説明

出入管理システムおよび出入管理方法

【課題】管理領域内にいる異常滞留者を効率よく検出する。
【解決手段】出入管理システムは、ゲート監視装置10および監視制御サーバ50を有する。監視制御サーバ50は、第1領域および第2領域へ互いに通行するときの時刻情報を格納可能で、第2領域内に滞留する滞留予定時間を登録可能なデータベース55と、時刻情報および滞留予定時間に基づいて通行者が第2領域内に滞留している時間が滞留予定時間を超過しているか否かを判定する滞留予定時間超過判定手段53と、滞留予定時間を超過しているときに異常滞留者を特定する第1異常滞留者特定手段61と、通行者が滞留予定時間を経過しても第2領域に滞留しているときに、所定の時間間隔で出時刻を検出可能な周期通過確認手段57と、出時刻が検出されないときに、通行者を異常滞留者として特定する第2異常滞留者特定手段62と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出入管理システムおよび出入管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高度情報化に伴う企業内等におけるセキュリティ確保の重要性から、特定の建物あるいは部屋等に対する出入を厳しく管理する出入管理システムが種々に開発されている。特に原子力発電所、核燃料加工施設、放射性物質の再処理施設等の原子力施設、あるいは、企業、銀行、官庁等の建物においては、異常発生の監視が益々重要になっている。
【0003】
このような出入管理システムは、中央処理制御装置と端末処理装置が、通行者のIDカード等の読取りでゲート通過の管理を行ない、出入管理ゲートでの異常事象の監視を行なうものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−197734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の出入管理システムは、退出処置漏れ者等を検出するもので、1日に1度、異常滞留者の検出を行うように構成されるものが多い。このため、24時間以内に退出すると、作業が予定時間以上に行われることや、予定にない作業領域へ立ち入ることを監視することが困難になることがある。
【0006】
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、管理対象となる領域の出入りを監視し、当該領域内に異常に滞留する者(異常滞留者)を効率よく特定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る出入管理システムは、第1領域および第2領域を仕切る少なくとも1つの仕切壁に設けられて前記第1領域および第2領域を通行者が往復通行可能な少なくとも1つの出入管理ゲート付近に配置されたゲート監視装置と、前記ゲート監視装置に互いに通信可能な監視制御サーバと、を有し、前記出入管理ゲートを通行者が通過する状況を監視可能な出入監視システムにおいて、前記ゲート監視装置は、前記通行者が前記出入管理ゲートを前記第1領域から前記第2領域へ通過する時刻を入時刻として検出する手段と、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域へ通過しようとするときの時刻を出時刻として検出する手段と、を備えた出入時刻検出手段と、前記出入時刻検出手段で検出された前記入時刻および出時刻を含む時刻情報を、前記監視制御サーバへ送信可能な送信手段と、を有し、前記監視制御サーバは、前記送信手段から送信された前記時刻情報を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した前記時刻情報を格納可能で、前記通行者が前記第2領域内に滞留する滞留予定時間を登録可能なデータベースと、前記時刻情報および前記滞留予定時間に基づいて、前記通行者が前記第2領域内に滞留している時間が、前記滞留予定時間を超過しているか否かを判定する滞留予定時間超過判定手段と、前記滞留予定時間超過判定手段で前記滞留予定時間を超過していると判定されたときに、前記通行者を異常滞留者として特定する第1異常滞留者特定手段と、前記通行者が前記滞留予定時間を経過しても前記第2領域に滞留しているときに、所定の時間間隔で前記通行者が前記出入管理ゲートを通過したことを確認可能な周期通過確認手段と、前記周期通過確認手段で、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域に向かって前記出入管理ゲートを通過したことが確認されないときに、前記通行者を異常滞留者として特定する第2異常滞留者特定手段と、前記第1異常滞留者特定手段および第2異常滞留者特定手段のうち、少なくとも一方で前記異常滞留者が特定されたときに、前記異常滞留者がいる旨を出力するように構成された異常滞留者情報出力手段と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る出入管理システムは、第1領域および第2領域を仕切る少なくとも1つの仕切壁に設けられて前記第1領域および第2領域を通行者が往復通行可能な少なくとも1つの出入管理ゲート付近に配置されたゲート監視装置と、前記ゲート監視装置に互いに通信可能な監視制御サーバと、前記通行者が携帯可能な携帯端末と、を有し、前記出入管理ゲートを通行者が通過する状況を監視可能な出入監視システムにおいて、前記携帯端末は、前記通行者が前記出入管理ゲートを前記第1領域から前記第2領域に向かって通過するときの時刻を入時刻として登録可能で、且つ、前記通行者が前記第2領域内に滞留する滞留予定時間を登録可能で、前記ゲート監視装置は、前記通行者の個人情報、前記滞留予定時間、および前記入時刻を、前記携帯端末と互いに送受信可能な携帯端末送受信手段と、前記携帯端末送受信手段に互いに送受信可能で、前記通行者が前記出入管理ゲートを前記第1領域から前記第2領域へ通過する時刻を前記入時刻として検出する手段と、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域へ通過しようとするときの時刻を出時刻として検出する手段と、を有する出入時刻検出手段と、前記出入時刻検出手段で検出された前記入時刻および前記出時刻を含む時刻情報と、前記滞留予定時間と、に基づいて、前記通行者が前記第2領域内に滞留している時間が、前記滞留予定時間を超過しているか否かを判定する滞留予定時間超過判定手段と、前記滞留予定時間超過判定手段で前記滞留予定時間を超過していると判定されたときに前記通行者を異常滞留者として特定して、前記異常滞留者の存在情報を前記監視制御サーバへ送信可能で、且つ、前記時刻情報を前記監視制御サーバへ送信可能な送信手段と、を有し、前記監視制御サーバは、前記送信手段から送信された前記存在情報および前記時刻情報を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した前記存在情報および前記時刻情報を格納可能なデータベースと、前記受信手段が、前記通行者が前記滞留予定時間を経過した後に前記出時刻を受信しないときに、所定の時間間隔で前記通行者が前記出入管理ゲートを通過したことを確認可能な周期通過確認手段と、前記周期通過確認手段で、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域に向かって前記出入管理ゲートを通過しようとしたことが確認されないときに、前記通行者を異常滞留者として特定する異常滞留者特定手段と、前記存在情報を受信したとき、および、前記異常滞留者特定手段で前記異常滞留者が特定されたとき、のうち少なくとも一方で前記異常滞留者がいる旨を出力するように構成された異常滞留者情報出力手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る出入管理方法は、第1領域および第2領域を仕切る仕切壁に設けられ出入管理ゲートの通行者の通過を管理する出入管理方法において、前記通行者が前記第2領域内に滞留する滞留予定時間を登録する滞留予定時間登録工程と、前記通行者が前記出入管理ゲートを前記第1領域から前記第2領域へ通過する入時刻を検出する入時刻検出工程と、前記入時刻検出工程の後に、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域へ通過するときの出時刻を検出する出時刻検出工程と、前記出時刻検出工程の前で前記入時刻検出工程の後に、前記入時刻を含む時刻情報および前記滞留予定時間に基づいて、前記通行者が前記第2領域内に滞留している時間が、前記滞留予定時間を超過しているか否かを判定する滞留予定時間超過判定工程と、前記滞留予定時間超過判定工程の後に、前記滞留予定時間を超過していると判定されたときに前記通行者を異常滞留者として特定する第1異常滞留者特定工程と、前記滞留予定時間超過判定工程の後に、前記通行者が前記滞留予定時間を経過しても前記第2領域に滞留しているときに、所定の時間間隔で前記通行者が前記出入管理ゲートを通過したことを確認する周期通過確認工程と、前記滞留予定時間超過判定工程の後に、前記周期通過確認工程で前記通行者が前記第2領域から前記第1領域に向かって前記出入管理ゲートを通過しようとしたことが検出されないときに、前記通行者を異常滞留者として特定する第2異常滞留者特定工程と、前記第1異常滞留者特定工程および第2異常滞留者特定工程のうち、少なくとも一方で前記異常滞留者が特定されたときに、前記異常滞留者がいる旨を出力するように構成された異常滞留者情報出力工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、管理対象となる領域の出入りを監視し、当該領域内の異常滞留者を効率よく特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の出入管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1のゲート監視装置および監視制御サーバ等の構成を示すブロック図である。
【図3】図2のデータベースの構成の一部を示すデータテーブルである。
【図4】図1の出入管理システムを用いて異常滞留者を検出する手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係る第2の実施形態の出入管理システムの構成を示すブロック図である。
【図6】図5の第1ゲート監視装置および監視制御サーバ等の構成を示すブロック図である。
【図7】図6のデータベースの構成の一部を示すデータテーブルで、第1出入管理ゲート、第2A出入管理ゲートおよび第3A出入管理ゲートそれぞれの入方向時刻および出方向時刻が格納された状態を示している。
【図8】図6のデータベースの構成の一部を示すデータテーブルで、第2〜第4領域それぞれの滞留予定時間が登録された状態を示している。
【図9】本発明に係る第3の実施形態の出入管理システムのデータベースの構成の一部を示すデータテーブルで、作業種別毎の第2〜第4領域それぞれの滞留予定時間が登録されている状態を示している。
【図10】図9の実施形態のデータベースの構成の一部を示すデータテーブルで、各作業者が第2〜第4領域それぞれに滞留した時間が格納された状態を示している。
【図11】本発明に係る第4の実施形態の出入管理システムの第1ゲート監視装置および監視制御サーバ等の構成を示すブロック図である。
【図12】図11のデータベースの構成の一部を示すデータテーブルである。
【図13】本発明に係る第5の実施形態の出入管理システムのゲート監視装置および監視制御サーバ等の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
本発明に係る第1の実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。図1は、本実施形態の出入管理システムの構成を示すブロック図である。図2は、図1のゲート監視装置10および監視制御サーバ50等の構成を示すブロック図である。図3は、図2のデータベース55の構成の一部を示すデータテーブルである。図4は、図1の出入管理システムを用いて、異常滞留者を検出する手順を示すフローチャートである。
【0014】
先ず、本実施形態の出入管理システムの構成について説明する。
【0015】
この出入管理システムは、図1に示すように、仕切壁110によって仕切られた第1領域101および第2領域102を通行する通行者の滞留時間等を管理可能なシステムである。この出入管理システムは、仕切壁110に設けられた出入管理ゲート90付近に配置されたゲート監視装置10と、このゲート監視装置10に互いに通信可能な監視制御サーバ50と、通行者が携帯可能な携帯端末と、を有する。ここで、本実施形態の携帯端末は、IDカード70を用いている。
【0016】
第1領域101は、通行者が自由に滞留することができる領域、例えば、建物の外等である。第2領域102は、通行者の出入りが管理される管理領域である。仕切壁110は、第1領域101および第2領域102を仕切るものである。この仕切壁110には、通行者が通行することができる出入管理ゲート90が設けられている。
【0017】
ゲート監視装置10は、管理対象となる出入管理ゲート90の付近の仕切壁110に取り付けられている。このゲート監視装置10は、個人情報読取手段15と、出入時刻検出手段16と、送信手段17と、を有する(図2)。
【0018】
個人情報読取手段15は、通行者が携帯するIDカード70に記録(登録)されている氏名等の個人情報を読み取る機能を備えている。
【0019】
出入時刻検出手段16は、通行者が出入管理ゲート90を第1領域101から第2領域102へ通過する入時刻と、通行者が第2領域102から第1領域101へ通過するときの出時刻と、を検知する機能を備えた装置である。この出入時刻検出手段16は、通行者が出入管理ゲート90を出入りしようとして、IDカード70の個人情報を個人情報読取手段15に読み取らせたときの時刻を、入時刻または出時刻として検出する。このとき、第1領域101から第2領域102への移動は、入室する方向(入方向)として、第2領域102から第1領域101への移動を退室する方向(出方向)としている。
【0020】
送信手段17は、出入管理ゲート90を通行しようとする通行者の名前等の個人情報と、出入時刻検出手段16で検出した入時刻および出時刻を含む時刻情報とを、監視制御サーバ50へ送信する機能を有している。
【0021】
監視制御サーバ50は、上述したようにゲート監視装置10に互いに通信可能で、出入管理ゲート90等から離れた場所、例えば監視室等に配置されている。この監視制御サーバ50は、図2に示すように、受信手段51と、データベース55と、制御部80と、異常滞留者情報出力手段65と、を有する。制御部80は、滞留予定時間超過判定手段53と、第1異常滞留者特定手段61と、第2異常滞留者特定手段62と、周期通過確認手段57と、を有する。
【0022】
受信手段51は、送信手段17から送信された個人情報および時刻情報を受信する機能を備えている。
【0023】
データベース55は、受信手段51で受信した個人情報および時刻情報を格納可能で、且つ、通行者が第2領域102内に滞留する滞留予定時間および当該通行者の氏名等の個人情報を登録可能である。このデータベース55は、監視制御サーバ50とは別体のキーボード等の入力手段75より、書込みおよび書換え可能に構成されている。
【0024】
このデータベース55は、例えば、図3に示すように、出入管理ゲート90を通行して第2領域102で作業する通行者、すなわち第2領域102で作業する作業者の個人情報と、入時刻および出時刻等の時刻情報とが登録される。この図の例では、作業者MAの第2領域(管理領域)102に入室する入時刻と、第2領域(管理領域)102から退室する出時刻とが、図3における作業者MAの欄に格納される。ここで、入時刻および出時刻は、年月日および時刻が登録される。
【0025】
出時刻が格納されたときに、作業者MAが実際に第2領域102に滞留した滞留時間が計算されて、当該計算結果が登録される。当該滞留時間の最小単位は「分」である。これらとは別に、作業者MAが第2領域102に滞留する滞留予定時間が予め登録されている。当該滞留予定時間の最小単位を「分」としている。
【0026】
時刻情報を含む時間に関する情報について、複数の作業者、図3における作業者MA、作業者MB、作業者MC、作業者Mx等についてそれぞれ格納および登録される。
【0027】
滞留予定時間超過判定手段53は、データベース55に格納された時刻情報およびデータベース55に登録された滞留予定時間に基づいて、通行者が第2領域102内に滞留している時間が、滞留予定時間を超過しているか否かを判定する機能を備えている。この例では、入時刻と現在時刻との差分を計算して、滞留予定時間よりも短いか否かを判定する。なお、判定するための計算方法はこれに限られない。
【0028】
第1異常滞留者特定手段61は、滞留予定時間超過判定手段53で滞留予定時間を超過していると判定されたときに、すなわち、入時刻と現在時刻との差分の計算結果が、滞留予定時間よりも長いと判定されたときに、当該通行者を異常滞留者として特定する機能を有する。ここで、第1異常滞留者特定手段61は、異常滞留者を特定したときに、その旨を異常滞留者情報出力手段65へ送信する機能を備えている。
【0029】
周期通過確認手段57は、通行者が滞留予定時間を経過しても第2領域102に滞留しているときに、所定の時間間隔で通行者が出入管理ゲート90を通過したことを確認する機能を備えている。ここで、通行者が滞留予定時間を経過しても第2領域102に滞留しているときとは、通行者が滞留予定時間を経過しても出入時刻検出手段16が出時刻を検出しないときのことである。所定の時間間隔で出時刻を検出する手順については後で説明する。
【0030】
第2異常滞留者特定手段62は、通行者が第2領域102から第1領域101に向かって出入管理ゲート90を通過したことが、周期通過確認手段57で確認されないときに、当該通行者を異常滞留者として特定する機能を備えている。ここで、第2異常滞留者特定手段62は、第1異常滞留者特定手段61と同様に、異常滞留者を特定したときに、その旨を異常滞留者情報出力手段65へ送信する機能を備えている。
【0031】
異常滞留者情報出力手段65は、第1異常滞留者特定手段61から異常滞留者が第2領域102内にいる旨を含む情報を受信したときに、その旨を出力装置77に出力する機能を備えている。また、異常滞留者情報出力手段65は、第2異常滞留者特定手段62から異常滞留者が第2領域102内にいる旨を含む情報を受信したときも、同様に出力することができる。この異常滞留者情報出力手段65は、第1および第2異常滞留者特定手段61、62のうち、少なくとも一方からら異常滞留者が第2領域102内にいる旨を含む情報を受信したときに、その旨を出力装置77に出力できる。ここで、出力装置77は、異常滞留者がいることを音声出力する警報装置や、文字情報を出力するディスプレイ等を含む。
【0032】
続いて、本実施形態の出入管理システムを用いて異常滞留者を特定して、異常滞留者がいることを知らせる手順について、図4のフローチャート等を用いて説明する。
【0033】
先ず、通行者(第2領域102で作業する作業者)が第2領域102内に滞留する滞留予定時間、例えば第2領域102内で作業する予定時間を監視制御サーバ50のデータベース55に登録する(ステップS01)。
【0034】
以下、通行者が第1領域101から第2領域102へ移動(入室)して、所定の作業を行った後に、第2領域102から第1領域101へ移動(退室)する場合について説明する。
【0035】
通行者が出入管理ゲート90を第1領域101から第2領域102へ通過する時刻、すなわち入室する時刻を検出する(ステップS02)。このときゲート監視装置10は、通行者が携帯するIDカード70の個人情報を読み取って、当該情報を読み取った時刻を入時刻として検出している。
【0036】
この後、出入管理システムは、通行者が第2領域102から第1領域101に向かって移動、すなわち第2領域102を退室するまで管理する。すなわち、ゲート監視装置10が出時刻を検出するまで管理する(ステップS03)。
【0037】
ゲート監視装置10が出時刻を検出したときに、滞留予定時間を超過したか否かを判定する(ステップS04)。この例では、上述したように、入時刻と現在時刻との差分の計算結果と、滞留予定時間と、を比較する。ここで、滞留予定時間以内であるときは、正常と判定されて、出入管理システムによる通行者の管理が終了する(ステップS10)。
【0038】
ゲート監視装置10が出時刻を検出しないときは、滞留予定時間を超過したか否かを判定する(ステップS05)。ここで、滞留予定時間以内のときは、出時刻を検出可能な状態を維持する。滞留予定時間を超過しているときは、第2領域102に異常滞留者が存在する旨を出力する(ステップS06)。このとき、警報等で当該情報を出力する。
【0039】
この後に、所定の時間間隔で出時刻を検出するかどうかを確認する。
【0040】
先ず、所定の時間(例えば1分)が経過したか否かを確認する(ステップS07)。ここで1分を経過するまでは、当該確認作業(ステップS07)を継続する。1分を経過したときは、ゲート監視装置10が出時刻を検出したか否かを確認する(ステップS08)。ここで、出時刻を検出したときは、異常滞留者がいることを出力した状態を保持して、当該通行者の出入状況の管理を終了する(ステップS10)。
【0041】
出時刻を検出していないときは、さらに、異常滞留者がいる旨を出力する(ステップS09)。この後に、1分を経過したか否かを確認して、1分経過後に出時刻を検出したか否かを確認する(ステップS08)。ここで出時刻を検出しないときには、再び、異常滞留者がいる旨を出力する(ステップS09)。
【0042】
当該システムは、出時刻を検出するまで1分毎に異常滞留者がいる旨を出力し続ける。これにより、異常滞留者の存在を施設管理者等に複数回伝達できる。これにより、異常滞留者を検出する精度が向上する。
【0043】
以上の説明からわかるように、本実施形態によれば、第2領域(管理領域)102内にいる異常滞留者を効率よく特定することが可能になる。
【0044】
[第2の実施形態]
本発明に係る第2の実施形態について、図5〜図8を用いて説明する。図5は、本実施形態の出入管理システムの構成を示すブロック図である。図6は、図5の第1ゲート監視装置11および監視制御サーバ50等の構成を示すブロック図である。図7は、図6のデータベース55の構成の一部を示すデータテーブルで、第1出入管理ゲート91、第2A出入管理ゲート92aおよび第3A出入管理ゲート93aそれぞれの入方向時刻および出方向時刻が格納された状態を示している。図8は、図6のデータベース55の構成の一部を示すデータテーブルで、第2〜第4領域102〜104それぞれの滞留予定時間が登録された状態を示している。
【0045】
なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態(図1〜図4)と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0046】
本実施形態の出入管理システムは、複数の領域を通過する場合において、各領域それぞれの内部の異常滞留者を特定可能なシステムである。
【0047】
本実施形態の出入管理システムが管理する建物は、図5に示すように、管理外の第1領域101と、通行や滞留が管理される3つの管理領域、すなわち、第2領域102、第3領域103、および第4領域104を有する。この例では、第2領域102は第3領域103を取り囲むように形成されて、第3領域103は第4領域104を取り囲むように形成される。
【0048】
第1領域101は、第1の実施形態(図1)と同様に、管理外の領域で、通行者が自由に滞留可能な領域である。第2領域102は、第1の実施形態(図1)と同様に、1つの出入管理ゲート、この例では第1出入管理ゲート91が設けられて、当該ゲートの通行が管理される。
【0049】
第3領域103および第4領域104は、第1の実施形態で説明した第2領域102よりも、よりセキュリティレベルが高い領域である。
【0050】
第1領域101および第2領域102を仕切る第1仕切壁111には、第1出入管理ゲート91が設けられている。この第1出入管理ゲート91付近の第1仕切壁111には、第1ゲート監視装置11が取り付けられている。
【0051】
第2領域102および第3領域103を仕切る第2仕切壁112には、2つのゲート、すなわち第2A出入管理ゲート92aおよび第2B出入管理ゲート92bが設けられている。第2A出入管理ゲート92a付近の第2仕切壁112には第2Aゲート監視装置12aが取り付けられて、第2B出入管理ゲート92b付近の第2仕切壁112には第2Bゲート監視装置12bが取り付けられている。
【0052】
同様に、第3領域103および第4領域104を仕切る第3仕切壁113には、2つのゲート、すなわち第3A出入管理ゲート93aおよび第3B出入管理ゲート93bが設けられている。第3A出入管理ゲート93a付近の第3仕切壁113には第3Aゲート監視装置13aが取り付けられて、第3B出入管理ゲート93b付近の第3仕切壁113には第3Bゲート監視装置13bが取り付けられている。
【0053】
第1ゲート監視装置11、第2Aゲート監視装置12a、第2Bゲート監視装置12b、第3Aゲート監視装置13a、および第3Bゲート監視装置13bは、それぞれ監視制御サーバ50に互いに通信可能に接続されている。当該監視制御サーバ50は、管理する建屋とは別の場所に配置されている。
【0054】
第1ゲート監視装置11(図6)は、第1の実施形態で説明したゲート監視装置10(図2)とほぼ同じ構成で、個人情報読取手段15と、出入時刻検出手段16と、送信手段17と、を有する。
【0055】
個人情報読取手段15は、第1の実施形態と同様に機能する。
【0056】
出入時刻検出手段16は、通行者が出入管理ゲートを第1領域101から第2領域102へ通過する入方向時刻と、通行者が第2領域102から第1領域101へ通過するときの出方向時刻と、を検知する機能を備えた装置である。このとき、第1領域101から第4領域104へ、すなわち、建屋の内部に向かう方向を入方向として、第4領域104から第1領域101へ向かう方向を出方向としている。後述する他のゲート監視装置についても入方向および出方向は、同じものとする。
【0057】
送信手段17は、通行者の個人情報および時刻情報を監視制御サーバ50へ送信する機能を有している。このときの時刻情報は、出入時刻検出手段16で検出した入方向時刻および出方向時刻を含む。
【0058】
他のゲート監視装置、すなわち、第2Aゲート監視装置12a、第2Bゲート監視装置12b、第3Aゲート監視装置13a、および第3Bゲート監視装置13bは、第1ゲート監視装置11と同様に構成されている。
【0059】
監視制御サーバ50は、第1の実施形態とほぼ同じ構成で、受信手段51と、データベース55と、制御部80と、異常滞留者情報出力手段65と、を有する。制御部80は、滞留予定時間超過判定手段53と、第1異常滞留者特定手段61と、第2異常滞留者特定手段62と、周期通過確認手段57と、を有する。
【0060】
受信手段51は、時刻情報を受信する機能を備えている。
【0061】
データベース55は、受信手段51で受信した時刻情報、すなわち、各出入管理ゲート91〜93bそれぞれを通行者が通行したときに検出される入方向時刻および出方向時刻を格納可能である。図7では、作業者MAが通行した第1出入管理ゲート91、第2A出入管理ゲート92a、および第3A出入管理ゲート93aそれぞれの各通過時刻が格納されている。ここで、第2B出入管理ゲート92bおよび第3B出入管理ゲート93bは、通行者である作業者MAが通行していないため、図示を省略している。
【0062】
また、通行者(作業者MA)が、第2領域102、第3領域103、および第4領域104それぞれに滞留する予定の時間、すなわち、第2領域滞留予定時間、第3領域滞留予定時間、および第4領域滞留予定時間を登録可能である(図8)。
【0063】
各管理領域102〜104で異常滞留者を検出する手順は、第1の実施形態と同様に行う。
【0064】
図8の例では、第4領域104のみで長時間作業するような作業種別である。この場合の作業者は、第2領域102および第3領域103を通り抜けるだけでよい。このため、第2領域滞留予定時間および第3領域滞留予定時間を、通り抜けるのに必要な時間としてそれぞれ5分に設定して、第4領域104滞留予定時間を作業予定時間として2時間に設定している。このように設定することで、作業者が第2および第3領域102、103に長時間滞留したときに、異常滞留者として特定される。
【0065】
このとき、異常滞留者情報出力手段65は、警報等で異常滞留者がいることを知らせると共に、各ゲート監視装置に設けられたゲート制御手段(図示せず)に対して、ゲートをロックするように指令してもよい。
【0066】
以上の説明からわかるように、本実施形態によれば、作業者が予定した作業以外のことを行うことを抑制することができる。また、管理する領域を複数有する建屋についても、第1の実施形態と同様に、管理領域102〜104にいる異常滞留者の特定精度を向上させることができる。
【0067】
[第3の実施形態]
本発明に係る第3の実施形態について、図9および図10を用いて説明する。図9は、本実施形態の出入管理システムのデータベース55の構成の一部を示すデータテーブルで、作業種別毎の第2〜第4領域102〜104それぞれの滞留予定時間が登録されている状態を示している。図10は、本実施形態のデータベース55の構成の一部を示すデータテーブルで、各作業者が第2〜第4領域102〜104それぞれに滞留した時間が格納された状態を示している。
【0068】
なお、本実施形態は、第2の実施形態の変形例であって、第2の実施形態(図5〜図8)と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0069】
本実施形態のデータベース55は、作業種別毎に滞留予定時間を登録可能である(図9)。この例では、3つの作業種別、すなわち、作業種別WA、作業種別WB、および作業種別WC、それぞれにおける第2〜第4領域102〜104の滞留予定時間が登録されている。
【0070】
作業種別WAは、第2〜第4領域102〜104それぞれで同じような作業を行うような作業種別で、第2〜第4滞留予定時間が全て1時間に登録されている。作業種別WBは、各管理領域での滞留予定時間が30分に登録されている。
【0071】
また、作業種別WCは、第2の実施形態で説明した作業と同様で、第2および第3領域102、103は通り抜けるのみなので、第2および第3領域102、103の滞留予定時間をそれぞれ5分に登録されて、長時間の作業を行う第4領域104の滞留予定時間は、2時間に登録されている。
【0072】
図10に示すように、本実施形態では、作業者MAが作業種別WAを行うように設定されている。このとき、作業者MAが各出入管理ゲートを通行する時刻を検出して、第2〜第4領域102〜104に滞留する時間を算出する。このときに、予め登録されている作業種別WAの滞留予定時間を超過しているか否かを判定して、超過しているときに作業者MAを異常検出者として特定する。作業者MBについても同様に管理する。
【0073】
作業者MCは、作業種別WCの滞留予定時間に基づいて、作業者MCが異常滞留者であるか否かを判定する。
【0074】
以上の説明からわかるように、本実施形態によれば、予め作業種別毎に第2〜第4領域102〜104に滞留する滞留予定時間を登録しておくことで、各作業者が異常滞留者であるか否かを管理しやすくなる。これにより、管理領域にいる異常滞留者を特定する精度を向上させることができる。
【0075】
[第4の実施形態]
本発明に係る第4の実施形態について、図11および図12を用いて説明する。図11は、本実施形態の出入管理システムの第1ゲート監視装置11および監視制御サーバ50の構成を示すブロック図である。図12は、図11のデータベース55の構成の一部を示すデータテーブルである。
【0076】
なお、本実施形態は、第2の実施形態の変形例であって、第2の実施形態(図5〜図8)と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0077】
本実施形態の出入管理システムは、第2の実施形態と同様に、複数の領域を通過する場合において、各領域それぞれの内部の異常滞留者を特定可能なシステムである。また、当該出入管理システムは、各ゲートをどのような順序で通過するかを管理可能なシステムである。
【0078】
本実施形態の第1ゲート監視装置11の出入時刻検出手段16および送信手段17は、通行者が第1出入管理ゲート91を通行したときに、通行者が通行したゲート情報、すなわち通行したゲートが「第1出入管理ゲート91」であることを示す情報を、時刻情報と共に監視制御サーバ50の受信手段51に送信する機能を有している(図11)。
【0079】
他のゲート監視装置、すなわち、第2Aゲート監視装置12a、第2Bゲート監視装置12b、第3Aゲート監視装置13a、および第3Bゲート監視装置13bは、第1ゲート監視装置11と同様に構成されている。
【0080】
一方、監視制御サーバ50のデータベース55は、第2の実施形態と同様に時刻情報を格納可能である。さらに、当該データベース55は、通行者が第1領域101から、目的地の管理領域となる第4領域104まで移動して作業終了後に第4領域104から第1領域101まで移動する間に、通行する出入管理ゲートの順番、すなわち、通過順序情報を予め登録することが可能である(図12)。
【0081】
図12の例では、作業者が第1領域101から第4領域104に移動するときに、第1出入管理ゲート91、第2A出入管理ゲート92a、第3A出入管理ゲート93aの順に通行するように登録される。第4領域104で所定の作業が完了した後に、第3A出入管理ゲート93a、第2A出入管理ゲート92a、第1出入管理ゲート91の順に通行するように登録される。
【0082】
また、監視制御サーバ50は、ゲート通過順序判定手段67と、第3異常滞留者特定手段63と、を有する。ゲート通過順序判定手段67(図11)は、データベース55に格納されたゲート情報が、予め登録された通過順序情報と同じか否かを判定する機能を備えている。第3異常滞留者特定手段63は、ゲート通過順序判定手段67で登録された通過順序の通りに各出入管理ゲートを通行しようとしていないと判定されたときに、当該通行者を異常滞留者として特定する機能を備えている。
【0083】
図12のように登録されている作業者が登録した順の通りに通行しないとき、例えば、第1出入管理ゲート91を通行した後に、第2A出入管理ゲート92aを通らずに第2B出入管理ゲート92bを通行しようとしたときに、当該作業者が異常滞留者として特定される例を説明する。
【0084】
作業者がIDカード70を第2Bゲート監視装置12bに読み込ませると、第2Bゲート監視装置12bは、作業者のゲート情報、すなわち通行しようとする出入管理ゲートが第2B出入管理ゲート92bであることを、時刻情報と共に受信手段51に送信する。
【0085】
これらの情報を受信した受信手段51は、当該情報をデータベース55に格納する。
【0086】
ゲート通過順序判定手段67は、格納されたゲート情報が通過順序情報と同じか否かを判定する。この例では、ゲート通過順序判定手段67は、格納されたゲート情報および登録された通過順序情報は、異なるものであると判定して、その旨を第3異常滞留者出力装置77に送信する。このとき、第3異常滞留者特定手段63は、通行者を異常滞留者として特定し、その旨を異常滞留者情報出力手段65へ送信する。
【0087】
異常滞留者情報出力手段65は、警報等で異常滞留者がいることを知らせると共に、第2Bゲート監視装置12bのゲート制御手段(図示せず)に対して、ゲートをロックするように指令する。
【0088】
以上の手順で、登録された通過順序情報の通りに各出入管理ゲートを通行しない通行者は、異常滞留者として特定される。これにより、第2の実施形態に比べて、異常滞留者を特定する精度が向上する。
【0089】
[第5の実施形態]
本発明に係る第5の実施形態について、図13を用いて説明する。図13は、本実施形態の出入管理システムのゲート監視装置10および監視制御サーバ50等の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態(図1〜図4)と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0090】
本実施携帯のIDカード70は、通行者の氏名等の個人情報と、通行者が第2領域102内に滞留する滞留予定時間と、を登録可能である。また、このIDカード70は、後述する個人情報等送受信手段15aを介して出入時刻検出手段16から送信された時刻情報等を、一時的に保存可能である。
【0091】
ゲート監視装置10は、個人情報等送受信手段15aと、出入時刻検出手段16と、滞留予定時間超過判定手段53と、送信手段17と、を有する。
【0092】
個人情報等送受信手段15aは、通行者が携帯するIDカード70に記録(登録)されている個人情報と、第2領域102に滞留する滞留予定時間と、を受信する機能を備えている。さらに、個人情報等送受信手段15aは、出入時刻検出手段16から送信された入時刻等を含む時刻情報を、IDカード70へ送信する機能を備えている。
【0093】
出入時刻検出手段16は、通行者が出入管理ゲート90を第1領域101から第2領域102へ通過するときに個人情報等送受信手段15aが個人情報および滞留予定時間を受信したときの時刻を入時刻として検出する機能を有する。さらに、この出入時刻検出手段16は、当該通行者が第2領域102から第1領域101へ通過しようとするときの時刻を出時刻として検出する機能を有する。
【0094】
また、この出入時刻検出手段16は、入時刻を検出したときに、当該入時刻を個人情報等送受信手段15aに送信するように構成されている。当該入時刻は、個人情報等送受信手段15aからIDカード70へ送信されて、IDカード70に一時的に保存される。当該入時刻は、第1の実施形態と同様に、監視制御サーバ50にも送信される。
【0095】
当該通行者が第2領域102から第1領域101に向かって出入管理ゲート90を通過しようとするとき、すなわち、管理領域から出ようとするときに、個人情報等送受信手段15aは、IDカード70から、個人情報、滞留予定時間および入時刻を受信する。さらに、個人情報等送受信手段15aは、このときの現在時刻の情報を出入時刻検出手段16へ送信する。
【0096】
個人情報等送受信手段15aは、当該現在時刻、個人情報、滞留予定時間、および入時刻を、出入時刻検出手段16へ送信する。出入時刻検出手段16は、当該現在時刻を出時刻として検出する。
【0097】
出入時刻検出手段16は、出時刻、入時刻、滞留予定時間、および個人情報等を、滞留予定時間超過判定手段53へ送信する。
【0098】
滞留予定時間超過判定手段53は、入時刻、出時刻、および滞留予定時間に基づいて、通行者が第2領域102内に滞留している時間が、滞留予定時間を超過しているか否かを判定する。この滞留予定時間超過判定手段53は、第1の実施形態で説明した監視制御サーバ50内にあるものと同じように、入時刻と現在時刻との差分を計算して、当該計算結果が滞留予定時間を越えているか否かを判定する。さらに、本実施形態の滞留予定時間超過判定手段53は、滞留予定時間を超過していると判定されたときに、通行者を異常滞留者として特定する機能を含んでいる。
【0099】
送信手段17は、第1の実施形態と同様に、個人情報および時刻情報を監視制御サーバ50へ送信する。さらに、この送信手段17は、異常滞留者の存在情報を監視制御サーバ50へ送信する機能を有する。
【0100】
監視制御サーバ50は、受信手段51と、データベース55と、制御部80と、異常滞留者情報出力手段65と、を有する。制御部80は、周期通過検出手段57と、異常滞留者特定手段60と、を有する。
【0101】
受信手段51は、送信手段17から送信された存在情報および時刻情報を受信する。データベース55は、受信手段51で受信した存在情報および時刻情報を格納可能である。
【0102】
周期通過確認手段57は、第1の実施形態と同様に、受信手段51が、通行者が滞留予定時間を経過した後に出時刻を受信しないときに、所定の時間間隔で通行者が出入管理ゲート90を通過したことを確認可能である。
【0103】
異常滞留者特定手段60は、周期通過確認手段57で、通行者が第2領域102から第1領域101に向かって出入管理ゲート90を通過したことが検出されないときに、通行者を異常滞留者として特定する機能を有する。
【0104】
異常滞留者情報出力手段65は、存在情報を受信したとき、および、異常滞留者特定手段60で異常滞留者が特定されたとき、のうち少なくとも一方で異常滞留者がいる旨を出力する。出力装置77は、第1の実施形態と同様に構成されている。
【0105】
本実施形態では、第1の実施形態では監視制御サーバ50で行っていた計算の一部が、ゲート監視装置10で行うように構成されている。これにより、監視制御サーバ50の負荷が軽減される。
【0106】
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0107】
例えば、第1の実施形態で説明した制御監視サーバ50(図2)を、第5の実施形態で説明した制御監視サーバ50(図13)に置き換えてもよい。この場合、重複する機能はどちらか一方を用いればよい。
【0108】
また、第2〜第4の実施形態それぞれで説明した監視制御サーバ特徴50を、第5の実施形態で説明した監視制御サーバ50に置き換えてもよい。この場合、IDカード70には、少なくとも滞留予定時間が登録されていればよい。
【0109】
また、上記実施形態では、通行者が携帯可能な携帯端末をIDカード70としているが、これに限らない。例えば、携帯電話等を用いることも可能である。また、上記実施形態の携帯端末には、個人情報等を登録可能なIDタグ等も含まれる。
【0110】
また、上記実施形態では、管理領域内に滞留する通行者の例について説明しているが、これに限らない。例えば所定の管理領域内を出入りする通行車両等を管理することも可能である。
【符号の説明】
【0111】
10…ゲート監視装置、11…第1ゲート監視装置、12a…第2Aゲート監視装置、12b…第2Bゲート監視装置、13a…第3Aゲート監視装置、13b…第3Bゲート監視装置、15…個人情報読取手段、15a…個人情報等送受信手段、16…出入時刻検出手段、17…送信手段、50…監視制御サーバ、51…受信手段、53…滞留予定時間超過判定手段、55…データベース、57…周期通過確認手段、60…異常滞留者特定手段、61…第1異常滞留者特定手段、62…第2異常滞留者特定手段、63…第3異常滞留者特定手段、65…異常滞留者情報出力手段、67…ゲート通過順序判定手段、70…IDカード、75…入力手段、77…出力装置、80…制御部、90…出入管理ゲート、91…第1出入管理ゲート、92a…第2A出入管理ゲート、92b…第2B出入管理ゲート、93a…第3A出入管理ゲート、93b…第3B出入管理ゲート、101…第1領域、102…第2領域、103…第3領域、104…第4領域、110…仕切壁、111…第1仕切壁、112…第2仕切壁、113…第3仕切壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1領域および第2領域を仕切る少なくとも1つの仕切壁に設けられて前記第1領域および第2領域を通行者が往復通行可能な少なくとも1つの出入管理ゲート付近に配置されたゲート監視装置と、前記ゲート監視装置に互いに通信可能な監視制御サーバと、を有し、前記出入管理ゲートを通行者が通過する状況を監視可能な出入監視システムにおいて、
前記ゲート監視装置は、
前記通行者が前記出入管理ゲートを前記第1領域から前記第2領域へ通過する時刻を入時刻として検出する手段と、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域へ通過しようとするときの時刻を出時刻として検出する手段と、を備えた出入時刻検出手段と、
前記出入時刻検出手段で検出された前記入時刻および出時刻を含む時刻情報を、前記監視制御サーバへ送信可能な送信手段と、
を有し、
前記監視制御サーバは、
前記送信手段から送信された前記時刻情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記時刻情報を格納可能で、前記通行者が前記第2領域内に滞留する滞留予定時間を登録可能なデータベースと、
前記時刻情報および前記滞留予定時間に基づいて、前記通行者が前記第2領域内に滞留している時間が、前記滞留予定時間を超過しているか否かを判定する滞留予定時間超過判定手段と、
前記滞留予定時間超過判定手段で前記滞留予定時間を超過していると判定されたときに、前記通行者を異常滞留者として特定する第1異常滞留者特定手段と、
前記通行者が前記滞留予定時間を経過しても前記第2領域に滞留しているときに、所定の時間間隔で前記通行者が前記出入管理ゲートを通過したことを確認可能な周期通過確認手段と、
前記周期通過確認手段で、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域に向かって前記出入管理ゲートを通過したことが確認されないときに、前記通行者を異常滞留者として特定する第2異常滞留者特定手段と、
前記第1異常滞留者特定手段および第2異常滞留者特定手段のうち、少なくとも一方で前記異常滞留者が特定されたときに、前記異常滞留者がいる旨を出力するように構成された異常滞留者情報出力手段と、
を有することを特徴とする出入監視システム。
【請求項2】
前記第1領域および第2領域の間は、複数の前記仕切壁によって複数の途中領域に仕切られて、
前記各ゲート監視装置それぞれが具備する前記各出入時刻検出手段は、前記通行者が前記各出入管理ゲートを前記第1領域側から前記第2領域側へ通過する時刻を入方向時刻として検出する手段と、前記通行者が前記第2領域側から前記第1領域側へ通過しようとするときの時刻を出方向時刻として検出する手段と、を有し、
前記時刻情報は、前記入方向時刻および出方向時刻を含み、
前記データベースは、前記通行者が前記各途中領域内それぞれで滞留する途中滞留予定時間を登録可能で、
前記滞留予定時間超過判定手段は、前記通行者が前記各途中領域内に滞留している時間が、滞留している前記途中領域に対応する前記途中滞留予定時間を超過しているか否かを判定する手段を含み、
前記第1異常滞留者特定手段は、前記滞留予定時間超過判定手段で前記各途中滞留予定時間のうち少なくとも1つを超過していると判定されたときに、前記通行者を前記異常滞留者として特定する手段を含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の出入管理システム。
【請求項3】
前記第1領域および第2領域の間は、複数の前記仕切壁によって複数の途中領域に仕切られて、
前記各仕切壁に設けられた前記各出入管理ゲートの付近に配置された前記各ゲート監視装置は、前記通行者が前記各出入管理ゲートを前記第1領域側から前記第2領域側へ通過しようとすることを検出した情報と、前記通行者が前記第2領域側から前記第1領域側へ通過しようとすることを検出した情報と、を含むゲート情報を検出するゲート情報検出手段を有し、
前記送信手段は、前記ゲート情報検出手段で検出された前記ゲート情報を、前記監視制御サーバへ送信可能で、
前記データベースは、前記第1領域から前記第2領域に向かう間に前記通行者が通過する前記各出入管理ゲートの通過順を含む通過順序情報を登録可能で、
前記受信手段は、前記送信手段から送信された前記ゲート情報を受信可能で、
前記監視制御サーバは、
前記ゲート情報および前記通過順序情報に基づいて、前記通行者が前記第1領域から前記第2領域に向かって通過順序情報に登録された通過順序に従って通行しているか否かを判定する通過順序判定手段と、
前記通過順判定手段で前記登録された通過順序の通りに前記各出入管理ゲートを通行していないと判定されたときに、前記通行者を前記異常滞留者として特定する第3異常滞留者特定手段と、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の出入管理システム。
【請求項4】
前記通行者が携帯可能で、前記滞留予定時間を登録可能な第1の携帯端末を有し、
前記ゲート監視装置は、前記通行者が前記出入管理ゲートを通過するときに前記第1の携帯端末から前記滞留予定時間を読み取って、前記滞留予定時間および前記時刻情報に基づいて、前記通行者が前記第2領域内に滞留している時間が前記滞留予定時間を超過しているか否かを判定し、前記滞留予定時間を超過していると判定されたときに前記通行者を異常滞留者として特定して、前記異常滞留者の存在情報を、前記監視制御サーバへ送信する手段を有し、
前記受信手段は、前記存在情報を受信可能で、
前記異常滞留者情報出力手段は、前記存在情報を受信したときに、前記異常滞留者がいる旨を出力するように構成されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の出入管理システム。
【請求項5】
前記通行者が携帯可能で、前記滞留予定時間および前記各途中滞留予定時間それぞれと同じ内容を含む第2の滞留予定時間を登録可能な第2の携帯端末を有し、
前記ゲート監視装置は、前記通行者が前記出入管理ゲートを通過するときに前記第2の携帯端末から前記第2の滞留予定時間を読み取って、前記第2の滞留予定時間および前記時刻情報に基づいて、前記通行者が所定の領域内に滞留している時間が前記第2の滞留予定時間を超過しているか否かを判定し、前記第2の滞留予定時間を超過していると判定されたときに前記通行者を異常滞留者として特定して、前記異常滞留者の存在情報を、前記監視制御サーバへ送信するように構成されて、
前記受信手段は、前記存在情報を受信可能で、
前記異常滞留者情報出力手段は、前記存在情報を受信したときに、前記異常滞留者がいる旨を出力するように構成されていること、
を特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載の出入管理システム。
【請求項6】
第1領域および第2領域を仕切る少なくとも1つの仕切壁に設けられて前記第1領域および第2領域を通行者が往復通行可能な少なくとも1つの出入管理ゲート付近に配置されたゲート監視装置と、前記ゲート監視装置に互いに通信可能な監視制御サーバと、前記通行者が携帯可能な携帯端末と、を有し、前記出入管理ゲートを通行者が通過する状況を監視可能な出入監視システムにおいて、
前記携帯端末は、前記通行者が前記出入管理ゲートを前記第1領域から前記第2領域に向かって通過するときの時刻を入時刻として登録可能で、且つ、前記通行者が前記第2領域内に滞留する滞留予定時間を登録可能で、
前記ゲート監視装置は、
前記通行者の個人情報、前記滞留予定時間、および前記入時刻を、前記携帯端末と互いに送受信可能な携帯端末送受信手段と、
前記携帯端末送受信手段に互いに送受信可能で、前記通行者が前記出入管理ゲートを前記第1領域から前記第2領域へ通過する時刻を前記入時刻として検出する手段と、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域へ通過しようとするときの時刻を出時刻として検出する手段と、を有する出入時刻検出手段と、
前記出入時刻検出手段で検出された前記入時刻および前記出時刻を含む時刻情報と、前記滞留予定時間と、に基づいて、前記通行者が前記第2領域内に滞留している時間が、前記滞留予定時間を超過しているか否かを判定する滞留予定時間超過判定手段と、
前記滞留予定時間超過判定手段で前記滞留予定時間を超過していると判定されたときに前記通行者を異常滞留者として特定して、前記異常滞留者の存在情報を前記監視制御サーバへ送信可能で、且つ、前記時刻情報を前記監視制御サーバへ送信可能な送信手段と、
を有し、
前記監視制御サーバは、
前記送信手段から送信された前記存在情報および前記時刻情報を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した前記存在情報および前記時刻情報を格納可能なデータベースと、
前記受信手段が、前記通行者が前記滞留予定時間を経過した後に前記出時刻を受信しないときに、所定の時間間隔で前記通行者が前記出入管理ゲートを通過したことを確認可能な周期通過確認手段と、
前記周期通過確認手段で、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域に向かって前記出入管理ゲートを通過しようとしたことが確認されないときに、前記通行者を異常滞留者として特定する異常滞留者特定手段と、
前記存在情報を受信したとき、および、前記異常滞留者特定手段で前記異常滞留者が特定されたとき、のうち少なくとも一方で前記異常滞留者がいる旨を出力するように構成された異常滞留者情報出力手段と、
を有することを特徴とする出入監視システム。
【請求項7】
前記第1領域および第2領域の間は、複数の前記仕切壁によって複数の途中領域に仕切られて、
前記各ゲート監視装置それぞれが具備する前記各出入時刻検出手段は、前記通行者が前記各出入管理ゲートを前記第1領域側から前記第2領域側へ通過する入方向時刻と、前記通行者が前記第2領域側から前記第1領域側へ通過しようとするときの出方向時刻と、を検出可能に構成されて、
前記時刻情報は、前記入方向時刻および出方向時刻を含み、
前記携帯端末は、前記通行者が前記各途中領域内それぞれで滞留する途中滞留予定時間を登録可能で、
前記滞留予定時間超過判定手段は、前記通行者が前記各途中領域内に滞留している時間が、滞留している前記途中領域に対応する前記途中滞留予定時間を超過しているか否かを判定する手段を含み、且つ、前記滞留予定時間超過判定手段で前記各途中滞留予定時間のうち少なくとも1つを超過していると判定されたときに、前記通行者を前記異常滞留者として特定する手段を含むこと、
を特徴とする請求項6に記載の出入管理システム。
【請求項8】
第1領域および第2領域を仕切る仕切壁に設けられ出入管理ゲートの通行者の通過を管理する出入管理方法において、
前記通行者が前記第2領域内に滞留する滞留予定時間を登録する滞留予定時間登録工程と、
前記通行者が前記出入管理ゲートを前記第1領域から前記第2領域へ通過する入時刻を検出する入時刻検出工程と、
前記入時刻検出工程の後に、前記通行者が前記第2領域から前記第1領域へ通過するときの出時刻を検出する出時刻検出工程と、
前記出時刻検出工程の前で前記入時刻検出工程の後に、
前記入時刻を含む時刻情報および前記滞留予定時間に基づいて、前記通行者が前記第2領域内に滞留している時間が、前記滞留予定時間を超過しているか否かを判定する滞留予定時間超過判定工程と、
前記滞留予定時間超過判定工程の後に、前記滞留予定時間を超過していると判定されたときに前記通行者を異常滞留者として特定する第1異常滞留者特定工程と、
前記滞留予定時間超過判定工程の後に、前記通行者が前記滞留予定時間を経過しても前記第2領域に滞留しているときに、所定の時間間隔で前記通行者が前記出入管理ゲートを通過したことを確認する周期通過確認工程と、
前記滞留予定時間超過判定工程の後に、前記周期通過確認工程で前記通行者が前記第2領域から前記第1領域に向かって前記出入管理ゲートを通過しようとしたことが検出されないときに、前記通行者を異常滞留者として特定する第2異常滞留者特定工程と、
前記第1異常滞留者特定工程および第2異常滞留者特定工程のうち、少なくとも一方で前記異常滞留者が特定されたときに、前記異常滞留者がいる旨を出力するように構成された異常滞留者情報出力工程と、
を有することを特徴とする出入管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−238093(P2011−238093A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−110061(P2010−110061)
【出願日】平成22年5月12日(2010.5.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】