説明

分光測定装置

【課題】精度の良いスペクトル特性を測定可能な分光測定装置を提供する。
【解決手段】分光測定装置1は、発光波長が異なる複数のLEDを備えた光源部16と、所定波長の光を選択して取り出す波長可変干渉フィルター5と、光量を検出するディテクター11と、制御回路部20と、を備え、制御回路部20は、校正モード及び測定モードを切り替えるモード切替部21と、校正モードにおいて外光の特性を解析する外光解析部23と、外光の特性に基づいて各LEDの発光量を設定する基準光設定部24と、測定モードにおいて設定された発光量に基づいて各LEDを駆動させる光源駆動部25と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分光測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源から測定対象に光を照射し、測定対象で反射又は透過した光を検出する分光測定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の分光測定装置(マルチチャンネル分光器)は、サンプル(測定対象)に対して、光源からの光を照射し、測定対象で反射された反射光を干渉フィルターに入射させる。そして、干渉フィルターにより取り出された光をフォトダイオードアレイ(検出部)で受光させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−296116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の分光測定装置では、光源から基準光(例えば白色光)を射出させることで、測定対象の分光スペクトルを測定する。しかしながら、測定環境等によっては、光源以外の外光が測定対象に入射する場合があり、この場合、正確な分光スペクトルの測定が実施できないという課題があった。
【0005】
本発明は、精度の良いスペクトル特性を測定可能な分光測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の分光測定装置は、発光波長が異なる複数の発光素子を備え、これらの前記発光素子で発光された光を混合した基準光を対象物に対して射出する光源部と、前記対象物で反射または透過された光から、所定波長の光を選択して取り出す波長選択素子と、前記波長選択素子で取り出された光の光量を検出する検出部と、制御部と、を備えた分光測定装置であって、前記制御部は、前記対象物を基準校正物として校正処理を実施する校正モード、及び前記対象物を測定対象物として前記測定対象物のスペクトル特性を測定する測定モードを切り替えるモード切替部と、前記校正モードにおいて、外光の特性を解析する外光解析部と、前記校正モードにおいて、前記外光解析部により解析された前記外光の特性に基づいて、前記光源部の各発光素子の発光量を設定する基準光設定部と、前記測定モードにおいて、前記基準光設定部により設定された発光量に基づいて前記発光素子を駆動させる光源駆動部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
ここで、本発明では、校正モードに切り替えられた際に、対象物を基準校正物として発光素子の発光量を調整する校正処理を行う。この基準校正物としては、例えば白色校正板等、予め各波長に対する反射率が測定されているものを用いることができる。
本発明では、光源部から対象物に対して基準光を射出し、対象物で反射された光を波長選択素子に入射させ、波長選択素子で取り出された光を検出部で検出する。光源部は、発光波長が異なる複数の発光素子により構成され、光源駆動部によりこれらの発光素子の発光状態を制御することで、各波長の光が混合されて基準光が生成される。
ところで、分光測定装置により分光測定を実施する場合、対象物で反射される光としては、光源部から射出される基準光以外に、外光成分が含まれる場合がある。このような外光成分が入った場合、正確な分光測定が実施できない場合がある。例えば特定波長の光量が大きい外光が入った場合、検出部で検出される当該特定波長に対する光量も大きくなり、対象物の測定精度が低下してしまう。
これに対して、本発明では、モード切替部により校正モードと測定モードとを切り替えることができ、校正モードでは、外光解析部により外光の特性を解析し、基準光設定部により、解析された外光の特性に応じて各発光素子の発光量を設定する。
そして、測定モードでは、光源駆動部は、校正モードによって設定された発光量で各発光素子を駆動させる。これにより、外光が入射した場合でも、当該外光を考慮した基準光を測定対象物に対して射出することができ、分光測定装置による正確なスペクトル特性の測定を実施することができる。
また、このように外光を考慮した光源部の各発光素子の発光量を設定することにより、例えば信号のゲイン調整等、測定値の補正処理が不要となり、容易に対象物のスペクトル特性を測定できる。
さらに、例えば白色光源等、1つの光源(発光素子)を用いて測定を実施する場合、特定波長域の光量が小さくなる。これに対して、本発明では、各波長に対応した発光素子の光量を設定することができる。したがって、全波長域に対して測定に適した光量を有する基準光を用いることができるので、信号強度を大きくでき、S/N比を向上させることができる。
【0008】
本発明の分光測定装置では、前記外光解析部は、前記外光の特性として、前記外光の各波長に対する光量を取得し、前記基準光設定部は、前記外光の各波長に対する光量に基づいて、各波長に対応する前記発光素子の発光量を算出することが好ましい。
本発明によれば、外光解析部は、外光の特性として、外光の各波長に対する光量を取得する。すなわち、外光解析部は、外光のスペクトル特性を解析する。このように、外光のスペクトル特性を解析することで、例えば光量が不足している波長に対してその不足分を発光素子で補うように発光素子の発光量を設定すればよく、外光の光量が大きすぎる波長に対しては、発光素子の発光量を低く設定すればよい。これにより、各波長に対して発光素子の発光量を容易に、かつ詳細に設定することができ、外光を考慮した最適な基準光の設定を実施することができる。これにより、分光測定装置を測定モードで動作させた際の測定精度を向上させることができる。
【0009】
本発明の分光測定装置は、前記制御部は、前記波長選択素子により選択可能な各波長に対する前記検出部の感度特性と、前記波長選択素子により選択可能な各波長に対する前記波長選択素子の分光特性と、を記憶する記憶部を備え、前記基準光設定部は、前記外光の各波長に対する光量、前記検出部の感度特性、及び前記波長選択素子の分光特性に基づいて算出される外光特性値と、各波長に対する前記発光素子の発光量、前記検出部の感度特性、及び前記波長選択素子の分光特性に基づいて算出される基準光特性値との和が、前記基準校正物の各波長に対する反射率に対応した設定値となるように、各波長に対応する前記発光素子の発光量を算出することが好ましい。
【0010】
本発明では、校正モードにおいて、基準光設定部は、検出部により検出される各波長の測定値(外光特性値+基準光特性値)が、基準校正物の反射率に対応した光量(設定値)となるように、検出部の感度特性や、波長選択素子の分光特性に基づいて、発光素子の発光量を算出する。
これにより、外光の特性に加え、検出部や波長選択素子の特性に応じた発光素子の発光量の設定ができ、より精度の高い測定を実施することができる。また、検出部の感度特性や波長選択素子の分光特性が小さい低感度帯域に対して、発光素子の発光量を増大させることができるため、信号強度を増大させることができ、S/N比の向上を図れる。
【0011】
本発明の分光測定装置は、各波長に対応する前記発光素子の発光量を記憶する発光量記憶部を備え、前記光源駆動部は、前記校正モードにおいて、前記発光量記憶部に記憶された前記発光素子の発光量に基づいて前記光源部を駆動させ、前記外光解析部は、前記外光の特性として、前記外光の各波長に対する光量が所定値を超えるか否かを判断し、前記基準光設定部は、前記外光の波長に対する光量が前記所定値を超える場合、前記波長に対応した前記発光素子の発光量を低下させることが好ましい。
【0012】
本発明では、外光解析部は、外光の各波長の光量が所定値を超えるか否かを判断し、基準光設定部は、所定値を超える波長に対して発光素子の発光量を低減させる。このように設定された基準光を用いることで、各波長に対して一様な光量の光(基準光と外光との混合光)を対象物に照射することができ、対象物の正確なスペクトル特性の測定を実施することができる。
【0013】
本発明の分光測定装置は、前記外光の各波長に対する光量を検出する外光検出部を備え、前記外光解析部は、前記外光検出部の検出結果に基づいて前記外光の特性を解析することが好ましい。
本発明によれば、外光の光量を検出するための外光検出部が設けられており、外光解析部は、外光検出部の検出結果に基づいて外光の特性を解析する。このように、外光検出部を設ける構成では、光源部から基準光を射出させている状態であっても、外光のみの特性を解析することができる。したがって、例えば測定モードにおいても、外光の特性を解析することができる。
【0014】
本発明の分光測定装置は、前記外光の各波長に対する光量を記憶する外光特性記憶部と、前記測定モードにおいて、前記外光の光量に変化があった場合、各波長における光量の変化量を算出する外光監視部と、を備え、前記基準光設定部は、外光監視部に算出される光量の変化量に基づいて、前記発光素子の発光量を補正することが好ましい。
本発明によれば、外光検出部により外光のみを基準光と分けて検出することができるので、測定モードにおいても、例えば外光解析部で外光を解析することができる。そして、基準光設定部は、測定モードにおいて、外光監視部により変化量が算出されると、発光素子の発光量を補正する。このため、例えば測定モードにおいて、外光の光量が変動した場合であっても、基準光の各波長の発光量を外光に応じて変化させることができ、測定精度の低下を抑制することができる。
【0015】
本発明の分光特性装置では、前記波長選択素子は、第一基板と、前記第一基板に対向する第二基板と、前記第一基板に設けられた第一反射膜と、前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向する第二反射膜と、前記反射膜間ギャップのギャップ量を変更するギャップ変更部と、を備えた波長可変干渉フィルターであることが好ましい。
【0016】
波長選択素子としては、例えば、複数の色フィルターを切り替えて用いる構成等であってもよいが、この場合、測定対象波長に対向した複数の色フィルターを用いる必要があり、装置が複雑化することが考えられる。これに対して、本発明では、波長選択素子として、第一反射膜及び第二反射膜の間の反射膜間ギャップのギャップ量を変更可能な波長可変干渉フィルターを用いるため、1つのフィルターにより複数波長の光を選択的に取り出すことができ、構成の簡略化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る第一実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】第一実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。
【図3】第一実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図。
【図4】第一実施形態の波長可変干渉フィルターの分光特性を示す図。
【図5】第一実施形態のディテクター(検出部)の感度特性を示す図。
【図6】第一実施形態の光源部を構成するLEDの配置構成を示す図。
【図7】光源部を構成するLEDの配置構成の他の例を示す図。
【図8】第一実施形態の分光測定装置を用いた分光測定方法を示すフローチャート。
【図9】本発明に係る第二実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図。
【図10】第二実施形態の分光測定装置を用いた分光測定方法を示すフローチャート。
【図11】本発明に係る第二実施形態の分光測定装置の概略構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態を図面に基づいて説明する。
[分光測定装置の構成]
図1は、本発明に係る分光測定装置の概略構成を示すブロック図である。
分光測定装置1は、対象物Xで反射された測定対象光における各波長の光量(光強度)を取得し、測定対象光のスペクトル特性を測定する装置であり、特に、可視光域から近赤外光域をカバーしたスペクトル特性を測定する。
この分光測定装置1は、図1に示すように、波長可変干渉フィルター5と、ディテクター11(検出部)と、I−V変換器12と、アンプ13と、A/D変換器14と、電圧制御回路15と、光源部16と、光源駆動回路17と、制御回路部20(制御部)と、を備えている。
【0019】
[波長可変干渉フィルターの構成]
ここで、分光測定装置1に組み込まれる波長可変干渉フィルター5について、以下説明する。図2は、波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図である。図3は、図2をIII−III線で断面にした断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、本発明の波長選択素子を構成する光学部材である。この波長可変干渉フィルター5は、図2、図3に示すように、固定基板51および可動基板52を備えている。これらの固定基板51及び可動基板52は、それぞれ例えば、ソーダガラス、結晶性ガラス、石英ガラス、鉛ガラス、カリウムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラスなどの各種ガラスや、水晶などにより形成されている。そして、これらの固定基板51及び可動基板52は、固定基板51の第一接合部513及び可動基板の第二接合部523が、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などにより構成された接合膜53(第一接合膜531及び第二接合膜532)により接合されることで、一体的に構成されている。
【0020】
固定基板51には、本発明の第一反射膜を構成する固定反射膜54が設けられ、可動基板52には、本発明の第二反射膜を構成する可動反射膜55が設けられている。これらの固定反射膜54および可動反射膜55は、反射膜間ギャップG1を介して対向配置されている。そして、波長可変干渉フィルター5には、この反射膜間ギャップG1のギャップ量を調整(変更)するのに用いられる静電アクチュエーター56が設けられている。この静電アクチュエーター56は、本発明におけるギャップ量変更部に相当する。この静電アクチュエーター56は、固定基板51に設けられた固定電極561と、可動基板52に設けられた可動電極562とにより構成されている。これらの固定電極561,可動電極562は、電極間ギャップG2を介して対向する。ここで、これらの電極561,562は、それぞれ固定基板51及び可動基板52の基板表面に直接設けられる構成であってもよく、他の膜部材を介して設けられる構成であってもよい。ここで、電極間ギャップG2のギャップ量は、反射膜間ギャップG1のギャップ量より大きい。
また、波長可変干渉フィルター5を固定基板51(可動基板52)の基板厚み方向から見た図2に示すようなフィルター平面視において、固定基板51及び可動基板52の平面中心点Oは、固定反射膜54及び可動反射膜55の中心点と一致し、かつ後述する可動部521の中心点と一致する。
なお、以降の説明に当たり、固定基板51または可動基板52の基板厚み方向から見た平面視、つまり、固定基板51、接合膜53、及び可動基板52の積層方向から波長可変干渉フィルター5を見た平面視を、フィルター平面視と称する。
【0021】
(固定基板の構成)
固定基板51には、エッチングにより電極配置溝511および反射膜設置部512が形成されている。この固定基板51は、可動基板52に対して厚み寸法が大きく形成されており、固定電極561および可動電極562間に電圧を印加した際の静電引力や、固定電極561の内部応力による固定基板51の撓みはない。
また、固定基板51の頂点C1には、切欠部514が形成されており、波長可変干渉フィルター5の固定基板51側に、後述する可動電極パッド564Pが露出する。
【0022】
電極配置溝511は、フィルター平面視で、固定基板51の平面中心点Oを中心とした環状に形成されている。反射膜設置部512は、前記平面視において、電極配置溝511の中心部から可動基板52側に突出して形成されている。この電極配置溝511の溝底面は、固定電極561が配置される電極設置面511Aとなる。また、反射膜設置部512の突出先端面は、反射膜設置面512Aとなる。
また、固定基板51には、電極配置溝511から、固定基板51の外周縁の頂点C1,頂点C2に向かって延出する電極引出溝511Bが設けられている。
【0023】
電極配置溝511の電極設置面511Aには、固定電極561が設けられている。より具体的には、固定電極561は、電極設置面511Aのうち、後述する可動部521の可動電極562に対向する領域に設けられている。また、固定電極561上に、固定電極561及び可動電極562の間の絶縁性を確保するための絶縁膜が積層される構成としてもよい。
そして、固定基板51には、固定電極561の外周縁から、頂点C2方向に延出する固定引出電極563が設けられている。この固定引出電極563の延出先端部(固定基板51の頂点C2に位置する部分)は、電圧制御回路15に接続される固定電極パッド563Pを構成する。
なお、本実施形態では、電極設置面511Aに1つの固定電極561が設けられる構成を示すが、例えば、平面中心点Oを中心とした同心円となる2つの電極が設けられる構成(二重電極構成)などとしてもよい。
【0024】
反射膜設置部512は、上述したように、電極配置溝511と同軸上で、電極配置溝511よりも小さい径寸法となる略円柱状に形成され、当該反射膜設置部512の可動基板52に対向する反射膜設置面512Aを備えている。
この反射膜設置部512には、図3に示すように、固定反射膜54が設置されている。この固定反射膜54としては、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることができる。また、例えば高屈折層をTiO、低屈折層をSiOとした誘電体多層膜を用いてもよい。さらに、誘電体多層膜上に金属膜(又は合金膜)を積層した反射膜や、金属膜(又は合金膜)上に誘電体多層膜を積層した反射膜、単層の屈折層(TiOやSiO等)と金属膜(又は合金膜)とを積層した反射膜などを用いてもよい。
【0025】
また、固定基板51の光入射面(固定反射膜54が設けられない面)には、固定反射膜54に対応する位置に反射防止膜を形成してもよい。この反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、固定基板51の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させる。
【0026】
そして、固定基板51の可動基板52に対向する面のうち、エッチングにより、電極配置溝511、反射膜設置部512、及び電極引出溝511Bが形成されない面は、第一接合部513を構成する。この第一接合部513には、第一接合膜531が設けられ、この第一接合膜531が、可動基板52に設けられた第二接合膜532に接合されることで、上述したように、固定基板51及び可動基板52が接合される。
【0027】
(可動基板の構成)
可動基板52は、図2に示すようなフィルター平面視において、平面中心点Oを中心とした円形状の可動部521と、可動部521と同軸であり可動部521を保持する保持部522と、保持部522の外側に設けられた基板外周部525と、を備えている。
また、可動基板52には、図2に示すように、頂点C2に対応して、切欠部524が形成されており、波長可変干渉フィルター5を可動基板52側から見た際に、固定電極パッド563Pが露出する。
【0028】
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成され、例えば、本実施形態では、可動基板52の厚み寸法と同一寸法に形成されている。この可動部521は、フィルター平面視において、少なくとも反射膜設置面512Aの外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されている。そして、この可動部521には、可動電極562及び可動反射膜55が設けられている。
なお、固定基板51と同様に、可動部521の固定基板51とは反対側の面には、反射防止膜が形成されていてもよい。このような反射防止膜は、低屈折率膜および高屈折率膜を交互に積層することで形成することができ、可動基板52の表面での可視光の反射率を低下させ、透過率を増大させることができる。
【0029】
可動電極562は、電極間ギャップG2を介して固定電極561に対向し、固定電極561と同一形状となる環状に形成されている。また、可動基板52には、可動電極562の外周縁から可動基板52の頂点C1に向かって延出する可動引出電極564を備えている。この可動引出電極564の延出先端部(可動基板52の頂点C1に位置する部分)は、電圧制御回路15に接続される可動電極パッド564Pを構成する。
可動反射膜55は、可動部521の可動面521Aの中心部に、固定反射膜54と反射膜間ギャップG1を介して対向して設けられる。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜が用いられる。
なお、本実施形態では、上述したように、電極間ギャップG2のギャップ量が反射膜間ギャップG1のギャップ量よりも大きい例を示すがこれに限定されない。例えば、測定対象光として赤外線や遠赤外線を用いる場合等、測定対象光の波長域によっては、反射膜間ギャップG1のギャップ量が、電極間ギャップG2のギャップ量よりも大きくなる構成としてもよい。
【0030】
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。この際、可動部521が保持部522よりも厚み寸法が大きく、剛性が大きくなるため、保持部522が静電引力により固定基板51側に引っ張られた場合でも、可動部521の形状変化が起こらない。したがって、可動部521に設けられた可動反射膜55の撓みも生じず、固定反射膜54及び可動反射膜55を常に平行状態に維持することが可能となる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、平面中心点Oを中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
【0031】
基板外周部525は、上述したように、フィルター平面視において保持部522の外側に設けられている。この基板外周部525の固定基板51に対向する面は、第一接合部513に対向する第二接合部523を備えている。そして、この第二接合部523には、第二接合膜532が設けられ、上述したように、第二接合膜532が第一接合膜531に接合されることで、固定基板51及び可動基板52が接合されている。
【0032】
以上のような波長可変干渉フィルター5では、固定電極パッド563P及び可動電極パッド564Pがそれぞれ電圧制御回路15に接続されている。したがって、電圧制御回路15により、固定電極561及び可動電極562間に電圧が印加されることで、静電引力により可動部521が固定基板51側に変位する。これにより、反射膜間ギャップG1のギャップ量を所定量に変更することが可能となる。
【0033】
次に、上述したような波長可変干渉フィルターの透過特性について説明する。
図4は、波長可変干渉フィルター5の透過特性(近赤外域)を示す図である。
図4に示すように、波長可変干渉フィルター5は、透過させる波長により透過率が変化する。
一般に、各波長に対する光量が同一である場合、波長が短いほど光エネルギーが大きくなり、波長が長くなるにしたがって光エネルギーが小さくなる。したがって、波長可変干渉フィルター5の近赤外域における分光特性(透過特性)は、図4に示すように、長波長域に向かうに従って透過率が小さくなる傾向がある。
また、波長可変干渉フィルター5の透過特性は、例えば固定反射膜54や可動反射膜55の膜材料等によっても変化する。例えば、反射膜54,55として、AgやAg合金等の金属膜、金属合金膜を用いる場合、反射膜54,55が有する吸光特性により、透過率が低下する場合がある。なお、反射膜54,55として誘電体多層膜を用いる場合では、測定対象波長域が狭くなるものの、各波長に対して一様な透過特性を持たせることもできる。
【0034】
[ディテクターの構成]
図1に戻り、ディテクター11は、波長可変干渉フィルター5を透過した光を受光し、受光した光の光量に応じた検出信号(電流)を出力する。
本実施形態では、ディテクター11として、紫外域から近赤外域の波長域の光の受光により、受光量に応じた検出信号を出力可能なSiフォトダイオードを用いる。
図5は、本実施形態のディテクターにおける検出感度特性を示す図である。
ディテクター11は、各受光波長に対して異なる感度(相対出力)を有する。つまり、ディテクター11に、同一光量である波長Aの光と波長Bの光とをそれぞれ受光させた場合でも、ディテクター11から出力される検出信号は異なる値となる。
例えば本実施形態のSiフォトダイオードでは、図5に示すように、900から1000nmの間で感度が最も良いピーク感度波長λdpを有し、当該ピーク感度波長dpより大きい波長の光に対して急激に感度が低下する。また、ピーク感度波長λdpより小さい波長の光に対して、波長が小さくなるにしたがって緩やかに感度が低下する。
【0035】
[I−V変換器、A/D変換器、及び電圧制御回路の構成]
I−V変換器12は、ディテクター11から入力された検出信号を電圧値に変換し、アンプ13に出力する。
アンプ13は、I−V変換器12から入力された検出信号に応じた電圧(検出電圧)を増幅する。
A/D変換器14は、アンプ13から入力された検出電圧(アナログ信号)をデジタル信号に変換し、制御回路部20に出力する。
電圧制御回路15は、制御回路部20の制御に基づいて、波長可変干渉フィルター5の後述する静電アクチュエーター56に対して駆動電圧を印加する。
【0036】
[光源部、及び光源駆動回路の構成]
図6は、光源部16の概略構成を示す模式図である。
光源部16は、対象物Xに対して基準光を射出する。この光源部16は、図6に示すように、発光波長が異なる複数のLED(発光素子)161を備えている。
ここで、光源部16は、各発光波長に対応したLED161を少なくとも1つ以上備えている。例えば、図6に示す例では、光源部16は、波長Aに対応したLED161を2つ、波長Bに対応したLED161を1つ、波長Cに対応したLED161を1つ、波長Dに対応したLED161を2つ、波長Eに対応したLED161を5つ、波長Fに対応したLED161を6つ、波長Gに対応したLED161を7つ備えている。
【0037】
これらの各波長に対応したLED161の個数は、各LED161から射出される光の光量、ディテクター11の感度特性、波長可変干渉フィルター5の透過特性等により設定される。例えば、発光量が小さいLED161、ディテクター11の感度が低い波長に対応したLED161、波長可変干渉フィルター5の透過特性が低い波長に対応したLED161の数は、他のLED161よりも多く配置される。一方、発光量が大きいLED161、ディテクター11の感度が高い波長に対応したLED161、波長可変干渉フィルター5の透過特性が高い波長に対応したLED161の数は、他のLED161よりも少なく配置される。
【0038】
また、光源部16におけるこれらのLED161は、仮想円Pに沿って円環状に並んで配置される。また、光源部16は、各LED161から射出された光を混合するリフレクター等を備え、LED161から射出された各波長の光が混合されて基準光として射出される。
なお、LED161の配置としては、図6に示すような配置に限定されず、例えば図7に示すように、同心円となる複数の仮想円に沿って円環状に沿って配置される構成としてもよい。図7は、光源部16におけるLED161の他の例を示す模式図である。このような配置では、例えば個数が少ないLED161(例えば、図7に示す例では、波長A,B,C,D,Eに対応したLED161)を内径側に配置し、個数が多いLED161(例えば、図7に示す例では、波長E,F,Gに対応したLED161)を外径側に配置する構成としてもよい。このような構成とすることで、LED161の配置バランスを均一にできる。また、図6、図7では、同一波長に対応したLED161を隣合せて配置する構成例を示したが、例えば、基準光の光路に対して直交する面内において、各波長に対応したLED161が均一に配置される構成としてもよい。
更に、図6、図7では、円環に沿ってLED161が配列する構成を示すが、例えばマトリクス状にLED161が配置される構成としてもよい。
【0039】
光源駆動回路17は、光源部16の各LED161の点灯及び消灯を切り替えるスイッチ回路を備える。
この光源駆動回路17は、制御回路部20から入力される光源制御信号に基づいて、スイッチ回路を制御して、点灯させるLED161をオン状態にし、当該点灯対象のLED161に対して駆動電圧を印加する。
【0040】
[制御回路部の構成]
次に、分光測定装置1の制御回路部20について、説明する。
制御回路部20は、例えばCPUやメモリー等が組み合わされることで構成され、分光測定装置1の全体動作を制御する。この制御回路部20は、図1に示すように、モード切替部21、フィルター駆動部22、外光解析部23、基準光設定部24、光源駆動部25、及び測定部26を備えている。
【0041】
また、制御回路部20は、分光測定装置1を制御するための各種データを記憶する記憶部30を備える。この記憶部30には、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する電圧と、当該波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長との関係を示すV−λデータが記憶される。また、記憶部30には、図4に示すような波長可変干渉フィルター5の透過特性や、図5に示すようなディテクター11の感度特性が記憶される。さらに、記憶部30は、本発明の発光量記憶部及び外光特性記憶部として機能し、光源部16の各LEDの発光量や、外光の各波長における光量が記憶される。
【0042】
モード切替部21は、分光測定装置1における動作モードを切り替える。具体的には、モード切替部21は、動作モードを校正モードと、測定モードとのいずれかにを切り替える。
校正モードは、対象物Xを基準校正物として、光源部16から射出させる基準光の各波長における光量を設定する動作モードである。
測定モードは、対象物Xのスペクトル特性を測定する動作モードである。
このモード切替部21は、分光測定装置1による測定開始時において、まず動作モードを校正モードに切り替え、この校正モードが終了した後に、測定モードに切り替える。なお、モード切替部21による動作モードの切り替えタイミングとしては、上記に限定されず、例えば測定者の設定入力により、動作モードを切り替えてもよい。
【0043】
フィルター駆動部22は、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加される電圧を設定する。また、モード切替部21は、電圧制御回路15を制御し、設定された電圧(ステップ電圧)を静電アクチュエーター56に印加させ、反射膜間ギャップG1のギャップ量を変化させる。
ここで、フィルター駆動部22は、各動作モードにおいて、静電アクチュエーター56に印加するステップ電圧を段階的に切り替える。これにより、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長が、段階的に切り替えられる。
【0044】
外光解析部23は、校正モードにおいて、対象物Xに反射された外光を解析する。ここで、校正モードでは、対象物Xとして、例えば白色校正板等の、予め反射率が把握されている基準校正物を用いる。
また、本実施形態の校正モードでは、光源部16が停止された状態で実施される。したがって、校正モードでは、対象物Xで反射された外光のみが波長可変干渉フィルター5に入射し、波長可変干渉フィルター5を透過した光がディテクター11で受光される。
そして、外光解析部23は、ディテクター11から出力された検出信号に基づいて、外光のスペクトル特性、すなわち外光における各波長の光量を取得する。
【0045】
基準光設定部24は、外光解析部23により取得された外光のスペクトル特性、記憶部30に記憶される波長可変干渉フィルター5の透過特性、及びディテクター11の感度特性に基づいて、光源部16の各LED161の発光量を設定する。
【0046】
一般に、光源部16からの基準光及び外光が対象物Xで反射され、その反射光のうち、波長可変干渉フィルター5により波長λの光が取り出されて、ディテクター11で受光された場合、波長λの光に対するディテクター11からの出力値Fλは、下記(1)式に示すように表される。つまり、出力値Fλは、反射光のうち外光成分に基づいた出力値である外光特性値FOλと、基準光に基づいた出力値である基準光特性値FLλとの和となる。
【0047】
[数1]
nλ=FOλ+FLλ …(1)
【0048】
なお、外光特性値FOλは、光源部16を停止させた状態(基準光がない状態)でのディテクター11からの出力値、すなわち外光解析部23により取得(解析)される外光のスペクトル特性である。ここで、実際の外光の波長λに対する光量をAOλとすると、外光特性値FOλは、ディテクター11の波長λに対する感度特性(相対出力)をfdλ、波長可変干渉フィルター5の波長λに対する透過特性(透過率)をffλとして、下記(2)式のように表される。同様に、基準光特性値FLλは、波長λに対する感度特性fdλ、透過特性ffλ、及び光源部16から射出される波長λの光の実際の光(LED161の発光量)ALλを用いて、下記(3)式のようになる。
【0049】
[数2]
Oλ=AOλ×fdλ×ffλ …(2)
Lλ=A×fdλ×ffλ …(3)
【0050】
ここで、基準校正物におけるスペクトル特性は、予め設定された設定値となる。したがって、校正モードでは、基準光設定部24は、ディテクター11から出力される出力値Fnλがこの設定値となるように、ALλを設定する。例えば基準校正物として、各波長に対する反射率が一様である基準白色板を用いる場合、各波長の光に対する測定値Fnλが、それぞれ設定値Sとなるように、各波長に対応したLED161の発光量ALλの値を設定する。
そして、基準校正物として基準白色板を用いる場合、基準光設定部24は、下記(4)式に基づいて各波長に対応したLED161の発光量ALλの値を算出する。これにより、光源部16における各LED161の発光量が設定される。
【0051】
[数3]
Lλ=(S−FOλ)/(fdλ×ffλ) …(4)
【0052】
ここで、設定値Sとして、基準校正物に対して予め設定された値を用いることができる。なお、基準校正物として白色板以外を用いる場合、当該基準校正物の各波長に対する反射率に応じて、各波長に対する設定値Sλを設定する。この場合、各波長に対してそれぞれ異なる設定値Sλが設定される場合もある。
また、設定値Sとしては、例えば外光解析部23により取得される外光の各波長に対する光量のうち、最大光量値を採択してもよい。この場合、最大光量値に対応する波長に対して、LED161を点灯させる必要がなくなり、省電力化を図ることができる。このような設定値Sは、特に、外光の光量が大きい場合に有効となる。
また、設定値Sとして、以下のような値と設定してもよい。すなわち、基準光設定部24は、各波長に対応したLED161の発光量を最大発光量に設定(全点灯)した際に、ディテクター11から出力される出力値Fλを例えば(1)式に基づいて試算する。そして、試算された各出力値Fλのうち、最小値を設定値Sとして設定する。この場合、外光を考慮し、かつ基準光の光量が最大となる設定を行える。
【0053】
光源駆動部25は、測定モードにおいて、光源駆動回路17を制御して光源部16を駆動させ、基準光を対象物Xに対して射出させる。この時、光源駆動部25は、基準光設定部24により設定された各LED161の発光量に基づいて、光源駆動回路17を制御する。
測定部26は、測定モードにおいて、ディテクター11から出力された検出信号に基づいて、各波長に対する光量を取得、すなわち対象物Xのスペクトル特性を取得する。
【0054】
[分光測定装置による分光測定方法]
次に、上述した分光測定装置1による分光測定方法について、図面に基づいて説明する。
図8は、本実施形態の分光測定方法のフローチャートである。
図8に示すように、本実施形態の分光測定方法では、測定開始時、又は測定者により光源部16の校正を実施する旨の設定入力がなされると、モード切替部21は、動作モードを校正モードに設定する(S1)。
【0055】
S1で校正モードに設定されると、制御回路部20は、光源部16の基準光を設定する校正処理を実施する。この校正処理では、対象物Xを基準校正物として、光源部16の校正が実施される。本実施形態では、基準校正物として、上述したように、基準白色板が用いられる。
そして、この校正処理では、まず、光源駆動部25により光源部16の駆動が停止される(S2)。この後、外光解析部23による外光のスペクトル特性の解析が実施される(S3)。
このS3では、フィルター駆動部22の制御により、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧が順次切り替える。これにより、対象物Xで反射され、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長が順次変更されてディテクター11にて受光される。そして、外光解析部23は、ディテクター11から出力された検出信号を取得し、外光の各波長における光量を取得する。すなわち、外光解析部23は、外光特性値FOλを取得する。
【0056】
この後、基準光設定部24は、設定値Sを設定する(S4)。
設定値Sの設定では、上述したように、基準校正物に対して予め設定された設定値Sを読み込んで設定してもよく、例えば外光解析部23により取得される外光の各波長に対する光量のうち、最大光量値を採択してもよい。また、各波長に対応したLED161の発光量を最大発光量に設定した際の出力値Fλを試算し、試算された各出力値Fλのうち、最小値を設定値Sとして設定してもよい。さらには、外光の光量に基づいて、上記のうちいずれかを選択する処理をしてもよい。
そして、基準光設定部24は、上記(4)式に基づいて、各波長に対して、各LED161の発光量ALλを設定する(S5)。
【0057】
以上の校正処理が終了した後、モード切替部21は、動作モードを測定モードに切り替える(S6)。この測定モードでは、測定者は、対象物Xとして、基準白色板に代えて、測定対象物が設置して、測定対象物のスペクトル特性の測定処理を実施する。
この測定処理では、光源駆動部25は、S5により設定された各LED161の発光量ALλに基づいて、各LED161を点灯させる(S7)。
この後、測定部26による測定対象物のスペクトル特性の測定が実施される(S8)。
このS8では、フィルター駆動部22の制御により、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧が順次切り替える。これにより、測定対象物で反射され、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長が順次変更されてディテクター11にて受光される。そして、測定部26は、ディテクター11から出力された検出信号を取得し、測定対象物の各波長における光量を取得、すなわち測定対象物のスペクトル特性を測定する。
【0058】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の分光測定装置1では、校正モードにおいて、外光解析部23は、外光の特性を解析し、基準光設定部24は、解析された外光の特性に基づいて光源部16の各波長に対応するLED161の発光量を設定する。
このため、外光を考慮した基準光の設定ができ、測定モードにおいて、外光成分が含まれる場合であっても、高精度に対象物Xのスペクトル特性の測定を実施することができる。また、このように光源部16の基準光を、外光の特性に応じて調整することにより、例えば測定モードにおいて、ゲイン調整等や補正処理等を簡略化でき、迅速、かつ容易に高精度なスペクトル特性の測定を実施することができる。
また、例えばハロゲンランプ等、1つの光源から基準光を射出する構成と比べて、各波長域でのLED161の発光量を詳細に設定することができる。したがって、光量不足となる波長域がなくなり、各波長における信号強度を大きくすることができ、S/N比の向上を図れる。
【0059】
本実施形態では、モード切替部21により動作モードが校正モードに切り替えられた際、光源駆動部25は光源部16の駆動を停止させる。これにより、ディテクター11には対象物X(基準校正物)で反射された外光のみが入射することとなり、外光の各波長に対する光量を測定することができる。
そして、このような外光の光量に基づいて各LED161の発光量を設定することにより、基準光における各波長の光を、基準校正物に対応した最適な光量に設定することができる。したがって、このような最適光量に設定された基準光により測定モードの動作を実施することで、測定精度をより向上させることができる。
【0060】
本実施形態では、上述した(4)式に基づいて、LED161における発光量を算出する。したがって、外光のスペクトル特性に加え、ディテクター11の感度特性、波長可変干渉フィルター5の分光特性をも考慮したLED161の発光量を算出することができる。したがって、測定モードにおける対象物Xのスペクトル特性の測定において、より精度の高い測定結果を得ることができる。また、ディテクター11の感度や、波長可変干渉フィルターの透過率が低い低感度帯域に対して、LED161の発光量を増大させることができる。したがって、低感度帯域の信号強度が増大し、S/N比の向上を図ることができる。
【0061】
本実施形態では、各波長に対応したLED161がそれぞれ複数設けられており、基準光設定部24は、これらのLED161の点灯数を設定することで、光源部16から射出させる基準光を設定する。このような構成では、光源駆動部25は、光源駆動回路17のスイッチ回路を切り替えるだけで、容易に光源部16の基準光の各波長における光量を変化させることができ、構成の簡略化も図れる。
【0062】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以降の実施形態の説明に当たり、第一実施形態と同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
上記第一実施形態では、外光解析部23は、基準光の照射を停止した状態で外光のスペクトル特性を解析する例を示した。これに対して、本実施形態では、外光解析部は、光源部16から基準光を照射した状態で、外光の各波長に対する光量が所定値より大きいか否かを判断する点で上記第一実施形態と相違する。
【0063】
図9は、第二実施形態の分光測定装置の概略構成を示す図である。
図9に示すように、本実施形態の分光測定装置1Aは、波長可変干渉フィルター5と、ディテクター11(検出部)と、I−V変換器12と、アンプ13と、A/D変換器14と、電圧制御回路15と、光源部16と、光源駆動回路17と、制御回路部20Aと、を備えている。
また、本実施形態の制御回路部20Aは、モード切替部21、フィルター駆動部22、外光解析部23A、基準光設定部24A、光源駆動部25、測定部26、及び記憶部30を備える。
【0064】
そして、本実施形態の分光測定装置1Aでは、モード切替部21により動作モードが校正モードに切り替えられた際、光源駆動部25は、光源部16のLED161を点灯させた状態で校正処理を実施する。
具体的には、外光解析部23Aは、光源部16のLED161が点灯された状態で、ディテクター11からの出力値が、オーバーレンジか否かを判断する。ここで、各波長に対するディテクター11からの出力値が、予め設定された規定値を超える場合、外光の光量が大きい、すなわち外光の光量が所定値を超えることを意味する。したがって、外光解析部23Aは、各波長に対するディテクター11からの出力値が、予め設定された規定値を超える場合に、オーバーレンジであると判断する。
そして、基準光設定部24Aは、外光解析部23Aによりオーバーレンジであると判断された波長に対して、当該波長に対応するLEDの発光量を低下させる。具体的には、基準光設定部24Aは、外光の光量が大きいと判断された波長に対応するLEDの点灯数を1つ減少させる。
【0065】
[分光測定装置の分光測定方法]
次に、上記のような分光測定装置1Aによる分光測定方法について、図面に基づいて説明する。
図10は、分光測定装置1Aの分光測定方法を示すフローチャートである。
図10に示すように、本実施形態の分光測定装置1Aは、上記第一実施形態と同様に、測定開始時、又は測定者により光源部16の校正を実施する旨の設定入力がなされると、S1の処理を実施し、モード切替部21は、動作モードを校正モードに設定する。
【0066】
S1で校正モードに設定されると、制御回路部20Aは、光源部16の基準光を設定する校正処理を実施する。
この校正処理では、第一実施形態と同様に、対象物Xを基準校正物(基準白色板)として、光源部16の校正が実施される。
そして、本実施形態における校正処理では、まず、光源駆動部25は、光源部16の全てのLED161が点灯させる(S11)。
この後、フィルター駆動部22は、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧を順次切り替える(S12)。これにより、対象物Xで反射され、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長が順次変更されてディテクター11にて受光される。この時、外光解析部23Aは、ディテクター11から出力される各波長に対する出力値(光量)を、記憶部30に記憶する。
【0067】
この後、外光解析部23Aは、記憶部30に記憶されたS12の出力値が、オーバーレンジであるか否かを判断する(S13)。すなわち、外光解析部23Aは、S12の各波長に対する出力値が、所定の規定値を上回る否かを判断する。
【0068】
このS13において、外光解析部23Aにより、出力値が規定値以下であると判断された場合(「No」と判断された場合)、基準光設定部24Aは、現在のLED161の発光量(各波長に対応するLED161の点灯数)を記憶部30に設定発光量として記憶する(S14)。
【0069】
一方、S13において、外光解析部23Aにより、各波長に対応する出力値のうち、予め設定された規定値を上回る出力値があると判断された場合(「Yes」と判断された場合)、基準光設定部24Aは、出力値が上回った波長に対応するLED161の点灯数を1つ減少させる(S15)。そして、基準光設定部24Aは、各波長に対応するLED161の発光量(点灯数)を記憶部30に記憶する。
そして、このS15の後、S12及びS13の処理を繰り返す。つまり、各波長に対応する出力値が規定値以下となるまで、S12、S13、及びS15の処理を繰り返して実施する。
【0070】
そして、各波長に対応する出力値が規定値以下となり、S14の処理が実施された後、分光測定装置1Aは、上記第一実施形態と同様、S6からS8の測定処理を実施して、測定対象物のスペクトル特性を測定する。
【0071】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の分光測定装置1Aでは、校正モードにおいて、光源駆動部25は、記憶部30に記憶される各LED161の発光量に基づいて点灯させる(初期状態では、全点灯)。そして、外光解析部23Aは、ディテクター11により検出される各波長の光量が、所定の規定値以上であるか否か、すなわち外光が所定値以上であるか否かを判断し、基準光設定部24Aは、光量が規定値を超える波長に対応した発光素子の発光量を低減させて記憶部30に記憶する。
このような構成でも、上記第一実施形態と同様に、外光に対応した基準光の設定を実施することができる。したがって、測定モードにおいて、ゲイン調整等や補正処理等を簡略化でき、迅速、かつ容易に高精度なスペクトル特性の測定を実施することができる。
また、例えばハロゲンランプ等、1つの光源から基準光を射出する構成と比べて、各波長域での発光素子の発光量を詳細に設定することができる。したがって、光量不足となる波長域がなくなり、各波長における信号強度を大きくすることができ、S/N比の向上を図れる。
また、第一実施形態に比べて、(4)式に基づいた発光量の演算等を実施する必要がなく、処理の簡略化を図ることができる。
【0072】
[第三実施形態]
次に本発明の第三実施形態について、図面に基づいて説明する。
上記第一実施形態では、外光解析部23は、ディテクター11で取得される出力値に基づいて、外光のスペクトル特性を解析し、第二実施形態では、ディテクター11で取得される出力値に基づいて、外光の光量が規定値以上であるか否かを解析した。
これに対して、本実施形態では、外光のみを検出する外光センサーを別途備え、外光解析部は、外光センサーからの検出信号に基づいて外光を検出する。
【0073】
図11は、第三実施形態の分光測定装置1Bの概略構成を示す図である。
図11に示すように、本実施形態の分光測定装置1Bは、波長可変干渉フィルター5と、ディテクター11(検出部)と、I−V変換器12と、アンプ13と、A/D変換器14と、電圧制御回路15と、光源部16と、光源駆動回路17と、本発明の外光検出部である外光検出センサー18と、制御回路部20Bと、を備えている。
【0074】
外光検出センサー18は、外光のスペクトル特性を解析するセンサーである。この外光検出センサー18は、基準光以外の外光のみを検出するセンサーであり、外光の各波長における光量を測定する。このような外光検出センサーとしては、例えば波長可変干渉フィルター5及びディテクター11と同様の構成を有する、第二波長可変干渉フィルター及び第二ディテクターを備えたセンサーを例示できる。
【0075】
そして、本実施形態の制御回路部20Bは、モード切替部21、フィルター駆動部22、外光解析部23B、基準光設定部24B、光源駆動部25、測定部26、外光監視部27、及び記憶部30を備える。記憶部30は、本発明の外光特性記憶部としても機能し、外光解析部23Bにより取得された外光のスペクトル特性を記憶する。
【0076】
外光解析部23Bは、ディテクター11ではなく、外光検出センサー18から入力される検出信号に基づいて、外光のスペクトル特性を解析する。
本実施形態では、第一実施形態と同様に、校正モードにおいて、外光解析部23Bは、外光のスペクトル特性を取得し、基準光設定部24Bは、取得したスペクトル特性に基づいて各波長に対応するLED161の発光量を算出する。この際、本実施形態では、図8に示すS2の処理が不要であり、光源部16を駆動させたままであってもよい。
なお、外光解析部23B及び基準光設定部24Bは、例えば第二実施形態のように、外光の各波長における光量が所定値を超えるか否かを判断し、所定値を超える場合にLED161の点灯数を減少させる構成としてもよい。
【0077】
また、本実施形態の外光解析部23Bは、モード切替部21により測定モードが設定された場合でも、外光検出センサー18の検出信号に基づいて、外光のスペクトル特性を解析する。
更に、本実施形態の分光測定装置1Bの制御回路部20Bは、外光の各波長における光量の変化を監視する外光監視部27を備える。この外光監視部27は、外光の各波長における光量が変化した際、その変化量を算出する。
そして、本実施形態の基準光設定部24Bは、外光監視部27により外光の変化量が算出されると、当該変化量に応じてLED161の発光量を補正し、補正した各LED161の発光量を記憶部30に記憶する。
具体的には、基準光設定部24Bは、外光の光量が所定量増大した場合、光量が変化した波長に対応するLED161の点灯数を1つ減少させる。また、外光の光量が所定量減少した場合、光量が変化した波長に対応するLED161の点灯数を1つ増加させる。
また、光源駆動部25は、記憶部30に記憶されるLED161の発光量が更新されると、更新後の発光量に基づいてLED161を駆動させる。
【0078】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の分光測定装置1Bは、外光の各波長に対する光量を検出する外光検出センサー18を備える。そして、外光解析部23Bは、外光検出センサー18からの検出信号に基づいて、外光のスペクトル特性を解析する。
このような構成では、測定モードに設定された場合であっても、外光解析部23により外光のスペクトル特性を解析することができ、測定中の外光の変化を検出することができる。
【0079】
また、本実施形態の記憶部30は、外光のスペクトル特性が記憶されている。そして、外光監視部27は、外光の光量に変化があった場合に、記憶部30に記憶されている外光の各波長の光量と、外光解析部23により取得される外光の各波長の光量とに基づいて変化量を算出し、基準光設定部24Bは、当該変化量に基づいて、LED161の発光量を補正する。
このため、測定モードの動作中であっても、外光の変化があった場合に、その変化量に基づいて基準光の各波長の光量を設定し直すことができる。これにより、測定中の外光の光量変化による測定精度の低下を抑制できる。
【0080】
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0081】
例えば、上記第一から第三実施形態では、複数のLED161の点灯数を変化させることで、各波長における発光量を調整する例を示したが、1つのLED161に印加する駆動電圧を変化させることで発光量を調整する構成としてもよい。また、LED161は、発光波長等によって最大発光量が異なる。したがって、最大発光量が小さい波長に対応したLED161に対しては複数設けられる構成とし、これらのLED161の個数及び駆動電圧の双方を変化させることで発光量を変化させる構成などとしてもよい。このように、LED161に印加する駆動電圧を変化させる構成とすることで、より詳細な発光量の調整が可能となる。
【0082】
光源部16は、発光素子としてLED161を備える例を示したが、各波長に対応した複数の発光素子が設けられる構成であれば発光素子の種類について特に限定されない。例えば、発光素子として、レーザー光源を用いてもよく、LED及びレーザー光源の双方を組み合わせた構成としてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、波長選択素子として波長可変干渉フィルター5を例示したが、例えば透過波長が異なる複数の色フィルターや波長固定型干渉フィルター等を切り替えて透過波長を選択する構成などとしてもよい。
【0084】
波長可変干渉フィルター5のギャップ量変更部として、電圧印加により静電引力により反射膜間ギャップG1のギャップ量を変動させる静電アクチュエーター56を例示したが、これに限定されない。
例えば、固定電極561の代わりに、第一誘電コイルを配置し、可動電極562の代わりに第二誘電コイルまたは永久磁石を配置した誘電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。
さらに、静電アクチュエーター56の代わりに圧電アクチュエーターを用いる構成としてもよい。この場合、例えば保持部522に下部電極層、圧電膜、および上部電極層を積層配置させ、下部電極層および上部電極層の間に印加する電圧を入力値として可変させることで、圧電膜を伸縮させて保持部522を撓ませることができる。
また、例えば、固定基板51及び可動基板52の間の空間を密閉空間とし、内部の空気圧を変化させることで反射膜間ギャップG1のギャップ量を変化させる波長可変干渉フィルターを用いてもよい。この場合、密閉空間の空気を例えばポンプ等を用いて加圧または減圧するが、フィルター駆動部22及び電圧制御回路15により、ポンプを駆動させる際の電圧を変化させることで、上記実施形態と同様の動作を実施させることができる。
【0085】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。
【符号の説明】
【0086】
1,1A,1B…分光測定装置、5…波長可変干渉フィルター、11…ディテクター(検出部)、16…光源部、18…外光検出センサー(外光検出部)、20,20A,20B…制御回路部(制御部)、21…モード切替部、22…フィルター駆動部、23,23A,23B…外光解析部、24,24A,24B…基準光設定部、25…光源駆動部、26…測定部、27…外光監視部、30…記憶部(発光量記憶部、外光特性記憶部)、54…固定反射膜(第一反射膜)、55…可動反射膜(第二反射膜)、56…静電アクチュエーター(ギャップ量変更部)、561…固定電極、562…可動電極、G1…反射膜間ギャップ(ギャップ)、161…LED(発光素子)、X…測定対象。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光波長が異なる複数の発光素子を備え、これらの前記発光素子で発光された光を混合した基準光を対象物に対して射出する光源部と、
前記対象物で反射または透過された光から、所定波長の光を選択して取り出す波長選択素子と、
前記波長選択素子で取り出された光の光量を検出する検出部と、
制御部と、を備えた分光測定装置であって、
前記制御部は、
前記対象物を基準校正物として校正処理を実施する校正モード、及び前記対象物を測定対象物として前記測定対象物のスペクトル特性を測定する測定モードを切り替えるモード切替部と、
前記校正モードにおいて、外光の特性を解析する外光解析部と、
前記校正モードにおいて、前記外光解析部により解析された前記外光の特性に基づいて、前記光源部の各発光素子の発光量を設定する基準光設定部と、
前記測定モードにおいて、前記基準光設定部により設定された発光量に基づいて前記発光素子を駆動させる光源駆動部と、
を備えたことを特徴とする分光測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の分光測定装置において、
前記外光解析部は、前記外光の特性として、前記外光の各波長に対する光量を取得し、
前記基準光設定部は、前記外光の各波長に対する光量に基づいて、各波長に対応する前記発光素子の発光量を算出する
ことを特徴とする分光測定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の分光測定装置において、
前記制御部は、前記波長選択素子により選択可能な各波長に対する前記検出部の感度特性と、前記波長選択素子により選択可能な各波長に対する前記波長選択素子の分光特性と、を記憶する記憶部を備え、
前記基準光設定部は、前記外光の各波長に対する光量、前記検出部の感度特性、及び前記波長選択素子の分光特性に基づいて算出される外光特性値と、各波長に対する前記発光素子の発光量、前記検出部の感度特性、及び前記波長選択素子の分光特性に基づいて算出される基準光特性値との和が、前記基準校正物の各波長に対する反射率に対応した設定値となるように、各波長に対応する前記発光素子の発光量を算出する
ことを特徴とする分光測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の分光測定装置において、
各波長に対応する前記発光素子の発光量を記憶する発光量記憶部を備え、
前記光源駆動部は、前記校正モードにおいて、前記発光量記憶部に記憶された前記発光素子の発光量に基づいて前記光源部を駆動させ、
前記外光解析部は、前記外光の特性として、前記外光の各波長に対する光量が所定値を超えるか否かを判断し、
前記基準光設定部は、前記外光の波長に対する光量が前記所定値を超える場合、前記波長に対応した前記発光素子の発光量を低下させる
ことを特徴とする分光測定装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の分光測定装置において、
前記外光の各波長に対する光量を検出する外光検出部を備え、
前記外光解析部は、前記外光検出部の検出結果に基づいて前記外光の特性を解析する
ことを特徴とする分光測定装置。
【請求項6】
請求項5に記載の分光測定装置において、
前記外光の各波長に対する光量を記憶する外光特性記憶部と、
前記測定モードにおいて、前記外光の光量に変化があった場合、各波長における光量の変化量を算出する外光監視部と、を備え、
前記基準光設定部は、外光監視部に算出される光量の変化量に基づいて、前記発光素子の発光量を補正する
ことを特徴とする分光測定装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の分光測定装置において、
前記波長選択素子は、
第一基板と、
前記第一基板に対向する第二基板と、
前記第一基板に設けられた第一反射膜と、
前記第二基板に設けられ、前記第一反射膜に反射膜間ギャップを介して対向する第二反射膜と、
前記反射膜間ギャップのギャップ量を変更するギャップ変更部と、
を備えた波長可変干渉フィルターである
ことを特徴とする分光測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−96883(P2013−96883A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240914(P2011−240914)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】