説明

出入管理システム

【課題】管理者による電気錠装置の定期的な時刻設定作業を必要とせず簡便に時刻修正が行える。
【解決手段】電気錠装置20は、現在の日時を計時する電気錠側時計部24と、当該時計部24で計時した時刻の時差が許容範囲内であるか否かを判別するための時刻修正用設定値を記憶する記憶部22と、施解錠操作時に、携帯電話機10から携帯側時計部13で計時した時刻に基づく時刻データを送信要求し、この要求によって取得した時刻データと、電気錠側時計部13で計時している現在の時刻データとを用いてその時差値を求め、当該時差値が記憶部22に記憶された時刻修正用設定値以上に時差が生じている場合に、携帯電話機10からの時刻データに基づき電気錠側時計部24の時刻を修正する処理制御部23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理エリアへの利用者の出入管理を行う出入管理システムに係り、特に定期的な時刻修正管理を必要とせず常に正確な時刻で利用者の出入時刻を管理する出入管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばオフィスビルや研究開発施設等の関係者以外の人の出入りを制限したい場所では、出入制限の対象となる各管理エリア(フロアや部屋等)への出入りを管理してセキュリティ性を確保するため、利用者が所有する認証用キーを所定操作して各管理エリアに設けれた電気錠を施解錠操作することで出入管理を行う出入管理システムが提案されている(例えば下記特許文献1を参照)。
【0003】
また、各種企業や大規模商店等においては、従業員の勤務状態を把握するため出退勤管理システムを採用している。そして、上記出入管理システムの機能である管理エリアへの出入管理と同時に、このタイミング時刻に基づき利用者の出退時、休憩入/出時、外出/帰社等の一日における就業時間を記録して社員の出退勤状況を会社が管理する入退室制御装置が提案されている(例えば下記特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−88391号公報
【特許文献2】特開平9−185740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献2に開示されるような一般的な入退室制御装置では、施解錠操作に基づく入退室管理と同時に利用者の出退勤管理を行うため、管理エリアに設置される電気錠装置で正確な時刻を計時する必要がある。しかしながら、電気錠装置の時刻は装置製造時に設定されたものであるため正確な時刻であるとはいえず、また運用するにつれて機器ごとの個体差により時刻の遅れや進みが発生することがあった。
【0006】
そこで正確な時刻に修正するための修正作業が必要となるが、例えばシステム導入先がホテルのように各客室に配設される電気錠装置が電池駆動によるスタンドアロンな構成の場合、一括して時刻修正管理を行うことができないため、全ての管理エリアに設置された電気錠の時計機能を正常に動作させるためには、複数の管理者がデータ設定器等を持参しながら各装置の時刻修正管理を定期的に点検しなければならず、多大な労力を要するという問題があった。
【0007】
また、電気錠装置に送信所から送信されるタイムコード入り標準電波(1周期60秒(60ビット)で繰り返し送信されるフレームを有しており、各フレームの送信タイミングでの年月日や時刻(時分)等をコード化した時刻コードにより、搬送波(40kHz/60kHz)を振幅変調したもの)から抽出される時刻情報を用いて修正する電波時計内部の時刻を修正する電波時計機能を具備することも可能であるが、システム導入費用が嵩むとともに、窓から離れた建物の中やノイズの多い場所では標準電波を受信できないことがあり、正確な時刻修正ができないこともあるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、管理者による電気錠装置の定期的な時刻設定作業を必要とせず簡便に時刻修正が行える出入管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の出入管理システムは、時刻を計時する携帯側時計部を備え、錠前の施解錠に必要な施解錠データを非接触通信で送信する携帯電話機と、
前記携帯電話機から非接触通信で受信した施解錠データの正当性を判別して錠前を電気的に施解錠制御するスタンドアロンな構成の電気錠装置を備えた出入管理システムであって、
前記電気錠装置は、
現在の日時を計時する電気錠側時計部と、
当該時計部で計時した時刻の時差が許容範囲内であるか否かを判別するための時刻修正用設定値を記憶する記憶部と、
施解錠操作時に、前記携帯電話機から前記携帯側時計部で計時した時刻に基づく時刻データを送信要求し、この要求によって取得した前記時刻データと、前記電気錠側時計部で計時している現在の時刻データとを用いてその時差値を求め、当該時差値が前記記憶部に記憶された前記時刻修正用設定値以上に時差が生じている場合に、前記携帯電話機からの前記時刻データに基づき前記電気錠側時計部の時刻を修正する処理制御部と、
を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の出入管理システムでは、施解錠操作時に携帯電話機から取得した時刻データに基づき電気錠装置内で計時する時刻が正確であるか否かを常に比較し、所定の時差が生じているときに携帯電話機からの時刻データに基づき時刻修正を行うため、電気錠装置の時刻修正管理を必要せず、常に正確な時刻で駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る出入管理システムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同システムの処理動作を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれる。
【0013】
[システム構成]
まず、本発明に係る出入管理システムの構成について、図1を参照しながら説明する。図1に示すように、本例の出入管理システム1は、利用者が管理エリア内を入退出する際に操作する携帯電話機10、携帯電話機10による施解錠操作の正当性に基づき錠を施解錠制御する電気錠装置20を備えて構成される。
【0014】
(携帯電話機)
携帯電話機10は、通話機能や電子メール機能に加え、外部リーダ/ライタと各種情報を非接触通信するため機器本体内に例えば非接触型ICチップを内蔵したICチップ内蔵タイプ若しくは非接触型IC内蔵カードが装着可能な構成の通信端末機器である。携帯電話機10は、操作部11、非接触通信部12、携帯側時計部13、制御部14、記憶部15、表示部16、電源部17、通信部18を備えている。
【0015】
操作部11は、利用者が操作する例えばダイヤルキー、ファンクションキー、サイドキー、電源キー等の利用者によって操作される各種キーを備えており、通話時や各種アプリケーション起動時の他、施解錠操作時等の電気錠装置20との間で非接触通信を行う際に所定操作され、これら各種キーの操作内容を操作信号として制御部14に出力する。
【0016】
非接触通信部12は、電気錠装置20との間で近距離無線通信の一つである非接触通信が相互に可能なリーダ/ライタで構成される。非接触通信部12は、操作部11の所定操作若しくは電気錠装置20との間の通信により施解錠用アプリが起動する携帯電話機10本体を電気錠装置20の通信エリア範囲内に近接したときに、記憶部15に記憶された施解錠データを非接触通信によって電気錠装置20に送信している。また、非接触通信部12は、施解錠操作時に電気錠装置20から時刻データ要求信号を受信すると、電気錠装置20に対し、携帯側時計部13で計時している現在の時刻に基づく時刻データを送信している。さらに、非接触通信部12は、施解錠操作時に電気錠装置20で時計修正処理がなされたことを示す時刻修正実行情報を受信している。
【0017】
携帯側時計部13は、RTC(RealTimeClock :時計回路)で構成されており、現在の年月日及び時刻を計時しており、制御部14の制御により、基地局30からの時刻データと現在計時している時刻とに時差がある場合は、受信した時刻データに基づき正常な時刻に時刻修正される。
【0018】
制御部14は、例えばCPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータで構成され、通話に関する制御、施解錠用アプリ等の各種アプリを起動させるための制御、電気錠装置20との間における各種情報の非接触通信制御、電気錠装置20からの時刻修正実行情報の表示等の各種表示制御等、携帯電話機10を使用するのに必要な各種制御を行っている。
【0019】
また、制御部14は、移動通信網の通信サービスエリア内に多数設置された基地局30がカバーする通信エリアに在圏している携帯電話機10に対して送信する日本標準時間に基づく時刻データを受信した際に、携帯側時計部13が現在計時している時刻との時差がある場合、受信した時刻データを用いて携帯側時計部13の時刻を修正する制御を行っている。
【0020】
記憶部15は、例えばROM、RAMやEEPROM等の半導体メモリで構成され、施解錠時に通信される施解錠データ(予め設定された識別情報や携帯電話の機器情報等の錠前を施解錠するために必要な情報)、施解錠操作時に起動する施解錠用アプリの他、携帯電話機10を電話として使用するのに必要な各種制御情報を記憶している。
【0021】
表示部16は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等の表示装置を備えており、制御部14からの制御に基づき時刻修正実行情報の表示の他、各種メッセージ、電話番号、画像等を表示している。
【0022】
電源部17は、例えばリチウムイオン2次電池等の蓄電池を含んで構成され、携帯電話機10の各構成に電力を供給するための電力供給デバイスである。また、電源部17は、その電池残量が少なくなってきた場合等、利用者により外部の電源と接続され、充電を行うことが可能である。
【0023】
通信部18は、例えばW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式等の無線アクセス方式を用いて、移動通信網内(圏内)での移動体通信サービスを行うべく移動通信網に接続される基地局30との間で無線通信を行う。また、通信部18は、基地局30から
【0024】
(電気錠装置)
次に、電気錠装置20は、電池を駆動源としたスタンドアロンな構成であり、携帯電話機10からの施解錠データを正常認証したときに現在の錠前及び扉の状態に応じて錠前を電気的に施解錠制御するものである。この電気錠装置20は、図1に示すように、非接触通信部21、記憶部22、制御処理部23、電気錠側時計部24、施解錠機構25、電源部26を備えて構成される。
【0025】
非接触通信部21は、携帯電話機10との間で相互に非接触通信を行うリーダ/ライタで構成され、例えば扉や扉付近の所定箇所に位置して設けられる。この非接触通信部21は、施解錠用アプリが起動した状態の携帯電話機10が通信エリア範囲内に近接したときに、この携帯電話機10との間で非接触通信を行い、携帯電話機10から送信された施解錠データや時刻データを受信している。また、非接触通信部21は、携帯電話機10による施解錠操作がなされたときに携帯電話機10の時刻データを要求するための時刻データ要求信号を送信している。
【0026】
記憶部22は、例えば磁気的、光学的記憶媒体若しくはROM、RAMやEEPROM等の半導体メモリで構成され、例えば施解錠時の操作情報やエラー情報、モニタ情報としての状態信号(錠前の施解錠状態信号や扉の開閉状態信号)等の電気錠装置20に関わる各種ログ情報、施解錠時に携帯電話機10から送信された施解錠データが正当な情報であるか否かを判別するための認証用施解錠データ、携帯電話機10からの時刻データと電気錠側時計部24で計時する時刻との時差から得られる時差値が許容範囲(例えば±5分)であるか否かを判別するための時刻修正用設定値、電気錠側電気錠側時計部24の時刻が修正された際の時刻修正履歴(時刻修正された日時、時刻データを受信した携帯電話機10を識別する識別情報等)の他、電気錠装置20を駆動するために必要な各種制御情報を記憶している。
【0027】
制御処理部23は、例えばCPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータで構成され、施解錠アプリが起動した状態の携帯電話機10から取得した施解錠データと予め記憶部22に記憶された認証用施解錠データとを照合して正当性を判別し、正常に認証したときのみ現在の錠前の施解錠状態と扉の開閉状態に応じて錠前を電気的に解錠(又は施錠)制御するべく施解錠機構25に駆動制御信号を出力している。
【0028】
また、制御処理部23は、施解錠操作時に携帯電話機10から時刻データを要求するための時刻データ要求信号を送信し、非接触通信部21を介して携帯電話機10から時刻データを受信する制御をしている。そして、制御処理部23は、この受信した時刻データと電気錠側時計部24で計時している現在の時刻データとを用いてその時差値を求め、この時差値が記憶部22に記憶された時刻修正用設定値以上時刻に時差が生じている場合、受信した時刻データに基づき電気錠側時計部24で計時している時刻を修正している。
【0029】
さらに、制御処理部23は、電気錠側時計部24の時刻修正処理が完了すると、この修正処理が完了したことを示す時刻修正履歴を記憶部22に保存している。さらに、制御処理部23は、管理者がデータ収集用のデータ収集器(携帯電話機10でも可)を用いて時刻修正履歴を収集するとき、データ収集器が非接触通信部21の通信エリア範囲内に近接したときに、記憶部22に記憶された時刻修正履歴をデータ収集器に対して送信する制御をしている。
【0030】
電気錠側時計部24は、RTC(RealTimeClock :時計回路)で構成されており、現在の日時を計時している。また、電気錠側時計部24は、制御部14の制御により、携帯電話機10からの時刻データと現在計時している時刻データとの間に時刻修正用設定値以上の時差がある場合に、受信した時刻データに基づき時刻修正される。
【0031】
施解錠機構25は、例えばモータやソレノイド等の駆動装置と錠前で構成され、制御部14から入力される駆動制御信号により錠前を施錠または解錠するべく駆動し、扉枠の係止穴に対してデッドボルトを突出(施錠時)又は引き込む(解錠時)ことにより錠前が施解錠される。
【0032】
電源部26は、例えばボタン電池や乾電池等の電池が着脱交換可能な電源ユニットで構成され、扉の所定箇所若しくは扉近傍に設けられる。電源部26は、制御部14の制御により、電気錠装置20の各部に必要な駆動電源を供給している。
【0033】
[処理動作]
次に、上述した出入管理システムにおける処理動作について、図2を参照しながら説明する。ここでは、オフィスビルにおける管理フロアに入室する際の処理動作について説明する。
【0034】
図2に示すように、利用者は、まず携帯電話機10上で施解錠用アプリを起動し、管理フロアの入出口近傍に設けられた電気錠装置20の非接触通信部21にかざして、施解錠データを送信する(ST1)。電気錠装置20は、送信された施解錠データが携帯電話機10から送信されたか否かを判別する(ST2)。
【0035】
このとき、施解錠データが携帯電話機10から送信されていると判別すると(ST2−Yes)、次に施解錠データの正当性を判別する(ST3)。
一方、施解錠データが携帯電話機10から送信されていないと判別すると(ST2−No)、処理を終了する。
【0036】
ST3において、施解錠データが正常であると判別すると(ST3−Yes)、施解錠機構25を駆動制御して電気錠を施錠若しくは解錠制御し、施解錠操作に関する操作履歴を記憶部22に保存する(ST4)。
一方、施解錠データが正常でないと判別すると(ST3−No)、錠の施解錠制御を行わずに処理を終了する。
【0037】
ST4において、施解錠操作に関する操作履歴を保存すると、次に携帯電話機10から時刻データを要求するための時刻データ要求信号を非接触通信部21を介して送信し(ST5)、携帯電話機10から時刻データを取得する(ST6)。電気錠装置20は、携帯電話機10から時刻データを取得すると、この時刻データと装置内の電気錠側時計部24で計時している現在の時刻データと用いてその時差値を求めるとともに、この求めた時差値が予め設定された時刻修正用設定値以上であるか否かの判別を行う(ST7)。
【0038】
このとき、携帯電話機10からの時刻データと電気錠装置20の時刻データとの時差値が時刻修正用設定値以上に時差が生じていると判別すると(ST7−Yes)、携帯電話機10からの時刻データに基づき電気錠側時計部24の計時する時刻を修正する(ST8)。
一方、携帯電話機10からの時刻データと電気錠装置20の時刻データとの時差値が時刻修正用設定値以上に時差が生じていないと判別すると(ST7−Yes)、時刻修正は必要ないため、処理を終了する。
【0039】
ST8において、電気錠装置20の時刻修正が完了すると、この時刻修正履歴を記憶部22に保存するとともに(ST9)、非接触通信部21を介して携帯電話機10に対して時刻修正履歴を送信し(ST10)、処理を終了する。
【0040】
以上説明したように、上述した出入管理システムは、管理エリアに設けられた電気錠装置20を施解錠制御する際に、携帯電話機10上で施解錠用アプリを起動した状態で電気錠装置20の非接触通信部21にかざして施解錠データを送信して電気錠を施解錠制御する。また、施解錠操作の際に、携帯電話機10から時刻データを要求するための時刻データ要求信号を非接触通信部21を介して携帯電話機10に送信し、携帯電話機10から時刻データを取得する。電気錠装置20は、携帯電話機10から時刻データを取得すると、この時刻データと装置内の電気錠側時計部24で計時している現在の時刻データと用いてその時差値を求めるとともに、この求めた時差値が予め設定された時刻修正用設定値以上であるか否かの判別を行う。そして、携帯電話機10からの時刻データと電気錠装置20の時刻データとの時差値が時刻修正用設定値以上に時差が生じていると判別すると、携帯電話機10からの時刻データに基づき電気錠側時計部24が計時する時刻を修正し、この時刻修正履歴を記憶部22に保存するとともに、非接触通信部21を介して携帯電話機10に対して時刻修正履歴を送信する。
【0041】
これにより、施解錠操作と同時に携帯電話機10から取得した時刻データに基づき電気錠装置20内で計時する時刻が正確であるか否かを常に比較し、予め設定した時刻修正用設定値以上に時差が生じているときに携帯電話機10からの時刻データに基づき時刻修正を行うため、電気錠側時計部24を備えた電気錠装置20を複数の管理エリアに設けた大規模な出入管理システムであっても電気錠装置20の時刻修正管理を必要せず、常に正確な時刻で駆動することができる。また、記憶部22に時刻修正履歴を保存しているため、装置メンテナンスの際に利用運用状況を容易に把握することができる。
【0042】
ところで、上述した形態において、携帯電話機10における携帯側時計部13の時刻修正を基地局30からの時刻データに基づき時刻修正する構成で説明したが、これに限定されることはなく、操作部11からの操作入力に応じて携帯側時計部13の現在時刻を適宜補正することもできる。また、携帯電話機10の機器構成として、GPS(Global Positioning System )衛星から発信される電波に基づいて携帯電話機10の位置(緯度・経度・高度)を測定するGPS機能を備えている場合、衛星からの電波に基づいて算出した時刻データに応じて現在時刻を補正することもできる。
【0043】
さらに、上述した処理動作において、施解錠に係る処理(ST1〜ST3)の後に時刻データ修正処理(ST4〜ST10)を行った動作例で説明したが、施解錠操作時に電気錠装置20の時刻修正ができればよいため、施解錠操作時に施解錠データの受信と同時に時刻データを要求・取得処理を行う構成とすることもできる。
【0044】
また、データ収集器によって電気錠装置20に記憶された時刻修正履歴を収集する構成として、データ収集器と電気錠装置20との間で非接触通信をして時刻修正履歴を収集する例で説明したが、例えばケーブル等で相互を有線接続して各種データ収集をすることも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1…出入管理システム
10…携帯電話機
11…操作部
12…非接触通信部
13…携帯側時計部
14…制御部
15…記憶部
16…表示部
17…電源部
18…通信部
20…電気錠装置
21…非接触通信部
22…記憶部
23…制御処理部
24…電気錠側時計部
25…施解錠機構
26…電源部
30…基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻を計時する携帯側時計部を備え、錠前の施解錠に必要な施解錠データを非接触通信で送信する携帯電話機と、
前記携帯電話機から非接触通信で受信した施解錠データの正当性を判別して錠前を電気的に施解錠制御するスタンドアロンな構成の電気錠装置を備えた出入管理システムであって、
前記電気錠装置は、
現在の日時を計時する電気錠側時計部と、
当該時計部で計時した時刻の時差が許容範囲内であるか否かを判別するための時刻修正用設定値を記憶する記憶部と、
施解錠操作時に、前記携帯電話機から前記携帯側時計部で計時した時刻に基づく時刻データを送信要求し、この要求によって取得した前記時刻データと、前記電気錠側時計部で計時している現在の時刻データとを用いてその時差値を求め、当該時差値が前記記憶部に記憶された前記時刻修正用設定値以上に時差が生じている場合に、前記携帯電話機からの前記時刻データに基づき前記電気錠側時計部の時刻を修正する処理制御部と、
を備えていることを特徴とする出入管理システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−169049(P2011−169049A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−34960(P2010−34960)
【出願日】平成22年2月19日(2010.2.19)
【出願人】(390037028)美和ロック株式会社 (868)
【Fターム(参考)】