説明

処理装置

【課題】非接触ICカード機能を持つ携帯通信端末装置100(処理装置)において、非接触ICカード機能をロックするロック機能を簡単に利用できるようにする。
【解決手段】ロック状態において、使用者が操作ボタンを押下すると、キー入力部111が検知する(S11)。条件判断部141はこれを判断し、使用者が操作ボタンを押下している間だけ、非接触ICカード機能部180(動作部)を一時解除状態にするよう指令する(S21)。動作制限部151が非接触ICカード機能部180の状態を設定し(S22)、非接触ICカード機能部180は、設定された状態を判断し(S31)、解除状態・一時解除状態であるときだけ、非接触ICカードとしての動作を行う(S32)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正アクセスを防止する機能を有する処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触IC(Integrated Circuit:集積回路)カードのように、装置を定期入れなどに入れたまま、情報を外部から記憶させたり、記憶された情報を外部から読み出したりできる処理装置がある。
このような処理装置は、装置を読取り装置に挿入したり接続したりする必要がなく、便利である。しかしその一方で、所有者の知らないうちに、記憶した情報にアクセスされてしまう危険もあり、セキュリティ対策が課題となる。
【0003】
例えば、住民基本台帳カードや会員証として利用されるICカードへの不正アクセスを許せば、ユーザー情報などの個人情報が漏洩する危険がある。
あるいは、電子マネーとして利用されるICカードであれば、不正な課金により、チャージした金額を引き出されてしまう危険がある。
【0004】
このため、従来、相互認証の強化などによりセキュリティ対策を図っている。
【0005】
また、このような非接触ICカードとしての機能を搭載した携帯電話機がある。
【0006】
携帯電話機においては、紛失・盗難等した場合に、拾得等した者が不正に利用することができないよう、パスワード等を設定し、設定したパスワード等を入力しなければ、その機能を利用できないものとする技術が存在する。
【特許文献1】特開2003−060748号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非接触ICカードにおける従来のセキュリティ対策では、これにアクセスする装置を不正に製造した場合には、相互認証に失敗するので、不正アクセスを防止できる。
しかし、正規の装置を窃取する等して不正に入手すれば、相互認証に成功し、不正アクセスが可能である。
【0008】
非接触ICカードは、比較的近接した距離からしかアクセスできないので、たとえ正規の装置を不正に入手したとしても、不正アクセスを試みることは難しい。
しかし、例えば、満員電車のような状況では、アクセスが可能な距離まで近づくことが可能となる場合がある。例えば、アクセスする装置をカバンの中に忍ばせ、ICカードを入れた他人のカバンに近接させれば、ICカードにアクセスできる可能性がある。
【0009】
携帯電話機のように所有者の操作を入力できる処理装置であれば、パスワードを設定して操作を禁止しておけば(いわゆるロック状態)、このような不正アクセスを防ぐことができる。
【0010】
しかし、ロック状態に設定すると、正当権利者である所有者がその機能を使おうとしたとき、いちいちパスワード等を入力しなければならず、手間がかかる。
そのため、実際に、所有者がロック状態の設定をすることは少ないという課題がある。
【0011】
本発明は、例えば、上記のような課題を解決し、効果的に不正アクセスを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る処理装置は、
所定の動作を行う動作部と、
上記動作部の動作を解除する解除操作を入力する操作入力部と、
上記操作入力部が解除操作を入力している場合に、上記動作部に所定の動作を許可する許可条件を満たすと判断する条件判断部と、
上記条件判断部が許可条件を満たすと判断した場合に、上記動作部に所定の動作を許可する動作制限部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、使用者が解除操作を入力している間だけ、動作部の動作が許可されるので、使用者が動作部に動作させたい場合には、パスワード等を入力する必要がなく、簡便に動作させることができる。その一方で、カバン等に入れた状態では動作部の動作が許可されないので、不正なアクセスを防止することができるとの効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1.
実施の形態1を、図1〜図4を用いて説明する。
【0015】
図1は、この実施の形態における携帯通信端末装置100(処理装置の一例)のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。
【0016】
図1において、携帯通信端末装置100は、プログラムを実行するCPU901(Central Processing Unit:中央処理装置)を備えている。CPU901は、バス902を介して、メモリ903、無線部910、表示部920、バイブレータ923、操作パネル930、音声入出力部940、状態センサー951、明るさセンサー952、電源部960、非接触ICカードモジュール980などと接続している。
【0017】
CPU901は、メモリ903等が記憶したプログラムを実行することで、以下説明する機能や、それ以外の携帯通信端末としての機能を実現する。また、CPU901は1つではなく、メインCPU、サブCPU等、複数のCPUが機能を分担していてもよい。
【0018】
メモリ903は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Ramdom Access Memory)、SDメモリ(Secure Digital Memory)、フラッシュメモリなどを有し、CPU901が実行するプログラムや、CPU901が処理するデータ、必要な情報、使用者の固有情報などを記憶する。
【0019】
無線部910は、変復調器、ミキサー、ゲインコントロールアンプ、パワーアンプ、LNA(Low Noise Amplifier:低雑音増幅器)、フィルタなどを有し、アンテナ911を介して高周波送受信を制御し、基地局と通信する。
【0020】
表示部920は、LCD921(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)、LCDドライバ、バックライト、イルミネーション922などを有し、情報を表示したり、発光したりする。例えば、電話やメールの着信を使用者に知らせたり、充電時やカメラ撮影時のインジケータを表示したりする。
【0021】
バイブレータ923は、CPU901からの制御によって、振動を発生させる。例えば、電話やメールの着信を使用者に知られる。
【0022】
操作パネル930は、キーボード(ロックキー931、解除キー932、その他のキーなど複数の操作ボタン939)、タッチパネル(タッチセンサーの一例)などを有し、使用者に情報を入力させる。
【0023】
音声入出力部940は、マイク941、マイクアンプ、フィルタ、アナログデジタル(A/D)変換器、デジタルアナログ(D/A)変換器、スピーカアンプ、スピーカ942、レシーバ943などを有する。マイク941が入力した音声を、デジタル信号に変換し、また、CPU901等から入力されたデジタル信号を変換して、スピーカ942やレシーバ943を駆動し、音声を出力する。
【0024】
状態センサー951は、携帯通信端末装置100の開閉部950と接続しており、携帯通信端末装置100の開閉状態を検出する。例えば、携帯通信端末装置100の外形がスライド型の場合であれば、スライドを開いているか閉じているかを検出する。あるいは、折りたたみ型の場合であれば、広げた状態か閉じた状態かを検出する。
例えば、マイクロスイッチを携帯通信端末装置100の開閉部950の中に設置し、携帯通信端末装置100の開閉状態を、電気の通電、切断状態に変換することによって、開閉状態を検出する。検出した開閉状態は、電気信号として、バス902を介し、CPU901へ伝える。
【0025】
明るさセンサー952は、携帯通信端末装置100の周囲の明るさを測定する。CPU901は、例えば、明るさセンサー952が測定した周囲の明るさに基づいて、表示部920のバックライトの輝度を調整し、電力消費を抑える。
例えば、フォトダイオードを携帯通信端末装置100の外側に設置し、周囲の明るさをフォトダイオードの抵抗値に変換する。明るさセンサー952は、フォトダイオードに電圧をかける等して、これを検出する。
明るさセンサー952には、あらかじめ比較の基準となる明るさを設定しておき、検出した明るさがそれよりも明るいか暗いかという二値の論理信号を、電気信号として、バス902を介して、CPU901に伝える。
あるいは、検出した明るさをA/D変換した電気信号として、CPU901に伝え、ソフトウェア的に、基準値よりも明るいか暗いかを判別する構成としてもよい。
【0026】
電源部960は、バッテリ961、電源回路、充電回路、充電保護回路などを有し、各部に電力を供給したり、バッテリ961を充電したりする。
【0027】
非接触ICカードモジュール980は、CPU981、メモリ983、無線部985、インターフェース部987などを有する。
CPU981は、携帯通信端末装置100のCPU901とは別個の独立したCPUである。
メモリ983は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、データやプログラムを記憶する。
無線部985は、アンテナを介して外部と無線通信する。
【0028】
非接触ICカードモジュール980は、非接触ICカードとしての機能を有する。
すなわち、無線部985がアンテナを介して外部と無線通信を行い、メモリ983の内容を送信したり、外部から得た情報をメモリ983に記憶する。CPU981は、必要に応じて、通信する外部装置との間で相互認証するなどして、不正なアクセスを防止する。
【0029】
非接触ICカードモジュール980は、それに加えて、インターフェース部987を介して、携帯通信端末装置100のCPU901と情報をやり取りする。
非接触ICカードモジュール980は、電源部960から電力を供給してもよいが、外部装置から放射される電波から電力を得て駆動することができるので、電源部960から電力の供給を受けなくても動作できる。
また、非接触ICカードモジュール980は、CPU901からの指令により、非接触ICカードとしての機能が使えないようにする(ロック状態)ことができる。
【0030】
メモリ903,983は、オペレーティングシステム(OS)、プログラム群、ファイル群、データ群などを記憶している。プログラム群は、CPU901,981が実行する。
【0031】
上記プログラム群には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU901,981が読み出して実行する。
ファイル群には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜の判定結果」、「〜の計算結果」、「〜の処理結果」として説明するものが、「〜ファイル」として記憶されている。
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、メモリ903,983などの記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0032】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、メモリ903,983に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0033】
図2は、この実施の形態における携帯通信端末装置100の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図である。
携帯通信端末装置100は、操作入力部110、明るさ測定部121、位置判別部131、条件判断部141、動作制限部151、非接触ICカード機能部180などを有する。
【0034】
操作入力部110は、キー入力部111、タッチ入力部112、開閉状態入力部113などを有する。
【0035】
キー入力部111は、使用者が操作パネル930の操作ボタン939(ロックキー931、解除キー932、その他のキー)を押下しているか否かを判別する。押下している場合には、どのキーを押下したかを判別し、条件判断部141に伝える。
例えば、操作ボタン939が押下された場合、操作パネル930は、押下された操作ボタンに対応する信号を発し、CPU901がバス902を介して、その信号を受け取る。
【0036】
タッチ入力部112は、使用者が操作パネル930のタッチセンサーに触れたか否かを判別し、条件判断部141に伝える。
例えば、圧電素子などで構成したタッチパネルに使用者が触れると、タッチパネルが受けた圧力に対応する電圧を出力する。操作パネルがこの電圧をCPU901に伝える信号に変換し、CPU901がバス902を介して、その信号を受け取る。
【0037】
開閉状態入力部113は、状態センサー951が検出した携帯通信端末装置100の開閉状態を判別し、条件判断部141に伝える。
【0038】
CPU901では、操作入力部110の一部を構成するプログラムを実行し、操作パネル930や状態センサー951から受け取った信号を処理することにより、操作ボタン939の押下状態等を判断する。
【0039】
明るさ測定部121は、明るさセンサー952が測定した周囲の明るさを入力し、条件判断部141に伝える。
【0040】
位置判別部131は、携帯通信端末装置100の現在位置を判別し、条件判断部141に伝える。
【0041】
条件判断部141は、以上の入力に基づいて、非接触ICカード機能部180の非接触ICカード機能を使えるように許可するか、使えないように禁止するかを判断する。
すなわち、あらかじめ定めた所定の条件をメモリ903等に記憶しておき、CPU901が条件判断部141を構成するプログラムを実行して、操作入力部110などから入力した状態を、メモリ903等に記憶した条件に当てはめ、条件を満たすか否かを判断する。
さらに、非接触ICカード機能部180の現在の状態と、満たした条件とをインデックスとして、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を参照することができるよう構成したテーブルをメモリ903等にあらかじめ記憶しておき、条件を満たすと判断した場合には、このテーブルを参照することにより、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を読み出す。条件判断部141は、これを動作制限部151に伝える。
【0042】
動作制限部151は、条件判断部141の判断結果に基づいて、非接触ICカード機能部180の動作を制限する。
すなわち、CPU901が動作制限部151を構成するプログラムを実行して、条件判断部141から、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を受け取る。
そして、CPU901からインターフェース部987を介して、非接触ICカードモジュール980に対し、動作の禁止、あるいは、許可を指令する信号を伝える。
【0043】
非接触ICカード機能部180は、非接触ICカードモジュール980により、非接触ICカードとしての機能を実現する。
非接触ICカード機能部180は、メモリ983などによって実現された記憶部183を有する。
非接触ICカード機能部180は、無線部985により、外部の装置、例えば、非接触ICカードリーダ・ライタ200などと通信する。相互認証などのセキュリティ対策を行い、正規のアクセスであれば、記憶部183が記憶した情報を送信したり、非接触ICカードリーダ・ライタ200から受信した情報を記憶部183に記憶したりする。
ただし、非接触ICカードモジュール980が、動作の禁止を指令する信号を、動作制限部151から受け取っている場合には、上記のような動作はしない。
これは、動作禁止信号を受けた場合に、非接触ICカードモジュール980内の回路の一部を、論理的に切断する(例えば、AND(論理積)素子を挿入し、AND素子の一方の入力に動作許可信号(動作禁止信号の論理反転)を入力する構成とすれば、動作許可信号を受けていないとき、AND素子の出力は変化しなくなる)ことによって、ハードウェア的に動作を禁止してもよい。
あるいは、CPU981が受け取った信号を処理するプログラムを実行することにより、ソフトウェア的に動作を禁止する構成としてもよい。
【0044】
次に動作について説明する。
【0045】
図3は、この実施の形態における携帯通信端末装置100の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0046】
S11において、キー入力部111は、ロックキー931、解除キー932、その他のキーなどの操作ボタン939の状態を監視し、押下されたことを検知して条件判断部141に伝える。
S21において、条件判断部141は、キー入力部111からの入力に基づいて、あらかじめ定められた所定の条件を満たすか否かを判断し、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を決定する。条件を満たすと判断した場合には、S22を実行する。
S22において、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を条件判断部141から受け取り、非接触ICカード機能部180に設定する。
S31において、非接触ICカード機能部180は、動作制限部151が設定した状態がロック状態であるか、あるいは、解除状態または一時解除状態であるかを判断する。解除状態または一時解除状態であると判断した場合には、S32を実行する。
S32において、非接触ICカード機能部180は、非接触ICカードとしての機能に基づく処理を行う。
【0047】
図4は、この実施の形態において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図である。
図4において、非接触ICカード機能部180が上欄に示す状態であり、条件判断部141が左欄の条件を満たすと判断した場合に、動作制限部151が非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、表右下部に示している。
また、状態をそのまま維持する場合には、「−」と記している。
【0048】
このテーブルに相当するものを、例えば、メモリ903などが記憶している。条件判断部141は、条件と状態とをインデックスとして、メモリ903などが記憶したテーブルから、設定すべき状態を読み出すためのプログラムを備える。
【0049】
非接触ICカード機能部180は、現在の状態として、「ロック状態」「一時解除状態」「解除状態」の3つの状態を有する。
非接触ICカード機能部180がロック状態の場合、正規の非接触ICカードリーダ・ライタ200からのアクセスがあっても、非接触ICカード機能部180の機能は使えない。
非接触ICカード機能部180が一時解除状態または解除状態の場合、通常通り、非接触ICカード機能部180の機能を使うことができる。
【0050】
非接触ICカード機能部180の状態は、動作制限部151が制御しており、条件判断部141が所定の条件を満たすと判断した場合に、非接触ICカード機能部180の状態を変化させる。
【0051】
この実施の形態では、非接触ICカード機能部180の状態を変化させる要因となる条件は、「ロックキー押下」「解除キー押下」「その他のキー押下」「キー押下なし」の4つある。
【0052】
条件判断部141がキー入力部111からの入力に基づいて、ロックキー931が押下されたと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
【0053】
条件判断部141がキー入力部111からの入力に基づいて、解除キー932が押下されたと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態を解除状態にする。
【0054】
ロック状態であって、キー入力部111からの入力に基づいて、ロックキー931、解除キー932以外のキーが押下されたと、条件判断部141が判断した場合、動作制限部151は非接触ICカード機能部180の状態を一時解除状態にする。
【0055】
一時解除状態であって、キー入力部111からの入力に基づいて、何もキーが押下されていないと、条件判断部141が判断した場合、動作制限部151は非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
【0056】
したがって、使用者は、非接触ICカードとしての機能を使わないときには、ロックキー931を押下して、ロック状態にしておけば、たとえ正規の非接触ICカードリーダ・ライタを不正に入手した悪意の第三者であっても、非接触ICカードに不正にアクセスすることはできない。
【0057】
また、使用者が非接触ICカードとしての機能を使いたいときには、ロックキー931、解除キー932以外のキーを押下することにより、キーを押下している間だけ一時解除状態となり、非接触ICカードとしての機能を使うことができる。
機能を使い終わったら、押下していたキーを離せば、自動的にロック状態に戻るので、再び不正なアクセスが不可能となる。
【0058】
これにより、非接触ICカード機能を利用して、レジで精算したり、駅の改札を通ったり、会員証の提示を行ったりといった操作をする場合だけ、非接触ICカード機能のロックを一時的に解除することができる。
【0059】
また、解除キー932を押して、解除状態とすれば、キーを押下せずとも非接触ICカードとしての機能を使うことが可能である。
【0060】
このように、キーを押すか押さないかという極めて簡単な操作によって、ロック状態と一時解除状態とを切り換えることができるので、使用者がロック機能を使いやすくなる。
【0061】
非接触ICカード機能のロックを解除するために暗証番号を入力するなどの手間がかからないので、通常は非接触ICカード機能をロックしたまま、使いたい時だけ非接触ICカード機能を瞬時に使うことが可能となる。
【0062】
これは、単に操作が簡単になるという効果にとどまらず、操作が簡単であるためにロック機能を使う使用者が増えるという効果を生む。その結果、非接触ICカードに対する不正アクセスが困難になるので、電子窃盗などの犯罪を減らすことにつながり、社会全体としても有意義である。
【0063】
なお、この例では、ロックキー931、解除キー932以外の任意のキーを押下することによって、一時解除状態としているが、一時解除専用のキーを設け、それ以外のキーを押下しても一時解除はしない構成としてもよい。
そうすれば、カバンの中で何かにぶつかる等して、間違ってキーを押下してしまったとしても、一時解除状態とはならないので、不正なアクセスの可能性を排除できる。また、使用者の操作性を更に向上させることにもなる。
【0064】
また、ロックキー931、解除キー932を設けず、常にロック状態(キーを押下している間だけ一時解除状態)とする構成としてもよい。
そうすれば、ついうっかりロック状態にするのを忘れてしまうのを防ぐことができるので、不正アクセスの可能性を排除できる。
【0065】
なお、この例では、ロックキー931、解除キー932などのキーを独立のキーとしているが、これらは、キーの押し方(長押し、二回押しなど)によって区別することとして1つのキーとしてもよいし、複数のキーの組み合わせや、メニュー画面からの設定としてもよい。
【0066】
近年、非接触ICカードを使用した電子マネーシステムが考えられている。
非接触ICカードは、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)14443等で規格化が進んでいる。一般に、プラスチック製のカードにICを埋め込んだものであり、磁気カードに比べて記憶容量やセキュリティの点で優れているので、様々な用途に利用できる。
このため、電子マネーを保持し、乗車券や定期券用の自動改札、店舗端末、自動販売機などにおける代金決済などへの利用が可能である。電子マネーとしては、専用の機械を使用して充填を行えばその充填分だけ残高を増加する事が出来る。また、同じシステムを利用して会員証等の個人情報管理にも使用することが出来る。
【0067】
また、この非接触ICカード機能が携帯電話機を代表とする携帯通信端末装置に搭載する事も進められている。
非接触ICカード自体は、電磁波などの無線によって比較的近接した相手装置と離れたままデータ送受信できるようになっている。
これを離れた場所と通信することのできる携帯通信端末装置と組み合わせることにより、基地局からの電波が届く圏内にあれば、任意の場所でネットワーク上の銀行などのサーバにアクセスする事によって、ICカード内への残金充填や、店頭の記録装置による会員証等のポイント加算等の情報交換が可能である。
【0068】
このように、非接触ICカードの用途、機能が多様化するにしたがって、セキュリティ対策の必要性は更に高くなる。
【0069】
このような状況において、非接触ICカードとしての機能を、極めて簡単な操作でロックできることは、極めて有意義な効果であるといえる。
【0070】
なお、ここで説明した携帯通信端末装置は、非接触ICカードモジュールを搭載した携帯通信端末装置において、非接触ICカード機能のロックを一時解除する機能を有することを特徴とするものである。
そして、そのロックを一時解除するための操作は、本体操作部の一部を押し続ける、もしくは触り続けるという極めて簡単な操作であり、これにより、ロックが一時解除出来るということを特徴とするものである。
【0071】
このように、ここで説明した携帯通信端末装置は、代金決済機能やユーザー情報を管理する機能を有する非接触ICカード部を備え、ユーザーが通常使用する状況において不正なアクセスを防止する事を目的としたロック機能を有し、このロック機能の設定・解除をより簡便な方法により実現する手段を備えているので、ユーザーの利便性を損なうことなく、非接触ICカード部への不正なアクセスを防止する事が可能となる。
また、ユーザーの生活シーンにあわせてより簡便に非接触ICカード部への不正アクセスを防止することが可能となる。
【0072】
実施の形態2.
実施の形態2を、図1〜図3、図5を用いて説明する。
この実施の形態における携帯通信端末装置100(処理装置の一例)のハードウェア、機能ブロックの構成は、実施の形態1において図1、図2を用いて説明したものと同様でなので、ここでは説明を省略する。
また、携帯通信端末装置100の処理の流れも、実施の形態1において図3を用いて説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0073】
図5は、この実施の形態において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図である。
この実施の形態では、非接触ICカード機能部180の状態を変化させる要因となる条件は、「ロックキー押下」「ロックキー長押し」「解除キー押下」「解除キー押下から所定の経過時間が経過」の4つある。
【0074】
条件判断部141がキー入力部111からの入力に基づいて、ロックキー931が所定の時間より短い間、押下されたと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
【0075】
条件判断部141がキー入力部111からの入力に基づいて、ロックキー931が所定の時間以上の間、連続して押下されたと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態を解除状態にする。
【0076】
ロック状態であって、キー入力部111からの入力に基づいて、解除キー932が押下されたと、条件判断部141が判断した場合、動作制限部151は非接触ICカード機能部180の状態を一時解除状態にする。
【0077】
一時解除状態において、条件判断部141は、解除キーが押下されて一時解除状態になってからの経過時間を測定する。そして、所定の時間以上の時間が経過したと、条件判断部141が判断した場合、動作制限部151は非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
【0078】
したがって、使用者は、非接触ICカードとしての機能を使わないときには、ロックキー931を押下して、ロック状態にしておき、非接触ICカードとしての機能を使いたいときに、解除キー932を押下して、一時解除状態とし、非接触ICカードとしての機能を使う。
【0079】
解除キー932を一度押下すれば、所定の時間が経過するまでは、一時解除状態のままなので、使用者は、キーを押下し続けている必要はない。
【0080】
また、所定の時間が経過すれば、自動的にロック状態に戻るので、不正なアクセスが不可能となる。
【0081】
このように、解除キーを押下してから一定の時間の間だけ一時解除状態となり、その後は自動的にロック状態に戻るので、キーを押下し続ける必要はない。したがって、使用者の操作が更に簡単になるという効果を奏する。
【0082】
なお、解除キーを押下して一時解除状態となってから、ロック状態に戻るまでの時間は、あらかじめ決めておいてもよいし、使用者が好みに合わせて設定できるようにしてもよい。
【0083】
また、この例では、解除キーを押下して一時解除状態となってからの経過時間を測定しているが、解除キーを離してからの経過時間を測定することとしてもよい。
【0084】
なお、ここで説明した携帯通信端末装置は、ロックを一時解除する操作のために、専用の操作部を設けるということを特徴とするものである。
そして、そのロックを一時解除するための操作は、本体操作部の一部を押す、もしくは触るという極めて簡単な操作であり、これにより、ロックが一時解除出来るということを特徴とするものである。
さらに、その後一定の時間が経過すると、自動的にロック状態に戻るということを特徴とするものである。
【0085】
実施の形態3.
実施の形態3を、図1、図2、図6〜図9を用いて説明する。
この実施の形態における携帯通信端末装置100(処理装置の一例)のハードウェア、機能ブロックの構成は、実施の形態1において図1、図2を用いて説明したものと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0086】
図6、図7は、この実施の形態における携帯通信端末装置100の外観の一例を示す図である。
図6の携帯通信端末装置100はスライド型であり、使用するときにはスライドをずらしてオープン状態にし、使用しないときにはスライドを閉じてクローズ状態とする。
図7の携帯通信端末装置100は折りたたみ型であり、使用するときには開いてオープン状態にし、使用しないときには折りたたんでクローズ状態とする。
【0087】
開閉状態入力部113は、状態センサー951が検出した開閉部950の状態に基づいて、携帯通信端末装置100がオープン状態であるかクローズ状態であるかを判別し、条件判断部141に伝える。
【0088】
図8は、この実施の形態における携帯通信端末装置100の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0089】
S11において、キー入力部111は、ロックキー931、解除キー932、その他のキーなどの操作ボタンの状態を監視し、押下されたことを検知して条件判断部141に伝える。
S13において、開閉状態入力部113は、状態センサー951の検出結果から、携帯通信端末装置100がオープン状態であるかクローズ状態であるかを検出して、条件判断部141に伝える。
S21において、条件判断部141は、キー入力部111及び開閉状態入力部113からの入力に基づいて、あらかじめ定められた所定の条件を満たすか否かを判断し、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を決定する。
S22において、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を条件判断部141から受け取り、非接触ICカード機能部180に設定する。
S31において、非接触ICカード機能部180は、動作制限部151が設定した状態がロック状態であるか、あるいは、解除状態または一時解除状態であるかを判断する。解除状態または一時解除状態であると判断した場合には、S32を実行する。
S32において、非接触ICカード機能部180は、非接触ICカードとしての機能に基づく処理を行う。
【0090】
図9は、この実施の形態において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図である。
この実施の形態では、非接触ICカード機能部180の状態を変化させる要因となる条件は、「ロックキー押下」「解除キー押下」「オープン状態で他の機能を使用していない」「オープン状態で他の機能を使用している」「クローズ状態」の5つある。
【0091】
条件判断部141がキー入力部111からの入力に基づいて、ロックキー931が押下されたと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
【0092】
条件判断部141がキー入力部111からの入力に基づいて、解除キー932が押下されたと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態を解除状態にする。
【0093】
ロック状態であって、開閉状態入力部113からの入力に基づいて、オープン状態であると、条件判断部141が判断した場合、動作制限部151は非接触ICカード機能部180の状態を一時解除状態にする。
【0094】
一時解除状態であって、開閉状態入力部113からの入力に基づいて、クローズ状態であると、条件判断部141が判断した場合、動作制限部151は非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
【0095】
ただし、非接触ICカードとしての機能ではない機能(例えば、電話機能やゲーム機能)を使うためにオープン状態とすることもあるので、条件判断部141は、他の機能を使っているか否かを判断し、他の機能を使っていると判断した場合、動作制限部151は非接触ICカード機能部180の状態をロック状態とする。
【0096】
したがって、使用者は、非接触ICカードとしての機能を使わないときには、ロックキー931を押下して、ロック状態にし、携帯通信端末装置100を閉じてクローズ状態にしておけば、非接触ICカードに不正にアクセスすることはできない。
【0097】
また、使用者が非接触ICカードとしての機能を使いたいときには、携帯通信端末装置100を開いてオープン状態とすれば、一時解除状態となり、非接触ICカードとしての機能を使うことができる。
機能を使い終わったら、携帯通信端末装置100を閉じてクローズ状態にすれば、ロック状態に戻り、不正なアクセスが不可能となる。
【0098】
このように、携帯通信端末装置100を開け閉めするという極めて簡単な操作によって、ロック状態と一時解除状態とを切り換えることができるので、使用者がロック機能を使いやすくなる。
また、携帯通信端末装置100を使うときには開き、使い終わったら閉じるという操作は、使用者に習慣として身についていると考えられるので、ついうっかり操作するのを忘れるという可能性は極めて少ない。したがって、ロック機能を使っているということを使用者が意識する必要がなく、非常に使いやすいものとなる。
【0099】
なお、ここで説明した携帯通信端末装置は、本体の開閉状態などを検出する検出部を有し、本体の開閉状態によりロックの一時解除を行うことを特徴とするものである。
【0100】
実施の形態4.
実施の形態4を、図1、図2、図8、図10を用いて説明する。
この実施の形態における携帯通信端末装置100(処理装置の一例)のハードウェア、機能ブロックの構成は、実施の形態1において図1、図2を用いて説明したものと同一であるので、ここでは説明を省略する。
また、携帯通信端末装置100の処理の流れは、実施の形態3において図8を用いて説明したものと同様なので、ここでは説明を省略する。
【0101】
図10は、この実施の形態において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図である。
この実施の形態では、非接触ICカード機能部180の状態を変化させる要因となる条件は、「ロックキー押下」「解除キー押下」「オープン状態で所定の経過時間の経過前」「オープン状態で所定の経過時間の経過後」「クローズ状態」の5つある。
【0102】
条件判断部141がキー入力部111からの入力に基づいて、ロックキー931が押下されたと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
【0103】
条件判断部141がキー入力部111からの入力に基づいて、解除キー932が押下されたと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態を解除状態にする。
【0104】
条件判断部141は、開閉状態入力部113からの入力に基づいて、携帯通信端末装置100がオープン状態であるか否かを判断し、オープン状態である場合には、オープン状態となってからの経過時間を測定する。
【0105】
ロック状態において、条件判断部141は、オープン状態であるか否かを判断し、オープン状態である場合、オープン状態となってからの経過時間が所定の時間より短いか否かを判断する。オープン状態となってからの経過時間が所定の時間より短いと、条件判断部141が判断した場合、動作制限部151は非接触ICカード機能部180の状態を一時解除状態にする。
【0106】
条件判断部141は、一時解除状態において、開閉状態入力部113からの入力に基づいて、クローズ状態であると判断した場合、及び、オープン状態になってから所定の時間以上が経過したと判断した場合、動作制限部151は非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
【0107】
したがって、使用者は、非接触ICカードとしての機能を使わないときには、ロックキー931を押下して、ロック状態にし、携帯通信端末装置100を閉じてクローズ状態にしておけば、非接触ICカードに不正にアクセスすることはできない。
【0108】
また、使用者が非接触ICカードとしての機能を使いたいときには、携帯通信端末装置100を開いてオープン状態とすれば、一時解除状態となり、非接触ICカードとしての機能を使うことができる。
機能を使い終わったら、携帯通信端末装置100を閉じてクローズ状態にすれば、ロック状態に戻り、不正なアクセスが不可能となる。
【0109】
また、所定の時間以上の長い間、オープン状態が続く場合にも、自動的にロック状態に戻り、不正なアクセスが不可能となる。例えば、携帯通信端末装置100がカバンの中で何かにぶつかって、偶然オープン状態になってしまった場合や、電話機能を使用するため、長時間オープン状態を続けるような場合であっても、不正なアクセスを防ぐことができる。
【0110】
このように、携帯通信端末装置100がオープン状態であっても、それが長時間続く場合には、自動的にロック状態に戻るので、不正なアクセスを防ぐことができる。
【0111】
実施の形態5.
実施の形態5を、図11〜図15を用いて説明する。
【0112】
図11は、この実施の形態における非接触ICカード300(処理装置の一例)等の外観の一例を示す図である。
非接触ICカード300は、外観においては、プラスチック製のカードと大差ない。
ただし、表面中央付近にタッチセンサー953を有する。
タッチセンサー953は、非接触ICカード300を定期入れ400などに入れたとき、ちょうど開口部410の位置にくるように配置する。
これにより、使用者は、非接触ICカード300を定期入れ400などに入れたままでも、タッチセンサー953に触れることができる。
【0113】
図12は、この実施の形態における非接触ICカード300のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図である。
非接触ICカード300は、CPU981、メモリ983、無線部985、タッチセンサー953、明るさセンサー952などを有する。
【0114】
CPU981は、メモリ983等が記憶したプログラムを実行することで、以下説明する機能や、それ以外の非接触ICカードとしての機能を実現する。
メモリ983は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリであり、CPU981が実行するプログラムやデータなどを記憶する。
無線部985は、アンテナを介して外部と無線通信する。
【0115】
タッチセンサー953は、何かが接触したことを検出する。
例えば、圧電素子などで構成したタッチパネルに使用者が触れると、タッチパネルが受けた圧力に対応する電圧を出力する。操作パネルがこの電圧をCPU901に伝える信号に変換し、CPU901がバス902を介して、その信号を受け取る。
なお、カバンの中などで不用意に何かがタッチセンサーに触れてしまった場合に、そのためにロック状態が変わることがないよう、人体などの導体が接触した場合のみ接触を検出するセンサーであってもよい。
【0116】
明るさセンサー952は、周囲の明るさを測定する。明るさセンサー952は、例えば、フォトダイオードなどで実現できる。なお、明るさセンサー952は、図11で明示していないが、タッチセンサー953の近くに配置し、非接触ICカード300を定期入れ400などに入れたままでも、周囲の明るさを測定できるように配置する。
【0117】
図13は、この実施の形態における非接触ICカード300の機能ブロックの構成の一例を示すブロック図である。
非接触ICカード300は、タッチ入力部312、明るさ測定部321、位置判別部331、条件判断部341、動作制限部351、動作部380、記憶部383などを有する。
【0118】
タッチ入力部312は、使用者がタッチセンサー953に触れたか否かを判別し、条件判断部341に伝える。
【0119】
明るさ測定部321は、非接触ICカード300の周囲の明るさを測定し、条件判断部341に伝える。
【0120】
位置判別部331は、非接触ICカード300の現在位置を判別し、条件判断部341に伝える。
【0121】
条件判断部341は、以上の入力に基づいて、動作部380の機能を使えるように許可するか、使えないように禁止するかを判断する。
【0122】
動作制限部351は、条件判断部341の判断結果に基づいて、動作部380の動作を制限する。
【0123】
動作部380は、非接触ICカードとしての本来の機能を実現する。
動作部380は、メモリ983などによって実現された記憶部383を有する。
動作部380は、無線部985により、外部の装置、例えば、非接触ICカードリーダ・ライタ200などと通信する。相互認証などのセキュリティ対策を行い、正規のアクセスであれば、記憶部383が記憶した情報を送信したり、非接触ICカードリーダ・ライタ200から受信した情報を記憶部383に記憶したりする。
【0124】
次に動作について説明する。
【0125】
図14は、この実施の形態における非接触ICカード300の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0126】
S12において、タッチ入力部312は、タッチセンサー953に使用者が触れたか否かを検知して条件判断部341に伝える。
S21において、条件判断部341は、タッチ入力部312からの入力に基づいて、あらかじめ定められた所定の条件を満たすか否かを判断し、動作部380に設定すべき状態を決定する。条件を満たすと判断した場合には、S22を実行する。
S22において、動作制限部351は、動作部380に設定すべき状態を条件判断部341から受け取り、動作部380に設定する。
S31において、動作部380は、動作制限部351が設定した状態がロック状態であるか、一時解除状態であるかを判断する。一時解除状態であると判断した場合には、S32を実行する。
S32において、動作部380は、非接触ICカードとしての機能に基づく処理を行う。
【0127】
図15は、この実施の形態において、条件判断部341が満たすと判断した条件と、動作部380の現在の状態とに基づいて、動作部380に設定すべき状態を、条件判断部341が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図である。
【0128】
動作部380は、現在の状態として、「ロック状態」「一時解除状態」の2つの状態を有する。
動作部380がロック状態の場合、正規の非接触ICカードリーダ・ライタ200からのアクセスがあっても、動作部380の機能は使えない。
動作部380が一時解除状態の場合、通常通り、動作部380の機能を使うことができる。
【0129】
動作部380の状態は、動作制限部351が制御しており、条件判断部341が所定の条件を満たすと判断した場合に、動作部380の状態を変化させる。
【0130】
この実施の形態では、動作部380の状態を変化させる要因となる条件は、「タッチセンサーに触れている」「タッチセンサーに触れていない」の2つある。
【0131】
条件判断部341がタッチ入力部312からの入力に基づいて、人体等がタッチセンサーに触れていると判断した場合、動作制限部351は、動作部380の状態を一時解除状態にする。
【0132】
条件判断部341がタッチ入力部312からの入力に基づいて、人体等がタッチセンサーに触れていないと判断した場合、動作制限部351は、動作部380の状態をロック状態にする。
【0133】
したがって、非接触ICカード300をカバン等にしまっているときには、自動的にロック状態となり、不正なアクセスが不可能となる。
【0134】
また、使用者が非接触ICカード300の機能を使うため、非接触ICカード300を定期入れ400等に入れたまま取り出すと、指などがタッチセンサー953に触れ、一時解除状態になり、その機能を使うことができる。
【0135】
このように、指などがタッチセンサー953に触れるか触れないかによって、ロック状態と一時解除状態とを自動的に切り換えるので、使用者がロック機能のことを意識せずに使用でき、不正なアクセスを防ぐという効果を奏する。
【0136】
なお、この実施の形態では、非接触ICカードを既存の定期入れ等に入れて使用することを想定し、既存の定期入れには中央に開口部があるものがほとんどなので、タッチセンサー953を中央付近に配置することとしているが、タッチセンサー953の位置が中央付近である必要はない。
使用者が非接触ICカードを持ったときに、無意識に持つ場所に配置するほうが、使用者にロック機能を意識させることが少なく、好ましい。
【0137】
また、実施の形態2で説明したのと同様に、タッチセンサー953に触れてから、一定の時間が経過するまでの間、一時解除状態とする構成としてもよい。
【0138】
実施の形態6.
実施の形態6を、図1、図2、図16、図17を用いて説明する。
この実施の形態における携帯通信端末装置100(処理装置の一例)のハードウェア、機能ブロックの構成は、実施の形態1において図1、図2を用いて説明したものと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0139】
明るさ測定部121は、明るさセンサー952が測定した周囲の明るさを入力し、条件判断部141に伝える。
CPU901は、バス902を介して、明るさセンサーから受け取った信号を、明るさ測定部121の一部を構成するプログラムを実行して、明るさセンサー952から受け取った信号を処理することにより、周囲の明るさを判断する。
【0140】
図16は、この実施の形態における携帯通信端末装置100の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0141】
S14において、明るさ測定部121は、周囲の明るさを測定して条件判断部141に伝える。
S21において、条件判断部141は、明るさ測定部121からの入力に基づいて、あらかじめ定められた所定の条件を満たすか否かを判断し、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を決定する。条件を満たすと判断した場合には、S22を実行する。
S22において、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を条件判断部141から受け取り、非接触ICカード機能部180に設定する。
S31において、非接触ICカード機能部180は、動作制限部151が設定した状態がロック状態であるか、一時解除状態であるかを判断する。一時解除状態であると判断した場合には、S32を実行する。
S32において、非接触ICカード機能部180は、非接触ICカードとしての機能に基づく処理を行う。
【0142】
図17は、この実施の形態において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図である。
この実施の形態では、非接触ICカード機能部180の状態を変化させる要因となる条件は、「周囲が明るい」「周囲が暗い」の2つある。
【0143】
条件判断部141が明るさ測定部121からの入力に基づいて、携帯通信端末装置100の周囲の明るさが所定の明るさよりも明るいと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態を一時解除状態にする。
【0144】
条件判断部141が明るさ測定部121からの入力に基づいて、携帯通信端末装置100の周囲の明るさが所定の明るさよりも暗いと判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
【0145】
したがって、携帯通信端末装置100をカバン等にしまっているときには、周囲が暗いので、自動的にロック状態となり、不正なアクセスが不可能となる。
【0146】
また、使用者が非接触ICカードとしての機能を使うため、携帯通信端末装置100を取り出すと、周囲が明るくなるので、自動的に一時解除状態となり、非接触ICカードとしての機能を使うことができる。
【0147】
例えば、電車の中や映画館の中など、不特定多数の他人と比較的長時間近接する場所においては、非接触ICカードとしての機能に対する不正なアクセスを試みられる危険がある。しかし、このように、周囲が暗い場合にロック状態となる構成であれば、そのような場所では携帯通信端末装置100をカバンの中などにしまっておくだけでよい。
これは極めて自然な動作なので、使用者がロック機能のことをまったく意識する必要がない。
【0148】
このように、周囲が明るいか暗いかによって、ロック状態と一時解除状態とを自動的に切り換えるので、使用者がロック機能のことを意識せずに使用でき、不正なアクセスを防ぐという効果を奏する。
【0149】
ここで、明るさセンサー952は、例えば、表示部920のバックライトの輝度を調整するなどために、従来から携帯通信端末装置100が備えているものである。あるいは、携帯通信端末装置100が備えているカメラ機能のためのCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)受光部を、明るさセンサーとして利用してもよい。
【0150】
したがって、周囲の明るさに基づいてロック機能を制御するために、新しい部品を増やす必要はなく、携帯通信端末装置100の製造コストを抑え、小型化できるという点においても、有利な効果がある。
【0151】
なお、比較の基準となる所定の明るさは、あらかじめ決めておいてもよいし、時間帯によって変えるようにしてもよい。すなわち、昼間はカバンの中もある程度明るいので、基準の明るさを明るくし、逆に、夜間は外が暗いので、基準の明るさを暗くするほうが、誤動作を防ぐことができ、好ましい。
【0152】
また、この実施の形態では、周囲の明るさだけを判断基準としているが、実施の形態1〜実施の形態4で説明した判断基準と組み合わせて、ロック状態を切り換える構成としてもよい。そうすれば、更に、状況に応じた的確な動作ができ、好ましい。
【0153】
例えば、周囲が明るく、かつ、解除ボタンを押している間だけ、一時解除状態とする構成としてもよい。そうすれば、例えば、ワイシャツのポケットなど、比較的明るい場所に携帯通信端末装置100をしまっている場合でも、不正なアクセスを防ぐことができ、好ましい。
【0154】
あるいは、周囲が明るく、かつ、オープン状態である場合にのみ、一時解除状態とする構成としてもよい。そうすれば、携帯通信端末装置100を取り出して開くという極めて自然な動作によって、一時解除状態とすることができる一方、カバンの中で、間違ってオープン状態となってしまった場合でも不正なアクセスを防ぐことができ、好ましい。
【0155】
あるいは、ロックキー931の操作などにより、ロック状態と解除状態を切り換え、解除状態の場合には、上記判断基準を満たさなくても、非接触ICカードとしての機能をロックしない構成としてもよい。そうすれば、会社内など、安全であることがわかっている場所ではロック機能を解除しておくことにより、携帯通信端末装置100をしまったままでも、非接触ICカードとしての機能を利用でき、好ましい。
【0156】
また、この実施の形態では、携帯通信端末装置について説明したが、実施の形態5で説明した非接触ICカードについても、周囲の明るさに応じてロック状態を切り換える構成とすることができる。この場合、実施の形態5で説明した判断基準と組み合わせて、ロック状態を切り換える構成としてもよい。
【0157】
例えば、非接触ICカードの周囲が明るく、かつ、タッチセンサーに触れている場合にのみ、一時解除状態とする構成としてもよい。そうすれば、例えば、ワイシャツのポケットなど、比較的明るい場所に非接触ICカードをしまっている場合でも、不正なアクセスを防ぐことができ、好ましい。
【0158】
なお、ここで説明した携帯通信端末装置は、光度検出部を有し、周辺の光度がある一定以上である場合にロックを一時解除する機能を有することを特徴とするものである。
これによりユーザーが特別な操作をすることなく非接触ICカード機能のロックを一時解除する事が出来る。
【0159】
実施の形態7.
実施の形態7を、図1、図2、図18、図19を用いて説明する。
この実施の形態における携帯通信端末装置100(処理装置の一例)のハードウェア、機能ブロックの構成は、実施の形態1において図1、図2を用いて説明したものと同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0160】
位置判別部131は、携帯通信端末装置100の現在位置を判別する。
【0161】
非接触ICカードの利用形態として、会社の社員証として用い、社内への入退場を管理したり、社員の身分に応じて入室できる部屋を制限したりすることが行われている。
また、非接触ICカードを定期券やプリペイド乗車券として用い、駅の改札を通過したときに、自動的に運賃を計算、徴収するシステムもある。
【0162】
このような非接触ICカードの機能を利用すれば、携帯通信端末装置100が現在どこにあるかを知ることができる。
【0163】
例えば、非接触ICカードの定期券機能あるいはプリペイド乗車券を使って、駅の改札から駅の中に入った場合には、携帯通信端末装置100は駅の構内もしくは列車内にあると判別できる。
その後、上記機能を使って、駅の改札から外に出た場合には、携帯通信端末装置100は駅の外にあると判別できる。
【0164】
非接触ICカードの社員証機能を使って会社に入場、退出した場合も同様である。
【0165】
更に、非接触ICカードの利用形態として、映画館などの入場チケットとして用いるシステムもある。
このような利用形態では、例えば、非接触ICカードの電子マネーとしての機能を用いて、映画のチケットを購入すると、購入したチケットの情報が非接触ICカードに記録される。これを映画館の入場の際に使用すれば、そのまま入場できる仕組みとなっている。
【0166】
したがって、この機能を用いて映画館に入場すれば、携帯通信端末装置100は映画館の中にあると判別できる。
その後、非接触ICカードの機能を使わなくても映画館を退出できる仕組みであったとしても、映画の上映時刻・上映時間がわかっていれば、使用者が映画館を退出する時刻は予想できるので、その時刻を過ぎたら、携帯通信端末装置100は映画館から出たと判別する。
【0167】
位置判別部131は、上記のような非接触ICカードとしての機能を利用したことを判別し、それに基づいて、携帯通信端末装置100の現在位置を判別する。
【0168】
なお、位置判別部131は、例えば、携帯通信端末装置100のGPS(Grobal Positioning System:全地球測位システム)機能を用いて、携帯通信端末装置100の現在位置を判別してもよい。そうすれば、非接触ICカード機能を使用しない場合でも、携帯通信端末装置100の現在位置を判別できて、好ましい。
【0169】
図18は、この実施の形態における携帯通信端末装置100の処理の流れの一例を示すフローチャート図である。
【0170】
S15において、位置判別部131は、上述した方法により携帯通信端末装置100の現在位置を判別し、条件判断部141に伝える。
S21において、条件判断部141は、位置判別部131からの入力に基づいて、あらかじめ定められた所定の条件を満たすか否かを判断し、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を決定する。条件を満たすと判断した場合には、S22を実行する。
S22において、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を条件判断部141から受け取り、非接触ICカード機能部180に設定する。
S31において、非接触ICカード機能部180は、動作制限部151が設定した状態がロック状態であるか、一時解除状態であるかを判断する。一時解除状態であると判断した場合には、S32を実行する。
S32において、非接触ICカード機能部180は、非接触ICカードとしての機能に基づく処理を行う。
【0171】
図19は、この実施の形態において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図である。
この実施の形態では、非接触ICカード機能部180の状態を変化させる要因となる条件は、「現在位置が駅構内・列車内」「現在位置が上記以外」の2つある。
【0172】
条件判断部141が位置判別部131からの入力に基づいて、携帯通信端末装置100が駅構内・列車内にあると判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態をロック状態にする。
なお、駅の改札から出るために非接触ICカード機能部180の機能を使う必要があるので、ロック状態であっても定期券機能(あるいはプリペイド乗車券機能)だけは使えるものとし、他の機能(電子マネー機能や身分証機能など)を禁止する。
【0173】
条件判断部141が位置判別部131からの入力に基づいて、携帯通信端末装置100が上記以外の場所にあると判断した場合、動作制限部151は、非接触ICカード機能部180の状態を一時解除状態にする。
【0174】
したがって、携帯通信端末装置100の非接触ICカードとしての機能を、定期券あるいはプリペイド乗車券として用いて、改札を通り、駅の中に入った場合には、自動的にロック状態となり、不正なアクセスが不可能となる。
【0175】
その後、携帯通信端末装置100の非接触ICカードとしての機能を、定期券あるいはプリペイド乗車券として用いて、改札を通り、駅の外に出た場合には、自動的に一時解除状態となり、非接触ICカードとしての他の機能を使うことができる。
【0176】
例えば、電車の中や映画館の中など、不特定多数の他人と比較的長時間近接する場所においては、非接触ICカードとしての機能に対する不正なアクセスを試みられる危険がある。しかし、非接触ICカードの定期券機能等を利用していれば、そのような場所では自動的にロック状態となるので、使用者がロック機能のことを意識する必要がない。
【0177】
このように、現在位置を判別し、判別した現在位置に基づいて、ロック状態と一時解除状態とを自動的に切り換えるので、使用者がロック機能のことを意識せずに使用でき、不正なアクセスを防ぐという効果を奏する。
【0178】
また、非接触ICカードとしての機能を使ったことに基づいて現在位置を判別するので、特別な装置を付加する必要がない。また、地図情報を別に用意する必要もなく、測位誤差の影響も受けない。
【0179】
なお、判別した現在位置に基づいて、非接触ICカードとしての機能の一部の使用を許可し、一部を禁止するという構成としてもよい。
例えば、駅構内・列車内では、定期券機能(あるいはプリペイド乗車券機能)だけを許可し、それ以外の一般の場所では、一部機能は許可するが一部機能は禁止し、会社内では、全機能を許可する、というように細かく条件を分けてもよい。
【0180】
今後、非接触ICカード機能を利用できる場面は、更に増えていくことが予想される。生活の中で非接触ICカード機能を利用する機会が増えれば、それに基づいて判別できる現在位置の種類も増える。そのため、様々な条件を設定し、非接触ICカードとしての機能のうちで、その場所に合った機能だけを許可し、それ以外の機能を禁止するようにすることもできるようになる。そうすれば、不正にアクセスされる可能性は更に低くなり、安全性が高まる。
【0181】
また、この実施の形態では、現在位置だけを判断基準としているが、前述の各実施の形態で説明した判断基準と組み合わせて、ロック状態を切り換える構成としてもよい。そうすれば、更に、状況に応じた的確な動作ができ、好ましい。
【0182】
例えば、駅構内・列車内にいる場合、周囲が明るければ、定期券機能(あるいはプリペイド乗車券機能)だけを使えるようにし、周囲が暗ければ、定期券機能(あるいはプリペイド乗車券機能)も含めた全機能を禁止する。
改札から出るために、定期券機能(あるいはプリペイド乗車券機能)を使う必要がある場合には、携帯通信端末装置100をカバン等から出すので、周囲が明るくなるからである。
あるいは、駅構内・列車内にいる場合は、全機能を禁止するが、使用者が解除ボタンを押している間だけ、一時解除状態とする構成としてもよい。
そうすれば、列車内等において、定期券についての情報などを不正に読み出されることがなく、好ましい。
【0183】
また、使用者の操作により、常にロック状態とする、あるいは、常に解除状態とする、あるいは、場所などの条件によってロック状態と解除状態とを自動的に切り換える、という3つの場合を設定できるようにしてもよい。
【0184】
ここで説明した携帯通信端末装置は、ある特定の条件で非接触ICカードを使用した場合にロック状態になる、もしくはロック状態を解除することを特徴とするものである。
【0185】
不正アクセスが行われる可能性が高いのは赤の他人とある程度の時間接触するような状況であり、具体的には、電車に乗っているときや映画や美術館などで鑑賞している時が想定される。
そのような場合に、自動的にロックがかかる仕組みとなっているので、更に使用者の利便性が高くなる。
【0186】
このとき、本機能の使用要否を使用者が設定出来るように構成(ロック予約機能)すれば、例えば、駅の改札を通った場合に非接触ICカード機能にロックを掛けるかどうかの選択が可能である。
【0187】
また本機能を使用する場合においても、ロック一時解除機能は使用可能としてもよい。
【0188】
このように、使用者は非接触ICカード機能の利便性を損なうことなく不正なアクセスを防止することが可能となる。これにより、非接触ICカードのセキュリティ性が高まり、使用者が安全に利用する事が可能となるため、非接触ICカード付の携帯通信端末装置の普及が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】携帯通信端末装置100(処理装置の一例)のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図。
【図2】携帯通信端末装置100の機能ブロックの構成の一例を示すブロック構成図。
【図3】実施の形態1〜実施の形態2における携帯通信端末装置100の処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図4】実施の形態1において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図。
【図5】実施の形態2において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図。
【図6】実施の形態3〜実施の形態4における携帯通信端末装置100の外観の一例を示す図。
【図7】実施の形態3〜実施の形態4における携帯通信端末装置100の外観の一例を示す図。
【図8】実施の形態3〜実施の形態4における携帯通信端末装置100の処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図9】実施の形態3において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図。
【図10】実施の形態4において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図。
【図11】実施の形態5における非接触ICカード300等の外観の一例を示す図。
【図12】実施の形態5における非接触ICカード300のハードウェア構成の一例を示すハードウェア構成図。
【図13】実施の形態5における非接触ICカード300の機能ブロックの構成の一例を示すブロック図。
【図14】実施の形態5における非接触ICカード300の処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図15】実施の形態5において、条件判断部341が満たすと判断した条件と、動作部380の現在の状態とに基づいて、動作部380に設定すべき状態を、条件判断部341が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図。
【図16】実施の形態6における携帯通信端末装置100の処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図17】実施の形態6において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図。
【図18】実施の形態7における携帯通信端末装置100の処理の流れの一例を示すフローチャート図。
【図19】実施の形態7において、条件判断部141が満たすと判断した条件と、非接触ICカード機能部180の現在の状態とに基づいて、非接触ICカード機能部180に設定すべき状態を、条件判断部141が読み出すためのテーブルの内容の一例を示す図。
【符号の説明】
【0190】
100 携帯通信端末装置、111 キー入力部、112 タッチ入力部、113 開閉状態入力部、121 明るさ測定部、131 位置判別部、141 条件判断部、151 動作制限部、180 非接触ICカード機能部、183 記憶部、200 非接触ICカードリーダ・ライタ、300 非接触ICカード、312 タッチ入力部、321 明るさ測定部、331 位置判別部、341 条件判断部、351 動作制限部、380 動作部、383 記憶部、400 定期入れ、410 開口部、901 CPU、902 バス、903 メモリ、910 無線部、911 アンテナ、920 表示部、921 LCD、922 イルミネーション、923 バイブレータ、930 操作パネル、931 ロックキー、932 解除キー、939 操作ボタン、940 音声入出力部、941 マイク、942 スピーカ、943 レシーバ、950 開閉部、951 状態センサー、952 明るさセンサー、953 タッチセンサー、960 電源部、961 バッテリ、980 非接触ICカードモジュール、981 CPU、983 メモリ、985 無線部、987 インターフェース部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動作を行う動作部と、
上記動作部の動作を解除する解除操作を入力する操作入力部と、
上記操作入力部が解除操作を入力している場合に、上記動作部に所定の動作を許可する許可条件を満たすと判断する条件判断部と、
上記条件判断部が許可条件を満たすと判断した場合に、上記動作部に所定の動作を許可する動作制限部と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
所定の動作を行う動作部と、
上記動作部の動作を解除する解除操作を入力する操作入力部と、
上記操作入力部が解除操作を入力した場合に、上記操作入力部が解除操作を入力してからの経過時間を測定し、測定した経過時間を所定の時間と比較し、測定した経過時間が所定の時間より短い場合に、上記動作部に所定の動作を許可する許可条件を満たすと判断する条件判断部と、
上記条件判断部が許可条件を満たすと判断した場合に、上記動作部に所定の動作を許可する動作制限部と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項3】
所定の動作を行う動作部と、
周囲の明るさを測定する明るさ測定部と、
上記明るさ測定部が測定した周囲の明るさを所定の明るさと比較し、上記明るさ測定部が測定した周囲の明るさが所定の明るさより明るい場合に、上記動作部に所定の動作を許可する許可条件を満たすと判断する条件判断部と、
上記条件判断部が許可条件を満たすと判断した場合に、上記動作部に所定の動作を許可する動作制限部と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項4】
所定の動作を行う動作部と、
現在位置が所定の場所であるか否かを判別する位置判別部と、
現在位置が所定の場所であると上記位置判別部が判別した場合に、上記動作部に所定の動作を許可する許可条件を満たすと判断する条件判断部と、
上記条件判断部が許可条件を満たすと判断した場合に、上記動作部に所定の動作を許可する動作制限部と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項5】
上記操作入力部は、
上記動作部の動作を解除する解除操作を入力するための操作ボタンを有し、
上記操作ボタンが押下された場合に、上記動作部の動作を解除する解除操作を入力したものとする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の処理装置。
【請求項6】
上記操作入力部は、
接触を検出するタッチセンサーを有し、
上記タッチセンサーが接触を検出した場合に、上記動作部の動作を解除する解除操作を入力したものとする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の処理装置。
【請求項7】
上記操作入力部は、
開閉することができる開閉部を有し、
上記開閉部が開いている場合に、上記動作部の動作を解除する解除操作を入力したものとする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の処理装置。
【請求項8】
上記位置判別部は、
所定の場所への入場及び所定の場所からの退場を検出し、検出した結果に基づいて、現在位置が所定の場所であるか否かを判別する
ことを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項9】
上記位置判別部は、
駅の改札を通ったことを検出し、検出した結果に基づいて、現在位置が駅構内及び列車内であるか否かを判別し、
上記条件判断部は、
現在位置が駅構内及び列車内でないと上記位置判別部が判別した場合に、上記動作部に所定の動作を許可する許可条件を満たすと判断する
ことを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項10】
上記動作部は、情報を記憶する記憶部を有し、
上記所定の動作として、上記記憶部が記憶した情報へのアクセスを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の処理装置。
【請求項11】
上記処理装置は、非接触IC(Integrated Circuit)カード機能を有する携帯通信端末装置であることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−338480(P2006−338480A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−163985(P2005−163985)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】