出力部固定タイプの内容物放出機構および、この内容物放出機構を備えたポンプ式製品
【課題】出力部固定タイプの内容物放出機構に関し、容器ユニットの取替え作業の簡単化と、再利用化を図り、また、筒状出力部を鼻腔に入れる場合の挿入所定位置を利用者が無意識に設定可能にして、操作上の利便性を確保する。
【解決手段】操作部９ａを、内容物放出操作方向およびこれとは逆の容器ユニット取外し操作方向へ操作可能なものとした。操作部９ａを図示左に押圧すると回動操作部材９が回動して、その二股部分９ｂがキャップ部材２の環鍔状部２ｆをステム４に対して押し上げ、ハウジング２ｇの内容物が上方に放出される。操作部９ａを図示右に引き起こすと、二股部分９ｂがキャップ部材２の環状上面２ｃを押し下げて、ステム４を含む容器ユニットがカバー筐体７から外れる。また、出力部は、内容物放出孔７ｇを備えた筒状部からなり、鼻腔の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの環状段部７ｈを外周面に備えている。
【解決手段】操作部９ａを、内容物放出操作方向およびこれとは逆の容器ユニット取外し操作方向へ操作可能なものとした。操作部９ａを図示左に押圧すると回動操作部材９が回動して、その二股部分９ｂがキャップ部材２の環鍔状部２ｆをステム４に対して押し上げ、ハウジング２ｇの内容物が上方に放出される。操作部９ａを図示右に引き起こすと、二股部分９ｂがキャップ部材２の環状上面２ｃを押し下げて、ステム４を含む容器ユニットがカバー筐体７から外れる。また、出力部は、内容物放出孔７ｇを備えた筒状部からなり、鼻腔の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの環状段部７ｈを外周面に備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、出力部固定タイプの内容物放出機構に関し、特に内容物放出用の出力部を備えたカバー筐体に、ステムを係合固定状態で、また、当該ステムに対応の容器本体およびキャップ部材を上下方向に可動な状態で、それぞれ配設した形の出力部固定タイプ（容器本体上下動タイプ）の内容物放出機構に関する。
【０００２】
そして、カバー筐体に取り付けた可動部材に対し、
(11)容器本体およびキャップ部材を係合固定状態のステムに対して上方向に移動させる内容物放出操作と、
(12)容器本体およびキャップ部材とともにステムを下方向に移動させて当該係合固定状態を解除することにより、これら三個の容器側要素の全体をカバー筐体から分離させる容器側取外し操作と、
を選択的におこなえる内容物放出機構である。
【０００３】
なお、本明細書において容器本体，キャップ部材およびカバー筐体などの長手方向（図示上下方向）を「縦」といい、この「縦」と略直交する方向を「横」という。
【０００４】
また、内容物放出操作および容器ユニット取外し操作の対象である回動操作部材，スライド操作部材が操作されていない内容物放出機構の初期状態を「静止モード」という。
【背景技術】
【０００５】
従来、内容物放出用の出力部を備えたカバー筐体に、ステムを係合固定状態で、また、当該ステムに対応の容器本体およびキャップ部材を上下方向に可動な状態で、それぞれ配設したかたちの出力部固定タイプ（容器本体上下動タイプ）の内容物放出機構が提案されている（特許文献１参照）。
【０００６】
この内容物放出機構は、上端側の「噴射孔（本発明の内容物出力部に相当）」のいわば開閉フタとして作用する「カバー部」を回動させることにより、「担体ユニット（本発明のキャップ部材およびこれと一体の容器本体に相当）」が「環状給送部（本発明のステムに相当）」に対して上下動するものである。
【０００７】
「カバー部」の回動操作に基づく「担体ユニット」の上動により、その中の内容物が内容物放出機構上端側の「噴射孔」から外部に噴射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特表２００３−５０４２８０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
このように従来の、出力部固定タイプの内容物放出機構においては「担体ユニット」を「環状給送部」に対して上動させる、すなわち内容物の出力部を固定した状態「担体ユニット」を移動させることにより当該ユニットの内容物を噴射するものである。
【００１０】
本発明もこの出力部固定の考え方を前提としている。
【００１１】
本発明では、さらに例えば使用済みとなった「担体ユニット」をステムとともにその回りのカバー筐体から、内容物放出作動用の操作部材に対する別の操作（＝内容物放出操作とは異なる操作）で取り外せるようにして、「担体ユニット」の取替え作業自体の簡単化，内容物放出機構としての再利用化を図ることを目的とする。
【００１２】
また、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合などにその挿入位置を利用者が無意識に設定可能な出力部形状にして、鼻腔への内容物放出操作上の利便性確保を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
（１）内容物放出操作用の可動部材（例えば後述の回動操作部材９，スライド操作部材１２）と、
前記可動部材が取り付けられて内容物放出操作時に利用者が保持可能なカバー筐体（例えば後述のカバー筐体７，８，１１）と、
前記カバー筐体の上側部分であって内容物出力通路域（例えば後述の内容物出力通路域７ｅ，８ｅ，１１ｆ）を備えた出力部（例えば後述の上側筒状部７ｄ，８ｄ，１１ｅ）と、
前記内容物出力通路域の入口部分と係合する形の固定状態に設定された内容物通過用のステム（例えば後述のステム４）と、
前記ステムを収容するかたちで前記カバー筐体の内部に配設されて上下方向に移動可能な筒状のキャップ部材（例えば後述のキャップ部材２，３）と、
前記キャップ部材と一体化して容器ユニットを構成する容器本体（例えば後述の容器本体１）と、
を有する出力部固定タイプの内容物放出機構において、
前記可動部材は、
第一の方向への内容物放出操作およびこれとは逆の第二の方向への容器ユニット取外し操作が可能な操作部（例えば後述の操作部９ａ，１２ａ）と、
前記容器ユニットに対する駆動部（例えば後述の二股部分９ｂ，傾斜カム面１２ｃ，１２ｅ）と、を備え、
前記キャップ部材は、
前記内容物放出操作および前記容器ユニット取外し操作に応じて、前記駆動部から上方向および下方向への駆動力をそれぞれ選択的に受ける被駆動部（例えば後述の環鍔状部２ｆ，環状上面２ｃ，外向き円柱状部３ｆ）を備え、
前記内容物放出操作により前記キャップ部材および前記容器本体が上動して、内容物が前記ステムおよび前記内容物出力通路域を経て外部に放出され、かつ、前記容器ユニット取外し操作により前記キャップ部材，前記容器本体および当該キャップ部材に従動する前記ステムがそれぞれ下動して、前記カバー筐体から取り外される、
ものを用いる。
（２）上記（１）において、
前記出力部は、
上端開口部分（例えば後述の内容物放出孔７ｇ，１１ｈ）を備えた筒状部からなり、かつ、当該上端開口部分の方から内容物放出対象部位である鼻腔（例えば後述の鼻腔１３）の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの挿入位置設定作用部（例えば後述の環状段部７ｈ，１１ｊ）を、外周面に備えている、
ものを用いる。
（３）上記（１），（２）において、
前記可動部材は、
前記カバー筐体（例えば後述のカバー筐体７，８）に回動可能なかたちで取り付けられた回動部材（例えば後述の回動操作部材９）であり、
前記駆動部は、
前記回動部材の、前記操作部とは反対の自由端側部分（例えば後述の二股部分９ｂ）における当接部であり、
前記被駆動部は、
前記キャップ部材（例えば後述のキャップ部材２）の外面の、前記当接部を挟むかたちの上下各位置に形成された上側被当接部（例えば後述の環鍔状部２ｆ）および下側被当接部（例えば後述の環状上面２ｃ）であり、
前記内容物放出操作は、
前記当接部が前記上側被当接部を押し上げる第一の方向（例えば後述のＡ方向）への回動操作であり、
前記容器ユニット取外し操作は、
前記当接部が前記下側被当接部を押し下げる第二の方向（例えば後述のＢ方向）への逆回動操作である、
ものを用いる。
（４）上記（３）において、
前記当接部は、
前記自由端側部分を形成する二股部分（例えば後述の二股部分９ｂ）それぞれの先端側上部および先端側下部であり、
前記上側被当接部および前記下側被当接部は、
前記外面に形成されて、それぞれが前記先端側上部および前記先端側下部と選択的に当接して駆動される環状面部分（例えば後述の環鍔状部２ｆ，環状上面２ｃ）である、
ものを用いる。
（５）上記（３），（４）において、
前記回動部材は、
前記カバー筐体と係合して、前記上側被当接部を前記当接部で静止モード位置に保持するための係合作用部（例えば後述の一対の縦凸状部９ｄ）を備えている、
ものを用いる。
（６）上記（１），（２）において、
前記可動部材は、
前記カバー筐体（例えば後述のカバー筐体１１）に取り付けられて横方向への移動が可能なスライド部材（例えば後述のスライド操作部材１２）であり、
前記駆動部は、
前記スライド部材の、その前記横方向の異なる位置に離間形成された第一および第二のカム作用部（例えば後述の傾斜カム面１２ｃ，１２ｅ）であり、
前記被駆動部は、
前記キャップ部材（例えば後述のキャップ部材３）の外周面に、前記第一および第二のカム作用部のいずれかと選択的に協働する態様で形成された被カム作用部（例えば後述の一対の外向き円柱状部３ｆ）であり、
前記内容物放出操作は、
前記第一のカム作用部（例えば後述の傾斜カム面１２ｃ）が前記被カム作用部と当接する第一の方向（例えば後述のＣ方向）へのスライド操作であり、
前記容器ユニット取外し操作は、
前記第二のカム作用部（例えば後述の傾斜カム面１２ｅ）が前記被カム作用部と当接する第二の方向（例えば後述のＤ方向）への逆スライド操作である、
ものを用いる。
(７)上記（６）において、
前記スライド部材は、
対向状態の一対の板状要素（例えば後述の縦板状部１２ｂ）を備え、
前記第一および第二のカム作用部は、
前記板状要素それぞれの対向面部分に形成された傾斜カム面（例えば後述の傾斜カム面１２ｃ，１２ｅ）であり
前記被カム作用部は、
前記外周面に形成されて、それぞれが前記傾斜カム面に倣う一対の外向き凸状部（例えば後述の一対の外向き円柱状部３ｆ）である、
ものを用いる。
（８）上記（６），（７）において、
前記スライド部材は、
前記カバー筐体と係合して、当該スライド部材を静止モード位置に保持するための係合作用部（例えば後述の一対の縦凸状部１２ｇ）と、
前記第一のカム作用部（例えば後述の傾斜カム面１２ｃ）の下端側から続いて静止モード位置の前記被カム作用部を保持する水平カム作用部（例えば後述の水平カム面１２ｄ）を備えている、
ものを用いる。
【００１４】
このような構成からなる出力部固定タイプの内容物放出機構および、当該内容物放出機構を備えたポンプ式製品を本発明の対象としている。
【発明の効果】
【００１５】
本発明はこのように、容器ユニットの取替え作業自体の簡単化，内容物放出機構としての再利用化を図ることができる。
【００１６】
また、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合などにその挿入位置を利用者が無意識に設定可能であり、鼻腔への内容物放出時における操作上の利便性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】回動操作部材を用いた出力部固定タイプの鼻腔用内容物放出機構における静止モードを示している。
【図２】図１の回動操作部材の斜視状態を示している。
【図３】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図１の回動操作部材をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図４】利用者が図１の回動操作部材をＢ方向に回動操作して容器ユニットをカバー筐体から取り外すときの作動初期状態を示している。
【図５】利用者が図１の回動操作部材をＢ方向に回動操作して容器ユニットをカバー筐体から取り外すときの作動最終状態を示している。
【図６】回動操作部材を用いた出力部固定タイプの口内用内容物放出機構における静止モードを示している。
【図７】スライド操作部材を用いた出力部固定タイプの鼻腔用内容物放出機構における静止モードを示している。
【図８】図７のスライド操作部材の斜視状態を示している。
【図９】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図７のスライド操作部材をＣ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図１０】利用者が図７のスライド操作部材をＤ方向にスライド操作して容器ユニットをカバー筐体から取り外すときの作動初期状態を示している
【図１１】利用者が図７のスライド操作部材をＤ方向にスライド操作して容器ユニットをカバー筐体から取り外すときの作動最終状態を示している
【発明を実施するための形態】
【００１８】
図１乃至図１１を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【００１９】
以下のアルファベット付き参照番号の構成要素（例えば開口側筒状部１ａ）は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素（例えば容器本体１）の一部であることを示している。
【００２０】
なお、図１〜図１１の内容を大別すると、
(21)図１〜図５は、回動操作対応のキャップ部材２，鼻腔・回動操作対応のカバー筐体７および回動操作部材９を用いる場合を示し、
(22)図６は、上記(21)の鼻腔・回動操作対応のカバー筐体７に代えて例えば口内・回動操作対応のカバー筐体８を用いる場合を示し、
(23)図７〜図１１は、スライド操作対応のキャップ部材３，鼻腔・スライド操作対応のカバー筐体１１およびスライド操作部材１２を用いる場合を示している。
【００２１】
図１〜図１１において、
１は放出対象の内容物が収容された容器本体，
１ａは外周面に螺子が形成されている開口側筒状部，
をそれぞれ示している。
【００２２】
また、図１〜図１１において、
２は容器本体１の開口側筒状部１ａに螺子結合作用により取り付けられた回動操作用のキャップ部材（図１〜図６参照），
３は容器本体１の開口側筒状部１ａに螺子結合作用により取り付けられたスライド操作用のキャップ部材（図７〜図１１参照），
２ａ，３ａは開口側筒状部１ａの回りに相当する下大径筒状部，
２ｂ，３ｂは下大径筒状部２ａ，３ａの上端側に上狭まり態様で形成された環状斜面，
２ｃは環状斜面２ｂの上端部分から内側に形成された環状上面（被駆動部），
３ｃは環状斜面３ｂの上端部分から内側に形成された環状上面，
２ｄ，３ｄは環状上面２ｃの内端側から上方に形成された上小径筒状部,
２ｅ，３ｅは上小径筒状部２ｄ，３ｄの内周面の上下方向中間部分から下方に延びる環状垂下部，
２ｆは上小径筒状部２ｄの上端開口部に形成された環鍔状部（被駆動部），
３ｆは静止モードのとき後述の傾斜カム面１２ｃの下端部分と水平カム面１２ｄとに略当接する位置態様で、上小径筒状部３ｄの外周面に形成され、傾斜カム面１２ｃ，１２ｅそれぞれのカム従動部として作用する一対の外向き円柱状部（被駆動部），
２ｇ，３ｇは下大径筒状部２ａ，３ａの内側上端部分などに取り付けられて次回放出対象内容物の貯留空間域を設定する周知のハウジング，
をそれぞれ示している。
【００２３】
また、図１〜図１１において、
４は少なくとも下側部分がハウジング２ｇ，３ｇの内部空間域に配設され、かつ上端部分が後述のカバー筐体７，８，９の凹状部７ｆ，８ｆ，９ｇにそれぞれ嵌合固定されて、内容物放出操作にともなう内容物放出通路域として作用する周知のステム，
４ａは当該ステムの、内容物放出通路域と連通する内容物通過用の横孔部を含む上下範囲に形成された小径筒状部，
４ｂは小径筒状部４ａの上端環状段部，
４ｃは小径筒状部４ａの下端環状段部，
５は小径筒状部４ａの回りに取り付けられた周知の吐出弁，
６はハウジング２ｇ，３ｇ（キャップ部材２，３）およびこれと一体の容器本体１をステム４に対して下方向に付勢するコイルスプリング，
をそれぞれ示している。
【００２４】
また、図１〜図６において、
７はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材２を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させる回動操作・鼻腔用のカバー筐体（図１〜図５参照），
８はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材２を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させる回動操作・口内用のカバー筐体（図６参照），
７ａ，８ａは容器本体１およびキャップ部材２などを収納する大径の下側筒状部，
７ｂ，８ｂは下側筒状部７ａ，８ａの上周面部分に形成された上下方向で下端低位置の回動操作用開口部，
７ｃ，８ｃは回動操作用開口部７ｂ，８ｂの対向部分に形成された一対の軸受け凹状部，
７ｄ，８ｄは下側筒状部７ａ，８ａに連続形成された小径の上側筒状部（出力部），
７ｅはステム４と連通する上下方向の内容物出力通路域，
８ｅはステム４と連通するＬ字状の内容物出力通路域，
７ｆ，８ｆは内容物出力通路域７ｅ，８ｅの入口部分であってステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部，
７ｇは内容物出力通路域７ｅの上端開口部分からなる内容物放出孔，
８ｇは内容物出力通路域８ｅの前端開口部分からなる内容物出力孔，
７ｈは上側筒状部７ｄの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である後述の鼻腔１３の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図３参照），
８ｈは内容物出力孔８ｇの回りの上側筒状部外周面に形成されて、後述のＬ字状ノズル１０を仮想上下面内において回動可能なかたちで保持するための円形凹状部（図６参照），
をそれぞれ示している。
【００２５】
また、図１〜図６において、
９はカバー筐体７，８の回動操作用開口部７ｂ，８ｂに取り付けられて、Ａ方向への内容物放出操作およびＢ方向への容器ユニット取外し操作がそれぞれ可能な回動操作部材，
９ａは回動操作部材９の平板状の操作部，
９ｂは操作部９ａから横方向（キャップ部材２の上小径筒状部２ｄの方）に延び、利用者の選択的操作に応じるかたちで上小径筒状部２ｄの環鍔状部２ｆまたは下大径筒状部２ａの環状上面２ｃに当接して、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１を上方向または下方向に駆動する二股部分（駆動部），
９ｃは回動操作部材９の側面部分それぞれに形成されて、カバー筐体７，８の軸受け凹状部７ｃ，８ｃに係合した回動中心となる一対の凸状軸部，
９ｄは一対の凸状軸部９ｃの下方の回動操作部材側面部分それぞれに形成され、回動操作用開口部７ｂ，８ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に係合して、静止モードの回動操作部材９が外側に抜けるのを防止するための一対の縦凸状部，
１０はカバー筐体８の円形凹状部８ｈに取り付けられて、少なくとも略垂直の収納未使用状態と略水平の使用状態との間で回動可能なＬ字状ノズル（図６参照），
をそれぞれ示している。
【００２６】
また、図７〜図１１において、
１１はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材３を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させるスライド操作・鼻腔用のカバー筐体，
１１ａは容器本体１およびキャップ部材３などを収納する大径の下側筒状部，
１１ｂは下側筒状部１１ａの上周面部分に形成された上下方向で下端高位置のスライド操作用開口部，
１１ｃはスライド操作用開口部１１ｂの上端部分と連続して、後述のスライド操作部材１２の上面側を案内保持する略水平の環状天部，
１１ｄは下側筒状部１１ａの上内周面の、平面視座におけるスライド操作用開口部１１ｂからキャップ部材３の上小径筒状部３ｄの縦方向中心軸にいたる仮想平面を基準とした対称部分に形成されて、後述のスライド操作部材１２の底面側を案内保持する一対でそれぞれ略水平の横板状部，
１１ｅは下側筒状部１１ａに連続形成された小径の上側筒状部（出力部），
１１ｆはステム４と連通する上下方向の内容物出力通路域，
１１ｇは内容物出力通路域１１ｆの入口部分であってステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部，
１１ｈは内容物出力通路域１１ｆの上端開口部分からなる内容物放出孔，
１１ｊは上側筒状部１１ｅの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である後述の鼻腔１３の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図９参照），
をそれぞれ示している。
【００２７】
また、図７〜図１１において、
１２はカバー筐体１１のスライド操作用開口部１１ｂや環状天部１１ｃ，横板状部１１ｄなどに案内されるかたちで配設されて、Ｃ方向への内容物放出操作およびＤ方向への容器ユニット取外し操作がそれぞれ可能な略Ｕ字状のスライド操作部材，
１２ａはスライド操作部材の操作部，
１２ｂは操作部１２ａから横方向（キャップ部材３の上小径筒状部３ｄの方）に延び、利用者の選択的操作に応じるかたちでＣ方向またはＤ方向に移動する一対でそれぞれ略垂直の縦板状部，
１２ｃは縦板状部１２ｂの対向内面それぞれの操作部１２ａに近い側に形成されて、Ｃ方向へのスライド操作の際に外向き円柱状部３ｆが倣う内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部），
１２ｄは傾斜カム面１２ｃの下端部分から操作部１２ａとは反対側に続く水平カム面，
１２ｅは縦板状部１２ｂの対向内面それぞれの、傾斜カム面１２ｃと略平行な態様で操作部１２ａから遠い側に形成されて、Ｄ方向へのスライド操作の際に外向き円柱状部３ｆが倣う容器ユニット取外し作動用の傾斜カム面（駆動部），
１２ｆは水平カム面１２ｄと傾斜カム面１２ｅの下端部分との間に設定されたカム面なしの切欠状部，
１２ｇは縦板状部１２ｂの外面それぞれに形成され、スライド操作用開口部１１ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に係合して、静止モードのスライド操作部材１２が外側に抜けるのを防止するための一対の縦凸状部，
をそれぞれ示している。
【００２８】
また、
１３は内容物放出対象部位である鼻腔（図３，図９参照），
Ａは内容物放出時の回動操作方向（図３参照），
Ｂは容器ユニット取外し時の回動操作方向（図４，図５参照），
Ｃは内容物放出時のスライド操作方向（図９参照），
Ｄは容器ユニット取外し時のスライド操作方向（図１０，図１１参照），
をそれぞれ示している。
【００２９】
ここで、容器本体１，キャップ部材２，３，吐出弁５，回動操作・鼻腔用のカバー筐体７，回動操作・口内用のカバー筐体８，回動操作部材９，Ｌ字状ノズル１０，スライド操作・鼻腔用のカバー筐体１１およびスライド操作部材１２は例えばポリプロピレン，ポリエチレン，ポリアセタール，ナイロン，ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
【００３０】
また、ステム４は例えばプラスチック製または金属製のものであり、コイルスプリング６は金属製のものである。
【００３１】
なお、Ｂ方向への回動操作およびＤ方向へのスライド操作によりカバー筐体７，８，１１から取り外される容器本体１，キャップ部材２，３およびステム４などの全体が、「容器ユニット」に相当する。
【００３２】
図示の出力部固定タイプ（＝容器本体上下動タイプ）の内容物放出機構の基本的な特徴は、回動操作部材９を用いる場合、
(31)回動操作部材９のＡ方向への回動操作により、その二股部分９ｂの先端上部でキャップ部材２の環鍔状部２ｆを上方向に駆動して、ステム４がカバー筐体７に固定されたままの内容物放出作動状態を設定し（図３参照）、
(32)かつ、回動操作部材９のＢ方向への回動操作により、その二股部分９ｂの先端下部でキャップ部材２の環状上面２ｃを下方向に駆動して容器本体ユニット取外し作動状態が設定される（図４，図５参照）、
ことである。
【００３３】
また、スライド操作部材１２を用いる場合、
(33)スライド操作部材１２のＣ方向へのスライド操作により、その傾斜カム面１２ｃでキャップ部材３の外向き円柱状部３ｆを上方向に駆動して、ステム４がカバー筐体１１に固定されたままの内容物放出作動状態を設定し（図９参照）、
(34)かつ、スライド操作部材１２のＤ方向へのスライド操作により、その傾斜カム面１２ｅでキャップ部材３の外向き円柱状部３ｆを下方向に駆動して容器本体ユニット取外し作動状態が設定される（図１０，図１１参照）、
ことである。
【００３４】
さらなる基本的特徴は、
(35)回動操作・鼻腔用のカバー筐体７およびスライド操作・鼻腔用のカバー筐体１１それぞれの上側筒状部７ｄ，１１ｅの外周面に、内容物放出対象部位の鼻腔１３への挿入位置を規定する環状段部７ｈ，１１ｊを形成した（図３，図９参照）、
ことである。
【００３５】
図１，図６は回動操作部材を用いた出力部固定タイプの内容物放出機構における静止モードを示している。
【００３６】
このとき、
(41)ステム４は、その上端部分がカバー筐体７，８の凹状部７ｆ，８ｆに嵌合保持され、
(42)回動操作部材９は、その一対の縦凸状部９ｄがそれぞれ回動操作用開口部７ｂ，８ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その二股部分９ｂの先端上部がそれぞれキャップ部材２の環鍔状部２ｆと当接して当該キャップ部材を保持し、
(43)吐出弁５は、キャップ部材２の環状垂下部２ｅとステム４（小径筒状部４ａ）の下端環状段部４ｃとの間にいわば挟持された位置に設定され、
(44)この位置の吐出弁５がステム４の周知の内容物流入用の横孔部を閉塞して、当該ステムの内容物放出通路域は、ハウジング２ｇの内容物貯留空間域と連通しない状態に設定されている。
【００３７】
図３は、利用者がカバー筐体７の環状段部７ｈを鼻腔１３の入口部分に当ててから図１の回動操作部材９をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００３８】
すなわち、回動操作部材９のＡ方向への回動操作によりその二股部分９ｂの先端上部がキャップ部材２の環鍔状部２ｆに当接してこれを持ち上げる。
【００３９】
この環鍔状部２ｆの持上げ作動にともない、キャップ部材２のハウジング２ｇにおける次回放出対象内容物の貯留空間域、すなわち吐出弁５と、ハウジング内部空間域下側に設定された周知の吸込弁（図示省略）との間の空間域に容積が減少してそこの貯留内容物の圧力が上昇する。
【００４０】
そして、この圧力上昇により吐出弁５が上動して、ステム４の内容物流入用の横孔部がそれまでの「閉」から「開」へと移行する。このときの吸込弁は「閉」のままである。
【００４１】
この横孔部「開」への移行により、ハウジング内部の貯留空間域の内容物が当該横孔部からステム４の内容物放出通路域およびカバー筐体７の内容物出力通路域７ｅを経て内容物放出孔７ｇから鼻腔１３へ放出される。
【００４２】
次に利用者がＡ方向への回動操作を解除すると、カバー筐体７に係合固定されたステム４に対し、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１がコイルスプリング６の弾性力や当該容器本体，当該キャップ部材の自重などに基づいて下動する。
【００４３】
そして、キャップ部材２などは、その環鍔状部２ｆに回動操作部材９の二股部分９ｂの先端上部が当接して、当該回動操作部材の一対の縦凸状部９ｄが上述のようにカバー筐体７の内面部分に係合した状態に保持される。
【００４４】
すなわち、吐出弁５および吸込弁（図示省略）がともに「閉」状態の、図１の静止モードへと復帰する。
【００４５】
この静止モードへの復帰プロセスの際、上記ハウジング内部の貯留空間域容積が増加してそこでの内容物圧力が低下する。
【００４６】
これにともない吸込弁がそれまでの「閉」から「開」へと変化して容器本体１の内容物が当該貯留空間域に流入する。この流入内容物が次回の放出対象となる。また、内容物の流入による貯留空間域圧力の増加に応じて吸込弁は閉じる。
【００４７】
なお、以上の回動操作部材９のＡ方向への回動操作および回動操作解除それぞれにともなう吐出弁および吸込弁の作動自体は周知である。
【００４８】
図４および図５は、利用者が図１の回動操作部材９をＢ方向に回動操作して容器ユニットをカバー筐体７から取り外すときの作動状態を示している。
【００４９】
このとき、
(51)先ず回動初期段階で、回動操作部材９の一対の縦凸状部９ｄがいわばつぶれる方向に弾性変形しながら回動操作用開口部７ｂの縦側面部分に当接し、かつ、当該回動操作部材の先端下部がキャップ部材２の環状上面２ｃに当接し（図４参照）、
(52)Ｂ方向へのさらなる回動操作により、回動操作部材９の二股部分９ｂの先端下部が、キャップ部材２の環状上面２ｃにいわば倣いながら当該環状上面を下方に駆動する（図５参照）。
【００５０】
そして、図５に示すように、回動操作部材９がキャップ部材２の環状上面２ｃを下方へ駆動することにより、ステム４の小径筒状部４ａの下端環状段部４ｃは、ハウジング２ｅおよびこれといわば一体の吐出弁５を介して下方への力を受ける。
【００５１】
すなわち、ステム４がキャップ部材２と下方へ連動し、これによりそれまでのステム４の上端部分とカバー筐体７の凹状部７ｆとの係合保持状態が解消される。
【００５２】
このステム４とカバー筐体７の凹状部７ｆとの間の係合保持状態の解消により、それまで用いられていた容器本体１およびキャップ部材２がステム４とともに当該カバー筐体から外れて落下する。すなわち使用済み容器ユニットがカバー筐体７から取り外される。
【００５３】
この使用済み容器ユニットに代えて新容器ユニットをカバー筐体７にセットするには、例えば、
(61)回動操作部材９を略図５の位置、すなわち二股部分９ｂの先端部が、容器ユニット取付け後の環鍔状部２ｆの外側でかつ環状上面２ｃの中側となる位置に回動設定し、
(62)この回動設定状態のカバー筐体７に、その下端側開口部から新容器ユニットを上方に入れていき、
(63)回動操作部材９の二股部分９ｂの先端下部がキャップ部材２の環状上面２ｃに当接した後は、当該環状上面より上方に設けられた環鍔状部２ｆの上方向への移動が当該先端下部によって阻止されるようなことはもはや生じないので、当該回動操作部材をＡ方向に積極的に回動しながら新容器ユニットを上方に移動させればよい。
【００５４】
この回動操作部材９は、Ａ方向への回動戻し操作により、二股部分９ｂの先端上部がキャップ部材２の環鍔状部２ｆに当接し、かつ、一対の縦凸状部９ｄがそれぞれ回動操作用開口部７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止された状態、すなわち図１の静止モードへと復帰する。
【００５５】
この一対の縦凸状部９ｄが上記カバー筐体内面に当接係止されるのは、コイルスプリング６の弾性作用により、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１がステム４（カバー筐体７）に対して下方に付勢されるからである。
【００５６】
図６は、図１のカバー筐体７の代わりにＬ字状ノズル１０付きのカバー筐体８を用いる場合の静止モードを示している。なお、図示のＬ字状ノズル１０は下向き（垂直）の収納未使用状態である。
【００５７】
ここで、例えば口内への内容物放出作動状態を設定するには、Ｌ字状ノズル１０を横向き（水平）に起こしてから回動操作部材９を図３の場合と同じようにＡ方向へ回動操作すればよい。
【００５８】
また、図６の内容物放出機構における容器ユニットをカバー筐体８から取り外すには、回動操作部材９を図４，図５の場合と同じようにＢ方向へ回動操作すればよい。
【００５９】
当然のことながら、この図６の内容物放出機構におけるＡ方向，Ｂ方向への回動操作時それぞれのキャップ部材２，ステム４，吐出弁５，吸込弁（図示省略）および回動操作部材９などの位置・協働関係は、図１〜図５の内容物放出機構の場合と同じである。
【００６０】
図７はスライド操作部材を用いた出力部固定タイプの内容物放出機構における静止モードを示している。
【００６１】
このとき、
(71)ステム４は、その上端部分がカバー筐体１１の凹状部１１ｇに嵌合保持され、
(72)スライド操作部材１２は、その一対の縦凸状部１２ｇがそれぞれスライド操作用開口部１１ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その傾斜カム面１２ｃ（の下端部分）および水平カム面１２ｄにキャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｆが当接して当該キャップ部材を保持し、
(73)吐出弁５は、キャップ部材３の環状垂下部３ｅとステム４（小径筒状部４ａ）の下端環状段部４ｃとの間にいわば挟持された位置に設定され、
(74)この位置の吐出弁５がステム４の周知の内容物流入用の横孔部を閉塞して、当該ステムの内容物放出通路域は、ハウジング３ｇの内容物貯留空間域と連通しない状態に設定されている。
【００６２】
図９は、利用者がカバー筐体１１の環状段部１１ｊを鼻腔１３の入口部分に当ててから図７のスライド操作部材１２をＣ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００６３】
すなわち、スライド操作部材１２のＣ方向へのスライド操作により、キャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｆがそれぞれ傾斜カム面１２ｃに倣って上方向へ駆動される。
【００６４】
この円柱状部３ｆの上動、すなわちキャップ部材３およびこれと一体の容器本体１のステム４に対する上動にともない、上述の図３の場合と同様の弁作動が生じて、ハウジング３ｇ内部の貯留空間域の内容物がステム４の内容物放出通路域およびカバー筐体１１の内容物出力通路域１１ｆを経て内容物放出孔１１ｈから鼻腔１３へ放出される。
【００６５】
このときも、カバー筐体１１の上側筒状部１１ｅの鼻腔１３への挿入位置は当該上側筒状部の環状段部１１ｊで設定されている。
【００６６】
次に利用者がＣ方向へのスライド操作を解除すると、カバー筐体１１に係合固定されたステム４に対し、キャップ部材３およびこれと一体の容器本体１がコイルスプリング６の弾性力や当該容器本体，当該キャップ部材の自重などに基づいて下動する。
【００６７】
そして、キャップ部材３などは、その円柱状部３ｆがスライド操作部材１２の傾斜カム面１２ｃ（の下端部分）および水平カム面１２ｄに当接して、当該スライド操作部材の一対の縦凸状部１２ｇが上述のようにカバー筐体１１の内面部分に係合した状態に保持される。すなわち図９の静止モードへと復帰する。
【００６８】
この静止モードへの復帰プロセスの際にも上述の図３の場合と同様に、吐出弁５および吸込弁の周知の弁作動が生じ、また、容器本体１の内容物がハウジング３ｇの貯留空間域に流入する。
【００６９】
図１０および図１１は、利用者が図７のスライド操作部材１２をＤ方向にスライド操作して容器ユニットをカバー筐体１１から取り外すときの作動状態を示している。
【００７０】
このとき、
(81)先ずスライド初期段階で、キャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｆがスライド操作部材１２の傾斜カム面１２ｅに当接し、かつ、当該スライド操作部材の一対の縦凸状部１２ｇがいわばつぶれる方向に弾性変形しながらスライド操作用開口部１１ｂの縦側面部分に当接し、（図１０参照）、
(82)Ｄ方向へのさらなるスライド操作により、スライド操作部材１２が円柱状部３ｆを傾斜カム面１２ｅに倣わせながら下方に駆動する（図１１参照）。
【００７１】
なお、スライド操作部材１２は図１１に示すように、その傾斜カム面１２ｅの上端部分がカバー筐体１１の内周面に当接するまでＤ方向に移動する。
【００７２】
そして、スライド操作部材１２の傾斜カム面１２ｅが、Ｄ方向への移動にともなってキャップ部材３の円柱状部３ｆを下方へ駆動することにより、ステム４の小径筒状部４ａの下端環状段部４ｃは、ハウジング２ｇおよびこれといわば一体の吐出弁５を介して下方への力を受ける（図１１参照）。
【００７３】
すなわち、ステム４がキャップ部材３と下方へ連動し、これによりそれまでのステム４の上端部分とカバー筐体１１の凹状部１１ｇとの係合保持状態が解消される。
【００７４】
そしてこのとき、一対の外向き円柱状部３ｆは切欠状部１２ｆを通って傾斜カム面１２ｃおよび水平カム面１２ｄとの当接状態からフリーの位置にあり、キャップ部材３（円柱状部３ｆ）は下方への移動が可能である。
【００７５】
このようにステム４とカバー筐体１１の凹状部１１ｇとの間の係合保持状態の解消により、それまで用いられていた容器本体１およびキャップ部材３がステム４とともに当該カバー筐体から外れて落下する。すなわち使用済み容器ユニットがカバー筐体１１から取り外される。
【００７６】
この使用済み容器ユニットに代えて新容器ユニットをカバー筐体１１にセットするには、例えば、
(91)スライド操作部材１２を略図１１の位置、すなわち傾斜カム面１２ｅの上端部分がカバー筐体１１の内周面に当接する位置にスライド設定し、
(92)このスライド設定状態のカバー筐体１１に、その下端側開口部から新容器ユニットを上方に入れていき、
(93)キャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｆがスライド操作部材１２の傾斜カム面１２ｅに当接した後は、当該スライド操作部材をＣ方向に移動させながら新容器ユニットをさらに上方へと移動させればよい。
【００７７】
上記(93)のスライド操作部材および新容器ユニットそれぞれの移動により、スライド操作部材１２は、その水平カム面１２ｄなどに一対の外向き円柱状部３ｆが当接し、かつ、その一対の縦凸状部１２ｇがスライド操作用開口部１１ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止された状態、すなわち図７の静止モードへと復帰する。
【００７８】
この一対の縦凸状部１２ｇが上記カバー筐体内面に当接係止されるのは、コイルスプリング６の弾性作用により、キャップ部材３およびこれと一体の容器本体１がステム４（カバー筐体７）に対して下方に付勢されるからである。
【００７９】
本発明の出力部固定タイプの内容物放出機構が図示の実施形態に限定されるものでないことは勿論であり、例えば、
(101)図１〜図６の軸受け凹状部７ｃ，８ｃと凸状軸部９ｃとの凹凸関係を逆にする、
(102)図１〜図１１の縦凸状部９ｄ，１２ｇに代わる凹状部を回動操作部材９，スライド操作部材１２に形成し、かつ、当該凹状部に対応した係合用凸状部をカバー筐体７，８，１１に形成する、
(103)図７〜図１１の、傾斜カム面１２ｃに代わる内容物放出作動用の第一のカム作動部および傾斜カム面１２ｅに代わる容器ユニット取外し作動用の第二のカム作動部を、スライド操作部材１２の縦板状部１２ｂの内面に例えば円柱状態様でそれぞれ形成し、かつ、当該第一のカム作動部に対応した第一の従動傾斜カム面および当該第二のカム作動部に対応した第二の従動傾斜カム面を、キャップ部材３の外周面にそれぞれ形成し、
(104)口内・スライド操作部材対応のカバー筐体，キャップ部材３，スライド操作部材１２およびＬ字状ノズル１０などを組み合わせる、
ようにしてもよい。
【００８０】
本発明が適用されるポンプ式製品としては、洗浄剤，清掃剤，制汗剤，筋肉消炎剤，化粧品，食品，液滴状のもの（ビタミンなど），医薬品，医薬部外品，忌避剤，クリーナー，消臭剤などの各種用途のものがある。
【００８１】
容器本体に収納する内容物は、液状，クリーム状，ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物，油成分，アルコール類，界面活性剤，高分子化合物，各用途に応じた有効成分，水などが挙げられる。
【００８２】
粉状物としては、金属塩類粉末，無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク，カオリン，アルミニウムヒドロキシクロライド（アルミ塩），アルギン酸カルシウム，金粉，銀粉，雲母，炭酸塩，硫酸バリウム，セルロース，これらの混合物などを用いる。
【００８３】
油成分としては、シリコーン油，パーム油，ユーカリ油，ツバキ油，オリーブ油，ホホバ油，パラフィン油，ミリスチン酸，パルミチン酸，ステアリン酸，リノール酸，リノレン酸などを用いる。
【００８４】
アルコール類としては、エタノールなどの１価の低級アルコール，ラウリルアルコールなどの１価の高級アルコール，エチレングリコール，グリセリン，1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【００８５】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【００８６】
高分子化合物としては、メチルセルロース，ゼラチン，デンプン，カゼイン，ヒドロキシエチルセルロース，キサンタンガム，カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【００８７】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル，インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム，クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド，ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル，メントールなどの清涼剤、エフェドリン，アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース，アスパルテームなどの甘味料などを用いる。
【００８８】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤，紫外線吸収剤，乳化剤，保湿剤，酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【符号の説明】
【００８９】
(図１〜図１１)
１:容器本体
１ａ:開口側筒状部
２:回動操作用のキャップ部材（図１〜図６参照）
３:スライド操作用のキャップ部材（図７〜図１１参照）
２ａ，３ａ:下大径筒状部
２ｂ，３ｂ:環状斜面
２ｃ：環状上面（被駆動部）
３ｃ：環状上面
２ｄ，３ｄ:上小径筒状部
２ｅ，３ｅ:環状垂下部
２ｆ:環鍔状部（被駆動部）
３ｆ:一対の外向き円柱状部（被駆動部）
２ｇ，３ｇ:ハウジング
４：ステム
４ａ：小径筒状部
４ｂ：上端環状段部
４ｃ：下端環状段部
５：吐出弁
６：コイルスプリング
【００９０】
（図１〜図６）
７：回動操作・鼻腔用のカバー筐体（図１〜図５参照）
８：回動操作・口内用のカバー筐体（図６参照）
７ａ，８ａ：大径の下側筒状部
７ｂ，８ｂ：回動操作用開口部
７ｃ，８ｃ：一対の軸受け凹状部
７ｄ，８ｄ：小径の上側筒状部（出力部）
７ｅ：上下方向の内容物出力通路域
８ｅ：Ｌ字状の内容物出力通路域，
７ｆ，８ｆ：ステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部
７ｇ：内容物放出孔
８ｇ：内容物出力孔
７ｈ：上側筒状部７ｄの挿入位置設定用の環状段部（図３参照）
８ｈは円形凹状部（図６参照）
９：回動操作部材
９ａ：操作部
９ｂ：二股部分（駆動部）
９ｃ：一対の凸状軸部
９ｄ：一対の縦凸状部
１０：Ｌ字状ノズル（図６参照）
【００９１】
（図７〜図１１）
１１：スライド操作・鼻腔用のカバー筐体
１１ａ：大径の下側筒状部
１１ｂ：スライド操作用開口部
１１ｃ：略水平の環状天部
１１ｄ：略水平の横板状部
１１ｅ：小径の上側筒状部（出力部）
１１ｆ：上下方向の内容物出力通路域
１１ｇ：凹状部
１１ｈ：内容物放出孔
１１ｊ：上側筒状部１１ｅの挿入位置設定用の環状段部（図９参照）
１２：略Ｕ字状のスライド操作部材
１２ａ：操作部
１２ｂ：略垂直の縦板状部
１２ｃ：内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部）
１２ｄ：水平カム面
１２ｅ：容器ユニット取外し作動用の傾斜カム面（駆動部）
１２ｆ：カム面なしの切欠状部
１２ｇ：一対の縦凸状部
【００９２】
１３：内容物放出対象部位である鼻腔（図３，図９参照）
Ａ：内容物放出時の回動操作方向（図３参照）
Ｂ：容器ユニット取外し時の回動操作方向（図４，図５参照）
Ｃ：内容物放出時のスライド操作方向（図９参照）
Ｄ：容器ユニット取外し時のスライド操作方向（図１０，図１１参照）
【技術分野】
【０００１】
本発明は、出力部固定タイプの内容物放出機構に関し、特に内容物放出用の出力部を備えたカバー筐体に、ステムを係合固定状態で、また、当該ステムに対応の容器本体およびキャップ部材を上下方向に可動な状態で、それぞれ配設した形の出力部固定タイプ（容器本体上下動タイプ）の内容物放出機構に関する。
【０００２】
そして、カバー筐体に取り付けた可動部材に対し、
(11)容器本体およびキャップ部材を係合固定状態のステムに対して上方向に移動させる内容物放出操作と、
(12)容器本体およびキャップ部材とともにステムを下方向に移動させて当該係合固定状態を解除することにより、これら三個の容器側要素の全体をカバー筐体から分離させる容器側取外し操作と、
を選択的におこなえる内容物放出機構である。
【０００３】
なお、本明細書において容器本体，キャップ部材およびカバー筐体などの長手方向（図示上下方向）を「縦」といい、この「縦」と略直交する方向を「横」という。
【０００４】
また、内容物放出操作および容器ユニット取外し操作の対象である回動操作部材，スライド操作部材が操作されていない内容物放出機構の初期状態を「静止モード」という。
【背景技術】
【０００５】
従来、内容物放出用の出力部を備えたカバー筐体に、ステムを係合固定状態で、また、当該ステムに対応の容器本体およびキャップ部材を上下方向に可動な状態で、それぞれ配設したかたちの出力部固定タイプ（容器本体上下動タイプ）の内容物放出機構が提案されている（特許文献１参照）。
【０００６】
この内容物放出機構は、上端側の「噴射孔（本発明の内容物出力部に相当）」のいわば開閉フタとして作用する「カバー部」を回動させることにより、「担体ユニット（本発明のキャップ部材およびこれと一体の容器本体に相当）」が「環状給送部（本発明のステムに相当）」に対して上下動するものである。
【０００７】
「カバー部」の回動操作に基づく「担体ユニット」の上動により、その中の内容物が内容物放出機構上端側の「噴射孔」から外部に噴射される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特表２００３−５０４２８０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
このように従来の、出力部固定タイプの内容物放出機構においては「担体ユニット」を「環状給送部」に対して上動させる、すなわち内容物の出力部を固定した状態「担体ユニット」を移動させることにより当該ユニットの内容物を噴射するものである。
【００１０】
本発明もこの出力部固定の考え方を前提としている。
【００１１】
本発明では、さらに例えば使用済みとなった「担体ユニット」をステムとともにその回りのカバー筐体から、内容物放出作動用の操作部材に対する別の操作（＝内容物放出操作とは異なる操作）で取り外せるようにして、「担体ユニット」の取替え作業自体の簡単化，内容物放出機構としての再利用化を図ることを目的とする。
【００１２】
また、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合などにその挿入位置を利用者が無意識に設定可能な出力部形状にして、鼻腔への内容物放出操作上の利便性確保を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
（１）内容物放出操作用の可動部材（例えば後述の回動操作部材９，スライド操作部材１２）と、
前記可動部材が取り付けられて内容物放出操作時に利用者が保持可能なカバー筐体（例えば後述のカバー筐体７，８，１１）と、
前記カバー筐体の上側部分であって内容物出力通路域（例えば後述の内容物出力通路域７ｅ，８ｅ，１１ｆ）を備えた出力部（例えば後述の上側筒状部７ｄ，８ｄ，１１ｅ）と、
前記内容物出力通路域の入口部分と係合する形の固定状態に設定された内容物通過用のステム（例えば後述のステム４）と、
前記ステムを収容するかたちで前記カバー筐体の内部に配設されて上下方向に移動可能な筒状のキャップ部材（例えば後述のキャップ部材２，３）と、
前記キャップ部材と一体化して容器ユニットを構成する容器本体（例えば後述の容器本体１）と、
を有する出力部固定タイプの内容物放出機構において、
前記可動部材は、
第一の方向への内容物放出操作およびこれとは逆の第二の方向への容器ユニット取外し操作が可能な操作部（例えば後述の操作部９ａ，１２ａ）と、
前記容器ユニットに対する駆動部（例えば後述の二股部分９ｂ，傾斜カム面１２ｃ，１２ｅ）と、を備え、
前記キャップ部材は、
前記内容物放出操作および前記容器ユニット取外し操作に応じて、前記駆動部から上方向および下方向への駆動力をそれぞれ選択的に受ける被駆動部（例えば後述の環鍔状部２ｆ，環状上面２ｃ，外向き円柱状部３ｆ）を備え、
前記内容物放出操作により前記キャップ部材および前記容器本体が上動して、内容物が前記ステムおよび前記内容物出力通路域を経て外部に放出され、かつ、前記容器ユニット取外し操作により前記キャップ部材，前記容器本体および当該キャップ部材に従動する前記ステムがそれぞれ下動して、前記カバー筐体から取り外される、
ものを用いる。
（２）上記（１）において、
前記出力部は、
上端開口部分（例えば後述の内容物放出孔７ｇ，１１ｈ）を備えた筒状部からなり、かつ、当該上端開口部分の方から内容物放出対象部位である鼻腔（例えば後述の鼻腔１３）の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの挿入位置設定作用部（例えば後述の環状段部７ｈ，１１ｊ）を、外周面に備えている、
ものを用いる。
（３）上記（１），（２）において、
前記可動部材は、
前記カバー筐体（例えば後述のカバー筐体７，８）に回動可能なかたちで取り付けられた回動部材（例えば後述の回動操作部材９）であり、
前記駆動部は、
前記回動部材の、前記操作部とは反対の自由端側部分（例えば後述の二股部分９ｂ）における当接部であり、
前記被駆動部は、
前記キャップ部材（例えば後述のキャップ部材２）の外面の、前記当接部を挟むかたちの上下各位置に形成された上側被当接部（例えば後述の環鍔状部２ｆ）および下側被当接部（例えば後述の環状上面２ｃ）であり、
前記内容物放出操作は、
前記当接部が前記上側被当接部を押し上げる第一の方向（例えば後述のＡ方向）への回動操作であり、
前記容器ユニット取外し操作は、
前記当接部が前記下側被当接部を押し下げる第二の方向（例えば後述のＢ方向）への逆回動操作である、
ものを用いる。
（４）上記（３）において、
前記当接部は、
前記自由端側部分を形成する二股部分（例えば後述の二股部分９ｂ）それぞれの先端側上部および先端側下部であり、
前記上側被当接部および前記下側被当接部は、
前記外面に形成されて、それぞれが前記先端側上部および前記先端側下部と選択的に当接して駆動される環状面部分（例えば後述の環鍔状部２ｆ，環状上面２ｃ）である、
ものを用いる。
（５）上記（３），（４）において、
前記回動部材は、
前記カバー筐体と係合して、前記上側被当接部を前記当接部で静止モード位置に保持するための係合作用部（例えば後述の一対の縦凸状部９ｄ）を備えている、
ものを用いる。
（６）上記（１），（２）において、
前記可動部材は、
前記カバー筐体（例えば後述のカバー筐体１１）に取り付けられて横方向への移動が可能なスライド部材（例えば後述のスライド操作部材１２）であり、
前記駆動部は、
前記スライド部材の、その前記横方向の異なる位置に離間形成された第一および第二のカム作用部（例えば後述の傾斜カム面１２ｃ，１２ｅ）であり、
前記被駆動部は、
前記キャップ部材（例えば後述のキャップ部材３）の外周面に、前記第一および第二のカム作用部のいずれかと選択的に協働する態様で形成された被カム作用部（例えば後述の一対の外向き円柱状部３ｆ）であり、
前記内容物放出操作は、
前記第一のカム作用部（例えば後述の傾斜カム面１２ｃ）が前記被カム作用部と当接する第一の方向（例えば後述のＣ方向）へのスライド操作であり、
前記容器ユニット取外し操作は、
前記第二のカム作用部（例えば後述の傾斜カム面１２ｅ）が前記被カム作用部と当接する第二の方向（例えば後述のＤ方向）への逆スライド操作である、
ものを用いる。
(７)上記（６）において、
前記スライド部材は、
対向状態の一対の板状要素（例えば後述の縦板状部１２ｂ）を備え、
前記第一および第二のカム作用部は、
前記板状要素それぞれの対向面部分に形成された傾斜カム面（例えば後述の傾斜カム面１２ｃ，１２ｅ）であり
前記被カム作用部は、
前記外周面に形成されて、それぞれが前記傾斜カム面に倣う一対の外向き凸状部（例えば後述の一対の外向き円柱状部３ｆ）である、
ものを用いる。
（８）上記（６），（７）において、
前記スライド部材は、
前記カバー筐体と係合して、当該スライド部材を静止モード位置に保持するための係合作用部（例えば後述の一対の縦凸状部１２ｇ）と、
前記第一のカム作用部（例えば後述の傾斜カム面１２ｃ）の下端側から続いて静止モード位置の前記被カム作用部を保持する水平カム作用部（例えば後述の水平カム面１２ｄ）を備えている、
ものを用いる。
【００１４】
このような構成からなる出力部固定タイプの内容物放出機構および、当該内容物放出機構を備えたポンプ式製品を本発明の対象としている。
【発明の効果】
【００１５】
本発明はこのように、容器ユニットの取替え作業自体の簡単化，内容物放出機構としての再利用化を図ることができる。
【００１６】
また、内容物放出用の筒状出力部を鼻腔に入れた状態で用いる場合などにその挿入位置を利用者が無意識に設定可能であり、鼻腔への内容物放出時における操作上の利便性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】回動操作部材を用いた出力部固定タイプの鼻腔用内容物放出機構における静止モードを示している。
【図２】図１の回動操作部材の斜視状態を示している。
【図３】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図１の回動操作部材をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図４】利用者が図１の回動操作部材をＢ方向に回動操作して容器ユニットをカバー筐体から取り外すときの作動初期状態を示している。
【図５】利用者が図１の回動操作部材をＢ方向に回動操作して容器ユニットをカバー筐体から取り外すときの作動最終状態を示している。
【図６】回動操作部材を用いた出力部固定タイプの口内用内容物放出機構における静止モードを示している。
【図７】スライド操作部材を用いた出力部固定タイプの鼻腔用内容物放出機構における静止モードを示している。
【図８】図７のスライド操作部材の斜視状態を示している。
【図９】利用者がカバー筐体の環状段部を鼻腔の入口部分に当ててから図７のスライド操作部材をＣ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【図１０】利用者が図７のスライド操作部材をＤ方向にスライド操作して容器ユニットをカバー筐体から取り外すときの作動初期状態を示している
【図１１】利用者が図７のスライド操作部材をＤ方向にスライド操作して容器ユニットをカバー筐体から取り外すときの作動最終状態を示している
【発明を実施するための形態】
【００１８】
図１乃至図１１を用いて本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【００１９】
以下のアルファベット付き参照番号の構成要素（例えば開口側筒状部１ａ）は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素（例えば容器本体１）の一部であることを示している。
【００２０】
なお、図１〜図１１の内容を大別すると、
(21)図１〜図５は、回動操作対応のキャップ部材２，鼻腔・回動操作対応のカバー筐体７および回動操作部材９を用いる場合を示し、
(22)図６は、上記(21)の鼻腔・回動操作対応のカバー筐体７に代えて例えば口内・回動操作対応のカバー筐体８を用いる場合を示し、
(23)図７〜図１１は、スライド操作対応のキャップ部材３，鼻腔・スライド操作対応のカバー筐体１１およびスライド操作部材１２を用いる場合を示している。
【００２１】
図１〜図１１において、
１は放出対象の内容物が収容された容器本体，
１ａは外周面に螺子が形成されている開口側筒状部，
をそれぞれ示している。
【００２２】
また、図１〜図１１において、
２は容器本体１の開口側筒状部１ａに螺子結合作用により取り付けられた回動操作用のキャップ部材（図１〜図６参照），
３は容器本体１の開口側筒状部１ａに螺子結合作用により取り付けられたスライド操作用のキャップ部材（図７〜図１１参照），
２ａ，３ａは開口側筒状部１ａの回りに相当する下大径筒状部，
２ｂ，３ｂは下大径筒状部２ａ，３ａの上端側に上狭まり態様で形成された環状斜面，
２ｃは環状斜面２ｂの上端部分から内側に形成された環状上面（被駆動部），
３ｃは環状斜面３ｂの上端部分から内側に形成された環状上面，
２ｄ，３ｄは環状上面２ｃの内端側から上方に形成された上小径筒状部,
２ｅ，３ｅは上小径筒状部２ｄ，３ｄの内周面の上下方向中間部分から下方に延びる環状垂下部，
２ｆは上小径筒状部２ｄの上端開口部に形成された環鍔状部（被駆動部），
３ｆは静止モードのとき後述の傾斜カム面１２ｃの下端部分と水平カム面１２ｄとに略当接する位置態様で、上小径筒状部３ｄの外周面に形成され、傾斜カム面１２ｃ，１２ｅそれぞれのカム従動部として作用する一対の外向き円柱状部（被駆動部），
２ｇ，３ｇは下大径筒状部２ａ，３ａの内側上端部分などに取り付けられて次回放出対象内容物の貯留空間域を設定する周知のハウジング，
をそれぞれ示している。
【００２３】
また、図１〜図１１において、
４は少なくとも下側部分がハウジング２ｇ，３ｇの内部空間域に配設され、かつ上端部分が後述のカバー筐体７，８，９の凹状部７ｆ，８ｆ，９ｇにそれぞれ嵌合固定されて、内容物放出操作にともなう内容物放出通路域として作用する周知のステム，
４ａは当該ステムの、内容物放出通路域と連通する内容物通過用の横孔部を含む上下範囲に形成された小径筒状部，
４ｂは小径筒状部４ａの上端環状段部，
４ｃは小径筒状部４ａの下端環状段部，
５は小径筒状部４ａの回りに取り付けられた周知の吐出弁，
６はハウジング２ｇ，３ｇ（キャップ部材２，３）およびこれと一体の容器本体１をステム４に対して下方向に付勢するコイルスプリング，
をそれぞれ示している。
【００２４】
また、図１〜図６において、
７はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材２を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させる回動操作・鼻腔用のカバー筐体（図１〜図５参照），
８はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材２を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させる回動操作・口内用のカバー筐体（図６参照），
７ａ，８ａは容器本体１およびキャップ部材２などを収納する大径の下側筒状部，
７ｂ，８ｂは下側筒状部７ａ，８ａの上周面部分に形成された上下方向で下端低位置の回動操作用開口部，
７ｃ，８ｃは回動操作用開口部７ｂ，８ｂの対向部分に形成された一対の軸受け凹状部，
７ｄ，８ｄは下側筒状部７ａ，８ａに連続形成された小径の上側筒状部（出力部），
７ｅはステム４と連通する上下方向の内容物出力通路域，
８ｅはステム４と連通するＬ字状の内容物出力通路域，
７ｆ，８ｆは内容物出力通路域７ｅ，８ｅの入口部分であってステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部，
７ｇは内容物出力通路域７ｅの上端開口部分からなる内容物放出孔，
８ｇは内容物出力通路域８ｅの前端開口部分からなる内容物出力孔，
７ｈは上側筒状部７ｄの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である後述の鼻腔１３の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図３参照），
８ｈは内容物出力孔８ｇの回りの上側筒状部外周面に形成されて、後述のＬ字状ノズル１０を仮想上下面内において回動可能なかたちで保持するための円形凹状部（図６参照），
をそれぞれ示している。
【００２５】
また、図１〜図６において、
９はカバー筐体７，８の回動操作用開口部７ｂ，８ｂに取り付けられて、Ａ方向への内容物放出操作およびＢ方向への容器ユニット取外し操作がそれぞれ可能な回動操作部材，
９ａは回動操作部材９の平板状の操作部，
９ｂは操作部９ａから横方向（キャップ部材２の上小径筒状部２ｄの方）に延び、利用者の選択的操作に応じるかたちで上小径筒状部２ｄの環鍔状部２ｆまたは下大径筒状部２ａの環状上面２ｃに当接して、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１を上方向または下方向に駆動する二股部分（駆動部），
９ｃは回動操作部材９の側面部分それぞれに形成されて、カバー筐体７，８の軸受け凹状部７ｃ，８ｃに係合した回動中心となる一対の凸状軸部，
９ｄは一対の凸状軸部９ｃの下方の回動操作部材側面部分それぞれに形成され、回動操作用開口部７ｂ，８ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に係合して、静止モードの回動操作部材９が外側に抜けるのを防止するための一対の縦凸状部，
１０はカバー筐体８の円形凹状部８ｈに取り付けられて、少なくとも略垂直の収納未使用状態と略水平の使用状態との間で回動可能なＬ字状ノズル（図６参照），
をそれぞれ示している。
【００２６】
また、図７〜図１１において、
１１はその内部空間域に容器本体１およびキャップ部材３を上下動可能な状態で収納し、かつ、ステム４の上端部分を嵌合固定させるスライド操作・鼻腔用のカバー筐体，
１１ａは容器本体１およびキャップ部材３などを収納する大径の下側筒状部，
１１ｂは下側筒状部１１ａの上周面部分に形成された上下方向で下端高位置のスライド操作用開口部，
１１ｃはスライド操作用開口部１１ｂの上端部分と連続して、後述のスライド操作部材１２の上面側を案内保持する略水平の環状天部，
１１ｄは下側筒状部１１ａの上内周面の、平面視座におけるスライド操作用開口部１１ｂからキャップ部材３の上小径筒状部３ｄの縦方向中心軸にいたる仮想平面を基準とした対称部分に形成されて、後述のスライド操作部材１２の底面側を案内保持する一対でそれぞれ略水平の横板状部，
１１ｅは下側筒状部１１ａに連続形成された小径の上側筒状部（出力部），
１１ｆはステム４と連通する上下方向の内容物出力通路域，
１１ｇは内容物出力通路域１１ｆの入口部分であってステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部，
１１ｈは内容物出力通路域１１ｆの上端開口部分からなる内容物放出孔，
１１ｊは上側筒状部１１ｅの外周面に形成されて、利用者が当該上側筒状部を内容物放出対象部位である後述の鼻腔１３の中へ挿入するときにその入口周辺部と当接する挿入位置設定用の環状段部（図９参照），
をそれぞれ示している。
【００２７】
また、図７〜図１１において、
１２はカバー筐体１１のスライド操作用開口部１１ｂや環状天部１１ｃ，横板状部１１ｄなどに案内されるかたちで配設されて、Ｃ方向への内容物放出操作およびＤ方向への容器ユニット取外し操作がそれぞれ可能な略Ｕ字状のスライド操作部材，
１２ａはスライド操作部材の操作部，
１２ｂは操作部１２ａから横方向（キャップ部材３の上小径筒状部３ｄの方）に延び、利用者の選択的操作に応じるかたちでＣ方向またはＤ方向に移動する一対でそれぞれ略垂直の縦板状部，
１２ｃは縦板状部１２ｂの対向内面それぞれの操作部１２ａに近い側に形成されて、Ｃ方向へのスライド操作の際に外向き円柱状部３ｆが倣う内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部），
１２ｄは傾斜カム面１２ｃの下端部分から操作部１２ａとは反対側に続く水平カム面，
１２ｅは縦板状部１２ｂの対向内面それぞれの、傾斜カム面１２ｃと略平行な態様で操作部１２ａから遠い側に形成されて、Ｄ方向へのスライド操作の際に外向き円柱状部３ｆが倣う容器ユニット取外し作動用の傾斜カム面（駆動部），
１２ｆは水平カム面１２ｄと傾斜カム面１２ｅの下端部分との間に設定されたカム面なしの切欠状部，
１２ｇは縦板状部１２ｂの外面それぞれに形成され、スライド操作用開口部１１ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に係合して、静止モードのスライド操作部材１２が外側に抜けるのを防止するための一対の縦凸状部，
をそれぞれ示している。
【００２８】
また、
１３は内容物放出対象部位である鼻腔（図３，図９参照），
Ａは内容物放出時の回動操作方向（図３参照），
Ｂは容器ユニット取外し時の回動操作方向（図４，図５参照），
Ｃは内容物放出時のスライド操作方向（図９参照），
Ｄは容器ユニット取外し時のスライド操作方向（図１０，図１１参照），
をそれぞれ示している。
【００２９】
ここで、容器本体１，キャップ部材２，３，吐出弁５，回動操作・鼻腔用のカバー筐体７，回動操作・口内用のカバー筐体８，回動操作部材９，Ｌ字状ノズル１０，スライド操作・鼻腔用のカバー筐体１１およびスライド操作部材１２は例えばポリプロピレン，ポリエチレン，ポリアセタール，ナイロン，ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものである。
【００３０】
また、ステム４は例えばプラスチック製または金属製のものであり、コイルスプリング６は金属製のものである。
【００３１】
なお、Ｂ方向への回動操作およびＤ方向へのスライド操作によりカバー筐体７，８，１１から取り外される容器本体１，キャップ部材２，３およびステム４などの全体が、「容器ユニット」に相当する。
【００３２】
図示の出力部固定タイプ（＝容器本体上下動タイプ）の内容物放出機構の基本的な特徴は、回動操作部材９を用いる場合、
(31)回動操作部材９のＡ方向への回動操作により、その二股部分９ｂの先端上部でキャップ部材２の環鍔状部２ｆを上方向に駆動して、ステム４がカバー筐体７に固定されたままの内容物放出作動状態を設定し（図３参照）、
(32)かつ、回動操作部材９のＢ方向への回動操作により、その二股部分９ｂの先端下部でキャップ部材２の環状上面２ｃを下方向に駆動して容器本体ユニット取外し作動状態が設定される（図４，図５参照）、
ことである。
【００３３】
また、スライド操作部材１２を用いる場合、
(33)スライド操作部材１２のＣ方向へのスライド操作により、その傾斜カム面１２ｃでキャップ部材３の外向き円柱状部３ｆを上方向に駆動して、ステム４がカバー筐体１１に固定されたままの内容物放出作動状態を設定し（図９参照）、
(34)かつ、スライド操作部材１２のＤ方向へのスライド操作により、その傾斜カム面１２ｅでキャップ部材３の外向き円柱状部３ｆを下方向に駆動して容器本体ユニット取外し作動状態が設定される（図１０，図１１参照）、
ことである。
【００３４】
さらなる基本的特徴は、
(35)回動操作・鼻腔用のカバー筐体７およびスライド操作・鼻腔用のカバー筐体１１それぞれの上側筒状部７ｄ，１１ｅの外周面に、内容物放出対象部位の鼻腔１３への挿入位置を規定する環状段部７ｈ，１１ｊを形成した（図３，図９参照）、
ことである。
【００３５】
図１，図６は回動操作部材を用いた出力部固定タイプの内容物放出機構における静止モードを示している。
【００３６】
このとき、
(41)ステム４は、その上端部分がカバー筐体７，８の凹状部７ｆ，８ｆに嵌合保持され、
(42)回動操作部材９は、その一対の縦凸状部９ｄがそれぞれ回動操作用開口部７ｂ，８ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その二股部分９ｂの先端上部がそれぞれキャップ部材２の環鍔状部２ｆと当接して当該キャップ部材を保持し、
(43)吐出弁５は、キャップ部材２の環状垂下部２ｅとステム４（小径筒状部４ａ）の下端環状段部４ｃとの間にいわば挟持された位置に設定され、
(44)この位置の吐出弁５がステム４の周知の内容物流入用の横孔部を閉塞して、当該ステムの内容物放出通路域は、ハウジング２ｇの内容物貯留空間域と連通しない状態に設定されている。
【００３７】
図３は、利用者がカバー筐体７の環状段部７ｈを鼻腔１３の入口部分に当ててから図１の回動操作部材９をＡ方向に回動操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００３８】
すなわち、回動操作部材９のＡ方向への回動操作によりその二股部分９ｂの先端上部がキャップ部材２の環鍔状部２ｆに当接してこれを持ち上げる。
【００３９】
この環鍔状部２ｆの持上げ作動にともない、キャップ部材２のハウジング２ｇにおける次回放出対象内容物の貯留空間域、すなわち吐出弁５と、ハウジング内部空間域下側に設定された周知の吸込弁（図示省略）との間の空間域に容積が減少してそこの貯留内容物の圧力が上昇する。
【００４０】
そして、この圧力上昇により吐出弁５が上動して、ステム４の内容物流入用の横孔部がそれまでの「閉」から「開」へと移行する。このときの吸込弁は「閉」のままである。
【００４１】
この横孔部「開」への移行により、ハウジング内部の貯留空間域の内容物が当該横孔部からステム４の内容物放出通路域およびカバー筐体７の内容物出力通路域７ｅを経て内容物放出孔７ｇから鼻腔１３へ放出される。
【００４２】
次に利用者がＡ方向への回動操作を解除すると、カバー筐体７に係合固定されたステム４に対し、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１がコイルスプリング６の弾性力や当該容器本体，当該キャップ部材の自重などに基づいて下動する。
【００４３】
そして、キャップ部材２などは、その環鍔状部２ｆに回動操作部材９の二股部分９ｂの先端上部が当接して、当該回動操作部材の一対の縦凸状部９ｄが上述のようにカバー筐体７の内面部分に係合した状態に保持される。
【００４４】
すなわち、吐出弁５および吸込弁（図示省略）がともに「閉」状態の、図１の静止モードへと復帰する。
【００４５】
この静止モードへの復帰プロセスの際、上記ハウジング内部の貯留空間域容積が増加してそこでの内容物圧力が低下する。
【００４６】
これにともない吸込弁がそれまでの「閉」から「開」へと変化して容器本体１の内容物が当該貯留空間域に流入する。この流入内容物が次回の放出対象となる。また、内容物の流入による貯留空間域圧力の増加に応じて吸込弁は閉じる。
【００４７】
なお、以上の回動操作部材９のＡ方向への回動操作および回動操作解除それぞれにともなう吐出弁および吸込弁の作動自体は周知である。
【００４８】
図４および図５は、利用者が図１の回動操作部材９をＢ方向に回動操作して容器ユニットをカバー筐体７から取り外すときの作動状態を示している。
【００４９】
このとき、
(51)先ず回動初期段階で、回動操作部材９の一対の縦凸状部９ｄがいわばつぶれる方向に弾性変形しながら回動操作用開口部７ｂの縦側面部分に当接し、かつ、当該回動操作部材の先端下部がキャップ部材２の環状上面２ｃに当接し（図４参照）、
(52)Ｂ方向へのさらなる回動操作により、回動操作部材９の二股部分９ｂの先端下部が、キャップ部材２の環状上面２ｃにいわば倣いながら当該環状上面を下方に駆動する（図５参照）。
【００５０】
そして、図５に示すように、回動操作部材９がキャップ部材２の環状上面２ｃを下方へ駆動することにより、ステム４の小径筒状部４ａの下端環状段部４ｃは、ハウジング２ｅおよびこれといわば一体の吐出弁５を介して下方への力を受ける。
【００５１】
すなわち、ステム４がキャップ部材２と下方へ連動し、これによりそれまでのステム４の上端部分とカバー筐体７の凹状部７ｆとの係合保持状態が解消される。
【００５２】
このステム４とカバー筐体７の凹状部７ｆとの間の係合保持状態の解消により、それまで用いられていた容器本体１およびキャップ部材２がステム４とともに当該カバー筐体から外れて落下する。すなわち使用済み容器ユニットがカバー筐体７から取り外される。
【００５３】
この使用済み容器ユニットに代えて新容器ユニットをカバー筐体７にセットするには、例えば、
(61)回動操作部材９を略図５の位置、すなわち二股部分９ｂの先端部が、容器ユニット取付け後の環鍔状部２ｆの外側でかつ環状上面２ｃの中側となる位置に回動設定し、
(62)この回動設定状態のカバー筐体７に、その下端側開口部から新容器ユニットを上方に入れていき、
(63)回動操作部材９の二股部分９ｂの先端下部がキャップ部材２の環状上面２ｃに当接した後は、当該環状上面より上方に設けられた環鍔状部２ｆの上方向への移動が当該先端下部によって阻止されるようなことはもはや生じないので、当該回動操作部材をＡ方向に積極的に回動しながら新容器ユニットを上方に移動させればよい。
【００５４】
この回動操作部材９は、Ａ方向への回動戻し操作により、二股部分９ｂの先端上部がキャップ部材２の環鍔状部２ｆに当接し、かつ、一対の縦凸状部９ｄがそれぞれ回動操作用開口部７ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止された状態、すなわち図１の静止モードへと復帰する。
【００５５】
この一対の縦凸状部９ｄが上記カバー筐体内面に当接係止されるのは、コイルスプリング６の弾性作用により、キャップ部材２およびこれと一体の容器本体１がステム４（カバー筐体７）に対して下方に付勢されるからである。
【００５６】
図６は、図１のカバー筐体７の代わりにＬ字状ノズル１０付きのカバー筐体８を用いる場合の静止モードを示している。なお、図示のＬ字状ノズル１０は下向き（垂直）の収納未使用状態である。
【００５７】
ここで、例えば口内への内容物放出作動状態を設定するには、Ｌ字状ノズル１０を横向き（水平）に起こしてから回動操作部材９を図３の場合と同じようにＡ方向へ回動操作すればよい。
【００５８】
また、図６の内容物放出機構における容器ユニットをカバー筐体８から取り外すには、回動操作部材９を図４，図５の場合と同じようにＢ方向へ回動操作すればよい。
【００５９】
当然のことながら、この図６の内容物放出機構におけるＡ方向，Ｂ方向への回動操作時それぞれのキャップ部材２，ステム４，吐出弁５，吸込弁（図示省略）および回動操作部材９などの位置・協働関係は、図１〜図５の内容物放出機構の場合と同じである。
【００６０】
図７はスライド操作部材を用いた出力部固定タイプの内容物放出機構における静止モードを示している。
【００６１】
このとき、
(71)ステム４は、その上端部分がカバー筐体１１の凹状部１１ｇに嵌合保持され、
(72)スライド操作部材１２は、その一対の縦凸状部１２ｇがそれぞれスライド操作用開口部１１ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止され、かつ、その傾斜カム面１２ｃ（の下端部分）および水平カム面１２ｄにキャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｆが当接して当該キャップ部材を保持し、
(73)吐出弁５は、キャップ部材３の環状垂下部３ｅとステム４（小径筒状部４ａ）の下端環状段部４ｃとの間にいわば挟持された位置に設定され、
(74)この位置の吐出弁５がステム４の周知の内容物流入用の横孔部を閉塞して、当該ステムの内容物放出通路域は、ハウジング３ｇの内容物貯留空間域と連通しない状態に設定されている。
【００６２】
図９は、利用者がカバー筐体１１の環状段部１１ｊを鼻腔１３の入口部分に当ててから図７のスライド操作部材１２をＣ方向にスライド操作したときの、内容物放出状態を示している。
【００６３】
すなわち、スライド操作部材１２のＣ方向へのスライド操作により、キャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｆがそれぞれ傾斜カム面１２ｃに倣って上方向へ駆動される。
【００６４】
この円柱状部３ｆの上動、すなわちキャップ部材３およびこれと一体の容器本体１のステム４に対する上動にともない、上述の図３の場合と同様の弁作動が生じて、ハウジング３ｇ内部の貯留空間域の内容物がステム４の内容物放出通路域およびカバー筐体１１の内容物出力通路域１１ｆを経て内容物放出孔１１ｈから鼻腔１３へ放出される。
【００６５】
このときも、カバー筐体１１の上側筒状部１１ｅの鼻腔１３への挿入位置は当該上側筒状部の環状段部１１ｊで設定されている。
【００６６】
次に利用者がＣ方向へのスライド操作を解除すると、カバー筐体１１に係合固定されたステム４に対し、キャップ部材３およびこれと一体の容器本体１がコイルスプリング６の弾性力や当該容器本体，当該キャップ部材の自重などに基づいて下動する。
【００６７】
そして、キャップ部材３などは、その円柱状部３ｆがスライド操作部材１２の傾斜カム面１２ｃ（の下端部分）および水平カム面１２ｄに当接して、当該スライド操作部材の一対の縦凸状部１２ｇが上述のようにカバー筐体１１の内面部分に係合した状態に保持される。すなわち図９の静止モードへと復帰する。
【００６８】
この静止モードへの復帰プロセスの際にも上述の図３の場合と同様に、吐出弁５および吸込弁の周知の弁作動が生じ、また、容器本体１の内容物がハウジング３ｇの貯留空間域に流入する。
【００６９】
図１０および図１１は、利用者が図７のスライド操作部材１２をＤ方向にスライド操作して容器ユニットをカバー筐体１１から取り外すときの作動状態を示している。
【００７０】
このとき、
(81)先ずスライド初期段階で、キャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｆがスライド操作部材１２の傾斜カム面１２ｅに当接し、かつ、当該スライド操作部材の一対の縦凸状部１２ｇがいわばつぶれる方向に弾性変形しながらスライド操作用開口部１１ｂの縦側面部分に当接し、（図１０参照）、
(82)Ｄ方向へのさらなるスライド操作により、スライド操作部材１２が円柱状部３ｆを傾斜カム面１２ｅに倣わせながら下方に駆動する（図１１参照）。
【００７１】
なお、スライド操作部材１２は図１１に示すように、その傾斜カム面１２ｅの上端部分がカバー筐体１１の内周面に当接するまでＤ方向に移動する。
【００７２】
そして、スライド操作部材１２の傾斜カム面１２ｅが、Ｄ方向への移動にともなってキャップ部材３の円柱状部３ｆを下方へ駆動することにより、ステム４の小径筒状部４ａの下端環状段部４ｃは、ハウジング２ｇおよびこれといわば一体の吐出弁５を介して下方への力を受ける（図１１参照）。
【００７３】
すなわち、ステム４がキャップ部材３と下方へ連動し、これによりそれまでのステム４の上端部分とカバー筐体１１の凹状部１１ｇとの係合保持状態が解消される。
【００７４】
そしてこのとき、一対の外向き円柱状部３ｆは切欠状部１２ｆを通って傾斜カム面１２ｃおよび水平カム面１２ｄとの当接状態からフリーの位置にあり、キャップ部材３（円柱状部３ｆ）は下方への移動が可能である。
【００７５】
このようにステム４とカバー筐体１１の凹状部１１ｇとの間の係合保持状態の解消により、それまで用いられていた容器本体１およびキャップ部材３がステム４とともに当該カバー筐体から外れて落下する。すなわち使用済み容器ユニットがカバー筐体１１から取り外される。
【００７６】
この使用済み容器ユニットに代えて新容器ユニットをカバー筐体１１にセットするには、例えば、
(91)スライド操作部材１２を略図１１の位置、すなわち傾斜カム面１２ｅの上端部分がカバー筐体１１の内周面に当接する位置にスライド設定し、
(92)このスライド設定状態のカバー筐体１１に、その下端側開口部から新容器ユニットを上方に入れていき、
(93)キャップ部材３の一対の外向き円柱状部３ｆがスライド操作部材１２の傾斜カム面１２ｅに当接した後は、当該スライド操作部材をＣ方向に移動させながら新容器ユニットをさらに上方へと移動させればよい。
【００７７】
上記(93)のスライド操作部材および新容器ユニットそれぞれの移動により、スライド操作部材１２は、その水平カム面１２ｄなどに一対の外向き円柱状部３ｆが当接し、かつ、その一対の縦凸状部１２ｇがスライド操作用開口部１１ｂの縦縁部近くのカバー筐体内面に当接して係止された状態、すなわち図７の静止モードへと復帰する。
【００７８】
この一対の縦凸状部１２ｇが上記カバー筐体内面に当接係止されるのは、コイルスプリング６の弾性作用により、キャップ部材３およびこれと一体の容器本体１がステム４（カバー筐体７）に対して下方に付勢されるからである。
【００７９】
本発明の出力部固定タイプの内容物放出機構が図示の実施形態に限定されるものでないことは勿論であり、例えば、
(101)図１〜図６の軸受け凹状部７ｃ，８ｃと凸状軸部９ｃとの凹凸関係を逆にする、
(102)図１〜図１１の縦凸状部９ｄ，１２ｇに代わる凹状部を回動操作部材９，スライド操作部材１２に形成し、かつ、当該凹状部に対応した係合用凸状部をカバー筐体７，８，１１に形成する、
(103)図７〜図１１の、傾斜カム面１２ｃに代わる内容物放出作動用の第一のカム作動部および傾斜カム面１２ｅに代わる容器ユニット取外し作動用の第二のカム作動部を、スライド操作部材１２の縦板状部１２ｂの内面に例えば円柱状態様でそれぞれ形成し、かつ、当該第一のカム作動部に対応した第一の従動傾斜カム面および当該第二のカム作動部に対応した第二の従動傾斜カム面を、キャップ部材３の外周面にそれぞれ形成し、
(104)口内・スライド操作部材対応のカバー筐体，キャップ部材３，スライド操作部材１２およびＬ字状ノズル１０などを組み合わせる、
ようにしてもよい。
【００８０】
本発明が適用されるポンプ式製品としては、洗浄剤，清掃剤，制汗剤，筋肉消炎剤，化粧品，食品，液滴状のもの（ビタミンなど），医薬品，医薬部外品，忌避剤，クリーナー，消臭剤などの各種用途のものがある。
【００８１】
容器本体に収納する内容物は、液状，クリーム状，ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物，油成分，アルコール類，界面活性剤，高分子化合物，各用途に応じた有効成分，水などが挙げられる。
【００８２】
粉状物としては、金属塩類粉末，無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク，カオリン，アルミニウムヒドロキシクロライド（アルミ塩），アルギン酸カルシウム，金粉，銀粉，雲母，炭酸塩，硫酸バリウム，セルロース，これらの混合物などを用いる。
【００８３】
油成分としては、シリコーン油，パーム油，ユーカリ油，ツバキ油，オリーブ油，ホホバ油，パラフィン油，ミリスチン酸，パルミチン酸，ステアリン酸，リノール酸，リノレン酸などを用いる。
【００８４】
アルコール類としては、エタノールなどの１価の低級アルコール，ラウリルアルコールなどの１価の高級アルコール，エチレングリコール，グリセリン，1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【００８５】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【００８６】
高分子化合物としては、メチルセルロース，ゼラチン，デンプン，カゼイン，ヒドロキシエチルセルロース，キサンタンガム，カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【００８７】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル，インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム，クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド，ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル，メントールなどの清涼剤、エフェドリン，アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース，アスパルテームなどの甘味料などを用いる。
【００８８】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤，紫外線吸収剤，乳化剤，保湿剤，酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【符号の説明】
【００８９】
(図１〜図１１)
１:容器本体
１ａ:開口側筒状部
２:回動操作用のキャップ部材（図１〜図６参照）
３:スライド操作用のキャップ部材（図７〜図１１参照）
２ａ，３ａ:下大径筒状部
２ｂ，３ｂ:環状斜面
２ｃ：環状上面（被駆動部）
３ｃ：環状上面
２ｄ，３ｄ:上小径筒状部
２ｅ，３ｅ:環状垂下部
２ｆ:環鍔状部（被駆動部）
３ｆ:一対の外向き円柱状部（被駆動部）
２ｇ，３ｇ:ハウジング
４：ステム
４ａ：小径筒状部
４ｂ：上端環状段部
４ｃ：下端環状段部
５：吐出弁
６：コイルスプリング
【００９０】
（図１〜図６）
７：回動操作・鼻腔用のカバー筐体（図１〜図５参照）
８：回動操作・口内用のカバー筐体（図６参照）
７ａ，８ａ：大径の下側筒状部
７ｂ，８ｂ：回動操作用開口部
７ｃ，８ｃ：一対の軸受け凹状部
７ｄ，８ｄ：小径の上側筒状部（出力部）
７ｅ：上下方向の内容物出力通路域
８ｅ：Ｌ字状の内容物出力通路域，
７ｆ，８ｆ：ステム４の上端部分を嵌合状態で固定する凹状部
７ｇ：内容物放出孔
８ｇ：内容物出力孔
７ｈ：上側筒状部７ｄの挿入位置設定用の環状段部（図３参照）
８ｈは円形凹状部（図６参照）
９：回動操作部材
９ａ：操作部
９ｂ：二股部分（駆動部）
９ｃ：一対の凸状軸部
９ｄ：一対の縦凸状部
１０：Ｌ字状ノズル（図６参照）
【００９１】
（図７〜図１１）
１１：スライド操作・鼻腔用のカバー筐体
１１ａ：大径の下側筒状部
１１ｂ：スライド操作用開口部
１１ｃ：略水平の環状天部
１１ｄ：略水平の横板状部
１１ｅ：小径の上側筒状部（出力部）
１１ｆ：上下方向の内容物出力通路域
１１ｇ：凹状部
１１ｈ：内容物放出孔
１１ｊ：上側筒状部１１ｅの挿入位置設定用の環状段部（図９参照）
１２：略Ｕ字状のスライド操作部材
１２ａ：操作部
１２ｂ：略垂直の縦板状部
１２ｃ：内容物放出作動用の傾斜カム面（駆動部）
１２ｄ：水平カム面
１２ｅ：容器ユニット取外し作動用の傾斜カム面（駆動部）
１２ｆ：カム面なしの切欠状部
１２ｇ：一対の縦凸状部
【００９２】
１３：内容物放出対象部位である鼻腔（図３，図９参照）
Ａ：内容物放出時の回動操作方向（図３参照）
Ｂ：容器ユニット取外し時の回動操作方向（図４，図５参照）
Ｃ：内容物放出時のスライド操作方向（図９参照）
Ｄ：容器ユニット取外し時のスライド操作方向（図１０，図１１参照）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
内容物放出操作用の可動部材と、
前記可動部材が取り付けられて内容物放出操作時に利用者が保持可能なカバー筐体と、
前記カバー筐体の上側部分であって内容物出力通路域を備えた出力部と、
前記内容物出力通路域の入口部分と係合する形の固定状態に設定された内容物通過用のステムと、
前記ステムを収容するかたちで前記カバー筐体の内部に配設されて上下方向に移動可能な筒状のキャップ部材と、
前記キャップ部材と一体化して容器ユニットを構成する容器本体と、
を有する出力部固定タイプの内容物放出機構において、
前記可動部材は、
第一の方向への内容物放出操作およびこれとは逆の第二の方向への容器ユニット取外し操作が可能な操作部と、
前記容器ユニットに対する駆動部と、を備え、
前記キャップ部材は、
前記内容物放出操作および前記容器ユニット取外し操作に応じて、前記駆動部から上方向および下方向への駆動力をそれぞれ選択的に受ける被駆動部を備え、
前記内容物放出操作により前記キャップ部材および前記容器本体が上動して、内容物が前記ステムおよび前記内容物出力通路域を経て外部に放出され、かつ、前記容器ユニット取外し操作により前記キャップ部材，前記容器本体および当該キャップ部材に従動する前記ステムがそれぞれ下動して、前記カバー筐体から取り外される、
ことを特徴とする出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項２】
前記出力部は、
上端開口部分を備えた筒状部からなり、かつ、当該上端開口部分の方から内容物放出対象部位である鼻腔の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの挿入位置設定作用部を、外周面に備えている、
ことを特徴とする請求項１記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項３】
前記可動部材は、
前記カバー筐体に回動可能なかたちで取り付けられた回動部材であり、
前記駆動部は、
前記回動部材の、前記操作部とは反対の自由端側部分における当接部であり、
前記被駆動部は、
前記キャップ部材の外面の、前記当接部を挟むかたちの上下各位置に形成された上側被当接部および下側被当接部であり、
前記内容物放出操作は、
前記当接部が前記上側被当接部を押し上げる第一の方向への回動操作であり、
前記容器ユニット取外し操作は、
前記当接部が前記下側被当接部を押し下げる第二の方向への逆回動操作である、
ことを特徴とする請求項１または２記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項４】
前記当接部は、
前記自由端側部分を形成する二股部分それぞれの先端側上部および先端側下部であり、
前記上側被当接部および前記下側被当接部は、
前記外面に形成されて、それぞれが前記先端側上部および前記先端側下部と選択的に当接して駆動される環状面部分である、
ことを特徴とする請求項３記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項５】
前記回動部材は、
前記カバー筐体と係合して、前記上側被当接部を前記当接部で静止モード位置に保持するための係合作用部を備えている、
ことを特徴とする請求項３または４記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項６】
前記可動部材は、
前記カバー筐体に取り付けられて横方向への移動が可能なスライド部材であり、
前記駆動部は、
前記スライド部材の、その前記横方向の異なる位置に離間形成された第一および第二のカム作用部であり、
前記被駆動部は、
前記キャップ部材の外周面に、前記第一および第二のカム作用部のいずれかと選択的に協働する態様で形成された被カム作用部であり、
前記内容物放出操作は、
前記第一のカム作用部が前記被カム作用部と当接する第一の方向へのスライド操作であり、
前記容器ユニット取外し操作は、
前記第二のカム作用部が前記被カム作用部と当接する第二の方向への逆スライド操作である、
ことを特徴とする請求項１または２記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項７】
前記スライド部材は、
対向状態の一対の板状要素を備え、
前記第一および第二のカム作用部は、
前記板状要素それぞれの対向面部分に形成された傾斜カム面であり
前記被カム作用部は、
前記外周面に形成されて、それぞれが前記傾斜カム面に倣う一対の外向き凸状部である、
ことを特徴とする請求項６記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項８】
前記スライド部材は、
前記カバー筐体と係合して、当該スライド部材を静止モード位置に保持するための係合作用部と、
前記第一のカム作用部の下端側から続いて静止モード位置の前記被カム作用部を保持する水平カム作用部を備えている、
ことを特徴とする請求項６または７記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項９】
請求項１乃至８のいずれかに記載の出力部固定タイプの内容物放出機構を備え、かつ、前記容器本体に内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【請求項１】
内容物放出操作用の可動部材と、
前記可動部材が取り付けられて内容物放出操作時に利用者が保持可能なカバー筐体と、
前記カバー筐体の上側部分であって内容物出力通路域を備えた出力部と、
前記内容物出力通路域の入口部分と係合する形の固定状態に設定された内容物通過用のステムと、
前記ステムを収容するかたちで前記カバー筐体の内部に配設されて上下方向に移動可能な筒状のキャップ部材と、
前記キャップ部材と一体化して容器ユニットを構成する容器本体と、
を有する出力部固定タイプの内容物放出機構において、
前記可動部材は、
第一の方向への内容物放出操作およびこれとは逆の第二の方向への容器ユニット取外し操作が可能な操作部と、
前記容器ユニットに対する駆動部と、を備え、
前記キャップ部材は、
前記内容物放出操作および前記容器ユニット取外し操作に応じて、前記駆動部から上方向および下方向への駆動力をそれぞれ選択的に受ける被駆動部を備え、
前記内容物放出操作により前記キャップ部材および前記容器本体が上動して、内容物が前記ステムおよび前記内容物出力通路域を経て外部に放出され、かつ、前記容器ユニット取外し操作により前記キャップ部材，前記容器本体および当該キャップ部材に従動する前記ステムがそれぞれ下動して、前記カバー筐体から取り外される、
ことを特徴とする出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項２】
前記出力部は、
上端開口部分を備えた筒状部からなり、かつ、当該上端開口部分の方から内容物放出対象部位である鼻腔の中へ挿入されるときにその入口周辺部と当接するかたちの挿入位置設定作用部を、外周面に備えている、
ことを特徴とする請求項１記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項３】
前記可動部材は、
前記カバー筐体に回動可能なかたちで取り付けられた回動部材であり、
前記駆動部は、
前記回動部材の、前記操作部とは反対の自由端側部分における当接部であり、
前記被駆動部は、
前記キャップ部材の外面の、前記当接部を挟むかたちの上下各位置に形成された上側被当接部および下側被当接部であり、
前記内容物放出操作は、
前記当接部が前記上側被当接部を押し上げる第一の方向への回動操作であり、
前記容器ユニット取外し操作は、
前記当接部が前記下側被当接部を押し下げる第二の方向への逆回動操作である、
ことを特徴とする請求項１または２記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項４】
前記当接部は、
前記自由端側部分を形成する二股部分それぞれの先端側上部および先端側下部であり、
前記上側被当接部および前記下側被当接部は、
前記外面に形成されて、それぞれが前記先端側上部および前記先端側下部と選択的に当接して駆動される環状面部分である、
ことを特徴とする請求項３記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項５】
前記回動部材は、
前記カバー筐体と係合して、前記上側被当接部を前記当接部で静止モード位置に保持するための係合作用部を備えている、
ことを特徴とする請求項３または４記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項６】
前記可動部材は、
前記カバー筐体に取り付けられて横方向への移動が可能なスライド部材であり、
前記駆動部は、
前記スライド部材の、その前記横方向の異なる位置に離間形成された第一および第二のカム作用部であり、
前記被駆動部は、
前記キャップ部材の外周面に、前記第一および第二のカム作用部のいずれかと選択的に協働する態様で形成された被カム作用部であり、
前記内容物放出操作は、
前記第一のカム作用部が前記被カム作用部と当接する第一の方向へのスライド操作であり、
前記容器ユニット取外し操作は、
前記第二のカム作用部が前記被カム作用部と当接する第二の方向への逆スライド操作である、
ことを特徴とする請求項１または２記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項７】
前記スライド部材は、
対向状態の一対の板状要素を備え、
前記第一および第二のカム作用部は、
前記板状要素それぞれの対向面部分に形成された傾斜カム面であり
前記被カム作用部は、
前記外周面に形成されて、それぞれが前記傾斜カム面に倣う一対の外向き凸状部である、
ことを特徴とする請求項６記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項８】
前記スライド部材は、
前記カバー筐体と係合して、当該スライド部材を静止モード位置に保持するための係合作用部と、
前記第一のカム作用部の下端側から続いて静止モード位置の前記被カム作用部を保持する水平カム作用部を備えている、
ことを特徴とする請求項６または７記載の出力部固定タイプの内容物放出機構。
【請求項９】
請求項１乃至８のいずれかに記載の出力部固定タイプの内容物放出機構を備え、かつ、前記容器本体に内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１３−２３２６５（Ｐ２０１３−２３２６５Ａ）
【公開日】平成２５年２月４日（２０１３．２．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１６１０５０（Ｐ２０１１−１６１０５０）
【出願日】平成２３年７月２２日（２０１１．７．２２）
【出願人】（０００１４４４６３）株式会社三谷バルブ (142)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年２月４日（２０１３．２．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年７月２２日（２０１１．７．２２）
【出願人】（０００１４４４６３）株式会社三谷バルブ (142)
【Ｆターム（参考）】
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