説明

分散染料混合物

本発明は、
(a)2種以上の式(I)の分散染料
(化1)


[式中、
D、R〜R、n及びsは請求項1において定義されたものである]
又は
(b)上に定義された式(I)の1種又は複数の分散染料及び1種又は複数の他の分散染料、を含む分散染料混合物、それらを調製するためのプロセス、並びにそれらの使用、を特許請求する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネービー〜ブラック色の色調を得るための、ネービー〜ブラック色の分散染料の混合物、特に分散アゾ染料とアントラキノン又はベンゾジフラノン染料との混合物、並びに、合成織物材料を着色するためのプロセス、及び染料の混合物を用いて着色した織物材料に関する。
【背景技術】
【0002】
分散染料混合物、及びポリエステル、又はポリエステルと他の繊維たとえばセルロース、ポリウレタン、ナイロン若しくは羊毛とのブレンドを通常の吸尽染色、連続染色及び直接捺染技術を用いて染色するために、上記分散染料混合物を使用することは、たとえば特許文献1及び特許文献2などの文献からも既に知られている。しかしながら、それらには、たとえば均染性/移染性が比較的劣る、染色プロセスにおける染色パラメーターの変化に対するカラーイールド性の依存性が過度に高い、あるいはポリエステルにおけるカラービルドアップ性が不充分である(良好なカラービルドアップ性は、染浴において高濃度で使用した場合に、それに比例して強い染色を与えるような染料の能力によって得られる)、あるいは堅牢性が不充分である、などある種の染着欠陥がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第9704031号パンフレット
【特許文献2】欧州特許出願公開第0 492 893A2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、ポリエステル、又はポリエステルと他の繊維たとえばセルロース、ポリウレタン、ナイロン若しくは羊毛とのブレンドの染色において、改良されたカラービルドアップ性及び堅牢性、すなわち、洗濯堅牢性及び耐光堅牢性が得られるような染色を与える、分散染料が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ポリエステル又はそれと他の繊維とのブレンドの、特にディープブラックな色調領域における、極めて良好なカラービルドアップ性、湿潤堅牢性及び耐光堅牢性のある染色を与えるような分散染料の混合物を提供する。
【0006】
したがって、本発明は、以下のものを含む分散染料混合物を提供する:
(a)2種以上の式(I)の分散染料
【0007】
【化1】

[式中、Dは、式(IIa)の基であるか、
【0008】
【化2】

[式中、
、T及びTは、独立して、水素、ハロゲン又はニトロであり;
は、水素、ハロゲン、シアノ又はニトロであるが;
ここでT、T、T及びTの内の少なくとも一つは水素ではない]
又は、式(IIb)の基であるか、
【0009】
【化3】

[式中、
は、水素又はハロゲンであり;そして
は、水素、−SOCH、−SCN又はニトロであるが;
ここでT及びTの内の少なくとも一つは水素ではない]
又は、式(IIc)の基であるか、
【0010】
【化4】

又は、式(IId)の基であるか、
【0011】
【化5】

[式中、
は、ニトロ、−CHO又は次式の基であり、
【0012】
【化6】

[式中、T10は、水素、ハロゲン、ニトロ又はシアノである]
は、水素又はハロゲンであり;そして
は、ニトロ、シアノ、−COCH又は−COOT10であるが、ここでT10は(C〜C)−アルキルである]
又は、式(IIe)の基であり、
【0013】
【化7】

は、水素、(C〜C)−アルキル又は−NHCORであるが、ここでRは(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;
は、水素又はメチルであり;
は、水素又はメチルであり;
は、水素、メチル又はフェニルであり;
は、水素、クロロ、メトキシ又はエトキシであり;
nは0、1又は2であり;そして
sは、0又は1である]
又は
(b)上で定義された式(I)の1種又は複数の分散染料及び1種又は複数の他の分散染料。
【0014】
本発明の範囲内においては、アルキル基は直鎖であっても、分岐状であってもよい。(C〜C)−アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、又はtert−ブチルであるのが好ましい。(C〜C)−アルキル基にはさらにたとえばペンチル又はヘキシルが存在していてもよく、それに対して(C〜C)−アルキル基にはさらに、たとえばヘプチル又はオクチルが存在していてもよく、そして(C〜C10)−アルキル基にはさらにノニル及びデシルが存在していてもよい。アルコキシ基においても同じ論理が適用される。
【0015】
を表す置換アルキル基は、ヒドロキシル、(C〜C)−アルコキシ又はハロゲンによって置換されているのが好ましい。
【0016】
ハロゲンは好ましくは、フッ素、塩素又は臭素であるが、特に好ましくは塩素又は臭素である。
【0017】
本発明による好ましい染料混合物には、式(Ia)の1種又は複数の染料が含まれる:
【0018】
【化8】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、(C〜C)−アルキル、好ましくはメチルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチル、好ましくはエチルであり;そして
nは、0、1又は2、好ましくは0である]
【0019】
本発明によるさらに好ましい染料混合物には、式(Ib)の1種又は複数の染料が含まれる:
【0020】
【化9】

[式中、
は、ブロモ又はクロロであり;そして
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチル、好ましくはエチル、ベンジル又はフェネチルである]
【0021】
本発明によるさらに好ましい染料混合物には、式(Ic)の1種又は複数の染料が含まれる:
【0022】
【化10】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、水素、(C〜C)−アルキル又は−NCORであるが、ここでRは(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;そして
が水素であってRがメチルであるか、又はRがメチルであってRが水素である]
【0023】
本発明によるさらに好ましい染料混合物には、式(Id)の1種又は複数の染料が含まれる:
【0024】
【化11】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、水素、(C〜C)−アルキル又は−NCORであるが、ここでRは(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;そして
は、メチル又はフェニルである]
【0025】
本発明によるさらに好ましい染料混合物には、式(Ie)の1種又は複数の染料が含まれる:
【0026】
【化12】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;
は、(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、クロロ、メトキシ又はエトキシであり;そして
nは0、1又は2である]
【0027】
本発明によるさらに好ましい染料混合物には、式(If)の1種又は複数の染料が含まれる:
【0028】
【化13】

[式中、
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;
はニトロであり;そして
nは0、1又は2である]
【0029】
本発明によるさらに好ましい染料混合物には、式(Ig)の1種又は複数の染料が含まれる:
【0030】
【化14】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、水素、(C〜C)−アルキル又は−NCORであるが、ここでRは(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;そして
は、水素又はメチルである]
【0031】
本発明によるさらに好ましい染料混合物には、式(I)の1種又は複数の染料が含まれるが、ここでDは以下のものからなる群から選択されるアミンから誘導される:2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、4−クロロ−2−ニトロアニリン、2−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2,6−ジブロモ−4−ニトロアニリン、2−クロロ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2,5−ジクロロ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−ブロモ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−6−クロロ−4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2−クロロ−4,6−ジニトロアニリン、2−ブロモ−4,6−ジニトロアニリン、2,6−ジシアノ−4−ニトロアニリン、2−シアノ−4,6−ジニトロアニリン、2−アミノ−5−ニトロチアゾール、2−アミノ−3,5−ジニトロチオフェン、2−アミノ−3−エトキシカルボニル−5−ニトロチオフェン、2−アミノ−3−アセチル−5−ニトロチオフェン、2−アミノ−3−シアノ−5−ニトロチオフェン、2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−5−ホルミルチオフェン、7−アミノ−5−ニトロベンゾイソチアゾール、2−アミノ−6−ニトロベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルスルホニルベンゾチアゾール、2−アミノ−6−チオシアナトベンゾチアゾール、2−アミノ−5,6−ジクロロベンゾチアゾール、及び2−アミノ−6,7−ジクロロベンゾチアゾール(混合物)。
【0032】
本発明による特に好ましい染料混合物には、下記の表1に示す式I−1〜I−52の1種又は複数の染料が含まれる。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
【表5】

【0038】
【表6】

【0039】
【表7】

【0040】
本発明の範囲内においては、「他の分散染料」という用語には、疎水性材料、好ましくはポリエステル織物材料を染色するために使用することが可能な、すべての分散染料が含まれる。そのような染料は、当業者には公知であり、文献に詳しく記載されており、市場で入手することが可能である。
【0041】
本発明の染料混合物を形成するために一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、好ましい分散染料は、たとえば式(III)の染料である:
【0042】
【化15】

[式中、
及びXのそれぞれは、独立して水素又はシアノであり;
は、(C〜C10)−アルキル又は−(CH−COOR14であり;
10は、水素、メチル、シアノメチル、ハロゲンメチル、エチル、シアノエチル、ハロゲンエチル、ハロゲン、−NH−CO−R15又は−NH−SO−R15であり;
11は、非置換(C〜C)−アルキル、又はヒドロキシ、(C〜C)−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、−OCOR15、−COOR15、ビニル若しくはフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルであり;
12は、水素、非置換(C〜C)−アルキル、又はヒドロキシ、(C〜C)−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、−OCOR、−COOR、ビニル若しくはフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルであり;
13は、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、非置換(C〜C)−アルコキシ、又はハロゲン、シアノ若しくはフェニルによって置換された(C〜C)−アルコキシであり;
14は、(C〜C)−アルキルであり;
15は、非置換(C〜C)−アルキル、又はハロゲン若しくはシアノによって置換された(C〜C)−アルキルであり;そして
oは、1、2、3、4又は5である]
【0043】
特に好ましい式(III)の分散染料は、以下の置換基を有するものである:
が、エチル又はn−ブチルであり;
10が、シアノメチル、ハロゲンメチル、エチル、シアノエチル、ハロゲンエチル、ハロゲン、−NH−CO−R15又は−NH−SO−R15であるが、ここで、R10が−NH−CO−R15である場合には、それは特に好ましいアセチルアミノ又はプロピオニルアミノであり、R10が−NH−SO−R15である場合には、それは特に好ましいメチルスルファミノ又はエチルスルファミノであり;
11及びR12のそれぞれが、独立して、(C〜C)−アルキル、特に好ましくはメチル若しくはエチルであるか、又はメトキシ若しくはエトキシによって置換された(C〜C)−アルキルであり;そして
13が、水素、(C〜C)−アルコキシ、特に好ましくは(C〜C)−アルコキシ、たとえばメトキシ又はエトキシである。
【0044】
式(III)のさらに特に好ましい分散染料は、式(IIIa)のものである:
【0045】
【化16】

[式中、
は、n−ペンチル又は−(CH−COOR14であり;
10は、メチル、−NH−CO−メチル又は−NH−SO−メチルであり;
11及びR12は独立して、エチル、−(CHCN、−(CHOMe、−(CHOAc又はn−ブチルであり;
14は、メチル、エチル又はブチルであり;そして
oは1、2又は3である]
【0046】
式(III)のさらに特に好ましい分散染料は、式(IIIb)のものである:
【0047】
【化17】

[式中、
は、エチル又は−(CH−COOR14であり;
11及びR12は独立して、エチル、−(CHCN、−(CHOMe、−(CHOAc又はn−ブチルであり;
14は、メチル、エチル又はブチルであり;そして
oは、1、2、3又は5である]
【0048】
式(III)のさらに特に好ましい分散染料は、式(IIIc)のものである:
【0049】
【化18】

[式中、
は、iso−プロピル、iso−ブチル、sec−ブチル、又はtert−ブチルであり;そして
11及びR12は独立して、エチル、−(CHCN、−(CHOMe、−(CHOAc又はn−ブチルである]
【0050】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、特に好ましい式(III)の分散染料は、以下の表2に示す式III−1〜III−15の染料である。
【0051】
【表8】

【0052】
【表9】

【0053】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、さらに好ましい分散染料は、式(IV)の染料である。
【0054】
【化19】

[式中、
P及びQは、両方ともOであるか、又は一方がOで、もう一方がNHであり;
pは、1、2、3又は4であり;そして
16は、水素、(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキルである]
【0055】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、特に好ましい式(IV)の分散染料は、以下の表3に示す式IV−1〜IV−7の染料である。
【0056】
【表10】

【0057】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、さらに好ましい分散染料は、式(V)の染料である。
【0058】
【化20】

[式中、
17は、水素、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキル又はアリールオキシ−(C〜C)−アルキルであり;
Xは、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、ニトロ又はシアノであり;
Yは、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、ニトロ、(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリール−(C〜C)−アルコキシカルボニル、モノ−若しくはジ−(C〜C)−アルキルアミノ−カルボニル、(C〜C)−アルキル−(C〜C)−アルコキシカルボニル、又はR18SOであり;
Zは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アリールオキシ−(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリール−(C〜C)−アルコキシカルボニル、−OSOアリール又はR18SOであり;そして
18は、アリールオキシ、又はモノ−若しくはジ−(C〜C)−アルキルアミノである]
【0059】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、特に好ましい式(V)の分散染料は、以下の表4に示す式V−1〜V−25の染料である。
【0060】
【表11】

【0061】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、さらに好ましい分散染料は、式(VI)の染料である。
【0062】
【化21】

[式中、
19及びR20は独立して、水素、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルケニルオキシ又は−O(CH22であるが、
ここで、
qは、1〜6の整数であり;そして
22は、−OR23又は−COR24であるが;
ここで、
23は、水素、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルケニル、置換若しくは非置換フェニル、(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキル、フェノキシ−(C〜C)−アルキル、カルボニル−(C〜C)−アルキル、カルボニル−(C〜C)−アルケニル、カルボニルフェニル、カルボニル−(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキル又はカルボニルフェノキシ−(C〜C)−アルキルであり;そして
24は、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルケニルオキシ、置換若しくは非置換フェニルオキシ、フェニル−(C〜C)−アルコキシ、フェノキシ−(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルケニルオキシ−(C〜C)−アルコキシ、又は(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシである]
【0063】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、特に好ましい式(VI)の分散染料は、以下の表5に示す式VI−1〜VI−11の染料である。
【0064】
【表12】

【0065】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、さらに好ましい分散染料は、式(VII)の染料である。
【0066】
【化22】

【0067】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、さらに好ましい分散染料は、式(VIII)の染料である。
【0068】
【化23】

[式中、
24及びR25のそれぞれは、独立して、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルケニル、置換若しくは非置換フェニル、フェニル−(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキルであり;
26は、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、又は−NHCOR27であり;
28、R29及びR30のそれぞれは、独立して、水素、塩素、臭素、シアノ、又はニトロであり;
27は、(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシであり;そして
rは、1、2、3又は4である]
【0069】
本発明の染料混合物を形成させるために、一般式(I)の染料と共に使用することが可能な、特に好ましい式(VIII)の分散染料は、以下の表6に示す式VIII−1〜VIII−3の染料である。
【0070】
【表13】

【0071】
式(I)の1種又は複数の分散染料及び1種又は複数の他の分散染料を含む本発明の染料混合物は、式(I)の1種又は複数の分散染料を、混合物の全重量を基準にして、好ましくは1重量%〜99重量%、特に好ましくは25重量%〜95重量%の量で含む。
【0072】
式(III)の1種又は複数の分散染料を含む本発明の染料混合物においては、後者を、好ましくは0.5重量%〜45重量%、特に好ましくは10重量%〜30重量%の量で存在させる。
【0073】
式(IV)の1種又は複数の分散染料を含む本発明の染料混合物においては、後者を、好ましくは0.5重量%〜30重量%、特に好ましくは0.5重量%〜20重量%の量で存在させる。
【0074】
式(V)の1種又は複数の分散染料を含む本発明の染料混合物においては、後者を、好ましくは0.5重量%〜50重量%、特に好ましくは0.5重量%〜40重量%の量で存在させる。
【0075】
式(VI)の1種又は複数の分散染料を含む本発明の染料混合物においては、後者を、好ましくは0.5重量%〜30重量%、特に好ましくは0.5重量%〜20重量%の量で存在させる。
【0076】
式(VII)の分散染料を含む本発明の染料混合物においては、後者を、好ましくは0.5重量%〜30重量%、特に好ましくは0.5重量%〜20重量%の量で存在させる。
【0077】
式(VIII)の1種又は複数の分散染料を含む本発明の染料混合物においては、後者を、好ましくは0.5重量%〜60重量%、特に好ましくは0.5重量%〜20重量%の量で存在させる。
【0078】
本発明の分散染料混合物は、たとえば、式(I)の2種以上の染料を混合するか、又は式(I)の1種又は複数の染料を必要な量の1種又は複数の他の染料と混合することによって調製することができる。好適な混合方法には以下のようなものがある。
【0079】
a)共結晶化
典型的には、複数の染料を加熱溶媒に溶解させるが、その方法としてはたとえば、それらの染料を適当な溶媒に加え、溶媒の還流温度まで加熱してそれらの染料を溶解させ、次いで濾過をして溶液を作り、その溶液を冷却して、結晶を生成させる。次いで、得られた染料混合物をさらに、たとえば磨砕や噴霧乾燥のような加工にかけてもよい。このプロセスで使用するのに適した溶媒の例としては、有機溶媒、たとえば、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、アルコール、アミド、スルホキシド、エステル、ケトン及びエーテルなどが挙げられる。有機溶媒の具体的な例を挙げれば、トルエン、エチルセロソルブ、アセトン、クロロベンゼン、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、ベンゼン、テトラヒドロフラン及びシクロヘキサンなどがある。
【0080】
b)共摩砕
染料を混合し、次いで一緒に磨砕して、よく混じり合ったブレンドとし、次いでそれを噴霧乾燥して固形の染料混合物とする。
【0081】
c)共乾燥
それぞれの染料を個別に摩砕し、次いで必要な染料を必要な比率で混合してから、噴霧乾燥させる。
【0082】
d)ドライブレンド
それぞれの染料を個別に噴霧乾燥させ、次いでドライブレンドプロセスによって必要な染料を必要な比率で混合する。
【0083】
(I)及び(III)〜(VIII)の染料は公知であるか、又は当業者公知の標準的な条件下で容易に調製される。
【0084】
本発明の具体的な態様では、本発明の分散染料混合物と、それに加えて、着色用途で慣用されている少なくとも1種のさらなる成分、たとえば分散剤や場合によっては界面活性剤又は湿潤剤とを含む組成物を提供する。この組成物には典型的には、固相媒体(solid medium)中に染料混合物を合計して、重量で、1%〜65%、好ましくは10〜60%、より好ましくは20〜55%含む。
【0085】
分散剤の典型例は、リグノスルホネート、ナフタレンスルホン酸/ホルムアルデヒド縮合物、及びフェノール/クレゾール/スルファニル酸/ホルムアルデヒド縮合物である。湿潤剤の典型例は、スルホン化又はリン酸化されていてもよいアルキルアリールエトキシレートであり、存在させてもよいその他の成分の典型例は、無機塩、脱泡剤たとえば鉱油又はノナノール、有機液体、及び緩衝剤である。分散剤は、染料混合物の重量を基準にして、10%〜200%の範囲で存在させてよい。湿潤剤は、染料混合物の重量を基準にして、0.1%〜20%の範囲で使用してよい。
【0086】
これらの組成物は、本発明の分散染料混合物を、水性媒体中でガラスビーズ又は砂を用いて、ビーズ摩砕することによって調製してもよい。組成物に分散剤、充填材及び他の界面活性剤をさらに添加することもでき、噴霧乾燥の様な技術を用いて乾燥させると、染料を5重量%〜65重量%含む固形組成物が得られる。
好ましくは上述の組成物の形態にある、本発明の分散染料混合物は、合成材料、特に合成織物材料及びそれらの繊維ブレンドを着色するのに有用である、
【0087】
したがって、本発明は、合成材料、特に合成織物材料及びそれらの繊維ブレンドを着色するためのプロセスを提供するが、そのプロセスには、合成材料に対して本発明による染料混合物を適用することが含まれる。
【0088】
好適な合成織物材料は、芳香族ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート及びそれからのミクロ繊維構造物(海島構造及び複合ミクロ繊維の両方を含む)、ポリアミド、特にポリヘキサメチレンアジパミド、第二級セルロースアセテート(secondary cellulose acetate)、セルローストリアセテート、ポリウレタン、並びに天然織物材料、特にセルロース系材料及び羊毛などから選択することができる。特に好ましい織物材料は、芳香族ポリエステル又は、それと上記の織物材料のいずれかの繊維との繊維ブレンドである。特に好ましい繊維ブレンドとしては、ポリエステル−セルロース、たとえばポリエステル−綿、ポリエステル−羊毛、複合ミクロ繊維の形態のポリエステル/ポリウレタン及びポリエステル/ポリアミドなどが挙げられる。織物材料又はそのブレンドは、フィラメント、ばら繊維(loose fibres)、糸又は、織布若しくは編み物などの形態をとっているのがよい。
【0089】
本発明の分散染料混合物は、上述の材料を、優れたレベルの湿潤堅牢性を有するディープブラックの色調に着色する。
本発明の分散染料混合物は、合成織物材料又は繊維ブレンドに、そのような材料や繊維ブレンドに分散染料を適用する際に従来から使用されているプロセスを用いて、適用することができる。好適なプロセス条件は下記のものから選択することができる:
(i)吸尽染色では、pH4〜6.5、温度125℃〜140℃で10〜120分、圧力1〜2バール、場合によっては金属イオン封鎖剤を添加;
(ii)連続染色では、pH4〜6.5、温度190℃〜225℃で15秒〜5分、場合によっては移染防止剤を添加;
(iii)直接捺染では、pH4〜6.5、温度160℃〜185℃で4〜15分間の高温蒸熱処理、又は、温度190℃〜225℃で15秒〜5分間の乾熱ベーク固着、又は温度120℃〜140℃、1〜2バールで10〜45分間の加圧蒸熱処理で、場合によっては、湿潤剤及び増粘剤(たとえばアルギネート)を染料の5〜100重量%添加:
(iv)抜染(織物材料の上に染料をパジングし、乾燥し、そしてオーバープリントすることによる)では、pH4〜6.5、場合によっては移染防止剤及び増粘剤を添加;
(v)キャリヤー染色では、pH4〜6.5、温度95℃〜100℃で、キャリヤーとしてたとえばメチルナフタレン、ジフェニルアミン又は2−フェニルフェノールを使用し、場合によっては金属イオン封鎖剤(sequestrants)を添加;そして、
(vi)アセテート、トリアセテート及びナイロンの常圧染色では、pH4〜6.5、アセテートの場合は温度85℃、トリアセテート及びナイロンの場合には温度90℃で15〜90分、場合によっては金属イオン封鎖剤を添加する。
【0090】
上述のプロセスのすべてにおいて、染料混合物は、水性媒体中に本発明の分散染料混合物を0.001重量%〜20重量%、好ましくは0.005重量%〜16重量%含む分散体として適用する。
上述の適用プロセスに加えて、上記染料混合物は、合成織物材料及び繊維ブレンドに対するインクジェット捺染に適用することもできる。インクジェット染着の場合、その染着媒体には、水、分散剤、殺生物剤、及び水溶性有機溶媒を、重量比で、好ましくは1:99から99:1まで、より好ましくは1:95から50:50まで、特に10:90から40:60までの範囲で含んでいてもよい。好ましい水溶性有機溶媒としては、C1〜4−アルカノール、特にメタノール又はエタノール、ケトン、特にアセトン又はメチルエチルケトン、2−ピロリドン又はN−メチルピロリドン、グリコール、特にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブタン−2,3−ジオール、チオジグリコール又はジエチレングリコール、グリコールエーテル、特にエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノメチルエーテル、尿素、スルホン、特にビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホン、又はそれらの混合物などが挙げられる。
【0091】
慣用の織物捺染とは対照的に、インクジェット捺染においては、助剤は、別の前処理工程において織物基材に適用しなければならない。織物基材の前処理は、捺染インキを適用したときにモティーフの流動を防止するための、増粘剤、たとえばアルギン酸ナトリウム、変性ポリアクリレート又は高度にエーテル化されたガラクトマンナンを用いて実施される。
【0092】
これらの前処理用反応剤は、好適なアプリケータを使用して所定の量を均一に織物基材に適用するが、そのためにはたとえば、2本又は3本ロールパッド、無接触スプレー技術を用いたり、発泡適用の手段によったり、あるいは程よく適合させたインクジェット技術を用い、その後に乾燥させる。
捺染後に、その織物繊維材料を120〜150℃で乾燥させてから固着させる。
反応性染料を用いて調製したインクジェットプリントの固着は、室温で、又は飽和スチーム、過熱スチーム、加熱空気、高周波、赤外線照射、レーザー若しくは電子ビーム、あるいはその他の適切なエネルギー転換技術を用いて実施することができる。
【0093】
本発明の分散染料混合物は、超臨界の二酸化炭素を使用して織物材料に適用することも可能であるが、その場合には染料配合剤を任意に省略することができる。
【0094】
本発明の分散染料混合物はさらに、たとえば、非織物(non-textiles)のインクジェット捺染、色素拡散、及びプラスチックの着色において使用することもできる。
【0095】
ここで本発明の実施態様を、以下の実施例を参照しながらさらに詳しく説明するが、ここでは特に記さない限り部は重量基準である。
【実施例】
【0096】
実施例1
30部の染料I−7及び24部の染料I−30の混合物を、22部の染料III−1、5部の染料IV−1、5部の染料IV−2、13部の染料V−18、及び1部の染料V−1と混合した。次いでその混合物を、45部の高温で安定な分散化剤を用いて40%の水性スラリーとして摩砕し、染料の粒径(平均直径)を0.1〜5ミクロンの範囲とした。
この分散物に99.7部の「充填剤/切断剤」を添加し、そして噴霧乾燥器中で乾燥して、粒状又は粉末状することによって、混合物36%と分散剤64%とを含むソリッド・ブランド(solid brand)に標準化した。この生成物は、ポリエステル(ミクロ繊維及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/ポリウレタン、ポリエステル/ナイロン(特に複合ミクロ繊維)、及びポリエステル/羊毛ブレンドなどの吸尽染色には特に適しており、さらに、連続染色や直接捺染にも使用することができる。
【0097】
断片の形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴は、11.5mLのソリッド・ブランドの水性分散体(40〜50℃で100mLの水中に2gの染料)を、57.5mLの脱イオン水及び1.2mLの緩衝液に加えることにより調製した。この染浴に、5gのポリエステルの断片を加え、ウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中で、130℃で45分間維持した。水を用いたすすぎと還元清浄化処理をした後では、その材料は、優れた湿潤堅牢性を有するディープブラックな色調に染色されていた。その混合物の興味ある特徴は、ポリエステル及び特にポリエステルミクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能であって、それに比例して、従来のポリエステルに比較して、同一の視覚的効果を得るのに、より多くの染料を適用しなければならない。
【0098】
実施例2
72部の染料I−7、24部の染料III−1及び4部の染料V−18の3成分混合物を、密に混合することにより調製した。次いでその混合物を、50部の高温で安定な分散化剤を用いて40%の水性スラリーとして摩砕し、染料の粒径(平均直径)を0.1〜5ミクロンの範囲とした。
この分散物に81.5部の「充填剤/切断剤」を添加し、そして噴霧乾燥器中で乾燥して、粒状又は粉末状することによって、混合物40%と分散剤60%とを含むソリッド・ブランド(solid brand)に標準化した。この生成物は、ポリエステル(ミクロ繊維及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/ポリウレタン、ポリエステル/ナイロン(特に複合ミクロ繊維)、及びポリエステル/羊毛ブレンドなどの吸尽染色には特に適しており、さらに、連続染色や直接捺染にも使用することができる。
【0099】
断片の形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴は、11.25mLのソリッド・ブランドの水性分散体(40〜50℃で100mLの水中に2gの染料)を、57mLの脱イオン水及び1.2mLの緩衝液に加えることにより調製した。この染浴に、5gのポリエステルの断片を加え、ウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中で、130℃で45分間維持した。水を用いたすすぎと還元清浄化処理をした後では、その材料は、優れた湿潤堅牢性を有するディープネービーな色調に染色されていた。その混合物の興味ある特徴は、ポリエステル及び特にポリエステルミクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能であって、それに比例して、従来のポリエステルに比較して、同一の視覚的効果を得るのに、より多くの染料を適用しなければならない。
【0100】
実施例3
39部の染料I−15、10部の染料I−24、4部の染料IV−1、4部の染料IV−2、23部の染料V−1、10部の染料VI−1及び10部の染料VIIの混合物を混合する。100部の高温で安定な分散化剤を用いて40%の水性スラリーとして摩砕し、染料の粒径(平均直径)を0.1〜5ミクロンの範囲とした。
この分散物に81.5部の「充填剤/切断剤」を添加し、そして噴霧乾燥器中で乾燥して、粒状又は粉末状することによって、混合物40%と分散剤60%とを含むソリッド・ブランド(solid brand)に標準化した。この生成物は、ポリエステル(ミクロ繊維及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/ポリウレタン、ポリエステル/ナイロン(特に複合ミクロ繊維)、及びポリエステル/羊毛ブレンドなどの吸尽染色には特に適しており、さらに、連続染色や直接捺染にも使用することができる。
【0101】
断片の形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴は、11.25mLのソリッド・ブランドの水性分散体(40〜50℃で100mLの水中に2gの染料)を、57mLの脱イオン水及び1.2mLの緩衝液に加えることにより調製した。この染浴に、5gのポリエステルの断片を加え、ウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中で、130℃で45分間維持した。水を用いたすすぎと還元清浄化処理をした後では、その材料は、優れた湿潤堅牢性を有するディープブラックな色調に染色されていた。その混合物の興味ある特徴は、ポリエステル及び特にポリエステルミクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能であって、それに比例して、従来のポリエステルに比較して、同一の視覚的効果を得るのに、より多くの染料を適用しなければならない。
【0102】
実施例4
36部の染料I−7、9部の染料I−24及び55部の染料VIII−1の混合物を、密に混合することにより調製した。次いでそれを、45部の高温で安定な分散化剤を用いて40%の水性スラリーとして摩砕し、染料の粒径(平均直径)を0.1〜5ミクロンの範囲とした。
この分散物に99.5部の「充填剤/切断剤」を添加し、そして噴霧乾燥器中で乾燥して、粒状又は粉末状することによって、混合物36%と分散剤64%とを含むソリッド・ブランド(solid brand)に標準化した。この生成物は、ポリエステル(ミクロ繊維及び軽量化ポリエステルを含む)、ポリエステル/セルロース、ポリエステル/ポリウレタン、ポリエステル/ナイロン(特に複合ミクロ繊維)、及びポリエステル/羊毛ブレンドなどの吸尽染色には特に適しており、さらに、連続染色や直接捺染にも使用することができる。
【0103】
断片の形態のポリエステルを吸尽染色するための染浴は、11.5mLのソリッド・ブランドの水性分散体(40〜50℃で100mLの水中に2gの染料)を、57mLの脱イオン水及び1.2mLの緩衝液に加えることにより調製した。この染浴に、5gのポリエステルの断片を加え、ウェルナー・マティス・ラボマート(Werner Mathis Labomat)高温染色機中で、130℃で45分間維持した。水を用いたすすぎと還元清浄化処理をした後では、その材料は、優れた湿潤堅牢性を有するディープブラックな色調に染色されていた。その混合物の興味ある特徴は、ポリエステル及び特にポリエステルミクロ繊維上におけるその優れたビルドアップ性能であって、それに比例して、従来のポリエステルに比較して、同一の視覚的効果を得るのに、より多くの染料を適用しなければならない。
【0104】
実施例5
ポリエステルの織布を、水中に50g/Lの8%アルギン酸ナトリウム溶液、100g/Lの8〜12%ガラクトマンナン溶液及び5g/Lのリン酸二水素ナトリウムを含む液を用いて前処理してから、乾燥させた。湿時ピックアップは70%である。
このようにして前処理した織物を、ドロップ・オン・デマンド(バブルジェット(登録商標))インクジェット印刷ヘッドを使用して、
6%の、表7中実施例6による染料混合物
1.5%の分散剤ディスパービク(Disperbyk)190
10%の2−プロパノール
20%のポリエチレングリコール200
0.01%の殺生物剤(biocide)マーガル(Mergal)K9N
62.49%の水
を含む水性インキで捺染する。捺染物は完全に乾燥させる。飽和水蒸気の手段を用い175℃で7分間の加熱により固着させる。
その捺染物を次いで温水洗いをし、95℃の熱水で堅牢洗い(fastness wash)にかけ、温水洗いをし、乾燥させる。
得られたのは、優れた使用堅牢性を有するブラックの色調の捺染物である。
【0105】
表7の染料を混合することによってさらなる本発明の染料混合物が得られたが、表の中の量は重量%である。
【0106】
【表14】

【0107】
【表15】

【0108】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散染料混合物であって、
(a)2種以上の式(I)の分散染料
【化1】

[式中、Dは、式(IIa)の基であるか、
【化2】

[式中、
、T及びTは、独立して、水素、ハロゲン又はニトロであり;
は、水素、ハロゲン、シアノ又はニトロであるが;
ここでT、T、T及びTの内の少なくとも一つは水素ではない]
又は、式(IIb)の基であるか、
【化3】

[式中、
は、水素又はハロゲンであり;そして
は、水素、−SOCH、−SCN又はニトロであるが;
ここでT及びTの内の少なくとも一つは水素ではない]
又は、式(IIc)の基であるか、
【化4】

又は、式(IId)の基であるか、
【化5】

[式中、
は、ニトロ、−CHO又は次式の基であり、
【化6】

[式中、T10は、水素、ハロゲン、ニトロ又はシアノである]
は、水素又はハロゲンであり;そして
は、ニトロ、シアノ、−COCH又は−COOT10であるが、ここでT10は(C〜C)−アルキルである]
又は、式(IIe)の基であり、
【化7】

は、水素、(C〜C)−アルキル又は−NHCORであるが、ここでRは(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;
は、水素又はメチルであり;
は、水素又はメチルであり;
は、水素、メチル又はフェニルであり;
は、水素、クロロ、メトキシ又はエトキシであり;
nは0、1又は2であり;そして
sは、0又は1である]
又は
(b)上で定義された式(I)の1種又は複数の分散染料及び1種又は複数の他の分散染料、
を含む分散染料混合物。
【請求項2】
前記式(I)の染料が、
式(Ia)であるか、
【化8】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、(C〜C)−アルキル、好ましくはメチルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチル、好ましくはエチルであり;そして
nは、0、1又は2、好ましくは0である]
又は式(Ib)であるか、
【化9】

[式中、
は、ブロモ又はクロロであり;そして
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチル、好ましくはエチル、ベンジル又はフェネチルである]
又は式(Ic)であるか、
【化10】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、水素、(C〜C)−アルキル又は−NCORであるが、ここでRは(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;そして
が水素であってRがメチルであるか、又はRがメチルであってRが水素である]
又は式(Id)であるか、
【化11】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、水素、(C〜C)−アルキル又は−NCORであるが、ここでRは(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;そして
は、メチル又はフェニルである]
又は式(Ie)であるか、
【化12】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;
は、(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、クロロ、メトキシ又はエトキシであり;そして
nは0、1又は2である]
又は式(If)であるか、
【化13】

[式中、
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;
はニトロであり;そして
nは0、1又は2である]
又は式(Ig)である、
【化14】

[式中、
Dは、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)又は(IIe)の基であり;
は、水素、(C〜C)−アルキル又は−NCORであるが、ここでRは(C〜C)−アルキル又はフェニルであり;
は、非置換(C〜C)−アルキル、置換(C〜C)−アルキル、ベンジル又はフェニルエチルであり;そして
は、水素又はメチルである]
請求項1に記載の分散染料混合物。
【請求項3】
式(III):
【化15】

[式中、
及びXのそれぞれは、独立して水素又はシアノであり;
は、(C〜C10)−アルキル又は−(CH−COOR14であり;
10は、水素、メチル、シアノメチル、ハロゲンメチル、エチル、シアノエチル、ハロゲンエチル、ハロゲン、−NH−CO−R15又は−NH−SO−R15であり;
11は、非置換(C〜C)−アルキル、又はヒドロキシ、(C〜C)−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、−OCOR15、COOR15、ビニル若しくはフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルであり;
12は、水素、非置換(C〜C)−アルキル、又はヒドロキシ、(C〜C)−アルコキシ、シアノ、ハロゲン、−OCOR、COOR、ビニル若しくはフェニルによって置換された(C〜C)−アルキルであり;
13は、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、非置換(C〜C)−アルコキシ、又はハロゲン、シアノ若しくはフェニルによって置換された(C〜C)−アルコキシであり;
14は、(C〜C)−アルキルであり;
15は、非置換(C〜C)−アルキル、又はハロゲン若しくはシアノによって置換された(C〜C)−アルキルであり;そして
oは、1、2、3、4又は5である]
の染料を含む、請求項1又は2に記載の分散染料混合物。
【請求項4】
式(IV):
【化16】

[式中、
P及びQは、両方ともOであるか、又は一方がOで、もう一方がNHであり;
pは、1、2、3又は4であり;そして
16は、水素、(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシアルキルである]
の染料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分散染料混合物。
【請求項5】
式(V):
【化17】

[式中、
17は、水素、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキル又はアリールオキシ−(C〜C)−アルキルであり;
Xは、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、ニトロ又はシアノであり;
Yは、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、ニトロ、(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリール−(C〜C)−アルコキシカルボニル、モノ−若しくはジ−(C〜C)−アルキルアミノ−カルボニル、(C〜C)−アルキル−(C〜C)−アルコキシカルボニル、又はR18SOであり;
Zは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アリールオキシ−(C〜C)−アルコキシカルボニル、アリール−(C〜C)−アルコキシカルボニル、−OSOアリール又はR18SOであり;そして
18は、アリールオキシ、又はモノ−若しくはジ−(C〜C)−アルキルアミノである]
の染料を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分散染料混合物。
【請求項6】
式(VI):
【化18】

[式中、
19及びR20は独立して、水素、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルケニルオキシ又は−O(CH22であるが、
ここで、
qは、1〜6の整数であり;そして
22は、−OR23又は−COR24であるが;
ここで、
23は、水素、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルケニル、置換若しくは非置換フェニル、(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキル、フェノキシ−(C〜C)−アルキル、カルボニル−(C〜C)−アルキル、カルボニル−(C〜C)−アルケニル、カルボニルフェニル、カルボニル−(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキル又はカルボニルフェノキシ−(C〜C)−アルキルであり;そして
24は、(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルケニルオキシ、置換若しくは非置換フェニルオキシ、フェニル−(C〜C)−アルコキシ、フェノキシ−(C〜C)−アルコキシ、(C〜C)−アルケニルオキシ−(C〜C)−アルコキシ、又は(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルコキシである]
の染料を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分散染料混合物。
【請求項7】
式(VII):
【化19】

の染料を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の分散染料混合物。
【請求項8】
式(VIII):
【化20】

[式中、
24及びR25のそれぞれは、独立して、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルケニル、置換若しくは非置換フェニル、フェニル−(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシ−(C〜C)−アルキルであり;
26は、水素、ハロゲン、(C〜C)−アルキル、(C〜C)−アルコキシ、又は−NHCOR27であり;
28、R29及びR30のそれぞれは、独立して、水素、塩素、臭素、シアノ、又はニトロであり;
27は、(C〜C)−アルキル、又は(C〜C)−アルコキシであり;そして
rは、1、2、3又は4である]
の染料を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の分散染料混合物。
【請求項9】
式(I)の2種以上の染料を混合するか、又は式(I)の1種又は複数の染料を必要な量の1種又は複数の他の染料と混合することを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分散染料混合物を調製するためのプロセス。
【請求項10】
合成材料を着色するための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の分散染料混合物の使用。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の分散染料混合物を含む、インクジェット捺染のためのインキ。

【公表番号】特表2010−513636(P2010−513636A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542001(P2009−542001)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063855
【国際公開番号】WO2008/074719
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(503412791)ダイスター・テクスティルファルベン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・ドイッチュラント・コマンデイトゲゼルシャフト (40)
【Fターム(参考)】