説明

処理装置、処理方法、コンピュータプログラムおよび記憶媒体

【課題】処理槽から引き上げられた被処理体から立ち上る処理液の蒸気が、搬送駆動部の設けられた隔壁の他方側に侵入することを防止すること。
【解決手段】処理装置は、間隙25を有する隔壁28と、隔壁28の一方側に配置され、被処理体Wgを処理する処理液C1が貯留された処理槽31と、隔壁28の間隙25を通過可能な支持部21と、隔壁28の他方側に設けられ支持部21を移動させる搬送駆動部23と、を有する搬送機構と、被処理体Wgを、処理液C1内から取り出して引き上げ位置に位置づける上下方向移動部32と、を備えている。処理槽31の上方には、上方から第一気体を供給する第一気体供給部27が設けられている。処理装置は、引き上げ位置に位置づけられた被処理体Wgに向かって第二気体を噴出する気体噴出部10も備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理体を処理する処理装置と、当該処理装置を用いた処理方法と、当該処理方法を実行させるコンピュータプログラムと、当該コンピュータプログラムを格納した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、装置内空間を処理室と駆動室とに仕切り、かつ開口を有する隔壁と、処理室内に設けられて処理液によって基板に処理を施す処理槽と、基板(被処理体)を保持して隔壁の開口を通じて処理室内に配される基板保持部及び駆動室に配されて開口が存在する範囲で基板保持部を移動させて基板保持部に保持した基板を処理槽に搬送する駆動部を有するハンドリング手段と、装置内空間に気流を流下させるとともに隔壁に沿って他の部分よりも高圧力の気流を流下させる気流流下手段とを備えた基板処理装置(処理装置)が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−283482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような従来技術では、処理室から駆動室への処理液の蒸気の侵入を防止するために、気流流下手段によって、装置内空間に気流を流下させて隔壁に沿って気流を流下させている。しかしながら、例えば高温に加熱した処理液を用いた場合には、処理槽から引き上げられた基板から立ち上る処理液の蒸気が、処理室から駆動室へ侵入することを防止することができず、十分なものではない。
【0004】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、処理槽から引き上げられた被処理体から立ち上る処理液の蒸気が、搬送駆動部の設けられた隔壁の他方側に侵入することを防止することができる処理装置と、当該処理装置を用いた処理方法と、当該処理方法を実行させるコンピュータプログラムと、当該コンピュータプログラムを格納した記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による処理装置は、
間隙を有する隔壁と、
前記隔壁の一方側に配置され、被処理体を処理する処理液が貯留された処理槽と、
前記隔壁の前記間隙を通過可能な支持部と、該隔壁の他方側に設けられ該支持部を移動させる搬送駆動部と、を有する搬送機構と、
前記被処理体を、該処理液内から取り出して引き上げ位置に位置づける上下方向移動部と、
前記処理槽の上方から第一気体を供給する第一気体供給部と、
引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体に向かって第二気体を噴出する気体噴出部と、
を備えている。
【0006】
本発明による処理装置において、
前記気体噴出部は、前記被処理体が前記上下方向移動部によって前記処理液内から取り出される前から前記第二気体を噴出し始めてもよい。
【0007】
本発明による処理装置において、
前記気体噴出部は、前記第二気体として、乾燥された空気または乾燥された不活性ガスを噴出してもよい。
【0008】
本発明による処理装置において、
前記隔壁の一方側に設けられ、該隔壁の一方側の雰囲気を吸引して排出する排出部をさらに備え、
前記排出部は、前記上下方向移動部によって前記引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体の下端よりも上方に位置づけられていてもよい。
【0009】
本発明による処理装置において、
前記排出部は、前記上下方向移動部によって前記引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体の中心よりも上方に位置づけられていてもよい。
【0010】
本発明による処理装置において、
前記排出部は、前記上下方向移動部によって前記引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体の上端よりも上方に位置づけられていてもよい。
【0011】
本発明による処理装置において、
前記排出部は、前記被処理体が前記上下方向移動部によって前記処理液内から取り出されている間、または、前記処理液内から取り出された後で、前記隔壁の一方側の雰囲気を吸引して排出し始めてもよい。
【0012】
本発明による処理装置において、
前記気体噴出部は、下方または斜め下方に向かって第二気体を噴出し、
前記排出部は、前記気体噴出部よりも上方に位置づけられていてもよい。
【0013】
本発明による処理装置において、
前記排出部は、前記気体噴出部が第二気体を噴出し始めた後で、前記隔壁の一方側の雰囲気を吸引して排出し始めてもよい。
【0014】
本発明による処理装置において、
前記第一気体供給部から供給される第一気体の流量は調整可能となっており、
前記第一気体供給部から供給される第一気体の流量は、前記気体噴出部が第二気体を噴出する際において、該気体噴出部が第二気体を噴出し始める前と比較して減少されてもよい。
【0015】
本発明による処理装置において、
前記第一気体供給部は、前記気体噴出部が第二気体を噴出する際に第一気体の供給を停止してもよい。
【0016】
本発明による処理方法は、
間隙を有する隔壁と、前記隔壁の一方側に配置されて被処理体を処理する処理液が貯留された処理槽と、前記隔壁の前記間隙を通過可能な支持部と該隔壁の他方側に設けられて該支持部を移動させる搬送駆動部とを有する搬送機構とを含む処理装置を用いた処理方法において、
第一気体供給部によって、前記処理槽の上方から第一気体を供給する工程と、
前記搬送駆動部によって、前記支持部上に載置された前記被処理体を移動させる工程と、
上下方向移動部によって、前記支持部から前記被処理体を受け取り、該被処理体を前記処理液内に浸漬させる工程と、
前記上下方向移動部によって、前記被処理体を前記処理液から取り出して引き上げ位置に位置づける工程と、
気体噴出部によって、引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体に向かって第二気体を噴出する工程と、
を備えている。
【0017】
本発明によるコンピュータプログラムは、
間隙を有する隔壁と、前記隔壁の一方側に配置されて被処理体を処理する処理液が貯留された処理槽と、前記隔壁の前記間隙を通過可能な支持部と該隔壁の他方側に設けられて該支持部を移動させる搬送駆動部とを有する搬送機構とを含む処理装置に処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、
前記処理方法が、
第一気体供給部によって、前記処理槽の上方から第一気体を供給する工程と、
前記搬送駆動部によって、前記支持部上に載置された前記被処理体を移動させる工程と、
上下方向移動部によって、前記支持部から前記被処理体を受け取り、該被処理体を前記処理液内に浸漬させる工程と、
前記上下方向移動部によって、前記被処理体を前記処理液から取り出して引き上げ位置に位置づける工程と、
気体噴出部によって、引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体に向かって第二気体を噴出する工程と、
を備えた方法からなっている。
【0018】
本発明による記憶媒体は、
間隙を有する隔壁と、前記隔壁の一方側に配置されて被処理体を処理する処理液が貯留された処理槽と、前記隔壁の前記間隙を通過可能な支持部と該隔壁の他方側に設けられて該支持部を移動させる搬送駆動部とを有する搬送機構とを含む処理装置に処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、
前記処理方法が、
第一気体供給部によって、前記処理槽の上方から第一気体を供給する工程と、
前記搬送駆動部によって、前記支持部上に載置された前記被処理体を移動させる工程と、
上下方向移動部によって、前記支持部から前記被処理体を受け取り、該被処理体を前記処理液内に浸漬させる工程と、
前記上下方向移動部によって、前記被処理体を前記処理液から取り出して引き上げ位置に位置づける工程と、
気体噴出部によって、引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体に向かって第二気体を噴出する工程と、
を備えた方法からなっている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第一気体供給部によって処理槽の上方から供給される第一気体とは別に、気体噴出部によって、引き上げ位置に位置づけられた被処理体に向かって第二気体を噴出することができる。このため、処理槽から引き上げられた被処理体から立ち上る処理液の蒸気が、搬送駆動部の設けられた隔壁の他方側に侵入することを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態
以下、本発明に係る処理装置、処理方法、コンピュータプログラムおよび記憶媒体の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、図1乃至図6は本発明の実施の形態を示す図である。
【0021】
図1に示すように、処理装置は、筐体1と、筐体1内に設けられ、複数のウエハ(以下、ウエハ群Wgとも呼ぶ)(図3参照)が収納されているキャリア(図示せず)を搬入出するためのキャリア搬入出部(図示せず)と、当該キャリア搬入出部からキャリアを受け取って保管するキャリアストック部(図示せず)と、処理するときにキャリアストック部に保管されたウエハ群Wgが移動されるキャリア搬入出ステージ3と、当該キャリア搬入出ステージ3からウエハ群Wgを取り出す第一搬送機構5と、当該第一搬送機構5からウエハ群Wgを受け取るローダ部71と、を備えている。このうち、キャリア搬入出ステージ3は、第一搬送機構5が接近すると開状態となり、第一搬送機構5が離れると閉状態となるキャリア搬入扉3aを有している。
【0022】
また、図1および図2に示すように、処理装置は、第一薬液C1でウエハを処理する第一薬液処理部30と、第二薬液C2でウエハを処理する第二薬液処理部35とを有する薬液処理機構と、第一リンス液R1でウエハを処理する第一リンス液処理部40と、第二リンス液R2でウエハを処理する第二リンス液処理部45とを有するリンス液処理機構と、を備えている。
【0023】
このうち、第一薬液処理部30は、第一薬液C1を貯留した第一薬液槽(処理槽)31と、後述する第二搬送機構(搬送機構)20からウエハ群Wgを受け取って第一薬液槽31内にウエハ群Wgを搬送する第一薬液昇降機構(上下方向移動部)32とを有している。また、第二薬液処理部35は、第二薬液C2を貯留した第二薬液槽36と、第二搬送機構20からウエハ群Wgを受け取って第二薬液槽36内にウエハ群Wgを搬送する第二薬液昇降機構37とを有している。
【0024】
また、第一リンス液処理部40は、第一リンス液R1を貯留した第一リンス液槽41と、第二搬送機構20からウエハ群Wgを受け取って第一リンス液槽41内にウエハ群Wgを搬送する第一リンス液昇降機構42とを有している。また、第二リンス液処理部45は、第二リンス液R2を貯留した第二リンス液槽46と、第二搬送機構20からウエハ群Wgを受け取って第二リンス液槽46内にウエハ群Wgを搬送する第二リンス液昇降機構47とを有している。
【0025】
ところで、本願において薬液としては、例えば、濃フッ酸、希フッ酸、アンモニア過水(SC1)、塩酸過水(SC2)、リン酸、SPM(HSOとHの混合液)などを用いることができる。他方、リンス液としては、例えば、純水(DIW)、オゾン水などを用いることができる。この点、本実施の形態では、第一薬液C1として高温(約130℃)のSPM(HSOとHの混合液)を用い、第二薬液C2としてSC1を用い、第一リンス液R1、第二リンス液R2および後述する第三リンス液R3として純水を用いた態様によって、以下説明する。なお、高温の処理液としては、約130℃のSPM以外にも、約70℃のSC1や、約150℃のリン酸などを用いることができる。
【0026】
図1に示すように、処理装置は、ローダ部71に載置されたウエハ群Wgを当該ローダ部71から持ち上げるとともに、搬送機構洗浄部65、第一薬液処理部30、第一リンス液処理部40、第二薬液処理部35、第二リンス液処理部45および後述する乾燥部60間で、当該ウエハ群Wgを移動させる第二搬送機構(搬送機構)20を備えている。なお、搬送機構洗浄部65は、第二搬送機構20を適宜洗浄するために用いられる。
【0027】
また、図1および図2に示すように、第一薬液処理部30、第一リンス液処理部40、第二薬液処理部35、第二リンス液処理部45および乾燥部60には、これらが一方側(図1の紙面奥側)に位置するように隔壁28が設けられている。なお、この隔壁28は、図2に示すように、水平方向に延びた間隙25を有している。
【0028】
また、図4に示すように、第二搬送機構20は、隔壁28の間隙25を通過可能な支持部21と、駆動部側(隔壁28の他方側、つまり図1の紙面手前側)に設けられて第二搬送機構20自体を水平方向に案内する水平ガイド22と、駆動部側に設けられて支持部21を水平ガイド22に沿って移動させるモータなどからなる搬送駆動部23とを有している。
【0029】
上述のような態様で隔壁28が設けられているので、処理槽側(隔壁28の一方側)に、第一薬液槽31、第一リンス液槽41、第二薬液槽36、第二リンス液槽46および第三リンス液槽61が配置され、駆動部側(隔壁28の他方側)に搬送駆動部23および水平ガイド22が配置されることとなる。
【0030】
また、図2および図3に示すように、第一薬液槽31、第一リンス液槽41、第二薬液槽36、第二リンス液槽46および後述する第三リンス液槽61の上方位置には、これら第一薬液槽31、第一リンス液槽41、第二薬液槽36、第二リンス液槽46および第三リンス液槽61の上方から清浄空気(第一気体)を供給するファン・フィルター・ユニット(第一気体供給部)27が設けられている。
【0031】
なお、ファン・フィルター・ユニット27から第一薬液槽31の上方に供給される清浄空気の流量は調整可能となっており、ファン・フィルター・ユニット27から第一薬液槽31の上方に供給される清浄空気の流量は、後述する気体噴出部10が第二気体を噴出する際において、当該気体噴出部10が第二気体を噴出し始める前と比較して減少されるように構成されている。
【0032】
ところで、本実施の形態では、以下、ファン・フィルター・ユニット27から第一薬液槽31の上方に供給される第一気体の流量が気体噴出部10が第二気体を噴出する際において減少される態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、ファン・フィルター・ユニット27から第一薬液槽31の上方への清浄空気の供給は、気体噴出部10が第二気体を噴出する際に停止されるように構成されていてもよい。
【0033】
また、図2および図3に示すように、高温のSPMが貯留された第一薬液槽31の上方位置には、第一薬液昇降機構32によって第一薬液槽31から取り出されて引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgに向かって(下方または斜め下方に向かって)、乾燥された空気(ドライエア)または乾燥された不活性ガス(例えばドライ窒素など)からなる第二気体を噴出する気体噴出部10が設けられている。なお、本実施の形態では、第二気体として乾燥された空気または乾燥された不活性ガスを用いて説明するが、これに限られることはない。また、第二気体としては、露点温度が−20℃以下からなるガスを用いることが好ましく、露点温度が−60℃以下からなるガスを用いることがさらに好ましい。
【0034】
なお、気体噴出部10は、ウエハ群Wgが第一薬液槽31内の高温のSPM内から取り出される前から、乾燥された空気または乾燥された不活性ガスを噴出し始めるように構成されている。
【0035】
また、図2および図3に示すように、処理槽側に設けられた後壁29であって、第一薬液槽31と第一リンス液槽41の上方には、第一薬液槽31上方と第一リンス液槽41上方の雰囲気を吸引して排出する排出部11が設けられている。
【0036】
なお、この排出部11は、第一薬液昇降機構32によって引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgの上端よりも上方に位置づけられている(図3参照)。また、排出部11は、気体噴出部10よりも上方に位置づけられている。ところで、本実施の形態において、排出部11は、気体噴出部10が第二気体を噴出し始めた後で、処理槽側の雰囲気を吸引して排出し始めるように構成されている。
【0037】
ところで、本実施の形態では、以下、第一薬液槽31と第一リンス液槽41の上方に排出部11が設けられている態様を用いて説明する。しかしながら、これに限られることなく、第二薬液槽36の上方、第二リンス液槽46の上方または第三リンス液槽61の上方に、適宜選択的に、排出部11が設けられていてもよい。また、逆に、第一薬液槽31の上方のみに排出部11が設けられ、第一リンス液槽41の上方には排出部11が設けられていない態様を用いても良い。
【0038】
なお、本実施の形態の排出部11は、ウエハ群Wgが第一薬液昇降機構32によって第一薬液槽31内の高温のSPM内から取り出されている間に、第一薬液槽31上方の雰囲気を吸引して排出し始めるように構成されている。
【0039】
また、図2および図3に示すように、隔壁28のうち、(第一薬液槽31、第一リンス液槽41、第二薬液槽36、第二リンス液槽46および後述する第三リンス液槽61からなる)処理槽と隔壁28との間には、間隙25を覆う遮蔽部12が設けられている。この遮蔽部12は、図2に示すように、可塑性を有し、上下方向に延在する複数の延在遮蔽部13からなっている。そして、この延在遮蔽部13は、耐薬品性を有するPTFEなどのフッ素系樹脂からなっている。なお、本実施の形態では、延在遮蔽部13がフッ素系樹脂からなる態様を用いて説明するが、これに限られることはなく、延在遮蔽部13は例えばフッ素系ゴムからなっていてもよい。
【0040】
また、図5に示すように、遮蔽部12は、処理槽側に配置された一方側遮蔽部12aと、当該一方側遮蔽部12aより駆動部側に配置された他方側遮蔽部12bとを有している。そして、一方側遮蔽部12aの延在遮蔽部13と、他方側遮蔽部12bの延在遮蔽部13は、互い違いに配置されている。なお、本実施の形態では、一方側遮蔽部12aと他方側遮蔽部12bとが二段構成になっている態様を用いて説明するが、これに限られることなく、遮蔽部12は三段以上から構成されてもよいし、一段のみから構成されていてもよい(なお、処理槽側と駆動部側との間の遮蔽効果を向上させる点からすると、遮蔽部12は複数段以上から構成されることが好ましい)。この場合には、ある一段が一方側遮蔽部12aを構成し、一方側遮蔽部12aより駆動部側に配置された別の一段が他方側遮蔽部12bを構成することとなる。
【0041】
また、乾燥部60は、図1および図2に示すように、第三リンス液R3(本実施の形態では純水)を収容する第三リンス液槽61と、当該第三リンス液槽61の上方に設けられた乾燥室63と、第三リンス液槽61と乾燥室63との間に開閉自在に設けられたシャッタ(図示せず)と、第三リンス液槽61と乾燥室63との間を昇降する乾燥昇降機構62と、を有している。また、乾燥室63には、IPAなどの乾燥液を供給する乾燥液供給部(図示せず)と、Nなどの不活性ガスを供給する不活性ガス供給部(図示せず)が設けられている。
【0042】
また、図1に示すように、処理装置は、乾燥部60で乾燥された後のウエハ群Wgを、第二搬送機構20から受け取るアンローダ部72も備えている。なお、このアンローダ部72に載置されたウエハ群Wgは、第一搬送機構5によって持ち上げられて、キャリア搬入出ステージ3へと搬送されるように構成されている。
【0043】
ところで、本実施の形態において、後述する処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムが記憶媒体52に格納されている(図1参照)。そして、処理装置は、記憶媒体52を受け付けるコンピュータ55と、当該コンピュータ55からの信号を受けて、処理装置自身を制御する制御装置50とを備えている。そして、記憶媒体52をコンピュータ55に挿入する(または取り付ける)ことで、制御装置50によって、後述する一連の処理方法を処理装置に実行させることができる。なお、本願において記憶媒体52とは、CD,DVD,MD,ハードディスク、RAMなどを意味している。
【0044】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0045】
まず、第一搬送機構5がキャリア搬入出ステージ3に接近し、キャリア搬入扉3aが開状態となる。その後、第一搬送機構5によって、キャリア搬入出ステージ3内に載置されたウエハ群Wg(例えば25枚のウエハ)が取り出された後で、キャリア搬入扉3aが閉状態となる(図1参照)。なお、このとき、ファン・フィルター・ユニット27によって、第一薬液槽31、第一リンス液槽41、第二薬液槽36、第二リンス液槽46および第三リンス液槽61の上方から、清浄空気(第一気体)が供給されている。
【0046】
次に、第一搬送機構5が、ローダ部71に向かって90°回転されつつ、ウエハ群Wgをその面が鉛直方向に延在するように回転させる。その後、面が鉛直方向に延在した状態のウエハがローダ部71に載置される(図1参照)。
【0047】
次に、上述した工程を再度繰り返して、さらに複数(例えば25枚)のウエハをローダ部71に載置させる。このとき、先に載置させたウエハと今回載置させるウエハとは、入れ子状に載置されることとなり、ウエハがキャリアに収納されていたピッチの1/2のピッチからなるウエハ群Wgが形成される(ローダ載置工程)(図1参照)。
【0048】
次に、第二搬送機構20の支持部21によって、複数(例えば50枚)のウエハからなるウエハ群(被処理体)Wgが、ローダ部71から持ち上げられ、その後、第一薬液処理部30まで搬送される(第一薬液搬送工程)(図6の(1)、参照)。そして、当該第一薬液処理部30において、第一薬液昇降機構32によって、ウエハ群Wgが第二搬送機構20から受け取られ、第一薬液槽31内に浸漬される(第一薬液処理工程)(図2および図3参照)。このことによって、ウエハ群Wgは、第一薬液C1である高温のSPMによって処理されることとなる。
【0049】
次に、気体噴出部10から、乾燥された空気または乾燥された不活性ガス(第二気体)が噴出され始める(第二気体噴出工程)(図2および図3参照)。このとき、ファン・フィルター・ユニット27によって第一薬液槽31の上方に供給される清浄空気の流量は、減少される。
【0050】
このように、本実施の形態では、気体噴出部10から第二気体が噴出される際にファン・フィルター・ユニット27から第一薬液槽31の上方に供給される清浄空気の量が減少されるので、第一薬液槽31の上方の雰囲気の流れが乱されることはない。
【0051】
すなわち、ファン・フィルター・ユニット27から供給される清浄空気の量を変えることなく、気体噴出部10から第二気体が噴出されると、第一薬液槽31の上方の雰囲気が乱されるという不都合が生じる可能性がある。しかしながら、本実施の形態によれば、気体噴出部10から第二気体が噴出される際にファン・フィルター・ユニット27から第一薬液槽31の上方に供給される清浄空気の量が減少されるので、第一薬液槽31の上方の雰囲気の流れが乱されることはない。なお、ファン・フィルター・ユニット27から第一薬液槽31の上方への清浄空気の供給が、気体噴出部10が第二気体を噴出する際に停止される態様を用いた場合でも、同様の効果を得ることができる。
【0052】
次に、第一薬液昇降機構32によって、ウエハ群Wgが高温のSPM内から取り出されて引き上げ位置に位置づけられる(上方位置づけ工程)(図3参照)。このことによって、気体噴出部10によって、引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgに向かって第二気体が噴出されることとなる。
【0053】
このように、本実施の形態によれば、引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgに向かって、ファン・フィルター・ユニット27によって供給される清浄空気(第一気体)とは別に、清浄空気よりも水分量の少ない第二気体を噴出することができる。
【0054】
このため、ウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気が、駆動部側(搬送駆動部23の設けられた隔壁28の他方側)に侵入することを防止することができ、ひいては、搬送駆動部23のSPMによる劣化を防止することができる。
【0055】
すなわち、従来技術であれば、ファン・フィルター・ユニット27によってしか、ウエハ群Wgから立ち上るSPMなどの高温の処理液の蒸気を抑えることができず、(耐薬品処理を施すことが困難な)搬送駆動部23への悪影響を防止することができなかった。しかしながら、本実施の形態によれば、ファン・フィルター・ユニット27よりも強力に気体噴出部10から噴出され、第一気体よりも露点の低い第二気体によって、ウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気を抑えることができるので、ウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気が、駆動部側に侵入することを防止することができる。
【0056】
なお、本実施の形態では、ウエハ群Wgが高温のSPM内から取り出される前から、気体噴出部10によって乾燥された空気または乾燥された不活性ガスからなる第二気体が噴出され始めるので、引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気が、駆動部側に侵入することをより確実に防止することができる。
【0057】
また、本実施の形態では、処理槽側に設けられた後壁29のうち、引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgの上端よりも上方に、第一薬液槽31の上方と第一リンス液槽41の上方の雰囲気を吸引して排出する排出部11が設けられている(図2および図3参照)。
【0058】
そして、この排出部11によって、ウエハ群Wgが第一薬液昇降機構32によって第一薬液槽31内の高温のSPMから取り出されている間に、第一薬液槽31の上方と第一リンス液槽41の上方の雰囲気が吸引されて排出され始める(排出工程)。
【0059】
このため、ウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気を吸引して排出することができ、ウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気が、駆動部側に侵入することをより確実に防止することができる。
【0060】
なお、本実施の形態では、排出部11が気体噴出部10よりも上方に位置づけられているので、気体噴出部10から下方または斜め下方に向かって噴出された第二気体は、ウエハ群Wgを経た後、上方側へ回り込んで排出部11から排出されることとなる。このため、気体噴出部10から噴出された第二気体が、ウエハ群Wgに達する前に排出部11によって排出されるようなことを防止することができ、ウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気が駆動部側に侵入することを効率よく防止することができる。
【0061】
また、上述のように、排出部11は、気体噴出部10が第二気体を噴出し始めた後で(ウエハ群Wgが第一薬液槽31内の高温のSPMから取り出されている間に)、処理槽側の雰囲気を吸引して排出し始めるので、気体噴出部10から噴出された第二気体がウエハ群Wgを経ることなく排出部11から排出されることを、より確実に防止することができる。
【0062】
また、ウエハ群Wgが高温のSPMから取り出されている間という早い段階から、排出部11によって第一薬液槽31の上方と第一リンス液槽41の上方の雰囲気を吸引して排出し始める。このため、ウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気が、駆動部側に侵入することをさらにより確実に防止することができる。
【0063】
さらに、本実施の形態では、隔壁28の処理槽側に、可塑性を有し、上下方向に延在する複数の延在遮蔽部13が、間隙25を覆うようにして設けられている(図2および図5参照)。このため、第一薬液槽31内の高温のSPMから引き上げられたウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気が、駆動部側に侵入することをより確実に防止することができる。
【0064】
そして、本実施の形態では、遮蔽部12は、処理槽側に配置された一方側遮蔽部12aと、当該一方側遮蔽部12aより搬送駆動部23側に配置された他方側遮蔽部12bとを有しており、一方側遮蔽部12aの延在遮蔽部13と、他方側遮蔽部12bの延在遮蔽部13が、互い違いに配置されている(図5参照)。このため、第一薬液槽31内の高温のSPMから引き上げられたウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気が、駆動部側に侵入することをさらにより確実に防止することができる。なお、延在遮蔽部13は、耐薬品性を有するフッ素系樹脂からなっており、SPMの蒸気によって劣化しにくくなっている。
【0065】
なお、図2に示すように、本実施の形態では、第一薬液槽31、第一リンス液槽41、第二薬液槽36、第二リンス液槽46および第三リンス液槽61の各々に対応する間隙25の全領域に亘って、遮蔽部12が設けられている。このため、引き上げられたウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気が、処理槽側から駆動部側へ侵入することをさらにより確実に防止することができる。
【0066】
ところで、上述のように、上下方向に延在する複数の延在遮蔽部13が可塑性を有しているので、第二搬送機構20の支持部21が間隙25の間を通過する際でも、支持部21の移動が妨げられることはない。
【0067】
上述のように、第一薬液処理部30でのウエハ群Wgの処理が終了すると、第二搬送機構20によって、ウエハ群Wgが第一薬液昇降機構32から受け取られ、第一リンス液処理部40に搬送される(第一リンス液搬送工程)(図6の(2)、参照)。なお、このとき、減少された第一薬液槽31の上方から供給される清浄空気の流量は元の流量に戻される。
【0068】
次に、第一リンス液処理部40において、第一リンス液昇降機構42によって、ウエハ群Wgが第二搬送機構20から受け取られる。その後、第一リンス液昇降機構42によって、ウエハ群Wgが第一リンス液槽41内に浸漬され、ウエハ群Wgが純水(第一リンス液R1)によって処理される(第一リンス液処理工程)。
【0069】
次に、第一リンス液昇降機構42によって、ウエハ群Wgが上昇され、第一リンス液槽41内から搬出される。そして、第二搬送機構20によって、ウエハ群Wgが第一リンス液昇降機構42から受け取られ、第二薬液処理部35に搬送される(第二薬液搬送工程)(図6の(3)、参照)。
【0070】
次に、第二薬液処理部35において、第二薬液昇降機構37によって、ウエハ群Wgが第二搬送機構20から受け取られる。その後、第二薬液昇降機構37によって、ウエハ群Wgが第二薬液槽36内に浸漬され、ウエハ群WgがSC1(第二薬液C2)によって処理される(第二薬液処理工程)。
【0071】
次に、第二薬液昇降機構37によって、ウエハ群Wgが上昇され、第二薬液槽36内から搬出される。そして、第二搬送機構20によって、ウエハ群Wgが第二薬液昇降機構37から受け取られ、第二リンス液処理部45に搬送される(第二リンス液搬送工程)(図6の(4)、参照)。
【0072】
次に、第二リンス液処理部45において、第二リンス液昇降機構47によって、ウエハ群Wgが第二搬送機構20から受け取られる。その後、第二リンス液昇降機構47によって、ウエハ群Wgが第二リンス液槽46内に浸漬され、ウエハ群Wgが純水(第二リンス液R2)によって処理される(第二リンス液処理工程)。
【0073】
次に、第二リンス液昇降機構47によって、ウエハ群Wgが上昇され、第二リンス液槽46内から搬出される。そして、第二搬送機構20によって、ウエハ群Wgが第二リンス液昇降機構47から受け取られ、乾燥部60に搬送される(乾燥搬送工程)(図6の(5)、参照)。
【0074】
次に、乾燥部60において、乾燥昇降機構62によって、ウエハ群Wgが第二搬送機構20から受け取られる。その後、乾燥昇降機構62によって、ウエハ群Wgが第三リンス液槽61内に浸漬され、ウエハ群Wgが純水(第三リンス液R3)によって処理される(第三リンス液処理工程)。
【0075】
次に、乾燥昇降機構62によってウエハ群Wgが上昇される。そして、上昇されたウエハ群Wgに、IPAなどの乾燥液が供給された後で、Nなどの不活性ガスが供給され、当該ウエハ群Wgは乾燥される(乾燥工程)。
【0076】
次に、第二搬送機構20によって、ウエハ群Wgが乾燥昇降機構62から受け取られ、当該ウエハ群Wgはアンローダ部72に搬送され、当該アンローダ部72に載置される(アンローダ載置工程)(図6の(6)、参照)。その後、ウエハ群Wgは、第一搬送機構5によって持ち上げられて、キャリア搬入出ステージ3へと搬送される。このように、第二搬送機構20からアンローダ部72にウエハ群Wgが受け渡されると、第二搬送機構20はローダ部71に移動される(図6の(7)、参照)。
【0077】
ところで、上記の態様において、第二搬送機構20は、搬送機構洗浄部65によって、適宜洗浄されてもよい。
【0078】
すなわち、第二搬送機構20は、第一薬液搬送工程(図6の(1)参照)と第一リンス液搬送工程(図6の(2)参照)の間、第一リンス液搬送工程(図6の(2)参照)と第二薬液搬送工程(図6の(3)参照)の間、第二薬液搬送工程(図6の(3)参照)と第二リンス液搬送工程(図6の(4)参照)の間、第二リンス液搬送工程(図6の(4)参照)と乾燥搬送工程(図6の(5)参照)の間、乾燥搬送工程(図6の(5)参照)とアンローダ載置工程(図6の(6)参照)の間、および、アンローダ載置工程(図6の(6)参照)とウエハ群がローダ部71に移動される工程(図6の(7)参照)の間の各々において、必要に応じて適宜、搬送機構洗浄部65まで移動され、当該搬送機構洗浄部65で洗浄された後で、元の位置に戻ってきてもよい。
【0079】
なお、上記では、ウエハ群Wgから立ち上るSPMの蒸気を効率よく吸引して排出するために、排出部11が、第一薬液昇降機構32によって引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgの上端よりも上方に位置づけられている態様を用いて説明した。
【0080】
しかしながら、これに限ることなく、処理液の温度や種類によっては、排出部11は、引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgの中心よりも上方に位置づけられたり(図3の符号11a参照)、ウエハ群Wgの下端よりも上方に位置づけられていればよく(図3の符号11b参照)、引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgの上端よりも上方に位置づけられていなくてもよい。ただし、一般的には、排出部11は、より上方側に位置づけられていることが好ましく、引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgの中心よりも上方に位置づけられていることが好ましく、引き上げ位置に位置づけられたウエハ群Wgの上端よりも上方に位置づけられていることがさらに好ましい。
【0081】
また、上記では、ウエハ群Wgが高温のSPM内から取り出される前から、気体噴出部10によって乾燥された空気または乾燥された不活性ガスからなる第二気体が噴出される態様を用いて説明した。しかしながら、これに限ることなく、ウエハ群Wgから立ち上る蒸気の量がそれほど多くない場合には、ウエハ群Wgが高温のSPMから取り出された後や、ウエハ群Wgが上方位置に位置づけられた後で、気体噴出部10によって第二気体が噴出され始める態様を用いてもよい。
【0082】
さらに、上記では、ウエハ群Wgが第一薬液昇降機構32によって第一薬液槽31内の高温のSPMから取り出されている間に、排出部11によって第一薬液槽31上方の雰囲気が吸引されて排出され始める態様を用いて説明した。しかしながら、これに限ることなく、ウエハ群Wgから立ち上る蒸気の量がそれほど多くない場合には、ウエハ群Wgが上方位置に位置づけられた後で、排出部11によって第一薬液槽31上方および第一リンス液槽41上方の雰囲気が吸引されて排出され始める態様を用いてもよい。
【0083】
変形例
次に、図7により、本発明の実施の形態の変形例について説明する。図7に示す実施の形態の変形例は、遮蔽部12に、当該遮蔽部12を上下方向に駆動する複数の遮蔽駆動部80が設けられたものであり、その他の構成は図1乃至図6に示す上述した実施の形態と略同一である。
【0084】
図7に示す実施の形態の変形例において、図1乃至図6に示す実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0085】
本変形例では、第一薬液処理部30、第一リンス液処理部40、第二薬液処理部35、第二リンス液処理部45および乾燥部60の各々に対応する位置に、遮蔽部12を上下方向に駆動する遮蔽駆動部80が設けられている。そして、この遮蔽駆動部80は、遮蔽保持部81と、当該遮蔽保持部81を上下方向に案内する溝82aを有する遮蔽ガイド82と、を有している。
【0086】
遮蔽駆動部80の各々は、第二搬送機構20の支持部21が通過する際に、対応する遮蔽部12を上方に移動させる(図7(b)では、第一薬液処理部30に対応する遮蔽駆動部80が遮蔽部12を上方に移動させている)。このため、支持部21に遮蔽部13が衝突することがなくなり、支持部21の移動が妨げられることをより確実に防止することができる。
【0087】
ところで、上記の実施の形態および実施の形態の変形例において、隔壁28に遮蔽部12が設けられている態様を用いて説明した。しかしながら、処理液の温度や種類によっては、このような遮蔽部12がなくてもよく、例えば図8に示すように、排出部11と気体噴出部10だけが設けられている態様であってもよい。さらに、ウエハ群Wgから立ち上る蒸気の量が多くない場合には、排出部11が設けられずに、気体噴出部10だけが設けられている態様であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施の形態による処理装置の構成を示す概略図。
【図2】本発明の実施の形態による処理装置を示す正面図。
【図3】本発明の実施の形態による処理装置を示す側方図。
【図4】本発明の実施の形態による処理装置の搬送機構を示す斜視図。
【図5】本発明の実施の形態による処理装置の遮蔽部を示す上方図。
【図6】本発明の実施の形態による処理装置による処理方法を説明するための概略図。
【図7】本発明の実施の形態の変形例による処理装置を示す正面図。
【図8】本発明の実施の形態の別の変形例による処理装置を示す正面図。
【符号の説明】
【0089】
10 気体噴出部
11 排出部
12 遮蔽部
12a 一方側遮蔽部
12b 他方側遮蔽部
13 延在遮蔽部
20 第二搬送機構(搬送機構)
21 支持部
23 搬送駆動部
25 間隙
28 隔壁
27 ファン・フィルター・ユニット(第一気体供給部)
30 第一薬液処理部
31 第一薬液槽(処理槽)
32 第一薬液昇降機構(上下方向移動部)
35 第二薬液処理部
36 第二薬液槽(処理槽)
37 第二薬液昇降機構(上下方向移動部)
40 第一リンス液処理部
41 第一リンス液槽
42 第一リンス液昇降機構
45 第二リンス液処理部
46 第二リンス液槽
47 第二リンス液昇降機構
C1 第一薬液
C2 第二薬液
R1 第一リンス液
R2 第二リンス液
Wg 被処理体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隙を有する隔壁と、
前記隔壁の一方側に配置され、被処理体を処理する処理液が貯留された処理槽と、
前記隔壁の前記間隙を通過可能な支持部と、該隔壁の他方側に設けられ該支持部を移動させる搬送駆動部と、を有する搬送機構と、
前記被処理体を、該処理液内から取り出して引き上げ位置に位置づける上下方向移動部と、
前記処理槽の上方から第一気体を供給する第一気体供給部と、
引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体に向かって第二気体を噴出する気体噴出部と、
を備えたことを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記気体噴出部は、前記被処理体が前記上下方向移動部によって前記処理液内から取り出される前から前記第二気体を噴出し始めることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記気体噴出部は、前記第二気体として、露点温度が−20℃以下からなるガスを噴出することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項4】
前記隔壁の一方側に設けられ、該隔壁の一方側の雰囲気を吸引して排出する排出部をさらに備え、
前記排出部は、前記上下方向移動部によって前記引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体の下端よりも上方に位置づけられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記排出部は、前記上下方向移動部によって前記引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体の中心よりも上方に位置づけられていることを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記排出部は、前記上下方向移動部によって前記引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体の上端よりも上方に位置づけられていることを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項7】
前記排出部は、前記被処理体が前記上下方向移動部によって前記処理液内から取り出されている間、または、前記処理液内から取り出された後で、前記隔壁の一方側の雰囲気を吸引して排出し始めることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項8】
前記気体噴出部は、下方または斜め下方に向かって第二気体を噴出し、
前記排出部は、前記気体噴出部よりも上方に位置づけられていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項9】
前記排出部は、前記気体噴出部が第二気体を噴出し始めた後で、前記隔壁の一方側の雰囲気を吸引して排出し始めることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項10】
前記第一気体供給部から供給される第一気体の流量は調整可能となっており、
前記第一気体供給部から供給される第一気体の流量は、前記気体噴出部が第二気体を噴出する際において、該気体噴出部が第二気体を噴出し始める前と比較して減少されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項11】
前記第一気体供給部は、前記気体噴出部が第二気体を噴出する際に第一気体の供給を停止することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項12】
間隙を有する隔壁と、前記隔壁の一方側に配置されて被処理体を処理する処理液が貯留された処理槽と、前記隔壁の前記間隙を通過可能な支持部と該隔壁の他方側に設けられて該支持部を移動させる搬送駆動部とを有する搬送機構とを含む処理装置を用いた処理方法において、
第一気体供給部によって、前記処理槽の上方から第一気体を供給する工程と、
前記搬送駆動部によって、前記支持部上に載置された前記被処理体を移動させる工程と、
上下方向移動部によって、前記支持部から前記被処理体を受け取り、該被処理体を前記処理液内に浸漬させる工程と、
前記上下方向移動部によって、前記被処理体を前記処理液から取り出して引き上げ位置に位置づける工程と、
気体噴出部によって、引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体に向かって第二気体を噴出する工程と、
を備えたことを特徴とする処理方法。
【請求項13】
間隙を有する隔壁と、前記隔壁の一方側に配置されて被処理体を処理する処理液が貯留された処理槽と、前記隔壁の前記間隙を通過可能な支持部と該隔壁の他方側に設けられて該支持部を移動させる搬送駆動部とを有する搬送機構とを含む処理装置に処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムにおいて、
前記処理方法は、
第一気体供給部によって、前記処理槽の上方から第一気体を供給する工程と、
前記搬送駆動部によって、前記支持部上に載置された前記被処理体を移動させる工程と、
上下方向移動部によって、前記支持部から前記被処理体を受け取り、該被処理体を前記処理液内に浸漬させる工程と、
前記上下方向移動部によって、前記被処理体を前記処理液から取り出して引き上げ位置に位置づける工程と、
気体噴出部によって、引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体に向かって第二気体を噴出する工程と、
を備えた方法からなることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項14】
間隙を有する隔壁と、前記隔壁の一方側に配置されて被処理体を処理する処理液が貯留された処理槽と、前記隔壁の前記間隙を通過可能な支持部と該隔壁の他方側に設けられて該支持部を移動させる搬送駆動部とを有する搬送機構とを含む処理装置に処理方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納した記憶媒体において、
前記処理方法は、
第一気体供給部によって、前記処理槽の上方から第一気体を供給する工程と、
前記搬送駆動部によって、前記支持部上に載置された前記被処理体を移動させる工程と、
上下方向移動部によって、前記支持部から前記被処理体を受け取り、該被処理体を前記処理液内に浸漬させる工程と、
前記上下方向移動部によって、前記被処理体を前記処理液から取り出して引き上げ位置に位置づける工程と、
気体噴出部によって、引き上げ位置に位置づけられた前記被処理体に向かって第二気体を噴出する工程と、
を備えた方法からなることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−182735(P2010−182735A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22713(P2009−22713)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】