説明

分包方法および分包装置

【課題】 分包数の調整の自由度を高くすることができる分包方法の提供。
【解決手段】 溝上にある粉粒体を該溝の上流側から下流側へ間欠的に送り、粉粒体の送りが停止した際に広幅の切出し部材と該広幅の切出し部材に比べて狭幅の切出し部材のうちの何れかの切出し部材を溝に交差する方向に摺接して粉粒体を切出して分包する分包方法であって、一包目となる粉粒体は狭幅の切出し部材を用いて切出す分包方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤(散剤)等の粉粒体を分包するための分包方法および分包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤(散剤)等の粉粒体を一包毎に分包するための分包装置として、回転テーブルと、切出し機構とを備えるものがある。
回転テーブルはその上面に環状凹溝が形成されており、回転テーブルは縦軸回りに回転可能である。切出し機構は、切出し部材と切出し部材の下流側に並設されて切出し部材とは別体の円板状の仕切り部材とを備えている。切出し部材は所定の周方向幅を有して、切出し機構は環状凹溝の曲率中心である横軸回りに回転可能である。
【0003】
この分包装置では、回転テーブルの環状凹溝に振撒かれた粉粒体を、仕切り部材の外周辺部および切出し部材の先端部を環状凹溝に接触させるようにして横軸回りに回転させることで、仕切り部材で粉粒体を周方向で仕切りつつ(規制しつつ)、切出し部材の周方向幅に応じた量の粉粒体を、回転テーブルの径方向外方に切出すようにして粉粒体を分包する。
【0004】
切出し部材を横軸回りに複数備えたものとして、例えば下記特許文献1に示すものがあり、周方向に同幅に形成した切出し部材を複数備えることで所定時間内での分包速度を向上させるようにしている。
【特許文献1】特開平2−127202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の分包装置において、切出し部材の周方向幅は決まっているから、回転テーブルの縦軸回りの回転角度が分包毎に一定であれば、ほぼ同じ量の粉粒体が切出されることになる。
また上記引用文献1の分包装置では、ほぼ同じ量の粉粒体を所定時間内で効率的に分包することが可能となる。
【0006】
しかしながら、上記従来の分包装置では、切出し部材の周方向幅は決まっているから、二包目以降の分包量が切出し部材による一包目の分包量に応じた量に支配されてしまうことになる。
したがって、例えば回転テーブル式の分包装置においては、回転テーブルの環状凹溝上にある粉粒体の分包数(粉粒体の分割数)の調整が困難であった。特に少量分包とすること、すなわち回転テーブル一回転において分包数を増加させる切出しを行えるように対応することは困難であった。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑み、分包数の調整の自由度を高くすることができる分包方法および分包装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、溝上にある粉粒体を該溝の上流側から下流側へ間欠的に送り、粉粒体の送りが停止した際に広幅の切出し部材と該広幅の切出し部材に比べて狭幅の切出し部材のうちの何れかの切出し部材を溝に交差する方向に摺接して粉粒体を切出して分包する分包方法であって、一包目となる粉粒体は狭幅の切出し部材を用いて切出すことを特徴としている。
【0009】
上記方法において、一包目を切出し部材のうち狭幅の切出し部材で切出すことで二包目以降の粉粒体の切出しが狭幅の切出し部材で切出された領域の量に対応させて行えるから、二包目以降の粉粒体の切出しを広幅の切出し部材で行ったとしても、限られた長さの溝にある粉粒体であっても、分包量の調整の自由度を高くさせることが可能になる。
【0010】
本発明の分包方法は、狭幅の切出し部材を用いて粉粒体の切出しを行った直後の粉粒体の切出しを広幅の切出し部材を用いて行うに際して、狭幅の切出し部材の溝上の軌跡を含んだ範囲で切出すことを特徴としている。
【0011】
上記方法においては、狭幅の切出し部材で粉粒体の切出しを行った際に残る粉粒体の筋跡を、広幅の切出し部材が溝を摺接することで取除くことができる。
【0012】
本発明の分包方法では、溝は回転するテーブルに設けられて環状に形成されており、溝上の粉粒体はテーブルを間欠的に回転させることで上流側から下流側へ送られ、粉粒体の切出しは溝の径方向外方に向けて順次行われることを特徴としている。
【0013】
上記方法において、狭幅の切出し部材を用いてその幅に対応する周方向領域の粉粒体を一包目として溝の径方向外方に切出して分包し、続いてテーブルを所定角度だけ回転させて停止させて狭幅の切出し部材または広幅の切出し部材の何れかを用いて、その幅に対応する周方向領域の粉粒体を二包目として切出して分包し、さらにテーブルを所定角度だけ回転させて停止させて狭幅の切出し部材または広幅の切出し部材の何れかを用いて、その幅に対応する周方向領域の粉粒体を三包目として分包するといった動作を繰返す。
【0014】
本発明の分包方法は、一包目の粉粒体の切出しを行う際に、溝上の粉粒体を狭幅の切出し部材の下流側に隣接するよう設けた仕切り部材で堰き止めることを特徴としている。
【0015】
上記方法において、一包目の粉粒体を切出す際に、仕切り部材で粉粒体をその下流側で堰止めるようにすれば、テーブルを回転させて粉粒体を下流側へ移動させることにより、粉粒体を仕切り部材の側面で堰止めて貯めることができ、貯められた分だけ粉粒体を多く切出すことができる。
【0016】
本発明は、上面に環状凹溝が形成されて縦軸回りに回転可能な回転テーブルと、前記環状凹溝の曲率中心である横軸回りに回転することで環状凹溝上の粉粒体を掻取って前記回転テーブルの径方向に切出すための切出し部材と、該切出し部材に対して回転テーブルの回転方向下流側に並設されて粉粒体を周方向で仕切る円板状の仕切り部材とを備え、切出し部材の横軸回りの回転により切出した粉粒体を順次分包するようにした分包装置であって、前記切出し部材は、周方向に狭幅の狭幅切出し部材と、該狭幅切出し部材に比べて周方向に広幅の広幅切出し部材とから構成され、狭幅切出し部材と広幅切出し部材とは前記横軸回りに所定角度だけ離間して配置され、且つ広幅切出し部材の環状凹溝への接触領域は狭幅切出し部材における回転テーブルの回転方向上流側の接触端部を含むよう設けられていることを特徴としている。
【0017】
上記構成の分包装置では広幅仕切り部材と狭幅仕切り部材とを設けているから、各仕切り部材の使い分けが可能になり、環状凹溝上に供給された粉粒体を仕切り部材で仕切るようにして堰止めた状態で、狭幅切出し部材または広幅仕切り部材を環状凹溝に摺接させるようにして横軸回りに回転させて環状凹溝の径方向に粉粒体を切出して分包する。
【0018】
上記構成において、一包目の分包については狭幅切出し部材を横軸回りに回転させて粉粒体を環状凹溝の径方向に切出し、続いて回転テーブルを所定角度だけ縦軸回りに回転させて停止し、狭幅切出し部材または広幅切出し部材を横軸回りに回転させることで二包目の粉粒体を環状凹溝から径方向に切出すようにして順次分包する。
【0019】
一包目の粉粒体の切出しを、狭幅切出し部材によって行うことで、これを広幅切出し部材に比べて狭幅にした分だけ、予め決まっている周方向長さの環状凹溝において環状凹溝に供給された粉粒体を、その周方向領域で細分化して切出すことが可能になる。
【0020】
狭幅切出し部材を用いて一包目の粉粒体を切出す際に、仕切り部材で粉粒体を堰止めておいて回転テーブルを場合に応じて必要なだけ縦軸回りに回転させることで、粉粒体が仕切り部材で堰止められつつ仕切り部材の上流側に貯められるから、単に狭幅切出し部材の周方向領域のみの粉粒体だけでなく切出し部材が小幅であっても貯められた分だけ多くの粉粒体を切出すといった動作が可能になり、二包目以降の切出しを、回転テーブルの縦軸回りの回転量(回転角度)を調節することで一包目の切出しと実質的に等しい量として、限られた長さの環状凹溝にある粉粒体であっても分包量の調整の自由度を高くさせることが可能になる。
【0021】
本発明の分包装置では、狭幅切出し部材および広幅切出し部材は、それぞれ仕切り部材における回転テーブルの回転方向下流側の側面に接触して並設されていることを特徴としている。
【0022】
上記構成において、一包目以降の分包において広幅仕切り部材を用いて粉粒体を切出す際に、狭幅切出し部材の横軸回りの回転によって生じた粉粒体の筋跡が、広幅の切出し部材が溝を摺接するよう回転することで取除かれる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の分包方法によれば、一包目を切出し部材のうち狭幅の切出し部材で切出すことで二包目以降の粉粒体の切出しが狭幅の切出し部材で切出された領域の量に対応させて行えるから、二包目以降の粉粒体の切出しを広幅の切出し部材で行ったとしても、限られた長さの溝における粉粒体の分包量の調整の自由度を高くさせることができる。
【0024】
本発明の分包装置では、切出し部材として広幅切出し部材と狭幅切出し部材とを設けているから、各切出し部材を使い分けて用いることができ、一包目の分包については狭幅切出し部材を横軸回りに回転させて粉粒体を環状凹溝の径方向に切出し、二包目以降の粉粒体の切出量を一包目の切出し量に相当する量になるよう回転テーブルを縦軸回りに回転させて狭幅切出し部材または広幅切出し部材を用いて順次粉粒体を切出すようにして、限られた長さの環状凹溝における粉粒体の分包量の調整の自由度を高くさせることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る分包装置を、粉粒体として散薬を分包するための分包装置を例として図面に基づいて説明する。図1は分包装置の概略構成を示す平面図、図2は要部拡大平面断面図、図3は要部正面図、図4(a),(b),(c)は広幅切出し板の詳細図、図5は回転駆動部を主とした正面図、図6(a),(b)は昇降装置を主とした概略正面図、図7は制御ブロック図、図8および図9は切出し方法の説明図で、図8は部分平面図、図9は部分正面図である。
【0026】
これらの図に示すように、分包装置1は回転テーブル2と、この回転テーブル2の上側に配置された掻取り装置5とを備える。回転テーブル2は平面視中抜き円形(ドーナツ形状)に形成され、その上面には平面視環状の溝3(環状凹溝)が形成されている。溝3は下方に向けて窪む凹状に形成されており、溝底面3aは円弧形状に形成されている。回転テーブル2は、不図示の駆動モータの駆動によりその中心の縦軸回りに間欠的に回動可能に構成されている。
【0027】
掻取り装置5は溝3に供給された散薬4を、溝3の径方向に掻取って切出するためのもので、掻取り装置5の掻取り部に、仕切り部材としての仕切り板6、切出し部材としての広幅切出し板7Aおよび広幅切出し板7Aに比べて回転テーブル2の周方向に狭幅の狭幅切出し板7B、並びにカバー8、さらにカバー9を有する。
仕切り板6、広幅切出し板7A、狭幅切出し板7B、カバー8、カバー9によって構成される掻取り部は、回転テーブル2の溝3の曲率中心(この場合、円弧中心)である横軸回りに回転可能に構成されている。
【0028】
仕切り板6、広幅切出し板7A、狭幅切出し板7B、並びにカバー8はそれぞれ別体に設けられており、上流側すなわち回転テーブル2の回転方向上流側から、カバー8、両切出し板7A,7B、および仕切り板6の順で配置されている。なお、カバー9は狭幅切出し板7Bの上流側の側面に隣接して設けられている。
【0029】
仕切り板6は、溝3に供給された散薬4を回転テーブル2の下流側で堰き止めるものである。仕切り板6は、正面視して環状に形成された仕切り板本体10と、この仕切り板本体10の外周辺部に径方向外方に突出するよう仕切り板本体10に一体形成された環状の堰止め体11とを有する。
【0030】
仕切り板本体10の中心穴12には下流側から回転体13が一体に嵌合されている。また、仕切り板本体10の中心穴12の外周部には、周方向に互いに離間した挿入穴14が形成されており、回転体13の取付け平面15に該取付け平面15から上流側に突出するよう設けられたピン16が仕切り板本体10の挿入穴14に挿通されて、仕切り板6は回転体13に対して非回転(回転体13と一体に回転するよう)に装着されている。
【0031】
堰止め体11はシリコンゴムから形成されており、その径方向外方端部18が溝底面3aに弾性的に接触するようにして上流側からの散薬4を堰止める。したがって、堰止め体11の曲率は、溝底面3aの曲率に略一致した構成となっている。
【0032】
広幅切出し板7Aの上流側の側面には、カバー8が隣接して配置され、広幅切出し板7Aおよび狭幅切出し板7Bの下流側に仕切り板6が隣接して配置されている。すなわち、狭幅切出し板7Bは仕切り板6に隣接されることで、その下流側端部位置が広幅仕切り板7Aの下流側端部と同じ位置にあって、狭幅仕切り板7Bの上流側端部と広幅仕切り板7Aの上流側端部とは周方向(各仕切り板の板幅方向)に位置ずれしている。
なお、狭幅仕切り板7Bの板幅は、広幅仕切り板7Aの板幅の半分に比べてわずかに小さく設定されている。
【0033】
広幅切出し板7Aは、仕切り板6で堰き止められた散薬4を、仕切り板6とカバー8との間の区画した領域で溝3から掻取って回転テーブル2の側方、すなわち径方向外方に配置されているホッパー20に切出すためのものである。
広幅切出し板7Aは、切出し板本体21と弾性ブレード(掻取りブレード)22とスペーサ23a,23bとを有する。切出し板本体21は、先端板部24と基端板部25とから一体に形成されており、先端板部24は基端板部25に比べて広幅に形成されている。切出し板本体21は、先端板部24の基端板部25側から直角に落ち込む段付き面26を有している。
【0034】
先端板部24には、さらに前方に向けて突出する前記弾性ブレード22が設けられている。弾性ブレード22は、溝底面3aに接触して散薬4を掻取り(切り出し)可能なように先端が鋭角に切断された板状に形成されており、弾性ブレード22は先端板部24の幅B1に比べてわずかに大きく形成されるよう、先端板部24の幅方向両側に突出している。さらに弾性ブレード22は、先端板部24の一方の側面を被覆する均一な厚みt1の被覆部28を形成するようにして、先端板部24に熱融着されて該先端板部24に固着されている。
【0035】
このような弾性ブレード22に連続して前記スペーサ23a,23bが一体的に形成されている。スペーサ23a,23bは、切出し板本体21の両側面に、これに沿って均一な幅B2で延長されている。すなわちこの幅B2は、弾性ブレード22における先端板部24の幅方向両側に突出している部分の幅に実質的に等しいものである。
【0036】
基端板部25には、互いに所定距離L1だけ離間して基端板部25の幅方向に沿う平行な抜止め突部30が固着されている。抜止め突部30の固着手段としては、例えば熱融着による。抜止め突部30の厚みは被覆部28の厚みt1に等しく形成されている。なお、抜止め突部30の断面形状は半球状に形成されており、被覆部28に比べて極めて薄い厚みのシート部31を介して被覆部28に連続するよう形成されている。
【0037】
広幅切出し板7Aを取付け支持するための取付け支持体32が、前記挿入穴14を上流側に挿通したピン16を介して仕切り板6に上流側から重ねるように装着されている。取付け支持体32は、上流側を封止した略円筒状に形成されており、ピン16の上流側先端部が挿入固定される溝部33が下流側に形成されている。
【0038】
図3に示すように、取付け支持体32の上流側壁34に、前記広幅切出し板7Aの基端板部25をその幅方向で挿入支持するための支持凹部35が、該取付け支持体32の中心に対して所定距離L2だけ位置ずれして形成されている。この支持凹部35は広幅切出し板7Aの基端板部25の厚みに比べてわずかに厚く形成されるとともに、前記抜止め突部30が挿入される半球状の抜止め凹部36が支持凹部35に連続して形成されている。支持凹部35の深さは基端板部25の幅に実質的に等しく形成され、基端板部25を装着した際に一方のスペーサ23bが支持凹部35から上流側に突出するよう構成されている。
【0039】
基端板部25を装着した際に他方のスペーサ23aが取付け支持体32の下流側端面からさらに下流側に突出するよう構成されている。支持凹部35に基端板部25を装着すると、先端板部24が取付け支持体32の径方向に沿うよう取付け支持体32から突出するようになっている。取付け支持体32の上流側壁34には、さらに上流側に突出する径方向に離間した複数のピン17が設けられている。
【0040】
カバー8は正面視して略楕円形に形成されている。その径方向両側の湾曲部の曲率は取付け支持体32の曲率に実質的に一致するよう設定されており、基端側をピン17がピン穴37に挿通することで、取付け支持体32の上流側壁34に重ねて取付けられる。カバー8の先端部は、溝底面3aに非接触である。
【0041】
前記回転体13、取付け支持体32、カバー8の中心には、横軸としての回転伝達軸40が挿通される回転伝達用穴部41a,41b,41cがそれぞれ形成されており、回転伝達用穴部41a,41b,41cに回転伝達軸40が内嵌されている。回転伝達軸40の基端部40bは、回転伝達軸40をその軸心回りに回転させるための駆動伝達機構50に連結されている。
【0042】
回転伝達軸40の先端部40aはカバー8の回転伝達用穴部41cから突出しており、中心にこの先端部40aに螺着する螺着穴部45aを有するエンドキャップ45が取付けられている。
【0043】
エンドキャップ45は下流側を開放し、上流側を閉塞した略円筒状に形成されており、回転伝達軸40の先端部40aに螺着穴部45aを強固に螺着することで、エンドキャップ45の下流側外周縁部45bはカバー8の板面に圧接されている。
これによって、回転体13、取付け支持体32、広幅切出し板7Aおよびカバー8が回転伝達軸40の軸心方向の押圧力を受けて一体化されている。
【0044】
ここで、狭幅切出し板7Bについて説明する。狭幅切出し板7Bは、仕切り板6で堰き止められた散薬4を、仕切り板6とカバー9との間の区画した領域で溝3から掻取って回転テーブル2の側方、すなわち径方向外方に配置されているホッパー20に切出すためのものであり、回転体13と取付け支持体32とに挟持されることで固定される。
この狭幅切出し板7Bは、溝3上に供給された散薬4を小分包に順次分包するべく切出すにあたり、少なくとも一包目の切出しに用いることが好ましい。
【0045】
狭幅切出し板7Bは、切出し板本体60と弾性ブレード(掻取りブレード)61とスペーサ62aとを有する。切出し板本体60は、先端板部63と基端板部64とから一体に形成されており、先端板部63と基端板部64とは同一幅に形成されている。
【0046】
先端板部63には、さらに前方に向けて突出する弾性ブレード65が設けられている。弾性ブレード65は、溝底面3aに接触して散薬4を掻取り可能なように先端が鋭角に切断された板状に形成されており、弾性ブレード65は先端板部63の幅B3に比べてわずかに大きく形成されるよう、先端板部63の幅方向片側(下流側である仕切り板6側)に突出している。
さらに弾性ブレード65は、先端板部63の下流側の側面を被覆する均一な厚みt2の被覆部66を形成するようにして、先端板部63に熱融着されて該先端板部63に固着されている。
【0047】
このような弾性ブレード22に連続して前記スペーサ62aが一体的に形成されている。スペーサ62aは、切出し板本体60の下流側の側面に、これに沿って均一な幅B4で延長されている。すなわちこの幅B4は、弾性ブレード65における先端板部63の幅方向に突出している部分である被覆部66の幅に実質的に等しいものである。
【0048】
基端板部64には、互いに所定距離L3だけ離間して基端板部64の幅方向に沿う平行な抜止め突部67が固着されている。抜止め突部67の固着手段としては、例えば熱融着による。抜止め突部67の厚みは被覆部66の厚みt2に等しく形成されている。なお、抜止め突部67の断面形状は半球状に形成されており、被覆部66に比べて極めて薄い厚みのシート部68を介して被覆部66に連続するよう形成されている。
【0049】
図3に示すように、取付け支持体32の上流側壁34において、狭幅切出し板7Bの基端板部64をその幅方向で挿入支持するための支持凹部70が、取付け支持体32の中心に対して所定距離L4だけ位置ずれして形成されている。取付け支持体32の中心に対する位置ずれ方向は、広幅切出し板7Aと反対である。この支持凹部70は狭幅切出し板7Bの基端板部64の厚みに比べてわずかに厚く形成されるとともに、抜止め突部67が挿入される半球状の抜止め凹部71が支持凹部70に連続して形成されている。
【0050】
支持凹部70の深さは基端板部64の幅に実質的に等しく形成され、基端板部64を装着した際にスペーサ62aが支持凹部70から下流側に突出するよう構成されている。支持凹部70に基端板部64を装着すると、先端板部63が取付け支持体32の径方向に沿うよう取付け支持体32から、広幅切出し板7Aの先端板部24とは反対側に突出するようになっている。
【0051】
上記構成の掻取り装置5において、回転伝達軸40の先端部40aにエンドキャップ45の螺着穴部45aを強固に螺着することで、エンドキャップ45の下流側外周縁部45bはカバー8の上流側板面に圧接されて、回転体13、取付け支持体32、広幅切出し板7Aおよびカバー8が回転伝達軸40の軸心方向の押圧力を受けて一体化されるものである。
【0052】
そして、広幅切出し板7Aの基端板部25を支持体32の支持凹部35に装着した際に、一方のスペーサ23bが支持凹部35から上流側に突出するよう構成され、基端板部25を装着した際に他方のスペーサ23aが取付け支持体32の下流側端面からさらに下流側に突出するよう構成されているから、回転伝達軸40の先端部40aにエンドキャップ45の螺着穴部45aを強固に螺着することで、一方のスペーサ23bはカバー8に下流側から圧接され、他方のスペーサ23aは仕切り板本体10の板面に上流側から圧接されることになる。そして、一方のスペーサ23bは弾性体からなっているから、圧縮された分に相当するだけの弾性反発力が発生して、一方のスペーサ23bはカバー8を押圧し、他方のスペーサ23aは仕切り板本体10を押圧するから、広幅切出し板7Aと仕切り板本体10、広幅切出し板7Aとカバー8との間に隙間が発生する余地はなくなる。
【0053】
このため、散薬4をホッパー20に切り出すべく掻取り装置5を回転駆動させたとしても、広幅切出し板7Aと仕切り板本体10、広幅切出し板7Aとカバー8との間に散薬4が噛込んでしまうという不都合を防止することができる。
このように散薬4を分包する際に掻取り装置5の部材間に散薬4が残留することがないから、散薬4を少量分包させる場合であっても、必要な分包精度を確保することができる。
【0054】
また、仕切り板6および広幅切出し板7Aはそれぞれ別部材として組付けられているから、例えば使用によって(溝底面3aを摺動することによって)堰止め体11や弾性ブレード22が損傷等した場合に、それぞれの部材は別々にメンテナンス(交換)をすることができることから、ランニングコストの上昇を抑えることができる。
【0055】
なお、スペーサ23a,23bは広幅切出し板7Aに設けたがこれに限定されず、スペーサに相当する機能を有する部材をカバー8、仕切り板本体10側に設けて両部材で広幅切出し板7Aを圧接することによっても、上記の隙間の発生を防止することができる。
【0056】
狭幅切出し板7Bにおいては、その基端板部64を支持凹部70に挿入するとともに、抜止め突部67を抜止め凹部71に挿入するようにして取付け支持体32に取付け、エンドキャップ45を回転伝達軸40の先端部40aに締付けると、スペーサ62aが仕切り板本体10の板面をその上流側で押圧するから、狭幅切出し板7Bと仕切り板本体10との間に隙間が発生する余地がなくなる。
【0057】
このため、散薬4をホッパー20に切り出すべく掻取り装置5を回転駆動させたとしても、狭幅切出し板7Bと仕切り板本体10との間に散薬4が噛込んでしまうという不都合を防止することができ、したがって、散薬4を少量分包させる場合であっても、必要な分包精度を確保することができる。
【0058】
図1において符号80は、駆動伝達機構50に回転伝達軸40の軸心回りの回転力を付与するための駆動装置を示している。この駆動装置80は、回転テーブル2の中心側に配置されている。また、駆動伝達機構50および駆動装置80は、双方に渡された伝達アーム部材86によって覆われている。伝達アーム部材86は、回転テーブル2の中心側から回転テーブル2の径方向に沿うようその径方向外方に延長されている。また、伝達アーム部材86は、基部86a側をその下部で支持すべく後述の基台101側に支持された支軸99回りに回動自在に設けられている。
【0059】
駆動伝達機構50は、回転伝達軸40の下流側に外嵌固定された従動プーリー79等から構成されてなり、回転伝達軸40はその下流側の途中部分が軸受け89を介して伝達アーム部材86の両側板93の先部に挿通されている。
符号81は溝3の溝底面3aを清掃するための清掃装置を示す。
【0060】
駆動装置80は、回転駆動部85と、この回転駆動部85の動作を駆動伝達機構50側(すなわち掻取り装置5側)に伝達する伝達ベルトVとを有する。回転駆動部85は、伝達アーム部材86における回転テーブル2の中心側である基部86aの上面に載置するよう取付けられた回転駆動用モータ87と、回転駆動用モータ87から下方に突出するモータ軸88に取付けられたウオームギヤ90と、回転駆動用モータ87の下側方に配置されて回転伝達軸40と平行な回転中心軸91と、回転中心軸91の途中部分に外嵌されてウオームギヤ90と噛合する回転用ギヤ92と、回転中心軸91上の下流側に外嵌固定された駆動プーリー94とを有する。伝達ベルトVは、従動プーリー79と駆動プーリー94とに巻回されている。
【0061】
このような駆動伝達機構50および駆動装置80の構成によれば、回転駆動用モータ87を回転駆動することにより、ウオームギヤ90がモータ軸88とともに回転してその回転が回転用ギヤ92に伝達され、回転用ギヤ92とともに回転中心軸91がその軸心回りに回転し、回転中心軸91に外嵌固定されている駆動プーリー94が共に回転し、その回転力が伝達ベルトVを介して従動プーリー79に伝達され、従動プーリー79とともに回転伝達軸40が回転して、回転伝達軸40に固定されている掻取り装置5の掻取り部が回転伝達軸40の軸心回りに回転して、広幅切出し板7Aまたは狭幅切出し板7Bによって溝3にある散薬4を回転テーブル2の径方向外方に掻取るようにして切出すことができる。
【0062】
図6(a),(b)に示す符号100は、昇降装置を示す。昇降装置100は、掻取り装置5の掻取り部における広幅切出し板7Aまたは狭幅切出し板7Bの姿勢を切替えるための操作部であり、この姿勢とは、広幅切出し板7Aまたは狭幅切出し板7Bが溝底面3aに接触して散薬4を切出し可能な切出し姿勢Xと、広幅切出し板7Aまたは狭幅切出し板7Bが溝底面3aから上方に離間して散薬4を切出し不可能な離間姿勢Yである。
【0063】
昇降装置100は、回転テーブル2の下方の基台101上で回転テーブル2の中心側に設けた駆動手段としての昇降用モータ102と、昇降用モータ102の駆動により回転伝達軸40と平行な昇降用横軸103回りに回転する昇降用カム104と、昇降用モータ102の駆動を昇降用カム104の昇降用横軸103回りの回転に変換する不図示の変換機構とから構成されている。
【0064】
昇降用カム104はその外周面が、平面部105と、曲率の大きい大曲率部106と、大曲率部106に比べて曲率の小さい小曲率部107とを有しており、平面部105の両側に大曲率部106が連続して形成されている。大曲率部106および小曲率部107は、伝達アーム部材86の基部86a側の側板93(または両側板93)の下面86cに摺接可能であり、平面部105は接触不可能なように、大曲率部106および大曲率部106の曲率、昇降用横軸103から側板93の下面86cまでの距離等の関係が設定されている。
【0065】
すなわち、昇降用カム104の大曲率部106または小曲率部107が側板93の下面86cに接触している状態では、掻取り部における広幅切出し板7Aまたは狭幅切出し板7Bは離間姿勢Yであって、掻取り部が溝底面3aから離間しており、昇降用カム104の平面部105が側板93の下面86cにその下方で対向する状態では、広幅切出し板7Aまたは狭幅切出し板7Bは切出し姿勢Xであって、掻取り部が溝底面3aに接触している。
なお、詳述は割愛するが、昇降用カム104は、清掃装置81のブラシを溝底面3aに接触・離間させるために清掃装置81を昇降させる手段としても兼用される。
【0066】
さらに、この実施形態における分包装置1は、図7に示すように、回転テーブル2を縦軸回りに回転させるための駆動モータの駆動を、回転テーブル2の回転角度として検出する角度センサ110(例えばロータリーエンコーダが用いられる)と、分包数を入力する分包数入力手段111と、角度センサ110および分包数入力手段111からの入力信号に基づいてそれぞれ昇降用モータ102および回転駆動用モータ87の駆動を制御する制御手段112が設けられている。
【0067】
次に、上記構成の分包装置1における分包動作を説明する。なお、図3、図9等において、掻取り部は時計回転方向wを正回転として、この回転方向によって散薬4を切出すものとする。
先ず、不図示のフィーダ等の供給手段から回転テーブル2の溝3に散薬4を供給しつつ、駆動モータを駆動して回転テーブル2を縦軸回りに回転させることで溝3の周方向に散薬4を振撒く。このとき、昇降用カム104の大曲率部106または小曲率部107を伝達アーム部材86の側板93の下面86cに接触させておき、掻取り部における広幅切出し板7Aおよび狭幅切出し板7Bを離間姿勢Yとしておくことで、掻取り部を溝底面3aから離間させておく(例えば図5参照)。
【0068】
図8の(a),(b),(c),(d)は、それぞれ散薬4の切出しにおける一包目,二包目,三包目,四包目の切出し途中の概略平面図である。図9の(a)は一包目の切出し動作の途中の概略正面図、(b)は二包目の切出し動作の途中の概略正面図、(c)は二包目から三包目の切出しに至る前の概略正面図、(d)は三包目の切出し前の概略正面図、(e)は四包目の切出し動作の途中の概略正面図である。
【0069】
次に、分包数入力手段111に入力された分包数に基づいて、この分包数が例えば21包〜45包である場合、一包目については掻取り部における広幅切出し板7A、狭幅切出し板7Bのうち狭幅切出し板7Bを用いて散薬4を切出すようにする。
すなわち、必要に応じて回転駆動用モータ87を駆動して、回転伝達軸40を回転(回動)させることで、狭幅切出し板7Bが切出し方向下流側である回転テーブル2の径方向内方側(回転テーブル2の中心側)に位置させておき、昇降用モータ102を駆動して、昇降用カム104を昇降用横軸103回りに回転させて掻取り部を下降させる。
【0070】
このようにすることで、仕切り板6が散薬4を周方向で堰止められる。続いて回転駆動用モータ87を駆動して、掻取り部を回転伝達軸40回りに回転させることで、仕切り板6およびカバー9で周方向に仕切られる領域の散薬4が、狭幅切出し板7Bによってその幅に応じた量の散薬4として回転テーブル2の径方向外方に切出される(図9(a)参照)。
このようにして切出された散薬4を一包目とする。
【0071】
ところで、狭幅切出し板7Bによって散薬4を切出すと、狭幅切出し板7Bの上流側にはカバー9を隣接して設けておりこれが切出しの際に回転することで、狭幅切出し板7Bの上流側軌跡に沿って溝底面3aに散薬4が筋状に残る(図8の(a)に破線a1で示す)。
【0072】
そこで、次の切出しである二包目の動作として、図8(b)で示すように、狭幅切出し板7Bと下流側位置を一致させた広幅切出し板7Aによって切出すようにする。このようにすると、一包目の散薬4の切出しを終えて筋状に残った散薬4を含めて広幅切出し板7Aの先端で散薬4を掻取るようになるから、筋状に残った散薬4を含めてこれが二包目として切出される(図9(b)参照)。
【0073】
同様に、二包目の散薬4を切出すべく広幅切出し板7Aによる切出し動作の際に、カバー8の回転によって広幅切出し板7Aの上流側軌跡に沿って溝底面3aに散薬4が筋状に残ることになる(図8の(b)に破線b1で示す)。
【0074】
図8の(c)は三包目の切出し動作の説明であるが、広幅切出し板7Aを用いて散薬4を切出してあるから、掻取り部の下方においては散薬4がない。このため、回転テーブル2を縦軸回りに分包数に応じた角度だけ回転(回動)させて散薬4を下流側に送る必要がある。ここで、一包目および二包目の散薬4の切出しにおいて仕切り板6の外周辺部(堰止め体11の径方向外方端部18)と溝底面3aとの間に散薬4が噛み込まれてしかも仕切り板6の外周辺部は溝底面3aに、ほぼ密に接触している。この状態で回転テーブル2を縦軸回りに回転させると、仕切り板6が細かく振動してしまう。
【0075】
そこで、次の分包のため(この場合、二包目の切出しを終えて三包目の切出しに移行するとき)に回転テーブル2を縦軸回りに回転させる場合、制御手段112は回転駆動用モータ87が、前の切出し動作を終えただけの駆動量を検出した直後、あるいは回転テーブル2を回転させる直前に、昇降用モータ102の駆動部に駆動信号を出力する。
【0076】
そうすることによって、広幅切出し板7A、狭幅切出し板7Bの切出し姿勢Xから、昇降用カム104の大曲率部106または小曲率部107が側板93の下面86cに接触して離間姿勢Yとなる(図9(c)参照)。
離間姿勢Yでは仕切り板6も溝底面3aから離間するから、回転テーブル2を縦軸回りに回転させても仕切り板6と回転テーブル2の溝底面3aとの間で摩擦が起こらず、したがって仕切り板6が細かく振動してしまったり、仕切り板6と溝底面3aとに散薬4が挟まれて擦られたりすることがない。
そして制御手段112は、駆動モータの駆動部に駆動信号を出力し、設定された分包数に応じた角度だけ回転テーブル2が縦軸回りに回転したことを制御手段112が検出したら、制御手段112は駆動モータの駆動部に停止信号を出力する。
【0077】
続いて制御手段112は、今度は、広幅切出し板7Aまたは狭幅切出し板7Bを切出し姿勢Xとすべく(図9(d)参照)、昇降用モータ102の駆動部に駆動信号を出力し、昇降用カム104の平面部105が側板93の下面86cにその下方で対向させるまで昇降用横軸103を回転させる。そして制御手段112は、回転駆動用モータ87に駆動信号を出力して回転伝達軸40を回転させ、広幅切出し板7Aで散薬4を切出す。このとき二包目の切出し動作によって筋状に残った散薬4をなぞるようにして三包目の切出しを行う(図8(c)参照)。
したがって、二包目の切出し動作によって筋状に残った散薬4が除去される。
【0078】
三包目から四包目の切出しを行う場合にも、三包目の切出し動作を終えただけの回転駆動用モータ87の駆動量を検出した直後、あるいは回転テーブル2を回転させる直前に、制御手段112は、昇降用モータ102の駆動部に駆動信号を出力して掻取り部を溝底面3aから上昇さる。これによって仕切り板6が細かく振動してしまうことがなく、円滑な分包動作を行うことができる。
【0079】
制御手段112は、回転テーブル2が分包数に応じた角度だけ縦軸回りに回転したら、掻取り部を下降させるよう昇降用モータ102の駆動部に駆動信号を出力して図9(d)で示すように掻取り部を下降させ、三包目の切出し動作によって生じている筋状の散薬4(図8(c)に破線c1で示す)を、図8(d)で示すように、溝底面3a上から除去する。
【0080】
このように、本発明の実施形態によれば、切出し部材として広幅切出し板7Aおよび広幅切出し板7Aに比べて狭幅の狭幅切出し板7Bとを設けているから、一包目を狭幅切出し板7Bによって散薬4を切出し、続いて広幅切出し板7Aによってひとつ前の切出し動作によって生じる筋状の散薬4を除去しつつ狭幅切出し板7Bによる散薬4の切出し量に応じた量の散薬4の切出しを、広幅切出し板7Aによって行うことができる。
【0081】
一包目の散薬4の切出し量は、仕切り板6で散薬4をその下流側で堰止めつつ回転テーブル2を縦軸回りに回転させて貯めることで決めることが可能であり、以後の分包のための散薬4の切出し量は、回転テーブル2の回転角度によって調整することができるから、特に、溝3の周方向長さが決まっていたとしても、一包目を狭幅切出し板7Bで切出すことで、多数の分包を行うことが容易に可能となり、散薬4の分包量の調整の自由度を高くすることができる。
【0082】
さらに、この実施形態によれば、次の分包動作のために回転テーブル2を縦軸回りに回転させる直前には、掻取り部を溝底面3aから上昇させるから、仕切り板6と溝底面3aとが擦れて仕切り板6が細かく振動するといった現象をなくすことができる。
なお、掻取り部を溝底面3aから上昇させた際の上昇量は特に限定されるものではなく、仕切り板6と溝底面3aとが摩擦しなければよい。
【0083】
上記実施形態では、溝は環状凹溝の構成で説明したがこれに限定されるものではなく、直線状もしくはこれに近い溝の構成であっても、その溝を設ける部分を移動することで粉粒体を溝に直交する方向へ切出すようにした分包装置において、溝ないし溝上の粉粒体を上流側から下流側へ間欠的に移動させることで順次切出すようにして分包する分包装置に適用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施形態を示す分包装置の概略構成を示す平面図
【図2】同じく要部拡大平面断面図
【図3】同じく要部正面図
【図4】同じく広幅切出し板の詳細図で(a)は側面図、(b)は正面図、(c)は底面図
【図5】同じく回転駆動部を主とした正面図
【図6】同じく昇降装置を主とした概略正面図で(a)は掻取り部を溝底面から上昇させた正面図、(b)は掻取り部を溝底面に接触させた正面図
【図7】同じく制御ブロック図
【図8】同じく(a)(b)(c)(d)ともに切出し方法の説明のための平面図
【図9】同じく(a)(b)(c)(d)(e)ともに切出し方法の説明のための正面図
【符号の説明】
【0085】
1…分包装置、2…回転テーブル、3…溝、3a…溝底面、4…散薬、5…掻取り装置、6…仕切り板、7A…広幅切出し板、7B…狭幅切出し板、9…カバー、21…切出し板本体、22…弾性ブレード、40…回転伝達軸、50…駆動伝達機構、63…先端板部、64…基端板部、65…弾性ブレード、66…被覆部、70…支持凹部、79…従動プーリー、80…駆動装置、81…清掃装置、85…回転駆動部、86…伝達アーム部材、87…回転駆動用モータ、88…モータ軸、90…ウオームギヤ、91…回転中心軸、92…回転用ギヤ、94…駆動プーリー、100…昇降装置、102…昇降用モータ、103…昇降用横軸、104…昇降用カム、105…平面部、106…大曲率部、107…小曲率部、110…角度センサ、111…分包数入力手段、112…制御手段、V…伝達ベルト、X…切出し姿勢、Y…離間姿勢

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溝上にある粉粒体を該溝の上流側から下流側へ間欠的に送り、粉粒体の送りが停止した際に広幅の切出し部材と該広幅の切出し部材に比べて狭幅の切出し部材のうちの何れかの切出し部材を溝に交差する方向に摺接して粉粒体を切出して分包する分包方法であって、一包目となる粉粒体は狭幅の切出し部材を用いて切出すことを特徴とする分包方法。
【請求項2】
狭幅の切出し部材を用いて粉粒体の切出しを行った直後の粉粒体の切出しを広幅の切出し部材を用いて行うに際して、狭幅の切出し部材の溝上の軌跡を含んだ範囲で切出すことを特徴とする請求項1記載の分包方法。
【請求項3】
溝は回転するテーブルに設けられて環状に形成されており、溝上の粉粒体はテーブルを間欠的に回転させることで上流側から下流側へ送られ、粉粒体の切出しは溝の径方向外方に向けて順次行われることを特徴とする請求項1または請求項2記載の分包方法。
【請求項4】
一包目の粉粒体の切出しを行う際に、溝上の粉粒体を狭幅の切出し部材の下流側に隣接するよう設けた仕切り部材で堰き止めることを特徴とする請求項3記載の分包方法。
【請求項5】
上面に環状凹溝が形成されて縦軸回りに回転可能な回転テーブルと、前記環状凹溝の曲率中心である横軸回りに回転することで環状凹溝上の粉粒体を掻取って前記回転テーブルの径方向に切出すための切出し部材と、該切出し部材に対して回転テーブルの回転方向下流側に並設されて粉粒体を周方向で仕切る円板状の仕切り部材とを備え、切出し部材の横軸回りの回転により切出した粉粒体を順次分包するようにした分包装置であって、
前記切出し部材は、周方向に狭幅の狭幅切出し部材と、該狭幅切出し部材に比べて周方向に広幅の広幅切出し部材とから構成され、狭幅切出し部材と広幅切出し部材とは前記横軸回りに所定角度だけ離間して配置され、且つ広幅切出し部材の環状凹溝への接触領域は狭幅切出し部材における回転テーブルの回転方向上流側の接触端部を含むよう設けられていることを特徴とする分包装置。
【請求項6】
狭幅切出し部材および広幅切出し部材は、それぞれ仕切り部材における回転テーブルの回転方向下流側の側面に接触して並設されていることを特徴とする請求項5記載の分包装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−262944(P2009−262944A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112471(P2008−112471)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(593129342)高園産業株式会社 (232)
【Fターム(参考)】