説明

分散ネットワークの、特に通信ネットワークの、リソース上のオペレーションを管理するための方法とシステム、および対応するコンピュータプログラムプロダクト

【課題】通信ネットワーク(N)の機器などの、機器への介入を実行するための、ワークフローまたはルール内に配置される命令信号を生成するためのシステムを提供することである。
【解決手段】機器は、1つの機器の管理をそれぞれが担当するリソースプロキシエージェント(RP1、...、RPn)に関連付けられてもよい。システムは、介入管理プロキシエージェント(PP1、...、PPn)の分散型アーキテクチャを含み、介入管理プロキシエージェントは、命令信号を生成するための、それぞれのワークフローベースまたはルールベースエンジンを備え、各エージェントは端末装置に関連付けられる。介入管理プロキシエージェント(PP1、...、PPn)は、リソースプロキシエージェント(RP1、...、RPn)と、または機器と関連付けられたマネージャリソースと、対話形式(PTP)で結合されてもよく、それにより、命令信号は、介入の実行対象となる機器の状態に応じたものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークの機器上などの、分散ネットワーク上で、命令信号を生成することを、および、前記命令信号に基づいて介入(または、より一般的には、オペレーション)を実行することを、可能にする技術に関する。
【0002】
本発明は、ワークフォースの、およびカスタマの、オペレーションを管理および支援するための、分散プラットフォームの状況におけるその可能な使用に、特に注意を払って開発された。
【背景技術】
【0003】
新しいサービスをカスタマに提供するためのコスト、または障害および機能不良を除去するためのコストなどの、オペレーショナルプロセスのコストは、通信事業会社が毎年直面する必要があるコストのうちの大きなパーセンテージを示す。したがって、オペレータワークフォースとカスタマとの両方のアクティビティを支援し、その結果、カスタマ構内の機器に関連するトラブルの除去に直接関与することが可能なツールを介して、前記コストを削減することを目的とした、方法/システムは重要である。
【0004】
障害/機能不良の修復のアクションに直接関与する、ワークフォースへの、およびカスタマへの支援は、ナレッジマネジメントシステム(KM)、または、より正確に言えば、オペレーショナルナレッジマネジメントシステム(OKM)と、高度な管理プラットフォームとの、2つの主要なツールを使用することによって提供されることが可能であり、これらの2つのツールは、別個のエンティティとして見られるのではなく、統合された完全なソリューションの構成要素として見られる。
【0005】
「ナレッジマネジメント(KM)」は、組織の知識の作成、普及、および使用を可能にするアクティビティを意味する。KMへのさまざまなアプローチの中で、企業が一般に好むのは、知識の一部の管理と、特定の目的(例えば、意志決定、問題解決など)とに焦点を合わせた、局所的なアプローチである。オペレーショナルナレッジマネジメント(OKM)」は、オペレーション知識の管理に焦点を合わせた、知識管理への局所的なアプローチである。このタイプの知識は、特定のジョブまたは特定のアクティビティを実行するために必要な、方法および技術(オペレーショナルプラクティス)を含む。OKMSの一般的なユーザは、企業のフィールドエンジニア、およびコールセンタアドバイザである。
【0006】
これらの技術の現在の発展レベルを表すKM/OKMシステムは、例えば、米国特許出願公開第2004/0044542号明細書、および、G.ValenteとA.Rigalloによる論文「Remoter:an Operational Knowledge Management System for Telecommunication Operators」(Workshop on Knowledge Management and Organizational Memories、16th European Conference on Artificial Intelligence(ECAI)、2004年)に記載されている。
【0007】
上記の文献に記載されているソリューションは、通信事業会社のワークフォースによって(カスタマ苦情に対処するために、または、新しいサービスのカスタマ要求を満足するために)、あるいは、さらには、カスタマの構内における機器に対するセルフケアのアクティビティに直接関与する、カスタマ自身によって、実行されてもよいアクティビティなどの、問題解決アクティビティを支援するためのツールとして提案されている。
【0008】
特に、米国特許出願公開第2004/0044542号明細書には、所与の企業の技術スタッフ間での、前記スタッフとユーザとの間での、およびユーザと他の企業の技術スタッフとの間での、知識の収集および共有のための、方法およびシステムが記載されている。前記方法およびシステムは、さまざまな領域に適用可能であり、その中で、電気通信サービスの領域にも適用可能で、事例ベース推論およびモデルベース推論のアプローチを使用して、問題解決アクティビティへの支援を提供する。
【0009】
ValenteとRigalloによる論文では、代わりに、リモータ(Remoter)と呼ばれるオペレーショナルナレッジマネジメント(OKM)のシステムが定義されており、前記システムは、通信事業会社の技術者を、それらの技術者の日常のアクティビティの間に支援するために、電気通信の状況で使用される。特に、リモータ(Remoter)は、技術者が短時間で対応し最良のソリューションを選択する必要がある、ADSLサービスのプロビジョニングと保証のプロセスの状況において、使用およびテストされている。このシステムの目的は、技術者が、最適な決定をリアルタイムで行うために、それらの技術者のオペレーション知識を共有、収集、および適用することを可能にすることである。前記システムは、問題解決を支援するために、対話型事例ベース推論アプローチを使用する。
【0010】
特許文献国際公開第2005/018249号パンフレットには、電気通信ネットワークおよび支援されるサービスの、分散管理のための、エージェントパラダイムに基づく、高度の柔軟性と拡張性とを有するシステムアーキテクチャが記載されている。前記アーキテクチャのキーポイントは、次のとおりである。
【0011】
−ワークフローエンジンとルールエンジンとに関連付けられ、3つの階層レベルに構成された、分散エージェントに基づく、ネットワークおよびサービス管理のためのプラットフォーム。
【0012】
−(アプリケーションの)構成要素の調整に使用されるだけでなく、プラットフォームの機能と動作のすべての側面の柔軟な実装のためにも使用される、プロセスエンジン(ワークフローエンジンおよびルールエンジン)。
【0013】
−プロセスエンジン内で使用するためにプラットフォーム全体にわたって分散される、すべてのプロセス記述およびネットワークリソース情報モデルの、定義、マスタストレージ(マスタデータベース)、および管理のための、集中型のモデルインベントリ(モデルデータベース−MDB)。
【0014】
−ネットワークをOSSの管理機能から分離し、ネットワークとリアルタイムで整合させられたデータベースを提供する、分散型のネットワークインベントリレイヤ。
−負荷バランシングおよび耐故障性の側面を含む、アプリケーションの好都合な分散を可能にする、コードモビリティの技術の使用。
【0015】
Stephen Corleyらの論文「Communications Management Process Integration Using Software Agents:A Specification of a Framework for Agent Oriented Workflow Management Systems」(EURESCOM PROJECT P815、[オンライン]2001年1月、1〜92ページ、XP002343307、インターネットから取得:URL:http//www.eurescom.de/〜pub−deliverables/P800−series/P815/D1/p815d1vol2.pdf)には、エージェント指向ワークフロー管理システムのフレームワークが記載されている。ドメイン内(すなわち、ローカルビジネス組織内の)調整アーキテクチャは、ビジネスプロセスリポジトリ(Business Process Repository)、ドメインレプリゼンタティブ(Domain Representative)、リソースプロバイダエージェント(Resource Provider Agents)、パーソナルユーザエージェント(Personal User Agents)、およびワークフロープロバイドエージェント(Workflow Provide Agents)を含む。ワークフロープロバイダエージェント(Workflow Provider Agents)は、ワークフローエンジンを含み、ドメイン内ワークフローを担当する。パーソナルユーザエージェント(Personal User Agent(PUA))は、ワークフロー管理システムのユーザに知的インタフェースを提供し、GUI PUAまたは知的PUAであってもよい。前者の場合、ユーザがワークフロー制御オペレーションを要求すると、GUIは要求をPUAエージェントに転送し、PUAは、実現に着手するために、WPAと通信を行う。後者の場合、PUAは、その環境内の変化を検知する機能を有し、何らかの目的を達成するためにそのPUAが定義した計画に従って、それらの変化に対処する。このエージェントは、推論、計画、および学習機能を有する。アクションは、Javaオブジェクトメソッドとして実装される。
【0016】
米国特許第5,826,239号明細書は、複数のプロセスアクティビティを含むワークフロープロセスを実行するために、複数のリソースを管理する、ワークフロー管理ソフトウェアシステムの制御下で動作しているコンピュータネットワーク内での、分散リソース管理のためのシステムおよび方法に関する。ワークフロープロセス管理システムソフトウェア、リソースマネージャ、リソースデータ、イベントハンドラ、およびリソースプロキシを含む、リソース管理のための、米国連邦政府のOpenPMシステムが記載されている(図12を参照)。
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0044542号明細書
【特許文献2】国際公開第2005/018249号パンフレット
【特許文献3】米国特許第5,826,239号明細書
【非特許文献1】G.ValenteとA.Rigalloによる論文「Remoter:an Operational Knowledge Management System for Telecommunication Operators」(Workshop on Knowledge Management and Organizational Memories、16th European Conference on Artificial Intelligence(ECAI)、2004年)
【非特許文献2】Stephen Corleyらの論文「Communications Management Process Integration Using Software Agents:A Specification of a Framework for Agent Oriented Workflow Management Systems」(EURESCOM PROJECT P815、[オンライン]2001年1月、1〜92ページ、XP002343307、インターネットから取得:URL:http//www.eurescom.de/〜pub−deliverables/P800−series/P815/D1/p815d1vol2.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
前に参照した最初の2つの文献(米国特許出願公開第2004/0044542号明細書、およびValenteとRigalloの論文)に記載されたシステム内で使用される方法は、提供される機能に関して、3つの欠点に由来する制限を示すということを、本出願人は観察した。
【0018】
まず第1に、それらは、ネットワークおよびサービス管理を担当するシステム/プラットフォームとの直接的な相互作用を提供しない。そのような直接的な相互作用は、例えば、技術スタッフによるジョブの正しい実行のリアルタイム検査、必要とされるネットワークデータのプロアクティブな供給、およびネットワーク上での標準コマンドの自動実行などに関連する利点を活用することにより、問題解決アクティビティの実行時間の大幅な削減を可能にする。
【0019】
第2に、それらは、共有される知識を、(ワークフローなどの)形式的ツールを使用して表さない。形式的ツールは、実行されるアクティビティの、曖昧でない、容易に理解可能な記述を介して、技術者の労働時間の削減を可能にする。そのような形式的表現は、さらに、供給される指示の、技術者による、解釈の任意のあり得る困難、または任意の誤った解釈を防止する。そのような解釈の困難、または誤った解釈は、技術者によるオペレーションの対象となるネットワークにとって、役に立たない、または有害でさえあるアクティビティの実行をもたらす可能性がある。
【0020】
最後に、当該のシステムは、技術スタッフを、問題解決アクティビティを実行するために従うべきすべてのステップを通して、完全な、統合された、網羅的な方法で導かない。そのような方法は、対話型事例ベース推論などの方法を使用して導き出された、実行されるべき個々のアクティビティの、または調べられるべき特定の文献の、時間通りの提案を提供する。完全なガイドは、技術者の労働時間の削減と、未経験の技術者のより速い組み入れとの、両方を可能にする。
【0021】
Corleyらの論文、および米国特許第5,826,239号明細書に関して、本出願人は、これらの文献は、オペレーション知識を管理するためのソリューションではなく、ビジネスプロセスを管理するためのソリューションを記載しているということを指摘する。ワークフローは、したがって、ビジネスモデルを表現および実行するために使用されるものであり、特定のジョブまたは特定のアクティビティを実行するために必要とされるオペレーション知識を表現し、オペレータまたはユーザによる対話的な使用のためにそれを利用可能にすることのための専用のものではない。
【0022】
同様に、ネットワーク/サービス管理のための、システム/プラットフォームのフレームワーク内で、エージェントベースの分散型アーキテクチャを想定する、高度なソリューションが利用可能である。
【0023】
その点に関して、上記の国際公開第2005/018249号パンフレットに記載されたアーキテクチャは、ネットワーク管理において非常に効果的かつ効率的であるが、通信事業会社のワークフォースのアクティビティを支援するためのいかなるKM/OKM機能も想定しない。
【0024】
したがって、上に概説した固有の欠点を克服することによって、いくつかの重要な機能的特徴を示す、オペレーショナルアクティビティの管理のための、利用可能な革新的ソリューションを有する必要性が、明白に出現する。
【0025】
これらの特徴のうちの、第1の特徴は、ネットワーク/サービス管理を担当するシステム/プラットフォームとの、自動的な、および支援された相互作用の可能性であり、そのような相互作用の目的は、以下を可能にすることである。
【0026】
−供給された提案の正しい実行の、管理対象のネットワーク/サービス上での、リアルタイム検査により、システムのユーザに即時のフィードバックを返す。
−実行されるアクティビティと同期した、前記アクティビティを進めるために必要なデータ(設定データ、測定データなど)の自動供給。
【0027】
−フィールドエンジニア/オペレータのアクティビティの、標準的と見なされるステップの自動実行。例えば、エラーのあらゆる可能性をなくし、必要とされる時間を減らすための、事前定義されたパラメータによる、ネットワークカードの設定。
【0028】
第2の望ましい特徴は、ワークフォースに供給される提案が、以下の利点を有する、(ワークフローなどの)形式的ツールによって表されなければならないということである。 −所与の介入を正常に遂行するため、またはカスタマ要求に効果的に対処するために実行されるアクティビティの、曖昧でない、容易に理解可能な方法による記述。
【0029】
−ベストプラクティスの、(例えば、適切なスコアによる)即時の強調。
−自動機構によっても支援されている可能性がある、アップグレードおよびアップデートのアクティビティに関する知識の、より単純な管理を可能にする。
【0030】
さらに別の、確かに望ましい重要な特徴は、所与の介入を実行するために必要な(フィールドエンジニア)、または所与のカスタマ要求に応えるために必要な(コールセンタアドバイザ)、すべての具体的なステップを、システムは、自律的に、かつ完全に指示することが可能でなければならないということである。それらのステップは、対話型事例ベース推論などの方法を使用して導き出された、実行されるべき個々のアクティビティの、または調べられるべき特定の文献の、時間通りの提案を提供する。
【0031】
現在の管理プラットフォームは、管理の側面に関して最先端ではあるが、企業のビジネスプロセスの重要なステップの実行を依然として任せられているワークフォースを支援するための適切なツールは提供せず、そしてOKMシステムに統合されていないということを、特に注記することができる。
【0032】
したがって、これらの制限を克服することが可能なソリューションを利用できるようにする必要がある。特に、柔軟で拡張性のある高度な管理アーキテクチャを根幹とし、革新的なOKM機能を導入し、オペレーショナルプラクティスの形式的表現に基づき、オペレーションとネットワーク/サービス管理との間の統合を保証する、ワークフォースを支援するための完全なソリューションを利用できるようにする必要がある。
【0033】
本発明の目的は、したがって、上記の必要に対する、完全に満足のいく対応を提供することであり、特に、所与の領域上で分散された機器のネットワークなどの、分散システム上での人的介入サービスを支援するための効率的な技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0034】
上記の目的は、それぞれのオペレータまたはユーザの端末装置に関連付けられた、複数の介入管理プロキシエージェントと(各介入管理プロキシエージェントは、介入を実行するための指示を定義するワークフローまたはルールの処理に適した、プロセスエンジンを含む)、それらの装置のプロキシエージェントに、介入のタイプにより異なるワークフローまたはルールを提供するのに適した集中型リソースを含む、端末装置のオペレーションの管理および制御のためのシステムとを含む、分散オペレーション管理アーキテクチャを提供することにより達成されるということを、本出願人は見いだした。
【0035】
本発明の一態様によれば、それぞれのオペレータの、またはユーザの、端末装置に関連付けられた介入管理プロキシエージェントの、分散型アーキテクチャが提供される。前記介入管理プロキシエージェントは、(ネットワーク機器などの)さらなる装置に対する介入を実行するための(ワークフローまたはルールの形態の)命令信号を生成するために、それらの装置と関連付けられたマネージャ手段(好ましくは、リソースプロキシエージェントを含む)と相互作用するように構成され、それにより、命令信号は、介入を必要としている装置の状態に応じたものとなる。
【0036】
本発明の別の態様によれば、好ましくは、セルラー電話、携帯情報端末(PDA)、またはラップトップ型パソコンなどの、ポータブル装置である、端末装置が提案される。端末装置は、ワークフローまたはルールベースのプロセスエンジンを備えた介入マネージャプロキシエージェントと、オペレータまたはユーザとの相互作用を可能にするパーソナルインタフェース(PI)とを含み、好ましくは、ワークフローまたはルールを遠隔リソースからダウンロードするように構成される。プロキシエージェントは、さらに、別の機器、装置、または設備上のソフトウェアアプリケーションとの通信のためのインタフェースを、ワークフローまたはルールの実行中にそのアプリケーションと情報を交換するために備えることが好ましい。
【0037】
上記のアーキテクチャおよび端末装置は、電気通信ネットワークまたは配電ネットワークなどの、分散型ネットワークの設備に対する介入を実行するために適用されてもよいということを、本出願人は見いだした。ただし、本発明は、系統立った方法で、事前定義されたプロセスを柔軟な、かつ、好ましくは対話型の方式で活用することによって、そして、オペレーションの集中型の制御および管理を維持することによって、事前定義された特性の設備、機器、または装置に対して(例えば障害を解決するための)オペレーションを行うことを要求される、すべてのシナリオにおいて広い用途がある。
【0038】
「介入」という用語は、したがって、例えば、端末装置と、外部の装置、設備、または機器との間での、診断、ハードウェア/ソフトウェア変更、または検査オペレーションのための相互作用を含むように、広義に解釈されるべきである。
【0039】
本発明は、さらに、少なくとも1つのコンピュータのメモリ内にロード可能な、対応するコンピュータプログラムプロダクトに関し、そのコンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータ上でそのプロダクトが実行された場合に本発明の方法のステップを実行するための、ソフトウェアコード部分を含む。本明細書で使用される場合、そのようなコンピュータプログラムプロダクトへの言及は、本発明による方法の実行を調整する目的のためにコンピュータシステムを制御するための命令を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体への言及と同等であるとして理解される。「少なくとも1つのコンピュータ」への言及は、本発明が、分散型の、および/または、モジュール式の方法で実施される可能性を強調することを意図するものである。特許請求の範囲は、本明細書で提供される本発明の開示の、不可欠の部分を形成する。
【0040】
本明細書に記載するソリューションの特定の実施形態は、通信ネットワーク内に含まれるネットワーク機器への介入を実行するための、ワークフロー内に配置される命令信号を生成するための方法であり、前記機器は、前記ネットワーク内の1つの機器の管理をそれぞれが担当するリソースプロキシエージェントに関連付けられ、方法は、
−介入管理プロキシエージェントの分散型アーキテクチャを提供するステップと、
−前記介入管理プロキシエージェントを介して、前記リソースプロキシエージェントとの対話形式で、前記命令信号を生成するステップ(それにより、前記命令信号は、前記ネットワーク内の、前記介入の実行対象となる機器の状態に応じたものとなる)とを含む。
【0041】
その第1の態様によれば、本発明は、したがって、以下を含む分散型オペレーションシステムに関する。
−複数の端末装置。各端末装置は、プロキシエージェントを含み、プロキシエージェントは、ワークフローまたはルールを処理するための、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンと、前記ワークフローまたはルールの少なくとも部分を表すための、ユーザインタフェース(好ましくは、対話型インタフェース)とを含む。
【0042】
−前記端末装置への、前記ワークフローまたはルールの伝送を管理するように構成された、少なくとも1つの遠隔マネージャリソース。
特に、プロセスエンジンは、ワークフローベースエンジン、ルールベースエンジン、またはその2つの組み合わせであってもよい。選択は、実行されるオペレーションのタイプに依存してもよい。例えば、オペレータの現場介入に関連する支援機能は、フローチャートとして、より良く表されるのに対して、コールセンタの状況で、苦情ベースで診断を支援するための機能は、ルールの組によって、より良く表される。ただし、可能であり、かつ妥当である場合はいつでも、ワークフローの使用が好ましく、その理由は、それにより、ルールの対立およびルールの管理への対処の複雑さが回避されるからである。
【0043】
プロキシエージェントは、好ましくは、前記ワークフローまたはルールの処理中に、さらなる装置のソフトウェアアプリケーションと情報交換を行うための、相互接続インタフェースを含む。
【0044】
前記さらなる装置の前記ソフトウェアアプリケーションは、好ましくは、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンを含み、前記端末装置の前記プロセスエンジンは、前記相互接続インタフェースを介して、前記さらなる装置のプロセスエンジンと相互作用するように構成される。
【0045】
好ましくは、システムは、前記プロキシエージェントのオペレーションを調整するように構成された、オペレーショナルエージェントをさらに含む。
その上、システムは、好ましくは、前記オペレーショナルエージェントを管理および制御する機能を有する、オペレーショナルマネージャをさらに含む。
【0046】
システムは、したがって、端末装置によって形成される下位レイヤと、管理および制御機能を有するオペレーショナルマネージャを含む上位レイヤとを含む、階層アーキテクチャを備えてもよい。
【0047】
階層アーキテクチャは、プロキシエージェントのオペレーションを調整するように構成されたオペレーショナルエージェントを含む、中間レイヤをさらに含んでもよい。
オペレーショナルエージェントおよび/またはオペレーショナルマネージャは、それぞれの、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンを含んでもよい。
【0048】
端末装置のプロキシエージェントは、相互動作関係で、直接相互作用するように構成されてもよい。
システムは、ワークフローまたはルールによって定義されるプロセスのリポジトリをさらに含んでもよい。その上、システムは、データモデルのリポジトリを含んでもよい。
【0049】
システムは、ワークフローまたはルールを端末装置に分散するための、コントロールエージェントをさらに含んでもよい。
システムは、ワークフローまたはルールの処理に関連したパフォーマンスデータを記憶するための、パフォーマンスデータベースをさらに含んでもよい。
【0050】
システムは、プロキシエージェントによって実行されたプロセスを記憶するための、オペレーショナルログをさらに含んでもよい。
システムは、ネットワーク機器への介入を管理するように構成されてもよい。この場合、ワークフローまたはルールは、介入の実行対象となるネットワーク機器の状態に応じたものであることが好ましい。
【0051】
その第2の態様によれば、本発明は、ワークフローまたはルールを処理するための、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンを備えた、プロキシエージェントと、前記ワークフローまたはルールの処理中にユーザと相互作用することを可能にする、ユーザインタフェースとを含む、端末装置に関する。
【0052】
プロキシエージェントは、好ましくは、遠隔マネージャリソースから、ワークフローまたはルールをダウンロードするように構成される。
装置は、有利には、例えば、現場での介入を可能にするための、ポータブル装置であってもよい。
【0053】
プロキシエージェントは、さらなる装置のソフトウェアアプリケーションとの通信を、その装置と情報を交換するために行うための、相互接続インタフェースを含んでもよい。 さらなる装置のソフトウェアアプリケーションは、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンを含んでもよく、前記プロキシエージェントのプロセスエンジンは、前記ソフトウェアアプリケーションのプロセスエンジンと協働するように構成される。
【0054】
前記ソフトウェアアプリケーションは、プロキシエージェントを含んでもよい。この場合、端末装置のプロキシエージェントは、前記さらなる装置のプロキシエージェントとの通信セッションを自動的に起動するように構成されてもよい。
【0055】
装置は、前記プロキシエージェントを、遠隔位置からダウンロードするように構成されてもよい。
ユーザインタフェースは、好ましくは、グラフィカルインタフェースを管理する。
【0056】
プロキシエージェントは、好ましくは、前記ワークフローまたはルールの処理中の情報を記録するように構成される。
装置は、ユーザによってプロキシエージェントが起動されるように構成されてもよい。
【0057】
そのさらなる態様によれば、本発明は、ユーザまたはネットワーク機器への介入を管理する方法に関し、方法は、
−ネットワーク機器への介入を管理するための介入管理プロキシエージェントの、分散型アーキテクチャを提供するステップ(前記介入管理プロキシエージェントは、端末装置に関連付けられ、ワークフローまたはルールベースエンジンを含む)と、
−少なくともユーザまたはネットワーク機器への介入を、前記介入管理プロキシエージェントのうちの1つを介して、前記機器と関連付けられた少なくとも1つの管理リソースとの対話形式で実行するための、命令信号を生成するステップ(それにより、前記命令信号は前記機器の状態に応じたものとなる)と、を含む。
【0058】
管理リソースは、前記機器と関連付けられた、そして、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンを備えた、リソースプロキシエージェントを含んでもよい。 各介入管理プロキシエージェントは、1つの端末装置と関連付けられてもよく、そして、1つのワークフローまたはルールベースエンジンを含んでもよい。
【0059】
方法は、好ましくは、前記命令の少なくとも部分を表すため、および実行されるワークフローまたはルールと相互作用するために、前記介入管理プロキシエージェントのパーソナルインタフェースと関係するステップを含む。
【0060】
方法は、前記分散型アーキテクチャを、以下を含む階層レイヤに配置するステップをさらに含んでもよい。
−前記介入管理プロキシエージェントのオペレーションを調整する、オペレーショナルエージェントのレイヤ。
【0061】
−管理および制御機能を有し、前記オペレーショナルエージェントのオペレーションを監視する、オペレーショナルマネージャを含むレイヤ。
その上、方法は、複数の前記介入管理プロキシエージェント上での介入の分散実行を、前記オペレーショナルエージェントに割り当てるステップを含んでもよい。
【0062】
あるいは、方法は、前記分散型アーキテクチャを階層レイヤに配置するステップを含んでもよく、1つのレイヤは、管理および制御機能を有する、そして、前記介入管理プロキシエージェントのオペレーションを直接調整する、オペレーショナルマネージャを含んでもよい。
【0063】
方法は、前記介入管理プロキシエージェントのそれぞれに、1人のオペレータまたはカスタマを支援するタスクを割り当てるステップを含んでもよく、それにより、前記介入の実行は、前記管理および制御機能から分離される。
【0064】
好ましくは、方法は、前記介入管理プロキシエージェントに、プロセスエンジンを提供するステップをさらに含む。
方法は、前記分散型アーキテクチャ内のすべての前記レイヤに、プロセスエンジンを提供するステップをさらに含んでもよい。
【0065】
前記プロセスエンジンは、好ましくは、ワークフローベースまたはルールベースである。
方法は、好ましくは、提供されるそれぞれの命令情報に基づいてそれぞれの機能を実行するように構成された構成要素を、前記レイヤ内に含めるステップを含む。
【0066】
方法は、前記命令情報内に、以下のうちの少なくとも1つを提供するステップをさらに含んでもよい。
−ワークフローおよびルールのうちの少なくとも1つを含む、プロセス定義。
【0067】
−データモデル定義。
好ましくは、方法は、前記介入管理プロキシエージェントを、相互動作関係で、直接相互作用するように構成するステップを含み、それにより、前記命令信号のうちの少なくとも1つは、介入管理プロキシエージェント間の相互作用により生成される。
【0068】
方法は、前記介入管理プロキシエージェントを、前記リソースプロキシエージェントとのピアツーピア相互作用のために構成するステップをさらに含んでもよい。
方法は、以下からなる群から選択された少なくとも1つのステップを実行するために、前記分散型アーキテクチャの少なくとも1つのレイヤに関連付けられたコントロールエージェントを提供する、さらなるステップを含んでもよい。
【0069】
−前記分散型アーキテクチャの前記レイヤに、プロセス定義を分散するステップ。
−前記分散型アーキテクチャの前記レイヤに、データモデル定義を分散するステップ。 −前記分散型アーキテクチャの前記レイヤの状態を監視するステップ。
【0070】
方法は、以下からなる群から選択された少なくとも1つのステップを実行するための、マネージャモジュールを提供するステップをさらに含んでもよい。
−前記コントロールエージェントを介した、前記分散型アーキテクチャの前記レイヤへのプロセス定義の分散を管理するステップ。
【0071】
−前記コントロールエージェントを介した、前記分散型アーキテクチャの前記レイヤへのデータモデル定義の分散を管理するステップ。
−前記コントロールエージェントを介して、前記分散型アーキテクチャの前記レイヤの状態を監視するステップ。
【0072】
本発明は、さらに、少なくとも1つのコンピュータのメモリ内にロード可能であり、かつ、上記の方法を実行するためのソフトウェアコード部分を含む、コンピュータプログラムプロダクトに関する。
【0073】
次に、本発明を、添付の図面を参照して、単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明に記載するプラットフォームの、可能な実施形態を示す、機能ブロック図である。
【図2】図1のプラットフォーム内でのオペレーション管理を表す、別の機能ブロック図である。
【図3】本明細書に記載するソリューション内で実行される、第1の手順のフローチャートである。
【図4】本明細書に記載するソリューションによって生成される、ワークフローの例である。
【図5】本明細書に記載するソリューション内で実行される、さらなる手順のフローチャートである。
【図6】本明細書に記載するソリューション内で実行される、さらなる手順のフローチャートである。
【図7】本明細書に記載するソリューション内で実行される、さらなる手順のフローチャートである。
【図8】図1および図2のプラットフォーム内で使用されるポータブル装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0075】
本発明の基礎となる原理の正しい理解を容易にするために、本開示の中で、および添付の特許請求の範囲の中で使用される、いくつかの用語/頭字語の説明を有する用語解説を、以下に記載する。
【0076】
WFM(ワークフォースマネジメント):通信事業会社の文脈では、これは、前記事業会社のワークフォースの管理を担当するソフトウェアアプリケーションの、ソフトウェアアプリケーション/セットである。対象となる特定の文脈では、移動するワークフォース(フィールドエンジニア)と、コールセンタのワークフォースとの両方の管理に使用されるアプリケーションの、アプリケーション/セットであるとして理解される。
【0077】
オペレータ:これは、移動するワークフォース(フィールドエンジニア)として、専門分野別のワークフォース(内勤スタッフ)として、およびコールセンタアドバイザとして理解される、ワークフォースの一部である、会社スタッフのメンバーである。
【0078】
マネージャモジュール−MM:これは、ワークフロー記述の分散、オペレーションを起動するための分散エージェントの呼び出し、管理制御などの、さまざまな調整アクティビティのために分散エージェントと通信を行う、ホスト上で動作するソフトウェアアプリケーションである。これは、適切な専用のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含んでもよい。
【0079】
エージェント:これは、可能な持続的状態を有し、そのタスクを遂行するために他のエージェントとの(例えば、協調的な、および/または競争的な方法での)通信を必要とする、自律プロセスである。この通信は、非同期メッセージ交換を介して、かつ、明確に定義され、一般に認められたセマンティクスを有する、よく知られた言語(例えば、エージェント間通信言語(Agent Communication Language)−ACL)を使用することによって、実施されてもよい。
【0080】
プロキシ:これを介して、別の管理対象オブジェクト(例えば、オペレーションの支援の文脈では、ネットワーク機器またはGUI)への制御または介入を行うことが可能な、構成要素(エージェント)である。
【0081】
ルール:ルールは、有効な推論を構築するためのスキームである。これらのスキームは、「if」部を形成する、前提と呼ばれる一組の式と、「then」部を形成する、結論と呼ばれるアサーションとの間の、「if <x> then <y> else <z>」という形式の構文関係を確立する。「else」部は任意選択である。これらの構文関係は、推論のプロセスの中で使用され、それにより、他のすでに知られているアサーションから、新しい真(true)のアサーションに到達する。
【0082】
ルールエンジン(または、ルールベースエンジン):これは、プロセスルールを制御論理から(論理的に、および/または物理的に)分離するため、そして、データストア、ユーザインタフェース、およびアプリケーション間で、それらを共有するためのシステムである。ルールエンジンは、基本的に、非常に高度な「if/then」文インタープリタである。ルールエンジンは、実行時に、いずれのルールを適用するか、およびそれらがどのように実行されるかを、決定するために使用される。
【0083】
ワークフロー:これは、プロセスの、全体的な、または部分的な、自動化として定義されてもよく、そのプロセスの間に、手続きルールの組に従って、ドキュメント、情報、またはタスクが、1つの参加者から別の参加者に、アクションのために渡される(Terminology & Glossary、WFMC−TC−1011、1999年2月、3.0)。ワークフローは、一連のタスクと、タスク間の、並列または択一分岐を含む、時間的および論理的依存性とを有する、フローチャートによって表されてもよい。ワークフローの形式的記述を可能にする、XPDL(XMLプロセス記述言語)などの、アドホックな言語が存在する。
【0084】
ワークフローエンジン(または、ワークフローベースエンジン):これは、手続き(ワークフロー)、手続き内のステップ、および各ステップのためのルールに関連する、すべての情報を有する構成要素である。ワークフローエンジンは、プロセスが次のステップに進む準備ができているかどうかを判定する。言い換えると、ワークフローエンジンは、ワークフローを実行するための構成要素である。
【0085】
図1のブロック図は、国際公開第2005/018249号パンフレットに記載されている、電気通信ネットワークおよび関連するサービスの分散管理のためのプラットフォームと、分散オペレーション管理のためのプラットフォームとを含む、統合プラットフォームの好ましい実施形態を表す。
【0086】
図示されているアーキテクチャ(これは、その上位レイヤにおいて、オペレーション支援システム(OSS)を定義する)は、他の複数のオペレーション支援システム(OSS)、複数のビジネス支援システム(BSS)、および1つのワークフォースマネジメント(WFM)システム(または、場合により、2つ以上のWFM)を含む、3種類の基本的なエンティティと相互作用する。管理の側面に関する限りでは、OSSとBSSとは、バス(BUS−例えば、TIBCOバス)を介して、MA1によって指定されているマスタアプリケーションと相互作用する。このアプリケーションは、モデルデータベース(MDB)内に記憶されたプロセスおよび関連するデータモデルの、さまざまなエージェントアプリケーション(そのうちの1つはAA1によって示され指定されている)およびリソースプロキシエージェントRP1、...、RPnへの分散を管理する。各エージェントアプリケーションは、プロトコルアダプタPAを介して通信ネットワークNとインタフェースをとる、1つ以上のリソースプロキシエージェントRP1、...、RPnに依存する。ネットワークインベントリNIは、ネットワークインベントリ構成要素の通常の概念に一致し、ネットワークN内のリソースの、すべての仮想化(イメージ)の集まりであり、RPから情報を取得して定期的に更新される。ネットワーク/サービス管理プラットフォームに関するさらなる詳細は、国際公開第2005/018249号パンフレットから得ることができる。
【0087】
図1で導入され、図2でさらに詳細に示されているように、オペレーション管理プラットフォームは、バスとインタフェースをとり、エキスパータイズインベントリEIおよびオペレーションログファイルOLと協働する、オペレーショナルマネージャOMを含む。オペレーショナルマネージャOMは、オペレーショナルエージェントOA1、...、OAkのオペレーションを監視する。各オペレーショナルエージェントは、パーソナルインタフェースPIを介して複数の仮想チームVT1、...、VTnとインタフェースをとる、1つ以上のパーソナルプロキシPP1、...、PPnに依存する。各VTは、例えば、フィールドエンジニア、内勤スタッフ、コールセンタアドバイザ、またはカスタマから構成される。
【0088】
パーソナルプロキシ−PP1、PP2、...、PPn(そのそれぞれがパーソナルインタフェースPIを備えている)は、オペレーショナルエージェントOA1、OA2、...、OAkの組を含む、またはオペレーショナルマネージャOMを直接含む、アーキテクチャの上位階層レイヤに接続される。OAが存在する場合、それらはさらに、OMを含む上位階層レイヤに接続される。この階層化アーキテクチャにより、以下に記載するような、機能の柔軟性および拡張性が保証される。
【0089】
好ましい実施形態では、PPは、相互に通信を行い、有利には、さらに、図1で両方向の矢印PTPによって概略的に示されているように、リソースプロキシRPに(ACL言語を使用して)接続される。これは、通常、パーソナルプロキシとリソースプロキシとの間のピアツーピアの関係を表す。この関係は、本明細書に記載するアーキテクチャが、介入管理プロキシ(すなわち、パーソナルプロキシ)を介して、リソースプロキシとの対話形式で命令信号を生成するという可能性を有効にし、それにより、それらの命令信号が、介入の実行対象となる機器の状態に依存するようになる。n個のリソースプロキシRP1〜RPnと、n個のパーソナルプロキシPP1〜PPnと、n個の仮想チームとの、可能な存在への言及は、これらのエンティティのそれぞれが、あるいは任意数存在してもよいという点で、全く単に示唆するだけのものであるということを、当業者は容易に理解するであろう。
【0090】
各RPは、(ネットワーク内に、またはカスタマの構内に配置された)個々の機器の、いわゆる「イメージ」の作成、維持、および管理を担当する。イメージは、定義済みのデータモデルによる、機器のコンフィギュレーションの表現である。
【0091】
各オペレーショナルエージェントOA1、...、OAkは、パーソナルプロキシの組を調整する。オペレーショナルエージェントOA1、...、OAkは、相互に作用することが可能であり、パーソナルプロキシおよびオペレーショナルマネージャOMと相互作用することも可能である。
【0092】
各ホスト実行エージェント(すなわち、ネットワーク/サービス管理のための各エージェント、ならびに、パーソナルプロキシ、オペレーショナルエージェント、およびオペレーショナルマネージャなどの、それぞれの新しいエージェント)は、好ましくは、プラットフォームの制御および管理を担当するソフトウェアモジュールである、コントロールエージェントCAを1つ以上含む。
【0093】
既に示したように、プラットフォームは、さまざまな構成要素によって実行されるアクティビティを支援する、データベース(DB)の組も含む。オペレーショナルデータベースODBは、プラットフォームに関連する、すべての機能的側面と、ワークフォースおよびカスタマの管理/支援の側面との、定義および記憶の単一の(論理的な)点である。ODBは、オペレーションの管理のためにプラットフォームの構成要素(PP、OA、およびOM)によって使用される、プロセス記述(プロセス記述は、ワークフローまたはルールのいずれかである)の、およびデータモデル定義の、リポジトリである。
【0094】
マネージャモジュールMMは、コントロールエージェントCAを介して、プロセス定義とデータモデル定義とを、オペレーション管理構成要素に分散する。まず、これにより、最も効率的かつ効果的なオペレーショナルプラクティス(ベストプラクティス)を、ワークフォース全体と、カスタマとが利用できるようになる。さらに、データモデル定義の拡散により、ワークフォースのメンバー間での調整が可能になり、したがって、特定の主題に関する支援を得るために照会されるべきエキスパートの、単純かつ高速な識別が可能になる。データベースODBには、その記入を可能にする、意図的に提供されるGUIが関連付けられる。
【0095】
モデルデータベースMDBは、ネットワーク/サービス管理のためにプラットフォームの構成要素(図1に示す、RP、AA、およびMA)によって使用される、すべてのプロセス記述(ワークフローおよびルール)と、処理されるデータのモデル(ネットワーク機器のモデルを含む)とを記憶する。
【0096】
MDBは、ネットワーク/サービス管理の側面に関して、プラットフォームの機能を定義および管理するための、単一の点をユーザに提供する。
好ましい実施形態では、データベースODBおよびMDB内に記憶されるデータモデルを定義するために、SIDモデル(シェアード・インフォメーション・データ(Shared Information Data)モデル、TeleManagementForum GB922リリース4.0(2004年8月)、およびメンバー評価中のリリース4.5(2004年12月)のドキュメント一式)が使用される。
【0097】
パフォーマンスデータベースPDBは、プラットフォーム構成要素に関連するすべてのパフォーマンスデータの記憶の、単一の(論理的な)点であり、リソースの使用を最適化すること、およびベストプラクティスを識別することの、両方のために使用される。
【0098】
最後に、プラットフォーム内にさらに存在するのは、オペレータによって、およびカスタマによって実行されるアクティビティのすべての記録の記憶の、単一の(論理的な)点である、オペレーショナルログ(OL)と、さまざまなPPによって管理される、オペレータプロファイルの、およびカスタマプロファイルのデータを含む、エキスパータイズインベントリEIである。
【0099】
好ましい実施形態では、プラットフォームのオペレーショナルプロセスは、特定の機能を有する3つのレイヤに分割される。この選択は、レイヤの数を可能な限り少なく維持すること(したがって、従来のアーキテクチャの複雑さを回避すること)、および、分散型の様式と集中型の様式との間でのプロセスの自由な割り当てを可能にすること、という2つの必要を満足することを目的としている。これは、集中型のレイヤ1(または、オペレーショナルマネージャOMに対応する最上位レイヤ)と、完全な分散型のレイヤ2(または、オペレーショナルエージェントOA1、...、OAkに対応する中間レイヤ)と、オペレーションを管理および制御機能から分離する、1つの独立したプロキシレイヤ3(または、パーソナルプロキシPPに対応する下位レイヤ)との存在を意味する。この分割は、さらに、例えば、レイヤ1における、エンドカスタマへの、製品のビューと、レイヤ2における、サービスのビューと、レイヤ3における、オペレーショナルビューなどの、異なるサービスビューも提供する。後で説明するように、構成要素PP、OA、OMは、それらに提供されるそれぞれの命令情報に基づいて、それぞれの機能を実行するように構成され、命令情報は、ワークフローまたはルールなどのプロセス定義、またはデータモデル定義を含む。
【0100】
各パーソナルプロキシPP(以下では、簡略にするために、例えば、PP1、...、PPnにおけるように、添え字の列1〜Nを毎回繰り返すことは避け、図1および図2の図中に複数の形態で存在するその他のエンティティに関しても、同様のアプローチを採用する)は、さまざまなオペレーショナルアクティビティにおけるガイドと、(異なるオペレータ間の、またはオペレータとカスタマとの間の)協働の支援との、両方に関して、特定のオペレータの、または特定のカスタマの、アクティビティの支援を担当する。特に、協働の支援は、オペレータプロファイルとカスタマプロファイルとに基づき、これらのプロファイルは、データモデル内で表される。実際の更新されたデータを用いた、プロファイルのインスタンス化は、オペレーショナルマネージャOMによって、外部WFMシステムから来る情報(オペレータプロファイルの場合)、またはビジネス支援システムから来る情報(カスタマプロファイルの場合)を使用して実行され、パーソナルプロキシに伝えられる。
【0101】
言い換えると、各パーソナルプロキシは、介入管理プロキシエージェントの役割を果たす。各パーソナルプロキシ(PP)は、対応するPPレベルに特有のプロセスを、プロセスエンジンPEを使用して実行する。これらのプロセスは、レイヤ3プロセスであると呼ばれ、(例えば、マクロオペレーションの定義のために)サブレイヤで構成されてもよい。レイヤ3の最上レイヤにおけるプロセスは、PPが前記プロセスの呼び出しを介して上位レイヤ(通常は、オペレーショナルエージェントであり、場合により、その他の外部アプリケーション)に提供する、サービスを構成する。それらは、PPが関連付けられたオペレータ/カスタマによって実行される、1つのアクティビティに対応するオペレーションを表す。既に以前に導入した、「介入管理」プロキシエージェントという用語は、これに由来する。パーソナルプロキシによって提供されるサービスの(したがって、介入の)例は、回線設定(cross−connection)の実行、モデムのインストールと設定、機器(ルータ、DSLAMなど)の障害の修復などであり、これらのそれぞれは、1つ以上の機器に対して実行されるアクティビティのシーケンスを含んでもよい。レイヤ3の最下レイヤにおけるプロセスは、パーソナルインタフェースPIによって提供されるサービスを使用する。
【0102】
パーソナルプロキシPPによって管理されるオペレータプロファイルおよびカスタマプロファイルは、データモデル内で表される。このモデルは、意図的に提供されるGUIを用いて定義され、データベースODB内に記憶され、マネージャモジュールMMによって、コントロールエージェントCAを介して、パーソナルプロキシPPに分散され、パーソナルプロキシPPは、そのモデルをロードし、オペレーショナルマネージャOMによって送られた、外部システム(WFMおよびBSS)により取得された値を使用してインスタンス化する。再び、インスタンス化は、プロキシエンジンPEを使用することによって、柔軟な方法で実行される。このようにして、データモデルの変更および追加(オペレータ/カスタマプロファイルの更新、新しい種類のオペレータの導入など)には、プラットフォームの構成要素内での、いかなる明らかなソフトウェア変更も必要とされず、高度な柔軟性が達成される。
【0103】
オペレータプロファイルの、およびカスタマプロファイルのデータは、エキスパータイズインベントリEI内に記憶され、外部システム(オペレータプロファイルについてはWFMシステム、カスタマプロファイルについてはビジネス支援システム)から取得された情報を使用することによって、OMによって定期的に更新される。前述したように、プロファイルデータ内の変更も、関連するパーソナルプロキシPPに伝えられる。
【0104】
オペレータは、したがって、仮想チームVT1、...、VTnに、論理的にグループ分けされてもよい。仮想チームは、所与の知識を共有する、および/または、共通の問題に取り組む、オペレータの組を含む。仮想チームは、一般に、問題解決の効率を向上するため、および現場介入を最適化するために、ワークフォースの地理的区画に基づいて編成される場合がある。
【0105】
パーソナルプロキシPPは、例えば、複雑な障害を修復するための、オペレータ間またはオペレータとカスタマとの間の協働への支援を提供するために、直接相互作用してもよい。好ましくは、パーソナルプロキシPPは、さまざまなネットワークリソースに関連付けられたリソースプロキシRPとの通信も行う。したがって、PPは、コマンドを発行するため、構成データを、測定結果を、または、オペレータ/カスタマによる何らかの所与のアクションの、機器上での正常な実行の検査結果を収集するため、および、可能なコマンドラインインタフェースへの、リモートアクセスを利用可能にするために、RPと相互作用してもよい。パーソナルインタフェースPIは、代わりに、パーソナルプロキシと、オペレータ(ワークフォースのメンバー)またはカスタマとの間の相互作用を、それらのオペレータまたはカスタマが作業中のアクティビティを支援するためにどのようなタイプの端末装置を使用する場合でも、管理することを担当する。
【0106】
端末装置は、目的とする特定の用途に応じて、さまざまなタイプであってもよい。図8は、パーソナルプロキシPPを含む、本発明による端末装置TDを概略的に示し、パーソナルプロキシPPは、さらに、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンPEを含む。さらに、ユーザまたはオペレータと、プロセスエンジンPEによって実行されるワークフローまたはルールとの間の相互作用を可能にする、複数のウィジェットWI(ユーザが相互作用するグラフィカル構成要素)によって構成されるパーソナルインタフェースPIも概略的に示す。プロセスエンジン(PE)によって実行されるワークフローまたはルールは、正しいデータを使用してウィジェットを表示することを担当する。このようにして、ユーザとの相互作用は、端末装置上で実行されるワークフローまたはルールによって完全に駆動される。
【0107】
端末装置は、さらに、ネットワーク設備NAのソフトウェアアプリケーションとの情報交換のために、そのソフトウェアアプリケーションと相互接続するための、パーソナルプロキシPPによって提供される相互接続インタフェースINも含む。好ましくは、ソフトウェアアプリケーションは、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンPEを備えた、リソースプロキシRPである。本発明の一態様によれば、端末装置は、フィールドエンジニアによる現場での介入に特に好適であるように、PDA、ラップトップ型パソコン、またはセルラー電話などのポータブル装置である。あるいは、端末装置は、コールセンタワークフォースによって一般に使用されるような、デスクトップなどの固定装置であってもよい。
【0108】
各PIは、利用可能な装置タイプに基づいたGUIの自動設定を含む、オペレータ/カスタマに向けたGUIの管理を、パーソナルプロキシのためのサービスとして提供する。 各オペレーショナルエージェントOAは、PPの組の調整と、レイヤ2に特有なプロセスの実行とを、プロキシエンジンを使用することによって担当する。これらのプロセスは、オペレーショナル介入の分散実行に関連し、サブレイヤで構成されてもよい。レイヤ2の最上レイヤにおけるプロセスは、外部から呼び出されてもよく、したがって、これらは、オペレーショナルエージェントOAによって、オペレーショナルマネージャOMまたはその他の外部システムに提供されるサービスである。レイヤ2の最下レイヤにおけるプロセスは、パーソナルプロキシPPによって提供されるサービス(すなわち、それらはプロセスを呼び出す)を使用する。
【0109】
オペレーショナルエージェントOAは、新しいオペレーショナルプラクティスを支援するために、ソフトウェアのアップデートを必要としない。これは、マネジメントモジュールMMから、CAを介して受信され、OAレイヤによってロードおよび実行される、プロセス(ワークフローベースまたはルールベース)の柔軟性による。オペレーショナルエージェントOAは、例えば、地理的に分散したサイトに配置された機器を含む回路の作成などの、相互に関連しているオペレーショナルアクティビティの分散実行を支援するために、コミュニティプロトコル(メッセージの交換に基づく相互動作機構)を介して相互作用してもよい。
【0110】
オペレーショナルマネージャOMは、管理レベルに特有なプロセスの実行の、第1レベルの調整を担当する。レイヤ1プロセスは、サブレイヤで構成されてもよく、プラットフォームの外部のエンティティ(例えば、WFMシステムまたはビジネス支援システム)との相互作用を必要とする機能、および/または、オペレーショナルエージェントOAのみによっては、容易なまたは効果的な方法で達成することができない、オペレーショナルエージェントOA間の調整を必要とする機能を提供するために特徴付けられる。アーキテクチャの大きな柔軟性は、さらに、円滑な発展も可能にし、例えば、コミュニティプロトコルの拡張により、レイヤ1からレイヤ2へのプロセスの移行が可能になってもよい。
【0111】
任意のレイヤのためのプロセスエンジンPEは、ワークフロー(すなわち、フローチャート)エンジン、ルールエンジン、またはその2つの組み合わせであることを目的としている。例えば、オペレータの現場介入に関連する支援機能は、フローチャートとして、より良く表されるのに対して、コールセンタの状況で、苦情ベースで診断を支援するための機能は、ルールの組によって、より良く表される。可能であり、かつ妥当である場合はいつでも、ワークフローの使用が好ましく、その理由は、それにより、ルールの対立およびルールの管理への対処の複雑さが回避されるからである。
【0112】
本発明によれば、各パーソナルプロキシPPは、プロセスエンジンを含む。好ましくは、オペレーショナルエージェントOAも、プロセスエンジンを含む。さらに好ましくは、オペレーショナルマネージャOMも、プロセスエンジンを含む。プロセスエンジンは、したがって、プラットフォームの階層レイヤの各構成要素によって使用されることが好ましく、そして、可能な場合、それらは、パフォーマンスレベルを向上するために、構成要素自体が存在するのと同じホスト上に割り当てられる。オペレーショナルマネージャOM、オペレーショナルエージェントOA、およびパーソナルプロキシPPは、リアクティブおよびプロアクティブの両方である動作を示し、イベントに反応するが、プロセスを自発的に開始することも行う。
【0113】
コントロールエージェントCAは、プラットフォームのさまざまなエージェント上への、ワークフローの分散およびデータモデルの分散と、リソースの使用の測定およびローカルエージェント(すなわち、ホスト上で実行されるエージェント)のパフォーマンスの測定と、そして最後に、リソース管理の局所的最適化とを担当する。測定結果は、マネージャモジュールMMに、および他のコントロールエージェントCAに送られる。
【0114】
マネージャモジュールMMによって管理される、または、オペレーショナルエージェントOAの、およびパーソナルプロキシPPの、コントロールエージェントCAによって管理される、ホスト間のモビリティは、配備、負荷バランシング、および耐故障性の手順を、より効率的かつ自動的なものにする。エージェントが何らかの理由で「ダウン」した場合、解決方法は、別の実行中のホスト上にエージェントのクローンを作るか、またはそのホストにエージェントを移動することであってもよい。マネージャモジュールMMは、前記目的のために、コントロールエージェントCAを介して、オペレーショナルエージェントOAおよびパーソナルプロキシPPの動作状態を定期的に制御する。パフォーマンスを監視するためには、プラットフォームの構成要素は、さまざまなプロセスの実行の監視も行うことが可能でなければならない。パーソナルプロキシPPの場合、さまざまなプロセスの実行の監視は、ベストプラクティスの識別との関連においても有用である。
【0115】
上述したように、本明細書に記載するソリューションは、ワークフォースの、およびカスタマの、オペレーションを管理および支援することを目的としている。これは、オペレータ/カスタマにとって利用可能にされた、サービスの組を介して得られる。
【0116】
eTomフレームワーク(文献:TeleManagementForum GB921およびGB921D、リリース4.0(2004年3月)およびメンバー評価中のリリース5.0(2005年4月))に準拠して、本発明に記載するソリューションの第1の実施形態は、以下のレベル1縦方向エンド−エンドプロセスグルーピングに関するアクティビティを実行するオペレータおよびカスタマへの支援を提供する。
−インフラストラクチャのライフサイクル管理(Infrastructure Lifecycle Management)(プロセス領域:戦略、インフラストラクチャと製品(Strategy,Infrastructure & Product))、
−オペレーションの支援と準備(Operations Support & Readiness)(プロセス領域:オペレーション(Operation))、
−要求実現(Fulfilment)(プロセス領域:オペレーション(Operation))、
−品質保証(Assurance)(プロセス領域:オペレーション(Operation))。
【0117】
次に、eTOMフレームワークの横方向次元を考慮すると、オペレータおよびカスタマのアクティビティが入るレベル1横方向機能プロセスグルーピングは、次のとおりである。
−リソースの開発と管理(Resource Development & Management)(プロセス領域:戦略、インフラストラクチャと製品(Strategy,Infrastructure & Product))、
−カスタマ関係管理(Customer Relationship Management)(プロセス領域:オペレーション(Operation))、
−サービスの管理とオペレーション(Service Management & Operatoins)(プロセス領域:オペレーション(Operation))、
−リソースの管理とオペレーション(Resource Management & Operations)(プロセス領域:オペレーション(Operation))。
【0118】
オペレータおよびカスタマに向けたオペレーション知識の、管理および共有は、さらに、企業体管理(Enterprise Management)というプロセス領域に入ってもよく、特に、知識と研究の管理(Knowledge & Research Management)として知られるレベル1プロセスグルーピングに入ってもよい。
【0119】
図3のフローチャートは、フィールドエンジニアを支援するための手順を、例として示す。
まず第1に、上記で説明したプラットフォームは、所与のアクティビティの実行を任せられたオペレータを、時間通りのアクティビティが実行されるべきであることをそのオペレータに示しながら導く。プラットフォームが、フィールドエンジニアに関する前記サービスを提供するために使用するオペレーション方法を、図3に示し、以下で説明する。
【0120】
フィールドエンジニアによる、実行されるべき介入の選択(ステップ100)の後、そのフィールドエンジニアに関連付けられたパーソナルプロキシは、フィールドエンジニアの端末装置上に、対応するインタフェースPIを使用して、障害を修復することを目的とする、または、例えば、(データベースの更新などの)プロビジョニングまたはオペレーションのアクティビティに関連した、作業命令(Work Order)を実行することを目的とする、ワークフローとして編成された命令信号を表示する(ステップ110)。フィールドエンジニアの装置上に表示されるのは、ワークフローの特定の選択肢であり、それらの選択肢は、介入の実行において、お互いに代替となる手法に従ってそのフィールドエンジニアを導くものである。個々のワークフローは、特定の介入を実行するためにフィールドエンジニアに必要なすべての情報を含み、そのような情報としては、オペレーションの対象となる機器の構成要素を識別するために必要とされるデータなどの、介入そのものに関する、可能な特定のデータなどがある。例えば、ワークフローのステップが、機器のカードを変更するアクティビティにおいてフィールドエンジニアを導く場合、前記ステップは、変更されるべきカードを、フィールドエンジニアが容易かつ一意的な方法で識別することを可能にする指示も含む。各ワークフローが提示され、そのワークフローに割り当てられた、ワークフロー自体の効果と効率の確認された評価を反映するスコアも、介入の目的をより良く達成するために示される。前記スコアは、さらに、ワークフローの提示順序を決定する(最高のスコアを有するワークフローから示される)。
【0121】
示されたワークフローのうちの1つを選択するかどうかを決定する前に、フィールドエンジニアは、パーソナルプロキシPPに、測定データの収集、または、機器の構成に関する情報の提供を要求してもよい。要求は、パーソナルプロキシPPとリソースプロキシRPとの間の情報交換を伴い、フィールドエンジニアの要求は、パーソナルプロキシPPからリソースプロキシRPに転送され、対応する応答が、リソースプロキシRPによってパーソナルプロキシPPに送信され、フィールドエンジニアの端末装置上に、インタフェースPIを使用することによって提示される(アクティビティ全体が、ステップ120に対応する)。
【0122】
さらに、フィールドエンジニアは、どのように進むかを決定する前にさらなる情報を得るために、提示されたワークフローのうちの1つ以上が表示されるべきであることを要求してもよい(ステップ130)。フィールドエンジニアは、次に、提示されたワークフローのうちの1つを選択すること、またはいずれも選択しないことを決定してもよい(ステップ140)。選択した場合は、選択されたワークフローの、PP上での起動が行われる(ステップ150)。
【0123】
ワークフローの起動の後、フィールドエンジニアによって実行されるすべてのアクティビティを記録するプロセスが開始される(ステップ160)。収集された情報は、オペレーショナルログOL内に記憶され、そして、その後、既存のワークフローを改良するために、または新しいワークフローを生成して検証する目的のために、処理されてもよい。
【0124】
パーソナルプロキシPP上でのワークフローの起動に並行して、フィールドエンジニアによるオペレーションの対象となるべき機器を管理するリソースプロキシRP上で、パーソナルプロキシ上のワークフローと協働する、協働ワークフローの起動が行われてもよい(ステップ170)。リソースプロキシRP上での、特定の「協働」ワークフローを、最初のステップとして起動するのは、パーソナルプロキシPP上のワークフロー自体である。2つのワークフローは、処理結果を交換するために相互待機の機構を使用してもよい、いくつかの点における調整を除いて、独立した方法で実行される。情報の交換のいくつかの例は、以下に示す。
【0125】
次に、リソースプロキシRPからパーソナルプロキシPPに以下を送信するために、パーソナルプロキシPPとリソースプロキシRPとの間で情報の交換が行われてもよい(ステップ180)。
−ワークフローの後続のステップを実行するために必要な、フィールドエンジニアの介入対象となる機器の構成に関する可能なデータ、または、その機器上での測定結果。これらのデータは、フィールドエンジニアによるいかなる要求もなしに自動的に送信される。なぜなら、リソースプロキシRPは、実行されているアクティビティと同期しており、関連する時間と、必要とされる情報のタイプとの、両方を知っているからである。
−ワークフローの適切な点においてリソースプロキシRPによって自律的に実行される設定アクティビティが、実際に実行されたことの指示。
−フィールドエンジニアによる介入の正常な実行の、リソースプロキシRPによって自律的に実行される検査の結果(失敗の場合は、その修復の検査、プロビジョニング作業命令の場合は、要求された設定アクティビティの正しい実行の検査)。
【0126】
介入の正常な終結の、RPから来る指示の、パーソナルプロキシPPを介した、フィールドエンジニアによる受け取りに続いて(ステップ190)、介入は終了したと見なされ(ステップ200)、フィールドエンジニアは後続の介入を選択してもよい。
【0127】
フィールドエンジニアに提示されたワークフローのうちの、いずれも選択しないことをフィールドエンジニアが決定した場合、または、さもなければ、実行されるべき介入に関連付けられたワークフローが存在しない場合、フィールドエンジニアは、いずれにせよ、パーソナルプロキシPP(これは、さらに、適切なリソースプロキシRPとインタフェースをとる)を介して、フィールドエンジニアのオペレーションの対象となるべき機器上の、情報、測定結果、またはコマンド実行を、さらに、機器のコミュニケーションラインインタフェース(CLI)へのリモートアクセスを提供することによって、要求してもよい。これは、介入の実行(ステップ220)への支援として、および/または、その正しい実行の検査(ステップ230)として、介入の終了(ステップ200)の前に行われる。その上、フィールドエンジニアによって実行されたすべてのアクティビティは記録され(ステップ210)、収集された情報は、オペレーショナルログ内に記憶され、そして、その後、新しいワークフローを生成して検証する目的のために、または既存のワークフローを改良するために、処理されてもよい。
【0128】
1つの特定のワークフローによって示されるステップに従うことを選択した技術者は、ワークフローの実行そのものを、任意の一点において中止してもよく、そして、それ以上導かれることなしに、情報を取得するため、および/または、機器自体へのアクションを実行するために、(パーソナルプロキシPPとリソースプロキシRPとの間の連鎖を介して)機器と相互作用しながら進んでもよい。
【0129】
図4は、機器カードの交換のための協働ワークフローの例を示す。特に、当該の図4は、機器上のカードの交換のアクティビティにおいて、フィールドエンジニアを導くことを目的とした、協働ワークフローの例を示す。
【0130】
フィールドエンジニアは、前述した基準による、起動されるべきワークフローの選択の後、パーソナルプロキシPP上での、選択されたワークフローの始動を、インタフェースPIを介して要求する(ステップ1100)。
【0131】
パーソナルプロキシPP端におけるワークフローが始動し(ステップ300)、そのワークフローは、最初のアクションとして、リソースプロキシRP上の関連する協働ワークフローを始動させる(ステップ310および500)。フィールドエンジニアには、RPワークフローの始動を待つためのメッセージが、PIを使用することによって、そのフィールドエンジニアの端末装置上に送られる(ステップ1110)。
【0132】
パーソナルプロキシPPワークフローは、カードの交換に先立つアクティビティに進み、フィールドエンジニアに、機器を開けるための指示(ステップ320)を、インタフェースPIを使用することによって、フィールドエンジニアの端末装置上の、実行されるべき手動オペレーションの説明を介して示し(ステップ1120)、そして、機器内のカードを識別するための指示(ステップ330)を、インタフェースPIを使用することによって、再びフィールドエンジニアの端末装置上の、カードの識別を容易にする図解も用いた表示を介して示す(ステップ1130)。
【0133】
同時に、リソースプロキシRPワークフローは、例えば、カード上の依然としてアクティブなサービスを機能停止させるかまたは移行すること、あるいは、カードを非動作状態に設定することなどの、カードの交換のための予備的な管理アクティビティに進む(ステップ510)。前記アクティビティが完了したら、リソースプロキシRPワークフローは、パーソナルプロキシPPワークフローに、次に進むことが可能であることを通知する(ステップ520)。
【0134】
パーソナルプロキシPPワークフローは、フィールドエンジニアに、交換されるカードへの配線を切り離すように通知し(ステップ340)、インタフェースPIを使用することによって、フィールドエンジニアの端末装置上に、手動アクティビティのための有用な情報を提示し(ステップ1140)、一方で、リソースプロキシRPワークフローに、例えば、関連する物理ポートが、配線が切り離された状態を示すかどうかの検査などの、アクティビティの監視という次のステップ(ステップ530)に進むように通知する。交換されるカードのすべての配線が切り離されたら、リソースプロキシRPワークフローは、PPワークフローに通知する(ステップ530)。
【0135】
パーソナルプロキシPPワークフローは、カードを機器から取り外す準備ができているかどうかの検査に進み(ステップ350)、リソースプロキシRPワークフローを、カード解除のアクティビティに進めさせ(ステップ540)、フィールドエンジニアに、カード解除済み信号を確認するように指示する(ステップ1150)。
【0136】
リソースプロキシRPワークフローは、例えば、カードを電源切断状態に設定することなどの、カード解除のアクティビティを完了したら、パーソナルプロキシPPワークフローに通知し(ステップ540)、パーソナルプロキシPPワークフローは、カードの実際の物理的取り外しのアクションに進んで(ステップ360)、フィールドエンジニアに、作動させられるべきリリースレバー、および、カードを取り外すプラクティスの指示などの、実行されるべき手動アクティビティを指示する(ステップ1160)。
【0137】
リソースプロキシRPワークフローは、手動アクティビティを監視して、例えば、スロットが空いている状態などの、機器から来る状態および信号を検査し(ステップ550)、カードがもはや存在しなくなったら、パーソナルプロキシPPワークフローに通知する。
【0138】
パーソナルプロキシPPワークフローは、パーソナルプロキシPPワークフローからの、およびインタフェースPIを介したフィールドエンジニアからの、アクティビティの完了のメッセージを、両方とも受け取ったら、新しいカードの挿入のアクションに進み(ステップ370)、必要な情報をインタフェースPIに送り(ステップ1170)、リソースプロキシRPワークフローに通知する。後者は、例えば、スロットが空き状態から占有状態に移ったかどうかを検査することによって、新しいカードの挿入を監視し(ステップ560)、挿入されたら、パーソナルプロキシPPワークフローに、新しいカードの正しい挿入を通知する(ステップ570)。
【0139】
リソースプロキシRPワークフローは、新しいカードの検査および設定に進み(ステップ580)、一方、パーソナルプロキシPPワークフローは、後者のアクティビティの完了を待ち(ステップ380)、フィールドエンジニアに、インタフェースPIを介して、検査が進行中であることを通知する(ステップ1180)。
【0140】
新しいカードの設定の最後に、リソースプロキシRPワークフローは、パーソナルプロキシPPワークフローに通知し(ステップ580)、パーソナルプロキシPPワークフローは、配線の接続に進んで(ステップ390)、インタフェースPIを使用することによって、フィールドエンジニアの端末装置上に、実行されるべき手動アクティビティを、カードのタイプおよび配線に関する図解を用いて提示する(ステップ1190)。
【0141】
配線の接続中に、リソースプロキシRPワークフローは、カードのポートを監視し(ステップ590)、例えば、配線が接続されたことを示すポートの状態を制御する。想定されるすべての配線が再接続された場合のみ、リソースプロキシRPワークフローは、パーソナルプロキシPPワークフローに通知して(ステップ590)、ポートの検査および設定に進み(ステップ600)、例えば、サービスの再活動化、またはそれらのサービスの、以前に実行された一時的設定(ステップ510)からの移行などを行う。
【0142】
パーソナルプロキシPPワークフローは、新しいカードのポートの設定が完了するのを待ち(ステップ400)、前記アクティビティが進行中であることを、インタフェースPIを介して、フィールドエンジニアに通知する(ステップ1200)。ポートの設定が完了したら(ステップ600)、リソースプロキシRPワークフローは、パーソナルプロキシPPワークフローに通知して、終了し(ステップ610)、一方、パーソナルプロキシPPワークフローは、機器のキャビネットの閉鎖を実行するようにフィールドエンジニアを導くために(ステップ410)、インタフェースPIを使用することによって、フィールドエンジニアの端末装置上に適切な情報を提供する(ステップ1210)。
【0143】
最後に、パーソナルプロキシPPワークフローは、その実行を完了し(ステップ420)、フィールドエンジニアに、ワークフローの終了が待たれていることを通知して(ステップ1220)、リソースプロキシRPワークフローの完了を待つ。ワークフローは、PPワークフローの最後のアクションと同期して(ステップ430)、介入が正常に終了したことのフィールドエンジニアへの情報(ステップ1230)で終わる。
【0144】
図5は、代わりに、コールセンタアドバイザを支援するための手順の例を示す。本明細書に記載するソリューションは、実際に、ガイドサービスを、コールセンタアドバイザにも適用することを可能にする。
【0145】
コールセンタアドバイザによる、カスタマ苦情(以下、トラブルレポート(TR)と記載する)または新しいサービスの要求(以下、カスタマオーダー(CO)と記載する)の受け取りに続いて(ステップ1300)、コールセンタアドバイザに関連付けられたパーソナルプロキシPPは、カスタマ要求のための、対象となるネットワーク機器に関連付けられた、1つまたは複数のリソースプロキシRPとのセッションを開き、カスタマとの相互作用のために必要な情報を収集する(トラブルレポートの場合は、カスタマサービスの提供に関与する機器上に障害がないか検査される)(ステップ1310)。
【0146】
ネットワークからのデータの収集に続いて、パーソナルプロキシPPが、さらなる情報を何も必要とせず(ステップ1320で行われる検査)、かつ、カスタマ苦情を処理している場合(ステップ1330で行われる検査)、収集されたデータが、第1の診断を実行するために処理される(ステップ1380)。代わりに、パーソナルプロキシPPが、さらなる情報を必要とせず(ステップ1320で行われる検査)、かつ、新しいサービスのための要求を処理している場合(ステップ1330で行われる検査)、次のステップは、作業命令(WO)の作成である(ステップ1420)。
【0147】
ネットワークからのデータの収集に続いて、パーソナルプロキシPPがさらなる情報を必要とする場合(ステップ1320で行われる検査)、パーソナルプロキシPPは、カスタマのTR/COのさらなる詳細を取得することを目的とした一連の質問を、対応するインタフェースPIを使用することによって、コールセンタアドバイザの装置上に表示する(ステップ1340)。トラブルレポートの場合、前記質問は、さらに、トラブルレポートの原因である問題の解決につながる可能性がある、時間通りの検査/アクションを実行することの、カスタマへの要求であってもよく、例えば、カスタマ構内機器(CPE)のすべての配線が正しく接続されているかどうかの確認と、接続障害が検出された配線を正しく接続する措置との要求であってもよい。
【0148】
コールセンタアドバイザは、カスタマと相互作用することによって、コールセンタアドバイザに提出された質問への適切な回答を、パーソナルプロキシPPに供給する(ステップ1350)。要求されたデータをカスタマが提供することができない場合、または、カスタマによって提供されたデータを統合するために、コールセンタアドバイザは、パーソナルプロキシPPに、測定データを収集するように、または、特定のカスタマについての、対象となるネットワーク部分に関連する、コンフィギュレーション情報を供給するように求めてもよい。これは、パーソナルプロキシPPと、前記ネットワーク部分を制御するリソースプロキシRPとの間の情報交換を伴い、コールセンタアドバイザの要求は、パーソナルプロキシPPによってリソースプロキシRPに転送され、対応する応答が、リソースプロキシRPによってパーソナルプロキシPPに送られ、後者によって、インタフェースPIを介して、オペレータに示される(アクティビティ全体が、ステップ1360に対応する)。
【0149】
一連の質問の終わりにおける、または、トラブルレポートの場合は、カスタマの検査/アクションに基づくトラブルレポート自体の解決の後における(ステップ1370で行われる検査)、次のステップは、ステップ1420である。
【0150】
カスタマによるトラブルレポートの場合(ステップ1370で行われる検査)、(カスタマからの、および/またはネットワークからの)データの、導かれた収集のステップの終わりにおいて、パーソナルプロキシPPは、ルールベースシステムを使用することによって、トラブルレポートの根本的原因についての、第1の仮説を立てる(ステップ1380)。
【0151】
障害が、カスタマによって修復されることが可能な場合(ステップ1390で行われる検査)、コールセンタアドバイザのパーソナルプロキシPPは、カスタマのパーソナルプロキシPPとのセッションを開き、カスタマのパーソナルプロキシPPに、トラブルレポートを解決するための特定のワークフローを実行するように要求する(ステップ1400)。コールセンタアドバイザは、次に、その他のアクティビティの実行に移ってもよく、同時に、カスタマによるワークフローの実行の結果について知らされてもよい。
【0152】
ワークフローの結果を受け取り次第(ステップ1410)、ワークフローの結果を考慮に入れた、適切なトラブルチケット(TT)が作成される(ワークフローが正常に実行された場合、TTは、トラブルレポートの解決方法を記録する。それ以外の場合、TTは、フィールドエンジニアに向けての1つ以上の作業要求WRを作成するための、有用な情報を含む)。
【0153】
障害が、カスタマによって解決されることができない場合(ステップ1390で行われる検査)、次のステップは、トラブルチケットの作成である(ステップ1420)。トラブルレポート/カスタマオーダーについてのデータの収集に続いて、かつ、トラブルレポートの場合は、第1レベルの診断の後、および/または、トラブルレポートの解決の後で、パーソナルプロキシPPは、コールセンタアドバイザに、トラブルチケットまたは作業命令を作成するために必要なすべてのデータを提供し、まだ満たされていないカスタマ要求の場合、トラブルチケットまたは作業命令は、フィールドエンジニアに向けての1つ以上の作業要求WRを生成する(ステップ1420)。TT/WOの作成の後、コールセンタアドバイザのアクティビティは終了する(ステップ1430)。
【0154】
図6のフローチャートは、代わりに、カスタマを支援する手順を示す。ここで説明するオペレーショナルアクティビティの実行への支援は、カスタマにも適用される。
任意の機能不良の、カスタマによる検出に続いて(ステップ700)、カスタマ自身が、カスタマの装置(通常は、PCまたはPDA)上で、カスタマに関連付けられたパーソナルプロキシPPを起動する(ステップ710)。
【0155】
パーソナルプロキシPPは、カスタマの構内に配置された機器と関連付けられた1つまたは複数のリソースプロキシRPとのセッションを、前記機器上の任意の可能な障害を識別するために開く(ステップ720)。カスタマの構内における機器上に障害が存在しない場合(ステップ730で行われる検査)、パーソナルプロキシPPは、検出された機能不良についてのさらなる詳細を取得することを目的とした一連の質問を、カスタマの装置上に、対応するPIインタフェースを使用して表示する(ステップ740)。カスタマは、カスタマに提出された質問への適切な回答を、パーソナルプロキシPPに提供する(ステップ750)。
【0156】
一連の質問の終わりにおいて、パーソナルプロキシPPは、機能不良の原因が識別されたかどうか、および前記原因がカスタマによって除去されることが可能かどうかを検査し(ステップ760で行われる検査)、そして、そうである場合、問題の解決においてカスタマを導く、適切なワークフローを起動する(ステップ770)。パーソナルプロキシPPは、さらに、カスタマアクティビティを記録するプロセスを起動する(ステップ780)。収集された情報は、オペレーショナルログ内に記憶され、そして、その後、既存のワークフローを改良するために、または新しいワークフローを生成して検証するために、処理されてもよい。
【0157】
ワークフローの終わりにおいて、カスタマによって、機能不良の除去についての検査が行われる(ステップ790)。前記検査が肯定的な結果を有する場合、カスタマのアクティビティは終了する(ステップ810)。代わりに、検査が、否定的な結果を有する場合、パーソナルプロキシPPは、カスタマに、コールセンタに連絡するように通知する(ステップ800)。パーソナルプロキシPPによる通知の後、カスタマのアクティビティは終了する(ステップ810)。機能不良の原因が識別されていない場合、または、さもなければ、機能不良がカスタマによって除去されることができない場合(ステップ760で行われる検査)、パーソナルプロキシPPは、カスタマに、コールセンタに連絡するように通知する(ステップ800)。パーソナルプロキシPPによる前記通知に続いて、カスタマのアクティビティは終了する(ステップ810)。
【0158】
カスタマの構内における機器上に障害がある場合(ステップ730で行われる検査)、パーソナルプロキシPPは、前記障害がカスタマによって修復されることが可能かどうかを確認するための、さらなる検査を実行する(ステップ820で行われる検査)。否定的な結果の場合、パーソナルプロキシPPは、カスタマに、コールセンタに連絡するように通知する(ステップ800)。肯定的な結果の場合、パーソナルプロキシPPは、問題の解決においてカスタマを導く、適切なワークフローを起動する(ステップ770)。
【0159】
適切なワークフローの起動後に、パーソナルプロキシPPは、さらに、カスタマアクティビティを記録するプロセスを起動する(ステップ780)。収集された情報は、オペレーショナルログ内に記憶され、そして、上述したように、既存のワークフローを改良するために、または新しいワークフローを生成して検証するために、処理されてもよい。ワークフローの終わりにおいて、カスタマによって、機能不良の除去についての検査が行われる(ステップ790)。前記検査が肯定的な結果を有する場合、カスタマのアクティビティは終了する(ステップ810)。代わりに、検査が、否定的な結果を有する場合、パーソナルプロキシPPは、カスタマに、コールセンタに連絡するように通知する(ステップ800)。パーソナルプロキシPPによる通知の後、カスタマのアクティビティは終了する(ステップ810)。
【0160】
カスタマは、リソースプロキシRPによって自動的に実行される、可能なアクションについても知らされるということ、および、カスタマは、それらの実行への明示的な承諾を与えることができるということを、カスタマのパーソナルプロキシPP上で実行されるワークフローは、通常、想定する。
【0161】
図7のフローチャートは、オペレータ間の協働のための手順を示す。本明細書に記載したプラットフォームは、実際に、所与のアクティビティ(例えば、現場での介入、またはカスタマ要求の処理)の実行を、可能な他のオペレータとの、またはオペレータとカスタマとの間の相互作用を管理しながら行うことを任せられたオペレータを、支援するためのさらなるサービスを提供する。
【0162】
オペレータ間の相互作用のために採用されるオペレーショナルプラクティスを、以下に説明する。
パーソナルプロキシPPは、(例えば、フィールドエンジニアの場合に、成功しなかった介入の検出の後で)自律的に、または、オペレータによる通知があり次第、他のオペレータのパーソナルプロキシPPに向けてのセッションを起動することを決定する(ステップ1500)。
【0163】
自動的な起動の場合(ステップ1510で行われる検査)、パーソナルプロキシPPは、(利用可能なデータから推論された、またはオペレータの明示的な指示に由来する)オペレータが実行しているアクティビティのタイプの知識と、そのアクティビティを実行するために必要とされるマクロ技能の知識とに基づいて、セッションの起動を、マクロ技能に従って編成された、連絡されるべきオペレータの名前の順序立ったリストを使用して試みる(ステップ1600)。
【0164】
起動が成功していない場合(ステップ1610で行われる検査)、パーソナルプロキシPPは、セッションを起動する試みを続行するか、または停止するかを、オペレータに問い合わせる(ステップ1640)。継続することをオペレータが決定した場合、パーソナルプロキシPPは、リスト内の次の名前を使用してセッションの起動をさらに試み(ステップ1600)、セッションを首尾よく起動するまで、またはオペレータが手順の中止を決定するまで、繰り返し続行する。後者の場合、パーソナルプロキシPPは、セッション起動手順を終了する(ステップ1590)。
【0165】
起動が成功した場合(ステップ1610で行われる検査)、オペレータ間のセッションが開始され、その中で、パーソナルプロキシPPは、実行されるべきアクティビティに関する、およびすでに実行されたステップに関する、すべてのデータを両方のオペレータに見えるようにするツール、または、支援を要求したオペレータがすでに取得した、可能なネットワークデータを共有するためのツールなどの、協働作業のためのツールの組を利用可能にする(ステップ1620)。
【0166】
オペレータの通知があり次第、パーソナルプロキシPPは、セッションの終了に進む(ステップ1570)。
オペレータによる要求があり次第の起動の場合(ステップ1510で行われる検査)、パーソナルプロキシPPは、(利用可能なデータから推論された、またはオペレータの明示的な指示に由来する)オペレータが実行しているアクティビティのタイプの知識と、そのアクティビティを実行するために必要とされるマクロ技能の知識とに基づいて、名前の順序立ったリストを提示し(ステップ1520)(順序は、パーソナルプロキシPPが、セッションを自律的に起動しなければならない場合に従う順序である)、そのリストの中で、オペレータは、所望の名前を選択する(ステップ1530)。
【0167】
オペレータによる、名前の選択の後、パーソナルプロキシPPは、前記名前に関連付けられたパーソナルプロキシPPに向けたセッションのセットアップを試みる(ステップ1540)。起動が不成功の場合(ステップ1550で行われる検査)、パーソナルプロキシPPは、セッションを起動する試みを続行するか、または停止するかを、オペレータに問い合わせる(ステップ1580)。継続することをオペレータが決定した場合、パーソナルプロキシPPは、1つまたは複数の不成功の試みを考慮に入れるために適切に更新された、名前のリストを再び表示し(ステップ1520)、セッションを首尾よく起動するまで、または、オペレータが手順の中止を決定するまで、繰り返し続行する。後者の場合、パーソナルプロキシPPは、セッション起動手順を終了する(ステップ590)。
【0168】
起動が成功した場合(ステップ1550で行われる検査)、オペレータ間のセッションが開始され、その中で、パーソナルプロキシPPは、既に以前に考慮したタイプの、協働作業のためのツールの組を利用可能にする(ステップ1560)。オペレータの通知があり次第、パーソナルプロキシPPは、セッションの終了に進む(ステップ1570)。
【0169】
カスタマとオペレータとの間の相互作用は、オペレータ間の相互作用について上述した機構に類似した機構を使用し、この場合、協働はカスタマとコールセンタアドバイザとを通常は含むということ、そして、セッションのセットアップは、カスタマのパーソナルプロキシPPが、カスタマ自身の要求があり次第、または自律的に行うということを、仮定することが可能である。さらに、この場合、カスタマは、任意の瞬間において、オペレータとのセッションをセットアップする試みを中止することを決定してもよい。カスタマの要求の場合、パーソナルプロキシPPは、カスタマ自身に、コールセンタアドバイザの名前の順序立ったリストを提示して、連絡されるべきアドバイザをカスタマが選択することを可能にする。
【0170】
上に例示したサービスを提供するために、説明したプラットフォームは、オペレータに関するデータ、カスタマに関するデータ、およびワークフローに関するデータの組を維持し、オペレーションの変更(新しい機器の導入に続く新しいワークフローの導入、ネットワーク上にもはや存在しない機器上のアクティビティを参照するワークフローの削除など)と、ワークフォースのメンバーの特性および数の変更(新しいオペレータの導入、オペレータプロファイルのデータの更新など)と、カスタマの特性および数の変更(新しいカスタマの導入、カスタマプロファイルのデータの更新など)との、いずれにも適合するように、プロセスの動的管理を実行する。
【0171】
オペレータプロファイルは、少数の標準的な基本プロファイルに基づいて定義される。前記プロファイルは、オペレータのマクロ技能(例えば、オペレータがアクティビティを実行可能なネットワーク/サービス領域(スイッチング、転送、ADSLアクセスなど))と、各マクロ技能についての、対応する等級(これは、所与の分野において、オペレータがどれだけ熟練しているかを示す)とを指定する。プロファイルは、さらに、オペレータが、フィールドエンジニアか、内勤オペレータか、コールセンタアドバイザかを明らかにし、そのオペレータが属する仮想チームを指摘し、そのオペレータの認証信任状を提供する。前記プロファイルのデータは、例えば、新しいマクロ技能、または等級の変化を考慮に入れるために動的に更新され、プロファイルのモデルは、データベースODB内に記憶される。マクロ技能の動的更新は、すべてのプラットフォームサービス(例えば、オペレータ間の相互作用のサービス)が最新のデータを使用することを可能にするために、タイムリーな方法で実行される。オペレータプロファイルのデータをロードすることに関しては、各パーソナルプロキシPPは、そのパーソナルプロキシPPが関連付けられたオペレータのプロファイルのみを維持する(各パーソナルプロキシPPは、特定のオペレータに関連付けられる)。前記プロファイルのデータは、適切な外部システム(WFMシステム)と相互作用しているOMによって取得される。プラットフォームは、次に、(WFMからダウンロードされた)すべてのオペレータのプロファイルのデータが記憶される、集中型のインベントリ(エキスパータイズインベントリEI)を想定する。各パーソナルプロキシPPが起動され次第、前記パーソナルプロキシPPに関連付けられたオペレータプロファイルデータが、エキスパータイズインベントリEIから、オペレーショナルマネージャOMを介して、パーソナルプロキシPP自体に、自動的にダウンロードされる。インベントリEIは定期的に更新され、インベントリ自体の上のデータの各更新において、対応するパーソナルプロキシPPにデータが送信される。
【0172】
カスタマプロファイルは、少数の標準的な基本プロファイルに基づいて定義される。前記プロファイルは、カスタマが自己修復アクティビティを実行可能な、1つまたは複数のサービス(例えば、ADSLサービス、ISDNサービスなど)と、そのカスタマの認証信任状とを指定する。プロファイルのデータは、例えば、署名された新しいサービスを考慮に入れるために動的に更新され、プロファイルのモデルは、データベースODB内に記憶される。カスタマプロファイルのデータの動的更新は、すべてのプラットフォームサービスが最新のデータを使用することを可能にするために、タイムリーな方法で実行される。カスタマプロファイルのデータをロードすることに関しては、各パーソナルプロキシPPは、そのパーソナルプロキシPPが関連付けられたカスタマのプロファイルのみを維持する(各パーソナルプロキシPPは、特定のカスタマに関連付けられる)。前記プロファイルのデータは、オペレーショナルマネージャOMによって、適切な外部システム(ビジネス支援システム)と相互作用することによって取得される。プラットフォームは、次に、(ビジネス支援システムからダウンロードされた)すべてのカスタマのプロファイルのデータが記憶される、集中型のインベントリ(エキスパータイズインベントリEI)を想定する。各パーソナルプロキシPPが起動され次第、前記パーソナルプロキシPPに関連付けられたカスタマプロファイルのデータが、インベントリEIから、オペレーショナルマネージャOMを介して、パーソナルプロキシPP自体に、自動的にダウンロードされる。インベントリEIは定期的に更新され、インベントリ自体の上のデータの各更新において、対応するパーソナルプロキシPPにデータが送信される。
【0173】
フィールドエンジニアのオペレーションを支援するワークフローに関しては、データベースODBが、各ワークフローについて、ワークフロー識別子(これは、プラットフォームによって自動的に生成される漸進的数値識別子であってもよい)、ワークフローのバージョン、ワークフローのスコア、ワークフローが該当する介入のタイプ(例えば、障害、プロビジョニングのアクティビティ、オペレーションアクティビティなど)、実行される特定の介入の識別子(例えば、障害の場合、リンク障害、ユーザカード障害などを指示することが可能)、該当する場合は、介入を実行するために必要とされるマクロ技能の等級(例えば、エキスパートフィールドエンジニア、および新規フィールドエンジニア)などの、特徴の組を維持する。前記特徴は、ワークフローが作成/修正される場合に提供される。スコアは、後述するものに従って、動的に更新される。データベースODB内に記憶された、オペレーションを支援するワークフローの作成/修正と、データベースMDB内に記憶された、対応する協働ワークフローの作成/修正とは、何が処理されたかについての一致検査を容易にするために2つの相関性があるワークフローの並行編集を可能にする、適切なグラフィカルインタフェースを介して行われる。
【0174】
同様の考察が、カスタマオペレーションを支援するワークフローに関して適用される。データベースODBは、カスタマを支援する各ワークフローについて、フィールドエンジニアのためのワークフローのものと同様の、カスタマの場合にも適用可能な、特徴の組を維持する。
【0175】
フィールドエンジニアを支援するワークフローについては、2つの管理機能が想定される。
ワークフローのロードに関して、パーソナルプロキシPP上へのワークフローのダウンロードは、それに関連付けられたコントロールエージェントCAによって実行される。パーソナルプロキシPPが起動され次第、ワークフローがダウンロードされるのではなく、ワークフローは、パーソナルプロキシPP自体による明示的な要求があり次第、パーソナルプロキシPP上にダウンロードされるのみである。フィールドエンジニアによる、所与のアクティビティの仮定の後に、かつ、実行されるべき、またはそのフィールドエンジニアの装置上に表示されるべきワークフローの、そのフィールドエンジニアによる選択の後に、パーソナルプロキシPPは、前記ワークフローが、ローカルメモリ領域内に既に存在しているという限りにおいて、直接アクセス可能であるかどうかを検査し、さらに、(ワークフローに関連付けられたバージョンインジケータを介して)そのワークフローが更新済みであるかどうかを確認する。ワークフローが存在していないか、または、更新されていない場合、コントロールエージェントCAを介して、ワークフローは、データベースODBからダウンロードされる。ワークフローは、任意の可能な将来の使用のために、パーソナルプロキシPP内に記憶されたままになる。
【0176】
同様の方法により、リソースプロキシRPが起動され次第、ワークフローがダウンロードされるのではなく、ワークフローは、リソースプロキシRP自体による明示的な要求があり次第、リソースプロキシRP上にダウンロードされるのみである。リソースプロキシRPがパーソナルプロキシPPから、オペレーションを支援する所与のワークフローを起動するための要求を受け取ったときに、パーソナルプロキシPPは、このワークフローが、ローカルメモリ領域内に既に存在しているという限りにおいて、直接アクセス可能であるかどうかを検査し、さらに、(ワークフローに関連付けられたバージョンインジケータを介して)このワークフローが更新済みであるかどうかを検査する。ワークフローが存在していないか、または、更新されていない場合、リソースプロキシRPは、そのワークフローを、データベースMDBからダウンロードする。ワークフローは、可能な将来の使用のために、リソースプロキシRP内に記憶されたままになる。
【0177】
ワークフローの「スコア」を動的に管理するための手順が、次に想定される。ワークフローのスコアは、(フィールドエンジニアによって実行されるアクティビティと、それらのアクティビティを実行するために使用される材料のコストとに結び付いた)時間/コストデータと、所与のワークフローについてのフィールドエンジニアの嗜好との、両方に基づく。これらのデータを取得するために、ワークフローの各実行において、前記実行に結び付いたパラメータの組が収集され(ワークフローパラメータの収集は、パーソナルプロキシPPによって実行される)、そして更新される。そのようなパラメータの例は、パーソナルプロキシPP上でのワークフローの総実行時間、CPU使用率、そのワークフローを選択したオペレータの数などである。収集/更新されたデータは、パフォーマンスデータベースPDB内に記憶される。各ワークフローについてのスコアの新しい値を取得するために、定期的に(例えば、一定の時間間隔で)、前記パラメータを解析および処理する必要がある。ワークフローの新しいスコアは、次に、さまざまなパーソナルプロキシPPに伝えられる。
【0178】
同様の管理機能が、カスタマを支援するワークフローのために提供される。前記ワークフローを使用して処理されるべき障害/問題の識別の後に、パーソナルプロキシPP自体によって要求され次第、または、コールセンタアドバイザのパーソナルプロキシPPから来る、特定のワークフローを起動するための要求を受け取り次第、ワークフローは、パーソナルプロキシPP上にダウンロードされる。特に、カスタマを導くために使用されることが可能なワークフローが複数ある場合、その時点で最も高いスコアを有するワークフローのみが、パーソナルプロキシPP上にダウンロードされる。さらに、カスタマのためのワークフローについては、カスタマ端において識別されることが可能なパラメータに関して適切に調整される、スコアの動的管理の機構が提供される。
【0179】
既に示したように、パーソナルプロキシPPと、オペレータまたはカスタマとの間の相互作用は、適切なパーソナルインタフェースPIを使用することによって実現される。インタフェースPIは、オペレータ/カスタマによって使用される装置(セルラー電話、PDA、ラップトップ型パソコン、デスクトップなど)のタイプおよび計算能力に依存する技術、例えば、Webベースのクライアント−サーバ技術(HTMLページ、Javaアプレット、スタンドアロンJavaアプリケーション)、または自律エージェント技術など、を使用して作成される。インタフェースPIは、オペレータ/カスタマが、すべての特定の使用状況において、最高の効果、効率、および満足とともに目的の組を達成することを可能にするために、使いやすさの原則に適合するように設計される。インタフェースPIの開発においては、パーソナルプロキシPPがリソースプロキシRPとの協働において実行しなければならない相互作用およびアクティビティをより効果的にするための、コードの最適化と、オペレータ/カスタマの、割り当てられたタスクを遂行するための能力を大幅に向上するための、GUIの使いやすさおよび操作性の良さの側面との両方に、多大の注意が払われた。
【0180】
オペレータの場合、アクティビティ要求(現場での介入、またはトラブルレポート/カスタマオーダー)があり次第、WFMはオペレーショナルマネージャOMに、選択されたオペレータの名前と、実行されるべきアクティビティの詳細とを送る。オペレーショナルマネージャOMは、前記データを、選択されたオペレータに関連付けられたパーソナルプロキシPPに、前記パーソナルプロキシPPを調整するオペレーショナルエージェントOAを介して転送する。パーソナルプロキシPPは、次に、対応するインタフェースPI上で、実行されるべきアクティビティがあるということを通知する。
【0181】
オペレータは、実行されるべきアクティビティがあるということの情報を、そのオペレータのインタフェースPI上で受け取ったら、以下のように続行する。
−オペレータは、インタフェースPIのホームページから、ログインおよび認証の手順を開始する。オペレータプロファイルに基づいて、「特権」機能専用のセクションは、表示されてもされなくてもよい。認証データは、前記パーソナルプロキシPPに関連付けられたオペレータについての、エキスパータイズインベントリEI内に記憶された認証データと照会される。
【0182】
−オペレータは、そのオペレータに割り当てられたアクティビティに関するデータを表示し、前記アクティビティ(例えば、現場での介入、またはトラブルレポート/カスタマオーダー)の引き受けの手順を実行する。この時点において、オペレータは、インタフェースPIを介して、オペレーションの補助としての、グラフィカルおよびナビゲーション環境にアクセスすることが可能である。これらの環境によって提供される機能は、一部は、すべてのタイプのオペレータ(例えば、フィールドエンジニアおよびコールセンタアドバイザ)によって入手され、使用されることが可能であり、一部は、特定のタイプのオペレータ専用である。
【0183】
それらの機能は、以下を可能にする。
−介入の実行対象となる(例えば、交換局内の)機器の位置の表示(フィールドエンジニア)。
【0184】
−機器のインタフェースの表示と、介入する必要がある対象のハードウェア構成要素(ラック、カード、ポート、デバイスなど)のグラフィカルな識別(フィールドエンジニア)。
【0185】
−エンジニアのオペレーションを段階的に導くための、対話型モードでの、ワークフロー(および、可能な事前の、さまざまなワークフロー間での選択の選択肢)の提示(フィールドエンジニア)。
【0186】
−カスタマの要求を詳述するために必要な情報を段階的に取得するための、対話方式での、一連の質問の提示(コールセンタアドバイザ)。
−カスタマ自身によって提示されたトラブルレポートを解決するために、カスタマが実行しなければならない、アクションの提案(コールセンタアドバイザ)。
【0187】
−カスタマのトラブルレポートの原因に関して立てられた仮説の提示(コールセンタアドバイザ)。
−パーソナルプロキシPPとリソースプロキシRPとの間の接続のセットアップの表示、および、RPによって、自律的に、またはパーソナルプロキシPPからの要求があり次第実行される、構成、設定、測定、テストなどのアクションへの、リソースプロキシRPからの「応答」の提示(すべてのオペレータ)。
【0188】
−介入が実行されている、対象の機器上のCLI(コマンドラインインタフェース)への、RPを介した、リモートアクセス(フィールドエンジニア)。
−アクティビティへの可能な支援としての、オンライン文書の表示(すべてのオペレータ)。
【0189】
−他のオペレータ(仮想チームオペレータ、マネジメントスタッフ、内勤オペレータ、コールセンタアドバイザ)との通信の、「従来の」機能(音声電話、電子メール、チャット、共有ホワイトボードなど)へのアクセス(すべてのオペレータ)。
【0190】
カスタマの場合、そのカスタマのパーソナルプロキシPPの起動に続いて、カスタマ自身が、ログインおよび認証の手順を実行し、そのカスタマによって検出された機能不良を解決するために必要なすべてのデータ(質問、ガイドワークフローなど)を、そのカスタマの装置上で受け取る。
【0191】
提供される機能は、以下を可能にする。
−カスタマのオペレーショナリティを段階的に導くための、対話型モードでの、ワークフローの提示。
【0192】
−カスタマによって検出された機能不良の原因を識別するために必要な情報を段階的に取得するための、対話型モードでの、一連の質問の提示。
−機能不良の根本的原因に関する仮説の提示。
【0193】
−パーソナルプロキシPPとリソースプロキシRPとの間の接続のセットアップの表示、および、リソースプロキシRPからの「応答」の提示。
−機能不良を解決するための、オペレータへの連絡の必要の通知。
【0194】
−オペレータとの通信の機能へのアクセス。
上記のオペレーションを支援する構成要素は、より伝統的な技術的アプローチ(クライアント−サーバパラダイム)に基づく管理の状況においても用途がある。
【0195】
(例えば、米国特許出願公開第2004/0196794号明細書によって例示されるような)クライアント−サーバ技術に基づく階層的アプローチを採用する管理ソリューションを、例として調べると、前述した(オペレータおよびカスタマの)オペレーションを支援するための機能は依然として効果的である。そして、それらの機能は、運用の部分については本明細書の図2に提示したものと比較して変わりなく、一方、ネットワークおよびサービス管理の部分については米国特許出願公開第2004/0196794号明細書の図2に記載されているアーキテクチャなどの異なるアーキテクチャに依存する、プラットフォームを使用することによって提供されてもよい。特に、この場合、目的が、ネットワーク内の装置を直接管理する管理リソース(下位レイヤのネットワーク管理ステーション/ユニット)の変更を想定しない、保守的なアプローチを採用することであるならば、パーソナルプロキシPPは、上位レイヤと下位レイヤとのネットワーク管理ステーション間で採用されたものに類似した通信様式を使用して、ネットワークとの間のすべての相互作用を実行するために、対応する下位レイヤネットワーク管理ステーションと直接インタフェースをとる(これは、上記の実施形態では、リソースプロキシRPを介して実行された)。あるいは、パーソナルプロキシPPは、下位レイヤネットワーク管理ステーションについてのトポロジ情報を所有する上位レイヤネットワーク管理ステーションと相互作用し、したがって、前記情報を直接処理する必要を回避してもよい。いずれの場合も、管理構成要素への変更がなければ、関係しているネットワーク管理ステーション上での協働ワークフローは存在しない。ただし、これが本発明の好ましい実施形態の唯一の可能な代替を表す限りにおいて、これは、オペレーションを支援する機能の有効性と効果とを何ら損なうものではない。
【0196】
図3に関連して説明したような、所与の介入の実行においてフィールドエンジニアを導く手順は、フィールドエンジニアによって実行されるべき介入の選択肢を参照するが、前記選択が行われる様式は、さまざまであり、採用されるオペレーションパラダイムと、WFMシステムによって実行される機能とに依存するということが理解されるであろう。本発明の一実施形態では、フィールドエンジニアが担当する介入は、そのフィールドエンジニアのインタフェースPI上で、パーソナルプロキシPPによってそのフィールドエンジニアに提示され、WFM−OM連鎖を介してパーソナルプロキシPP自体にダウンロードされた介入のみである。
【0197】
代替の実施形態では、フィールドエンジニアは、所与のサイトにおける機器に対して実行されるべき複数のアクティビティから、1つのアクティビティを選択する。この場合、フィールドエンジニアによって、パーソナルプロキシPPを介して受け取られる唯一の指示(パーソナルプロキシPPは、さらに、WFM−OM連鎖からその指示を受け取った)は、そのフィールドエンジニアが行く必要のあるサイトに関する指示である(WFMは、さまざまなサイト間でのフィールドエンジニアの周期的巡回のみを管理し、行うべきことをフィールドエンジニアに指示することはしない)。
【0198】
図3に関連して前述した手順は、適切なワークフローがフィールドエンジニアに提案されることを示す。これは、パーソナルプロキシPPとオペレーショナルマネージャOMとの間の相互作用によって行われる。フィールドエンジニアによって介入が選択されると、パーソナルプロキシPPは、オペレーショナルマネージャOMに、前記介入を支援するためのすべてのワークフローのリストを要求する。オペレーショナルマネージャOMは、データベースODB内で利用可能なワークフロー情報に基づいて、このリストを動的に作成して、パーソナルプロキシPPに送り、パーソナルプロキシPPは、フィールドエンジニアにそのリストを提示する。
【0199】
本発明の第1の可能な実施形態では、所与の特定の介入について、すべてのフィールドエンジニアが、それらのフィールドエンジニアの特定の技能等級に関係なく、同じワークフローを提示される。
【0200】
代替の実施形態では、所与の特定の介入について、フィールドエンジニアに提示されるワークフローは、そのフィールドエンジニアの独自の技能等級に依存する。フィールドエンジニアがエキスパートである場合、そのフィールドエンジニアには、より高いレベルのワークフローが提示される。それ以外の場合、提示されるワークフローは、より詳細なものであるか、または、フィールドエンジニアにとって役立つ文書および技術基準へのアクセスをどのような場合でも可能にするものである。第1の場合は、オペレーショナルマネージャOMによる、リストに入れられるべきワークフローの選択は、したがって、実行されるべき介入のタイプのみを考慮して行われるのに対して、第2の場合は、フィールドエンジニアのプロファイル、特に、当該の介入を実行するために必要とされる技能を基準とした、そのフィールドエンジニアの技能等級が、考慮に入れられる。
【0201】
再び、本発明の代替の実施形態では、パーソナルプロキシPP上のワークフローの起動は、リソースプロキシRP上の協働ワークフローの起動を含まない。パーソナルプロキシPP上のワークフローは、何らかの所与のデータ/測定結果を収集するため、機器上での所与のアクティビティの実行を要求するため、または、可能なコマンドラインインタフェースへのリモートアクセスを利用可能にするために、リソースプロキシRP上の特定のワークフローを、対話方式で起動するのみである。そのワークフローは、要求されたものを実行し、パーソナルプロキシPPに結果を返す。この場合、リソースプロキシRPは、パーソナルプロキシPPによって導かれるオペレータが何を行っているかを知らない。これは、最後のステップにおいて、パーソナルプロキシPP上のワークフローは、フィールドエンジニアによって実行された介入の結果を確認するようにリソースプロキシRPに要求することを、前記介入が正常に実行されたと見なす前に行わなければならないということを含意する。
【0202】
既に示したように、コールセンタアドバイザを支援する手順は、カスタマのパーソナルプロキシPP上のワークフローを、必要な場合にいつでも起動することを可能にする。これは、パーソナルプロキシがアクティブであることを必要とする。パーソナルプロキシPPの起動は、オペレータのパーソナルプロキシPPからの起動の要求により、自動的に発生するか、または、さもなければ、カスタマによるパーソナルプロキシPPの起動により、手動モードで発生してもよい。この後者の場合、パーソナルプロキシPP自体は、カスタマの装置上にすでに存在し、起動される必要があるのみであってもよく、または、さもなければ、遠隔位置から、特に、意図的に提供されるインターネットサイトから、カスタマがそれをダウンロードしてもよい。代替の実施形態では、前記手順は、カスタマのパーソナルプロキシPP上のワークフローの起動を想定しない。コールセンタアドバイザは、質問−応答パラダイムによってカスタマと相互作用し、多くても、何らかの特定のアクションの実行をカスタマに要求するのみである。
【0203】
さらに、カスタマを支援する手順は、パーソナルプロキシPPが、カスタマによって報告された機能不良を解決するためにコールセンタアドバイザに連絡する必要を検出したら、コールセンタに連絡するようにカスタマに提案する代わりに、コールセンタアドバイザのパーソナルプロキシPPとのセッションを直接起動する、代替の実施形態も想定する。
【0204】
オペレータ間の協働に関しては、以下に記載することを再び注記することができる。図7を参照して説明した手順は、オペレータ間のセッションを開くためにPPによって使用される、または、さもなければ、オペレータに提示される、連絡されるべきオペレータの名前の順序立ったリストを準備することを想定する。前記リストは、動的な方法で作成される。パーソナルプロキシPPは、協働セッションを開く必要があるときに、オペレーショナルマネージャOMに、連絡されるべきオペレータのリストを作成するように要求し、必要とされる指示(例えば、オペレータによって実行されるアクティビティの、および前記アクティビティのために要求される技能の指示)をオペレーショナルマネージャOMに提供する。オペレーショナルマネージャOMは、エキスパータイズインベントリEIに問い合わせ、得られた情報に基づいて、要求されたリストを(同じ仮想チームのオペレータを入れて、または、他のチームのオペレータさえも入れて)作成する。リストは、オペレータの技能に従って、そして、異なるチームの場合は、チームに従って順序付けられる(最初に、同じ仮想チームのオペレータが、技能の等級の高い順に入れられ、次に、その他のチームのオペレータが、再び、技能の等級の高い順に入れられる)。最後に、オペレーショナルマネージャOMは、作成されたリストを、パーソナルプロキシPPに送る。
【0205】
前に提示された実施形態の代替の実施形態では、パーソナルプロキシPPは、1人のオペレータと、2人以上のその他のオペレータとの間のセッションを開いてもよく、それらのオペレータは、協働作業を支援するためのツールを含むさまざまなツールを介して相互に作用してもよい。
【0206】
さらに、カスタマとオペレータとの間の協働の場合、カスタマとオペレータとの間のセッションを開くためにパーソナルプロキシPPによって使用される、または、さもなければ、カスタマに提示される、連絡されるべきオペレータのリストの、オペレーショナルマネージャOMによる動的作成の、同じ様式が適用される。
【0207】
次に、上に提示した実施形態の代替の実施形態における、パーソナルプロキシPP上でのオペレータプロファイルの管理を考慮すると、各PPは、関連付けられたオペレータのプロファイルに加えて、その他のオペレータプロファイルも維持する(これは、パフォーマンスの理由のために行われる。このようにして、連絡されるべき他のオペレータのデータにアクセスするための時間が減少する)。特に、第1の代替案は、前記データが、パーソナルプロキシPPが関連付けられたオペレータの仮想チームと同じ仮想チーム内の、すべてのオペレータに言及しなければならないということを想定する。第2の代替案も可能であり、それによれば、パーソナルプロキシPP上に記憶されるオペレータプロファイルに関するデータは、対象となる仮想チーム内のオペレータのサブセットに言及し、特に、チームに要求されるマクロ技能を高度に備えたオペレータに関係する。各マクロ技能について、1つ以上のプロファイルが選択される。これらのプロファイルは、特定のマクロ技能に関するエキスパート(すなわち、そのオペレータの技能は、所与の仮想チームのオペレータのうちで最高である)のオペレータのプロファイルである。前記データが最初にダウンロードされる方法、および、その後更新される方法は、パーソナルプロキシPPに関連付けられたオペレータのプロファイルについて説明したものと比較して変わりはない。ただし、この場合、パーソナルプロキシPPに転送されるデータの中に、いずれのデータが、パーソナルプロキシPP自体に関連付けられたオペレータのプロファイルに言及するかの指示も存在する。
【0208】
さらなる実施形態における、オペレータプロファイルの管理は、パーソナルプロキシPPがいかなる特定のオペレータにも、事前に関連付けられていないという意味で、完全に動的である。所与のオペレータとの関連付けは、オペレータが認証した場合に行われる。この場合、オペレータによる認証に続いて、プロキシPPは、オペレーショナルマネージャOMに、オペレータによって供給された認証データを転送し、前記オペレータに関するプロファイルデータをダウンロードするようにオペレーショナルマネージャOMに要求する。オペレーショナルマネージャOMは、供給された信任状の正しさの事前検査の後で、当該のプロファイルのデータをPP上にダウンロードする。さらに、この場合、オペレーショナルマネージャOMがパーソナルプロキシPPに、パーソナルプロキシPPに関連付けられたオペレータのプロファイルのデータのみでなく、その他のオペレータのプロファイルのデータも、上に示したのと同じ選択肢(オペレータの仮想チームのすべてのオペレータに言及するデータ、または、仮想チームのオペレータのサブセットに言及するデータ)を使用して送る、代替の実施形態を想定することが可能である。
【0209】
オペレータを支援するためのワークフローの管理の手順に関しては、前述したものを基準にして、ワークフローをダウンロードするために採用される様式の、代替の実施形態を想定することが可能である。
【0210】
第1の実施形態は、パーソナルプロキシPPの起動時に、オペレータを導くためのすべてのワークフローが、そのパーソナルプロキシPP上にダウンロードされることを想定する。
【0211】
第2の実施形態によれば、代わりに、(パーソナルプロキシPPがオペレータに、静的な方法で関連付けられるか、または動的な方法で関連付けられるかにより)パーソナルプロキシPPの起動時に、またはオペレータの認証の後で、オペレータを導くためのすべてのワークフローが、特定の仮想チームのみに適用できる、可能なワークフローを除いて、パーソナルワークフローPP上にダウンロードされる。特定の仮想チームのみに適用されるワークフローは、それらのチームによって管理される機器の特性に基づいて、および/または、チームのメンバーの特定の技能に基づいて、定義することが可能である。
【0212】
最後に、第3の実施形態によれば、パーソナルプロキシPPの起動時に、またはオペレータ認証の後で、PPが関連付けられたオペレータの技能と適合するワークフローのみが、パーソナルワークフローPP上にダウンロードされる。
【0213】
採用される、可能な代替の実施形態に基づいて、インタフェースPIの機能も変化してもよい。特に、インタフェースPI上でフィールドエンジニアによって受け取られる唯一の指示が、そのフィールドエンジニアが行く必要のあるサイトに関する指示である場合、インタフェースPIは、フィールドエンジニアに、所与のサイトにおいて行われるべき(フィールドエンジニアのプロファイルと適合する)介入の組を提示し、そして、実行される介入を選択し、その介入を担当するのは、フィールドエンジニア自身である。
【0214】
したがって、本発明の基礎となる原理を損なうことなく、詳細および実施形態は、単に例として本明細書に記載されたものを基準として、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱することなく、かなりであっても変化してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
−複数の端末装置(TD)と、
−少なくとも1つの遠隔マネージャリソース(MM)とを含む、分散型オペレーションシステムであって、
各端末装置は、プロキシエージェント(PP)を含み、前記プロキシエージェントは、ワークフローまたはルールを処理するための、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジン(PE)と、前記ワークフローまたはルールの少なくとも部分を表すための、ユーザインタフェース(PI)とを含み、
前記遠隔マネージャリソースは、前記端末装置への、前記ワークフローまたはルールの伝送を管理するように構成される、分散型オペレーションシステム。
【請求項2】
前記プロキシエージェントは、前記ワークフローまたはルールの処理中に、さらなる装置(NA)のソフトウェアアプリケーション(RP)と情報交換を行うための、相互接続インタフェースを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記さらなる装置の前記ソフトウェアアプリケーションは、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジン(PE)を含み、前記端末装置の前記プロセスエンジンは、前記相互接続インタフェースを介して、前記さらなる装置の前記プロセスエンジンと相互作用するように構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースは、対話型インタフェースである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記プロキシエージェントのオペレーションを調整するように構成された、オペレーショナルエージェント(OA)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記オペレーショナルエージェントを管理および制御する機能を有する、オペレーショナルマネージャ(OM)をさらに含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記端末装置によって形成される下位レイヤと、管理および制御機能を有するオペレーショナルマネージャ(OM)を含む上位レイヤとを含む、階層アーキテクチャを備えた、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記階層アーキテクチャは、オペレーショナルエージェント(OA)を含む中間レイヤを含み、前記オペレーショナルエージェントは、前記プロキシエージェントのオペレーションを調整するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記オペレーショナルエージェントは、それぞれの、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジン(PE)を含む、請求項5または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記オペレーショナルマネージャは、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジン(PE)を含む、請求項6または7に記載のシステム。
【請求項11】
前記端末装置の前記プロキシエージェントは、相互動作関係で、直接相互作用するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
ワークフローまたはルールによって定義されるプロセスのリポジトリ(ODB)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
データモデルのリポジトリ(ODB)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記ワークフローまたはルールを前記端末装置に分散するための、コントロールエージェント(CA)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記ワークフローまたはルールの処理に関連したパフォーマンスデータを記憶するための、パフォーマンスデータベース(PDB)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記プロキシエージェントによって実行されたプロセスを記憶するための、オペレーショナルログ(OL)をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
ネットワーク機器への介入を管理するように構成された、請求項1〜16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記ワークフローまたはルールは、前記介入の実行対象となるネットワーク機器の状態に応じたものである、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
ワークフローまたはルールを処理するための、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンを備えた、プロキシエージェント(PP)と、前記ワークフローまたはルールの処理中にユーザと相互作用することを可能にする、ユーザインタフェース(PI)とを含む、端末装置。
【請求項20】
前記プロキシエージェントは、遠隔マネージャリソース(MM)から、ワークフローまたはルールをダウンロードするように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
ポータブル装置である、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記プロキシエージェントは、さらなる装置のソフトウェアアプリケーションとの通信を、前記装置と情報を交換するために行うための、相互接続インタフェース(IN)を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記さらなる装置の前記ソフトウェアアプリケーションは、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジン(PE)を含み、前記プロキシエージェントの前記プロセスエンジンは、前記ソフトウェアアプリケーションの前記プロセスエンジンと協働するように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記ソフトウェアアプリケーションは、プロキシエージェント(RP)を含む、請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
前記端末装置の前記プロキシエージェントは、前記さらなる装置の前記プロキシエージェントとの通信セッションを自動的に起動するように構成される、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記プロキシエージェントを、遠隔位置からダウンロードするように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項27】
前記ユーザインタフェースは、グラフィカルインタフェース(GUI)を管理する、請求項19に記載の装置。
【請求項28】
前記プロキシエージェントは、前記ワークフローまたはルールの処理中の情報を記録するように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項29】
ユーザによって前記プロキシエージェントが起動されるように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項30】
ユーザまたはネットワーク機器への介入を管理する方法であって、
−前記ネットワーク機器への介入を管理するための介入管理プロキシエージェント(PP)の、分散型アーキテクチャを提供するステップ(前記介入管理プロキシエージェントは、端末装置に関連付けられ、ワークフローまたはルールベースエンジンを含む)と、
−少なくともユーザまたはネットワーク機器への介入を、前記介入管理プロキシエージェントのうちの1つを介して、前記機器と関連付けられた少なくとも1つの管理リソースとの対話形式(PTP)で実行するための、命令信号を生成するステップ(それにより、前記命令信号は前記機器の状態に応じたものとなる)と、を含む方法。
【請求項31】
前記管理リソースは、前記機器と関連付けられた、そして、ワークフローベースまたはルールベースのプロセスエンジンを備えた、リソースプロキシエージェント(RP)を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記介入管理プロキシエージェントのそれぞれは、1つの端末装置と関連付けられ、1つのワークフローまたはルールベースエンジンを含むことを特徴とする、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
前記指示の少なくとも部分を表すため、および実行されるワークフローまたはルールと相互作用するために、前記介入管理プロキシエージェント(PP)のパーソナルインタフェース(PI)と関係するステップを含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記分散型アーキテクチャを、
−前記介入管理プロキシエージェント(PP)のオペレーションを調整する、オペレーショナルエージェント(OA)のレイヤと、
−管理および制御機能を有し、前記オペレーショナルエージェント(OA)のオペレーションを監視する、オペレーショナルマネージャ(OM)を含むレイヤと、
を含む階層レイヤに配置するステップを含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
複数の前記介入管理プロキシエージェント(PP)上での介入の分散実行を、前記オペレーショナルエージェント(OA)に割り当てるステップを含むことを特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記分散型アーキテクチャを階層レイヤに配置するステップを含み、1つのレイヤは、管理および制御機能を有する、そして、前記介入管理プロキシエージェント(PP)のオペレーションを直接調整する、オペレーショナルマネージャ(OM)を含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項37】
前記介入管理プロキシエージェント(PP)のそれぞれに、1人のオペレータまたはカスタマを支援するタスクを割り当てるステップを含み、それにより、前記介入の実行は、前記管理および制御機能から分離されることを特徴とする、請求項34または36に記載の方法。
【請求項38】
前記介入管理プロキシエージェント(PP)に、プロセスエンジン(PE)を提供するステップを含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項39】
前記分散型アーキテクチャ内のすべての前記レイヤに、プロセスエンジン(PE)を提供するステップを含むことを特徴とする、請求項34または36に記載の方法。
【請求項40】
前記プロセスエンジン(PE)は、ワークフローベースまたはルールベースであることを特徴とする、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
提供されるそれぞれの命令情報に基づいてそれぞれの機能を実行するように構成された構成要素(PP、OA、OM)を、前記レイヤ内に含めるステップを含むことを特徴とする、請求項34または36に記載の方法。
【請求項42】
前記命令情報内に、
−ワークフローおよびルールのうちの少なくとも1つを含む、プロセス定義、および
−データモデル定義、
のうちの少なくとも1つを提供するステップを含むことを特徴とする、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記介入管理プロキシエージェント(PP)を、相互動作関係で、直接相互作用するように構成するステップを含み、それにより、前記命令信号のうちの少なくとも1つは、介入管理プロキシエージェント(PP)間の相互作用により生成されることを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項44】
前記介入管理プロキシエージェント(PP)を、前記リソースプロキシエージェント(RP)とのピアツーピア(PTP)相互作用のために構成するステップを含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項45】
前記分散型アーキテクチャの少なくとも1つのレイヤに関連付けられたコントロールエージェント(CA)を、
−前記分散型アーキテクチャの前記レイヤに、プロセス定義を分散するステップと、
−前記分散型アーキテクチャの前記レイヤに、データモデル定義を分散するステップと、
−前記分散型アーキテクチャの前記レイヤの状態を監視するステップと、
からなる群から選択された少なくとも1つのステップを実行するために提供するステップを含むことを特徴とする、請求項34または367に記載の方法。
【請求項46】
マネージャモジュール(MM)を、
−前記コントロールエージェント(CA)を介した、前記分散型アーキテクチャの前記レイヤへのプロセス定義の前記分散を管理するステップと、
−前記コントロールエージェント(CA)を介した、前記分散型アーキテクチャの前記レイヤへのデータモデル定義の前記分散を管理するステップと、
−前記コントロールエージェント(CA)を介して、前記分散型アーキテクチャの前記レイヤの前記状態を監視するステップと、
からなる群から選択された少なくとも1つのステップを実行するために提供するステップを含むことを特徴とする、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
少なくとも1つのコンピュータのメモリ内にロード可能であり、かつ、請求項30〜46のいずれか一項に記載の方法を実行するためのソフトウェアコード部分を含む、コンピュータプログラムプロダクト。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−50951(P2013−50951A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−184168(P2012−184168)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2008−523263(P2008−523263)の分割
【原出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(503148270)テレコム・イタリア・エッセ・ピー・アー (87)