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処理液供給ノズルの製造方法
説明

処理液供給ノズルの製造方法

【課題】内面の断面形状が略楕円形に形成された処理液供給ノズルを、簡単かつ安価に製造することができる処理液供給ノズルの製造方法を提供すること。
【解決手段】加熱ステップでは、チューブ20の端部21が加熱され(図A参照。)、チューブ20の端部21が軟化する。挿入ステップでは、軟化したチューブ20の端部21の内部に、整形用治具22が挿入される(図B参照。)。整形用治具22の挿入により、チューブ20の端部21が、整形用治具22の挿入により、チューブ20のうち整形部27の両側の側辺側辺27A,27Bと当接する部分は拡げられ、それ以外の部分がチューブ20の弾性力により狭められる。冷却ステップでは、チューブ20の端部21にスプレー状の冷却剤が吹き付けられて(図C参照。)、チューブ20の端部21が急冷される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板処理装置において基板に処理液を供給する処理液供給ノズルを製造する方法に関する。基板処理装置における処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用ガラス基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板等が含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置の製造工程には、半導体ウエハや液晶表示パネル用ガラス基板などの基板の表面に処理液による処理を施すために、基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が用いられることがある。この基板処理装置では、処理液供給ノズルを用いて基板の表面に処理液が供給される。
この処理液供給ノズルは、たとえば、円筒形状の樹脂チューブを所定長さに切断して形成された円筒形状の流通管を備え、基板の上方位置にその吐出口を基板の表面に向けて配置されている。
【0003】
しかしながら、処理液供給後において、流通管の内面に付着した処理液が、吐出口から液滴となって落下し(ぼた落ち)、基板汚染の原因となるおそれがある。
そこで、処理液供給ノズルの先端部において、内面の断面形状を楕円形に形成して、処理液と処理液供給ノズルの内面との接触面積が大きくすることが考えられる。このため、処理液の液滴の表面張力が作用する面積が大きくなり、処理液が吐出口周辺の流通管の内面に保持され易くなる。これにより、吐出口からの処理液の液滴の落下を抑制することができる。処理液供給ノズルの内面の断面形状を楕円形に形成した構成は、たとえば特許文献1や特許文献2に開示されている。
【特許文献1】特開2005−211897号公報
【特許文献2】特開平8−200715号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、内面の断面形状が楕円形の処理液供給ノズルを成形品で作製するためには専用の型を設ける必要があり、そのため、コストアップになるおそれがある。その一方で、内面の断面形状が楕円形の処理液供給ノズルを成形品以外で作製しようとすると、その製造工程が複雑になるおそれがある。
そこで、この発明の目的は、内面の断面形状が略楕円形に形成された処理液供給ノズルを、簡単かつ安価に製造することができる処理液供給ノズルの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板処理装置(1)において基板(W)に処理液を供給するために用いられ、少なくとも先端部(14)において、その内面の断面形状が略楕円形に形成された筒状の処理液供給ノズル(3)を製造する方法であって、円筒形状の樹脂チューブ(20)を加熱する加熱ステップと、前記加熱ステップの加熱により昇温された前記樹脂チューブの内部に、前記樹脂チューブの端部(21)から整形用治具(22)を挿入して、少なくとも端部における内面の断面形状が略楕円形となるように、前記樹脂チューブを変形させる挿入ステップと、前記挿入ステップ後の樹脂チューブを冷却する冷却ステップとを含むことを特徴とする、処理液供給ノズル製造方法である。
【0006】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
この構成によれば、高温の樹脂チューブの内部に整形用治具を挿入することで、樹脂チューブを、その内面の断面形状が略楕円形となるように変形させる。このため、樹脂チューブの製造を簡単に行うことができる。しかも、整形用治具だけを用いるので、特殊な金型を用いる場合と比較して、安価に樹脂チューブを製造することができる。
【0007】
また、円筒形状の樹脂チューブを、内面の断面形状を略楕円形に変形させるので、その形状変化をスムーズに行うことができる。そのため、内面の断面形状が略楕円形の処理液供給ノズルをより簡単に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る方法により製造される処理液供給ノズル3が搭載された基板処理装置1の構成を模式的に示す図である。
この基板処理装置1は、基板の一例である半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wにおけるデバイス形成領域側の表面に対して、薬液による洗浄処理を施すための枚葉型の装置である。
【0009】
基板処理装置1は、ウエハWをほぼ水平に保持して回転させるためのスピンチャック2と、スピンチャック2に保持されたウエハWの表面の中央部に処理液を供給するための処理液供給ノズル3と、スピンチャック2の周囲を取り囲み、ウエハWから流下または飛散する処理液を受け取るためのカップ4とを備えている。
スピンチャック2は、モータ5と、このモータ5の回転駆動力によって鉛直軸線まわりに回転される円盤状のスピンベース6と、スピンベース6の周縁部の複数箇所にほぼ等間隔で設けられ、ウエハWをほぼ水平な姿勢で挟持するための複数個の挟持部材7とを備えている。これにより、スピンチャック2は、複数個の挟持部材7によってウエハWを挟持した状態で、モータ5の回転駆動力によってスピンベース6を回転させることにより、そのウエハWを、ほぼ水平な姿勢を保った状態で、スピンベース6とともに鉛直軸線まわりに回転させることができる。
【0010】
処理液供給ノズル3は、スピンチャック2の上方で、吐出口8(図2参照。)をウエハWの回転中心付近に向けて配置されている。この処理液供給ノズル3には、処理液供給管9が接続されており、処理液供給源からの処理液が処理液供給管9を通して供給されるようになっている。処理液供給管9の途中部には、処理液供給ノズル3への処理液の供給および供給停止を切り換えるための処理液バルブ10が介装されている。
【0011】
処理液としては、たとえば、BHF(緩衝ふっ酸:Buffered HF)を用いることができる。BHFを用いる場合は、処理液の粘度が低い。その他、処理液として、塩酸過酸化水素水混合液、ふっ酸、塩酸、リン酸、酢酸、アンモニア、過酸化水素水、クエン酸、蓚酸、TMAH、DIW(脱イオン化された純水)などを用いることができる。
図2は、処理液供給ノズル3の構成を示す図解的な断面図である。図3Aは、図2の切断面線A−Aから見た断面図である。図3Bは、図2の切断面線B−Bから見た断面図である。
【0012】
処理液供給ノズル3は、たとえば、いわゆるストレートノズルの構成を有している。処理液供給ノズル3は、フッ素系樹脂(PFA樹脂)により構成されたケーシング11を備え、このケーシング11の先端に、処理液を外部空間12に向けて吐出するための吐出口8を有している。
ケーシング11は、円筒形状の主部13と、この主部13から連続し、ケーシング11の先端部をなす楕円筒状の先端部14(図2で示す下端部)とを備え、チューブ20の端部21を加熱成形によって変形させることにより得られる。ケーシング11の内部には、処理液流路15が形成されており、処理液流路15の先端が吐出口8として開口し、その反対側の端部先端が、処理液を導くための処理液ポート16を形成している。その処理液導入ポート16に処理液供給管9が接続される。
【0013】
先端部14は、その断面形状における内面長径D1と内面短径D2との比が、たとえば3.34:1に設定されている。先端部14の寸法は、先端部14の内面の断面積が主部13の内面の断面積とほぼ等しくなるように設定されている。そのため、主部13と先端部14とで、処理液の流速が同一である。したがって、処理液供給ノズル3に所定流量の処理液を供給したときにおいて、処理液供給ノズル3から吐出される処理液の流速を、内面断面積が等しい円筒形状の処理液供給ノズルを用いる場合の流速に等しくすることができる。
【0014】
処理液供給ノズル3の寸法の一例として、主部13は、その内径D0がたとえば4mmに設定されており、先端部14は、その断面形状の内面長径D1がたとえば6.71mm、その内面短径D2がたとえば2mmに設定されている。
処理液バルブ10が開かれると、処理液供給管9から処理液供給ノズル3の処理液流路15に供給された処理液は、吐出口8から外部空間12に向けて吐出し、ウエハWの表面上に供給される。
【0015】
ケーシング11は、その縦断面形状が管軸方向に沿って、円形から楕円形に連続的に変化している。そのため、処理液流路15を流通する処理液に乱流が生じにくい。これにより、吐出口8からのスムーズな処理液の吐出が可能となる。
処理液供給後において、処理液流路15の内面に付着した処理液が、吐出口8から液滴となって、ウエハW上に落下し、ウエハW上を汚染するおそれがある。
【0016】
この実施形態では、処理液供給ノズル3の先端部14が楕円筒形状に形成されている。そのため、同じ内面断面積の円筒形状の処理液供給ノズルを用いる場合と比較して、処理液と処理液供給ノズル3の内面との接触面積が大きい。このため、このため、処理液の液滴の表面張力が作用する面積が大きくなり、吐出口8の周辺において、処理液が処理液流路15の内面に保持され易くなる。これにより、吐出口8からの処理液の液滴の落下を抑制することができる。
【0017】
とくに、BHFは粘度が低いので、処理液としてBHFを用いる場合、処理液供給ノズル3の吐出口8からBHFが液滴として落下することが考えられる。しかし、処理液供給ノズル3の先端部14において、内面の断面形状が楕円形に形成されているので、吐出口8からのBHFの液滴の落下を抑制することができる。
図4A、図4Bおよび図4Cは、処理液供給ノズル3の製造工程を示す模式的な断面図である。図5は、図4Bの切断面線C−Cから見た断面図である。
【0018】
処理液供給ノズル3の製造工程では、昇温したチューブ20の内部に整形用治具22を挿入して行う加熱成形により、先端部14が楕円筒形状に形成されたケーシング11が作製される。この処理液供給ノズル3の製造方法は、加熱ステップと、挿入ステップと、冷却ステップとを含む。
加熱ステップでは、たとえば加熱コイル23を用いて、チューブ20の端部21を加熱する(図3A参照。)。加熱コイル23からの加熱によって、チューブ20の端部21は所定の温度(例えば200℃)に昇温する。チューブ20の材料であるフッ素系樹脂が熱可塑性樹脂であるため、昇温に伴ってチューブ20の端部21が軟化する。
【0019】
挿入ステップでは、軟化したチューブ20の内部に、端部21から、整形用治具22が挿入される(図3B参照。)。
整形用治具22は、たとえばステンレス製の長尺の本体25と、本体25の根元部に取り付けられて、作業者が整形用治具22を保持するために握るためのグリップ26とを備えている。本体25は、図5に示すようにその横断面形状が略扁平形状に形成されている。本体25は、チューブ20の内面を整形する整形部27と、整形部28の先端側に設けられ、整形部27をチューブ20の内部に案内するための案内部28とを備えている。整形部27では、本体25の両側の側辺27A,27Bが互いに平行に延びている。
【0020】
整形用治具22の整形部27の幅寸法(図4A、図4Bおよび図5において上下方向に沿う長さ)は、ケーシング11の先端部14の内面長径D1を規定するものであり、そのため、先端部14の内面長径D1に応じた寸法に設定されている。また、案内部28は、チューブ20の内面に進入できるように、その先端が、先端に向かうにつれて幅狭になるような形状(図4Aおよび図4Bでは半円形状)に形成されている。
【0021】
整形部27の幅寸法がチューブ20の端部21の内径D0よりも大きな寸法に設定されているため、整形用治具22の挿入により、チューブ20のうち整形部27の両側の側辺側辺27A,27Bと当接する部分は拡げられ、それ以外の部分がチューブ20の弾性力により狭められる。これにより、チューブ20の端部21が楕円筒形状に変形する。整形用治具22の挿入後、冷却ステップに移行する。
【0022】
冷却ステップでは、チューブ20の端部21にスプレー状の冷却剤30が吹き付けられて(図4C参照。)、チューブ20の端部21が急冷される。冷却後は、チューブ20の端部21が固化する。これにより、処理液供給ノズル3のケーシング11が製造される。
以上により、この実施形態では、200℃に昇温したチューブ20の内部に整形用治具22を挿入することで、チューブ20を楕円筒形状に変形させる。このため、チューブ20の製造を簡単に行うことができる。しかも、整形用治具22だけを用いるので、特殊な金型を用いる場合と比較して、安価にチューブ20を製造することができる。
【0023】
また、円筒形状のチューブ20を楕円筒形状に変形させるので、その形状変化をスムーズに行うことができる。そのため、先端部14が楕円筒形状のケーシング11を有する処理液供給ノズル3をより簡単に製造することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
【0024】
前述の説明では、整形用治具22が、その整合部27の側辺27A,27Bによってチューブ20の内面を整形する構成について説明したが、その整合部27の周面全域によってチューブ20の内面を整形する構成であってもよい。かかる場合は、その整合部27の外周面が、整形後のチューブ20の端部(処理液供給ノズル3のケーシング11の先端部14)の内面と整合する外郭楕円柱形状であることが好ましい。
【0025】
また、冷却ステップでは、チューブ20の端部21を急冷する構成について説明したが、急冷でなく徐冷(たとえば空冷)によって冷却させてもよい。
前述の説明では、処理液供給ノズル3のケーシング11の先端部14だけを楕円筒形状とするとして説明したが、たとえばケーシング11の先端から途中部(先端からの距離が全長の半分程度)までを楕円筒形状とすることもできるし、ケーシング11の全長にわたって楕円筒形状とすることもできる。
【0026】
さらにまた、処理液供給ノズル3のケーシング11の先端部14を楕円筒形状とする構成について説明したが、少なくとも内面の断面形状が略楕円形状であればよく、その外面の断面形状は略楕円形状に限られない。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施形態に係る方法により製造される処理液供給ノズルが搭載された基板処理装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】処理液供給ノズルの構成を示す図解的な断面図である。
【図3】処理液供給ノズルの横断面図である。Aは、図2の切断面線A−Aから見た断面図である。Bは、図2の切断面線B−Bから見た断面図である。
【図4】処理液供給ノズルの製造工程を示す模式的な断面図である。
【図5】図4Bの切断面線C−Cから見た断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 基板処理装置
3 処理液供給ノズル
13 主部
14 先端部
20 チューブ(樹脂チューブ)
21 端部
22 整形用治具
27A,27B 側辺
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理装置において基板に処理液を供給するために用いられ、少なくとも先端部において、その内面の断面形状が略楕円形に形成された筒状の処理液供給ノズルを製造する方法であって、
円筒形状の樹脂チューブを加熱する加熱ステップと、
前記加熱ステップの加熱により昇温された前記樹脂チューブの内部に、前記樹脂チューブの端部から整形用治具を挿入して、少なくとも端部における内面の断面形状が略楕円形となるように、前記樹脂チューブを変形させる挿入ステップと、
前記挿入ステップ後の樹脂チューブを冷却する冷却ステップとを含むことを特徴とする、処理液供給ノズル製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−61419(P2009−61419A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233026(P2007−233026)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】