説明

分散ポリマー

一つ又は複数のウレア基を有するウレア骨格とそこから伸びるポリマー側鎖を持つ顔料分散ポリマー。前記分散ポリマーは酸官能性樹脂と一つ又は複数の反応性カルボジイミド基を有する化合物を反応させて得られる。前記酸官能性樹脂は酸官能性ポリエステル、酸官能性アクリル類樹脂、酸官能性ポリエーテル、脂肪酸などを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2006年5月31に出願された継続中の米国仮出願No.60/803,573に対して優先権を主張し、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
一般的に、被覆組成物には液体キャリア、被覆形成ポリマー、架橋(硬化)剤、顔料、体質顔料(extenders)、及びこれに限定されないが顔料分散剤等の添加剤が含有されている。顔料は不溶性の粒子で、液体キャリア中に分散されており、色(color)、不透明度(opacity)、硬度、耐久性、耐食性などの特性をもたらす。顔料粒子は天然、合成、無機、有機いずれのものでもよく、細かく砕かれて粉末状形態のようにになっていてもよい。体質顔料は、コストの低減、耐久性の向上、外観の調整、レオロジー制御の目的で、充填剤としてしばしば被覆組成物に含有されるものであるが、同時に、被覆組成物の他の特性にも影響を与えることがある。本明細書中では、用語「顔料」には顔料と体質顔料粒子の両方を含むものとする。
【0003】
顔料粒子の表面の液体キャリアでの被覆を、顔料を「濡らす(wetting)」あるいは「分散する(dispersing)」という。液体キャリア中に懸濁した顔料粒子の結果として生じた混合物を、一般的に「顔料分散体」と呼ぶ。顔料が適切に分散されていない場合、顔料粒子が表面力によって寄り集まってできた塊(cluster)が存在することがある。このような状態を通常「凝集」という。顔料粒子の塊は、機械力を与えることによって砕け、また顔料分散剤を添加することによって安定化しうる。分散剤(dispersing agents)としても知られる顔料分散剤は、液体媒体中での顔料の懸濁物の安定性を向上させる。さらに、顔料分散剤は、液体キャリアと顔料粒子の界面に作用し、それにより「軟凝集」を防ぐ。「軟凝集」とは、すでに分散された顔料粒子の塊が形成されることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、新規なポリマー分散剤と、該ポリマー分散剤を含有する顔料分散体、被覆若しくは着色(pigmented)組成物に関する。該分散剤は、液体キャリア中での顔料の分散に適合されており、様々なフィルム形成ポリマーに適合する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、一般式(1)で表される顔料分散ポリマーに関する。
【化1】

【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
概して、本発明の顔料分散ポリマーは、少なくとも一つのウレア基と一つ以上の側鎖を有する骨格を持つ。本発明の顔料分散ポリマーは、一つ以上のウレア基であって、そこから伸びた側鎖を有する該ウレア基を有する骨格を形成することが可能な、いかなる反応によっても形成できる。ある実施態様において、該分散ポリマーは、(A)カルボジイミド含有化合物と(B)酸官能性樹脂との反応により得ることができる。酸官能性樹脂は、側鎖(R1)を形成する。酸官能性樹脂としては、ポリエステル、脂肪酸、ポリエーテル、アクリルなどのポリマーが例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0007】
該顔料分散ポリマーの骨格は、少なくとも一つの反応性カルボジイミド基を有するポリマーから形成される。本発明では、一つ以上のカルボジイミド基を有する化合物を使用できる。本発明のある実施態様において、有用なカルボジイミドは、複数の繰り返しのカルボジイミド基を有する。例えば、本発明のある実施態様において、カルボジイミド基の数は4以上、つまり、一般式(1)中のxは4以上であってもよい。市販のカルボジイミド化合物としては、ダウ・ケミカルのZoldine XL−29SEや日清紡のCarbodilite V−02,V−04,E−01,E−02などが挙げられる。
【0008】
カルボジイミドはカルボン酸と反応し、アシル−ウレア基を形成する。該顔料分散剤を形成するためには、カルボジイミド含有ポリマーをカルボン酸官能性を有する樹脂、例えば酸官能性ポリエステル、脂肪酸、酸官能性ポリエーテル及び酸官能性アクリルなど、と反応させてもよい。カルボン酸官能性を有する樹脂は、該顔料分散ポリマーの側鎖(R1)を形成する。側鎖(R1)としては、下記一般式(2)で表されるポリエステルが例示される。
【化2】

【0009】
式中、R2はH、アルキル基、またはエステル鎖である。yはいずれの整数であってもよく、例えば約1〜約20の整数である。側鎖(R1)としては、また、下記一般式(3)および(4)で表されるポリエステルや、脂肪酸も例示される。
【化3】

【化4】

【0010】
式中、R3はアルキル基を含んでいてもよく、zはいずれの整数であってもよく、例えば約5〜約60の整数である。R4はH若しくはCH3またはこれらの混合である。本発明の顔料分散ポリマーは、一つ以上の前記側鎖あるいは他の側鎖を有するポリマーの混合物であってもよい。
【0011】
該顔料分散剤の調製に使用される酸官能性ポリエステルは、種々の公知の方法で生成できる。ある有用な実施態様において、酸官能性ポリエステルは、単官能の酸、つまりカルボン酸基を一つのみ有する酸、が挙げられる。
【0012】
ポリエステル樹脂の製造方法は公知であり、通常、ポリオール成分を酸および/または無水物成分と共に加熱する。その際、触媒を使用しても良い。また、反応を完全に行わせるために、通常、副生成物である水を除去しながら反応させる。一般に、ポリオール成分の平均官能基数は少なくとも約2である。ポリオール成分には、一官能、二官能、三官能、さらに高官能のアルコール類が含まれれていてもよい。ある実施態様において、ジオール類を用いてもよい。また、ポリエステル樹脂に分岐を持たせたい場合には、高官能のアルコール類を使用してもよい。その具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びネオペンチルグリコールなどのアルキレングリコール類およびポリアルキレングリコール類、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、水素化ビスフェノールA並びにヒドロキシアルキル化ビスフェノール類、ポリエーテルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール類並びに飽和及び不飽和ポリオール類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。代表的なポリオール希釈剤としては、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ノルボルニレングリコール、1,4−ベンゼンジメタノール、1,4−ベンゼンジエタノール、2,4−ジメチル−2−エチレンヘキサン−1,3−ジオール、2−ブテン−1,4−ジオール等のジオール類、およびトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールヘキサン、トリエチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオール類が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
酸および/または無水物成分には、平均して少なくとも2つのカルボン酸基を有する化合物および/またはその無水物が含まれていてもよい。例えば、ジカルボン酸またはジカルボン酸の無水物が用いられてもよい。しかしながら、ポリエステル樹脂に分岐を持たせたい場合には、高官能の酸や無水物を使用できる。約3〜約20個の炭素原子を含むポリカルボン酸または無水物が好ましいが、これに限定されるわけではない。適切な化合物の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ピロメリット酸、コハク酸、アゼライン酸、アジピン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ドデカン−1,12−ジカルボン酸、クエン酸、トリメリット酸及びこれらの無水物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
本発明で好ましく用いられる酸官能性ポリエステルは、一般式HOOC−R−COOHで表される二塩基酸(ジカルボン酸)をジオールと反応させて得ることができ、一酸官能性あるいは二酸官能性のポリエステルである。本発明のある実施態様において、モル当量の二塩基酸とジオールを反応させて、一酸官能性ポリエステルを得てもよい。また、モル過剰の二塩基酸を反応させて、二酸官能性ポリエステルを得てもよい。そのような実施態様において、二酸官能性ポリエステルをヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ウンデカノール及びエチレングリコールブチルエーテルなどの一官能アルコールと反応させて、二酸官能性ポリエステルの一つの酸基をキャップすることで、一酸官能性ポリエステルを得ることができる。また、酸官能性ポリエステルを得る他の方法として、二塩基酸をモル当量のジオールと反応させて、反応槽中の生成物の酸価をモニタリングしながら、生成物が所望の酸価になった時点で反応を停止する、という方法もある。ある実施態様において、該所望の酸価は、高濃度の酸官能性樹脂を示唆しうる。
【0015】
一酸官能性ポリエステルを得る他の方法として、ヒドロキシ官能性の酸によって開始するラクトンあるいはポリカプロラクトンの開環重合が挙げられる。そのようにして得られたポリエステルは通常、1つ又は複数の末端水酸基を有する。
一酸官能性ポリエステルを得る他の方法として、例えば、2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(ジメチロールプロピオン酸又はDMPAとも呼ばれる)によって開始するカプロラクトンの開環重合も好ましい。また、ジメチロール酪酸とカプロラクトンの反応により、カルボキシル変性ポリカプロラクトン、特に、ペンダントカルボン酸官能基を有するポリカプロラクトンポリエステルジオールを得るのも好ましい。その他のヒドロキシ官能性の酸とラクトンも、顔料分散剤を調製するための酸官能性ポリエステルを得るのに好ましく使用される。いかなる特定の理論にもしばられることなく、カプロラクトンは、ポリスチレンを標準物質とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した個数平均分子量が約500より大きい、例えば約1000〜約6000となる範囲内で、修飾されることが最も好ましいと考えられる。これらのポリエステルは側鎖に水酸基を持ち、後に続く反応で、メラミン、イソシアネート又は無水物などの架橋剤と反応させることができるという利点がある。市販の酸官能性ポリカプロラクトンポリエステルジオールの例としては、SolvayのCAPAポリエステルジオールとGEO Speciality ChemicalsのDICAPポリエステルジオールなどが挙げられる。
開始アルコールとして2−エチルヘキサノール、触媒としてジブチルジラウリン酸錫を使用して、カプロラクトンと環状無水物を反応させて得られるポリエステルは末端酸性基を有し、本発明において好ましく使用される。
【0016】
また、酸官能性ポリカプロラクトンポリエステルジオールの片方または両方の水酸基を、1つ以上の一官能酸R−COOHでキャッピングしたものも好ましい。ある有用な実施態様において、Rは約4〜約18、例えば約11〜約12の炭素原子を有していても良い。好ましい一官能カルボン酸の例としては、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸(9−オクタデカン酸)、リノール酸、リノレン酸、ステアロル酸(stealoric acid)、大豆脂肪酸、および他の脂肪酸などが挙げられる。これらは一般式(2)で表されるようなポリエステルを生成し、式中、R2は上記酸性基由来のエステル鎖(O=C−R)である。例えば、2モルの一官能酸を、上記ポリエステルの水酸基と反応させて、両水酸基がエステル鎖でキャップされた一酸官能性ポリエステルを生成してもよい。
酸官能性エポキシエステルも好ましく使用される。例えば、エポキシエステルは1モルの一官能エポキシ(Hexion Speciality Chemicals, Inc.のCARDURA等)と1モルの二塩基酸と反応させることで得ることもできる。
【0017】
また、脂肪酸も好ましく使用される。例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸(9−オクタデカン酸)、リノール酸、リノレン酸、ステアロル酸等の約12〜約18個の炭素原子を持つ脂肪酸、又はこれらの混合物、例えば大豆脂肪酸、および他の脂肪酸などを、カルボジイミド基と反応させて本発明の顔料分散剤を生成することもできる。
【0018】
また、好ましい酸官能性樹脂は、無水物と一ヒドロキシル官能ポリエーテルまたは一アミノ官能性ポリエーテルとの反応で得ることができる。好ましく使用される一ヒドロキシル官能または一アミノ官能ポリエーテルとしては、ポリプロピレングリコールやポリエチレングリコールやそれらのコポリマーのモノエーテル、HuntsmanのJEFFAMINE(登録商標)モノアミン類などが挙げられる。好ましい無水物としては無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられるが、これらに限定されない。上記反応によって、カルボジイミド基と反応可能な一酸官能性グリコールが生成される。
好ましい酸官能性樹脂の酸価は、通常約5〜約100、例えば約20〜約60、さらには例えば、約30である。
【0019】
本発明のポリマー分散剤を生成するには、カルボジイミド化合物と酸官能性樹脂を混ぜて、室温あるいは約80〜約120℃、例えば、約85〜約90℃に加熱して、溶剤の存在下で反応させてもよい。使用可能な溶剤としてはメチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン及びアセトン等のケトン類;メタノール、エタノール、イソプロパノール及びブタノール等のアルコール類;酢酸エチル及び酢酸ブチル等のエステル類;エチレングリコール及びプロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノブチルエーテル及びプロピレングリコールメチルエーテル等のエーテル類;並びに、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等の混合エーテルアセテート類が挙げられる。さらに、トルエン、キシレン、ナフサ等の芳香族溶剤、および上記溶剤の混合物も使用可能である。カルボジイミド化合物と酸官能性樹脂の反応は完結するのに約3〜約7時間かかってもよい。酸価滴定により測定した酸価が頭打ちになった(減少しなくなった)時、反応が完結したと考えられる。
【0020】
カルボジイミドと酸官能性樹脂のカルボン酸はモル比で約0.5:1〜約5:1、例えば約1:1、約1.5:1、及び約2:1などの割合で混合してもよい。本発明の顔料分散ポリマーの酸価は、0〜約50、例えば、0〜約10である。本発明の顔料分散ポリマーのGPCにより測定される数平均分子量は、少なくとも約500〜約50000、例えば、約2000〜約20000、さらには例えば、約3000〜約12000、さらに例えば、約3000〜約6000である。
【0021】
いかなる特定の理論に縛られることなく、本発明の顔料分散ポリマーは、ウレア骨格とそこから伸びるポリマー側鎖を持つ櫛構造を持つと考えられる。ウレア骨格は顔料に多数のアンカー部位を供し、ポリマー側鎖は顔料の周囲に弾性層を供すると考えられる。
【0022】
本発明の顔料分散ポリマーは、塗料やインクなどに適用される顔料分散体を形成するのに用いることができる。例えば、分散剤を含有した液体キャリアに顔料を添加して、高速ミキサー、ボールミル、連続ミル等の従来の分散技術によって該液体キャリア中に分散される。形成された顔料分散体中での分散剤の顔料に対する重量比は約1〜約200%である。
【0023】
従来の塗料に使われるいかなる顔料も本発明の顔料分散体を形成するために使用することができる。例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイトブラック、透明および不透明の弁柄および鉄黄、チタン酸ニッケルイエロー、バナジン酸ビスマスイエロー、キナクリドンレッド(quinnacridone reds)、キナクリドンマゼンタ(quinnacridone magentas)、キナクリドンパープル(quinnacridone purples)、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、ナフトレノラト銅イエロー(naphthlenolato copper yellow)、イソインドリノンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジケトピロロピロールオレンジ、ジケトピロロピロールレッド、アントラキノンレッド、オキサジンバイオレット、インダンスレンブルー等の有機および無機顔料、アルミニウムやパリオクロム(paliochromes)等の金属顔料、雲母やキシラリック(xirallics)等の乳白色顔料が挙げられるが、これらに限定されない。金属顔料にはさらに、微細および粗大アルミニウム、コーンフレーク大〜パンケーキ大のアルミニウム、着色アルミニウムも含まれるがこれらに限定されない。その他、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、そしてリン酸亜鉛等の耐腐食性顔料も好ましく使われる。
【0024】
顔料分散体には、必要に応じて酸化防止剤、流動制御剤、ヒュームドシリカ等のレオロジー制御剤、マイクロゲル、UV安定剤、遮蔽剤、消光剤、吸収剤等の材料を含有させても良い。
【0025】
本発明の顔料分散剤は、下塗剤(primers)、下地用の塗料(プライマー・サーフェサー)、上塗剤(topcoats)などの様々な油性(solvent borne)あるいは水性塗料に使用することができる。これらは、モノコート(monocoats)又はクリアコート/ベースコート仕上げの下塗り(basecoats)であってもよい。これらの塗料は、被覆形成成分として、アクリル、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリウレタン分散体、アクリル−ポリウレタン分散体混成物、アルキド、変性アルキド、又はこれらの種類の被覆ビークル(coating vehicle)の混合物を含有してもよく、また、イソシアネート、メラミン、アミノ樹脂等の架橋剤を含有してもよい。分散ポリマーは、架橋剤や硬化剤と反応する官能性を持つことが好ましい。例えば、顔料分散剤の側鎖のヒドロキシル官能性により、メラミンやイソシアネート等の硬化剤と反応することができる。
【0026】
本発明の顔料分散ポリマーは、例えば塩素化ポリオレフィン樹脂とヒドロキシ官能性樹脂のように、異種あるいは非相溶の樹脂系を混合するための相溶剤としても使用することができる。
以下に本発明の実施例を示す。
【実施例】
【0027】
(樹脂例R1)
攪拌機、コンデンサー、熱伝対及び窒素導入管を備えた3リットルの反応槽に、モノカルボン酸官能性ポリカプロラクトンジオール(GEO Speciality ChemicalsのDICAP 2020)を1024.8g入れ、窒素雰囲気下80℃に加熱した。次に、カルボジイミドの繰り返し単位を4.5持つポリカルボジイミド(Dow ChemicalのZoldine XL−29SE)を660.6g、該反応槽へ加えた。反応混合物を90℃で3時間保った後、キシレンを986.0gとプロピレングリコールメチルアセテートを328.7g加え、該溶液を取り出した。反応溶液は固形物含量が44.3重量%、ガードナー色数が1、密度が8.22lb/gal、酸価が2.17mgKOH/g、ガードナー粘性がG、GPCによるMnが5018、Mwが16343であった。
【0028】
(樹脂例R2)
攪拌機、コンデンサー、熱伝対及び窒素導入管を備えた3リットルの反応槽に、ヘキサヒドロフタル酸無水物を218.9g入れ、窒素雰囲気下130℃に加熱した。該反応槽へ、メトキシポリエチレングリコール(Carbowax 550)を781.1g、2時間かけて徐々に加えた。この反応混合物Aを、次に、さらに2時間、130℃に保った後、取り出した。攪拌機、コンデンサー、熱伝対及び窒素導入管を備えた別の1リットルの反応槽に、該反応混合物Aを224.4gとZoldine XL−29SEを379.1g入れ、窒素雰囲気下3時間、85℃に加熱した後、取り出した。該反応溶液は固形物含量が67.9重量%、ガードナー色数が3.1、密度が8.94lb/gal、酸価が4.0mgKOH/g、ガードナー粘性がM、GPCによるMnが2378、Mwが5646であった。
【0029】
(樹脂例R3)
攪拌機、熱伝対、充填カラム、ディーン・スターク受液器、コンデンサー及び窒素導入管を備えた5リットルの反応槽に、ネオペンタグリコールを534.0g、1,6−ヘキサンジオールを605.0g、アジピン酸を1272.5g、二量体脂肪酸を586.5g及びブチルスタン酸を1.9g加えた。酸価が25mgKOH/gになるまで、充填カラムの最大出口温度を100℃に保ちながら、該反応混合物を徐々に210℃に加熱した。130℃まで冷却した後、n−ブチルアセテートを557.4g加え、この反応混合物Bを取り出した。攪拌機、コンデンサー、熱伝対及び窒素導入管を備えた別の1リットルの反応槽に、反応混合物Bを389.6gとZoldine XL−29SEを118.8g入れ、窒素雰囲気下3時間、85℃に加熱した後、取り出した。該反応溶液は固形物含量が71.5重量%、ガードナー色数が1.9、密度が8.49lb/gal、酸価が7.8mgKOH/g、ガードナー粘性がW、GPCによるMnが3550、Mwが8829であった。
【0030】
(樹脂例R4)
攪拌機、コンデンサー、熱伝対及び窒素導入管を備えた1リットルの反応槽に、大豆脂肪酸を94.5gとZoldine XL−29Eを438.5g入れ、窒素雰囲気下5時間、85℃に加熱した後、取り出した。該反応溶液は固形物含量が58.3重量%、ガードナー色数が4.0、密度が8.39lb/gal、酸価が10.7mgKOH/g、ガードナー粘性がG、GPCによるMnが2070、Mwが5081であった。
【0031】
(樹脂例R5)
攪拌機、コンデンサー、熱伝対及び窒素導入管を備えた1リットルの反応槽に、一酸官能性ポリカプロラクトンジオール(GEO Speciality ChemicalsのDICAP 1000)を255.5g入れ、窒素雰囲気下90℃に加熱した。次に、該反応槽へ、Zoldine XL−29SEを216.2g加えた。該反応混合物を90℃で4時間保った後、プロピレングリコールメチルアセテートを528.3g加え、該溶液を取り出した。該反応溶液は固形物含量が36.1重量%、ガードナー色数が1.4、密度が8.35lb/gal、酸価が13.0mgKOH/g、ガードナー粘性がA1、GPCによるMnが2843、Mwが6105であった。
【0032】
(樹脂例R6)
攪拌機、コンデンサー、熱伝対及び窒素導入管を備えた3リットルの反応槽に、一酸官能性ポリカプロラクトンジオール(DICAP 2020)を422.1g入れ、窒素雰囲気下80℃に加熱した。次に、該反応槽へ、Zoldine XL−29SEを362.8g加えた。該反応混合物を90℃で4時間保った後、キシレンを414.4gとプロピレングリコールメチルアセテートを138.1g加え、該溶液を取り出した。該反応溶液は固形物含量が44.5重量%、ガードナー色数が1.1、密度が8.25lb/gal、酸価が0.4mgKOH/g、ガードナー粘性がG、GPCによるMnが4898、Mwが18049であった。
【0033】
(樹脂例R7)
攪拌機、コンデンサー、熱伝対及び窒素導入管を備えた3リットルの反応槽に、一酸官能性ポリカプロラクトンジオール(DICAP 1000)を418.8g入れ、窒素雰囲気下90℃に加熱した。次に、該反応槽へ、Zoldine XL−29SEを581.2g加えた。該反応混合物を90℃で4時間保った後、キシレンを432.0gとプロピレングリコールメチルアセテートを144.0g加え、該溶液を取り出した。該反応溶液は固形物含量が44.9重量%、ガードナー色数が1.6、密度が8.31lb/gal、酸価が0.3mgKOH/g、ガードナー粘性がE〜D、GPCによるMnが3638、Mwが10482であった。
【0034】
(樹脂例R8)
攪拌機、熱伝対、水平コンデンサー、受液器及び窒素導入管を備えた5リットルの反応槽に、ラウリン酸を175.2g、一酸官能性ポリカプロラクトンジオール(DICAP 2020)を835.8g、Fastcat 4100を1.1g入れた。該反応混合物を徐々に180℃まで加熱し、酸価が25mgKOH/gになるまで保った。90℃に冷却した後、Zoldine XL−29SEを589.0g加えた。該反応液を2時間保った後、キシレンを1574.4gとプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを524.8g加えた。該反応溶液は固形物含量が32.7重量%、ガードナー色数が3.4、密度が7.94lb/gal、酸価が1.6mgKOH/g、ガードナー粘性がA3、GPCによるMnが5063、Mwが14775であった。
【0035】
(樹脂例R9)
攪拌機、コンデンサー、熱伝対及び窒素導入管を備えた2リットルの反応槽に、Jeffamine M−2070を249.9gとヘキサヒドロフタル酸無水物を18.5g入れ、窒素雰囲気下50℃に加熱した。該反応液を2時間保った後、大豆脂肪酸を100.9g加えた。該反応混合物を80℃に加熱した後、Zoldine XL−29SEを630.6g加え、窒素雰囲気下3時間、80℃に保った。次に、脱イオン水を140.0g加えた後、取り出した。該反応溶液は固形物含量が60.5重量%、ガードナー色数が8、密度が8.69lb/gal、酸価が15.0mgKOH/g、ガードナー粘性がV+、GPCによるMnが2839、Mwが7156であった。
【0036】
(塗料例P1)
空気混合機とCowlesブレードを備えた470mlの金属缶に、ヒドロキシル官能性アクリルポリマー(本出願の譲受人の所有物)を169.74g、樹脂例R1で作成した分散剤樹脂を22.46g及びn−ブチルアセテートを60.73g入れ、10分間混合した。この樹脂溶液をせん断しながら、二酸化チタン(Du PontのR−706)を554.77gゆっくりとふるいにかけて加えた。顔料をすべて加えた後、Cowlesブレードを高せん断で60分間稼動した。次に、上記ヒドロキシル官能性アクリルポリマーを138.88g、続けてn−ブチルアセテートを53.43g加えた。その後、該混合物を30分間せん断した。得られた塗料のブルックフィールド粘度を表1に示す。
【0037】
(塗料例P2)
空気混合機とCowlesブレードを備えた470mlの金属缶に、ヒドロキシル官能性アクリルポリマー(本出願の譲受人の所有物)を257.40g、樹脂例R1で作成した分散剤樹脂を38.39g及びn−ブチルアセテートを132.91g入れ、10分間混合した。この樹脂溶液をせん断しながら、タルク(IMIFABI,LLCのBT2004)を346.81gゆっくりとふるいにかけて加えた。顔料をすべて加えた後、Cowlesブレードを高せん断で60分間稼動した。次に、該スラリーをを30分間せん断しながら、上記ヒドロキシル官能性アクリルポリマーを171.60gとn−ブチルアセテートを53.60g加えた。得られた塗料のブルックフィールド粘度を表1に示す。
【0038】
(塗料例P3)
空気混合機とCowlesブレードを備えた470mlの金属缶に、ヒドロキシル官能性アクリルポリマー(本出願の譲受人の所有物)を267.39g、樹脂例R1で作成した分散剤樹脂を39.88g、n−ブチルアセテートを120.99g入れ、10分間混合した。この樹脂溶液をせん断しながら、クレー(Burgess Pigment Company製)を344.41gゆっくりとふるいにかけて加えた。顔料をすべて加えた後、Cowlesブレードを高せん断で60分間稼動した。次に、該スラリーを30分間せん断しながら、上記ヒドロキシル官能性アクリルポリマーを178.26gとn−ブチルアセテートを49.06g加えた。得られた塗料のブルックフィールド粘度を表1に示す。
【0039】
(比較例C1)
空気混合機とCowlesブレードを備えた470mlの金属缶に、ヒドロキシル官能性アクリルポリマー(本出願の譲受人の所有物)を169.31g、Disperbyk−161(Byk Chemie製)を36.56g及びn−ブチルアセテートを54.39g入れ、10分間混合した。この樹脂溶液をせん断しながら、二酸化チタン(Du PontのR−706)を553.37gゆっくりとふるいにかけて加えた。顔料をすべて加えた後、Cowlesブレードを高せん断で60分間稼動した。次に、該スラリーを30分間せん断しながら、上記ヒドロキシル官能性アクリルポリマーを138.53gとn−ブチルアセテートを47.85g加えた。得られた塗料のブルックフィールド粘度を表1に示す。
【0040】
(比較例C2)
空気混合機とCowlesブレードを備えた470mlの金属缶に、ヒドロキシル官能性アクリルポリマー(本出願の譲受人の所有物)を256.29g、Disperbyk−161(Byk Chemie製)を62.40g及びn−ブチルアセテートを117.49g入れ、10分間混合した。この樹脂溶液をせん断しながら、タルク(IMIFABI,LLCのBT2004)を345.31gゆっくりとふるいにかけて加えた。顔料をすべて加えた後、Cowlesブレードを高せん断で60分間稼動した。次に、、該スラリーを30分間せん断しながら、上記ヒドロキシル官能性アクリルポリマーを170.86gとn−ブチルアセテートを47.64g加えた。得られた塗料のブルックフィールド粘度を表1に示す。
【0041】
(比較例C3)
空気混合機とCowlesブレードを備えた470mlの金属缶に、ヒドロキシル官能性アクリルポリマー(本出願の譲受人の所有物)を266.19g、Disperbyk−161(Byk Chemie製)を64.81g及びn−ブチルアセテートを105.78g入れ、10分間混合した。この樹脂溶液をせん断しながら、粘土(Burgess Pigment Company製)を342.87gゆっくりとふるいにかけて加えた。顔料をすべて加えた後、Cowlesブレードを高せん断で60分間稼動した。次に、該スラリーを30分間せん断しながら、上記ヒドロキシル官能性アクリルポリマーを117.46gとn−ブチルアセテートを42.89g加えた。得られた塗料のブルックフィールド粘度を表1に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
塗料例8−10の粘度が低いことから、樹脂例R1で作製した分散剤が市販の分散剤よりも試験したそれぞれの顔料用の分散剤として効果的であることが分かる。
【0044】
(塗料例P4)
470mlの金属缶に、n−ブチルアセテートを66.34g、樹脂例R2で作成した分散剤樹脂を5.11g、ヒドロキシル官能性アクリルポリマー(本出願の譲受人の所有物)を52.35g入れ、ペイントシェーカーで5分間攪拌した。次に、硫酸バリウムを88.05g、二酸化チタンを79.97g、タルクを35.99g、カオリンクレーを32.68g及びカーボンブラックを1.2g加えた。該スラリーをペイントシェーカーで5分間振動させた後、直径2mmのスチール製メディアを160ml加えた。該顔料グラインド(pigment grind)を、さらに60分間振動させた。スチール製メディアを取り出した後、ヒドロキシル官能性アクリルポリマーを52.35gとポリエステル樹脂を30.74g該塗料に加え、振動させて均一化した。得られた塗料の特性を表2に示す。
【0045】
(塗料例P5−P9)
表2に示した分散剤を使用して塗料例P4と同様にして塗料例P5−P9の塗料を作製した。得られた塗料の特性を表2に示す。
【0046】
(比較例C4)
表2に示した分散剤を使用して塗料例P4と同様にして比較例C4の塗料を作製した。得られた塗料の特性を表2に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
実施形態の詳細な説明によって本発明を説明したが、請求項の範囲を限定する意図ではない。さらなる利点や改良は当業者には容易に発想できる。ゆえに本発明は上記の詳細な説明や上記で示され記載された代表的な装置や実施例に限定されるものではない。したがって、本出願人の一般的発明概念の精神と範囲から逸脱することなく、変更が加えてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔料分散剤としての使用に適したポリマーであって、前記組成物が、
(a)酸官能性樹脂と(b)少なくとも一つの反応性カルボジイミド基を有する化合物との反応生成物を含有し、前記反応性カルボジイミド基の前記酸官能性樹脂の酸性基に対するモル比が約0.5:1〜約5:1であることを特徴とする、前記ポリマー。
【請求項2】
前記酸官能性樹脂が一酸官能性ポリエステルであることを特徴とする請求項1のポリマー。
【請求項3】
前記酸官能性樹脂が酸官能性ポリカプロラクトンであることを特徴とする請求項1のポリマー。
【請求項4】
前記酸官能性ポリカプロラクトンが、ジメチロールプロピオン酸により開始されるカプロラクトンの開環重合の生成物であることを特徴とする請求項3のポリマー。
【請求項5】
前記酸官能性樹脂が酸官能性ポリカプロラクトンジオールと一官能性カルボン酸の反応生成物であることを特徴とする請求項1のポリマー。
【請求項6】
前記酸官能性樹脂がヒドロキシルまたはアミノ官能性ポリエーテルと無水物の反応生成物であることを特徴とする請求項1のポリマー。
【請求項7】
前記酸官能性樹脂が脂肪酸であることを特徴とする請求項1のポリマー。
【請求項8】
前記酸官能性樹脂が一酸官能性ポリエステル、酸官能性ポリカプロラクトン、脂肪酸、ヒドロキシルまたはアミノ官能性ポリエーテルと無水物の反応生成物、脂肪酸又はこれらの混合物、のいずれかから選択されることを特徴とするポリマー請求項1のポリマー。
【請求項9】
前記少なくとも一つの反応性カルボジイミド基を有する化合物が、少なくとも4つの反応性カルボジイミド基を有することを特徴とする請求項1のポリマー。
【請求項10】
数平均分子量が少なくとも約500であることを特徴とする請求項1のポリマー。
【請求項11】
数平均分子量が約3000〜約12000であることを特徴とする請求項1のポリマー。
【請求項12】
反応性カルボジイミド基の前記酸官能性樹脂の酸性基に対するモル比が約1:1〜約2:1であることを特徴とする請求項1のポリマー。
【請求項13】
顔料を液体キャリア中に分散させることが可能な、下記構造式を有することを特徴とするポリマー。
【化1】

(式中、Rはアルキル基であり、R1は1つ以上の、脂肪酸、または下記構造式を有する基:
【化2】

若しくは
【化3】

若しくは
【化4】

である(式中、R2はH、アルキル基、またはエステル鎖であり、R3はアルキル基であり、R4はH若しくはCH3又はそれらの混合である。)。)
【請求項14】
xが4以上であることを特徴とする請求項13のポリマー。
【請求項15】
yが約1〜約20であることを特徴とする請求項13のポリマー。
【請求項16】
zが約5〜約60であることを特徴とする請求項13のポリマー。
【請求項17】
アシルウレア基の繰り返しを有する骨格とそこに結合する1つ以上の側鎖を有するポリマーであって、前記ポリマーは顔料を液体キャリア中に分散し、かつ前記顔料分散ポリマーはカルボジイミド基の繰り返しを有する化合物と1つ以上の酸官能性樹脂を反応させて得られることを特徴とする、前記ポリマー。
【請求項18】
前記1つ以上の酸官能性樹脂が酸官能性ポリカプロラクトンであることを特徴とする請求項17のポリマー。
【請求項19】
前記酸官能性ポリカプロラクトンが1モルの酸官能性ポリカプロラクトンジオールと2モルの一酸官能性酸の反応性生物であることを特徴とする請求項18のポリマー。
【請求項20】
(a)少なくとも1つの顔料;
(b)液体キャリア;及び
(c)下記構造式を有する顔料分散ポリマーを含有することを特徴とする分散体。
【化5】

(式中、Rはアルキル基であり、R1は1つ以上の、脂肪酸、または下記構造式を有する基:
【化6】

若しくは
【化7】

若しくは
【化8】

である(式中、R2はH、アルキル基、またはエステル鎖であり、R3はアルキル基であり、R4はH若しくはCH3又はその混合である。)。)
【請求項21】
xが4以上であることを特徴とする請求項20の分散体。
【請求項22】
少なくとも1つの顔料;及び
1つ以上の反応性カルボジイミド基を有する化合物と酸官能性樹脂または酸官能性樹脂の混合物との反応生成物を含有する顔料分散ポリマー、を含有することを特徴とする分散体。
【請求項23】
前記酸官能性樹脂が一酸官能性ポリエステルであることを特徴とする請求項22の分散体。
【請求項24】
前記一酸官能性樹脂が、ジメチロールプロピオン酸により開始されるカプロラクトンの開環重合の生成物であることを特徴とする請求項22の分散体。
【請求項25】
一つ以上の反応性カルボジイミド基を有する前記化合物が、少なくとも4つの反応性カルボジイミド基を有することを特徴とする請求項22の分散体。
【請求項26】
前記顔料分散ポリマーが、少なくとも1つのアシルウレア基を有する骨格と少なくとも1つの高分子側鎖を有することを特徴とする請求項22の分散体。
【請求項27】
前記少なくとも1つの高分子側鎖がヒドロキシル官能性を有することを特徴とする請求項26の分散体。
【請求項28】
(a)下記構造式を有するポリマー分散剤;
【化9】


(式中、Rはアルキル基であり、R1は1つ以上の、脂肪酸、または下記構造式を有する基:。
【化10】

若しくは
【化11】

若しくは
【化12】

である(式中、R2はH、アルキル基、またはエステル鎖であり、R3はアルキル基であり、R4はH若しくはCH3又はそれらの混合である。)。)
(b)顔料;及び
(c)被覆形成ポリマー
を含有することを特徴とする表面被覆組成物。
【請求項29】
メラミン、イソシアネート及び無水物、又はそれらの混合物のいずれかから選択される架橋剤をさらに含有することを特徴とする請求項28の表面被覆組成物。
【請求項30】
下記構造式:
【化13】

(式中、Rはアルキル基であり、R1は1つ以上の、脂肪酸、または下記構造式を有する基:
【化14】

若しくは
【化15】

若しくは
【化16】

である(式中、R2はH、アルキル基、またはエステル鎖であり、R3はアルキル基であり、R4はH若しくはCH3又はそれらの混合である。)。)
を有する分散ポリマーを準備すること;及び
前記分散ポリマーと前記顔料粒子を前記液体キャリア中に混合すること
を含む、液体キャリア中で顔料粒子を分散させる方法。

【公表番号】特表2009−538969(P2009−538969A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513262(P2009−513262)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/012779
【国際公開番号】WO2007/142992
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(591003150)ザ シャーウィン−ウィリアムズ カンパニー (7)
【Fターム(参考)】