説明

処理産廃量確認装置

【課題】産業廃棄物の処理依頼量と処理実績量とを確実に確認可能な装置を提供すること。
【解決手段】処理産廃量確認装置1は、管理者から入力された産業廃棄物の処理依頼量を管理番号に対応付けて記憶する依頼量DB12と、産廃処理業者2から受信した産業廃棄物の処理実績量を管理番号に関連付けられた処理番号に対応付けて記憶する実績量DB14と、依頼量DB12に記憶された処理依頼量と実績量DB14に記憶され、処理依頼量の管理番号に関連する処理番号に対応付けられた処理実績量とを比較する比較手段15と、その比較結果を表示装置に表示する表示制御手段16と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所から発生した産業廃棄物の適切な管理に用いられる処理産廃量確認装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、発電所等の産業設備では、発生した廃棄物(産業廃棄物)の処理を、マニフェスト(管理票)を用いて適切に管理することとしている。すなわち、産業廃棄物は、排出事業者にその処理責任があることから、産業廃棄物の運搬・処分が適切に行われたかをマニフェストにより排出事業者が確実に確認できるようにしている。
【0003】
マニフェストの管理について、例えば、特許文献1には、最終処分場に委託するにあたってのマニフェストデータの紐付け作業を適正且つ効率良く行うことのできるマニフェストデータ管理装置が開示されている。特許文献1のマニフェストデータ管理装置によれば、マニフェストデータ管理業務に係わる効率や適正性の向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−012108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、産業廃棄物の排出事業者は、排出者責任を果たすため処理委託した産業廃棄物の量(処理依頼量)と、実際に処分された産業廃棄物の量(処理実績量)とが一致するか否か確認する必要がある。そのため、排出事業者は、一定の周期で処理依頼量と処理実績量とを比較し、一致するか否かを確認している。しかしながら、発電所等から発生する産業廃棄物は膨大であり、確認に多大な労力がかかるため、確認ミスや確認漏れが発生してしまうおそれがあった。確認ミスや確認漏れが発生した場合には、排出者責任を果たすことができないため、処理依頼量と処理実績量とを確実に確認可能な装置が求められていた。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、産業廃棄物の処理依頼量と処理実績量とを確実に確認可能な装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 産廃処理業者に処理を依頼した産業廃棄物の処理依頼量を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段が受け付けた前記処理依頼量を、固有の識別子に対応付けて記憶する依頼量DBと、前記依頼に基づいて実際に処理した産業廃棄物の処理実績量を前記産廃処理業者から受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記処理実績量を前記識別子に対応する固有の識別情報に対応付けて記憶する実績量DBと、前記依頼量DBに記憶された前記処理依頼量と、前記実績量DBに記憶された前記処理実績量のうち、当該処理依頼量に対応付けられた前記識別子に対応する前記識別情報に対応付けられた処理実績量と、を比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果を表示装置に表示する表示制御手段と、を備える処理産廃量確認装置。
【0008】
(1)の処理産廃量確認装置によれば、産廃処理業者に処理を依頼した処理依頼量と、当該依頼に基づいて産廃処理業者が実際に処理した処理実績量とを比較手段が比較すると、その比較結果が表示装置に表示される。これにより、処理依頼量と処理実績量との比較を自動的に行うことができ、人為的なミス(確認ミスや確認漏れ)を防止でき、産業廃棄物の処理依頼量と処理実績量とが一致するか否かを確実に確認することができる。
【0009】
(2) 前記比較手段は、前記比較を所定の周期で行う(1)に記載の処理産廃量確認装置。
【0010】
(2)の処理産廃量確認装置によれば、比較結果が所定の周期でまとめて提供されるため、管理者による確認の手間を減らすことができる。
【0011】
(3) 前記比較手段は、前記比較を前記受信手段が前記処理実績量を受信するたびに行う(1)に記載の処理産廃量確認装置。
【0012】
(3)の処理産廃量確認装置によれば、処理依頼量と処理実績量とが一致しない場合に一致しないことを早急に把握できるため、その後、適切な対応をとることができる。
【0013】
(4) 前記表示制御手段は、前記受信手段が前記依頼量DBに前記処理依頼量が記憶されてから所定期間経過しても前記処理実績量を受信しない場合には、所定の情報を前記表示装置に表示する(1)から(3)のいずれかに記載の処理産廃量確認装置。
【0014】
(4)の処理産廃量確認装置によれば、所定期間にわたり産廃処理業者から処理実績量を受信しない場合に、所定の情報(未受信警報画面)が表示されるため、産廃処理業者からの報告漏れを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、産業廃棄物の処理依頼量と処理実績量とを確実に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の処理産廃量確認装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の処理産廃量確認装置が備える依頼量DBを示す図である。
【図3】本発明の処理産廃量確認装置が備える実績量DBを示す図である。
【図4】本発明の処理産廃量確認装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の処理産廃量確認装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の処理産廃量確認装置により表示される比較結果表示画面の表示例を示す図である。
【図7】本発明の処理産廃量確認装置により表示される未受信警報画面の表示例を示す図である。
【図8】処理産廃量確認装置の別実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の処理産廃量確認装置1について図面を参照して説明する。なお、処理産廃量確認装置1は、CPUや所定のソフトウェアを記憶する記憶装置等を備える演算処理装置(コンピュータ)により実現される。
【0018】
図1〜図7を参照して、処理産廃量確認装置1について説明する。
【0019】
[処理産廃量確認装置1の構成]
図1を参照して、本発明の処理産廃量確認装置1について説明する。図1は、処理産廃量確認装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0020】
処理産廃量確認装置1は、入力受付手段11と、依頼量DB12と、受信手段13と、実績量DB14と、比較手段15と、表示制御手段16と、を含んで構成される。
【0021】
入力受付手段11は、キーボードやマウス等の周辺機器に基づいて入力された情報を受け付ける。本実施形態では、入力受付手段11は、産廃処理業者2に処理を依頼した産業廃棄物の量(処理依頼量)を含む情報を受け付ける。
【0022】
依頼量DB12は、発電所において発生した産業廃棄物の処理依頼量を含む情報を記憶するデータベースであり、入力受付手段11が受け付けた情報により適宜更新される。図2を参照して、依頼量DB12は、管理番号(識別子)に対応付けて少なくとも処理依頼量を記憶する。管理番号は、それぞれ識別可能な番号であり、入力受付手段11が産業廃棄物の処理依頼量を含む情報を受け付けると、当該情報に対応付けて固有の管理番号が付与される。なお、付与された固有の管理番号は、ネットワーク3を介して処理を依頼した産廃処理業者2に送信される。
【0023】
受信手段13は、ネットワーク3を介して、産業廃棄物の処理を依頼した産廃処理業者2の各々から処理依頼に基づいて実際に処理した産業廃棄物の量(処理実績量)を含む情報を受信する。ここで、本実施形態では、産廃処理業者2は、管理番号に対応付けて処理実績量を含む情報を送信することとしている。
【0024】
実績量DB14は、産廃処理業者2が処理した産業廃棄物の処理実績量を含む情報を記憶するデータベースであり、受信手段13が受信した情報により適宜更新される。図3を参照して、実績量DB14は、処理番号(識別情報)に対応付けて少なくとも処理実績量を記憶する。処理番号は、それぞれが識別可能な番号であり、管理番号から自動的に生成される。具体的には、処理番号は、管理番号の後に「−1」又は「−2」を付して生成される。本実施形態では、産業廃棄物は、収集・運搬と中間処理・埋め立て処分との2段階に分けて処理されることとしている。「−1」は、収集・運搬を行った処理実績量を識別する処理番号であり、「−2」は、中間処理・埋め立て処分を行った処理実績量を識別する処理番号である。受信手段13が管理番号に対応付けられた処理実績量を含む情報を受信すると、当該情報を送信した産廃処理業者2の種別(収集・運搬又は中間処理・埋め立て処分)に応じて処理番号が生成される。
【0025】
比較手段15は、依頼量DB12に記憶される処理依頼量と、実績量DB14に記憶される処理実績量とを比較する。本実施形態では、比較手段15は、所定の周期で(例えば、1月毎に)処理依頼量と処理実績量とを対比する。ここで、比較手段15は、処理依頼量と、当該処理依頼量に付与された管理番号に対応する処理番号が識別する処理実績量とを対比する。比較手段15は、例えば、管理番号が「330」の処理依頼量と、処理番号が「330−1」の処理実績量及び処理番号が「330−2」の処理実績量とを対比する。
このように、比較手段15は、発電所が産廃処理業者2に処理を依頼した処理依頼量と、産廃処理業者2が実際に処理をした処理実績量とを所定の周期で自動的に比較する。
【0026】
表示制御手段16は、処理産廃量確認装置1が備える表示装置に、比較手段15の比較結果を表示する。また、表示制御手段16は、依頼量DB12に処理依頼量が入力されてから所定期間内(例えば、1月以内)に、実績量DB14に当該処理依頼量の管理番号に対応する処理番号が記憶されない場合には、依頼した産業廃棄物の処理報告を受けていないことを報知する情報を表示する。
【0027】
[処理産廃量確認装置1の動作]
続いて、図4及び図5を参照して、処理産廃量確認装置1の動作について説明する。図4は、依頼量DB12の更新処理の流れを示すフローチャートである。図5は、産廃処理業者2から受信した処理実績量と処理依頼量との比較処理を示すフローチャートである。
【0028】
図4を参照して、依頼量DB12の更新処理について説明する。
S1:初めに、処理産廃量確認装置1のCPU(入力受付手段11)は、管理者からの産業廃棄物の処理依頼量を含む情報の入力を受け付ける。ここで、管理者からの入力は、任意に設定された所定の入力画面を用いて行われる。
S2:S1において、管理者からの入力を受け付けると、処理産廃量確認装置1のCPUは、入力された情報に固有の管理番号を付して依頼量DB12に記憶する。
S3:続いて、処理産廃量確認装置1のCPUは、S2において付された管理番号をネットワーク3を介して産廃処理業者2に送信し、処理を終了する。
【0029】
続いて、図5を参照して、産廃処理業者2から受信した処理実績量と処理依頼量との比較処理について説明する。
S11:初めに、処理産廃量確認装置1のCPUは、受信手段13が産廃処理業者2から管理番号に対応付けられた処理実績量を含む情報を受信したか否かを判定する。
【0030】
S12:このとき、処理実績量を受信していないと判定された場合には、処理産廃量確認装置1のCPU(表示制御手段16)は、依頼量DB12に処理依頼量が入力されてから、対応する処理実績量を所定期間(例えば、1月)受信していない管理番号が存在するか否かを判定する。すなわち、処理産廃量確認装置1のCPU(表示制御手段16)は、産業廃棄物の処理を産廃処理業者2に依頼した後、所定期間経過したにも関わらず、その処理報告を受けていない処理があるか否かを判定する。このとき、処理実績量を所定期間受信していない管理番号が存在する場合には、処理産廃量確認装置1のCPU(表示制御手段16)は、S13に処理を移し、処理実績量を所定期間受信していない管理番号が存在しない場合には、処理産廃量確認装置1のCPU(表示制御手段16)は、S15に処理を移す。図2及び図3を参照して、平成22年4月30日の時点において、依頼量DB12に入力された管理番号「332」について、収集・運搬を行った産廃処理業者2及び中間処理・埋め立て処分を行った産廃処理業者2から処理実績量を受信しておらず、また、管理番号「333」について、収集・運搬を行った産廃処理業者2から処理実績量を受信していない。ここで、管理番号「332」については、依頼量DB12に処理依頼量が入力されてから所定期間(1月)経過しているため、S12の判定はYESとなる。他方、管理番号「333」については、依頼量DB12に処理依頼量が入力されてから所定期間(1月)経過していないため、S12の判定はNOとなる。
【0031】
S13:S12においてYESと判定されると、処理産廃量確認装置1のCPU(表示制御手段16)は、後述の図7に示す未受信警報画面を表示装置に表示し、産業廃棄物の処理を産廃処理業者2に依頼したにも関わらず、その後、処理報告を受けていないことを管理者に報知する。
【0032】
S14:S11において受信手段13が管理番号に対応付けられた処理実績量を含む情報を受信している場合には、処理産廃量確認装置1のCPUは、管理番号から処理番号を生成するとともに、生成した処理番号に対応付けて処理実績量を含む情報を実績量DB14に記憶する。例えば、処理産廃量確認装置1のCPUは、収集・運搬を行う産廃処理業者2から処理実績量を受信した場合には、管理番号に「−1」を付した処理番号を生成し、中間処理・埋め立て処分を行う産廃処理業者2から処理実績量を受信した場合には、管理番号に「−2」を付した処理番号を生成する。
【0033】
S15:続いて、処理産廃量確認装置1のCPUは、処理依頼量と処理実績量との比較タイミングであるか否かを判定する。このとき、CPUは、所定の周期で(例えば、1月毎に)比較タイミングであると判定する。比較タイミングであると判定した場合には、CPUは、S16に処理を移し、比較タイミングでないと判定した場合には、CPUは、S11に処理を移す。
S16:比較タイミングである場合、処理産廃量確認装置1のCPU(比較手段15)は、依頼量DB12から任意の管理番号を取得する。
【0034】
S17:続いて、処理産廃量確認装置1のCPU(比較手段15)は、取得した管理番号に「−1」が付された処理番号が実績量DB14に記憶されているか否か(すなわち、収集・運搬を行った産廃処理業者2から処理実績量を受信しているか否か)を判定する。このとき、実績量DB14に当該処理番号が記憶されている場合には、CPU(比較手段15)は、S18に処理を移し、実績量DB14に当該処理番号が記憶されていない場合には、CPU(比較手段15)は、S19に処理を移す。図2及び図3を参照して、本実施形態では、管理番号「330」についての処理番号「330−1」、及び管理番号「331」についての処理番号「331−1」は、実績量DB14に記憶されている。そのため、管理番号「330」及び「331」について、S17の判定はYESとなる。一方、管理番号「332」についての処理番号「332−1」、及び管理番号「333」についての「333−1」は、実績量DB14に記憶されていない。そのため、管理番号「332」及び「333」について、S17の判定はNOとなる。なお、S17においてNOと判定されると、後のS22で未受信であることを示す情報が表示装置に表示される。
【0035】
S18:実績量DB14に処理番号が記憶されている場合には、処理産廃量確認装置1のCPU(比較手段15)は、比較処理を行う。この処理では、CPU(比較手段15)は、S16において取得した管理番号に対応する処理依頼量と、S17において記憶されていると判定された処理番号に対応する処理実績量とが一致するか否かを判定する。図2及び図3を参照して、管理番号「330」に対応する処理依頼量と、処理番号「330−1」に対応する処理実績量とは一致する。そのため、CPU(比較手段15)は、管理番号「330」について「一致」と判定する。他方、管理番号「331」に対応する処理依頼量と、処理番号「331−1」に対応する処理実績量とは一致しない。そのため、CPU(比較手段15)は、管理番号「331」について「不一致」と判定する。なお、判定の結果(一致/不一致)は、後のS22で表示装置に表示される。
【0036】
S19:続いて、処理産廃量確認装置1のCPU(比較手段15)は、S17で取得した管理番号に「−2」が付された処理番号が実績量DB14に記憶されているか否か(すなわち、中間処理・埋め立て処分を行った産廃処理業者2から処理実績量を受信しているか否か)を判定する。このとき、実績量DB14に当該処理番号が記憶されている場合には、CPU(比較手段15)は、S20に処理を移し、実績量DB14に当該処理番号が記憶されていない場合には、CPU(比較手段15)は、S21に処理を移す。なお、S19においてNOと判定されると、後のS22で未受信であることを示す情報が表示装置に表示される。
【0037】
S20:実績量DB14に処理番号が記憶されている場合、処理産廃量確認装置1のCPU(比較手段15)は、S16において取得した管理番号に対応する処理依頼量と、S19において記憶されていると判定された処理番号に対応する処理実績量とが一致するか否かを判定する。なお、判定の結果(一致/不一致)は、後のS22で表示装置に表示される。
【0038】
S21:続いて、処理産廃量確認装置1のCPU(比較手段15)は、比較終了であるか否か、すなわち、依頼量DB12に記憶されている全ての管理番号について比較処理を行ったか否かを判定する。このとき、比較処理を行っていない管理番号がある場合には、処理産廃量確認装置1のCPU(比較手段15)は、S16に処理を移し、比較処理を行っていない管理番号がない場合には、処理産廃量確認装置1のCPU(比較手段15)は、S22に処理を移す。
【0039】
S22:続いて、処理産廃量確認装置1のCPU(表示制御手段16)は、処理産廃量確認装置1の備える表示装置に比較結果を表示する。なお、比較結果とは、S18又はS20の比較処理において判定された処理依頼量と処理実績量との一致/不一致に加え、S17又はS19おいて判定された結果(未受信)も含む。
【0040】
[表示例]
続いて、図5のS13やS22の処理により表示装置に表示される画面の表示例について、図6及び図7を参照して説明する。
【0041】
図6を参照して、図5のS22の処理により表示される比較結果表示画面について説明する。図6(1)は、比較結果表示画面の表示例1を示し、図6(2)は、比較結果表示画面の表示例2を示す。
【0042】
図6(1)に示すように、表示装置には、比較結果表示画面として、管理番号に対応付けて処理依頼量と処理実績量との比較結果が表示される。例えば、管理番号「330」については、収集・運搬時についても中間処理・埋め立て処分時についても、処理依頼量と処理実績量とが一致していると表示される。一方、例えば、管理番号「331」については、収集・運搬時についても中間処理・埋め立て処分時についても、処理依頼量と処理実績量とが不一致であると表示される。また、例えば、管理番号「333」については、中間処理・埋め立て処分時は、処理依頼量と処理実績量とが一致し、収集・運搬時は、処理実績量を未だ受信していない(未受信)と表示される。
このような表示を見ることで、発電所の管理者は、産業廃棄物の処理依頼量と処理実績量とが一致しているか否かを容易に把握できる。
【0043】
なお、比較結果の表示に際し、図6(2)に示すように、処理依頼量と処理実績量とが一致しているものと、一致していないもの(不一致及び未受信)とを区別して表示することとしてもよい。このような表示とすることで、処理依頼量と処理実績量とで一致しないものを容易に特定することができる。
【0044】
続いて、図7を参照して、図5のS13の処理により表示される未受信警報画面について説明する。産業廃棄物の処理を産廃処理業者2に依頼したにも関わらず、その後、所定期間にわたり、処理報告を受けていない場合には、表示装置には、図7に示すように処理報告が未受信であることを示す未受信警報画面が表示される。このような未受信警報画面を表示装置に表示することで、所定期間にわたり産廃処理業者2から処理報告を受けていない場合に、発電所の管理者に注意を促すことができる。
【0045】
以上、処理産廃量確認装置1について説明した。このような処理産廃量確認装置1によれば、産業廃棄物の処理依頼量と処理実績量とが一致しているか否かを自動的に判定するため、管理者が自ら処理依頼量と処理実績量とを対比して確認する場合に生じ得る人為的なミスを防止することができる。
また、所定期間にわたり産廃処理業者2から処理報告を受けていない場合に未受信警報画面が表示されるため、産廃処理業者2からの報告漏れを防止することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【0047】
例えば、上記実施形態では、処理依頼量と処理実績量との比較を所定の周期(例えば、1月毎)で行うこととしているが、処理依頼量と処理実績量との比較は、産廃処理業者2から処理実績量を受信するたびに行うこととしてもよい。
図8は、産廃処理業者2から処理実績量を受信するたびに行う処理依頼量と処理実績量との比較処理を示すフローチャートである。
【0048】
S31:初めに、処理産廃量確認装置1のCPUは、受信手段13が産廃処理業者2から処理実績量を含む情報を受信したか否かを判定する。
【0049】
S32、S33:このとき、処理実績量を受信していないと判定された場合には、処理産廃量確認装置1のCPUは、図5のS12及びS13と同様の処理を行う。すなわち、処理産廃量確認装置1のCPU(表示制御手段16)は、依頼量DB12に処理依頼量が入力されてから、対応する処理実績量を所定期間(例えば、1月)受信していない管理番号が存在するか否かを判定する。そして、所定期間にわたって対応する処理実績量を受信していない管理番号が存在する場合、処理産廃量確認装置1のCPU(表示制御手段16)は、図7に示す未受信警報画面を表示装置に表示する。他方、当該管理番号が存在しない場合、処理産廃量確認装置1のCPUは、S31に処理を移す。
【0050】
S34:S31において受信手段13が処理実績量を含む情報を受信している場合には、処理産廃量確認装置1のCPUは、処理実績量に処理番号を対応付けて実績量DB14に記憶する。
S35,36:続いて、処理産廃量確認装置1のCPU(比較手段15)は、比較処理を行い、比較結果を所定の記憶領域に記憶し、処理を終了する。
【0051】
なお、S36において記憶された比較結果は、1月毎など所定の周期でまとめて表示することとしてもよく、また、比較するたびに個別に表示することとしてもよい。比較するたびに個別に表示することで、管理者は、処理依頼量と処理実績量とが一致しない場合に早急な対応をとることができる。
【符号の説明】
【0052】
1 処理産廃量確認装置
11 入力受付手段
12 依頼量DB
13 受信手段
14 実績量DB
15 比較手段
16 表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
産廃処理業者に処理を依頼した産業廃棄物の処理依頼量を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段が受け付けた前記処理依頼量を、固有の識別子に対応付けて記憶する依頼量DBと、
前記依頼に基づいて実際に処理した産業廃棄物の処理実績量を前記産廃処理業者から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記処理実績量を前記識別子に対応する固有の識別情報に対応付けて記憶する実績量DBと、
前記依頼量DBに記憶された前記処理依頼量と、前記実績量DBに記憶された前記処理実績量のうち、当該処理依頼量に対応付けられた前記識別子に対応する前記識別情報に対応付けられた処理実績量と、を比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果を表示装置に表示する表示制御手段と、
を備える処理産廃量確認装置。
【請求項2】
前記比較手段は、前記比較を所定の周期で行う請求項1に記載の処理産廃量確認装置。
【請求項3】
前記比較手段は、前記比較を前記受信手段が前記処理実績量を受信するたびに行う請求項1に記載の処理産廃量確認装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記受信手段が前記依頼量DBに前記処理依頼量が記憶されてから所定期間経過しても前記処理実績量を受信しない場合には、所定の情報を前記表示装置に表示する請求項1から3のいずれかに記載の処理産廃量確認装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−48535(P2012−48535A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−190545(P2010−190545)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)