説明

分子制御製膜法と太陽電池,EL,光スイッチへの応用

【課題】 スループットの高いMolecular Layer Deposition(MLD)プロセス,および高性能太陽電池,エレクトロルミネッセンス素子,光スイッチの実現。
【解決手段】
本発明の,反応性分子ガスを異なる分子領域に分離して配置し,基体または分子領域を移動させることにより行う分子領域分割型MLDは,課題解決の有力手段となる。また,太陽電池,エレクトロルミネッセンス素子,光スイッチに,MLDにより分子配列制御したポリマ鎖/薄膜を組み込むことは,課題解決の有力手段となる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は,複数の反応性分子を順次基体に供給して分子配列制御する工程を含むポリマ鎖/薄膜成長法(MLD:Molecular Layer Deposition)に係り,特に,反応性分子を種類ごとに異なる領域(以下,分子領域とよぶ)に配し,基体および/または分子領域を移動させることにより複数種類の反応性分子を順次基体に供給するポリマ鎖/薄膜成長法,分子領域間にガスを流した領域(以下,ガスカーテンとよぶ)を配するポリマ鎖/薄膜成長法,反応性分子をキャリアガスにより運び,基体に供給するポリマ鎖/薄膜成長法,反応性分子の少なくとも1種類と反応する基を有する分子を基体の少なくとも一部に配置したポリマ鎖/薄膜成長法,および複数種類の反応性分子を順次基体に供給して分子配列制御する工程を含むポリマ鎖/薄膜成長法により作製したポリマ鎖/薄膜を構成要素に含む太陽電池,エレクトロルミネッセンス(EL)素子,光スイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
図1にMLDの原理を示す(非特許文献1,2,3,特許文献4,5)。以下では,成長基体として板状の基板を用いた場合について述べていく。この例では,4種類の分子(分子A1a,B1b,C1c,D1d)を用いている。各分子は2個以上(本例では2個)の反応基を持ち,同種類の分子は反応せず,異種分子は反応結合するように設定されている。複数種類の反応性分子を順次基板表面に供給することにより,分子配列したポリマ鎖が成長する。3個以上の反応基を持つ分子を導入すると分子ワイアの分岐が可能となる。MLDは,イオン性分子を用いることによっても可能である。この場合,電子供与性分子と電子受容性分子を交互に供給し,分子配列制御成長を行う。従来,MLDを具体化する手法として,真空チャンバ中に基板を置き,その表面に,ガス化した反応性分子を1種類ずつ時系列的にセルから供給することが行われていた(非特許文献1,2,3)。この場合,排気による分子の交換に分単位の時間を要するため,プロセスのスループットが低いという製造上の課題があった。また,高性能化の可能性を持つ分子配列制御されたポリマを構成要素に含む太陽電池,EL素子がなかった。
【0003】
【非特許文献1】 T.Yoshimura,S.Tatsuura,and W.Sotoyama,“Polymer films formed with monolayer growth steps by molecular layer deposition,”Appl.Phys,Lett.,vol.59,no.4,pp.482−484,1991.
【非特許文献2】 T.Yoshimura,S.Tatsuura,W.Sotoyama,A.Matsuura,and T.Hayano,“Quantum wire and dot formation by chemical vapor deposition and molecular layer deposition of one−dimensional conjugated polymer,”Appl.Phys.Lett.,vol.60,no.3,pp.268−270,1992.
【非特許文献3】 T.Yoshimura,S.Ito,T.Nakayama,and K.Matsumoto,“Orientation−controlled molecule−by−molecule polymer wire growth by the carrier−gas−type organic chemical vapor deposition and the molecular layer deposition,”Appl.Phys.Lett.vol.91,pp.033103−1−3,2007.
【特許文献4】 T.Yoshimura,E.Yano,S.Tatsuura,and W.Sotoyama,“Organic functional optical thin film,fabrication and use thereof,”US Patent5,444,811,1995.
【特許文献5】 吉村徹三,「ポリマ鎖/薄膜成長法」特開2008−216947,2008.
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は,MLDにおいて,プロセスのスループットを向上させること,MLDを利用して分子配列制御されたポリマを備えた高性能太陽電池,EL素子,光スイッチを実現すること,およびこれらの素子の作製にスループットの高いMLDを適用することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に係るポリマ鎖/薄膜成長は,反応性分子を種類ごとに異なる分子領域に配し,基体および/または分子領域を移動させることにより複数種類の反応性分子を順次基体に供給することを特徴とするものである。これにより,ガス交換の排気が不要となり,プロセスのスループットを向上させることができる。
【0006】
本発明の第2の態様に係るポリマ鎖/薄膜成長は,分子領域間にガスカーテンを配することを特徴とするものである。これにより,分子領域間のガスの混入を抑制することができる。
【0007】
本発明の第3の態様に係るポリマ鎖/薄膜成長は,反応性分子をキャリアガスにより運び,基体に供給することを特徴とするものである。これにより,分子領域間のガスの混入を抑制することができる。また,副生成物や不純物をキャリアガスによりポリマ鎖/薄膜成長領域から排除することができる。
【0008】
本発明の第4の態様に係るポリマ鎖/薄膜成長は,反応性分子の少なくとも1種類と反応する置換基を有する分子を基体の少なくとも一部に配置したことを特徴とするものである。これにより,ポリマ鎖/薄膜を選択的に基体の必要箇所に成長させることができる。
【0009】
本発明の第5の態様は,複数種類の反応性分子を順次基体に供給して分子配列制御する工程を含むポリマ鎖/薄膜成長法により作製したポリマ鎖/薄膜を構成要素に含む太陽電池,EL素子,光スイッチである。これによりこれらの素子の高性能化が可能となる。さらに,ポリマ鎖/薄膜成長法として,第1−4の態様に係るポリマ鎖/薄膜成長を適用することを特徴とするものである。これにより,太陽電池,EL素子,光スイッチを高スループットで作製することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に,本実施の形態を,図面を参照して説明する。各図において,同一の符号をふされたものは同様の要素を示しており,重複した説明は省略される。以下の記載は本発明が適用可能な実施形態を説明するものであって,本発明の範囲がこの記載に限定されるものではない。説明の明確化のため,以下の記載は,適宜,省略および簡略化がなされている。また,当業者であれば,以下の実施形態の各要素を,本発明の範囲において容易に変更,追加,変換することが可能であろう。
【0011】
[第1−3実施形態]
図2は本発明による分子領域分離型MLDの概念図である。2種類の反応性分子A1aおよびB1bを使用した場合の例について述べる。分子Aが存在する分子A領域2aと分子Bが存在する分子B領域2bを配置する。分子Aと分子Bの混合を防ぐために,分子A領域と分子B領域の間にガスカーテンを挿入する。この例では流すガスにNを使用しているのでNカーテン3となる。基板4を移動させると,基板は分子Aと分子Bに順次さらされ,MLDが実行できる。基板を移動させるかわりに分子ガス領域を移動させることによっても同様にMLDが実行できる。
【0012】
図3は本発明による分子領域分離型MLDの模式図である。複数種類の反応性分子をセルにロードし(図示せず),それぞれを適切な温度に加熱(または冷却)し,ガス化する。これらのセルにN,Ar,Heなどのガスをキャリアガスとして導入する。反応性分子ガスはキャリアガスにより運ばれ,分子A用ノズル7aおよび分子B用ノズル7bから噴射され,分子A領域および分子B領域をそれぞれ形成する。Nガスを噴射することによりNカーテンを形成する。チャンバ5内の基板4をスピンステージ8により回転させ,MLDを実行する。
【0013】
上記の例において,ノズルの出射端は円形,楕円形,正方形,長方形など各種の形状を取ることができる。出射端をメッシュ状にすることもできる。各分子領域およびガスカーテンに対して複数個のノズルを設置することもできる。また,キャリアガスを用いず,反応性分子を直接導入することも可能である。分子領域を,分子混合が起こらないように配置することにより,ガスカーテンを省略することも可能である。たとえば,ガスを異なる方向に噴射する,噴射位置を互いに遠ざけるなどの方法がある。
【0014】
図4は本発明による分子領域分離型MLDの他の模式図である。この場合は,スピンステージ9の周辺部に多数の基板を配置する。分子A用ノズル,Nカーテンノズル,分子B用ノズルを順に並べ,噴射を行う。これにより,分子A領域,Nカーテン,分子B領域が形成される。スピンステージにより基板を移動させることにより,基板が分子A,分子Bに順次さらされ,MLDが実行される。基板を移動させるかわりにノズルの移動により分子ガス領域・Nカーテンを移動させることによっても同様にMLDが実行できる。
【0015】
図5は本発明による分子領域分離型MLDの他の模式図である。図4の例と基本的には同様であるが,4種類の反応性ガスを用いる場合を例示してある。分子A用ノズル,Nカーテンノズル,分子B用ノズル,Nカーテンノズル,分子C用ノズル7c,Nカーテンノズル,分子D用ノズル7d,Nカーテンノズルのようにノズルを並べ,噴射を行う。これにより,分子A領域,Nカーテン,分子B領域,Nカーテン,分子C領域2c,Nカーテン,分子D領域2d,Nカーテンが形成される。ここで,ノズルが部分的に描かれているが,実際にはノズルには図の上方向から,またはステージ中心部の穴を通って下方向から配管が連結されている。余分なガスは,それぞれのノズルに対面させて配置した排気ルートにより排気11される。この場合,それぞれの反応ガス成分が独立に排気されるため,適切なpurificationを行った後,再利用することができる。あるいは,独立な排気をせず,一括排気することも可能である。スピンステージにより基板を移動させることにより,基板が分子A,分子B,分子C,分子Dに順次さらされ,MLDが実行される。基板を移動させるかわりにノズルの回転・移動により分子ガス領域・Nカーテンを移動させることによっても同様にMLDが実行できる。上記の方法で,分子配列A−B−C−D−A−B−C−D−A−B−・・・のようなポリマ鎖が形成できる。
【0016】
各種類の分子ガスの噴射を独立にOn/Off制御することにより,各種配列が実現できる。例えば,A−D−C−B−C−D−A−B−C−D−・・・のような配列をつくる場合は,1回転目は分子A用ノズルと分子D用ノズルをOnに,2回転目は分子C用ノズルをOnに,3回転目は分子B用ノズル,分子C用ノズル,分子D用ノズルをOnに,4回転目は分子A用ノズル,分子B用ノズル,分子C用ノズル,分子D用ノズルをOnにすればよい。
【0017】
図6は本発明による分子領域分離型MLDの他の模式図である。図5の例と基本的には同様であるが,この場合は,ノズルを,分子A用ノズル,Nカーテンノズル,分子B用ノズル,Nカーテンノズル,分子C用ノズル,Nカーテンノズル,分子D用ノズル,Nカーテンノズルのようにアレイ状に並べて,対応する分子領域とNカーテンを形成し,その中を基板が移動していくという構成である。余分なガスは,それぞれのノズルに対面させて配置した排気ルートにより排気される。この場合,それぞれの反応ガス成分が独立に排気されるため,適切なpurificationを行った後,再利用することができる。あるいは,独立な排気をせず,一括排気をすることも可能である。搬送装置により基板を移動させることにより,基板が分子A,分子B,分子C,分子Dに順次さらされ,MLDが実行される。基板を移動させるかわりにノズルの移動により分子ガス領域・Nカーテンを移動させることによっても同様にMLDが実行できる。ここで,図6では,分子A用ノズル,分子B用ノズル,分子C用ノズル,分子D用ノズルを1つずつ描いたが,さらに多数のノズルを配置することができる。また,一旦分子領域を通過した基板を戻して,繰り返し分子領域を通過させることもできる。これにより,全体のノズル数を減らすことができる。上記の方法で,分子配列A−B−C−D−A−B−C−D−A−B−・・・のようなポリマ鎖が形成できる。また,図5の例と同様に,各種類の分子ガスの噴射を独立にOn/Off制御することにより,各種配列が実現できる。
【0018】
図7に,使用する反応分子と反応の例を示す。p−phenylenediamine(PPDA)とterephthalaldehyde(TPA)との反応により共役ポリマ鎖であるpoly−azomethine(AM)が成長する。副生成物はHOである。また,oxalic dihydrazide(ODH)とoxalic acid(OA)との反応によりポリマ鎖が成長し,200−300℃の熱処理により共役ポリマであるpoly−oxadiazole(OXD)となる。図8に,MLDによる分子鎖成長の一例を示す。金の膜上にアミノアルカンチオール(11−Amino−1−undecanethiol)のself−assembled monolayer(SAM)を形成する。表面は−NH基で覆われている。この上にTPAを供給すると,−CHO基がSAMの−NH基と結合し表面は−CHO基で覆われる。この上にPPDAを供給すると,−NH基がSAMの−CHO基と結合し表面は−NH基で覆われる。さらに,PPDAの上に−CHO基を2つ持つ分子を供給すると−CHO基が−NH基と結合し表面は−CHO基で覆われる。その上に−NH基を2つ持つ分子を供給すると−NH基が−CHOと結合し表面は−NH基で覆われる。これを繰り返すことにより,分子配列したポリマ鎖が形成される。ここで,PPDAおよびTPAは50−150℃程度に加熱することによりガス化が促進され,分子導入が効率よく実行されようになる。キャリアガスにより副生成物であるHOが成長表面から除去される。
【0019】
MLDによるポリマ鎖の成長は,必ずしも基板表面に反応基がなくても,基板温度の調整などにより可能となる。Atomic Layer Deposition(ALD)において行われているように,吸着ガス分子を成長コアとしたMLDが可能である。また,MLDの特長として,凹凸表面,細孔,3次元物体などの表面に均一にポリマ成長ができることが挙げられる。したがって,通常の基板以外のさまざまな物体を基体として用いることができる。
【0020】
PPDAとTPAを反応分子として,ガラス基板上に分子領域分離型MLDを行った例を示す。キャリアガスとガスカーテンにはNを用いた。Nカーテンの流量を8NL/min,キャリアガスの流量を1−4NL/minとし,ロータリーポンプによる排気を行いながら,スピンステージにより基板を0.25rpmで回転させた。その結果,poly−AMを成長することができた。1回転あたり,PPDA1分子,TPA1分子の合計2分子ステップの成長が生じる。9回転(18分子ステップ)で成長させたpoly−AM膜と20回転(40分子ステップ)で成長させたpoly−AM膜について光吸収強度を測定した結果,ステップ数にほぼ比例して光吸収強度が増加した。このことは,分子領域分離型MLDが実現されていることを示している。
【0021】
[第4実施形態]
図9に,本発明のポリマ鎖/薄膜成長法による3次元的選択配向成長の例を示す。金の表面および/または壁面にSAM24を形成しシードコア22を作製する。金上でSAMを形成したくない場所は,例えば,SiO23などでカバーする。シードコア表面からは上方に,また壁面からは横方向にポリマワイヤ25が成長する。シードコアをあらかじめ設計されたパターンで分布させることにより,所望のポリマワイヤネットワーク26が構築される。シードコアとしては,SAM以外でも,表面の化学修飾ができるものであれば使用可能である。また,下地は,金に限定されることはなく,ガラス,Si,ITO(Indium Tin Oxide),ZnOなど表面に化学修飾できる材料であれば何でも使用できる。
【0022】
[第5実施形態]
図10に,本発明による太陽電池,EL素子,光スイッチを示した。量子ドット31をもつポリマワイヤおよび/または量子ワイヤ構造を持つポリマワイヤを用いる。太陽電池の場合は,例えば,n型半導体32の薄膜,p型半導体33の薄膜の間に量子ドットをもつポリマワイヤおよび/または量子ワイヤ構造を持つポリマワイヤからなる光吸収層を挿入する。n型半導体にZnOを用いた場合,その吸収端は3.3eV付近にあり,可視光の吸収量が少ない。そのため,通常は色素増感を行う。本発明では,色素に比べて強靭な量子ドットをもつポリマワイヤおよび/または量子ワイヤ構造を持つポリマワイヤにより可視光を吸収し,増感を行う。光吸収波長は量子ドット長さにより可変である。したがって,ポリマ内部の分子配列を制御し,量子ドットの長さを変えることにより,光吸収波長,すなわち増感スペクトルを制御できる。光の照射は,面外からでもよいし,図示したように面内を導波させても良い。光吸収層が薄い場合は後者が有利である。この太陽電池の構造は,順方向バイアスを印加することによりそのまま有機ELとしても働く。さらに,量子ドットをもつポリマワイヤは,図10に示すような光スイッチの電気光学材料としても有用である。この例では,光導波路34の上に量子ドットをもつポリマワイヤが電気光学材料35として積層されている。
【0023】
図11に,TPA,PPDA,ODHをMLDにより配列制御して形成したポリマワイヤ構造を示す。Poly−AMは量子ワイヤ,OTPTPTは−−−ODH−TPA−PPDA−TPA−PPDA−TPA−−−の順に連結したワイヤ,OTPTは−−−ODH−TPA−PPDA−TPA−−−の順に連結したワイヤ,OTは−−−ODH−TPA−−−の順に連結したワイヤで,ODHで挟まれた部分が量子ドットとなる。OTPTP,OTPT,OTの量子ドット長さは,それぞれ3nm,2nm,0.8nm程度である。図12は,poly−AM,およびMLDにより作製したOTPTPT,OTPT,OTの吸収スペクトルである。量子ドットの長さが短くなるにしたがって,短波長シフトしている。このシフトは,分子軌道法,自由電子モデルから導かれるシフトにほぼ一致しており,量子閉じ込め効果が現れていると結論できる。この効果を利用することにより,上述のように,太陽電池の光吸収層やELの発光層,および電気光学材料として有効に働く。典型的な酸化物半導体ベースの太陽電池/EL構造例として,ITO/Cr(p型)薄膜/poly−AM内多重量子ドット/ZnO(n型)薄膜/Alのような積層構造が挙げられる。また,p型半導体のかわりに固体または液体の電解質を配置した色素増感型太陽電池セル構造も可能である。MLDによる光吸収層は,通常の色素増感型太陽電池における色素の役割をはたす。MLDとして,分子領域分離型MLDを用いることにより,スループットが向上する。
【0024】
半導体材料としては,ZnO,CrOxのほかに,例えば,TiOx,WOx,IrOx,SrTiO:Cr−Taなどの酸化物半導体,GaNなどのIII−V族半導体,カーボンナノチューブ,ポリアゾメチン,ポリチオフェン,ポリオキサジアゾール,ペンタセン,フタロシアニンなどの有機材料を用いることができる。製膜法としては,スパッタリング,蒸着,Chemical Vapor Deposition(CVD),ALD,MLD,有機CVDなどがある。上記半導体の薄膜は,成長基板上に作製したのち,epitaxial lift−off(ELO)またはそれに類似の手法により基板から剥離することもできる。これにより,フィルムへの埋め込みが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 MLDのコンセプトである。
【図2】 本発明による分子領域分離型MLDの概念図である。
【図3】 本発明による分子領域分離型MLDの模式図である。
【図4】 本発明による分子領域分離型MLDの他の模式図である。
【図5】 本発明による分子領域分離型MLDの他の模式図である。
【図6】 本発明による分子領域分離型MLDの他の模式図である。
【図7】 使用する分子と反応の例である。
【図8】 SAMからのポリマワイア成長の模式図である。
【図9】 シードコアからのポリマワイア成長の模式図である。
【図10】 本発明による光スイッチ,EL素子,太陽電池の模式図である。
【図11】 本発明による量子ドット,量子ワイヤの構造とエネルギーバンド図である。
【図12】 本発明によるpoly−AM,およびMLDにより作製したOTPTPT,OTPT,OTの吸収スペクトルである。
【符号の説明】
分子A 1a,分子B 1b,分子C 1c,分子D 1d,分子A領域 2a,分子B領域 2b,分子C領域 2c,分子D領域 2d,Nカーテン 3,基板 4,チャンバ 5,分子A用ノズル 7a,分子B用ノズル 7b,分子C用ノズル 7c,分子D用ノズル 7d,スピンステージ 8,スピンステージ 9,Nカーテン用ノズル 10,排気 11,シードコア 22,SiO 23,SAM 24,ポリマワイヤ 25,ポリマワイヤネットワーク 26,量子ドット 31,n型半導体 32,p型半導体 33,光導波路 34,電気光学材料 35

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の反応性分子を順次基体に供給して分子配列制御する工程を含むポリマ鎖/薄膜成長法において,該反応性分子を種類ごとに異なる領域(以下,分子領域とよぶ)に配し,該基体を移動させることにより複数種類の反応性分子を順次基体に供給することを特徴とするポリマ鎖/薄膜成長法。
【請求項2】
複数種類の反応性分子を順次基体に供給して分子配列制御する工程を含むポリマ鎖/薄膜成長法において,該反応性分子を種類ごとに異なる分子領域に配し,該分子領域を移動させることにより複数種類の反応性分子を順次基体に供給することを特徴とするポリマ鎖/薄膜成長法。
【請求項3】
請求項1−2に記載のポリマ鎖/薄膜成長法において,分子領域間にガスを流した領域(以下,ガスカーテンとよぶ)を配することを特徴とするポリマ鎖/薄膜成長法。
【請求項4】
請求項3に記載のポリマ鎖/薄膜成長法において,反応性分子をキャリアガスにより運び,基体に供給することを特徴とするポリマ鎖/薄膜成長法。
【請求項5】
請求項1−3に記載のポリマ鎖/薄膜成長法において,反応性分子の少なくとも1種類と反応する基を有する分子を基体の少なくとも一部に配置したことを特徴とするポリマ鎖/薄膜成長法。
【請求項6】
複数種類の反応性分子を順次基体に供給して分子配列制御する工程を含むポリマ鎖/薄膜成長法により作製したポリマ鎖/薄膜を構成要素に含む太陽電池およびエレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
請求項6において,複数種類の反応性分子を順次基体に供給して分子配列制御する工程を含むポリマ鎖/薄膜成長法が,請求項1−5に記載のポリマ鎖/薄膜成長法であることを特徴とする太陽電池,エレクトロルミネッセンス素子,および光スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−229541(P2010−229541A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102408(P2009−102408)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(501358828)
【Fターム(参考)】