説明

出入口の門形枠体

【課題】 出入口のドア、引戸、又は折戸が装着される門形枠体であり、縦枠に車椅子が衝突してもキズ付いたり変形することがないようにした門形枠体の提供。
【解決手段】 門形枠体1を構成する縦枠5の下端部を段差を形成して細くし、この細くした下端部にウレタン系樹脂から成る緩衝層7を型にて一体成形することで被覆し、そして、被覆した緩衝層7の表面は太く成っている縦枠面と同一面としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はドア又は引戸などが装着される出入口を構成する門形枠体、特に門形枠体の縦枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
部屋の出入口には開閉するドア又は引戸が装着されるが、出入口を形成する開口に門形枠体が嵌って取付けられ、この門形枠体にドアや引戸が装着されるのが一般的である。図6は門形枠体(イ)に装着した引戸(ロ)を示している具体例であり、該門形枠体(イ)は部屋の側壁に設けた開口に嵌り、門形枠体(イ)の隣りには出入口を開口する場合に引戸(ロ)が収納される戸袋(ハ)を設けている。
【0003】
ところで、門形枠体(イ)は上枠(ニ)と縦枠(ホ)、(ホ)を枠組みして構成され、引戸(ロ)は上枠(ニ)に取着した上レール(図示なし)に吊設されてスライドすることが出来、出入口を開閉する。引戸(ロ)は僅かに傾斜した上レールに吊設されることで半自動開閉式と成っている為に、ハンドル(ヘ)を握って押し開いた引戸(ロ)は自動で閉鎖することが出来る。
【0004】
一般人がハンドル(ヘ)に手を掛けて引戸(ロ)を開く際には何ら問題はないが、車椅子に乗って引戸(ロ)を開く場合、車椅子が門形枠体(イ)の縦枠(ホ)に当り、その結果、該縦枠(ホ)がキズ付き、時には変形するといったことが発生する。キズ付いたり、変形した縦枠(ホ)を交換するには門形枠体(イ)を取外して、新たな門形枠体(イ)を取付けなくてはならず、その前に、上レールに吊設されている引戸(ロ)を取外さなくてはならない。
【0005】
従って、キズ付いた縦枠(ホ)の補修は大変な作業となり、しかも交換にはかなりの費用がかかる。そこで、従来では縦枠(ホ)の下端部に弾力性のあるシートを巻き付けて接着し、車椅子が縦枠(ホ)に衝突した場合でも該シートにて衝撃を吸収するようにし、縦枠(ホ)が直接キズ付いたり、変形することがないようにしている。しかし、衝撃を吸収する為のシートとなれば、ある程度の厚みが必要であり、その為に縦枠(ホ)の下端部表面にシートを巻き付けるならば、段差が生じて外観が損なわれるといった別の問題が発生する。又、巻き付けて接着材によって接着したシートは剥れやすい。
【0006】
縦枠(ホ)の下端部が段差を有して太くなるならば、枠体(イ)が取付けられる壁面との接合面に隙間が生じ、この隙間を無くす為には該壁面を構成するボード側端の寸法調整が必要であり、色々な面で据付け作業が面倒となる。勿論、巻き付けたシート上端に形成される段差にはチリや埃が堆積するといった事態も発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来の門形枠体には上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、縦枠下端部に段差を生じることなく縦枠全体が同一面になるように緩衝層を形成した門形枠体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る門形枠体は上枠の両端に縦枠を連結して構成し、ドア又は引戸などが装着される。ドアを装着する場合には縦枠に蝶番などの継手が取付けられ、又引戸を装着する場合であれば上枠に上レールが取付けられる。そして、縦枠の下端部は所定の厚みを有す緩衝層が設けられ、この緩衝層の表面は縦枠全体として同一面を形成している。
【0009】
その為に縦枠はその下端部が緩衝層の厚さ分だけ段差を有して細く成っており、緩衝層を設けることで縦枠表面は全体として面一と成る。ここで、縦枠本体下端部を段差を有して細くする為に、別部材とし細い縦枠を挿入すると共に溶接などで固定したり、又は下端部表面を切削して細くすることも可能である。さらには、金型に圧入して押出し成形することも可能である。一方、上記別部材として製作した細い縦枠の表面に緩衝層を設け、これを縦枠下端に取付ける場合もある。
【0010】
ここで、緩衝層の材質は平均分子量500〜4000のポリオールからなる主剤とポリイソシアネートからなる硬化剤を主成分として配合し、配合後の粘度が500〜1800mPa・s/25℃となるポリウレタン系樹脂が用いられる。そして、この樹脂を上記縦枠の下端部に配置した型に注入し、反応非発泡にて硬化させて成形される。ただし、上記型の具体的な構造は限定しないこととし、又緩衝層を構成するポリウレタン系樹脂の具体的な材質は限定しないことにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る門形枠体の下端部には緩衝層が設けられ、その為にドア又は引戸などを開く際に車椅子が該縦枠に衝突しても縦枠は表面の緩衝層によって保護される。従って、緩衝層にて被覆されている縦枠本体がキズ付くことはなく、勿論変形することもない。そして、該緩衝層は型に注入して縦枠に一体成形される為に、剥れることなく安定した緩衝層が形成される。すなわち、接着剤によって緩衝シートを接着して形成する場合に比較して安定する。
【0012】
そして、緩衝層の材質は平均分子量500〜4000のポリオールからなる主剤とポリイソシアネートからなる硬化剤を主成分として配合し、配合後の粘度が500〜1800mPa・s/25℃となるポリウレタン系樹脂を使用するならば、型への注入も容易であり、車椅子が衝突した際の大きな衝撃を弾性変形することで吸収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】下端部に緩衝層を形成した縦枠を有す引戸装置の正面図。
【図2】下端部に緩衝層を形成した縦枠を有すドア装置の正面図。
【図3】下端部に緩衝層を形成した縦枠を有す折戸装置の正面図。
【図4】緩衝層を形成した縦枠の実施例。
【図5】縦枠の下端部表面に緩衝層を成形する型。
【図6】従来の引戸装置の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は引戸装置を表す正面図であり、同図の1は門形枠体、2は引戸、3は戸袋をそれぞれ示している。上記門形枠体1は上枠4と2本の縦枠5,5にて構成され、この門形枠体1は部屋の出入口開口に嵌って取付けられている。そして、引戸2の上端両側には吊車(図示なし)が取着されており、この吊車は上枠4に固定した上レール(図示なし)に載って引戸2が吊設されている。そこで、吊車が転動することで引戸2はスライドして出入口は開閉することが出来る。
【0015】
引戸2がスライドして出入口が開口すれば、該引戸2は上記戸袋3に入って収納される。同図に示す引戸装置では上枠4に点検パネル6が取付けられており、上枠4に取着されている上レール及び上レールに載って引戸2を吊設する吊車をカバーしている。ところで、門形枠体1を構成している縦枠5,5の下端部表面には緩衝層7,7が設けられていて、車椅子が出入りする際に縦枠5に当ってもキズが付いたり、変形しないように成っている。
【0016】
図2はドア装置の正面図を示す実施例であり、(a)は天井との間に欄間パネル8を設けたドア装置、(b)は天井まで届く高さのドアを備えたドア装置である。同図の9は門形枠体、10はドアを表し、該ドア10は上記門形枠体9の縦枠11に蝶番やヒンジなどの継手を介して開閉可能に取付けられている。この門形枠体9も前記図1に示した引戸装置の場合と同じように、上枠12と両縦枠11,11が枠組みされて構成し、部屋の出入口開口に嵌って取付けられている。そして、この門形枠体9の上記縦枠11,11の下端部表面にも緩衝層7,7が設けられており、車椅子が出入りする際に衝突してもキズ付いたり、変形することはない。
【0017】
図3は折戸装置を示している正面図である。同図の13は門形枠体、14は折戸を表し、上記門形枠体13は上枠15と両縦枠16,16が枠組みして構成され、そして両縦枠16,16の下端部表面には同じく緩衝層7,7が設けられている。ここで、折戸14は門形枠体13に装着され、該折戸14は親ドア17と子ドア18が屈曲可能に連結し、子ドア18は門形枠体13の縦枠16に継手を介して連結されると共に、親ドア17の上端には吊車が取着され、この吊車は上枠15に固定された上レールに載って該親ドア17を吊設している。
【0018】
そこで、この折戸14の開閉操作はハンドルを握って手前に引張るならば、親ドア17と子ドア18は互いに折り畳まれて出入口は開口することが出来る。この場合、折畳み動作に伴って親ドア上端に取着している吊車は上レールに沿って移動することが出来る。そして、縦枠16,16の下端部表面には緩衝層7,7が設けられていることで、ハンドルを引いて折戸を開閉操作する場合に、車椅子が当ってもその衝撃は緩和されて縦枠16を守っている。
【0019】
図4は門形枠体1を構成する縦枠5の実施例である。この縦枠5は背面側が開口した概略長方形断面を有すスチール製の長尺材であるが、下端部表面には樹脂製の緩衝層7を有している。すなわち、下端部のみ表面に緩衝層7を形成している。縦枠5はスチール製の長尺材で構成され、下端部の太さを細くして樹脂製の緩衝層を表面に形成し、その結果、緩衝層7を形成していない他の部分の表面と同一面と成っている。すなわち、緩衝層7を形成することで段差を生じないようにしている。
【0020】
下端部を細くする方法は特に限定しないが、一般には金型に圧入して押出し加工することが出来る。勿論、表面を切削加工して表面層を削除することも可能である。そして、細くした下端部に弾力性に優れた樹脂で構成される緩衝層7が形成される。この緩衝層7は下端部を型に挿入すると共に該型との間に僅かな隙間を設け、この隙間に樹脂を注入し、その後、硬化させることで形成することが出来る。
【0021】
一方、別部材として細くした下端部を製作し、これを縦枠下端に接続・固定し、細くした下端部の表面に緩衝層7を形成することも可能である。この場合に細くした下端部を縦枠に取付ける前に緩衝層7を形成することも出来るが、接続方法としては縦枠内部空間に嵌る嵌入部材を細くした下端部に設け、この嵌入部材を縦枠内部に嵌入して溶接などで固定する。
【0022】
図5は縦枠5の下端部表面に緩衝層7を成形する型19を示している。型19の内部に縦枠5がセットされ、該縦枠5と型19の間には僅かな隙間20が形成されている。そして、型19の一方側には注入口21が設けられ、他方側には排気口22が設けられていて、樹脂は注入口21から注入されて上記隙間20を充填し、隙間20内の空気及び充填して余った樹脂は排気口22からはみ出すことが出来る。
【0023】
ところで、上記型19としては、シリコン樹脂や鉄やアルミのような金属が好適であり、厚みとしては3mm〜10mmのものが好適に用いられるが、特にこれに限定するものではなく、縦枠5に合わせて成形できるもので後述するウレタン系樹脂を注入して成形できるものであれば適宜使用可能である。そして、上記注入口21の口径は縦枠5の大きさにも左右されるが、直径4mm〜8mm程度が適している。同じく排気口22は直径2mm〜5mm程度が適している。
【0024】
本発明に緩衝層7を形成するウレタン系樹脂としては、例えば、平均分子量500〜4000のポリオールから成る主剤とポリイソシアネートからなる硬化剤を主成分として配合し、配合後の粘度が500〜1800mPa・s/25℃となる物が用いられる。上記ポリオールの平均分子量が500未満であると硬化後の表面が脆くなり、車椅子などが衝突した際に欠けてしまう。逆に4000より大きいと型19への注入が困難となる。又、上記粘度が500より低いと型19の細部より樹脂がはみ出してバリが発生する。逆に1800より大きいと樹脂が型内の細部に行き届かないことで均一な成形が困難と成る。
【0025】
そこで、上記ポリオールとしては、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、及びポリカーボネート系ポリオールから1種或いは複数、上記平均分子量を満たす範囲で使用可能である。ポリエステル系ポリオールとしては、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ジエチレンアジペート)、ポリ(プロピレンアジペート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチレンアジペート)、3−メチル−1、5−ペンタンジオールとアジピン酸からなるポリオール、それぞれのランダム共重合体、又はε−カプロラクトンを開環重合して得たカプロラクトンポリオール、β−メチル−δ−バレロラクトンをエチレングリコールで開環することにより得られたポリオールなどが挙げられる。
【0026】
上記ポリエーテル系ポリオールとしては、アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を活性水素化合物である多価アルコール(例えば、ジエチレングリコール)を開始剤として開環付加重合により与えられるもの、具体的にはポリポロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリピレンオキサイドとエチレンオキサイドとの共重合体などが挙げられる。
【0027】
ポリカーボネート系ポリオールとしては、従来公知のポリオール(多価アルコール)とホスゲン、クロル蟻酸エステル、ジアルキルカーボネート又はジアリルカーボネートとの縮合によって得られ、種々の分子量のものが知られている。このようなポリカーボネート系ポリオールとして特に好ましいものは、ポリオールとして1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、又は1,5−ペンタンジオールを使用した物が挙げられる。
【0028】
本発明におけるポリイソシアネートからなる硬化剤としては、例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物などが挙げられる。
ポリオール化合物としては特に限定されず、1級ポリオール、2級ポリオール、3級ポリオールの何れを用いてもよい。具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、2−エチル−1、3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、2−エチル−2−(ヒドロキンメチル)−1、3−プロパンジオールなどが挙げられる。
【0029】
ポリアミン化合物としては、ジアミン、トリアミン、テトラアミンなど、特に限定はされず、1級アミン、2級アミン、3級アミンの何れを用いることも出来る。具体的には、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族アミン、3,3−ジメチル−4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンなどの脂環族アミン、4−4−メチレンピス−2−クロロアニリン、2,2,3,3−テトラクロロ−4,4−ジアミノフェニルメタン、4,4−ジアミノフェルニルなどの芳香族アミン、2,4,6−トリル(ジメチルアミノメチル)フェノールなどが挙げられる。
【0030】
これらの硬化剤は1種のみを用いてもよいし、或いは複数種を併用してもよい。上記硬化剤の含有量はポリウレタン系樹脂の1〜10重量%、特に4〜8重量%が好適である。10重量%を越えると柔らかく成り過ぎ、1重量%より小さくなると、硬くなり過ぎる。本発明におけるウレタン系樹脂には、その他に各種添加剤を含有してもよい。具体的には可塑剤、難燃剤、充填剤、安定剤、着色剤などがある。
【0031】
可塑剤としては、例えばフタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジプチル(DBP)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、リン酸トリクレジン(TCP)、塩素系パラフィンなどが使用出来る。
難燃剤としては、トリス−(β−クロロプロピルホスフェート)、トリス−ジクロロプロピルホスフェート、トリスクロロエチルホスフェートなどの燐酸エステル類、ジプロムネオペチルグリコール、トリブロムネオペンチルアルコールなどのブロム化合物など使用出来る。
【0032】
上記充填剤は、例えばガラス繊維、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、ゼオライト、珪そう土、パーライト、パーミキュライト、二酸化チタンなどが使用される。
安定剤としては、従来より使用されている酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、加水分解防止剤などが利用出来る。そして酸化防止剤は、ラジカル連鎖禁止剤・過酸化物分解剤などとして作用し、前者には立体障害を持ったフェノール類や芳香族アミン類がある。
【0033】
ラジカル連鎖禁止剤としては、ブチル化ヒドロキシトルエン、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−tプチル−4ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、nオクタデシル−β−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−tプチルフェニル)プロピオネート、1,3,5トリス(4−tブチル−3ヒドロキシ−2,6ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、トリエチレングリコールビス3(2−tブチル−4ヒドロキシ5−メチルフェニル)プロピオネートなどが使用される。
【0034】
過酸化物分解剤としては、4,4チオビス(6−t−ブチル−mクレゾール)、ジラウリル−チオジプロピオネート、ジステアリルチオージプロピオネート、チオフェニルホスファイトなどが使用可能である。
【0035】
紫外線吸収剤としては、サリチル酸系のフェニルサリンシレート、P−t−ブチルフェニルサリシレート、ベンゾフェノン系の2,4−ジーヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール系の2(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、シアレアクリレート系のエチル−2−シアノ−3,5−ジフェニルアクリレート、2(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが使用可能である。
【0036】
UVスクリーンとして、カーボンブラック、亜鉛華などの顔料などが使用可能である。
光安定剤としては、ヒンダードアミンがある。ヒンダードアミンとしては2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、ポリ〔〔6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イノミ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イノミ〕〕、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−プチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)などが使用可能である。
【0037】
加水分解剤としては、カルボジイミド系のスタバクゾール−1、PCD(バイエル社)、ヘキサメチレンテトラアミン、アゾジカーボンアミド、4−t−ブチルカテコールなどが使用可能である。
【0038】
ところで、前記図5に示す縦枠5をシリコン樹脂で作成した型19に挿入し、間に2mmの隙間20を設けた。そして直径6mmの大きさを有す注入口21から上記ポリウレタン系樹脂を流し込み、上記隙間20に充填した。排気口22は直径4mmの大きさとした。上記ポリウレタン系樹脂の主成分に平均分子量が2000のポリエステル系ポリオールを含む主剤とポリイソシアネートからなる硬化剤と着色剤を50:50:1と成るように配合し、配合後の粘度が1000mPa・s/25℃(単一円筒型回転粘度計にて測定)となるポリウレタン系樹脂を流速10ml/秒にて厚み2mmとなるように型19に注入し、5分間保持した後で型19を撤去し、常温にて24時間養生し、前記図4に示す緩衝層7を形成した縦枠5を得ることが出来る。
【0039】
該緩衝層7は型19の形状を再現していることから、細部までウレタン系樹脂が入り込んでおり、型19からの漏れもなく成形される。そして、硬化後に30mm角で長さ400mmの鉄棒を20m/分のスピードで衝突させた場合に、緩衝層7に欠損は発生しない。従って、引戸やドアを開口して車椅子が通過する際に縦枠の下端部に衝突しても、緩衝層7が剥れたり、割れたりすることはない。
【符号の説明】
【0040】
1 門形枠体
2 引戸
3 戸袋
4 上枠
5 縦枠
6 点検パネル
7 緩衝層
8 欄間パネル
9 門形枠体
10 ドア
11 縦枠
12 上枠
13 門形枠体
14 折戸
15 上枠
16 縦枠
17 親ドア
18 子ドア
19 型
20 隙間
21 注入口
22 排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出入口のドア、引戸、又は折戸が装着される門形枠体において、該門形枠体を構成する縦枠の下端部を段差を形成して細くし、この細くした下端部にウレタン系樹脂から成る緩衝層を型にて一体成形することで被覆し、そして、被覆した緩衝層の表面は太く成っている縦枠面と同一面としたことを特徴とする出入口の門形枠体。
【請求項2】
上記縦枠の下端には別部材として製作した細い下端部を接続・固定して段差を形成し、この細くした下端部に緩衝層を成形した請求項1記載の出入口の門形枠体。
【請求項3】
出入口のドア、引戸、又は折戸が装着される門形枠体において、細い部材として別に製作した下端部表面にウレタン系樹脂から成る緩衝層を型にて一体成形することで被覆し、これを上記門形枠体を構成する縦枠の下端に接続・固定し、被覆した該下端部の緩衝層の表面は太く成っている縦枠面と同一面としたことを特徴とする出入口の門形枠体。
【請求項4】
上記ポリウレタン系樹脂として、平均分子量500〜4000のポリオールからなる主剤とポリイソシアネートからなる硬化剤を主成分として配合し、配合後の粘度が500〜1800mPa・s/25℃とした請求項1、請求項2、又は請求項3記載の出入口の門形枠体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−246898(P2011−246898A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118945(P2010−118945)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(593173840)株式会社トッパン・コスモ (243)
【出願人】(000105693)コマニー株式会社 (105)
【Fターム(参考)】