説明

出力制御装置、出力制御方法、出力制御プログラムおよび記録媒体

【課題】利用者の行動履歴に応じた各地点に関する情報を出力すること。
【解決手段】地点受付部102によって利用者から任意の地点に関する情報を受け付けて、記録部104に、地点に関する情報と利用者がその地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報とを関連付けて記録する。つぎに、状況取得部103によって現在の状況に関する情報を取得する。そして、判断部107によって、現在の状況に関する情報に基づいて、記録部104に記録された地点に関する情報が変更されることにより、地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断する。さらに、制御部108によって出力部101を制御して、判断結果に基づいて、変更された内容を含む地点に関する情報を出力して、一連の処理を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者の行動履歴に応じた各地点に関する情報を出力する出力制御装置、出力制御方法、出力制御プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した出力制御装置、出力制御方法、出力制御プログラムおよび記録媒体には限られない。
【背景技術】
【0002】
従来、地図情報および当該地図情報の更新情報である更新地図情報を保持し、地図情報または更新地図情報に対応する地物画像データを保持する地図情報変更通知装置が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。この地図情報変更通知装置は、地図情報表示手段によって、所定の入力操作に応じて、地図情報および更新地図情報を表示し、地物画像データ検索手段によって、地図情報表示手段が表示している地図情報に対応する地物画像データを検索する。そして、地物画像データ内容変更判定手段によって、地物画像データ検索手段が検索した地物画像データの内容が異なるか否かを判定し、地物画像データ変更判定結果通知手段によって、地物画像データ内容変更判定手段が判定した結果を通知する。このようにして、利用者による入力操作に応じて、地図情報更新内容表示手段が、地図情報表示手段が表示している範囲内における地図情報更新内容(たとえば、建物が新設した等)を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−15205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、利用者による入力操作に応じて表示された範囲内における地図情報更新内容しか表示することができないという問題がある。したがって、利用者は、地図情報が更新されたか否かを表示させるために、その都度、入力操作をおこなう範囲を設定しなければならず、わずらわしいという問題がある。また、範囲を設定するのみであるため、設定された範囲内には、利用者の行動目的に対して不必要な情報が含まれる可能性がある。したがって、利用者は、不必要な情報も出力されるため、所望する情報を見逃す可能性があるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる出力制御装置は、利用者から任意の地点に関する情報を受け付ける地点受付手段と、前記地点受付手段によって受け付けられた前記地点に関する情報と前記利用者が当該地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報とを関連付けて記録する記録手段と、前記記録手段に記録された前記地点に関する情報が変更されることにより、当該地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断する判断手段と、出力部を制御して、前記判断手段による判断結果に基づいて、前記変更された内容を含む前記地点に関する情報を出力する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項13の発明にかかる出力制御方法は、利用者から任意の地点に関する情報を受け付ける地点受付工程と、前記地点受付工程によって受け付けられた前記地点に関する情報と前記利用者が当該地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報とを関連付けて記録する記録部に記録された当該地点に関する情報が変更されることにより、当該地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断する判断工程と、出力部を制御して、前記判断工程による判断結果に基づいて、前記変更された内容を含む前記地点に関する情報を出力する制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、請求項14の発明にかかる出力制御プログラムは、請求項13に記載の出力制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項15の発明にかかる記録媒体は、請求項14に記載の出力制御プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施の形態にかかる出力制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】出力制御装置の出力制御処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかる情報出力システムの概要について示す説明図である。
【図4】本実施例にかかる端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例にかかるサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】サーバの処理の内容を示すフローチャートである。
【図7】行動履歴の具体的な内容の例について示す説明図である。
【図8】行動目的が朝の通勤の場合の出力の一例について示す説明図である。
【図9】行動目的が夜の帰宅の場合の出力の一例について示す説明図である。
【図10】行動目的が散歩の場合の出力の一例について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる出力制御装置、出力制御方法、出力制御プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態)
(出力制御装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる出力制御装置100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる出力制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、出力制御装置100は、出力部101と、地点受付部102と、状況取得部103と、記録部104と、目的受付部105と、経路設定部106と、判断部107と、制御部108と、を備えている。出力部101は、利用者の有する端末にネットワークを介して情報を送信する通信I/F(インターフェース)などである。
【0013】
地点受付部102は、利用者から任意の地点に関する情報を受け付ける。地点受付部102は、地点に関する情報とともに、地点に関する情報を受け付けたときの利用者の行動履歴を受け付けてもよい。行動履歴は、実際に利用者が各地点において行動した意味づけに関する履歴である。また、地点受付部102は、たとえば地点に関する情報として、各地点に位置する施設に関する情報を受け付けてもよい。さらに、地点受付部102は、連続した地点に関する情報を受け付けてもよい。
【0014】
状況取得部103は、現在の状況に関する情報を取得する。ここで、現在の状況に関する情報は、具体的には、たとえば現在の天候に関する情報、現在の時間帯に関する情報、現在の季節に関する情報、交通に関する情報などである。また、現在の状況に関する情報は、利用者の健康状態に関する情報、施設や店舗の開閉日時に関する情報、列車やバスのダイヤに関する情報などでもよい。
【0015】
記録部104は、地点受付部102によって受け付けられた地点に関する情報と利用者がその地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報とを関連付けて記録する。また、記録部104は、利用者が任意の地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報として、地点に関する情報に行動目的や、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報を関連付けて記録してもよい。さらに、記録部104は、地点受付部102によって受け付けられた各地点に位置する施設に関する情報や、連続した地点に関する情報を関連付けて記録してもよい。
【0016】
目的受付部105は、利用者から、行動目的を受け付ける。ここで行動目的は、たとえば「朝の通勤」、「夜の帰路」、「雨夜の帰路」または「休日出勤の帰路」など、利用者が、どのような行動目的に応じた地点に関する情報を所望しているのかという情報である。
【0017】
経路設定部106は、経路の設定を受け付ける。経路設定部106は、たとえば目的受付部105によって利用者から行動目的を受け付けることで、その行動目的に合致した経路を自動的に設定するようにしてもよい。
【0018】
判断部107は、記録部104に記録された地点に関する情報または各地点に位置する施設に関する情報が変更されることにより、各地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断する。判断部107は、たとえば目的受付部105によって受け付けられた行動目的に応じた行動履歴が関連付けられた地点に関する情報に対して、地点に関する情報が変更されることにより、過去に得られた行動履歴を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断する。また、判断部107は、記録部104に記録された各地点に関する情報のうちの、経路設定部106によって設定を受け付けた経路の周辺の地点に関する情報に対して、地点に関する情報が変更されたか否かを判断してもよい。判断部107は、具体的には、たとえば状況取得部103によって取得された現在の状況に関する情報が、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と異なるか否かを判断する。
【0019】
制御部108は、出力部101を制御して、判断部107による判断結果に基づいて、変更された内容を含む地点に関する情報を出力する。制御部108は、たとえば地点に関する情報を、利用者の有する端末にネットワークを介して送信する。具体的には、たとえば、制御部108は、判断部107によって、状況取得部103によって取得された現在の状況に関する情報が、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と異なると判断された場合、出力部101を制御して、変更された内容を含む地点に関する情報を出力する。また、制御部108は、判断部107によって、状況取得部103によって取得された現在の状況に関する情報が、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と同様であると判断された場合、出力部101を制御して、地点に関する情報を出力してもよい。
【0020】
さらに、具体的には、たとえば地点に関する情報が不定期であり、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況と同様の状況になることが比較的少ない場合、現在の状況に関する情報が、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と同様であると判断されたときに、地点に関する情報を出力する。また、たとえば地点に関する情報が定期的であり、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況と異なることが比較的少ない場合、現在の状況に関する情報が、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と異なると判断されたときに、地点に関する情報を出力する。
【0021】
(出力制御装置の出力制御処理手順)
つぎに、出力制御装置100の出力制御処理手順について説明する。図2は、出力制御装置の出力制御処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、地点受付部102によって利用者から任意の地点に関する情報を受け付けるまで待機する(ステップS201:Noのループ)。ステップS201においては、利用者から任意の地点に関する情報を受け付けた場合(ステップS201:Yes)、記録部104に地点に関する情報と利用者がその地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報とを関連付けて記録する(ステップS202)。ステップS202においては、具体的には、たとえば、地点に関する情報に、ステップS201において利用者から地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報を関連付けて記録する。
【0022】
つぎに、状況取得部103によって現在の状況に関する情報を取得する(ステップS203)。そして、判断部107によって、ステップS203において取得された現在の状況に関する情報に基づいて、ステップS202において記録部104に記録された地点に関する情報が変更されることにより、地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断する(ステップS204)。ステップS204においては、具体的には、たとえばステップS203において取得された現在の状況に関する情報が、ステップS201において利用者から地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と異なるか否かを判断する。
【0023】
さらに、制御部108によって出力部101を制御して、ステップS204において判断された判断結果に基づいて、変更された内容を含む地点に関する情報を出力して(ステップS205)、一連の処理を終了する。
【0024】
なお、図2のフローチャートにおいては、ステップS201において地点に関する情報とともに、地点に関する情報を受け付けたときの利用者の行動履歴を受け付けてもよい。そして、ステップS202において地点に関する情報に行動履歴を関連付けて記録する。この場合、ステップS202の後に、目的受付部105によって利用者から行動目的を受け付けたか否かを判断して、行動目的を受け付けた場合、ステップS203に進み、現在の状況に関する情報を取得してもよい。さらに、ステップS204においては、目的受付部105によって受け付けられた行動目的に応じた行動履歴が関連付けられた地点に関する情報に対してのみ、地点に関する情報が変更されたか否かを判断してもよい。このようにすることで、変更された地点に関する情報のうちの、利用者から受け付けた行動目的に関連する情報のみを出力することができる。
【0025】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS202の後に、経路設定部106によって経路が設定されたか否かを判断して、経路が設定された場合、ステップS203に進むようにしてもよい。さらに、ステップS204においては、記録部104に記録された各地点に関する情報のうちの、設定された経路の周辺の地点に関する情報に対してのみ、地点に関する情報が変更されることにより、地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断してもよい。このようにすることで、地点に関する情報のうちの、利用者が進行予定の経路の周辺に関連する情報のみを出力することができる。
【0026】
上述したように、本実施の形態の出力制御装置100によれば、地点受付部102によって利用者から任意の地点に関する情報を受け付けて、この地点に関する情報と利用者がその地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報とを関連付けて記録部104に記録することができる。そして、判断部107によって地点に関する情報が変更されることにより、地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断し、制御部108によって出力部101を制御して、判断部107による判断結果に基づいて、変更された内容を含む地点に関する情報を出力することができる。したがって、利用者から受け付けた地点に関する情報が変更されることにより、地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼす場合のみ、変更された地点に関する情報を利用者に提示することができる。これによって、利用者は、自身が所望する地点が変更されることにより、所望する地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼす場合のみ、その地点に関する情報を知ることができるので、不必要な情報により情報量が多くならず、所望する地点に関する情報を見落とすことを防ぐことができる。
【0027】
また、本実施の形態の出力制御装置100によれば、地点受付部102によって、地点に関する情報とともに、地点に関する情報を受け付けたときの利用者の行動履歴を受け付け、記録部104に、地点に関する情報に行動履歴を関連付けて記録することができる。また、目的受付部105によって、利用者から、行動目的を受け付け、判断部107によって、行動目的に応じた行動履歴が関連付けられた地点に関する情報に対して、地点に関する情報が変更されることにより、過去に得られた行動履歴を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断することができる。したがって、実際に利用者が行動したことのある地点に関する情報に行動の意味づけを関連付けて記録しておくことができる。また、利用者から行動目的を受け付けた場合、受け付けた行動目的に応じた行動履歴が関連付けられている地点に関する情報のみを利用者に提示することができる。これによって、利用者は、行動目的を入力することで、その行動目的をおこなう際に必要な情報のみを知ることができる。したがって、利用者は、簡単な方法で自身が所望する情報を得ることができ、また不必要な情報が提示されないため、所望する情報を見落とすことを防ぐことができる。
【0028】
また、本実施の形態の出力制御装置100によれば、経路設定部106によって経路の設定を受け付けた場合、判断部107によって、記録部104に記録された各地点に関する情報のうちの、設定を受け付けた経路の周辺の地点に関する情報に対して、地点に関する情報が変更されることにより、地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断することができる。したがって、利用者によって設定された経路の周辺の各地点に関する情報が変更されることにより、地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼす場合のみ、利用者に地点に関する情報を提示することができる。これによって、利用者は、自身が進行予定の経路の各地点に関する情報が変更されたときは、簡単にその情報を得ることができる。また、自身が進行予定の経路の周辺以外の不必要な情報が提示されないため、所望する情報を見落とすことを防ぐことができる。
【0029】
また、本実施の形態の出力制御装置100によれば、地点受付部102によって、連続した地点に関する情報を受け付け、記録部104に、連続した地点に関する情報を関連付けて記録することができる。したがって、任意の区間に関する情報を関連付けて記録することができる。これによって、利用者は、渋滞の多い道路や信号機の多い道路など、ある一定の区間によって意味をなす行動に関しても、変更された場合に、情報を得ることができる。
【0030】
また、本実施の形態の出力制御装置100によれば、地点受付部102によって、地点に関する情報として、各地点に位置する施設に関する情報を受け付け、記録部104に、各地点に位置する施設に関する情報を記録し、判断部107によって、記録部104に記録された各地点に位置する施設に関する情報が変更されたか否かを判断することができる。したがって、たとえば施設の開閉時間や店舗が閉店した場合など、これらの情報を利用者に提示することができる。これによって、利用者は、経路上で立ち寄る店舗などの状況をあらかじめ知ることができる。
【0031】
また、本実施の形態の出力制御装置100によれば、状況取得部103によって現在の状況に関する情報を取得し、記録部104に、地点に関する情報に、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報を関連付けて記録することができる。そして、判断部107によって、現在の状況に関する情報が、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と異なるか否かを判断し、異なると判断された場合、制御部108によって、出力部101を制御して、変更された内容を含む地点に関する情報を出力することができる。したがって、たとえば行動目的に応じて、定期的でありほぼ変更のない地点に対しては、各地点に関する情報が変更された場合に、利用者に提示することができる。これにより、利用者は、通勤路などの定期的に用いている経路上で、通常と異なる状況の地点がある場合、あらかじめ知ることができ、遅刻などのトラブルを回避することができる。
【0032】
また、本実施の形態の出力制御装置100によれば、判断部107によって、現在の状況に関する情報が、地点受付部102によって地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と異なるか否かを判断し、同様であると判断された場合、制御部108によって、出力部101を制御して、地点に関する情報を出力することができる。したがって、たとえば行動目的に応じて、不定期であり、登録したときと同じ状況になることが少ない地点に対しては、各地点を登録したときの状況と、同様の状況になったときに、利用者に提示することができる。これによって、利用者は、ある特定の時期や時間に感銘を受けたり、感動したりした地点を登録しておけば、自身で何度も検索しなくても、再度同様の状況になった場合に知ることができる。したがって、簡単な方法で、同様の状況であることを知ることができる。
【0033】
また、本実施の形態の出力制御装置100によれば、状況取得部103によって、現在の状況に関する情報として、現在の天候に関する情報、現在の時間帯、現在の季節または交通に関する情報を取得することができる。したがって、記録された地点に関する情報が変更されたか否かをより確実に判断することができる。これによって、利用者は、間違った情報を得ることを防ぐことができる。
【0034】
また、本実施の形態の出力制御装置100によれば、制御部108によって、地点に関する情報を、利用者の有する端末にネットワークを介して送信することができる。これによって、利用者は、所望する地点に関する情報が変更された場合、随時、それらの情報を知ることができる。
【実施例】
【0035】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、利用者が携帯可能な端末装置とネットワークを介して接続されたサーバによって、本発明の出力制御装置を実施した場合の一例について説明する。
【0036】
(情報出力システムの概要)
まず、本実施例にかかる情報出力システムの概要について説明する。図3は、本実施例にかかる情報出力システムの概要について示す説明図である。図3に示すように、本実施例にかかる情報出力システム300は、利用者が携帯可能な端末装置301と、サーバ311と、がネットワーク320を介して接続されている。
【0037】
たとえば、利用者は、任意の地点に関する情報をサーバに登録したい場合、サーバ311に登録したい地点に実際に位置しているときに、端末装置301を操作して、位置情報などの地点に関する情報をサーバ311に登録する。そして、このとき、サーバ311は、端末装置301から登録を受け付けた際の周囲の状況に関する情報と利用者の行動履歴を、地点に関する情報に関連付けて記録する。すなわち、サーバ311には、利用者がどの地点で、どんな状況で、どんな行動をしていたかという情報が記録される。
【0038】
そして、利用者から行動目的を受け付けたり、利用者が経路を設定したりした場合、行動目的に応じた行動履歴が関連付けられている地点または経路の周囲の地点に関する情報のうちの、変更された地点に関する情報のみを利用者の端末装置301へ送信する。具体的には、朝の通勤で通る道路が、通常は渋滞していないが現在は渋滞している場合、夜の帰路で頻繁に通っていた店舗が閉店した場合などに、それぞれの情報を利用者の端末装置301へ送信する。
【0039】
なお、サーバ311は、行動目的によっては、現在の状況が地点を登録したときの状況と同様の状況であると判断された地点に関する情報のみを利用者の端末装置301へ送信してもよい。具体的には、桜がきれいな地点、虹が見えた地点など不定期であり、同様の状況となることが困難な場合、現在の状況が同様であると判断されたときに、利用者の端末装置301へ送信するようにしてもよい。
【0040】
そして、端末装置301においては、ディスプレイ413(図4参照)などに重畳して、サーバ311から送信された地点に関する情報を表示したり、サーバ311から送信された地点に関する情報の一覧を表示したりする。
【0041】
(端末装置のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかる端末装置301のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施例にかかる端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、端末装置301は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、フラッシュメモリリーダライタ406と、フラッシュメモリ407と、音声I/F(インターフェース)408と、マイク409と、スピーカ410と、入力デバイス411と、映像I/F412と、ディスプレイ413と、通信I/F414と、GPSユニット415と、各種センサ416と、カメラ417と、を備えている。各構成部401〜417は、バス420によってそれぞれ接続されている。
【0042】
まず、CPU401は、端末装置301の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、データ更新プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU401は、RAM403をワークエリアとして使用しながら、ROM402に記録された各種プログラムを実行することによって、端末装置301の全体の制御を司る。
【0043】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0044】
また、フラッシュメモリリーダライタ406は、CPU401の制御にしたがってフラッシュメモリ407に対するデータの読み取り/書き込みをおこなう。フラッシュメモリ407は、書き換え自在な不揮発性半導体メモリであり、フラッシュメモリリーダライタ406の制御で書き込まれたデータを記録する。フラッシュメモリ407は、たとえば、NAND型フラッシュメモリやNOR型フラッシュメモリなどを用いることができる。また、フラッシュメモリ407は、ROM402としての機能を有していてもよい。すなわち、フラッシュメモリ407は、上述の各プログラムを記録していてもよい。着脱可能な記録媒体として、フラッシュメモリ407のほか、光ディスク、MOなどであってもよい。
【0045】
磁気ディスク405およびフラッシュメモリ407に記録される情報の一例としては、地図データや機能データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0046】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0047】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図データや機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図データは、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能データは、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0048】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図データおよび機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0049】
音声I/F408は、音声入力用のマイク409および音声出力用のスピーカ410に接続される。マイク409に受音された音声は、音声I/F408内でA/D変換される。スピーカ410からは、所定の音声信号を音声I/F408内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク409から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク405あるいはフラッシュメモリ407に記録可能である。
【0050】
入力デバイス411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス411は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。入力デバイス411によって利用者から地点の登録指示、行動履歴または行動目的などを受け付ける。
【0051】
映像I/F412は、ディスプレイ413に接続される。映像I/F412は、具体的には、たとえば、ディスプレイ413全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ413を制御する制御ICなどによって構成される。
【0052】
ディスプレイ413には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ413には、上述した地図データが、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ413に表示された地図データには、端末装置301の現在位置をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。端末装置301の現在位置は、CPU401によって算出される。また、地図データには、サーバから受信した地点に関する情報を重畳して表示してもよい。さらに、地点に関する情報は、一覧として表示してもよい。ディスプレイ413としては、たとえば、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。
【0053】
通信I/F414は、無線を介してネットワークに接続され、端末装置301とCPU401とのインターフェースとして機能する。通信I/F414は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F414は、ネットワークを介してサーバ311に接続され、端末装置301とサーバ311との間の情報の送受信をおこなう。また、通信I/F414は、入力デバイス411によって利用者からの登録指示を受け付けた場合、後述するGPSユニット415などにより算出される現在位置情報(すなわち、登録指示を受け付けた地点の位置情報)や利用者の行動履歴をサーバ311に送信する。通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。
【0054】
GPSユニット415は、GPS衛星からの電波を受信し、端末装置301の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット415の出力情報は、後述する各種センサ416の出力値とともに、CPU401による端末装置301の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0055】
各種センサ416は、速度センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、端末装置301の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ416の出力値は、CPU401による端末装置301の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0056】
カメラ417は、外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ417によって撮影した映像を映像I/F412を介して磁気ディスク405やフラッシュメモリ407などの記録媒体に出力する。また、記録媒体に出力された映像は、上書き記録や保存がおこなわれる。
【0057】
(サーバのハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかるサーバ311のハードウェア構成について説明する。図5は、本実施例にかかるサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。図5において、サーバ311は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、通信I/F508と、を備えている。各構成部501〜508は、バス520によってそれぞれ接続されている。
【0058】
まず、CPU501は、サーバ311の全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラム、データ更新プログラム、状況取得プログラム、地点登録プログラム、状況判断プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU501は、RAM503をワークエリアとして使用しながら、ROM502に記録された各種プログラムを実行することによって、サーバ311の全体の制御を司る。
【0059】
状況取得プログラムは、端末装置301から地点が登録された場合、登録を受け付けたときの状況に関する情報を取得させる。状況に関する情報は、具体的には、たとえば現在の天候に関する情報、現在の時間帯に関する情報、現在の季節に関する情報、交通に関する情報などである。また、現在の状況に関する情報は、利用者の健康状態に関する情報、施設や店舗の開閉日時に関する情報、列車やバスのダイヤに関する情報などでもよい。状況取得プログラムは、これらの情報を、天候に関する情報が保管された天候サーバ、店舗に関する情報が保管された店舗サーバ、交通に関する情報が保管された交通情報サーバ、タイマー、利用者からの入力により取得させる。
【0060】
地点登録プログラムは、利用者から登録指示のあった地点、すなわち端末装置301から位置情報が送信された地点と利用者がその地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報とを関連付けてを磁気ディスク505および光ディスク507に記録させる。地点登録プログラムは、具体的には、たとえば、利用者がその地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報として、端末装置301から位置情報が送信されたときの、状況取得プログラムによって取得された状況に関する情報を、地点に関する情報に関連付けて記録させてもよい。また、地点登録プログラムは、たとえば端末装置301から位置情報が送信されたときに、ともに送信された利用者の行動履歴を、地点に関する情報に関連付けて記録させてもよい。
【0061】
状況判断プログラムは、状況取得プログラムによって取得された現在の状況に関する情報が、地点登録プログラムによって記録されている地点に関する情報に関連付けられた状況に関する情報と、同様か否かを判断させる。すなわち、状況判断プログラムは、現在の状況が、地点登録プログラムによって地点が登録されたときと同様の状況か否かを判断させる。
【0062】
磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク505は、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク505としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0063】
また、光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク507は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク507のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0064】
磁気ディスク505および光ディスク507に記録される情報の一例としては、地点に関する情報が挙げられる。また、地点に関する情報に、利用者がその地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報が関連付けられていてもよい。地点に関する情報は、詳細は後述するが、地点登録プログラムを実行することにより記録された、利用者によって登録指示のあった各地点の位置情報や各地点の名称などの情報である。また、利用者がその地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報は、地点が登録されたときの利用者の行動履歴および状況に関する情報などである。
【0065】
通信I/F508は、無線を介してネットワークに接続され、サーバ311とCPU501とのインターフェースとして機能する。通信I/F508は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU501とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F508は、ネットワークを介して端末装置301と接続され、サーバ311と端末装置301との間の情報の送受信をおこなう。通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。
【0066】
図1に示した出力制御装置100が備える出力部101、地点受付部102、状況取得部103、記録部104、目的受付部105、経路設定部106、判断部107、制御部108は、図5に示したサーバ311におけるROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU501が所定のプログラムを実行し、サーバ311における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0067】
すなわち、実施例のサーバ311は、サーバ311における記録媒体としてのROM502に記録されている出力制御プログラムを実行することにより、図1に示した出力制御装置が備える機能を、図2に示した出力制御処理手順で実行することができる。
【0068】
(サーバの処理の内容)
つぎに、サーバ311の処理の内容について説明する。図6は、サーバの処理の内容を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおいて、まず、利用者の端末装置301から任意の地点に関する情報を受け付けるまで待機する(ステップS601:Noのループ)。
【0069】
ステップS601において利用者の端末装置301から任意の地点に関する情報を受け付けた場合(ステップS601:Yes)、状況取得プログラムを実行して、地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報を取得する(ステップS602)。また、ステップS601:Yesにおいて地点に関する情報を受け付けたときの利用者の行動履歴を取得する(ステップS603)。
【0070】
そして、地点登録プログラムを実行して、ステップS601:Yesにおいて受け付けられた地点に関する情報を記録する(ステップS604)。ステップS604においては、たとえば、地点に関する情報に、ステップS602において取得された状況に関する情報およびステップS603において取得された利用者の行動履歴を関連付けて、磁気ディスク505または光ディスク507に記録する。
【0071】
つぎに、利用者から行動目的を受け付けたか否かを判断する(ステップS605)。ステップS605において利用者から行動目的を受け付けたと判断されない場合(ステップS605:No)、ステップS601に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
【0072】
一方、ステップS605において利用者から行動目的を受け付けた場合(ステップS605:Yes)、ステップS605:Yesにおいて受け付けられた行動目的に応じた行動履歴が関連付けられた地点に関する情報があるか否かを判断する(ステップS606)。ステップS606において行動目的に応じた行動履歴が関連付けられた地点に関する情報がないと判断された場合(ステップS606:No)、そのまま一連の処理を終了する。
【0073】
また、ステップS606において行動目的に応じた行動履歴が関連付けられた地点に関する情報があると判断された場合(ステップS606:Yes)、状況取得プログラムを実行して、現在の状況に関する情報を取得する(ステップS607)。そして、状況判断プログラムを実行して、ステップS606:Yesにおいて行動目的に応じた行動履歴が関連付けられていると判断された地点に関する情報に対して、ステップS607において取得された現在の状況に関する情報が、ステップS601:Yesにおいて地点に関する情報を受け付けたときの状況と異なるか否かを判断する(ステップS608)。さらに、ステップS608において判断された判断結果に基づいて、地点に関する情報を利用者の端末装置301へ送信して(ステップS609)、一連の処理を終了する。
【0074】
なお、図6のフローチャートにおいては、ステップS605において行動目的を受け付けた後に、行動目的に応じた経路を設定してもよい。この場合、ステップS606においては、設定された経路の周辺に地点に関する情報があるか否かを判断し、設定された経路の周辺に地点に関する情報がある場合、ステップS607に進む構成でもよい。
【0075】
また、図6のフローチャートにおいては、ステップS609において、詳細は後述するが、行動目的に応じて、現在の状況が、地点に関する情報を受け付けたときの状況と同様の状況であると判断された地点に関する情報を送信してもよいし、現在の状況が、地点に関する情報を受け付けたときの状況と異なる状況であると判断された地点に関する情報を送信してもよい。
【0076】
(行動履歴の内容について)
つぎに、本発明における「行動履歴」という概念の具体的な内容について説明する。図7は、行動履歴の具体的な内容の例について示す説明図である。図7には、本発明にかかる装置を利用する利用者の自宅701と、当該利用者が鉄道を利用するに際して至便かつ自宅701から至近距離に位置する駅702と、が示されている。たとえば、利用者は、自宅701から駅702まで徒歩もしくは自転車で移動した際、または駅702から自宅701まで徒歩もしくは自転車で移動した際に、移動履歴情報と、場所情報と、場所行動情報とを含む全情報を、利用者自身の1つの行動履歴についての行動履歴情報とし、当該行動履歴情報に、当該行動履歴の意味内容を示す行動履歴意味情報を付して、登録する。ここで、移動履歴情報は、利用者の移動そのもの、すなわち利用者の位置についての時間的変遷を示す情報である。また、場所情報は、当該移動の途中において実際に通過した場所または実際に立ち寄った場所における位置情報以外の情報(たとえば、当該場所に位置する施設の情報、当該場所の周辺の情報、時間帯、季節、気候、天候などの情報を含む)を示す情報である。また、場所行動情報は、当該移動の途中において実際に通過した場所または実際に立ち寄った場所のうち少なくとも1つの場所における利用者自身の行動を示す情報である。上記のような複数の位置情報の時間的変遷を示す移動履歴情報に代えて、1つの場所の位置情報を用い、当該位置情報と、当該1つの場所情報と、当該1つの場所行動情報とを含む全情報を、利用者自身の1つの行動履歴についての行動履歴情報とし、当該行動履歴情報に、当該行動履歴の意味内容を示す行動履歴意味情報を付して、登録してもよい。
【0077】
実際に通過した場所の例としては、道路または歩道の全部または一部の区間、歩道橋、公園内、施設内、敷地内などの通行可能な場所が挙げられる。そして、実際に通過した場所を示す情報としては、前記したGPSユニット415などにより算出される現在位置情報、通過した場所を示す名称、通過した場所の特定が可能な周辺情報などを採用することができる。さらに、名称または周辺情報の例としては、道路、歩道、区間、歩道橋、公園、施設、交差点などの名称が挙げられる。また、実際に立ち寄った場所の例としては、店舗、複数の店舗を含む集合型商業施設、公園、公民館、図書館などの公共的な施設などが挙げられる。そして、実際に立ち寄った場所を示す情報としては、前記したGPSユニット415などにより算出される現在位置情報、立ち寄った場所を示す名称、立ち寄った場所の特定が可能な周辺情報などを採用することができる。さらに、名称または周辺情報の例としては、店舗、施設、区間、交差点などの名称、○○店前などが挙げられる。なお、利用者が通行可能かつ一時的に滞在可能な場所については、同一の場所であっても、実際に通過した場所として登録される場合もあれば、実際に立ち寄った場所として登録される場合もある。
【0078】
具体的には、たとえば、利用者が、車がほとんど通らない小幅員の道703を利用し、自宅701から、弁当屋711に立ち寄って当該弁当屋711で弁当を買い、道703と交差する道路における車の往来が少なく横断歩道のみを有しかつ信号機のない2つの交差点の間の区間712を通過して、駅702に到着する、という第1の一連の行動内容を実際に行動した際に、この実際に行動した第1の一連の行動内容を、第1の行動履歴とする。そして、この第1の行動履歴に、「朝の通勤」という行動履歴の意味内容を付して、登録する。この登録の際に、自宅701、弁当屋711および駅702の各位置情報、ならびに、道703および区間712の各区間情報は、利用者が位置した時間情報とともに、自宅701から駅702に到着するまでの移動履歴情報として記録される。自宅701は場所「自宅」として、弁当屋711は場所「弁当屋」として、駅702は場所「駅」として、道703は場所「車がほとんど通らない小幅員の道」として、ならびに、区間712は場所「道703と交差する道路における車の往来が少なく横断歩道のみを有しかつ信号機のない2つの交差点の間の区間」として、それぞれ、場所情報として記録される。各場所で実際に行った行動「自宅701を出た」、「弁当屋711で弁当を買った」、「道703を利用した」、「区間712を通過した」、ならびに、「駅702に到着した」については、それぞれ、場所行動情報として記録される。
【0079】
また、利用者が、道703より大きな幅員を有する道704を利用し、駅702から、本屋713、居酒屋714、コンビニエンスストア715をこの順に立ち寄り、自宅701に到着する、という第2の一連の行動内容を実際に行動した際に、この実際に行動した第2の一連の行動内容を、第2の行動履歴とする。そして、この第2の行動履歴に、「夜の帰宅」という行動履歴の意味内容を付して、登録する。この登録の際に、駅702、本屋713、居酒屋714、コンビニエンスストア715および自宅701の各位置情報、ならびに、道704の区間情報は、利用者が位置した時間情報とともに、駅702から自宅701に到着するまでの移動履歴情報として記録される。駅702は場所「駅」として、本屋713は場所「本屋」として、居酒屋714は場所「居酒屋」として、コンビニエンスストア715は場所「コンビニエンスストア」として、自宅701は場所「自宅」として、ならびに、道704は場所「道703より大きな幅員を有する道」として、それぞれ、場所情報として記録される。各場所で実際に行った行動「駅702を出た」、「道704を利用した」、「本屋713に立ち寄った」、「居酒屋714に立ち寄った」、「コンビニエンスストア715に立ち寄った」、ならびに、「自宅701に到着した」については、それぞれ、場所行動情報として記録される。
【0080】
さらに、利用者が、道703および道704とは異なる別の道705沿いに位置する、富士山の見える丘716または桜のきれいな場所717に訪れるという特定場所での行動内容を実際に行動した際に、この実際に行動した特定場所での行動内容を、特定場所での行動履歴として、「散歩」という行動履歴の意味内容を付して、登録する。この登録の際に、丘716および場所717の各位置情報が、利用者が位置した時間情報とともに、記録される。丘716は、場所「道703および道704とは異なる別の道705沿いに位置する、富士山の見える丘」として、場所717は、場所「道703および道704とは異なる別の道705沿いに位置する、桜のきれいな場所」として、それぞれ、場所情報として記録される。各場所で実際に行った行動「丘716を訪れた」、ならびに、「場所717を訪れた」については、それぞれ、場所行動情報として記録される。
【0081】
(行動目的が朝の通勤の場合の出力の一例)
図8は、たとえば、出勤日の朝、自宅701において利用者が起床し、出勤のための準備などをしている場合のように、行動目的が朝の通勤の場合の出力の一例について示す説明図である。たとえば、利用者から、行動目的として「朝の通勤」を受け付けた場合、「朝の通勤」という行動履歴の意味内容を示す行動履歴意味情報が付された第1の行動履歴情報を読み出す。そして、図7に示す「朝の通勤」が付された第1の行動履歴情報に関連付けられた第1の一連の行動内容に含まれる移動履歴情報、場所情報および場所行動情報の各情報に対して、情報または情報の内容が変更されたか否かを判断する。その結果、情報または情報の内容が変更されたと判断された移動履歴路や場所情報や場所行動情報がある場合には、第1の行動履歴情報すなわち「朝の通勤」に変更が生じているという旨を利用者の端末装置301に送信する。さらに、利用者からの要求により、もしくは、予めの設定により、情報または情報の内容が変更されたと判断された移動履歴路や場所情報や場所行動情報に関する具体的な情報またはその内容を利用者の端末装置301に送信する。具体的には、立ち寄り場所に関する情報の例として店舗の営業に関する情報、交通情報などがあり、たとえば、通勤時に弁当を買うために立ち寄る弁当屋711が閉店した場合には「弁当屋711が閉店」、通勤時に通過する信号機のない2つの交差点の間の区間712が通行止めの場合には「区間712が通行止め」などの具体的な情報を利用者の端末装置301に送信する。
【0082】
(行動目的が夜の帰宅の場合の出力の一例)
図9は、たとえば、利用者が会社での仕事を終えて帰路に着き、駅702に到着した場合のように、行動目的が夜の帰宅の場合の出力の一例について示す説明図である。たとえば、利用者から、行動目的として「夜の帰宅」を受け付けた場合、「夜の帰宅」という行動履歴の意味内容を示す行動履歴意味情報が付された第2の行動履歴情報を読み出す。そして、図7に示す「夜の帰宅」が付された第2の行動履歴情報に関連付けられた第2の一連の行動内容に含まれる移動履歴情報、場所情報、および場所行動情報の各情報に対して、情報または情報の内容が変更されたか否かを判断する。その結果、情報または情報の内容が変更されたと判断された移動履歴路や場所情報や場所行動情報がある場合には、第2の行動履歴情報すなわち「夜の帰宅」に変更が生じているという旨を利用者の端末装置301に送信する。さらに、利用者からの要求により、もしくは、予めの設定により、情報または情報の内容が変更されたと判断された移動履歴路や場所情報や場所行動情報に関する具体的な情報を利用者の端末装置301に送信する。具体的には、立ち寄り場所に関する情報の例として店舗の営業に関する情報などがあり、たとえば、帰宅途中に立ち寄る本屋713の営業時間が変更になった場合には「本屋713は営業時間変更」、同じく帰宅途中に立ち寄る居酒屋714のビールが通常より安い日の場合には「居酒屋714は本日ビールが安い」、同じく帰宅途中に立ち寄るコンビニエンスストア715が閉店した場合には「コンビニエンスストア715が閉店」などの具体的な情報を端末装置301に送信する。
【0083】
このように、本実施例の情報出力システムによれば、行動履歴の意味内容が「朝の通勤」や「夜の帰宅」などの場合、定期的なものであり、変更がないものとして利用者に登録される。したがって、そのように登録された「朝の通勤」や「夜の帰宅」に応じたそれぞれの行動履歴情報に含まれる情報または情報の内容について、登録後に変更があった場合にのみ、その変更についての情報または情報の内容を出力することができる。これによって、利用者は、登録した自身の行動履歴情報に含まれる情報または情報の内容について、変更が生じた場合にのみ情報を得ることができるので、わずらわしくない。また、情報量が多すぎて、所望する情報を見逃すことを防ぐことができる。
【0084】
(行動目的が散歩の場合の出力の一例)
図10は、たとえば、利用者が偶然見つけた景観のよい場所を休日などに再び訪れたい場合のように、行動目的が散歩の場合の出力の一例について示す説明図である。たとえば、利用者から、行動目的として「散歩」を受け付けた場合、「散歩」という行動履歴の意味内容を示す行動履歴意味情報が付された特定の場所での行動履歴情報を読み出す。そして、図7に示す「散歩」が付された特定の場所での行動履歴情報が関連付けられた特定の場所での行動内容に含まれる場所情報および場所行動情報の各情報に対して、情報または情報の内容が変更されたか否かを判断する。すなわち、特定の場所での行動履歴情報が登録されたときの状況と、現在の状況とが同様か否かを判断する。その結果、現在の状況が、登録されたときの状況と同様の場所がある場合、この場所に関する情報を利用者の端末装置301に送信する。具体的には、たとえば富士山の見える丘716を登録したときの状況が、冬の晴れた朝の場合、たとえば現在が冬の晴れた朝であれば、富士山の見える丘716に関する情報を利用者の端末装置301に送信する。また、桜のきれいな場所717を登録したときの状況が、4月1日の場合、たとえば現在が4月1日から前後3日以内の場合、桜のきれいな場所717に関する情報を利用者の端末装置301に送信する。
【0085】
このように、本実施例の情報出力システムによれば、行動履歴の意味内容が「散歩」などの場合、不定期なものであり、季節や天気や時間などによって状況が変更するものとして利用者に登録される。したがって、「散歩」に応じた場所のうち、現在の状況が、各場所が登録されたときの状況と同様であると判断された場所に関する情報のみを出力することができる。これによって、利用者は、自身が感銘を受けるなどして登録した場所が、登録したときと同様の状況の場合に、知ることができる。したがって、利用者は、不定期に生じるイベントなど、毎回調べるのが面倒な場所に関する情報を、簡単に知ることができる。
【0086】
以上説明したように、本発明の出力制御装置、出力制御方法、出力制御プログラムおよび記録媒体によれば、利用者の行動履歴に応じた各地点に関する情報を出力することができる。
【0087】
なお、本実施の形態で説明した出力制御方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0088】
100 出力制御装置
101 出力部
102 地点受付部
103 状況取得部
104 記録部
105 目的受付部
106 経路設定部
107 判断部
108 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者から任意の地点に関する情報を受け付ける地点受付手段と、
前記地点受付手段によって受け付けられた前記地点に関する情報と前記利用者が当該地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報とを関連付けて記録する記録手段と、
前記記録手段に記録された前記地点に関する情報が変更されることにより、当該地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断する判断手段と、
出力部を制御して、前記判断手段による判断結果に基づいて、前記変更された内容を含む前記地点に関する情報を出力する制御手段と、
を備えることを特徴とする出力制御装置。
【請求項2】
前記利用者から、行動目的を受け付ける目的受付手段をさらに備え、
前記地点受付手段は、前記地点に関する情報とともに、当該地点に関する情報を受け付けたときの前記利用者の行動履歴を受け付け、
前記記録手段は、前記地点受付手段によって受け付けられた前記地点に関する情報に前記行動履歴を関連付けて記録し、
前記判断手段は、前記目的受付手段によって受け付けられた行動目的に応じた前記行動履歴が関連付けられた前記地点に関する情報に対して、当該地点に関する情報が変更されることにより、過去に得られた行動履歴を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の出力制御装置。
【請求項3】
経路の設定を受け付ける経路設定手段をさらに備え、
前記判断手段は、前記記録手段に記録された各地点に関する情報のうちの、前記経路設定手段によって設定を受け付けた経路の周辺の前記地点に関する情報に対して、当該地点に関する情報が変更されることにより、当該地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断することを特徴とする請求項1または2に記載の出力制御装置。
【請求項4】
前記地点受付手段は、連続した地点に関する情報を受け付け、
前記記録手段は、前記連続した地点に関する情報を関連付けて記録することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の出力制御装置。
【請求項5】
前記地点受付手段は、前記地点に関する情報として、各地点に位置する施設に関する情報を受け付け、
前記記録手段は、前記地点受付手段によって受け付けられた各地点に位置する前記施設に関する情報を記録し、
前記判断手段は、前記記録手段に記録された各地点に位置する前記施設に関する情報が変更されたか否かを判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の出力制御装置。
【請求項6】
現在の状況に関する情報を取得する状況取得手段をさらに備え、
前記記録手段は、前記地点に関する情報に、前記地点受付手段によって当該地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報を関連付けて記録し、
前記判断手段は、前記状況取得手段によって取得された現在の状況に関する情報が、前記地点受付手段によって前記地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と異なるか否かを判断し、
前記制御手段は、前記判断手段によって、前記状況取得手段によって取得された現在の状況に関する情報が、前記地点受付手段によって前記地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と異なると判断された場合、前記出力部を制御して、前記変更された内容を含む前記地点に関する情報を出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の出力制御装置。
【請求項7】
現在の状況に関する情報を取得する状況取得手段をさらに備え、
前記記録手段は、前記地点受付手段によって前記地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報を、当該地点に関する情報に関連付けて記録し、
前記判断手段は、前記状況取得手段によって取得された現在の状況に関する情報が、前記地点受付手段によって前記地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と異なるか否かを判断し、
前記制御手段は、前記判断手段によって、前記状況取得手段によって取得された現在の状況に関する情報が、前記地点受付手段によって前記地点に関する情報を受け付けたときの状況に関する情報と同様であると判断された場合、前記出力部を制御して、前記地点に関する情報を出力することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の出力制御装置。
【請求項8】
前記状況取得手段は、前記現在の状況に関する情報として、現在の天候に関する情報を取得することを特徴とする請求項6または7に記載の出力制御装置。
【請求項9】
前記状況取得手段は、前記現在の状況に関する情報として、現在の時間帯に関する情報を取得することを特徴とする請求項6〜8のいずれか一つに記載の出力制御装置。
【請求項10】
前記状況取得手段は、前記現在の状況に関する情報として、現在の季節に関する情報を取得することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載の出力制御装置。
【請求項11】
前記状況取得手段は、前記現在の状況に関する情報として、交通に関する情報を取得することを特徴とする請求項6〜10のいずれか一つに記載の出力制御装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記地点に関する情報を、前記利用者の有する端末にネットワークを介して送信することを特徴とする請求項6〜11のいずれか一つに記載の出力制御装置。
【請求項13】
利用者から任意の地点に関する情報を受け付ける地点受付工程と、
前記地点受付工程によって受け付けられた前記地点に関する情報と前記利用者が当該地点に実際に立ち寄ることにより得られた情報とを関連付けて記録する記録部に記録された当該地点に関する情報が変更されることにより、当該地点に関する情報に関連付けられた過去に得られた情報を再度得るために影響を及ぼすか否かを判断する判断工程と、
出力部を制御して、前記判断工程による判断結果に基づいて、前記変更された内容を含む前記地点に関する情報を出力する制御工程と、
を含むことを特徴とする出力制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載の出力制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする出力制御プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の出力制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−277278(P2010−277278A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−128204(P2009−128204)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】