説明

分子インプリントポリマーをベースとする化粧用調製物

本発明は、少なくとも1種の活性化合物、この活性化合物の存在下にて分子インプリントされた少なくとも1種のポリマー、及び少なくとも1種の脂肪相を含む、化粧又は皮膚科用配合物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の活性化合物、この活性化合物の存在下にて分子インプリントされた少なくとも1種のポリマー、及び少なくとも1種の脂肪相を含む、化粧又は皮膚科用配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧用製品の特定の作用を達成しようとする場合、その成分が決定的に重要である。化粧用配合物における利用可能な成分及び原材料の大部分は、継続的に拡大しており、それは消費者が例えば加齢作用に対処することができる正確で活性のある製品に関心を示すためである。また化粧品製造業者は、皮膚を再生する又は光の影響による加齢の結果から皮膚を防御することが可能な活性成分に関心を示している。一方、このような物質は、以前は主に皮膚を滑らかにし保湿する役割を有し、現在では生理学的作用を有する多数の種々の材料によって補強されている。これらの例としては、ビタミン、果実酸又はセラミドがある。このような活性化合物を安定化させる方法及び様式もまたこの分野では重要性が増している。化粧品においては、水性又は水含有系においても安定に貯蔵することができる活性化合物に大きな関心が示されている。
【0003】
熱安定性、酸化感受性又は易揮発性の化粧用又は皮膚科用活性化合物の活性を維持するには、配合物内でこれらを保護することが望ましい。
【0004】
化粧用又は皮膚科用活性化合物の、比較的長時間にわたり継続する放出、いわゆる制御放出(徐放)が望まれることが多い。
【0005】
活性化合物をさらに保護することができるポリマーマイクロカプセル化は、例えばいくつかの用途のための化粧用活性化合物の制御放出に有用であることが証明されている。
【0006】
しかしながら、理想的には、活性化合物は、配合物の貯蔵過程では放出されず、提唱される作用部位でのみ放出されるべきである。
【0007】
そのようなマイクロカプセルからの活性化合物の放出は、それらを含む配合物の使用過程において、機械的、熱的、化学的又は酵素的作用の結果としての殻の破壊によってしばしば起こる。これらの開口変化物は通常、カプセル封入されている活性化合物の所望の生物学的活性に対して影響がないことはない。
【0008】
しかしながら、皮膚、特に敏感肌又は刺激性皮膚の処置のため、さらに特にはベビーケアにおける化粧用配合物においては明らかに、活性化合物のそのような放出機構を利用することは問題がある又は不可能である。
【0009】
スキンケアにおいては、さらに皮膚の酸保護皮膜が適切ではない添加剤によって破壊されず、しかも維持及び補助される必要がある、すなわち「天然の」周囲条件の大部分が維持される必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、特定の活性化合物に選択的親和性を有する配合物であって、それからこの活性化合物が作用部位においてのみ段階的にかつ穏やかに放出される配合物を提供することであった。
【0011】
さらに本発明の目的は、活性化合物の放出が生理学的影響により、例えば皮膚又は他の臓器との接触により促進される配合物を提供することであった。言い換えれば、本発明の目的は、配合物の活性化合物の制御放出を可能にすることであって、ここで皮膚又は身体の緩衝能は、配合物の使用後の活性化合物の放出のための選択的有害作用物質(noxae)として十分である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的は、少なくとも1種の活性化合物、この活性化合物の存在下にて分子インプリントされた少なくとも1種のポリマー、及び少なくとも1種の脂肪相を含む、化粧又は皮膚科用配合物の提供によって達成される。
【0013】
本発明に係る配合物は、親水性、両親媒性、親油性、酸化感受性又は加水分解感受性の活性化合物の制御放出を可能にする。これは、全ての慣用の化粧用及び皮膚科用の投与形態及び提示形態に適用される。
【0014】
本発明に関して化粧用活性化合物、化粧用配合物、化粧品承認又は化粧用途を明確に記載し、対応する皮膚科用形態について明示的に言及しない場合、その全ての場合に、皮膚科用活性化合物、配合物、承認及び用途が同様に含まれる。
【0015】
分子インプリンティングは、中でもクロマトグラフィー、固相抽出及び廃棄水処理の分野において数年にわたり集中的に実施されてきた技術である。
【0016】
現時点で言及することができるその概説を適用する文献は、「Molecular Imprinting - From Fundamentals to Applications」 Komiyamaら、Wiley-VCH, ISBN 3-527-30569-6、及びACS Symposium Series 703, 「Molecular and Ionic Recognition with imprinted polymers」、R. A. Bartsch and M. Maeda編、ISBN 0-8412-3574-0である。
【0017】
ポリマーの分子インプリンティングは、例えば農業用活性化合物の分析の分野、例えばJ. Agric. Food Chem. 1995, 43, 1424-1427、Journal of Physics: Conference Series 10 (2005) 281-284、J. Agric. Food Chem. 1996, 44, 141-145、Chemistry Letters 7 (1995), 491-612でも公知である。
【0018】
分子インプリントポリマーは、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)における固定相として広く用いられている(例えば、Molecular and Ionic Recognition with imprinted polymers, ACS Symposium Series 703, p. 5参照)。
【0019】
Kanekiyoら(Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 3014-16)は、そのインプリンティングを行った際に用いたホスト分子に対するその親和性がpH依存的である分子インプリントポリマー(MIP)を記載している。アクリロイル-アミロースをベースとするポリマーと、カルボキシル基を含有するモノマーと、N,N-メチレンアクリルアミドによる架橋が、MIPとして機能する。ビスフェノールAをホスト分子として使用した。これらのCOOH基含有MIPについては、ビスフェノールAに対する結合能がpHの上昇と共に低下することが示された。
【0020】
Demirelら(Macromol. Biosci. 2005, 5, 1032-37)は、N-tert-ブチルアクリルアミド/アクリルアミド/マレイン酸コポリマーからのハイドロゲルによるウシ血清アルブミン(BSA)の吸収のpH及び温度依存性を記載している。
【0021】
Byrneら(Advanced Drug Delivery Reviews 54 (2002) 149-161)は、医薬のための制御放出ゲルからの分子インプリントハイドロゲルの使用を記載している。
【0022】
Cunliffeら(Advanced Drug Delivery Reviews 57 (2005) 1836-1853)は同様に、医薬活性化合物の放出のための分子インプリントハイドロゲルの使用を記載している。
【0023】
EP-A 925776は、少なくとも1種の感覚刺激物質に対する結合部位を有する分子インプリントポリマーを記載している。脂肪相をさらに含む化粧用配合物は記載されていない。
【0024】
「少なくとも1種の活性化合物」の表現は、分子インプリントポリマーを調製するために1種、2種又はそれ以上の以下に記載する化粧用活性化合物を用いることができることを意味し、好ましくは1種又は2種、特に好ましくは1種を用いることができる。
【0025】
分子インプリントポリマーは、共重合形態で、
(a)フリーラジカル重合によって重合されうる、二重結合を有する少なくとも1種の化合物、及び
(b)フリーラジカル重合によって重合されうる、少なくとも2つの非共役二重結合を有する少なくとも1種の化合物
を含む。
【0026】
これに関して、化合物(a)は、好ましくは以下から選択される:
(a1)フリーラジカル重合によって重合されうる、アニオン性又はアニオン生成(aniogenic)化合物、
(a2)α,β-エチレン性不飽和カルボン酸のエステル、
(a3)α,β-エチレン性不飽和カルボン酸のアミド、
(a4)ビニルアルコール又はアリルアルコールとC1-C30-モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル、ビニルラクタム、ビニルイミダゾール、ビニル芳香族、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、ビニルピリジン、C2-C8-モノオレフィン、少なくとも2つの非共役二重結合を有する非芳香族炭化水素、並びに
(a5)それらの混合物。
【0027】
化合物(a1)
フリーラジカル重合によって重合されうる、アニオン性又はアニオン生成化合物(a1)としては、3〜25個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸であり、これはその塩又は無水物の形態でも用いることができる。これらの例は、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸及びフマル酸である。化合物(a1)としてはさらに、4〜10個、好ましくは4〜6個の炭素原子を有するモノエチレン性不飽和ジカルボン酸(例えばマレイン酸)の半エステル、例えばマレイン酸モノメチルエステルが挙げられる。
【0028】
また化合物(a1)としては、モノエチレン性不飽和スルホン酸及びホスホン酸、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリルオキシプロピルスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸及びアリルホスホン酸が挙げられる。
【0029】
また化合物(a1)としては、上述した酸の塩、特にナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩、並びに化粧品として許容されるアミンとの塩も含まれる。化合物(a1)は、そのもの又は互いの混合物として用いることができる。
【0030】
化合物(a1)は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸、及びそれらの混合物から選択され、特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの混合物、特にメタクリル酸である。
【0031】
化合物(a2)
化合物(a2)は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸i-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸i-ブチル、(メタ)アクリル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸2-ペンチル、(メタ)アクリル酸3-ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸1,1,3,3-テトラメチルブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸n-デシル、(メタ)アクリル酸n-ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸アラキジル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセレニル、(メタ)アクリル酸セロチニル、(メタ)アクリル酸メリシニル、(メタ)アクリル酸パルミトレイニル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸リノリル、(メタ)アクリル酸リノレニル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、フェノキシエチルアクリレート、4-t-ブチルシクロヘキシルアクリレート、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ウレイド、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、及びそれらの混合物からなる群より選択される。
【0032】
化合物(a2)は、好ましくは、(メタ)アクリル酸のエステルから選択される。
【0033】
化合物(a2)は、メタクリレート及びアクリレートから選択されることが特に好ましい。好ましい(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸C1-C10-アルキル、特に上記の(メタ)アクリル酸C1-C4-アルキルである。
【0034】
適切な化合物(a2)はまた、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とアミノアルコールとのエステルである。好ましいアミノアルコールは、アミン窒素においてC1-C8-モノアルキル化又はジアルキル化されているC2-C12-アミノアルコールである。これらのエステルの適切な酸成分は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノブチル、及びそれらの混合物である。酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの混合物を用いることが好ましい。
【0035】
好ましいモノマー(a3)は、(メタ)アクリル酸N-tert-ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノメチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N-ジエチルアミノプロピル及び(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノシクロヘキシルである。特に(メタ)アクリル酸N-tert-ブチルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチルが好ましい。
【0036】
適切な化合物(a3)はまた、α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸とジオールとのエステル、例えば、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、メタクリル酸2-ヒドロキシエチル、エタクリル酸2-ヒドロキシエチル、アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-ヒドロキシブチル、メタクリル酸3-ヒドロキシブチル、アクリル酸4-ヒドロキシブチル、メタクリル酸4-ヒドロキシブチル、アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、アクリル酸3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシル、及びメタクリル酸3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルなどである。
【0037】
化合物(a3)
化合物(a3)は、好ましくは、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(tert-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、ピペリジニル(メタ)アクリルアミド及びモルホリニル(メタ)アクリルアミド、N-(n-オクチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)(メタ)アクリルアミド、N-エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ノニル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-デシル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-ウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N-トリデシル(メタ)アクリルアミド、N-ミリスチル(メタ)アクリルアミド、N-ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N-パルミチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N-ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N-アラキジル(メタ)アクリルアミド、N-ベヘニル(メタ)アクリルアミド、N-リグノセレニル(メタ)アクリルアミド、N-セロチニル(メタ)アクリルアミド、N-メリシニル(メタ)アクリルアミド、N-パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、N-オレイル(メタ)アクリルアミド、N-リノリル(メタ)アクリルアミド、N-リノレニル(メタ)アクリルアミド、N-ステアリル(メタ)アクリルアミド及びN-ラウリル(メタ)アクリルアミドからなる群より選択することができる。
【0038】
適切なモノマー(a3)はまた、上記α,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸と少なくとも1個の1級又は2級アミノ基を含有するジアミンとのアミンである。1個の3級アミノ基、及び1個の1級又は2級アミノ基を含有するジアミンが好ましい。
【0039】
適切なモノマー(a3)は、例えば、N-tert-ブチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N-[2-(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド、及びN-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミドである。
【0040】
適切なモノマー(a3)はまた、上記のα,β-エチレン性不飽和モノ及びジカルボン酸のヒドロキシアルキルアミド、例えば、2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2-ヒドロキシエチルエタクリルアミド、2-ヒドロキシプロピルアクリルアミド、2-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、3-ヒドロキシプロピルアクリルアミド、3-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、3-ヒドロキシブチルアクリルアミド、3-ヒドロキシブチルメタクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリルアミド、4-ヒドロキシブチルメタクリルアミド、6-ヒドロキシヘキシルアクリルアミド、6-ヒドロキシヘキシルメタクリルアミド、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルアクリルアミド、及び3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルメタクリルアミドなどである。
【0041】
化合物(a4)
適切な化合物(a4)は、例えば、例として1若しくは複数のC1-C6-アルキル置換基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどを含有する、N-ビニルラクタム及びその誘導体である。これらとしては、たとえばN-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム及びN-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタムが挙げられる。N-ビニルピロリドン及び/又はN-ビニルカプロラクタムが特に好ましく用いられる。
【0042】
適切な化合物(a4)はまた、例えば、一般式(II)のN-ビニルイミダゾール化合物:
【化1】

【0043】
[式中、R5〜R7は、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル又はフェニルである。]である。
【0044】
一般式(II)の化合物の例は、以下の表1に見出される:
【表1】

【0045】
モノマー(b)としては、1-ビニルイミダゾール(N-ビニルイミダゾール)が好ましい。
【0046】
化合物(b)
化合物(b)は、フリーラジカル重合によって重合されうる、少なくとも2つの非共役二重結合を有する化合物である。これらの化合物(b)は、慣用的に、以下において架橋剤とも呼ぶ。
【0047】
適当な化合物(b)は、たとえば、少なくとも二価のアルコールの、アクリレート、メタクリレート、アリルエーテル又はビニルエーテルである。ここで親アルコールのOH基は、完全に、又は部分的に、エーテル化又はエステル化されていてもよい。しかしながら、架橋剤は少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有する。
【0048】
親アルコールの例は、二価アルコール、たとえば1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ブタ-2-エン-1,4-ジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタン-1,5-ジオール、2,5-ジメチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ヒドロキシピバル酸 ネオペンチルグリコール モノエステル、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、3-チオペンタン-1,5-ジオール、並びにいずれの場合にも200から10,000までの分子量を有するポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラヒドロフランである。酸化エチレン又は酸化プロピレンのホモポリマーの他に、酸化エチレン若しくは酸化プロピレンのブロックコポリマー、又は組み込まれた形で酸化エチレン及び酸化プロピレン基を含有するコポリマーを使用することも可能である。2つより多くのOH基を有する親アルコールの例は、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、1,2,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリエトキシシアヌル酸、ソルビタン、糖類、たとえばスクロース、グルコース及びマンノースである。多価アルコールは、当然、それぞれ対応するエトキシレート若しくはプロポキシレートとして、酸化エチレン若しくは酸化プロピレンとの反応後に、使用することもできる。多価アルコールをまず、エピクロロヒドリンとの反応によって、対応するグリシジルエーテルに変換することもできる。エチレングリコールジ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0049】
さらに適当な化合物(b)は、エチレン性不飽和C3-C6-カルボン酸、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸又はフマル酸との、ビニルエステル又は一価不飽和アルコールのエステルである。こうしたアルコールの例は、アリルアルコール、1-ブテン-3-オール、5-ヘキセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、9-デセン-1-オール、ジシクロペンテニルアルコール、10-ウンデセン-1-オール、シンナミルアルコール、シトロネロール、クロチルアルコール又はcis-9-オクタデセン-1-オールである。しかしながら、一価不飽和アルコールを多塩基カルボン酸、たとえば、マロン酸、酒石酸、トリメリト酸、フタル酸、テレフタル酸、クエン酸又はコハク酸とエステル化することもできる。
【0050】
さらに適当な化合物(b)は、不飽和カルボン酸、たとえば、オレイン酸、クロトン酸、ケイヒ酸又は10-ウンデセン酸と、上記多価アルコールとのエステルである。
【0051】
さらに、適当な化合物(b)は、少なくとも2つの二重結合(脂肪族炭化水素の場合、共役は不可)を有する、直鎖又は分岐鎖で、直鎖状又は環状の、脂肪族又は芳香族炭化水素、たとえば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、4-ビニル-1-シクロヘキセン、トリビニルシクロヘキサン、又は分子量200から20,000までのポリブタジエンである。
【0052】
好適な化合物(b)は、少なくとも二官能性のアミンのアクリルアミド、メタクリルアミド及びN-アリルアミンである。こうしたアミンはたとえば、1,2-ジアミノメタン、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,12-ドデカンジアミン、ピペラジン、ジエチレントリアミン又はイソホロンジアミンである。不飽和カルボン酸、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、若しくは上記のような、少なくとも二塩基性のカルボン酸と、アリルアミンとのアミドも同様に適している。
【0053】
トリアリルアミン及びトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、たとえば、塩化トリアリルメチルアンモニウム、又は硫酸メチルも、化合物(b)として適している。
【0054】
尿素誘導体、少なくとも二官能性のアミド、シアヌル酸又はウレタンのN-ビニル化合物、たとえば、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素又は酒石酸ジアミドのN-ビニル化合物、一例としてN,N'-ジビニルエチレン尿素又はN,N'-ジビニルプロピレン尿素も適している。
【0055】
さらに好適な化合物(b)は、ジビニルジオキサン、テトラアリルシラン、又はテトラビニルシランである。
【0056】
上記化合物(b)の混合物も当然使用することができる。
【0057】
化合物(b)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、N,N’-ジビニルエチレン尿素、トリアリルアミン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びトリアリルモノアルキルアンモニウム塩が特に非常に好ましい。
【0058】
一般に、化合物(a)と化合物(b)のモル比は、1:2〜1:10の範囲、好ましくは1:2〜1:4の範囲、特に非常に好ましくは1:2.5〜1:3.5の範囲、特に1:2.8〜1:3.2の範囲である。
【0059】
本明細書に記載の新規ポリマーは、バッチ式又は半バッチ式プロセスで、活性化合物(テンプレート)の存在下で、過剰量の溶媒(溶媒と活性化合物の重量比は100:1〜5:1、好ましくは100:1〜50:1の範囲、特に好ましくは59:1)を用いる沈殿重合によって調製される。得られるポリマー粒子は、ソックスレー抽出により精製される。活性結合部位(分子インプリント)に再度テンプレートを導入した後(又はテンプレート抽出を省く場合にはポリマー合成後)、このポリマーを用いて化粧用活性化合物を制御又は遅延放出させることができる。
【0060】
本発明に係る配合物は、ポリマー-活性化合物複合体からの活性化合物の放出速度がpH7よりもpH5で高い点で区別される。
【0061】
ポリマー-活性化合物複合体は、ポリマーを活性化合物でインプリントし、非結合活性化合物を除去するか、又は結合した活性化合物を遊離させた予めインプリントされたポリマーに再度活性化合物を導入した場合に得られる。
【0062】
放出速度は、ポリマー-活性化合物複合体から1分単位当たりに放出される活性化合物の量を意味し、速度は、例えばμg*min-1で示される。
【0063】
放出速度は以下のように測定する。すなわち、限外濾過セルを100mgの分子インプリントポリマー/100mlの水(pH調整のため)の分散液で満たし、混合物を均質になるまで15分間攪拌する。抽出媒体(同様にpHを調整する水など)をホースポンプを用いて貯蔵器からセルの中へ送る。セルから流れ出る抽出物は、セルの下側にある回収容器の中へ送られる。実験実施時間は12時間であり、回収容器は60分毎に交換するため、実験期間中に12の画分が回収される。個々の画分の体積、重量及び取り出し時間を測定し、各画分からは2mlのサンプルを取り出す。これらのサンプルは0.45μlフィルターで濾過し、注入ボトルに移し、HPLCによるトコフェロール測定に使用する。
【0064】
本発明はまた、活性化合物の存在下で沈殿重合によりポリマーを調製するステップを含む、分子インプリントポリマーの製造方法に関する。
【0065】
沈殿重合の基本原理は当業者ならよく知っているものであり、例えば、Guyot, A.(1989)、Comprehensive Polymer Science, Vol. 4: Eastmond, G.C., Ledwith, A., Russo, S., Sigwalt, P. (編). Oxford: Pergamon, pp. 261-273中に記載されている。
【0066】
好ましい実施形態では、分子インプリントポリマーは、
(a)少なくとも1種の化合物(a)を少なくとも1種の活性化合物と適切な溶媒中で混合し、少なくとも1種の化合物(b)を加えて、重合を開始させるが、化合物(b)は好ましくは前もって溶媒(特にきわめて好ましい実施形態では化合物(a)を溶解させる溶媒に相当する溶媒)に溶解させておくこと、
又は
(b)少なくとも1種の化合物(a)を少なくとも1種の活性化合物及び少なくとも1種の化合物(b)と適切な溶媒中で混合し、続いて重合を開始させること
の方法によって調製することができる。
【0067】
重合は、フリーラジカル機構、アニオン機構、カチオン機構若しくは配位機構において、又は重縮合若しくは重付加の原理に従って行うことができる。重合は好ましくはフリーラジカル機構により行う。この関連では、さまざまな開始剤及び/又は触媒を用いることができ、適切であれば熱の導入との組み合わせでも用いることができる。
【0068】
カチオン重合には、例えば、次の開始剤を用いることができる:プロトン酸、ルイス酸(共開始剤有り及び無しのもの)、カルボニウムイオン、ヨードニウムイオン及び/又はイオン化放射線。
【0069】
アニオン重合には、次の開始剤を用いることができる:塩基、ルイス塩基、有機金属化合物及び/又は電子伝達体(例えばアルカリ金属、アルカリ金属-芳香族化合物複合体又は金属ケチル)。
【0070】
配位重合には、次の開始剤/触媒を用いることができる:有機金属混合触媒(チーグラーナッタ触媒)、遷移金属とのπ錯体(例えばメタロセン)及び/又は活性化遷移金属酸化物。
【0071】
好ましいフリーラジカル重合に好適な開始剤は、例えば、過酸化物又はアゾ化合物、置換されたエタン(例えばベンゾピナコール)、無機及び有機成分を含むレドックス系、熱、UV光及び他の高エネルギー照射線、ヒドロペルオキシド、ペルエステル及び過硫酸塩(例えば、過硫酸カリウム)であり、好ましくはアゾ化合物である。
【0072】
適切なアゾ化合物は、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1'-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2'-アゾビス(イソブチルアミド)二水和物、2-フェニルアゾ-2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル、ジメチル2,2'-アゾビスイソブチレート、2-(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2,2'-アゾビス(2-メチルプロパン)、2,2'-アゾビス(N,N'-ジメチレンイソブチルアミジン)(遊離塩基として又は塩酸塩として)、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)(遊離塩基として又は塩酸塩として)、2,2'-アゾビス(2-メチル-N-[1,1'-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド)又は2,2'-アゾビス(2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミドである。
【0073】
適切な過酸化物は、例えば、アセチルシクロヘキサンスルホン酸ペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルボネート、t-アミルペルネオデカノエート、t-ブチルペルネオデカノエート、t-ブチルペルピバレート、t-アミルペルピバレート、ビス(2,4-ジクロロ安息香酸)ペルオキシド、ジイソノナン酸ペルオキシド、ジデカン酸ペルオキシド、ジオクタン酸ペルオキシド、ジラウリン酸ペルオキシド、ビス(2-メチル安息香酸)ペルオキシド、ジコハク酸ペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、ジ安息香酸ペルオキシド、t-ブチルペル-2-エチルヘキサノエート、ビス(4-クロロ安息香酸)ペルオキシド、t-ブチルペルイソブチレート、t-ブチルペルマレエート、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルペルオキシイソプロピルカルボネート、t-ブチルペルイソノナノエート、t-ブチルペルアセテート、t-アミルペルベンゾエート、t-ブチルペルベンゾエート、2,2-ビス(t-ブチルペルオキシ)ブタン、2,2-ビス-10-(t-ブチルペルオキシ)プロパン、ジクミルペルオキシド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシド、3-t-ブチルペルオキシ-3-フェニルフタリド、ジ-t-アミルペルオキシド、α,α'-ビス(t-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、3,5-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,5-ジメチル-1,2-ジオキソラン、ジ-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチルヘキシン-2,5-ジ-t-ブチルペルオキシド、3,3,6,6,9,9-ヘキサメチル-1,2,4,5-テトラオキサシクロノナン、p-メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド又はt-ブチルヒドロペルオキシドである。
【0074】
架橋剤は、凝集状態に応じて、反応混合物に固体又は液体形態で加えることができ、あるいは溶媒に溶解又は懸濁させて(すなわち、乳化又は懸濁させて)、好ましくは溶解させて加えることもできる。好ましくは、反応混合物には、液体架橋剤、又は溶媒に溶解(若しくは分散/混和)させた架橋剤を加え、特に好ましくは溶媒に溶解(若しくは分散/混和)させた架橋剤を加える。特にきわめて好ましい実施形態では、架橋剤は、官能性モノマー又は架橋剤と同じ溶媒に溶解させる。
【0075】
用いることができる溶媒は、有機溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド、エタノール、メタノール、イソプロパノール、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、ジメチルスルホキシド、ヘキサン及びアセトニトリルであり、好ましくはトルエン及びアセトニトリルである。上記溶媒の混合物を用いることもできる。
【0076】
さらなる実施形態では、溶媒又は溶媒混合物には水を50重量%の割合まで加えることができる。
【0077】
一般的には、溶媒にもよるが、40〜120℃の温度範囲で重合を行う。
【0078】
上述した粒子の実施形態は、すべて、以下においては「MIP」と称する。
【0079】
重合の間に得られた粒子は、配合物中に直接用いることもできるし、又は製剤化助剤をそれらに添加して適切に製剤化してもよい。
【0080】
本発明はまた、化粧用配合物、特に皮膚化粧用配合物における分子インプリントポリマーの使用を提供する。
【0081】
また本発明は、ケラチン表面の処理方法であって、ケラチン表面を分子インプリントポリマーと接触させるステップを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】導入したトリメチロールプロパントリメタクリレートMIP粒子からのDL-α-トコフェロールの制御放出を示す。限外濾過セルにおいて種々のpH値の水を用いてポリマーからDL-α-トコフェロールを連続抽出した。時間に対する放出されたDL-α-トコフェロールの絶対累積重量をプロットした。
【図2】導入したメタクリル酸/トリメチロールプロパントリメタクリレートMIP粒子からのDL-α-トコフェロールの制御放出を示す。バッチ反応器において種々のpH値の水を用いてポリマーからDL-α-トコフェロールを抽出した。時間に対するバッチ反応器中のDL-α-トコフェロール濃度をプロットした。
【図3】メタクリル酸/トリメチロールプロパントリメタクリレートMIP粒子からのトリクロロイソシアヌル酸の制御放出を示す。限外濾過セルにおいて種々のpH値の水を用いてポリマーからトリクロロイソシアヌル酸を連続抽出した。時間に対する放出されたトリクロロイソシアヌル酸の絶対累積重量をプロットした。
【発明を実施するための形態】
【0083】
活性化合物
本発明に係る配合物は、化粧品として許容される活性化合物を含む。これらの活性化合物は、特にpH5〜7の範囲で、この活性化合物で分子インプリントされたポリマーとの組み合わせから、制御されて放出される。
【0084】
本発明においては、活性化合物(1種又は複数の化合物)は、有利には、アセチルサリチル酸、アトロピン、アズレン、ヒドロコルチゾン及びその誘導体、例えばヒドロコルチゾン17-吉草酸、ビタミンB及びビタミンD系、特にビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンA及びその誘導体、例えばパルミチン酸レチノール、ビタミンE又はその誘導体、例えば酢酸トコフェロール、ビタミンC及びその誘導体、例えばアスコルビルグルコシド、また、ナイアシンアミド、パンテノール、ビサボロール、ポリドカノール、不飽和脂肪酸、例えば、必須脂肪酸(通常ビタミンFと呼ばれる)、特に、γ-リノレン酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体、クロラムフェニコール、カフェイン、プロスタグランジン、チモール、ショウノウ(カンフル)、スクワレン、植物及び動物由来抽出物又は他の製品、例えばマツヨイグサ油、ルリジサ油、クロフサスグリ種子油、魚油、タラ肝油、またセラミド及びセラミド様化合物、香料抽出物、緑茶抽出物、ヒツジグサ抽出物、甘草抽出物、マンサク、フケ防止活性化合物(例えば、二硫化セレン、ピリチオン亜鉛、ピロクトン、オラミン、クリンバゾール、オクトピロックス、ポリドカノール及びこれらの組み合わせ)、活性化合物複合体、例えば、γ-オリザノールとカルシウム塩(例えばパントテン酸カルシウム、塩化カルシウム及び酢酸カルシウムなど)から得たものからなる群より選択することができる。
【0085】
さらには、本発明に係る組成物が内因性及び/又は外因性の皮膚老化の症状の治療及び予防に用いられる場合、並びに皮膚及び頭髪に対する紫外線の有害な影響の治療及び予防に用いられる場合には、1種又は複数の活性化合物をNO合成酵素阻害剤からなる群より選択することができる。好ましいNO合成酵素阻害剤はニトロアルギニンである。
【0086】
さらに、1種又は複数の活性化合物は、カテコール、カテコールの没食子酸エステル、及びカテコール又はカテコールの没食子酸エステルを含む植物又は植物の一部(例えば、植物のツバキ科の葉(特にカメリアシネンシス(Camellia sinensis)属(緑茶)のもの))からの水性又は有機抽出物からなる群より選択するのが有利である。その典型的な成分(例えば、ポリフェノール又はカテコール、カフェイン、ビタミン、糖類、ミネラル、アミノ酸、脂質)は特に有利である。
【0087】
カテコール類は、水素化フラボン類又はアントシアニジン類と考えられている一連の化合物を構成しており、「カテコール」の誘導体である(カテコール、3,3',4',5,7-フラバンペンタオール(flavanpentaol)、2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール)。エピカテコール((2R,3R)-3,3',4',5,7-フラバンペンタオール)は、本発明において有利な活性化合物である。
【0088】
さらには、カテコール類を含む植物抽出物、特に緑茶抽出物、例えばツバキ科属の植物、より具体的には、茶の木の変種カメリア・シネンシス、カメリア・アッサミカ(C.assamica)、カメリア・タリエンシス(C.taliensis)又はカメリア・イナワジエンシス(C.inawadiensis)、並びに例えばツバキ(カメリア・ジャポニカ(Camellia japonica))とこれらの交配種の葉の抽出物が有利である。
【0089】
さらに、好ましい活性化合物は、(-)-カテコール、(+)-カテコール、(-)-カテコールガレート、(-)-ガロカテコールガレート、(+)-エピカテコール、(-)-エピカテコール、(-)-エピカテコールガレート、(-)-エピガロカテコール、(-)-エピガロカテコールガレートからなる群より選択されるポリフェノール類又はカテコール類である。
【0090】
フラボン及びその誘導体(総称として「フラボン類」と呼ばれる場合が多い)もまた本発明に関して有利な活性化合物である。これらは、以下の基本構造(置換位置を示す)を特徴とする:
【化2】

【0091】
本発明に係る組成物において好ましく使用することができるより重要なフラボン類の一部を下記の表2に示す。
【表2】

【0092】
自然界では、フラボン類は、一般にグリコシド化(glycosidated)形態で生じる。
【0093】
本発明においては、フラボノイドは、好ましくは、次の一般式の物質からなる群より選択される:
【化3】

【0094】
[式中、Z1〜Z7は、互いに独立に、H基、OH基、アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基からなる群より選択され、アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基は、分枝状又は枝分かれしておらず、1〜18個の炭素原子を有することができ、Glyは、モノ及びオリゴグリコシド基からなる群より選択される]。
【0095】
しかしながら、本発明においては、フラボノイドは次の一般式の物質からなる群より選択することが有利である:
【化4】

【0096】
[式中、Z1〜Z6は、相互に独立して、H基、OH基、アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基からなる群より選択され、アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基は、分枝状又は枝分かれしておらず、1〜18個の炭素原子を有することができ、Glyは、モノ及びオリゴグリコシド基の群から選択される]。
【0097】
好ましくは、こうした構造は、次の一般式の物質からなる群より選択することができる:
【化5】

【0098】
[式中、Z1〜Z6は、相互に独立して、上記の通りであり、Gly1、Gly2及びGly3は相互に独立して、モノグリコシド基又はオリゴグリコシド基である]。Gly2及びGly3はまた、個別に、又は共に、水素原子により飽和状態とすることができる。
【0099】
好ましくは、Gly1、Gly2及びGly3は相互に独立して、ヘキソシル基、特にラムノシル基及びグルコシル基からなる群より選択される。しかしながら、他のヘキソシル基、たとえば、アロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシル及びタロシルも、適切な場合には、有利に使用することができる。
【0100】
本発明においては、ペントシル基を使用することも、有利でありうる。
【0101】
有利には、Z1〜Z5は、相互に独立して、H基、OH基、メトキシ基、エトキシ基及び2-ヒドロキシエトキシ基からなる群より選択され、フラボングリコシドは下記の一般構造式に相当する:
【化6】

【0102】
フラボングリコシドは、下記の構造により示される群から特に有利に選択される:
【化7】

【0103】
[式中、Gly1、Gly2及びGly3は、相互に独立して、モノグリコシド基又はオリゴグリコシド基である]。Gly2及びGly3は、個別に、若しくは共に、水素原子により飽和状態としてもよい。
【0104】
好ましくは、Gly1、Gly2及びGly3は、相互に独立して、ヘキソシル基の一群から、特にラムノシル基及びグルコシル基からなる群より選択される。しかしながら、他のヘキソシル基、たとえば、アロシル、アルトロシル、ガラクトシル、グロシル、イドシル、マンノシル及びタロシルも、適切な場合には、有利に使用することができる。
【0105】
本発明においては、ペントシル基を使用することも有利でありうる。
【0106】
本発明に関連して、α-グルコシルルチン、α-グルコシルミリセチン、α-グルコシルイソケルシトリン、α-グルコシルイソケルセチン及びα-グルコシルケルシトリンからなる群より、1つ若しくは複数のフラボングリコシドを選択することが、特に有利である。
【0107】
その他の有利な活性化合物は、セリコシド(sericoside)、ピリドキソール、ビタミンK、ビオチン、及び芳香物質である。
【0108】
さらに、活性化合物(1種又は複数の化合物)はまた、親水性活性化合物、特に次の群から非常に好都合に選択され得る:乳酸若しくはサリチル酸又はその塩(例えば、乳酸Na、乳酸Ca、乳酸TEAなど)などのα-ヒドロキシ酸;尿素、アラントイン、セリン、ソルビトール、グリセロール、乳タンパク質、パンテノール、あるいはキトサン。
【0109】
活性化合物(1種又は複数の化合物)はさらに、光フィルター活性化合物からなる群より非常に好都合に選択される。
【0110】
適切な光フィルター活性化合物は、UV-B及び/又はUV-A領域の紫外線(UV線)を吸収する物質である。これらは、紫外線を吸収し、吸収したエネルギーをより長波の放射線形態、例えば熱で再び放出することができる有機物質を意味すると理解される。この有機物質は、油溶性であってもよいし又は水溶性でもよい。適切なUVフィルターは、例えば、2,4,6-トリアリール-1,3,5-トリアジンであり、この場合、アリール基はいずれの場合にも少なくとも1つの置換基を保持することができ、その置換基は、好ましくは、ヒドロキシル、アルコキシ、特にメトキシ、アルコキシカルボニル、特にメトキシカルボニル及びエトキシカルボニルから選択される。さらに適切なものは、p-アミノ安息香酸エステル、ケイヒ酸エステル、ベンゾフェノン、ショウノウ誘導体、並びに二酸化チタン、タルク及び酸化亜鉛などの紫外線を阻止する顔料である。二酸化チタンをベースとする顔料が特に好ましい。
【0111】
使用し得る油溶性UV-Bフィルターは、例えば、下記の物質である:
3-ベンジリデンカンフル及びその誘導体、例えば、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、
4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-エチルヘキシルエステル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-オクチルエステル及び4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル、
ケイヒ酸エステル、好ましくは4-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル、4-メトキシケイヒ酸プロピルエステル、4-メトキシケイヒ酸イソアミルエステル、4-メトキシケイヒ酸イソペンチルエステル、及び2-シアノ-3-フェニルケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)、
サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシルエステル、サリチル酸4-イソプロピルベンジルエステル、及びサリチル酸ホモメンチルエステル、
ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、及び2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、
ベンザルマロン酸エステル、好ましくは4-メトキシベンザルマロン酸ジ-2-エチルヘキシルエステル、
トリアジン誘導体、例えば、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン(オクチルトリアゾン)及びジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB)、
プロパン-1,3-ジオン、例えば、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンなど。
【0112】
可能な水溶性物質は、
2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸、並びにそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルクアンモニウム塩、
ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びその塩、
3-ベンジリデンカンフルのスルホン酸誘導体、例えば、4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸及び2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸及びその塩である。
【0113】
ケイヒ酸エステル、好ましくは4-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル、4-メトキシケイヒ酸イソペンチルエステル、及び2-シアノ-3-フェニルケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)の使用が特に好ましい。
【0114】
さらに、ベンゾフェノンの誘導体、特に2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、及び2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンの使用、並びにプロパン-1,3-ジオン、例えば、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンなどの使用が好ましい。
【0115】
可能な典型的なUV-Aフィルターは、
ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン又は1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオンなど、
ベンゾフェノンのアミノヒドロキシ置換誘導体、例えば、n-ヘキシル安息香酸N,N-ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルである。
【0116】
UV-A及びUV-Bフィルターは、当然ながら混合物中でも使用することができる。
【0117】
さらなる適切なUVフィルター物質を下記の表3に示す。
【表3】

【0118】
上記の2種類の主要サンスクリーン物質の群以外に、紫外線が皮膚を透過するときに引き起こされる光化学反応連鎖を妨げる抗酸化型の第2のサンスクリーン剤を使用することも可能である。その典型的な例は、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、トコフェロール(ビタミンE)及びアスコルビン酸(ビタミンC)である。
【0119】
さらなる群は、紫外線によってダメージを受けた皮膚の抗炎症作用を有する抗刺激剤である。このような物質は、例えば、ビサボロール、フィトール及びフィタントリオールである。
【0120】
本発明に係る組成物において用いることができると言及した活性化合物及び活性化合物の組み合わせのリストは、当然限定されることを意図するのではない。活性化合物は個々に、又は、互いの所望の組合せで用いることができる。
【0121】
本発明に係る組成物中のこのような活性化合物(1種又は複数の化合物)の量は、組成物の全重量に基づいて、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、特に1〜10重量%である。
【0122】
本発明に係る組成物中に使用することができる特定の活性化合物及びさらなる活性化合物は、この時点でその全範囲を参照するDE 103 185 26 A1の12〜17頁に示されている。
【0123】
本発明に係る配合物において、活性化合物で分子インプリントされたポリマーと活性化合物との重量比は、1:10〜100:1、好ましくは1:1〜10:1、特に好ましくは4:1〜5:1の範囲であり、特には4:1である。
【0124】
脂肪相
本発明に係る配合物は、少なくとも1種の脂肪相を含む。脂肪相とは、化粧品に許容される油分、脂肪及び/又はワックス(ロウ)の全てを意味するものと理解される。
【0125】
本発明に係る化粧用配合物の成分
これらの成分は、好ましくは、天然若しくは合成ポリマー、顔料(pigment)、湿潤剤、油分、ワックス、酵素、ミネラル類、ビタミン類、サンスクリーン剤、染料(dyestuff)、香料、抗酸化剤、保存料及び/又は医薬活性化合物からなる群より選択される。
【0126】
皮膚化粧用配合物の調製に好適な助剤及び添加剤は当業者に周知であり、化粧品ハンドブック、例えばSchrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Principles and Recipes of Cosmetics], Huthig Verlag, Heidelberg, 1989, ISBN 3-7785-1491-1、又はUmbach, Kosmetik: Entwicklung, Herstellung und Anwendung kosmetischer Mittel [Cosmetics: Development, Production and Use of Cosmetic Agents], 2nd expanded edition, 1995, Georg Thieme Verlag, ISBN 3 13 712602 9に見出すことができる。
【0127】
好ましくは、活性化合物で分子インプリントされた本発明のポリマーは、皮膚化粧品中に、それとは異なる、化粧用活性化合物、乳化剤、界面活性剤、保存料、香油、増粘剤、毛髪ポリマー、ヘアコンディショナー及びスキンコンディショナー、グラフトポリマー、水溶性又は分散性シリコーン含有ポリマー、サンスクリーン剤、漂白剤、ゲル形成剤、ケア剤、着色物質(colorant)、着色剤(tinting agent)、タンニング剤、染料、顔料、粘度調節剤、湿潤剤、加脂肪剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、脂質、抗酸化剤、消泡剤、静電防止剤、皮膚軟化剤及び軟化剤から選択される少なくとも1種類の成分と組み合わせて使用される。
【0128】
抗酸化剤は、好都合には、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)及びその誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)及びその誘導体、ペプチド、例えばD,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシン及びその誘導体(例えば、アンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、β-カロテン、リコペン)及びその誘導体、クロロゲン酸及びその誘導体、リポ酸及びその誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、並びにそれらのグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル及びラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリル及びグリセリルエステル)及びそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸及びその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩)、並びにスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタチオニンスルホキシイミン、ヘキサチオニンスルホキシイミン、ヘプタチオニンスルホキシイミン)の非常に低い許容量(例えば、pmol〜μmol/kg)、同様に(金属)キレート剤(例えば、α-ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α-ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁エキス、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA及びその誘導体、不飽和脂肪酸及びその誘導体(例えば、γ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸及びその誘導体、ユビキノン及びユビキノールとそれらの誘導体、ビタミンC及びその誘導体(例えば、アスコルビン酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロール及び誘導体(例えば、酢酸ビタミンE、トコトリエノール)、ビタミンA及び誘導体(ビタミンAパルミテート)、ベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸及びその誘導体、α-グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデン、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク酸樹脂、ノルジヒドログアイアレチン酸(nordihydroguaiaretic acid)、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、亜鉛及びその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレン及びその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、並びにスチルベン及びその誘導体(例えば、スチルベンオキシド、トランス-スチルベンオキシド)からなる群より選択される。
【0129】
本発明において好ましく使用されるビタミンB群のビタミン、プロビタミン若しくはビタミン前駆体、又はその誘導体、及び2-フラノンの誘導体には、とりわけ、下記が挙げられる。
【0130】
ビタミンB1、慣用名チアミン、化学名3-[(4'-アミノ-2'-メチル-5'-ピリミジニル)メチル]-5-(2-ヒドロキシエチル)-4-メチルチアゾリウムクロリド。
【0131】
ビタミンB2、慣用名リボフラビン、化学名7,8-ジメチル-10-(1-D-リビチル)-ベンゾ[g]プテリジン-2,4(3H,10H)-ジオン。遊離形態では、リボフラビンは、例えばホエイ中に遊離型で存在し、他のリボフラビン誘導体は、細菌及び酵母から単離することができる。本発明で同様に適切なリボフラビン立体異性体はリキソフラビンであり、これは魚粉又は肝臓から単離することができ、D-リビチル基の代わりにD-アラビチル基を有する。
【0132】
ビタミンB3、ニコチン酸及びニコチンアミド(ナイアシンアミド)の化合物は、この名前を有する場合が多い。本発明においては、ニコチンアミドが好ましい。
【0133】
ビタミンB5(パントテン酸及びパンテノール)。パンテノールを使用することが好ましい。本発明において使用することができるパンテノールの誘導体は、特に、パンテノールのエステル及びエーテル、並びにカチオン誘導化パンテノールである。本発明のさらに好ましい実施形態では、パントテン酸又はパンテノールに加えて、2-フラノンの誘導体もまた使用することができる。特に好ましい誘導体は、同様に市販されている物質である、慣用名パントラクトンのジヒドロ-3-ヒドロキシ-4,4-ジメチル-2(3H)-フラノン(Merck社製)、4-ヒドロキシメチル-γ-ブチロラクトン(Merck社製)、3,3-ジメチル-2-ヒドロキシ-γ-ブチロラクトン(Aldrich社製)及び2,5-ジヒドロ-5-メトキシ-2-フラノン(Merck社製)であり、これらには全ての立体異性体が明確に含まれる。
【0134】
好都合にも、これらの化合物は、保湿及び皮膚を滑らかにする特性を本発明の皮膚化粧品に付与する。
【0135】
ビタミンB6、これは画一的な物質ではなく、慣用名ピリドキシン、ピリドキサミン及びピリドキソール(pyridoxol)で知られている5-ヒドロキシメチル-2-メチルピリジン-3-オールの誘導体である。
【0136】
ビタミンB7(ビオチン)は、ビタミンH又は「皮膚ビタミン」とも称される。ビオチンは、(3aS,4S,6aR)-2-オキソヘキサヒドロチエノール[3,4-d]イミダゾール-4-吉草酸である。
【0137】
パンテノール、パントラクトン、ニコチン酸アミド及びビオチンは、本発明において特に非常に好ましい。
【0138】
染料
使用することができる染料は、例えば、Dyestuffs Commission of the Deutsche Forschungsgemeinschaftの「Kosmetische Farbemittel [Cosmetic Coloring Agents]」(Verlag Chemie, Weinheim, 1984により出版)において列挙されているような、化粧品用途のために承認された適切な物質である。これらの染料は、全混合物を基準として0.001〜0.1重量%の濃度で通常使用される。
【0139】
顔料
好ましい実施形態では、本発明に係る組成物は、少なくとも1種類の顔料を含む。顔料は、生成物塊中に溶解していない形態で存在し、0.01〜25重量%、特に好ましくは5〜15重量%の量で存在し得る。好ましい粒径は、1〜200μm、特に3〜150μm、特に好ましくは10〜100μmである。顔料は、使用媒体中で実質上不溶の着色剤であって、無機又は有機でもよい。無機-有機の混合顔料も可能である。無機顔料が好ましい。無機顔料の利点は、その優れた光安定性、天候安定性及び熱安定性である。無機顔料は、例えば、チョーク、黄土、アンバー、緑土、バーント・シエナ又は黒鉛から調製した天然由来のものでよい。顔料は、例えば二酸化チタン又は酸化亜鉛などの白色顔料;例えば黒酸化鉄などの黒色顔料;例えばウルトラマリン又は赤酸化鉄などの有色顔料;玉虫色顔料;金属効果顔料;真珠光沢顔料及び蛍光顔料又は発光顔料でよく、少なくとも1種類の顔料は、有色の白色でない顔料が好ましい。金属酸化物、金属水酸化物及び金属酸化物の水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアン化物、金属硫酸塩、金属クロム酸塩、金属モリブデン酸塩、及び金属自体(ブロンズ顔料)が適切である。二酸化チタン(CI77891)、黒酸化鉄(CI77499)、黄酸化鉄(CI77492)、赤及び茶酸化鉄(CI77491)、マンガンバイオレット(CI77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI77007、ピグメントブルー29)、酸化クロム水和物(CI77289)、紺青(フェロシアン化第二鉄青、CI77510)、及びカルミン(コチニール)が特に適切である。金属酸化物又はオキシ塩化金属、例えば、二酸化チタン又はオキシ塩化ビスマスなど、及び適切な場合はさらなる色付与物質、例えば、酸化鉄、紺青、ウルトラマリン、カルミンなどでコーティングされた雲母をベースとする真珠光沢顔料及び有色顔料が特に好ましく、色は層の厚さを変化させることによって決定することができる。このタイプの顔料は、例えば、商品名Rona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Dichrona(登録商標)及びTimiron(登録商標)(Merck社製)で販売されている。有機顔料は、例えば、天然顔料セピア、ガンボージ、骨炭、カッセルブラウン、インジゴ、クロロフィル及び他の植物顔料である。合成有機顔料は、例えば、アゾ顔料、アントラキノイド、インジゴイド、ジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、ペリレン及びペリノン、金属錯体、アルカリブルー及びジケトピロロピロール顔料である。
【0140】
一実施形態では、本発明に係る又は本発明の方法により生成された、活性化合物で分子インプリントされたポリマーは、組成物中に0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%の量で存在する少なくとも1種類の粒子状物質と共に使用される。適切な物質は、例えば、室温(25℃)で固体であり粒子の形態の物質である。例えば、シリカ、ケイ酸塩、アルミン酸塩、アルミナ、雲母、塩、特に無機金属塩、金属酸化物、例えば二酸化チタン、ミネラル及びポリマー粒子が適切である。粒子は組成物中に溶解しておらず、好ましくは安定に分散した形態で存在し、適用表面への塗布と溶媒の蒸発後に、固形で付着させることができる。好ましい粒子状物質は、シリカ(シリカゲル、二酸化ケイ素)及び金属塩、特に無機金属塩であり、シリカが特に好ましい。金属塩は、例えば、塩化ナトリウム又は塩化カリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化物;硫酸ナトリウム又は硫酸マグネシウムなどのアルカリ金属硫酸塩又はアルカリ土類金属硫酸塩である。
【0141】
真珠光沢剤
可能な真珠光沢剤は、例えば、アルキレングリコールエステル、特にジステアリン酸エチレングリコール;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;ヒドロキシ置換されていてもよい多塩基カルボン酸と、6〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;全部で少なくとも24個の炭素原子を有する、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテル及び脂肪カルボネートなどの脂肪物質、特にラウロン及びジステアリルエーテル;ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸又はベヘン酸などの脂肪酸;12〜22個の炭素原子を有するオレフィンエポキシドと、12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとの、並びに/又は2〜15個の炭素原子及び2〜10個のヒドロキシル基を有するポリオールとの開環生成物、並びにこれらの混合物である。
【0142】
このような配合物中の慣用の増粘剤は、架橋ポリアクリル酸及びその誘導体、多糖類及びその誘導体、例えば、キサンタンガム、寒天、アルギナート又はチロース、セルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロース又はヒドロキシカルボキシメチルセルロース、脂肪アルコール、モノグリセリド及び脂肪酸、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンである。非イオン性増粘剤を使用することが好ましい。
【0143】
適切な化粧用及び/又は皮膚化粧用活性化合物は、例えば、着色性活性化合物、皮膚及び毛髪染色剤、着色剤、タンニング剤、漂白剤、ケラチン硬化物質、抗菌性活性化合物、光フィルター活性化合物、忌避性活性化合物、充血作用を有する物質、角質溶解性及び角質柔軟化作用を有する物質、フケ防止活性化合物、消炎剤、角質化物質、抗酸化活性化合物及び/又はフリーラジカルを捕捉する物質、皮膚加湿又は保湿性物質、加脂肪活性化合物、抗紅斑性又は抗アレルギー性活性化合物、18-メチルイコサン酸などの分枝状脂肪酸、並びにこれらの混合物である。
【0144】
紫外線による自然又は人工の照射なしで皮膚を褐色にするのに適切な人工的皮膚タンニング活性化合物は、例えば、ジヒドロキシアセトン、アロキサン及びクルミ殻抽出物である。適切なケラチン硬化物質は、通常発汗抑制剤中にも使用されているような、例えば、硫酸アルミニウムカリウム、アルミニウムヒドロキシクロリド、乳酸アルミニウムなどの活性化合物である。
【0145】
抗菌性活性化合物は、微生物を消滅させ、又はそれらの増殖を抑制するために使用され、したがって、保存料として、及び体臭が生じること又は強まることを軽減する脱臭物質としての両方の機能を果たす。これらには、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エステル、イミダゾリジニル尿素、ホルムアルデヒド、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸などの当業者には公知の慣用の保存料が挙げられる。このような脱臭作用を有する物質は、例えば、リシノール酸亜鉛、トリクロサン、ウンデシレン酸アルキロールアミド(undecylenic acid alkylolamides)、クエン酸トリエチルエステル、クロルヘキシジンなどである。
【0146】
本発明において好都合に使用される適切な保存料は下記の通りである。
【表4】

【0147】
本発明においてまた適切なものは、化粧品において慣用の保存料又は保存料助剤である、例えばジブロモジシアノブタン(2-ブロモ-2-ブロモメチルグルタロジニトリル)、ブチルカルバミン酸3-ヨード-2-プロピニル、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、イミダゾリジニル尿素、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-クロロアセトアミド、塩化ベンザルコニウム及びベンジルアルコールである。いくつかの微生物に対するその殺菌効果及び殺真菌効果によって保存料としてまた適切なものは、フェニルヒドロキシアルキルエーテル、特にフェノキシエタノールの名称で知られている化合物である。
【0148】
他の発芽抑制剤(germ inhibiting agent)も、本発明に係る調製物中に組み込むのに同様に適切である。有利な物質は、例えば、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(イルガサン)、1,6-ジ(4-クロロフェニルビグアニド)ヘキサン(クロルヘキシジン)、3,4,4'-トリクロロカルバニリド、第四級アンモニウム化合物、クローブ油、ハッカ油、タイム油、クエン酸トリエチル、ファルネソール(3,7,11-トリメチル-2,6,10-ドデカトリエン-1-オール)、並びに特許公開明細書DE-3740186、DE-3938140、DE-4204321、DE-4229707、DE-4309372、DE-4411664、DE-19541967、DE-19543695、DE-19543696、DE-19547160、DE-19602108、DE-19602110、DE-19602111、DE-19631003、DE-19631004及びDE-19634019、並びに特許明細書DE4229737、DE-4237081、DE-4324219、DE-4429467、DE-4423410及びDE-19516705に記載されている活性化合物及び活性化合物の組合せである。炭酸水素ナトリウムもまた、好都合に使用される。微生物ポリペプチドも同様に使用することができる。
【0149】
香油
化粧品組成物は、適切な場合は香油を含むことができる。例示することができる香油は、例えば、天然及び合成香料物質の混合物である。天然香料物質は、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎及び葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニシード、コリアンダー、キャラウェー、ジュニパー)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(メース、アンジェリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、ショウブ)、木(マツ、ビャクダン、グアヤックウッド、シーダーウッド、シタン)、ハーブ及び草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉及び枝(トウヒ、モミ、マツ、低木マツ)、樹脂及びバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、オリバナム、オポポナクス)からの抽出物である。また可能なのは、例えば、シベット及びビーバー香などの動物原料である。典型的な合成香料化合物は、エステル型、エーテル型、アルデヒド型、ケトン型、アルコール型及び炭化水素型の生成物である。エステル型の香料化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸4-tert-ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリル及びサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えば、ベンジルエチルエーテルが挙げられ、アルデヒドには、例えば、8〜18個の炭素原子を有するアルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びブルゲオナールが挙げられ、ケトンには、例えば、イオノン、cc-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンが挙げられ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、ユージノール、イソユージノール、ゲラニオール、リナロオール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールが挙げられ、炭化水素には、主としてテルペン及びバルサムが挙げられる。しかし、共に心地よい香りを生じる種々の香料物質の混合物を使用することが好ましい。通常芳香成分として使用される比較的低揮発性の精油もまた、香油として適切であり、例えば、セージ油、カミツレ油、クローブ油、メリッサ油、ハッカ油、桂皮油、リンデン花油、杜松子油、ベチバー油、オリバナム油、ガルバヌム油、ラダナム油及びラベンダー油である。好ましくは、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロオール、Boisambrene(登録商標)Forte、アンブロキサン、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリス、レモン油、マンダリン油、オレンジ油、グリコール酸アリルアミル、シクロベルタル(cyclovertal)、ラバンジン油、クラリセージ油、β-ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、サリチル酸シクロヘキシル、Vertofix(登録商標)Coeur、Iso-E-Super(登録商標)、Fixolide(登録商標)NP、エバーニル、イラルデインガンマ(iraldein gamma)、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミレート(romillate)、イロチル(irotyl)及びフロラメート(floramate)が、単独で又は混合物中で使用される。
【0150】
油、脂肪及びワックス
本発明に係る組成物は、少なくとも1種の脂肪相を含む。脂肪相とは、油、脂肪及び/又はワックスを意味すると理解される。本発明に係る組成物の油相及び/又は脂肪相の成分は、レシチン及び脂肪酸トリグリセリド、すなわち、8〜24個、特に12〜18個の炭素原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分枝状及び/又は非分枝状のアルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルからなる群より有利に選択される。脂肪酸トリグリセリドは、例えば、合成、半合成及び天然の油、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、ナタネ油、扁桃油、パーム油、ヤシ油、ヒマシ油、小麦胚芽油、グレープシード油、アザミ油、月見草油、マカデミアナッツ油などからなる群より好都合に選択することができる。さらなる極性油成分は、3〜30個の炭素原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分枝状及び/又は非分枝状のアルカンカルボン酸と、3〜30個の炭素原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分枝状及び/又は非分枝状のアルコールとのエステルからなる群より、並びに芳香族カルボン酸と、3〜30個の炭素原子の鎖長を有する飽和及び/又は不飽和の分枝状及び/又は非分枝状のアルコールとのエステルからなる群より選択することができる。そしてこのようなエステル油は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、炭酸ジカプリリル(Cetiol CC)及びココグリセリル(Myritol331)、ジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコール及びアジピン酸ジブチル、並びにこのようなエステルの合成、半合成及び天然混合物(例えば、ホホバ油など)からなる群より好都合に選択することができる。
【0151】
1種又は複数の油性成分は、分枝状及び非分枝状の炭化水素及び炭化水素ワックス、シリコーン油、ジアルキルエーテルからなる群より、飽和又は不飽和の分枝状又は非分枝状のアルコールからなる群より好都合に選択することができる。このような油及びワックス成分の所望の混合物もまた、本発明の目的のために好都合に使用することができる。適切な場合、ワックス、例えば、パルミチン酸セチルを、油相の単独の脂質成分として使用することもまた好都合である場合がある。本発明においては、油性成分は、イソステアリン酸2-エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソエイコサン、ヤシ油脂肪酸2-エチルヘキシル、安息香酸C12〜15アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、及びジカプリリルエーテルからなる群より好都合に選択される。本発明においては、安息香酸C12〜15アルキルとイソステアリン酸2-エチルヘキシルとの混合物、安息香酸C12〜15アルキルとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、及び安息香酸C12〜15アルキルとイソステアリン酸2-エチルヘキシルとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物が好都合である。本発明において、特に好ましく使用される5〜50mN/mの極性を有する油は、脂肪酸トリグリセリド、特に大豆油及び/又は扁桃油である。炭化水素では、パラフィン油、スクアラン及びスクアレンが、本発明の目的のために好都合に使用される。
【0152】
さらに、油相は、ゲルベアルコールの群から好都合に選択することができる。ゲルベアルコールは、初めてその調製について説明したMarcel Guerbetの名をとって命名されている。それらは、方程式
【化8】

【0153】
(アルコールの酸化によりアルデヒドが生成し、アルデヒドのアルドール縮合によって、アルドールから水が除去され、アリルアルデヒドが水素添加される)に従って形成される。ゲルベアルコールは比較的低温でも液体であり、事実上皮膚刺激を生じない。それらは、化粧用組成物中で脂肪(oiling)、過脂肪(superoiling)、また加脂肪(re-oiling)作用を有する成分として好都合に使用することができる。
【0154】
化粧品におけるゲルベアルコールの使用は、それ自体公知である。次いでこのような種は、通常、以下の構造
【化9】

【0155】
を特徴とする。ここで、R1及びR2は、通常非分枝状アルキル基である。
【0156】
本発明においては、1又は複数のゲルベアルコールは、
R1=プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチル、及び
R2=ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル又はテトラデシル
の群から好都合に選択される。
【0157】
本発明において好ましいゲルベアルコールは、2-ブチルオクタノール(例えば、Isofol(登録商標)12(Condea社製)として市販)及び2-ヘキシルデカノール(例えば、Isofol(登録商標)16(Condea社製)として市販)である。例えば、2-ブチルオクタノールと2-ヘキシルデカノールとの混合物(例えば、Isofol(登録商標)14(Condea社製)として市販)などの、本発明におけるゲルベアルコールの混合物はまた、本発明において好都合に使用される。
【0158】
このような油及びワックス成分の所望の混合物もまた、本発明の目的のために好都合に使用される。ポリオレフィン中で、ポリデセンが好ましい物質である。
【0159】
油性成分はまた、環状又は直鎖状シリコーン油の含量を好都合に有することが可能であり、あるいは全てこのような油で構成されることも可能であるが、シリコーン油又は数種類のシリコーン油とは別に、他の油相成分のさらなる含量を使用することが好ましい。低分子量シリコーン又はシリコーン油は、一般に下記の一般式によって定義される:
【化10】

【0160】
より高分子量のシリコーン又はシリコーン油は、一般に下記の一般式によって定義される:
【化11】

【0161】
[式中、ケイ素原子は、ここでは基R1〜R4により一般名で示されている同一又は異なるアルキル基及び/又はアリール基によって置換されてもよい。しかし、異なる基の数は、必ずしも4までに限定されない。mは、2〜200000の値とすることが可能である]。
【0162】
本発明において好都合に使用される環状シリコーンは、一般に下記の一般式によって定義される:
【化12】

【0163】
[式中、ケイ素原子は、ここでは基R1〜R4によって一般用語で示されている同一又は異なるアルキル基及び/又はアリール基によって置換されてもよい。しかし、異なる基の数は、必ずしも4までに限定されない。ここでnは、3/2〜20の値とすることができる。nの端数の値は、一律でない数のシロキシル基が環中に存在し得ることを考慮している]。
【0164】
好都合には、フェニルトリメチコンが、シリコーン油として選択される。他のシリコーン油、例えば、ジメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、フェニルジメチコン、シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、セチルジメチコン、及びベヘノキシジメチコンもまた、本発明の目的のために好都合に使用することができる。シクロメチコンとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物、及びシクロメチコンとイソステアリン酸2-エチルヘキシルとの混合物もまた好都合である。しかし、その有機側鎖が誘導体化された、例えば、ポリエトキシ化及び/又はポリプロポキシル化された、上述の化合物と同様の構造のシリコーン油を選択することもまた好都合である。これらには、例えば、ポリシロキサン-ポリアルキルポリエーテルコポリマー、例えば、セチル-ジメチコンコポリオールなどが挙げられる。シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)は、本発明において使用されるシリコーン油として好都合に使用される。本発明において好都合に使用される脂肪及び/又はワックス成分は、植物ワックス、動物ワックス、鉱物性ワックス及び石油化学系ワックスからなる群より選択することができる。例えば、カンデリラロウ、カルナバロウ、木蝋、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマワックス、米ぬか油ワックス、サトウキビワックス、ベリーワックス、オーリクリーワックス、モンタンワックス、ホホバワックス、シアバター、ミツロウ、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛ワックス)、尾羽脂、セレシン、オゾケライト(臭蝋)、パラフィンワックス及びマイクロワックスが好都合である。
【0165】
さらなる好都合な脂肪及び/又はワックス成分は、化学修飾ワックス及び合成ワックス、例えば、Syncrowax(登録商標)HRC(トリベヘン酸グリセリル)、Syncrowax(登録商標)AW1C(C18〜36脂肪酸)など;モンタンエステルワックス;サソール(sasol)ワックス;水添ホホバワックス;合成又は変性蜜蝋(例えば、ジメチコンコポリオールミツロウ及び/又はC30〜50-アルキルミツロウ);リシノール酸セチル、例えば、Tegosoft(登録商標)CRなど;ポリアルキレンワックス;ポリエチレングリコールワックス、また化学修飾脂肪、例えば、硬化植物油(例えば、硬化ヒマシ油及び/又は硬化ヤシ油脂肪グリセリド);トリグリセリド、例えば、ダイズグリセリド(soya glyceride);トリヒドロキシステアリン;脂肪酸;脂肪酸エステル及びグリコールエステル、例えば、ステアリン酸C20〜40-アルキル、ステアリン酸C20〜40-アルキルヒドロキシステアロイル、並びに/又はモンタン酸グリコールである。さらに、上述の脂肪及び/又はワックス成分と同様の物理学的性質を有する特定の有機ケイ素化合物、例えば、ステアロキシトリメチルシランなどもまた好都合である。
【0166】
本発明においては、脂肪及び/又はワックス成分は、組成物中で単独で又は混合物として使用することができる。このような油及びワックス成分の所望の混合物もまた、本発明の目的のために好都合に使用される。好都合には、油相は、イソステアリン酸2-エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、ジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコール、ヤシ油脂肪酸2-エチルヘキシル、安息香酸C12〜15アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、及びジカプリリルエーテルからなる群より選択される。オクチルドデカノールとカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドとジカプリリルエーテルと炭酸ジカプリリルとココグリセリルとの混合物、又は安息香酸C12〜15アルキルとイソステアリン酸2-エチルヘキシルとの混合物、安息香酸C12〜15アルキルとジカプリル酸/ジカプリン酸ブチレングリコールとの混合物、及び安息香酸C12〜15アルキルとイソステアリン酸2-エチルヘキシルとイソノナン酸イソトリデシルとの混合物が、特に好都合である。炭化水素では、パラフィン油、シクロパラフィン、スクアラン、スクアレン、水添ポリイソブテン及びポリデセンが、本発明の目的のために好都合に使用される。
【0167】
油性成分はまた、リン脂質の群からも好都合に選択される。リン脂質は、アシル化グリセロールのリン酸エステルである。ホスファチジルコリンの中で最も重要なものは、例えば、一般構造
【化13】

【0168】
(式中、R'及びR''は典型的に、15個又は17個の炭素原子及び4個までのシス二重結合を有する非分枝状の脂肪族基である)を特徴とするレシチンである。
【0169】
本発明においては、Merkur Vaseline社のMerkur White Oil Pharma 40、Shell & DEA Oil社のShell Ondina(登録商標)917、Shell Ondina(登録商標)927、Shell Oil 4222、及びShell Ondina(登録商標)933、並びにPionier(登録商標)6301S、Pionier(登録商標)2071(Hansen & Rosenthal社製)は、パラフィン油として本発明において好都合に使用することができる。適切な化粧品として許容される油及び脂肪成分は、その全範囲を本明細書で参照するKarl-Heinz Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Principles and Recipes of Cosmetics], 2nd edition, Verlag Huthig, Heidelberg, pp. 319-355に記載されている。
【0170】
溶媒
本発明に係る又は本発明の方法により生成された、活性化合物で分子インプリントされたポリマーが、溶液又はエマルション又は分散液である化粧用又は皮膚科用配合物中で使用される場合は、使用することのできる溶媒は、
水又は水溶液;油、例えば、カプリン酸又はカプリル酸のトリグリセリドなど、しかし好ましくはヒマシ油;脂肪、ワックス、並びに他の天然及び合成の脂肪物質、好ましくは脂肪酸と、低炭素数のアルコール、例えば、イソプロパノール、プロピレングリコール又はグリセロールとのエステル、あるいは脂肪アルコールと、低炭素数のアルカン酸との、又は脂肪酸とのエステル;低炭素数のアルコール、ジオール又はポリオール、及びそのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル又はモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチル若しくはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル若しくはモノエチルエーテル及び類似の生成物である。特に、上記の溶媒の混合物が使用される。アルコール性溶媒の場合は、水がさらなる成分でもよい。
【0171】
界面活性剤
本発明においては、本発明に係る又は本発明の方法により生成された、活性化合物で分子インプリントされたポリマーに加えて、組成物は界面活性剤も含むことが可能である。このような界面活性剤は、例えば、
−リン酸エステル及び塩、例えば、DEA-oleth-10リン酸及びジラウレス-4リン酸など、
−スルホン酸アルキル、例えば、ココモノグリセリド硫酸ナトリウム、C12〜14オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム及びPEG-3コカミド硫酸マグネシウム、
−カルボン酸及び誘導体、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム、マグネシウムアルカノレート及びウンデシレン酸亜鉛、エステルカルボン酸、例えば、ステアロイル乳酸カルシウム、クエン酸ラウレス-6及びPEG-4ラウラミドカルボン酸ナトリウムなど、
−カルボン酸の酸化エチレン、グリセロール、ソルビタン又は他のアルコールによるエステル化によって形成されるエステル、
−エーテル、例えば、エトキシ化アルコール、エトキシ化ラノリン、エトキシ化ポリシロキサン、プロポキシル化POEエーテル及びアルキルポリグリコシド(ラウリルグルコシド、デシルグルコシド及びココグリコシドなど)である。
【0172】
ポリソルベート
本発明においては、本発明に係る又は本発明の方法により生成された、活性化合物で分子インプリントされたポリマー以外に、組成物は、ポリソルベートも含み得る。
【0173】
ここで本発明の目的のために有利なポリソルベートは、
−ポリオキシエチレン(20)モノラウリン酸ソルビタン(Tween20、CAS番号9005-64-5)
−ポリオキシエチレン(4)モノラウリン酸ソルビタン(Tween21、CAS番号9005-64-5)
−ポリオキシエチレン(4)モノステアリン酸ソルビタン(Tween61、CAS番号9005-67-8)
−ポリオキシエチレン(20)トリステアリン酸ソルビタン(Tween65、CAS番号9005-71-4)
−ポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタン(Tween80、CAS番号9005-65-6)
−ポリオキシエチレン(5)モノオレイン酸ソルビタン(Tween81、CAS番号9005-65-5)
−ポリオキシエチレン(20)トリオレイン酸ソルビタン(Tween85、CAS番号9005-70-3)である。
【0174】
特段に有利なポリソルベートは特に、
−ポリオキシエチレン(20)モノパルミチン酸ソルビタン(Tween40、CAS番号9005-66-7)
−ポリオキシエチレン(20)モノステアリン酸ソルビタン(Tween60、CAS番号9005-67-8)である。
【0175】
本発明においては、これらは、組成物の全重量に基づいて0.1〜5重量%の濃度で、特に1.5〜2.5重量%の濃度で、個々に又は複数のポリソルベートの混合物として好都合に使用される。
【0176】
コンディショニング剤
本発明の好ましい実施形態では、組成物はまたコンディショニング剤を含む。本発明において好ましいコンディショニング剤は、例えば、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook (Volume 4, R. C. Pepe, J.A. Wenninger, G.N. McEwen編, The Cosmetic, Toiletry, and Fragrance Association, 9th edition, 2002)の第4節において、ヘアコンディショニング剤、保湿剤、スキンコンディショニング剤、スキンコンディショニング剤(軟化剤)、スキンコンディショニング剤(保湿剤)、スキンコンディショニング剤(その他)、スキンコンディショニング剤(吸蔵性)、及び皮膚保護剤のキーワードで列挙されている全ての化合物、並びにEP-A934956(11〜13頁)で「水溶性コンディショニング剤」及び「油溶性コンディショニング剤」として列挙されている全ての化合物である。さらなる好都合なコンディショニング剤は、例えばINCIによりポリクオタニウム(特にポリクオタニウム-1からポリクオタニウム-56)と称する化合物である。
【0177】
適切なコンディショニング剤にはまた、例えば、ポリマー第四級アンモニウム化合物、カチオン性セルロース誘導体及び多糖類も挙げられる。
【0178】
本発明において好都合なコンディショニング剤は、ここで下記の表に示される化合物から選択することができる。
【表5】

【0179】
本発明において好都合なさらなるコンディショニング剤は、セルロース誘導体及び四級化グアーガム誘導体、特にグアーヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド(例えば、Jaguar Excel(登録商標)、Jaguar C162(登録商標)(Rhodia社製)、CAS 65497-29-2、CAS 39421-75-5)である。
【0180】
また、非イオン性ポリ-N-ビニルピロリドン/ポリ酢酸ビニルコポリマー(例えば、Luviskol(登録商標)VA64(BASF Aktiengesellschaft社製))、アニオン性アクリレートコポリマー(例えば、Luviflex(登録商標)Soft(BASF Aktiengesellschaft社製))、及び/又は両性アミド/アクリレート/メタクリレートコポリマー(例えば、Amphomer(登録商標)(National Starch社製))を、コンディショニング剤として本発明で好都合に使用することができる。
【0181】
粉末原料
粉末原料を加えることは、一般に好都合であり得る。タルクの使用が特に好ましい。
【0182】
エトキシ化グリセロール脂肪酸エステル
本発明においては、分子インプリントポリマーに加えて、組成物は適切な場合は、エトキシ化グリセロール脂肪酸エステル、特に好ましくはPEG-10オリーブ油グリセリド、PEG-11アボガド油グリセリド、PEG-11カカオバターグリセリド、PEG-13ヒマワリ油グリセリド、イソステアリン酸PEG-15グリセリル、PEG-9ココ脂肪酸グリセリド、PEG-54硬化ヒマシ油、PEG-7硬化ヒマシ油、PEG-60硬化ヒマシ油、ホホバ油エトキシレート(PEG-26ホホバ脂肪酸、PEG-26ホホバアルコール)、ヤシ油脂肪酸グリセレス-5、PEG-9ココ脂肪酸グリセリド、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセレス、PEG-45パーム核油グリセリド、PEG-35ヒマシ油、オリーブ油PEG-7エステル、PEG-6カプリル酸/カプリン酸グリセリド、PEG-10オリーブ油グリセリド、PEG-13ヒマワリ油グリセリド、PEG-7硬化ヒマシ油、水添パーム核油グリセリドPEG-6エステル、PEG-20トウモロコシ油グリセリド、オレイン酸ヤシ脂肪酸PEG-18グリセリル、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-60硬化ヒマシ油、PEG-60トウモロコシ油グリセリド、PEG-54硬化ヒマシ油、PEG-45パーム核油グリセリド、PEG-35ヒマシ油、ヤシ油脂肪酸PEG-80グリセリル、PEG-60扁桃油グリセリド、PEG-60月見草グリセリド、PEG-200水添パーム油脂肪酸グリセリル及びPEG-90イソステアリン酸グリセリルからなる群より選択されるエトキシ化油も含むことができる。
【0183】
好ましいエトキシ化油は、ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル、PEG-9ココグリセリル、PEG-40硬化ヒマシ油、水添パーム油脂肪酸PEG-200グリセリルである。エトキシ化グリセロール脂肪酸エステルは、種々の目的のために水性クレンジング配合物中で使用される。エトキシ化の程度が低い(3〜12の酸化エチレン単位)グリセロール脂肪酸エステルは通常、乾燥後の皮膚の感触を改善するための加脂肪剤の役割を果たし、約30〜50のエトキシ化の程度のグリセロール脂肪酸エステルは、香油などの非極性物質用の可溶化剤の役割を果たす。エトキシ化の程度が高いグリセロール脂肪酸エステルは、増粘剤として使用される。これらの物質全てが共通に有する特性は、水で希釈して皮膚に使用する場合、皮膚に特別の感触をもたらすことである。
【0184】
サンスクリーン剤
本発明はまた、皮膚化粧用配合物におけるサンスクリーン剤と組み合わせた、本発明に係る及び/又は本発明の方法により生成された活性化合物で分子インプリントされたポリマーの使用を提供する。これらの化粧用及び/又は皮膚科用サンスクリーン組成物は、化粧用及び/又は皮膚科用光保護のために、また皮膚及び/又は毛髪の処置及びケアのために、並びに装飾用化粧品におけるメークアップ製品として使用される。これらには、例えば、サンクリーム、サンローション、サンミルク、サンオイル、サンバルサム、サンジェル、リップケア製品及びリップスティック、コンシーラークリーム及びスティック、保湿クリーム、ローション、及びエマルション、顔、体及び手のクリーム、ヘアトリートメント及びコンディショナー、ヘアセット組成物、スタイリングジェル、ヘアスプレー、ロールオン式デオドラント又はアイリンクルクリーム、日焼け剤(tropicals)、サンブロック、アフターサン調製物が挙げられる。全ての調製物は、活性化合物で分子インプリントされた少なくとも1種類のポリマー及び1種類の特定のUVフィルター物質を含む。
【0185】
サンオイルは、通常1種又は複数のサンスクリーンフィルター及び香油を含む異なる油の混合物である。様々な化粧品特性に応じて油性成分が選択される。鉱油(例えば、パラフィン油)及び脂肪酸トリグリセリド(例えば、落花生油、ゴマ油、アボガド油、中鎖トリグリセリド)などの、よく滑り皮膚にやわらかな感触をもたらす油を、塗布性とサンオイルの皮膚への吸収を改善し、粘着性を減少させ、油膜を空気及び水蒸気(汗)に対して浸透性とする油と混合する。これらには、分枝鎖脂肪酸エステル(例えば、パルミチン酸イソプロピル)及びシリコーン油(例えば、ジメチルシリコーン)が挙げられる。不飽和脂肪酸をベースとする油を使用する場合は、それらを酸敗から防止するために、抗酸化剤、例えばトコフェロールを加える。無水配合物であるサンオイルは通常、保存料を含まない。サンミルク及びサンクリームは、水中油(O/W)型エマルションとして、及び油中水(W/O)型エマルションとして調製される。エマルションのタイプによって、調製物の特性は非常に変化する。O/W型エマルションは、皮膚に容易に塗り広げられ、通常、大半は迅速に吸収され、ほとんどの場合水で容易に洗い流すことができる。W/O型エマルションは、塗りこむことがより難しくなり、皮膚を非常になめらかにし、結果としていくぶんより粘着性であるようであるが、一方で皮膚が乾燥するのを守る度合いが高い。W/O型エマルションは、通常耐水性である。O/W型エマルションの場合は、エマルション基剤、適切なサンスクリーン物質の選択、及び適切な場合は、助剤(例えば、ポリマー)の使用が、耐水性の度合いを決定する。液体及びクリーム様O/W型エマルションのベースは、その組成に関しては、スキンケアにおいて慣用の他のエマルションと似ている。サンミルクは、太陽、水及び風によって乾燥した皮膚を十分になめらかにするべきである。暑い場合及び砂と接触した場合に特に不快であると感じられるため、それらは粘着性であってはいけない。サンスクリーン組成物は一般に、少なくとも1種類の油相を含む担体をベースとする。しかし、水性基剤のみの組成物も可能である。したがって、油、水中油及び油中水型エマルション、クリーム及びペースト、唇保護用スティック組成物、又は脂肪不含ジェルが可能である。また可能なエマルションは、とりわけ、分散形態で存在する表面被覆二酸化チタン粒子を有する、O/W型マイクロエマルション、O/W型マイクロエマルション又はO/W/O型エマルションであり、このようなエマルションはDE-A-197 26 121に従って相転移技術により得ることができる。
【0186】
可能な添加剤である慣用的な化粧品用助剤は、例えば(同時)乳化剤、脂肪及びワックス、安定剤、増粘剤、生体活性化合物、皮膜形成剤、香料、染料、真珠光沢剤、保存料、顔料、電解質(例えば硫酸マグネシウム)、並びにpH調整剤である。使用することができる安定剤は、脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム及び/又はステアリン酸亜鉛などである。生体活性化合物は、例えば、植物抽出物、タンパク質加水分解物及びビタミン複合体を意味すると理解される。慣用の皮膜形成剤は、例えば、親水コロイド(キトサン、微晶質キトサン又は四級化キトサンなど)、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系のポリマー、第四級セルロース誘導体及び同様の化合物である。
【0187】
適切な光フィルター活性化合物は、UV-B及び/又はUV-A領域の紫外線を吸収する物質である。これらは、紫外線を吸収し、吸収したエネルギーをより長波の放射線形態、例えば熱で再び放出することができる有機物質を意味すると理解される。有機物質は、油溶性であってもよいし又は水溶性でもよい。適切なUVフィルターは、例えば、2,4,6-トリアリール-1,3,5-トリアジンであり、この場合、アリール基はいずれの場合にも少なくとも1つの置換基を保持することができ、その置換基は、好ましくは、ヒドロキシル、アルコキシ、特にメトキシ、アルコキシカルボニル、特にメトキシカルボニル及びエトキシカルボニルから選択される。また適切なものは、p-アミノ安息香酸エステル、ケイヒ酸エステル、ベンゾフェノン、ショウノウ誘導体、並びに二酸化チタン、タルク及び酸化亜鉛などの紫外線を阻止する顔料である。二酸化チタンをベースとする顔料が特に好ましい。
【0188】
使用し得る油溶性UV-Bフィルターは、例えば、次の物質である:
3-ベンジリデンカンフル及びその誘導体、例えば、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、
4-アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-エチルヘキシルエステル、4-(ジメチルアミノ)安息香酸2-オクチルエステル及び4-(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル、
ケイヒ酸エステル、好ましくは4-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル、4-メトキシケイヒ酸プロピルエステル、4-メトキシケイヒ酸イソアミルエステル、4-メトキシケイヒ酸イソペンチルエステル、及び2-シアノ-3-フェニルケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)、
サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸2-エチルヘキシルエステル、サリチル酸4-イソプロピルベンジルエステル、及びサリチル酸ホモメンチルエステル、
ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、及び2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、
ベンザルマロン酸エステル、好ましくは4-メトキシベンザルマロン酸ジ-2-エチルヘキシルエステル、
トリアジン誘導体、例えば、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2'-エチル-1'-ヘキシルオキシ)-1,3,5-トリアジン(オクチルトリアゾン)及びジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb(登録商標)HEB)、
プロパン-1,3-ジオン、例えば、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンなど。
【0189】
可能な水溶性物質は、
2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸、並びにそのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウム及びグルクアンモニウム塩、
ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸及びその塩、
3-ベンジリデンカンフルのスルホン酸誘導体、例えば、4-(2-オキソ-3-ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸及び2-メチル-5-(2-オキソ-3-ボルニリデン)スルホン酸並びにその塩である。
【0190】
ケイヒ酸エステル、好ましくは4-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル、4-メトキシケイヒ酸イソペンチルエステル、及び2-シアノ-3-フェニルケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル(オクトクリレン)の使用が特に好ましい。
【0191】
さらに、ベンゾフェノンの誘導体、特に2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、及び2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノンの使用、並びにプロパン-1,3-ジオン、例えば、1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオンなどの使用が好ましい。
【0192】
適切な典型的なUV-Aフィルターは、
ベンゾイルメタンの誘導体、例えば、1-(4'-tert-ブチルフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロパン-1,3-ジオン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン又は1-フェニル-3-(4'-イソプロピルフェニル)プロパン-1,3-ジオンなど、
ベンゾフェノンのアミノヒドロキシ置換誘導体、例えば、n-ヘキシル安息香酸N,N-ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルである。
【0193】
UV-A及びUV-Bフィルターは、当然ながら混合物中でも使用することができる。
【0194】
さらなる適切なUVフィルター物質を下記の表に示す。
【表6】

【0195】
上記の2種類の主要サンスクリーン物質の群以外に、紫外線が皮膚を透過するときに引き起こされる光化学反応連鎖を妨げる抗酸化型の第2のサンスクリーン剤を使用することも可能である。その典型的な例は、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、トコフェロール(ビタミンE)及びアスコルビン酸(ビタミンC)である。
【0196】
さらなる群は、紫外線によってダメージを受けた皮膚の抗炎症作用を有する抗刺激剤である。このような物質は、例えば、ビサボロール、フィトール及びフィタントリオールである。
【0197】
本発明はまた、皮膚化粧用配合物における、紫外線を止める無機顔料と組み合わせた、本発明に係る又は本発明の方法により生成された、活性化合物で分子インプリントされたポリマーの使用である。水中で不溶性又は微溶性であり、亜鉛(ZnO)、チタン(TiO2)、鉄(例えば、Fe2O3)、ジルコニウム(ZrO2)、ケイ素(SiO2)、マンガン(例えば、MnO)、アルミニウム(Al2O3)、セリウム(例えば、Ce2O3)の酸化物、対応する金属の混合酸化物及びこのような酸化物の混合物からなる群より選択された、金属酸化物及び/又は他の金属化合物をベースとする顔料が好ましい。
【0198】
ここで、無機顔料はコーティングされた形態で、すなわち表面処理されて存在することができる。この表面処理は、例えば、DE-A-3314742に記載されているように、それ自体公知の方法によって、顔料に薄い疎水性層を付与することを含む場合がある。
【0199】
適切な忌避性活性化合物は、特定の動物、特に昆虫をヒトに寄せつけず又は追い払うことのできる化合物である。これらには、例えば、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、N,N-ジエチル-m-トルアミドなどが挙げられる。皮膚を通る血流を促進する適切な充血性物質は、例えば、低木マツ抽出液、ラベンダー抽出液、ローズマリー抽出液、杜松子抽出液、セイヨウトチノキ抽出液、カバノキ葉抽出液、ヘイフラワー抽出液、酢酸エチル、ショウノウ、メントール、ハッカ油、ユーカリ油、ローズマリー抽出液、ユーカリ油などの精油である。適切な角質溶解性及び角質柔軟化物質は、例えば、サリチル酸、チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸及びその塩、硫黄などである。適切なフケ防止活性化合物は、例えば、硫黄、モノオレイン酸硫黄ポリエチレングリコールソルビタン、硫黄リシノレイルポリエトキシレート、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオンなどである。皮膚刺激作用を抑制する適切な消炎剤は、例えば、アラントイン、ビサボロール、ドラゴサントール(dragosantol)、カミツレ抽出液、パンテノールなどである。
【0200】
本発明はまた、少なくとも1種類の化粧用又は医薬として許容されるポリマーと組み合わせた、本発明に係る及び/又は本発明の方法により生成された活性化合物で分子インプリントされたポリマーの使用を提供する。
【0201】
適切なポリマーは、例えば、ポリクオタニウムというINCI名を有するカチオン性ポリマー、例えば、ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat FC、Luviquat HM、Luviquat MS、Luviquat&commat、Care)、硫酸ジエチルで四級化したN-ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマー(Luviquat PQ11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat E Hold)、カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム-4及び-10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-7)及びキトサンである。
【0202】
適切なカチオン性(四級化)ポリマーはまた、Merquat(塩化ジメチルジアリルアンモニウムをベースとしたポリマー)、Gafquat(ポリビニルピロリドンと第四級アンモニウム化合物とを反応させることによって形成される第四級ポリマー)、ポリマーJR(カチオン基を有するヒドロキシエチルセルロース)、及び植物をベースとするカチオン性ポリマー、例えば、Rhodia社からのJaguarブランドなどのグアーポリマーである。
【0203】
さらなる適切なポリマーはまた、中性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドン及び酢酸ビニル及び/又はプロピオン酸ビニルのコポリマー、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドンとの他のコポリマー、ポリエチレンイミン及びその塩、ポリビニルアミン及びその塩、セルロース誘導体、並びにポリアスパラギン酸塩及び誘導体である。これらには、例えば、Luviflex 0 Swing(ポリ酢酸ビニル及びポリエチレングリコールの部分けん化コポリマー、BASF Aktiengesellschaft社製)が挙げられる。
【0204】
適切なポリマーはまた、非イオン性の水溶性又は水分散性のポリマー又はオリゴマーである(ポリビニルカプロラクタム、例えばLuviskol 0 Plus(BASF社製)、又はポリビニルピロリドン及びそのコポリマー、特に酢酸ビニルなどのビニルエステルとのそのコポリマー、例えば、Luviskol 0 VA37(BASF社製)、並びにポリアミド、例えばイタコン酸及び脂肪族ジアミンをベースとするもの(例えばDE-A-4333238に記載されている)など)。
【0205】
適切なポリマーはまた、Amphomer(National Starch社製)の名称で入手可能なオクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸tert-ブチルアミノエチル-メタクリル酸ヒドロキシプロピルコポリマーなどの両性又は双性イオン性ポリマー、並びに例えばドイツ特許出願DE3929973、DE2150557、DE2817369及びDE3708451に開示されている双性イオン性ポリマーである。塩化アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/アクリル酸又はメタクリル酸コポリマー並びにそのアルカリ金属及びアンモニウム塩が、好ましい双性イオン性ポリマーである。さらなる適切な双性イオン性ポリマーは、Amersette(AMERCHOL社製)の名称で市販されているメタクロイルエチルベタイン/メタクリル酸コポリマー、並びにメタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル及びアクリル酸のコポリマー(Jordapon(D))である。
【0206】
適切なポリマーはまた、非イオン性でシロキサン含有の水溶性又は水分散性ポリマー、例えば、Tegopren 0 (Goldschmidt社製)又はBesi & commat(Wacker社製)などのポリエーテルシロキサンである。
【0207】
同様に本発明は、アセチルサリチル酸、アトロピン、アズレン、ヒドロコルチゾン及びその誘導体(例えば、吉草酸ヒドロコルチゾン-17)、B及びD系のビタミン、特にビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンA及びその誘導体(レチニルパルミテートなど)、ビタミンE又はその誘導体(例えば、酢酸トコフェロールなど)、ビタミンC及びその誘導体(例えば、アスコルビルグルコシドなど)、またナイアシンアミド、パンテノール、ビサボロール、ポリドカノール、不飽和脂肪酸(例えば、必須脂肪酸(通常ビタミンFと称される)、特にγ-リノレン酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸及びその誘導体など)、クロラムフェニコール、カフェイン、プロスタグランジン、チモール、ショウノウ、スクアレン、野菜及び動物由来の抽出物又は他の生成物(例えば、月見草油、ルリヂサ油又はカロブ種油、魚油、タラ肝油並びにセラミド及びセラミド様化合物、香料抽出液、緑茶エキス、スイレン抽出液、カンゾウ抽出液、ハマメリス)、フケ防止活性化合物(例えば、二硫化セレン、亜鉛ピリチオン、ピロクトンオラミン、クリムバゾール、オクトピロックス、ポリドカノール及びこれらの組合せ)、複合活性化合物(例えば、γ-オリザノールの複合活性化合物など)、並びにカルシウム塩(パントテン酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウムなど)からなる群より好都合に選択される皮膚化粧用活性化合物(1種又は複数の化合物)と組み合わせた、分子インプリントポリマーの使用を提供する。加脂肪物質、例えば、ピュアセリンオイル、Eucerit(登録商標)及びNeocerit(登録商標)からなる群からの活性化合物を選択することもまた好都合である。1種又は複数の活性化合物は、さらに、本発明に係る配合物が、内因性及び/又は外因性の皮膚老化の徴候の処置及び予防のために、並びに皮膚及び毛髪への紫外線の悪影響の処置及び予防のために使用される場合、NO合成阻害剤の群から特に好都合に選択される。好ましいNO合成阻害剤は、ニトロアルギニンである。1種又は複数の活性化合物は、カテコール;カテコールの胆汁酸エステル;カテコール又はカテコールの胆汁酸エステル含有物を有する植物又は植物の部分に由来する水性又は有機抽出物(例えば、ツバキ科(Theaceae)の植物のファミリー、特に種チャノキ(Camellia sinensis)(緑茶)の葉など)を含む群から好都合にさらに選択される。これらの典型的な成分(例えば、ポリフェノール又はカテコール、カフェイン、ビタミン、糖類、ミネラル、アミノ酸、脂質)は、特に好都合である。カテコールは、水素化フラボン又はアントシアニジンとして理解すべき化合物の群であり、「カテコール」の誘導体(カテコール、3,3',4',5,7-フラバンペンタオール、2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)クロマン-3,5,7-トリオール)を表す。エピカテコール((2R,3R-3,3',4',5,7-フラバンペンタオール)は、本発明の目的のために好都合の活性化合物である。さらに好都合なものは、カテコール含有物を有する植物抽出物、特に緑茶の抽出液、例えば、ツバキ属の植物、とりわけ特に茶の品種である中国種(Camellia sinensis)、アッサム種(C.assamica)、タリエンシス(C.taliensis)、イナワジエンシス(C.inawadiensis)、及び、これらと例えばツバキ(Camellia japonica)との交配種の葉由来の抽出液などである。好ましい活性化合物はまた、(-)-カテコール、(+)-カテコール、(-)-カテコールガレート、(-)-ガロカテコールガレート、(+)-エピカテコール、(-)-エピカテコール、(-)-エピカテコールガレート、(-)-エピガロカテコール、及び(-)-エピガロカテコールガレートからなる群からのポリフェノール及びカテコールである。
【0208】
フラボン及びその誘導体(集合的に「フラボン類」と称される場合が多い)は、本発明の目的のために好都合な活性化合物である。それらは、下記の基本構造(置換位置を示す)を特徴とする:
【化14】

【0209】
好ましくは本発明に係る配合物中に使用することができるより重要なフラボン類のいくつかを、下記の表8に列挙する。
【表7】

【0210】
フラボンは、通常グリコシル化型として生じる。
【0211】
本発明においては、フラボノイドは、好ましくは一般式:
【化15】

【0212】
(式中、Z1からZ7は、互いに独立に、H基、OH基、アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基からなる群より選択され、アルコキシ基及びヒドロキシアルコキシ基は、分枝状又は枝分かれしておらず、1〜18個の炭素原子を有してもよく、Glyは、モノ及びオリゴグリコシド基からなる群より選択される)の物質からなる群より選択される。
【0213】
さらに、活性化合物(1種又は複数の化合物)はまた、親水性活性化合物、特に下記の群から非常に好都合に選択され得る:乳酸若しくはサリチル酸又はその塩(例えば、乳酸Na、乳酸Ca、乳酸TEAなど)などのα-ヒドロキシ酸;尿素、アラントイン、セリン、ソルビトール、グリセロール、乳タンパク質、パンテノール、又はキトサン。
【0214】
本発明に係る配合物中のこのような活性化合物(1種又は複数の化合物)の量は、配合物の全重量に基づいて、好ましくは0.001〜30重量%、特に好ましくは0.05〜20重量%、特に1〜10重量%である。本発明に係る配合物中に使用することができる特定の活性化合物及びさらなる活性化合物は、この時点でその全範囲を参照するDE10318526A1の12〜17頁に示されている。
【0215】
さらに、本発明は、例えば、ざ瘡又は脂性皮膚、角化症、酒さ、又は光過敏性、炎症性、紅斑性、アレルギー性又は自己免疫性反応などの皮膚の外観の望ましくない変化を防止するための、上記の配合物の使用に関する。
【0216】
本発明に係る組成物は、好ましくは皮膚保護組成物、スキンケア組成物、皮膚洗浄組成物、毛髪保護組成物、ヘアケア組成物、毛髪洗浄組成物、毛髪着色剤、うがい薬及び口内洗浄剤、又は装飾用化粧品のための配合物であり、これらは適用分野によって、好ましくは軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、ローション、ミルク、ペースト、ジェル、フォーム又はスプレーの形態で使用される。
【0217】
本発明に係る又は本発明の方法によって調製される、活性化合物で分子インプリントされたポリマーに加えて、本発明の皮膚化粧品は、ポリマー、顔料、湿潤剤、油、ワックス、酵素、ミネラル、ビタミン、サンスクリーン剤、染料、香料、抗酸化剤、保存料及び/又はすでに上記で列挙した医薬活性化合物の全てを含むことができる。
【0218】
さらに下記は、本発明の皮膚化粧品に適用される:
本発明に係る組成物の配合基剤は、化粧用又は皮膚化粧用/医薬として許容される助剤を好ましくは含む。医薬として許容される助剤は、薬学分野、食品技術及び関連する分野における使用が知られている助剤であり、特に関連する薬局方(例えば、DAB、Ph.Eur、BP、NF)において列挙されている助剤、及びその特性が生理的用途を妨げない他の助剤である。
【0219】
適切な助剤は、滑沢剤、湿潤剤、乳化剤及び懸濁剤、保存料、抗酸化剤、刺激防止剤、キレート剤、エマルション安定剤、皮膜形成剤、ゲル形成剤、臭気マスキング剤、樹脂、親水コロイド、溶媒、可溶化剤、中和剤、浸透促進剤、顔料、第四級アンモニウム化合物、加脂肪剤及び過脂肪剤、軟膏、クリーム又は油基剤、シリコーン誘導体、安定剤、滅菌剤、噴射剤、乾燥剤、乳白剤、増粘剤、ワックス、軟化剤、及びホワイトオイルとすることができる。これに関する配合物は、例えば、Fiedler, H. P. Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete [Dictionary of auxiliaries for pharmacy, cosmetics and related fields], 4th edition, Aulendorf: ECV-Editio-Kantor-Verlag, 1996に示されているような専門知識に基づいている。
【0220】
本発明に係る皮膚化粧用組成物を製造するために、活性化合物を適切な助剤(賦形剤)で混合又は希釈することができる。賦形剤は、活性化合物のためのビヒクル、担体又は媒体としての役割を果たすことのできる固形、半固形又は液体の材料でよい。さらなる助剤の混合は、所望であれば、当業者には公知の態様で行われる。さらに、ポリマー及び分散液は、調剤において、好ましくは固形剤形のためのコーティング組成物若しくは結合剤として、又はそれらの中にある助剤として適切である。それらは、クリーム中で、並びに錠剤コーティング組成物及び錠剤結合剤として使用することもできる。
【0221】
さらなる好ましい実施形態において、本発明に係る組成物は、皮膚及び毛髪のケア及び保護のための化粧品組成物、ネイルケア組成物、又は装飾用化粧品用の配合物である。
【0222】
適切な皮膚化粧用組成物は、例えば、フェースローション、フェースマスク、デオドラント及び他の化粧用ローションである。装飾用化粧品中に使用するための組成物には、例えば、コンシーラースティック、ステージメークアップ、マスカラ及びアイシャドウ、リップスティック、コールペンシル、アイライナー、ほお紅、パウダー及びアイブローペンシルが挙げられる。
【0223】
さらに、分子インプリントポリマーは、毛穴清浄のための毛穴パック、にきび止め組成物、忌避剤、ひげそり用組成物、ひげそり後(アフターシェーブ)及びひげそり前(プレシェーブ)のケア用組成物、日焼け後(アフターサン)のケア用組成物、除毛用組成物、毛髪着色剤、膣洗浄組成物(intimate care composition)、フットケア用組成物、及びベビーケアにおいて使用される。
【0224】
本発明に係るスキンケア組成物は、特に、W/O型又はO/W型スキンクリーム、デイクリーム及びナイトクリーム、アイクリーム、フェースクリーム、しわ取りクリーム、サンスクリーンクリーム、保湿クリーム、漂白クリーム、セルフタンニングクリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケア用ローション及び保湿ローションである。
【0225】
本発明に係る皮膚化粧用及び皮膚科用組成物は、本発明の及び/又は本発明の方法により生成された、活性化合物で分子インプリントされたポリマーに加えて、酸化プロセス及び関連する老化プロセス又は皮膚及び/若しくは毛髪へのダメージに対する保護として、フリーラジカルを分解する活性化合物もまた含むことができる。これらの活性化合物は、好ましくはその参照の内容が本明細書中に明確にされている特許出願WO/0207698号及びWO/03059312号に記載されている物質、好ましくはそこに記載されているホウ素含有化合物であり、それによって過酸化物又はヒドロペルオキシドを減少させ、フリーラジカルのその後の状態を形成することなく対応するアルコールにすることができる。さらに、一般式に示される立体障害アミンを、この目的のために使用することができる:
【化16】

【0226】
[式中、基Zは下記の意味を有する:H;C1〜C22アルキル基、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル若しくはドデシルなどのC1〜C12アルキル基;C1〜C22-アルコキシ基、好ましくはアルコキシメチル、アルコキシエチル、アルコキシプロピル、アルコキシイソプロピル、アルコキシブチル、アルコキシイソブチル、アルコキシ-sec-ブチル、アルコキシ-tert-ブチル、アルコキシペンチル、アルコキシイソペンチル、アルコキシネオペンチル、アルコキシ-tert-ペンチル、アルコキシヘキシル、アルコキシヘプチル、アルコキシオクチル、アルコキシノニル、アルコキシデシル、アルコキシウンデシル若しくはアルコキシドデシルなどのC1〜C12-アルコキシル基;フェニル基がC1〜C4アルキル基によって置換されていてもよい、フェニル及びナフチルなどのC6〜C10-アリール基;あるいは上記のようにC1〜C22アルキル基又はC1〜C22-アルコキシ基によって、好ましくはC1〜C12アルキル基又はC1〜C12-アルコキシ基によって置換されていてもよい、C6〜C10-O-アリール基;そして
基R1〜R6は互いに独立に、下記の意味を有する:H、OH、O、C1〜C22アルキル基、好ましくはC1〜C12アルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなど)、C1〜C22アルコキシル基、好ましくはC1〜C12アルコキシル基(アルコキシメチル、アルコキシエチル、アルコキシプロピル、アルコキシイソプロピル、アルコキシブチル、アルコキシイソブチル、アルコキシsec-ブチル、アルコキシ-tert-ブチル、アルコキシペンチル、アルコキシイソペンチル、アルコキシネオペンチル、アルコキシ-tert-ペンチル、アルコキシヘキシル、アルコキシヘプチル、アルコキシオクチル、アルコキシノニル、アルコキシデシル、アルコキシウンデシル、アルコキシドデシルなど)、フェニル基がC1〜C4アルキル基によって置換されていてもよい、フェニル及びナフチルなどのC6〜C10アリール基、あるいは上記のようにC1〜C22アルキル基又はC1〜C22アルコキシル基によって、好ましくはC1〜C12アルキル基又はC1〜C12アルコキシル基によって置換されてもよいC6〜C10O-アリール基]。
【0227】
組成物の全重量に基づいて、0.001〜1重量%(wt%)、好ましくは0.01〜0.1重量%、0.1〜1重量%の量の、立体障害アミンである3-ドデシル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)スクシンイミド、3-ドデシル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)スクシンイミド、3-オクチル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)スクシンイミド、3-オクチル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)スクシンイミド、3-オクテニル-N-(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)スクシンイミド、3-オクテニル-N-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)スクシンイミド、及び/又はUvinul(登録商標)5050Hの使用が特に好ましい。
【0228】
上記の本発明の化合物及び適切な担体に加えて、皮膚化粧用配合物は、上記のような皮膚化粧品において慣用のさらなる活性化合物及び助剤もまた含むことができる。これらには、好ましくは、乳化剤、保存料、香油、化粧用活性化合物、例えばフィタントリオール、ビタミンA、E及びC、レチノール、ビサボロール、パンテノール、サンスクリーン剤、漂白剤、着色物質、着色剤、タンニング剤、コラーゲン、タンパク質加水分解物、安定剤、pH調節剤、染料、塩、増粘剤、ゲル形成剤、粘度調節剤、シリコーン、湿潤剤、加脂肪剤及び/又はさらなる慣用の添加剤が挙げられる。
【0229】
皮膚化粧品及び皮膚化粧用組成物の好ましい油及び脂肪成分は、上記の鉱油及び合成油(例えば、パラフィン、シリコーン油など)、並びに8個超の炭素原子を有する脂肪族炭化水素、動物及び植物油(例えば、ヒマワリ油、ヤシ油、アボガド油、オリーブ油、若しくはラノリン)、又はワックス、脂肪酸、脂肪酸エステル(例えば、C6〜C30脂肪酸のトリグリセリドなど)、ワックスエステル(例えば、ホホバ油など)、脂肪アルコール、ワセリン、水添ラノリン及びアセチル化ラノリン、並びにこれらの混合物である。
【0230】
手ざわり感覚、拡散挙動、耐水性並びに/又は活性化合物及び顔料などの助剤の結合性を改善するなどの特定の特性を得るために、皮膚化粧品及び皮膚化粧用配合物は、シリコーン化合物をベースとするコンディショニング物質もさらに含むことができる。
【0231】
適切なシリコーン化合物は、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン又はシリコーン樹脂である。
【0232】
化粧用又は皮膚化粧用配合物は、当業者には公知の慣用の方法によって製造される。
【0233】
好ましくは、化粧用及び皮膚化粧用組成物は、エマルション、特に油中水型(W/O)又は水中油型(O/W)エマルションの形態で存在する。
【0234】
しかし、他のタイプの配合物、例えば、ゲル、油、オレオゲル、多層エマルション(例えば、W/O/W型又はO/W/O型エマルションの形態)、無水軟膏又は軟膏基剤などを選択することもまた可能である。水性分散物、ヒドロゲル又はピカリングエマルションなどの乳化剤を含有しない配合物もまた、好都合な実施形態である。
【0235】
エマルションは、公知の方法によって製造される。少なくとも1種類の分子インプリントポリマーに加えて、エマルションは、通常、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、特に、脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸、ラノリン及びその誘導体、天然油若しくは合成油又はワックス、並びに乳化剤などの慣用の成分を水の存在下で含む。エマルションの種類に特有の添加剤の選択及び適切なエマルションの製造は、例えば、参照により本明細書中に明示的に組み入れられるSchrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Principles and Recipes of Cosmetics], Huthig Buch Verlag, Heidelberg, 2nd edition, 1989, part 3、又はUmbach, Kosmetik: Entwicklung, Herstellung und Anwendung kosmetischer Mittel [Cosmetics: Development, Manufacture and Use of Cosmetic Agents], 2nd expanded edition, 1995, Georg Thieme Verlag, ISBN 3 13 712602 9, 122頁などにおいて記載されている。
【0236】
例えば、スキンクリームなどのためのW/O型エマルションの形態の適切なエマルションは、一般に、適切な乳化剤系を用いて油又は脂肪相中に乳化されている水相を含む。高分子電解質複合体は、水相を提供するために使用することができる。
【0237】
エマルションの脂肪相が含有することのできる好ましい脂肪成分は、パラフィン油、ピュアセリンオイル、ペルヒドロスクアレン及びこれらの油中の微晶質ワックスの溶液などの炭化水素油;甘扁桃油、アボガド油、テリハボク油、ラノリン及びその誘導体、ヒマシ油、ゴマ油、オリーブ油、ホホバ油、カリテ油、ヒウチダイ油などの動物又は植物油;例えば、ワセリン油などの大気圧下で蒸留開始点が約250℃であり、蒸留終点が410℃である鉱油;並びにミリスチン酸アルキル、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル又はミリスチン酸セチル、ステアリン酸ヘキサデシル、パルミチン酸エチル又はパルミチン酸イソプロピル、オクタン酸トリグリセリド又はデカン酸トリグリセリド及びリシノール酸セチルなどの飽和又は不飽和脂肪酸のエステルである。
【0238】
また脂肪相は、他の油に可溶性のシリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン及びシリコーングリコールコポリマー、脂肪酸及び脂肪アルコールを含むことができる。
【0239】
本発明に係る上記の化合物以外に、スキンケア組成物は、例えば、カルナバロウ、カンデリラロウ、ミツロウ、微晶質ワックス、オゾケライトワックス、並びにオレイン酸、ミリスチン酸、リノール酸、ステアリン酸Ca、Mg及びAlなどのワックスも含むことができる。
【0240】
さらに、本発明のエマルションは、O/W型エマルションの形態でもよい。このようなエマルションは通常、油相、水相中で油相を安定化させる乳化剤、及び粘稠な形態で通常存在する水相を含む。適切な乳化剤は、好ましくはポリグリセロールエステル、ソルビタンエステル又は部分エステル化グリセリドなどのO/W型乳化剤である。
【0241】
さらなる好ましい実施形態においては、本発明に係る組成物は、サンスクリーン組成物、シャワー用ジェル、シャンプー配合物又は入浴用調製物であり、サンスクリーン調製物が特に好ましい。
【0242】
このような配合物は、本発明に係る及び/又は本発明の方法によって生成した、活性化合物で分子インプリントされた少なくとも1種類のポリマーと、塩基性界面活性剤として慣用のアニオン性界面活性剤、並びに共界面活性剤として両性及び/又は非イオン性界面活性剤とを含む。さらなる適切な活性化合物及び/又は助剤は一般に、脂質、香油、染料、有機酸、保存料及び抗酸化剤、並びに増粘剤/ゲル形成剤、スキンコンディショニング剤及び湿潤剤から選択される。
【0243】
これらの配合物は、配合物の全重量に基づいて2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは8〜30重量%の界面活性剤を含む。
【0244】
洗浄、シャワー及び入浴用調製物では、体洗浄用組成物中に慣用的に使用される全てのアニオン性、中性、両性又はカチオン性界面活性剤を使用することができる。
【0245】
適切なアニオン性界面活性剤は、例えば、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキルコハク酸、アルキルスルホコハク酸、N-アルコイルサルコシン酸、アシルタウリン酸、アシルイソチオン酸、アルキルリン酸、アルキルエーテルリン酸、アルキルエーテルカルボン酸、及びαオレフィンスルホン酸の、特にアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩並びにアンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩である。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸塩は、分子中に1〜10個の酸化エチレン又は酸化プロピレン単位、好ましくは1〜3個の酸化エチレン単位を有することが可能である。
【0246】
これらには、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンが挙げられる。
【0247】
適切な両性界面活性剤は、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、グリシン酸アルキル、カルボキシグリシン酸アルキル、アンホ酢酸アルキル又はプロピオン酸アルキル、及びアンホ二酢酸アルキル又は二プロピオン酸アルキルである。
【0248】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン又はココアンホプロピオン酸ナトリウムを使用することができる。
【0249】
適切な非イオン性界面活性剤は、例えば、直鎖状でもよいし若しくは分枝状でもよいアルキル鎖中に6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコール又はアルキルフェノールと、酸化エチレン及び/又は酸化プロピレンとの反応生成物である。酸化アルキレンの量は、アルコール1モル当たり約6〜60molである。さらに、アルキルアミンオキシド、モノ若しくはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、エトキシ化脂肪酸アミド、アルキルポリグリコシド又はソルビタンエーテルエステルが適切である。
【0250】
さらに、洗浄、シャワー及び入浴用調製物は、慣用の例えば第四級アンモニウム化合物などのカチオン性界面活性剤、例えば塩化セチルトリメチルアンモニウムを含むことができる。
【0251】
さらに、シャワー用ジェル/シャンプー配合物は、増粘剤、例えば、塩化ナトリウム、PEG-55、オレイン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸PEG-120メチルグルコースなど、また保存料、さらなる活性化合物、並びに助剤及び水を含むことができる。
【0252】
ヘアトリートメント組成物
さらなる好ましい実施形態において、本発明の皮膚化粧品は、ヘアトリートメント組成物である。
【0253】
好ましくは、本発明に係るヘアトリートメント組成物は、セット用フォーム組成物、ヘアムース、ヘアジェル、シャンプー、ヘアスプレー、ヘアフォーム、仕上げ液、パーマ用の中和剤、毛髪染料及び漂白組成物又は「ホットオイルトリートメント」の形態である。使用する分野に応じて、毛髪化粧用配合物は、(エアロゾル)スプレー、(エアロゾル)フォーム、ジェル、ジェルスプレー、クリーム、ローション又はワックスとして塗布することができる。ここでヘアスプレーには、エアロゾルスプレー及びまた噴射ガスを含まないポンプスプレーの両方が含まれる。ヘアフォームには、エアロゾルフォーム及びまた噴射ガスを含まないポンプフォームの両方が含まれる。ヘアスプレー及びヘアフォームには、大部分又は全てが水溶性又は水分散性の成分が好ましくは含まれる。本発明に係るヘアスプレー及びヘアフォーム中に使用される化合物が水中で分散性である場合、粒径が通常1〜350nm、好ましくは1〜250nmの水性マイクロディスパージョンの形態でそれらを使用することができる。ここではこれらの配合物の固形分含量は、通常約0.5〜20重量%の範囲である。これらのマイクロディスパージョンは、その安定化のために乳化剤又は界面活性剤を通常必要としない。
【0254】
さらなる成分は、化粧品において慣用の添加剤、例えば、噴射剤、消泡剤、界面活性化合物、すなわち界面活性剤(サーファクタント)、乳化剤、泡形成剤及び可溶化剤を意味すると理解すべきである。使用される界面活性化合物は、アニオン性、カチオン性、両性又は中性とすることができる。さらなる慣用の成分はまた、例えば、保存料、香油、乳白剤、活性化合物、UVフィルター、ケア用物質(パンテノール、コラーゲン、ビタミンなど)、タンパク質加水分解物、α-及びβ-ヒドロキシカルボン酸、安定剤、pH調節剤、染料、粘度調整剤、ゲル形成剤、塩、湿潤剤、加脂肪剤、錯化剤並びにさらなる慣用の添加剤でもよい。
【0255】
極めて特定の特性を得ようとする場合は、分子インプリントポリマーと組み合わせて使用することができる、化粧品において公知の全てのスタイリング及びコンディショニングポリマーもまたここに含まれる。
【0256】
適切な従来の毛髪化粧用ポリマーは、例えば、上記のカチオン性、アニオン性、中性、非イオン性及び両性ポリマーであり、それについて本明細書で参照している。
【0257】
特定の特性を確立するために、配合物はさらにまたシリコーン化合物をベースとするコンディショニング物質を含むことができる。適切なシリコーン化合物は、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン、シリコーン樹脂又はジメチコンコポリオール(CTFA)及びアモジメチコン(CTFA)などのアミノ官能性シリコーン化合物である。
【0258】
噴射剤は、ヘアスプレー又はエアロゾルフォームに慣用的に使用される噴射剤である。プロパン/ブタン混合物、ペンタン、ジメチルエーテル、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、二酸化炭素、窒素又は圧縮空気が好ましい。
【0259】
使用することのできる乳化剤は、ヘアフォームにおいて通常使用される全ての乳化剤である。適切な乳化剤は、非イオン性、カチオン性若しくはアニオン性又は両性でもよい。非イオン性乳化剤(INCI命名法)の例は、ラウレス、例えばラウレス-4、セテス、例えばセテス-1、ポリエチレングリコールセチルエーテル、セテアレス、例えばセテアレス-25、ポリグリコール脂肪酸グリセリド、水酸化レシチン、脂肪酸のラクチルエステル、アルキルポリグリコシドである。
【0260】
カチオン性乳化剤の例は、リン酸二水素セチルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウム、塩化セチルトリモニウム、臭化セチルトリモニウム、メチル硫酸ココトリモニウム、クオタニウム-1〜x(INCI)である。
【0261】
アニオン性乳化剤は、例えば、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキルコハク酸、アルキルスルホコハク酸、N-アルコイルサルコシン酸、アシルタウリン酸、アシルイセチオン酸、アルキルリン酸、アルキルエーテルリン酸、アルキルエーテルカルボン酸、及びαオレフィンスルホン酸の、特にアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩並びにアンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩からなる群より選択することができる。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸塩は、分子中に1〜10個の酸化エチレン又は酸化プロピレン単位、好ましくは1〜3個の酸化エチレン単位を有することが可能である。
【0262】
使用することができるゲル形成剤は、化粧品において慣用の全てのゲル形成剤である。これらには、僅かに架橋されているポリアクリル酸、例えば、カルボマー(カルボマー)(INCI)、セルロース誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン変性セルロース、多糖類、例えば、キサンタンガム、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、アクリル酸ナトリウムコポリマー、ポリクオタニウム-32(及び)液体パラフィン(鉱油)(INCI)、アクリル酸ナトリウムコポリマー(及び)液体パラフィン(及び)PPG-1トリデセス-6、塩化アクリルアミドプロピルトリモニウム/アクリルアミドコポリマー、ステアレス-10アリルエーテル、アクリル酸コポリマー、ポリクオタニウム-37(及び)液体パラフィン(及び)PPG-1トリデセス-6、ポリクオタニウム-37(及び)ジカプリン酸/ジカプリル酸プロピレングリコール(及び)PPG-1トリデセス-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-44が挙げられる。
【0263】
シャンプー配合物中では、シャンプー中に慣用的に使用される全てのアニオン性、中性、両性又はカチオン性界面活性剤を使用することができる。
【0264】
適切なアニオン性界面活性剤は、例えば、アルキル硫酸、アルキルエーテル硫酸、アルキルスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキルコハク酸、アルキルスルホコハク酸、N-アルコイルサルコシン酸、アシルタウリン酸、アシルイソチオン酸、アルキルリン酸、アルキルエーテルリン酸、アルキルエーテルカルボン酸、及びαオレフィンスルホン酸の、特に、アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩並びにアンモニウム塩及びトリエタノールアミン塩である。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸塩は、分子中に1〜10個の酸化エチレン又は酸化プロピレン単位、好ましくは1〜3個の酸化エチレン単位を有することが可能である。
【0265】
適切なものは、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンである。
【0266】
適切な両性界面活性剤は、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、グリシン酸アルキル、カルボキシグリシン酸アルキル、アンホ酢酸アルキル又はプロピオン酸アルキル、アンホ二酢酸アルキル又は二プロピオン酸アルキルである。
【0267】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン又はココアンホプロピオン酸ナトリウムを使用することができる。
【0268】
適切な非イオン性界面活性剤は、例えば、直鎖状でもよいし若しくは分枝状でもよいアルキル鎖中に6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコール又はアルキルフェノールと、酸化エチレン及び/又は酸化プロピレンとの反応生成物である。酸化アルキレンの量は、アルコール1モル当たり約6〜60molである。さらに、アルキルアミンオキシド、モノ若しくはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド又はソルビタンエーテルエステルが適切である。
【0269】
さらに、シャンプー配合物は、慣用のカチオン性界面活性剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、例えば塩化セチルトリメチルアンモニウムなどを含むことができる。
【0270】
シャンプー配合物中に、特定の効果を実現するために、分子インプリントポリマーと組み合わせて、慣用のコンディショニング剤を使用することができる。
【0271】
これらには、例えば、INCI名ポリクオタニウムの上記のカチオン性ポリマー、特にビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat FC、Luviquat&commat、HM、Luviquat MS、Luviquat Care)、硫酸ジエチルで四級化したN-ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマー(Luviquat D PQ11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩のコポリマー(Luviquat D Hold)、カチオン性セルロース誘導体(ポリクオタニウム-4及び-10)、アクリルアミドコポリマー(ポリクオタニウム-7)が挙げられる。さらに、タンパク質加水分解物を使用することができ、またシリコーン化合物をベースとするコンディショニング物質、例えば、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン又はシリコーン樹脂も使用することができる。さらなる適切なシリコーン化合物は、ジメチコンコポリオール(CTFA)及びアミノ官能性シリコーン化合物(アモジメチコン(CTFA)など)である。さらに、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI)などのカチオン性グアー誘導体を使用することができる。
【0272】
さらなる実施形態では、この毛髪化粧用又は皮膚化粧用配合物は、皮膚又は毛髪のケア及び保護に役立ち、エマルション、分散液、懸濁液、水性界面活性剤調製物、ミルク、ローション、クリーム、バルサム、軟膏、ジェル、顆粒、粉末、例えば口紅などのスティック調製物、フォーム、エアロゾル又はスプレーの形態である。このような配合物は、局所用調製物に非常に適切である。適切なエマルションは、水中油型エマルション及び油中水型エマルション又はマイクロエマルションである。
【0273】
一般に毛髪化粧用又は皮膚化粧用調製物は、皮膚(局所用)又は毛髪への塗布に使用される。局所用配合物はここでは、微細な分散状態で、好ましくは皮膚を通して吸収できる形態で、活性化合物を皮膚に塗布するのに適切である配合物を意味すると理解される。この目的に適切なものは、例えば、水性溶液及び含水アルコール溶液、スプレー、フォーム、フォームエアロゾル、軟膏、水性ゲル、O/W型又はW/O型のエマルション、マイクロエマルション又は化粧用スティック調製物である。
【0274】
本発明に係る化粧用組成物の好ましい一実施形態では、組成物は担体を含む。好ましい担体は、水、気体、水ベースの液体、油、ゲル、エマルション又はマイクロエマルション、分散液、あるいはこれらの混合物である。特定の担体は、良好な皮膚適合性を示す。局所用調製物に特に好都合なのは、水性ゲル、エマルション又はマイクロエマルションである。
【0275】
使用することができる乳化剤は、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はアニオン性乳化剤である。乳化剤は、組成物に基づいて、0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の量で本発明に係る組成物中に存在し得る。
【0276】
使用される非イオン性界面活性剤は、例えば、下記の群の少なくとも1種類からの界面活性剤である:
8〜22個の炭素原子を有する直鎖状脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、及びアルキル基中に8〜15個の炭素原子を有するアルキルフェノールと、2〜30molの酸化エチレン及び/又は0〜5molの酸化プロピレンとの付加生成物、
1〜30molの酸化エチレンとグリセロールとの付加生成物のC12/18-脂肪酸モノエステル及びジエステル、
6〜22個の炭素原子を有する飽和及び不飽和脂肪酸並びにその酸化エチレン付加生成物のグリセロールモノエステル及びジエステル並びにソルビタンモノエステル及びジエステル、
アルキル基中に8〜22個の炭素原子を有するアルキルモノグリコシド及びオリゴグリコシド、並びにそのエトキシ化類似体、
ヒマシ油及び/又は硬化ヒマシ油と15〜60molの酸化エチレンとの付加生成物、
ポリオールエステル、特にポリグリセロールエステル、例えば、ポリリシノール酸ポリグリセロール、ポリ-12-ヒドロキシステアリン酸ポリグリセロール又はダイマー酸ポリグリセロールなど(同様に、これらの物質クラス由来の複数からの化合物の混合物も適している)、
ヒマシ油及び/又は硬化ヒマシ油と2〜15molの酸化エチレンとの付加生成物、
直鎖状、分枝状、不飽和又は飽和のC6/22脂肪酸、リシノール酸、12-ヒドロキシステアリン酸及びグリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)、並びにポリグルコシド(例えば、セルロース)をベースとする部分エステル、
モノ-、ジ-及びトリアルキルホスフェート、モノ-、ジ-及び/又はトリ-PEGアルキルホスフェート、並びにその塩、
羊毛ワックスアルコール、
ポリシロキサン-ポリアルキルポリエーテルコポリマー及び対応する誘導体、
独国特許第1165574号に開示されているペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸及び脂肪アルコールの混合エステル、並びに/又は6〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、メチルグルコース、及びポリオール、好ましくはグリセロール又はポリグリセロール、及びポリアルキレングリコールの混合エステル。
【0277】
さらに、双性イオン性界面活性剤を、乳化剤として使用することができる。分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基、及び少なくとも1個のカルボン酸基又はスルホン酸基を有する界面活性化合物を双性イオン性界面活性剤と呼ぶ。特に適切な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタインであり、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート(例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、及び2-アルキル-3-カルボキシルメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(いずれの場合にも、アルキル基又はアシル基中に8〜18個の炭素原子を有する)、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートなどである。CTFA名コカミドプロピルベタインで知られている脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。
【0278】
同様に適切な乳化剤は、両性界面活性剤である。両性界面活性剤は、C8/18-アルキル基又は-アシル基以外に、分子中に少なくとも1個の遊離アミノ基及び少なくとも1個の-COOH-基又は-SO3H基を含み、内部塩を形成することができる界面活性化合物を意味すると理解される。適切な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸(いずれの場合にも、アルキル基中に約8〜18個の炭素原子を有する)である。
【0279】
特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオン酸塩、ココアシルアミノエチルアミノプロピオン酸塩及びC12/18-アシルサルコシンである。両性乳化剤以外に、第四級乳化剤もまた可能であり、エステルクアット(ester quat)型のもの、好ましくはメチル四級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。さらに、使用し得るアニオン性乳化剤は、アルキルエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩、脂肪酸硫酸塩、スルホコハク酸塩及び/又はエーテルカルボン酸である。
【0280】
可能な油物質は、6〜18個、好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールをベースとするゲルベアルコール;直鎖状C6〜C22-脂肪酸と直鎖状C6〜C22-脂肪アルコールとのエステル;分枝状C6〜C13-カルボン酸と直鎖状C6〜C22-脂肪アルコールとのエステル;直鎖状C6〜C22-脂肪酸と分枝状アルコール、特に2-エチルヘキサノールとのエステル;直鎖状及び/又は分枝状脂肪酸と、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオール又はトリマートリオールなど)及び/又はゲルベアルコールとのエステル;C6〜C10-脂肪酸をベースとするトリグリセリド;C6〜C18-脂肪酸をベースとする液体モノ/ジ、トリグリセリド混合物;C6〜C22-脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと、芳香族カルボン酸、特に安息香酸とのエステル;C2〜C12-ジカルボン酸と、1〜22個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分枝状アルコール、又は2〜10個の炭素原子及び2〜6個ヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル;植物油;分枝状第一級アルコール;置換シクロヘキサン;直鎖状C6〜C22脂肪アルコール炭酸エステル;ゲルベ炭酸エステル;安息香酸と直鎖状及び/又は分枝状C6〜C22-アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標)TN);ジアルキルエーテル;エポキシ化脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物;シリコーン油及び/又は脂肪族若しくはナフテン系炭化水素である。使用し得る油物質はまた、シリコーン化合物、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにアミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、アルキル-及び/又はグリコシド修飾型シリコーン化合物であり、これは室温で液体の形態又は樹脂の形態でもよい。油物質は、本発明に係る組成物中に、組成物に基づいて1〜90重量%、好ましくは5〜80重量%、及び特に10〜50重量%の量で存在し得る。
【0281】
言及した成分のリストは、当然、網羅的又は限定的とみなされるものではない。これらの成分は個々に、又は、互いの所望の組合せで用いることができる。
【0282】
実施例1:テンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーの合成
2リットルHWS反応器に、凝縮器、攪拌器モーター、錨型攪拌器、ガラスフリット付き窒素流入管、Pt100熱センサー2本付きJulabo LC3実験調節器、浸漬ヒーター及び磁石式攪拌器付きオイルバスを取り付け、さらにそれぞれポンプヘッド(0〜1ml/分)を有する開始剤及びモノマー計量投入用HPLCポンプ(Bischoff社)も2台取り付けた。装置を窒素でフラッシュしてから試験を開始した。全試験の間、溶液の中には窒素をおよそ10L/時の体積流量速度で通した。反応容器中に800mlのアセトニトリル(AcN)溶媒を導入し、これに17.25gのα-トコフェロール(テンプレート)を溶解させた。
【0283】
さらにメタクリル酸6.12g及びトリメチロールプロパントリメタクリレート(TRIM)73.51gのアセトニトリル250ml溶液(溶液1)を調製した。後のHPLC分析のために1mlを溶液1から取り出した。残っている溶液1の半分を反応器中の初期混合物に添加し、攪拌しながら(100回/分)これと混合した。続いて、HPLC分析のために1mlのサンプルを反応器から取り出した。
【0284】
反応器に開始剤の1/4量(すなわち0.532g)を加え、激しく攪拌することによって開始剤の溶解を促進した後、後のHPLC分析のために1mlのサンプルを取り出した。
【0285】
反応器中のこの初期混合物を攪拌しながら75℃に加熱し、1mlサンプルをここでも採取した。
【0286】
さらなる溶液(溶液2)を、具体的には開始剤の残りの3/4(したがって1.594g)を250mlのアセトニトリルに溶解させることにより調製した。
【0287】
溶液1の残りの半分と溶液2を反応器の中に2台のHPLCポンプを用いて18時間かけて計量投入した。計量流量は、溶液1については0.153ml/分、溶液2については0.232ml/分であった。
【0288】
続いての後半の反応時間は6時間であり、したがって全反応時間は24時間であった。各1時間完了毎に、反応混合物からサンプル1mlを採取し、濾過の後、HPLC分析に付した。
【0289】
重合の完了後、反応器からポリマー懸濁液を取り出し、吸引フィルターを用いて濾過した。濾過ケーキを各回100mlのアセトニトリルで3回洗浄し、50℃で真空乾燥させた。
【0290】
実施例b):
2リットルHWS反応器に、凝縮器、攪拌器モーター、錨型攪拌器、ガラスフリット付き窒素流入管、Pt100熱センサー2本付きJulabo LC3実験調節器、浸漬ヒーター及び磁石式攪拌器付きオイルバスを取り付けた。装置を窒素でフラッシュしてから試験を開始した。全試験の間、溶液の中には窒素をおよそ10L/時の体積流量速度で通した。反応容器中に1000mlのアセトニトリル(AcN)溶媒を導入し、これに17.25gのα-トコフェロール(テンプレート)、6.12gのメタクリル酸及び76.32gのトリメチロールプロパントリメタクリレートを溶解させた。この反応物を攪拌(100回/分)しながら65℃に加熱し、HPLC分析のためにサンプルを採取した。最後に0.564gの2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(開始剤)を5mlのアセトニトリルに溶解させた。この溶液を反応器内容物中にゆっくり注入した。各1時間完了毎に、反応混合物からサンプル10mlを採取し、濾過の後、HPLC分析に付した。全反応時間は5時間であった。重合の完了後、反応器からポリマー懸濁液を取り出し、吸引フィルターを用いて濾過した。濾過ケーキを各回100mlのアセトニトリルで3回洗浄し、50℃で真空乾燥させた。
【0291】
実施例2:ポリマーからの活性化合物の抽出
500ml丸底フラスコに、ソックスレー装置、凝縮器、磁石式攪拌器及び実験調節器(PT 100 2個付きJulabo LC 3)を取り付け、オイルバスに浸漬した。400mlのメタノール/氷酢酸(7:1、体積/体積)が入ったソックスレー装置で8gのポリマーを6〜8時間抽出し(抽出物1)、その後400mlのメタノールで6時間抽出した(抽出物2)。抽出物を集め、その体積を決定し、HPLCによるα-トコフェロール濃度の決定のために各回サンプル2mlを冷蔵庫に4℃で保存した。
【0292】
実施例3:ポリマーへの化粧用活性化合物の導入
ソックスレー抽出で得られたポリマーを乾燥させた後、1gのポリマーを10mlの0.14mol/lフィプロニル溶液(0.14mol/l α-トコフェロール溶液の調製:3gのα-トコフェロールを50mlのアセトニトリルに溶解させる)と混合した。3時間の作用時間の後、遠心分離(3,800rpmで15分)とデカンテーションによりポリマーから液体を分離した。ポリマーは、50℃で真空乾燥させた。
【0293】
実施例4:分子インプリントポリマーからの化粧用活性化合物の制御放出
Millipore限外濾過セル(model 8400)を、貯蔵容器(内容物:水)としての5リットルプラスチック製容器につないだ。セルを100mgのポリマー/100mlの水の分散液で満たし、限外濾過セル内に組み込まれた磁石式攪拌器で均質になるまで15分間攪拌した。高圧をかけることなく抽出媒体(水)を貯蔵容器からセルの中へ送った。セルから流れ出る抽出物は、セルの下側にある回収容器の中へ送られた。最後に、個々の画分の体積、重量及び時間を測定し、各画分からは2mlのサンプルを取り出した。試験期間中には数個の画分を回収した。これらのサンプルは0.45μlフィルターで濾過し、HPLCによるα-トコフェロール濃度の決定のために冷蔵庫で4℃で保存した。試験の終了後、限外濾過容器から分散液を取り出し、容器中に移した。
【0294】
実施例5:分子インプリントポリマーからの化粧用活性化合物の制御放出
最初に100mgの分子インプリントポリマーを250ml三角フラスコに導入した。次に100mlの抽出媒体(pH調整した水)を加え、フラスコを閉じ、懸濁液を室温で6時間攪拌した。30分毎に、各回1mlのサンプル量でサンプルを採取した。最後に生成物を吸引濾過し、HPLCのために濾液から1mlのサンプルを採取した。このようにして試験期間において13のサンプルを回収した(t=0時のサンプルを含む)。これらのサンプルは0.45μlフィルターで濾過し、注入ボトルに移し、HPLCによるα-トコフェロールの測定に使用した。
【0295】
皮膚化粧用配合物の例
実施例1において調製した、テンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーを含む、本発明に係る皮膚化粧用配合物を以下で説明する。このテンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーを以下の実施例においてMIPと称する。記載された活性化合物で分子インプリントされた他のポリマー全てについて、代表的にテンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーを以下の実施例において説明する。当業者には、記載する他の活性化合物の全てを実施例1に従って調製し、そして以下に説明するように配合物中で使用可能であることは言うまでもない。
【0296】
実施例8:フェイスクレンジングローション(O/W型)におけるMIPの使用

AC 1 %:
% 成分 (INCI)
A 10.0 エチルヘキサン酸セテアリル
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
2.0 PEG-40 硬化ヒマシ油
B 3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, アクリル酸ナトリウムコポリマー
C 1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
適量 保存料
適量 香油
D 3.0 ポリクオタニウム-44
0.5 ココトリモニウムメト硫酸
0.5 セテアレス-25
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
0.1 EDTA二ナトリウム
1.0 約5%MIPを含む水溶液
60.7 脱塩水
【0297】
AC 5 %:
% 成分 (INCI)
A 10.0 エチルヘキサン酸セテアリル
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
1.5 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
2.0 PEG-40 硬化ヒマシ油
B 3.5 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド, アクリル酸ナトリウムコポリマー
C 1.0 酢酸トコフェロール
0.2 ビサボロール
適量 保存料
適量 香油
D 3.0 ポリクオタニウム-44
0.5 ココトリモニウムメト硫酸
0.5 セテアレス-25
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
4.0 プロピレングリコール
0.1 EDTA二ナトリウム
5.0 約5%MIPを含む水溶液
56.7 脱塩水
【0298】
調製:相Aを溶解する。相Bを撹拌しながら相Aに入れ、相A及び相Bの混合物に相Cを入れる。相Dを溶解し、相A、相B及び相Cの混合物に入れて攪拌し、ホモジナイズする。その後15分間撹拌する。
【0299】
実施例9:デイリーケア用ボディスプレーにおけるMIPの使用

AC 1 %:
% 成分 (INCI)
A 3.0 メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
1.0 ポリクオタニウム-44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 安息香酸C12-15アルキル
3.0 グリセリン
1.0 酢酸トコフェロール
0.3 ビサボロール
1.0 約5%MIPを含む水溶液
59.2 アルコール
【0300】
AC 5 %:
% 成分 (INCI)
A 3.0 メトキシケイヒ酸エチルヘキシル
2.0 ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート
1.0 ポリクオタニウム-44
3.0 プロピレングリコール
2.0 パンテノール, プロピレングリコール
1.0 シクロペンタシロキサン, シクロヘキサシロキサン
10.0 オクチルドデカノール
0.5 PVP
10.0 カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド
3.0 安息香酸C12-15アルキル
3.0 グリセリン
1.0 酢酸トコフェロール
0.3 ビサボロール
5.0 約5%MIPを含む水溶液
55.2 アルコール
【0301】
調製:相Aの成分を計量していれ、透明溶液が得られるまで溶解させる。
【0302】
実施例17:ビサボロールを含むW/O型エマルションにおけるMIPの使用

AC 1 %:
% 成分 (INCI)
A 6.0 PEG-7 硬化ヒマシ油
8.0 エチルヘキサン酸セテアリル
5.0 ミリスチン酸イソプロピル
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー
B 5.0 グリセリン
0.7 硫酸マグネシウム
55.6 脱塩水
C 1.0 約5%MIPを含む水溶液
0.5 酢酸トコフェロール
0.6 ビサボロール
【0303】
AC 5 %:
% 成分 (INCI)
A 6.0 PEG-7 硬化ヒマシ油
8.0 エチルヘキサン酸セテアリル
5.0 ミリスチン酸イソプロピル
15.0 鉱油
0.3 ステアリン酸マグネシウム
0.3 ステアリン酸アルミニウム
2.0 PEG-45/ドデシルグリコールコポリマー
B 5.0 グリセリン
0.7 硫酸マグネシウム
51.6 脱塩水
C 5.0 約5%MIPを含む水溶液
0.5 酢酸トコフェロール
【0304】
調製:相Aと相Bをそれぞれ別々に約85℃まで加熱する。相Bを撹拌しながら相Aに入れてホモジナイズする。撹拌しながら約40℃まで冷却し、相Cを加え、再度簡単にホモジナイズする。撹拌しながら室温まで冷却する。
【0305】
実施例24:スタイリングフォーム

AC 1 %
% 成分 (INCI)
A 2.00 ココトリモニウムメト硫酸
適量 香油

B 72.32 脱塩水
2.00 VP/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー
0.53 AMP
1.00 約5%MIPを含む水溶液
0.20 セテアレス-25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン-4
0.20 アモジメチコン, 塩化セトリモニウム, トリデセス-12
15.00 アルコール

C 0.20 ヒドロキシエチルセルロース

D 6.00 プロパン/ブタン
【0306】
AC 5 %
% 成分 (INCI)
A 2.00 ココトリモニウムメト硫酸
適量 香油

B 68.32 脱塩水
2.00 VP/アクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー
0.53 AMP
5.00 約5%MIPを含む水溶液
0.20 セテアレス-25
0.50 パンテノール
0.05 ベンゾフェノン-4
0.20 アモジメチコン, 塩化セトリモニウム, トリデセス-12
15.00 アルコール

C 0.20 ヒドロキシエチルセルロース

D 6.00 プロパン/ブタン
【0307】
調製:相Aの成分を混合する。相Bの成分を順次に添加し、溶解させる。A及びBの混合物に相Cを溶解させ、続いてpHを6〜7に調整する。相Dと共に容器に入れる。
【0308】
実施例36:液状メイクアップ(O/W型)
AC 1 %
% 成分 (INCI)
A 2.0 セテアレス-6, ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
6.0 ステアリン酸グリセリル
1.0 セチルアルコール
8.0 鉱油
7.0 エチルヘキサン酸セテアリル
0.2 ジメチコン

B 3.0 プロピレングリコール
1.0 パンテノール
適量 保存料
61.9 脱塩水

C 0.1 ビサボロール
1.0 約5%MIPを含む水溶液
適量 香油

D 5.7 C. I. 77 891. 二酸化チタン
1.1 酸化鉄
【0309】
AC 5 %
% 成分 (INCI)

A 2.0 セテアレス-6, ステアリルアルコール
2.0 セテアレス-25
6.0 ステアリン酸グリセリル
1.0 セチルアルコール
8.0 鉱油
7.0 エチルヘキサン酸セテアリル
0.2 ジメチコン

B 3.0 プロピレングリコール
1.0 パンテノール
適量 保存料
57.9 脱塩水

C 0.1 ビサボロール
5.0 約5%MIPを含む水溶液
適量 香油

D 5.7 C. I. 77 891. 二酸化チタン
1.1 酸化鉄
【0310】
調製:相Aと相Bを別々に約80℃まで加熱する。相Bを撹拌しながら相Aに入れてホモジナイズする。撹拌しながら約40℃まで冷却し、相Cと相Dを加え、再度十分にホモジナイズする。撹拌しながら室温まで冷却する。
【0311】
実施例37:
実施例1において調製した、テンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーを含む、本発明に係る皮膚化粧用配合物を以下で説明する。このテンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーを以下の実施例においてMIPと称する。記載された活性化合物で分子インプリントされた他のポリマー全てについて、代表的にテンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーを以下の実施例において説明する。当業者には、記載する他の活性化合物の全てを実施例1に従って調製し、そして以下に説明するように配合物中で使用可能であることは言うまでもない。
【0312】
記載する活性化合物で分子インプリントされたポリマーは固形物として使用する。以下のデータは重量部である。
【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【0313】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【0314】
実施例38:
以下の配合に、少なくとも1種の無機顔料(好ましくは酸化亜鉛及び/又は二酸化チタン)と、有機UV-Aフィルター及びUV-Bフィルターと、実施例1において調製した、テンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーの組み合わせを含む化粧用サンスクリーン配合物を記載する。このテンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーを以下の実施例においてMIPと称する。記載された活性化合物で分子インプリントされた他のポリマー全てについて、代表的にテンプレート分子としてα-トコフェロールで分子インプリントされたポリマーを以下の実施例において説明する。当業者には、記載する他の活性化合物の全てを実施例1に従って調製し、そして以下に説明するように配合物中で使用可能であることは言うまでもない。
【0315】
好ましくは、分子インプリントポリマーにおけるテンプレート分子は有機UVフィルターであり、記載する放出機構を介して皮膚に放出される。
【0316】
以下に記載する配合物は、当業者に公知の慣用的方法において調製する。
【0317】
活性化合物で分子インプリントされたポリマーの含有量は100%である。本発明に係る活性化合物で分子インプリントされたポリマーは、純粋形態で又は水溶液として用いることができる。水溶液の場合には、水含量は特定の配合物に適合するように調整する必要がある。
【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【表36】

【表37】

【表38】

【表39】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 少なくとも1種の活性化合物、
- 該活性化合物の存在下で分子インプリントされた少なくとも1種のポリマー、及び
- 少なくとも1種の脂肪相
を含む化粧又は皮膚科用配合物。
【請求項2】
ポリマー-活性化合物複合体からの活性化合物の放出速度がpH7よりもpH5において高いものである、請求項1記載の配合物。
【請求項3】
ポリマーが、共重合形態で、
(a)フリーラジカル重合によって重合されうる、二重結合を有する少なくとも1種の化合物、及び
(b)フリーラジカル重合によって重合されうる、少なくとも2つの非共役二重結合を有する少なくとも1種の化合物
を含む、請求項1又は2記載の配合物。
【請求項4】
化合物(a)が、
(a1)フリーラジカル重合によって重合されうる、アニオン性又はアニオン生成(aniogenic)化合物
(a2)α,β-エチレン性不飽和カルボン酸のエステル
(a3)α,β-エチレン性不飽和カルボン酸のアミド
(a4)ビニルアルコール又はアリルアルコールとC1-C30-モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル、ビニル芳香族、ビニルラクタム、ビニルイミダゾール、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、C2-C8-モノオレフィン、少なくとも2つの非共役二重結合を有する非芳香族炭化水素、及び
(a5)それらの混合物
からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の配合物。
【請求項5】
化合物(a1)が、フリーラジカル重合により重合することができ、場合により脱プロトン化COOH基を有していてもよい化合物から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の配合物。
【請求項6】
ポリマーと活性化合物の重量比が1:10〜100:1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の配合物。
【請求項7】
クリーム、フォーム、スプレー、ジェル、ジェルスプレー、ローション、オイル、オイルジェル又はムースの形態である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の配合物。
【請求項8】
化粧又は皮膚科用配合物における分子インプリントポリマーの使用。
【請求項9】
配合物が皮膚化粧用配合物である、請求項8記載の使用。
【請求項10】
活性化合物の存在下における沈殿重合によりポリマーを調製するステップを含む、請求項1〜7のいずれか1項に定義される分子インプリントポリマーの製造方法。
【請求項11】
(1)少なくとも1種の化合物(a)を少なくとも1種の活性化合物と適切な溶媒中で混合し、少なくとも1種の化合物(b)を加えて、重合を開始させる、
又は
(2)少なくとも1種の化合物(a)を少なくとも1種の活性化合物(b)と適切な溶媒中で混合し、続いて重合を開始させる
ものである、請求項10記載の方法。
【請求項12】
ケラチン表面の処理方法であって、ケラチン表面を分子インプリントポリマーと接触させるステップを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−503715(P2010−503715A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528688(P2009−528688)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059683
【国際公開番号】WO2008/034764
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】