説明

分割電気化学セル及び安価高純度水素化物ガス製造方法

【課題】分割電気化学セルにおいて実質的に酸素のない金属M1水素化物ガスを連続的に発生する装置及び方法を提供する。
【解決手段】不透過性分割材20または不透過性分割材20及び多孔質隔膜21の組合せは分割電気化学セルを区分するために使用されることができる。分割電気化学セルは、陽極室26及び陰極室25と(ただし、陰極室25は金属M1を含む陰極を有し、陽極室26は酸素を発生することができる陽極31を有する。)、分割電気化学セルを部分的に充填し、金属水酸化物M2OHを含む電解質水溶液とを有する。陰極室25において発生される水素化物ガスと陽極室26において発生される酸素は独立出口を通して取り除かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学工程及び装置の分野にある。より詳細には、本発明は、酸素の同時逆生成を伴うIV及びV族揮発水素化物の区分電気化学セル合成と生成、及び、合成を実行する反応器に向けられる。合成と反応器は、実質的に酸素がない高純度水素化物をより効率よく生成するように設計される。
【背景技術】
【0002】
高純度ガスは、半導体製作とドーピングに必要とされる。大抵、これらのガスは危険毒性である。商用圧縮ガスボンベは、数千ポンド毎平方インチ圧力でガスを貯蔵し、1〜10ポンドのガスを含有する。この故に、これらの物質の集中生産、輸送、及び貯蔵は、それらを取り扱うものに危険をもたらす。
【0003】
これらの危険を避けるために、これらの発生される危険ガスをそれらが必要とされるときだけ、半導体製造工場の化学蒸着反応器においてのように、供給する装置が開発された。例えば、米国特許第5,158,656号明細書及び米国特許第6,080,297号明細書においてのダブリュ・エム・エア(W. M. Ayers)は、化学蒸着反応器に導入する適当な圧力で揮発水素化物を供給する電気化学装置及び方法を記載する。そのような工程は、無区分電気化学セルにおいて電気防食用陽極(すなわち、酸素に浸食する電極)と水酸化物系電解質を用いることにより、該当する金属陰極から金属水素化物ガスと水素ガスを発生する。しかし、そのような工程は、モリブデン及びタングステンのような電気防食用陽極金属の高原価のために高容積生産には経済的に魅力がない。
【0004】
米国特許第4,178,224号明細書においてのポーター(Porter)は、酸素放出陽極と共に酸性電解質において溶質砒素塩を利用するアルシンガス合成の電気化学方法を開示する。しかし、この方法で、アルシン濃度は、25%未満に制限された。ポーター(Porter)の方法の別の制限は、電気化学セルの区分陽極及び陰極部分においての圧力と液面を均衡させる必要性であった。
【0005】
米国特許第5,425,857号明細書においてのブアード(Bouard)は、砒素塩を含有する電解質と区分電気化学において作用する酸とを利用し、陰極室においてアルシンと水素を、陽極室において酸素を発生する電気化学プロセスを開示する。プロセスは、補助ガス分離槽と多数のポンプを使用する必要性により負担される。加えて、酸及び砒素塩の両方の同時計量及び添加がプロセスを維持するために必要とされる。
【0006】
米国特許第5,427,659号明細書及び米国特許第5,474,659号明細書は、酸素形成を避ける条件で電解質水で水素化物の電気化学的発生を開示する。水素化物収率は、所望されるよりも随分低い。
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,158,656号明細書
【特許文献2】米国特許第6,080,297号明細書
【特許文献3】米国特許第4,178,224号明細書
【特許文献4】米国特許第5,425,857号明細書
【特許文献5】米国特許第5,427,659号明細書
【特許文献6】米国特許第5,474,659号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
水素化物ガスを生成し、送出する有効な手段を提供するために努力が続けられた一方で、それでも、送出水素化物ガス、特に酸素生成物流の実質的にない水素化物の質と量を向上する必要性が当該分野において存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の実施形態は、(a)管状外被の少なくとも部分が金属M2を含む管状外被と、(b)電気絶縁体底と、(c)陰極ガス出口、陽極ガス出口及び水入口を含む電気絶縁体上蓋と、(d)分割電気化学セルを陰極室と陽極室に分離する分割材と(ただし、分割材は陽極及び陰極回路から電気的に絶縁される。)、(e)金属M1の固体棒材と金属M1粒体固定層とからなる群から選択される陰極、及び陰極ガス出口を含む陰極室と、(f)金属M2を含む管状外被の該少なくとも部分である陽極、陽極ガス出口及び水入口を含む陽極室とを含む分割電気化学セルと、陰極室と陽極室を部分的に充填し、金属水酸化物M3OHを含む電解質水溶液と、陰極ガス出口と接続される第1の調節弁と、陽極ガス出口と接続される第2の調節弁と、水入口と接続される第3の調節弁とを含んでおり、陰極と陽極は電解質水溶液に浸漬される、金属M1水素化物ガス発生装置を含む。
【0010】
本発明の他の実施形態は、(a)管状外被の少なくとも部分は金属M2を含む管状外被と、(b)電気絶縁体底と、(c)陰極ガス出口、陽極ガス出口及び水入口を含む電気絶縁体上蓋と、(d)分割電気化学セルを陰極室と陽極室に分離し、陽極回路と陰極回路から電気的に絶縁される分割材と、(e)金属M1の固体棒材と金属M1粒体固定層とからなる群から選択される陰極、陰極ガス出口を含む陰極室と、(f)金属M2を含む管状外被の該少なくとも部分である陽極、陽極ガス出口及び水入口を含む陽極室とを含む分割電気化学セルに関して金属M1水素化物を発生する方法であって、陰極室と陽極室に金属水酸化物M3OHを含む水性電解質溶液を提供し(ただし、陰極と陽極が電解質水溶液に少なくとも部分的に浸漬される。)、分割電気化学セルに電力を供給し、陰極ガス出口と陽極ガス出口に接続される調節弁を使用することにより差圧ΔP=Pc−Paを調節し(式中、Pcは陰極室の圧力であり、Paは陽極室の圧力である。)、差圧ΔP増加を許容し、陰極室で発生するガスを陰極ガス出口を通じて水素化物ガスとして解放し、陽極室で発生するガスを陽極ガス出口を通じて解放し、そして、調節弁を閉じる工程を含む方法を含む。
【0011】
さらに本発明の他の実施形態は、(a)管状外被の少なくとも部分が金属ニッケルを含む管状外被と、(b)電気絶縁体底と、(c)陰極ガス出口、陽極ガス出口及び水入口を含む電気絶縁体上蓋と、(d)陰極室と陽極室に分割電気化学セルを分離する分割材と(ただし、分割材は陽極及び陰極回路から電気的に絶縁される。)、(e)固体棒材Asと金属As粒体固定層からなる群から選択される陰極、及び陰極ガス出口を含む陰極室と、(f)金属ニッケルを含む管状外被の少なくとも部分である陽極、陽極ガス出口及び水入口を含む陽極室とを含む分割電気化学セルと、金属水酸化物M3OHを含み、陰極室と陽極室を少なくとも部分的に充填する電解質水溶液と、陰極ガス出口と接続される第1の調節弁と、陽極ガス出口と接続される第2の調節弁と、水入口と接続される第3の調節弁とを含んでおり、陰極と陽極は電解質溶液に少なくとも部分的に浸漬される、砒素金属水素化物発生装置を含む。
【0012】
さらに本発明の他の実施形態は、(a)管状外被の少なくとも部分が金属ニッケルを含む管状外被と、(b)電気絶縁体底と、(c)陰極ガス出口、陽極ガス出口及び水入口を含む電気絶縁体上蓋と、(d)分割電気化学槽を陰極室と陽極室に分離する分割材と(ただし、分割材は陽極及び陰極回路から電気的に絶縁される。)、(e)固体棒材Asと金属As粒体固定層とからなる群から選択される陰極、及び陰極ガス出口を含む陰極室と、(f)金属ニッケルを含む管状外被の少なくとも部分である陽極、陽極ガス出口及び水入口を含む陽極室を含む分割電気化学セルに関して砒素金属水素化物ガスを発生する方法であって、陰極と陽極が電解質水溶液に少なくとも部分的に浸漬された陰極室と陽極室に金属水素化物M3OHを含む水性電解質溶液を提供し、分割電気化学セルに電力を供給し、陰極ガス出口と陽極ガス出口に接続される調節弁を使用することにより差圧ΔP=Pc−Paを調節し(式中、Pcは陰極室の圧力であり、Paは陽極室の圧力である。)、差圧ΔP増加を許容し、陰極室で発生するガスを陰極ガス出口を通じて水素化物ガスとして解放し、陽極室で発生するガスを陽極ガス出口を通じて解放し、そして、調節弁を閉じる工程を含む方法を含む。
【0013】
さらに本発明の他の実施形態は、(a)金属M2を少なくとも部分的に含むU字形管状外被と(ただし、U字形管状外被の片側は陰極室を形成し、U字形管状外被の他の側は陽極室を形成し、U字形管状外被の底部分は、陰極室と陽極室を接続するが陰極ガスと陽極ガスの混合を許容しない電気絶縁体を含む。)、(b)金属M1の固体棒材と金属M1粒体固定層からなる群から選択される陰極、及び、陰極ガス出口を含む電気絶縁体上蓋を含む陰極室と、(c)金属M2を含むU字形管状外被の他の側である陽極、及び、陽極ガス出口と水入口を含む電気絶縁体上蓋を含む陽極室とを含む分割電気化学槽と、金属水酸化物M3OHを含み、陰極室と陽極室を部分的に充填する電解質水溶液と、陰極ガス出口と接続される第1の制御弁と、陽極ガス出口と接続される第2の制御弁と、水入口と接続される第3の制御弁とを含んでおり、陰極と陽極が電解質水溶液に浸漬される、砒素金属水素化物ガス発生装置を含む。
【0014】
さらに本発明の他の実施形態は、(a)金属M2を少なくとも部分的に含むU字形管状外被と(ただし、U字形管状外被の片側が陰極室を形成し、U字形管状外被の他の側が陽極室を形成し、U字形管状外被の底部分は、陰極室と陽極室を接続するが陰極ガスと陽極ガスの混合を許容しない電気絶縁体を含む。)、(b)金属M1の固体棒材と金属M1粒体固定層からなる群から選択される陰極、及び、陰極ガス出口を含む電気絶縁体上蓋を含む陰極室と、(c)金属M2を含むU字形管状外被の他の側である陽極、及び、陽極ガス出口と水入口を含む電気絶縁体上蓋を含む陽極室とを含む分割電気化学槽において金属M1水素化ガスを発生する方法であって、陰極と陽極が電解質水溶液に少なくとも部分的に浸漬された陰極室と陽極室に金属水素化物M3OHを含む水性電解質溶液を提供し、分割電気化学槽に電力を供給し、陰極ガス出口と陽極ガス出口に接続される制御弁を使用することにより差圧ΔP=Pc−Paを調節し(式中、Pcは陰極室の圧力であり、Paは陽極室の圧力である。)、差圧ΔP増加を許容し、陰極室で発生するガスを陰極ガス出口を通じて水素化物ガスとして開放し、陽極室で発生するガスを陽極ガス出口を通じて開放し、そして、制御弁を閉じる工程を含む方法を含む。
【0015】
上述の実施形態において、M1は、Sb,As,Se,P,Si,Ge,Pb,Cd及びそれらの組合せからなる群から選択される金属または金属合金であり、M2は、ニッケル,銅,ステンレス鋼,並びにアルミニウム及びそれらの組合せを含む陽極酸素発生に適当な金属または金属合金であり、M3は、アルカリ及びアルカリ土類金属からなる群から選択され、及び、電解質水溶液のM3OHは、2重量%〜45重量%の範囲であり、さらにまた、M3OHは、NaOH,KOH,LiOH,CsOH,NH4OH及びそれらの組合せからなる群から選択される。
【0016】
さらに、分割電気化学セルは、およそ100〜およそ15,000A/m2の範囲の電流密度;またはおよそ2〜およそ15ボルトの範囲の定電圧;およそ15℃〜およそ100℃の範囲の温度;およそ50,000〜およそ500,000Paの範囲の圧力;およそ1〜およそ10,000Paの範囲のΔPの下で作動し、水が連続的にまたは回分式に陽極室に加えられる。
【0017】
分割材は、陽極ガスと陰極ガスの混合を妨げるために、電解質水溶液中に部分的に延びる固体不透過性分割材である。
【0018】
代わりに、分割材は、固体不透過性分割材と、気泡の混合を防止するために多孔寸法が陽極室と陰極室で発生する気泡より小さい多孔質透過性隔膜の組合せであり、分割材は、陽極ガスと陰極ガスの混合を防止するために、電解質水溶液中に少なくとも部分的に延びる。
【0019】
上述の実施形態は、分割電気化学セルの温度を調節するために、さらにまた、分割電気化学セルの管状外被を被覆し、循環冷却液の流入口と流出口を含む伝熱ジャケットを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、電子部品と太陽電池材料の製作に使用する実質的に酸素のない高品質安価水素化物ガスを連続的に製造する装置及び方法を開示する。
【0021】
現行、水素化物ガスは、大量高圧ボンベで利用可能であるかまたは支持材に吸着される。水素化物ガスは極毒性であり、それらを大量に貯蔵することの代わりは、電気化学発生による水素化物ガスの現場生産を提供することである。本発明は、任意の大量貯蔵系統に存在するであろう小部分の水素化物ガスについて水素化物ガスの減少された即時在庫を見込む。さらに、水素化物は、分割電気化学槽からの現生産であり、水素化物ガスを用いる設備において予期しない安全問題の万一の場合には電流を切ることにより直ちに運転停止されることができる。金属陰極を予備取付けされた分割電気化学槽は輸送され(槽において水素化物ガスなく)、そして水素化物ガス漏れの懸念なく現場運転位置に蓄積されることができる。
【0022】
アルシンの現行製造プロセスにおいて、砒化亜鉛は、硫酸と反応されて一般に生アルシンガス流と砒素で汚染された硫酸亜鉛の残留固形廃棄物流になる。この廃棄物流は特殊危険廃棄物埋立において処分されなければならない。これは、本発明が最小固形廃棄物が発生されるところで使用されるとすれば避けられる経済/環境不利を示す。電解質は補給水だけの添加で実質的に安定であり、電解質が再利用されることを許容する。
【0023】
現行砒化亜鉛製造プロセスは、硫黄不純物を含有する生ガスを与える。これらは除去されなければならない。本発明はこれらの不純物を防止する。しかし、新規プロセスは、アルシンガスの酸素汚染を防止する手法で運転されなければならない。
【0024】
水素化物のその該当する金属陰極からの現場電気化学的発生が開発された。これらの工程において、陽極は、モリブデン、カドミウム、またはタングステンのような費用がかかり、塩廃物を発生する犠牲金属である。本発明において、水と金属陰極だけが消費され、費用のかかる電気防食用陽極は避けられる。われわれのプロセスにおいての全工程化学は、下記に示され、式中、CE(0〜1)は電気化学プロセスのアルシン電流効率である。われわれのプロセスの典型的な値はCE = 0.80〜0.95である。
【化1】

【0025】
装置は、固体砒素棒材が陰極としてはたらき、ニッケル管が陽極として働く分割電気化学槽を含む。電解質は、任意の水酸化物塩水、例えば、水酸化カリウムの20〜25%水溶液である。
【0026】
電気化学槽は、酸素ガスとアルシンガスが混合しないように陽極室、陰極室に分離される。ガスは独立の出口によってその各室の気相に存在する。電気化学槽を分離し、ガス混合を抑制する2つの選択が存在する。1つの選択は固体分割材を使用し、他の選択は多孔質隔膜と組み合わせて固体分割材を使用する。
【0027】
選択円筒分割電気化学槽設計は、プロセスが大気よりも高い圧力で効率的に運転することを許容し、水のような不純物の除去を促進し、水素化物を処理する補助装置に供給する。作業方法は、液面を維持して水素化金属ガスと酸素が混合しないことを確保し、連続して陰極室からの水素化物ガスと陽極室からの酸素を除去し、続いて水をそれが消費されるにつれて交換し、液面を調節して液圧封止が維持されることを確保し、分割電気化学槽に供給される電流を制御して容器が過圧されないことを確保し、水素化物純度を実質的に酸素のないほど調節する工程を含む。
【0028】
図1〜図6は、離隔陽極室と陰極室とを有する分割電気化学槽設計の変型を示す。
【0029】
下記のものは、図1〜図6において使用される基本表記である。
20=陽極室と陰極室を隔離し、陽極または陰極回路から電気的に絶縁される固体分割材、高密度ポリエチレンのような絶縁材または陽極及び陰極回路から絶縁されるという条件でステンレス鋼のような金属からなることが可能である。
21=不電導性透過性隔膜。
22=分割電気化学槽ジャケットからの冷却液出口。
23=分割電気化学槽ジャケットへの冷却液入口。
24=陽極ガス口と陰極ガス口を有する固体蓋、陽極及び陰極回路から電気的に絶縁される。
25=陰極室。
26=陽極室。
27=伝熱ジャケット(不電導性液体)。
28=分割電気化学槽底からの酸素形成を抑制する分割電気化学槽底上の電気絶縁体。
29=陽極室と陰極室を接続し、陽極室と陰極室から電気的に絶縁される液体導管底。
30=砒素電極、固体棒材または粒体固定層。
31=陽極としてもはたらき、主要構成がニッケルである分割電気化学槽外被。
33=砒素層と電気的に接触する金属棒材。
40=陰極室からの陰極ガス出口。
41=陽極室からの陽極ガス出口。
42=差圧変換器/調節器。
43=高圧変換器/開閉器。
44=電気電源。
45=給水入口。
50=電源に対する高圧アラーム信号。
51=電源に対する差圧制御信号。
52=陽極電力接続。
53=陰極電力接続。
54=高圧入力。
55=陰極室からの差圧入力。
56=陽極室からの差圧入力。
57=陰極ガス調節弁に対する調節信号。
58=水調節弁に対する調節信号。
59=陽極ガス調節弁に対する調節信号。
80=陰極ガス調節/計量弁。
81=陽極ガス調節/計量弁。
82=水調節/計量弁。
【0030】
図1及び図2は、電気的絶縁導管底部分29が陽極室26と陰極室25を接続するU字形管状外被構成で設計される分割電気化学セルを示す。導管は分割材るようにはたらき、陽極室と陰極室において放出されるガスが混合しないが浮揚力によってその各室のガス「ヘッドスペース」(室25、26の上部分)に浮上するために十分に低く位置する。ガスはこれらの「ヘッドスペース」域からガス出口40を通じて流出することを許容される。補充水は入口45によって連続的にまたは回分式に加えられることができる。陽極室と陰極室の連続液連絡は室間イオン流れを許容するために必要であるが、この連絡を許容する開口部は酸素とアルシンの上昇気泡が再結合しないように提供されるであろう。
【0031】
図3〜図6において、陽極室と陰極室は、陽極室が中心管状陰極室周りの環状配置である「管内管」構成の形態に配列される。特定配置は物質利用可能性または分割電気化学槽の異なる寸法についての製造選択により調節される。
【0032】
図3及び図4は、一体分割材で設計される「管内管」構造の分割電気化学槽を示し、一体不透過性分割材20が電気化学槽を陽極室26と陰極室25に分離する。分割材20は、陽極室と陰極室において放出されるガスが混合しないが浮揚力によってその各室のガス「ヘッドスペース」域(室26、25の上部分)に浮上するために十分に電解質水溶液中に延びる。ガスはこれらの「ヘッドスペース」域からガス出口40、41を通じて流出することを許容される。補充水は入口45によって連続的にまたは回分式に加えられることができる。陽極室と陰極室の連続液連絡は、室間イオン流れを許容するために必要であるが、この連絡を許容する開口部は酸素とアルシンの上昇気泡が再結合しないように提供されるであろう。
【0033】
図5及び図6は、組合せられる固体分割材20と多孔質/透過性隔膜21で設計される「管内管」構造の分割電気化学槽を示し、組合せ分割材20、21は電気化学槽を陽極室26と陰極室25に分離する。分割材20は多孔質/液透過性隔膜21に隣接して電解質水溶液中に延びる。隔膜の孔は酸素及びアルシン気泡が隔膜を通過できないほど十分小さい。この隔膜は、陽極と陰極室の液連絡だけが隔膜の孔を通じるように分割電気化学槽底に続くことが可能である。陽極と陰極において放出されるガスは、混合しないが浮揚力によってその各室のガス「ヘッドスペース」域(室26、25の上部分)に浮上する。陽極室と陰極室(26と25)の隔膜21を通した連続液連絡は、室間イオン流れを許容するために必要である。図3において、固体分割材20は、「チューブ・イン・チューブ」設計において、液体が流れることを許容するが気泡通過を妨げる多孔質隔膜21により交換する。
【0034】
多数のプロセス制御用構成が可能である。
1.差動変換器/調節器42は、陽極室及び陰極室55、及び56からの差圧入力信号間で測定される単プログラム差圧整定値が達せられたときに制御信号51を用いて電源44から電流を止めるためにプログラムに組み込むことができる。
2.緊急運転停止は、圧力入力54から高圧変換器/調節器43の測定全圧力がプログラム圧力を越えるとすれば、同様に可能である。43からの信号は制御信号50によって電源44に届いて電力を停止する。
3.代替制御機構は、55と56の差圧が調節整定値を越えれば、陰極及び/又は陽極調節弁80、81を制御する。
【0035】
分割電気化学槽の温度調節は、入口23を通ってジャケットを出口22を通して出る常用冷却液(不導電性液体)源を用いることにより分割電気化学槽周囲のジャケット27を通じて達成されることができる。
【0036】
「管内管」構造(図3〜図6に示される)の分割電気化学槽について陽極31がまた分割電気化学セル外被部分であるときに特に有利である。ニッケルは、水酸化アルカリ電解質水溶液が使用されるときに、31について許容構成材料である。高密度ポリエチレンのようなプラスチックと薄ニッケル電極の複合分割電気化学セルも許容される。
【実施例】
【0037】
以下の実施例は本発明をさらに説明する目的に提供されるが同じものを限定することを決して予定されない。
実施例1
【0038】
分割電気化学セルは、図1によれば「U字形」管構成に構築された。垂直陽極室26は24.5mm内径ニッケル管からなり、垂直陰極室25は24.5mm内径316ステンレス鋼管からなる。2つの室は底において24.5mm内径テフロン(登録商標)管によって接続された。陰極は99%純度砒素棒材、21mm直径及び486mm長、秤量450gであった。砒素棒材がステンレス鋼外被に接触しないことを保証するプラスチックスペーサーと共に、ステンレス鋼管において位置調整された。陽極室と陰極室は、25wt%KOH水溶液250mLで充填された。分割電気化学セルはジャケットをかぶせられず、周囲外部冷却はファンで果たされた。陽極室は雰囲気に対してガス抜きをされ、陽極で発生した酸素は窒素パージガスと配合された。
【0039】
分割電気化学セルは、3.0 アンペアの一定電流Aにおいて運転されるか、または、8700 A/m2電流密度で運転される一方で分割電気化学セル電圧は10〜12 Vで変動した。電流密度は濡れた(KOH水溶液に浸漬された)幾何表面積で割られた陽極においての全電流として定義される。陰極室と陽極室の差圧は陰極室についての調節弁で250〜1000 Paに維持された。差圧1000 Paを越えて陰極ガスは、調節弁が閉じられる差圧が250 Paに達するまで分割電気化学セルからガス分析装置と集合室に解放された。この作用は分割電気化学セルの液面を一定電流運転中に振動させた。ガス組成は殆ど82%から86%(モル%)アルシンと水素18%〜14%からなる補給物からなる。分割電気化学セル温度は58°C〜70°Cに維持された。
【0040】
結果は図7、図8、図9及び図10において示される。
【0041】
図7は、AsH3/O2分離電気化学セルについての典型作業曲線を示す。陽極及び陰極ガスが四分極質量分析計、QMSで分析された点が示される。結果は図9及び図10において示している。
【0042】
図8は、分析計の残存種を示すヘリウムにおいてのバックグラウンド四分極質量スペクトルを示す。
【0043】
図9は、殆ど純アルシンと水素痕跡を示す陰極ガスの四分極質量スペクトルを示す。残存酸素が図8においてのバックグラウンドと同じ水準であることに言及する。結果として、陰極室において発生した砒素ガスは陽極室において発生した酸素と混合されない。
【0044】
図1〜図6において設計される一体分割材により陽極室と陰極室に分離される分割電気化学セルから発生されるアルシンは実質的に酸素がない。
【0045】
図10は、殆ど純酸素を示す窒素で希釈された陽極ガスの四分極質量スペクトルを示す。
実施例2
【0046】
この例において、分割電気化学槽は実施例1においてのように正確に運転されたけれども99%純度、平均粒度3 mmの砒素粒体固定層を交換された。砒素粒体層は1”高さであって、ステンレス鋼管状外被と電流を通じられた。電源の陰極はステンレス鋼陰極外被外壁に取り付けられ、なされる電気接続は砒素層にされた。アルシンガスは近似的に85%であって残りが水素からなり、実質的に酸素のない< 100 ppmであった。
実施例3
【0047】
この例において、分割電気化学セルは実施例1においてのように正確に運転されたけれどもアルシン32 g試料は収集され、ガスクロマトグラフィーによって分析され、結果は表1に要約される。酸素分は14.1 ppmに維持された。水素とバックグラウンド窒素のほかに臨界不純物格別にgermane及びphosphineは実測されなかった。
【0048】
【表1】

【0049】
実施例4
【0050】
分割電気化学セルは図5に従って構造された。分割電気化学セル外壁外被31はニッケル-200から構成され、152 mm内径を有する。これは外アノード室26を形成する。内隔膜21は76 mm内径を有し、0.100 mm平均気孔寸法の多孔質ポリエチレンから構成された。カソード室25においての砒素棒材30はおよそ直径51mm、305 mm長、3000 g秤量であって、99%純度を有した。アノード及びカソード室(26及び25)を隔離する一体分割材20は分割電気化学セル蓋24に一体をなし、ステンレス鋼から製造された。蓋24と分割材20は、テフロン(登録商標)ガスケットを用いてアノード及びカソード電極の両方から電気的に絶縁された。全分割電気化学セル高はおよそ610 mm高さであり、8つの25%水酸化カリウム竪樋を充填された。
【0051】
分割電気化学セル温度は外冷却ジャケット27を使用して20°C〜25°Cに調節された。30 A一定電流または610 A/m2電流密度が分割電気化学槽に適用され、ところがアノード室とカソード室(26と25)の差圧は陽極ガス弁(81)を用いて±50 Paで維持された。
【0052】
陽極ガスのガス組成は質量分光分析とガスクロマトグラフィーにより連続して観測された。微量ガス分析はアルシンガスについて実施され、全ガス組成は表2において与えられる。陰極ガス組成は安定であり、主ガス種は残りが水素であるアルシン95%〜97%であった。
【0053】
【表2】

【0054】
図5において設計される多孔質隔膜と組合せて固体分割材を用いることによりアノード室とカソード室に分離される分割電気化学セルから発生されるアルシンは実質的に酸素がない。
【0055】
前述の実施例と望ましい実施形態の説明は、請求項により明確に定められる本発明を限定するよりもむしろ例証すると考慮されるべきである。容易に認識されるように、上述された特徴についての多数の変形と組合せは請求項において示される本発明からはずれることなく利用されることができる。そのような変形は発明の精神と趣旨からの離脱とは考えられず、あらゆるそのような変形は次の特許請求の範囲内に含まれると解釈される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】「U字形」構成の分割電気化学セルを示し、陰極は水素化物金属から製造される固体金属棒材からなる図である。
【0057】
【図2】「U字形」構成の分割電気化学セルを示し、陰極は水素化物金属から製造される金属粒体固定層からなる図である。
【0058】
【図3】「チューブ・イン・チューブ」構成の分割電気化学セルを示し、固体分割材は電気化学セルを分離し、陰極は水素化物金属から製造される固体金属棒材からなる図である。
【0059】
【図4】「チューブ・イン・チューブ」構成の分割電気化学セルを示し、固体分割材は電気化学セルを分離し、陰極は水素化金属から製造される金属粒体固定層からなる図である。
【0060】
【図5】「チューブ・イン・チューブ」構成の分割電気化学セルを示し、多孔質隔膜に隣接する固体分割材は電気化学セルを分離し、陰極は水素化物金属から製造される固体金属棒材からなる図である。
【0061】
【図6】「チューブ・イン・チューブ」構成の分割電気化学セルを示し、多孔質隔膜に隣接する固体分割材は電気化学セルを分離し、陰極は水素化物金属から製造される金属粒体固定層からなる図である。
【0062】
【図7】AsH3/O2分割電気化学セルについての典型作業曲線図である。
【0063】
【図8】分析計の残存種を示すヘリウムにおいてのバックグラウンド四分極質量スペクトル図である。
【0064】
【図9】陰極ガスの四分極質量スペクトル図である。
【0065】
【図10】窒素で希釈された陽極ガスの四分極質量スペクトル図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(g)管状外被の少なくとも部分は金属M2を含む管状外被と、
(h)電気絶縁体底と、
(i)陰極ガス出口、陽極ガス出口及び水入口を含む電気絶縁体上蓋と、
(j)分割電気化学セルを陰極室と陽極室に分離する分割材と(ただし、該分割材は陽極回路と陰極回路から電気的に絶縁される。)、
(k)金属M1固体棒材と金属M1粒体固定層からなる群から選択される陰極、及び該陰極ガス出口を含む陰極室と、
(l)金属M2を含む管状外被の該少なくとも部分である陽極、該陽極ガス出口及び該水入口を含む陽極室とを含む分割電気化学セル、
該陰極室と該陽極室を部分的に充填し、金属水酸化物M3OHを含む電解質水溶液;
該陰極ガス出口と接続される第1の調節弁;
該陽極ガス出口と接続される第2の調節弁;及び
該水入口と接続される第3の調節弁を含む金属M1水素化物ガスを発生する装置であって、該陰極と該陽極は電解質水溶液に少なくとも部分的に浸漬される装置。
【請求項2】
該分割材は少なくとも部分的に電解質水溶液中に延びて陽極ガスと陰極ガスの混合を妨げる固体不透過性分割材である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
該分割材は、固体不透過性分割材と、多孔質透過性隔膜の多孔寸法が気泡の混合を妨げるために該陽極室と該陰極室において発生される気泡より小さい多孔質透過性隔膜との組合せであり;該分割材は少なくとも部分的に電解質水溶液中に延びて陽極ガスと陰極ガスの混合を妨げる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
1は、アンチモンSb,砒素As,セレンSe,燐P,ゲルマニウムGe,珪素Si,鉛Pb,カドミウムCd,及びそれらの組合せからなる群から選択される金属または金属合金であり;M2は、ニッケル,銅,ステンレス鋼,アルミニウム,及びそれらの組合せからなる群から選択される陽極酸素発生に適性金属または金属合金であり;M3は、アルカリ及びアルカリ土類金属からなる群から選択される金属であり;及び、電解質水溶液のM3OHはおよそ2重量%〜およそ45重量%の範囲である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
3OHは、NaOH,KOH,LiOH,CsOH,NH4OH及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
さらに該分割電気化学セルの該管状外被を被覆する伝熱ジャケットを含む(ただし、該伝熱ジャケットは循環冷却液の流入口と流出口を含む。)、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
(a)管状外被の少なくとも部分は金属M1を含む管状外被、
(b)電気絶縁体底、
(c)陰極ガス出口、陽極ガス出口及び水出口を含む電気絶縁体上蓋、
(d)分割電気化学セルを陰極室と陽極室に分離し、陽極回路と陰極回路から電気的に絶縁される分割材、
(e)金属M1固体棒材と金属M1粒体固定層からなる群から選択される陰極、及び該陰極ガス出口を含む陰極室、及び
(f)金属M2を含む管状外被の該少なくとも部分である陽極、該陽極ガス出口及び該水入口を含む陽極室を含む分割電気化学セルに関して金属M1水素化物ガスを発生する方法であって、金属水酸化物M3OHを含む電解液水溶液を該陰極室と該陽極室に提供し(ただし、該陰極と該陽極は少なくとも部分的に電解質水溶液に浸漬される。)、該分割電気化学セルに電力を供給し、差圧ΔP=Pc−Paを該陰極ガス出口と該陽極ガス出口に接続された調節弁を使用することにより調節し(式中、Pcは該陰極室の圧力であり、Paは該陽極室の圧力である。)、該差圧ΔP増加を許容し、該陰極室において発生されるガスを該陰極ガス出口を通じて水素化物ガスとして開放し、該陽極室において発生されるガスを該陽極ガス出口を通じて開放し、そして該調節弁を閉じる工程を含む方法。
【請求項8】
該分割材は陽極ガスが陰極ガスと混合することを妨げるために少なくとも部分的に電解質水溶液中に延び;該分割材は、(a)固体不透過性分割材と(b)固体不透過性分割材及び多孔質透過性隔膜の組合せとからなる群から選択される(ただし、多孔質透過性隔膜の通気性寸法は気泡が混合することを妨げるために該陽極室と該陰極室において発生される気泡より小さい。)、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ただし、M1は、アンチモンSb,砒素As,セレンSe,燐P,ゲルマニウムGe,珪素Si,鉛Pb,カドミウムCd,及びそれらの組合せからなる群から選択される金属または金属合金であり;M2は、ニッケル,銅,ステンレス鋼,アルミニウム,及びそれらの組合せからなる群から選択される陽極酸素発生に適性金属または金属合金であり;M3は、アルカリ及びアルカリ土類金属からなる群から選択される金属であり;及び電解質水溶液のM3OHはおよそ2重量%〜およそ45重量%の範囲である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
該電力はおよそ100A/m2〜およそ15,000A/m2の範囲の一定電流密度、またはおよそ2ボルト〜およそ15ボルトの範囲の定電圧Vにより供給され;Pc及びPaはおよそ50,000Pa〜500,000Paの範囲であり;ΔPはおよそ1Pa〜およそ10,000Paの範囲であり;該分割電気化学セルはおよそ15℃〜およそ100℃の範囲の温度で作動され;及び水が該陽極室に連続的または回分式に加えられる、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
(a)管状外被の少なくとも部分が金属ニッケルを含む管状外被、
(b)電気絶縁体底、
(c)陰極ガス出口、陽極ガス出口及び水入口を含む電気絶縁体上蓋、
(d)分割電気化学セルを陰極室と陽極室に分離し、陽極回路と陰極回路から電気的に絶縁される分割材、
(e)固体棒材Asと金属As粒体固定層からなる群から選択される陰極、及び該陰極ガス出口を含む陰極室、及び
(f)金属ニッケルを含む管状外被の該少なくとも部分である陽極、該陽極ガス出口及び該水入口を含む陽極室を含む分割電気化学セルに関して砒素金属水素化物ガスを発生する方法であって、金属水酸化物M3OHを含む電解液水溶液を該陰極室と該陽極室に提供し(ただし、該陰極と該陽極は少なくとも部分的に電解質水溶液に浸漬される。)、該分割電気化学セルに電力を供給し、差圧ΔP=Pc−Paを該陰極ガス出口と該陽極ガス出口に結合された調節弁を使用することにより調節し(式中、Pcは該陰極室の圧力であり、Paは該陽極室の圧力である。)、該差圧ΔP増加を許容し、該陰極室において発生されるガスを該陰極ガス出口を通して水素化物ガスとして解放し、該陽極室において発生されるガスを該陽極ガス出口を通して解放し、そして該調節弁を閉じる工程を含む方法。
【請求項12】
該分割材は陽極ガスが陰極ガスと混合することを妨げるために少なくとも部分的に電解質水溶液中に延び;該分割材は、(a)固体不透過性分割材と(b)固体不透過性分割材及び多孔質隔膜の組合せからなる群から選択され;多孔質透過性隔膜の通気性寸法は気泡が混合することを妨げるために該陽極室と該陰極室において発生される気泡より小さい、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ただし、M1は、アンチモンSb,砒素As,セレンSe,燐P,ゲルマニウムGe,珪素Si,鉛Pb,カドミウムCd,及びそれらの組合せからなる群から選択される金属または金属合金であり;M3は、アルカリ及びアルカリ土類金属からなる群から選択される金属であり;及び電解質水溶液のM3OHはおよそ2重量%〜およそ45重量%の範囲である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
3OHは、NaOH,KOH,LiOH,CsOH,NH4OH及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
該電力はおよそ100A/m2〜およそ15,000A/m2の範囲の一定電流密度、またはおよそ2ボルト〜およそ15ボルトの範囲の定電圧Vにより供給され;Pc及びPaはおよそ50,000Pa〜およそ500,000Paの範囲であり;ΔPはおよそ1Pa〜およそ10,000Paの範囲であり;該分割電気化学セルはおよそ15℃〜およそ100℃の範囲の温度で作動され;及び水が該陽極室に連続的または回分式に加えられる、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
(d)少なくとも部分的に金属M2を含むU字形管状外被と(ただし、該U字形管状外被の片側は陰極室を形成し、該U字形管状外被の他の側は陽極室を形成し、該U字形管状外被底部分は、該陰極室と該陽極室を接続するが陰極ガスと陽極ガスの混合を許容しない電気絶縁体を含む。)、
(e)金属M1固体棒材と金属M1粒体固定層からなる群から選択される陰極、及び、陰極ガス出口を含む電気絶縁体上蓋を含む陰極室と、
(f)金属M2を含む該U字形管状外被の該他の側である陽極と陽極ガス出口及び水入口を含む電気絶縁体上蓋を含む陽極室とを含む分割電気化学セル、
金属水酸化物M3OHを含み、該陰極室と該陽極室を部分的に充填する電解質水溶液;
該陰極ガス出口と接続される第1の調節弁;
該陽極ガス出口と接続される第2の調節弁;
該水入口と接続される第3の調節弁を含んでおり、該陰極と該陽極は電解質水溶液に浸漬される金属M1水素化物ガスを発生する装置。
【請求項17】
該分割材は、少なくとも部分的に電解質水溶液中に延びて陽極ガスと陰極ガスの混合を妨げる固体不透過性分割材である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
該分割材は、固体不透過性分割材と、多孔質透過性隔膜の通気性寸法が気泡の混合を妨げるために該陽極室と該陰極室において発生される気泡より小さい多孔質透過性隔膜との組合せであり;該分割材は少なくとも部分的に電解質水溶液中に延びて陽極ガスと陰極ガスの混合を妨げる、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
さらに該分割電気化学セルの該管状外被を被覆する伝熱ジャケットを含む(ただし、該伝熱ジャケットは循環冷却液の流入口と流出口を含む。)、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
1は、アンチモンSb,砒素As,セレンSe,燐P,ゲルマニウムGe,珪素Si,鉛Pb,カドミウムCd,及びそれらの組合せからなる群から選択される金属または金属合金であり;M2は、ニッケル,銅,ステンレス鋼,アルミニウム,及びそれらの組合せからなる群から選択される陽極酸素発生に適性金属または金属合金であり;M3は、アルカリ及びアルカリ土類金属からなる群から選択される金属であり;及び、電解質水溶液のM3OHはおよそ2重量%〜およそ45重量%の範囲である、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
3OHは、NaOH,KOH,LiOH,CsOH,NH4OH及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
(a)少なくとも部分的に金属M2を含むU字形管状外被(ただし、該U字形管状外被の片側は陰極室を形成し;該U字形管状外被の他の側は陽極室を形成し;該U字形管状外被底部分は、該陰極室と該陽極室を接続するが陰極ガスと陽極ガスが混合することを許容しない電気絶縁体を含む。)、
(b)金属M1固体棒材と金属M1粒体固定層からなる群から選択される陰極、及び陰極ガス出口を含む電気絶縁体上蓋を含む陰極室、
(c)金属M2を含む該U字形管状外被の該他の側である陽極と陽極ガス出口及び水入口を含む電気絶縁体上蓋とを含む陽極室を含む分割電気化学セルに関して金属M1水素化物を発生する方法であって、金属水酸化物M3OHを含む電解液水溶液を該陰極室と該陽極室に提供し(ただし、該陰極と該陽極は少なくとも部分的に電解質水溶液に浸漬される。)、該分割電気化学セルに電力を供給し、差圧ΔP=Pc−Paを該陰極ガス出口及び該陽極ガス出口に接続された調節弁を使用することにより調節し(式中、Pcは該陰極室の圧力であり、Paは該陽極室の圧力である。)、該差圧ΔP増加を許容し、該陰極室において発生されるガスを該陰極ガス出口を通して水素化物ガスとして解放し、該陽極室において発生されるガスを該陽極ガス出口を通して解放し、そして該調節弁を閉じる工程を含む方法。
【請求項23】
該分割材は陽極ガスと陰極ガスが混合することを妨げるために少なくとも部分的に電解質水溶液中に延び;該分割材は(a)固体不透過性分割材と(b)固体不透過性分割材及び多孔質透過性隔膜の組合せとからなる群から選択される(ただし、多孔質透過性隔膜の通気性寸法は気泡が混合することを妨げるために陰極室及び陽極室で発生される気泡より小さい。)、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ただし、M1は、アンチモンSb,砒素As,セレンSe,燐P,ゲルマニウムGe,珪素Si,鉛Pb,カドミウムCd,及びそれらの組合せからなる群から選択される金属または金属合金であり、M2は、ニッケル,銅,ステンレス鋼,アルミニウム,及びそれらの混合物からなる群から選択される陽極酸素発生に適性金属または金属合金であり;M3は、アルカリ及びアルカリ土類金属から選択される金属であり;及び、電解質水溶液のM3OHはおよそ2重量%〜およそ45重量%の範囲である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
該電力はおよそ100A/m2〜およそ15,000A/m2の範囲の一定電流密度、またはおよそ2〜およそ5ボルトの範囲の定電圧Vにより供給され;Pc及びPaはおよそ50,000Pa〜およそ500,000Paの範囲であり;ΔPはおよそ1Pa〜およそ10,000Paの範囲であり;該分割電気化学セルはおよそ15℃〜およそ100℃の範囲の温度で作動され;及び水が該陽極室に連続的または回分式に加えられる、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−149987(P2009−149987A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324674(P2008−324674)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】