処理装置ネットワーク
【課題】アドレスヘッダとデータ部分とを有するパケットによって通信するように構成された処理装置のネットワークにおいてオーディオ電話を実施する方法を提供する。
【解決手段】処理装置(305,306,307)のネットワークは、アドレシングヘッダおよびデータ部分を有するパケットによって通信するように構成されている。ネットワーク内では、オーディオ電話が実施される。ソース処理装置から中央位置(300)に目的地処理装置を識別するシグナリングパケットが送信される。中央処理位置から目的地処理装置にソース処理装置を識別するシグナリングパケットが送信される。中央位置からソース処理装置に目的地処理装置のアドレスを識別するパケットが供給され、その後デジタル化されたオーディオ信号を含むパケットが前記ネットワークによって直接前記ソース処理装置と前記目的地処理装置との間で伝送される。
【解決手段】処理装置(305,306,307)のネットワークは、アドレシングヘッダおよびデータ部分を有するパケットによって通信するように構成されている。ネットワーク内では、オーディオ電話が実施される。ソース処理装置から中央位置(300)に目的地処理装置を識別するシグナリングパケットが送信される。中央処理位置から目的地処理装置にソース処理装置を識別するシグナリングパケットが送信される。中央位置からソース処理装置に目的地処理装置のアドレスを識別するパケットが供給され、その後デジタル化されたオーディオ信号を含むパケットが前記ネットワークによって直接前記ソース処理装置と前記目的地処理装置との間で伝送される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置およびこれを動作する方法に関し、互いに通信するために複数のコンピュータ装置を接続する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のパーソナルコンピュータまたはコンピュータワークステーションに対してそのプロセッサにより操作されるマイクロホンやオーディオスピーカを取り付け、このような2つのPCまたはワークステーションのユーザーの間における音声通信を可能にすることが知られている。パーソナルコンピュータによる音声通信設備は“インターネットホン”として知られている。第1の送信コンピュータに向かって話した人物が生成した音圧波は、プロセッサによってデジタル化された電子オーディオ信号にマイクロホンによって変換される。デジタル化された信号は、プロセッサによってもっと短いパケット信号に分割され、通信リンクによって第2の受信パーソナルコンピュータまたはワークステーション等のプロセッサに伝送され、パケット信号を再度組立ててオーディオ信号を再構成する。その後、オーディオ信号は受信コンピュータのオーディオスピーカを駆動するために使用され、可聴音を生成する。同様に、受信コンピュータによって動作されるマイクロホンは、音声音響信号をオーディオ電気信号に変換し、この電気信号が受信コンピュータのプロセッサによってデジタル化され、パケット化されて、通信リンクにより第1のコンピュータに送られる。送信コンピュータのプロセッサはパケット化された信号をオーディオ信号に再構成し、第1の送信コンピュータに関連したオーディオスピーカを駆動するために使用される。通信リンクは、例えば共通のプロトコルによって互いに接続されたネットワークのイントラネットである、イーサネット(登録商標)等の構内ネットワークであってもよいし、或は原型のARPANETから発展した広域インターネットでもよい。
【0003】
国際特許公報WO 91/05419には、データパケットでデータを伝送するためのネットワークアーキテクチャが詳細に記載されている。これは、共通のパケット構造を使用して同じスイッチにより分配されるようにオーディオ音声とデータの両者を組合せる。それによって帯域幅のダイナミックな割当てが実現されるが、オーディオ音声通信は通常の音声ベースの装置を使用する者によく知られた方法では容易に設定しない。
【0004】
図1を参照すると、マイクロホンおよびスピーカを有するラップトップ型の第1のパーソナルコンピュータ(PC)1と、同様にマイクロホンおよびスピーカを有する第2のパーソナルコンピュータ2との間における通信が一例として概略的に示されており、この通信は、第1のモデム3、電話網4、第2のモデム5を含む通信リンクを介して行われ、第2のモデム5はインターネットサービスプロバイダゲートウェイ7により広域インターネット6に結合され、また第2のパーソナルコンピュータ(PC)2は第2のサービスプロバイダゲートウェイ8によってインターネット6に接続されている。
【0005】
第1のPC1のユーザーは、第1のPCの表示装置9上に電話機のキーパッドを提供される。このユーザーは、第1のPC1のプロセッサの制御の下に第2のPC2のアドレスをダイヤル呼出しすることができる。第2のPC2のユーザーは第1のPCからパケット化された信号を受取ることができ、第1のPCのユーザーが第2のPCのユーザーと通話できるように、第1のPC1と第2のPC2との間の音声通信が行われる。同様に、第2のコンピュータ2のユーザーが第1のコンピュータのユーザー1と通話できるように、パケット化された信号が第2のコンピュータ2から第1のコンピュータ1に送られる。
【0006】
図2を参照すると、構内ネットワーク(LAN)内におけるインターネットホンの別の例が示されている。例えば同軸ケーブルまたは撚線対等のイーサネットケーブルを含む通信リンクから構成されている構内ネットワークによって、複数のコンピュータがサイトで接続されている。LANに接続された1つのPC10のユーザーは、LANに接続されている別のPC11のユーザーと通信するためにインターネットホン機能を使用してもよい。構内ネットワークに接続されたコンピュータは、例えば図2のコンピュータ12等のゲートウェイコンピュータを介して広域ネットワーク(WAN)または接続されたネットワークのインターネットにアクセスすることができる。
【0007】
図1および2を参照して記載された各例において、音圧波信号は、マイクロホンによって電子データ信号に変換され、その後それはデジタル化されてパケット化され、例えばイーサネットケーブルやインターネットサイトを接続するケーブル等の物理的な通信リンクによって伝送され、1または複数のプロトコルにしたがってコンピュータ間の伝送が行われる。
【0008】
インターネットまたは広域インターネットによる通信に対して、メッセージは多数のコンピュータの間で多数の通信リンクを介して転送される。送信コンピュータと受信コンピュータとの間の通信は、ポイント・ツー・ポイントプロトコル(PPP)にしたがって行われ、各コンピュータはこのような範囲のプロトコルをサポートしていてもよい。図3を参照すると、音声信号を複数の信号パケットに変換する応用プログラムによって生成された音声データを含む個々の音声パケット信号30は、第1のプロトコルによって第1のヘッダ信号31を与えられる。第1のヘッダ信号は、パケット信号30に付加されたデータのバイトの形態で情報を含んでいる。例えば、第1のヘッダ信号がシーケンスからパケットへの交換(SPX)プロトコルにしたがってパケット信号に付加された場合、パケット信号が順番に到着することを保証するためにパケットシーケンシング情報がヘッダ信号に含まれていてもよく、また受信コンピュータによりパケットが受取られた時に、受信コンピュータがパケット信号の受信を確認することを保証するためにハンドシェークプロトコルが含まれている。
【0009】
LANによるパケット信号の送信に関して、SPXプロトコルのようないくつかのプロトコルの信頼性は高いが、他のプロトコルの信頼性は低い。例えば、インターネットパケット交換(IPX)プロトコルは、ネットワーク上でパケット信号を互いに独立的に送信する。図3において、IPXプロトコルは、第1のヘッダ信号31およびパケット信号30を受取り、これを複合パケット信号32として処理し、この複合パケット信号32に対してIPXプロトコルヘッダ信号33が付加される。
【0010】
IPXプロトコルは、ヘッダ信号33において指定されたアドレスにパケット信号を配送するために“最善の努力”をするが、それにはエラー検出または訂正が含まれないため、配送を保証することはできない。IPXプロトコルは、当然のことながら基礎的な物理的ネットワークから独立している階層アドレス構造を規定する。この独立構造は、パケット信号がネットワークの間で経路設定されて、異なる物理ネットワーク上を送られることを可能にする。しかしながら、IPXプロトコルは、信頼性の高い配送を行うために基礎となるネットワーク、或はプロトコルの他の層に依存している。パケット信号が適合しないネットワークによって送信された場合、パケット信号は、通過されるべきネットワークの特定の部分と適合するプロトコルにしたがってネットワークと適合するヘッダ信号においてカプセル化される。例えば、IPXで始められるパケットは、転送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)ネットワークを通ってIPXパケットを伝送するためにユーザーデータグラムプロトコル(UDP)ヘッダおよびインターネットプロトコル(IP)ヘッダにおいてカプセル化されることができる。
【0011】
TCP/IPネットワークにおいて、インターネットプロトコルは、データグラム、すなわちTCP/IPネットワーク上を転送される情報信号の基本単位を規定し、またTCP/IPによって使用されるアドレシングを規定し、それにょつてパケット信号の経路を設定する。ユーザーデータグラムプロトコル(UDP)は、パケット配送のために使用されるTCP/IP転送プロトコルである。UDPはコネクションを生成し、配送を確認するオーバーヘッドを有しない。
【0012】
図4を参照すると、プロトコルヘッダによるパケット信号のカプセル化の別の例として、SPXおよびIPXプロトコルが単一のネットウェアプロトコルヘッダ信号によって置換されることができる。ネットウェア(NetWare)ヘッダ信号41を有するパケット信号40は、広域インターネットによる伝送のためにUDPおよびIPプロトコルヘッダ信号42,43によってそれぞれカプセル化されてもよい。信号のパケットをカプセル化し、インターネットでそれらを送信することによって、インターネットホンは互いに通信することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来技術のインターネットホンは、パケット信号をアドレス指定すべき場所が送信側に分かるように、送信コンピュータが受信コンピュータのアドレスを知っていなければならず、また送信側にパケット信号を送信するために受信コンピュータが送信コンピュータのアドレスを知っていなければならないということに基づいて動作している。個々のコンピュータ間の通信は、単一のコンピュータが別の単一のコンピュータとの間でパケット信号を送受信するポイント・ツー・ポイント方式である。受取られたパケット信号は、プロセッサによって音声信号に再度組立てられる。
【0014】
インターネットホンのパケット信号環境とは対照的に、通常の電話通信システムは音声またはその他のデータを表わす電気信号が伝送されることのできるチャンネルを生成することによって動作する。通信チャンネルの使用は、高度にフレキシブルなサービスを可能にし、呼転送[呼が別の位置に自動的に転送(divert)されること]のような特徴を可能にし、また会議電話(3台以上の電話機間における通信)を可能にする。図5を参照すると、公衆サービス電話網(PSTN)に接続されている通常の構内交換機(PBX)の呼センターによる会議電話の呼の処理の例が示されている。
【0015】
図5において、構内交換機の呼センター50は複数の個々の電話機101,102,103および104と接続している。PBXに接続されていない他の電話機201,202および203は公衆サービス電話網(PSTN)55によりPBX呼センターにアクセス可能である。電話機間の対話は、チャンネルの接続による通常のPBXにより処理される。例えば第1のサービス対話の問題において、PBXに接続されている第1の電話機101がPSTNにそれぞれ接続されている第2および第3の電話機201,202と会議電話を成立させた場合、第1の電話機101は第2の電話機201を呼出し、それによって第1の電話機101と第2の電話機201との間に第1のチャンネルを開通させ、第1の電話機101が第3の電話機202を呼出し、それによって第1の電話機101と第3の電話機202との間に第2のチャンネルを開通させる。その後、PBXではなくPSTNの第2および第3の電話機間のブリッジをPBX呼センター中に形成することによって、第1および第2のチャンネルが接続される。第1の電話機のユーザーが会議通話を抜けることを希望した場合、第1の電話機のユーザーはその電話機を会議通話から外すことが可能であり、第2の電話機201と第3の電話機203との間の通信はPBXを横切るエンド・ツー・エンド通話を介して再開する。したがって、PSTNにおける2台の電話機はPBX内のリンクを介して接続され、一方PBXと関連したいずれの電話機もその通話には参加していない。PBXの視点からこれはリソースの非効率的な利用法である。
【0016】
その代りに、電話機101は別の電話機に呼を転送することによって会議通話を抜けてもよい。これは、協議呼転送(consultation call transfer)によって行われることができる。すなわち、PBXが例えば第2の電話機201からの第1のチャンネルを通ったアクチブな呼と、例えば第3の電話機202からの第2のチャンネルを通ったホールドされている呼とを有している場合、第1の電話機101はホールドされている呼とアクチブな呼を接続し、その後で会議通話を抜けることができる。
【0017】
第2の電話機201を第3の電話機203に接続するために、第1および第2のチャンネルを結合するブリッジがPBX内に存在していなければならない。この時点で、3台の電話機はPBXから外れる。第1の電話機101は会議通話を抜けてしまっており、第2の電話機201はPSTNの一部分であり、第3の電話機203もまたPSTNの一部分である。PBX外の2台の電話機を接続するためにそのPBXが使用されるため、これはPBXリソースの浪費である。その代りに、第1の電話機101のユーザーは単一ステップの転送を行って会議を抜けることができる。これは、第1の電話機101が第1のチャンネルによる第2の電話機201とのアクチブな呼を有している場合に発生し、かつ第1の電話機101が第2のチャンネルによって第3の電話機203を呼出して、この第3の電話機が鳴り始める。その時点で第1の電話機は会議通話から外れ、第2の電話機がリングトーン(着信音)を受ける。会議通話中のパーティの二者、すなわち第1の電話機101のユーザーと第2の電話機201のユーザーは、互いに通話しなければならない場合にはリングトーンをそれぞれ受けるため、単一ステップの転送もまた非効率的である。
【0018】
通常のチャンネル接続PBXによって実行されるサービス対話の別の例は以下のとおりである。PBXに接続された電話機104が、やはりPBXに接続されている別の電話機103を呼出す。別の電話機103は応答しないが、この別の電話機103は“応答のないときには転送”設定機能を有し、やはりPBX上の第3の電話機102に呼を向けるため、呼は第3の電話機102に転送し、PBX中のブリッジを使い果す。
【0019】
第3の例のサービス対話において、第1の電話機102および第2の電話機103はPBXに接続されている。第1の電話機102は第2の電話機103を呼出すが、第2の電話機103はアクチブな呼と通話中である。第1の電話機102は“呼待機”機能を有しているため、第1の電話機102は第2の電話機103が利用可能になるのを待つ。第2の電話機103が“応答のないときには転送”機能を有している場合、第1の電話機102が第2の電話機103から別の電話機に転送されるか否かを判断して決定するのに問題がある。問題は、“応答のないときには転送”機能により“呼待機”機能が影響を受けるか否かということである。ある製造業者の電話機において、“呼待機”機能が“応答のないときには転送”機能の影響を受けるが、別の製造業者の電話機では、“呼待機”機能は影響を受けない。したがって、PBXに接続された2台の電話機は、電話機のモデルや製造業者に応じて、互いに異なって作用すると考えることができる。
【0020】
上記の会議電話の例は、通常のPBXを使用してチャンネルをスイッチングし、接続する方法に依存している。通常のインターネット電話はポイント・ツー・ポイントベースで動作するため、パケットを送信するインターネット電話環境では、通常のチャンネルスイッチングネットワークに関して認められるように、会議電話を実施したときに問題が生じる。インターネット電話はポイント・ツー・ポイント通信に依存し、一方通常のPBXはチャンネルスイッチングおよびチャンネル接続に依存している。インターネット電話環境において、電話機間には呼出し中存続するチャンネルは生成されず、一方通常のPBX環境では、異なる電話機間において呼出し中存続する専用チャンネルが接続される。パケット信号送信環境とチャンネルスイッチング環境との間の相違のために、インターネット電話環境における標準的な電話網機能の実施には問題がある。
【0021】
PBXチャンネルスイッチング環境を介した接続と比較されるインターネット電話の接続に特有の問題の一例は以下のとおりである。図6を参照すると、4台の電話機60,61,62,63がブリッジ64を介して会議電話の形態で互いに接続されている。ブリッジ64はPBXを含むハードウェアの一部分であり、このブリッジ64に対して、会議電話に関わる全ての電話機が単一の接続ポイントを介して接続している。ブリッジは電話機の接続に効果的であり、例えば4台の電話機は図6に示されているように単一のブリッジ64によって会議電話の形態に接続されることができる。ブリッジは、会議電話方式において形成される必要のある接続の数を減少し、したがって会議電話の周辺に電子音声信号を送信する時に要求される帯域幅の量を減少させる。図7に示されているように、通常のインターネット電話を使用して、類似したシステムを構成することはさらに複雑である。その理由は、インターネット電話はポイント・ツー・ポイントベースで動作するため、会議電話では各電話機と他のいずれかの電話機との間に双方向リンクが存在することが必要である。電話機が2台しかない場合、単一のリンクしか必要ない。3台の電話機がある場合、3本のリンクが必要である。4台の電話機が会議電話に関与している場合は6本の双方向リンクが要求され、また5台の電話機が会議電話に関わっている場合には10本の双方向リンクが必要である。会議電話では、必要とされるリンクの本数が電話機の台数に関して不釣り合いに大きく増加する。
【0022】
通常のインターネット電話で会議電話を構成するために必要とされるポイント・ツー・ポイント接続の数は、会議電話環境におけるインターネット電話の台数が増加するにつれて急速に増加する。会議電話を実施する時にインターネットホンの間に会議が設定された場合、各インターネット電話は会議電話における互いのインターネットホンのアドレスを知っている必要があり、結果的にそれぞれ個々のインターネットホンにおいて高度に複雑なアドレシング情報処理が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の特徴によると、アドレスヘッダとデータ部分とを有するパケットによって通信するように構成された処理装置のネットワークにおいてオーディオ電話を実施する方法が提供され、この方法は、ソース処理装置から中央位置に目的地処理装置を識別するシグナリングパケットを送信し、前記中央位置から前記目的地処理装置に前記ソース処理装置を識別するシグナリングパケットを送信し、前記中央位置から前記ソース処理装置に前記目的地処理装置のアドレスを識別するパケットを送信し、デジタル化されたオーディオ信号を含むパケットを前記ネットワークによって直接前記ソース処理装置と前記目的地処理装置との間で伝送するステップを含んでいる。
【0024】
好ましい実施形態において、電話機オフ・フック状態を識別するパケットは、ソース処理装置から中央位置に送信される。オフ・フック状態の受信に応答して、中央位置はダイヤル・トーンアラートをソース処理装置に供給する。ソース処理装置は、ダイヤル・トーンアラートの受信に応答してダイヤル・トーンを要求することが好ましい。
【0025】
本発明の第2の特徴によると、オーディオ電話によって通信するように構成された複数のユーザー処理装置にネットワーク接続された中央スイッチングプロセッサが提供され、この中央スイッチングプロセッサは、ソース処理装置から目的地処理装置を識別するシグナリングパケットを受信する手段と、前記識別された目的地処理装置に前記ソース処理装置を識別するシグナリングパケットを送信する手段と、前記ソース処理装置が前記目的地処理装置と直接通信するように、前記目的地処理装置に対するアドレスを識別するパケットを前記ソース処理装置に送信する手段とを具備している。
【0026】
好ましい実施形態において、前記中央スイッチングプロセッサは、前記ソースプロセッサから電話機オフ・フック状態の表示を受信するのに応答して、ダイヤル・トーンアラートパケットをソースプロセッサに供給する手段を含んでいる。
【0027】
中央スイッチングプロセッサは、前記ソース処理装置が前記目的地処理装置に呼を設定しようとしている状態を識別するリングアラート信号を目的地処理装置に送信する手段を含んでいることが好ましい。
【0028】
本発明の第3の特徴によると、オーディオ電話によって通信するように構成された複数のユーザー処理装置にネットワーク接続された中央スイッチングプロセッサが提供され、この中央スイッチングプロセッサは、ソース処理装置から第1の目的地処理装置を識別するシグナリングパケットを受信する手段と、前記識別された目的地処理装置に前記ソース処理装置を識別するシグナリングパケットを送信する手段と、第2の目的地処理装置を識別するシグナリングパケットを受信する手段と、複数の処理装置の任意のものから受信されたパケットが会議内に設定された他の処理装置全てに中継される会議通信を設定する手段とを具備している。
【0029】
中央スイッチングプロセッサは、オフ・フック状態の受信に応答して前記ソースプロセッサにダイヤル・トーンアラートパケットを供給する手段を含んでいることが好ましい。
【0030】
本発明の第4の特徴によると、アドレスヘッダとデータ部分とを有するパケットによって通信するように構成され、ネットワーク接続され、ネットワークによるオーディオ電話を設定する手段を備えている処理装置が提供され、前記処理装置は、電話機オフ・フック状態を識別するシグナリングパケットを中央位置に送信する手段と、前記オフ・フック状態に応答してダイヤル・トーンアラートパケットを受信する手段と、前記ダイヤル・トーンアラートに応答して可聴ダイヤル・トーンを要求する手段と、前記中央位置に対する目的地処理装置を識別する手段とを具備している。
【0031】
以下、本発明をさらによく理解し、その最良の実行方法を説明するために、本発明の好ましい実施形態および方法の例を示している添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
添付図面の図8を参照すると、例えばイーサネット等の構内ネットワーク309によって同軸ケーブルまたは撚線対の形態で接続されている複数のコンピュータ302乃至308の間で通信接続が行われている通信交換装置301が示されている。各コンピュータは、LANに物理的に接続されている少なくとも1つの通信ポートを有している。複数の各コンピュータ302乃至308は、通常のイーサネットプロトコルを使用してネットワーク接続されており、このプロトコルでは各ポートがそれ自身の特有のアドレスを有している。
【0033】
コンピュータは、ポイント・ツー・ポイントベースで構内ネットワーク309によってそれらの通信ポートを介して互いに通信してもよい。例えば、ポートアドレスAを有するコンピュータ305は、このコンピュータ305がコンピュータ307と通信するためのポートアドレスCを知っている場合は、ポートアドレスCを有するコンピュータ307と通信してもよい。コンピュータは、通常の構内ネットワークプロトコルにしたがって構内ネットワーク309によりパケット化された電話周波数信号を送信することによって互いに通信し、構内ネットワーク上のコンピュータの間で通常のインターネット電話通信を実施してもよい。
【0034】
通信は、例えばコンピュータ303および305乃至307等のネットワーク上のコンピュータによって別の通信システムに対してゲートウェイを介して行われてもよい。例えば、コンピュータ302は、インターネット310に対するゲートウェイ、例えばインターネットプロトコルによるワールド・ワイド・ウェブゲートウェイ(IP−WWW)を含んでいる。公衆交換電話網(PSTN)311へのアクセスは、トランクライン312によってPSTNに接続されたPSTNゲートウェイコンピュータ304のインターネットプロトコルの通信ポートを介して行われることができる。通信交換装置300は、呼制御部313およびスイッチ装置314を具備している。呼制御部313は、この呼制御部313とスイッチ装置314との間で伝送される制御信号によってコンピュータ302乃至308の間の通信の接続を制御する。スイッチ装置314は、命令信号をコンピュータに供給して、個々のコンピュータに1または複数の他の個々のコンピュータと接続するように命令することによって、またスイッチ装置314によって特定のコンピュータが接続されることになる他のコンピュータの適当なポートアドレスを与えて、個々のコンピュータ302乃至308の間の通信の接続を行う。
【0035】
通信交換装置300は、1個または複数個の交換機監視コンピュータ316,317が呼制御部に対して電話要求を行うことを可能にし、またどの通信接続が存続しているかに関する情報をコンピュータ116,117が呼制御部から得ることを可能にするコンピュータ電話統合装置(CT1)とインターフェースする。
【0036】
図9を参照すると、通信交換装置300がさらに詳細に示されている。この通信交換装置300は、有効な電話サービスとそれらの構造、例えば会議電話、呼転送(call diversion)、呼待機および応答のないときの転送サービス用の構造等に関する情報信号を記憶するハードディスクメモリの形態のサービスデータベース320、呼制御部が通信の呼経路設定情報の詳細を質問することのできるメモリ装置の形態の経路設定テーブルデータベース321、並びに例えば呼制御部との間でメッセージをそれぞれ送受信するACDサーバ装置322およびボイスメールサーバ装置323等の1個または複数個の高レベルサービスサーバ装置を含んでいてもよい。
【0037】
図10を参照すると、呼制御部313およびスイッチ装置314、並びにポート位置アドレスA,BおよびCに各ポート10,20…99を有する複数のコンピュータ410,420および499とそれらの対話の一例が示されており、複数のコンピュータは互いに通信し、また構内ネットワーク400を横切ってそれらの通信ポートを通ってスイッチ装置314と通信することが可能である。スイッチ装置314は、複数のメモリ位置R10,R20…R99のレジスタを含んでいる。各レジスタメモリ位置は、コンピュータの通信ポートのポートを識別するポート識別子信号および対応したポートアドレス信号を記憶することができる。例えばレジスタメモリ位置R10は、第1のコンピュータ410のポート10のアドレス信号Aと、そのポートをポート10であると識別するポート識別子信号とを記憶することができる。
【0038】
メモリ位置R20は、第2のコンピュータ420のアドレス信号Bと、そのポートをポート20であると識別するポート識別子信号とを記憶することができる。レジスタ位置R99は、第nのコンピュータ499のアドレス信号Cと、ポート99を識別するポート識別子信号とを記憶することができる。呼制御部313は、それらのポート識別子によりポートを識別する制御信号によってスイッチ装置314と通信する。このスイッチ装置は、ポートアドレスを識別する命令信号によって個々のコンピュータと通信する。
【0039】
図11を参照すると、スイッチ装置の1実施形態が機能ブロックで概略的に示されている。スイッチ装置314は、プロセッサ500と、プロセッサを動作するための論理命令を記憶する論理メモリ501と、スイッチ装置によって送受信されるべき命令およびメッセージを記憶する命令およびメッセージメモリ502と、例えばLAN等の通信ネットワーク504に接続されているコンピュータから受取られたポート識別信号およびポートアドレスを記憶するポートレジスタ503と、ポートがスイッチポートアドレスを有している、ネットワークにアクセスするためのスイッチ通信ポート505と、呼制御部313との間でメッセージを送受信する呼制御インターフェース506と、上記の素子を結合する内部バス507とを含んでいる。呼制御インターフェース506は、呼制御部313との間で制御信号を送受信する。スイッチ通信ポート505は、命令信号をネットワーク504を介して送受信する。
【0040】
プロセッサ500は、論理メモリ501中に論理信号として記憶された論理命令にしたがって、受信された呼制御信号および受信された命令信号を解釈し、ポートレジスタ503中に記憶されたポートアドレス信号およびポート識別信号から識別された通信ポートに送信するために命令およびメッセージメモリ502に記憶された適当な命令およびメッセージをパッケージ化し、受信された呼制御信号および論理命令によって特定されたコンピュータポートに命令信号を送信する。プロセッサ500はまた命令信号としてスイッチポート505を通って受取られた命令およびメッセージを、スイッチ装置から呼制御部に送信される制御信号として呼制御インターフェース506を介して呼制御部に報告する。
【0041】
図12を参照すると、呼制御部からスイッチ装置への制御信号600は、例えばポート10等のポートを識別するポート識別子信号要素601と、命令信号要素602とを含んでいる。ポート識別子信号要素601は、呼制御部によって出された命令が与えられるべきポートを識別する。スイッチ装置から呼制御部に送られる制御信号603は、ポート識別子信号要素604と、メッセージ信号要素605とを含んでいる。ポート識別子信号要素604によって、呼制御部はメッセージ信号605のソースポートを識別するために制御することができる。
【0042】
スイッチ装置314は、1組の命令信号によって複数のコンピュータと通信する。スイッチ装置からコンピュータへの命令信号606は、アドレスヘッダ信号要素607および命令信号要素608を含んでいる。アドレスヘッダ信号要素607によって、命令信号608は命令が与えられるべきコンピュータの選択された通信ポートに送信されることができる。命令信号608は、動作を実行するための対応したコンピュータに対する命令を含んでいる。例えば、スイッチ装置314から第1のコンピュータ410への命令信号は、通信チャンネルをネットワーク400によって第3のコンピュータ499と接続するように第1のコンピュータ410に命令する。
【0043】
スイッチ装置314から第1のコンピュータ410への命令信号は、別のコンピュータのポートアドレス、例えば第2のコンピュータ420のアドレスBをスイッチ装置に送信するように第1のコンピュータ410に命令してもよい。命令信号要素608は、ダイヤル・トーン信号サーバポート、例えばコンピュータ499のポートに存在するダイヤル・トーン信号に通信を接続するようにコンピュータに命令してもよい。別の命令信号要素608は、ダイヤル・トーン信号ポートへの通信を遮断するようにコンピュータに命令してもよい。命令信号608は、複数のコンピュータの1または複数のもののポートに通信を接続するようにコンピュータに命令してもよい。命令信号要素は、複数の別のコンピュータの1または複数のもののポートからの通信を遮断するようにコンピュータに命令してもよいし、或はコンピュータがまさにアドレス指定されようとしていることをコンピュータに通知するアラート信号を含んでいてもよい。スイッチ装置からコンピュータへの命令信号がコンピュータに対して1または複数の別のコンピュータと通信を接続するように要求した場合、それらの1または複数の別のコンピュータのアドレスは命令信号においてアドレス識別子信号要素609として特定される。
【0044】
コンピュータからスイッチ装置への命令信号610は、ネットワークによってスイッチ装置に信号を導くスイッチポートアドレスヘッダ信号611と、命令信号を送信するコンピュータのアドレスを識別するアドレス識別子信号要素612と、コンピュータからスイッチ装置へのメッセージを特定するメッセージ信号要素613とを含んでいる。メッセージは、コンピュータが1または複数の別のコンピュータと通信することを希望していることをスイッチ装置に知らせる例えばオフ・フック信号、コンピュータ自身の通信ポートのアドレスまたはそのコンピュータが通信を希望する1または複数の別のコンピュータのポートのアドレスのいずれかを与え、ネットワーク400によってスイッチ装置に供給されるアドレス信号、或はコンピュータが1または複数の別のコンピュータとの通信を終端したことを示すオン・フック信号等の状態メッセージを含んでいてもよい。
【0045】
動作時には、各コンピュータは、例えばポート10、ポート20等のそのポートアドレスおよびポート識別子をスイッチ装置314により登録する。各コンピュータポートのアドレスは各レジスタ位置に記憶され、スイッチ装置は、ネットワークで接続されているポートのレジスタをそれらのアドレスと共に保持している。スイッチ装置自身は、ネットワーク上にポート位置アドレスを有している。複数のコンピュータの各コンピュータは、それ自身のポートアドレス信号およびポート識別信号、スイッチ装置のポートアドレス信号、スイッチ装置314との間の命令信号の送受信を行う命令信号プロトコルを記憶する必要がある。
【0046】
さらに、ネットワークを横切って別のコンピュータと通信する各コンピュータは、インターネット電話機能を実施するために、直接ネットワークを横切って別のコンピュータと接続するためのネットワークプロトコル、例えばパケット化された電話周波数信号を別のコンピュータに送信するための通常のポイント・ツー・ポイントプロトコルを記憶する必要がある。電話周波数信号とは、例えば音声通信、ファックス通信、電子メール通信またはビデオリンク通信等の標準的なインターネット電話サービスのことである。電話周波数信号はパケット化されてパケットにされ、複数の個々のコンピュータの間でネットワーク400を横切って送信される。
【0047】
呼制御部313は、上述された1または複数のコンピュータから受取られたメッセージに応答して、どのコンピュータがどの別のコンピュータと通信するかを判断して決定し、指示する。例えば、第1のコンピュータ410からスイッチ装置314に命令信号として送信されたメッセージは、スイッチ装置314によって論理メモリ501に予め記憶された論理にしたがった制御信号として呼制御部へのメッセージに変換される。呼制御部313はどのポートが互いに接続または遮断されるかを判断し、スイッチ装置314に制御信号を送信して、どのポートが別のポートのいずれに接続されるべきかを命令する。
【0048】
各コンピュータは1または複数の各ポートを有し、恐らくコンピュータから受取られたメッセージに応答して呼制御部によって命令されるポート間の接続は、スイッチ装置314とコンピュータとの間で送信される命令信号により、スイッチ装置314によってLANを横切る個々のコンピュータ間の通信ポートの直接接続として行われる。
【0049】
以下図13および14を参照して、呼制御部313の制御の下にスイッチ装置314によって行われる、コンピュータアドレスがそれぞれAおよびBである第1のコンピュータ410と第2のコンピュータ420との間における呼設定の1例を説明する。
【0050】
第1コンピュータ410および第2のコンピュータ420は、インターネット電話をそれぞれ具備している。各インターネットホンは、各コンピュータにおける通信ポートに位置している。例えば第1のコンピュータ410は、位置アドレスAにおけるポート10にある第1のインターネットホンを有する。第2のコンピュータ420は、ポート位置アドレスBにおける第2のコンピュータ上のポート20にある第2のインターネットホンを有する。第3のコンピュータ499は、例えばダイヤル・トーン、リングトーン、アラート・トーン、呼待機トーン等の複数の異なるトーンを生成することができるトーン発生器を有しており、これら各トーンは第3のコンピュータ上の各ポート、例えばポートアドレスw,x,y,zにそれぞれ位置している。各コンピュータは、スイッチ装置に信号を送信することによって、そのポート識別子10,20,ダイヤル・トーン、リングトーン、アラート・トーン、呼待機トーンおよびそれらの対応したアドレスA,B,w,x,y,zをスイッチ装置のポートレジスタ503に登録する。
【0051】
通信接続は、インターネットホンによって第2のコンピュータ420のユーザーと通信することを希望する第1のコンピュータのユーザーによって、第1のコンピュータのユーザーからのキーボード入力に応答して、第1のコンピュータから開始されることができる。命令信号700は、第1のコンピュータのポート10からLANによってスイッチ装置に送信され、この命令信号は、第1のコンピュータがオフ・フック状態であり、1または複数の別のコンピュータと通信することを希望しているというメッセージを含んでいる。スイッチ装置314は、呼制御部313に制御信号701を送信することによってこの呼制御部にオフ・フックメッセージを中継する。呼制御部は、この呼制御部に記憶された1組の予めプログラムされた論理にしたがってオフ・フックメッセージを含んでいる制御信号を復号し、スイッチ装置314に対して制御信号702,703を送り返す伝送を開始する。制御信号は、ダイヤル・トーン命令信号と、ポート10を特定するコレクトアドレス命令信号を含んでいる。
【0052】
スイッチ装置314は、LAN400によってスイッチ装置から第1のコンピュータ410のアドレスAに伝送される命令信号704,705にダイヤル・トーン命令およびコレクト命令を変換することによってポート10に対する命令の送信を行う。スイッチ装置は、ポートレジスタ503中のポート識別子ポート10,ポート20の各アドレスを調査することによって制御信号702,703における入来情報ポート10を各アドレスA,Bに変換する。スイッチ装置は、ポート10にアドレスされた制御信号を受信し、第1のコンピュータ上のポート10の位置アドレスを検査(ルック・アップ)して、ダイヤル・トーン命令を含み、かつ第1のコンピュータのポート10にアドレスAでアドレスコレクト命令を含む対応した命令信号を送る。第1のコンピュータは、第3のコンピュータ499上のトーン発生器のダイヤル・トーンポートにポート10を接続するように第1のコンピュータに命令する命令信号を受信する。第3のコンピュータのダイヤル・トーンポートアドレスwは、スイッチ装置から送られる命令信号706で第1のコンピュータ410に供給される。
【0053】
第1のコンピュータは、LAN400によってアドレスwにおける第3のコンピュータ499のトーン発生器上の各ダイヤル・トーンポートに接続し、第1のコンピュータ410のユーザーに対して聞こえるように再生されるダイヤル・トーン信号をLAN400を横切って受信する。スイッチ装置から送られたコレクトアドレス命令信号705に応答して、第1のコンピュータ410は、例えばユーザーが第1のコンピュータ410のキーボードを介して第2のコンピュータ420のポート20のアドレスBを入力することによってアドレスをコレクトする。その代りに、第1のコンピュータのユーザーは、例えば第1のコンピュータ410またはスイッチ装置314において第2のコンピュータ420のポート10の省略されていない(full)インターネットアドレスと一致させられてもよい文字列“JOE”等の第2のコンピュータのポート20の省略されたアドレスを知っていてもよい。
【0054】
スイッチ装置314から送信されたコレクトアドレス命令信号705に応答して、第1のコンピュータ410は、スイッチアドレスヘッダ信号要素とアドレス信号要素とを含む命令信号706でLAN400によってスイッチ装置のポートにアドレスBを伝送する。スイッチ装置は、ポート10をメッセージの発生地点であると識別するポート識別子と、ポート10がポート20のアドレスBを与えたことを呼制御部に示すメッセージ(この場合はメッセージはポート20である)とを含む制御信号707を呼制御部313に送信する。呼制御部における予めプログラムされた論理は、そのポート10がポート20と通信することを希望していることを示していると制御信号707を解釈し、制御信号708および709をスイッチ装置314に送ることによって通信接続の経路設定を開始する。制御信号708は、ポート10がダイヤル・トーン発生器からポート10を遮断せよという命令の目的地であると識別する。
【0055】
スイッチ装置314はLAN400によって命令信号710を第1のコンピュータ410に送ることにより制御信号708を実行し、この命令信号710はアドレスヘッダと、第3のコンピュータ499上のダイヤル・トーン発生器から遮断せよという第1のコンピュータに対する命令とを含んでいる。第1のコンピュータ410は、第3のコンピュータ499上のトーン発生器へのLAN400による通信を遮断することによって遮断命令を実行し、また第1のコンピュータ410における可聴ダイヤル・トーンが終了される。スイッチ装置314はアドレスのコレクトを停止せよという命令を含む命令信号711をLAN400により第1のコンピュータ410に送ることよって、アドレスのコレクトを停止せよという命令を含む制御信号709を実行し、第1のコンピュータ410は、LAN400によるスイッチ装置314へのアドレスBの伝送を終了することによってこれを実行する。呼制御部313は、呼制御部のメモリ装置中に記憶された予め定められた論理にしたがって、また経路設定テーブルデータベース321から受信された信号に応答して、ポート10とポート20との間の接続の経路設定を実行し、その結果呼制御部は、ポート20を識別し、かつポート20に警告する命令を含む制御信号712を発する。
【0056】
スイッチ装置314は、LAN400によって第2のコンピュータのポート20に命令信号713を送信することによって制御信号712を実行する。命令信号713は、第2のコンピュータのポート20の位置アドレスBに信号をアドレス指定するアドレスヘッダと、呼が接続されることを第2のコンピュータに通知せよという命令を含む命令信号要素と、第3のコンピュータ499のアラート・トーン発生器ポートに接続せよという第2のコンピュータに対する命令とを含んでいる。命令信号713はまた、トーン発生器が位置している第3のコンピュータ499のポートのアドレスyを与えるアドレス信号要素を含んでいる。
【0057】
命令信号713に応答して、第2のコンピュータ420は、第3のコンピュータ499上のトーン発生器のリングトーンポートと通信し、LAN400によりリングトーン信号を受信し、その結果アラート・トーンが第2のコンピュータ420において聞き取れる大きさで伝送され、第2のコンピュータ420のユーザーに呼が入来したことを知らせる。第2のコンピュータ420のユーザーがキーボード、マイクロホン、送受話器等の操作によって応答して呼を受取った時、第2のコンピュータ420は命令信号714をスイッチ装置に伝送して、第2のコンピュータがオフ・フック状態であり、呼を受取る準備ができたことをスイッチ装置に知らせる。オフ・フックメッセージは、ポート20およびオフ・フックメッセージを特定する制御信号715の形態でスイッチ装置によって中継される。
【0058】
オフ・フックメッセージが受取られると、制御装置313は、呼制御部に記憶された予め定められた論理にしたがってアラート停止制御信号716をポート20に送信し、この信号はスイッチ装置によってトーン発生器遮断命令信号717に変換され、LAN400によって第2のコンピュータ420に送信される。このトーン発生器遮断命令信号717は、アドレスBにおける第2のコンピュータ420のポート20に信号をアドレス指定するアドレスヘッダと、第3のコンピュータ499のトーン発生器のアラート・トーンポートとの通信を遮断するようにコンピュータに命令する命令信号要素とを含んでいる。呼制御部313はまた、予め定められた論理にしたがってポート10,20の接続を命令し、ポート10および20に接続するように制御信号718,719をスイッチ314に送る。
【0059】
スイッチ装置は制御信号718,719を解釈し、アドレスBにおける第2のコンピュータ420のポート20とLAN400を横切って第1のコンピュータ410を接続するために命令信号をアドレスAにおける第1のコンピュータ410のポート10に伝送することによってポート10および20を接続する。第1のコンピュータ410に送信された命令信号は、アドレスヘッダ信号要素と、スイッチ装置から第1のコンピュータに命令信号を配送するアドレスAと、第2のコンピュータのポート20と接続するための第1のコンピュータに対する命令信号要素である接続ポート20と、第2のコンピュータのアドレスであるアドレス20とを含み、このアドレスは第1のコンピュータがアドレスBにおける第2のコンピュータとLAN400を横切って接続を行うことができるように供給される。スイッチ装置314はまた、第1のコンピュータとLAN400を横切って接続せよ(接続ポート10信号要素)という第2のコンピュータ420に対する命令信号を第2のコンピュータ420に送信する。
【0060】
第2のコンピュータに送られた命令信号721は、アドレス信号であるヘッダアドレスBと、LAN400によって通信チャンネルを第1のコンピュータのポート10と接続することを第2のコンピュータに命令する命令である接続ポート10と、第2のコンピュータが第1のコンピュータと通信することができるように与えられる第1のコンピュータのアドレスであるアドレスAとを含んでいる。上述された設定過程が終了した時点で、第1および第2のコンピュータは、パケット化された電話周波数信号の送受信を含むインターネット電話サービスに対して、LAN400によって互いに直接通信できる状態になっている。
【0061】
図15を参照すると、本発明による第2の特定の実施形態が示されている。通信ネットワークは、LAN806に接続され、かつ通常のネットワークプロトコルにしたがってポイント・ツー・ポイントベースで互いに通信することのできる複数のコンピュータ800乃至805を含んでいる。各コンピュータはポート識別子を割当てられており、例えばコンピュータ802はイーサネットアドレス位置Aにおけるポート10に割当てられ、またコンピュータ803はイーサネットアドレス位置Bにおけるポート20を割当てられていてもよい。他のコンピュータ800,801,804,805もまた、記憶されたポート識別子およびポートアドレス信号の形態のポート識別子および対応したネットワークアドレスを割当てられている。
【0062】
複数のコンピュータ800乃至805の間において通信を接続する通信交換装置は、LAN806に接続され、それ自身のポート識別子およびネットワークポート位置アドレスを有するスイッチサーバコンピュータ807上に位置している。通信交換機を含む呼制御部は、それ自身のネットワークアドレスを有する別のコンピュータ808上の呼制御サーバとして位置している。呼制御サーバは、LAN806によって制御信号をスイッチサーバと交換することができる。スイッチサーバは、LAN806によって複数のコンピュータ800乃至805と命令信号を送受信する。各コンピュータは、そのポート識別子とそのネットワークポート位置アドレスをスイッチサーバ807に登録する。
【0063】
呼制御部808は、スイッチサーバ807に登録されたポートとの間で制御信号を送受信することによって複数のコンピュータ800乃至805の間における通信呼の経路設定および接続を制御する。スイッチサーバ807は制御信号中のポート識別子をコンピュータネットワークポート位置アドレスと一致させ、ネットワークポート位置アドレスに送信された命令信号によってコンピュータと通信する。スイッチサーバは、このスイッチサーバに登録された各コンピュータのポート識別子のレジスタと、それらの対応したネットワーク位置アドレスを維持する。呼制御部は、外部コンピュータ810からの命令に応答して動作を実行してもよいし、或は外部コンピュータ810への呼の経路設定時に情報を送信してもよく、この外部コンピュータ810はコンピュータ電話統合ユニット811を介して呼制御部とインターフェースされている。
【0064】
制御信号および命令信号の動作は、第1の実施形態を参照して上述されたものと実質的に類似している。個々のコンピュータ間の通信、例えばネットワークアドレスAにおけるコンピュータ802の別のコンピュータに対する通信は、LANを外れて例えばゲートウェイサーバ805等のゲートウェイサーバ上に位置するゲートウェイポートを介して行われてもよい。
【0065】
ゲートウェイサーバ805は、そのポート識別子およびポートアドレスをスイッチサーバ807に登録するポートとして動作することによってインターネットへのアクセスを可能にする。第1のコンピュータ802は、スイッチサーバ807に登録し、サーバ805のゲートウェイポートへの呼を開始することによってLANを外れてインターネットによりコンピュータと通信してもよい。ゲートウェイポートのアドレスは、スイッチサーバ807において維持され、第1のコンピュータ802のインターネットサーバ805との接続が呼制御部809によって判断されて決定され、命令信号により実施される。
【0066】
インターネットゲートウェイサーバ805は、コンピュータ802から受信されたパケット信号をIPプロトコル信号ヘッダにおいてカプセル化し、インターネットによってそれらを目的地コンピュータに送信する。同様に、インターネット上の目的地コンピュータから受信された戻りのパケット信号は、インターネットゲートウェイサーバ805を通ってLANに入り、コンピュータ802に導かれる。呼制御部およびスイッチサーバは、コンピュータ802とインターネットゲートウェイサーバ805との間に接続を形成することによってコンピュータ802とインターネット上の目的地コンピュータとの間の通信を設定する。
【0067】
第1のコンピュータ802のユーザーが存在しない別のコンピュータへの接続の形成を希望した場合には、その別のコンピュータのアドレスが第1のコンピュータ802から命令信号としてスイッチサーバ807によって収集される。第1のコンピュータによって送信されたアドレスに対応するスイッチサーバ807に登録されたコンピュータは存在しない、換言すると目的地コンピュータは存在しないから、スイッチサーバは対応したポート識別子を呼制御部に与えることができず、その結果呼制御論理によって制御信号が呼制御部からスイッチサーバ807に送信され、結果的に命令信号がスイッチサーバから第1のコンピュータ802に送られ、目的地コンピュータが利用不可であることを第1のコンピュータ802に知らせる。
【0068】
別の動作例において、第1のコンピュータ802は、LAN806に接続された例えばPSTNサーバコンピュータ804に接続されたQ931またはDAS2ライン等のトランクラインを介して公衆交換電話網(PSTN)812に結合されたコンピュータにアクセスしてもよい。PSTNサーバ804は、スイッチサーバ807のメモリ位置に登録されたポート識別子およびLANアドレスを有している。スイッチサーバとの間で命令信号を送受信し、スイッチサーバから命令およびメッセージを制御信号として呼制御サーバ809に中継し、この呼制御サーバにより記憶された論理にしたがって呼制御サーバ809によってポートの接続を判断し、第1のコンピュータ802とスイッチサーバ807とPSTNサーバ804との間で命令信号を送受信することによりイーサネットアドレスを有するコンピュータの接続としてポートの接続を行って、第1のコンピュータ802とPSTNサーバ804との間におけるLANによる直接的なポイント・ツー・ポイント接続を形成することによって第1のコンピュータ802とPSTNサーバ804との間の通信が行われる。PSTNサーバ804は、パケット化された電話周波数信号を第1のコンピュータ802から受信し、例えば別のコンピュータまたは通常の電話機等の目的地装置へのPSTNによる送信に適した形態にこれらを変換する。
【0069】
PSTNにアクセスするために、第1のコンピュータは、PSTNサーバ804上に位置するPSTNのチャンネルのポート番号をダイヤルし、この番号はスイッチサーバに送信される。PSTNポートのポート識別子およびアドレスは、スイッチサーバに登録される。第1のコンピュータとPSTNチャンネルポートとの接続は呼制御部によってポートの接続として判断され、このポート接続はスイッチによって実質的に上述されたように行われる。
【0070】
別の動作例において、自動車電話のような移動電話との間で通信を送受信するように構成されている移動電話サーバコンピュータ800はポート識別子および位置アドレスを有しており、それらはスイッチサーバ807のメモリ装置上に登録されている。例えば、移動電話と通信することを希望する第2のコンピュータ803は、移動電話サーバ800に接続された移動電話のアドレスまたは別の識別子を特定する命令信号をLAN806によってスイッチサーバ807との間で送受信する。呼制御サーバ809は、上述されたように制御信号および命令信号によって第2のコンピュータ803と移動電話サーバ800との間の接続を行う。
【0071】
第2のコンピュータ803と移動電話サーバ800との間の接続は、パケット化された電話周波数信号をLAN806によって伝送するためにポイント・ツー・ポイントベースで行われる。移動電話サーバ800がそのポイント識別子およびアドレスをスイッチサーバ807に登録している限り、スイッチサーバは、やはりこのスイッチサーバ807に登録されている第2のコンピュータと、移動電話サーバ800、したがって移動電話との間に接続を形成することができる。
【0072】
本発明の特定の実施形態において、制御信号による呼制御部とスイッチ装置との分離およびスイッチ装置と呼制御部との間の通信は、呼制御部の交換能力を可能にする利点を有する。呼制御部がスイッチ装置と適合する制御信号を送受信する限り、異なる機能を有する異なる呼制御部の交換能力が単一のスイッチ装置上で実行されることができる。例えばブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・メリディアンタイプの構内交換機(PBX)は、制御信号によってスイッチ装置と通信し、このメリディアン呼制御部上で利用可能な全ての通常のサービスのアクセスおよび経路設定機能がLAN、インターネット、イーサネット等で実施されることを可能にしてもよい。
【0073】
本発明による特定の実施形態および方法において、コンピュータ位置とは無関係のパーソナル・ナンバリングが行われてもよい。個々のユーザーは、彼または彼女のパーソナル・ナンバーをコンピュータにログし、その後このコンピュータがそのナンバーをスイッチ装置上のポート識別子およびポートアドレスと共に登録する。そのパーソナル・ナンバーに対して受取られた呼は、パーソナル・ナンバーがログオンされたコンピュータのポートを通って直接導かれてもよい。
【0074】
さらに、インターネットアドレスをポート識別子の形態で構成し、またサービスの経路設定および提供を呼制御部に集中させて、トーン発生器およびインターネットゲートウェイ並びにPSTNへのゲートウェイをポートとして構成することによって、スイッチ装置と構内ネットワーク上の個々のコンピュータとの間のプロトコルは比較的簡単な形態に保たれ、スイッチ装置および呼制御部を除いてネットワークの各コンピュータの簡単な構成が維持される。
【0075】
プロトコルは、以下の基本要素:
*電話機からスイッチ装置:オフ・フック信号/オン・フック信号;
*スイッチ装置から電話機:アドレス信号をコレクトする;
*電話機からスイッチ装置:コレクトされたアドレス信号を供給;
*スイッチ装置から電話機:特定されたアドレスに接続;
*スイッチ装置から電話機:特定されたアドレスから遮断
を含んでいてもよい。
【0076】
会議通話を開始した第1の電話機から受信された命令に応答して複数のインターネットホンの間において会議電話が設定される動作の一例において、呼制御部は識別された電話に対して、それらの間の接続を遮断して、スイッチ装置に全て接続するように制御信号によって命令する。スイッチ装置は、スイッチ装置においてインターネットホン間の経路設定ブリッジを設定し、それによって会議通話を実施する。パケット化された電話周波数信号は全て呼制御部の制御の下にスイッチポートに送信され、またスイッチポートから会議通話中の対応した各インターネットホンに再度導かれ、呼制御部がスイッチ装置に制御信号を発し、パケット化された電話周波数信号を導く。
【0077】
サービス対話および競合の処理において、関係のある電話機は全てスイッチブロックに登録しているため、スイッチブロックは電話機の状態に関するメッセージを呼制御部に送信する。サービス対話は、呼制御論理によって処理されることができる。呼制御論理は、ユーザーが呼転送を行うのを止めさせる。同様に、呼制御部は、例えばポート10がポート20に対する2Mビットのリンクを要求したが、ポート20が64kビットリンクしかサポートすることができない場合等のどのような競合でも解決し、ポートのデータ容量がスイッチ装置のレジスタに記憶されているならば、呼制御部はスイッチ装置中のこの記憶情報を使用して競合を解決することが可能であり、この情報はスイッチブロックから呼制御部への制御信号によって呼制御部に中継される。呼制御部は、コンピュータ間の実現不可能な通信リンクの接続を阻止する。
【0078】
さらに、スイッチポートは常にネットワーク上に存在しているため、あるインターネットホンが、存在しない、または利用不可の別のインターネットホンと通信することを希望した場合、このインターネットホンはスイッチ装置に登録されていないため、呼制御部はその接続が実現不可能であると判断して、スイッチ装置によって命令信号として構成された対応した制御信号を発信源のインターネットホンに送信して、要求されたインターネットホンがサービス外であることを発信源のインターネットホンに通知する。その代りに、呼制御部は、スイッチ装置に登録されている別のインターネットホンへの呼転送を行うことができる。
【0079】
別の動作モードにおいて、インターネットホンアドレスは名前または簡単な省略形として構成されることができる。通常のインターネットホンは、URLコーディングによって互いを識別する。しかしながら、本発明による特定の実施形態では、一般に使用されるインターネットアドレスまたはパーソナル・ナンバーが省略された短い名前のアドレスによってアクセスされることができるように、省略形および簡単な名前がスイッチ装置または経路設定テーブルメモリのいずれかに記憶されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】従来のパーソナルコンピュータ間の通信を示す。
【図2】従来のLANによるコンピュータ間の通信を示す。
【図3】プロトコルヘッダによるパケット信号のカプセル化の一例を示す。
【図4】プロトコルヘッダによるパケット信号のカプセル化の他の例を示す。
【図5】公衆サービス電話網に接続される通常の構内交換機を示す。
【図6】ブリッジを介して会議電話に接続された電話機の例を示す。
【図7】通常のインターネットを使用する会議電話の形態の接続例を示す。
【図8】本発明の第1の特定の実施形態による通信ネットワークの概要を示す。
【図9】図1のネットワークを含む通信交換装置を示す。
【図10】図9の通信交換装置のアーキテクチャを示す。
【図11】スイッチ装置の1実施形態を示す。
【図12】本発明の第1の特定の方法にしたがって送受信される信号のタイプを示す。
【図13】図8の通信装置の動作の一例を示す。
【図14A】図13の装置における信号通信の一例を示す。
【図14B】図13の装置における信号通信の一例を示す。
【図14C】図13の装置における信号通信の一例を示す。
【図15】本発明の第2の特定の実施形態による第2の通信ネットワークを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置およびこれを動作する方法に関し、互いに通信するために複数のコンピュータ装置を接続する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常のパーソナルコンピュータまたはコンピュータワークステーションに対してそのプロセッサにより操作されるマイクロホンやオーディオスピーカを取り付け、このような2つのPCまたはワークステーションのユーザーの間における音声通信を可能にすることが知られている。パーソナルコンピュータによる音声通信設備は“インターネットホン”として知られている。第1の送信コンピュータに向かって話した人物が生成した音圧波は、プロセッサによってデジタル化された電子オーディオ信号にマイクロホンによって変換される。デジタル化された信号は、プロセッサによってもっと短いパケット信号に分割され、通信リンクによって第2の受信パーソナルコンピュータまたはワークステーション等のプロセッサに伝送され、パケット信号を再度組立ててオーディオ信号を再構成する。その後、オーディオ信号は受信コンピュータのオーディオスピーカを駆動するために使用され、可聴音を生成する。同様に、受信コンピュータによって動作されるマイクロホンは、音声音響信号をオーディオ電気信号に変換し、この電気信号が受信コンピュータのプロセッサによってデジタル化され、パケット化されて、通信リンクにより第1のコンピュータに送られる。送信コンピュータのプロセッサはパケット化された信号をオーディオ信号に再構成し、第1の送信コンピュータに関連したオーディオスピーカを駆動するために使用される。通信リンクは、例えば共通のプロトコルによって互いに接続されたネットワークのイントラネットである、イーサネット(登録商標)等の構内ネットワークであってもよいし、或は原型のARPANETから発展した広域インターネットでもよい。
【0003】
国際特許公報WO 91/05419には、データパケットでデータを伝送するためのネットワークアーキテクチャが詳細に記載されている。これは、共通のパケット構造を使用して同じスイッチにより分配されるようにオーディオ音声とデータの両者を組合せる。それによって帯域幅のダイナミックな割当てが実現されるが、オーディオ音声通信は通常の音声ベースの装置を使用する者によく知られた方法では容易に設定しない。
【0004】
図1を参照すると、マイクロホンおよびスピーカを有するラップトップ型の第1のパーソナルコンピュータ(PC)1と、同様にマイクロホンおよびスピーカを有する第2のパーソナルコンピュータ2との間における通信が一例として概略的に示されており、この通信は、第1のモデム3、電話網4、第2のモデム5を含む通信リンクを介して行われ、第2のモデム5はインターネットサービスプロバイダゲートウェイ7により広域インターネット6に結合され、また第2のパーソナルコンピュータ(PC)2は第2のサービスプロバイダゲートウェイ8によってインターネット6に接続されている。
【0005】
第1のPC1のユーザーは、第1のPCの表示装置9上に電話機のキーパッドを提供される。このユーザーは、第1のPC1のプロセッサの制御の下に第2のPC2のアドレスをダイヤル呼出しすることができる。第2のPC2のユーザーは第1のPCからパケット化された信号を受取ることができ、第1のPCのユーザーが第2のPCのユーザーと通話できるように、第1のPC1と第2のPC2との間の音声通信が行われる。同様に、第2のコンピュータ2のユーザーが第1のコンピュータのユーザー1と通話できるように、パケット化された信号が第2のコンピュータ2から第1のコンピュータ1に送られる。
【0006】
図2を参照すると、構内ネットワーク(LAN)内におけるインターネットホンの別の例が示されている。例えば同軸ケーブルまたは撚線対等のイーサネットケーブルを含む通信リンクから構成されている構内ネットワークによって、複数のコンピュータがサイトで接続されている。LANに接続された1つのPC10のユーザーは、LANに接続されている別のPC11のユーザーと通信するためにインターネットホン機能を使用してもよい。構内ネットワークに接続されたコンピュータは、例えば図2のコンピュータ12等のゲートウェイコンピュータを介して広域ネットワーク(WAN)または接続されたネットワークのインターネットにアクセスすることができる。
【0007】
図1および2を参照して記載された各例において、音圧波信号は、マイクロホンによって電子データ信号に変換され、その後それはデジタル化されてパケット化され、例えばイーサネットケーブルやインターネットサイトを接続するケーブル等の物理的な通信リンクによって伝送され、1または複数のプロトコルにしたがってコンピュータ間の伝送が行われる。
【0008】
インターネットまたは広域インターネットによる通信に対して、メッセージは多数のコンピュータの間で多数の通信リンクを介して転送される。送信コンピュータと受信コンピュータとの間の通信は、ポイント・ツー・ポイントプロトコル(PPP)にしたがって行われ、各コンピュータはこのような範囲のプロトコルをサポートしていてもよい。図3を参照すると、音声信号を複数の信号パケットに変換する応用プログラムによって生成された音声データを含む個々の音声パケット信号30は、第1のプロトコルによって第1のヘッダ信号31を与えられる。第1のヘッダ信号は、パケット信号30に付加されたデータのバイトの形態で情報を含んでいる。例えば、第1のヘッダ信号がシーケンスからパケットへの交換(SPX)プロトコルにしたがってパケット信号に付加された場合、パケット信号が順番に到着することを保証するためにパケットシーケンシング情報がヘッダ信号に含まれていてもよく、また受信コンピュータによりパケットが受取られた時に、受信コンピュータがパケット信号の受信を確認することを保証するためにハンドシェークプロトコルが含まれている。
【0009】
LANによるパケット信号の送信に関して、SPXプロトコルのようないくつかのプロトコルの信頼性は高いが、他のプロトコルの信頼性は低い。例えば、インターネットパケット交換(IPX)プロトコルは、ネットワーク上でパケット信号を互いに独立的に送信する。図3において、IPXプロトコルは、第1のヘッダ信号31およびパケット信号30を受取り、これを複合パケット信号32として処理し、この複合パケット信号32に対してIPXプロトコルヘッダ信号33が付加される。
【0010】
IPXプロトコルは、ヘッダ信号33において指定されたアドレスにパケット信号を配送するために“最善の努力”をするが、それにはエラー検出または訂正が含まれないため、配送を保証することはできない。IPXプロトコルは、当然のことながら基礎的な物理的ネットワークから独立している階層アドレス構造を規定する。この独立構造は、パケット信号がネットワークの間で経路設定されて、異なる物理ネットワーク上を送られることを可能にする。しかしながら、IPXプロトコルは、信頼性の高い配送を行うために基礎となるネットワーク、或はプロトコルの他の層に依存している。パケット信号が適合しないネットワークによって送信された場合、パケット信号は、通過されるべきネットワークの特定の部分と適合するプロトコルにしたがってネットワークと適合するヘッダ信号においてカプセル化される。例えば、IPXで始められるパケットは、転送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)ネットワークを通ってIPXパケットを伝送するためにユーザーデータグラムプロトコル(UDP)ヘッダおよびインターネットプロトコル(IP)ヘッダにおいてカプセル化されることができる。
【0011】
TCP/IPネットワークにおいて、インターネットプロトコルは、データグラム、すなわちTCP/IPネットワーク上を転送される情報信号の基本単位を規定し、またTCP/IPによって使用されるアドレシングを規定し、それにょつてパケット信号の経路を設定する。ユーザーデータグラムプロトコル(UDP)は、パケット配送のために使用されるTCP/IP転送プロトコルである。UDPはコネクションを生成し、配送を確認するオーバーヘッドを有しない。
【0012】
図4を参照すると、プロトコルヘッダによるパケット信号のカプセル化の別の例として、SPXおよびIPXプロトコルが単一のネットウェアプロトコルヘッダ信号によって置換されることができる。ネットウェア(NetWare)ヘッダ信号41を有するパケット信号40は、広域インターネットによる伝送のためにUDPおよびIPプロトコルヘッダ信号42,43によってそれぞれカプセル化されてもよい。信号のパケットをカプセル化し、インターネットでそれらを送信することによって、インターネットホンは互いに通信することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来技術のインターネットホンは、パケット信号をアドレス指定すべき場所が送信側に分かるように、送信コンピュータが受信コンピュータのアドレスを知っていなければならず、また送信側にパケット信号を送信するために受信コンピュータが送信コンピュータのアドレスを知っていなければならないということに基づいて動作している。個々のコンピュータ間の通信は、単一のコンピュータが別の単一のコンピュータとの間でパケット信号を送受信するポイント・ツー・ポイント方式である。受取られたパケット信号は、プロセッサによって音声信号に再度組立てられる。
【0014】
インターネットホンのパケット信号環境とは対照的に、通常の電話通信システムは音声またはその他のデータを表わす電気信号が伝送されることのできるチャンネルを生成することによって動作する。通信チャンネルの使用は、高度にフレキシブルなサービスを可能にし、呼転送[呼が別の位置に自動的に転送(divert)されること]のような特徴を可能にし、また会議電話(3台以上の電話機間における通信)を可能にする。図5を参照すると、公衆サービス電話網(PSTN)に接続されている通常の構内交換機(PBX)の呼センターによる会議電話の呼の処理の例が示されている。
【0015】
図5において、構内交換機の呼センター50は複数の個々の電話機101,102,103および104と接続している。PBXに接続されていない他の電話機201,202および203は公衆サービス電話網(PSTN)55によりPBX呼センターにアクセス可能である。電話機間の対話は、チャンネルの接続による通常のPBXにより処理される。例えば第1のサービス対話の問題において、PBXに接続されている第1の電話機101がPSTNにそれぞれ接続されている第2および第3の電話機201,202と会議電話を成立させた場合、第1の電話機101は第2の電話機201を呼出し、それによって第1の電話機101と第2の電話機201との間に第1のチャンネルを開通させ、第1の電話機101が第3の電話機202を呼出し、それによって第1の電話機101と第3の電話機202との間に第2のチャンネルを開通させる。その後、PBXではなくPSTNの第2および第3の電話機間のブリッジをPBX呼センター中に形成することによって、第1および第2のチャンネルが接続される。第1の電話機のユーザーが会議通話を抜けることを希望した場合、第1の電話機のユーザーはその電話機を会議通話から外すことが可能であり、第2の電話機201と第3の電話機203との間の通信はPBXを横切るエンド・ツー・エンド通話を介して再開する。したがって、PSTNにおける2台の電話機はPBX内のリンクを介して接続され、一方PBXと関連したいずれの電話機もその通話には参加していない。PBXの視点からこれはリソースの非効率的な利用法である。
【0016】
その代りに、電話機101は別の電話機に呼を転送することによって会議通話を抜けてもよい。これは、協議呼転送(consultation call transfer)によって行われることができる。すなわち、PBXが例えば第2の電話機201からの第1のチャンネルを通ったアクチブな呼と、例えば第3の電話機202からの第2のチャンネルを通ったホールドされている呼とを有している場合、第1の電話機101はホールドされている呼とアクチブな呼を接続し、その後で会議通話を抜けることができる。
【0017】
第2の電話機201を第3の電話機203に接続するために、第1および第2のチャンネルを結合するブリッジがPBX内に存在していなければならない。この時点で、3台の電話機はPBXから外れる。第1の電話機101は会議通話を抜けてしまっており、第2の電話機201はPSTNの一部分であり、第3の電話機203もまたPSTNの一部分である。PBX外の2台の電話機を接続するためにそのPBXが使用されるため、これはPBXリソースの浪費である。その代りに、第1の電話機101のユーザーは単一ステップの転送を行って会議を抜けることができる。これは、第1の電話機101が第1のチャンネルによる第2の電話機201とのアクチブな呼を有している場合に発生し、かつ第1の電話機101が第2のチャンネルによって第3の電話機203を呼出して、この第3の電話機が鳴り始める。その時点で第1の電話機は会議通話から外れ、第2の電話機がリングトーン(着信音)を受ける。会議通話中のパーティの二者、すなわち第1の電話機101のユーザーと第2の電話機201のユーザーは、互いに通話しなければならない場合にはリングトーンをそれぞれ受けるため、単一ステップの転送もまた非効率的である。
【0018】
通常のチャンネル接続PBXによって実行されるサービス対話の別の例は以下のとおりである。PBXに接続された電話機104が、やはりPBXに接続されている別の電話機103を呼出す。別の電話機103は応答しないが、この別の電話機103は“応答のないときには転送”設定機能を有し、やはりPBX上の第3の電話機102に呼を向けるため、呼は第3の電話機102に転送し、PBX中のブリッジを使い果す。
【0019】
第3の例のサービス対話において、第1の電話機102および第2の電話機103はPBXに接続されている。第1の電話機102は第2の電話機103を呼出すが、第2の電話機103はアクチブな呼と通話中である。第1の電話機102は“呼待機”機能を有しているため、第1の電話機102は第2の電話機103が利用可能になるのを待つ。第2の電話機103が“応答のないときには転送”機能を有している場合、第1の電話機102が第2の電話機103から別の電話機に転送されるか否かを判断して決定するのに問題がある。問題は、“応答のないときには転送”機能により“呼待機”機能が影響を受けるか否かということである。ある製造業者の電話機において、“呼待機”機能が“応答のないときには転送”機能の影響を受けるが、別の製造業者の電話機では、“呼待機”機能は影響を受けない。したがって、PBXに接続された2台の電話機は、電話機のモデルや製造業者に応じて、互いに異なって作用すると考えることができる。
【0020】
上記の会議電話の例は、通常のPBXを使用してチャンネルをスイッチングし、接続する方法に依存している。通常のインターネット電話はポイント・ツー・ポイントベースで動作するため、パケットを送信するインターネット電話環境では、通常のチャンネルスイッチングネットワークに関して認められるように、会議電話を実施したときに問題が生じる。インターネット電話はポイント・ツー・ポイント通信に依存し、一方通常のPBXはチャンネルスイッチングおよびチャンネル接続に依存している。インターネット電話環境において、電話機間には呼出し中存続するチャンネルは生成されず、一方通常のPBX環境では、異なる電話機間において呼出し中存続する専用チャンネルが接続される。パケット信号送信環境とチャンネルスイッチング環境との間の相違のために、インターネット電話環境における標準的な電話網機能の実施には問題がある。
【0021】
PBXチャンネルスイッチング環境を介した接続と比較されるインターネット電話の接続に特有の問題の一例は以下のとおりである。図6を参照すると、4台の電話機60,61,62,63がブリッジ64を介して会議電話の形態で互いに接続されている。ブリッジ64はPBXを含むハードウェアの一部分であり、このブリッジ64に対して、会議電話に関わる全ての電話機が単一の接続ポイントを介して接続している。ブリッジは電話機の接続に効果的であり、例えば4台の電話機は図6に示されているように単一のブリッジ64によって会議電話の形態に接続されることができる。ブリッジは、会議電話方式において形成される必要のある接続の数を減少し、したがって会議電話の周辺に電子音声信号を送信する時に要求される帯域幅の量を減少させる。図7に示されているように、通常のインターネット電話を使用して、類似したシステムを構成することはさらに複雑である。その理由は、インターネット電話はポイント・ツー・ポイントベースで動作するため、会議電話では各電話機と他のいずれかの電話機との間に双方向リンクが存在することが必要である。電話機が2台しかない場合、単一のリンクしか必要ない。3台の電話機がある場合、3本のリンクが必要である。4台の電話機が会議電話に関与している場合は6本の双方向リンクが要求され、また5台の電話機が会議電話に関わっている場合には10本の双方向リンクが必要である。会議電話では、必要とされるリンクの本数が電話機の台数に関して不釣り合いに大きく増加する。
【0022】
通常のインターネット電話で会議電話を構成するために必要とされるポイント・ツー・ポイント接続の数は、会議電話環境におけるインターネット電話の台数が増加するにつれて急速に増加する。会議電話を実施する時にインターネットホンの間に会議が設定された場合、各インターネット電話は会議電話における互いのインターネットホンのアドレスを知っている必要があり、結果的にそれぞれ個々のインターネットホンにおいて高度に複雑なアドレシング情報処理が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の特徴によると、アドレスヘッダとデータ部分とを有するパケットによって通信するように構成された処理装置のネットワークにおいてオーディオ電話を実施する方法が提供され、この方法は、ソース処理装置から中央位置に目的地処理装置を識別するシグナリングパケットを送信し、前記中央位置から前記目的地処理装置に前記ソース処理装置を識別するシグナリングパケットを送信し、前記中央位置から前記ソース処理装置に前記目的地処理装置のアドレスを識別するパケットを送信し、デジタル化されたオーディオ信号を含むパケットを前記ネットワークによって直接前記ソース処理装置と前記目的地処理装置との間で伝送するステップを含んでいる。
【0024】
好ましい実施形態において、電話機オフ・フック状態を識別するパケットは、ソース処理装置から中央位置に送信される。オフ・フック状態の受信に応答して、中央位置はダイヤル・トーンアラートをソース処理装置に供給する。ソース処理装置は、ダイヤル・トーンアラートの受信に応答してダイヤル・トーンを要求することが好ましい。
【0025】
本発明の第2の特徴によると、オーディオ電話によって通信するように構成された複数のユーザー処理装置にネットワーク接続された中央スイッチングプロセッサが提供され、この中央スイッチングプロセッサは、ソース処理装置から目的地処理装置を識別するシグナリングパケットを受信する手段と、前記識別された目的地処理装置に前記ソース処理装置を識別するシグナリングパケットを送信する手段と、前記ソース処理装置が前記目的地処理装置と直接通信するように、前記目的地処理装置に対するアドレスを識別するパケットを前記ソース処理装置に送信する手段とを具備している。
【0026】
好ましい実施形態において、前記中央スイッチングプロセッサは、前記ソースプロセッサから電話機オフ・フック状態の表示を受信するのに応答して、ダイヤル・トーンアラートパケットをソースプロセッサに供給する手段を含んでいる。
【0027】
中央スイッチングプロセッサは、前記ソース処理装置が前記目的地処理装置に呼を設定しようとしている状態を識別するリングアラート信号を目的地処理装置に送信する手段を含んでいることが好ましい。
【0028】
本発明の第3の特徴によると、オーディオ電話によって通信するように構成された複数のユーザー処理装置にネットワーク接続された中央スイッチングプロセッサが提供され、この中央スイッチングプロセッサは、ソース処理装置から第1の目的地処理装置を識別するシグナリングパケットを受信する手段と、前記識別された目的地処理装置に前記ソース処理装置を識別するシグナリングパケットを送信する手段と、第2の目的地処理装置を識別するシグナリングパケットを受信する手段と、複数の処理装置の任意のものから受信されたパケットが会議内に設定された他の処理装置全てに中継される会議通信を設定する手段とを具備している。
【0029】
中央スイッチングプロセッサは、オフ・フック状態の受信に応答して前記ソースプロセッサにダイヤル・トーンアラートパケットを供給する手段を含んでいることが好ましい。
【0030】
本発明の第4の特徴によると、アドレスヘッダとデータ部分とを有するパケットによって通信するように構成され、ネットワーク接続され、ネットワークによるオーディオ電話を設定する手段を備えている処理装置が提供され、前記処理装置は、電話機オフ・フック状態を識別するシグナリングパケットを中央位置に送信する手段と、前記オフ・フック状態に応答してダイヤル・トーンアラートパケットを受信する手段と、前記ダイヤル・トーンアラートに応答して可聴ダイヤル・トーンを要求する手段と、前記中央位置に対する目的地処理装置を識別する手段とを具備している。
【0031】
以下、本発明をさらによく理解し、その最良の実行方法を説明するために、本発明の好ましい実施形態および方法の例を示している添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
添付図面の図8を参照すると、例えばイーサネット等の構内ネットワーク309によって同軸ケーブルまたは撚線対の形態で接続されている複数のコンピュータ302乃至308の間で通信接続が行われている通信交換装置301が示されている。各コンピュータは、LANに物理的に接続されている少なくとも1つの通信ポートを有している。複数の各コンピュータ302乃至308は、通常のイーサネットプロトコルを使用してネットワーク接続されており、このプロトコルでは各ポートがそれ自身の特有のアドレスを有している。
【0033】
コンピュータは、ポイント・ツー・ポイントベースで構内ネットワーク309によってそれらの通信ポートを介して互いに通信してもよい。例えば、ポートアドレスAを有するコンピュータ305は、このコンピュータ305がコンピュータ307と通信するためのポートアドレスCを知っている場合は、ポートアドレスCを有するコンピュータ307と通信してもよい。コンピュータは、通常の構内ネットワークプロトコルにしたがって構内ネットワーク309によりパケット化された電話周波数信号を送信することによって互いに通信し、構内ネットワーク上のコンピュータの間で通常のインターネット電話通信を実施してもよい。
【0034】
通信は、例えばコンピュータ303および305乃至307等のネットワーク上のコンピュータによって別の通信システムに対してゲートウェイを介して行われてもよい。例えば、コンピュータ302は、インターネット310に対するゲートウェイ、例えばインターネットプロトコルによるワールド・ワイド・ウェブゲートウェイ(IP−WWW)を含んでいる。公衆交換電話網(PSTN)311へのアクセスは、トランクライン312によってPSTNに接続されたPSTNゲートウェイコンピュータ304のインターネットプロトコルの通信ポートを介して行われることができる。通信交換装置300は、呼制御部313およびスイッチ装置314を具備している。呼制御部313は、この呼制御部313とスイッチ装置314との間で伝送される制御信号によってコンピュータ302乃至308の間の通信の接続を制御する。スイッチ装置314は、命令信号をコンピュータに供給して、個々のコンピュータに1または複数の他の個々のコンピュータと接続するように命令することによって、またスイッチ装置314によって特定のコンピュータが接続されることになる他のコンピュータの適当なポートアドレスを与えて、個々のコンピュータ302乃至308の間の通信の接続を行う。
【0035】
通信交換装置300は、1個または複数個の交換機監視コンピュータ316,317が呼制御部に対して電話要求を行うことを可能にし、またどの通信接続が存続しているかに関する情報をコンピュータ116,117が呼制御部から得ることを可能にするコンピュータ電話統合装置(CT1)とインターフェースする。
【0036】
図9を参照すると、通信交換装置300がさらに詳細に示されている。この通信交換装置300は、有効な電話サービスとそれらの構造、例えば会議電話、呼転送(call diversion)、呼待機および応答のないときの転送サービス用の構造等に関する情報信号を記憶するハードディスクメモリの形態のサービスデータベース320、呼制御部が通信の呼経路設定情報の詳細を質問することのできるメモリ装置の形態の経路設定テーブルデータベース321、並びに例えば呼制御部との間でメッセージをそれぞれ送受信するACDサーバ装置322およびボイスメールサーバ装置323等の1個または複数個の高レベルサービスサーバ装置を含んでいてもよい。
【0037】
図10を参照すると、呼制御部313およびスイッチ装置314、並びにポート位置アドレスA,BおよびCに各ポート10,20…99を有する複数のコンピュータ410,420および499とそれらの対話の一例が示されており、複数のコンピュータは互いに通信し、また構内ネットワーク400を横切ってそれらの通信ポートを通ってスイッチ装置314と通信することが可能である。スイッチ装置314は、複数のメモリ位置R10,R20…R99のレジスタを含んでいる。各レジスタメモリ位置は、コンピュータの通信ポートのポートを識別するポート識別子信号および対応したポートアドレス信号を記憶することができる。例えばレジスタメモリ位置R10は、第1のコンピュータ410のポート10のアドレス信号Aと、そのポートをポート10であると識別するポート識別子信号とを記憶することができる。
【0038】
メモリ位置R20は、第2のコンピュータ420のアドレス信号Bと、そのポートをポート20であると識別するポート識別子信号とを記憶することができる。レジスタ位置R99は、第nのコンピュータ499のアドレス信号Cと、ポート99を識別するポート識別子信号とを記憶することができる。呼制御部313は、それらのポート識別子によりポートを識別する制御信号によってスイッチ装置314と通信する。このスイッチ装置は、ポートアドレスを識別する命令信号によって個々のコンピュータと通信する。
【0039】
図11を参照すると、スイッチ装置の1実施形態が機能ブロックで概略的に示されている。スイッチ装置314は、プロセッサ500と、プロセッサを動作するための論理命令を記憶する論理メモリ501と、スイッチ装置によって送受信されるべき命令およびメッセージを記憶する命令およびメッセージメモリ502と、例えばLAN等の通信ネットワーク504に接続されているコンピュータから受取られたポート識別信号およびポートアドレスを記憶するポートレジスタ503と、ポートがスイッチポートアドレスを有している、ネットワークにアクセスするためのスイッチ通信ポート505と、呼制御部313との間でメッセージを送受信する呼制御インターフェース506と、上記の素子を結合する内部バス507とを含んでいる。呼制御インターフェース506は、呼制御部313との間で制御信号を送受信する。スイッチ通信ポート505は、命令信号をネットワーク504を介して送受信する。
【0040】
プロセッサ500は、論理メモリ501中に論理信号として記憶された論理命令にしたがって、受信された呼制御信号および受信された命令信号を解釈し、ポートレジスタ503中に記憶されたポートアドレス信号およびポート識別信号から識別された通信ポートに送信するために命令およびメッセージメモリ502に記憶された適当な命令およびメッセージをパッケージ化し、受信された呼制御信号および論理命令によって特定されたコンピュータポートに命令信号を送信する。プロセッサ500はまた命令信号としてスイッチポート505を通って受取られた命令およびメッセージを、スイッチ装置から呼制御部に送信される制御信号として呼制御インターフェース506を介して呼制御部に報告する。
【0041】
図12を参照すると、呼制御部からスイッチ装置への制御信号600は、例えばポート10等のポートを識別するポート識別子信号要素601と、命令信号要素602とを含んでいる。ポート識別子信号要素601は、呼制御部によって出された命令が与えられるべきポートを識別する。スイッチ装置から呼制御部に送られる制御信号603は、ポート識別子信号要素604と、メッセージ信号要素605とを含んでいる。ポート識別子信号要素604によって、呼制御部はメッセージ信号605のソースポートを識別するために制御することができる。
【0042】
スイッチ装置314は、1組の命令信号によって複数のコンピュータと通信する。スイッチ装置からコンピュータへの命令信号606は、アドレスヘッダ信号要素607および命令信号要素608を含んでいる。アドレスヘッダ信号要素607によって、命令信号608は命令が与えられるべきコンピュータの選択された通信ポートに送信されることができる。命令信号608は、動作を実行するための対応したコンピュータに対する命令を含んでいる。例えば、スイッチ装置314から第1のコンピュータ410への命令信号は、通信チャンネルをネットワーク400によって第3のコンピュータ499と接続するように第1のコンピュータ410に命令する。
【0043】
スイッチ装置314から第1のコンピュータ410への命令信号は、別のコンピュータのポートアドレス、例えば第2のコンピュータ420のアドレスBをスイッチ装置に送信するように第1のコンピュータ410に命令してもよい。命令信号要素608は、ダイヤル・トーン信号サーバポート、例えばコンピュータ499のポートに存在するダイヤル・トーン信号に通信を接続するようにコンピュータに命令してもよい。別の命令信号要素608は、ダイヤル・トーン信号ポートへの通信を遮断するようにコンピュータに命令してもよい。命令信号608は、複数のコンピュータの1または複数のもののポートに通信を接続するようにコンピュータに命令してもよい。命令信号要素は、複数の別のコンピュータの1または複数のもののポートからの通信を遮断するようにコンピュータに命令してもよいし、或はコンピュータがまさにアドレス指定されようとしていることをコンピュータに通知するアラート信号を含んでいてもよい。スイッチ装置からコンピュータへの命令信号がコンピュータに対して1または複数の別のコンピュータと通信を接続するように要求した場合、それらの1または複数の別のコンピュータのアドレスは命令信号においてアドレス識別子信号要素609として特定される。
【0044】
コンピュータからスイッチ装置への命令信号610は、ネットワークによってスイッチ装置に信号を導くスイッチポートアドレスヘッダ信号611と、命令信号を送信するコンピュータのアドレスを識別するアドレス識別子信号要素612と、コンピュータからスイッチ装置へのメッセージを特定するメッセージ信号要素613とを含んでいる。メッセージは、コンピュータが1または複数の別のコンピュータと通信することを希望していることをスイッチ装置に知らせる例えばオフ・フック信号、コンピュータ自身の通信ポートのアドレスまたはそのコンピュータが通信を希望する1または複数の別のコンピュータのポートのアドレスのいずれかを与え、ネットワーク400によってスイッチ装置に供給されるアドレス信号、或はコンピュータが1または複数の別のコンピュータとの通信を終端したことを示すオン・フック信号等の状態メッセージを含んでいてもよい。
【0045】
動作時には、各コンピュータは、例えばポート10、ポート20等のそのポートアドレスおよびポート識別子をスイッチ装置314により登録する。各コンピュータポートのアドレスは各レジスタ位置に記憶され、スイッチ装置は、ネットワークで接続されているポートのレジスタをそれらのアドレスと共に保持している。スイッチ装置自身は、ネットワーク上にポート位置アドレスを有している。複数のコンピュータの各コンピュータは、それ自身のポートアドレス信号およびポート識別信号、スイッチ装置のポートアドレス信号、スイッチ装置314との間の命令信号の送受信を行う命令信号プロトコルを記憶する必要がある。
【0046】
さらに、ネットワークを横切って別のコンピュータと通信する各コンピュータは、インターネット電話機能を実施するために、直接ネットワークを横切って別のコンピュータと接続するためのネットワークプロトコル、例えばパケット化された電話周波数信号を別のコンピュータに送信するための通常のポイント・ツー・ポイントプロトコルを記憶する必要がある。電話周波数信号とは、例えば音声通信、ファックス通信、電子メール通信またはビデオリンク通信等の標準的なインターネット電話サービスのことである。電話周波数信号はパケット化されてパケットにされ、複数の個々のコンピュータの間でネットワーク400を横切って送信される。
【0047】
呼制御部313は、上述された1または複数のコンピュータから受取られたメッセージに応答して、どのコンピュータがどの別のコンピュータと通信するかを判断して決定し、指示する。例えば、第1のコンピュータ410からスイッチ装置314に命令信号として送信されたメッセージは、スイッチ装置314によって論理メモリ501に予め記憶された論理にしたがった制御信号として呼制御部へのメッセージに変換される。呼制御部313はどのポートが互いに接続または遮断されるかを判断し、スイッチ装置314に制御信号を送信して、どのポートが別のポートのいずれに接続されるべきかを命令する。
【0048】
各コンピュータは1または複数の各ポートを有し、恐らくコンピュータから受取られたメッセージに応答して呼制御部によって命令されるポート間の接続は、スイッチ装置314とコンピュータとの間で送信される命令信号により、スイッチ装置314によってLANを横切る個々のコンピュータ間の通信ポートの直接接続として行われる。
【0049】
以下図13および14を参照して、呼制御部313の制御の下にスイッチ装置314によって行われる、コンピュータアドレスがそれぞれAおよびBである第1のコンピュータ410と第2のコンピュータ420との間における呼設定の1例を説明する。
【0050】
第1コンピュータ410および第2のコンピュータ420は、インターネット電話をそれぞれ具備している。各インターネットホンは、各コンピュータにおける通信ポートに位置している。例えば第1のコンピュータ410は、位置アドレスAにおけるポート10にある第1のインターネットホンを有する。第2のコンピュータ420は、ポート位置アドレスBにおける第2のコンピュータ上のポート20にある第2のインターネットホンを有する。第3のコンピュータ499は、例えばダイヤル・トーン、リングトーン、アラート・トーン、呼待機トーン等の複数の異なるトーンを生成することができるトーン発生器を有しており、これら各トーンは第3のコンピュータ上の各ポート、例えばポートアドレスw,x,y,zにそれぞれ位置している。各コンピュータは、スイッチ装置に信号を送信することによって、そのポート識別子10,20,ダイヤル・トーン、リングトーン、アラート・トーン、呼待機トーンおよびそれらの対応したアドレスA,B,w,x,y,zをスイッチ装置のポートレジスタ503に登録する。
【0051】
通信接続は、インターネットホンによって第2のコンピュータ420のユーザーと通信することを希望する第1のコンピュータのユーザーによって、第1のコンピュータのユーザーからのキーボード入力に応答して、第1のコンピュータから開始されることができる。命令信号700は、第1のコンピュータのポート10からLANによってスイッチ装置に送信され、この命令信号は、第1のコンピュータがオフ・フック状態であり、1または複数の別のコンピュータと通信することを希望しているというメッセージを含んでいる。スイッチ装置314は、呼制御部313に制御信号701を送信することによってこの呼制御部にオフ・フックメッセージを中継する。呼制御部は、この呼制御部に記憶された1組の予めプログラムされた論理にしたがってオフ・フックメッセージを含んでいる制御信号を復号し、スイッチ装置314に対して制御信号702,703を送り返す伝送を開始する。制御信号は、ダイヤル・トーン命令信号と、ポート10を特定するコレクトアドレス命令信号を含んでいる。
【0052】
スイッチ装置314は、LAN400によってスイッチ装置から第1のコンピュータ410のアドレスAに伝送される命令信号704,705にダイヤル・トーン命令およびコレクト命令を変換することによってポート10に対する命令の送信を行う。スイッチ装置は、ポートレジスタ503中のポート識別子ポート10,ポート20の各アドレスを調査することによって制御信号702,703における入来情報ポート10を各アドレスA,Bに変換する。スイッチ装置は、ポート10にアドレスされた制御信号を受信し、第1のコンピュータ上のポート10の位置アドレスを検査(ルック・アップ)して、ダイヤル・トーン命令を含み、かつ第1のコンピュータのポート10にアドレスAでアドレスコレクト命令を含む対応した命令信号を送る。第1のコンピュータは、第3のコンピュータ499上のトーン発生器のダイヤル・トーンポートにポート10を接続するように第1のコンピュータに命令する命令信号を受信する。第3のコンピュータのダイヤル・トーンポートアドレスwは、スイッチ装置から送られる命令信号706で第1のコンピュータ410に供給される。
【0053】
第1のコンピュータは、LAN400によってアドレスwにおける第3のコンピュータ499のトーン発生器上の各ダイヤル・トーンポートに接続し、第1のコンピュータ410のユーザーに対して聞こえるように再生されるダイヤル・トーン信号をLAN400を横切って受信する。スイッチ装置から送られたコレクトアドレス命令信号705に応答して、第1のコンピュータ410は、例えばユーザーが第1のコンピュータ410のキーボードを介して第2のコンピュータ420のポート20のアドレスBを入力することによってアドレスをコレクトする。その代りに、第1のコンピュータのユーザーは、例えば第1のコンピュータ410またはスイッチ装置314において第2のコンピュータ420のポート10の省略されていない(full)インターネットアドレスと一致させられてもよい文字列“JOE”等の第2のコンピュータのポート20の省略されたアドレスを知っていてもよい。
【0054】
スイッチ装置314から送信されたコレクトアドレス命令信号705に応答して、第1のコンピュータ410は、スイッチアドレスヘッダ信号要素とアドレス信号要素とを含む命令信号706でLAN400によってスイッチ装置のポートにアドレスBを伝送する。スイッチ装置は、ポート10をメッセージの発生地点であると識別するポート識別子と、ポート10がポート20のアドレスBを与えたことを呼制御部に示すメッセージ(この場合はメッセージはポート20である)とを含む制御信号707を呼制御部313に送信する。呼制御部における予めプログラムされた論理は、そのポート10がポート20と通信することを希望していることを示していると制御信号707を解釈し、制御信号708および709をスイッチ装置314に送ることによって通信接続の経路設定を開始する。制御信号708は、ポート10がダイヤル・トーン発生器からポート10を遮断せよという命令の目的地であると識別する。
【0055】
スイッチ装置314はLAN400によって命令信号710を第1のコンピュータ410に送ることにより制御信号708を実行し、この命令信号710はアドレスヘッダと、第3のコンピュータ499上のダイヤル・トーン発生器から遮断せよという第1のコンピュータに対する命令とを含んでいる。第1のコンピュータ410は、第3のコンピュータ499上のトーン発生器へのLAN400による通信を遮断することによって遮断命令を実行し、また第1のコンピュータ410における可聴ダイヤル・トーンが終了される。スイッチ装置314はアドレスのコレクトを停止せよという命令を含む命令信号711をLAN400により第1のコンピュータ410に送ることよって、アドレスのコレクトを停止せよという命令を含む制御信号709を実行し、第1のコンピュータ410は、LAN400によるスイッチ装置314へのアドレスBの伝送を終了することによってこれを実行する。呼制御部313は、呼制御部のメモリ装置中に記憶された予め定められた論理にしたがって、また経路設定テーブルデータベース321から受信された信号に応答して、ポート10とポート20との間の接続の経路設定を実行し、その結果呼制御部は、ポート20を識別し、かつポート20に警告する命令を含む制御信号712を発する。
【0056】
スイッチ装置314は、LAN400によって第2のコンピュータのポート20に命令信号713を送信することによって制御信号712を実行する。命令信号713は、第2のコンピュータのポート20の位置アドレスBに信号をアドレス指定するアドレスヘッダと、呼が接続されることを第2のコンピュータに通知せよという命令を含む命令信号要素と、第3のコンピュータ499のアラート・トーン発生器ポートに接続せよという第2のコンピュータに対する命令とを含んでいる。命令信号713はまた、トーン発生器が位置している第3のコンピュータ499のポートのアドレスyを与えるアドレス信号要素を含んでいる。
【0057】
命令信号713に応答して、第2のコンピュータ420は、第3のコンピュータ499上のトーン発生器のリングトーンポートと通信し、LAN400によりリングトーン信号を受信し、その結果アラート・トーンが第2のコンピュータ420において聞き取れる大きさで伝送され、第2のコンピュータ420のユーザーに呼が入来したことを知らせる。第2のコンピュータ420のユーザーがキーボード、マイクロホン、送受話器等の操作によって応答して呼を受取った時、第2のコンピュータ420は命令信号714をスイッチ装置に伝送して、第2のコンピュータがオフ・フック状態であり、呼を受取る準備ができたことをスイッチ装置に知らせる。オフ・フックメッセージは、ポート20およびオフ・フックメッセージを特定する制御信号715の形態でスイッチ装置によって中継される。
【0058】
オフ・フックメッセージが受取られると、制御装置313は、呼制御部に記憶された予め定められた論理にしたがってアラート停止制御信号716をポート20に送信し、この信号はスイッチ装置によってトーン発生器遮断命令信号717に変換され、LAN400によって第2のコンピュータ420に送信される。このトーン発生器遮断命令信号717は、アドレスBにおける第2のコンピュータ420のポート20に信号をアドレス指定するアドレスヘッダと、第3のコンピュータ499のトーン発生器のアラート・トーンポートとの通信を遮断するようにコンピュータに命令する命令信号要素とを含んでいる。呼制御部313はまた、予め定められた論理にしたがってポート10,20の接続を命令し、ポート10および20に接続するように制御信号718,719をスイッチ314に送る。
【0059】
スイッチ装置は制御信号718,719を解釈し、アドレスBにおける第2のコンピュータ420のポート20とLAN400を横切って第1のコンピュータ410を接続するために命令信号をアドレスAにおける第1のコンピュータ410のポート10に伝送することによってポート10および20を接続する。第1のコンピュータ410に送信された命令信号は、アドレスヘッダ信号要素と、スイッチ装置から第1のコンピュータに命令信号を配送するアドレスAと、第2のコンピュータのポート20と接続するための第1のコンピュータに対する命令信号要素である接続ポート20と、第2のコンピュータのアドレスであるアドレス20とを含み、このアドレスは第1のコンピュータがアドレスBにおける第2のコンピュータとLAN400を横切って接続を行うことができるように供給される。スイッチ装置314はまた、第1のコンピュータとLAN400を横切って接続せよ(接続ポート10信号要素)という第2のコンピュータ420に対する命令信号を第2のコンピュータ420に送信する。
【0060】
第2のコンピュータに送られた命令信号721は、アドレス信号であるヘッダアドレスBと、LAN400によって通信チャンネルを第1のコンピュータのポート10と接続することを第2のコンピュータに命令する命令である接続ポート10と、第2のコンピュータが第1のコンピュータと通信することができるように与えられる第1のコンピュータのアドレスであるアドレスAとを含んでいる。上述された設定過程が終了した時点で、第1および第2のコンピュータは、パケット化された電話周波数信号の送受信を含むインターネット電話サービスに対して、LAN400によって互いに直接通信できる状態になっている。
【0061】
図15を参照すると、本発明による第2の特定の実施形態が示されている。通信ネットワークは、LAN806に接続され、かつ通常のネットワークプロトコルにしたがってポイント・ツー・ポイントベースで互いに通信することのできる複数のコンピュータ800乃至805を含んでいる。各コンピュータはポート識別子を割当てられており、例えばコンピュータ802はイーサネットアドレス位置Aにおけるポート10に割当てられ、またコンピュータ803はイーサネットアドレス位置Bにおけるポート20を割当てられていてもよい。他のコンピュータ800,801,804,805もまた、記憶されたポート識別子およびポートアドレス信号の形態のポート識別子および対応したネットワークアドレスを割当てられている。
【0062】
複数のコンピュータ800乃至805の間において通信を接続する通信交換装置は、LAN806に接続され、それ自身のポート識別子およびネットワークポート位置アドレスを有するスイッチサーバコンピュータ807上に位置している。通信交換機を含む呼制御部は、それ自身のネットワークアドレスを有する別のコンピュータ808上の呼制御サーバとして位置している。呼制御サーバは、LAN806によって制御信号をスイッチサーバと交換することができる。スイッチサーバは、LAN806によって複数のコンピュータ800乃至805と命令信号を送受信する。各コンピュータは、そのポート識別子とそのネットワークポート位置アドレスをスイッチサーバ807に登録する。
【0063】
呼制御部808は、スイッチサーバ807に登録されたポートとの間で制御信号を送受信することによって複数のコンピュータ800乃至805の間における通信呼の経路設定および接続を制御する。スイッチサーバ807は制御信号中のポート識別子をコンピュータネットワークポート位置アドレスと一致させ、ネットワークポート位置アドレスに送信された命令信号によってコンピュータと通信する。スイッチサーバは、このスイッチサーバに登録された各コンピュータのポート識別子のレジスタと、それらの対応したネットワーク位置アドレスを維持する。呼制御部は、外部コンピュータ810からの命令に応答して動作を実行してもよいし、或は外部コンピュータ810への呼の経路設定時に情報を送信してもよく、この外部コンピュータ810はコンピュータ電話統合ユニット811を介して呼制御部とインターフェースされている。
【0064】
制御信号および命令信号の動作は、第1の実施形態を参照して上述されたものと実質的に類似している。個々のコンピュータ間の通信、例えばネットワークアドレスAにおけるコンピュータ802の別のコンピュータに対する通信は、LANを外れて例えばゲートウェイサーバ805等のゲートウェイサーバ上に位置するゲートウェイポートを介して行われてもよい。
【0065】
ゲートウェイサーバ805は、そのポート識別子およびポートアドレスをスイッチサーバ807に登録するポートとして動作することによってインターネットへのアクセスを可能にする。第1のコンピュータ802は、スイッチサーバ807に登録し、サーバ805のゲートウェイポートへの呼を開始することによってLANを外れてインターネットによりコンピュータと通信してもよい。ゲートウェイポートのアドレスは、スイッチサーバ807において維持され、第1のコンピュータ802のインターネットサーバ805との接続が呼制御部809によって判断されて決定され、命令信号により実施される。
【0066】
インターネットゲートウェイサーバ805は、コンピュータ802から受信されたパケット信号をIPプロトコル信号ヘッダにおいてカプセル化し、インターネットによってそれらを目的地コンピュータに送信する。同様に、インターネット上の目的地コンピュータから受信された戻りのパケット信号は、インターネットゲートウェイサーバ805を通ってLANに入り、コンピュータ802に導かれる。呼制御部およびスイッチサーバは、コンピュータ802とインターネットゲートウェイサーバ805との間に接続を形成することによってコンピュータ802とインターネット上の目的地コンピュータとの間の通信を設定する。
【0067】
第1のコンピュータ802のユーザーが存在しない別のコンピュータへの接続の形成を希望した場合には、その別のコンピュータのアドレスが第1のコンピュータ802から命令信号としてスイッチサーバ807によって収集される。第1のコンピュータによって送信されたアドレスに対応するスイッチサーバ807に登録されたコンピュータは存在しない、換言すると目的地コンピュータは存在しないから、スイッチサーバは対応したポート識別子を呼制御部に与えることができず、その結果呼制御論理によって制御信号が呼制御部からスイッチサーバ807に送信され、結果的に命令信号がスイッチサーバから第1のコンピュータ802に送られ、目的地コンピュータが利用不可であることを第1のコンピュータ802に知らせる。
【0068】
別の動作例において、第1のコンピュータ802は、LAN806に接続された例えばPSTNサーバコンピュータ804に接続されたQ931またはDAS2ライン等のトランクラインを介して公衆交換電話網(PSTN)812に結合されたコンピュータにアクセスしてもよい。PSTNサーバ804は、スイッチサーバ807のメモリ位置に登録されたポート識別子およびLANアドレスを有している。スイッチサーバとの間で命令信号を送受信し、スイッチサーバから命令およびメッセージを制御信号として呼制御サーバ809に中継し、この呼制御サーバにより記憶された論理にしたがって呼制御サーバ809によってポートの接続を判断し、第1のコンピュータ802とスイッチサーバ807とPSTNサーバ804との間で命令信号を送受信することによりイーサネットアドレスを有するコンピュータの接続としてポートの接続を行って、第1のコンピュータ802とPSTNサーバ804との間におけるLANによる直接的なポイント・ツー・ポイント接続を形成することによって第1のコンピュータ802とPSTNサーバ804との間の通信が行われる。PSTNサーバ804は、パケット化された電話周波数信号を第1のコンピュータ802から受信し、例えば別のコンピュータまたは通常の電話機等の目的地装置へのPSTNによる送信に適した形態にこれらを変換する。
【0069】
PSTNにアクセスするために、第1のコンピュータは、PSTNサーバ804上に位置するPSTNのチャンネルのポート番号をダイヤルし、この番号はスイッチサーバに送信される。PSTNポートのポート識別子およびアドレスは、スイッチサーバに登録される。第1のコンピュータとPSTNチャンネルポートとの接続は呼制御部によってポートの接続として判断され、このポート接続はスイッチによって実質的に上述されたように行われる。
【0070】
別の動作例において、自動車電話のような移動電話との間で通信を送受信するように構成されている移動電話サーバコンピュータ800はポート識別子および位置アドレスを有しており、それらはスイッチサーバ807のメモリ装置上に登録されている。例えば、移動電話と通信することを希望する第2のコンピュータ803は、移動電話サーバ800に接続された移動電話のアドレスまたは別の識別子を特定する命令信号をLAN806によってスイッチサーバ807との間で送受信する。呼制御サーバ809は、上述されたように制御信号および命令信号によって第2のコンピュータ803と移動電話サーバ800との間の接続を行う。
【0071】
第2のコンピュータ803と移動電話サーバ800との間の接続は、パケット化された電話周波数信号をLAN806によって伝送するためにポイント・ツー・ポイントベースで行われる。移動電話サーバ800がそのポイント識別子およびアドレスをスイッチサーバ807に登録している限り、スイッチサーバは、やはりこのスイッチサーバ807に登録されている第2のコンピュータと、移動電話サーバ800、したがって移動電話との間に接続を形成することができる。
【0072】
本発明の特定の実施形態において、制御信号による呼制御部とスイッチ装置との分離およびスイッチ装置と呼制御部との間の通信は、呼制御部の交換能力を可能にする利点を有する。呼制御部がスイッチ装置と適合する制御信号を送受信する限り、異なる機能を有する異なる呼制御部の交換能力が単一のスイッチ装置上で実行されることができる。例えばブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・メリディアンタイプの構内交換機(PBX)は、制御信号によってスイッチ装置と通信し、このメリディアン呼制御部上で利用可能な全ての通常のサービスのアクセスおよび経路設定機能がLAN、インターネット、イーサネット等で実施されることを可能にしてもよい。
【0073】
本発明による特定の実施形態および方法において、コンピュータ位置とは無関係のパーソナル・ナンバリングが行われてもよい。個々のユーザーは、彼または彼女のパーソナル・ナンバーをコンピュータにログし、その後このコンピュータがそのナンバーをスイッチ装置上のポート識別子およびポートアドレスと共に登録する。そのパーソナル・ナンバーに対して受取られた呼は、パーソナル・ナンバーがログオンされたコンピュータのポートを通って直接導かれてもよい。
【0074】
さらに、インターネットアドレスをポート識別子の形態で構成し、またサービスの経路設定および提供を呼制御部に集中させて、トーン発生器およびインターネットゲートウェイ並びにPSTNへのゲートウェイをポートとして構成することによって、スイッチ装置と構内ネットワーク上の個々のコンピュータとの間のプロトコルは比較的簡単な形態に保たれ、スイッチ装置および呼制御部を除いてネットワークの各コンピュータの簡単な構成が維持される。
【0075】
プロトコルは、以下の基本要素:
*電話機からスイッチ装置:オフ・フック信号/オン・フック信号;
*スイッチ装置から電話機:アドレス信号をコレクトする;
*電話機からスイッチ装置:コレクトされたアドレス信号を供給;
*スイッチ装置から電話機:特定されたアドレスに接続;
*スイッチ装置から電話機:特定されたアドレスから遮断
を含んでいてもよい。
【0076】
会議通話を開始した第1の電話機から受信された命令に応答して複数のインターネットホンの間において会議電話が設定される動作の一例において、呼制御部は識別された電話に対して、それらの間の接続を遮断して、スイッチ装置に全て接続するように制御信号によって命令する。スイッチ装置は、スイッチ装置においてインターネットホン間の経路設定ブリッジを設定し、それによって会議通話を実施する。パケット化された電話周波数信号は全て呼制御部の制御の下にスイッチポートに送信され、またスイッチポートから会議通話中の対応した各インターネットホンに再度導かれ、呼制御部がスイッチ装置に制御信号を発し、パケット化された電話周波数信号を導く。
【0077】
サービス対話および競合の処理において、関係のある電話機は全てスイッチブロックに登録しているため、スイッチブロックは電話機の状態に関するメッセージを呼制御部に送信する。サービス対話は、呼制御論理によって処理されることができる。呼制御論理は、ユーザーが呼転送を行うのを止めさせる。同様に、呼制御部は、例えばポート10がポート20に対する2Mビットのリンクを要求したが、ポート20が64kビットリンクしかサポートすることができない場合等のどのような競合でも解決し、ポートのデータ容量がスイッチ装置のレジスタに記憶されているならば、呼制御部はスイッチ装置中のこの記憶情報を使用して競合を解決することが可能であり、この情報はスイッチブロックから呼制御部への制御信号によって呼制御部に中継される。呼制御部は、コンピュータ間の実現不可能な通信リンクの接続を阻止する。
【0078】
さらに、スイッチポートは常にネットワーク上に存在しているため、あるインターネットホンが、存在しない、または利用不可の別のインターネットホンと通信することを希望した場合、このインターネットホンはスイッチ装置に登録されていないため、呼制御部はその接続が実現不可能であると判断して、スイッチ装置によって命令信号として構成された対応した制御信号を発信源のインターネットホンに送信して、要求されたインターネットホンがサービス外であることを発信源のインターネットホンに通知する。その代りに、呼制御部は、スイッチ装置に登録されている別のインターネットホンへの呼転送を行うことができる。
【0079】
別の動作モードにおいて、インターネットホンアドレスは名前または簡単な省略形として構成されることができる。通常のインターネットホンは、URLコーディングによって互いを識別する。しかしながら、本発明による特定の実施形態では、一般に使用されるインターネットアドレスまたはパーソナル・ナンバーが省略された短い名前のアドレスによってアクセスされることができるように、省略形および簡単な名前がスイッチ装置または経路設定テーブルメモリのいずれかに記憶されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】従来のパーソナルコンピュータ間の通信を示す。
【図2】従来のLANによるコンピュータ間の通信を示す。
【図3】プロトコルヘッダによるパケット信号のカプセル化の一例を示す。
【図4】プロトコルヘッダによるパケット信号のカプセル化の他の例を示す。
【図5】公衆サービス電話網に接続される通常の構内交換機を示す。
【図6】ブリッジを介して会議電話に接続された電話機の例を示す。
【図7】通常のインターネットを使用する会議電話の形態の接続例を示す。
【図8】本発明の第1の特定の実施形態による通信ネットワークの概要を示す。
【図9】図1のネットワークを含む通信交換装置を示す。
【図10】図9の通信交換装置のアーキテクチャを示す。
【図11】スイッチ装置の1実施形態を示す。
【図12】本発明の第1の特定の方法にしたがって送受信される信号のタイプを示す。
【図13】図8の通信装置の動作の一例を示す。
【図14A】図13の装置における信号通信の一例を示す。
【図14B】図13の装置における信号通信の一例を示す。
【図14C】図13の装置における信号通信の一例を示す。
【図15】本発明の第2の特定の実施形態による第2の通信ネットワークを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アドレス・ヘッダおよびデータ部分を有するパケット化されたメッセージを用いて、アドレスされたパケットに基づいた通信メデイア上で通信するように配置された処理装置のネットワークにおいて、アドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を実行する方法であって、
処理装置のための電話技術サービス仕様および現在の使用中/不使用中の状態を定義するそれぞれの情報を通信制御装置に登録し、
ソース処理装置から通信制御装置へ目的地処理装置を識別するシグナリング・メッセージを送ることにより、ソース処理装置から目的地処理装置への新しい呼の試みを作り、
ソース処理装置および目的地処理装置のための登録された情報からその新しい呼の試みのさらなる処理を決定し、そして、ソース処理装置のためのサービスが目的地処理装置のためのサービスと互換性があり、かつ目的地処理装置の現在の使用中/不使用中の状態が不使用中であれば、
前記通信制御装置からソースおよび目的地処理装置の一方に、ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・メッセージを送り、
その後に通信制御装置から通信されたアドレスを使用して、ソースおよび目的地処理装置間でアドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を直接導き、
通信制御装置において、処理装置からの状態シグナリング・メッセージの受信に応答して、使用中/不使用中の状態の変化を示す登録された情報を更新することを含む方法。
【請求項2】
通信制御装置から目的地処理装置へ、ソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを送ることを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
アドレス・ヘッダおよびデータ部分を有するパケットを用いて、アドレスされたパケットに基づいたデータ通信メディア上で通信するように配置された処理装置のネットワークにおいて、アドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を実行する方法であって、
処理装置のための伝送データレート能力および現在の呼状態を定義するそれぞれの情報を通信制御装置で記憶し、
ソース処理装置から通信制御装置へ、目的地処理装置を識別しかつ新しい呼の試みのための特定の伝送データレートを要求するシグナリング・パケットを送ることにより、ソース処理装置から目的地処理装置への新しい呼の試みを作り、
要求された伝送データレートとソース処理装置および目的地処理装置のための記憶された情報とから新しい呼の試みのさらなる処理を決定し、そして要求された伝送データレートが目的地処理装置の伝送データレート能力より大きくなく、かつ目的地処理装置の現在の呼状態が新しい呼の試みを許容するならば、
前記通信制御装置から前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・パケットを送り、
その後、通信制御装置から通信されたアドレスを使用して、前記ソースおよび目的地処理装置間でアドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を直接導くことを含む方法。
【請求項4】
通信制御装置から目的地処理装置へソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを送ることを含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
アドレス・ヘッダおよびデータ部分を有するパケットを用いて、アドレスされたパケットに基づいたデータ通信メディア上で通信するように配置された処理装置のネットワークにおいて、ポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を実行する方法であって、
処理装置のための伝送データレート能力および現在の呼状態を定義するそれぞれの情報を通信制御装置で記憶し、
ソース処理装置から通信制御装置へ目的地処理装置を識別するシグナリング・パケットを送ることにより、ソース処理装置から目的地処理装置への新しい呼の試みを作り、
ソース処理装置および目的地処理装置のための記憶された情報から新しい呼の試みのさらなる処理を決定し、そして、ソース処理装置の伝送データレート能力が目的地処理装置の伝送データレート能力より大きくなく、かつ目的地処理装置の現在の呼状態が新しい呼の試みを許容するならば、
前記通信制御装置から前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・パケットを送り、
その後、通信制御装置から通信されたアドレスを使用して、前記ソースおよび目的地処理装置間でアドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を直接導くことを含む方法。
【請求項6】
通信制御装置から目的地処理装置へソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを送ることを含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
複数のユーザ処理装置に対してネットワーク化された交換処理装置であって、処理装置は、アドレスされたパケットに基づいた通信メデイア上でアドレスヘッダとデータ部分を有するパケットにされたメッセージを、それら自身の間で直接送信および受信することができ、
処理装置のためにサービス仕様と現在の使用中/アイドルの状態を定義するそれぞれの情報を登録し、処理装置が時々状態を変更するとき、処理装置から受信された状態シグナリング・メッセージに従って登録された状態情報を更新する手段と、
目的地処理装置と新しい呼を試みるため、ソース処理装置から発信し目的地処理装置を識別するパケットにされたシグナリング・メッセージを通信メデイアを介して受信する手段と、
目的地処理装置の状態がアイドルであるなら、ソース処理装置および目的地処理装置のための情報を定義する登録されたサービス仕様から、呼の試みのさらなる処理を決定する手段と、
決定する手段からの好意的な結果に応答して、前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・メッセージを通信メデイアを介して送る送信手段とを含む交換処理装置。
【請求項8】
前記送信手段は、前記好意的な結果にさらに応答して、ソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを目的地処理装置に送る請求項7記載の交換処理装置。
【請求項9】
決定する手段は、ソース処理装置のためのサービスが目的地処理装置のためのサービスと互換性があるかどうか判断するように配置され、また、前記送信手段は、決定する手段からの非好意的な結果に応答して、新しい呼の試みを拒絶するシグナリング・パケットをソース処理装置に送る請求項7記載の交換処理装置。
【請求項10】
アドレスされたパケットに基づいたデータ通信メディア上で通信するように配置された複数のユーザ処理装置に対して、ネットワーク化された交換処理装置であって、
処理装置のためのそれぞれの伝送データレート能力および現在の電話技術状態を記憶する手段と、
目的地処理装置と新しい呼を試みるため、および新しい電話技術呼の特定の伝送データレートを要求するために目的地処理装置を識別するシグナリング・パケットをソース処理装置から受信する手段と、
要求された伝送データレートが目的地処理装置の伝送データレート能力より大きいかどうかを決定する手段と、
決定する手段からの好意的な結果に応答して、前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・パケットを送る送信手段とを含む交換処理装置。
【請求項11】
前記送信手段は、前記好意的な結果にさらに応答して、通信制御装置から目的地処理装置へソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを送る請求項10記載の交換処理装置。
【請求項12】
前記送信手段は、決定する手段からの非好意的な結果に応答して、新しい呼の試みを拒絶するシグナリング・パケットをソース処理装置に送る請求項10記載の交換処理装置。
【請求項13】
アドレスされたパケットに基づいたデータ通信メディア上で通信するように配置された複数のユーザ処理装置に対して、ネットワーク化された交換処理装置であって、
処理装置のそれぞれの伝送データレート能力および現在の呼状態を記憶する手段と、
目的地処理装置との新しい電話技術呼の試みのために、ソース処理装置から通信制御装置への、目的地処理装置を識別するシグナリング・パケットを受信する手段と、
ソース処理装置の伝送データレート能力が目的地処理装置の伝送データレート能力より大きいかどうかを決定する手段と、
決定する手段からの好意的な結果に応答して、前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・パケットを送る送信手段とを含む交換処理装置。
【請求項14】
決定する手段からの非好意的な結果に応答して、送信手段は新しい呼の試みを拒絶するシグナリング・パケットをソース処理装置に送る請求項13記載の交換処理装置。
【請求項15】
アドレスされたパケットに基づいたデータ通信ネットワークにより、パケットにされた電話周波数信号を使用して、ネットワークに接続されたデータ処理装置間のインターネット電話サービスのセッションを導く方法であって、処理装置がユーザインタフェースを持っているかまたは遠隔通信装置へアクセスを与えるゲートウェイサーバであるかのいずれかであり、処理装置はまた通信ネットワークに接続された通信制御装置へシグナリング・パケットを送るように適応され、通信制御装置がデータ処理装置のそれぞれのネットワーク・アドレスとデータ処理装置のそれぞれの識別のレジスタを維持するように適応されており、
通信制御装置は、ソース処理装置がインターネット電話サービスのセッションを導くことを望む目的地処理装置の識別を含んでいるシグナリング・パケットをソース処理装置から受け取り、
識別された目的地処理装置のネットワーク・アドレスをレジスタから決定し、
ソース処理装置および識別された目的地処理装置の一方のネットワーク・アドレスをソース処理装置および識別された目的地処理装置の他方へ通信することにより応答するステップを含む設定段階と、
ソース処理装置および識別された目的地処理装置の前記一方は設定段階中に通信制御装置から通信されたネットワーク・アドレスを使用して、通信ネットワークによりソース処理装置および識別された目的地処理装置間でインターネット電話サービスのパケットにされた電話周波数信号を直接送るステップを含む後のセッション段階とを含み、
各処理装置のそれぞれの現在の使用中/アイドルの状態がレジスタに維持され、
設定段階は通信制御装置が処理装置から使用中/アイドルの状態の変化の表示を含むシグナリング・パケットを受信し、レジスタを更新することにより応答するステップをさらに含み、
通信制御装置はまた識別された目的地処理装置の現在の使用中/アイドルの状態をレジスタから判断し、識別された目的地処理装置の現在の使用中/アイドルの状態がアイドルであるときのみネットワーク・アドレスを通信する方法。
【請求項1】
アドレス・ヘッダおよびデータ部分を有するパケット化されたメッセージを用いて、アドレスされたパケットに基づいた通信メデイア上で通信するように配置された処理装置のネットワークにおいて、アドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を実行する方法であって、
処理装置のための電話技術サービス仕様および現在の使用中/不使用中の状態を定義するそれぞれの情報を通信制御装置に登録し、
ソース処理装置から通信制御装置へ目的地処理装置を識別するシグナリング・メッセージを送ることにより、ソース処理装置から目的地処理装置への新しい呼の試みを作り、
ソース処理装置および目的地処理装置のための登録された情報からその新しい呼の試みのさらなる処理を決定し、そして、ソース処理装置のためのサービスが目的地処理装置のためのサービスと互換性があり、かつ目的地処理装置の現在の使用中/不使用中の状態が不使用中であれば、
前記通信制御装置からソースおよび目的地処理装置の一方に、ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・メッセージを送り、
その後に通信制御装置から通信されたアドレスを使用して、ソースおよび目的地処理装置間でアドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を直接導き、
通信制御装置において、処理装置からの状態シグナリング・メッセージの受信に応答して、使用中/不使用中の状態の変化を示す登録された情報を更新することを含む方法。
【請求項2】
通信制御装置から目的地処理装置へ、ソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを送ることを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
アドレス・ヘッダおよびデータ部分を有するパケットを用いて、アドレスされたパケットに基づいたデータ通信メディア上で通信するように配置された処理装置のネットワークにおいて、アドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を実行する方法であって、
処理装置のための伝送データレート能力および現在の呼状態を定義するそれぞれの情報を通信制御装置で記憶し、
ソース処理装置から通信制御装置へ、目的地処理装置を識別しかつ新しい呼の試みのための特定の伝送データレートを要求するシグナリング・パケットを送ることにより、ソース処理装置から目的地処理装置への新しい呼の試みを作り、
要求された伝送データレートとソース処理装置および目的地処理装置のための記憶された情報とから新しい呼の試みのさらなる処理を決定し、そして要求された伝送データレートが目的地処理装置の伝送データレート能力より大きくなく、かつ目的地処理装置の現在の呼状態が新しい呼の試みを許容するならば、
前記通信制御装置から前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・パケットを送り、
その後、通信制御装置から通信されたアドレスを使用して、前記ソースおよび目的地処理装置間でアドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を直接導くことを含む方法。
【請求項4】
通信制御装置から目的地処理装置へソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを送ることを含む請求項3記載の方法。
【請求項5】
アドレス・ヘッダおよびデータ部分を有するパケットを用いて、アドレスされたパケットに基づいたデータ通信メディア上で通信するように配置された処理装置のネットワークにおいて、ポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を実行する方法であって、
処理装置のための伝送データレート能力および現在の呼状態を定義するそれぞれの情報を通信制御装置で記憶し、
ソース処理装置から通信制御装置へ目的地処理装置を識別するシグナリング・パケットを送ることにより、ソース処理装置から目的地処理装置への新しい呼の試みを作り、
ソース処理装置および目的地処理装置のための記憶された情報から新しい呼の試みのさらなる処理を決定し、そして、ソース処理装置の伝送データレート能力が目的地処理装置の伝送データレート能力より大きくなく、かつ目的地処理装置の現在の呼状態が新しい呼の試みを許容するならば、
前記通信制御装置から前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・パケットを送り、
その後、通信制御装置から通信されたアドレスを使用して、前記ソースおよび目的地処理装置間でアドレスされたポイント・ツー・ポイントパケットに基づいた呼を直接導くことを含む方法。
【請求項6】
通信制御装置から目的地処理装置へソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを送ることを含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
複数のユーザ処理装置に対してネットワーク化された交換処理装置であって、処理装置は、アドレスされたパケットに基づいた通信メデイア上でアドレスヘッダとデータ部分を有するパケットにされたメッセージを、それら自身の間で直接送信および受信することができ、
処理装置のためにサービス仕様と現在の使用中/アイドルの状態を定義するそれぞれの情報を登録し、処理装置が時々状態を変更するとき、処理装置から受信された状態シグナリング・メッセージに従って登録された状態情報を更新する手段と、
目的地処理装置と新しい呼を試みるため、ソース処理装置から発信し目的地処理装置を識別するパケットにされたシグナリング・メッセージを通信メデイアを介して受信する手段と、
目的地処理装置の状態がアイドルであるなら、ソース処理装置および目的地処理装置のための情報を定義する登録されたサービス仕様から、呼の試みのさらなる処理を決定する手段と、
決定する手段からの好意的な結果に応答して、前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・メッセージを通信メデイアを介して送る送信手段とを含む交換処理装置。
【請求項8】
前記送信手段は、前記好意的な結果にさらに応答して、ソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを目的地処理装置に送る請求項7記載の交換処理装置。
【請求項9】
決定する手段は、ソース処理装置のためのサービスが目的地処理装置のためのサービスと互換性があるかどうか判断するように配置され、また、前記送信手段は、決定する手段からの非好意的な結果に応答して、新しい呼の試みを拒絶するシグナリング・パケットをソース処理装置に送る請求項7記載の交換処理装置。
【請求項10】
アドレスされたパケットに基づいたデータ通信メディア上で通信するように配置された複数のユーザ処理装置に対して、ネットワーク化された交換処理装置であって、
処理装置のためのそれぞれの伝送データレート能力および現在の電話技術状態を記憶する手段と、
目的地処理装置と新しい呼を試みるため、および新しい電話技術呼の特定の伝送データレートを要求するために目的地処理装置を識別するシグナリング・パケットをソース処理装置から受信する手段と、
要求された伝送データレートが目的地処理装置の伝送データレート能力より大きいかどうかを決定する手段と、
決定する手段からの好意的な結果に応答して、前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・パケットを送る送信手段とを含む交換処理装置。
【請求項11】
前記送信手段は、前記好意的な結果にさらに応答して、通信制御装置から目的地処理装置へソース処理装置を識別するシグナリング・パケットを送る請求項10記載の交換処理装置。
【請求項12】
前記送信手段は、決定する手段からの非好意的な結果に応答して、新しい呼の試みを拒絶するシグナリング・パケットをソース処理装置に送る請求項10記載の交換処理装置。
【請求項13】
アドレスされたパケットに基づいたデータ通信メディア上で通信するように配置された複数のユーザ処理装置に対して、ネットワーク化された交換処理装置であって、
処理装置のそれぞれの伝送データレート能力および現在の呼状態を記憶する手段と、
目的地処理装置との新しい電話技術呼の試みのために、ソース処理装置から通信制御装置への、目的地処理装置を識別するシグナリング・パケットを受信する手段と、
ソース処理装置の伝送データレート能力が目的地処理装置の伝送データレート能力より大きいかどうかを決定する手段と、
決定する手段からの好意的な結果に応答して、前記ソースおよび目的地処理装置の一方へ、前記ソースおよび目的地処理装置の他方のアドレスを識別するシグナリング・パケットを送る送信手段とを含む交換処理装置。
【請求項14】
決定する手段からの非好意的な結果に応答して、送信手段は新しい呼の試みを拒絶するシグナリング・パケットをソース処理装置に送る請求項13記載の交換処理装置。
【請求項15】
アドレスされたパケットに基づいたデータ通信ネットワークにより、パケットにされた電話周波数信号を使用して、ネットワークに接続されたデータ処理装置間のインターネット電話サービスのセッションを導く方法であって、処理装置がユーザインタフェースを持っているかまたは遠隔通信装置へアクセスを与えるゲートウェイサーバであるかのいずれかであり、処理装置はまた通信ネットワークに接続された通信制御装置へシグナリング・パケットを送るように適応され、通信制御装置がデータ処理装置のそれぞれのネットワーク・アドレスとデータ処理装置のそれぞれの識別のレジスタを維持するように適応されており、
通信制御装置は、ソース処理装置がインターネット電話サービスのセッションを導くことを望む目的地処理装置の識別を含んでいるシグナリング・パケットをソース処理装置から受け取り、
識別された目的地処理装置のネットワーク・アドレスをレジスタから決定し、
ソース処理装置および識別された目的地処理装置の一方のネットワーク・アドレスをソース処理装置および識別された目的地処理装置の他方へ通信することにより応答するステップを含む設定段階と、
ソース処理装置および識別された目的地処理装置の前記一方は設定段階中に通信制御装置から通信されたネットワーク・アドレスを使用して、通信ネットワークによりソース処理装置および識別された目的地処理装置間でインターネット電話サービスのパケットにされた電話周波数信号を直接送るステップを含む後のセッション段階とを含み、
各処理装置のそれぞれの現在の使用中/アイドルの状態がレジスタに維持され、
設定段階は通信制御装置が処理装置から使用中/アイドルの状態の変化の表示を含むシグナリング・パケットを受信し、レジスタを更新することにより応答するステップをさらに含み、
通信制御装置はまた識別された目的地処理装置の現在の使用中/アイドルの状態をレジスタから判断し、識別された目的地処理装置の現在の使用中/アイドルの状態がアイドルであるときのみネットワーク・アドレスを通信する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【公開番号】特開2007−14015(P2007−14015A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−230158(P2006−230158)
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【分割の表示】特願平10−505735の分割
【原出願日】平成9年7月11日(1997.7.11)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月28日(2006.8.28)
【分割の表示】特願平10−505735の分割
【原出願日】平成9年7月11日(1997.7.11)
【出願人】(390028587)ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ・パブリック・リミテッド・カンパニー (104)
【氏名又は名称原語表記】BRITISH TELECOMMUNICATIONS PUBLIC LIMITED COMPANY
【Fターム(参考)】
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