説明

処理装置及び処理制御プログラム

【課題】電子装置を使用して所定の処理を行う装置において、電子装置の故障の有無判断を的確に行うことができるようにする。
【解決手段】画像形成装置本体では、センサモニタ部61で、用紙供給装置と接続するコネクタを介して用紙供給装置のフィードアウトセンサ13の出力信号を直接受信する。また、データ通信部62で、用紙供給装置のシステム制御部からコネクタを介した有線パケット通信で用紙供給装置のフィードアウトセンサ13の出力信号の状態を受信する。故障箇所判断部63は、センサモニタ部61、データ通信部62それぞれで検出したフィードアウトセンサ13の出力信号の状態から故障の有無を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置及び処理制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、センサ等のデバイスの異常判定用の信号や波形を予め作成しておき、これらを当該デバイスの現実の信号や波形と比較してデバイスの故障診断を行う技術について開示されている。
【0003】
特許文献2には、装置本体と接続されているオプション装置に設けられたセンサなどのデバイスの状態を、予め決められたタイミングで検証することで当該デバイスの故障やコネクタ抜けなどの診断を行う技術について開示されている。
【特許文献1】特開平09‐282028号公報
【特許文献2】特開2006‐153912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、電子写真方式の画像形成装置においては、画像形成装置本体に、用紙供給装置、画像読取装置などのオプション装置を後付して用いる場合がある。このような画像形成装置本体とオプション装置とはコネクタで接続して使用する。
【0005】
このような画像形成装置本体とオプション装置とからなる画像形成システムにおいて、オプション装置のセンサ等のデバイスの出力信号は、オプション装置のマイクロコンピュータと画像形成装置本体のマイクロコンピュータとの間でコネクタを介した有線パケット通信を行うことにより画像形成装置本体に伝えられる。
【0006】
しかしながら、有線パケット通信でデバイスの出力信号を画像形成装置本体で受信する場合は、通信ラインが断線し、あるいは、コネクタの抜けが発生している場合であって、デバイスの故障は発生していないときでも、デバイスは故障しているという誤った診断を行う可能性があるという不具合がある。
【0007】
本発明の目的は、電子装置を使用して所定の処理を行う装置において、電子装置の故障の有無判断を的確に行うことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、電子装置を使用して所定の処理を行う処理手段と、前記電子装置の出力信号を通信により受信する通信受信手段と、信号線を介して前記電子装置の出力信号を直接受信する信号受信手段と、前記通信受信手段で受信した前記出力信号と前記信号受信手段で受信した前記出力信号とに基づいて故障の発生を判定する故障発生判定手段と、を備えている処理装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の処理装置において、前記故障発生判定手段により故障があると判定したときは故障の事実を報知する報知手段をさらに備えている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の処理装置において、前記故障発生判定手段は、前記電子装置が所定の物理量を検出する検出器であったときは前記通信受信手段で受信した前記出力信号のオン、オフと前記信号受信手段で受信した前記出力信号のオン、オフとが不一致であるときには前記電子装置以外の故障があると判定する。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの一項に記載の処理装置において、前記処理手段で処理を行う頻度を検出する頻度検出手段と、前記頻度検出手段で検出した頻度に応じて前記故障有無判定手段で故障の有無を判定する頻度を設定する判定頻度設定手段と、をさらに備え、前記故障発生判定手段は、前記判定頻度設定手段で設定された頻度で前記故障の発生の判定を行う。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の処理装置において、前記頻度検出手段は、前記処理手段の累計の稼働時間により前記処理手段で処理を行う頻度を検出する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の処理装置において、前記頻度検出手段は、前記処理手段で処理を行った累計の処理量により前記処理手段で処理を行う頻度を検出する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、電子装置を使用して所定の処理を行う処理手段と、前記電子装置の出力信号を通信により受信する通信受信手段と、信号線を介して前記電子装置の出力信号を直接受信する信号受信手段と、前記通信受信手段で受信した前記出力信号と前記信号受信手段で受信した前記出力信号とに基づいて故障の発生を判定する故障発生判定手段と、をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な処理制御プログラムである。
【0015】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の処理制御プログラムにおいて、前記故障発生判定手段により故障があると判定したときは故障の事実を報知する報知手段をさらにコンピュータに実行させる。
【0016】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の処理制御プログラムにおいて、前記故障発生判定手段は、前記電子装置が所定の物理量を検出する検出器であったときは前記通信受信手段で受信した前記出力信号のオン、オフと前記信号受信手段で受信した前記出力信号のオン、オフとが不一致であるときには前記電子装置以外の故障があると判定する。
【0017】
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれかの一項に記載の処理制御プログラムにおいて、前記処理手段で処理を行う頻度を検出する頻度検出手段と、前記頻度検出手段で検出した頻度に応じて前記故障有無判定手段で故障の有無を判定する頻度を設定する判定頻度設定手段と、をさらにコンピュータに実行させ、前記故障発生判定手段は、前記判定頻度設定手段で設定された頻度で前記故障の発生の判定を行う。
【発明の効果】
【0018】
請求項1,7に記載の発明によれば、通信受信手段で受信した電子装置の出力信号と信号受信手段で受信した電子装置の出力信号とに基づいて故障の発生を判定するので、一方の出力信号のみで判断した場合のように、通信ラインの断線などを電子装置の故障と判断することを防止し、電子装置の故障の有無判断を的確に行うことができる。
【0019】
請求項2,8に記載の発明によれば、故障が発生したときにユーザに報知するので、故障の発生にもかかわらずユーザが処理を実行しようとして、処理が実行できず、あるいは、不十分な処理の実行が行われることを防止することができる。
【0020】
請求項3,9に記載の発明によれば、通信ラインの断線などを電子装置の故障と判断することを防止し、電子装置の故障の有無判断を的確に行うことができる。
【0021】
請求項4,10に記載の発明によれば、処理の実行頻度が高いほど電子装置の故障が発生する可能性も高まるので、故障が発生する可能性の高さに応じた頻度で的確な故障判断を行うことができる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、処理装置の累計の稼働時間が多いほど電子装置の故障が発生する可能性も高まるので、故障が発生する可能性の高さに応じた頻度で的確な故障判断を行うことができる。
【0023】
請求項6に記載の発明によれば、処理装置の累計の処理量が多いほど電子装置の故障が発生する可能性も高まるので、故障が発生する可能性の高さに応じた頻度で的確な故障判断を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
【0025】
図1は、本実施の形態である画像形成システムの全体構成を示す正面図である。この画像形成システム1は、電子写真方式などの所定の印刷方式で画像形成を行う画像形成装置本体2を備えている。この画像形成装置本体2には、オプション装置を後付して様々なシステムを構築することができる。オプション装置の例としては、図1に図示のとおり、画像形成装置本体2に印刷用の記録紙を供給する用紙供給装置3、画像形成装置本体2で印刷するための原稿の画像を読み取る画像読取装置4、画像形成装置本体2に印刷用の記録紙を大量に供給する大容量用紙供給装置5、画像形成装置本体2で印刷後の記録紙に所定の後処理を施す後処理装置6、などがある。画像形成装置本体2は、各オプション装置を制御し、画像形成装置本体2と各オプション装置との協働により、一連の印刷処理を実行する。
【0026】
図2は、画像形成装置本体2とオプション装置との接続関係を説明する説明図である。ここでは、画像形成装置本体2とオプション装置としての用紙供給装置3との例で説明する。画像形成装置本体2と用紙供給装置3との電気的な接続は両者をコネクタ7により接続することにより行っている。用紙供給装置3は記録紙を収納する複数の用紙トレイ11を備えており、各用紙トレイ11からは用紙搬送経路12を介して記録紙を搬出する。
【0027】
画像形成装置本体2は、内部に用紙搬送経路21を備え、用紙搬送経路21は用紙供給装置3の用紙搬送経路12と接続されて、用紙トレイ11から搬出された記録紙は画像形成装置本体2内に供給される。
【0028】
用紙供給装置3の用紙搬送経路12には、各用紙トレイ11にそれぞれ対応してフィードアウトセンサ13が設けられている。この各フィードアウトセンサ13はそれぞれ各用紙トレイ11から搬出される記録紙を検出するものである。フィードアウトセンサ13で検出することで用紙トレイ11から画像形成装置本体2にむけて記録紙が搬出されたことを画像形成装置本体2は知ることができる。
【0029】
図3は、画像形成装置本体2及びオプション装置の一例としての用紙供給装置3の制御系の電気的な接続のブロック図である。画像形成装置本体2の制御系は、画像形成装置本体2の各部を集中的に制御するCPU31と、CPU31が実行する制御プログラムである画像形成制御プログラム32や各種固定データが格納されたROM33と、CPU31の作業エリアとなるRAM34と、不揮発性メモリ35とが接続されたシステム制御部36とを備えている。システム制御部36には所定のインターフェイスを介して各種操作を受け付ける操作パネル37が接続されている他、各種センサやアクチュエータなどが接続されている。
【0030】
同様に、用紙供給装置3も用紙供給装置3の各部を集中的に制御するCPU41と、CPU41が実行する制御プログラムである画像形成制御プログラムや各種固定データが格納されたROM42と、CPU41の作業エリアとなるRAM43とが接続されているシステム制御部45を備えている。システム制御部45には、所定のインターフェイスを介して各フィードアウトセンサ13や、用紙トレイ11から用紙を搬出する動作を行うアクチュエータであるフィードモータ46などの各種センサやアクチュエータなどが接続されている。
【0031】
コネクタ7には、2種類の信号線51,52が導通している。信号線51は、フィードアウトセンサ13の出力信号を直接、画像形成装置本体2のCPU31と、用紙供給装置3のCPU41とに送信するための信号線である。符号53は、当該出力信号を概念的に示している。
【0032】
信号線52は、用紙供給装置3のCPU41が所定の通信インターフェイスを介して画像形成装置本体2のCPU31に有線パケット通信により送信するための信号線である。この信号線52を介して送信されるパケット54には、当該パケット54のヘッダID、いずれのフィードアウトセンサ13であるかの識別情報、当該フィードアウトセンサ13はオンかオフかというフィードアウトセンサ13の状態を示す状態情報など、各種の情報が含まれている。
【0033】
次に、画像形成装置本体2のシステム制御部36が画像形成制御プログラム32に基づいて実行する特徴的な処理について説明する。
【0034】
図4は、画像形成制御プログラム32に基づいて実行する処理の機能ブロック図である。センサモニタ部61は信号線51を介して直接フィードアウトセンサ13の出力信号を受信する。データ通信部62は信号線52を介してシステム制御部45からフィードアウトセンサ13の出力信号に関する情報をパケット54により受信する。故障箇所判断部63は、センサモニタ部61、データ通信部62でそれぞれ受信したフィードアウトセンサ13の出力信号に関する情報に基づいて、フィードアウトセンサ13、その他の故障の有無を判断する。表示部64は、故障箇所判断部63の判断に応じて操作パネル37にメッセージを表示する。
【0035】
図5は、通電時間カウンタのカウント処理のフローチャートである。通電時間カウンタは、RAM34の所定領域に構築され、画像形成システム1のメイン電源がオンになっている(すなわち、画像形成システム1が稼動している)時間をカウントするためのカウンタである。
【0036】
システム制御部36は、画像形成システム1のメイン電源がオンになったときは(ステップS1のY)、通電時間カウンタによる画像形成システム1の稼動時間のカウントを開始する(ステップS2)。その後、メイン電源がオフにする操作がされると(ステップS3のY)、通電時間カウンタによる時間のカウントを終了して(ステップS4)、通電時間カウンタの値を不揮発性メモリ35に記憶する(ステップS5)。なお、画像形成システム1は省電力モードを備えており、メイン電源がオンになった状態で長時間使用されなかったときなどには使用電力をセーブするようにしているので、このような省電力モードによる使用電力のセーブ中も通電時間カウンタによる時間のカウントを停止する。
【0037】
そして、図6のルックアップテーブルを参照して、故障箇所判断部63による故障箇所の判断の実施を行うタイミングを判断し、この実施タイミングを不揮発性メモリ35に記憶する(ステップS6)。図6のルックアップテーブルは、通電時間カウンタの閾値と故障箇所判断部63による故障箇所の判断の実施タイミングとを関連付けて記憶しているテーブルである。例えば、通電時間カウンタの値が187200分以下であれば、印刷ジョブ(Printの実施)の1000回実施ごとに1回の故障箇所の判断を行えばよいが、通電時間カウンタの値が936000分を超えれば、毎回の印刷ジョブで故障箇所の判断を行なわなければならない。
【0038】
図7は、フィードモータオンタイムカウンタのカウント処理のフローチャートである。フィードモータオンタイムカウンタは、RAM34の所定領域に構築され、フィードモータ46の稼働時間をカウントするカウンタである。フィードモータ46は、用紙トレイ11に収納されている記録紙を搬出するためのアクチュエータであるから、このフィードモータ46の稼働時間から、画像形成システム1で印刷処理を行うときの処理量を判断することができる。フィードモータ46が複数台搭載されているときは、その全てのフィードモータ46の稼働時間の総計値をカウントする。
【0039】
システム制御部36は、フィードモータ46をオンにする指示がなされたときは(ステップS11のY)、フィードモータオンタイムカウンタのカウント処理を開始する(ステップS12)。そして、フィードモータ46をオフにする指示がなされたときは(ステップS13のY)、フィードモータオンタイムカウンタのカウント処理を停止し(ステップS14)、フィードモータオンタイムカウンタのカウント値を不揮発性メモリ35に記憶する(ステップS15)。
【0040】
そして、図8のルックアップテーブルを参照して、故障箇所判断部63による故障箇所の判断の実施を行うタイミングを判断し、この実施タイミングを不揮発性メモリ35に記憶する(ステップS16)。図8のルックアップテーブルは、フィードモータオンタイムカウンタの閾値と故障箇所判断部63による故障箇所の判断の実施タイミングとを関連付けて記憶しているテーブルである。例えば、フィードモータオンタイムカウンタの値が300分以下であれば、印刷ジョブ(Printの実施)の1000回実施ごとに1回の故障箇所の判断を行えばよいが、フィードモータオンタイムカウンタの値が1500分を超えれば、毎回の印刷ジョブで故障箇所の判断を行なわなければならない。
【0041】
図9は、画像処理システム1のメイン電源がオンにされたときに実施される故障診断処理のフローチャートである。まず、画像処理システム1のメイン電源がオンにされたときは(ステップS21のY)、データ通信部62による通信の確立を図る処理を実施し(ステップS22)、これにより、通信エラーが発生したときは(ステップS23のY)、通信エラーの発生を操作パネル37に表示して報知する(ステップS24)。通信エラーが発生しなかったときは(ステップS23のN)、通電カウンタの値に基づいて故障診断を行うか、フィードモータオンタイムカウンタの値に基づいて故障診断を行うかを判断する(ステップS25)。この判断は、予め操作パネル37を操作して、ユーザが、通電カウンタの値に基づいて故障診断を行うか、フィードモータオンタイムカウンタの値に基づいて故障診断を行うかを設定しておき、この設定内容を判断することにより行う。
【0042】
そして、通電カウンタの値に基づいて故障診断を行うときは(ステップS25のY)、ステップS6で記憶した実施タイミングの閾値(図6)を不揮発性メモリ35から読み出し(ステップS26)、フィードモータオンタイムカウンタの値に基づいて故障診断を行うときは(ステップS25のN)、ステップS16で記憶した実施タイミングの閾値(図8)を不揮発性メモリ35から読み出す(ステップS27)。
【0043】
そして、この読み出した実施タイミングの閾値により故障診断を行い(詳細は後述)(ステップS28)、画像処理システム1に所定の故障があると判断したときは(ステップS29のY)、故障の発生を操作パネル37にメッセージを表示して報知し(ステップS30)、その故障に対する対処方法も操作パネル37にメッセージを表示して報知する(ステップS31)。所定の故障がないと判断したときは(ステップS29のN)、印刷ジョブの受付を許可する(ステップS32)。
【0044】
図10は、画像処理システム1のメイン電源がオンにされた後、印刷ジョブの実行要求があったときの故障診断処理のフローチャートである。システム制御部36は、印刷ジョブの実行指示があったときは(ステップS41のY)、通電カウンタの値に基づいて故障診断を行うか、フィードモータオンタイムカウンタの値に基づいて故障診断を行うかを判断する(ステップS42)。この判断は、予め操作パネル37を操作して、ユーザが、通電カウンタの値に基づいて故障診断を行うか、フィードモータオンタイムカウンタの値に基づいて故障診断を行うかを設定しておき、この設定内容を判断することにより行う。
【0045】
そして、通電カウンタの値に基づいて故障診断を行うときは(ステップS42のY)、ステップS6で記憶した実施タイミングの閾値(図6)を不揮発性メモリ35から読み出し(ステップS43)、フィードモータオンタイムカウンタの値に基づいて故障診断を行うときは(ステップS42のN)、ステップS16で記憶した実施タイミングの閾値(図8)を不揮発性メモリ35から読み出す(ステップS44)。
【0046】
そして、この読み出した実施タイミングの閾値により故障診断を行い(詳細は後述)(ステップS45)、画像処理システム1に所定の故障があると判断したときは(ステップS46のY)、印刷ジョブの実行を禁止し(ステップS47)。故障の発生を操作パネル37にメッセージを表示して報知し(ステップS48)、その故障に対する対処方法も操作パネル37にメッセージを表示して報知する(ステップS49)。所定の故障がないと判断したときは(ステップS46のN)、印刷ジョブの実行を許可する(ステップS50)。よって、この場合には印刷ジョブの実行がなされる。
【0047】
次に、故障診断(ステップS28,S45)の詳細について説明する。この故障診断は、データ通信部62で受信したフィードアウトセンサ13の状態情報(センサはオンかオフか)と、センサモニタ部61で受信したフィードアウトセンサ13の状態情報(センサはオンかオフか)の判断が合致するか否かに基づいて、フィードアウトセンサ13ごとに行う。
【0048】
(1)まず、データ通信部62で受信したフィードアウトセンサ13の状態情報でフィードアウトセンサ13がオフであり、センサモニタ部61で受信した各フィードアウトセンサ13の状態情報でもフィードアウトセンサ13がオフであったときは、故障は発生していないので、「コピーできます」というメッセージを操作パネル37に表示する。
【0049】
(2)また、データ通信部62で受信したフィードアウトセンサ13の状態情報でフィードアウトセンサ13がオンであり、センサモニタ部61で受信した各フィードアウトセンサ13の状態情報でもフィードアウトセンサ13がオンであったときは、当該フィードアウトセンサ13で検知しうる範囲に記録紙が存在しており、これは記録紙のジャムの発生と判断できるので、「フィードアウトセンサ上に用紙があります。扉を開いて用紙を除去してください。」というメッセージを操作パネル37に表示する。
【0050】
(3)データ通信部62で受信したフィードアウトセンサ13の状態情報でフィードアウトセンサ13がオフであり、センサモニタ部61で受信した各フィードアウトセンサ13の状態情報でもフィードアウトセンサ13がオンであったときは、コネクタ7が正しく接続されていない、または、コネクタ7のケーブルの一部が断線していると判断することができ、フィードアウトセンサ13の故障とは考えにくい。よって、この場合は、「電源を切って、コネクタの接続状態を確認してください。」というメッセージを操作パネル37に表示する。
【0051】
(4)データ通信部62で受信したフィードアウトセンサ13の状態情報でフィードアウトセンサ13がオンであり、センサモニタ部61で受信した各フィードアウトセンサ13の状態情報でもフィードアウトセンサ13がオフであったときは、コネクタ7が正しく接続されていない、または、コネクタ7のケーブルの一部が断線していると判断することができ、フィードアウトセンサ13の故障とは考えにくい。よって、この場合は、「フィードアウトセンサ上に用紙があります。扉を開いて用紙を除去してください。実施後、電源を切って、コネクタの接続状態を確認してください。」というメッセージを操作パネル37に表示する。
【0052】
以上、画像処理装置本体2が用紙供給装置3のフィードアウトセンサ13の出力信号に基づいて故障診断を行う例について説明したが、他のセンサやアクチュエータについても同様の判断を行ってよい。
【0053】
また、他のオプション装置のセンサやアクチュエータについても同様の判断を行ってよい。
【0054】
さらに、本例では画像処理システム1の例を用いて説明したが、様々なセンサやアクチュエータを用いて所定の処理を実行する様々な装置に本技術を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態である画像形成システムの全体構成を示す正面図である。
【図2】画像形成装置本体と用紙供給装置との接続関係を説明する説明図である。
【図3】画像形成装置本体及び用紙供給装置の制御系の電気的な接続のブロック図である。
【図4】画像形成制御プログラムに基づいて実行する処理の機能ブロック図である。
【図5】通電時間カウンタのカウント処理のフローチャートである。
【図6】ルックアップテーブルの説明図である。
【図7】フィードモータオンタイムカウンタのカウント処理のフローチャートである。
【図8】ルックアップテーブルの説明図である。
【図9】画像処理システムのメイン電源がオンにされたときに実施される故障診断処理のフローチャートである。
【図10】画像処理システムのメイン電源がオンにされた後、印刷ジョブの実行要求があったときの故障診断処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1 画像形成システム
2 画像処理装置本体
3 用紙供給装置
7 コネクタ
11 用紙トレイ
13 フィードアウトセンサ
61 センサモニタ部
62 データ通信部
63 故障箇所判断部
64 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置を使用して所定の処理を行う処理手段と、
前記電子装置の出力信号を通信により受信する通信受信手段と、
信号線を介して前記電子装置の出力信号を直接受信する信号受信手段と、
前記通信受信手段で受信した前記出力信号と前記信号受信手段で受信した前記出力信号とに基づいて故障の発生を判定する故障発生判定手段と、
を備えている処理装置。
【請求項2】
前記故障発生判定手段により故障があると判定したときは故障の事実を報知する報知手段をさらに備えている請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記故障発生判定手段は、前記電子装置が所定の物理量を検出する検出器であったときは前記通信受信手段で受信した前記出力信号のオン、オフと前記信号受信手段で受信した前記出力信号のオン、オフとが不一致であるときには前記電子装置以外の故障があると判定する請求項1又は2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記処理手段で処理を行う頻度を検出する頻度検出手段と、
前記頻度検出手段で検出した頻度に応じて前記故障有無判定手段で故障の有無を判定する頻度を設定する判定頻度設定手段と、
をさらに備え、
前記故障発生判定手段は、前記判定頻度設定手段で設定された頻度で前記故障の発生の判定を行う、
請求項1〜3のいずれかの一項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記頻度検出手段は、前記処理手段の累計の稼働時間により前記処理手段で処理を行う頻度を検出する、請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記頻度検出手段は、前記処理手段で処理を行った累計の処理量により前記処理手段で処理を行う頻度を検出する、請求項4に記載の処理装置。
【請求項7】
電子装置を使用して所定の処理を行う処理手段と、
前記電子装置の出力信号を通信により受信する通信受信手段と、
信号線を介して前記電子装置の出力信号を直接受信する信号受信手段と、
前記通信受信手段で受信した前記出力信号と前記信号受信手段で受信した前記出力信号とに基づいて故障の発生を判定する故障発生判定手段と、
をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な処理制御プログラム。
【請求項8】
前記故障発生判定手段により故障があると判定したときは故障の事実を報知する報知手段をさらにコンピュータに実行させる請求項7に記載の処理制御プログラム。
【請求項9】
前記故障発生判定手段は、前記電子装置が所定の物理量を検出する検出器であったときは前記通信受信手段で受信した前記出力信号のオン、オフと前記信号受信手段で受信した前記出力信号のオン、オフとが不一致であるときには前記電子装置以外の故障があると判定する請求項7又は8に記載の処理制御プログラム。
【請求項10】
前記処理手段で処理を行う頻度を検出する頻度検出手段と、
前記頻度検出手段で検出した頻度に応じて前記故障有無判定手段で故障の有無を判定する頻度を設定する判定頻度設定手段と、
をさらにコンピュータに実行させ、
前記故障発生判定手段は、前記判定頻度設定手段で設定された頻度で前記故障の発生の判定を行う、
請求項7〜9のいずれかの一項に記載の処理制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−300598(P2009−300598A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−153063(P2008−153063)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】