説明

分子酸素の還元のための電気化学法

本発明は、過酸化水素が還元の副生成物として生じない、アルカリ性溶液において窒素ドープカーボンナノチューブの存在下で分子酸素の還元のための電気化学法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過酸化水素が還元の副生成物として生じない、アルカリ性溶液において窒素ドープカーボンナノチューブの存在下で分子酸素の還元のための電気化学法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、分子酸素の溶液中における電気化学的還元の必要性は、例えば塩化ナトリウム電解法に、または例えば金属−空気電池に関連して生じる。
【0003】
上記電気化学還元反応に望まれる分子酸素の還元生成物は、二重負電荷を有する普通の酸素イオンであり、通常、水酸化物イオンの形態で水溶液中に存在する。しかしながら、分子酸素の電気化学還元は、還元法の条件に応じておよび電極材料に応じて、より少ないかまたはより多い量で形成されることがある他の還元生成物をもたらすこともある。他の還元生成物は、過酸化水素である。
【0004】
【化1】

【0005】
上に示される式(I〜IV)(これらの式によると、分子酸素は、二重負電荷を有する酸素イオンへ水酸化物イオンの形態で電気化学的に還元することができる)は、2つの電子を、式(IおよびII)で示される過酸化水素アニオン(OOH−)の中間形成により2回取り込むか、または直接、式(III)で示される4つの電子を1回取り込むことができることを示す。理論上可能な式(III)で示される電気化学反応は、分子酸素の還元のための方法において起こる場合に有利である。この優位性のための理由を以下に記載する。
【0006】
水の自動プロトン分解に基づいて、過酸化水素はまた、上記過酸化水素アニオンに加えて、水溶液中に自動的に存在する。
【0007】
その腐食剤および酸化的特性により、過酸化水素は、通常、分子酸素の還元において、望ましくない副生成物である。
【0008】
さらに、式(IV)で示される過酸化水素の存在の場合、不均化反応は、さらなる電子を取り込むことなく生じ得るが、その不均化反応において分子酸素の割合が付随して形成され、これは、さらなる分子酸素の還元という意味では望ましくない。
【0009】
過酸化水素形成の可能性は通常、過酸化水素の腐食特性に関する上記理由のため、分子酸素の電気化学還元のための電極材料の選択について極めて狭く制限される。
【0010】
経済的な、例えばカーボンブラックまたはグラファイトのようなカーボン材料の他の電極材料のための担体物質としての使用は、通常、式(I)で示される反応を促進させ、従って電極の寿命を大きく低下させる原因となるので、完全に排除されることが多い。さらに、その結果、例えば水酸化物イオンの形態で二重負電荷を有する酸素イオンの量は、式(IV)で示される不均化反応の可能性のため、より少ない。
【0011】
従って、O.Ichinose等は、「Effect of silver catalyst on the activity and mechanism of a gas diffusion type oxygen cathode for chlor−alkali electrolysis」、Journal of Applied Electrochemistry 34:第55〜59頁(2004年)において、カーボンブラック、特に純粋なカーボンブラックを含む電極の使用が、分子酸素の電気化学還元の実験において多量に形成される過酸化水素をもたらすことを開示する。
【0012】
上記文献はさらに、分子酸素の電気化学還元を、銀を担持したカーボンブラック担体または60℃または80℃の温度で32重量%濃度水酸化ナトリウム溶液中における純粋カーボンブラックの形態での触媒物質の存在下で行うことができることを開示する。ここで、過酸化水素のカーボンブラック物質上での形成は、欠点であると認められるクラックを電極中にもたらす。O.Ichinose等は、2つの電子の分子酸素への移動は、銀のカーボンブラックへの添加により4つの電子の移動を向上させ、より少ない過酸化水素を形成し、そして、これは有利である。
【0013】
しかしながら、O.Ichinose等による開示に存在する変法は、電極材料への銀の添加が、4つの電子の所望の移動を得るのに必要とされることが欠点である。さらに、過酸化水素の形成の完全抑制は、分子酸素の一部が常に、カーボンブラック担体と接触することとなり、式(I)で示される所で過酸化水素へ水溶液中で還元されるので不可能である。そして、これは、電極材料に損傷を与えるのに適している。
【0014】
L.Lippは、「Peroxide formation in a zero−gap chlor−alkali cell with an oxygen−depolarized cathodeL.Lipp」において、Journal of Applied Electrochemistry 35:第1015〜1024頁(2005年)において、過酸化水素の形成に関するO.Ichinoseの結論と同様の結論へ導く。しかしながら、L.Lipp等は、記載の効果が、プラチナを担持し、およびカーボンブラックを含有する電極の場合に起こることを見出す。さらに、より高い電圧および/またはより高い電流密度を適用することにより、得られる過酸化水素の一部は、例えば水酸化物イオンの形態で二重負電荷を有する所望の酸素イオンへさらに還元することができる。式(I)および/または(II)で示される反応の順序の可能性がそれにより記載されている。しかしながら、該反応は式(I)に従って起こるので、式(IV)で示される反応も同様に除外することができず、そして、このことは、上記水酸化物イオンの形態で二重負電荷を有する酸素イオンの収率における減少をもたらす。従って、L.Lipp等により開示の変法は、O.Ichinoseによる開示における経済上および技術上の欠点と同じ欠点を有する。
【0015】
分子酸素の還元のための方法のさらなる発展は、P.Matter等により、「Oxygen reduction reaction activity and surface properties of nanostructured nitrogen−containing carbon」、Journal of Molecular Catalysis A: Chemical 264:第73〜81頁(2007年)に開示される。ここで、担体材料、例えばシリカ、酸化マグネシウム上にアセトニトリルを含み、そして鉄、コバルトまたはニッケルを触媒活性成分として含有する蒸気の触媒沈着により得られる窒素含有炭素変性物が、分子酸素の還元のための触媒活性を有することが見出される。P.Matter等により開示の分子酸素の還元のための方法は、0.5モル硫酸溶液により行われることを特徴とする。
【0016】
担体物質および/またはその上に存在し、および窒素含有炭素変性物の調製を目的とした触媒活性成分に応じて、より多いかまたはより少ない量の過酸化水素が、副生成物として形成される。しかしながら、概して、P.Matter等により、過酸化水素の形成が、その調製方法に由来する上記の他の成分を用いるより少ない程度に窒素含有炭素変性物を用いることにより生じることが想定される。
【0017】
P.Matter等は、さらに、分子酸素の電気化学触媒還元について活性である窒素含有変性物がピリジンおよび第4級窒素の割合を有することを開示する。
【0018】
P.Matter等は、上記の分子酸素の還元もアルカリ性溶液中に可能であることを開示しない。さらに、P.Matter等により開示の変法によれば、式(IV)で示される不均化反応は、式(I)で示される反応による過酸化水素の形成後、過酸化水素の存在により起こり、これは、例えば水酸化物イオンの形態で二重負電荷を有する酸素イオンの量を低減する。
【0019】
従って、P.Matter等により開示の方法は、第1に、分子酸素の電気化学還元が非常に重要であり、通常、アルカリ性媒体中で行う塩化ナトリウム電解法のような工業的に関連する方法への上記方法の適用性を認められず、および第2に、過酸化水素の形成を防止することができず、例えば水酸化物イオンの形態で二重負電荷を有する酸素イオンの収率を、式(IV)で示される反応により低下させるので不利であると見なされる。
【0020】
窒素含有炭素変性物の触媒特性に関する先行技術の要約では、Y.Shao等は、「Nitrogen−doped carbon nanostructures and their composites as catalytic materials for proton exchange membrane fuel cell」、Applied Catalysis B:Environmental 79:第89〜99頁(2008年)において、上記窒素含有炭素変性物はまた、通常、分子酸素の還元のためのアルカリ性溶液に適していることを開示した。
【0021】
しかしながら、特に、今まで開示された方法では、二重負電荷を有する酸素イオンを生じさせる過酸化水素の分解が起こることが記載されている。従って、分解とは、例えば水酸化物イオンの形態で二重負電荷を有する酸素イオンの収率を、上記のように低下させ、従って不利である式(IV)で示される不均化反応の存在を意味すると理解することができる。従って、任意の場合において、式(I、IIおよびIV)で示される反応順序である。
【0022】
二重負電荷を有する酸素イオンを与える分子酸素の直接還元が、中間生成物過酸化水素の形成を伴わずに起こることは開示されていない。
【0023】
Y.Shao等により開示の変法は、概して、過酸化水素の分解が起こらない変法のように、過酸化水素が任意の場合に形成され、上記の方法により用いる電極材料に損傷を与えるので不利である。
【0024】
Y.Shao等は、例えば「Influence of Nitrogen Doping on Oxygen Reduction Electrocatalysis at Carbon Nanofiber Electrodes」、Journal of Physical Chemistry B 109:第4707〜4716頁(2005年)において、過酸化水素を窒素含有変性物により不均化して、所望の二重負電荷を有する酸素イオンを与えることが可能であることを開示するS.Maldonadoを参照する。
【0025】
さらに、上記不均化は、窒素ドーピングにより生じるカーボン構造における欠陥について重要であることが開示される。二重負電荷を有する酸素イオンを与える過酸化水素の上記不均化は、S.Maldonadoによる開示に従えば、硝酸カリウム溶液中でまたは水酸化カリウム溶液中で行われる。このことからも、S.Maldonado等により開示の変法は、式(I、IIおよび必要に応じてIV)で示される反応順序を含むこととなる。S.Maldonadoはさらに、10未満のpHを有する溶液中で、式(I)で示される反応が明確に起こり、還元の速度が吸着超酸化物により決定されることを記載する。10を越えるpHを有する溶液中で、上記の超酸化物の吸着法が妨げられる。しかしながら、ここでも、式(I)で示され、次いで式(IV)で示される反応が、より遅く起こるものの開示されている。
【0026】
従って、S.Maldonado等はまた、分子酸素の直接還元が、上記方法の欠点の原因となる過酸化物化合物の中間形成を伴わずに行うことをできることを開示しない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0027】
【非特許文献1】O.Ichinose、「Effect of silver catalyst on the activity and mechanism of a gas diffusion type oxygen cathode for chlor−alkali electrolysis」、Journal of Applied Electrochemistry、第34巻、第55〜59頁、2004年
【非特許文献2】L.Lipp、「Peroxide formation in a zero−gap chlor−alkali cell with an oxygen−depolarized cathodeL.Lipp」、Journal of Applied Electrochemistry、第35巻、第1015〜1024頁、2005年
【非特許文献3】P.Matter、「Oxygen reduction reaction activity and surface properties of nanostructured nitrogen−containing carbon」、Journal of Molecular Catalysis A、Chemical、第264巻、第73〜81頁、2007年
【非特許文献4】Y.Shao、「Nitrogen−doped carbon nanostructures and their composites as catalytic materials for proton exchange membrane fuel cell」、Applied Catalysis B:Environmental、第79巻、第89〜99頁、2008年
【非特許文献5】Y.Shao、「Influence of Nitrogen Doping on Oxygen Reduction Electrocatalysis at Carbon Nanofiber Electrodes」、Journal of Physical Chemistry B 109、第4707〜4716頁、2005年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
従って、本発明の課題は、過酸化水素の形成をアルカリ性溶液中で伴わない上記還元を可能とする分子酸素の還元方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
意外にも、分子酸素を、8以上のpHを有する溶液中でピリジンおよび第4級窒素の割合を有する窒素ドープカーボンナノチューブと、電圧の適用により接触させることを特徴とする、二重負電荷を有する酸素イオンを8以上のpHを有する溶液中で与える分子酸素の電気化学還元のための方法が、本発明の課題を解決することができることを見出した。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、実施例1による本発明で示される方法の測定データから得られるKoutecky−Levich図を示す。制限電流iDiffは、マイクロアンペアにおいて√分−1において、環状円盤電極の回転速度の平方根ω1/2に対してプロットされる。測定ポイントは、環状円盤電極の回転速度400分−1〜900分−1から1600分−1まで示す。線は、式(VI)で示される要素Kの決定の線形近似を示し、これは20.7として得られる。
【図2】図2は、環状円盤電極を用いて、本発明によらない方法の場合における比較例1(線B)で示され、および本発明による方法の場合における実施例1(線A)で示される環状円盤電極の3600分−1の回転速度でのAg/AgCl参照電極に対して記録した測定データの比較を示す。
【図3】図3は、実施例2で示される本発明の方法の測定データから得られたKoutecky−Levich図を示す。限界電流iDiffを、マイクロアンペアにおいて、√分−1における環状円盤電極の回転速度の平方根ω1/2に対してプロットする。示される測定ポイントは、環状円盤電極の回転速度400分−1〜900分−1および1600分−1〜2500分−1に関する。示される線は、式(VI)で示される要素Kの決定の線形近似であり、これは17.4として得られる。
【図4】図4は、実施例3で示される本発明の方法の測定データから得られたKoutecky−Levich図を示す。限界電流iDiffを、マイクロアンペアにおいて、√分−1における環状円盤電極の回転速度の平方根ω1/2に対してプロットする。示される測定ポイントは、環状円盤電極の回転速度400分−1〜900分−1および1600分−1〜2500分−1に関する。示される線は、式(VI)で示される要素Kの決定の線形近似であり、これは20.1として得られる。
【図5】図5は、実施例1〜3による本発明の方法から、および比較例2および3による本発明によらない方法からの全ての測定データでKoutecky−Levich図を示す。実施例1で示される本発明の方法からのデータを、黒丸として示し、式(VI)で示される要素Kを決定するためのその線形近似を実線として示す。実施例2で示される本発明の方法からのデータを、黒四角として示し、式(VI)で示される要素Kを決定するためのその線形近似を薄い実線として示す。実施例3で示される本発明の方法からのデータを、黒三角として示し、式(VI)で示される要素Kを決定するためのその線形近似を網掛け実線として示す。実施例1〜3による本発明の方法の各線形近似はそれぞれ、数1〜3によりさらに特徴付けられる。比較例2で示される本発明によらない方法からのデータを、中のない四角として示し、式(VI)で示される要素Kを決定するためのその線形近似を薄い点線として示す。実施例3で示される本発明によらない方法からのデータを、中のない丸として示し、式(VI)で示される要素Kを決定するためのその線形近似を薄い点鎖線として示す。
【図6】図6は、13.31のpHを有する0.2MNaOH溶液で満たされた、第1電極空間中にピリジンおよび第4級窒素の割合を有する窒素ドープカーボンナノチューブを有する表面層(1a’)を含む第1電極(1a)を有する本発明の装置を示す。チタン電極(2a)を有するさらなる電極空間(2)は、膜(4)によりそこから分離され、チタン電極(2a)は、塩化ナトリウム溶液0.5重量%で満たされ、電源(3)による第1電極(1a)への導電接続を有する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明では、上記の二重負電荷を有する酸素イオンは、二重負電荷を有し、およびpH8以上を有する上記溶液中に、水素イオンに結合した形態で存在し得る酸素イオンとも称する。例えば、上記化合物は、水酸化物アニオン(OH)または水(HO)である。
【0032】
以下並びに以上に、酸素の種々のアニオンを参照する。上記二重負電荷を有する酸素イオン(アニオン)は、記載した通り、本発明の作用形態がこれにより悪影響を受けることなく、水素イオンに結合した形態で存在することもできる。
【0033】
このことは、本発明において過酸化水素を参照する場合に同じことが当てはまる。従って、ここで、過酸化水素は、二重負電荷および2個の酸素原子を有する酸素分子(O2−)、および二重負電荷および2つの酸素原子および水素イオンを有する酸素分子(HO)および二重負電荷および2つの酸素原子および2つの水素イオンを有する酸素分子(H)をいずれも意味すると理解される。過酸化水素の上記の全ての形態は、本明細書に開示の方法により形成されるべきはない。
【0034】
本発明の方法は、初めて、8以上のpHを有する溶液中に溶解した分子形態で存在する分子酸素の還元を行って、二重負電荷を有する酸素イオンを与えることを可能する。
【0035】
従って、本発明の方法では、4つの電子を、分子酸素と、ピリジンおよび第4級窒素の割合を有する窒素ドープカーボンナノチューブとの接触により電圧の適用により移動させ、従って、所望の二重電荷を有する酸素イオンを、過酸化水素の中間形成が起こることなく得られる。
【0036】
このことは、過酸化水素形成の可能性を排除することにより、該方法の適用の過程に用いる電極が過酸化水素による腐食攻撃にさらされず、該電極の寿命が延長されるため、特に有利である。さらに、式(IV)で示される不均化反応の存在を排除することにより、過酸化水素の欠乏に起因して、二重負電荷を有する酸素イオンを当てる分子酸素の還元の収率が最大化される。
【0037】
本発明の方法に用いる窒素ドープカーボンナノチューブは、通常、3〜150nm、好ましくは4〜100nm、特に好ましくは5〜50nmの直径を有する。
【0038】
さらに、本発明の方法に用いる窒素ドープカーボンナノチューブは通常、少なくとも2、好ましくは少なくとも5、特に好ましくは少なくとも10の直径に対する長さの割合(アスペクト比)を有する。
【0039】
窒素ドープカーボンナノチューブの本発明の直径およびアスペクト比、および好ましい直径およびアスペクト比は、窒素ドープカーボンナノチューブの小さい直径を伴った高いアスペクト比が、特に窒素ドープカーボンナノチューブについての単位質量当たりの高い比表面積をもたらし、さらに、特に、窒素ドープカーボンナノチューブの外表面が、式(III)で示される4つの電子の上記移動に特に適しているので有利である。
【0040】
本発明の好ましい実施態様では、窒素ドープカーボンナノチューブは、ピリジンおよび第4級窒素を、1以上、好ましくは1.5以上、特に好ましくは2以上の割合で含有する。
【0041】
本発明の方法のさらなる好ましい実施態様では、この目的のための窒素ドープカーボンナノチューブは、1原子%を越える割合の窒素を含有する。
【0042】
上記の割合および変性は、当業者に一般に知られている方法により決定することができる。変性およびその割合の決定の例としては、X線電子分光法(ESCA)が挙げられる。カーボンナノチューブ上の窒素の割合は、簡単な方法により、当業者にその調製の過程において調節される。
【0043】
この点について、理論とは関係なく、特に表面的なピリジン変性は、特定の第4級変性との組み合わせにおいて、式(III)で示される反応による電子移動を、8以上のpHを有するアルカリ性溶液中に促進することが考えられる。
【0044】
これらのピリジンおよび第4級変性は明らかに、特に、比較的長い窒素ドープカーボンナノチューブ(すなわち、特に高いアスペクト比を有する窒素ドープカーボンナノチューブ)の場合に、窒素ドープカーボンナノチューブの表面上で、より大きい範囲に生じる。
【0045】
分子窒素の還元が、式(I、IIおよび必要に応じてIV)で示される反応または式(III)で示される分子酸素の反応であるかどうかも、簡単な方法で当業者により決定することができる。
【0046】
上記目的のための方法は、いわゆるKoutecky−Levich略図の記録である。これらの方法は通常既知であると言われているが、現段階で、どのようにして当業者が、式(I、IIおよび必要に応じてIV)で示される反応の存在を有する方法と式(III)で示される反応の間で区別することができるかに関して、概要が再び与えられる。
【0047】
決定は、当業者に一般に知られているように、ファラデー定数

の関数として、2元拡散係数の関数として、溶液中に存在する電解質中において電子が電極に取り込まれる/放出される物質の2元拡散係数

の関数として、上記の電解質の動的粘度


の関数として、電子が電解質中において電極に取り込まれる/放出される物質の濃度


の関数として、環状円盤電極の面積(A,[m])の関数として、環状円盤電極の回転速度(ω,[m])の関数として、制限電流(iDiff,[A])が、環状円盤電極の表面上の反応において交換される電子化学反応の電子の数(n,[−])の関数として規定される式(V):
【数1】

に基づく。
【0048】
一般に知られているように、比較的高い電流密度での環状円盤電極における電気化学反応は、最終的に、環状円盤電極を包囲する電解質中における酸素拡散により、電極表面までに制限される。このことは、限界電流iとして、または電極表面積Aに基づく限界電流密度として、iDiffの意味をもたらす。
【0049】
限界電流iDiffを、環状円盤電極について環状円盤電極の異なった回転速度ωで決定し、次いで上記限界電流iDiffを、環状円盤電極の回転速度ωの関数としてプロットする場合、その結果、少なくとも式(VI):
【数2】

で示される近似線形依存となる。
【0050】
このようにして得られたKoutecky−Levich図の傾きは、線形化された方法において、読み取ることができる一定要素Kである。
【0051】
式(IV)および(VI)と、それと共に知られている一定要素Kとの組み合わせは、移動する電子nの数がわからない簡単な数学的関係をもたらす。方程式の簡単な再配置により、nの値は得られ、それにより、式(I、IIおよび必要に応じてIV)で示される反応が存在するのか、または式(III)で示される反応が存在するのかを決定することが可能である。
【0052】
本発明は、4に非常に近い多くのnが本発明の方法についての上記の決定により得られるので、特に有利である。本発明の特に好ましい実施態様では、数字はほとんど正確に4である。それからの偏差は、用いる定数、例えば式(IV)中に存在し、完全に正確ではないF、Dおよびυ等の値に特に起因する。さらに、酸素の濃度cは、8を越えるpHを有する溶液中において、正確な値4の決定のためにここに必要とされる正確さで、本発明による方法により決定することができない。
【0053】
本発明の方法に用いる窒素ドープカーボンナノチューブおよびその好ましい実施態様は、窒素ドープカーボンナノチューブの上記の特性をそれから得る場合、先行技術による方法により調製することができる。
【0054】
本発明の好ましい実施態様では、窒素ドープカーボンナノチューブは、出願番号DE102007062421.4を有する独国特許出願による方法から得られる。しかしながら、窒素ドープカーボンナノチューブの調製のための適当な触媒は、WO2007093337に開示されている。
【0055】
本発明の特に好ましい実施態様では、窒素ドープカーボンナノチューブは、窒素ドープカーボンナノチューブの上記の製造のための温度は、約650℃であり、炭素および窒素を含む出発材料はピリジンである、出願番号DE102007062421.4を有する独国特許出願による方法から得られる。
【0056】
極めて特に好ましい変法を可能とするために、上記窒素ドープカーボンナノチューブは、なお存在する触媒物質の任意の残存物から下方に放出される。酸は、好ましくは塩化水素酸である。
【0057】
窒素ドープカーボンナノチューブの触媒物質からの放出は、特に、その結果、触媒物質の残存物が、式(II)で示される分子酸素の過酸化水素の可能な還元のための可能性のある触媒活性成分として利用できないので、特に有利である。
【0058】
分子酸素のための本発明のさらに特に好ましい実施態様では、窒素ドープカーボンナノチューブは、金属または半金属、例えばFe、Ni、Cu、W、V、Cr、Sn、Co、MnおよびMo等を含有しない。
【0059】
本発明の方法は、銀/塩化銀参照電極(Ag/AgCl参照電極)およびピリジンおよび第4級窒素の割合を有する上記窒素ドープカーボンナノチューブを含む電極間での+0.2〜0.8Vの電圧の適用により通常行われ、分子酸素の還元は、ピリジンおよび第4級窒素の割合を有する上記窒素ドープカーボンナノチューブを含む電極の表面上で本発明の方法により起こる。本発明に記載の電圧は、Ag/AgCl参照電極に基づき、当業者に一般に知られている。このことから始まって、ピリジンおよび第4級窒素の割合を有する上記窒素ドープカーボンナノチューブと参照電極との間での要求電圧への変換は、当業者にとって他の参照電極のための簡単な方法により可能である。
【0060】
さらに意外にも、本発明の方法は、二重負電荷を有する酸素イオンの他の同一の収率での減少した電力消費により区別され、これは、とりわけ、上記の4つの電子の移動が、ここに存在する方法において、例えば導電性カーボンブラックを用いる先行技術に従う方法における場合より低い電圧でさえ起こるという事実に起因する。このことは、本発明の方法において電極表面で観測される過電圧が、観測することができ、十分に小さいことを意味する。
【0061】
ピリジンおよび第4級窒素を有する上記窒素ドープカーボンナノチューブを含む電極の電極表面積当たりのアンペアにより示される電流密度は、上記電圧にまたは上記電圧の適用での拡散速度に実質的に依存し、本発明の方法においてまたは好ましい変法による方法において、4つの電子が、低い電圧でさえ1つの工程により移動されるので低い電圧で有利に高い。
【0062】
従って、電圧および電流密度の上記範囲は、これらの範囲で、本発明で示される方法を、分子酸素の還元に基づいて測定される電力の最小量の使用により行うことができるので特に有利である。
【0063】
特に、本発明に従って用いる、ピリジンおよび第4級窒素の割合を、8を越えるpHを有する溶液中に有する窒素ドープカーボンナノチューブは、還元のための最小要求電圧(セル電圧)を低減することにより用いるエネルギーの上記の最小化を可能とする。
【0064】
本発明はさらに、8を越えるpHを有する溶液中における、分子酸素の還元のための、ピリジンおよび第4級窒素の割合を有する窒素ドープカーボンナノチューブの使用に関する。
【0065】
本発明の最終主題は、8以上のpHを有する溶液で満たされ、ピリジンおよび第4級窒素の割合を有する窒素ドープカーボンナノチューブの割合を含む電極(1a)が存在する第1電極空間(1)を含み、該電極が、電源(3)によりさらなる電極空間(2)におけるさらなる電極(2a)への導電接続を有し、膜(4)が第1電極空間およびさらなる電極空間との間に存在することを特徴とする、二重負電荷を有する酸素イオンを与える分子酸素の電気化学還元のための電解装置である。
【0066】
本発明の方法は、本発明の装置において特に有利に行うことができる。
【0067】
本発明を、図を参照して説明するが、これに限定されない。
【0068】
本発明をさらに、以下の実施例により詳細に説明するが、これに限定されない。
【実施例】
【0069】
実施例1:本発明の酸素還元
ピリジンの650℃での固定床反応器中での触媒分解により、コバルト−モリブデン−マグネシウム酸化物触媒(19重量%のCo、4重量%のMoおよび77重量%のMgOからなる)上で調製された、40mgの窒素ドープカーボンナノチューブをまず、これらが触媒残留物から濃縮塩化水素溶液中での線上により放出された後に50mLのアセトン中に分散し、第1分散体Aを得た。
【0070】
窒素ドープカーボンナノチューブを、X線電子分光法(ESCA、ThermoFisher製、ESCALab 220iXL、製造業者の説明書に記載の方法)および透過電子顕微鏡法(TEM、FEI製、装置タイプ:Tecnai20, Megaview III、製造業者の説明書に記載の方法)により予め調査した。
【0071】
ここで、該窒素ドープカーボンナノチューブは、6.5原子%の窒素の割合を有し、2.88の第4級窒素に対するピリジンの割合を有し、これらは、約10nmの中位径d50および約150nmの中位径を有し、これらは10を越えるアスペクト比を有することを見出した。
【0072】
得られた120μLの分散体を、回転性の環状円盤電極(Jaissle Elektronik GmbH製)の研磨電極表面上へ液滴状に導入した。
【0073】
そこへ、アセトンの蒸発後、10μLの溶解硫酸テトラフルオロエチレンポリマー(Nafion(登録商標)、DuPont製)を、26mg/mLの濃度で分散体A中に存在する固体を固定するためのイソプロパノール中において液滴状に導入した。
【0074】
次いで、窒素ドープカーボンナノチューブを含む回転性の環状円盤電極を、作用電極として、3電極(作用電極、対向電極および参照電極)を含有する実験室セル中で用いた。
【0075】
用いた配置は、当業者に一般的に3電極配置として既知である。予め純粋酸素のガス流を通過させることにより酸素で飽和した1モルNaOH水溶液を、作用電極を包囲する電解質として用いた。
【0076】
用いた参照電極は、市販のAg/AgCl電極(Mettler−Toledo製)であった。
【0077】
電解質を60℃に加熱した。分子形態で電解質中に溶解した酸素の還元も、制御した該温度で行った。
【0078】
次いで、限界電流の変化を、作用電極と参照電極との間に適用した+0.2V〜−0.8Vの範囲で測定した。+0.2V〜−0.8Vの上記範囲を10mV/秒の速度で確認した。
【0079】
上記範囲の測定を同様に数回行い、環状円盤電極の回転速度は、いずれも新たな試験において変化した。
【0080】
総じて、3つの上記測定を図1のKoutecky−Levich図にプロットするために、1分当たり400、900および1600の環状円盤電極の回転で行った。
【0081】
測定の結果を、Koutecky−Levich図の形態で図1に示す。約4.2の値を、本発明の方法において移動した電子nの数について、上に示した式(V)および(VI)を用いて、線形近似の傾きから得た。このことから、酸素の還元の過程において、過酸化水素は、式(I)で示される反応において形成されず、これは、本発明の方法の上記の優位性によるものである。
【0082】
例として、上記Koutecky−Levich図からの単一測定を、図2において、1分当たり3600の環状円盤電極の回転での測定(A)について、比較例1(B)からの対応する測定と比較して示す。
【0083】
このことから、まず、本発明の方法を測定の過程において行うことにより、電流フローは、Ag/AgCl電極に対して約−0.1Vの適用電圧で生じるが、本発明によらない方法を行うことにより、電流フローは、適用電圧が約−0.2Vである場合、顕著な程度にまで生じることが明らかである。従って、酸素の還元は、本発明の方法において、先行技術による方法より先に有利に生じ、このことは、酸素の電気化学還元のためのエネルギーの節約をもたらす。図2はさらに、本発明の方法のための限界電流が、本発明によらない方法の限界電流の高さの約2倍であることを示す。これは、上記の本発明の方法における式(III)で示される4つの電子の移動によるものであるが、2つの電子のみが、本発明の方法において、過酸化水素の形成を伴って式(I)に従って移動する。従って、本発明によらない方法の場合には、より高い電圧の適用の後、図2において約0.75Vの電圧で曲線がさらに曲がった形態で示される、式(II)の過酸化水素のさらなる還元が起こり得る。しかしながら、本発明の方法によらない方法は常に、二重負電荷を有する酸素イオンが、本発明の方法によらない方法から本発明の方法における方法のように得られる場合、より高い電圧の適用の必要性を伴うことを示唆する。従って、上記方法は、少なくともエネルギーに関してかなり不利であり、直接の結果、経済的に不利である。
【0084】
実施例2:本発明によるさらなる酸素還元
実施例1における実験と同様の実験を、実施例1で用いた窒素ドープカーボンナノチューブの代わりに、ピリジンの650℃での固定床反応器中での触媒分解により、WO2007093337の実施例1に対応する触媒上で調製された窒素ドープカーボンナノチューブを用いることだけが異なって行った。さらに、測定は、1分当たり2500の環状円盤電極の回転速度で行った。
【0085】
窒素ドープカーボンナノチューブは、ESCAにより予め調査した。それにより、該窒素ドープカーボンナノチューブは、3.8原子%の窒素の割合を有し、2.79の第4級窒素に対するピリジンの割合を有することを見出した。
【0086】
測定の結果を、Koutecky−Levich図の形態で図3に示す。約3.6の値を、本発明の方法において移動した電子nの数について、上に示した式(V)および(VI)を用いて、線形近似の傾きから得た。このことから、酸素の還元の過程において、過酸化水素は、式(I)で示される反応において形成されず、これは、本発明の方法の上記の優位性によるものである。
【0087】
実施例3:本発明による、さらなる追加的な酸素還元
実施例2における実験と同様の実験を、実施例2で用いた窒素ドープカーボンナノチューブの代わりに、ピリジンの650℃での固定床反応器中での触媒分解により、WO2007093337の実施例2に対応する触媒上で調製された窒素ドープカーボンナノチューブを用いることだけが異なって行った。
【0088】
窒素ドープカーボンナノチューブは、ESCAにより予め調査した。それにより、該窒素ドープカーボンナノチューブは、5.8原子%の窒素の割合を有し、1.61の第4級窒素に対するピリジンの割合を有することを見出した。
【0089】
測定の結果を、Koutecky−Levich図の形態で図4に示す。約4.1の値を、本発明の方法において移動した電子nの数について、上に示した式(V)および(VI)を用いて、線形近似の傾きから得た。このことから、酸素の還元の過程において、過酸化水素は、式(I)で示される反応において形成されず、これは、本発明の方法の上記の優位性によるものである。
【0090】
比較例1:カーボンブラックを用いる本発明によらない酸素還元
実施例1における実験と同様の実験を、実施例1で用いた窒素ドープカーボンナノチューブの代わりに、カーボンブラック(Cabo製Vulcan XC72)を用いることだけが異なって行った。
【0091】
本発明によらない方法と実施例1による本発明の方法との間での比較は、図2に示す。差異は、本発明の実施例1において既に説明した。
【0092】
比較例2:他の窒素ドープカーボンナノチューブを用いる、本発明によらないさらなる酸素還元
実施例1における実験と同様の実験を、実施例1で用いた窒素ドープカーボンナノチューブの代わりに、ESCAにより、0.63の第4級窒素に対するピリジンの割合を有する窒素ドープカーボンナノチューブを用いることだけが異なって行った。この窒素ドープカーボンナノチューブは、ピリジンの750℃での固定床反応器中での触媒分解により、WO2007093337の実施例2に対応する触媒上で調製された。
【0093】
測定の結果を、図5のKoutecky−Levich図に、中のない四角(V2)の形態で示す。約2.2の値を、比較例の方法において移動した電子nの数について、上に示した式(V)および(VI)を用いて、薄い波線として図5に示され、V2として特徴付けられた測定データの線形近似の傾きから得た。
【0094】
実施例1〜3による本発明による酸素還元(それぞれ、実線の形態(1、2、3)および黒丸、黒四角および黒三角の形態(1、2、3)で図5に示される)との比較により、線形近似の傾きがわずかに半分であることが明らかである。
【0095】
このことから、ここで行われた比較例の酸素の還元の過程では、式(I)で示される、過酸化水素の形成を伴う還元が起こり、このことは上記理由により不利である。
【0096】
比較例3:他の窒素でドープされないカーボンナノチューブを用いる、本発明によらないさらなる酸素還元
実施例1における実験と同様の実験を、実施例1で用いた窒素ドープカーボンナノチューブの代わりに、市販のカーボンナノチューブ(BayTubes(登録商標)、BayTubes製)を用いることだけが異なって行った。
【0097】
測定の結果を、図5のKoutecky−Levich図に、中のない丸(V3)の形態で示す。約2.1の値を、比較例の方法において移動した電子nの数について、上に示した式(V)および(VI)を用いて、薄い波線として図5に示され、V3として特徴付けられた測定データの線形近似の傾きから得た。
【0098】
実施例1〜3による本発明による酸素還元(それぞれ、実線の形態(1、2、3)および黒丸、黒四角および黒三角の形態(1、2、3)で図5に示される)との比較により、線形近似の傾きがわずかに半分であることが明らかである。
【0099】
このことから、ここで行われた比較例の酸素の還元の過程では、式(I)で示される、過酸化水素の形成を伴う反応が起こり、このことは上記理由により不利である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重負電荷を有する酸素イオンを、8以上のpHを有する溶液中で与える分子酸素の電気化学還元のための方法であって、分子酸素を、前記溶液中において、ピリジンおよび第4級窒素の割合を有する窒素ドープカーボンナノチューブと、電圧の適用により接触させることを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
窒素ドープカーボンナノチューブは、3〜150nm、好ましくは4〜100nm、特に好ましくは5〜50nmの直径を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
窒素ドープカーボンナノチューブは、少なくとも2、好ましくは少なくとも5、特に好ましくは少なくとも10のアスペクト比を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
窒素ドープカーボンナノチューブは、ピリジンおよび第4級窒素を、1以上、好ましくは1.5以上、特に好ましくは2以上の割合で有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
窒素ドープカーボンナノチューブは、1原子%以上の割合の窒素を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
Ag/AgCl参照電極に対して測定した+0.2〜0.8Vの電圧を適用することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
8を越えるpHを有する水溶液中における、分子酸素の還元のためのピリジンおよび第4級窒素の割合を有する窒素ドープカーボンナノチューブの使用。
【請求項8】
8以上のpHを有する溶液で満たされ、ピリジンおよび第4級窒素の割合を有する窒素ドープカーボンナノチューブの割合を含む電極(1a)が存在する第1電極空間(1)を含み、該電極は、電源(3)により、さらなる電極空間(2)におけるさらなる電極(2a)への導電接続を有し、膜(4)が、第1電極空間およびさらなる電極空間の間に存在することを特徴とする、二重負電荷を有する酸素イオンを与える分子酸素の電気化学還元のための電解装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−512328(P2012−512328A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541157(P2011−541157)
【出願日】平成21年12月5日(2009.12.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008699
【国際公開番号】WO2010/069490
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(504109610)バイエル・テクノロジー・サービシーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (75)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Technology Services GmbH
【Fターム(参考)】