説明

分散アゾ色素

本発明は、式I
【化1】


〔式中、
D、R〜R、m、及びnは、請求項1に記載したのと同様に定義される〕
で示される色素、その調製プロセス、その使用、及びそれを含有するインクジェット捺染用のインクを特許請求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散染料の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
不飽和アルコールのエステル基を含有する分散アゾ色素は、文献から公知である。特定的には、カップリング成分中にアリルエステル基を含有する分散アゾ色素は、周知であり、例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,428,138号明細書
【特許文献2】米国特許第5,639,282号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2004/0143108A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の発明者らは、驚くべきことに、以下に定義されるようにカップリング成分中にビニルエステル基を含有する色素を使用した場合、疎水性繊維用の標準的染料と比較して改良された洗濯堅牢性を有するポリエステル染色物が得られることを見いだした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、式(I)
【0006】
【化1】

〔式中、
Dは、ジアゾ成分であり、
は、水素、(C〜C)−アルキル、ヒドロキシ、−NHCOR、又は−NHSOであり、
は、水素、ハロゲン、又は(C〜C)−アルコキシであり、
は、水素又はメチルであり、
は、水素、(C〜C)−アルキル、置換型(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキル{−O−、−S−、及び−NRよりなる群から選択される1、2、若しくは3個のヘテロ原子が介在する}、置換型(C〜C)−アルキル{−O−、−S−、及び−NRよりなる群から選択される1、2、若しくは3個のヘテロ原子が介在する}、(C〜C)−アルケニル、置換型(C〜C)−アルケニル、ベンジル、又はフェネチルであり、
は、水素又はメチルであり、
は、(C〜C)−アルキル、フェニル、又は置換型フェニルであり、
は、(C〜C)−アルキル、フェニル、又は置換型フェニルであり、
mは、0、1、又は2であり、且つ
nは、0又は1である〕
で示される色素を特許請求する。
【0007】
ジアゾ成分Dは、分散染料の調製に使用されるすべてのジアゾ成分でありうる。そのようなカップリング成分は、文献に記載されており、当業者に公知である。
【0008】
好ましいジアゾ成分Dは、式(IIa)
【0009】
【化2】

〔式中、
は、水素、ハロゲン、シアノ、又はニトロであり、
は、水素、ハロゲン、又はニトロであり、
は、水素、ハロゲン、メチルスルホニル、フルオロスルホニル、又はニトロであり、且つ
は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、又はニトロである〕
で示されるか、或いは式(IIb)
【0010】
【化3】

〔式中、
は、水素又はハロゲンであり、且つ
は、水素、ハロゲン、ニトロ、−SOCH、又は−SCNである〕
で示されるか、或いは式(IIc)
【0011】
【化4】

〔式中、
は、水素又はハロゲンである〕
で示されるか、或いは式(IId)
【0012】
【化5】

〔式中、
は、ニトロ、シアノ、−CHO、又は式(IIe)
【0013】
【化6】

{ここで、G11及びG12は、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、又はシアノである}
で示される基であり、
は、水素又はハロゲンであり、且つ
10は、ニトロ、シアノ、−COCH、又は−COO−G13{ここで、G13は、C〜Cアルキルである}である〕
で示されるか、或いは式(IIf)
【0014】
【化7】

で示される。
【0015】
Dの特に好ましい例は、次のアミンから誘導される:3,4−ジクロロアニリン、2−トリフルオロメチル−4−ニトロアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、4−クロロ−2−ニトロアニリン、2−ブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−メチルスルホニルアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,5−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−クロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2−クロロ−4,6−ジニトロアニリン、2−ブロモ−4,6−ジニトロアニリン、2−アミノ−5−ニトロチアゾール、2−アミノ−3,5−ジニトロチオフェン、2−アミノ−5−ニトロチオフェン−3−カルボン酸エチルエステル、2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−5−ホルミルチオフェン、2−アミノ−5−(4−ニトロフェニルアゾ)−チオフェン−3−カルボニトリル、7−アミノ−5−ニトロベンゾイソチアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルスルホニルベンゾチアゾール、2−アミノ−6−チオシアナトベンゾチアゾール、及び2−アミノ−5,6/6,7−ジクロロベンゾチアゾール。
【0016】
本明細書での定義では、アルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、又はn−ブチルである。6個までの炭素原子のアルキル基は、この他に更にペンチル又はヘキシルでありうる。同一の論法はアルコキシ基及びアルケニル基にあてはまり、アルコキシ基は好ましくはメトキシ、エトキシ又はプロポキシであり、アルケニル基は好ましくはビニル又はアリルである。
【0017】
−O−、−S−、及び−NRよりなる群から選択される1、2、若しくは3個のヘテロ原子が介在する(C〜C)−アルキル基の例は、−CH−O−CH−、−(CH−O−(CH−、−CH−S−CH−、−(CH−S−(CH−、−CH−NR7’−CH−、又は−(CH−NR7’−(CH−である。ただし、式中、R7’は、水素又はメチルである。
【0018】
アルキル基、介在型アルキル基、又はアルケニル基の置換基は、好ましくは、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン、−COOH、−COOR、−OC(O)R、アミノ、−NHC(O)R、及び−NHSOである。ただし、式中、Rは、(C〜C)−アルキル、フェニル、又は置換型フェニルである。
【0019】
置換型フェニル基は、1、2、若しくは3個の置換基を有する。そのような置換基の例は、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、及びニトロである。ハロゲンは、好ましくは、フッ素、塩素、又は臭素である。ただし、G、G、G、G、G、G、G、G、G11、及びG12の場合、ハロゲンは、特に好ましくは塩素又は臭素である。
【0020】
式(I)で示される好ましい色素では、
は、水素、メチル、又は−NHCOCHであり、
は、水素、クロロ、メトキシ、又はエトキシであり、
は、水素又はメチルであり、
は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、−CH−O−CH−、又は−(CH−O−(CH−であり、
は、水素又はメチルであり、
mは、0、1、又は2であり、
nは、0又は1であり、且つ
Dは、以上に記載したように定義されるか、又は好ましくは式(IIa)〜(IIf)の意味の1つを有する。
【0021】
式(I)で示される特に好ましい色素では、
は、水素、メチル、又は−NHCOCHであり、
は、水素、クロロ、メトキシ、又はエトキシであり、
は、水素又はメチルであり、
は、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、−CH−O−CH−、又は−(CH−O−(CH−であり、
は、水素又はメチルであり、
mは、0、1、又は2であり、
nは、0又は1であり、且つ
Dは、3,4−ジクロロアニリン、2−トリフルオロメチル−4−ニトロアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、4−クロロ−2−ニトロアニリン、2−ブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−メチルスルホニルアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,5−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−クロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2−クロロ−4,6−ジニトロアニリン、2−ブロモ−4,6−ジニトロアニリン、2−アミノ−5−ニトロチアゾール、2−アミノ−3,5−ジニトロチオフェン、2−アミノ−5−ニトロチオフェン−3−カルボン酸エチルエステル、2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−5−ホルミル−チオフェン、2−アミノ−5−(4−ニトロフェニルアゾ)−チオフェン−3−カルボニトリル、7−アミノ−5−ニトロベンゾイソチアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルスルホニル−ベンゾチアゾール、2−アミノ−6−チオシアナトベンゾチアゾール、又は2−アミノ−6,7−ジクロロ−ベンゾチアゾールから誘導される。
【0022】
式(I)で示される更なる特に好ましい色素は、式(Ia)
【0023】
【化8】

〔式中、
は、水素、塩素、臭素、シアノ、又はニトロであり、
は、水素、塩素、又はニトロであり、
は、水素、塩素、ニトロ、又はメチルスルホニルであり、
は、水素、塩素、臭素、トリフルオルメチル、シアノ、又はニトロであり、
は、水素、メチル、又は−NHCOCHであり、
は、水素又はメトキシであり、且つ
は、水素、エチル、ブチル、又はベンジルである〕
に対応する。
【0024】
式(I)で示される他の更なる特に好ましい色素は、式(Ib)
【0025】
【化9】

〔式中、
は、水素又は塩素であり、
は、塩素、ニトロ、−SOCH、又は−SCNであり、
は、水素又はメチルであり、且つ
は、エチル又はベンジルである〕
に対応する。
【0026】
式(I)で示される他の更なる特に好ましい色素は、式(Ic)
【0027】
【化10】

〔式中、
は、水素又はメチルであり、且つ
は、エチル又はベンジルである〕
に対応する。
【0028】
式(I)で示される他の更なる特に好ましい色素は、式(Id)
【0029】
【化11】

〔式中、
は、ニトロ、−CHO、又は−N=N−C−p−NOであり、
は、水素又は塩素であり、
10は、ニトロ、シアノ、又は−COOCであり、
は、水素又はメチルであり、且つ
は、エチル又はベンジルである〕
に対応する。
【0030】
式(I)で示される他の更なる特に好ましい色素は、式(Ie)
【0031】
【化12】

〔式中、
は、水素又はメチルであり、且つ
Dは、式(IIa)〜(IIf)の意味の1つを有し、好ましくは、3,4−ジクロロアニリン、2−トリフルオロメチル−4−ニトロアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、4−クロロ−2−ニトロアニリン、2−ブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−メチルスルホニルアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,5−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−クロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2−クロロ−4,6−ジニトロアニリン、2−ブロモ−4,6−ジニトロアニリン、2−アミノ−5−ニトロチアゾール、2−アミノ−3,5−ジニトロチオフェン、2−アミノ−5−ニトロチオフェン−3−カルボン酸エチルエステル、2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−5−ホルミル−チオフェン、2−アミノ−5−(4−ニトロフェニルアゾ)−チオフェン−3−カルボニトリル、7−アミノ−5−ニトロベンゾイソチアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルスルホニル−ベンゾチアゾール、2−アミノ−6−チオシアナトベンゾチアゾール、又は2−アミノ−6,7−ジクロロ−ベンゾチアゾールから誘導され、特に好ましくは、2−シアノ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、又は7−アミノ−5−ニトロベンゾ−イソチアゾールから誘導される〕
に対応する。
【0032】
式(I)で示される他の更なる特に好ましい色素は、式(If)
【0033】
【化13】

〔式中、
は、水素又はメチルであり、
は、水素又はメチルであり、
は、水素又はメチルであり、且つ
Dは、式(IIa)〜(IIf)の意味の1つを有し、好ましくは、3,4−ジクロロアニリン、2−トリフルオロメチル−4−ニトロアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、4−クロロ−2−ニトロアニリン、2−ブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−メチルスルホニルアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,5−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−クロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2−クロロ−4,6−ジニトロアニリン、2−ブロモ−4,6−ジニトロアニリン、2−アミノ−5−ニトロチアゾール、2−アミノ−3,5−ジニトロチオフェン、2−アミノ−5−ニトロチオフェン−3−カルボン酸エチルエステル、2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−5−ホルミル−チオフェン、2−アミノ−5−(4−ニトロフェニルアゾ)−チオフェン−3−カルボニトリル、7−アミノ−5−ニトロベンゾイソチアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルスルホニル−ベンゾチアゾール、2−アミノ−6−チオシアナトベンゾチアゾール、又は2−アミノ−6,7−ジクロロ−ベンゾチアゾールから誘導され、特に好ましくは、2−シアノ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、又は7−アミノ−5−ニトロベンゾ−イソチアゾールから誘導される〕
に対応する。
【0034】
式(I)で示される色素は、アゾ化合物の通常の調製方法により、例えば、式(III)
D−NH (III)
〔式中、Dは、以上に記載したのと同様に定義される〕
で示されるアミンをジアゾ化して、式(IV)
【0035】
【化14】

〔式中、R〜R、m、及びnは、以上に記載したと同様に定義される〕
で示される化合物にカップリングすることにより取得可能である。
【0036】
典型的には、式(III)で示されるアミンは、−10℃〜10℃の温度に於いて、ニトロシル硫酸、亜硝酸ナトリウム、又は亜硝酸メチルのようなニトロソ化剤を用いて、酢酸、プロピオン酸、又は塩酸のような酸性媒体中でジアゾ化可能である。式(IV)で示される化合物へのカップリングは、文献に記載され当業者に公知である条件下で式(IV)で示される化合物にジアゾ化されたアミンを添加することにより達成可能である。カップリング後、式(I)で示される化合物は、濾過のような任意の便利な手段により反応混合物から回収可能である。
【0037】
式(IV)で示されるビニルエステル含有化合物は、当業者に公知で文献に記載されているいくつかの方法により市販又は文献記載の出発原料から調製可能である。エノールエステル官能基は、たとえば、有機合成(Organic Synthesis)、J.ワイリー・アンド・サンズ社(J.Wiley and sons,Inc.)、合冊版第IV巻、977頁に記載されるように取得可能である。所要のエノールアセテート前駆体は、購入可能又は調製可能である。エノールアセテート化合物の合成については、たとえば、米国特許第2,466,737号明細書に記載されている。
【0038】
式(III)で示される化合物は、公知であるか、又は当業者に公知の標準的条件下で容易に調製される。
【0039】
式(I)で示される色素は、合成テキスタイル材料、特にポリエステルテキスタイル材料及びそれと綿のようなセルロース系材料などとの繊維ブレンドを染色及び捺染するのに有用であり、優れた洗濯堅牢性を有する色を付与する。
【0040】
式(I)で示される色素を用いる記載の繊維布地の染色は、それ自体公知の方法で、好ましくは水性ディスパージョンから、適切であればキャリヤーの存在下で、80〜110℃で吸尽プロセスにより、又は110〜140℃で染色オートクレーブを用いてHTプロセスにより、及び染液で布地をパディングしてから約180〜230℃で固着させる所謂熱固着プロセスにより、実施可能である。
【0041】
記載の繊維布地はまた、式(I)で示される色素を捺染糊に組み込んで、該糊で捺染された布地を、適切であればキャリヤーの存在下で、180〜230℃の温度においてHTスチーム、加圧スチーム、又は乾熱で処理して色素を固着させる手順により、それ自体公知の方法で、捺染することも可能である。
【0042】
式(I)で示される色素は、上記の用途で利用される染液及び捺染糊の中にできる限り微細な分散状態で存在することが望ましい。
【0043】
色素の微細分散は、調製時に得られた色素を分散剤と共に液体媒体中に、好ましくは水中に懸濁させて、該混合物を剪断力の作用に付し、最適な比表面積が達成され且つ色素の沈降ができる限り少なくなるような程度まで最初に存在していた粒子を機械的に粉砕する手順により、それ自体公知の方法で行われる。色素の粒子サイズは、一般的には0.5〜5μm、好ましくは約1μmである。
【0044】
使用される分散剤は、非イオン性又は陰イオン性でありうる。非イオン性分散剤は、例えば、エチレンオキシドやプロピレンオキシドなどのようなアルキレンオキシドと、脂肪アルコール、脂肪アミン、脂肪酸、フェノール類、アルキルフェノール、及びカルボン酸アミンなどのようなアルキル化可能な化合物と、の反応生成物である。陰イオン性分散剤は、例えば、リグニンスルホネート、アルキル‐若しくはアルキルアリール-スルホネート、又はアルキルアリールポリグリコールエーテルサルフェートである。
【0045】
ほとんどの使用方法では、こうして得られる色素配合物は、注込み可能であることが望ましい。従って、これらの場合、色素及び分散剤の含有率は限定される。一般的には、前記ディスパージョンは、50重量パーセントまでの色素含有率及び25重量パーセントまでの分散剤含有率に設定される。経済上の理由で、色素含有率は、通常15重量パーセントを下回ることはない。
【0046】
前記ディスパージョンは、例えば酸化剤又は殺菌類剤として作用する他の助剤をも含みうる。そのような作用剤は、当技術分野で周知である。
【0047】
こうして得られる色素ディスパージョンは、捺染糊及び染液を調製するために非常に有利に使用しうる。
【0048】
特定の使用分野では、粉末配合物が好ましい。こうした粉末は、色素、分散剤、及び他の助剤、例えば、湿潤剤、酸化剤、保存剤、及び除塵剤などを含む。
【0049】
粉末状色素配合物の好ましい調製プロセスは、例えば、真空乾燥、凍結乾燥、ローラー乾燥機を用いた乾燥により、好ましくは噴霧乾燥により、以上に記載の液状色素ディスパージョンから液体を除去することを含む。
【0050】
その他に、式(I)で示される本発明に係る色素は、ディジタルインクジェット捺染用のインクで有利に使用可能である。
【0051】
従って、本発明はまた、式(I)で示される少なくとも1種の色素を含有するインクジェット捺染用のインクに関する。
【0052】
ディジタルインクジェット捺染で使用するためのインクは、通常、水性インクであり、0.1%〜20%の分散剤をさらに含む。有用な分散剤としては、例えば、スルホン化若しくはスルホメチル化-リグニン、芳香族スルホン酸のホルムアルデヒド縮合物、置換型若しくは無置換型のフェノール誘導体のホルムアルデヒド縮合物、ポリアクリレート及びそのコポリマー、スチレンオキシドポリエーテル、変性ポリウレタン、アルキレンオキシドとアルキル化可能な化合物(例えば、脂肪アルコール、脂肪アミン、脂肪酸、カルボキサミド、樹脂酸、更には置換型若しくは無置換型のフェノールなど)との反応生成物が挙げられる。
【0053】
連続フロープロセスで使用されるインクは、電解質を添加することにより0.5〜25mS/cmの範囲内の導電率に調整可能である。
【0054】
有用な電解質としては、例えば、硝酸リチウム及び硝酸カリウムが挙げられる。さらに、本発明に係るインクは、全量で1〜60重量%、好ましくは5〜40重量%の典型的なインクジェット用有機溶媒を含んでいてもよい。
【実施例】
【0055】
実施例1
3−{[4−(2−クロロ−4−ニトロフェニルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステル
【0056】
【化15】

5.2部の2−クロロ−4−ニトロアニリン、20部のプロピオン酸、及び30部の酢酸を仕込んで5℃に冷却した。温度を10℃未満に保持しながら、11.4部の40%(w/w)ニトロシル硫酸を添加した。ジアゾ化混合物を5〜10℃で更に2時間攪拌した。別の容器に、6.5部の3−(エチル−フェニル−アミノ)−プロピオン酸ビニルエステル、100部のメタノール、1部のスルファミン酸、及び100部の氷を仕込んだ。撹拌しながら、ジアゾ化混合物、続いて更なる300部の氷を徐々に添加した。反応混合物を一晩撹拌し、生成物を濾過により単離し、水で洗浄し、そして乾燥させて9.9部の3−{[4−(2−クロロ−4−ニトロフェニルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステルを得た。λmax=510nm(DMF)。
【0057】
水性ディスパージョンでポリエステル材料を染色した場合、優れた湿潤堅牢性及び光堅牢性を備えた赤色色調が観察された。
【0058】
実施例1で概説した手順に従って、表1の実施例2〜64の式(Ia)で示される染料を調製した。
【0059】
【化16】

【0060】
【表1】

【0061】
【表2】

【0062】
実施例65
3−{[4−(5,6/6,7−ジクロロベンゾチアゾール−2−イルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステル
【0063】
【化17】

6.5部の2−アミノ−5,6/6,7−ジクロロベンゾチアゾール、20部のプロピオン酸、及び30部の酢酸を仕込んで5℃に冷却した。温度を10℃未満に保持しながら、11.4部の40%(w/w)ニトロシル硫酸を添加した。ジアゾ化混合物を5〜10℃で更に2時間攪拌した。別の容器に、6.5部の3−(エチル−フェニル−アミノ)−プロピオン酸ビニルエステル、100部のメタノール、1部のスルファミン酸、及び100部の氷を仕込んだ。撹拌しながら、ジアゾ化混合物、続いて更なる300部の氷を徐々に添加した。反応混合物を一晩撹拌し、生成物を濾過により単離し、水で洗浄し、そして乾燥させて11.7部の3−{[4−(5,6/6,7−ジクロロベンゾチアゾール−2−イルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステルを得た。λmax=530nm(DMF)。
【0064】
水性ディスパージョンからポリエステル材料に適用したとき、優れた湿潤堅牢性及び光堅牢性を備えた赤色色調が観察された。
【0065】
実施例65で概説した手順に従って、表2の実施例66〜80の式(Ib)で示される染料を調製した。
【0066】
【化18】

【0067】
【表3】

【0068】
実施例81
3−{エチル−[4−(5−ニトロ−ベンゾ[c]イソチアゾール−3−イルアゾ)−フェニル]−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステル
【0069】
【化19】

5.9部の7−アミノ−5−ニトロベンゾイソチアゾール、30部の98%硫酸、及び8部の85%リン酸を仕込み、60℃で30分間加熱し、次に、5℃に冷却した。温度を10℃未満に保持しながら、11.4部の40%(w/w)ニトロシル硫酸を添加した。ジアゾ化混合物を5〜10℃で更に2時間攪拌した。別の容器に、6.5部の3−(エチル−フェニル−アミノ)−プロピオン酸ビニルエステル、100部のメタノール、1部のスルファミン酸、及び100部の氷を仕込んだ。撹拌しながら、ジアゾ化混合物、続いて更なる300部の氷を徐々に添加した。反応混合物を一晩撹拌し、生成物を濾過により単離し、水で洗浄し、そして乾燥させて10.1部の3−{エチル−[4−(5−ニトロ−ベンゾ[c]イソチアゾール−3−イルアゾ)−フェニル]−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステルを得た。λmax=606nm(DMF)。
【0070】
水性ディスパージョンからポリエステル材料に適用したとき、優れた湿潤堅牢性及び光堅牢性を備えた青色色調が観察された。
【0071】
実施例81で概説した手順に従って、表3の実施例82〜84の式(Ic)で示される染料を調製した。
【0072】
【化20】

【0073】
【表4】

【0074】
実施例85
3−{[4−(3,5−ジニトロ−チオフェン−2−イルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステル
【0075】
【化21】

5.7部の2−アミノ−3,5−ジニトロチオフェン、20部のプロピオン酸、及び30部の酢酸を仕込んで2℃に冷却した。温度を4℃未満に保持しながら、11.4部の40%(w/w)ニトロシル硫酸を添加した。ジアゾ化混合物を2〜4℃で更に2時間攪拌した。別の容器に、6.5部の3−(エチル−フェニル−アミノ)−プロピオン酸ビニルエステル、100部のメタノール、1部のスルファミン酸、及び100部の氷を仕込んだ。撹拌しながら、ジアゾ化混合物、続いて更なる300部の氷を徐々に添加した。反応混合物を一晩撹拌し、生成物を濾過により単離し、続いて、水、メタノール、そして再び水で洗浄し、次に、乾燥させて7.4部の3−{[4−(3,5−ジニトロ−チオフェン−2−イルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステルを得た。λmax=626nm(アセトン)。
【0076】
水性ディスパージョンからポリエステル材料に適用したとき、優れた湿潤堅牢性及び光堅牢性を備えた青色色調が観察された。
【0077】
実施例85で概説した手順に従って、表4の実施例86〜97の式(Id)で示される染料を調製した。
【0078】
【化22】

【0079】
【表5】

【0080】
実施例98
3−{エチル−[3−メチル−4−(5−ニトロ−チアゾール−2−イルアゾ)−フェニル]−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステル
【0081】
【化23】

4.4部の2−アミノ−5−ニトロチアゾール、20部のプロピオン酸、及び30部の酢酸を仕込んで5℃に冷却した。温度を10℃未満に保持しながら、11.4部の40%(w/w)ニトロシル硫酸を添加した。ジアゾ化混合物を5〜10℃で更に2時間攪拌した。別の容器に、7.0部の3−(エチル−[3−メチルフェニル]−アミノ)−プロピオン酸ビニルエステル、100部のメタノール、1部のスルファミン酸、及び100部の氷を仕込んだ。撹拌しながら、ジアゾ化混合物、続いて更なる300部の氷を徐々に添加した。反応混合物を一晩撹拌し、生成物を濾過により単離し、続いて、水、メタノール、そして再び水で洗浄し、次に、乾燥させて9.5部の3−{エチル−[3−メチル−4−(5−ニトロ−チアゾール−2−イルアゾ)−フェニル]−アミノ}−プロピオン酸ビニルエステルを得た。λmax=602nm(DMF)。
【0082】
水性ディスパージョンからポリエステル材料に適用したとき、優れた湿潤堅牢性及び光堅牢性を備えた菫色色調が観察された。
【0083】
実施例99
4−{[4−(2−クロロ−4−ニトロフェニルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−酪酸ビニルエステル
【0084】
【化24】

5.2部の2−クロロ−4−ニトロアニリン、20部のプロピオン酸、及び30部の酢酸を仕込んで5℃に冷却した。温度を10℃未満に保持しながら、11.4部の40%(w/w)ニトロシル硫酸を添加した。ジアゾ化混合物を5〜10℃で更に2時間攪拌した。別の容器に、7.0部の4−(エチル−フェニル−アミノ)−酪酸ビニルエステル、100部のメタノール、1部のスルファミン酸、及び100部の氷を仕込んだ。撹拌しながら、ジアゾ化混合物、続いて更なる300部の氷を徐々に添加した。反応混合物を一晩撹拌し、生成物を濾過により単離し、水で洗浄し、そして乾燥させて10.4部の4−{[4−(2−クロロ−4−ニトロフェニルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−酪酸ビニルエステルを得た。λmax=509nm(DMF)。
【0085】
水性ディスパージョンからポリエステル材料に適用したとき、優れた湿潤堅牢性及び光堅牢性を備えた赤色色調が観察された。
【0086】
実施例99で概説した手順に従って、表5の実施例100〜106の式(Ie)で示される染料を調製した。ただし、実施例102及び106は例外である。これらの場合では、プロピオン酸と酢酸との混合物ではなく実施例81に関連して記載したように硫酸とリン酸との混合物でジアゾ化を行った。
【0087】
【化25】

【0088】
【表6】

【0089】
実施例107
3−{[4−(2−クロロ−4−ニトロフェニルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−2−メチル−プロピオン酸ビニルエステル
【0090】
【化26】

5.2部の2−クロロ−4−ニトロアニリン、20部のプロピオン酸、及び30部の酢酸を仕込んで5℃に冷却した。温度を10℃未満に保持しながら、11.4部の40%(w/w)ニトロシル硫酸を添加した。ジアゾ化混合物を5〜10℃で更に2時間攪拌した。別の容器に、7.0部の3−(エチル−フェニル−アミノ)−2−メチルプロピオン酸ビニルエステル、100部のメタノール、1部のスルファミン酸、及び100部の氷を仕込んだ。撹拌しながら、ジアゾ化混合物、続いて更なる300部の氷を徐々に添加した。反応混合物を一晩撹拌し、生成物を濾過により単離し、水で洗浄し、そして乾燥させて9.4部の3−{[4−(2−クロロ−4−ニトロフェニルアゾ)−フェニル]−エチル−アミノ}−2−メチル−プロピオン酸ビニルエステルを得た。λmax=511nm(DMF)。
【0091】
水性ディスパージョンからポリエステル材料に適用したとき、優れた湿潤堅牢性及び光堅牢性を備えた赤色色調が観察された。
【0092】
実施例107で概説した手順に従って、表6の実施例108〜120の染料を調製した。ただし、実施例109、113、116、及び120は例外である。これらの場合では、プロピオン酸と酢酸との混合物ではなく実施例81に関連して記載したように硫酸とリン酸との混合物でジアゾ化を行った。
【0093】
【化27】

【0094】
【表7】

【0095】
【表8】

【0096】
実施例121
50g/lの8%ナトリウムアルギネート溶液と100g/lの8〜12%ガラクトマンナン溶液と5g/lの水中リン酸二水素ナトリウムとを含む液を用いてポリエステルのテキスタイル布を前処理し、次に、乾燥させた。含浸率は70%である。こうして前処理されたテキスタイルを、
6%の実施例1の色素
1.5%の分散剤ディスパービック190(Disperbyk 190)
10%の2−プロパノール
20%のポリエチレングリコール200
0.01%の殺生物剤メルガルK9N(Mergal K9N)、及び
62.49%の水
を含有する水性インクで、ドロップオンデマンド(バブルジェット(登録商標))インクジェット捺染ヘッドを用いて捺染した。捺染物を完全に乾燥させる。175℃の飽和スチームを利用して7分間固着させる。次に、捺染物を加温下で濯ぎ、95℃の熱水で堅牢化洗浄に付し、加温下で濯ぎ、次に、乾燥させる。
結果として優れた使用堅牢性及び洗濯堅牢性を有する捺染物が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

〔式中、
Dは、ジアゾ成分であり、
は、水素、(C〜C)−アルキル、ヒドロキシ、−NHCOR、又は−NHSOであり、
は、水素、ハロゲン、又は(C〜C)−アルコキシであり、
は、水素又はメチルであり、
は、水素、(C〜C)−アルキル、置換型(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルキル{−O−、−S−、及び−NRよりなる群から選択される1、2、若しくは3個のヘテロ原子が介在する}、置換型(C〜C)−アルキル{−O−、−S−、及び−NRよりなる群から選択される1、2、若しくは3個のヘテロ原子が介在する}、(C〜C)−アルケニル、置換型(C〜C)−アルケニル、ベンジル、又はフェネチルであり、
は、水素又はメチルであり、
は、(C〜C)−アルキル、フェニル、又は置換型フェニルであり、
は、(C〜C)−アルキル、フェニル、又は置換型フェニルであり、
mは、0、1、又は2であり、且つ
nは、0又は1である〕
で示される色素。
【請求項2】
Dが、式(IIa)
【化2】

〔式中、
は、水素、ハロゲン、シアノ、又はニトロであり、
は、水素、ハロゲン、又はニトロであり、
は、水素、ハロゲン、メチルスルホニル、フルオロスルホニル、又はニトロであり、且つ
は、水素、ハロゲン、トリフルオロメチル、シアノ、又はニトロである〕
で示されるか、或いは式(IIb)
【化3】

〔式中、
は、水素又はハロゲンであり、且つ
は、水素、ハロゲン、ニトロ、−SOCH、又は−SCNである〕
で示されるか、或いは式(IIc)
【化4】

〔式中、
は、水素又はハロゲンである〕
で示されるか、或いは式(IId)
【化5】

〔式中、
は、ニトロ、シアノ、−CHO、又は式(IIe)
【化6】

{ここで、G11及びG12は、独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、又はシアノである}
で示される基であり、
は、水素又はハロゲンであり、且つ
10は、ニトロ、シアノ、−COCH、又は−COO−G13{ここで、G13は、C〜Cアルキルである}である〕
で示されるか、或いは式(IIf)
【化7】

で示される、請求項1に記載の色素。
【請求項3】
Dが、次のアミン:3,4−ジクロロアニリン、2−トリフルオロメチル−4−ニトロアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、4−クロロ−2−ニトロアニリン、2−ブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−メチルスルホニルアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,5−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−クロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2−クロロ−4,6−ジニトロアニリン、2−ブロモ−4,6−ジニトロアニリン、2−アミノ−5−ニトロチアゾール、2−アミノ−3,5−ジニトロチオフェン、2−アミノ−5−ニトロチオフェン−3−カルボン酸エチルエステル、2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−5−ホルミルチオフェン、2−アミノ−5−(4−ニトロフェニルアゾ)−チオフェン−3−カルボニトリル、7−アミノ−5−ニトロベンゾイソチアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルスルホニル−ベンゾチアゾール、2−アミノ−6−チオシアナトベンゾチアゾール、又は2−アミノ−6,7−ジクロロベンゾチアゾールから誘導される、請求項1又は2に記載の色素。
【請求項4】
が、水素、メチル、又は−NHCOCHであり、
が、水素、クロロ、メトキシ、又はエトキシであり、
が、水素又はメチルであり、
が、水素、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、i−ブチル、tert−ブチル、ベンジル、−CH−O−CH−、又は−(CH−O−(CH−であり、
が、水素又はメチルであり、
mが、0、1、又は2であり、
nが、0又は1である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素。
【請求項5】
式(III)
D−NH (III)
〔式中、Dは、請求項1に記載したのと同様に定義される〕
で示されるアミンをジアゾ化して、式(IV)
【化8】

〔式中、R〜R、m、及びnは、請求項1に記載したと同様に定義される〕
で示される化合物にカップリングすることを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の色素の調製プロセス。
【請求項6】
合成テキスタイル材料及びその繊維ブレンドを染色及び捺染するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の色素の使用。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の式(I)で示される色素を少なくとも1種含有するインクジェット捺染用のインク。

【公表番号】特表2010−509418(P2010−509418A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535688(P2009−535688)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/061806
【国際公開番号】WO2008/055846
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(503412791)ダイスター・テクスティルファルベン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・ドイッチュラント・コマンデイトゲゼルシャフト (40)
【Fターム(参考)】