説明

分散型媒体アクセス制御を用いた無線ネットワークにおけるリソース予約

分散型媒体アクセス制御付きの無線ネットワークは、ソースノードと宛先ノードの間で少なくとも1つの中間ノードを介して仮想チャネルの確立を可能にする。該仮想チャネルは、ソースノードと宛先ノードの間で通信の期間全体について確立されてよく、該仮想チャネルを確立するために、要求ハンドラが前記仮想チャネルのための伝送リソースの割り当てを要求する仮想チャネル要求を送信できる。該仮想チャネル要求に基づいて、仮想チャネル確認は前記宛先ノードにより生成でき、該ソースノードに返すことができ、該仮想チャネルのための該リソースの割り当てを示す。通信ハンドラは、前記使用可能な伝送リソースを使用して前記ソースノードから前記宛先ノードにデータを送信できる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分散型媒体アクセス制御付き無線ネットワークにおける仮想チャネルのためのリソースの予約に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信ネットワークはますます普及し、従来のワイヤライン通信ネットワークと共存する、あるいは従来のワイヤライン通信ネットワークに代わる場合もある。無線通信ネットワークによりユーザは、電話端末のユーザ間の電話の会話、あるいはコンピュータデバイス間のデータ通信などのために他のユーザに無線で情報を送信できる。携帯電話は音声通信及び/またはデータ通信で幅広く使用される1つの種類の無線通信装置である。同様に、モバイルコンピュータを、無線通信装置として使用でき、データ伝送のために及び/または音声通信を支援するために無線通信ネットワークに接続するようイネーブルにすることもできる。
【0003】
無線通信ネットワークは、GSM(グローバルシステムフォアモバイルコミュニケーションズ)規格、UMTS(ユニバーサル移動電話システム)等によるネットワーク等の移動体通信ネットワークを含む。モバイルデバイスは、通常、継続通信中にも移動体通信ネットワークの少なくとも1つのカバレージエリア内で自由に移動できる。別のタイプの無線通信ネットワークは、固定無線装置、つまり無線でネットワークに接続されているが、継続通信中に無線ネットワークのカバレージエリアの特定の固定されたローカルエリア内でしか移動することが許されない装置のための通信ネットワークである。
【0004】
追加の種類の無線通信ネットワークは、分散型媒体アクセス付きの無線ネットワーク、つまりリソース等を管理するための中央制御ファシリティを有さないネットワークである。多くの種類の無線通信ネットワークが中央制御ファシリティを利用するが、分散型媒体アクセス制御付きの無線ネットワークは通信リソースに対する分散型アクセスを使用し、本来ネットワークの個々の関与者が互いの間でリソースに対するアクセスを交渉できるようにする。
【0005】
アドホック通信ネットワークは、分散型媒体アクセス制御付きの無線ネットワークとして構成でき、動的な動作と構成のあるネットワークを構成し、リソースの可用性、例えばカバレージエリアは関与しているネットワーク要素またはノードに依存する。
【0006】
技術、ビジネス、規制問題及び社会的行動に関連する多様な要因によって、無線アドホックネットワークの広がりが推進されてきた。アドホックネットワークは、パケットデータまたはデータの連続ストリーム等のデータの交換のために無線インタフェースを使用する複数の無線装置を備えてよい。各無線装置は通信ノードとしての役割を果たし、他の通信装置の代わりにデータを転送することに関与し、同時に通信サービス等の通信装置のユーザの代わりにユーザアプリケーションを実行してよい。モバイルノード及び/または固定無線ノードを有するネットワーク、パケット化されたデータ転送、または直接通信リンクまたは任意の種類のコネクションレスリンクに依存するネットワークを含む多様な種類のアドホックネットワークが存在する。
【0007】
分散型アクセス制御付きの典型的な通信ネットワークでは、二者の間で通信リンクを確立するために、2つの通信関係者の間でのデータの中継に関与している多くの通信装置またはネットワークノード、つまり他のノードの代わりに情報またはデータパケットを中継するノードを通して通信経路が確立される。この手法はマルチホッピングと呼ばれ、ノード間の個々の「ホップ」は大きな伝送能力を必要とせずにカバーできる短距離だけを必要とするため、ネットワークのリソースのよりよい再利用、及びシステムの送信電力の減少等の優位点を可能にする。
【0008】
分散型媒体アクセス制御付きの無線通信ネットワークの1つの規格は、IEEE802.11規格「Wireless LAN and medium access control(MAC) and physical layer PHY specification」1999である。IEEE802.11によるネットワーク、または別の無線通信網は、通信リソースを使用するために分散型アクセス制御に対処し、通信装置がネットワークの複数のノードをカバーする伝送経路で大量の情報またはデータパケットを送信することを希望する場合には、それは最初はアクセスを争う。通常、この競合は関与するノードのそれぞれで行われる。
【0009】
しかしながら、追加のデータパケットを伝送経路を介して送信しなければならない場合、アクセスプロシジャは、データパケットフローのデータパケット毎に関与するノードのそれぞれによって実行される。つまりたとえ複数のデータパケットが同じデータフローに属していても、データパケット毎に別々に実行される。これは、それぞれの単独のパケットの伝送が交渉されるため大きなオーバヘッドを生じさせる。
【0010】
さらに、各パケットの個々の伝送は個々のパケットのための異なる伝送経路に十分につながる可能性があり、同様にパケットの様々な伝送遅延につながる可能性があり、1つのデータストリームのシーケンシャルパケットが逆順で受信されてよい。これは、音声伝送またはリアルタイム伝送などの遅延に敏感なアプリケーションで問題を引き起こし、エンドユーザが知覚する品質を下げることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
分散型媒体アクセス制御付き無線ネットワーク内で情報を送信するためのオーバヘッドを削減し、ユーザの知覚するサービスに質を高めることが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の該目的は、ソースノードから、少なくとも1つの中間ノードを含む宛先ノードへの伝送経路上で仮想チャネル要求を送信し、前記仮想チャネル要求が該ソースノードから該宛先ノードへ該少なくとも1つの中間ノードを通して仮想チャネルのための伝送リソースの割り当てを要求することと、該宛先ノードから仮想チャネル確認を受信し、該仮想チャネル確認が該仮想チャネルのためのリソースの割り当てを示すことと、該割り当てられた伝送リソースを使用して該ソースノードから該宛先ノードにデータを送信することとを含む、分散型媒体アクセス制御付きの無線ネットワークでの仮想チャネル予約のための方法によって解決される。
【0013】
このようにして、本発明は、ソースノードと宛先ノード間でデータを送信するために仮想チャネルを確立することを可能にし、送信されるデータの個々の部分のために通信リソースの交渉を反復する必要性をなくす。さらに、ソースノードから宛先ノードへ送信されるデータは同じ仮想チャネルを介して送信されるので、データの部分の元の順序の逆転は回避される。これにより、特にリアルタイム音声通信等の大量のサービス要求を有する応用例でのユーザの受信品質を改善できる。
【0014】
仮想チャネルのための伝送リソースは、伝送のための反復期間と伝送周波数の少なくとも1つを含んでよい。したがって、本発明は割り当てられた期間を使用して伝送媒体へのアクセスを必要とするアクセス方式と関連して実現することができ、伝送周波数の割り当てまたは結合されたプロセス(combined process)を使用する伝送媒体へのアクセスを可能にする。
【0015】
仮想チャネル要求が、期間の持続時間、期間の繰り返し、及び時間基準の内の少なくとも1つに関する予約情報を含んでもよい。したがって要求は、伝送経路に沿ってノードに対して要求される全ての情報を含むことができる。
【0016】
予約情報は、通信プロトコルに従って、特にIEEE802.11規格に従ってメッセージまたはデータパケットと関連して送信されてよい。
【0017】
有利な実施形態に従って、ソースノードは無線ネットワーク内の予約されていない伝送リソースを決定するために、無線ネットワークの他のノード間のシグナリングを傾聴してよい。このようにして、仮想チャネル要求を送信する前に、ソースノードはリソースの可用性に関する情報をすでに含んでよく、仮想要求を作成するときにこれを考慮に入れてよい。
【0018】
その結果として、仮想チャネル要求は、決定された予約されていない伝送リソースを使用して仮想チャネルの確立を要求してよい。
【0019】
さらに、ソースノードまたは別のノードは他のノードの予約情報を含む仮想チャネル要求またはデータパケットを分析する、あるいは予約されていない期間の少なくとも1つを決定するためにリリースメッセージ、伝送周波数及び伝送コードを分析してよい。
【0020】
別の代替策に従って、仮想チャネル要求は、該少なくとも1つの中間ノード及び宛先ノードに、仮想チャネルのための伝送リソースを決定し、使用可能な場合には伝送リソースを予約するように要求してよい。このようにして、伝送リソースを決定するタスクは、中間ノード及び/または宛先ノードによって実行されてもよい。
【0021】
該少なくとも1つの中間ノードと該宛先ノードのそれぞれは、反復期間中の使用可能な伝送能力が使用できない場合には、代替反復期間中の代替使用可能伝送能力を決定してよい。
【0022】
さらに、該少なくとも1つの中間ノードと宛先ノードのそれぞれは、代替使用可能伝送能力を使用する伝送と関連付けられた個々の時間遅延を計算してよく、例えば仮想チャネル確認を使用してソースノードに同を報告してよい。それから、ソースノードは、個々の時間遅延に基づいて仮想チャネルの総時間遅延を求め、総時間遅延が所定の最大遅延を上回らない場合には仮想チャネルを受け入れてよい。
【0023】
別の代替策に従って、無線ネットワーク内に存在する、あるいは無線ネットワークに移動する追加のノードは予約されていない伝送リソースを決定し、予約されていない伝送リソースの間にデータの伝送を開始してよい。さらに、無線ネットワーク内に存在する、または無線ネットワークに移動する追加のノードは予約されていない伝送リソースを決定するために他のノードの予約情報またはリリース情報を含む仮想チャネル要求またはデータパケットを分析してよい。
【0024】
別の代替策に従って、ソースノードと宛先ノードの間の伝送経路は中間ノードの少なくとも1つが無線ネットワークを離れるかどうか、あるいは接続が乱される、または中断されるかどうかを判断するために監視されてよい。中間ノードの少なくとも1つが無線ネットワークを離れる場合、あるいは接続が乱されるまたは中断される場合、ソースノードは代替経路を通って仮想チャネルを確立し直すために追加の仮想チャネルを発してよい。さらに、少なくとも1つの中間ノードの1つが無線ネットワークを離れると、離れる中間ノードに先行する中間ノードが離れる中間ノードに続く中間ノードへの仮想チャネルのための代替経路を決定してよい。
【0025】
代わりに、ノード、つまり通信経路に沿ったノード間の接続が乱されるまたは中断される場合、乱されたまたは中断された接続に先行する中間ノードで、乱されたまたは中断された接続に続く中間ノードへの仮想チャネルのための代替経路が決定される。
【0026】
別の実施形態によると、ソースノード、該少なくとも1つの中間ノード、及び宛先ノードは仮想チャネルの周期的な伝送を使用してクロックを同期してよい。
【0027】
さらに、無線ネットワークは、マルチホップ無線アドホックネットワークであってよい、及び/またはセルラーネットワークの一部を形成してよい。
【0028】
プログラムは前記に概略された動作を実行するための命令を有してよい。さらに、プログラムが具現化されるコンピュータ読み取り可能媒体が提供されてよく、該プログラムは前記動作のどれかをデータ処理装置に実現させることを目的とする。コンピュータプログラム製品はコンピュータ読み取り可能媒体を備えてよい。
【0029】
本発明の目的は、宛先ノードへの1つの中間ノードを含む伝送経路上で、該少なくとも1つの中間ノードを通してリソースノードから宛先ノードへの仮想チャネルに対する伝送リソースの割り当てを要求する仮想チャネル要求を送信するため、及び宛先ノードから、仮想チャネルのためのリソースの割り当てを示す仮想チャネル確認を受信するための要求ハンドラと、割り当てられた伝送リソースを使用してソースノードから宛先ノードにデータを送信するための通信ハンドラとを含む分散型媒体アクセス制御付き無線ネットワーク内のソースノードによって解決される。
【0030】
本発明の追加の有利な実施形態は追加の従属請求項に開示される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は、本発明の実施形態による仮想チャネルを確立するための分散型媒体アクセス制御付きの無線システムの要素を描く。
【0032】
図1は、ソースノードと宛先ノードの間で仮想チャネルを確立する際に必要となるソースノード100と、中間ノード110と、宛先ノード120とを含む無線システムの一部を描く。実際的な場合では、無線システムはソースノードと宛先ノードの間の追加の中間ノードの機能を果たしてよい、または果たさなくてよいはるかに多数の通信ノードを有してよい。
【0033】
ソースノード100は、少なくとも1つの中間ノードを介して宛先ノード120へ伝送経路上で仮想チャネル要求を送信するための要求ハンドラ101を含み、その内中間ノード110が例示的1として示される。要求ハンドラ101によって発せられる仮想チャネル要求は、ソースノードから宛先ノードへの中間ノードを介した仮想チャネルのための伝送リソースの割り当てを要求する。要求ハンドラ101は、仮想チャネル要求に応えて、例えば中間ノード110を含む伝送経路を介して、宛先ノードから仮想チャネル確認を受信し、該仮想チャネル確認は仮想チャネルのためのリソースの割り当てを示す。
【0034】
さらに、ソースノード100は、割り当てられた伝送リソースを使用してソースノードから宛先ノードに中間ノードを介してユーザデータを送信するための通信ハンドラ102を含む。ユーザデータはソースノードで、または無線システムの何らかの他の要素またはソースノードに接続される要素で実行されるアプリケーションと関連付けられてよい。
【0035】
通信ハンドラ102は、例えばデータストリームまたはペイロード情報を含むデータパケットのシーケンス等、ソースノードから宛先ノードへの情報の流れに属するデータを通信中に送信するように構成されてよい。仮想チャネルは、ソースノードと宛先ノードの間の通信の期間全体を通して有利に使用することができ、通信終了後、仮想チャネルは、例えば関与するノードのそれぞれでタイムアウトを使用して、または宛先ノードに向かってソースノードによって発行されるリリースメッセージを使用してリリースされてよい。
【0036】
本発明を用いると、任意の数の中間ノードを介してソースノードと宛先ノード間の通信の期間全体で、分散型媒体アクセス制御付きネットワーク内で仮想チャネルを確立することが可能になる。通信に関するデータの部分のために伝送リソースを交渉するための通信オーバヘッドは排除することができ、したがってユーザ情報のための伝送容量を増加できる。さらに、ソースノードと宛先ノード間の仮想チャネルは概して伝送全体で同じであるため、通信に関するデータの部分はそれらが送信される順序で受信されるであろう。これは特にパケット化されたデータ伝送の場合で有利であり、反転された順序でパケットを受信すること、つまり先に送信された別のパケットの前に宛先ノードでデータパケットを受信することにまつわる問題を排除する。これは、特にリアルタイムの用途及びデータ遅延に敏感な他の用途のためにユーザによって近くされたサービスの質を改善する。
【0037】
このようにして、本発明は、IEEE802.11規格による無線ネットワークを含む、分散型媒体アクセス制御付きの無線アドホックネットワーク等の分散型媒体アクセス制御付き無線システムにおいて通信を確立し、維持するための通信オーバヘッド削減及び処理要件の削減に備える。IEEE802.11規格に従った無線ネットワークでは、仮想チャネル予約のための予約メッセージを既存のメッセージ及び/またはデータメッセージで追加でき、このようにしてIEEE802.11規格の元で動作する無線システムへの最小の適応を必要とするに過ぎない。
【0038】
しかしながら、分散型媒体アクセス制御付きのネットワーク内で仮想チャネルを確立するための前記に概略された方式は、ネットワークのノードのそれぞれがその間でデータを送信するためのネットワークのノードの内の任意のノードに仮想チャネルを要求することを許される、あるいは可能であるならば、任意の他の無線通信ネットワークに適用できる。CSMA(キャリア検知多重アクセス)またはCSMA/CA構造、時間ベースのアクセス方式、周波数ベースのアクセス方式、符号分割アクセス方式、またはその組み合わされた方式を用いるネットワークを含む任意の種類のネットワーク環境を含む。
【0039】
その結果、一例に従って、仮想チャネル要求は、ソースノードから宛先ノードへの伝送のための反復期間に対する要求を含んでよく、反復する期間は、伝送搬送波上でのデータの伝送のためにソースノード、及び同様に1つまたは複数の中間ノードによって使用される期間を指定する。反復期間は時間ベースのアクセス方式のネットワークの多くのタイムスロットから成り立つ場合もあれば、仮想チャネルの任意の他の種類の期間を指定してよい。仮想チャネルの割り当てに必要とされる期間は、1msという持続時間の間20ms毎に、または他の反復レートと持続時間等周期的に繰り返してよい。代わりに、反復期間は例えば、仮想チャネルがある時点でより高いデータレートを、別の時点でより低いデータレートを必要とする場合等、不規則な間隔繰り返されてよい。
【0040】
反復期間の割り当ての場合では、仮想チャネルは、有利なことに繰り返される期間の持続時間の少なくとも1つに関する予約情報、反復頻度または期間の周期(period of the time period)及び/または時間基準を含んでよい。時間基準は、無線ネットワークの個々のノードの間の伝送の同期を容易にすることができる。特に、分散型媒体アクセス制御付き無線ネットワーク等の無線ネットワークが中央制御ファシリティを欠く場合、ネットワークで有効な全体的に有効な時間基準はない可能性がある。したがって、仮想チャネルの中に時間基準を含めることは、必要とされる仮想チャネル及び/または任意の他の仮想チャネルのためのリソースの割り当てを同期させる、または予定するために、全ての関与するノード、つまり図1に示される中間ノードと宛先ノードによって使用できる。時間基準は、例えば、ソースノードからの仮想チャネル要求の伝送の開始に関連付けられる、あるいは無線ネットワークのソースノードまたは他の要素での任意の他のイベントに関連できるであろう。時間基準はネットワークのノードで、特に仮想チャネルに参加するノードで内部クロックを同期するために使用できる。
【0041】
さらに、関与するノードまたはネットワークの任意の他のノードのクロックは、仮想チャネルの周期的な伝送を使用して同期されてよい。クロックを同期するために使用される仮想チャネルは、前記に概略されるように、確立されるために仮想チャネルによって構成されてよい、あるいは無線ネットワークのノードのクロックを同期させる目的だけで仮想チャネルの周期的な伝送を含む、任意の他のチャネルに関してよい。
【0042】
別の例に従って、仮想チャネルのために要求される伝送リソースは、例えば周波数ベースのアクセス手法において等、伝送周波数を含んでよい。この周波数は分散型アクセス制御付きネットワーク内で使用可能な複数の伝送周波数の1つ、あるいは分散型媒体アクセス制御付きのネットワーク内の通信に使用可能な帯域幅の部分であってよい。
【0043】
さらに別の例に従って、仮想チャネル要求で要求される伝送リソースは、CDMAネットワーク(符号分割多元接続ネットワーク)において等、ネットワーク内のアクセスコードに関してよい。この場合では、仮想チャネル要求は、1つまたは複数のコードあるいはソースノードと宛先ノードの間でデータを送信するための拡散コードの割り当てを要求できるであろう。
【0044】
前記3つの方式を結合する結合手法が可能である。つまり、要求された伝送リソースは期間、伝送周波数、及び伝送コードを要求する組み合わせを含むことができるであろう。
【0045】
上述のように、無線ネットワークはアドホックネットワーク等のマルチホップ無線ネットワークであってよい、あるいはセルラーネットワークの一部を形成してよい。したがって、要求された仮想チャネルはソースノードから宛先ノードへの通信経路全体に沿って同じ伝送リソースを使用してよい一方、伝送リソースの第1のタイプがソースノード100から中間ノード110への伝送経路の一部で使用可能にされてよく、伝送リソースの第2のタイプが中間ノード110から宛先ノード120への伝送経路の部分に沿って使用可能にされてよい等、伝送経路の様々な部分に様々なリソースが要求される、または使用できるようになることも可能である。
【0046】
無線ネットワークの既存のリソースを利用するために、ソースノードは、IEEE802.11規格に従った等、無線ネットワーク内で使用される通信プロトコルに従ったあらゆるメッセージパケットまたはデータパケットと関連して仮想チャネル要求の予約情報を送信してよい。予約情報は、ユーザデータフィールド、またはネットワークで送信されるデータフレームの特に設けられたフィールドの中に入れられてよく、その場合、交換または予約情報の交換は簡略化でき、ネットワークの既存のリソースを利用できる。
【0047】
さらに、無線ネットワークで別個に、またはネットワーク内の既存のメッセージに関連して送信される予約情報は、ネットワークの全ての関与するノードにネットワークの割り当てられたリソースに関する予約情報を拡散するために使用できる。
【0048】
したがって、ネットワークの各ノードはネットワークの、またはネットワークの一部の占有されたリソースまたは使用可能なリソースに関する情報を維持してよく、したがって様々なノードから生じる干渉伝送を回避できる。
【0049】
さらに、送信側ノードの近傍にあるノードは他のノードの予約メッセージを傾聴することができ、それらは他によってすでに使用されている時間間隔を送信する/予約することを回避するためにこれらを記録できる。
【0050】
同様に、終端した仮想チャネルに関する情報、つまりリリースすることのできるリソースに関する情報はネットワークの他のノードに拡散できる。例えば、リリースメッセージを送信するノードの近傍にあるノードはリリースメッセージを傾聴し、仮想チャネルのリソースが、例えば別の仮想チャネルに関する追加の伝送活動のために再利用できることを相応して知らせることができる。
【0051】
以下に、図1に示される無線システムの例示的な動作が説明される。
【0052】
最初に、ソースノード100にある要求ハンドラ101は仮想チャネル要求を生成し、伝送リソースの割り当てを要求し、図1の矢印151に示されるように、宛先ノード120に向かって伝送経路に沿ってこの予約要求を送信するであろう。
【0053】
仮想チャネル要求は、それに応えて伝送のための要求されたリソースを決定する及び/または割り当てようとする中間ノード110で受信される。したがって、中間ノード110は、矢印150で示されるように宛先ノード120に向かって仮想チャネル要求を転送する。仮想チャネル要求は宛先ノード120で受信され、宛先ノードは要求された伝送リソースを続けて決定する及び/または割り当てる。
【0054】
それに加えて、宛先ノード120は図1の矢印153によって示されるようにソースノード100に向かって仮想チャネル応答を返す。仮想チャネル確認は中間ノード110で受信され、例えば適切な処理後に、図1の矢印154によって示されるようにソースノード100に転送される。
【0055】
代わりに、関与するノードのそれぞれは、それぞれのノードで要求されるリソースの可用性及び/または予約を示す肯定応答または仮想チャネル確認を、追加の中間ノード、宛先ノード及び/またはソースノードに返すことができる。
【0056】
さらに、要求される通信リソースがノードの1つで利用できない場合には、このノードは、例えば否定応答を使用して通信経路に沿って残りの全てのノードに通知でき、その結果追加の予約動作を終了することができ、予約されたリソースを再びリリースできる。
【0057】
仮想チャネル確認は、仮想チャネルのための伝送リソース、好ましくは要求された通信リソースの可溶性及び/または割り当てを示してよい。仮想チャネル確認を受信後、ソースノードでの通信ハンドラ102は、155と156で示される仮想チャネルに沿ってソースノードから宛先ノードへのデータの伝送のための割り当てられたリソースを使用してよい。
【0058】
前述された方式を使用すると、送信されるデータの各部分の伝送に関与する個々のノード間の個別のハンドシェイクは必要がなく、いったん確立されると仮想チャネルを介して任意の追加のハンドシェイクプロシジャに対するオーバヘッドを直接的に要さずにデータを伝送できることが注記される。さらに、リソースは要求された仮想チャネルに割り当てられ、データの各部のための伝送容量に対する競合が必要ではなく、データパケットなどのデータの部分に対する競合プロシジャのオーバヘッドを回避することが、少なくとも伝送経路全体に沿って公知である。
【0059】
分散型媒体アクセス制御付きの無線ネットワークでは、通常、ソースノードと宛先ノードの間に1つまたは複数の中間ノードを介する複数の通信経路が考えられる。どの経路が仮想チャネルにとって最善であるのか、あるいは仮想チャネルのために選ばれるのか、つまりどの中間のノードが仮想チャネルを確立することに関与するのかは、複数の候補中間ノードの間で交渉されてよく、個々の中間ノードでの処理負荷、必要とされる伝送電力、経路の長さと遅延等を考慮に入れてよい。分散型媒体アクセス制御付きの無線通信ネットワークは、通常、IEEE802.11規格等、ソースノードから宛先ノードへの通信に関するデータの部分を送るための手段を提供し、これらの機構は、例えば単一のパケットのための接続の代わりに、ソースノードと宛先ノードの間で仮想チャネルを確立する上で本発明によって利用されてよく、接続は仮想チャネルに使用できる。
【0060】
さらに、仮想チャネル要求、仮想チャネル確認及び仮想チャネルに関するデータが全く同じ経路を介して送信されることが考えられるが、例えば仮想チャネル確認は宛先ノードからソースノードへ別の経路を介して送信されることも考えられる。
【0061】
ソースノードから宛先ノードにデータが転送され、その後リリースされる必要がある限り、仮想チャネルは好ましくは維持される。1つの代替策に従って、仮想チャネルに割り当てられるリソースは、仮想チャネルに沿って、つまりソースノードから宛先ノードへ1つまたは複数の中間ノードを通る通信経路に沿って特殊なリリースメッセージを送信し、仮想チャネルと関連して割り当てられる全てのリソースがリリースできることを関与するノードのそれぞれに通知することによってリリースされてよい。さらに、このリリース情報は、たとえそれらが仮想チャネルに関与していなくても、情報と目的及び伝送計画のためにネットワークの追加ノードに拡散できる。代わりに、あるいはそれに加えて、タイムアウト機能が関与するノードのそれぞれで実現されてよく、仮想チャネルを介して伝送活動を監視する、つまり期間、伝送周波数またはコードなどの割り当てられた伝送リソースを使用し、伝送活動が所定の時間分を超えて検出できない場合には、仮想チャネルのために割り当てられたリソースをリリースする。
【0062】
以下では、図1に示される要素の追加の例がさらに詳しく概略される。以下が説明例だけを構成し、本発明を制限すると解釈されるべきではないことが注記される。
【0063】
図1に示される分散型媒体アクセス制御のための無線システムは、タイムベースのアクセス方式、周波数ベースのアクセス方式、またはコードベースのアクセス方式、またはその組み合わせの無線ネットワーク等、任意の種類の無線ネットワークであってよい。例えば、無線ネットワークはIEEE802.11規格に従って動作してよく、分散型媒体アクセス制御付きの無線アドホックネットワークを構成してよい。例えば、仮想チャネルについての情報は、仮想チャネルフローの一部ではないパケットのヘッダに含まれてよい。これは、RTS、CTS、DATA及びACKを含む、規格IEEE802.11によって使用されるいくつかのまたは全てのメッセージタイプを含んでよい。IEEE802.11 MAC方式をこのようにして拡張することによって、IEEE802.11規格に従って動作するネットワークは本発明によるシグナリングをサポートするように容易に適応できる。
【0064】
さらに、図1に示される無線システムは、GSM規格またはUMTS規格に従って動作するネットワーク等の移動通信体ネットワークを含む任意の既存の無線通信ネットワークに統合できる。
【0065】
さらに、図1は、無線ネットワークの3つのノードだけを示すが、通常、さらに多くのノードが存在し、ソースノードと宛先ノードの間には1つより多くの中間ノードがあってよい。無線ネットワークのサイズ及び形状は、ネットワークの関与するノードに応じて変化してよく、ノードは動的に動作ネットワークに入る、または動作ネットワークを出ることが考えられる。さらに、ソースノードと宛先ノード間の伝送経路はワイヤライン通信ネットワーク、他の無線通信ネットワークまたは移動体通信ネットワーク等の他のネットワークの伝送ファシリティを部分的に使用すると考えられる。例えば、無線システムが2つの地理的に離れた領域で確立される場合、該離れた領域間のデータの伝送は任意の他の通信システムを利用してよい。
【0066】
ソースノード100は、無線電話、無線コンピュータデバイス等の無線ネットワークで情報を送信、受信及び/または中継するために適切な任意の種類の装置であってよい。好ましくは、ソースノード100は処理要素とメモリ、及びエアインタフェースを介してネットワークの他のノードに情報を送信する、及び受信するための適切な通信リソースを含んでよい。一例では、ソースノードは、プロセッサにロードされると、前記に詳説されたように、プロセッサに要求ハンドラ101と通信ハンドラ102の機能性を実施させる命令のシーケンスを記憶するためのメモリを含んでよい。さらに、要求ハンドラ及び/または通信ハンドラの少なくとも一部は、専用ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの手法の組み合わせとして実現できる。仮想チャネル要求は、エアインタフェースを介して要求ハンドラによって送信されてよく、同様に仮想チャネル確認はエアインタフェースを介して受信される。さらに、割り当てられた仮想チャネルを介した全てのデータ伝送は、ソースノードのエアインタフェースを介して行われてよい。
【0067】
ソースノードは、通信アプリケーションなどのソースノードで実行されるアプリケーション、テキスト処理アプリケーションなどの任意のコンピュータアプリケーション、イメージングアプリケーション等に関連して情報を送信してよい、あるいは(図1には描かれていない)ソースノードに接続される別の要素から受信されるデータを転送してよい。したがって、ソースノードは自体の代わりにデータを送信してよい、あるいは別の装置の代わりに情報を中継してよい。さらに、ソースノードは、複数の宛先ノードに対する複数の仮想チャネルを確立する、または要求してよい。
【0068】
中間ノード110は通常類似した構成を有してよく、ソースノードは、つまり無線電話またはコンピュータデバイスを含む任意の種類の無線装置であってもよい。さらに、中間ノードは、好ましくはソースノードから仮想チャネル要求を受信するための手段、要求されたリソースの可用性を決定するための手段、及び宛先ノードに、例えば追加の中間ノードを介して仮想チャネル要求を転送するための手段を有する。さらに、中間ノードは、仮想チャネル確認を受信し、リソースを使用する仮想チャネルが確立できることを中間ノードに通知するための手段を有する。さらに、中間ノードはソースノードに仮想チャネル確認を転送するため、及びその結果、ソースノードから宛先ノードに仮想チャネルに関するデータを受信し、送信するための手段を有する。前記に注記されるように、伝送リソースは十分に明確であり割り当てられているため、データパケット等のデータの伝送のための個別のハンドシェイク及び競合動作は必要ではない。中間ノード自体、ソースノードのように追加の仮想チャネルのソースまたは宛先であってよい。
【0069】
宛先ノード120もソースノードと中間ノードに類似する構成を有してよい。つまり、無線電話と無線コンピュータデバイスを含む任意の種類の無線装置であってよい。宛先ノードはソースノードから仮想チャネル要求を受信するための手段及び仮想チャネル要求を分析するための手段、及び要求されたリソースを割り当てるための手段を有する。さらに、宛先ノードは仮想チャネルの割り当てを示す仮想チャネル確認を作成するための手段と、中間ノードに同を送信するための手段を有する。さらに、宛先ノードは中間ノードから仮想チャネルを介してデータを受信するための手段を有する。宛先ノードは、すでに中間ノードとソースノードのように、追加の仮想チャネルのソースまたは宛先であってよい。
【0070】
たとえ図1が、155と156で示されるようにソースノードから宛先ノードへの仮想チャネルを介したデータフローの方向を示していても、仮想チャネルが例えば特定のリアルタイムアプリケーションまたは音声通信アプリケーションにおいて等、双方向であってよいことが注記される。この場合では、リソースの割り当てはソースノードから宛先ノードへの、及び宛先ノードからソースノードへのデータの伝送のためのリソースの予約を含んでよい。この双方向仮想チャネルはソースノードによって要求されてよく、仮想チャネルの順方向と逆方向のソースを指定する。さらに、ソースノードから宛先ノードへの仮想チャネル部分は、ソースノードからの仮想チャネル要求、及び逆方向を使用して要求されてよい。つまり、宛先ノードからソースノードへの仮想チャネルの部分は宛先ノードによって発行される仮想チャネル要求内で要求されてよい。後者の場合では、宛先ノードはソースノードに向かって送信される仮想チャネル確認メッセージの中に仮想チャネル要求を含んでよい。中間ノードは仮想チャネル確認を分析し、相応して逆方向のためにリソースを割り当てることもできる。
【0071】
以下では、本発明の追加の実施形態が図2に関して説明される。
【0072】
図2は、仮想チャネルを確立するための分散型媒体アクセス制御付き無線システムにおける方法の動作を描く。図2に示される動作は、図1に示されるシステムを使用して実行されてよいが、図2の実施形態はそれに限定されない。
【0073】
第1の動作201では、ソースノードは、宛先ノードまでの少なくとも1つの中間ノードを含む伝送経路上で仮想チャネル要求を送信する。仮想チャネル要求は、例えば前記に注記されたような図1に示される宛先ノード120への図1に示される中間ノード110を介して等、少なくとも1つの中間ノードを介して宛先ノードに向かって転送される。
【0074】
ソースノードから宛先ノードへの伝送経路は任意の適切な方式に従って選択されてよく、IEEE802.11等の任意の公知の規格を含む、例えば無線ネットワークのリソースアクセスプロトコルに従って等、既存の識別方式を使用してよい。
【0075】
動作202では、中間ノードは、ソースノードから受信される仮想チャネル要求に基づいて、仮想チャネルのための伝送リソースを割り当ててよい。例えば、要求されたリソースは、前記に詳説されたように、データ、周波数、コード、またはその組み合わせを送信するための反復期間であってよい。さらに動作202では、宛先ノードが前記に詳説されたように、仮想チャネル要求で要求される仮想チャネルのための伝送リソースを割り当てる。中間ノードまたは複数の中間ノードは宛先ノードに向かって転送される仮想チャネル要求に表示を含めてよく、仮想チャネルのための要求された伝送リソースが使用可能である、あるいはすでに無事に割り当てられている、または予約されていることを示す。
【0076】
それ以後、動作203では、宛先ノードは少なくとも1つの中間ノードを介してソースノードに向かってクリアランスメッセージを返す。クリアランスメッセージは、好ましくは仮想チャネル要求と同じ伝送経路及び仮想チャネルのために確立される経路を介して送信されるが、仮想チャネル確認の別の伝送経路が考えられる。
【0077】
仮想チャネル確認を、仮想チャネルのために割り当てられた伝送経路を介してソースノードに向かって送信すると、各中間ノードは、全ての関与するノードが無事に要求された伝送リソースを割り当てたことを通知されてよく、ソースノードは仮想チャネル確認を受信すると、仮想チャネルが確立されたことを知らされる。仮想チャネル確認が、要求された仮想チャネルが確立された、あるいは確立できる旨の簡略な表示を含んでよいこと、つまり関与するノードのそれぞれで必要とされた通信リソースが使用可能であるまたは予約されている、あるいは使用可能なまたは割り当てられたソースの正確な仕様を含んでよいことがさらに考えられる。例えば、仮想チャネル確認は、それは追加の実施形態に関して詳説されるように、要求された伝送リソースと異なる伝送リソースの仕様を含む場合がある。
【0078】
仮想チャネル確認を受信後、ソースノードは続けてソースノードから宛先ノードへ仮想チャネルを介して、つまり、割り当てられたリソースを使用してデータパケットまたはデータ方式を送信できる。通常、これは、中間ノードに向かうエアインタフェースを介するデータの伝送を含み、宛先ノードに情報を転送するであろう。伝送は、伝送リソースが割り当てられ、十分に明確であるので、個々の関与するノード間の追加の交渉または競合処理を行わなくても開始できる。
【0079】
その結果、伝送リソースの反復交渉に必要とされる時間を節約することができ、したがって通信遅延を削減できる。さらに、ソースノードと宛先ノードの間のデータ伝送に必要とされるオーバヘッドは、従来の技術に比較して削減できる。さらに、送信されるデータの部分、つまりデータパケットは、それらが送信されたときと同じシーケンスで宛先ノードで受信されるので、多大な時間を必要とする元送信データ部分の元の順序での再確立は必要とされない。したがって、データ伝送は、時間遅延、伝送要件及び処理要件が削減されて実現できる。
【0080】
さらに、仮想チャネルのための伝送経路内の中間ノード数を増加するとデータを伝送するためのオーバヘッド通信が多大に増加するため、さらに多数の中間ノードを考案することができ、あるノードから別のノードに仮想チャネルに沿ってデータを送信するために必要とされる伝送電力はさらに削減することができ、その結果効率を高めることができる。さらに、伝送電力の減少は無線システムでの伝送に使用可能な帯域幅の再利用オプションの改善につながる。
【0081】
以下では、本発明の追加の実施形態が図3に関して説明される。
【0082】
図3は、1つまたは複数の中間ノードを介してソースノードと宛先ノードの間で仮想チャネルを予約するための分散型媒体アクセス制御のための無線システムでの動作を描く。図3に示される動作は、図1に示されるシステムを使用して実施されてよいが、図3の実施形態はそれに限定されない。
【0083】
動作は、図1に示されるソースノード100等のソースノード、図1に示される中間ノード110等の例示的な中間ノード、及び図1に示される宛先ノード120等の宛先ノードについて描かれている。
【0084】
第1の動作301では、図1のソースノード100等のソースノードでは、仮想チャネル要求は図1に示される中間ノード110等の中間ノードへの伝送経路を介して送信される。仮想チャネル要求は、好ましくは例えば必要とされるデータスループット等の伝送経路のための必要とされるリソースに関する情報を含み、前記に詳説されたような所望される伝送リソースの詳細な仕様を含んでよい。さらに、仮想チャネル要求はサービスの質インジケータ等の必要とされるサービスの特性に関する情報を含み、最大許容時間遅延を指定し、リアルタイム要件等を指定する。
【0085】
一例に従って、ソースノードは、ソースノードで実行される、あるいは追加の外部装置から受信されるサービスアプリケーションから等、対応する命令を受信すると仮想チャネル要求を生成してよい。
【0086】
ソースノードは仮想チャネル要求を直接的に、つまり通信ネットワークを監視せずに送信してよく、このようにしてこの手法が低通信負荷の無線ネットワークに適切である可能性がある衝突の危険を冒す。しかしながら、別の代替策に従って、ソースノードは無線ネットワークでの伝送活動を監視してよく、占有されていない期間、周波数またはコード等、現在占有されていない伝送リソースを使用してよい。この場合では、衝突のリスクは大幅に削減することができ、衝突は仮想チャネル要求の伝送の間に、別の伝送が開始する場合にだけ発生するに過ぎない。さらに、別の代替策に従って、ソースノードは伝送目セージを詳細に傾聴し、追加の仮想チャネル要求で割り当てられるリソース等の割り当てられた伝送リソースに関する情報、あるいは既存のデータメッセージを使用してネットワークを介して伝搬される割り当てられたリソースに関する情報を決定するために、無線ネットワークの伝送メッセージを分析してよい。
【0087】
中間ノードでの動作302では、仮想チャネル要求が受信され、適切に処理され、動作303では要求されたリソースが割り当てられる。例えば、中間ノードは、正確に指定される反復期間、周波数またはコード等、仮想チャネル要求で要求されるようなリソースを割り当ててよい。さらに、中間ノードは、仮想チャネル要求が伝送要件を指定する場合に仮想の一般的な要求の伝送要件を満たすための適切なリソースを決定し、これらのリソースを割り当てる。このプロセスは、サービスインジケータ等の仮想チャネルの必要とされる特性のどれかを考慮に入れてよい。
【0088】
それ以後、中間ノードの動作304では、仮想チャネル要求が宛先ノードに転送され、それは動作305で受信される。宛先ノードでの動作306では、適切なリソースが割り当てられる。この割り当て動作は仮想チャネルを介して送信されるデータを受信する、及び追加の処理のために適切なリソースを決定することを含むことができる。さらに、データの宛先ノードを超える追加の伝送が必要とされる場合、割り当ては、動作303に詳説されるリソースの割り当てに類似してもよい。
【0089】
それ以後、動作307では、宛先ノードはクリアランスメッセージを作成し、該クリアランスメッセージは同を中間ノードに送信する。クリアランスメッセージは、要求されたリソースが利用可能である、あるいは宛先ノード及び/または1つまたは複数の中間ノードで無事に割り当てられた旨の表示を含んでよい。代わりに、それに加えて、例えば、仮想チャネル要求が正確にどのリソースが所望されるのかを指定したのではなく、単にデータレート等の一般的な伝送要件を指定したに過ぎなかった場合にクリアランスメッセージは、使用可能なまたは割り当てられたリソースを特徴付ける情報を含んでよい。
【0090】
動作308では、クリアランスメッセージは中間ノードで受信される。中間ノードは、リソースの成功した予約の表示、または予約されたリソースの追加の指定等の追加のクリアランス情報を、クリアランスメッセージの中に含んでよく、動作309では中間ノードはソースノードにクリアランスメッセージを送信し、それは動作310で受信される。ソースノードはクリアランスメッセージを分析し、仮想チャネルがデータを送信するために要求される通信リソースをここで使用できる。
【0091】
全ての関与するノードは割り当てられたリソースをリソース予約テーブルに記録してよく、さらにリソース予約情報はネットワークの関与するノードに直接的ではなく伝搬されてもよい。
【0092】
動作311では、ソースノードは、要求されたリソースまたはクリアランスメッセージで割り当てられるとして示されるリソースを使用して仮想チャネルを介してデータパケットを送信できる。代わりに、データストリームは、ここでリソースを使用して仮想チャネルを介して送信されてよい。
【0093】
データパケットまたはデータストリームは、例えば通信アプリケーションまたはデータ処理アプリケーション等のサービスアプリケーションに関する等、任意の種類の情報を含むことができる。データが連続ストリーム内に存在する場合、ソースノードは、例えば割り当てられた期間を介してデータパケットを送信するためにデータをパケット化してよい。
【0094】
動作312では、中間ノードは、データパケット、またはデータストリームの部分を受信し、割り当てられたリソースを使用してデータパケットまたはストリームを転送する。仮想チャネルのために使用される伝送リソースは完全に事前に指定されるので、データパケット、またはデータストリームの部分を送信するための中間ノードとソースノードの間のハンドシェイクは必要とされない。
【0095】
動作313では、中間ノードは、(それが動作314で受信される)宛先ノードに対する割り当てられたリソースを使用してデータパケットを転送する。同様に、伝送リソースは完全に指定されているので、宛先ノードと中間ノードの間のハンドシェイクは必要とされない。さらに、衝突は回避されるので、データ競合処理も排除される。
【0096】
動作315では、ソースノードは、例えば割り当てられた反復期間の追加の期間を使用する等、割り当てられたリソースを使用してデータパケットまたはデータストリームの一部等の追加のデータを送信できる。追加のデータは動作316で中間で受信され、動作317で宛先ノードに転送され、動作318でそこで受信される。動作316から318は前記に概略された動作312から314に類似してよい。
【0097】
仮想チャネルを介してデータを送信するための動作は、追加のデータがソースノードから宛先ノードに送信される必要がなくなるまで、ここで繰り返される、または必要なだけ長く実行されてよい。それから、仮想チャネルを終了するために、リリースメッセージがソースノードから宛先ノードに中間ノードを介して送信されてよく、仮想チャネルリソースが実現できることを示す。
【0098】
代わりに、上述のように、タイムアウト関数が利用されてよく、仮想チャネルで伝送活動を監視し、特定の期間について伝送活動が検出されない場合には、仮想チャネルをリリースする。
【0099】
さらに、代わりに、またはそれに加えて、仮想チャネルを介した通信のための最大持続時間が設定されてよく、この時間分の最後で仮想チャネル、つまりリソースが使用可能なリソースを他の関係者が使用できるようにするために、任意のまだ継続中の通信を無視して強制的にリリースされる。時間分はシステムの通信負荷、過負荷状態、システム内での不成功に終わった仮想チャネル要求の数等に基づいて設定または変えることができるであろう。
【0100】
図3は、ソースノードから宛先ノードへのデータの流れを描いているが、仮想チャネルも双方向であってよい、その場合宛先ノードは、前記に詳説されたように、ソースノードにデータを送信してもよい。
【0101】
以下では、本発明の追加の実施形態が、図4に関してここで説明される。
【0102】
図4は、分散型媒体アクセス制御を使用する無線システムにおける仮想チャネル予約のための動作を描き、特に必要とされる伝送リソースが使用可能ではない、または完全に使用可能ではない場合のソースノードと中間ノードまたは宛先ノードでの動作を描く。図4に示される動作は図1に示されるシステムを使用して実施されてよいが、図4はそれに限定されない。
【0103】
第1の動作401では、ソースノードはリソース要求を生成し、少なくとも1つの中間ノードを介して宛先ノードに同を送信する。本実施形態に従って中間ノード(複数の場合がある)と宛先ノードで実施される動作は実質的に同じであるので、中間ノード(複数の場合がある)と宛先ノードは図4に一緒に描かれる。
【0104】
仮想チャネル要求の伝送及び内容は前記実施形態に詳説された通りであってよい。特に、リソース要求は、反復期間の指定、時間基準、または伝送周波数または伝送コードの指定など、必要とされるリソースの仕様を含んでよい。
【0105】
仮想チャネル要求は、動作402において中間ノードと宛先ノードで受信され、動作403ではそこで分析される。例えば、どのリソースが要求され、その結果割り当てられなければならないのかが決定される。さらに動作403では、中間ノードまたは宛先ノードが、例えば現在任意の仮想チャネルによって使用されていないリソース等予約されていない伝送リソースを決定する。
【0106】
割り当ては、各中間ノードまたは宛先ノードで、リソースを仮想チャネルと関連付けることと、これらのリソースをブロックし、その結果他の通信動作がそれらを予約できるようにすることを含んでよい。特定のノードで割り当てられるリソースは、この特定のノードで仮想チャネルに必要とされるリソースを含んでよいが、例えば先行するノードや続くノード等の追加のノードで要求された仮想チャネルに必要とされるリソースをさらに含んでよい。例えば、仮想チャネルが第1の中間ノードで第1のタイムスロットを、第2の中間ノードで第2のタイムスロットを必要とする場合、第1のタイムスロットと第2のタイムスロットの両方とも、第1のノードと第2のノードの両方で予約される必要がある。
【0107】
しかしながら、第1のタイムスロットと第2のタイムスロットなどのリソースが、例えば第1の中間ノードと第2の中間ノード等のネットワークの両方の部分の間の十分に大きい距離と通信信号の関連付けられた減衰のため等で、互いに干渉しないネットワークの様々な部分で予約されなければならない場合、リソースの全てがネットワークの全ての部分で予約される必要があるわけではない。例えば、第1のタイムスロットは第2の中間ノードで予約されなくてもよく、逆の場合も同じであり、第2のタイムスロットは第1の中間ノードで予約される必要はない。
【0108】
さらに、仮想チャネルにアクティブに関与していないノードは、予約メッセージまたは予約情報を傾聴してよく、相応して例えばリソース予約リストの中に、第1のタイムスロットと第2のタイムスロット等、要求されたリソースが占有されていることを注記してよい。
【0109】
動作404では中間ノードまたは宛先ノードは、次に仮想チャネル要求で要求されたリソースが使用可能であるかどうかを決定する。つまり、要求されたリソースがすでに予約されていないかどうかを判断する。
【0110】
動作404で決定が「イエス」であり、要求されたリソースが使用可能であることを示す場合には、動作405で中間ノードまたは宛先ノードが要求された伝送リソースを予約する。伝送リソースの予約は、対応する通知をリソースレジストリに含むことによって実施されてよく、予約情報を無線ネットワークの追加の要素が使用できるようにするために通信ネットワークの追加のノードにこの情報を一斉送信するまたは伝搬することも含んでよい。
【0111】
それ以後、動作406では、クリアランスメッセージが中間ノードまたは宛先ノードからソースノードに向かって送信される。
【0112】
動作404では、決定が「ノー」であり、要求されたリソースが使用できない、あるいは完全に使用できない場合、動作407で中間ノードまたは宛先ノードが別の反復期間、伝送周波数、伝送コード等の代替伝送リソースを決定する。代替伝送リソースは、中間ノードまたは宛先ノードで、ネットワークまたは他のネットワークの他の仮想チャネルまたは他の送信要素によって伝送リソースの使用を調査することによって決定されてよい。
【0113】
代替伝送リソースの決定は、それらが使用可能な場合に、仮想チャネルのための代替伝送リソースの決定及び代替リソースの予約を含んでよい。例えば、仮想チャネルのために要求された反復期間の間に使用可能な伝送容量が使用できない場合、代替反復期間中の代替で使用可能な伝送能力が決定されてよく、ソースノードに割り当てられてよい、あるいは提供されてよい。
【0114】
さらに、中間ノードまたは宛先ノードは、動作407で、代替伝送リソースと関連する時間遅延を決定してよく、同をソースノードに報告してよい。したがって、中間ノード及び/または宛先ノードのそれぞれが代替の使用可能な伝送容量を使用して伝送と関連付けられる個々の時間遅延を計算してよく、同をソースノードに報告できる。
【0115】
その後、動作408で、宛先ノードはソースノードに向かって中間ノード(複数の場合がある)を介してリソースレポートを送信する。
【0116】
動作409で、ソースノードは、それぞれ動作406と408で作成されるクリアランスメッセージまたはリソースレポートを受信する。それに応えて、ソースノードは動作410で、仮想チャネルに使用可能にされるリソースが受け入れ可能であるかどうかを判断する。リソースが、それらが要求される通りに使用可能である場合、つまり、動作405と406の場合では、これが通常当てはまるであろう。しかしながら、要求されたリソースが使用可能ではなかった、あるいは完全に使用可能ではなかった場合には、動作407と408で示されるように、提供されるリソースは仮想チャネルの要件にとって十分または適切ではない可能性がある。決定動作410はソースノードで、提供されるリソースが、最小必須サービス品質、リアルタイム要件等などの仮想チャネルの最小の要件を満たすかどうかを決定することを含んでよい。さらに、動作410では、ソースノードが中間ノードと宛先ノードで個々の時間遅延に基づいて仮想チャネルの総時間遅延を計算してよく、総時間遅延が所定の最大遅延を超えない場合には仮想チャネルリソースを受け入れてよい。また、通信経路に沿った中間ノードは、遅延を加え、累積遅延をソースノードに転送できるであろう。
【0117】
動作410で決定が「イエス」であり、提供されている、または使用可能なリソースが受け入れ可能であることを示す場合には、動作411で、ソースノードが中間ノードと宛先ノードに向かって仮想チャネルを介してデータまたはデータパケットの送信を開始し、それらは動作412で受信される。動作411と412は仮想チャネルのために使用可能とされる通信リソースを利用する。
【0118】
しかしながら、動作410で決定が「ノー」であり、提供されるリソースが仮想チャネルを確立するために受け入れ可能ではないことを示す場合には、動作413でサービス不可能メッセージが作成され、動作の流れは動作401に戻り、例えば異なるリソースを要求するまたは後にリソース要求を送信する等、例えば別のリソース要求を作成し、送信するためにソースノードをトリガする。さらに、動作413では、ソースノードは少なくとも中間ノードと宛先ノードに向かってメッセージを送信してよく、リソースが受け入れ可能ではないこと、及びあらゆる割り当てられたリソースが再びリリースされてよいことを示す。
【0119】
図4に関して概略される実施形態は、ソースノード及び中間ノード及び宛先ノードが、仮想チャネルのための伝送リソースを交渉できるようにし、使用可能なリソースが受け入れできない場合に、仮想チャネルの確立を可能にする。
【0120】
以下では、本発明の追加の実施形態が図5aと図5bに関して説明される。
【0121】
図5aと図5bは無線ネットワークで確立される仮想チャネルの例を描き、図5aはタイムベース分散型アクセス方式の無線ネットワーク内の仮想チャネルの例を描き、図5bは周波数ベースの分散型アクセス方式の無線ネットワークの一例を描く。
【0122】
図5aは、VC1で開始し、次にVC2、最後にVC3と次々に確立されなければならない3つの仮想チャネルVC1、VC2及びVC3を描く。図5aは、仮想チャネル毎にそれぞれのソースノードから宛先ノードへのデータフローの一部または全ての、データパケット等のデータフィールドを示すと見なされてよい。さらに、説明図はソースノードから宛先ノードへの仮想チャネル全体を示すと見なされてよい、あるいは例えば中間ノードから宛先ノードへ、ソースノードから宛先ノードへの伝送経路の一部を示すと見なされてよい。
【0123】
図5aでは、ソースノードが、データフィールド411、412、413及び414によって示されるように定期的な反復時間間隔の間に第1の仮想チャネルVC1の作成を要求すると仮定される。この時点では、無線ネットワークには他の継続伝送がなく、したがって中間ノード及び/または宛先ノードは要求された反復期間を割り当てる上で問題はないだろう。データフィールドは連続データストリーム通信または区分に関するデータパケットを含んでよい。
【0124】
その後、同じまたは別のソースノードが、フィールド421、422及び423によって示されるように、第2の反復期間内で伝送を使用して同じまたは別の宛先ノードに第2の仮想チャネルV2の確立を要求すると見なされる。要求された反復期間が仮想チャネルVC1によってすでに占有されていない時間フレームの間に伝送を利用するので、中間ノード及び/または宛先ノードは要求されるリソースを容易に割り当てることができ、仮想チャネルVC2が確立できる。
【0125】
ここでは、仮想チャネルVC1と仮想チャネルVC2の継続伝送の間に、第3の仮想チャネルVC3が、第3の反復期間を介して伝送を使用して要求されると仮定される。初期に2つの反復期間、つまり仮想チャネルVC3のフィールド431と432が割り当てられることが分かるが、この期間は第1の仮想チャネルVC1によってすでに占有されているため、点線のフィールド433によって示される伝送のための第3の期間は使用できない。したがって、遅延している代替フィールド433aを介した伝送等の伝送のための代替時間フレームが決定される。さらに、この期間は第2の仮想チャネルVC2、つまり伝送フィールド423によって部分的に占有されるため、第3の仮想チャネルのための反復期間の4分の1を介した伝送は、点線のフィールド434によって示されるように可能ではない。したがって、データフィールド434に関する伝送は、伝送フィールド434aによって示されるように、伝送キャリヤが占有されなくなるまで遅延されなければならない。この方式を使用すると、第3の仮想チャネルVC3は、最初に要求されたリソースでではなく、特定の時間遅延を課すことによって対処できる。
【0126】
代わりに、データフィールド433、433aに続くデータフィールドは、シフトされたデータフィールド433aに基づいて計算することができ、その場合全ての続くデータフィールドの規則正しい期間が割り当てられる、あるいはデータフィールド433aを基準として割り当てられることを試行されるであろう。
【0127】
仮想チャネルVC3について描かれるように、例えば中間ノードで課される、個々の時間遅延または関連付けられたデータレートの削減がソースノードに報告されてよく、ソースノードは仮想チャネルに課される時間遅延に関する情報を収集してよい。次に、図4に関して概略されるように提供される伝送リソースが受け入れ可能であるかどうかの決定に到達してよい。
【0128】
図5aが、仮想チャネル割り当て、時間遅延、等の任意の種類のリソースの割り当て、仮想チャネルの伝送フィールドの追加の再分割の1つの考えられる例を非常に概略に描いていることが注記される。
【0129】
図5bは、周波数ベースの分散型アクセス制御付きシステム内で仮想チャネルを確立する例を描く。図5bでは、無線通信ネットワーク内での伝送に使用可能な周波数帯域が個々のサブバンド451、452、453及び454に再分割されると仮定される。さらに、サブバンドの斜線部分は、例えばすでに確立された仮想チャネルのための継続中のトラフィックによって占有されると見なされる。図5bは、さらにソースノードから宛先ノードへの仮想チャネル全体を示すと見なされてよいか、あるいは例えば中間ノード間、または宛先ノードへ等、ソースノードから宛先ノードへの伝送経路の一部を示すと見なされてよい。
【0130】
サブバンド452は占有されていないが、第1のサブバンド415と453は継続中のトラフィックによって完全に占有されていることが注記できる。この場合、したがって仮想チャネル要求はサブバンド452の少なくとも部分の使用を要求してよい。
【0131】
さらに、図5bでは、斜線部分で描かれているように、第4のサブバンド454が部分的に継続中のトラフィックによって占有されていることが描かれている。これは、サブバンド454内の反復期間中の仮想チャネルと関連する伝送に関係することがある。
【0132】
その結果、追加の仮想チャネルが、第4のサブバンド454の占有されていない部分、あるいはサブバンド452とサブバンド454の占有されていない部分の組み合わせ間に確立できるであろう。
【0133】
図5bが、周波数ベースの媒体アクセスの1つ及び時間と周波数ベースのアクセスの組み合わせの考えられる例だけを描き、他の任意のアクセス方式または仮想チャネル割り当てのためのその組み合わせも考えられることが注記される。
【0134】
以下では、本発明の追加の実施形態が図6に関して説明される。
【0135】
図6は、本発明の別の実施形態による仮想チャネルを確立するための分散型媒体アクセス制御付きの無線システムの要素を描く。
【0136】
図6は、無線システム600の4つの例示的なノード610、620、630及び640を概略して描く。さらに、図6の実施形態では、ノード610、ノード630、ソースノードとして働くノード610、及び宛先ノードとして働くノード630の間で仮想チャネルが確立されると仮定される。通信経路は中間ノードとしてノード620を含むと仮定され、通信経路655の第1の部分はノード610とノード620の間で確立され、通信経路の第2の部分はノード620とノード630の間で確立される。仮想チャネルを伝搬するための通信経路は、それが前記実施形態のどれかに関して概略されたように確立されてよく、ノード610と630の間の一方向の伝送または双方向の伝送に適してよい。
【0137】
さらに、図6は、矢印650、651、652、及び653を示し、ノード610から640が、システムの通信リソースの使用に関する情報を獲得するために、無線システム内での伝送活動を傾聴するように適応されることを示している。例えば、通信経路655に沿って仮想チャネルを確立する前に、ノード610は無線ネットワークの予約されているまたは予約されていない伝送リソースを決定するために、無線ネットワークの他のノード間のシグナリングを傾聴してよい。次に仮想チャネル要求は、決定された予約されていない伝送リソースを使用して経路655に沿って仮想チャネルの確立を要求してよい。それに加えて、ノード610は仮想チャネル要求またはデータパケットを分析してよく、他のノードは、予約されていない期間及び予約されていない伝送周波数またはコードの少なくとも1つを決定するために他のノードの予約情報を含む。
【0138】
同様に、他のノードは、例えば別の仮想チャネルのために独自で伝送リソースの割り当てを要求する前に、通信活動の予定を立てるために、無線システム内の継続通信を傾聴し、予約されている及び/または予約されていない伝送リソースを決定してよい。
【0139】
決定は、各傾聴ノードで、追加のノードによって伝搬される仮想チャネルに要求されるリソースをブロックし、その結果他の通信動作がそれらを要求または予約しないようにすることを含んでよい。傾聴ノードでブロックされたリソースは、この特定のノードでリソースに関する予約情報を含むメッセージを送信するノード等、仮想チャネルのある特定のノードでの仮想チャネルに必要とされるリソースを含んでよく、さらに先行するノードまたは続くノード等の追加のノードで要求される仮想チャネルに対して必要とされるリソースをさらに含んでよい。この情報は、予約情報メッセージに直接的に含まれてよいか、あるいは仮想チャネルに関する追加情報から傾聴ノードによって差し引かれてよい。例えば、仮想チャネルが第1の中間ノードで第1のタイムスロットを、第2の中間ノードで第2のタイムスロットを必要とする場合、第1のタイムスロットと第2のタイムスロットの両方とも傾聴ノードで予約される必要がある場合がある。
【0140】
ノードの全てまたはいくつかが、有利に予約テーブルを記憶してよく、予約テーブルは、例えば後に仮想チャネル要求を計画するためのリソースの割り当てを示す。
【0141】
さらに、ノード610から640は、無線システムの追加ノードに予約情報を伝搬してよく、このようにして関係者一同が予約情報を使用できるようにする。
【0142】
同様に、終了した仮想チャネルに関する情報、つまりリリースできるリソースに関する情報は、ネットワークの関与するあらゆるノードに拡散できる。例えば、ネットワーク内のノードはソースノードまたは任意の他のノードによって発せられる仮想チャネルリリースメッセージを傾聴してよく、相応して、例えば別の仮想チャネルに関連して追加の伝送活動に再利用できることが知らされてよい。したがって、仮想チャネルに関与するノード及び関与しないノードは伝送活動を予定するために維持される予約テーブルを更新できる。
【0143】
継続中のトラフィックを傾聴することによって、及び/または仮想チャネル要求、データパケットまたは予約情報を含む他のメッセージを分析することによって、システムのノードは、ノード610とノード630間の仮想チャネル655等の確立された仮想チャネルに関する情報を取得できる。
【0144】
この情報は、例えば高い通信負荷をすでに有する中間ノードを回避する等、仮想チャネルのための考えられる経路を計画するためにも使用できる。さらに、このようにして無線システム全体で使用できるようにされた予約情報は、提供される伝送容量及び/または使用される伝送容量を適切に補償するために会計目的に使用できる。例えば、ノード620は、ノード610とノード630の間で通信情報を中継することについて見返りを受け(rewarded)、同様にノード610及び/または630は中間ノード620でリソースを利用するために請求されるであろう。
【0145】
さらに、可変数の関与するノードのある動的ネットワークでは、ノードが無線システムに入ることが考えられ、さらにノードが無線システムを離れることが考えられる。一般的には、無線システムに入るノードはその可用性を信号で知らせる、あるいはそれ以外の場合、例えば要求に応じて通信サービスを提供することによってそれ自体を関与するノードとして知らせることができ、ネットワークに入る継続中の通信活動を傾聴してよい。これにより、入力するノードは、例えば後に入力するノードによって発行される仮想チャネル要求のために使用可能なリソースを決定できるようになる。
【0146】
別の代替策によると、無線システム全体でメッセージで送信される情報を傾聴し、分析する代わりに、ノードは伝送活動の存在または非存在を単に検出し、この検出結果に基づいてそれ自体の伝送を予定できるであろう。したがって、ノードは仮想チャネル要求を発するために継続中の伝送を用いずに単に期間を使用でき、同様に仮想チャネル要求をディスパッチするための伝送活動なしに伝送周波数を使用してよい。
【0147】
別の代替策に従って、例えば伝送活動を監視せずに、及び/または無線システムで伝送されるメッセージを分析せずに仮想チャネル要求を直接的に送信する等、ノードは直接的に伝送を開始することも考えられる。伝送障害時、例えば仮想チャネル要求が別の継続中の伝送中に送信された場合、仮想チャネル要求はある特定の期間後に再送できるであろう。
【0148】
別の実施形態に従って、無線ネットワークに存在する、または無線ネットワークの中に移動し、既存の予約を知らない追加のノードは、直接的に、または前記代替策に概略されたように、特定の傾聴期間後のどちらかに、既存の予約を知っている他のノードと仮想チャネルを確立する、あるいは追加情報を交換しようとしてよい。
【0149】
この場合、仮想チャネルまたは他の伝送が既存の予約中に発生すると、既存の予約を知っているノードは、既存の予約に関してこの「知らない」ノードに、例えば特殊なメッセージを使用して知らせることができる。したがって、無線ネットワークに存在する、または無線ネットワークの中に移動する追加のノードは既存の予約に関して知らされ、それにしたがって伝送を予定できる。
【0150】
既存の予約は、例えば機能強化されたまたは改良された媒体アクセスプロトコルメッセージによって送信されてよく、予約情報を交換するための追加の媒体アクセスのニーズを回避できるようにする。
【0151】
さらに、無線ネットワークの中に移動する追加のノードは、例えば近傍のノード等の他のノードによって、ネットワークの中に移動する既存の予約に関して知らされてよい。
【0152】
以下では、本発明の追加の実施形態は、図7に関して説明される。
【0153】
図7は、特に予約されていない伝送容量を決定するための動作を描く、分散型媒体アクセス制御付きの無線システムにおける方法の動作を描く。図7の動作は、図1または図6に示されるシステムを使用して実施されてよいが、図7の実施形態はそれに限定されない。
【0154】
図7の動作は、無線システムに存在するあるいは新しい関与者としての無線システムの中に移動する無線システムのノードによって実施されてよい。第1の動作701では、ノードは、例えば、ネットワーク内のメッセージ、データパケットまたは他の仮想チャネル要求を受信し、分析することによって、無線ネットワークの他のノード間のシグナリングを傾聴する。上述のように、予約情報は受信された伝送と分析された伝送に含まれてよいため、次に動作702では、ノードは無線システムの予約されていない伝送リソースを決定できる。例えば、予約されていない伝送リソースは反復する期間、伝送周波数、及び/または伝送コードに関してよい。
【0155】
それ以後、動作703では、ノードは仮想チャネル要求を生成するために予約されていない伝送リソースを使用し、予約されていない伝送リソースの割り当てを要求してよい。この要求は、それに応えて発信側ノードに向かって仮想チャネルクリアランスを返す宛先ノードに転送され、このクリアランスは動作704で受信される。それ以後、ノードは予約されていない伝送リソースを使用して伝送を開始できる。
【0156】
図7の実施形態は、ノードが仮想チャネル要求をディスパッチする前に無線システムの伝送活動をどのように分析できるのかを描き、該仮想チャネル要求は、好ましくは期間内に、または占有されていない伝送リソースを使用してディスパッチされ、仮想チャネルのための予約されていない伝送リソースを要求する。
【0157】
以下では、本発明の追加の実施形態が図8に関して説明される。
【0158】
図8は、本発明の追加の実施形態に従って仮想チャネルを確立するための動作、特に要求されたリソースが入手できない場合の動作を描く。
【0159】
図8の動作は、図6または図1に示されるシステムを使用して実行されてよいが、図8の実施形態はそれに限定されない。
【0160】
第1の動作801では、ソースノードは前記に詳説されたように仮想チャネル要求を送信する。この要求は、仮想チャネルの必要性を決定すると直接的に送信されてよい。つまり、競合ベースで送信されてよい。代わりに、おそらく前述の実施形態に関して注記されたように、仮想チャネル要求はネットワークの伝送活動を傾聴する、及び/または分析した後に伝送されてよい。
【0161】
それ以後、動作802では、ソースノードは、仮想チャネル確認で他の仮想チャネルのために予約されるリソースについて情報を受信するか、あるいは前記実施形態に関して概略されたように、動作802の仮想チャネル確認の使用可能なリソースまたは提供されるリソースについての情報を受信してよい。この情報は、前記実施形態に関して注記されたように、どのリソースが仮想チャネルの伝送経路に沿って中間ノード及び/宛先ノードによって使用できるようになるのかを示してよい。仮想チャネル確認は、要求されるリソースが使用可能ではないが、代替リソースが使用可能であり、予約できる、あるいはすでに予約されていることを示してよい。
【0162】
動作803では、仮想チャネル確認を受信すると、ソースノードは、提供されたリソースまたは使用可能なリソースが受け入れ可能であるかどうかを決定してよい。この決定は、サービスの質要件の場合に、例えばデータスループットレート、リアルタイム要件等の仮想チャネルのための最小要件に基づいてよい。
【0163】
動作803で、決定が「イエス」であり、提供されたまたは使用可能なリソースが受け入れ可能であることを示す場合、動作804では、無線システムのどのリソースがすでに予約されているのかを示すソースノードが内部リソース予約テーブルを更新してよい。予約情報予約(reserve reservation information)も、上述のように無線システムの追加システムに伝搬されてよい。
【0164】
それ以後、動作805では、ソースノードは伝送リソースを使用して仮想チャネルを通してデータパケットを伝送できる。動作805の前に、ソースは、リソースがまだ予約されていない場合に、追加の予約メッセージを送信し、提供された伝送リソースの受け入れに関して中間ノードと宛先ノードに知らせてよい。
【0165】
代わりに、動作803で決定が「ノー」であり、提供されるリソースが受け入れできないことを示す場合、動作806でソースノードが仮想チャネル要求を修正し、仮想チャネル要求を再送してよい。該修正は、確立されなければならない仮想チャネルの使用可能な伝送リソース及び/または修正された特性に関する情報に基づいてよい。動作806の後、フローは動作801に、仮想チャネル要求の伝送に戻る。
【0166】
以下では、本発明の追加の実施形態が図9に関して説明される。
【0167】
図9は、特に、仮想チャネルが乱される、または中断される場合の動作を描く、本発明の別の実施形態による直接媒体アクセス制御付きの無線システム内の方法の動作を描く。図9に描かれている動作は、図1または図6に示されるシステムを使用して実施されてよいが、図9の実施形態はそれに限定されない。
【0168】
上述のように、仮想チャネルはソースノードと宛先ノードの間の通信の期間全体について確立される。したがって、仮想チャネルはかなりの持続時間を有してよいので、それは、例えば関与するノードがネットワークに入る場合、またはネットワークまたは他のネットワーク内の他の伝送のための干渉が増加する場合等、ある点で、例えば無線システムの動的な修正のために乱される、または中断される可能性がある。
【0169】
したがって、例えば継続中の伝送の間に、サービスの中断を回避するために、中断されたまたは劣化した仮想チャネルを確立し直す、あるいは修復するための手段を提供することが有利である。
【0170】
仮想チャネルの不良なまたは中断された接続を検出するために、第1の動作901では、ソースノードと宛先ノード間の伝送経路が監視される。ソースノードまたはネットワークの任意の他のエンティティ、あるいはネットワークの複数のエンティティが監視動作を制御してよい。例えば、ソースノードは、仮想チャネルのステータスに関して伝送経路に沿って中間ノードを調査することができる、あるいは伝送経路に沿ったノードは仮想チャネルのステータスをソースノードに、あるいはネットワークの他のエンティティに例えば周期的な間隔で報告できるであろう。
【0171】
この情報に基づいて、動作902では、ノードが無線ネットワークを離れるところであるかどうかが決定できる。例えば、ノードが無線ネットワークを離れる場合、対応するメッセージは中間ノードのような該離れるノードを使用するネットワークの他のノード等の任意の関係者に伝送できるであろう。それ以外の場合、ノードがもはやアクティブに送信していないことが単に検出できるであろう。
【0172】
動作902で決定が「イエス」であり、ノードがネットワークを離れることを示す場合、動作903で、第1の代替策として、ソースノードが、代替経路を通して仮想チャネルを確立し直すために追加の仮想チャネル要求を生成できる。この代替経路は、それが前記の実施形態に関して概略されたように確立することができ、ネットワークを離れる、あるいはまさに離れようとするノードを通る代替経路を確立するのをやめる。
【0173】
代替策としては、離れるノードに先行する中間ノードが離れるノードに続くノードに対する仮想チャネルのための代替経路を確立できるであろう。したがって、仮想チャネルは該離れるノードを迂回して、代替経路を介して局所的に修理できるであろう。バイパスは、離れるノードの後に続くノードに向かって離れるノードに先行するノードによって発行される仮想チャネル要求を使用して確立でき、離れるノードに先行するノードから、ソースノードから宛先ノードへの仮想チャネルに統合できる、離れるノードに続くノードへの「修復」仮想チャネルの確立につながるであろう。
【0174】
動作902で決定が「ノー」であり、仮想チャネルを維持することに関与するノードのどれも離れていないことを示す場合、動作905で、仮想チャネルの接続が乱されているのか、あるいは中断されているのかが決定される。接続はソースノードと宛先ノードの間の通信経路の副部分(sub−portion)となり、接続は、例えば、ネットワーク負荷が増加する場合、他のネットワークとの干渉、中間ノードの1つの再配置、トポロジー変化、または変化する地理的な状態等のネットワーク特性が変化する場合に中断または乱れることがある。また、接続は、誤り率が特定の閾値を超える場合等、伝送品質が特定の閾値を下回る場合に乱されているまたは中断されていると見なすことができるであろう。
【0175】
動作905で決定が「イエス」であり、接続が乱されている、あるいは中断されていることを示す場合、フローは第1の代替策で動作903に続き、上述のように代替経路を通る仮想チャネルの再確立につながってよい。
【0176】
別の実施形態に従って、動作906では、乱されたまたは中断された接続に続く中間ノードへの仮想チャネルのための代替経路が、乱されたまたは中断された接続を知覚する中間ノードで決定できる。したがって、動作904に類似して、仮想チャネルの局所的な修復が実施できる。
【0177】
動作905で、決定が「ノー」であり、接続のどれも乱されたり、中断されていない場合、フローは動作901に戻り、仮想チャネルの監視を続行できる。
【0178】
動作903、904及び906の後、動作907では、選択された代替策に従った伝送リソースの割り当てを実施でき、仮想チャネルを確立し直す、あるいは局所的に修復することができる。
【0179】
前記実施形態のいくつかはフローチャートに関連して説明されてきたが、図1と図6に示されるような無線システムの要素は前記機能性を実現できるものであって良い。
【0180】
さらに正確には、図1に示される要求ハンドラは無線ネットワークの予約されていない伝送リソースを決定するために、無線ネットワークの他のノード間のシグナリングを傾聴するように適応されてよい。さらに、予約ハンドラは、仮想チャネル要求を使用して、決定された予約されていない伝送リソースを使用する仮想チャネルの確立を要求してよい。この点で、要求ハンドラは、予約されていない期間、予約されていない伝送周波数、及び/または予約されていない伝送コードの少なくとも1つを決定するために他のノードの予約情報を含む仮想チャネル要求またはデータパケットを分析してよい。
【0181】
代替策に従って、予約ハンドラは、仮想チャネル要求を用いて少なくとも1つの中間ノードと宛先ノードに、仮想チャネルのための伝送リソースを決定し、使用可能な場合伝送リソースを予約するように要求するように適応されてよい。
【0182】
伝送リソースが要求されたように使用できない場合、要求ハンドラは、仮想チャネル要求で、該少なくとも1つの中間ノードと宛先ノードのそれぞれに、代替反復期間中の代替使用可能伝送容量、代替周波数、あるいは代替伝送コード使用(using)を決定するように要求してもよい。したがって、要求ハンドラは、仮想チャネル要求で、1つまたは複数の中間ノードと宛先ノードに、代替使用可能伝送容量を使用する伝送に関連する個々の時間遅延を計算し、例えば仮想チャネル確認を使用して同をソースノードに報告するように要求してよい。要求ハンドラは報告された個々の時間遅延に基づいて仮想チャネルの総時間遅延を求め、総時間遅延が所定の最大遅延を超えない場合には仮想チャネルを受け入れてよい。
【0183】
同様に、ソースノードは代替伝送周波数及び/または伝送コードに関する情報を取得し、代替で提供されるリソースが受け入れ可能であるかどうかを決定してよい。
【0184】
不良または中断した接続を処理するために、要求ハンドラはソースノードと宛先ノード間の伝送経路を監視し、中間ノードの少なくとも1つが無線ネットワークを離れるのか、あるいは接続が乱されている、または中断されているのかを判断してよい。さらに、仮想チャネルを修復するために、要求ハンドラは、前記に概略されたように、該少なくとも1つの中間ノードが無線ネットワークを離れる場合、あるいは接続が乱されているまたは中断されている場合に、代替経路を通して仮想チャネルを確立し直す追加の仮想チャネル要求を発してよい。
【0185】
通信ハンドラは、さらに、仮想チャネルの周期的な伝送を使用して、該少なくとも1つの中間ノードと宛先ノードのクロックでクロックの同期を実行してよい。したがって、総合クロック基準が使用できない場合、ソースノード、中間ノード及び宛先ノードは実際の伝送に基づいてクロックを同期できる。
【0186】
さらに、要求ハンドラはメッセージまたはデータパケットに関連した予約情報、あるいは通信プロトコル、特にIEEE802.11規格によるメッセージまたはパッケージヘッダを送信するように適応されてよい。最後に無線ネットワークはマルチホップ無線ネットワークであってよい、及び/またはセルラーネットワークの一部を形成してよい。
【0187】
データ処理装置またはデータ処理装置のネットワークに、前記実施形態の要素を実現させ、前記動作の少なくとも1つの方法を実施させるように適応される命令を有する1つまたは複数のプログラムが提供されてよいことが注記される。
【0188】
また、プログラムがその上で具現化されるコンピュータ読み取り媒体が設けられてよく、該プログラムは、コンピュータまたはデータ処理装置のシステムに前述された例の機能または特徴の動作及び要素を実行させることを目的とする。コンピュータ読み取り可能媒体は、磁気または光学、あるいはその上にプログラムが記録される他の有形の媒体である場合があるが、プログラムが伝送のためにその中で実現されるアナログまたはデジタル、電子、磁気、または光学などの信号である場合もある。
【0189】
さらに、データ処理手段に前記動作を実施させるための命令を含むデータ構造またはデータストリームが提供されてよい。該データストリームまたは該データ構造は、コンピュータ読み取り可能媒体を構成してよい。さらに、コンピュータ読み取り可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品が提供されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0190】
【図1】本発明の実施形態による仮想チャネルを確立するための分散型媒体アクセス制御のための無線ネットワークの要素を描く。
【図2】本発明の実施形態による仮想チャネルを確立するための無線システムの分散型媒体アクセス制御の動作を描く。
【図3】特に、ソースノード、中間ノード及び宛先ノードでの動作を描く、本発明の実施形態による仮想チャネルを確立するための無線システムでの分散型媒体アクセス制御のための動作を描く。
【図4】要求されたリソースが使用できない場合に、特にソースノード、中間ノード、または宛先ノードの動作を描く本発明による仮想チャネルを確立するための無線システム内の分散型媒体アクセス制御のための動作を描く。
【図5】本発明の追加の実施形態による仮想チャネルのためのリソースを割り当てるための例を描く。
【図6】本発明の実施形態による仮想チャネルを確立するための分散型媒体アクセス制御付き無線ネットワークの要素を描く。
【図7】予約されていない伝送リソースを決定するためのステップを特に描く、本発明の実施形態による仮想チャネルを確立するための無線システム内の分散型媒体アクセス制御のための動作を描く。
【図8】特に仮想チャネル上でリソースを予約するための動作を描く、本発明の実施形態による仮想チャネルを確立するための無線システム内の分散型媒体アクセス制御のための動作を描く。
【図9】特に仮想チャネルまたはその一部を作成するまたは確立し直すための動作を描く、本発明の実施形態による仮想チャネルを確立するための無線システム内の分散型媒体アクセス制御のための動作を描く。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型媒体アクセス制御付き無線ネットワーク内の仮想チャネル予約の方法であって、
ソースノードから宛先ノードへ少なくとも1つの中間ノードを含む伝送経路上で、前記ソースノードから前記宛先ノードへ前記少なくとも1つの中間ノードを通して仮想チャネルに対する伝送リソースの割り当てを要求する仮想チャネル要求を送信することと、
前記宛先ノードから、前記仮想チャネルのための前記リソースの割り当てを示す仮想チャネル確認を受信することと、
前記割り当てられた伝送リソースを使用して前記ソースノードから前記宛先ノードにデータを送信することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記伝送リソースが伝送のための反復期間、伝送周波数、及び伝送コードの少なくとも1つを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仮想チャネル要求が前記期間の持続時間、期間の繰り返し、及び時間基準の内の少なくとも1つを含む前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項4】
予約情報が、通信プロトコル、特にIEEE802.11規格に従ってメッセージまたはデータパケットと関連して伝送される前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ソースノードまたは中間ノードが、前記無線ネットワーク内で予約されていない伝送リソースを決定するために前記無線ネットワークの他のノード間のシグナリングを傾聴する前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想チャネル要求が、前記決定された予約されていない伝送リソースを使用して前記仮想チャネルの確立を要求する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ソースノードまたは中間ノードが、他のノードの予約情報を含む仮想チャネル要求またはデータペットを分析するか、あるいは予約されていない期間、伝送周波数、及び伝送コードの内の少なくとも1つを決定するためにリリースメッセージを分析する前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項8】
前記仮想チャネル要求が、前記少なくとも1つの中間ノード及び前記宛先ノードに、前記仮想チャネルのための伝送リソースを決定し、使用可能な場合前記伝送リソースを予約するように要求する前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの中間ノード及び前記宛先ノードのそれぞれが、前記反復期間中の使用可能な伝送容量が使用できない場合に、代替反復期間中の代替使用可能伝送容量を決定する請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの中間ノード及び前記宛先ノードのそれぞれが、前記代替使用可能伝送容量を使用して伝送と関連付けられた個々の時間遅延を計算し、前記ソースノードに同を報告する請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ソースノードは、個別の時間遅延に基づいて前記仮想チャネルの総時間遅延を求め、前記層時間遅延が所定の最大遅延を超えない場合には前記仮想チャネルを受け入れる前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項12】
前記無線ネットワーク内に存在する、または前記無線ネットワークの中に移動する追加ノードが前記予約されていない伝送リソースを決定し、前記予約されていない伝送リソースの間にデータの伝送を開始する前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項13】
前記無線ネットワーク内に存在する、あるいは前記無線ネットワークの中に移動する追加ノードが、仮想チャネル要求または他のノードの予約情報を含むデータパケットを分析するか、あるいは予約されていない伝送リソースを決定するためにリリースメッセージを分析する前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項14】
前記中間ノードの少なくとも1つが無線ネットワークを離れるかどうか、あるいは接続が乱されているか、または中断されているかを判断するために、前記ソースノードと前記宛先ノードの間の前記伝送経路を監視することを含む前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの中間ノードの内の1つが無線ネットワークを離れる場合、あるいは接続が乱されているかまたは中断されている場合に、前記ソースノードが前記仮想チャネルを代替経路を通して確立し直すための追加の仮想チャネル要求を発する前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの中間ノードの内の1つが無線ネットワークを離れる場合に、前記離れる中間ノードに先行する中間ノードが、前記離れる中間ノードに続く中間ノードへの前記仮想チャネルのための代替経路を決定する前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項17】
ノード間の接続が乱されているか、または中断されている場合に、前記乱されている、または中断されている接続に先行する中間ノードで、前記乱されている、または中断されている接続に続く中間ノードへの前記仮想チャネルの代替経路を決定することを含む前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項18】
前記ソースノード、前記少なくとも1つの中間ノード及び前記宛先ノードが、仮想チャネルの周期伝送を使用してクロックを同期させる前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項19】
前記無線ネットワークがマルチホップ無線アドホックネットワークである、及び/またはセルラーネットワークの一部を形成する前記請求項の一項に記載の方法。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項の前記方法を実施するための命令を含むプログラム。
【請求項21】
プログラムが具現化され、前記プログラムが請求項1から19のいずれか一項の前記方法をデータ処理装置に実行させることを目的とするコンピュータ読み取り媒体。
【請求項22】
請求項21に記載の前記コンピュータ読み取り可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項23】
分散型媒体アクセス制御付きの無線ネットワーク内のソースノードであって、
宛先ノードへの少なくとも1つの中間ノードを含む伝送経路上で、前記ソースノードから前記宛先ノードへ前記少なくとも1つの中間ノードを通して仮想チャネルのための伝送リソースの割り当てを要求する仮想チャネル要求を送信するための、及び前記宛先ノードから、前記仮想チャネルのための前記リソースの割り当てを示す仮想チャネル確認を受信するための要求ハンドラと、
前記割り当てられた伝送リソースを使用して、前記ソースノードから前記宛先ノードへデータを送信するための通信ハンドラと、
を含むソースノード。
【請求項24】
前記伝送リソースが、伝送のための反復期間、伝送周波数及び伝送コードの内の少なくとも1つを含む請求項23に記載のソースノード。
【請求項25】
前記仮想チャネル要求が、前記期間の前記持続時間、期間の繰り返し、及び時間基準の内の少なくとも1つに関する予約情報を含む請求項23または24に記載のソースノード。
【請求項26】
前記要求ハンドラが、通信プロトコルに従って、特にIEEE802.11規格に従って、メッセージまたはデータパケットに関連して前記予約情報を送信するものである請求項23から25の一項に記載のソースノード。
【請求項27】
前記要求ハンドラが、前記無線ネットワーク内の予約されていない伝送リソースを決定するために、前記無線ネットワークの他のノード間のシグナリングを傾聴するものである請求項23または26に記載のソースノード。
【請求項28】
前記要求ハンドラが、前記仮想チャネル要求で、前記決定された予約されていない伝送リソースを使用して前記仮想チャネルの確立を要求するものである請求項5に記載のソースノード。
【請求項29】
前記要求ハンドラが、予約されていない期間、伝送周波数及び伝送コードの少なくとも1つを決定するために、仮想チャネル要求または他のノードの予約情報を含むデータパケットを分析する、あるいはリリースメッセージを分析するものである請求項23または28に記載のソースノード。
【請求項30】
要求ハンドラが、前記仮想チャネル要求で、前記少なくとも1つの中間ノードと前記宛先ノードに前記仮想チャネルのための伝送リソースを決定し、使用可能な場合、前記伝送リソースを予約するように要求するものである請求項23または29に記載のソースノード。
【請求項31】
前記要求ハンドラが、仮想チャネル要求で、前記少なくとも1つの中間ノードと前記宛先ノードのそれぞれに、前記反復期間の間の使用可能伝送容量が使用できない場合に、代替反復期間中の代替使用可能伝送容量を決定するように要求するものである請求項30に記載のソースノード。
【請求項32】
前記要求ハンドラが、前記仮想チャネル要求で、前記少なくとも1つの中間ノードと前記宛先ノードのそれぞれに、前記代替使用可能伝送容量を使用する伝送に関連付けられる個々の時間遅延を計算し、前記ソースノードに同を報告するように要求するものである請求項30に記載のソースノード。
【請求項33】
前記要求ハンドラが、個々の時間遅延に基づいて前記仮想チャネルの総時間遅延を求め、前記総時間遅延が所定の最大遅延を超えない場合に前記仮想チャネルを受け入れるものである請求項23または32に記載のソースノード。
【請求項34】
前記要求ハンドラが、前記中間ノードの少なくとも1つが無線ネットワークを離れるかどうか、あるいは接続が乱されているのか、または中断されているのかを判断するために、前記ソースノードと前記宛先ノードの間の前記伝送経路を監視するものである請求項23または33に記載のソースノード。
【請求項35】
前記要求ハンドラが、前記少なくとも1つの中間ノードの内の1つが前記無線ネットワークを離れる場合、あるいは接続が乱されているまたは中断され散る場合に、代替経路を通る前記仮想チャネルを確立し直す追加の仮想チャネル要求を発するものである請求項23および34の一項に記載のソースノード。
【請求項36】
前記通信ハンドラが前記ソースノード、前記少なくとも1つの中間ノード及び前記宛先ノードに、仮想チャネル1の周期的な伝送を使用してクロックを同期させるものである請求項23または35に記載のソースノード。
【請求項37】
前記無線ネットワークがマルチホップ無線アドホックネットワークである、及び/またはセルラーネットワークの一部を計算する請求項23または36に記載のソースノード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−515819(P2007−515819A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−508148(P2005−508148)
【出願日】平成15年8月21日(2003.8.21)
【国際出願番号】PCT/EP2003/009293
【国際公開番号】WO2005/020517
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】