分散アパーチャディスプレイ
【課題】個々にアドレス可能ピクセルを使用するディスプレイによって示される視覚アーチファクトを低減するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】ピクセルのアレイを備え、各ピクセルは可変の透過度又は輝度の切替可能領域32と、非切替可能領域34とを有する。各ピクセルの切替可能領域は、非切替可能領域の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された少なくとも2つの同時切替可能部分に分散される。1次空間高調波及び視覚アーチファクトは有意に低減される。カラーディスプレイでは、各色のピクセルが同様に細分される。
【解決手段】ピクセルのアレイを備え、各ピクセルは可変の透過度又は輝度の切替可能領域32と、非切替可能領域34とを有する。各ピクセルの切替可能領域は、非切替可能領域の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された少なくとも2つの同時切替可能部分に分散される。1次空間高調波及び視覚アーチファクトは有意に低減される。カラーディスプレイでは、各色のピクセルが同様に細分される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連特許)
本出願は、2004年12月29日に出願された米国仮出願第60/639,875号に対する恩恵を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、総括的にはディスプレイに関し、より詳細にはピクセルのアレイを備えるディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、個々にアドレス指定可能なピクセルのアレイで形成されたディスプレイを利用する多くの用途がある。これらは、説明の便宜上以下では「ピクセル式ディスプレイ」と呼ばれる。このようなディスプレイによって提示される光学像は、個々のピクセルの様々な組み合わせを作動させることによって形成される。電気信号又は他の信号によって様々なピクセルの部分がON又はOFFに切り替えられるようになる。ピクセルの切り替えられた部分は、バックライトに対し透明又は不透明になるか、或いは発光又は暗くなり、利用されるピクセルのタイプに応じて決まる。多くのディスプレイタイプにおいては、例えばアナログスイッチング又はパルス幅変調により、完全なONとOFFとの間の中間レベルも可能である。このようにして光画像が観察者に提示される。液晶(LC)及びプラズマフラットパネルディスプレイは、こうしたピクセル式ディスプレイの非限定的な実施例である。本発明はまた、他のタイプのピクセル式ディスプレイにも適用可能であり、このようなディスプレイを含めることが意図される。従来技術及び本発明は、透過型液晶ディスプレイ(LCD)の場合について本明細書で記載されているが、これは単に説明の便宜上のものであって限定を意図するものではない。
【0004】
図1Aは、従来技術による透過型液晶ディスプレイ(LCD)の典型的な個々のピクセル10を示し、図1Cは、図1Aの従来技術のピクセル10のアレイで形成された液晶ディスプレイ(LCD)パネル20を示す。図1Cには、僅かなピクセルのみが示されているが、LCDディスプレイ全体又はその幾らかの小部分を表すものと考えることができる。ピクセルの正確な数は、本発明には重要ではない。個々のピクセル10は、(例えば透過型LCDパネルにおいて)例えばピクセルの電気的作動によって透過又は発光することができる領域12と、通常は不透明で暗く、ピクセルを駆動するのに必要な様々な導線及び他の回路構成並びにディスプレイの種々の部分を覆う遮光層を通常含む周囲領域14とを備える。これらの遮光層は、ピクセル内のエッジ効果をマスクし、又は入射光から回路構成を遮蔽するのに使用される場合が多い。従って、ピクセル10が作動しているか否かに応じて、領域12は透明(発光)又は不透明(暗い)とすることができる。ONとOFFとで切替可能であることにより、領域12は、ピクセルのアクティブアパーチャ又は切替可能領域と見なされる。用語「アクティブアパーチャ」及び「切替可能領域」は、その光度又は透明度を電気信号によって変えることができるピクセルの当該部分を意味するものとして本明細書で同義的に用いられる。領域14は、一般に不透明で暗く、従って、ピクセルの非アクティブアパーチャ又は非切替可能領域である。あるディスプレイでは、領域12は、通常は不透明(暗く)で作動時に透明(発光)になり、ディスプレイによっては領域12は、通常は透明(発光)で作動時に不透明(暗く)になるものもある。本発明においては、何れの構成を使用するかは問題ではない。説明の便宜上、以下においては、領域12(及び本発明におけるその均等物)は、OFF状態のときに通常不透明(暗く)であり、作動時に、すなわちON状態に切り替えられると透明(発光)になるものと仮定されるが、これは限定を意図するものではない。図1Bは、アクティブアパーチャが部分16の近傍で縮小されている点だけが図1と異なる、ピクセル10についての別の典型的な従来技術のアパーチャ構造を表す。部分16は、アクティブマトリクスディスプレイのアクティブピクセルアパーチャの典型的な損失を表し、この部分は、ピクセル10を作動する小型電子ドライバ回路又は領域(例えば、TFTと呼ばれる1つ又はそれ以上の薄膜トランジスタ)、及び何れかの付随する遮光構造体によって通常占有される。部分16の有無、及びこれがアクティブアパーチャのコーナーに影響する程度は、従来技術のディスプレイの詳細に伴って異なる。一般的には、部分16の大きさを最小にし、これによってアクティブアパーチャを最大にすることが望ましい。ピクセルのアパーチャレシオ(AR)は、切替可能及び透明(発光)にすることができる全ピクセル面積の割合又はパーセンテージとして定義される。ピクセル10の場合、ARは、領域12の面積を領域12及び14の面積の合計で除算したものであり、換言すれば、ARは、全体のピクセルアパーチャに対するアクティブピクセルアパーチャ(切替可能領域)の比率であり、ここで全体のピクセルアパーチャは、アクティブアパーチャ(切替可能領域)と非アクティブアパーチャ(非切替可能領域)との合計である。他の条件が同じであれば、ARによって所与の駆動レベルでのディスプレイの明るさが決定されるので、アパーチャレシオ(AR)は、ピクセル(従って全体のディスプレイ)の重要な特性である。本発明の考察において、アクティブアパーチャは、100パーセントの透過性ではないとしても、透過性又は透明であると見なされる。アクティブアパーチャの透過率に多くの要因が影響を与える。LCDにおいて、例えば、アクティブアパーチャ領域の透過率は、偏光子、フィルタ、ピクセル電極(透明電極又は微小間隔の櫛形電極の何れか)、スペーサーボール、配向膜、微細配向特徴部、及びアクティブアパーチャの機能に本来備わる他の構造要素によって低下する可能性がある。従って、これらは、アクティブアパーチャの面積ではなく透過率に影響するものと見なされる。例えば、図1A及び図1Bの領域12の何れかのフィルム又は微小不透明構造体は、そのフィルム又は構造体が、アクティブアパーチャである領域12内でデバイスの本来の動作を維持するのに必要な場合には、領域12の面積を変えないと考えられる。
【0005】
ピクセル式ディスプレイは固有の構造を有する。このことは、例えば図1Cのピクセル10の列21を通るライン22に沿うような、特定の方向に沿ってディスプレイ20の図を検討することによって理解することができる。ライン22は、ディスプレイ20の列21に平行であるように示されているが、これは限定を意図するものではない。他の向きを使用してもよい。説明の便宜上、添字「H」は、ディスプレイの水平軸(例えば列)に沿った周期性を指すのに使用され、添字「V」は、ディスプレイの垂直軸(例えば行)に沿った周期性を指すのに使用される。「水平」又は「垂直」の表示は、単に直交する軸のセットとして便宜上の表記に過ぎず、必ずしも空間内のどのような特定の方向又は平面に対応するものではない点を、当業者であれば本明細書の説明に基づいて理解されるであろう。ディスプレイ20の全てのピクセル10がON、すなわち透明又は発光している場合、図1Dの光学応答プロット24は、その物理的構造の結果としてライン22に沿ってディスプレイにより提示される明/暗構造を示している。光信号23(1=ON)は、透明又は発光領域12によって提供される。これらの信号は、不透明又は暗領域14によって提供される暗信号25(0=OFF)により分離される。図1Dにおける隣接する明(又は暗)領域間の光学周期26H’は、図1Cにおけるディスプレイ20のピクセル10の物理的周期26Hと同じであり、ディスプレイ20の物理的構造の固有特性である。図1Eは、図1Cの物理周期28Hに対応した、1つおきのピクセルがON(部分23’)であり、1つおきのピクセルがOFF(部分25’)であるときのライン22に沿った光学周期28H’を有する光出力27を示している。図1Eにおいて、OFF部分25’は、暗領域14と、作動されていないすなわちOFFである介在領域12とに対応する。周期28H、28H’は、ディスプレイ20によって提示することができる、最も画像粒子が細かい、最も細部にわたる光出力を決定付ける。図1C−図1Eにおいては、寸法28H、28H’は、寸法26H、26H’の2倍である。方形ピクセル10を使用するディスプレイ20では、水平周期26H、28Hと垂直周期26V、28Vとは実質的に等しいが、これは必須ではない。
【0006】
上述の固有構造周期は、提示が求められている情報とは無関係な、望ましくない混乱させる視覚アーチファクトをディスプレイ出力で生じさせる可能性があるので、ピクセル式ディスプレイの有意な制限事項である。こうしたアーチファクトの実施例は、モアレ・パターン、「スクリーンドア」効果、及び同様のものであり、これらは当該技術分野で公知である。これらのアーチファクトを最小にする従来技術の試みは、より小型のピクセルを使用すること、ディスプレイ出力にディフーザスクリーン又は防眩フィルムを設けること、極めて高いアパーチャレシオにすること、及び同様のことを伴っていた。これらは、固有のアーチファクトの一部の改善においては有用とすることができるが、例えば、アパーチャレシオが小さいこと、ディスプレイ効率が低いこと、複雑でコストが高いこと、及び場合によっては別の視覚アーチファクト(例えばスペックル・アピアランス)といった望ましくない副作用を有する。従って、ピクセル式ディスプレイの固有構造に起因する視覚アーチファクトを低減する必要性が引き続き存在する。
【0007】
従って、改善されたディスプレイ及び、特にディスプレイの物理的ピクセル構造に起因する望ましくない光学的アーチファクトを低減する方法を提供することが望ましい。加えて、改善されたディスプレイ及び方法が、簡素で頑健且つ信頼性があり、処理されるピクセル数の増加を必要としないことが望ましい。更にまた、本発明の他の好ましい特徴及び特性は、添付図面並びに前述の技術分野及び背景技術と共に参照して、以下の詳細な説明及び添付の請求項から明らかとなるであろう。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,563,727号公報
【発明の開示】
【0009】
個々にアドレス指定可能なピクセルを使用するディスプレイによって示される視覚アーチファクトを低減するための装置が提供される。本装置は、ピクセルのアレイを備え、各ピクセルは、可変の透過度又は輝度の切替可能領域と、非切替可能領域とを有する。ピクセルの少なくとも一部内の切替可能領域が分散され、すなわち非切替可能領域の有意な部分によって少なくとも部分的に分離される少なくとも2つの部分に分割される。この少なくとも2つの部分は、同時に切り替えられるように構成される。これにより視覚アーチファクトの一因となる1次空間高調波が除去され、或いは有意に低減される。カラーディスプレイでは、各ピクセルは、各色において同時に切り替えられる分散サブ領域に細分されるのが望ましい。
【0010】
以下では、同じ数字が同様の要素を示す添付図面を参照しながら本発明を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示に過ぎず、本発明又は本発明の応用並びに用途を限定することを意図するものではない。更にまた、前述の技術分野、背景技術、発明の開示又は以下の詳細な説明において提示される明示的又は暗示的なあらゆる理論に束縛されることは意図されない。本明細書で用いられる切替可能ピクセル素子又は領域に関する用語「ON」及び「OFF」は、特性のあらゆるアナログレベルの変化を含み、単に2値スイッチングに限定されるものではない。
【0012】
図2Aは、図1Aのものに類似した、単一ピクセル30の簡易平面図であり、図2Cは、図1Cに類似した、図2Aに示されるタイプの多数のピクセル30を備えるディスプレイ40の簡易平面図であり、図2D−図2Eは、図1D−図1Eに類似した、ライン42(例えば、ディスプレイ40のピクセル30の列41を通る)に沿った図2Cのディスプレイ40の光出力44、47の簡易プロットであって、全ては本発明の第1の実施形態に従う。図2Bは、アクティブアパーチャが部分36の近傍で減少している点で図2Aとは異なり、図1Bと同じ縮尺にした比較を示している。以下の実施形態で理解されるように、従来型のアクティブアパーチャをスケーリングすることは必要ではない。説明の便宜上、図2Aの簡素化されたアクティブアパーチャは、図2Cのディスプレイ40で使用される。加えて、説明の便宜上又は限定を意図しないために、図2A−図2Eのピクセル30は、図1A−図1Eのピクセル10と同じアスペクト比を有すると仮定されるが、これは必須ではない。
【0013】
図2A−図2Cのピクセル30は、各ピクセル30が暗領域又は不透明領域34の介在によって分離された、ON(発光又は透明になる)又はOFF(暗又は不透明になる)に同時に切り替えることができる複数の並列に結合された領域32を有する点で図1A−図1Cのピクセル10と異なる。特定のピクセルの切替可能領域(アクティブアパーチャ)32は全て、同時にON又はOFFに変わり、すなわち、これらは電気的、従って光学的に並列に結合される。図2A−図2Cの実施例では、従来技術のピクセル10の1つの矩形の切替可能領域12と比較して、各ピクセル10に4つの矩形の等寸法の切替可能領域32(例えば、32−1、32−2、32−3、32−4)が存在する。次に更に詳細に説明されるように、領域32−1、32−2、32−3、32−4、その他に相当する並列に結合された領域32及び様々な形状及び配列の多少のものを各ピクセルで使用することができ、図2A−図2Cに示されるピクセル毎の4つの領域32−1、32−2、32−3、32−4、32は例示であり限定を意図するものではない。また一方で、本明細書で使用される参照番号32は、各ピクセル30内に備えられる多くの並列に結合された切替可能領域(アクティブアパーチャ)を含むことが意図される。各ピクセルの領域32は並列に結合されているので、図2Cのディスプレイ40は、ディスプレイのプログラミング又は駆動に関する限り従来技術のディスプレイ20と同じ様式で機能し、すなわち、駆動エレクトロニクス又は駆動プログラムでの実質的な変更を行う必要はない。このことは、本発明の重要な利点であり、特別な機能である。しかしながら、得られる光学像は、構造に関連する光学的アーチファクトに関する限り大幅に改善された特性を有する。
【0014】
ここで図2D−図2Eを参照すると、ライン42がディスプレイ40の列41を通るように示されているが、これは限定を意図するものではない。他の向きを使用してもよい。全てのピクセル30がONであると、図2Dの光応答プロット44は、その物理構造の結果としてディスプレイによって提示される明/暗構造を示す。明信号又は発光信号(1=ON)43は、ピクセル内部でアクティブアパーチャ又は切替可能領域32とも総称される、透明又は発光領域32によって提供される。透明又は発光領域32からの出力信号43は、非アクティブアパーチャ又は非切替可能領域34とも呼ばれる不透明又は暗領域34によって提供される黒信号又は暗信号(0=OFF)45で隔てられる。図2D内の明(又は暗)領域間の光学周期46H’は、図2Cのディスプレイ40におけるピクセル30の切替可能領域32の物理周期46Hと同じであり、ディスプレイ40の物理構造の固有特性である。図2Cの実施例においては、図2C−図2Dの周期46H、46H’は、図1C−図1Dの類似の周期26H、26H’の2分の1である点に留意されたい。別の言い方をすれば、図2Cのディスプレイ40によって示される構造誘起の空間周波数は、図1Cの従来技術のディスプレイ20から得られるものの2倍である。図2Eは、1つおきのピクセルがON(部分43’)で且つ1つおきのピクセルがOFF(部分45’)であるときのライン42に沿った、図2Cの物理周期48Hに対応する光学周期48H’を有する光出力47を示す。図2Eにおいて、OFF部分45’は、暗領域34と、作動されない、すなわちOFF状態にある介在領域32とに対応する。周期48H、48H’は、ディスプレイ40によって提示できる最も画像粒子が細かい、最も細部にわたる光出力を定め、同じピクセルサイズの従来技術ディスプレイ20の場合と実質的に同じである。図2C−図2Eの実施例においては、寸法48H、48H’は、寸法46H、46H’のほぼ4倍であるが、これは必須ではない。同様の周期46V、48Vもまた、ディスプレイ40の垂直(行)方向に存在する。ピクセル30が実質的に方形であるときに、ディスプレイ40の水平及び垂直周期(及び空間周波数)は実質的に同じであるが、これは必須ではない。
【0015】
図3A−図3Bは、ピクセル式ディスプレイの列及び行方向における空間周波数のプロット60、70であり、ここで図3Aのプロット60は、従来技術による図1Cに示されるタイプのディスプレイに関するものであり、図3Bのプロット70は、図2Cに示されるタイプのディスプレイに関するものである。垂直軸61、71は、図1Aのピクセル10のディスプレイ20に関して示され、図2Aのピクセル20のディスプレイ40に関して示された方形アパーチャ空間パターンのフーリエ変換から求められる空間周波数成分の大きさである。変調信号パターン(例えば図1D−図1E及び図2D−図2Eを参照)に起因する周波数成分を得るためにフーリエ変換を使用することは、当該技術分野で公知である。図1A、図2Aのピクセル10及び30は、水平(列)及び垂直(行)方向に関し対称であるので、得られる空間周波数成分は対称である。図3A−図3B内の基本平面のエッジは、ディスプレイ(図1C、図2Cを参照)の水平(列)及び垂直(行)方向での空間周波数に対応する。基本平面エッジに沿った数字(−2、−1、0、1、2)は、フーリエ変換で得られた低次周波数成分に対応し、ここで「0」は平均又は定数項であり、「1」は1次高調波、「2」は2次高調波などである。(0、0)周波数成分62、72(図3A−図3Bでの高い中心カラム)の大きさは、全体のピクセル面積に対する透明(発光)面積のアパーチャレシオ又は平均割合に対応する。ピクセル10、30は同じアパーチャレシオを有するとされるので、カラム62、72は図3A−図3Bにおける同じ大きさのものである。
【0016】
ここで図1Cの従来技術の構造解析の結果を示す図3Aを参照すると、(±1、0)及び(0、±1)項に関するカラム63及び64は、それぞれ水平及び垂直方向での1次空間周波数高調波の相対的な大きさを表し、ここで順序ペアは、H及びVについての高調波次数を表す。(±2、0)及び(0、±2)位置でのカラム65、66は、それぞれ水平及び垂直方向における2次空間周波数高調波の相対的な大きさを表し、以下同じである。クロス項、例えば(1、−1)、(−1、−1)、(−2、−2)、(−2、−1)などもまた、従来技術の配列で存在し、プロットされていない追加の高次の高調波も同様である。存在する各高調波、とりわけ低次の高調波は、図1A−図1Eに示されるタイプの従来技術を用いたディスプレイで観察することができるアーチファクトを生じさせる。高次の高調波は、典型的なディスプレイの場合、一般的には比較的見えにくい。
【0017】
図3Bは、図2Aで示されるタイプの本発明のピクセルを用いる図2Cの構造について行われた同じ解析の結果を示す。(0、0)定数項72の大きさは変わらないが、(0、±1)項及び(±1、0)項に対応する1次高調波は、ピクセル及び各ピクセル内の複数のアクティブアパーチャ領域の対称的性質に起因して、実質的に完全に除去される。1次高調波は最も可視的な低次高調波であり、最も目につくアーチファクトを生じるので、これらの大幅な低減又は除去は、ディスプレイ品質の有意な改善をもたらし、すなわち、これらの空間周波数項に伴う視覚アーチファクトが効果的に除去される。(0、±2)項及び(±2、0)項は、図3Aでの従来技術の結果と比較して、本発明の図3Bではより大きいが、より高次の空間周波数高調波は一般には非常に見えにくく、従ってこれらの成分の大きさの増大は分からない場合が多いので、これはあまり重要ではない。最も低次のクロス項(例えば(1、−1)、(−1、−1)、(−1、1)、(1、1))もまた実質的に除去され、これによって視覚アーチファクトの別の潜在的発生源が排除される。幾つかの高次のクロス項(例えば(2、2)、(2、2)、など)が増大しているが、これらは本質的に見えにくいので、これも同様に問題ではない。従って、本発明の構成によって達成されたものは、空間周波数のエネルギーを本質的に見えにくい高次項に移し、これによって可視の低次項の影響を低減させて、ディスプレイ品質の全体的な改善が得られることになる。これは非常に好ましい。
【0018】
従来技術と比べた本発明の性能上の利点を評価する別の手法は、図4に示された変調対空間周波数のプロットを考察することである。曲線82は、ディスプレイ内の可視と非可視の視覚アーチファクトの間の区別を概念的に示している。所与の空間周波数について曲線82より上の変調レベルは一般的に可視であり、変調が高い程視認性の度合いが高くなる。曲線82より下の変調レベルは一般に容易には見えず、従って無視できる。図1Cに示されたタイプの従来技術のディスプレイが均一な信号(例えば全て白色又は単一のカラーで完全にON)で駆動される場合、1次高調波出力は位置83となり、一般的には容易に見える「スクリーンドア」効果を与える。2次高調波は、通常ほぼ位置85となり、一般的には可視ではない。図2Cに示されたタイプの本発明のピクセルを利用するディスプレイが使用される場合、1次高調波出力は、矢印87で示されるように大きく低下し、検出閾値曲線82より下の位置84以下となる。従ってこの出力は不可視である。より大きな2次高調波は矢印88で示されるように増大して位置86になるが、それでも検出閾値曲線82よりも低いままである。従って、その出力は依然として不可視である。1次空間高調波が完全には除去されない場合でも、これらの大きさが低下することにより、変調が見えにくくなる。従って、本発明は、ディスプレイ構造の低次空間高調波に起因するアーチファクトを低減又は除去することによって、ディスプレイ出力品質における正味の改善を提供する。
【0019】
図5A−図5H及び図5J−図5Pは、図2Aと同様の本発明による改善ピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。説明の便宜上、ピクセルの切替可能(発光)領域は、参照番号32で識別され、不透明(暗)領域は参照番号34で識別され、各々、図5A−図5Pで示される領域に対応して添字A−Pを有する。従って、図5Aのピクセル30Aは、非アクティブアパーチャ又は不透明(暗)領域34Aによって分離され囲まれるアクティブアパーチャ又は切替可能(発光)領域32Aを有し、図5Bのピクセル30Bは、不透明(暗)領域34Bによって分離され囲まれる切替可能(発光)領域32Bを有し、図5C−図5Pに関しても以下同様である。図5A−図5Pに示される様々なタイプのピクセルで形成されるディスプレイの固有周期(及び空間周波数)は、ピクセル内の発光領域及び暗領域の数及び配列に応じて、及びこれらが水平方向及び垂直方向で対称であるかどうかによって水平及び垂直方向で異なるものとすることができる。説明の目的で限定を意図せずに、図5A−図5Pに示される様々なタイプのピクセルのどれか1つを利用するディスプレイパネルは、同じタイプのピクセルの水平列及び垂直行の規則的アレイから構成されると設定しているが、これは必須ではない。異なるタイプのピクセルが同じディスプレイパネルで使用することができ、列及び行の構造はディスプレイの異なる位置で変わることができる。
【0020】
図5A−図5Pに示されるピクセルは、各ピクセルが少なくとも1つの方向(例えば水平、垂直又は他の方向)で複数の同時に切替可能(発光)な領域又はアクティブアパーチャを有する点で従来技術とは異なり、これによってこのようなピクセルで形成されるディスプレイの周期及び空間周波数が変わる。例えば、図5A−図5Bは、水平及び垂直方向に関して非対称であり、垂直方向において少なくとも部分的に分離された2つの同時に切替可能(発光)な領域32A1、32A2及び32B1、32B2を有し、結果として得られるディスプレイ構造の周期及び空間周波数が垂直方向において従来技術とは異なるようにされる。図5A−図5Bでの水平方向における差異はあまり明確ではないが、固定パターンノイズの空間周波数成分は、依然として図1A−図1Bの従来技術に対して除去されている。このことは、垂直方向で当該部分を分離して狭小にすることによって可能とされた、水平方向におけるアクティブアパーチャの細長い性質に起因する。図2A−図2B及び図5C−図5Dなどの他の実施例は、水平軸及び垂直軸に関して実質的に対称であり、そのため水平及び垂直方向の周期及び空間周波数は、複数のアクティブアパーチャ部分の同じメカニズムによって同しく改善されることになる。図5C−図5D及び図5Gは、切替可能領域32が非切替可能領域34の一部を囲む配列を示している。図5Hは、複数の同時切替可能領域の実質的にランダムな配列を示す。図5J−図5Lは、以下で更に検討されるように、同色又は異なる色とすることができる1つ又はそれ以上のU字型切替可能領域の使用を示している。
【0021】
図2A−図2B、図5A−図5P(及び図7B−図7C)の領域32は、図1A−図1B(又は図7A)の従来技術のピクセル10の単一トポロジー領域12と比べると、ピクセル全体に何らかの方法でトポロジー的に分散されている点に留意されたい。例えば、図5A、図5E、図5F、図5H、図5J、図5M、図5N及び図5Pにおいては、切替可能領域32A、32E、32F、32H、32J、32M、32N、32P(総称して領域32)は、不透明又は暗領域の一部によってトポロジー的に分離された複数部分に細分され;図5C、5D、及び5Gにおいては、切替可能領域32は、不透明又は暗領域34の一部をトポロジー的に囲み(言い換えると、非切替可能領域34は、切替可能領域32の一部によってトポロジー的に分離された複数部分に細分される);図5B、図5K及び図5Lにおいては、切替可能領域32は、実質的に3つの側部で暗領域又は不透明領域34の対応する区域34REを囲む凹形区域32REを有する。これらの構成の何れもが、ディスプレイ40によって示される固有空間周期及び空間周波数を修正して、従来技術と比較して、ディスプレイによって示されるアーチファクトを少なくともある程度低減させるようにするには十分である。言い換えれば、これは、例えば、本発明のピクセルをとりわけディスプレイの列又は行に平行な方向で横断する図5A−図5Pのライン38A−38P(総称してライン38)などのラインの形成において、こうしたラインが切替可能領域のある部分から切替可能領域の少なくとも別の部分まで非切替可能部分のかなりの部分を横切って通過することで十分である。当該ラインによって横断される切替可能領域の少なくとも2つの部分は、トポロジー的に分離される(例えば図2A−図2B、図5A、図5E、図5F、図5F、図5J、図5M、図5N及び図5P)か、或いは他の場所に結合することができる(例えば、図5B、図5C、図5D、図5G、図5K及び図5L)。何れの配列も有用である。
【0022】
分散部分は、切替可能領域及び非切替可能領域のトポロジー的にかなりの部分を含むことが望ましい。このことは、図2A−図2B及び図5A−図5Pにおいて2つの方法で満たされる。一般的なトポロジー原理に基づく第1の方式は、アクティブアパーチャ又は非アクティブアパーチャの何れかが、それぞれ非アクティブアパーチャ又はアクティブアパーチャの一部によってトポロジー的に分離された複数部分に細分されるようなこうした実施形態(上記で識別されたもの)に関するものである。第2の方式は、非アクティブアパーチャ(非切替可能領域)が、ピクセルについて定められたアクティブアパーチャのエンベロープ内で散在されている程度を評価する。前述のように、図5Eは、アクティブアパーチャ32E及び非アクティブアパーチャ34Eを含むピクセル30Eを示す。図5Eのエンベロープ37Eは、領域32E内のポイントの全ての可能なペアを接続する全てのラインの最も外側の外周である。エンベロープ又は外周37E、及び類似のエンベロープ37A、37B、37F、37H−37P(総称してエンベロープ又は外周37)は、ピクセルの平面内に位置するストリングによって形成されると考えられ、ピクセルのアクティブアパーチャの周りを密接に包み、ピクセルアパーチャの外側輪郭に追随しこれらの間のあらゆる間隙を架橋することができる。図5A−図5B、図5E−図5F、図5H−図5Pにおいては、エンベロープ又は外周37は、アパーチャの外縁から僅かに間隔を置いて示されているが、これは、こうしたエンベロープ又は外周が図中で容易に見えるようにする説明の便宜上のものに過ぎない。
【0023】
ピクセル30Eについての(同様に図5の他のピクセルについての)散在パーセンテージは、エンベロープ37E内に含まれる非切替可能領域34Eの一部を非切替可能領域34Eの全体の面積で除算して得られた比率として定義される。図1Aの従来技術のピクセルの実施例では、散在パーセンテージは0%であり、例えば図1Bの従来技術のピクセルでは、切欠きコーナーのほぼ半分である非切替可能領域の13%のみが定義されたようにエンベロープ内に散在される。対照的に、図5B、図5E、図5F、図5H、及び図5Kの例示的な凹形ピクセルは、それぞれ31%、33%、65%、67%、及び34%の散在パーセンテージを有する。好ましくは、有意に分散されたピクセルは、複数のアクティブアパーチャ又は非アクティブアパーチャの何れか(トポロジー接続していてもよく、していなくてもよい)、及び約15%よりも大きい、或いはより好ましくは約25%よりも大きい散在パーセンテージを有する。従って、本明細書で用いられる用語「有意に分散された」ピクセルとは、アクティブアパーチャ(切替可能領域)の一部の間に散在された少なくとも約15パーセント(15%)の非アクティブアパーチャ(非切替可能領域)を有するピクセルである。言い換えれば、「有意に分散された」ピクセルは、アクティブアパーチャの外側周囲すなわち上述の外周37内に少なくとも15%、好ましくは25%の非アクティブアパーチャ(非切替可能領域)があるピクセルである。
【0024】
本発明は、モノクロディスプレイとカラーディスプレイの双方に適用可能である。色は、様々な形式の加色法、タイムシーケンシャルカラー法、減色法或いは他の手段を含む何れかの公知の方法によって得ることができる。カラーディスプレイは、どの色が表示されていても、アーチファクトが少ないことが好ましい。図5J−図5Lの実施形態は、ディスプレイで使用できる緑色及び赤色構成色領域などの2色ディスプレイシステムとして使用するのに好都合である。ピクセル30Jは、2つの分離したアクティブ又は切替可能領域32Jを備え、これは図5K−図5Lにおいてもアクティブアパーチャ32K及び32Lとして別個に示されている。本発明の実施形態において、アクティブ領域32Kは、緑色などの第1の構成色を提供し、同時に切替えを行い、これは、同じ制御信号が全体の領域を駆動するのに用いられ、当該領域の異なる部分が領域の他の部分とは独立してアドレスできないことを意味する。アクティブ領域32Lは、赤色などの第2の構成色を提供し、同様に同時に切替を行う。ピクセル30Jは、双方の構成色領域又はサブピクセルを備え、マトリックスディスプレイのある範囲の出力色度を可能にする。2つの色領域32K及び32Lは互いに独立して切替可能であり、最小切替可能画像素子として協調して機能する。上述のような領域32K及び32Lのトポロジーに起因して、構成色の各々は、ピクセル30J−30L内の有意に分散されたアパーチャによって特徴付けられ、これは、ピクセルのあらゆる出力色度設定に関するアクティブピクセルアパーチャが、ピクセル30Jの区域内で実質的に分散されることを意味する。この分散性能は、この場合は水平軸に沿った複数の部分と、例えば図1Aに示されるような正方開口の対象の構成色領域と同じ面積を有する、対応する対称アパーチャに対し細長い垂直軸に沿った部分とによって生じる。個々の構成色のためのアパーチャの散開又は分散から得られる性能の向上は、どのピクセル式ディスプレイについても顕著である。記載された実施形態は限定を意図するものではない。構成色は異なるものとすることができ、或いは追加の構成色を使用することもできる。構成色の一部はピクセル内で分散され、他のものは実質的に分散されなくてもよい。
【0025】
図6は、図5Jのピクセル30Jの2色の実施形態における図5Kの構成色アパーチャ32Kに関して得られた空間周波数成分のフーリエ変換の結果110を示している。図6のチャート110は、図3A−図3Bのチャート60、70に類似しており、本発明の利点を犠牲にすることなくアパーチャパターンに対して実施可能な修正が行えることを示している。図6の大きさの目盛り111は、図3A−図3Bの多い差の目盛り61、71の半分である。水平1次高調波113(例えば、±1、0項)は、アクティブアパーチャのデュアルレッグ特徴部によって抑制されており、中心がピクセルピッチのほぼ半分で分離された、アクティブアパーチャ上に2つのレッグがあるので、2次高調波115(例えば、±2、0項)がこれに応じて増大している。2つのレッグ間の接続部分は、これらの間の接続を単純化し、またアパーチャレシオを増大させる。これにより1次高調波の大きさ(水平方向)が僅かに上昇するが、依然として極めて小さいままである。図3A−図3Bとは違って、垂直方向の性能は水平方向の性能と著しく異なる。ピクセルは垂直方向で完全には平衡がとられていないが、レッグの延伸によって、垂直1次高調波の大きさ114(例えば0、±1項)は、(0、0)成分112と比較して依然として極めて小さい。この1次高調波は、同じ面積を有する方形構成色切替可能領域の1次高調波の3分の1未満である。ピクセル30Kでの垂直方向におけるハーフピッチで反復特徴部が無いことから予想されるように、垂直2次高調波116は水平2次高調波115よりも明らかに小さい。
【0026】
図7A−図7Cは、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)放出又は発光領域を有する色ストライプピクセルの実施例である。図7Aは、不透明(暗)領域101によってそれぞれ分離された赤色、緑色及び青色切替可能(発光)領域91R、91G、91Bを有する従来技術のピクセル100を示す。図7B−図7Cは、本発明の別の実施形態による色ピクセル102、104を示す。図7B−7Cにおいては、従来技術の単一色領域91R、91G、91Bが、暗領域又は不透明領域103、105によって分離された、複数の間隔を置いて配置された色領域92、93、94と置き換えられており、ここで各切替可能色放出領域又はサブピクセルは、ピクセル30における離間した部分32−1、32−2などに類似する、離間した少なくとも2つの部分、例えば92−1、92−2;93−1、93−2;94−1、94−2を有する。図7Cのピクセル104及び図7Bのピクセル102は、全カラー分散アパーチャの例示的な構成を表す。図7B及び図7Cにおいては、同様の参照番号を有する種々の同色の部分が同時に、すなわち全緑色部分が同時に、全赤色部分が同時に、及び全青色部分が同時に切り替えられ、一般的には、異なる構成色は独立して切替可能であるので、ピクセル102、104がディスプレイのある範囲の出力色度を提供することが可能となることは理解される。ピクセル104及び102の各々において、構成色の各々は、有意に分散されたアパーチャを有する。換言すれば、単一色のみがONにされる場合であっても、アーチファクト抑制の利点は、ディスプレイのあらゆるアドレス指定可能な色又は色度にも適用される。このことは、例えば切替可能領域91Gである単一色のみがONとなる場合に、極めて大きな潜在的に可視の1次高調波をもたらす図7Aの従来技術のピクセルとは著しく異なる。
【0027】
以下の表Iは、種々のピクセル設計についてフーリエ解析によって得られた様々な空間高調波項の大きさを比較している。CONFIG列は、データが取得されたピクセル構成を特定し、関連する代表的な図の番号と合わせている。例えば、構成1Aは図1Aのピクセル10に関連し、構成1Bは図1Bに示されたピクセル構成に関連し、構成5Cは図5Cに示されたピクセルに関連しており、以下同様である。「AR」列欄は(0、0)項を示し、これは特定のピクセルについてのアパーチャレシオである。[H]「V」「++」「+−」列の欄の2つのグループがある。「低次高調波」で表された第1のグループは、フーリエ項の大きさの非基準化値を収めている。「方形アパーチャに対する%」で表された第2のグループは、第1のグループの値を同じアパーチャレシオの方形参照アパーチャ(例えばピクセル10のアパーチャ12)についての対応する大きさに対して基準化したものである。「H」列欄の入力値は、(1、0)+(−1、0)項の大きさの和である。「V」列欄の入力値は、(0、1)+(0、−1)項の大きさの和である。「++」列欄の入力値は、(1、1)+(−1、−1)項の大きさの和である。「+−」列欄の入力値は、(1、−1)+(−1、1)項の大きさの和である。図1−図5に示された様々なピクセル構成を有する表Iの入力値に関しては、図1−図5は尺度通りの図を意図していない点に留意されたい。この種々の構成のアパーチャレシオ(AR)の値は表Iに提供されている。
表I
様々なピクセル構成についての空間周波数項の大きさのフーリエ変換解析の結果
【表1】
【0028】
表IのCONFIG1Aは、図3Aから値を取得している。このAR及び低次高調波の大きさは、参照として提供されているが、比較の最も簡単な基準は「方形アパーチャに対する%」部分であり、以下の論議はこれらの入力値を参照する。CONFIG 1Aのピクセルは方形のアパーチャを有しているので、その比較比率は定義により1(100%)である。CONFIG 1Bは、コーナーに比較的大きなノッチ16を有する従来技術のピクセルである。シミュレートされたピクセルは0.47AR(アパーチャレシオ)を有しているので、相対比較は0.47方形ピクセルに対し、図3Bからの値を用いて計算される。残りの列の各々は、これらの列について表記されたアパーチャレシオを有する方形ピクセルに対して同様に比較される。表の入力値は、図1BのコーナーノッチがH及びVを、匹敵する方形ピクセルの値の93%及び87%まで僅かに低下させることを示している。CONFIG 2Aないし5L及び7B−7Cは全て、本発明に従って十分に分散されたアパーチャに基づいた改善である。この表は、1次高調波H及びVの比較値の各々が、従来技術であるCONFIG 1A及び1Bに対して改善(減少)されていることを立証している。有意な改善に相当するためには、H及びVのパーセンテージは、好ましくは80%未満、より好ましくは50%未満、更により好ましくは25%未満であり、実質的にゼロであるのが最も好ましい。2Aから下のCONFIGの全ては、アーチファクト抑制のこれらの好ましいレベルの1つ又はそれ以上を達成している。CONFIG 2A及び5Dは両方の1次高調波が除去され、5Aでは1次高調波のうちの1つが除去されている。CONFIG 5Cと5Dとを比較すると、アパーチャ設計に対する小さな調整によってアーチファクト抑制を更に劇的に改善することができることが、図5C−図5Dのアクティブアパーチャ形状から明らかである。例えば、CONFIG 5Cにおける30%及び40%の既に優れている1次高調波は、CONFIG 5Gの使用によって0%にまで更に低減される。0.75のARを有するCONFIG 5Cは、高アパーチャ構成でも有効であることを実証している。CONFIG 5K及び5Lは、モノクロパネル、或いは2色パネルの個々の構成色領域の何れを使用しても、H及びVを同様に極めて有効に低減させる。
【0029】
CONFIG 7Aの入力値は、図7Aにおいて従来技術の単一色領域91Rについてのシミュレート結果を提供している。予期できるように、細長い垂直ストライプの色領域は、対応する0.15AR方形に比べて遜色がないが(38%)、その狭い幅は方形領域よりもHをより悪化させる(122%)。対比的に、本発明によるCONFIG 7Bの分散ストライプは、垂直方向性能を犠牲にすることなく4%までのHの低減をもたらす。同様の性能は、CONFIG 7Cの他のフルカラー配列についても見られ、図7Cの(G)アクティブアパーチャ93及び(R)アクティブアパーチャ92のフーリエ変換解析が当該表で要約されている。
【0030】
状況によっては、表Iで++及び+−列で表される最も低次のクロス項は、一般的に1次高調波よりも高いが2次高調波よりも低い空間周波数にあるので、これらの項もまた重要となる。表Iは、ある構成がクロス項の抑制時に他の構成よりも良好であることを示している。++クロス項は、明らかに従来技術のCONFIG 1Bのノッチコーナーについての欠点であり、その空間周波数及び向きでの変調が匹敵する方形アパーチャの値の173%まで増大している。CONFIG 5Dは、H及びVの改善が、++及び+−も同様に低減されることは保障しないが、例えばCONFIG 2Aに向かって更に移動するといった設計の微調整を追加することによってクロス項のさらなる低下を容易にもたらすことができることの実施例である。本発明の多くの実施形態では、ベースラインの方形ピクセルに対して全ての1次高調波及び最低次のクロス項を改善することになる(例えば2A、5A、5B、5C、5E、5G、5H、5K、5L、7B、7C(G)、7C(R))が、これはCONFIG 1A及び7Aでは観察されない。
【0031】
表Iの結果は、CONFIG 2Aが、他の場合に生じる大部分の可視アーチファクトを最大限に抑制することを示している。しかしながら、利用可能なピクセル設計及び製造プロセスの性能を最大にする点においては、分散アパーチャを適応させるための多様性及び柔軟な技術が重要となる。複数領域の方法が実施可能ではない場合、5Bのような他の構成が有効な起点を提供することができる。5K−5Lは、2色システムの好ましいピクセルであり、7Bは3色システムの好ましいピクセルレイアウトである。様々なピクセルトポグラフィの実用性は、例えば、ディスプレイが、透過、反射、発光或いは他の手段の何れによって光を変調させるかなど、ディスプレイタイプに応じて変わる可能性がある。これら又は同様の分散アパーチャ構成の多くは、例えば、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5,563,727号に記載の技術を使用することによって透過型LCDにおいて作製することができる。
【0032】
上記の論議は方形ピクセルについて示されたが、これは単に説明の便宜上のものであり、当業者であれば非方形ピクセルを使用してもよいことは理解するであろう。ピクセルは、矩形或いは有用なディスプレイパネル実装密度を可能にするあらゆる他の好都合な形状とすることができる。これらの選択は、考慮される特定のディスプレイシステムの要求に応じて左右されることになり、当業者であれば、設計している特定のディスプレイに応じてこうした選択を行う方法を理解するであろう。
【0033】
少なくとも1つの例示的な実施形態が上記の詳細な説明で提示されたが、膨大な変形形態が存在する点は理解されたい。とりわけ、ピクセルアレイを横切る少なくとも1つの方向において、同時に切替え又は発光するピクセルの一部又は全てにおける2つ又はそれ以上の領域が存在する場合に、本発明のピクセル内の様々な切替可能(発光)領域の寸法及び形状並びに分布は変えることができる。別の言い方をすれば、本発明は、ピクセルアレイを横切る少なくとも1つの方向において、その空間周波数が測定される少なくとも1つの方向に沿って観察される個々のピクセルの少なくとも一部内で2つ以上の同時に切替られる部分を提供する結果として、ディスプレイの1次高調波空間周波数が、検出閾値近傍又はこれよりも低いピクセル構造を備える。1つ又は複数の例示的な実施形態は単なる実施例であり、本発明の範囲、適用性、又は構成をどのようにも限定するものではない点も理解されたい。むしろ、上記の詳細な説明は、1つ又は複数の例示的な実施形態を実施するための便宜上の指針を当業者に提供するものである。添付の請求項及びこれらの法的均等物に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成において様々な変更を行い得る点を理解されたい。
【0034】
例1
1.各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有するピクセル(40)のアレイを備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部内の前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
2.前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部(34、34A、34E、34F、34F、34F、34H、34J、34M、34P、103、105)によって分離された少なくとも2つの非接続部分(32、32A、32E、32F、32H、32J、32M、32N、32P、102、104)を備える、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
3.前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部分(43RE、34C、34D、34J、34K、34L)を部分的に囲む第1及び第2のアーム部を有する少なくとも2つの接続部分(32B、32C、32D、32G、32J、32K、32L)を備える、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
4.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、非切替可能部分(34、34E、34F、34H、34M、34N、34P、105)によって少なくともある程度分離された3つ又はそれ以上の部分(32、32E、32F、32H、32M、32N、32P、92−94)を備える、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
5.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部(34RE、34C、34D、34F、34G、34J、34L、34M、34N)を少なくとも部分的に囲む、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
6.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部分を完全に囲む、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
7.前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の少なくとも15%が、少なくとも2つの前記切替可能部分の外周内にある、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
8.ピクセル(30、30A−30P、102、104)当たりに1つよりも多い共通の切替可能領域(32、32A-32P、92−94)を有する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の列及び行からなるアレイ(40)であって、前記アレイ(40)の列(41)又は行に実質的に平行に測定された少なくとも1次高調波空間周波数を示す光を放出するように適合されたアレイを備え、
前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するがピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波周波数(63、64)よりも小さい大きさを有する、
ことを特徴とするディスプレイ。
9.前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)当たりの共通切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、散在する非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)と共に前記ピクセル域内に分布される、ことを特徴とする8に記載のディスプレイ。
10.前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するがピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波空間周波数(63、64)の約2分の1よりも小さい大きさを有する、
ことを特徴とする8に記載のディスプレイ。
11.前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するがピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波空間周波数(63、64)の約4分の1よりも小さい大きさを有する、
ことを特徴とする8に記載のディスプレイ。
12.ピクセル(30、30A−30P、102、104)への入力信号に応答して画像を表示する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)のアレイ(40)を備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部が、前記入力信号によって作動されるように適合された切替可能領域(32、32A−32P、92−94)を有し、前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、散在した非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)と共に前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)内に空間的に分散された部分を有する、
ことを特徴とするディスプレイシステム。
13.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、散在した非切替可能領域(34、34RE、34A、34E、34F、34H、34J、34M、34N、103、105)と共に少なくとも2つの分離領域(32、32A、32E、32F、32H、32J、32M、32N、32P、92−94)を備える、
ことを特徴とする12に記載のディスプレイシステム。
14.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部分(34RE、34J、34K、34L)が延びた凹形部分を有する、
ことを特徴とする12に記載のディスプレイシステム。
15.前記切替可能領域(32C、32D、32G)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部分(34C、34D、34G)を囲む、
ことを特徴とする12に記載のディスプレイシステム。
16.異なる色の画像を該色に対応する入力信号に応答して表示するように各々が適合されている、ピクセル(30)の複数のアレイ(40)を更に備える、
ことを特徴とする12に記載のディスプレイシステム。
17.分散した切替可能領域(32、32A-32P、92−94)と非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを各々が有する画像形成ピクセル(30)のアレイ(40)を備え、
前記アレイ(40)が、均一な画像を出力するように配向されたときに、0次空間周波数成分(72)、1次高調波空間周波数成分、及び2次高調波空間周波数成分(75、76)を含む空間周波数成分を示し、
前記1次高調波成分の大きさが、同じ0次空間周波数成分(62)を実質的に有する非分散切替可能領域(12)を有する等価アパーチャレシオの方形ピクセル(10)の1次高調波成分(63、64)の大きさの80パーセント未満である、
ことを特徴とするディスプレイ。
18.前記1次高調波成分が約50パーセント未満であることを特徴とする17に記載のディスプレイ。
19.前記1次高調波成分が約25パーセント未満であることを特徴とする17に記載のディスプレイ。
20.前記1次高調波成分が実質的にほぼ0であることを特徴とする17に記載のディスプレイ。
【0035】
例2
1.各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の第1の構成色に関する切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と第1の構成色に関する非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有するピクセル(40)のアレイを備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部内の第1の構成色に関する前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、第1の構成色に関する前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された第1の構成色に関する少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
第1の構成色に関する前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
2.第1の構成色に関するピクセル(30、30A−30P、102、104)当たりに1つよりも多い共通の切替可能領域(32、32A-32P、92−94)を有する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の列及び行からなるアレイ(40)であって、前記アレイ(40)の列(41)又は行に実質的に平行に測定された第1の構成色に関する少なくとも1次高調波空間周波数を示す光を放出するように適合されたアレイを備え、
前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するが第1の構成色に関するピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波周波数(63、64)よりも小さい大きさを有し、前記ピクセルの第1の構成色に関するすべての切り替え可能領域が同時に切り替えられる
ことを特徴とするディスプレイ。
3.ピクセル(30、30A−30P、102、104)への入力信号に応答して画像を表示する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)のアレイ(40)を備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部が、前記入力信号によって作動されるように適合された第1の構成色に関する切替可能領域(32、32A−32P、92−94)を有し、第1の構成色に関する前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、散在した非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)と共に前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)内に空間的に分散された部分を有し、
前記1次高調波成分の大きさが、第1の構成色に関して同じ0次空間周波数成分を実質的に有する非分散方形切替可能領域を有する等価アパーチャレシオの方形ピクセルの1次高調波成分の大きさの80パーセント未満であることを特徴とするディスプレイシステム。
【0036】
例3
1.各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有するモノクロのピクセル(40)のアレイを備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部内の前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
【0037】
例4
1.各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有する実質的に同一のピクセル(40)のアレイを備え、
前記各ピクセル(30、30A−30P、102、104)の前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】従来技術による単一ピクセルの簡易平面図である。
【図1B】従来技術による単一ピクセルの簡易平面図である。
【図1C】従来技術による図1Aに示されるタイプの多くのピクセルを備えるディスプレイの簡易平面図である。
【図1D】従来技術による特定の方向(例えばディスプレイのピクセルの列を通る)に沿った図1Cのディスプレイの光出力の簡易プロットである。
【図1E】従来技術による特定の方向(例えばディスプレイのピクセルの列を通る)に沿った図1Cのディスプレイの光出力の簡易プロットである。
【図2A】図1A−図1Bのものに類似した、本発明の第1の実施形態による単一ピクセルの簡易平面図である。
【図2B】図1A−図1Bのものに類似した、本発明の第1の実施形態による単一ピクセルの簡易平面図である。
【図2C】図1Cに類似した、本発明の第1の実施形態による図2Aに示されるタイプの多くのピクセルを備えるディスプレイの簡易平面図である。
【図2D】本発明の第1の実施形態による図2Cのディスプレイでのピクセルの列を通る方向に沿った図2Cのディスプレイの光出力の簡易プロットである。
【図2E】本発明の第1の実施形態による図2Cのディスプレイでのピクセルの列を通る方向に沿った図2Cのディスプレイの光出力の簡易プロットである。
【図3A】は従来技術による図1Cに示されるタイプのディスプレイにおけるピクセル式ディスプレイの列及び行方向における空間周波数成分のプロットである。
【図3B】本発明の第1の実施形態による図2Cに示されるタイプのディスプレイにおける、ピクセル式ディスプレイの列及び行方向における空間周波数成分のプロットである。
【図4】ピクセル式ディスプレイ及び可視性の概念上の閾値についての空間周波数に対する変調の簡易プロットである。
【図5A】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5B】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5C】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5D】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5E】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5F】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5G】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5H】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5J】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5K】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5L】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5M】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5N】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5P】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図6】図3A−図3Bに類似した本発明の別の実施形態のプロットである。
【図7A】従来技術の赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の放出領域を有する色ピクセルの実施例である。
【図7B】本発明の更に別の実施形態による赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の放出領域を有する色ピクセルの実施例である。
【図7C】本発明の更に別の実施形態による赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の放出領域を有する色ピクセルの実施例である。
【符号の説明】
【0039】
26V、28V 光学周期
32 切替可能領域
34 非切替可能領域
40 ディスプレイ
41 列
46H、48H 物理周期
【技術分野】
【0001】
(関連特許)
本出願は、2004年12月29日に出願された米国仮出願第60/639,875号に対する恩恵を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、総括的にはディスプレイに関し、より詳細にはピクセルのアレイを備えるディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
現在、個々にアドレス指定可能なピクセルのアレイで形成されたディスプレイを利用する多くの用途がある。これらは、説明の便宜上以下では「ピクセル式ディスプレイ」と呼ばれる。このようなディスプレイによって提示される光学像は、個々のピクセルの様々な組み合わせを作動させることによって形成される。電気信号又は他の信号によって様々なピクセルの部分がON又はOFFに切り替えられるようになる。ピクセルの切り替えられた部分は、バックライトに対し透明又は不透明になるか、或いは発光又は暗くなり、利用されるピクセルのタイプに応じて決まる。多くのディスプレイタイプにおいては、例えばアナログスイッチング又はパルス幅変調により、完全なONとOFFとの間の中間レベルも可能である。このようにして光画像が観察者に提示される。液晶(LC)及びプラズマフラットパネルディスプレイは、こうしたピクセル式ディスプレイの非限定的な実施例である。本発明はまた、他のタイプのピクセル式ディスプレイにも適用可能であり、このようなディスプレイを含めることが意図される。従来技術及び本発明は、透過型液晶ディスプレイ(LCD)の場合について本明細書で記載されているが、これは単に説明の便宜上のものであって限定を意図するものではない。
【0004】
図1Aは、従来技術による透過型液晶ディスプレイ(LCD)の典型的な個々のピクセル10を示し、図1Cは、図1Aの従来技術のピクセル10のアレイで形成された液晶ディスプレイ(LCD)パネル20を示す。図1Cには、僅かなピクセルのみが示されているが、LCDディスプレイ全体又はその幾らかの小部分を表すものと考えることができる。ピクセルの正確な数は、本発明には重要ではない。個々のピクセル10は、(例えば透過型LCDパネルにおいて)例えばピクセルの電気的作動によって透過又は発光することができる領域12と、通常は不透明で暗く、ピクセルを駆動するのに必要な様々な導線及び他の回路構成並びにディスプレイの種々の部分を覆う遮光層を通常含む周囲領域14とを備える。これらの遮光層は、ピクセル内のエッジ効果をマスクし、又は入射光から回路構成を遮蔽するのに使用される場合が多い。従って、ピクセル10が作動しているか否かに応じて、領域12は透明(発光)又は不透明(暗い)とすることができる。ONとOFFとで切替可能であることにより、領域12は、ピクセルのアクティブアパーチャ又は切替可能領域と見なされる。用語「アクティブアパーチャ」及び「切替可能領域」は、その光度又は透明度を電気信号によって変えることができるピクセルの当該部分を意味するものとして本明細書で同義的に用いられる。領域14は、一般に不透明で暗く、従って、ピクセルの非アクティブアパーチャ又は非切替可能領域である。あるディスプレイでは、領域12は、通常は不透明(暗く)で作動時に透明(発光)になり、ディスプレイによっては領域12は、通常は透明(発光)で作動時に不透明(暗く)になるものもある。本発明においては、何れの構成を使用するかは問題ではない。説明の便宜上、以下においては、領域12(及び本発明におけるその均等物)は、OFF状態のときに通常不透明(暗く)であり、作動時に、すなわちON状態に切り替えられると透明(発光)になるものと仮定されるが、これは限定を意図するものではない。図1Bは、アクティブアパーチャが部分16の近傍で縮小されている点だけが図1と異なる、ピクセル10についての別の典型的な従来技術のアパーチャ構造を表す。部分16は、アクティブマトリクスディスプレイのアクティブピクセルアパーチャの典型的な損失を表し、この部分は、ピクセル10を作動する小型電子ドライバ回路又は領域(例えば、TFTと呼ばれる1つ又はそれ以上の薄膜トランジスタ)、及び何れかの付随する遮光構造体によって通常占有される。部分16の有無、及びこれがアクティブアパーチャのコーナーに影響する程度は、従来技術のディスプレイの詳細に伴って異なる。一般的には、部分16の大きさを最小にし、これによってアクティブアパーチャを最大にすることが望ましい。ピクセルのアパーチャレシオ(AR)は、切替可能及び透明(発光)にすることができる全ピクセル面積の割合又はパーセンテージとして定義される。ピクセル10の場合、ARは、領域12の面積を領域12及び14の面積の合計で除算したものであり、換言すれば、ARは、全体のピクセルアパーチャに対するアクティブピクセルアパーチャ(切替可能領域)の比率であり、ここで全体のピクセルアパーチャは、アクティブアパーチャ(切替可能領域)と非アクティブアパーチャ(非切替可能領域)との合計である。他の条件が同じであれば、ARによって所与の駆動レベルでのディスプレイの明るさが決定されるので、アパーチャレシオ(AR)は、ピクセル(従って全体のディスプレイ)の重要な特性である。本発明の考察において、アクティブアパーチャは、100パーセントの透過性ではないとしても、透過性又は透明であると見なされる。アクティブアパーチャの透過率に多くの要因が影響を与える。LCDにおいて、例えば、アクティブアパーチャ領域の透過率は、偏光子、フィルタ、ピクセル電極(透明電極又は微小間隔の櫛形電極の何れか)、スペーサーボール、配向膜、微細配向特徴部、及びアクティブアパーチャの機能に本来備わる他の構造要素によって低下する可能性がある。従って、これらは、アクティブアパーチャの面積ではなく透過率に影響するものと見なされる。例えば、図1A及び図1Bの領域12の何れかのフィルム又は微小不透明構造体は、そのフィルム又は構造体が、アクティブアパーチャである領域12内でデバイスの本来の動作を維持するのに必要な場合には、領域12の面積を変えないと考えられる。
【0005】
ピクセル式ディスプレイは固有の構造を有する。このことは、例えば図1Cのピクセル10の列21を通るライン22に沿うような、特定の方向に沿ってディスプレイ20の図を検討することによって理解することができる。ライン22は、ディスプレイ20の列21に平行であるように示されているが、これは限定を意図するものではない。他の向きを使用してもよい。説明の便宜上、添字「H」は、ディスプレイの水平軸(例えば列)に沿った周期性を指すのに使用され、添字「V」は、ディスプレイの垂直軸(例えば行)に沿った周期性を指すのに使用される。「水平」又は「垂直」の表示は、単に直交する軸のセットとして便宜上の表記に過ぎず、必ずしも空間内のどのような特定の方向又は平面に対応するものではない点を、当業者であれば本明細書の説明に基づいて理解されるであろう。ディスプレイ20の全てのピクセル10がON、すなわち透明又は発光している場合、図1Dの光学応答プロット24は、その物理的構造の結果としてライン22に沿ってディスプレイにより提示される明/暗構造を示している。光信号23(1=ON)は、透明又は発光領域12によって提供される。これらの信号は、不透明又は暗領域14によって提供される暗信号25(0=OFF)により分離される。図1Dにおける隣接する明(又は暗)領域間の光学周期26H’は、図1Cにおけるディスプレイ20のピクセル10の物理的周期26Hと同じであり、ディスプレイ20の物理的構造の固有特性である。図1Eは、図1Cの物理周期28Hに対応した、1つおきのピクセルがON(部分23’)であり、1つおきのピクセルがOFF(部分25’)であるときのライン22に沿った光学周期28H’を有する光出力27を示している。図1Eにおいて、OFF部分25’は、暗領域14と、作動されていないすなわちOFFである介在領域12とに対応する。周期28H、28H’は、ディスプレイ20によって提示することができる、最も画像粒子が細かい、最も細部にわたる光出力を決定付ける。図1C−図1Eにおいては、寸法28H、28H’は、寸法26H、26H’の2倍である。方形ピクセル10を使用するディスプレイ20では、水平周期26H、28Hと垂直周期26V、28Vとは実質的に等しいが、これは必須ではない。
【0006】
上述の固有構造周期は、提示が求められている情報とは無関係な、望ましくない混乱させる視覚アーチファクトをディスプレイ出力で生じさせる可能性があるので、ピクセル式ディスプレイの有意な制限事項である。こうしたアーチファクトの実施例は、モアレ・パターン、「スクリーンドア」効果、及び同様のものであり、これらは当該技術分野で公知である。これらのアーチファクトを最小にする従来技術の試みは、より小型のピクセルを使用すること、ディスプレイ出力にディフーザスクリーン又は防眩フィルムを設けること、極めて高いアパーチャレシオにすること、及び同様のことを伴っていた。これらは、固有のアーチファクトの一部の改善においては有用とすることができるが、例えば、アパーチャレシオが小さいこと、ディスプレイ効率が低いこと、複雑でコストが高いこと、及び場合によっては別の視覚アーチファクト(例えばスペックル・アピアランス)といった望ましくない副作用を有する。従って、ピクセル式ディスプレイの固有構造に起因する視覚アーチファクトを低減する必要性が引き続き存在する。
【0007】
従って、改善されたディスプレイ及び、特にディスプレイの物理的ピクセル構造に起因する望ましくない光学的アーチファクトを低減する方法を提供することが望ましい。加えて、改善されたディスプレイ及び方法が、簡素で頑健且つ信頼性があり、処理されるピクセル数の増加を必要としないことが望ましい。更にまた、本発明の他の好ましい特徴及び特性は、添付図面並びに前述の技術分野及び背景技術と共に参照して、以下の詳細な説明及び添付の請求項から明らかとなるであろう。
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,563,727号公報
【発明の開示】
【0009】
個々にアドレス指定可能なピクセルを使用するディスプレイによって示される視覚アーチファクトを低減するための装置が提供される。本装置は、ピクセルのアレイを備え、各ピクセルは、可変の透過度又は輝度の切替可能領域と、非切替可能領域とを有する。ピクセルの少なくとも一部内の切替可能領域が分散され、すなわち非切替可能領域の有意な部分によって少なくとも部分的に分離される少なくとも2つの部分に分割される。この少なくとも2つの部分は、同時に切り替えられるように構成される。これにより視覚アーチファクトの一因となる1次空間高調波が除去され、或いは有意に低減される。カラーディスプレイでは、各ピクセルは、各色において同時に切り替えられる分散サブ領域に細分されるのが望ましい。
【0010】
以下では、同じ数字が同様の要素を示す添付図面を参照しながら本発明を説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示に過ぎず、本発明又は本発明の応用並びに用途を限定することを意図するものではない。更にまた、前述の技術分野、背景技術、発明の開示又は以下の詳細な説明において提示される明示的又は暗示的なあらゆる理論に束縛されることは意図されない。本明細書で用いられる切替可能ピクセル素子又は領域に関する用語「ON」及び「OFF」は、特性のあらゆるアナログレベルの変化を含み、単に2値スイッチングに限定されるものではない。
【0012】
図2Aは、図1Aのものに類似した、単一ピクセル30の簡易平面図であり、図2Cは、図1Cに類似した、図2Aに示されるタイプの多数のピクセル30を備えるディスプレイ40の簡易平面図であり、図2D−図2Eは、図1D−図1Eに類似した、ライン42(例えば、ディスプレイ40のピクセル30の列41を通る)に沿った図2Cのディスプレイ40の光出力44、47の簡易プロットであって、全ては本発明の第1の実施形態に従う。図2Bは、アクティブアパーチャが部分36の近傍で減少している点で図2Aとは異なり、図1Bと同じ縮尺にした比較を示している。以下の実施形態で理解されるように、従来型のアクティブアパーチャをスケーリングすることは必要ではない。説明の便宜上、図2Aの簡素化されたアクティブアパーチャは、図2Cのディスプレイ40で使用される。加えて、説明の便宜上又は限定を意図しないために、図2A−図2Eのピクセル30は、図1A−図1Eのピクセル10と同じアスペクト比を有すると仮定されるが、これは必須ではない。
【0013】
図2A−図2Cのピクセル30は、各ピクセル30が暗領域又は不透明領域34の介在によって分離された、ON(発光又は透明になる)又はOFF(暗又は不透明になる)に同時に切り替えることができる複数の並列に結合された領域32を有する点で図1A−図1Cのピクセル10と異なる。特定のピクセルの切替可能領域(アクティブアパーチャ)32は全て、同時にON又はOFFに変わり、すなわち、これらは電気的、従って光学的に並列に結合される。図2A−図2Cの実施例では、従来技術のピクセル10の1つの矩形の切替可能領域12と比較して、各ピクセル10に4つの矩形の等寸法の切替可能領域32(例えば、32−1、32−2、32−3、32−4)が存在する。次に更に詳細に説明されるように、領域32−1、32−2、32−3、32−4、その他に相当する並列に結合された領域32及び様々な形状及び配列の多少のものを各ピクセルで使用することができ、図2A−図2Cに示されるピクセル毎の4つの領域32−1、32−2、32−3、32−4、32は例示であり限定を意図するものではない。また一方で、本明細書で使用される参照番号32は、各ピクセル30内に備えられる多くの並列に結合された切替可能領域(アクティブアパーチャ)を含むことが意図される。各ピクセルの領域32は並列に結合されているので、図2Cのディスプレイ40は、ディスプレイのプログラミング又は駆動に関する限り従来技術のディスプレイ20と同じ様式で機能し、すなわち、駆動エレクトロニクス又は駆動プログラムでの実質的な変更を行う必要はない。このことは、本発明の重要な利点であり、特別な機能である。しかしながら、得られる光学像は、構造に関連する光学的アーチファクトに関する限り大幅に改善された特性を有する。
【0014】
ここで図2D−図2Eを参照すると、ライン42がディスプレイ40の列41を通るように示されているが、これは限定を意図するものではない。他の向きを使用してもよい。全てのピクセル30がONであると、図2Dの光応答プロット44は、その物理構造の結果としてディスプレイによって提示される明/暗構造を示す。明信号又は発光信号(1=ON)43は、ピクセル内部でアクティブアパーチャ又は切替可能領域32とも総称される、透明又は発光領域32によって提供される。透明又は発光領域32からの出力信号43は、非アクティブアパーチャ又は非切替可能領域34とも呼ばれる不透明又は暗領域34によって提供される黒信号又は暗信号(0=OFF)45で隔てられる。図2D内の明(又は暗)領域間の光学周期46H’は、図2Cのディスプレイ40におけるピクセル30の切替可能領域32の物理周期46Hと同じであり、ディスプレイ40の物理構造の固有特性である。図2Cの実施例においては、図2C−図2Dの周期46H、46H’は、図1C−図1Dの類似の周期26H、26H’の2分の1である点に留意されたい。別の言い方をすれば、図2Cのディスプレイ40によって示される構造誘起の空間周波数は、図1Cの従来技術のディスプレイ20から得られるものの2倍である。図2Eは、1つおきのピクセルがON(部分43’)で且つ1つおきのピクセルがOFF(部分45’)であるときのライン42に沿った、図2Cの物理周期48Hに対応する光学周期48H’を有する光出力47を示す。図2Eにおいて、OFF部分45’は、暗領域34と、作動されない、すなわちOFF状態にある介在領域32とに対応する。周期48H、48H’は、ディスプレイ40によって提示できる最も画像粒子が細かい、最も細部にわたる光出力を定め、同じピクセルサイズの従来技術ディスプレイ20の場合と実質的に同じである。図2C−図2Eの実施例においては、寸法48H、48H’は、寸法46H、46H’のほぼ4倍であるが、これは必須ではない。同様の周期46V、48Vもまた、ディスプレイ40の垂直(行)方向に存在する。ピクセル30が実質的に方形であるときに、ディスプレイ40の水平及び垂直周期(及び空間周波数)は実質的に同じであるが、これは必須ではない。
【0015】
図3A−図3Bは、ピクセル式ディスプレイの列及び行方向における空間周波数のプロット60、70であり、ここで図3Aのプロット60は、従来技術による図1Cに示されるタイプのディスプレイに関するものであり、図3Bのプロット70は、図2Cに示されるタイプのディスプレイに関するものである。垂直軸61、71は、図1Aのピクセル10のディスプレイ20に関して示され、図2Aのピクセル20のディスプレイ40に関して示された方形アパーチャ空間パターンのフーリエ変換から求められる空間周波数成分の大きさである。変調信号パターン(例えば図1D−図1E及び図2D−図2Eを参照)に起因する周波数成分を得るためにフーリエ変換を使用することは、当該技術分野で公知である。図1A、図2Aのピクセル10及び30は、水平(列)及び垂直(行)方向に関し対称であるので、得られる空間周波数成分は対称である。図3A−図3B内の基本平面のエッジは、ディスプレイ(図1C、図2Cを参照)の水平(列)及び垂直(行)方向での空間周波数に対応する。基本平面エッジに沿った数字(−2、−1、0、1、2)は、フーリエ変換で得られた低次周波数成分に対応し、ここで「0」は平均又は定数項であり、「1」は1次高調波、「2」は2次高調波などである。(0、0)周波数成分62、72(図3A−図3Bでの高い中心カラム)の大きさは、全体のピクセル面積に対する透明(発光)面積のアパーチャレシオ又は平均割合に対応する。ピクセル10、30は同じアパーチャレシオを有するとされるので、カラム62、72は図3A−図3Bにおける同じ大きさのものである。
【0016】
ここで図1Cの従来技術の構造解析の結果を示す図3Aを参照すると、(±1、0)及び(0、±1)項に関するカラム63及び64は、それぞれ水平及び垂直方向での1次空間周波数高調波の相対的な大きさを表し、ここで順序ペアは、H及びVについての高調波次数を表す。(±2、0)及び(0、±2)位置でのカラム65、66は、それぞれ水平及び垂直方向における2次空間周波数高調波の相対的な大きさを表し、以下同じである。クロス項、例えば(1、−1)、(−1、−1)、(−2、−2)、(−2、−1)などもまた、従来技術の配列で存在し、プロットされていない追加の高次の高調波も同様である。存在する各高調波、とりわけ低次の高調波は、図1A−図1Eに示されるタイプの従来技術を用いたディスプレイで観察することができるアーチファクトを生じさせる。高次の高調波は、典型的なディスプレイの場合、一般的には比較的見えにくい。
【0017】
図3Bは、図2Aで示されるタイプの本発明のピクセルを用いる図2Cの構造について行われた同じ解析の結果を示す。(0、0)定数項72の大きさは変わらないが、(0、±1)項及び(±1、0)項に対応する1次高調波は、ピクセル及び各ピクセル内の複数のアクティブアパーチャ領域の対称的性質に起因して、実質的に完全に除去される。1次高調波は最も可視的な低次高調波であり、最も目につくアーチファクトを生じるので、これらの大幅な低減又は除去は、ディスプレイ品質の有意な改善をもたらし、すなわち、これらの空間周波数項に伴う視覚アーチファクトが効果的に除去される。(0、±2)項及び(±2、0)項は、図3Aでの従来技術の結果と比較して、本発明の図3Bではより大きいが、より高次の空間周波数高調波は一般には非常に見えにくく、従ってこれらの成分の大きさの増大は分からない場合が多いので、これはあまり重要ではない。最も低次のクロス項(例えば(1、−1)、(−1、−1)、(−1、1)、(1、1))もまた実質的に除去され、これによって視覚アーチファクトの別の潜在的発生源が排除される。幾つかの高次のクロス項(例えば(2、2)、(2、2)、など)が増大しているが、これらは本質的に見えにくいので、これも同様に問題ではない。従って、本発明の構成によって達成されたものは、空間周波数のエネルギーを本質的に見えにくい高次項に移し、これによって可視の低次項の影響を低減させて、ディスプレイ品質の全体的な改善が得られることになる。これは非常に好ましい。
【0018】
従来技術と比べた本発明の性能上の利点を評価する別の手法は、図4に示された変調対空間周波数のプロットを考察することである。曲線82は、ディスプレイ内の可視と非可視の視覚アーチファクトの間の区別を概念的に示している。所与の空間周波数について曲線82より上の変調レベルは一般的に可視であり、変調が高い程視認性の度合いが高くなる。曲線82より下の変調レベルは一般に容易には見えず、従って無視できる。図1Cに示されたタイプの従来技術のディスプレイが均一な信号(例えば全て白色又は単一のカラーで完全にON)で駆動される場合、1次高調波出力は位置83となり、一般的には容易に見える「スクリーンドア」効果を与える。2次高調波は、通常ほぼ位置85となり、一般的には可視ではない。図2Cに示されたタイプの本発明のピクセルを利用するディスプレイが使用される場合、1次高調波出力は、矢印87で示されるように大きく低下し、検出閾値曲線82より下の位置84以下となる。従ってこの出力は不可視である。より大きな2次高調波は矢印88で示されるように増大して位置86になるが、それでも検出閾値曲線82よりも低いままである。従って、その出力は依然として不可視である。1次空間高調波が完全には除去されない場合でも、これらの大きさが低下することにより、変調が見えにくくなる。従って、本発明は、ディスプレイ構造の低次空間高調波に起因するアーチファクトを低減又は除去することによって、ディスプレイ出力品質における正味の改善を提供する。
【0019】
図5A−図5H及び図5J−図5Pは、図2Aと同様の本発明による改善ピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。説明の便宜上、ピクセルの切替可能(発光)領域は、参照番号32で識別され、不透明(暗)領域は参照番号34で識別され、各々、図5A−図5Pで示される領域に対応して添字A−Pを有する。従って、図5Aのピクセル30Aは、非アクティブアパーチャ又は不透明(暗)領域34Aによって分離され囲まれるアクティブアパーチャ又は切替可能(発光)領域32Aを有し、図5Bのピクセル30Bは、不透明(暗)領域34Bによって分離され囲まれる切替可能(発光)領域32Bを有し、図5C−図5Pに関しても以下同様である。図5A−図5Pに示される様々なタイプのピクセルで形成されるディスプレイの固有周期(及び空間周波数)は、ピクセル内の発光領域及び暗領域の数及び配列に応じて、及びこれらが水平方向及び垂直方向で対称であるかどうかによって水平及び垂直方向で異なるものとすることができる。説明の目的で限定を意図せずに、図5A−図5Pに示される様々なタイプのピクセルのどれか1つを利用するディスプレイパネルは、同じタイプのピクセルの水平列及び垂直行の規則的アレイから構成されると設定しているが、これは必須ではない。異なるタイプのピクセルが同じディスプレイパネルで使用することができ、列及び行の構造はディスプレイの異なる位置で変わることができる。
【0020】
図5A−図5Pに示されるピクセルは、各ピクセルが少なくとも1つの方向(例えば水平、垂直又は他の方向)で複数の同時に切替可能(発光)な領域又はアクティブアパーチャを有する点で従来技術とは異なり、これによってこのようなピクセルで形成されるディスプレイの周期及び空間周波数が変わる。例えば、図5A−図5Bは、水平及び垂直方向に関して非対称であり、垂直方向において少なくとも部分的に分離された2つの同時に切替可能(発光)な領域32A1、32A2及び32B1、32B2を有し、結果として得られるディスプレイ構造の周期及び空間周波数が垂直方向において従来技術とは異なるようにされる。図5A−図5Bでの水平方向における差異はあまり明確ではないが、固定パターンノイズの空間周波数成分は、依然として図1A−図1Bの従来技術に対して除去されている。このことは、垂直方向で当該部分を分離して狭小にすることによって可能とされた、水平方向におけるアクティブアパーチャの細長い性質に起因する。図2A−図2B及び図5C−図5Dなどの他の実施例は、水平軸及び垂直軸に関して実質的に対称であり、そのため水平及び垂直方向の周期及び空間周波数は、複数のアクティブアパーチャ部分の同じメカニズムによって同しく改善されることになる。図5C−図5D及び図5Gは、切替可能領域32が非切替可能領域34の一部を囲む配列を示している。図5Hは、複数の同時切替可能領域の実質的にランダムな配列を示す。図5J−図5Lは、以下で更に検討されるように、同色又は異なる色とすることができる1つ又はそれ以上のU字型切替可能領域の使用を示している。
【0021】
図2A−図2B、図5A−図5P(及び図7B−図7C)の領域32は、図1A−図1B(又は図7A)の従来技術のピクセル10の単一トポロジー領域12と比べると、ピクセル全体に何らかの方法でトポロジー的に分散されている点に留意されたい。例えば、図5A、図5E、図5F、図5H、図5J、図5M、図5N及び図5Pにおいては、切替可能領域32A、32E、32F、32H、32J、32M、32N、32P(総称して領域32)は、不透明又は暗領域の一部によってトポロジー的に分離された複数部分に細分され;図5C、5D、及び5Gにおいては、切替可能領域32は、不透明又は暗領域34の一部をトポロジー的に囲み(言い換えると、非切替可能領域34は、切替可能領域32の一部によってトポロジー的に分離された複数部分に細分される);図5B、図5K及び図5Lにおいては、切替可能領域32は、実質的に3つの側部で暗領域又は不透明領域34の対応する区域34REを囲む凹形区域32REを有する。これらの構成の何れもが、ディスプレイ40によって示される固有空間周期及び空間周波数を修正して、従来技術と比較して、ディスプレイによって示されるアーチファクトを少なくともある程度低減させるようにするには十分である。言い換えれば、これは、例えば、本発明のピクセルをとりわけディスプレイの列又は行に平行な方向で横断する図5A−図5Pのライン38A−38P(総称してライン38)などのラインの形成において、こうしたラインが切替可能領域のある部分から切替可能領域の少なくとも別の部分まで非切替可能部分のかなりの部分を横切って通過することで十分である。当該ラインによって横断される切替可能領域の少なくとも2つの部分は、トポロジー的に分離される(例えば図2A−図2B、図5A、図5E、図5F、図5F、図5J、図5M、図5N及び図5P)か、或いは他の場所に結合することができる(例えば、図5B、図5C、図5D、図5G、図5K及び図5L)。何れの配列も有用である。
【0022】
分散部分は、切替可能領域及び非切替可能領域のトポロジー的にかなりの部分を含むことが望ましい。このことは、図2A−図2B及び図5A−図5Pにおいて2つの方法で満たされる。一般的なトポロジー原理に基づく第1の方式は、アクティブアパーチャ又は非アクティブアパーチャの何れかが、それぞれ非アクティブアパーチャ又はアクティブアパーチャの一部によってトポロジー的に分離された複数部分に細分されるようなこうした実施形態(上記で識別されたもの)に関するものである。第2の方式は、非アクティブアパーチャ(非切替可能領域)が、ピクセルについて定められたアクティブアパーチャのエンベロープ内で散在されている程度を評価する。前述のように、図5Eは、アクティブアパーチャ32E及び非アクティブアパーチャ34Eを含むピクセル30Eを示す。図5Eのエンベロープ37Eは、領域32E内のポイントの全ての可能なペアを接続する全てのラインの最も外側の外周である。エンベロープ又は外周37E、及び類似のエンベロープ37A、37B、37F、37H−37P(総称してエンベロープ又は外周37)は、ピクセルの平面内に位置するストリングによって形成されると考えられ、ピクセルのアクティブアパーチャの周りを密接に包み、ピクセルアパーチャの外側輪郭に追随しこれらの間のあらゆる間隙を架橋することができる。図5A−図5B、図5E−図5F、図5H−図5Pにおいては、エンベロープ又は外周37は、アパーチャの外縁から僅かに間隔を置いて示されているが、これは、こうしたエンベロープ又は外周が図中で容易に見えるようにする説明の便宜上のものに過ぎない。
【0023】
ピクセル30Eについての(同様に図5の他のピクセルについての)散在パーセンテージは、エンベロープ37E内に含まれる非切替可能領域34Eの一部を非切替可能領域34Eの全体の面積で除算して得られた比率として定義される。図1Aの従来技術のピクセルの実施例では、散在パーセンテージは0%であり、例えば図1Bの従来技術のピクセルでは、切欠きコーナーのほぼ半分である非切替可能領域の13%のみが定義されたようにエンベロープ内に散在される。対照的に、図5B、図5E、図5F、図5H、及び図5Kの例示的な凹形ピクセルは、それぞれ31%、33%、65%、67%、及び34%の散在パーセンテージを有する。好ましくは、有意に分散されたピクセルは、複数のアクティブアパーチャ又は非アクティブアパーチャの何れか(トポロジー接続していてもよく、していなくてもよい)、及び約15%よりも大きい、或いはより好ましくは約25%よりも大きい散在パーセンテージを有する。従って、本明細書で用いられる用語「有意に分散された」ピクセルとは、アクティブアパーチャ(切替可能領域)の一部の間に散在された少なくとも約15パーセント(15%)の非アクティブアパーチャ(非切替可能領域)を有するピクセルである。言い換えれば、「有意に分散された」ピクセルは、アクティブアパーチャの外側周囲すなわち上述の外周37内に少なくとも15%、好ましくは25%の非アクティブアパーチャ(非切替可能領域)があるピクセルである。
【0024】
本発明は、モノクロディスプレイとカラーディスプレイの双方に適用可能である。色は、様々な形式の加色法、タイムシーケンシャルカラー法、減色法或いは他の手段を含む何れかの公知の方法によって得ることができる。カラーディスプレイは、どの色が表示されていても、アーチファクトが少ないことが好ましい。図5J−図5Lの実施形態は、ディスプレイで使用できる緑色及び赤色構成色領域などの2色ディスプレイシステムとして使用するのに好都合である。ピクセル30Jは、2つの分離したアクティブ又は切替可能領域32Jを備え、これは図5K−図5Lにおいてもアクティブアパーチャ32K及び32Lとして別個に示されている。本発明の実施形態において、アクティブ領域32Kは、緑色などの第1の構成色を提供し、同時に切替えを行い、これは、同じ制御信号が全体の領域を駆動するのに用いられ、当該領域の異なる部分が領域の他の部分とは独立してアドレスできないことを意味する。アクティブ領域32Lは、赤色などの第2の構成色を提供し、同様に同時に切替を行う。ピクセル30Jは、双方の構成色領域又はサブピクセルを備え、マトリックスディスプレイのある範囲の出力色度を可能にする。2つの色領域32K及び32Lは互いに独立して切替可能であり、最小切替可能画像素子として協調して機能する。上述のような領域32K及び32Lのトポロジーに起因して、構成色の各々は、ピクセル30J−30L内の有意に分散されたアパーチャによって特徴付けられ、これは、ピクセルのあらゆる出力色度設定に関するアクティブピクセルアパーチャが、ピクセル30Jの区域内で実質的に分散されることを意味する。この分散性能は、この場合は水平軸に沿った複数の部分と、例えば図1Aに示されるような正方開口の対象の構成色領域と同じ面積を有する、対応する対称アパーチャに対し細長い垂直軸に沿った部分とによって生じる。個々の構成色のためのアパーチャの散開又は分散から得られる性能の向上は、どのピクセル式ディスプレイについても顕著である。記載された実施形態は限定を意図するものではない。構成色は異なるものとすることができ、或いは追加の構成色を使用することもできる。構成色の一部はピクセル内で分散され、他のものは実質的に分散されなくてもよい。
【0025】
図6は、図5Jのピクセル30Jの2色の実施形態における図5Kの構成色アパーチャ32Kに関して得られた空間周波数成分のフーリエ変換の結果110を示している。図6のチャート110は、図3A−図3Bのチャート60、70に類似しており、本発明の利点を犠牲にすることなくアパーチャパターンに対して実施可能な修正が行えることを示している。図6の大きさの目盛り111は、図3A−図3Bの多い差の目盛り61、71の半分である。水平1次高調波113(例えば、±1、0項)は、アクティブアパーチャのデュアルレッグ特徴部によって抑制されており、中心がピクセルピッチのほぼ半分で分離された、アクティブアパーチャ上に2つのレッグがあるので、2次高調波115(例えば、±2、0項)がこれに応じて増大している。2つのレッグ間の接続部分は、これらの間の接続を単純化し、またアパーチャレシオを増大させる。これにより1次高調波の大きさ(水平方向)が僅かに上昇するが、依然として極めて小さいままである。図3A−図3Bとは違って、垂直方向の性能は水平方向の性能と著しく異なる。ピクセルは垂直方向で完全には平衡がとられていないが、レッグの延伸によって、垂直1次高調波の大きさ114(例えば0、±1項)は、(0、0)成分112と比較して依然として極めて小さい。この1次高調波は、同じ面積を有する方形構成色切替可能領域の1次高調波の3分の1未満である。ピクセル30Kでの垂直方向におけるハーフピッチで反復特徴部が無いことから予想されるように、垂直2次高調波116は水平2次高調波115よりも明らかに小さい。
【0026】
図7A−図7Cは、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)放出又は発光領域を有する色ストライプピクセルの実施例である。図7Aは、不透明(暗)領域101によってそれぞれ分離された赤色、緑色及び青色切替可能(発光)領域91R、91G、91Bを有する従来技術のピクセル100を示す。図7B−図7Cは、本発明の別の実施形態による色ピクセル102、104を示す。図7B−7Cにおいては、従来技術の単一色領域91R、91G、91Bが、暗領域又は不透明領域103、105によって分離された、複数の間隔を置いて配置された色領域92、93、94と置き換えられており、ここで各切替可能色放出領域又はサブピクセルは、ピクセル30における離間した部分32−1、32−2などに類似する、離間した少なくとも2つの部分、例えば92−1、92−2;93−1、93−2;94−1、94−2を有する。図7Cのピクセル104及び図7Bのピクセル102は、全カラー分散アパーチャの例示的な構成を表す。図7B及び図7Cにおいては、同様の参照番号を有する種々の同色の部分が同時に、すなわち全緑色部分が同時に、全赤色部分が同時に、及び全青色部分が同時に切り替えられ、一般的には、異なる構成色は独立して切替可能であるので、ピクセル102、104がディスプレイのある範囲の出力色度を提供することが可能となることは理解される。ピクセル104及び102の各々において、構成色の各々は、有意に分散されたアパーチャを有する。換言すれば、単一色のみがONにされる場合であっても、アーチファクト抑制の利点は、ディスプレイのあらゆるアドレス指定可能な色又は色度にも適用される。このことは、例えば切替可能領域91Gである単一色のみがONとなる場合に、極めて大きな潜在的に可視の1次高調波をもたらす図7Aの従来技術のピクセルとは著しく異なる。
【0027】
以下の表Iは、種々のピクセル設計についてフーリエ解析によって得られた様々な空間高調波項の大きさを比較している。CONFIG列は、データが取得されたピクセル構成を特定し、関連する代表的な図の番号と合わせている。例えば、構成1Aは図1Aのピクセル10に関連し、構成1Bは図1Bに示されたピクセル構成に関連し、構成5Cは図5Cに示されたピクセルに関連しており、以下同様である。「AR」列欄は(0、0)項を示し、これは特定のピクセルについてのアパーチャレシオである。[H]「V」「++」「+−」列の欄の2つのグループがある。「低次高調波」で表された第1のグループは、フーリエ項の大きさの非基準化値を収めている。「方形アパーチャに対する%」で表された第2のグループは、第1のグループの値を同じアパーチャレシオの方形参照アパーチャ(例えばピクセル10のアパーチャ12)についての対応する大きさに対して基準化したものである。「H」列欄の入力値は、(1、0)+(−1、0)項の大きさの和である。「V」列欄の入力値は、(0、1)+(0、−1)項の大きさの和である。「++」列欄の入力値は、(1、1)+(−1、−1)項の大きさの和である。「+−」列欄の入力値は、(1、−1)+(−1、1)項の大きさの和である。図1−図5に示された様々なピクセル構成を有する表Iの入力値に関しては、図1−図5は尺度通りの図を意図していない点に留意されたい。この種々の構成のアパーチャレシオ(AR)の値は表Iに提供されている。
表I
様々なピクセル構成についての空間周波数項の大きさのフーリエ変換解析の結果
【表1】
【0028】
表IのCONFIG1Aは、図3Aから値を取得している。このAR及び低次高調波の大きさは、参照として提供されているが、比較の最も簡単な基準は「方形アパーチャに対する%」部分であり、以下の論議はこれらの入力値を参照する。CONFIG 1Aのピクセルは方形のアパーチャを有しているので、その比較比率は定義により1(100%)である。CONFIG 1Bは、コーナーに比較的大きなノッチ16を有する従来技術のピクセルである。シミュレートされたピクセルは0.47AR(アパーチャレシオ)を有しているので、相対比較は0.47方形ピクセルに対し、図3Bからの値を用いて計算される。残りの列の各々は、これらの列について表記されたアパーチャレシオを有する方形ピクセルに対して同様に比較される。表の入力値は、図1BのコーナーノッチがH及びVを、匹敵する方形ピクセルの値の93%及び87%まで僅かに低下させることを示している。CONFIG 2Aないし5L及び7B−7Cは全て、本発明に従って十分に分散されたアパーチャに基づいた改善である。この表は、1次高調波H及びVの比較値の各々が、従来技術であるCONFIG 1A及び1Bに対して改善(減少)されていることを立証している。有意な改善に相当するためには、H及びVのパーセンテージは、好ましくは80%未満、より好ましくは50%未満、更により好ましくは25%未満であり、実質的にゼロであるのが最も好ましい。2Aから下のCONFIGの全ては、アーチファクト抑制のこれらの好ましいレベルの1つ又はそれ以上を達成している。CONFIG 2A及び5Dは両方の1次高調波が除去され、5Aでは1次高調波のうちの1つが除去されている。CONFIG 5Cと5Dとを比較すると、アパーチャ設計に対する小さな調整によってアーチファクト抑制を更に劇的に改善することができることが、図5C−図5Dのアクティブアパーチャ形状から明らかである。例えば、CONFIG 5Cにおける30%及び40%の既に優れている1次高調波は、CONFIG 5Gの使用によって0%にまで更に低減される。0.75のARを有するCONFIG 5Cは、高アパーチャ構成でも有効であることを実証している。CONFIG 5K及び5Lは、モノクロパネル、或いは2色パネルの個々の構成色領域の何れを使用しても、H及びVを同様に極めて有効に低減させる。
【0029】
CONFIG 7Aの入力値は、図7Aにおいて従来技術の単一色領域91Rについてのシミュレート結果を提供している。予期できるように、細長い垂直ストライプの色領域は、対応する0.15AR方形に比べて遜色がないが(38%)、その狭い幅は方形領域よりもHをより悪化させる(122%)。対比的に、本発明によるCONFIG 7Bの分散ストライプは、垂直方向性能を犠牲にすることなく4%までのHの低減をもたらす。同様の性能は、CONFIG 7Cの他のフルカラー配列についても見られ、図7Cの(G)アクティブアパーチャ93及び(R)アクティブアパーチャ92のフーリエ変換解析が当該表で要約されている。
【0030】
状況によっては、表Iで++及び+−列で表される最も低次のクロス項は、一般的に1次高調波よりも高いが2次高調波よりも低い空間周波数にあるので、これらの項もまた重要となる。表Iは、ある構成がクロス項の抑制時に他の構成よりも良好であることを示している。++クロス項は、明らかに従来技術のCONFIG 1Bのノッチコーナーについての欠点であり、その空間周波数及び向きでの変調が匹敵する方形アパーチャの値の173%まで増大している。CONFIG 5Dは、H及びVの改善が、++及び+−も同様に低減されることは保障しないが、例えばCONFIG 2Aに向かって更に移動するといった設計の微調整を追加することによってクロス項のさらなる低下を容易にもたらすことができることの実施例である。本発明の多くの実施形態では、ベースラインの方形ピクセルに対して全ての1次高調波及び最低次のクロス項を改善することになる(例えば2A、5A、5B、5C、5E、5G、5H、5K、5L、7B、7C(G)、7C(R))が、これはCONFIG 1A及び7Aでは観察されない。
【0031】
表Iの結果は、CONFIG 2Aが、他の場合に生じる大部分の可視アーチファクトを最大限に抑制することを示している。しかしながら、利用可能なピクセル設計及び製造プロセスの性能を最大にする点においては、分散アパーチャを適応させるための多様性及び柔軟な技術が重要となる。複数領域の方法が実施可能ではない場合、5Bのような他の構成が有効な起点を提供することができる。5K−5Lは、2色システムの好ましいピクセルであり、7Bは3色システムの好ましいピクセルレイアウトである。様々なピクセルトポグラフィの実用性は、例えば、ディスプレイが、透過、反射、発光或いは他の手段の何れによって光を変調させるかなど、ディスプレイタイプに応じて変わる可能性がある。これら又は同様の分散アパーチャ構成の多くは、例えば、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5,563,727号に記載の技術を使用することによって透過型LCDにおいて作製することができる。
【0032】
上記の論議は方形ピクセルについて示されたが、これは単に説明の便宜上のものであり、当業者であれば非方形ピクセルを使用してもよいことは理解するであろう。ピクセルは、矩形或いは有用なディスプレイパネル実装密度を可能にするあらゆる他の好都合な形状とすることができる。これらの選択は、考慮される特定のディスプレイシステムの要求に応じて左右されることになり、当業者であれば、設計している特定のディスプレイに応じてこうした選択を行う方法を理解するであろう。
【0033】
少なくとも1つの例示的な実施形態が上記の詳細な説明で提示されたが、膨大な変形形態が存在する点は理解されたい。とりわけ、ピクセルアレイを横切る少なくとも1つの方向において、同時に切替え又は発光するピクセルの一部又は全てにおける2つ又はそれ以上の領域が存在する場合に、本発明のピクセル内の様々な切替可能(発光)領域の寸法及び形状並びに分布は変えることができる。別の言い方をすれば、本発明は、ピクセルアレイを横切る少なくとも1つの方向において、その空間周波数が測定される少なくとも1つの方向に沿って観察される個々のピクセルの少なくとも一部内で2つ以上の同時に切替られる部分を提供する結果として、ディスプレイの1次高調波空間周波数が、検出閾値近傍又はこれよりも低いピクセル構造を備える。1つ又は複数の例示的な実施形態は単なる実施例であり、本発明の範囲、適用性、又は構成をどのようにも限定するものではない点も理解されたい。むしろ、上記の詳細な説明は、1つ又は複数の例示的な実施形態を実施するための便宜上の指針を当業者に提供するものである。添付の請求項及びこれらの法的均等物に記載される本発明の範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成において様々な変更を行い得る点を理解されたい。
【0034】
例1
1.各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有するピクセル(40)のアレイを備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部内の前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
2.前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部(34、34A、34E、34F、34F、34F、34H、34J、34M、34P、103、105)によって分離された少なくとも2つの非接続部分(32、32A、32E、32F、32H、32J、32M、32N、32P、102、104)を備える、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
3.前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部分(43RE、34C、34D、34J、34K、34L)を部分的に囲む第1及び第2のアーム部を有する少なくとも2つの接続部分(32B、32C、32D、32G、32J、32K、32L)を備える、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
4.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、非切替可能部分(34、34E、34F、34H、34M、34N、34P、105)によって少なくともある程度分離された3つ又はそれ以上の部分(32、32E、32F、32H、32M、32N、32P、92−94)を備える、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
5.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部(34RE、34C、34D、34F、34G、34J、34L、34M、34N)を少なくとも部分的に囲む、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
6.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部分を完全に囲む、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
7.前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の少なくとも15%が、少なくとも2つの前記切替可能部分の外周内にある、
ことを特徴とする1に記載のディスプレイ。
8.ピクセル(30、30A−30P、102、104)当たりに1つよりも多い共通の切替可能領域(32、32A-32P、92−94)を有する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の列及び行からなるアレイ(40)であって、前記アレイ(40)の列(41)又は行に実質的に平行に測定された少なくとも1次高調波空間周波数を示す光を放出するように適合されたアレイを備え、
前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するがピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波周波数(63、64)よりも小さい大きさを有する、
ことを特徴とするディスプレイ。
9.前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)当たりの共通切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、散在する非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)と共に前記ピクセル域内に分布される、ことを特徴とする8に記載のディスプレイ。
10.前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するがピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波空間周波数(63、64)の約2分の1よりも小さい大きさを有する、
ことを特徴とする8に記載のディスプレイ。
11.前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するがピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波空間周波数(63、64)の約4分の1よりも小さい大きさを有する、
ことを特徴とする8に記載のディスプレイ。
12.ピクセル(30、30A−30P、102、104)への入力信号に応答して画像を表示する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)のアレイ(40)を備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部が、前記入力信号によって作動されるように適合された切替可能領域(32、32A−32P、92−94)を有し、前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、散在した非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)と共に前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)内に空間的に分散された部分を有する、
ことを特徴とするディスプレイシステム。
13.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、散在した非切替可能領域(34、34RE、34A、34E、34F、34H、34J、34M、34N、103、105)と共に少なくとも2つの分離領域(32、32A、32E、32F、32H、32J、32M、32N、32P、92−94)を備える、
ことを特徴とする12に記載のディスプレイシステム。
14.前記切替可能領域(32、32A−32P、92、94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部分(34RE、34J、34K、34L)が延びた凹形部分を有する、
ことを特徴とする12に記載のディスプレイシステム。
15.前記切替可能領域(32C、32D、32G)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の一部分(34C、34D、34G)を囲む、
ことを特徴とする12に記載のディスプレイシステム。
16.異なる色の画像を該色に対応する入力信号に応答して表示するように各々が適合されている、ピクセル(30)の複数のアレイ(40)を更に備える、
ことを特徴とする12に記載のディスプレイシステム。
17.分散した切替可能領域(32、32A-32P、92−94)と非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを各々が有する画像形成ピクセル(30)のアレイ(40)を備え、
前記アレイ(40)が、均一な画像を出力するように配向されたときに、0次空間周波数成分(72)、1次高調波空間周波数成分、及び2次高調波空間周波数成分(75、76)を含む空間周波数成分を示し、
前記1次高調波成分の大きさが、同じ0次空間周波数成分(62)を実質的に有する非分散切替可能領域(12)を有する等価アパーチャレシオの方形ピクセル(10)の1次高調波成分(63、64)の大きさの80パーセント未満である、
ことを特徴とするディスプレイ。
18.前記1次高調波成分が約50パーセント未満であることを特徴とする17に記載のディスプレイ。
19.前記1次高調波成分が約25パーセント未満であることを特徴とする17に記載のディスプレイ。
20.前記1次高調波成分が実質的にほぼ0であることを特徴とする17に記載のディスプレイ。
【0035】
例2
1.各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の第1の構成色に関する切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と第1の構成色に関する非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有するピクセル(40)のアレイを備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部内の第1の構成色に関する前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、第1の構成色に関する前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された第1の構成色に関する少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
第1の構成色に関する前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
2.第1の構成色に関するピクセル(30、30A−30P、102、104)当たりに1つよりも多い共通の切替可能領域(32、32A-32P、92−94)を有する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の列及び行からなるアレイ(40)であって、前記アレイ(40)の列(41)又は行に実質的に平行に測定された第1の構成色に関する少なくとも1次高調波空間周波数を示す光を放出するように適合されたアレイを備え、
前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するが第1の構成色に関するピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波周波数(63、64)よりも小さい大きさを有し、前記ピクセルの第1の構成色に関するすべての切り替え可能領域が同時に切り替えられる
ことを特徴とするディスプレイ。
3.ピクセル(30、30A−30P、102、104)への入力信号に応答して画像を表示する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)のアレイ(40)を備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部が、前記入力信号によって作動されるように適合された第1の構成色に関する切替可能領域(32、32A−32P、92−94)を有し、第1の構成色に関する前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、散在した非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)と共に前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)内に空間的に分散された部分を有し、
前記1次高調波成分の大きさが、第1の構成色に関して同じ0次空間周波数成分を実質的に有する非分散方形切替可能領域を有する等価アパーチャレシオの方形ピクセルの1次高調波成分の大きさの80パーセント未満であることを特徴とするディスプレイシステム。
【0036】
例3
1.各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有するモノクロのピクセル(40)のアレイを備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部内の前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
【0037】
例4
1.各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有する実質的に同一のピクセル(40)のアレイを備え、
前記各ピクセル(30、30A−30P、102、104)の前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】従来技術による単一ピクセルの簡易平面図である。
【図1B】従来技術による単一ピクセルの簡易平面図である。
【図1C】従来技術による図1Aに示されるタイプの多くのピクセルを備えるディスプレイの簡易平面図である。
【図1D】従来技術による特定の方向(例えばディスプレイのピクセルの列を通る)に沿った図1Cのディスプレイの光出力の簡易プロットである。
【図1E】従来技術による特定の方向(例えばディスプレイのピクセルの列を通る)に沿った図1Cのディスプレイの光出力の簡易プロットである。
【図2A】図1A−図1Bのものに類似した、本発明の第1の実施形態による単一ピクセルの簡易平面図である。
【図2B】図1A−図1Bのものに類似した、本発明の第1の実施形態による単一ピクセルの簡易平面図である。
【図2C】図1Cに類似した、本発明の第1の実施形態による図2Aに示されるタイプの多くのピクセルを備えるディスプレイの簡易平面図である。
【図2D】本発明の第1の実施形態による図2Cのディスプレイでのピクセルの列を通る方向に沿った図2Cのディスプレイの光出力の簡易プロットである。
【図2E】本発明の第1の実施形態による図2Cのディスプレイでのピクセルの列を通る方向に沿った図2Cのディスプレイの光出力の簡易プロットである。
【図3A】は従来技術による図1Cに示されるタイプのディスプレイにおけるピクセル式ディスプレイの列及び行方向における空間周波数成分のプロットである。
【図3B】本発明の第1の実施形態による図2Cに示されるタイプのディスプレイにおける、ピクセル式ディスプレイの列及び行方向における空間周波数成分のプロットである。
【図4】ピクセル式ディスプレイ及び可視性の概念上の閾値についての空間周波数に対する変調の簡易プロットである。
【図5A】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5B】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5C】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5D】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5E】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5F】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5G】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5H】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5J】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5K】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5L】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5M】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5N】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図5P】図2Aに類似した本発明による改善されたピクセルの別の実施形態の簡易平面図である。
【図6】図3A−図3Bに類似した本発明の別の実施形態のプロットである。
【図7A】従来技術の赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の放出領域を有する色ピクセルの実施例である。
【図7B】本発明の更に別の実施形態による赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の放出領域を有する色ピクセルの実施例である。
【図7C】本発明の更に別の実施形態による赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の放出領域を有する色ピクセルの実施例である。
【符号の説明】
【0039】
26V、28V 光学周期
32 切替可能領域
34 非切替可能領域
40 ディスプレイ
41 列
46H、48H 物理周期
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の第1の構成色に関する切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と第1の構成色に関する非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有するピクセル(40)のアレイを備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部内の第1の構成色に関する前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、第1の構成色に関する前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された第1の構成色に関する少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
第1の構成色に関する前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
【請求項2】
第1の構成色に関するピクセル(30、30A−30P、102、104)当たりに1つよりも多い共通の切替可能領域(32、32A-32P、92−94)を有する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の列及び行からなるアレイ(40)であって、前記アレイ(40)の列(41)又は行に実質的に平行に測定された第1の構成色に関する少なくとも1次高調波空間周波数を示す光を放出するように適合されたアレイを備え、
前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するが第1の構成色に関するピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波周波数(63、64)よりも小さい大きさを有し、前記ピクセルの第1の構成色に関するすべての切り替え可能領域が同時に切り替えられる
ことを特徴とするディスプレイ。
【請求項3】
ピクセル(30、30A−30P、102、104)への入力信号に応答して画像を表示する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)のアレイ(40)を備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部が、前記入力信号によって作動されるように適合された第1の構成色に関する切替可能領域(32、32A−32P、92−94)を有し、第1の構成色に関する前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、散在した非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)と共に前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)内に空間的に分散された部分を有し、
前記1次高調波成分の大きさが、第1の構成色に関して同じ0次空間周波数成分を実質的に有する非分散方形切替可能領域を有する等価アパーチャレシオの方形ピクセルの1次高調波成分の大きさの80パーセント未満であることを特徴とするディスプレイシステム。
【請求項1】
各ピクセル(30、30A−30P、102、104)が可変の透明度又は輝度の第1の構成色に関する切替可能領域(32、32A−32P、92−94)と第1の構成色に関する非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)とを有するピクセル(40)のアレイを備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部内の第1の構成色に関する前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、第1の構成色に関する前記非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)の有意な部分によって少なくとも部分的に分離された第1の構成色に関する少なくとも2つの切替可能部分に分割され、
第1の構成色に関する前記少なくとも2つの切替可能部分が、同時に切り替えられるように構成されている、
ことを特徴とするディスプレイ。
【請求項2】
第1の構成色に関するピクセル(30、30A−30P、102、104)当たりに1つよりも多い共通の切替可能領域(32、32A-32P、92−94)を有する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の列及び行からなるアレイ(40)であって、前記アレイ(40)の列(41)又は行に実質的に平行に測定された第1の構成色に関する少なくとも1次高調波空間周波数を示す光を放出するように適合されたアレイを備え、
前記アレイの1次高調波空間周波数が、同じアパーチャレシオを有するが第1の構成色に関するピクセル当たりに単一の切替可能領域(12)のみを有するピクセル(10)のアレイ(20)からの1次高調波周波数(63、64)よりも小さい大きさを有し、前記ピクセルの第1の構成色に関するすべての切り替え可能領域が同時に切り替えられる
ことを特徴とするディスプレイ。
【請求項3】
ピクセル(30、30A−30P、102、104)への入力信号に応答して画像を表示する前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)のアレイ(40)を備え、
前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)の少なくとも一部が、前記入力信号によって作動されるように適合された第1の構成色に関する切替可能領域(32、32A−32P、92−94)を有し、第1の構成色に関する前記切替可能領域(32、32A−32P、92−94)が、散在した非切替可能領域(34、34A−34P、103、105)と共に前記ピクセル(30、30A−30P、102、104)内に空間的に分散された部分を有し、
前記1次高調波成分の大きさが、第1の構成色に関して同じ0次空間周波数成分を実質的に有する非分散方形切替可能領域を有する等価アパーチャレシオの方形ピクセルの1次高調波成分の大きさの80パーセント未満であることを特徴とするディスプレイシステム。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図5J】
【図5K】
【図5L】
【図5M】
【図5N】
【図5P】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図2E】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図5J】
【図5K】
【図5L】
【図5M】
【図5N】
【図5P】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【公開番号】特開2013−101347(P2013−101347A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−257679(P2012−257679)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2007−549483(P2007−549483)の分割
【原出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257679(P2012−257679)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【分割の表示】特願2007−549483(P2007−549483)の分割
【原出願日】平成17年12月20日(2005.12.20)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】
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