度 200℃
検出器温度 200℃
試料注入量 0.5ml
キャリヤーガス ヘリウム
検出器 TCD(熱伝導度検出器)
図1に示すように、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体は酸性ガス吸収性能を有しており、酸性ガス吸収剤として優れている。
【0175】
[湿潤性能評価]
一部の実施例に係るイオン液体の動摩擦係数fを以下のように測定し、湿潤性能を評価した。測定結果を表4に示す。
【0176】
一部の実施例に係るイオン液体の動摩擦係数を神鋼造機(株)製の曽田式振子型油性摩擦試験機を用いて測定した。
【0177】
測定条件
ボール:SUJ2(3/16インチ)
ローラピン:SUJ2
温度:25℃
荷重:左右各80g、中央40g
なお、比較例として流動パラフィン(動摩擦係数f=0.24)を用いた。
【0178】
【表4】

【0179】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体の動摩擦係数fは、流動パラフィンよりも低く、潤滑油として優れている。
【0180】
[電解液としての評価]
一部の実施例に係るイオン液体のイオン伝導率およびサイクリックボルタンメトリー(CV)を測定し、電解液としての評価を行った。測定結果をそれぞれ表5および図2に示す。
【0181】
(イオン伝導率の測定)
イオン液体15mlを25mlビーカーセルに入れ、ポテンショ/ガルバノスタットVSP(バイオロジック社製)を用いてイオン液体の抵抗を測定した。
【0182】
また、イオン伝導率が既知であるKCl水溶液を測定してセル定数Kcellを算出し、前記イオン液体のイオン伝導率を交流インピーダンス法により算出した。
【0183】
測定条件
作用極、対極:Pt
周波数:500kHz〜10MHz
印加電圧:10mV
【0184】
【表5】

【0185】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体は、イオン伝導率が10-3S/cm程度の値であり、一般的に他の電解質を添加しなくても電流を流すことができることがわかった。
【0186】
(CV測定)
イオン液体15mlを25mlビーカーセルに入れ、ポテンショ/ガルバノスタットVSP(バイオロジック社製)を用いてイオン液体のサイクリックボルタンメトリー(CV)を測定した。
【0187】
測定条件
作用極、対極:Pt
参照極:Ag/Ag+
電位の掃引速度:10mV/秒
上記実施例で得られたイオン液体からなる処理剤を用いて得られたCV測定の結果を図2に示す。
【0188】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体は、電位窓が広かった。
【0189】
図2および表5に示す結果から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル鎖を有するイオン液体は電解液として、性能に優れていることがわかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1)または下記化学式(2)で表わされるイオン液体を含む処理剤。
【化1】

前記化学式(1)中、R1は、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、A1は、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、nは、1〜50の整数であり、Q1は、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、トリアゾリウムイオン、トリアジニウムイオン、キノリニウムイオン、イソキノリニウムイオン、インドリニウムイオン、キノキサリニウムイオン、ピペラジニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリニウムイオン、およびモルホリニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種である。
【化2】

前記化学式(2)中、R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子、置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜20の飽和もしくは不飽和の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基、置換されているかもしくは非置換の炭素数6〜30のアリール基、または置換されているかもしくは非置換の炭素数7〜31のアリールアルキル基であり、この際、R2およびR3は、同時に水素原子ではなく、A2およびA3は、それぞれ独立して、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、mおよびqは、それぞれ独立して、0〜50の整数であり(mおよびqが同時に0である場合を除く)、Q2は、アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピロリニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、トリアゾリウムイオン、トリアジニウムイオン、キノリニウムイオン、イソキノリニウムイオン、インドリニウムイオン、キノキサリニウムイオン、ピペラジニウムイオン、オキサゾリニウムイオン、チアゾリニウムイオン、およびモルホリニウムイオンからなる群より選択される少なくとも1種である。
【請求項2】
前記Q1およびQ2が、それぞれ独立して、アンモニウムイオンまたはイミダゾリウムイオンである、請求項1に記載の処理剤。
【請求項3】
帯電防止剤である、請求項1または2に記載の処理剤。
【請求項4】
防曇剤である、請求項1または2に記載の処理剤。
【請求項5】
分散剤である、請求項1または2に記載の処理剤。
【請求項6】
酸性ガス吸収剤である、請求項1または2に記載の処理剤。
【請求項7】
潤滑剤である、請求項1または2に記載の処理剤。
【請求項8】
電解液である、請求項1または2に記載の処理剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−72395(P2012−72395A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−188012(P2011−188012)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(390014856)日本乳化剤株式会社 (26)
【Fターム(参考)】