説明

処理方法、プログラム、及び文字入力装置

【課題】パソコンのスペックが低い場合においても、ユーザの入力に対する見かけ上の応答時間を短縮することができる処理方法、プログラム、文字入力装置を提供すること。
【解決手段】処理方法は、コンピュータが、キー入力の信号をイベントとして受信するステップS130と、コンピュータが、イベントの受信に応じて、文字列の表示を更新するステップS170と、コンピュータが、ステップS170の処理の一部をイベントから切り離した処理として外に出すステップS190と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータに、ソフトウェアキーボードと、ソフトウェアキーボードに入力された文字列とを表示させる処理方法、プログラム、及び文字入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータのディスプレー上にキーボードを配列する、いわゆるソフトウェアキーボードを用いた文字入力の処理が広く知られている。このような処理方法では、キーボードをディスプレー上に表示するとともに、変換中の文字列を表示する文字入力枠をディスプレー上に表示する(例えば、特許文献1)。
【0003】
このようなソフトウェアキーボードを用いた処理方法によれば、ソフトウェアキーボードを表示するブラウザにJavaScript(商標登録)等を実装することで、文字入力枠に、変換中の文字列を表示することができる。このため、ユーザは、目視して入力した或いは変換した文字列を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4266804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来の処理方法には、次のような問題があった。すなわち、上述した処理方法では、文字入力枠の文字列を更新する際に、ブラウザを実装したパソコンのスペックの影響を受けて、スクリプト処理が遅延してしまうという問題があった。その結果、ユーザが、文字入力枠に文字を入力したにも関わらず、文字入力枠の文字列の表示が更新されないため、ユーザは、使い勝手がよくないと感じてしまうという問題があった。
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、パソコンのスペックが低い場合においても、ユーザの入力に対する見かけ上の応答時間を短縮できる処理方法、プログラム、文字入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した問題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、コンピュータ(テレビ受像機10)が、キー入力の信号をイベントとして受信するイベント受信ステップ(ステップS130)と、コンピュータが、前記イベントの受信に応じて、文字列の表示を更新するイベントハンドラステップ(ステップS170)と、コンピュータが、前記イベントハンドラステップの処理の一部を前記イベントから切り離した処理として外に出す切り離しステップ(ステップS190)と、を備える処理方法であることを要旨とする。
このような処理方法は、キー入力の信号をイベントとして受信した後に、イベントの受信に応じて、文字列の表示を更新するイベントハンドラステップを有する。一方、イベントハンドラステップの処理の一部をイベントから切り離した処理として外に出す切り離しステップを有する。
【0007】
すなわち、上述した処理方法によれば、文字列の表示を更新する処理を実行する際、少なくとも処理の一部をイベントから切り離した処理として外に出す。このため、外に出した処理量に応じた分だけ、ユーザへの応答時間を短縮して、文字列の表示を更新できる。
【0008】
従って、パソコンのスペックが低い場合においても、ユーザの入力に対する見かけ上の応答時間を短縮できる処理方法を提供することができる。
【0009】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記切り離しステップにより切り離した処理は、前記文字列に装飾を施す処理を含むことを要旨とする。
【0010】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1又は第2の特徴に係り、前記切り離しステップにより切り離した処理は、タイマー処理により実行されることを要旨とする。
【0011】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1乃至第3の特徴に係り、前記切り離しステップにより前記切り離した処理は、ソフトウェアキーボードの表示を更新する処理を含むことを要旨とする。
【0012】
本発明の第5の特徴は、キー入力の信号をイベントとして受信するイベント受信ステップと、前記イベントの受信に応じて、文字列の表示を更新するイベントハンドラステップと、前記イベントハンドラステップの処理の一部を前記イベントから切り離した処理として外に出す切り離しステップと、をコンピュータに実行させるプログラムであることを要旨とする。
【0013】
本発明の第6の特徴は、キー入力の信号をイベントとして受信するイベント受信手段(イベント受信部15)と、前記イベントの受信に応じて、文字列の表示を更新するイベントハンドラ手段(イベントハンドラ部19)と、前記イベントハンドラ手段の処理の一部を前記イベントから切り離した処理として外に出す切り離し手段(切り離し部21)と、を備える文字入力装置(テレビ受像機10)であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、パソコンのスペックが低い場合においても、ユーザの入力に対する見かけ上の応答時間を短縮することができる処理方法、プログラム、文字入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るテレビ受像機10と、リモートコントロール装置50との関係を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係るテレビ受像機10の機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係るテレビ受像機10において画面100の詳細構成を説明するための一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るプログラム500の記述の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプログラムの起動に基づく、テレビ受像機10の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる。
【0017】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すればよく、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。
【0018】
以下の実施形態においては、(1)テレビ受像機10の全体構成、(2)テレビ受像機10の詳細構成、(3)テレビ受像機10の画面100の詳細構成、(4)プログラム500の詳細記述、(5)テレビ受像機10の処理手順、(6)作用・効果、(7)その他の実施形態について説明する。
【0019】
(1)テレビ受像機10の全体構成
図1は、本実施形態に係るテレビ受像機10と、リモートコントロール装置50との関係を示す構成図である。
【0020】
図1に示すテレビ受像機10は、通信ネットワーク(インターネットを含むなど)を介して、データ放送等を受信することにより映像、音声、テキストデータ等を出力する。
【0021】
テレビ受像機10は、CPU等の制御装置、メモリやHDD等の記憶装置、通信ネットワークと通信する通信I/F等の通信装置といったハードウェア資源を有するコンピュータ(単一或いは複数)としての機能を有する。テレビ受像機10が備える下記の各ブロックは、前述したコンピュータの制御装置等のハードウェア資源を用いてコンピュータプログラムを実行することによって実現されるものである。なお、これらの各ブロック、手段は、単一のコンピュータ上に配置される必要はなく、必要に応じて分散される構成を採用しても良い。
【0022】
テレビ受像機10は、ハードウェア資源に加えて、キーボタンやタッチパネル等の入力装置、液晶ディスプレー等の出力装置、一般的なブラウザを備える。ブラウザは、インターネットの標準プロトコルであるHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)等に従い、HTML(Hyper Text Markup Language)等の言語で記述されたページデータの要求、受信及び表示、フォームデータの送信等を行う機能を有している。
【0023】
リモートコントロール装置50は、テレビ受像機10を遠隔より操作する。具体的には、リモートコントロール装置50は、テレビ受像機10に対して、操作の為の信号を送信する。リモートコントロール装置50は、赤外線通信、無線LAN、近傍無線通信(Bluetooth(登録商標)によってテレビ受像機10に接続されている。テレビ受像機10は、有線通信(USB(Universal Serial Bus)ケーブル接続等)によって、テレビ受像機10に接続されていてもよい。
【0024】
リモートコントロール装置50には、テレビ受像機10の規格に応じたキーが設けられている。例えば、リモートコントロール装置50には、1〜12の数字キーが設けられ、数字キーへの入力に応じて、対応する信号がテレビ受像機10に送信される。
【0025】
(2)テレビ受像機10の詳細構成
図2は、テレビ受像機10の機能ブロック図である。図3は、本実施形態に係るテレビ受像機10において画面100の詳細構成を説明するための一例を示す図である。
【0026】
本実施形態では、テレビ受像機10は、文字入力装置として機能する。具体的には、テレビ受像機10には、テレビ受像機10に、ソフトウェアキーボード110と、ソフトウェアキーボード110に入力された文字列とを表示させるプログラムが記憶される。以下の実施形態においては、特に文字入力装置として機能するブロックについて、詳細を示す。
【0027】
テレビ受像機10は、制御部11、データ放送情報送受信部13、イベント受信部15、記憶部17、イベントハンドラ部19、切り離し部21、タイマーイベントハンドラ部23、画面作成部25、画面表示部27、変換部29、ソフトウェアキーボード表示部31、出力部33を備える。
【0028】
制御部11は、テレビ受像機10を構成する各機能部を制御する。例えば、制御部11は、記憶部17に記憶されるプログラムを起動するとともに、データ放送情報送受信部13を介して受信した映像を画面表示部27に出力する。
【0029】
データ放送情報送受信部13は、通信ネットワークを介して、放送局から映像、音声、テキストデータを受信する。データ放送情報送受信部13は、受信した映像、音声、テキストデータ等を記憶部17に記憶してもよい。データ放送情報送受信部13は、通信ネットワークを介して、放送局から映像、音声、テキストデータを受信する。データ放送情報送受信部13は、受信した映像、音声、テキストデータ等を記憶部17に記憶してもよい。
【0030】
データ放送情報送受信部13は、通信ネットワークを介して、HTTP等に従い、HTML等の言語で記述されたページデータを受信する。データ放送情報送受信部13は、受信したページデータを記憶部17に記憶する。また、データ放送情報送受信部13は、HTTPに従い、HTMLの言語で記述されたページデータの要求等をサーバに送信する。
【0031】
イベント受信部15は、リモートコントロール装置50により送信されたキー入力の信号をイベントとして受信する。なお、「イベント」とは、上述の通り、リモートコントロール装置50により送信されたキー入力の信号であるが、ユーザの操作に基づき、ユーザの意図が含まれている信号を特に、イベントとしている。例えば、ユーザが「1」のキーボタンを押した場合、イベントA、ユーザが、ディスプレー上のポインタを動かした場合イベントBというようにユーザの操作に伴う信号に応じて、対応するイベントが定義されている。
【0032】
記憶部17は、テレビ受像機10に、リモートコントロール装置50から受信する可能性のある信号、該信号に対応するイベント、イベントの受信に応じて起動するプログラム500、データ放送情報送受信部13を介して受信したページデータを記憶する。
【0033】
イベントハンドラ部19は、イベント受信部15によるイベントの受信に応じて、イベントハンドラ処理を実行する。イベントハンドラ部19は、即座に反映されるべき処理を実行する。具体的には、イベントハンドラ部19は、プログラム500の第1記述部510又は第3記述部530に記述される処理を実行する。例えば、イベントハンドラ部19は、画面100において、文字列の表示、又はソフトウェアキーボード110の一部の表示を更新する。図3に示すように、イベントハンドラ部19は、入力文字表示枠111に未確定の文字列である未確定文字131を表示する。イベントハンドラ部19は、ユーザの操作に基づき、リモートコントロール装置50から受信したイベントに基づいて、未確定文字131の表示を更新する。
【0034】
また、イベントハンドラ部19は、リモートコントロール装置50から受信した信号に基づいて、ソフトウェアキーボード110の表示を適宜、更新する。具体的には、イベントハンドラ部19は、リモートコントロール装置50に割り当てられたキーに対応する信号に基づいて、対応するキーボタン119の表示を変更する。例えば、図3に示すように、ユーザがリモートコントロール装置50の「6」のキーボタンを押した場合、図3に示すように、イベントハンドラ部19は、ソフトウェアキーボード110の「6」のキーボタン119の背景色を変更する。これにより、イベントハンドラ部19は、ユーザにより「6」のキーボタン119が選択されれていることを明確に示す。
【0035】
切り離し部21は、イベントハンドラ部19により行われる処理の一部をイベントから切り離した処理として外に出す。具体的には、切り離し部21は、イベントハンドラ部19により行われる処理から、即座に反映されなくてもユーザの操作に支障を及ぼさない処理を切り離す。すなわち、切り離し部21は、イベントハンドラ部19により実行されるプログラム500の処理から、第2記述部520又は第4記述部540に記述される処理を切り離す。例えば、切り離し部21は、未確定文字131に装飾を施す処理、ソフトウェアキーボード110の全体表示を更新する処理をイベントハンドラ部19により行われる処理から切り離す。なお、ソフトウェアキーボード110の全体表示を更新する処理とは、後述する図3において、破線で示されるソフトウェアキーボード110の全体を更新する処理を示す。
【0036】
なお、「外に出す」とは、イベントハンドラ部19により実行されるプログラム500の処理から切り離されることや、切り離された処理をもとの処理と異なるタイミングで実行することを示す。具体的には、切り離し部21によりプログラム500の処理から外に出された第2記述部520又は第4記述部540に記述される処理は、プログラム500の他の処理である、第1記述部510又は第3記述部530に記述される処理とは異なるタイミングで実行される。なお、プログラム500には、タイマー処理等が記述されることにより、処理の一部をイベントから外に出すことが可能になる。
【0037】
タイマーイベントハンドラ部23は、切り離し部21により切り離された処理を実行する。タイマーイベントハンドラ部23は、即座に反映されなくてもユーザの操作に支障を及ぼさない処理を実行する。具体的には、タイマーイベントハンドラ部23は、プログラム500の第2記述部520又は第4記述部540に記述される処理を実行する。例えば、タイマーイベントハンドラ部23は、画面100において、未確定文字131に装飾を施す処理を実行する。また、タイマーイベントハンドラ部23は、ソフトウェアキーボード110の全体表示を更新する処理と、確定文字列133の表示を更新する処理とを実行する。タイマーイベントハンドラ部23は、タイマー処理によりイベントハンドラ部19と異なるタイミングで処理を実行する。具体的には、タイマーイベントハンドラ部23は、タイマー処理によって、イベントハンドラ部19の処理が終わった後に、所定の処理を実行するように設定される。
【0038】
画面作成部25は、後述する画面100を作成する。
【0039】
画面表示部27は、画面100を表示する。また、画面表示部27は、ブラウザを介して、通信ネットワークを介して、HTTP等に従い、HTML等の言語で記述されたページデータを表示する。
【0040】
変換部29は、未確定文字131を漢字、かな、カタカナ、ローマ字、数字、記号の少なくともいずれか、又はこれらの組み合わせに変換する。具体的には、変換部29は、リモートコントロール装置50から受信した信号に基づいて、記憶部17に記憶する言語モデル等を用いて、未確定文字131を変換する。
【0041】
ソフトウェアキーボード表示部31は、ソフトウェアキーボード110を表示する。
【0042】
出力部33は、変換が確定した未確定文字131、すなわち確定文字列133を出力する。具体的には、出力部33は、ユーザの操作に基づき、検索フォーム130に確定文字列133を表示する。また、出力部33は、通信ネットワークを介して、確定文字列133を外部の情報処理装置等に出力する。
【0043】
(3)テレビ受像機10の画面100の詳細構成
図3に示すように、テレビ受像機10の画面100は、ソフトウェアキーボード110、検索フォーム130、メニュー150を表示する。
【0044】
ソフトウェアキーボード110には、入力文字表示枠111、入力文字確定ボタン113、キーボタン119、検索候補表示枠121が含まれる。ソフトウェアキーボード110は、いわゆるパソコンに接続されるキーボードで行う入力処理をソフトウェア上で実現するものである。すなわち、ソフトウェアキーボード110は、画面100を介して入力処理を支援する。
【0045】
入力文字表示枠111は、リモートコントロール装置50から受信した信号に基づいて、キーボタン119に対応した文字列を表示することにより、未確定文字131を表示する。未確定文字131は、かな、カタカナ、ローマ字、数字、記号等、キーボタン119に対応した文字列である。
【0046】
また、入力文字表示枠111は、変換部29により変換された未確定文字131を表示する。具体的には、入力文字表示枠111は、変換部29により、漢字、かな、カタカナ、ローマ字、数字、記号の少なくともいずれか、又はこれらの組み合わせにより構成された文字列に変換された未確定文字131を表示する。
【0047】
入力文字確定ボタン113は、未確定文字131を確定するためのボタンである。具体的には、入力文字確定ボタン113は、ユーザの操作に基づきリモートコントロール装置50から入力文字確定ボタン113を選択したことを示す信号を受信することにより、未確定文字131を確定する。例えば、入力文字表示枠111に「みなとく」として表示されていた未確定文字131は、「港区」に変換された後、入力文字確定ボタン113が選択されることにより、確定文字列133となる。
【0048】
確定した未確定文字131として表示された文字列である確定文字列133は、出力部33により、出力される。具体的には、入力文字確定ボタン113が選択されることにより、確定文字列133は、検索フォーム130に出力される。
【0049】
キーボタン119は、リモートコントロール装置50に割り当てられたキーに対応するボタンである。具体的には、リモートコントロール装置50の1〜12の数字キーに対応するように、各数字にかな、ローマ字、記号等が割り当てられる。キーボタン119は、リモートコントロール装置50からの信号に基づいて、背景色を変更する。例えば、ユーザがリモートコントロール装置50の「6」のキーボタンを押した場合、「6」のキーボタン119は、イベントハンドラ部19により、背景色を変更する。
【0050】
例えば、図3に示すキーボタン119は、1〜3の数字キーに「あ」、「か」、「さ」が割り当てられている。この場合、ユーザは、リモートコントロール装置50の2ボタンを押すことにより、「か行」を選択したこととなる。続けて、キーボタン119は、1〜5の数字キーに「か」「き」「く」「け」「こ」が割り当てられる。これにより、ユーザは、自分の選択した文字を選択することができる。なお、キーボタン119は、ローマ字、記号等についても同様に割り当てるため、説明の詳細を省略する。
【0051】
キーボタン119は、リモートコントロール装置50から受信した信号に基づいて、ソフトウェアキーボード表示部31により更新される。
【0052】
検索候補表示枠121は、通信ネットワークを介して、未確定文字131に対応した変換候補135を表示する。検索候補表示枠121は、未確定文字131に対応した変換候補135を記憶部17から抽出して、表示してもよい。例えば、入力文字表示枠111に未確定文字131として「みなとく」が表示されている場合、検索候補表示枠121には、変換候補135として、「港区」、「港区赤坂」、「港区赤坂9丁目」等が表示される。
【0053】
検索フォーム130は、出力部33により出力された確定文字列133を表示する。検索フォーム130は、隣接する検索ボタンが選択されることにより、通信ネットワークを介して、確定文字列133を検索クエリとして、該当するページデータを取得する。
【0054】
メニュー150は、画面100のサービスメニューを表示する。
【0055】
(4)プログラム500の詳細記述
図4は、本発明の実施形態に係るプログラム500のソースコードの一例を示す図である。
【0056】
プログラム500は、第1記述部510、第2記述部520、第3記述部530、第4記述部540を備える構成である。プログラム500は、イベント受信部15によるイベントの受信の有無に基づいて、記述を分ける。具体的には、第1記述部510及び第2記述部520は、イベント受信部15によるイベントの受信が有った場合の処理を記述する。また、第3記述部530及び第4記述部540は、イベント受信部15によるイベントの受信が無かった場合の処理を記述する。
【0057】
第1記述部510は、イベントハンドラ部19により実行される処理を記述する。第1記述部510は、イベント受信部15によるイベントの受信が有った場合に、即座に反映されるべき処理を記述する。具体的には、第1記述部510は、イベント受信部15によるイベントの受信が有った場合に、要素に対して最低限のスタイルを適用させるスタイル属性のみを書き換える処理を記述する。例えば、第1記述部510は、イベントハンドラ部19により、入力文字表示枠111に未確定文字131を表示するとともに、未確定文字131を青色で示す。
【0058】
第2記述部520は、タイマーイベントハンドラ部23により実行される処理を記述する。第2記述部520は、setTimeout等のタイマー処理を記述する。このようなタイマー処理により、第2記述部520に記述した処理をイベントから切り離した処理として外に出している。具体的には、タイマー処理により、第2記述部520の処理は、1つのイベントに対して、実行されるプログラム500の処理から、切り離され、第1記述部510の処理が終了後、最終処理として実行される。
【0059】
第2記述部520は、イベント受信部15によるイベントの受信が有った場合に、即座に反映されなくてもユーザの操作に支障を及ぼさない処理を記述する。具体的には、第2記述部520は、イベント受信部15によるイベントの受信が有った場合に、要素のクラスの指定をするクラス属性を操作する処理を記述する。例えば、第2記述部520は、未確定文字131に装飾を施す処理を記述する。また、第2記述部520は、ソフトウェアキーボード110の表示と、確定した文字列の表示を更新する処理を記述する。
【0060】
第3記述部530は、イベントハンドラ部19により実行される処理を記述する。第3記述部530は、イベント受信部15によるイベントの受信が無かった場合に、即座に反映されるべき処理を記述する。具体的には、第3記述部530は、イベント受信部15によるイベントの受信が無かった場合に、要素に対してスタイルを適用させる最低限のスタイル属性のみを書き換える処理を記述する。例えば、第3記述部530は、イベントハンドラ部19により、入力文字表示枠111に「文字を入力して下さい」と表示するとともに、入力文字表示枠111に示す文字を灰色で示す。
【0061】
第4記述部540は、タイマーイベントハンドラ部23により実行される処理を記述する。第4記述部540は、setTimeout等のタイマー処理を記述する。このようなタイマー処理により、第4記述部540に記述した処理をイベントから切り離した処理として外に出している。具体的には、タイマー処理により、第4記述部540の処理は、1つのイベントに対して、実行されるプログラム500の処理から、切り離され、第3記述部530の処理が終了後、最終処理として実行される。
【0062】
第4記述部540は、イベント受信部15によるイベントの受信が無かった場合に、即座に反映されなくてもユーザの操作に支障を及ぼさない処理を記述する。具体的には、第4記述部540は、イベント受信部15によるイベントの受信が無かった場合に、要素のクラスの指定をするクラス属性を操作する処理を記述する。
【0063】
(5)テレビ受像機10の処理手順
図5は、本発明の実施形態に係るプログラムの起動に基づく、テレビ受像機10の処理手順を示すフローチャートである。なお、以下の処理については、ソフトウェアキーボード110に入力された文字列を表示する際の手順について詳細を説明する。
【0064】
ステップS110において、イベント受信部15は、キー入力の信号等の入力を待っている。
【0065】
ステップS130において、イベント受信部15は、リモートコントロール装置50により送信されたキー入力の信号をイベントとして受信する。
【0066】
ステップS150において、イベントハンドラ部19は、イベントハンドラ処理を開始する。
【0067】
ステップS170において、イベントハンドラ部19は、イベントハンドラ処理を実行する。具体的には、イベントハンドラ部19は、入力文字表示枠111に未確定文字131、又はソフトウェアキーボード110の一部の表示を更新する。
【0068】
ステップS190において、切り離し部21は、イベントハンドラ部19により行われる処理の一部をイベントから切り離した処理として外に出す。
【0069】
ステップS210において、イベントハンドラ部19は、イベントハンドラ処理を終了する。
【0070】
ステップS230において、画面表示部27は、イベントハンドラ部19による処理を反映した画面100を表示する。具体的には、画面表示部27は、未確定文字131の表示を更新、又は、ソフトウェアキーボード110の一部の表示を更新する。
【0071】
ステップS250において、タイマーイベントハンドラ部23は、切り離し部21により切り離された処理を実行する。
【0072】
ステップS270において、タイマーイベントハンドラ部23は、切り離し部21により切り離された処理を終了する。
【0073】
ステップS290において、画面表示部27は、タイマーイベントハンドラ部23による処理を反映した画面100を表示する。例えば、画面表示部27は、未確定文字131に装飾を施す処理を反映した画面100を表示する。
【0074】
(6)作用・効果
以上説明したように、本実施形態によれば、処理方法は、ステップS130によるイベントの受信に応じて、イベントハンドラ処理を実行し、入力文字表示枠111に未確定文字131を表示するステップS170と、イベントハンドラステップの処理の一部をイベントから切り離した処理として外に出すステップS190とを備える。すなわち、処理方法によれば、未確定文字131を表示する処理の一部を切り離すため、未確定文字131を表示するまでの処理時間を短縮できる。従って、パソコンのスペックが低い場合においても、ユーザの入力に対する見かけ上の応答時間を短縮できる。
【0075】
実施形態では、ステップS190により切り離した処理は、文字列に装飾を施す処理である。すなわち、ステップS190により切り離した処理は、即座に反映されなくてもユーザの操作に支障を及ぼさない処理である。従って、処理方法によれば、ユーザの入力に対する見かけ上の応答時間を確実に短縮できる。
【0076】
実施形態では、ステップS190により切り離した処理は、タイマー処理により実行される。このため、切り離した処理は、入力文字表示枠111に未確定文字131を表示するステップS170と異なるタイミングで実行される。従って、パソコンの処理が集中することを抑制することができるため、パソコンのスペックが低い場合においても、ステップS170で実行される処理に係る処理時間を短縮できる。
【0077】
実施形態では、ステップS190により切り離した処理は、ソフトウェアキーボード110の全体表示を更新する処理である。すなわち、ステップS190により切り離した処理は、即座に反映されなくてもユーザの操作に支障を及ぼさない処理である。
【0078】
実施形態では、ステップS130によるイベントの受信に応じて、イベントハンドラ処理を実行し、ソフトウェアキーボード110の一部の表示を更新するステップS170と、イベントハンドラステップの処理の一部をイベントから切り離した処理として外に出すステップS190とを備える。すなわち、処理方法によれば、ソフトウェアキーボード110表示を更新する処理の一部を切り離すため、ソフトウェアキーボード110の一部を更新して表示するまでの処理時間を短縮できる。従って、パソコンのスペックが低い場合においても、ユーザの入力に対する見かけ上の応答時間を短縮できる。
【0079】
(7)その他の実施形態
上述した実施形態では、プログラムは、テレビ受像機10の記憶部17に記憶されるとしたが、本発明は、これに限られず、例えば、プログラムを起動する毎に、通信ネットワークを介して、他のサーバ等から直接取得してもよい。
【0080】
上述した実施形態では、第1記述部510及び第3記述部530は、イベントハンドラ部19により実行される処理、すなわち即座に反映されるべき処理を記述する。本発明は、これに限定されず、第1記述部510及び第3記述部530の処理をsetTimeout等のタイマー処理を記述することにより、複数の段階に分けて記載してもよい。例えば、複数のイベントの受信が連続してあった場合に、第1記述部510及び第3記述部530の一部の処理をsetTimeout等のタイマー処理により、第1記述部510及び第3記述部530から切り離してもよい。これにより、複数のイベントの受信が連続してあった場合など、更にパソコンに高負荷がかかる場合においても、ユーザの入力に対する見かけ上の応答時間を確実に短縮できる。
【0081】
上述した実施形態では、切り離し部21は、イベントハンドラ部19により実行されるプログラム500の処理から、第2記述部520又は第4記述部540に記述される処理を切り離すことにより、第2記述部520の処理は、第1記述部510の処理が終了後、最終処理として実行される。本発明は、これに限定されず、例えば、第2記述部520の処理は、第1記述部510の処理と実行されるタイミングの一部が重複してもよい。このような処理方法においてもユーザの入力に対する見かけ上の応答時間を短縮できるためである。
【0082】
上述した実施形態では、テレビ受像機10が備える各ブロックについて記載しているが、本発明は、これに限られず、例えば、上記の各ブロックの機能を実行するプログラム、表示方法、文字入力装置としてもよく、また、このプログラムを配信するサーバであってもよい。
【符号の説明】
【0083】
10 テレビ受像機
11 制御部
13 データ放送情報送受信部
15 イベント受信部
17 記憶部
19 イベントハンドラ部
21 切り離し部
23 タイマーイベントハンドラ部
25 画面作成部
27 画面表示部
29 変換部
31 ソフトウェアキーボード表示部
33 出力部
50 リモートコントロール装置
100 画面
110 ソフトウェアキーボード
111 入力文字表示枠
113 入力文字確定ボタン
119 キーボタン
121 検索候補表示枠
130 検索フォーム
131 未確定文字
133 確定文字列
135 変換候補
150 メニュー
500 プログラム
510 第1記述部
520 第2記述部
530 第3記述部
540 第4記述部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、キー入力の信号をイベントとして受信するイベント受信ステップと、
コンピュータが、前記イベントの受信に応じて、文字列の表示を更新するイベントハンドラステップと、
コンピュータが、前記イベントハンドラステップの処理の一部を前記イベントから切り離した処理として外に出す切り離しステップと、
を備えることを特徴とする処理方法。
【請求項2】
前記切り離しステップにより切り離した処理は、前記文字列に装飾を施す処理を含むことを特徴とする請求項1に記載の処理方法。
【請求項3】
前記切り離しステップにより切り離した処理は、タイマー処理により実行されることを特徴とする請求項1又は2に記載の処理方法。
【請求項4】
前記切り離しステップにより切り離した処理は、ソフトウェアキーボードの表示を更新する処理を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の処理方法。
【請求項5】
キー入力の信号をイベントとして受信するイベント受信ステップと、
前記イベントの受信に応じて、文字列の表示を更新するイベントハンドラステップと、
前記イベントハンドラステップの処理の一部を前記イベントから切り離した処理として外に出す切り離しステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
キー入力の信号をイベントとして受信するイベント受信手段と、
前記イベントの受信に応じて、文字列の表示を更新するイベントハンドラ手段と、
前記イベントハンドラ手段の処理の一部を前記イベントから切り離した処理として外に出す切り離し手段と、
を備えることを特徴とする文字入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−14212(P2012−14212A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147022(P2010−147022)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】