説明

処理装置、プログラム及び電子ペン用カード

【課題】各種会員カードにドットパターンを印刷した上で電子ペンを利用することにより、カード発行時の申込処理及びカード利用時の本人認証処理を効率的に行うことが可能な処理システムを提供する。
【解決手段】処理システム100において、利用者は、ドットパターンが印刷された申込書3及び会員カード4に電子ペン10を使用して記入を行う。各会員カード4に印刷されたドットパターンは全てユニークである。サーバ5は、電子ペン10から記入情報を取得し、当該記入情報から抽出したカード記入情報に含まれる座標データに基づいて会員番号を特定する。さらに、サーバ5は、特定した会員番号と、記入情報から抽出した申込書記入情報とを対応付けた申込情報を記憶する。これによれば、申込情報登録作業時の申込書3と会員番号とのマッチング作業を効率的に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペン用帳票に記入された情報を効率的に処理するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像をチェックしたりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙上のドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が取得される。この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用したシステムが普及しつつある。
【0003】
具体的に、電子ペンを利用したシステムとして、会員組織の申込時のデータエントリーが挙げられる。通常、このようなシステムでは、申込者にユニークな会員番号が付与されると共に、当該会員番号を磁気ストライプ等で記録した会員カードが発行されることが多い。会員申込単体で考えた場合、申込書を上述の専用ペーパーとし、電子ペンを利用して記入情報をデータ化することで一定の効果を期待することが可能である。
【0004】
しかし、会員カードを併せて発行する場合、カード製造における一般的な工程上、既に会員番号はカード上に記録・刻印されているため、どの申込書に記入した内容がどの会員番号に対応するのかを関連付けなければならない。従来の電子ペンを利用したシステムでは、申込と同時に記入内容と会員番号を関連付けることが難しいため、申込後すぐに会員カードを利用可能とする必要性が高い場合、電子ペンを利用したシステムを適用することができないという問題が生じていた。
【0005】
このような問題を解消し、電子ペンを利用して、カード発行時の申込処理やカード利用時の本人認証処理を効率的に行うことができれば便利である。
【0006】
なお、申込書と会員カードを一体化することでマッチングの効率化を図るシステム(例えば、特許文献1乃至3)が知られているが、電子ペンを利用したシステムではない点で本発明とは異なっている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−244830号公報
【特許文献2】特開平11−116375号公報
【特許文献3】特開平8−37225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、各種カードにドットパターンを印刷し、電子ペンを利用することで、カード発行時の申込処理及びカード利用時の本人認証処理を効率的に行うことが可能な処理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票及び電子ペン用カードに記入された情報を処理する処理装置において、前記電子ペン用カードを識別するカード識別情報と、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶する管理情報記憶手段と、前記電子ペン用帳票及び前記電子ペン用カードに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報から前記電子ペン用カードに記入されたカード記入情報を抽出するカード記入情報抽出手段と、抽出したカード記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する申込座標データ特定手段と、前記申込座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する申込カード識別情報特定手段と、前記記入情報から前記電子ペン用帳票に記入された帳票記入情報を抽出する帳票記入情報抽出手段と、前記申込カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報と、抽出した帳票記入情報とを対応付けた申込情報を記憶する申込情報記憶手段と、を備える。
【0010】
上記のように構成された処理装置において、利用者は、所定の申込を行う場合に電子ペン用帳票及び電子ペン用カードを入出する。そして、利用者は、電子ペンを使用して電子ペン用帳票に必要事項を記入した後、続けて電子ペン用カードに印刷されたドットパターン上にチェックマーク等を記入する。各電子ペン用カードに印刷されるドットパターンは全てユニークである。電子ペンは、電子ペンの移動に伴って電子ペン用帳票及び電子ペン用カード上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した記入内容に関するストロークデータ、座標データ、時間情報等を取得する。そして、電子ペンは、利用者の所定の操作により、取得した記入内容に関する情報を記入情報として処理装置に送信する。ここで、処理装置とは、任意の端末装置やサーバ等である。処理装置は、まず、記入情報から、電子ペン用カードに記入されたカード記入情報を抽出する。さらに、抽出したカード記入情報に含まれる座標データに基づいて、予め記憶された管理情報を参照することにより、利用者が記入した電子ペン用カードを識別するカード識別情報を特定する。また、処理装置は、記入情報から、電子ペン用帳票に記入された帳票記入情報を抽出する。さらに、処理装置は、特定したカード識別情報と、抽出した帳票記入情報とを対応付けた申込情報を記憶する。これによれば、電子ペンを利用することで、会員番号に対応付けて申込書3への記入内容を登録することができる。換言すると、申込情報登録作業時の申込書3と会員番号とのマッチング作業を効率的に行うことができる。
【0011】
上記処理装置の一態様では、前記処理装置は、前記カード識別情報に対応付けて、前記電子ペン用カードが利用可能であるか否かを示す発行フラグを管理するフラグ管理手段と、前記申込情報記憶手段が申込情報を記憶したか否かを判定する記憶判定手段と、をさらに備え、前記フラグ管理手段は、前記記憶判定手段が申込情報を記憶したと判定した場合に、前記申込カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報に対応する発行フラグを立て、前記電子ペン用カードを利用可能とする。これによれば、処理装置は、申込処理が完了した時点で、申込書3への記入内容を登録することと、カードを発行して利用可能とすることの双方を実現することができる。
【0012】
上記処理装置の他の一態様では、前記申込情報には、前記電子ペン用カードの暗証番号が含まれており、前記処理装置は、前記電子ペン用カードに記入された照合記入情報を取得する照合記入情報取得手段と、前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する照合座標データ特定手段と、前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する照合カード識別情報特定手段と、前記照合カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報に基づいて前記申込情報記憶手段を参照することにより、対応する暗証番号を特定する第1暗証番号特定手段と、前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定する第2暗証番号特定手段と、前記第1暗証番号特定手段が特定した暗証番号と、前記第2暗証番号特定手段が特定した暗証番号とを照合する照合手段と、を備える。
【0013】
上述のように構成された処理装置において、申込処理を完了した利用者は、発行された電子ペン用カードを利用する際に本人認証を行う必要がある。具体的に、利用者は、電子ペンを使用して、発行された電子ペン用カードに暗証番号を記入する。電子ペンは、利用者による所定の処理により、暗証番号の記入に対応する照合記入情報を処理装置に送信する。処理装置は、照合記入情報に含まれる座標データに基づいて、予め記憶された管理情報を参照することにより、利用者が暗証番号を記入した電子ペン用カードのカード識別情報を特定する。さらに、処理装置は、特定したカード識別情報に基づいて、申込情報を参照することにより、予め設定された暗証番号を特定する。また、処理装置は、取得した照合記入情報に基づいて、利用者により記入された暗証番号を特定する。そして、処理装置は、予め設定された暗証番号と、利用者により記入された暗証番号とを照合することにより本人認証を行う。具体的に、照合の結果、暗証番号が一致する場合、処理装置は、暗証番号を記入した利用者が本人であると認証する。一方、照合の結果、暗証番号が一致しない場合、処理装置は、暗証番号を記入した利用者が本人ではないと認証する。これによれば、本人認証処理において、ドットパターンが印刷された電子ペン用カード及び電子ペンを利用することで、効率的に暗証番号の照合を行うことが可能となる。
【0014】
上記処理装置のさらに他の一態様では、前記電子ペン用カードは、前記暗証番号を構成する記号に対応する記号項目が前記ドットパターン上に設けられており、前記管理情報記憶手段は、前記カード識別情報と、前記記号項目と、前記ドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶しているものであって、前記処理装置は、前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、前記電子ペンにより記入された記号項目を特定する記号項目特定手段をさらに備え、前記第2暗証番号特定手段は、前記照合記入情報に含まれる時間情報と、前記記号項目特定手段が特定した記号項目とに基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定する。これによれば、利用者は、電子ペン用カードに設けられた記号項目をチェックするだけで容易に暗証番号を指定することができる。よって、処理装置が暗証番号を特定する際に文字認識処理を実行する負担が削減されると共に、暗証番号を盗み見られるといった不正を防止することもできる。
【0015】
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用カードに記入された情報を処理する処理装置において、前記電子ペン用カードを識別するカード識別情報と、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶する管理情報記憶手段と、前記カード識別情報と、前記電子ペン用カードの暗証番号とを対応付けたカード情報を記憶するカード情報記憶手段と、前記電子ペン用カードに記入された照合記入情報を取得する照合記入情報取得手段と、前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する照合座標データ特定手段と、前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する照合カード識別情報特定手段と、前記照合カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報に基づいて前記カード情報記憶手段を参照することにより、対応する暗証番号を特定する第1暗証番号特定手段と、前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定する第2暗証番号特定手段と、前記第1暗証番号特定手段が特定した暗証番号と、前記第2暗証番号特定手段が特定した暗証番号とを照合する照合手段と、を備える。
【0016】
上記のように構成された処理装置において、利用者は、電子ペン用カードを利用する際に本人認証を行う必要がある。具体的に、利用者は、電子ペンを使用して、電子ペン用カードに暗証番号を記入する。電子ペンは、利用者による所定の処理により、暗証番号の記入に対応する照合記入情報を処理装置に送信する。処理装置は、照合記入情報に含まれる座標データに基づいて、予め記憶された管理情報を参照することにより、利用者が暗証番号を記入した電子ペン用カードのカード識別情報を特定する。さらに、処理装置は、特定したカード識別情報に基づいて、予め記憶されたカード情報を参照することにより、予め設定された暗証番号を特定する。また、処理装置は、取得した照合記入情報に基づいて、利用者により記入された暗証番号を特定する。そして、処理装置は、予め設定された暗証番号と、利用者により記入された暗証番号とを照合することにより本人認証を行う。これによれば、本人認証処理において、ドットパターンが印刷された電子ペン用カード及び電子ペンを利用することで、効率的に暗証番号の照合を行うことが可能となる。
【0017】
上記処理装置の一態様では、前記電子ペン用カードは、前記暗証番号を構成する記号に対応する記号項目が前記ドットパターン上に設けられており、前記管理情報記憶手段は、前記カード識別情報と、前記記号項目と、前記ドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶しているものであって、前記処理装置は、前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、前記電子ペンにより記入された記号項目を特定する記号項目特定手段をさらに備え、前記第2暗証番号特定手段は、前記照合記入情報に含まれる時間情報と、前記記号項目特定手段が特定した記号項目とに基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定する。これによれば、利用者は、電子ペン用カードに設けられた記号項目をチェックするだけで容易に暗証番号を指定することができる。よって、処理装置が暗証番号を特定する際に文字認識処理を実行する負担が削減されると共に、暗証番号を盗み見られるといった不正を防止することもできる。
【0018】
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票及び電子ペン用カードに記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記電子ペン用カードを識別するカード識別情報と、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶する管理情報記憶手段、前記電子ペン用帳票及び前記電子ペン用カードに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報から前記電子ペン用カードに記入されたカード記入情報を抽出するカード記入情報抽出手段、抽出したカード記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する申込座標データ特定手段、前記申込座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する申込カード識別情報特定手段、前記記入情報から前記電子ペン用帳票に記入された帳票記入情報を抽出する帳票記入情報抽出手段、前記申込カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報と、抽出した帳票記入情報とを対応付けた申込情報を記憶する申込情報記憶手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0019】
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用カードに記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記電子ペン用カードを識別するカード識別情報と、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶する管理情報記憶手段、前記カード識別情報と、前記電子ペン用カードの暗証番号とを対応付けたカード情報を記憶するカード情報記憶手段、前記電子ペン用カードに記入された照合記入情報を取得する照合記入情報取得手段、前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する照合座標データ特定手段、前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する照合カード識別情報特定手段、前記照合カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報に基づいて前記カード情報記憶手段を参照することにより、対応する暗証番号を特定する第1暗証番号特定手段、前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定する第2暗証番号特定手段、前記第1暗証番号特定手段が特定した暗証番号と、前記第2暗証番号特定手段が特定した暗証番号とを照合する照合手段、として前記コンピュータを機能させる。
【0020】
上記プログラムをコンピュータにより実行することにより、上述の処理装置を実現することができる。また、上述の処理装置の各態様も同様に実現することができる。
【0021】
本発明のさらに別の観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用カードであって、前記ドットパターン上に、暗証番号を構成する記号に対応する記号項目を有する。これによれば、利用者は、電子ペン用カードに設けられた記号項目をチェックするだけで容易に暗証番号を指定することができる。
【0022】
上記電子ペン用カードの一態様では、前記電子ペン用カードは、10個の前記記号項目を有しており、各記号項目は、それぞれ1桁の数字である0乃至9に対応している。これによれば、暗証番号が数字のみで構成されている場合に、電子ペンにより1桁ずつ数字項目をチェックしていくことで容易に暗証番号を指定することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、各種カードにドットパターンを印刷し、電子ペンを利用することで、カード発行時の申込処理及びカード利用時の本人認証処理を効率的に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。まず、本発明のシステムにおいて入力デバイスとして使用される電子ペンの概要について説明する。
【0025】
[電子ペン]
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
【0026】
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
【0027】
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。LED15が専用ペーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20に印刷されているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
【0028】
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動する。
【0029】
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのX/Y座標を算出する。
【0030】
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
【0031】
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、データ通信ユニット13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
【0032】
送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、データ通信ユニット13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10は、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。また、電子ペン10自体が、送信機能を搭載していることとしてもよい。
【0033】
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
【0034】
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
【0035】
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する機能は備えている。
【0036】
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
【0037】
なお、上記の例におけるデータ通信ユニット13では、Bluetooth(登録商標)の無線伝送、USBケーブルを使用した有線伝送、端子などの接触によるデータ伝送など、各種の方法によって電子ペン10から端末装置25へのデータ送信を行うことが考えられる。
【0038】
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Y座標データを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、LED15による照明エリア及びカメラ16の撮影エリア(照明エリア内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
【0039】
ドットパターンはカーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申込書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
【0040】
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組合せにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
【0041】
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷される。また、通常のインキなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
【0042】
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されておらず、詳細は後述するが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
【0043】
専用ペーパー20上のエリアは大きく2種類のエリアに分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
【0044】
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はデータ通信ユニット13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
【0045】
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
【0046】
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申込書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
【0047】
上記の例では、ドットパターンは専用ペーパー上にカーボンを含むインキにより印刷されているが、プリンタ及びカーボンを含むインクを使用してドットパターンを通常の紙上にプリントすることも可能である。さらに、専用ペーパー上の図案も印刷ではなく、プリンタにより形成することも可能である。ドットパターンをプリンタにより紙上に形成する場合には、1枚1枚に異なるドットパターンを形成することが可能である。よって、形成されたドットパターンの違いにより、それらの用紙1枚1枚を識別し、区別することが可能となる。
【0048】
なお、本明細書においては、「印刷」の語は、通常の印刷のみならず、プリンタによるプリントも含む概念とする。
【0049】
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上のドットパターンに含まれており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10から記入情報を受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得した記入情報をそのサービスサーバ27へ送信することになる。
【0050】
なお、上記の例では端末装置25、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27が別個に構成されているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成することも可能である。本実施形態において後述するサーバは、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27を兼ねていることとしている。
【0051】
[処理システム]
次に、本発明の処理システムについて説明する。図7に処理システム100の概略構成を示す。図7に示す処理システムは、電子ペン10が認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票及び電子ペン用カードを利用して、カード発行時の申込処理やカード利用時の本人認証処理を効率的に行うシステムである。なお、本実施形態では、上述の専用ペーパーである電子ペン用帳票として、図8に示すような申込書3を使用するものとする。また、電子ペン10が認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用カードとして、図9に示すような会員カード4を使用するものとする。
【0052】
図7に示すように、処理システム100は、端末装置25及びサーバ5がネットワーク2を通じて接続されることにより構成される。ここで、ネットワーク2の1つの好適な例はインターネットである。また、端末装置25とは、利用者が使用するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ。)や携帯電話といったネットワーク2を介してデータの授受が可能な端末装置である。電子ペン10により申込書3及び会員カード4に記入された記入内容は、記入情報として端末装置25を介し、サーバ5へ送信される。
【0053】
サーバ5は、取得した記入情報に基づいて申込処理や本人認証処理を行うものであって、管理情報データベース(以下、「DB」と呼ぶ。)6及び申込情報DB7に接続されている。管理情報DB6は、会員カード4に印刷されたドットパターンの座標データを管理している。一方、申込情報DB7は、利用者が申込書3に記入した内容に関する情報を管理している。
【0054】
ここで、図8を参照し、申込書3について詳しく説明する。図8は、電子ペン10が認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票である申込書の例である。申込書3に印刷されたドットパターンは、同一種類の申込書であれば全て同じであるものとする。つまり、申込書3は、単一のドットパターンが印刷されることにより大量作成されている。申込書3は、図示のように、氏名、住所、暗証番号等をそれぞれ記入する項目が設けられている。利用者は、図示のような申込書3の各項目に電子ペン10を使用して必要事項を記入することにより、所定の申込を行う。
【0055】
また、図9を参照し、会員カード4について詳しく説明する。図9は、電子ペン10が認識可能なドットパターンが一部又は全部に印刷された電子ペン用カードである会員カードの例である。図9(a)は会員カード4の表面であり、図9(b)は会員カード4の裏面である。会員カード4の表面は、図9(a)に示すように、会員カードの名称や会員番号が印刷されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意にデザインすることができる。会員番号とは、各会員カード4を識別する情報である。会員カード4の裏面は、図9(b)に示すように、氏名を記入するためのサインパネルやドットパターンが印刷されたテンキー欄50が設けられている。このテンキー欄50に印刷されたドットパターンは、会員カード4毎にユニークであるものとする。つまり、各会員カード4には、1枚1枚異なるドットパターンが付与され、印刷されている。申込を経て会員カード4を発行した利用者、即ち会員は、テンキー欄50において暗証番号を電子ペン10で記入することで本人認証を行う。
【0056】
次に、図7乃至図9を参照し、会員カード4発行時における申込処理の概要を説明する。利用者は、所定の申込を行う場合、まず、所定の機関等から申込書3及び会員カード4を入手する。そして、利用者は、図8に示すような申込書3に電子ペン10を使用して必要事項を記入する。必要事項とは、例えば、氏名や住所といった個人情報等である。申込書3への記入が完了すると、続けて利用者は、図9(b)に示すような会員カード4の裏面に設けられたテンキー欄50を電子ペン10でチェックする。このように、テンキー欄50をチェックすることにより、会員カード4に印刷されたユニークなドットパターンのアドレス、即ち座標データを、電子ペン10に記録することができる。そして、利用者の所定の操作により、電子ペン10は、格納している記入情報を、端末装置25を介してサーバ5へ送信する。
【0057】
ここで、記入情報とは、申込書3及び会員カード4への記入内容に対応するストロークデータ、座標データ、時間情報等である。申込書3への記入内容に対応する情報を申込書記入情報、会員カード4への記入内容に対応する情報をカード記入情報と呼ぶ。つまり、記入情報を取得した端末装置25やサーバ5は、申込書記入情報及びカード記入情報を紐付けた形でファイル出力することが可能である。具体的には、申込書3への記入内容に対応するストロークデータと、会員カード4に印刷されたユニークなドットパターンの座標データとを紐付けた形でファイル出力することが可能である。
【0058】
サーバ5は、端末装置25を介して、電子ペン10から記入情報を取得する。なお、サーバ5は、予め会員カード4を識別する会員番号と、会員カード4に印刷されたユニークなドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を管理情報DB6に記憶している。また、サーバ5は、予め申込書3を構成する項目と、申込書3に印刷されたドットパターンの座標データとを対応付けた申込書座標テーブルを記憶している。
【0059】
記入情報を取得したサーバ5は、まず、当該記入情報から申込書記入情報及びカード記入情報をそれぞれ抽出する。抽出したカード記入情報に含まれる座標データに基づいて管理情報DB6を参照することにより、サーバ5は、利用者が記入した会員カード4の会員番号を特定することができる。また、申込書座標テーブルを参照し、抽出した申込書記入情報に基づく文字認識処理を実行することで、利用者が申込書3に記入した内容をテキストデータとして取得することができる。なお、文字認識処理は、例えばOCR(Optical Character Reader)等により実行する。そして、サーバ5は、特定した会員番号をキーとして、申込書3への記入内容に対応するテキストデータを申込情報として申込情報DB7に記憶する。このとき、サーバ5は、会員カード4の発行フラグを立て、その時点から会員カードを利用可能な状態とする。発行フラグとは、会員カード4が利用可能であるか否かを示すフラグであり、サーバ5が管理している。このようにして、サーバ5は、申込処理を完了する。
【0060】
このように、本発明によれば、申込処理が完了した時点で、申込書3への記入内容を申込情報DB7に格納することと、会員カード4を発行して利用可能とすることの双方を実現することができる。換言すると、申込情報登録作業時の申込書3と会員番号とのマッチング作業を効率化することができる。
【0061】
従来、申込処理の完了後すぐに会員カードが利用可能となることを求められていたアミューズメント業界では、とりあえず会員カードを発行し、活性化したというフラグだけ立てて利用可能な状態としていた。そのため、申込書への記入内容に対応する個人情報等のDBへの格納は、所定の機関の入力部門に記入済み申込書が届いた後でも良いという運用になっていた。即ち、従来の運用では、本発明のように、申込書への記入内容をDBに格納することと、会員カードを利用可能な状態で発行することとを、申込処理の完了後すぐに実現することは困難であった。これに対し、本発明によれば、記入内容をDBに格納する前に会員カードを利用可能な状態にすることがないため、申込処理の効率化を図ると共に、利用者が会員カード4を不正使用することを防止することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、記入内容に対応するテキストデータを申込情報DB7に格納した後に会員カード4を利用可能な状態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ5が記入情報を取得した時点や記入内容に対応するテキストデータを確認した時点等、任意のタイミングで会員カード4を利用可能な状態とすることができる。
【0063】
また、本実施形態では、申込書3の記入内容をテキストデータとして申込情報DB7に記憶することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、文字認識処理を行わず、申込書記入情報をJPEG等のイメージデータに変換して申込情報DB7に記憶することとしてもよい。
【0064】
また、本実施形態では、後述する本人認証処理を説明する便宜上、会員カード4にテンキー欄50を設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、申込処理を行うための最低条件としては会員カード4にユニークなドットパターンが印刷されていればよい。つまり、申込処理を実現するためには、必ずしもテンキー欄50である必要はなく、各会員カード4にユニークなドットパターンが印刷されていれば任意のデザインとすることができる。
【0065】
次に、会員カード4利用時における本人認証処理の概要を説明する。申込処理が完了した利用者、即ち会員は、会員カード4を利用する際、暗証番号による本人認証を行う必要がある。会員は、まず、申込時に発行された会員カード4の裏面のテンキー欄50に、電子ペン10を使用して暗証番号をチェックする。ここで、暗証番号とは、予め会員と所定の機関との間で設定されているものであって、本実施形態では申込の際に申込書3に記入するものとする。そのため、本実施形態において暗証番号は、予め申込情報として申込情報DB7に格納されている。
【0066】
会員カード4の裏面のテンキー欄50は、図9(b)に示すように、それぞれが1桁の数字「0」乃至「9」に対応する10個の数字項目から構成されている。会員は、予め設定した暗証番号に従って、電子ペン10によりテンキー欄50にチェックマークを記入する。このように、テンキー欄50は、会員カード4を利用する度に暗証番号のチェックが行われるため、テンキー欄50をチェックする電子ペン10はインクなしであることが望ましい。テンキー欄50へのチェックが完了すると、会員の所定の操作により、電子ペン10は、格納している記入情報を、端末装置25を介してサーバ5へ送信する。ここで、申込処理に使用される記入情報と区別するため、本人認証処理に使用される記入情報を照合記入情報と呼ぶ。照合記入情報には、チェックされた数字項目の座標データ、チェック時刻を示す時間情報等が含まれている。つまり、照合記入情報を取得した端末装置25やサーバ5は、会員カード4毎にユニークであるドットパターンの座標データと、チェックされた暗証番号の情報とをファイル出力することが可能である。
【0067】
なお、本実施形態では、暗証番号を4桁の数字としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、数字や文字等、任意の記号を適用することができる。
【0068】
サーバ5は、端末装置25を介して、電子ペン10から照合記入情報を取得する。なお、サーバ5は、予め会員カード4を識別する会員番号と、テンキー欄50を構成する数字項目と、テンキー欄50に印刷されたユニークなドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を管理情報DB6に記憶している。
【0069】
照合記入情報を取得したサーバ5は、まず、当該照合記入情報に含まれる座標データに基づいて管理情報DB6を参照することにより、会員カード4の会員番号を特定すると共に、会員がチェックした数字項目を特定する。また、サーバ5は、照合記入情報に含まれる時間情報に基づいて、数字項目をチェックした順番を特定する。さらに、サーバ5は、会員がチェックした数字項目及びチェックした順番に基づいて、会員が記入した暗証番号を特定する。このように、会員がチェックした数字項目及びチェックした順番の双方を考慮することで、例えば暗証番号が「1111」のように4桁の同じ数字であったとしても、サーバ5は暗証番号を的確に特定することができる。
【0070】
また、サーバ5は、特定した会員番号に基づいて申込情報DB7を参照することにより、予め設定されている暗証番号を特定する。そして、サーバ5は、会員が記入した暗証番号と、予め設定されている暗証番号とを照合することにより、本人認証処理を行う。具体的には、会員が記入した暗証番号と、予め設定されている暗証番号とが一致する場合、サーバ5は、会員カード4を利用する人物が会員本人であると認証する。一方、一致しない場合、サーバ5は、会員カード4を利用する人物が会員本人であると認証せず、利用を停止する等、任意の処理を行う。このように、カード利用時の本人認証処理において、ドットパターンが印刷された電子ペン用カード及び電子ペン10を利用することで、効率的に暗証番号の照合を行うことが可能となる。
【0071】
従来、例えばアミューズメント業界において、カードを利用したサービス(金券性の高いポイントデータの蓄積/払出等)を享受する場合、会員は、特定の端末装置に搭載された磁気カードリーダに会員カードをスラッシュした後、本人確認のための暗証番号をテンキー等により当該端末装置に入力していた。また、システム側は、会員カードに格納されている暗証番号と、会員がテンキー入力した暗証番号とを照合した上で、当該会員のサービス利用を許可していた。このような従来の運用では、会員に会員カードのスラッシュ及びテンキー入力という2つの作業を強いる点での負荷が問題となっていた。また、事業主体にとっては、磁気カードリーダ及びテンキー入力端末が必要となることからコスト負担が問題となっていた。これに対し、本発明のように、ドットパターンが印刷された電子ペン用カード及び電子ペン10を利用した処理システムでは、本人認証処理において、シンプルな操作性及び必要とされるデバイスの削減を図ることが可能となる。また、上述のようなカード発行時の申込処理及びカード利用時の本人認証処理の双方において電子ペン10を使用することで、より一層の効率化し、コストメリットを向上させることができる。
【0072】
[サーバ]
次に、サーバ5について詳しく説明する。図10は、処理システム100における、特にサーバ5の内部構成を示す。図示のように、サーバ5は、申込プログラム101、記入情報取得機能102、カード記入情報抽出機能103、会員番号特定機能104、申込書座標テーブル105、申込書記入情報抽出機能106、テキストデータ作成機能107及び申込情報記憶機能108を有する。また、サーバ5は、本人認証プログラム110、照合記入情報取得機能111、会員番号特定機能112、設定暗証番号特定機能113、記入暗証番号特定機能114及び暗証番号照合機能115を有している。なお、各機能は、サーバ5が有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
【0073】
申込プログラム101は、申込時に端末装置25を介して電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、会員カード4の会員番号と、申込書3への記入内容とを対応付けた申込情報を記憶するプログラムである。また、申込プログラム101は、会員カード4を利用可能とするプログラムである。
【0074】
記入情報取得機能102は、申込プログラム101を実行することにより、利用者が電子ペン10を使用して申込書3及び会員カード4に記入した記入情報を取得する機能である。
【0075】
カード記入情報抽出機能103は、記入情報取得機能102が取得した記入情報から、会員カード4に記入されたカード記入情報を抽出する機能である。
【0076】
会員番号特定機能104は、カード記入情報抽出機能103が抽出したカード記入情報に含まれる座標データに基づいて、管理情報DB6を参照することにより、利用者が記入した会員カード4を識別する会員番号を特定する機能である。
【0077】
ここで、管理情報DB6について、図11を参照して説明する。図11は、管理情報DB6のデータ構造を模式的に示す図である。管理情報DB6は、図示のように、会員番号、数字及び座標データから構成されている。会員番号は、各会員カード4を識別する情報である。数字とは、会員カード4の裏面に設けられたテンキー欄50を構成する各数字項目に対応する数字である。座標データは、各数字に対応する数字項目のドットパターン上の位置座標を示す情報である。このような管理情報DB6を参照することにより、サーバ5は、カード記入情報に含まれる座標データに基づいて容易に会員番号を特定することができる。
【0078】
申込書記入情報抽出機能106は、記入情報取得機能102が取得した記入情報から、申込書3に記入された申込書記入情報を抽出する機能である。
【0079】
テキストデータ作成機能107は、申込書座標テーブル105を参照し、申込書記入情報抽出機能106が抽出した申込書記入情報に基づいて文字認識処理を実行することで、申込書3への記入内容に対応するテキストデータを作成する機能である。
【0080】
ここで、申込書座標テーブル105について、図12を参照して説明する。図12は、申込書座標テーブルのデータ構造を模式的に示す図である。申込書座標テーブル105は、図示のように、項目名及び座標データから構成されている。項目名とは、申込書3を構成する各項目の名称である。座標データとは、各項目のドットパターン上の位置座標を示す情報である。このような申込書座標テーブル105を参照することにより、サーバ5は、申込書記入情報に含まれる座標データに基づいて各項目に記入されたストロークデータを容易に抽出することができる。よって、サーバ5は、各項目に記入されたストロークデータに基づいて、OCR等による文字認識処理を実行することにより、各項目に対応するテキストデータを作成することができる。つまり、サーバ5は、申込書記入情報に基づいて、申込書3への記入内容に対応するテキストデータを容易且つ的確に作成することが可能となる。
【0081】
申込情報記憶機能108は、会員番号特定機能104が特定した会員番号をキーとして、テキストデータ作成機能が作成した申込書3への記入内容に対応するテキストデータを申込情報として申込情報DB7に記憶する機能である。
【0082】
ここで、申込情報DB7について、図13を参照して説明する。図13は、申込情報DB7のデータ構造を模式的に示す図である。申込情報DB7は、図示のように、会員番号、氏名、住所、暗証番号等から構成されている。会員番号とは、会員カード4を識別する情報である。氏名、住所、暗証番号等は、申込書3への記入内容に対応するテキストデータに基づいて認識した個人情報である。なお、本実施形態では、申込書3に設けられた項目に対応して申込情報を図13に示すような構成としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員番号をキーとして記憶する情報は申込書3の構成と共に任意に設定することが可能である。
【0083】
申込情報記憶機能108は、申込情報DB7への申込情報の格納が完了すると、会員番号特定機能104が特定した会員番号に対応する発行フラグを立て、会員カード4を利用可能な状態とする機能でもある。具体的に、発行フラグがDBによって管理されており、サーバ5が、会員番号に対応する発行フラグを更新することが考えられる。
【0084】
本人認証プログラム110は、会員カード利用時に端末装置25を介して電子ペン10から取得した照合記入情報に基づいて、予め設定された暗証番号と、会員が記入した暗証番号とを照合することにより本人認証を行うプログラムである。
【0085】
照合記入情報取得機能111は、本人認証プログラム110を実行することにより、会員が電子ペン10を使用して会員カード4に記入した照合記入情報を取得する機能である。
【0086】
会員番号特定機能112は、照合記入情報取得機能111が取得した照合記入情報に含まれる座標データに基づいて管理情報DB6を参照することにより、会員が記入した会員カード4の会員番号を特定する機能である。
【0087】
設定暗証番号特定機能113は、会員番号特定機能112が特定した会員番号に基づいて、申込情報DB7を参照することにより、予め設定された暗証番号を特定する機能である。
【0088】
記入暗証番号特定機能114は、照合記入情報取得機能111が取得した照合記入情報に基づいて、会員が会員カード4のテンキー欄50に記入した暗証番号を特定する機能である。具体的に、設定暗証番号特定機能113は、照合記入情報に含まれる座標データに基づいて管理情報DB6を参照することにより、電子ペン10によりチェックマーク等が記入された数字項目を特定する。また、設定暗証番号特定機能114は、照合記入情報に含まれる時間情報に基づいて、特定した数字項目においてチェックマーク等が記入された順番を特定する。そして、設定暗証番号特定機能114は、特定した数字項目及び順番に基づいて、会員が記入した暗証番号を特定する。
【0089】
暗証番号照合機能115は、設定暗証番号特定機能113が特定した暗証番号と、記入暗証番号特定機能114が特定した暗証番号とを照合することにより、会員の本人認証を行う機能である。具体的に、サーバ5は、予め設定された暗証番号と、会員が記入した暗証番号とが一致する場合、会員カード4への記入を行った人物を本人と認証する。一方、一致しない場合、サーバ5は、会員カード4への記入を行った人物を本人とは認証せず、会員カード4を利用不可とする等、所定の処理を行う。
【0090】
[申込処理]
次に、上述の処理システム100により実行される申込処理について説明する。図14は、申込処理のフローチャートである。
【0091】
利用者は、まず、所定の申込を行う場合、申込書3及び会員カード4を入手する。そして、利用者は、電子ペン10を使用して、申込書3に必要事項を記入する。続けて、利用者は、電子ペン10を使用して、会員カード4に印刷されているユニークなドットパターンにチェックマークを記入する。申込書3及び会員カード4への記入が完了すると、電子ペン10は、利用者の所定の操作により、格納している記入情報を、ネットワーク2を介してサーバ5へ送信する。
【0092】
サーバ5は、ネットワーク2を介して電子ペン10から記入情報を取得する(ステップS1)。さらに、サーバ5は、取得した記入情報から、会員カード4に記入されたカード記入情報を抽出する(ステップS2)。そして、サーバ5は、抽出したカード記入情報に含まれる座標データに基づいて管理情報DB6を参照することにより、利用者がチェックマークを記入した会員カード4の会員番号を特定する(ステップS3)。また、サーバ5は、取得した記入情報から、申込書3に記入された申込書記入情報を抽出する(ステップS4)。さらに、サーバ5は、申込書座標テーブル105を参照し、申込書記入情報に基づいて文字認識処理を実行することで、申込書3への記入内容に対応するテキストデータを作成する(ステップS5)。そして、サーバ5は、特定した会員番号と、作成したテキストデータとを対応付けた申込情報を申込情報DB7に記憶する(ステップS6)。また、サーバ5は、特定した会員番号に対応する発行フラグを立て、会員カード4を利用可能状態とする(ステップS7)。これにより、申込処理は完了する。
【0093】
[本人認証処理]
次に、上述の処理システム100により実行される本人認証処理について説明する。図15は、本人認証処理のフローチャートである。
【0094】
申込が完了した利用者、即ち会員は、会員カード4を利用する際に本人認証を行う必要がある。そのため、会員は、会員カード4を利用する際、まず、電子ペン10を使用して裏面のテンキー欄50をチェックすることにより暗証番号を記入する。電子ペン10は、利用者による所定の操作により、テンキー欄50に記入された情報を照合記入情報としてネットワーク2を介しサーバ5へ送信する。
【0095】
サーバ5は、ネットワーク2を介して電子ペン10から照合記入情報を取得する(ステップS11)。さらに、サーバ5は、取得した照合記入情報に含まれる座標データに基づいて管理情報DB6を参照することにより、会員が記入した会員カード4の会員番号を特定する(ステップS12)。そして、サーバ5は、特定した会員番号に基づいて申込情報DB7を参照することにより、予め設定された暗証番号を特定する(ステップS13)。また、サーバ5は、取得した照合記入情報に含まれる座標データに基づいて管理情報DB6を参照することにより、会員がチェックマークを記入した数字項目を特定する。さらに、サーバ5は、取得した照合記入情報に含まれる時間情報に基づいて、会員が数字項目にチェックマークを記入した順番を特定する。そして、サーバ5は、特定した数字項目及び順番に基づいて、会員が記入した暗証番号を特定する(ステップS14)。さらに、サーバ5は、予め設定された暗証番号と、会員が記入した暗証番号とを照合することにより、会員の本人認証を行う(ステップS15)。これにより、本人認証処理は完了する。
【0096】
このように、電子ペン用帳票、電子ペン用カード及び電子ペン10を利用することで、カード発行時における申込処理及びカード利用時における本人認証処理を効率的に行うことが可能となる。
【0097】
なお、本実施形態において処理システム100は、図7に示すように、端末装置25とサーバ5がネットワークを介して接続されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サーバ5が有するプログラム及び機能を全て端末装置25が有することとしてもよい。これによれば、申込処理や本人認証処理を端末装置25自身が実行することが可能となるため、ネットワーク2に接続されていないスタンドアロンの端末装置にも本発明を適用することが可能となる。
【0098】
また、本実施形態では、図10に示すように、申込処理を実行するための機能及び本人認証処理を実行するための機能を1つのサーバが有することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、別々のサーバがそれぞれ有することとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、各種会員カードにドットパターンを印刷した上で電子ペンを利用することにより、カード発行時の申込処理及びカード利用時の本人認証処理を効率的に行うことが可能な処理システムとして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。
【図2】電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。
【図3】専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。
【図4】ドットパターン及びそれに対応する情報の例である。
【図5】専用ペーパーにより構成される帳票の構造を示す。
【図6】電子ペン用帳票の例を示す。
【図7】処理システムの概略構成を示す。
【図8】申込書の例である。
【図9】会員カードの例である。
【図10】処理システムに含まれるサーバの機能ブロック図である。
【図11】管理情報DBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図12】申込書座標テーブルのデータ構造を模式的に示す図である。
【図13】申込情報DBのデータ構造を模式的に示す図である。
【図14】申込処理のフローチャートである。
【図15】本人認証処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0101】
2…ネットワーク
3…電子ペン用帳票
5…サーバ
10…電子ペン
11…プロセッサ
12…メモリ
13…データ通信ユニット
14…バッテリー
25…端末装置
26…問い合わせサーバ
27…サービスサーバ
100…処理システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票及び電子ペン用カードに記入された情報を処理する処理装置において、
前記電子ペン用カードを識別するカード識別情報と、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶する管理情報記憶手段と、
前記電子ペン用帳票及び前記電子ペン用カードに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、
前記記入情報から前記電子ペン用カードに記入されたカード記入情報を抽出するカード記入情報抽出手段と、
抽出したカード記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する申込座標データ特定手段と、
前記申込座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する申込カード識別情報特定手段と、
前記記入情報から前記電子ペン用帳票に記入された帳票記入情報を抽出する帳票記入情報抽出手段と、
前記申込カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報と、抽出した帳票記入情報とを対応付けた申込情報を記憶する申込情報記憶手段と、を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記処理装置は、
前記カード識別情報に対応付けて、前記電子ペン用カードが利用可能であるか否かを示す発行フラグを管理するフラグ管理手段と、
前記申込情報記憶手段が申込情報を記憶したか否かを判定する記憶判定手段と、をさらに備え、
前記フラグ管理手段は、前記記憶判定手段が申込情報を記憶したと判定した場合に、前記申込カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報に対応する発行フラグを立て、前記電子ペン用カードを利用可能とすることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記申込情報には、前記電子ペン用カードの暗証番号が含まれており、
前記処理装置は、
前記電子ペン用カードに記入された照合記入情報を取得する照合記入情報取得手段と、
前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する照合座標データ特定手段と、
前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する照合カード識別情報特定手段と、
前記照合カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報に基づいて前記申込情報記憶手段を参照することにより、対応する暗証番号を特定する第1暗証番号特定手段と、
前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定する第2暗証番号特定手段と、
前記第1暗証番号特定手段が特定した暗証番号と、前記第2暗証番号特定手段が特定した暗証番号とを照合する照合手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記電子ペン用カードは、前記暗証番号を構成する記号に対応する記号項目が前記ドットパターン上に設けられており、
前記管理情報記憶手段は、前記カード識別情報と、前記記号項目と、前記ドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶しているものであって、
前記処理装置は、
前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、前記電子ペンにより記入された記号項目を特定する記号項目特定手段をさらに備え、
前記第2暗証番号特定手段は、前記照合記入情報に含まれる時間情報と、前記記号項目特定手段が特定した記号項目とに基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定することを特徴とする請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用カードに記入された情報を処理する処理装置において、
前記電子ペン用カードを識別するカード識別情報と、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶する管理情報記憶手段と、
前記カード識別情報と、前記電子ペン用カードの暗証番号とを対応付けたカード情報を記憶するカード情報記憶手段と、
前記電子ペン用カードに記入された照合記入情報を取得する照合記入情報取得手段と、
前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する照合座標データ特定手段と、
前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する照合カード識別情報特定手段と、
前記照合カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報に基づいて前記カード情報記憶手段を参照することにより、対応する暗証番号を特定する第1暗証番号特定手段と、
前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定する第2暗証番号特定手段と、
前記第1暗証番号特定手段が特定した暗証番号と、前記第2暗証番号特定手段が特定した暗証番号とを照合する照合手段と、を備えることを特徴とする処理装置。
【請求項6】
前記電子ペン用カードは、前記暗証番号を構成する記号に対応する記号項目が前記ドットパターン上に設けられており、
前記管理情報記憶手段は、前記カード識別情報と、前記記号項目と、前記ドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶しているものであって、
前記処理装置は、
前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、前記電子ペンにより記入された記号項目を特定する記号項目特定手段をさらに備え、
前記第2暗証番号特定手段は、前記照合記入情報に含まれる時間情報と、前記記号項目特定手段が特定した記号項目とに基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定することを特徴とする請求項5に記載の処理装置。
【請求項7】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票及び電子ペン用カードに記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記電子ペン用カードを識別するカード識別情報と、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶する管理情報記憶手段、
前記電子ペン用帳票及び前記電子ペン用カードに記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、
前記記入情報から前記電子ペン用カードに記入されたカード記入情報を抽出するカード記入情報抽出手段、
抽出したカード記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する申込座標データ特定手段、
前記申込座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する申込カード識別情報特定手段、
前記記入情報から前記電子ペン用帳票に記入された帳票記入情報を抽出する帳票記入情報抽出手段、
前記申込カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報と、抽出した帳票記入情報とを対応付けた申込情報を記憶する申込情報記憶手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用カードに記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記電子ペン用カードを識別するカード識別情報と、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データとを対応付けた管理情報を記憶する管理情報記憶手段、
前記カード識別情報と、前記電子ペン用カードの暗証番号とを対応付けたカード情報を記憶するカード情報記憶手段、
前記電子ペン用カードに記入された照合記入情報を取得する照合記入情報取得手段、
前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに印刷されたドットパターンの座標データを特定する照合座標データ特定手段、
前記照合座標データ特定手段が特定した座標データに基づいて前記管理情報記憶手段を参照することにより、対応するカード識別情報を特定する照合カード識別情報特定手段、
前記照合カード識別情報特定手段が特定したカード識別情報に基づいて前記カード情報記憶手段を参照することにより、対応する暗証番号を特定する第1暗証番号特定手段、
前記照合記入情報に基づいて、前記電子ペン用カードに記入された暗証番号を特定する第2暗証番号特定手段、
前記第1暗証番号特定手段が特定した暗証番号と、前記第2暗証番号特定手段が特定した暗証番号とを照合する照合手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される電子ペン用カードであって、
前記ドットパターン上に、暗証番号を構成する記号に対応する記号項目を有することを特徴とする電子ペン用カード。
【請求項10】
前記電子ペン用カードは、10個の前記記号項目を有しており、
各記号項目は、それぞれ1桁の数字である0乃至9に対応していることを特徴とする請求項9に記載の電子ペン用カード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−334830(P2007−334830A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169192(P2006−169192)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】