説明

函渠装置及びその施工方法

【課題】製造性及び施工性を向上した函渠装置を提供する。
【解決手段】平行四辺形状の底板31の各短辺31S,31Sから底板31に対して上方へと一方及び他方の下部側板32,32を突出させた複数の下部カルバート体23を、長辺31Lを所定方向に沿って互いに隣接させてそれぞれ配置する。底板31と略合同でかつ線対称の平行四辺形状の天板41の各短辺41S,41Sから天板41に対して下方へと一方及び他方の上部側板42,42を突出させた複数の上部カルバート体24を、長辺41Lを所定方向に沿って互いに隣接させて下部カルバート体23の上方にそれぞれ配置する。一の上部カルバート体24の一方の上部側板42を一の下部カルバート体23の一方の下部側板32と連結する。一の上部カルバート体24の他方の上部側板42を一の下部カルバート体23とは異なる他の下部カルバート体23の他方の下部側板32と連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば地中などに配置する函渠装置及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の函渠装置である暗渠は、四角形状の底板、及び、この底板の両側から突出する一方及び他方の下部側板とを備えた下部ブロック体と、四角形状の天板、及び、この天板の両側から突出する一方及び他方の上部側板とを備えた上部ブロック体とを、それぞれ予めコンクリートにより成形し、下部ブロック体の上部に上部ブロック体を配置して各側板を連結することにより角筒状のカルバート体を構成している。そして、このカルバート体を軸方向に複数連結することにより、地中などに配置する暗渠を構成する。このような構成において、例えば下部ブロック体の底板と上部ブロック体の天板とをそれぞれ合同な平行四辺形とすることにより、カルバート体の搬送及び回転などの施工性を向上したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−200573号公報(第5−10頁、図1−16)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の暗渠では、底板と天板とを互いに合同な平行四辺形とすることにより、成形された下部ブロック体と上部ブロック体とが鏡像対称(カイラル(chiral)形状)となるため、1つのカルバート体を形成するために下部ブロック体と上部ブロック体とのそれぞれの型枠が必要となり、製造性が充分でないという問題がある。
【0005】
また、カルバート体同士を軸方向に連結する作業が必要となるため、施工性の向上が充分でないという問題もある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、製造性及び施工性を向上した函渠装置及びその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の函渠装置は、互いに対向する短辺及び互いに対向する長辺を有する平行四辺形状の底板、及び、この底板の各短辺からそれぞれこの底板に対して上方へと突出する一方及び他方の下部側板とを備えた複数の下部ブロック体と、互いに対向する短辺及び互いに対向する長辺を有し前記底板と略合同でかつ線対称の平行四辺形状の天板、及び、この天板の各短辺からそれぞれこの天板に対して下方へと突出する一方及び他方の上部側板とを備えた複数の上部ブロック体とを具備し、前記各下部ブロック体は、長辺を所定方向に沿って互いに隣接させてそれぞれ配置され、前記各上部ブロック体は、長辺を前記所定方向に沿って互いに隣接させて前記下部ブロック体の上方にそれぞれ配置されているとともに、一方の前記上部側板が一の前記下部ブロック体の一方の前記下部側板と連結され、他方の前記上部側板が一の前記下部ブロック体とは異なる他の前記下部ブロック体の他方の前記下部側板と連結されているものである。
【0008】
請求項2記載の函渠装置は、請求項1記載の函渠装置において、下部ブロック体の底板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端底板、及び、この端底板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端底板に対して上方へと突出する一方及び他方の下部端側板とを備えた下部端ブロック体と、上部ブロック体の天板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端天板、及び、この端天板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端天板に対して下方へと突出する一方及び他方の上部端側板とを備え、前記下部端ブロック体の上方に位置する上部端ブロック体とを具備し、前記下部端ブロック体は、前記端底板の斜辺を下部ブロック体の長辺に合致させて下部ブロック体の端部に配置され、一方の前記下部端側板が前記上部端ブロック体の一方の前記上部端側板及びこの上部端ブロック体に隣接する前記上部ブロック体の一方の上部側板と連結され、前記上部端ブロック体は、前記端天板の斜辺を上部ブロック体の長辺に合致させて上部ブロック体の端部に配置され、他方の前記上部端側板が前記下部端ブロック体の他方の前記下部端側板及びこの下部端ブロック体に隣接する前記下部ブロック体の他方の下部側板と連結されているものである。
【0009】
請求項3記載の函渠装置の施工方法は、互いに対向する短辺及び互いに対向する長辺を有する平行四辺形状の底板、及び、この底板の各短辺からそれぞれこの底板に対して上方へと突出する一方及び他方の下部側板とを備えた複数の下部ブロック体を、長辺を所定方向に沿って互いに隣接させてそれぞれ配置し、互いに対向する短辺及び互いに対向する長辺を有し前記底板と略合同でかつ線対称の平行四辺形状の天板、及び、この天板の各短辺からそれぞれこの天板に対して下方へと突出する一方及び他方の上部側板とを備えた複数の上部ブロック体を、長辺を前記所定方向に沿って互いに隣接させて前記下部ブロック体の上方にそれぞれ配置し、一の前記上部ブロック体の一方の前記上部側板を一の前記下部ブロック体の一方の前記下部側板と連結し、一の前記上部ブロック体の他方の前記上部側板を一の前記下部ブロック体とは異なる他の前記下部ブロック体の他方の前記下部側板と連結するものである。
【0010】
請求項4記載の函渠装置の施工方法は、請求項3記載の函渠装置の施工方法において、下部ブロック体の底板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端底板、及び、この端底板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端底板に対して上方へと突出する一方及び他方の下部端側板とを備えた下部端ブロック体を、前記端底板の斜辺に下部ブロック体の長辺が合致するように下部ブロック体の端部に配置し、上部ブロック体の天板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端天板、及び、この端天板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端天板に対して下方へと突出する一方及び他方の上部端側板とを備えた上部端ブロック体を、前記端天板の斜辺に上部ブロック体の長辺が合致するように上部ブロック体の端部にて前記下部端ブロック体の上方に配置し、前記下部端ブロック体の一方の前記下部端側板を、前記上部端ブロック体の一方の前記上部端側板及びこの上部端ブロック体に隣接する前記上部ブロック体の一方の上部側板と連結し、前記上部端ブロック体の他方の前記上部端側板を、前記下部端ブロック体の他方の前記下部端側板及びこの下部端ブロック体に隣接する前記下部ブロック体の他方の下部側板と連結するものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の函渠装置によれば、平行四辺形状の底板の各短辺からそれぞれこの底板に対して上方へと一方及び他方の下部側板を突出させた複数の下部ブロック体を、長辺を所定方向に沿って互いに隣接させてそれぞれ配置するとともに、底板と略合同でかつ線対称の平行四辺形状の天板の各短辺からそれぞれこの天板に対して下方へと一方及び他方の上部側板を突出させた複数の上部ブロック体を、長辺を所定方向に沿って互いに隣接させて下部ブロック体の上方にそれぞれ配置することにより、下部ブロック体と上部ブロック体とを、同一の型枠を用いて成形することが可能になり、製造性が向上するとともに、一の上部ブロック体の一方の上部側板を一の下部ブロック体の一方の下部側板と連結し、一の上部ブロック体の他方の上部側板を一の下部ブロック体とは異なる他の下部ブロック体の他方の下部側板と連結することにより、上部ブロック体と下部ブロック体とが交互に所定方向に順次連結されるので、上部ブロック体同士、あるいは下部ブロック体同士を所定方向に連結する作業などが別途不要となり、施工性が向上する。
【0012】
請求項2記載の函渠装置によれば、請求項1記載の函渠装置の効果に加えて、下部ブロック体の底板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端底板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端底板に対して上方へと一方及び他方の下部端側板を突出させた下部端ブロック体を、端底板の斜辺に下部ブロック体の長辺が合致するように下部ブロック体の端部に配置することにより、下部ブロック体の位置合わせが容易になるとともに、上部ブロック体の天板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端天板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端天板に対して下方へと一方及び他方の上部端側板を突出させた上部端ブロック体を、端天板の斜辺に上部ブロック体の長辺が合致するように上部ブロック体の端部にて下部端ブロック体の上方に配置することにより、上部ブロック体の位置合わせが容易になり、かつ、下部端ブロック体の一方の下部端側板を、上部端ブロック体の一方の上部端側板及びこの上部端ブロック体に隣接する上部ブロック体の一方の上部側板と連結し、上部端ブロック体の他方の上部端側板を、下部端ブロック体の他方の下部端側板及びこの下部端ブロック体に隣接する下部ブロック体の他方の下部側板と連結することにより、下部ブロック体及び上部ブロック体の端部での連結処理がより容易になり、施工性がより向上する。
【0013】
請求項3記載の函渠装置の施工方法によれば、平行四辺形状の底板の各短辺からそれぞれこの底板に対して上方へと一方及び他方の下部側板を突出させた複数の下部ブロック体を、長辺を所定方向に沿って互いに隣接させてそれぞれ配置するとともに、底板と略合同でかつ線対称の平行四辺形状の天板の各短辺からそれぞれこの天板に対して下方へと一方及び他方の上部側板を突出させた複数の上部ブロック体を、長辺を所定方向に沿って互いに隣接させて下部ブロック体の上方にそれぞれ配置することにより、下部ブロック体と上部ブロック体とを、同一の型枠を用いて成形することが可能になり、製造性が向上するとともに、一の上部ブロック体の一方の上部側板を一の下部ブロック体の一方の下部側板と連結し、一の上部ブロック体の他方の上部側板を一の下部ブロック体とは異なる他の下部ブロック体の他方の下部側板と連結することにより、上部ブロック体と下部ブロック体とが交互に所定方向に順次連結されるので、上部ブロック体同士、あるいは下部ブロック体同士を所定方向に連結する作業などが別途不要となり、施工性が向上する。
【0014】
請求項4記載の函渠装置の施工方法によれば、請求項3記載の函渠装置の施工方法の効果に加えて、下部ブロック体の底板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端底板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端底板に対して上方へと一方及び他方の下部端側板を突出させた下部端ブロック体を、端底板の斜辺に下部ブロック体の長辺が合致するように下部ブロック体の端部に配置することにより、下部ブロック体の位置合わせが容易になるとともに、上部ブロック体の天板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端天板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端天板に対して下方へと一方及び他方の上部端側板を突出させた上部端ブロック体を、端天板の斜辺に上部ブロック体の長辺が合致するように上部ブロック体の端部にて下部端ブロック体の上方に配置することにより、上部ブロック体の位置合わせが容易になり、かつ、下部端ブロック体の一方の下部端側板を、上部端ブロック体の一方の上部端側板及びこの上部端ブロック体に隣接する上部ブロック体の一方の上部側板と連結し、上部端ブロック体の他方の上部端側板を、下部端ブロック体の他方の下部端側板及びこの下部端ブロック体に隣接する下部ブロック体の他方の下部側板と連結することにより、下部ブロック体及び上部ブロック体の端部での連結処理がより容易になり、施工性がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態の函渠装置の施工方法を(a)(b)の順に模式的に示す平面図である。
【図2】同上函渠装置の下部ブロック体を示す斜視図である。
【図3】同上函渠装置の上部ブロック体を示す斜視図である。
【図4】同上函渠装置の下部端ブロック体を示す斜視図である。
【図5】同上函渠装置の上部端ブロック体を示す斜視図である。
【図6】同上函渠装置の縦断面図である。
【図7】同上函渠装置を一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態の函渠装置の施工方法を(a)(b)の順に模式的に示す平面図である。
【図9】同上函渠装置の下部端ブロック体の一部を示す斜視図である。
【図10】同上函渠装置の下部端ブロック体の他部を示す斜視図である。
【図11】同上函渠装置の上部端ブロック体の一部を示す斜視図である。
【図12】同上函渠装置の上部端ブロック体の他部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施の形態の構成を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1ないし図7において、11は地中に既設された函渠であり、この函渠11の内部には、この函渠11を補修及び補強するための函渠装置である函渠補修装置12が配置される。
【0018】
図6に示すように、函渠11は、底面を形成する細長四角形状の底部である底面部14の両側に側壁部15,15が互いに対向して形成されており、これら側壁部15,15の上部間に亘って細長四角形状の天上部16が形成されている。
【0019】
また、函渠補修装置12は、函渠11の一部、例えば天上部16に形成されているとともに地上に開口された立て坑21から函渠11内へと挿入されるものである。そして、この函渠補修装置12は、図1ないし図6に示すように、下部ブロック体としての下部カルバート体23と、上部ブロック体としての上部カルバート体24とをそれぞれ複数ずつ備えているとともに、端部に下部端ブロック体としての下部端カルバート体26と、上部端ブロック体としての上部端カルバート体27とを備えている。これらカルバート体23,24,26,27は、それぞれ鉄筋コンクリート、あるいはプレストレストコンクリートなどのコンクリートにより予め成形されたものである。
【0020】
各下部カルバート体23は、図1(a)、図2及び図6に示すように、平面視四角形状の主板である底板31と、この底板31の互いに平行な短辺31S,31Sから略垂直上方へと突出する側板である下部側板32,32とを一体に備えている。したがって、各下部カルバート体23は、U字状に形成されている。また、各下部カルバート体23は、函渠11の底面部14上に、所定方向、ここでは函渠11の長手方向に沿って、それぞれの長辺31Lを隣接させて順次配置される。そして、各下部カルバート体23は、上下寸法が函渠11の底面部14から天上部16までの内法L1の半分よりも若干短い高さ寸法H1を有しており、函渠11内で搬送することが可能となっている。
【0021】
底板31は、配置位置である函渠11内の底面部14に対応する形状、ここでは平板状に形成されている。また、この底板31と各下部側板32との連続部である下部カルバート体23の内角には、下部カルバート体23の補強用のテーパ部34が一体に形成されている。さらに、この底板31は、例えば一方の対角線D1に対して、短辺31S,31Sがそれぞれ略直交するように構成されている。このため、一の下部カルバート体23の底板31の一方の短辺31S(一の下部カルバート体23の一方の下部側板32)は、この一の下部カルバート体23に隣接する他の下部カルバート体23の他方の短辺31S(他の下部カルバート体23の他方の下部側板32)と函渠11の幅方向に正対(対向)する位置関係となる。
【0022】
各下部側板32は、四角形平板状に形成されており、上端部に、ボルトなどの長尺状の図示しない連結部材を挿入(挿通)するための図示しない孔部が形成されている。なお、連結部材は、ここでは2つ用いるが、例えば1つでもよいし、3つ以上でもよい。そして、この孔部に連結部材の一端部が挿入(挿通)固定され、この連結部材の他端部が上部カルバート体24側に挿入(挿通)固定されることで、下部カルバート体23と上部カルバート体24とが上下に連結固定されている。また、これら下部側板32の外面間の距離が、下部カルバート体23の幅寸法W1となっており、この幅寸法W1は、函渠11の側壁部15,15間の距離L2よりも若干短く設定されている。
【0023】
また、各上部カルバート体24は、図1(b)、図2及び図6に示すように、平面視四角形状の主板である天板41と、この天板41の互いに平行な短辺41S,41Sから略垂直下方へと突出する側板である上部側板42,42とを一体に備えている。したがって、各上部カルバート体24は、逆U字状に形成されている。さらに、各上部カルバート体24は、函渠11の内部にて下部カルバート体23の上部に、所定方向、ここでは函渠11の長手方向に沿って、それぞれの長辺41Lを隣接させて順次配置される。そして、各上部カルバート体24は、上下寸法が函渠11の底面部14から天上部16までの内法L1の半分よりも若干短い高さ寸法H2、すなわち各下部カルバート体23の高さ寸法H1と略等しい高さ寸法を有しており、函渠11内で搬送することが可能となっている。
【0024】
天板41は、底板31と合同でかつ平面視で線対称な形状に形成されている。すなわち、この天板41は、短辺41S,41Sを底板31の短辺31S,31Sと平面視で一致させた状態で長辺41L,41Lの傾斜方向が長辺31L,31Lと反対方向となっている。換言すれば、天板41の一方の短辺41S(他方の短辺41S)と一方の長辺41L(他方の長辺41L)とのなす角度は、短辺41S,41Sを底板31の短辺31S,31Sと平面視で一致させた状態では、底板31の一方の短辺31S(他方の短辺31Sと一方の長辺31L(他方の長辺31L)とのなす角度に対する補角となっている。また、この天板41と各上部側板42との連続部である上部カルバート体24の内角には、上部カルバート体24の補強用のテーパ部44が一体に形成されている。さらに、この天板41は、例えば一方の対角線D2に対して、短辺41S,41Sがそれぞれ略直交するように構成されている。このため、一の上部カルバート体24の天板41の一方の短辺41S(一の上部カルバート体24の一方の上部側板42)は、この一の上部カルバート体24に隣接する他の上部カルバート体24の他方の短辺41S(他の上部カルバート体24の他方の上部側板42)と函渠11の幅方向に正対(対向)する位置関係となる。
【0025】
各上部側板42は、下部カルバート体23の各下部側板32と合同な四角形平板状に形成されており、下端部に、連結部材を挿入(挿通)するための図示しない孔部が形成されている。そして、この孔部に連結部材の他端部が挿入(挿通)固定され、この連結部材の一端部が下部カルバート体23側の孔部に挿入(挿通)固定されることで、下部カルバート体23と上部カルバート体24とが上下に連結固定されている。なお、連結部材は、ここでは2つ用いるが、例えば1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、これら上部側板42の外面間の距離が、上部カルバート体24の幅寸法W2となっており、この幅寸法W2は、函渠11の側壁部15,15間の距離L2よりも若干短く、各下部カルバート体23の幅寸法W1と略等しい幅寸法に設定されている。
【0026】
したがって、図2に示す各下部カルバート体23と図3に示す各上部カルバート体24とは、いずれか一方の上下を反転させることで他方と同一形状となるものであり、すなわち、上下反転により底板31(天板41)が天板41(底板31)となるとともに下部側板32(上部側板42)が上部側板42(下部側板32)となるものであり、それぞれ同一の型枠により成形可能である。換言すれば、下部カルバート体23と上部カルバート体24とは、函渠11内などの配置位置の下側に配置するか上側に配置するかによって便宜的に区別されるものであり、基本的に同一のブロック体(カルバート体)である。
【0027】
また、下部端カルバート体26は、図1(a)、図4及び図6に示すように、函渠補修装置12の下側の始点、あるいは終点となるものであり、平面視台形状の主板である端底板51と、この端底板51の互いに平行な各辺51S,51Sから略垂直上方へと突出する端側板である下部端側板52,52とを一体に備えている。したがって、下部端カルバート体26は、U字状に形成されている。さらに、下部端カルバート体26は、函渠11の内部にて下部カルバート体23の端部に、この下部カルバート体23の長辺31Lに斜辺51Tを合致させて配置される。そして、下部端カルバート体26は、上下寸法が函渠11の底面部14から天上部16までの内法L1の半分よりも若干短い高さ寸法H3、すなわち各下部カルバート体23の高さ寸法H1と略等しい高さ寸法を有しており、函渠11内で搬送することが可能となっている。
【0028】
端底板51は、下部カルバート体23の底板31の長辺31Lに対応する斜辺51Tを有する台形状であり、この斜辺51Tと対向する端辺51Eが、各辺51S,51Sに対して略直交している。また、端底板51は、一方の辺51Sの長さが下部カルバート体23の底板31の短辺31Sと略等しい長さで、かつ、他方の辺51Sが、一方の辺51Sの長さの約2倍に設定されている。さらに、端底板51は、配置位置である函渠11内の底面部14に対応する形状、ここでは平板状に形成されている。また、この端底板51と各下部端側板52との連続部である下部端カルバート体26の内角には、下部端カルバート体26の補強用のテーパ部54が一体に形成されている。
【0029】
各下部端側板52は、四角形平板状に形成されており、上端部に、ボルトなどの長尺状の連結部材を挿入(挿通)するための図示しない孔部が形成されている。そして、この孔部に連結部材の一端部が挿入(挿通)固定され、この連結部材の他端部が上部端カルバート体27及び上部カルバート体24側に挿入(挿通)固定されることで、下部端カルバート体26と上部端カルバート体27及び上部カルバート体24とが上下に連結固定されている。なお、連結部材は、ここでは2つ用いるが、例えば1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、これら下部端側板52の外面間の距離が、下部端カルバート体26の幅寸法W3となっており、この幅寸法W3は、函渠11の側壁部15,15間の距離L2よりも若干短く、各下部カルバート体23の幅寸法W1と略等しい幅寸法に設定されている。
【0030】
また、上部端カルバート体27は、図1(b)、図5及び図6に示すように、函渠補修装置12の上側の始点、あるいは終点となるものであり、平面視台形状の主板である端天板61と、この端天板61の互いに平行な各辺61S,61Sから略垂直下方へと突出する端側板である上部端側板62,62とを一体に備えている。したがって、上部端カルバート体27は、逆U字状に形成されている。さらに、上部端カルバート体27は、函渠11の内部にて上部カルバート体24の端部に、この上部カルバート体24の長辺41Lに斜辺61Tを合致させて配置される。そして、上部端カルバート体27は、上下寸法が函渠11の底面部14から天上部16までの内法L1の半分よりも若干短い高さ寸法H4、すなわち各下部カルバート体23の高さ寸法H1と略等しい高さ寸法を有しており、函渠11内で搬送することが可能となっている。
【0031】
端天板61は、端底板51と合同でかつ平面視で線対称な形状に形成されている。すなわち、この端天板61は、上部カルバート体24の天板41の長辺41Lに対応する斜辺61Tを有する台形状であり、この斜辺61Tと対向する端辺61Eが、各辺61S,61Sに対して略直交している。また、端天板61は、一方の辺61Sの長さが上部カルバート体24の天板41の短辺41Sと略等しい長さで、かつ、他方の辺61Sが、一方の辺61Sの長さの約2倍に設定されている。さらに、この端天板61と各上部端側板62との連続部である上部端カルバート体27の内角には、上部端カルバート体27の補強用のテーパ部64が一体に形成されている。
【0032】
各上部端側板62は、四角形平板状に形成されており、下端部に、連結部材を挿入(挿通)するための図示しない孔部が形成されている。そして、この孔部に連結部材の他端部が挿入(挿通)固定され、この連結部材の一端部が下部端カルバート体26及び下部カルバート体23側の孔部に挿入(挿通)固定されることで、上部端カルバート体27と下部端カルバート体26及び下部カルバート体23とが上下に連結固定されている。なお、連結部材は、ここでは2つ用いるが、例えば1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、これら上部端側板62の外面間の距離が、上部端カルバート体27の幅寸法W4となっており、この幅寸法W4は、函渠11の側壁部15,15間の距離L2よりも若干短く、各下部カルバート体23の幅寸法W1と略等しい幅寸法に設定されている。
【0033】
したがって、図4に示す下部端カルバート体26と図5に示す上部端カルバート体27とは、一方の上下を反転させることで他方と同一形状となるものであり、すなわち、上下反転により端底板51(端天板61)は端天板61(端底板51)となり、下部端側板52(上部端側板62)は上部端側板62(下部端側板52)となるものであり、それぞれ同一の型枠により成形可能である。換言すれば、下部端カルバート体26と上部端カルバート体27とは、函渠11内などの配置位置の下側に配置するか上側に配置するかによって便宜的に区別されるものであり、基本的に同一のブロック体(カルバート体)である。
【0034】
次に、上記第1の実施の形態の函渠捕集装置12の施工方法を説明する。
【0035】
既設の函渠11を補修及び補強する際には、まず、前準備として、立て坑21に近接する位置に、クレーンなどの吊下装置を設置するとともに、函渠11の上流側に、例えば、図示しないポンプの吸入口を配置し、このポンプの排出口を函渠11の下流側に配置し、この函渠11内を流れる下水のバイパスを設ける。そして、函渠11内の汚泥及び下水などを除去し、各カルバート体23,24,26,27を搬送する際の搬送道となる図示しない搬送溝を函渠11の底面部14上に長手方向に沿って形成し、この搬送溝に図示しない搬送装置を配置する。
【0036】
この状態で、図1(a)に示すように、下部端カルバート体26を、ワイヤなどを介して吊下装置により吊り下げて立て坑21から函渠11内に挿入し、搬送装置上に載置させる。このとき、下部端カルバート体26は、それぞれの下部端側板52,52が函渠11の長手方向に沿い、かつ、端底板51の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように、この下部端カルバート体26を搬送装置上に載置させることで、函渠11内で搬送可能となる。
【0037】
そして、補修が必要な函渠11内の適宜な位置に、下部端カルバート体26を搬送し、この下部端カルバート体26を約90°周方向に回転させて、下部端カルバート体26の下部端側板52,52がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この下部端カルバート体26を函渠11内に配置する。
【0038】
次いで、下部カルバート体23を、ワイヤなどを介して吊下装置により吊り下げて函渠11内に挿入し、搬送装置上に載置させる。このとき、下部カルバート体23は、それぞれの下部側板32,32が函渠11の長手方向に沿い、かつ、底板31の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように、この下部カルバート体23を搬送装置上に載置させることで、函渠11内で搬送可能となる。
【0039】
そして、搬送した下部カルバート体23は、搬送装置により約90°周方向に回転させて、既に配置された下部端カルバート体26の斜辺51Tに対して一方の長辺31Lを合致させるように、すなわち、下部側板32,32がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この下部カルバート体23を下部端カルバート体26に隣接させて函渠11内に配置する。
【0040】
同様に、別の異なる下部カルバート体23を順次クレーン及び搬送装置により函渠11内へと搬送して回転し、この下部カルバート体23の底板31の長辺31Lを、既に配置した下部カルバート体23の底板31の長辺31Lと隣接させて配置する。
【0041】
このように、下部カルバート体23は、函渠11の補修及び補強に必要とされる個数を函渠11内に搬送し、配置する。
【0042】
さらに、下部カルバート体23を配置し終えた後、この配置し終えた下部カルバート体23の端部に、下部端カルバート体26を、斜辺51Tを他方の長辺31Lに合致させて配置する。すなわち、この下部端カルバート体26は、最初に配置した下部端カルバート体26と反対向きに配置する。
【0043】
次いで、図1(b)に示すように、上部端カルバート体27を、ワイヤなどを介して吊下装置により吊り下げて函渠11内に挿入し、搬送装置上に載置させる。このとき、上部端カルバート体27は、それぞれの上部端側板62,62が函渠11の長手方向に沿い、かつ、端天板61の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように、この上部端カルバート体27を搬送装置上に載置させることで、函渠11内で搬送可能となる。
【0044】
そして、搬送した上部端カルバート体27を約90°周方向に回転させて、上部端カルバート体27の上部端側板62,62がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この上部端カルバート体27を、函渠11内に既に配置された下部端カルバート体26上に配置する。
【0045】
このとき、連結部材の一端部である下端部を下部端カルバート体26の下部端側板52,52及び下部カルバート体23の下部側板32,32の上端部の孔部に挿入(挿通)固定し、この連結部材の他端部である上端部を上部端側板62,62の下端部の孔部に挿入(挿通)固定することにより、上部端カルバート体27と下部端カルバート体26及び下部カルバート体23とを上下に位置決め固定する。
【0046】
具体的に、下部端カルバート体26の一方(図1中、下側)の下部端側板52を、上部端カルバート体27の一方(図1中、下側)の上部端側板62及びこの上部端カルバート体27に隣接する上部カルバート体24の一方(図1中、下側)の上部側板42と連結する。また、上部端カルバート体27の他方(図1中、上側)の上部端側板62を、下部端カルバート体26の他方(図1中、上側)の下部端側板52及びこの下部端カルバート体26に隣接する下部カルバート体23の他方(図1中、上側)の下部側板32と連結する。
【0047】
次いで、上部カルバート体24を、ワイヤなどを介して吊下装置により吊り下げて函渠11内に挿入し、搬送装置上に載置させる。このとき、上部カルバート体24は、それぞれの上部側板42,42が函渠11の長手方向に沿い、かつ、天板41の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように、この上部カルバート体24を搬送装置上に載置させることで、函渠11内で搬送可能となる。
【0048】
そして、搬送した上部カルバート体24は、搬送装置により約90°周方向に回転させて、既に配置された上部端カルバート体27の斜辺61Tに対して一方の長辺41Lを合致させるように、すなわち、上部側板42,42がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この上部カルバート体24を上部端カルバート体27に隣接させ、かつ、函渠11内に既に配置された下部カルバート体23上に位置するように配置する。
【0049】
このとき、連結部材の一端部である下端部を下部カルバート体26の下部側板32,32の上端部の孔部に挿入(挿通)固定し、この連結部材の他端部である上端部を上部側板42,42の下端部の孔部に挿入(挿通)固定することにより、上部カルバート体24と下部カルバート体23とを上下に位置決め固定する。
【0050】
具体的に、各上部カルバート体24の一方(図1中、下側)の上部側板42を、この上部カルバート体24の下方に対向する各下部カルバート体23の一方(図1中、下側)の下部側板32と連結するとともに、各上部カルバート体24の他方(図1中、上側)の上部側板42を、この上部カルバート体24の下方に対向する下部カルバート体23に1つ置きで隣接する各下部カルバート体23の他方(図1中、上側)の下部側板32と連結する。すなわち、各上部カルバート体24(各下部カルバート体23)は、一方の上部側板42(一方の下部側板32)が連結された下部カルバート体23(上部カルバート体24)と、他方の上部側板42(他方の下部側板32)が連結された下部カルバート体23(上部カルバート体24)とが互いに異なっており、ここでは函渠11の長手方向に1つ置きとなっている。換言すれば、各上部カルバート体24(各下部カルバート体23)は、一方の上部側板42(一方の下部側板32)が連結された下部カルバート体23(上部カルバート体24)に隣接する下部カルバート体23(上部カルバート体24)とは連結されておらず、この隣接する下部カルバート体23(上部カルバート体24)にさらに隣接する下部カルバート体23(上部カルバート体24)に、他方の上部側板42(他方の下部側板32)が連結されている。
【0051】
同様に、別の異なる上部カルバート体24を順次クレーン及び搬送装置により函渠11内へと搬送して回転し、この上部カルバート体24の天板41の長辺41Lを、既に配置した上部カルバート体24の天板41の長辺41Lと隣接させ、連結部材によりこの上部カルバート体24と下部カルバート体23とを上下に位置決め固定する。
【0052】
このように、上部カルバート体24は、函渠11の補修及び補強に必要とされる個数、すなわち下部カルバート体23の個数に対応した個数、函渠11内に搬送し、配置する。
【0053】
さらに、上部カルバート体24を配置し終えた後、この配置し終えた上部カルバート体24の端部に、上部端カルバート体27を、斜辺61Tを長辺41Lに合致させて配置し、上記手順と同様に連結部材により、この上部端カルバート体27を、下部カルバート体23及び下部端カルバート体26に対して上下に位置決め固定する。すなわち、この上部端カルバート体27は、最初に配置した上部端カルバート体27と反対向きに配置する。
【0054】
この結果、函渠補修装置12は、下部カルバート体23と上部カルバート体24とが、上部函渠11の長手方向に沿って上下に交互に連結されることにより、同一ピッチ(短辺31S,41Sの長さと等しい)を有する多重螺旋状、ここでは2重螺旋状に連結された構成となっている。換言すれば、函渠補修装置12は、下部カルバート体23と上部カルバート体24とにより函渠11の長手方向に構成された複数、ここでは2つの同一ピッチの螺旋状の連結構造が、互いの隙間に嵌合するように隣接して構成されている。すなわち、下部カルバート体23及び上部カルバート体24は、それぞれ1つ置きに同一の螺旋状の連結構造に組み込まれている。また、これら螺旋状の連結構造は、函渠補修装置12の端部において、各端カルバート体26,27により互いにループ状に連結されている。
【0055】
そして、配置した函渠補修装置12において、例えば下部カルバート体23の下部側板32,32などに形成した図示しない充填孔から、函渠11との間の間隙に充填剤を充填して降下させることで、函渠11を補修及び補強する。なお、作業終了後、立て坑21などは適宜埋め戻す。
【0056】
上述したように、上記第1の実施の形態では、平行四辺形状の底板31の各短辺31S,31Sからそれぞれこの底板31に対して上方へと一方及び他方の下部側板32,32を突出させた複数の下部カルバート体23を、長辺31Lを函渠11の長手方向に沿って互いに隣接させてそれぞれ配置するとともに、底板31と略合同でかつ線対称の平行四辺形状の天板41の各短辺41S,41Sからそれぞれこの天板41に対して下方へと一方及び他方の上部側板42,42を突出させた複数の上部カルバート体24を、長辺41Lを所定方向に沿って互いに隣接させて下部カルバート体24の上方にそれぞれ配置する構成とした。このため、下部カルバート体23と上部カルバート体24とを、同一の型枠を用いて成形することが可能になり、製造性が向上する。
【0057】
また、一の上部カルバート体24の一方の上部側板42を一の下部カルバート体23の一方の下部側板32と連結し、一の上部カルバート体24の他方の上部側板42を一の下部カルバート体23とは異なる他の下部カルバート体23の他方の下部側板32と連結することにより、上部カルバート体24と下部カルバート体23とが交互に函渠11の長手方向に順次連結されるので、上部カルバート体24同士、あるいは下部カルバート体23同士を函渠11の長手方向に連結する作業などが別途不要となり、施工性が向上する。
【0058】
すなわち、上部カルバート体24と下部カルバート体23とを上記のように連結するだけで、これら上部カルバート体24と下部カルバート体23とが、函渠11の長手方向に沿って交互に連結されて螺旋状となるので、上部カルバート体24同士、あるいは下部カルバート体23同士を函渠11の長手方向に連結することなく、函渠補修装置12は、筐体11の長手方向への連結が得られる。
【0059】
さらに、下部カルバート体23の底板31の長辺31Lに対応する斜辺51Tを有する台形状の端底板51の互いに平行な各辺51S,51Sからそれぞれこの端底板51に対して上方へと一方及び他方の下部端側板52,52を突出させた下部端カルバート体26を、端底板51の斜辺51Tに下部カルバート体23の長辺31Lが合致するように下部カルバート体23の端部に配置することにより、下部カルバート体23の位置合わせが容易になる。
【0060】
また、上部カルバート体24の天板41の長辺41Lに対応する斜辺61Tを有する台形状の端天板61の互いに平行な各辺61S,61Sからそれぞれこの端天板61に対して下方へと一方及び他方の上部端側板62,62を突出させた上部端カルバート体27を、端天板61の斜辺61Tに上部カルバート体24の長辺41Lが合致するように上部カルバート体24の端部にて下部端カルバート体26の上方に配置することにより、上部カルバート体24の位置合わせが容易になる。
【0061】
さらに、下部端カルバート体26の一方の下部端側板52を、上部端カルバート体27の一方の上部端側板62及びこの上部端カルバート体27に隣接する上部カルバート体24の一方の上部側板42と連結し、上部端カルバート体27の他方の上部端側板62を、下部端カルバート体26の他方の下部端側板52及びこの下部端カルバート体26に隣接する下部カルバート体23の他方の下部側板32と連結することにより、下部カルバート体23及び上部カルバート体24の端部での連結処理がより容易になり、施工性がより向上する。
【0062】
しかも、下部端カルバート体26は、台形状の端底板51の各辺51S,51Sからそれぞれこの端底板51に対して上方へと一方及び他方の下部端側板52,52を突出させ、上部端カルバート体27は、端底板51と略合同でかつ線対称の台形状の端天板61の各辺61S,61Sからそれぞれこの端天板61に対して下方へと一方及び他方の上部端側板62,62を突出させているので、下部端カルバート体26と上部端カルバート体27とを、同一の型枠を用いて成形することが可能になり、製造性が向上する。
【0063】
そして、各カルバート体23,24は、函渠11内の底面部14から天上部16までの内法L1の半分より小さい高さ寸法H1,H2を有し、下部カルバート体23の底板31及び上部カルバート体24の天板41を、それぞれ平行四辺形状とするとともに、各カルバート体23,24の幅寸法W1,W2を、それぞれ函渠11の側壁部15,15間の距離L2より小さく設定した。このため、各カルバート体23,24の側板32,42をそれぞれ函渠11の長手方向に向け、かつこれら下部カルバート体23の底板31及び上部カルバート体24の天板41の外方に位置する側面の中心部と、搬送装置上の中心部とを一致させて搬送装置上にカルバート体23,24を載置させることにより、この搬送装置を用いて函渠11内で各カルバート体23,24を容易に搬送できるとともに、この搬送装置を回転させることにより函渠11内で各カルバート体23,24の向きを容易に変えることができる。
【0064】
同様に、各端カルバート体26,27は、函渠11内の底面部14から天上部16までの内法L1の半分より小さい高さ寸法H3,H4を有し、下部端カルバート体26の端底板51及び上部端カルバート体24の端天板61を、それぞれ台形状とするとともに、各端カルバート体26,27の幅寸法W3,W4を、それぞれ函渠11の側壁部15,15間の距離L2より小さく設定した。このため、各端カルバート体26,27の端側板52,62をそれぞれ函渠11の長手方向に向け、かつこれら下部端カルバート体26の端底板51及び上部端カルバート体27の端天板61の外方に位置する側面の中心部と、搬送装置上の中心部とを一致させて搬送装置上に端カルバート体26,27を載置させることにより、この搬送装置を用いて函渠11内で各端カルバート体26,27を容易に搬送できるとともに、この搬送装置を回転させることにより函渠11内で各端カルバート体26,27の向きを容易に変えることができる。
【0065】
よって、各カルバート体23,24,26,27を函渠11の立て坑21から挿入し、さらに、函渠11内の適宜な位置にこれらカルバート体23,24,26,27を配置する作業が容易となり、函渠11の補修及び補強作業が容易となるなど、施工性がより向上するとともに、各カルバート体23,24,26,27の搬送及び配置などの際に函渠11との干渉が生じにくく、これらカルバート体23,24,26,27及び函渠11のそれぞれに破損が生じることなどをも防止できる。
【0066】
次に、第2の実施の形態を図8ないし図12を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0067】
この第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態の下部端カルバート体26が、一方及び他方の下部端ブロック片としての一方及び他方の下部端カルバート片71,72に分割されているとともに、上部端カルバート体27が、一方及び他方の上部端ブロック片としての一方及び他方の上部端カルバート片73,74に分割されているものである。
【0068】
下部端カルバート片71,72は、下部端カルバート体26を、各辺51S,51Sの各中点間で函渠11の長手方向に二分したものである。
【0069】
すなわち、一方の下部端カルバート片71は、図8(a)及び図9に示すように、端底板51の端部側を形成する台形状の端底片81と、この端底片81の互いに平行な各辺81S,81Sから略垂直上方へと突出し下部端側板52の一部、例えば端部側の約半分を構成する下部端側片82とを一体に備えている。また、他方の下部端カルバート片72は、図8(a)及び図10に示すように、一方の下部端カルバート片71と、端部に位置する下部カルバート体23との間に位置する中間部材であり、端底板51の下部カルバート体23側を形成する台形状の端底片85と、この端底片85の互いに平行な各辺85S,85Sから略垂直上方へと突出し下部端側板52の残りの他部、例えば下部カルバート体23側の約半分を構成する下部端側片86とを一体に備えている。
【0070】
また、各下部端カルバート片71,72は、それぞれU字状に形成されており、高さ寸法H5,H6が下部端カルバート体26の高さ寸法H3と等しいとともに、幅寸法W5,W6が下部端カルバート体26の幅寸法W3と等しく、函渠11内で搬送することが可能となっている。
【0071】
また、一方の下部端カルバート片71の端底片81は、下部カルバート体23の底板31の長辺31Lよりも傾斜が小さい(函渠11の長手方向に対する傾斜角が大きい)斜辺81Tを有する台形平板状であり、この斜辺81Tと対向する端辺81Eが、各辺81S,81Sに対して略直交している。さらに、この一方の下部端カルバート片71の端底片81と各下部端側片82との連続部である一方の下部端カルバート片71の内角には、補強用のテーパ部88が一体に形成されている。
【0072】
また、他方の下部端カルバート片72の端底片85は、下部カルバート体23の底板31の長辺31Lに合致する一方の斜辺85T1、及び、この斜辺85T1に対向し一方の下部端カルバート片71の斜辺81Tと合致する他方の斜辺85T2を有する台形平板状である。さらに、この他方の下部端カルバート片72の端底片85と各下部端側片86との連続部である他方の下部端カルバート片72の内角には、補強用のテーパ部89が一体に形成されている。
【0073】
また、上部端カルバート片73,74は、上部端カルバート体27を、各辺61S,61Sの各中点間で函渠11の長手方向に二分したものである。
【0074】
すなわち、一方の上部端カルバート片73は、図8(b)及び図11に示すように、端天板61の端部側を形成する台形状の端天片91と、この端天片91の互いに平行な各辺91S,91Sから略垂直下方へと突出し上部端側板62の一部、例えば端部側の約半分を構成する上部端側片92とを一体に備えている。また、他方の上部端カルバート片74は、図8(b)及び図12に示すように、一方の上部端カルバート片73と、端部に位置する上部カルバート体24との間に位置する中間部材であり、端天板61の上部カルバート体24側を形成する台形状の端天片95と、この端天片95の互いに平行な各辺95S,95Sから略垂直下方へと突出し上部端側板62の残りの他部、例えば上部カルバート体24側の約半分を構成する上部端側片96とを一体に備えている。
【0075】
また、各上部端カルバート片73,74は、それぞれU字状に形成されており、高さ寸法H7,H8が上部端カルバート体27の高さ寸法H4と等しいとともに、幅寸法W7,W8が上部端カルバート体27の幅寸法W4と等しく、函渠11内で搬送することが可能となっている。
【0076】
また、一方の上部端カルバート片73の端天片91は、一方の下部端カルバート片71の端底片81と合同でかつ平面視で線対称な形状に形成されている。すなわち、この端天片91は、上部カルバート体24の天板41の長辺41Lよりも傾斜が小さい(函渠11の長手方向に対する傾斜角が大きい)斜辺91Tを有する台形平板状であり、この斜辺91Tと対向する端辺91Eが、各辺91S,91Sに対して略直交している。さらに、この一方の上部端カルバート片73の端天片91と各上部端側片92との連続部である一方の上部端カルバート片73の内角には、補強用のテーパ部98が一体に形成されている。
【0077】
また、他方の上部端カルバート片74の端天片95は、他方の下部端カルバート片72の端底片85と合同でかつ平面視で線対称な形状に形成されている。すなわち、この端天片95は、上部カルバート体24の天板41の長辺41Lに合致する一方の斜辺95T1、及び、この斜辺95T1に対向し一方の上部端カルバート片73の斜辺91Tと合致する他方の斜辺95T2を有する台形平板状である。さらに、この他方の上部端カルバート片74の端天片95と各上部端側片96との連続部である他方の上部端カルバート片74の内角には、補強用のテーパ部99が一体に形成されている。
【0078】
したがって、下部端カルバート片71,72と上部端カルバート片73,74とは、一方の上下を反転させることで他方と同一形状となるものであり、すなわち、上下反転により端底板81,85(端天片91,95)は端天片91,95(端底片81,85)となり、下部端側片82,86(上部端側片92,96)は上部端側片92,96(下部端側片82,86)となるものであり、それぞれ同一の型枠により成形可能である。換言すれば、下部端カルバート片71,72と上部端カルバート片73,74とは、函渠11内などの配置位置の下側に配置するか上側に配置するかによって便宜的に区別されるものであり、基本的に同一のブロック体(カルバート体)である。
【0079】

そして、既設の函渠11を補修及び補強する際には、上記第1の実施の形態と同様の前準備の後、一方の下部端カルバート片71を立て坑21から函渠11内に挿入し、搬送装置上に載置させる。このとき、一方の下部端カルバート片71は、それぞれの下部端側片82,82が函渠11の長手方向に沿い、かつ、端底片81の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように搬送装置上に載置させる。この後、この一方の下部端カルバート片71を、補修が必要な函渠11内の適宜な位置に搬送し、約90°周方向に回転させて、図8(a)に示すように、下部端側片82,82がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この一方の下部端カルバート片71を函渠11内に配置する。
【0080】
次いで、他方の下部端カルバート片72を、それぞれの下部端側片86,86が函渠11の長手方向に沿い、かつ、端底片85の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように、この他方の下部端カルバート片72を搬送装置上に載置させる。
【0081】
そして、搬送した他方の下部端カルバート片72は、搬送装置により約90°周方向に回転させて、既に配置された一方の下部端カルバート片71の斜辺81Tに対して他方の斜辺85T2を合致させるように、すなわち、下部端側片86,86がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この他方の下部端カルバート片72を一方の下部端カルバート片71に隣接させて函渠11内に配置する。
【0082】
この後、上記第1の実施の形態と同様に、下部カルバート体23を、それぞれの下部側板32,32が函渠11の長手方向に沿い、かつ、底板31の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように搬送装置上に載置させ、約90°周方向に回転させて、既に配置された他方の下部端カルバート片72の一方の斜辺85T1に対して一方の長辺31Lを合致させるように、すなわち、下部側板32,32がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この下部カルバート体23を他方の下部端カルバート片72に隣接させて函渠11内に配置するなど、複数の下部カルバート体23を函渠11内に順次配置する。
【0083】
さらに、下部カルバート体23を配置し終えた後、この配置し終えた下部カルバート体23の端部に、他方の下部端カルバート片72を、一方の斜辺85T1を他方の長辺31Lに合致させて配置するとともに、一方の下部端カルバート片71を、斜辺81Tを他方の下部端カルバート片72の他方の斜辺85T2に合致させて配置する。すなわち、これら下部端カルバート片71,72は、最初に配置した下部端カルバート片71,72とそれぞれ反対向きに配置する。
【0084】
次いで、一方の上部端カルバート片73を、立て坑21から函渠11内に挿入し、搬送装置上に載置させる。このとき、一方の上部端カルバート片73は、それぞれの上部端側片92,92が函渠11の長手方向に沿い、かつ、端天片91の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように搬送装置上に載置させる。この後、この一方の上部端カルバート片73を、補修が必要な函渠11内の適宜な位置に搬送し、約90°周方向に回転させて、図8(b)に示すように、上部端側片92,92がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この一方の上部端カルバート片73を、函渠11内に既に配置された一方の下部端カルバート片71上に配置する。
【0085】
このとき、連結部材の一端部である下端部を一方の下部端カルバート片71の下部端側片82,82及び他方の下部端カルバート片72の下部端側片86のそれぞれの上端部の孔部に挿入(挿通)固定し、この連結部材の他端部である上端部を上部端側片92,92の下端部の孔部に挿入(挿通)固定することにより、一方の上部端カルバート片73と下部端カルバート片71,72とを上下に位置決め固定する。
【0086】
具体的に、一方の下部端カルバート片71の一方(図8中、下側)の下部端側片82を、一方の上部端カルバート片73の一方(図8中、下側)の上部端側片92と連結する。また、一方の上部端カルバート片73の他方(図8中、上側)の上部端側片92を、一方の下部端カルバート片71の他方(図8中、上側)の下部端側片82及び他方の下部端カルバート片72の他方(図8中、上側)の下部端側片86と連結する。
【0087】
さらに、他方の上部端カルバート片74を函渠11内に挿入し、搬送装置上に載置させる。このとき、他方の上部端カルバート片74は、それぞれの上部端側片96,96が函渠11の長手方向に沿い、かつ、端天片95の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように搬送装置上に載置させる。
【0088】
そして、搬送した他方の上部端カルバート片74は、搬送装置により約90°周方向に回転させて、既に配置された一方の上部端カルバート片73の斜辺91Tに対して他方の斜辺95T2を合致させるように、すなわち、上部端側片96,96がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この他方の上部端カルバート片74を一方の上部端カルバート体73に隣接させ、かつ、函渠11内に既に配置された他方の下部端カルバート片72上に位置するように配置する。
【0089】
このとき、連結部材の一端部である下端部を一方の下部端カルバート片71の下部端側片86及び他方の下部端カルバート片72に隣接する下部カルバート体23の下部側板32の上端部の孔部に挿入(挿通)固定し、この連結部材の他端部である上端部を上部端側片42,42の下端部の孔部に挿入(挿通)固定することにより、他方の上部端カルバート片74と一方の下部端カルバート片71及び下部カルバート体23とを上下に位置決め固定する。
【0090】
具体的に、他方の上部端カルバート片74の一方(図8中、下側)の上部端側片96を、一方の下部端カルバート片71の一方(図8中、下側)の上部端側片92と連結する。また、他方の上部端カルバート片74の他方(図8中、上側)の上部端側片92を、他方の下部端カルバート片72に隣接する下部カルバート体23の他方(図8中、上側)の下部側板32と連結する。
【0091】
この後、上記第1の実施の形態と同様に、上部カルバート体24を、それぞれの上部側板42,42が函渠11の長手方向に沿い、かつ、天板41の外側面の略中心部が搬送装置上の略中心部に一致するように搬送装置上に載置させ、約90°周方向に回転させて、既に配置された他方の上部端カルバート片74の一方の斜辺95T1に対して一方の長辺41Lを合致させるように、すなわち、上部側板42,42がそれぞれ函渠11の側壁部15,15に互いに近接する方向へと向きを変えて、この上部カルバート体24を他方の上部端カルバート片74に隣接させて函渠11内に配置するなど、複数の上部カルバート体24を函渠11内に順次配置する。
【0092】
さらに、上部カルバート体24を配置し終えた後、この配置し終えた上部カルバート体24の端部に、他方の上部端カルバート片74を、一方の斜辺95T1を長辺41Lに合致させて配置し、上記手順と同様に連結部材により、この他方の上部端カルバート片74を、下部カルバート体23及び一方の下部端カルバート片71に対して上下に位置決め固定するとともに、一方の上部端カルバート片73を、斜辺91Tを他方の上部端カルバート片74の他方の斜辺95T2に合致させて配置し、上記手順と同様に連結部材により、この一方の上部端カルバート片73を、下部端カルバート片71,72に対して上下に位置決め固定する。すなわち、これら上部端カルバート片73,74は、最初に配置した上部端カルバート片73,74とそれぞれ反対向きに配置する。
【0093】
このように、下部端カルバート体26を、下部端カルバート片71,72に分割し、上部端カルバート体27を、上部端カルバート片73,74に分割することにより、これらカルバート片71,72,73,74の函渠11内への挿入及び函渠11内での搬送などがより容易になり、施工性がより向上する。
【0094】
なお、上記各実施の形態において、各カルバート体23,24,26,27は、既設の函渠11を補修及び補強するためのものの他に、それ自体で函渠(暗渠)を構成するものでもよい。
【0095】
また、各カルバート体23,24,26,27の細部の形状は、上記に限定されるものではない。例えば3重螺旋以上の多重螺旋状に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0096】
12 函渠装置
23 下部ブロック体としての下部カルバート体
24 上部ブロック体としての上部カルバート体
26 下部端ブロック体としての下部端カルバート体
27 上部端ブロック体としての上部端カルバート体
31 底板
32 下部側板
41 天板
42 上部側板
51 端底板
52 下部端側板
61 端天板
62 上部端側板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する短辺及び互いに対向する長辺を有する平行四辺形状の底板、及び、この底板の各短辺からそれぞれこの底板に対して上方へと突出する一方及び他方の下部側板とを備えた複数の下部ブロック体と、
互いに対向する短辺及び互いに対向する長辺を有し前記底板と略合同でかつ線対称の平行四辺形状の天板、及び、この天板の各短辺からそれぞれこの天板に対して下方へと突出する一方及び他方の上部側板とを備えた複数の上部ブロック体とを具備し、
前記各下部ブロック体は、長辺を所定方向に沿って互いに隣接させてそれぞれ配置され、
前記各上部ブロック体は、長辺を前記所定方向に沿って互いに隣接させて前記下部ブロック体の上方にそれぞれ配置されているとともに、一方の前記上部側板が一の前記下部ブロック体の一方の前記下部側板と連結され、他方の前記上部側板が一の前記下部ブロック体とは異なる他の前記下部ブロック体の他方の前記下部側板と連結されている
ことを特徴とした函渠装置。
【請求項2】
下部ブロック体の底板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端底板、及び、この端底板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端底板に対して上方へと突出する一方及び他方の下部端側板とを備えた下部端ブロック体と、
上部ブロック体の天板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端天板、及び、この端天板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端天板に対して下方へと突出する一方及び他方の上部端側板とを備え、前記下部端ブロック体の上方に位置する上部端ブロック体とを具備し、
前記下部端ブロック体は、前記端底板の斜辺を下部ブロック体の長辺に合致させて下部ブロック体の端部に配置され、一方の前記下部端側板が前記上部端ブロック体の一方の前記上部端側板及びこの上部端ブロック体に隣接する前記上部ブロック体の一方の上部側板と連結され、
前記上部端ブロック体は、前記端天板の斜辺を上部ブロック体の長辺に合致させて上部ブロック体の端部に配置され、他方の前記上部端側板が前記下部端ブロック体の他方の前記下部端側板及びこの下部端ブロック体に隣接する前記下部ブロック体の他方の下部側板と連結されている
ことを特徴とした請求項1記載の函渠装置。
【請求項3】
互いに対向する短辺及び互いに対向する長辺を有する平行四辺形状の底板、及び、この底板の各短辺からそれぞれこの底板に対して上方へと突出する一方及び他方の下部側板とを備えた複数の下部ブロック体を、長辺を所定方向に沿って互いに隣接させてそれぞれ配置し、
互いに対向する短辺及び互いに対向する長辺を有し前記底板と略合同でかつ線対称の平行四辺形状の天板、及び、この天板の各短辺からそれぞれこの天板に対して下方へと突出する一方及び他方の上部側板とを備えた複数の上部ブロック体を、長辺を前記所定方向に沿って互いに隣接させて前記下部ブロック体の上方にそれぞれ配置し、
一の前記上部ブロック体の一方の前記上部側板を一の前記下部ブロック体の一方の前記下部側板と連結し、一の前記上部ブロック体の他方の前記上部側板を一の前記下部ブロック体とは異なる他の前記下部ブロック体の他方の前記下部側板と連結する
ことを特徴とした函渠装置の施工方法。
【請求項4】
下部ブロック体の底板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端底板、及び、この端底板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端底板に対して上方へと突出する一方及び他方の下部端側板とを備えた下部端ブロック体を、前記端底板の斜辺に下部ブロック体の長辺が合致するように下部ブロック体の端部に配置し、
上部ブロック体の天板の長辺に対応する斜辺を有する台形状の端天板、及び、この端天板の互いに平行な各辺からそれぞれこの端天板に対して下方へと突出する一方及び他方の上部端側板とを備えた上部端ブロック体を、前記端天板の斜辺に上部ブロック体の長辺が合致するように上部ブロック体の端部にて前記下部端ブロック体の上方に配置し、
前記下部端ブロック体の一方の前記下部端側板を、前記上部端ブロック体の一方の前記上部端側板及びこの上部端ブロック体に隣接する前記上部ブロック体の一方の上部側板と連結し、
前記上部端ブロック体の他方の前記上部端側板を、前記下部端ブロック体の他方の前記下部端側板及びこの下部端ブロック体に隣接する前記下部ブロック体の他方の下部側板と連結する
ことを特徴とした請求項3記載の函渠装置の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−1890(P2012−1890A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134944(P2010−134944)
【出願日】平成22年6月14日(2010.6.14)
【出願人】(000150110)株式会社竹中土木 (101)
【出願人】(391034499)鶴見コンクリート株式会社 (15)
【Fターム(参考)】