説明

処理装置

【課題】処理槽内の処理対象物の量が過剰な状態となる事態を回避すると共に、処理が十分に進行している処理対象物を優先的に貯留槽へ移動させること。
【解決手段】本発明の処理装置は、処理対象物を収容する収容槽と、前記収容槽を、処理対象物を処理する処理槽と、前記処理槽で処理された処理対象物を貯留する貯留槽と、に区画する仕切壁と、前記仕切壁の上方に形成され、前記処理槽からオーバーフローして前記貯留槽へ処理対象物が移動することを許容するオーバーフロー空間と、前記仕切壁に形成され、前記処理槽から前記貯留槽へ所定の大きさの処理対象物が移動することを許容する複数の開口部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の槽を有し、廃棄物等の処理対象物を処理する処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の槽を有する処理装置として、例えば、生ごみ等の廃棄物の発酵乾燥等をおこなって減量処理する処理装置が知られている。このような処理装置では、仕切壁により槽間を区画する一方、槽間で処理対象物を移動させる仕組みが必要となる。
【0003】
例えば、特許文献1では、仕切壁を超えて廃棄物がオーバーフローすることにより上流側の槽から下流側の槽へ仕切壁を移動させる装置が提案されている。また、特許文献2には仕切壁に貫通孔を設け、仕切壁を通過させることで廃棄物を処理槽間で移動させる装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−57235号公報
【特許文献2】特開2006−167561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の槽を、処理槽と、処理済みの処理対象物を貯留する貯留槽とで構成した場合、処理が十分に進んでいない処理対象物が外部に排出されること防止する観点で、そのような処理対象物が貯留槽に移動することは望ましくない。一方、処理槽内の処理対象物の量が過剰な状態となった場合には、故障防止等の観点で、一時的に処理槽から処理対象物が円滑に排出されることが望ましい。
【0006】
特許文献1には、複数の槽を、処理槽と貯留槽とで構成した装置が開示されている。貯留槽への廃棄物の移動は廃棄物のオーバーフローを利用しているため、処理槽内の廃棄物が過剰な状態となった場合には、処理槽から貯留槽へ廃棄物が円滑に移動する。しかし、処理槽内の廃棄物の堆積量が多い場合、新たに投入されて処理が進んでいない廃棄物も貯留槽へ移動してしまう場合がある。
【0007】
本発明の目的は、処理槽内の処理対象物の量が過剰な状態となる事態を回避すると共に、処理が十分に進行している処理対象物を優先的に貯留槽へ移動させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、処理対象物を収容する収容槽と、前記収容槽を、処理対象物を処理する処理槽と、前記処理槽で処理された処理対象物を貯留する貯留槽とに区画する仕切壁と、前記仕切壁の上方に形成され、前記処理槽からオーバーフローして前記貯留槽へ処理対象物が移動することを許容するオーバーフロー空間と、前記仕切壁に形成され、前記処理槽から前記貯留槽へ所定の大きさの処理対象物が移動することを許容する複数の開口部と、を備えたことを特徴とする処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、処理槽内の処理対象物の量が過剰な状態となる事態を回避すると共に、処理が十分に進行している処理対象物を優先的に貯留槽へ移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る処理装置を示す外観図。
【図2】上記処理装置の内部構成を示す説明図。
【図3】図2の線I−Iに沿う断面図。
【図4】(A)は図3の線II−IIに沿う断面図、(B)乃至(D)は他の実施形態の説明図。
【図5】上記処理装置の制御部のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一実施形態に係る処理装置Aの外観図、図2は処理装置Aの内部構造の説明図である。図中、矢印Zは鉛直方向(処理装置Aの高さ方向)を示し、矢印X及びYは互いに直交する水平方向(X方向は処理装置Aの幅方向、Y方向は処理装置Aの奥行き方向)を示す。
【0012】
本実施形態では処理装置Aを生ごみ等の廃棄物を減量処理する廃棄物処理装置に適用した場合を想定するが、本発明はこれに限定されず、各種の処理装置に適用可能である。
【0013】
<装置の概要>
図1に示すように、処理装置Aの上面には、生ごみを投入する投入口1aを開閉するドア1が回動自在に設けられている。ドア1を閉鎖した状態では、処理装置A内が気密に保たれるようにドア1の周囲には不図示のシール部材が設けられる。
【0014】
処理装置Aの正面には、操作部3が設けられている。操作部3には処理装置Aの処理開始、停止等をユーザが指示するためのランプ等が設けられる。また、減量処理済の処理対象物を排出するための排出口2、及び、この排出口2を開閉するためのドア2aが回動自在に設けられている。
【0015】
図2を参照して、処理装置Aは底板4を備え、その下面にはキャスタ5が取り付けられており、処理装置Aの移動を容易なものとしている。底板4上にはX方向に互いに離間した仕切壁6乃至8がZ方向に立設されている。仕切壁6乃至8は底板4に固定され、処理装置A内を区画する隔壁である。
【0016】
仕切壁6は、処理装置A内を駆動室9と収容槽10とに区画している。収容槽10には処理対象物が収容される。仕切壁8は収容槽10を、処理対象物を処理する処理槽11及び12と、処理槽11及び12で処理された処理対象物を貯留する貯留槽13と、に左右方向(X方向)に区画する。仕切壁7は処理槽11と処理槽12とを左右方向に区画している。
【0017】
X方向に連続した処理槽11及び12内では、処理対象物として、例えば、生ごみ等の廃棄物を加温処理する。詳細には、処理対象物の前処理となる醗酵処理と、後処理となる乾燥処理とによる処理対象物の減量処理である。本実施形態の場合、投入口1aから投入された処理対象物は、処理槽11、処理槽12を順に移動して、貯留槽13へ導入されることになる。なお、本実施形態では、処理槽を大別して2槽構成としているが、大別して3槽以上の構成としてもよく、逆に1槽としてもよい。
【0018】
貯留槽13は処理槽12のX方向の側方に位置している。貯留槽13には減量処理された処理対象物が処理槽12から導入される。貯留槽13は排出口2と連通しており、ドア2aを開放することで、貯留槽13から減量処理済の処理対象物を取り出すことができる。
【0019】
処理装置Aは、駆動ユニット20を備える。駆動ユニット20は、処理槽11及び処理槽12を横断する駆動軸21を備える。駆動軸21はX方向に延設され、仕切壁6乃至8にそれぞれ設けた軸受け22により回転自在に支持されている。駆動ユニット20は、また、駆動軸21の一方端部に固定されたスプロケット23と、モータ24と、を備え、これらは駆動室9内に配置されている。スプロケット23と、モータ24の出力軸に固定したスプロケットとにはベルトが巻きまわされてベルト伝動機構が構成されている。そして、モータ24の駆動により駆動軸21が回転するようにしている。
【0020】
処理槽11内において、駆動軸21にはその径方向に延びる棒状の撹拌部材25が複数取り付けられている。駆動軸21の回転により、撹拌部材25によって処理槽11、処理槽12内の処理対象物が攪拌される。なお、本実施形態では、撹拌部材25を棒状の部材としたが他の形状でもよい。また、本実施形態では撹拌部材25の回動により処理対象物を撹拌する構成としたが、往復並進運動により撹拌する構成であってもよい。
【0021】
貯留槽13及び処理槽12の上方空間には乾燥・脱臭ユニット30が配設されている。乾燥・脱臭ユニット30は送風機31を備える。送風機31は仕切壁7を通過するダクト31aを介して処理槽11内の空気を吸引して脱臭器32へ送風する。脱臭器32は酸化触媒32aと、酸化触媒32aの活性化温度に空気を加温するヒータ32bと、を備える。
【0022】
脱臭器32を通過することで、脱臭・加温された空気は、その一部はダクト31cを介して処理槽12へ導かれる。仕切壁7の上部には、処理槽11と処理槽12とを連通させる連通孔72が形成されており、ダクト31cから処理槽11へ導かれた空気は連通孔72を通って処理槽11へ流入する。
【0023】
送風機33は、脱臭器32で脱臭・加温された空気をダクト31bを介して吸引し、ダクト33a及び換気孔34を介して処理装置Aの外部へ排気する。処理槽11及び処理槽12並びに貯留槽13は換気孔34を除いて気密性が維持されるよう構成され、ダクト33aから排気された空気量に相当する外気が換気孔34から処理装置A内に自然吸気される。処理槽11には、送風機35が設けられている。送風機35は処理槽11内の空気を図2に矢印で示す方向に吸引・送風し、処理槽11内の空気を循環させる。
【0024】
また、酸化触媒を通過し、還流通路内に導入された空気はダクト31cを介して処理槽12へ導かれ、処理槽内の処理対象物RD2に吹き付けられ、その乾燥が促進される。また、仕切壁7の上部には、処理槽11と処理槽12とを連通させる連通孔72が形成されており、ダクト31cから処理槽12へ導かれた空気は連通孔72を通って処理槽11へ流入する。こうして、加熱・脱臭された空気を全部排出せず、処理槽11及び処理槽12内の加温に用いることで、脱臭器32のヒータ部32bの熱エネルギを、より効果的に、処理対象物の加温処理に利用することができる。
【0025】
次に、槽間で処理対象物を移動させる構成について説明する。仕切壁7の下部には、処理槽11と処理槽12とを連通させる連通孔71が形成されている。撹拌部材25による攪拌により、処理槽11内の処理対象物RD1は連通孔71を通って処理槽12へ移動する。
【0026】
処理槽12から貯留槽13への処理対象物の移動ルートは、図2において矢印d1、d2で示すように2ルートある。矢印d1のルートは仕切壁8に設けた複数の開口部82(図2において不図示)を処理対象物が通過するルートであり、矢印d2のルートは処理対象物が仕切壁8を超えてこれを通過するルートである。図3は図2の線I−Iに沿う断面図、図4(A)は図3の線II−IIに沿う断面図である。
【0027】
仕切壁8は、切り欠き部81と、複数の開口部82とを有する。切り欠き部81は仕切壁8の上部を方形に切り欠いて形成されており、図2において矢印d1で示したルートを形成している。つまり、切り欠き部81とその上部の空間は、仕切壁8の上方に形成されたオーバーフロー空間を形成しており、処理槽12からオーバーフローして貯留槽13へ処理対象物が移動することを許容する。
【0028】
なお、本実施形態のように、仕切壁8の上端が収容槽10の天部に到達していない構成においては、切り欠き部81を設けなくてもオーバーフロー空間を形成可能である。但し、切り欠き部81を設けることにより、処理槽12からオーバーフローさせる処理対象物の高さを調整しやすい。また、処理槽12からオーバーフローさせる処理対象物のY方向の位置も調整しやすい。図3の例では仕切壁8のY方向中央部に切り欠き部81を形成しており、貯留槽13のY方向中央部へ向かって処理対象物がオーバーフローし易くなっている。これは、意図せず周辺に処理対象物が飛散することを防止する効果がある。
【0029】
複数の開口部82は仕切壁8の上部に設けられている。本実施形態の場合、貯留槽13においては処理対象物が仕切壁8の上部から落下して貯留槽13の底部上に順次堆積していく構成である。このため、複数の開口部82を仕切壁8の上部に設けることで、より上方から貯留槽13へ処理対象物を導入することができ、処理対象物の導入の円滑化を図れる。
【0030】
複数の開口部82はオーバーフロー空間よりも下方に、つまり切り欠き部81よりも下方に形成されている。このため、オーバーフロー空間よりも複数の開口部82を介して所定の大きさの処理対象物が優先的(選択的)に移動することになる。
【0031】
本実施形態の場合、各開口部82は断面円形の貫通孔である。しかし、その形状はこれに限られず、他の形状(例えば断面方形)であってもよい。例えば、各開口部82の大きさ(開口面積)を全て同じ大きさとしてもよいが、異なる大きさ(開口面積)としてもよい。また、各開口部82の処理槽12側の開口よりも貯留槽13側の開口が大きくなるように仕切壁8を貫通し、貯留槽13への処理対象物の移動を促進させるようにしてもよい。あるいは、各開口部82を仕切壁8の厚さ方向に貯留槽13の底部側へ所定量傾斜させて、貯留槽13への処理対象物の移動を促進させるようにしてもよい。
【0032】
各開口部82は、所定の大きさの処理対象物のみが移動することを許容するよう、その大きさが設定されている。つまり、処理槽11、12において減量処理が十分になされ、微細に分解された処理対象物のみ通過可能な大きさに設定されている。本実施形態のように、生ゴミを処理対象とし、かつ、開口部82を断面円形の貫通孔とした場合、その直径は、5〜20mm、好ましくは10〜14mm程度あることが好ましく、例えば、12mmとすることができる。
【0033】
このような開口部82を設けることで、分解処理が十分に進行して微細に分解された所定の大きさの処理対象物が優先的に貯留槽13に移動し、分解処理が進んでいない処理対象物が貯留槽13に移動してしまうことを有効に防止することができる。また、開口部82を通過できない大きな塊や繊維質の処理対象物は処理槽12内に残留して撹拌されるので、その微細化を促進できる。
【0034】
ここで、投入される処理対象物の量が急激に増えた場合など、処理槽12内の堆積量が急に増加した時には、開口部82を介した移動のみでは処理槽12内が溢れてしまうことになる。しかし、このような場合には一時的にオーバーフロー空間からも貯留槽13に処理対象物が移動するので、処理槽12内の堆積量を適正に保つことができる。
【0035】
本実施形態の場合、処理槽12内では撹拌部材25が処理対象物RD2を撹拌するので、複数の開口部82を介した処理槽12から貯留槽13への処理対象物の移動が促進される。また、本実施形態の場合、図3に示すように、撹拌部材25の先端が描く軌跡をその回転軸方向に仕切壁8に投影した場合(図3の投影軌跡25’)、複数の開口部82は投影軌跡25’周辺に位置している。このため、撹拌部材25の回動による処理対象物の撹拌力が複数の開口部82及びその近傍にまで及び易くなり、複数の開口部82を介した処理槽12から貯留槽13への処理対象物の移動が更に促進される。
【0036】
例えば、攪拌部材25が複数の開口部82を通過する際において、処理対象物が各開口部82から押し出されることとなり、処理槽12の上部から貯留槽13へ処理対象物を効率よく移動させることが可能となる。なお、複数の開口部82を通過できない程度の大きな塊(処理中のもの)も攪拌部材25と複数の開口部82との間で擦れることにより、処理中の処理対象物も効率よく微細化することが可能となる。このため、開口部82は、少なくとも、仕切壁8の上部側で且つ攪拌部材25の投影軌跡25’に沿った部分に対応して設けることが望ましい。
【0037】
各開口部82の周囲には、処理槽12側に突出する突出部を設けてもよい。図4(B)は突出部83の例を示す断面図、図4(C)は突出部83を処理槽12側から見た図である。突出部83は開口部82の全周を囲む円筒状をなしている。このような突出部83を設けることで、開口部82を通過できない大きさの処理対象物の微細化を促進できる。より詳細には、本実施形態の場合、撹拌部材25は仕切壁8の面方向と平行に延設されており、その結果、仕切壁8に沿って回動する。したがって、撹拌される処理対象物も仕切壁8の面方向に沿って移動し、突出部83との干渉で粉砕され微細化される。
【0038】
突出部は必ずしも開口部82の全周を囲むように設ける必要はなく、その周囲から突出しておればよい。例えば、図4(D)の突出部83’のように、開口部82の周囲に間欠的に設けられていてもよい。また、突出部は全ての開口部82に設けても、一部の開口部82に設けてもよく、少なくとも1つの開口部82に設ければ一定の効果がある。
【0039】
<制御部>
図5は処理装置Aの制御部40のブロック図である。制御部40は、CPU41、ROM42、RAM43及びI/F(インターフェース)44を備える。CPU41は、I/F44を介して、操作部3の操作状態を取得し、送風機31、33、35、ヒータ32b、モータ24を制御する。ROM42にはCPU41が実行する制御プログラムやデータが記憶される。RAM43には一時的なデータが記憶される。ROM42、RAM43は他の種類の記憶手段を採用してもよい。
【0040】
<減量処理>
処理装置Aによる生ごみ等の廃棄物の減量処理について図2を参照して説明する。生ごみの減量処理としては、生ごみを単に脱水させる方式、生ごみを乾燥させる方式、微生物による分解処理(醗酵処理)が知られている。本実施形態では、分解処理と乾燥とを組み合わせた減量処理であるが、他の方式でもよい。
【0041】
投入口1aから投入された生ごみは、始めに処理槽11に入る。処理槽11内の、水分を多量に含む処理対象物RD1は、処理対象物RD1に存する微生物或いは予め投入された大鋸屑等の菌床となる基材の働きにより分解される。その際、ダクト31cから排気される加温された空気が連通孔72を介して処理槽11に導入されることにより、処理槽11内が微生物の活性化に適した温湿度に維持される。また、撹拌部材25による攪拌や送風機35による空気の循環により、処理対象物RD1の均一な分解が促進される。
【0042】
処理対象物RD1の醗酵により、処理槽11内の空気は異臭を伴うが、脱臭器32で脱臭されて処理装置Aの外部に排気される。また、換気孔34から処理装置A内に外気が自然吸気されるので、その程度は軽減される。
【0043】
分解処理が進行して減量された処理槽11内の処理対象物RD1は、仕切壁7の下部の連通孔71を介して処理槽11から処理槽12へ移動する。処理槽12内の処理対象物RD2は、主として、処理槽12の上方からダクト31cから排気される加温された空気の吹き付けにより乾燥される。また、乾燥・脱臭ユニット30からの排熱も処理対象物RD2の乾燥に利用される。処理槽12内に堆積した、乾燥の進んだ処理対象物RD2は、乾燥による減量効果及び乾燥されたことにより撹拌部材25で、より細かく破砕され易くなり、処理槽12から複数の開口部82を通過する。また、加温された空気の吹き付けにより、細かく破砕された処理対象物は、開口部82の方向へ移動する。そして、加熱脱臭に用いた排気や排熱を乾燥に用いることで省電力化を図れる。
【0044】
一方、開口部82より大きな処理対象物は、オーバーフロー空間からオーバーフローして貯留槽13に移動する。貯留槽13には、こうした減量処理によって生じた、生ごみの残渣RD3が堆積されることになる。本実施形態では、微細化された処理対象物RD2が開口部82を通って優先的に貯留槽13に移動するので、貯留槽13には微細化された残渣RD3のみが堆積されることを促進できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象物を収容する収容槽と、
前記収容槽を、処理対象物を処理する処理槽と、前記処理槽で処理された処理対象物を貯留する貯留槽とに区画する仕切壁と、
前記仕切壁の上方に形成され、前記処理槽からオーバーフローして前記貯留槽へ処理対象物が移動することを許容するオーバーフロー空間と、
前記仕切壁に形成され、前記処理槽から前記貯留槽へ所定の大きさの処理対象物が移動することを許容する複数の開口部と、
を備えたことを特徴とする処理装置。
【請求項2】
前記仕切壁の上部に、前記オーバーフロー空間を形成する切り欠き部を設け、前記複数の開口部を前記切り欠き部よりも下方に形成したことを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記複数の開口部を、前記仕切壁の上部に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記処理槽内の処理対象物を撹拌し、前記複数の開口部を介した前記処理槽から前記貯留槽への処理対象物の移動を促進する撹拌手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項5】
前記撹拌手段が、前記仕切壁に沿って移動する撹拌部材を備え、
前記複数の開口部の少なくとも一つの開口部の周囲に、前記処理槽側に突出する突出部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記処理槽は処理対象物を減量処理し、
前記複数の開口部は、前記減量処理により微細に分解された処理対象物のみ通過可能な大きさを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項7】
前記減量処理は、前記処理槽の上方から加温した空気を吹き付けることで行われることを特徴とする請求項6に記載の処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−39540(P2013−39540A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179248(P2011−179248)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】