処理液吐出ノズル及び基板処理装置

【課題】着脱性やメンテナンス性に優れ、梁型のノズル保持機構が無くても撓まない長尺型の処理液吐出ノズルを提供すること。
【解決手段】この処理液吐出ノズル64に取り付けられるたわみ補正機構74は、ノズルヘッダ管68の第1および第2の中間点PM1,PM2で補強面68aに突出して設けられる第1および第2の中間ジョイント部78,80と、ノズルヘッダ管68の第1および第2の中間ジョイント部78,80の間たとえば長手方向の中心点PCで補強面68aに突出して設けられる中心ジョイント部76と、中心ジョイント部74と第1の中間ジョイント部との間に架け渡される第1の連結棒80と、中心ジョイント部78と第2の中間ジョイント部80との間に架け渡される第2の連結棒84とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理基板に処理液を噴き掛けるための長尺型の処理液吐出ノズルおよびこれを用いる平流し方式の基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネルディスプレイ(FPD)製造におけるレジスト塗布現像処理システムでは、被処理基板(たとえばガラス基板)の大型化に有利に対応できる洗浄処理方法あるいは現像処理方法として、搬送ローラ(コロ)や搬送ベルトを水平方向に敷設してなる搬送路上で基板を搬送しながら洗浄処理あるいは現像処理を行うようにした、いわゆる平流し方式が多用ないし常用されている。このような平流し方式は、基板を回転運動させるスピンナ方式と較べて、基板の取扱いや搬送系および駆動系の構成が簡単である等の利点がある。
【0003】
このような平流し方式を採る洗浄処理装置は、平流し搬送路上で移動する基板に洗浄液やリンス液を噴き掛けるために、長尺型の処理液吐出ノズルを多く用いている。また、平流し方式の現像処理装置も、平流し搬送路上で移動する基板に現像液を噴き掛けるか、または液盛りするために、長尺型の処理液吐出ノズルを用いている。
【0004】
従来のこの種の基板処理装置は、図10および図11に示すように、長尺型の処理液吐出ノズルたとえばスプレーノズル200を平流し搬送路202の上に搬送方向と交差(通常は直交)する方向に水平に架け渡して保持するためのノズル保持機構206を備えている。このノズル保持機構206は、平流し搬送路202の両側に立設された一対の支柱208,210の間に水平に架け渡される梁212に一定間隔で多数(たとえば4個)のブラケット214を取り付け、これら多数のブラケット214の上に1本または複数本(図示の例の場合は2本)のスプレーノズル200を留め具215で固定する。
【0005】
スプレーノズル200は、たとえばポリ塩化ビニル(PVC)等の可撓性の樹脂からなり、平流し搬送路202上を移動する基板Gの横幅サイズよりも長いノズルヘッダ管216に多数のノズルチップ218を長手方向一列に並べて取り付けており、全長が数mを越えるものもめずらしくない。このため、平流し搬送路202の両側でスプレーノズル200の両端のみを支持しただけではスプレーノズル200が自重によってその中心部が沈むように撓んでしまう。スプレーノズル200が撓むと、スプレーノズル200の長手方向において各ノズルチップ218と平流し搬送路202上の基板Gとの距離間隔が変動して、基板G上の液処理にばらつきが生じる。しかし、上記のようなノズル保持機構206を備えることで、スプレーノズル200を水平に保持し、その長手方向において各ノズルチップ218と基板Gとの距離間隔を均一に保ち、基板G上の各部に均一な液処理を施すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−300129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような平流し方式の基板処理装置においては、平流し搬送路204に沿って設けられるスプレーノズル200およびその他のツールの修理・部品交換はもちろん、平流し搬送路204を構成するコロ220の修理・部品交換も随時または定期的に行われる。
【0008】
ところが、上記のようなノズル保持機構206を設置すると、このノズル保持機構206でのスプレーノズル200の取り外しや再装着が非常に面倒で、スプレーノズル200のメンテナンス性が悪くなるという問題があった。また、作業員がノズル保持機構206の真下に位置する平流し搬送路のコロ220の点検・修理を行う際に、ノズル保持機構206の梁212やブラケット214等が邪魔になって、コロ220へのアクセスが難しいという不便もあった。
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するものであり、着脱性やメンテナンス性に優れ、梁型のノズル保持機構が無くても撓まない長尺型の処理液吐出ノズルおよびこれを用いる平流し方式の基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の処理液吐出ノズルは、処理液供給源に接続されるノズルヘッダ管と、前記ノズルヘッダ管に長手方向に分布または開口して設けられ、前記処理液供給源より前記ノズルヘッダ管に導入された処理液を噴出する吐出部と、前記ノズルヘッダ管の長手方向の一端と中心との間の第1の中間点で、前記ノズルヘッダ管の前記吐出部とは反対側の補強面に突出して設けられる第1の中間ジョイント部と、前記ノズルヘッダ管の長手方向の他端と中心との間の第2の中間点で、前記ノズルヘッダ管の前記補強面に突出して設けられる第2の中間ジョイント部と、前記ノズルヘッダ管の前記第1の中間点と前記第2の中間点との間で、前記ノズルヘッダ管の前記補強面に突出して設けられる中心ジョイント部と、前記中心ジョイント部と前記第1の中間ジョイント部との間に架け渡される第1の棒状連結部と、前記中心ジョイント部と前記第2の中間ジョイント部との間に架け渡される第2の棒状連結部とを有する。
【0011】
上記の構成においては、ノズルヘッダ管の中心点(重心)にかかる全体の重力が、中心ジョイント部、第1および第2の棒状連結部ならびに第1および第2の中間ジョイント部を介してノズルヘッダ管の第1および第2の中間点に伝わり、第1および第2の中間点にも下向きの力が作用する。このため、ノズルヘッダ管の中心点が重力(中心重力)によって下に変位しようとしても、第1および第2の中間点が中心点から中心ジョイント部、第1および第2の棒状連結部ならびに第1および第2の中間ジョイント部を介して伝達される重力(中間重力)によって同じく下に変位しようとするので、ノズルヘッダ管全体の湾曲変形つまり撓みが阻止される。これにより、ノズルヘッダ管に取り付けられている多数のノズルチップがたとえば同じ高さ位置で一直線上に並ぶ。したがって、ノズル長手方向で吐出部と平流し搬送路上の基板との距離間隔を均一にすることができる。
【0012】
本発明の基板処理装置は、被処理基板を水平な方向に平流しで搬送するための平流し搬送路を有する搬送部と、前記平流し搬送路上の前記基板に前記処理液を噴き掛けるために、前記平流し搬送路の上方または下方で搬送方向と交差する方向に架け渡される本発明の処理液吐出ノズルと、前記平流し搬送路の両側で前記処理液吐出ノズルの両端部を保持するノズル保持部と、前記処理液吐出ノズルに前記処理液を供給する処理液供給源と、前記搬送路の両側で前記処理液吐出ノズルの両端を支持するノズル支持部とを有する。
【0013】
上記の装置構成においては、処理液吐出ノズルのノズルヘッダ管が撓まないので、ノズルヘッダ管の吐出部が平流し搬送路上の基板に対して一直線上の高さ位置から処理液を長手方向で均一に噴き掛けることが可能であり、それによって基板上の各部に均一な液処理を施すことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の処理液吐出ノズルは、上記のような構成および作用により、着脱性やメンテナンス性に優れ、梁型のノズル保持機構が無くても撓まずにノズルヘッダ管の吐出部をその長手方向で一直線上に保つことができる。
【0015】
本発明の基板処理装置は、上記のような構成および作用により、長尺状の処理液吐出ノズルを使用する平流し方式の液処理の精度および信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の処理液吐出ノズルを適用できる洗浄処理装置の全体構成を示す略断面図である。
【図2】本発明の一実施形態におけるスプレーノズルおよびノズル支持部の全体構成を示す斜視図である。
【図3】上記スプレーノズルおよび上記ノズル支持部ならびにその周囲の構成を示す一部断面正面図である。
【図4A】上記ノズル支持部に含まれるクランプの構成(保持状態)を示す側面図である。
【図4B】上記ノズル支持部に含まれるクランプの構成(開放状態)を示す側面図である。
【図5A】たわみ補正機構を取り付ける前の上記スプレーノズルが自重により空中で撓む様子を示す正面図である。
【図5B】上記スプレーノズルにたわみ補正機構を取り付ける工程の一段階を示す平面図である。
【図5C】上記スプレーノズルにたわみ補正機構を取り付ける工程の一段階を示す平面図である。
【図5D】上記スプレーノズルにたわみ補正機構を取り付ける工程の一段階を示す平面図である。
【図5E】たわみ補正機構を取り付けた上記スプレーノズルの設置状態とその作用を示す正面図である。
【図6】たわみ補正機構よりノズルヘッダ管に与えるノズル長手方向の応力を調節するためのねじ機構の一構成例を示す部分拡大正面図である。
【図7】上記ねじ機構の別の構成例を示す部分拡大正面図である。
【図8A】たわみ補正機構を処理液供給路の一部に用いる一構成例を示す図である。
【図8B】たわみ補正機構を処理液供給路の一部に用いる一構成例を示す図である。
【図9A】別の実施形態においてたわみ補正機構を取り付ける前のスプレーノズルが自重により空中で撓む様子を示す正面図である。
【図9B】上記別の実施形態において上記スプレーノズルにたわみ補正機構を取り付ける工程の一段階を示す正面図である。
【図9C】上記別の実施形態において上記スプレーノズルにたわみ補正機構を取り付ける工程の一段階を示す正面図である。
【図9D】図9Aのたわみ補正機構を取り付けた上記スプレーノズルの設置状態を示す図である。
【図10】従来の長尺型処理液吐出ノズルおよびこれを保持するノズル保持機構の構成を示す斜視図である。
【図11】図10のノズルおよびノズル保持機構の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施の形態を説明する。
[基板処理装置の実施形態]
【0018】
図1に、本発明の処理液吐出ノズルおよび基板処理装置を適用できる平流し式洗浄処理装置の全体構成を示す。
【0019】
この洗浄処理装置は、たとえばFPD用のレジスト塗布現像処理システムに組み込まれ、被処理基板(たとえばガラス基板)にレジストを塗布する前に基板上の不純物やパーティクルを除去するために用いられる。
【0020】
この洗浄処理装置は、2つのチャンバ10,12を並べて配置し、両チャンバ10,12の中を縦断するコロ搬送路14を備えている。上流側の洗浄チャンバ10は、内部に設けた2つの隔壁16,18によって3つの処理室、すなわちブラッシング洗浄室R1、ブロー洗浄室R2およびリンス室R3に分割されている。搬送方向(X方向)と向き合うチャンバ10の外壁10a,10bおよび両隔壁16,18には、コロ搬送路14上を移動する基板Gが通れるスリット状の開口(基板出入り口)20,22,24,26がそれぞれ形成されている。ここで、開口20は、ブラッシング洗浄室R1の入口である。開口22は、ブラッシング洗浄室R1の出口であり、かつブロー洗浄室R2の入口でもある。開口24は、ブロー洗浄室R2の出口であり、かつリンス室R3の入口でもある。開口26は、リンス室R3の出口である。
【0021】
ブラッシング洗浄室R1には、コロ搬送路14に沿ってその上下両側にプリウエットノズル28U/28L、ロールブラシ30U/30Lおよびリンスノズル32U/32Lが配置されている。プリウエットノズル28U/28Lは、基板Gを横幅方向(Y方向)で端から端までカバーする長さを有しており、薬液供給部(図示せず)より送られてくる薬液を噴き出すようになっている。ロールブラシ30U,30Lは、基板Gを横幅方向で端から端までカバーする長さを有しており、モータ等のブラシ駆動部(図示せず)により回転駆動されるようになっている。リンスノズル32U/32Lは、基板Gを横幅方向で端から端までカバーする長さを有しており、リンス液供給部(図示せず)より送られてくるリンス液を噴き出すようになっている。ブラッシング洗浄室R1には、チャンバ背面側の壁10dの上部に1つまたは複数の排気ポート34が設けられており、底にドレイン口36が設けられている。
【0022】
ブロー洗浄室R2内には、コロ搬送路14の上下両側に高圧の2流体ノズル38U/38Lが配置されている。これらの2流体ノズル38U/38Lは、基板Gの横幅サイズをカバーする長さを有しており、洗浄液供給部(図示せず)より送られてくる洗浄液と高圧ガス供給部(図示せず)より送られてくる高圧気体とを混合して、粒状の液滴をジェット流で、またはスプレー状に噴射するようになっている。ブロー洗浄室R2にも、チャンバ背面側の壁10dの上部に1つまたは複数の排気ポート40が設けられ、底にドレイン口42が設けられている。
【0023】
リンス室R3内には、コロ搬送路14の上下両側に適当な間隔を空けて複数のリンスノズル42U/42Lが配置されている。これらのリンスノズル42U/42Lは、基板Gの横幅サイズをカバーする長さを有しており、リンス液供給部(図示せず)より送られてくるリンス液を噴き出すようになっている。リンス室R3においても、チャンバ背面側の壁10dの上部に1つ(または複数)の排気ポート44が設けられており、底にはドレイン口46が設けられている。
【0024】
下流側のチャンバ12は、専用の液切り乾燥室R4になっている。搬送方向(X方向)と向き合うチャンバ12の外壁12a,12bには、コロ搬送路14上を移動する基板Gが通れるスリット状の開口48,50がそれぞれ形成されている。ここで、開口48は入口であり,開口50は出口である。
【0025】
液切り乾燥室R4内には、コロ搬送路14を挟んで搬送方向(X方向)に対して斜めに上部および下部エアナイフ52U,52Lが配置されている。両エアナイフ52U,52Lは、基板Gの横幅サイズをカバーする長さを有しており、それぞれの吐出口を液切り乾燥室R4の入口48側および正面側の中間の方位に向けて、乾燥ガス供給部(図示せず)より送られてくる液切り乾燥用の高圧の気体(通常はエア、場合によっては窒素ガス)を鋭利なナイフ状の気流で噴射するようになっている。
【0026】
液切り乾燥室R4には、チャンバ正面側の壁10cの上部に1つ(または複数)の上部排気ポート54が設けられるとともに、室内の底部に複数(または1つ)の排気ポート56が設けられている。また、液切り乾燥室R4には、両エアナイフ52U,52Lの後方または下流側の天井に、FFU(ファン・フィルタ・ユニット)58が設置されている。このFFU58は、室外の空気を引き込むファンと、空気中の塵を除去するフィルタとを有し、清浄な空気をダウンフローで室内に供給する。液切り乾燥室R4の底には、ドレイン口60が設けられている。
【0027】
コロ搬送路14には、基板Gの幅サイズをカバーする長さの搬送ローラまたはコロ62が搬送方向(X方向)に一定間隔で敷設されている。この実施形態では、コロ62が、チャンバ10,12の中に収容され、チャンバ10,12の外に配置されている搬送駆動源により伝動機構を介して回転駆動されるようになっている。
【0028】
ここで、この洗浄処理装置における全体の動作および作用を説明する。当該レジスト塗布現像処理システムにおいて、カセットステーションよりプロセスラインに投入された基板Gは、最初にエキシマUV照射ユニット(図示せず)で紫外線照射処理を受けて基板表面の有機汚染物を除去され、それからコロ搬送路14上を平流しで移動してこの洗浄処理装置のブラッシング洗浄室R1に入口20から搬入される。
【0029】
ブラッシング洗浄室R1において、基板Gは、最初にプリウエット用の上部および下部プリウエットノズル28U,28Lにより基板全体にたとえば酸またはアルカリ系の薬液を噴き掛けられる。次いで、基板Gは、上部および下部ロールブラシ30U,30Lの下を順次擦りながら通り抜ける。両ロールブラシ30U,30Lは、ブラシ駆動部の回転駆動力で搬送方向と対抗する向きに回転し、基板表面の異物(塵埃、破片、汚染物等)を擦り取る。その直後に、リンス用の上部および下部リンスノズル32U,32Lが基板Gにリンス液たとえば純水を噴き掛け、基板上に浮遊している異物を洗い流す。ブラッシング洗浄室R1内で基板Gから底に落ちた液(薬液、リンス液等)は、ドレイン口36より排出される。
【0030】
基板Gは、リンスノズル32U,32Lを通り抜けた直後に、隔壁16の基板出入り口22を通ってブロー洗浄室R2に入る。ブロー洗浄室R2では、上部および下部2流体ノズル38U,38Lが、ノズル内で洗浄液を高圧の気体(たとえばエア)と混合して粒状の液滴を生成し、生成した液滴を基板Gのおもて面(上面)および裏面(下面)に向けて高圧のジェット流で、またはスプレー状に噴き掛ける。こうして、流状の液滴が基板Gの表面に衝突することで、基板表面に残存していた異物が十全に除去される。ブロー洗浄室R2内で基板Gから底に落ちた液(洗浄液等)は、ドレイン口42より排出される。
【0031】
ブロー洗浄室R2の次に基板Gはリンス室R3を通過する。リンス室R3では、上部および下部リンスノズル42U,42Lがコロ搬送路14上の基板Gにリンス液たとえば純水を噴き掛ける。これによって、ブロー洗浄室R2から持ち込まれた基板G上の液(異物が浮遊している液)がリンス液に置換される。リンス室R3内で基板Gから底に落ちた液(洗浄液、リンス液等)は、ドレイン口46より排出される。
【0032】
基板Gは、リンス室R3を出ると同時に隣の液切り乾燥室R4に入る。液切り乾燥室R4では、コロ搬送路14上の基板Gに対して、上部および下部エアナイフ52U,52Lがナイフ状の鋭利な高圧の気体流たとえばエア流を搬送方向に斜め逆らう方向に当てる。これによって、基板Gに付いていた液(大部分がリンス液)は高圧エア流の風力で払い落とされ、液切り乾燥室R4の底に落ちた液はドレイン口60より排出される。こうして、上部および下部エアナイフ52U,52Lの間を通り過ぎた基板Gの表面は乾いた状態になる。
【0033】
液切り乾燥室R4の出口50を出た基板Gは、そのままコロ搬送路14を平流しで移動して後段の熱処理装置(図示せず)へ入る。
【0034】
この洗浄処理装置においては、ブラッシング洗浄室R1に設けられるプリウエットノズル28U/28Lおよびリンスノズル32U/32L、ブロー洗浄室R2に設けられる2流体ノズル38U/38Lならびにリンス室R3に設けられるリンスノズル42U/42Lのいずれにも本発明の長尺型処理液吐出ノズルを適用することが可能であり、それによって、基板G上の各部に均一な液処理(薬液ウエット処理、リンス処理等)を施し、洗浄処理能力および信頼性を向上させている。

[処理液吐出ノズルの実施形態1]
【0035】
次に、本発明の一実施形態における処理液吐出ノズルの構成および作用を説明する。図2および図3に、本発明の一実施形態におけるスプレーノズル(処理液吐出ノズル)64とこれを支持するためのノズル支持66の構成を示す。
【0036】
このスプレーノズル64は、基本構成として、基板Gの横幅サイズ(Y方向サイズ)を上回るたとえば2〜3mの全長を有する管状のノズル本体またはノズルヘッダ管68と、このノズルヘッダ管68に長手方向一列に並んで取り付けられる多数のノズルチップ70とを有し、これらのノズルチップ70を下に向けて、その両端部をノズル支持部66により支持される。
【0037】
ノズルヘッダ管68は、一端(図の左端)が処理液供給源(図示せず)に通じている配管72に接続され、他端(図の右端)が閉塞されている。ノズルヘッダ管68の材質は、好ましくは加工性および耐薬性にすぐれたポリ塩化ビニル(PVC)であるが、他の樹脂あるいはステンレス鋼等の金属を用いてもよい。ノズルチップ70も、ポリ塩化ビニルあるいは他の樹脂または金属からなり、ノズルヘッダ管68に着脱可能にねじ込まれ、あるいは溶接で固着される。図3に示すように、各々のノズルチップ70は、処理液供給源より配管72を通ってノズルヘッダ管68に導入された処理液(薬液、リンス液等)をスプレー状に噴出するように構成されている。
【0038】
スプレーノズル64において、ノズルヘッダ管68のノズルチップ70を取り付けている底の面とは反対側の頂面(補強面)68aには、ノズルヘッダ管68が重力で撓むのを防止するためのたわみ補正機構74が取り付けられている。このたわみ補正機構74は、次のような多数の部品からなる組立体として構成されている。
【0039】
すなわち、たわみ補正機構74は、ノズルヘッダ管68の長手方向の中心と一端との間の第1の中間点PM1でノズルヘッダ管68の補強面68aに突出して設けられる第1の中間ジョイント部78と、ノズルヘッダ管68の長手方向の中心と他端との間の第2の中間点PM2でノズルヘッダ管68の補強面68aに突出して設けられる第2の中間ジョイント部80と、ノズルヘッダ管68の第1および第2の中間ジョイント部78,80の間たとえば長手方向の中心点PCでノズルヘッダ管68の補強面68aに突出して設けられる中心ジョイント部76と、中心ジョイント部76と第1の中間ジョイント部78との間に架け渡される第1の連結棒82と、中心ジョイント部76と第2の中間ジョイント部80との間に架け渡される第2の連結棒84とを有している。たわみ補正機構74の各部(76〜84)も、その材質として、ポリ塩化ビニル(PVC)を好適に用いてよいが、他の樹脂あるいはステンレス鋼等の金属を用いてもよい。たわみ補正機構74のより詳細な構成および組立方法については後に説明する。
【0040】
ノズル支持部66は、チャンバ10の正面側および背面側の壁10c,10dにそれぞれ同じ高さ位置でボルト86によって固定される一対の取付金具88と、各々の取付金具88上でスプレーノズル64のノズルヘッダ管68の両端部を着脱可能に保持する1つまたは複数のクランプ90とを有している。
【0041】
図4Aおよび図4Bに、クランプ90の構成および作用を示す。クランプ90は、たとえば樹脂からなる一体成型品として形成され、ベース部92と、このベース部92に開閉変位可能に一体結合されている一対の円弧状保持片94,96を有している。これら一対の円弧状保持片94,96の上端部には、互いに係合可能な凸部または爪部98および凹部100がそれぞれ形成されている。円弧状保持片94,96をそれぞれの上端部が重なり合うように突き合わせ、円弧状保持片94の爪部98と円弧状保持片96の凹部100とを係合させることにより、両円弧状保持片94,96の内側に装入されたノズルヘッダ管68をしっかりと保持することができる。この保持状態から爪部98と凹部100を外すと、両円弧状保持片94,96が分離して開放状態となり、ノズルヘッダ管68の装入または取り外しが可能となる。このように、ノズル支持部66は、クランプ90を通じて、スプレーノズル64を安定・堅固に保持し、かつその着脱を容易に行えるようになっている。
【0042】
再び図3において、コロ搬送路14は、スプレーノズル64およびノズル支持部66の下を通っている。コロ搬送路14を構成する各コロ62の両端は、チャンバ10の正面側および背面側の壁10c,10dに固定された左右一対の軸受100,102に回転可能にそれぞれ支持されている。コロ62は、一定の太さ(径)を有する剛体のシャフトを有し、このシャフトの両端部に基板Gの両側端(長辺縁部)を支持する円筒形のローラ部62aを取り付け、シャフト中間部に基板Gの中間部を支持する複数の円筒形ローラ部62bを取り付けている。両端のローラ部62aには基板Gの下端側の側面を受ける鍔状の太径部が一体に形成されている。搬送駆動部104は、チャンバ背面側の壁10dに支持台106を介して固定された電気モータ108と、この電気モータ108の回転駆動力を各コロ62に伝えるための伝動機構とを有する。この伝動機構は、電気モータ108の回転軸に無端ベルト110を介して接続された搬送方向(X方向)に延びる回転駆動シャフト112と、この回転駆動シャフト112と各コロ62とを作動結合する交差軸型のギア114とを有している。搬送駆動部104とコロ搬送路14とによって、平流し搬送部が構成されている。コロ搬送路14の下には、基板G上からこぼれ落ちた処理液、あるいは連続する基板Gの合間にスプレーノズル64から吐出された処理液を受け集めるためのパン116が設けられている。
【0043】
次に、図5A〜図5Eを参照して、この実施形態におけるたわみ補正機構74のより詳細な構成および組立方法を説明する。
【0044】
先ず、図5Aに示すように、たわみ補正機構74を取り付ける前のスプレーノズル64つまりノズルヘッダ管68は、その両端部が略同じ高さ位置で支持された状態で空中に置かれると、自重によって中心部が沈むように下に撓む。たとえば、ノズルヘッダ管68がPVC製で、その全長LTが約2500mmの場合、管内が空の状態(処理液が入っていない状態)でも、撓み量(中心部の沈み量)Dは約20mmにもなる。ノズルヘッダ管68の中に処理液が入っているときは、撓み量Dは更に大きくなる。
【0045】
この実施形態においては、図5Bに示すように、たわみ補正機構74を取り付ける前のスプレーノズル64つまりノズルヘッダ管68を自重が作用しない状態で、たとえば水平な作業テーブル(図示せず)の上に載せた状態で、まっすぐに延ばす。そして、ノズルヘッダ管68にたわみ補正機構74を取り付けるに先立ち、その長さ方向の中心点PC、第1および第2の中間点PM1,PM2の3箇所にて、ノズルヘッダ管68の補強面68aに固定ピン118,120,122をたとえば溶接でそれぞれ固着する。なお、第1および第2の中間点PM1,PM2は、中心点PCとノズルヘッダ管68の両端との真ん中付近にそれぞれ設定されるのが好ましく、中心点PCと第1の中間点PM1との間の距離をLM1、中心点PCと第2の中間点PM2との間の距離をLM2とすると、LM1=LM2またはLM1≒LM2の関係が好ましい。
【0046】
一方、たわみ補正機構74においては、中心ジョイント部76、第1および第2の中間ジョイント部78,80、第1および第2の連結棒82,84の各部品を用意する。ここで、中心ジョイント部76にはT字継手たとえばT字管を好適に使用し、第1および第2の中間ジョイント部78,80にはエルボ継手たとえばエルボ管を好適に使用することができる。第1および第2の連結棒82,84は中空管または中実管のいずれであってもよく、丸棒に限らず、角棒であってもよい。
【0047】
そして、第1の連結棒82の両端部を中心ジョイント部(T字管)76の一方の横筒部および第1の中間ジョイント部(エルボ管)78の横筒部にそれぞれ挿入して、第1の補強組立体124を作製する。さらに、第2の連結棒84の両端部を中心ジョイント部76の他方の横筒部および第2の中間ジョイント部(エルボ管)80の横筒部にそれぞれ挿入して、第2の補強組立体126を作製する。第1および第2の補強組立体124,126の強度を高めるために、各々の連結箇所に接着剤を用いるのも好ましい。第1および第2の補強組立体124,126がこのように一体的に合わさって、たわみ補正機構74の組立体が出来上がる。
【0048】
次に、図5Cに示すように、自重が作用しない作業テーブル上で、たわみ補正機構74の中心ジョイント部76ならびに第1および第2の中間ジョイント部78,80をノズルヘッダ管68の固定ピン118,120,122にそれぞれ対向させる。ここで、たわみ補正機構74において、中心ジョイント部76の中心縦軸と第1の中間ジョイント部78の中心縦軸との間の距離つまり第1の補強組立体124の有効長をLH1とし、中心ジョイント部76の中心縦軸と第2の中間ジョイント部80の中心縦軸との間の距離つまり第2の補強組立体126の有効長をLH2とすると、LM1<LH1、LM2<LH2の関係が好ましい。一例として、LM1,LM2=700mmの場合は、LH1、LH2=710mmに選ばれるのが好ましい。
【0049】
そして、中心ジョイント部(T字管)76の縦筒部を固定ピン118に嵌合させるとともに、第1および第2の中間ジョイント部(エルボ管)78,80の縦筒部を固定ピン120,122にそれぞれ嵌合させる。そうすると、図5Dに示すように、自重が作用しない作業テーブル上の組立状態では、上記のようなLM1<LH1、LM2<LH2の関係により、たわみ補正機構74(第1および第2の補強組立体124,126)が外側に位置し、ノズルヘッダ管68が内側に位置する関係で、両者(74,68)が略同心円状に撓む。この場合、たわみ補正機構74の中心ジョイント部76とノズルヘッダ管68の中心部の間に生じる応力FMが、互いに湾曲変形を生じさせるモーメントとして作用する。こうして、ノズルヘッダ管68の補強面68aにたわみ補正機構74が一体的に取り付けられる。
【0050】
次に、上記のようにしてたわみ補正機構74を取り付けたスプレーノズル64を平流し搬送路の上に架かるようにして両側のノズル支持部66,66に取り付ける。そうすると、図5Eに示すように、スプレーノズル64を空中に設置した状態では、スプレーノズル64全体に重力が作用することにより、各部に作用する力のバランスでノズルヘッダ管68がまっすぐな姿勢になり、たわみ補正機構74の第1および第2の連結棒82,84もまっすぐになる。ここで、第1および第2の連結棒82,84がノズルヘッダ管68と平行に一直線上に並んで延びるのが好ましい。
【0051】
この場合、空中に架けられたスプレーノズル64においては、ノズルヘッダ管68の中心点PC(重心)にかかる重力Fcが上記モーメント力FMに打ち勝つ。さらに、この重心重力Fcが、中心ジョイント部76、第1および第2の連結棒82,84ならびに第1および第2の中間ジョイント部78,80を介してノズルヘッダ管68の第1および第2の中間点PM1,PM2に伝わり、第1および第2の中間点PM1,PM2にも下向きの力FM1,FM2が作用する。このため、ノズルヘッダ管68の中心点PCが重心重力Fcによって下に変位しようとしても、第1および第2の中間点PM1,PM2が中心点PCからたわみ補正機構74を介して伝達される重力(中間重力)FM1,FM2によって同じく下に変位しようとするので、ノズルヘッダ管68全体の湾曲変形つまり撓みが阻止される。
【0052】
さらに、この実施形態では、上記のようにLM1<LH1、LM2<LH2の関係の下で中心ジョイント部76の縦筒部を固定ピン118に嵌合させるとともに、第1および第2の中間ジョイント部78,80の縦筒部を固定ピン120,122にそれぞれ嵌合させているので、中心ジョイント部76と第1および第2の中間ジョイント部78,80との間で第1および第2の連結棒82,84が縮む方向に応力を受けてごく僅かであるが変形している。したがって、第1および第2の連結棒82,84は、この変形状態から原状態に復帰しようとして中心ジョイント部76と第1および第2の中間ジョイント部78,80に横方向外向きの力(反作用)FN1,FN2を及ぼし、ひいてはノズルヘッダ管68の第1および第2の中間点PM1,PM2に横方向(ノズル長手方向)外向きの応力FT1,FT2を与える。これらノズル長手方向の応力FT1,FT2も、ノズルヘッダ管68の湾曲変形つまり撓みを阻止する方向に働く。
【0053】
このように、この実施形態の処理液吐出ノズル64は、ノズルヘッダ管68に上記構成のたわみ補正機構74を一体的に取り付けることにより、ノズル支持部66によってノズルヘッダ管68の両端部だけを支持されればそれで十分であり、ノズルヘッダ管68の中心部が重力で沈むように撓むことはなく、常に水平一直線の姿勢を保つことができる。
【0054】
こうして、処理液吐出ノズル64においては、図3に示すように、ノズルヘッダ管68に取り付けられている多数のノズルチップ70が同じ高さ位置で一直線上に並び、ノズル長手方向で各ノズルチップ70とコロ搬送路14上の基板Gとの距離間隔が均一になる。これにより、基板G上の各部に均一な液処理(薬液ウエット処理、リンス処理等)が施される。

[他の実施形態または変形例]
【0055】
上記実施形態のスプレーノズル64においては、たわみ補正機構74よりノズルヘッダ管68に与えられるノズル長手方向の応力FT1,FT2を調整するためのねじ機構を備えることができる。
【0056】
図6に示す構成例は、ノズルヘッダ管68の第1の中間点PM1に与えるノズル長手方向の応力FT1を調整するために、第1のエルボ継手78に第1の連結棒82を螺合させている。より詳細には、エルボ継手78の横筒部を貫通させて、その横筒部に雌ねじ部130を形成するとともに、エルボ継手78の横筒部を貫通する連結棒82の胴部にエルボ継手78の雌ねじ部130と螺合可能な雄ねじ部132を形成する。T字継手76には、連結棒82の先端部を受け入れる横筒部にざぐり穴(盲孔)134が形成している。このざぐり穴134の終端面に連結棒82の先端が当たるようにする。エルボ継手78の外側に出ている連結棒82の頭部138を回し、その回転の向きと回転量に応じて、連結棒82を軸方向で双方向に動かすことができる。
【0057】
この場合、第1の連結棒82を前進させる向きにその頭部138を回すと、第1の補強組立体124の有効長LH1が長くなって、ノズルヘッダ管68の中心点PCおよび第1の中間点PM1にそれぞれ与えられる長手方向の応力FTC,FT1が増大する。反対に、第1の連結棒82を後退させる向きにその頭部138を回すと、第1の補強組立体124の有効長LH1が短くなって、ノズルヘッダ管68の中心点PCおよび第1の中間点PM1にそれぞれ与えられる長手方向の応力FTC,FT1が減少する。
【0058】
図示省略するが、ノズルヘッダ管68の第2の中間点PM2に与えるノズル長手方向の応力FT2を調整するために、第2の連結棒84回りにも上記と同様のねじ機構を設けることができる。また、図示省略するが、連結棒82(84)の胴部を、長手方向で頭部138側の雌ねじ部132と、ねじ山の無い部分133とに2分割することも可能である。
【0059】
図7に示す構成例は、第1の連結棒82をダブル雄ねじの中間連結棒140を挟んで第1および第2の片側連結棒142,144に2分割し、中間連結棒140に対して第1および第2の片側連結部を逆向きで螺合させている。より詳細には、第1および第2の片側連結棒142,144の相対向する先端部に雌ねじ部146,148をそれぞれ形成し、中間連結棒140の一方の雄ねじ部140aを第1の片側連結棒142の雌ねじ部146に螺合させ、中間連結棒140の他方の雄ねじ部140bを第2の片側連結棒144の雌ねじ部148に螺合させている。ここで、中間連結棒140の一方の雄ねじ部140aと他方の雄ねじ部140bはねじ山の螺旋方向が逆向きになっている。これにより、中間連結棒140の中心部に設けられたつまみ部149を回すと、その回転方向および回転量に応じて、第1および第2の片側連結棒142,144を同時に互いに接近する方向もしくは互いに遠ざかる方向に動かすことができる。エルボ継手78およびT字継手76には、片側連結棒142,144の他方の端部を受け入れる横筒部にざぐり穴(盲孔)150,152がそれぞれ形成されている。これらのざぐり穴(盲孔)150,152の終端面に片側連結棒142,144の先端がそれぞれ当たるようにする。
【0060】
この場合、第1および第2の片側連結棒142,144を互いに遠ざける向きに中間連結棒140のつまみ部149を回すと、第1の補強組立体124の有効長LH1が長くなって、ノズルヘッダ管68の中心点PCおよび第1の中間点PM1にそれぞれ与えられる長手方向の応力FTC,FT1が増大する。反対に、第1および第2の片側連結棒142,144を互いに近づける向きに中間連結棒140のつまみ部149を回すと、第1の補強組立体124の有効長LH1が短くなって、ノズルヘッダ管68の中心点PCおよび第1の中間点PM1にそれぞれ与えられる長手方向の応力FTC,FT1が減少する。図7の構成例は、第2の連結棒84回りにも同様に適用可能である。
【0061】
上記実施形態の処理液吐出ノズル64においては、別の変形例として、図8Aに示すように、たわみ補正機構74のT字継手(T字管)76、第1および第2のエルボ継手(エルボ管)78,80に流路コネクタ160,162,164を介して処理液供給管72(またはその分岐管)に接続する構成も可能である。この場合、処理液供給源からの処理液は、処理液供給管72、流路コネクタ160,162,164、T字継手(T字管)76、第1および第2のエルボ継手(エルボ管)78,80を通ってノズルヘッダ管68内に導入される。
【0062】
あるいは、図8Bに示すように、たわみ補正機構74の第1および第2の連結棒82,84に中空管を用いて、T字継手(T字管)76と第1および第2のエルボ継手(エルボ管)78,80とを連通させ、処理液供給管72をたとえばT字継手(T字管)76だけに接続する構成も可能である。
【0063】
上記実施形態の処理液吐出ノズル64におけるたわみ補正機構74は、多数の部品(76〜84)からなる組立体として構成された。しかし、上記実施形態の中心ジョイント部76、第1および第2の中間ジョイント部78,80および第1および第2の連結棒82,84に相当する各部を有する一体成型品として、たわみ補正機構74を構成することも可能である。
【0064】
さらに、別の実施形態のたわみ補正機構74'として、図9Bに示すように、中心ジョイント部76'を第1および第2の中間ジョイント部78',80'よりも短くする構成を好適に採ることができる。なお、図9Bは、たわみ補正機構74'を取り付ける前のスプレーノズル64つまりノズルヘッダ管68を自重が作用しない水平な作業テーブル(図示せず)の上に載せてまっすぐに延ばしている状態を示している。この場合も、図9Aに示すように、たわみ補正機構74'を取り付ける前のスプレーノズル64つまりノズルヘッダ管68をその両端部を支持して空中に置くと、自重によって中心部が沈むように下に撓む。
【0065】
たわみ補正機構74'においては、図9Bに示すように、中心ジョイント部76'、第1および第2の中間ジョイント部78',80'、第1および第2の棒状連結部82',84'を一体成型品で構成するのが好ましい。ここで、たわみ補正機構74'をノズルヘッダ管68に取り付ける前に、中心ジョイント部76'をノズルヘッダ管68の中心点Pcに対向させたときに、第1および第2の中間ジョイント部78',80'の下端が第1および第2の中間点PM1,PM2よりも中心点Pc寄りに位置する構成、つまり第1および第2の棒状連結部82',84'の長さをそれぞれL1,L2とすると、L1<LM1、L2<LM2の関係が好ましい。
【0066】
そして、図9Cに示すように、自重が作用しない作業テーブル上で、たわみ補正機構74'の中心ジョイント部76'、第1および第2の中間ジョイント部78',80'のそれぞれの端(下端)をノズルヘッダ管68の中心点Pc、第1および第2の中間点PM1,PM2に溶接で結合する。こうしてたわみ補正機構74'をノズルヘッダ管68に結合すると、可撓性のノズルヘッダ管68が、第1および第2の中間点PM1,PM2の間で第1および第2の棒状連結部82',84'に寄るように変形して、水平な作業テーブル上で図示のように撓む。
【0067】
次に、上記のようにしてたわみ補正機構74'を取り付けたスプレーノズル64を平流し搬送路の上に架かるようにして両側のノズル支持部66,66に取り付ける。そうすると、図9Dに示すように、スプレーノズル64を空中に設置した状態では、スプレーノズル64全体に重力が作用することにより、各部に作用する力のバランスでノズルヘッダ管68がまっすぐな姿勢になる。
【0068】
たわみ補正機構74'においては、第1の中間ジョイント部78'と第1の棒状連結部82'との接続点A1および第2の中間ジョイント部80'と第2の棒状連結部84'との接続点A2がさらに中心点Pc寄りにシフトする。つまり、たわみ補正機構74'の方が変形する。たわみ補正機構74'がこの変形状態から図9Cの原状態に復帰しようとして、ノズルヘッダ管68の第1および第2の中間点PM1,PM2には横方向(ノズル長手方向)の内向きの応力FT1,FT2を与え、ノズルヘッダ管68の中心点Pcには上向きの応力FUを与える。これらノズル長手方向の応力FT1,FT2および上向きの応力FUは、第1および第2の中間点PM1,PM2に与えられる中間重力FM1,FM2と共に、ノズルヘッダ管68全体の湾曲変形つまり撓みを阻止する方向に働く。
【0069】
したがって、この実施形態においても、ノズルヘッダ管68に上記構成のたわみ補正機構74'を一体的に取り付けることにより、ノズル支持部66によってノズルヘッダ管68の両端部だけを支持されればそれで十分であり、ノズルヘッダ管68の中心部が重力で落ち込むように撓むことはなく、常に水平一直線の姿勢を保つことができる。
【0070】
他にも種種の変形が可能である。たとえば、上記実施形態のたわみ補正機構74(74')は、ノズルヘッダ管68の中心点Pcの両側に一対の中間点PM1,PM2を設定し、一対の中間ジョイント部78,80を設けたが、二対以上の中間点および中間ジョイント部を設けることも可能である。また、本発明において中心ジョイント部76と結合するノズルヘッダ管68の部位は、必ずしもノズルヘッダ管68の中心点Pcである必要はなく、中心点Pcから長手方向にずれていてもよい。一対の中間点PM1,PM2を設ける場合も、それらの中間点PM1,PM2が必ずしもノズルヘッダ管68上で中心点Pcと両端との真ん中である必要はなく、そこから長手方向にずれていても構わない。したがって、第1および第2の棒状連結部(連結棒)82,84の長さが違っていてもよい。
【0071】
また、本発明の処理液吐出ノズルの吐出部においても種種の変形が可能である。たとえば、上記実施形態では、ノズルヘッダ管68に長手方向一列に並んで分布する多数の離散型吐出口(開口)にノズルチップ70を取り付けている。一変形例として、ノズルヘッダ管68の離散型吐出口にノズルチップ70を取り付けずに、各吐出口(開口)から処理液をそのまま噴出させることも可能である。また、ノズルヘッダ管68に多数の離散型吐出口またはノズルチップ70をたとえば千鳥状に複数列設けることも可能である。さらに、別の変形例として、ノズルヘッダ管68に長手方向に延びるスリット状の吐出口を設け、そのスリット吐出口より処理液を帯状に噴出させることも可能である。
【0072】
また、搬送系においては、コロ搬送路84に代えて、たとえばベルトコンベア等の他の平流し搬送路を用いてもよい。本発明の平流し搬送において、基板は任意の姿勢をとることが可能であり、水平姿勢の平流し搬送であってもよいが、傾斜姿勢の平流し搬送も可能である。
【0073】
上記実施形態の基板処理装置は平流し方式の洗浄処理装置に係るものであったが、本発明は長尺型の処理液吐出ノズルを備える任意の基板処理装置に適用可能であり、たとえば平流し方式の現像処理装置にも適用可能である。その場合、たとえば現像液ノズルやリンスノズル等に本発明の長尺型の処理液吐出ノズルを適用することができる。
【0074】
本発明における被処理基板はLCD基板に限らず、他のフラットパネルディスプレイ用基板、太陽電池用基板、半導体ウエハ、CD基板、ガラス基板、フォトマスク、プリント基板等も可能である。
【符号の説明】
【0075】
14 平流し搬送路
28U,28L プリウエットノズル
32U,32L リンスノズル
38U,38L 2流体ノズル
42U,42L リンスノズル
64 処理液吐出ノズル
66 ノズル支持部
68 ノズルヘッダ管
72 配管(処理液供給管)
74,74' たわみ補正機構
76 中心ジョイント部
78 第1の中間ジョイント部
80 第2の中間ジョイント部
82 第1の棒状連結部(連結棒)
84 第2の棒状連結部(連結棒)
90 クランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理液供給源に接続されるノズルヘッダ管と、
前記ノズルヘッダ管に長手方向に分布または開口して設けられ、前記処理液供給源より前記ノズルヘッダ管に導入された処理液を噴出する吐出部と、
前記ノズルヘッダ管の長手方向の一端と中心との間の第1の中間点で、前記ノズルヘッダ管の前記吐出部とは反対側の補強面に突出して設けられる第1の中間ジョイント部と、
前記ノズルヘッダ管の長手方向の他端と中心との間の第2の中間点で、前記ノズルヘッダ管の前記補強面に突出して設けられる第2の中間ジョイント部と、
前記ノズルヘッダ管の前記第1の中間点と前記第2の中間点との間で、前記ノズルヘッダ管の前記補強面に突出して設けられる中心ジョイント部と、
前記中心ジョイント部と前記第1の中間ジョイント部との間に架け渡される第1の棒状連結部と、
前記中心ジョイント部と前記第2の中間ジョイント部との間に架け渡される第2の棒状連結部と
を有する処理液吐出ノズル。
【請求項2】
前記中心ジョイント部が、前記ノズルヘッダ管の長手方向の中心付近に設けられる、請求項1に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項3】
前記吐出部が、前記ノズルヘッダ管に長手方向一列または複数列に並んで形成され、前記処理液供給源より前記ノズルヘッダ管に導入された処理液をそれぞれ噴出する多数の離散型吐出口を有する、請求項1または請求項2に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項4】
前記離散型吐出口に、処理液をスプレー状に噴出するノズルチップが取り付けられる、請求項3に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項5】
前記吐出部が、前記ノズルヘッダ管に長手方向に延びて形成され、前記処理液供給源より前記ノズルヘッダ管に導入された処理液を帯状に噴出するスリット状の吐出口を有する、請求項1または請求項2に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項6】
前記第1および第2の棒状連結部の長さが等しい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項7】
前記第1および第2の棒状連結部が、前記ノズルヘッダ管と平行である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項8】
前記中心ジョイント部、前記第1および第2の中間ジョイント部ならびに前記第1および第2の棒状連結部が一体成型されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項9】
前記中心ジョイント部が、前記第1および第2の棒状連結部の一方の端部と結合するT字継手を有し、
前記第1および第2の中間ジョイント部が、前記第1および第2の棒状連結部の他方の端部と結合する第1および第2のエルボ継手をそれぞれ有する、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項10】
前記中心ジョイント部が、前記T字継手の縦筒部に嵌合可能で、前記ノズルヘッダ管に固着される中心支持ピンを有し、
前記第1および第2の中間ジョイント部が、前記第1および第2のエルボ継手の縦筒部とそれぞれ嵌合可能で、前記ノズルヘッダ管に固着される第1および第2の中間支持ピンを有する、
請求項9に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項11】
前記中心支持ピンと嵌合する前の前記T字継手と前記第1の棒状連結部と前記第1のエルボ継手とが一体化された第1の補強組立体の有効長が、前記第1の中間ジョイント部と前記中心ジョイント部との間の距離よりも長く、
前記中心支持ピンと嵌合する前の前記T字継手と前記第2の棒状連結部と前記第2のエルボ継手とが一体化された第2の補強組立体の有効長が、前記第2の中間ジョイント部と前記中心ジョイント部との間の距離よりも長い、
請求項10に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項12】
前記第1の補強組立体または前記第2の補強組立体より前記ノズルヘッダ管に与えられる長手方向の応力を調整するためのねじ機構を有する、請求項11に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項13】
前記ねじ機構が、前記第1のエルボ継手または前記第2のエルボ継手に前記第1の棒状連結部または前記第2の棒状連結部を螺合させている、請求項12に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項14】
前記ねじ機構が、前記第1の棒状連結部または前記第2の棒状連結部を棒状の中間連結部を挟んで第1および第2の片側連結部に2分割し、前記中間連結部に対して前記第1および第2の片側連結部を逆向きで螺合させている、請求項12記載の処理液吐出ノズル。
【請求項15】
前記第1および第2の棒状連結部が、前記中心ジョイント部ならびに前記第1および第2の中間ジョイント部に接着剤で接合される、請求項8〜14のいずれか一項に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項16】
前記中心ジョイント部が、前記第1および第2の中間ジョイント部よりも短い、請求項1〜6のいずれか一項に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項17】
前記中心ジョイント部、前記第1および第2の中間ジョイント部ならびに前記第1および第2の棒状連結部が一体成型されている、請求項16に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項18】
前記中心ジョイント部ならびに前記第1および第2の中間ジョイント部が前記ノズルヘッダ管に溶接で結合される、請求項16または請求項17に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項19】
前記第1の棒状連結部が、前記第1の中間ジョイント部と前記中心ジョイント部との間の距離よりも短く、
前記第2の棒状連結部が、前記第2の中間ジョイント部と前記中心ジョイント部との間の距離よりも短い、
請求項1〜8,16〜18のいずれかき一項に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項20】
前記処理液供給源からの処理液が前記中心ジョイント部ならびに前記第1および第2の中間ジョイント部を介して前記ノズルヘッダ管に導入される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項21】
前記ノズルヘッダ管がポリ塩化ビニルからなる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項22】
前記中心ジョイント部、前記第1および第2の中間ジョイント部ならびに前記第1および第2の棒状連結部がいずれもポリ塩化ビニルからなる、請求項21に記載の処理液吐出ノズル。
【請求項23】
被処理基板を水平な方向に平流しで搬送するための平流し搬送路を有する搬送部と、
前記平流し搬送路上の前記基板に前記処理液を噴き掛けるために、前記平流し搬送路の上方または下方で搬送方向と交差する方向に架け渡される、請求項1〜22のいずれか一項に記載の処理液吐出ノズルと、
前記処理液吐出ノズルに前記処理液を供給する処理液供給源と、
前記搬送路の両側で前記処理液吐出ノズルの両端を支持するノズル支持部と
を有する基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−66829(P2013−66829A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205868(P2011−205868)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】