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処理装置
説明

処理装置

【課題】より簡易な構造で安全性を確保することができる処理装置を提供することである。
【解決手段】発火及び爆発に対する所定の安全対策の施された設備が配置され、引火性のある処理液を用いて所定の処理が行われる処理室と、該処理室とは隔離されつつ一体となり、電気設備及び前記処理室にて用いられる前記処理液の通路が配置された遮蔽室とを備えた処理装置であって、前記遮蔽室内から気体を導出する気体導出手段と、該気体導出手段にて導出された気体のガス濃度を検出するガス濃度検出手段とを有する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引火性処理液を用いた処理を行う処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、IPA(イソプロピルアルコール)を用いて半導体ウェーハや液晶表示装置用ガラス基板に対して処理を行う基板処理装置が提案されている。例えば、洗浄が完了した半導体ウェーハにIPAを霧状散布することによって、該IPAが霧状となったIPAベーパと該半導体ウェーハ等に付着した水滴とが置換される結果、半導体ウェーハ等に付着した水滴を除去するようにした基板処理装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−275794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の基板処理装置において、引火性・揮発性の高い処理液であるIPA(引火性処理液)が霧状散布されるチャンバ内部は、IPAのミスト濃度(気化ガス濃度)が高いため、発火及び爆発のリスクが比較的高い。このことから、チャンバ内の電線を電線管内に収める等、特にチャンバ及びチャンバ内の設備に対して発火及び爆発に対する比較的高いレベルの安全対策(防火、防爆対策)が施される。また、基板処理装置においてはさらに、上述したチャンバ等の処理室とは隔離されつつ当該処理室と一体となった遮蔽室が設けられる構造とされる場合がある。この場合、遮蔽室は通常、閉じた空間にポンプやセンサ等の電気設備、あるいは引火性処理液の通路(配管等)が配置された架台として構成される。そして、この遮蔽室及び遮蔽室内に備えられた電気設備等に対しても前記処理室に対してなされるのと同程度の発火及び爆発に対する安全対策が施されるのが一般的である。
【0005】
ところで、上述した基板処理装置における遮蔽室においては、この遮蔽室に備えられた引火性処理液の通路(配管等)から液漏れが生じる等の異常事態が生じない限り、発火や爆発は起こらず、また液漏れが生じるリスク自体も非常に少ない。しかしながら、従来の処理装置は、この遮蔽室に対しても引火性処理液を用いて処理がなされる処理室と同程度の発火及び爆発に対する安全対策を施していたことから、その構造が複雑となり、また、大型化する傾向があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、より簡易な構造で安全性を確保することができる処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る処理装置は、発火及び爆発に対する所定の安全対策の施された設備が配置され、引火性のある処理液を用いて所定の処理が行われる処理室と、該処理室とは隔離されつつ一体となり、電気設備及び前記処理室にて用いられる前記処理液の通路が配置された遮蔽室とを備えた処理装置であって、前記遮蔽室内から気体を導出する気体導出手段と、該気体導出手段にて導出された気体のガス濃度を検出するガス濃度検出手段とを有する構成となる。
【0008】
このような構成により、処理室とは隔離されつつ一体となる遮蔽室から、該処理室での処理に用いられる引火性のある処理液を含む気体が導出され、該導出された気体のガス濃度を検出することができることから、そのガス濃度に基づいて遮蔽室内での処理液の漏れの程度を判断し、その判断結果に従って対処することができるようになる。
【0009】
本発明に係る処理装置は、発火及び爆発に対する所定の安全対策の施された設備が配置され、引火性のある処理液を用いて所定の処理が行われる複数の処理室と、各処理室に対して当該処理室のそれぞれとは隔離されつつ一体となり、電気設備及び対応する処理室にて用いられる前記処理液の通路が配置された遮蔽室とを備え、前記気体導出手段は、複数の前記遮蔽室から気体を導出して集める構造となり、前記ガス濃度検出手段は、複数の前記遮蔽室から導出されて集められた気体のガス濃度を検出する構成とすることができる。
【0010】
このような構成により、複数の遮蔽室から導出して集められる気体中から各処理室での処理に用いられる引火性のある処理液を含む気体が導出され、該導出された気体のガス濃度を検出することができることから、複数の遮蔽室のいずれかにて処理液が漏れている場合に、前記ガス濃度に基づいてその漏れの程度を判断して対処することができるようになる。
【0011】
また、本発明に係る処理装置において、前記気体導出手段は、遮蔽室内で開口する吸気管と該吸気管を介して該遮蔽室内の気体を吸引する吸引部とを有する構成とすることができる。
【0012】
このような構成により、吸引部により吸気管を介して吸引された遮蔽室内の気体中における引火性のある処理液を含むガスの濃度がガス濃度検出手段にて検出されるようになる。吸気管の遮蔽室内での開口を処理液やその気化ガスの漏れる可能性の高い部位に配置することが好ましい。
【0013】
更に、本発明に係る処理装置において、前記ガス濃度検出手段にて検出された濃度値を表示する表示手段を有する構成とすることができる。
【0014】
このような構成により、表示手段によりガス濃度検出手段によって検出された濃度値が表示されるので、その表示にされた濃度値により遮蔽室内での処理液の漏れの程度を判断することができるようになる。
【0015】
また、本発明に係る処理装置は、前記ガス濃度検出手段にて検出されたガス濃度値が予め設定した許容ガス濃度値を超えたか否かを判定するガス濃度判定手段と、このガス濃度判定手段により前記ガス濃度値が前記許容ガス濃度値を超えていると判定されたときに、その旨を報知する報知手段とを有する構成とすることができる。
【0016】
このような構成によれば、ガス濃度判定手段によってガス濃度が許容ガス濃度を超えていると判定されたときに、報知手段によってその旨が報知されることから、遮蔽室内において処理液が漏れていることを知ることができ、それに対して迅速に対処することができる。
【0017】
本発明に係る処理装置は、前記ガス濃度検出手段にて検出されたガス濃度値が予め設定した許容ガス濃度値を超えたか否かを判定するガス濃度判定手段と、このガス濃度判定手段により前記ガス濃度値が前記許容ガス濃度値を超えていると判定されたときに、前記遮蔽室内に配置された前記電気設備への電力供給を遮断する電力遮断手段とを有する構成とすることができる。
【0018】
このような構成によれば、ガス濃度判定手段によってガス濃度が許容ガス濃度を超えていると判定されたときに、電力遮断手段によって遮蔽室内に配置された電気設備への電力供給が遮断されるので、遮蔽室内において処理液が漏れていても、発火源となり得る電気設備が機能しなくなり、安全性を確保することができる。
【0019】
本発明に係る処理装置は、前記ガス濃度検出手段にて検出されたガス濃度値が予め設定した許容ガス濃度値を超えたか否かを判定するガス濃度判定手段と、このガス濃度判定手段により前記ガス濃度値が前記許容ガス濃度値を超えていると判定されたときに、それを報知する報知手段と、前記ガス濃度判定手段により前記ガス濃度値が前記許容ガス濃度値を超えていると判定されたときに、前記遮蔽室内に配置された前記電気設備への電力供給を遮断する電力遮断手段とを有する構成とすることができる。
【0020】
このような構成によれば、ガス濃度判定手段によってガス濃度が許容ガス濃度を超えていると判定されたときに、報知手段によってその旨が報知され、かつ、電力遮断手段によって遮蔽室内に配置された電気設備への電力供給を遮断するので、遮蔽室内において処理液が漏れていることを知ることができ、それに対して迅速に対応することができるとともに、発火源となり得る電気設備が機能しなくなって、安全性も確保することができる。
【0021】
本発明にかかる処理装置は、前記ガス濃度検出手段による前記ガス濃度の検出を所定のタイミングで繰り返し行う構成とすることができる。
【0022】
このような構成によれば、遮蔽室内における引火性のある処理液を含む気体のガス濃度の検出が所定タイミングで繰り返し行われるので、そのタイミングを適宜設定することにより、発火及び爆発のリスクを低減させることができる。処理装置において確保すべき安全性のレベル、あるいは、使用される処理液の引火性の程度等に応じて、前記タイミングを決めることができる。
【0023】
さらに、本発明に係る処理装置は、前記ガス濃度検出手段による前記ガス濃度の検出及び前記ガス濃度判定手段での判定を所定のタイミングで繰り返し行う構成とすることができる。
【0024】
このような構成によれば、遮蔽室内における引火性のある処理液を含む気体のガス濃度の検出及び判定が所定タイミングで繰り返し行われるので、その繰り返しの期間を短くすることにより、発火及び爆発のリスクが低減されるようになる。処理装置において確保すべき安全性のレベル、あるいは、使用される処理液の引火性の程度等に応じて、その繰り返しの期間を決めることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る処理装置によれば、処理室と隔離されつつ一体となる遮蔽室において万が一にも処理液が漏れたとしても、その遮蔽室から導出された気体のガス濃度に基づいて遮蔽室内での処理液の漏れの程度を判断し、その判断結果に従って対処することができるようになるので、前記遮蔽室内の設備に対して処理室内の設備と同程度の発火及び爆発に対する安全対策を施すことのない簡易な構造であっても、その安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態にかかる処理装置を示す概略図である。
【図2】図1に示すガス濃度監視装置での処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0028】
本発明の実施の形態に係る処理装置は、図1に示すように構成される。
【0029】
図1において、処理装置100は、複数のチャンバ10、20、30、40(処理室)と、該チャンバ10、20、30、40(処理室)とは隔離されつつ一体とされる架台11、21、31、41(遮蔽室)とを有している。複数のチャンバ10、20、30、40(処理室)には、発火及び爆発に対する所定の安全対策(防火、防爆処理)の施された設備が配置され、引火性のある処理液Sを用いて所定の処理が行われる。架台11、21、31、41(遮蔽室)は、閉じた空間とされ、この空間に電気設備及び複数のチャンバ10、20、30、40にて用いられる引火性処理液Sの通路(配管)等が配置される。より詳しくは、複数のチャンバ(処理室)の1つであるチャンバ10内には、基板Wをその回転によって矢印A方向へ搬送するための搬送ローラ12が設けられている。さらに、基板Wに対して引火性処理液S(例えば、イソプロピルアルコール)を噴霧するための吐出ノズル16が設けられている。この吐出ノズル16には、後述する架台11内部に設けられた送通管14を介して引火性処理液Sが供給されるようになっている。
【0030】
一方、架台11内部には、引火性処理液Sが溜め置かれる貯液槽13が設けられている。貯液槽13には、前述した送通管14が接続されており、該送通管14の中腹部にポンプ15(電気設備)が設置されている。よって、ポンプ15の駆動によって送通管14を介して、チャンバ10内に設けられる吐出ノズル16まで引火性処理液Sが供給されるようになっている。また、チャンバ10内で噴霧された引火性処理液Sは、基板Wの洗浄処理(前述した所定の処理)に用いられた後に、送通管17を介して架台11内の貯液槽13に戻されるようになっている。
【0031】
また、チャンバ20、30及び架台21、31は、前述したチャンバ10及び架台11と同様の形状、機能を有する。詳しくは、チャンバ20、30内には、基板Wをその回転によって矢印A方向へ搬送するための搬送ローラ22、32が設けられている。さらに、基板Wに対して引火性処理液Sを噴霧するための吐出ノズル26、36が設けられている。この吐出ノズル26、36には、架台21、31内部に設けられた送通管24、34を介して引火性処理液Sが供給されるようになっている。一方、チャンバ20、30とは隔離されつつ一体となるように形成された架台21、31内部には、引火性処理液Sが溜め置かれる貯液槽23、33が設けられている。貯液槽23、33には、前述した送通管24、34が接続されており、該送通管24、34の中腹部にポンプ25、35(電気設備)が設置されている。よって、ポンプ25、35の駆動によって送通管24、34を介して、チャンバ20、30内に設けられる吐出ノズル26、36まで引火性処理液Sが供給されるようになっている。また、チャンバ20、30内で噴霧された引火性処理液Sは、基板Wの洗浄処理に用いられた後に、送通管27、37を介して架台21、31内の貯液槽23、33に戻されるようになっている。
【0032】
また、チャンバ40内には、基板Wをその回転によって矢印A方向へ搬送するための搬送ローラ42が設けられている。さらに、チャンバ40内には、エアナイフ46が設けられる。このエアナイフ46には、架台41内部に設けられた送通管44を介して気体供給部45から気体(例えば、窒素等)が供給されるようになっており、チャンバ10、20、30内にて行われた引火性処理液Sを噴霧する処理によって基板W上に付着した引火性処理液Sは、このエアナイフ46から吐出される気体によって吹き飛ばされる。一方、チャンバ40とは隔離されつつ一体となるように形成された架台41内部には、引火性処理液Sが溜め置かれる貯液槽43が設けられている。貯液槽43には、送通管47が接続されており、エアナイフ46によって基板Wから吹き飛ばされた引火性処理液Sが送通管47を介して架台41内の貯液槽43に戻され、溜め置かれるようになっている。
【0033】
前述したチャンバ10、20、30、40及び架台11、21、31、41内にて行われる処理は、外部に設けられた電源装置62から電線63を介して供給される電力によって行われるようになっている。チャンバ10、20、30、40及び架台11、21、31、41のそれぞれには、電源装置62からの電力供給を受ける電線63が接続されている。より詳しくは、チャンバ10及び架台11には電線63aが、チャンバ20及び架台21には電線63bが、チャンバ30及び架台31には電線63cが、チャンバ40及び架台41には電線63dがそれぞれ設けられている。電線63a、63b、63c、63dは、それぞれ対応するチャンバ10、20、30、40内で安全対策の施された不図示の電線管内に配置されている。一方、架台11、21、31、41内部に設けられる電線63a、63b、63c、63dは、特別な防火及び防爆処置がなされていない状態で配置されている。
【0034】
また、架台11、21、31、41には、該架台それぞれに対応する吸気管51、52、53、54が設けられている。それぞれの吸気管51、52、53、54は、その一端が対応する架台11、21、31、41内部に開口し、他端は、吸引室56に接続される結集管55に接続されている。さらに、吸引室56内部には、プロペラ形状の吸引部57が設けられており、該吸引部57の回転によって結集管55を介して気体を吸引するようになっている(気体導出手段)。さらに、吸引室56内の吸引部57近傍には、引火性処理液Sが気化することによって発生するガスの濃度を検知可能なセンサ58が設けられている(ガス濃度検出手段)。これによって、架台11、21、31、41内部の気体は、吸引部57によって吸気管51、52、53、54から導出され、結集管55を介して集められ、吸引室56内に設けられたセンサ58に吹きかけられる。この一連の動作によって、各架台11、21、31、41内における引火性処理液Sの気化ガスの濃度値(ガス濃度値)がセンサ58によって検出されるようになっている。また、吸引室56には、排気管59が設けられており、適時結集管55から供給される気体を吸引室56内から排出するようになっている。
【0035】
前述したセンサ58は、不図示の処理ユニットを有するガス濃度監視装置60に接続されている。また、ガス濃度監視装置60には表示部61が接続されており、例えば、センサ58によって検出されたガス濃度値が表示部61に表示されるようになっている。また、ガス濃度監視装置60は、処理装置100にて行われる処理の全ての動力源となる電源装置62に接続されている。ガス濃度監視装置60は、例えば、センサ58によって検出されたガス濃度値がこのガス濃度監視装置69に予め設定された許容ガス濃度値を超えているか否かを判定する機能を有している(ガス濃度判定手段)。
【0036】
さらに、ガス濃度監視装置60は、不図示のタイマ機構を有しており、例えば、センサ58によって検出されるガス濃度値を、予め設定した時間間隔(所定のタイミング)で繰り返し取得することができるようになっている。つまり、このタイマ機能により、ガス濃度検出手段であるセンサ58によるガス濃度の検出を所定のタイミングで繰り返し行うこととなる。またこのタイマ機能により、遮蔽室内における引火性処理液Sの気化ガスの濃度の判定が所定のタイミングで繰り返し行われることとなり、その繰り返しの間隔(時間間隔)を短く設定することにより、発火及び爆発のリスクを低減させることができるようになっている。加えて、処理装置において確保すべき安全性のレベル、あるいは、使用される処理液の引火性の程度に応じて、その繰り返しの間隔、あるいは許容ガス濃度値を設定するようにしてもよい。なお、ガス濃度監視装置60は、取得されたガス濃度値が許容ガス濃度値を超えると判定されたときに、前述した電源装置62に対して信号を送信し、瞬時に電源装置62から供給される電力供給を遮断することができるようになっている(電力遮断手段)。
【0037】
なお、架台11、21、31、41内部では、引火性処理液Sが何らかの隙間から漏れ出すことによる雰囲気以外の発火・爆発リスクは極めて低い。よって、前述した処理装置100の架台11、21、31、41におけるガス濃度監視装置60による処理は、図2に示す手順にて行われるようになっている。以下に詳しく説明する。
【0038】
まず、電源装置62からの電力供給がなされるとともに、処理装置100による処理(例えば、基板Wの洗浄処理)がなされる。それと同時に吸引部57が駆動を開始し、架台11、21、31、41内部の気体が吸気管51、52、53、54を介して結集管55に結集され、吸引室56に導出される(S11)。そして各架台11、21、31、41内における引火性処理液Sの気化ガスのガス濃度値が、センサ58によって検出される。ガス濃度監視装置60に設けられた不図示の処理ユニットは、センサ58によって検出されたこのガス濃度値を取得する(S12)。そして、処理ユニットは、センサ58によって検出されたガス濃度値が許容ガス濃度値を超えているか否かを判定する(S13)。
【0039】
これにより、センサ58によって検出されたガス濃度値が許容ガス濃度値を超えていないと判定されたとき(S13でNO)に、処理ユニットは不図示のタイマ機構によるタイマ処理を行い(S15)、所定時間(例えば1分)経過後、再度センサ58によってガス濃度値を取得する。一方、センサ58によって検出されたガス濃度値が許容ガス濃度値を超えていると判定されたとき(S13でYES:異常時)に、ガス濃度監視装置60は、電源装置62に所定の信号を送信し、電源装置62から供給される全ての電力の供給を遮断させる(S14)。
【0040】
このように処理装置100においては、架台11、21、31、41内部の気体を吸気管51、52、53、54を介して結集管55に結集させ、結集させた気体中における、引火性処理液Sの気化ガスのガス濃度値がセンサ58によって検出される。そして、そのガス濃度値が許容ガス濃度値を超えた場合には、全ての電源装置62からの電力供給が遮断される。これによって、もし架台11、21、31、41内に引火性処理液Sやその気化ガスが漏れ出したとしても、それがリアルタイムで検知されて発火源(作動している電気設備)が無くなり、該処理装置100の発火や爆発を未然に防止している。従って、前記架台(遮蔽室)並びにその内部の設備に対してチャンバ(処理室)向け仕様と同程度の発火及び爆発に対する安全対策を施すことのない簡易な構造であっても、十分な安全性を確保することができる。
【0041】
また、本発明における処理装置100においては、センサ58によって検出されたガス濃度値が許容ガス濃度値を超えたときに自動的に電源装置62に所定の信号を送信し、その電力供給を停止させるようにしたが、もちろんユーザが、表示部61を監視し、危険と判断したときに手動にて電源装置62を停止させるようにしてもよい。
【0042】
さらに、本発明の実施の形態においては、架台11、21、31、41内部から気体を導出させる吸気管を、各架台に1本設けることとしたが、吸気管の一端(開口部)は、遮蔽室内における引火性処理液Sやその気化ガスの漏れる可能性の高い部位(異常発生予測位置)に配置することが好ましく、さらには、流路抵抗を考慮して、吸引室56から遠い位置に配置される吸引管54ほどその径を太くするようにしても良く、また、引火性処理液Sが漏れ出し易い位置近傍に吸気管を複数本ずつ設けるようにしてもよい。なおこのような構成とすることにより、確保すべき安全性のレベルによって(レベルがそれほど高くない場合)は、架台(遮蔽室)は処理室に対して遮蔽はされているものの、架台自体は必ずしも閉じた空間としなくても良い。また、ガス濃度監視装置60においてタイマ機構を設けるようにしたが、もちろんセンサ58によって検出されるガス濃度を連続的に取得し続けるようにしてもよい。
【0043】
なお、本発明の実施の形態を、複数のチャンバ並びに複数の架台を有する処理装置に適用した例を示したが、もちろんチャンバ及び架台それぞれが単数であってもよい。また、引火性処理液として、IPA(イソプロピルアルコール)を例としてあげたが、例えば、アミン系剥離液等、引火性を有する処理液であれば適用できる。さらには、ガス濃度監視装置がミスト状の処理液を感知するようにしてもよく、その場合に利用される処理液は、揮発性を有していなくとも引火性を有していればよい。
【0044】
加えて、ガス濃度監視装置がガス濃度値の以上を感知した時に、その旨を知らせる、サイレン、ランプ点灯、表示装置への警告を表示するなどの報知手段を有するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10 20 30 40 チャンバ(処理室)
11 21 31 41 架台(遮蔽室)
12 22 32 42 搬送ローラ
13 23 33 43 処理液
14 17 24 27 34 37 44 47 送通管
15 25 35 ポンプ
16 26 36 吐出ノズル
51 52 53 54 吸気管
55 結集管
56 吸引室
57 吸引部
58 センサ
59 排気管
60 ガス濃度監視装置
61 表示部
62 電源装置
63 63a 63b 63c 63d 電線
100 処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発火及び爆発に対する所定の安全対策の施された設備が配置され、引火性のある処理液を用いて所定の処理が行われる処理室と、該処理室とは隔離されつつ一体となり、電気設備及び前記処理室にて用いられる前記処理液の通路が配置された遮蔽室とを備えた処理装置であって、
前記遮蔽室内から気体を導出する気体導出手段と、
該気体導出手段にて導出された気体のガス濃度を検出するガス濃度検出手段とを有する処理装置。
【請求項2】
発火及び爆発に対する所定の安全対策の施された設備が配置され、引火性のある処理液を用いて所定の処理が行われる複数の処理室と、各処理室に対して当該処理室のそれぞれとは隔離されつつ一体となり、電気設備及び対応する処理室にて用いられる前記処理液の通路が配置された遮蔽室とを備え、
前記気体導出手段は、複数の前記遮蔽室から気体を導出して集める構造となり、
前記ガス濃度検出手段は、複数の前記遮蔽室から導出されて集められた気体のガス濃度を検出することを特徴とする請求項1記載の処理装置。
【請求項3】
前記気体導出手段は、遮蔽室内で開口する吸気管と該吸気管を介して該遮蔽室内の気体を吸引する吸引部とを有する請求項1または2記載の処理装置。
【請求項4】
前記ガス濃度検出手段にて検出された濃度値を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の処理装置。
【請求項5】
前記ガス濃度検出手段にて検出されたガス濃度値が予め設定した許容ガス濃度値を超えたか否かを判定するガス濃度判定手段と、
このガス濃度判定手段により前記ガス濃度値が前記許容ガス濃度値を超えていると判定されたときに、その旨を報知する報知手段とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の処理装置。
【請求項6】
前記ガス濃度検出手段にて検出されたガス濃度値が予め設定した許容ガス濃度値を超えたか否かを判定するガス濃度判定手段と、
このガス濃度判定手段により前記ガス濃度値が前記許容ガス濃度値を超えていると判定されたときに、前記遮蔽室内に配置された前記電気設備への電力供給を遮断する電力遮断手段とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の処理装置。
【請求項7】
前記ガス濃度検出手段にて検出されたガス濃度値が予め設定した許容ガス濃度値を超えたか否かを判定するガス濃度判定手段と、
このガス濃度判定手段により前記ガス濃度値が前記許容ガス濃度値を超えていると判定されたときに、それを報知する報知手段と、
前記ガス濃度判定手段により前記ガス濃度値が前記許容ガス濃度値を超えていると判定されたときに、前記遮蔽室内に配置された前記電気設備への電力供給を遮断する電力遮断手段とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の処理装置。
【請求項8】
前記ガス濃度検出手段による前記ガス濃度の検出を所定のタイミングで繰り返し行うことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の処理装置。
【請求項9】
前記ガス濃度検出手段による前記ガス濃度の検出及び前記ガス濃度判定手段での判定を所定のタイミングで繰り返し行う請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−121011(P2012−121011A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276159(P2010−276159)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】