説明

分散液

【課題】シリコーンオイルとの親和性に優れ、且つ、分散粒子に立体安定化作用を与え、シリコーンオイルへの分散度を向上させた分散液の提供。
【解決手段】シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、繰り返し単位が自然数であるジメチルシロキサン単位を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体を重合した重合体とを含有し、前記重合体が、繰り返し単位が25以下の自然数であるポリアルキレンエーテル単位を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体をさらに含んで重合したものであることを特徴とする分散液。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は分散した分散液に関し、詳しくは繊維、紙、プラスチック表面、金属表面等の処理剤やそれらを用いた離型剤、印刷インク、インクジェット用インキ、接着剤、乾式トナー、湿式トナーを含む電子写真用トナー、塗料、電着塗料、ディスプレイ、磁性流体、ゴムローラー塗布材、化粧品等に有用な分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂、顔料、磁性体等の粒子を適当な溶媒中に分散した分散液においては非水溶媒系でも水溶媒系でも分散粒子の安定性は重要な問題である。
【0003】
このような分散粒子の安定性は一般に静電効果或いは立体効果(吸着層効果とも呼ばれる)が働くことにより得られることが知られている。
【0004】
静電効果についてはDLVO理論が確立されており、この理論では電気二重層の広がり及び界面電位(いわゆるζ電位)が重要な因子となっている。従って、これらを形成するイオンの存在が必要となり、またこのようにイオンの存在が明確な水溶媒系ではいくつかの研究がなされている。
【0005】
一方、立体効果についてはDLVO理論に相当するものは未だ確立されていないが、非水溶媒系(主に石油系溶媒)では例えば次のような研究が知られている。
【0006】
即ち非特許文献1に記載される研究は安定な非水溶媒系分散液の基本的な製造法に関するもので、この方法は前記溶媒中で溶媒に分散させる粒子(溶媒に不溶)に対し相溶性のある成分と、前記溶媒に溶解する成分とを含むブロツク又はグラフト共重合体を製造するというものである。
【0007】
この方法を利用したものとして特許文献1には炭化水素溶媒中で減成ゴムの存在下、メチルメタクリレート(MMA)をラジカル重合させて安定なポリメチルメタクリレート(PMMA)分散液を得る方法が記載されている。この方法で減成ゴムがPMMA粒子に吸着されることは考えられず、PMMA粒子が分散安定化している事実から、減成ゴムにMMAがグラフト重合していると考えられる。またこのグラフト重合体は不溶解部が粒子表面に会合し、溶解部が立体効果を持ち、その結果、粒子の分散安定性を維持するものと考えられている。
【0008】
上記に関し、水溶媒系の分散技術を開示したものとして、特許文献2、特許文献3等を挙げることができる。
【0009】
また、非水溶媒系の分散技術を開示したものとして、特許文献4、特許文献5等を挙げることができる。
【0010】
また、従来の非水溶媒と異なり、耐熱性、耐寒性に優れている、化学的に不活性である等のさまざまな特徴を兼ね備えているシリコーンオイル中の分散技術を開示したものとして、特許文献6、特許文献7等を挙げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来、石油系溶媒、即ち無極性非プロトン溶媒のような非水溶媒系分散液に固体粒子を、明確にイオンで帯電させることにより充分安定に分散させることについては知られておらず、このため特に電着塗料、電子写真液体現像剤或はディスプレイ用の分散液の寿命には限度があつた。
【0012】
また、近年、取り扱いが容易なことや低揮発性、無臭と言った環境的側面から、ある程度の粘性を持った炭化水素溶媒が分散液に利用されてきているが、特に電着塗料、電子写真液体現像剤或いはディスプレイ用の分散液に対しては流体抵抗の点で不利であり、分散安定および電気泳動特性の両面で適用に限度があつた。そのため、粘性を持った無極性溶媒においても固体粒子をイオン帯電により分散安定させる技術が必要であった。
【0013】
また、シリコーンオイル溶媒は、従来の石油系溶媒に代表される無極性非プロトン溶媒とは異なり、重合体が安定に溶解・分散しない。すなわち、シリコーンオイルを用いた分散液の安定化は非常に難しく、長期間安定な分散液を作製することは困難であった。
【0014】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、炭化水素溶媒との親和性に優れ、且つ、分散粒子に立体安定作用を与え、分散安定性に優れた炭化水素溶媒系分散液を提供することを第1の目的とする。
【0015】
また、本発明は、シリコーンオイルとの親和性に優れ、且つ、分散粒子に立体安定化作用を与え、シリコーンオイルへの分散度を向上させた分散液を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明を説明する参考の発明の分散液は、炭化水素溶媒中に、少なくとも該炭化水素溶媒に不溶な粒子成分と、該炭化水素溶媒と相溶性があり、少なくとも下記一般式(I)で示される単量体
【0017】
【化1】

[式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、xは1〜3の整数、yは25以下の自然数を表す。]を重合した重合体とを含有することを特徴とする。
【0018】
これにより、炭化水素溶媒との親和性に優れ、且つ分散粒子に立体安定化作用を与え、分散安定性に優れた炭化水素溶媒系分散液を提供することができる。
【0019】
また、本発明を説明する参考の発明の分散液は、前記重合体が酸性基を有する単量体および塩基性基を有する単量体の少なくともいずれか1つをさらに含んで重合したものであることを特徴とする。
【0020】
これにより、分散粒子と重合体との相互作用が強くさらに炭化水素溶媒との親和性に優れた炭化水素溶媒系分散系を提供することができる。
【0021】
また、本発明を説明する参考の発明の分散液は、前記粒子成分が少なくとも表面に塩基性基および酸性基のうちの少なくともいずれか1つを有すること特徴とする。
【0022】
これにより、分散粒子に電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な炭化水素溶媒系分散液を提供することができる。
【0023】
これにより、分散粒子に立体安定化作用と静電反発による安定化作用の相乗効果によるさらに安定かつ電気泳動特性に優れた炭化水素溶媒系分散液を提供することができる。
【0024】
また、本発明を説明する参考の発明の分散液は、少なくとも室温における粘度が10mPa・s以上の炭化水素溶媒と、該溶媒に不溶な粒子成分と、該溶媒に可溶な樹脂とを含むことを特徴とする。
【0025】
これにより、炭化水素溶媒との親和性に優れた分散系を提供することができる。
【0026】
これにより、炭化水素溶媒に対する分散性の良い分散液を提供することができる。
【0027】
また、本発明を説明する参考の発明の分散液は、前記粒子成分の少なくとも表面が酸性基または塩基性基を有することを特徴とする。
【0028】
これにより、分散粒子に電荷を付与し、静電反発により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な分散液を提供することができる。
【0029】
また、本発明を説明する参考の発明の分散液は、前記樹脂および前記粒子成分の少なくとも表面のうちのいずれか1つが非イオン性の極性基を有すること特徴とする。
【0030】
これにより、さらに分散安定性の良い、また、さらに粒子の帯電量が優れた分散液を提供することができる。
【0031】
本発明の分散液は、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、少なくとも下記一般式(II)で示される単量体を重合した重合体とを含有することを特徴とする。
【0032】
【化2】

[式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは自然数を表す。]
これにより、シリコーンオイルとの親和性に優れた分散系を提供することができる。
【0033】
そして、本発明の分散液は、前記重合体が下記一般式(III)で示される単量体、
【0034】
【化3】

[式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、xは1〜3の整数、yは25以下の自然数を表す。]
をさらに含んで重合したものであることを特徴とする。
【0035】
これにより、シリコーンオイルとの親和性に優れ、且つ分散粒子に立体安定化作用を与え、分散安定なシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0036】
また、本発明の分散液は、前記一般式(II)で示される単量体と酸性基または塩基性基を有する単量体との共重合体を含有することを特徴とする。
【0037】
これにより、分散粒子と相互作用が強くさらにシリコーンオイルとの親和性に優れた分散系を提供することができる。
【0038】
また、本発明の分散液は、前記一般式(II)で示される単量体と酸性基を有する単量体との共重合体および前記一般式(II)で示される単量体と塩基性基を有する単量体との共重合体を含有することを特徴とする。
【0039】
これにより、分散粒子に電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な分散液を提供することができる。
【0040】
また、本発明の分散液は、前記一般式(II)で示される単量体と酸性基を有する単量体との共重合体または前記一般式(II)で示される単量体と塩基性基を有する単量体との共重合体が前記シリコーンオイルに不溶であることを特徴とする。
【0041】
これにより、分散粒子に立体安定化作用と静電反発による安定化作用の相乗効果によるさらに安定かつ電気泳動特性に優れた分散液を提供することができる。
【0042】
また、本発明の分散液は、前記一般式(II)で示される単量体と酸性基を有する単量体との共重合体および前記一般式(II)で示される単量体と塩基性基を有する単量体との共重合体の少なくともいずれか1つが極性基を有する単量体との共重合体であることを特徴とする。
【0043】
これにより、粒子の帯電に係る帯電量を向上させた分散液を提供することができる。
【0044】
また、本発明の分散液は、前記粒子成分が少なくとも表面に塩基性基または酸性基を有することができる。
【0045】
これにより、分散粒子に電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な分散液を提供することができる。
【0046】
また、本発明の分散液は、前記粒子成分の少なくとも表面および前記重合体の少なくともいずれか1つが非イオン性極性基を有することができる。
【0047】
これにより、分散粒子に立体安定化作用と静電反発による安定化作用の相乗効果によるさらに安定かつ電気泳動特性に優れた分散液を提供することができる。
【0048】
また、本発明の分散液は、前記シリコーンオイルの粘度が200cSt(センチストークス)以下であることを特徴とする。
【0049】
これにより、保存特性に優れたシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0050】
また、本発明の分散液は、前記粒子成分の含有量が、0.1〜20質量%であることを特徴とする。
【0051】
これにより、低価格かつ保存特性に優れたシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0052】
従来、非水溶媒、特に無極性非プロトン溶媒系分散液においてはイオン又は電荷の存在は不明確であった。これはこの種の溶媒中ではイオンと溶媒分子間で相互作用(溶媒和)が起こり難いためと考えられる。
【0053】
そこで本発明者らは(1)酸性基を有するが、塩基性基を持たない有機物質、(2)塩基性基を有するが、酸性基を持たない有機物質、及び(3)前記溶媒と相溶性があり、且つ非イオン性の極性成分を有する有機物質の3成分を含む〔(1),(2)のいずれかの成分は(3)成分との共重合体として存在してもよい〕炭化水素溶媒系分散液について種種実験した結果、前記溶媒中では(1)及び(2)成分は酸−塩基イオン解離を起こしていることを見出した。またイオン−双極子相互作用、即ち溶媒和が存在することも示唆された。こうして本発明者らは前記溶媒中に(1),(2),(3)の3成分が存在すると、(3)成分中の極性基の溶媒和を介した酸−塩基間のイオン解離により、炭化水素溶媒中においても安定にイオンが存在し得ることを見出した。この事実は(1),(2)両成分が溶媒に可溶な成分であつても不溶な成分であっても同様に観察された。
【0054】
また本発明者らは(1),(2),(3)の3成分を含む系において更に顔料、金属酸化物等の固定粒子を共存させると、これに(1)又は(2)成分の酸基又は塩基性基が化学結合、吸着等により固定されて(3)成分の溶媒和を介してイオン解離が固体粒子表面と溶媒との界面で起こることを見出した。
【0055】
また、ポリオキシアルキレン基の立体効果によると思われる粒子の分散安定性が確認された。その結果、固体粒子は一様に正又は負の極性に帯電すると共にこの静電効果と更に立体効果との相乗作用により固体粒子は従来よりも安定に分散される。
【0056】
更に本発明者らは前記イオン量及び帯電量は(1),(2),(3)各成分の種類や量で制御できることを見出した。本発明は以上のような知見に基づくものである。
【発明の効果】
【0057】
本参考の発明の分散液によれば、炭化水素溶媒中に、少なくとも該炭化水素溶媒に不溶な粒子成分と、炭化水素溶媒と相溶性があり、少なくとも一般式(I)で示される単量体を重合した重合体とを含有することにより、炭化水素溶媒との親和性に優れ、且つ分散粒子に立体安定化作用を与え、分散安定性に優れた炭化水素溶媒系分散液を提供することができる。
【0058】
また、本参考の発明の分散液によれば、重合体が酸性基を有する単量体および塩基性基を有する単量体の少なくともいずれか1つをさらに含んで重合したものであることにより、分散粒子と重合体との相互作用が強くさらに炭化水素溶媒との親和性に優れた炭化水素溶媒系分散系を提供することができる。
【0059】
また、本参考の発明の分散液によれば、粒子成分が少なくとも表面に塩基性基および酸性基のうちの少なくともいずれか1つを有することにより、分散粒子に電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な炭化水素溶媒系分散液を提供することができる。
【0060】
また、本参考の発明の分散液によれば、前記粒子成分および前記重合体の少なくともいずれか1つが非イオン性極性基を有することにより、分散粒子に立体安定化作用と静電反発による安定化作用の相乗効果によるさらに安定かつ電気泳動特性に優れた炭化水素溶媒系分散液を提供することができる。
【0061】
また、本参考の発明の分散液によれば、少なくとも室温における粘度が10mPa・s以上の炭化水素溶媒と、該溶媒に不溶な粒子成分と、該溶媒に可溶な樹脂とを含むことにより、炭化水素溶媒との親和性に優れた分散系を提供することができる。
【0062】
また、本参考の発明の分散液によれば、樹脂が酸性基または塩基性基のうちのいずれか1つを有することにより、炭化水素溶媒に対する分散性の良い分散液を提供することができる。
【0063】
また、本参考の発明の分散液によれば、粒子成分が酸性基または塩基性基のうちのいずれか1つを有することにより、分散粒子に電荷を付与し、静電反発により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な分散液を提供することができる。
【0064】
また、本参考の発明の分散液によれば、樹脂および前記粒子成分のうちのいずれか1つが非イオン性の極性基を有することにより、さらに分散安定性の良い、また、さらに粒子の帯電量が優れた分散液を提供することができる。
【0065】
本発明の分散液によれば、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、少なくとも一般式(II)で示される単量体を重合した重合体とを含有し、前記重合体が一般式(III)で示される単量体、をさらに含んで重合したものであることにより、シリコーンオイルとの親和性に優れ、且つ分散粒子に立体安定化作用を与え、分散安定なシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0066】
また、本発明の分散液によれば、一般式(II)で示される単量体と酸性基または塩基性基を有する単量体との共重合体を含有することにより、分散粒子と相互作用が強くさらにシリコーンオイルとの親和性に優れた分散系を提供することができる。
【0067】
また、本発明の分散液は、一般式(II)で示される単量体と酸性基を有する単量体との共重合体および一般式(II)で示される単量体と塩基性基を有する単量体との共重合体を含有することを特徴とする。
【0068】
これにより、分散粒子に電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な分散液を提供することができる。
【0069】
また、本発明の分散液によれば、一般式(II)で示される単量体と酸性基を有する単量体との共重合体および一般式(II)で示される単量体と塩基性基を有する単量体との共重合体のいずれか1つがシリコーンオイルに不溶であることにより、分散粒子に立体安定化作用と静電反発による安定化作用の相乗効果によるさらに安定かつ電気泳動特性に優れた分散液を提供することができる。
【0070】
また、本発明の分散液によれば、一般式(II)で示される単量体と酸性基を有する単量体との共重合体および一般式(II)で示される単量体と塩基性基を有する単量体との共重合体の少なくともいずれか1つが極性基を有する単量体との共重合体であることにより、粒子の帯電に係る帯電量を向上させた分散液を提供することができる。
【0071】
また、本発明の分散液によれば、粒子成分が少なくとも表面に塩基性基または酸性基を有することにより、分散粒子に電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な分散液を提供することができる。
【0072】
また、本発明の分散液によれば、粒子成分および重合体の少なくともいずれか1つが非イオン性極性基を有することにより、分散粒子に立体安定化作用と静電反発による安定化作用の相乗効果によるさらに安定かつ電気泳動特性に優れた分散液を提供することができる。
【0073】
また、本発明の分散液によれば、シリコーンオイルの粘度が200cSt以下であることにより、保存特性に優れたシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0074】
また、本発明の分散液によれば、粒子成分の含有量が、0.1〜20質量%であることにより、低価格かつ保存特性に優れたシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0075】
以下、本発明を説明する参考の発明の形態例、及び本発明の実施の形態例に係る第1〜第4の分散液について、順次説明する。
【0076】
(第1の分散液)
本発明を説明する参考の発明としての第1の分散液は、炭化水素溶媒系の分散液に関するものである。
【0077】
本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒と相溶性がある単量体と、前記一般式(I)で示される単量体を構成要件として重合した重合体を含有することにより、炭化水素溶媒との親和性に優れ、且つ(ポリ)オキシアルキレン基の立体効果より分散粒子の分散安定性が増す。
【0078】
また、本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒と相溶性がある単量体、一般式(I)で示される単量体、及び酸性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体を含有することにより、該重合体と粒子との相互作用が増し、さらに炭化水素溶媒との親和性に優れた分散液となる。
【0079】
また、本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒と相溶性がある単量体、一般式(I)で表される単量体、及び塩基性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体を含有することにより、吸着による該重合体と粒子との相互作用が増し、さらに炭化水素溶媒との親和性に優れた分散液となる。
【0080】
また、本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分が少なくとも表面に塩基性基を有することにより、酸塩基解離によって分散粒子に正電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動を可能にする。
【0081】
また、本参考の発明の分散液においては、少なくとも炭化水素溶媒に不溶な粒子成分が(ポリ)オキシアルキレン基以外の非イオン性極性基を有することにより酸塩基解離に対する溶媒和効果が発現し、分散粒子の静電反発による分散性、および電気泳動特性を向上させることが可能となる。
【0082】
また、本参考の発明の分散液においては、少なくとも炭化水素溶媒と相溶性がある単量体、一般式(I)で表される単量体、及び酸性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体が(ポリ)オキシアルキレン基以外の非イオン性極性基を有することにより酸塩基解離に対する溶媒和効果が発現し、分散粒子の静電反発による分散性、および電気泳動特性を向上させることが可能となる。
【0083】
また、本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分、及び該炭化水素溶媒と相溶性がある単量体、一般式(I)で表される単量体、及び酸性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体の両方が(ポリ)オキシアルキレン基以外の非イオン性極性基を有することにより、粒子の帯電に係る帯電量をさらに向上させることが可能となる。
【0084】
また、本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分が少なくとも表面に酸性基を有することにより、酸塩基解離によって分散粒子に負電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動を可能にする。
【0085】
また、本参考の発明の分散液においては、少なくとも炭化水素溶媒に不溶な粒子成分が(ポリ)オキシアルキレン基以外の非イオン性極性基を有することにより酸塩基解離に対する溶媒和効果が発現し、分散粒子の静電反発による分散性、および電気泳動特性を向上させることが可能となる。
【0086】
また、本参考の発明の分散液においては、少なくとも炭化水素溶媒と相溶性がある単量体、一般式(I)で表される単量体、及び塩基性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体が(ポリ)オキシアルキレン基以外の非イオン性極性基を有することにより酸塩基解離に対する溶媒和効果が発現し、分散粒子の静電反発による分散性、および電気泳動特性を向上させることが可能となる。
【0087】
また、本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分、及び該炭化水素溶媒と相溶性がある単量体、一般式(I)で表される単量体、及び塩基性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体の両方が(ポリ)オキシアルキレン基以外の非イオン性極性基を有することにより、粒子の帯電に係る帯電量をさらに向上させることが可能となる。
【0088】
以下に、上記参考の発明の構成をさらに詳しく説明する。
【0089】
本参考の発明で分散媒として使用される炭化水素溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のパラフィン系炭化水素、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素、流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素が挙げられる。
【0090】
本参考の発明における重合体は、炭化水素溶媒との親和性が高い単量体、(ポリ)オキシアルキレン基を有するアクリル系単量体、および、必要に応じて酸性基あるいは塩基性基を有する単量体、極性基を有する単量体などを共重合せしめたものである。以下、本発明において重合可能な単量体についてさらに説明する。
【0091】
まず、炭化水素溶媒との親和性が高い単量体は、かかる単量体で構成される重合体が単重合体の場合には炭化水素溶媒に可溶な重合体を与え、他の単量体との共重合体の場合においても可溶ないし不溶であっても炭化水素溶媒との親和性に富み、安定な分散液を与えることができる。
【0092】
このような単量体の例としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ビニルラウレート、ラウリルメタクリルアミド、ステアリルメタクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フエニル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、ビニルアセテート等が挙げられる。
【0093】
つぎに、(ポリ)オキシアルキレン基を有するアクリル系単量体は、前記一般式(I)で表される単量体であり、オキシエチレン基の繰り返し単位が25以下のポリエチレングリコール鎖を有し、該単量体を構成要素に有する共重合体は、溶媒に不溶な粒子に吸着し、ポリエチレングリコール鎖により発現する立体効果により、粒子の分散が安定する。
【0094】
次に、上記の単量体と共重合しうる単量体としては、以下のものが挙げられる。
(イ)酸性基を有する単量体の例:
これらの単量体にはビニル基と−COOH基、−SOH基、−SOH基,−CHNO基、−CHRNO基、−ArOH基、−ArSH基などのうち少なくとも一つを併せ持つものが挙げられる(ただし、Rはアルキル基、Arはアリル基)。具体的には、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロキシエチルマレイン酸、2−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−クロロアミドホスホキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルアシツドホスフエート等が挙げられる。
(ロ)塩基性基を有する単量体の例:
これらの単量体にはビニル基および−NH基、−NHR基、−NRR'基、ピリジル基、ピペリジル基などのうち少なくとも一つを併せ持つものが挙げられる(ただし、R,R'はアルキル基ないしアリル基)。具体的には、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N−フエニルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジフエニルアミノエチルメタクリレート、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフエニルアミノエチルスチレン、N−フエニルアミノエチルスチレン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジン等が挙げられる。
(ハ)極性基を有する単量体の例:
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−プロピルメタクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、イソブチル−2−シアノアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、メタクリルアセトン、ビニルピロリドン、N−アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、p−ニトロスチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド等が挙げられる。
(ニ)多官能性単量体の例:
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、ベンタエリスリツトテトラ(メタ)アクリレート、1,3−ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0095】
本参考の発明の1つの実施形態(A)において使用される重合体としては、炭化水素溶媒との親和性が高い単量体と、一般式(I)で表される単量体の共重合体が挙げられる。
【0096】
また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、各種不溶性の樹脂、一般に公知の無機あるいは有機顔料、金属、金属酸化物、磁性体粉、ワツクス状物質(例えば低分子ポリオレフイン、ワツクス)、化学製品(例えば農薬)、膨張剤等が挙げられる。
【0097】
より具体的には、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料などの染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用できる。また、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、カルボニル鉄粉、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物、ガラスビーズ等などが挙げられる。また、樹脂粒子の例として、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、 スチレン−アクリロニトリル共重合体、 スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。
【0098】
また、少なくとも炭化水素溶媒との親和性が高い単量体と前記(ニ)の単量体との共重合体が挙げられる。ただし、この場合においては、これらの単量体を用いる比率を一義的に規定するわけにはいかず、経験的な使用により目的とする不溶性樹脂を得る。ただし、最も確実に不溶解性樹脂を得るには、前記(ニ)の単量体を比較的多量に使用することで達成することができる。
【0099】
さらに、本参考の発明における分散液では使用目的によつては炭化水素溶媒に可溶な染料を分散液に添加するか、或いは分散質に化学結合させて分散液或いは分散質を着色させることもできる。
【0100】
本参考の発明の他の実施形態(B)において使用される重合体としては、炭化水素溶媒との親和性が高い単量体、一般式(I)で表される単量体、および前記(イ)の単量体との共重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、本発明の上記実施形態(A)において使用される粒子成分が挙げられる。
【0101】
本参考の発明のさらに他の実施形態(C)において使用される重合体としては、炭化水素溶媒との親和性が高い単量体、一般式(I)で表される単量体、および前記(ロ)の単量体との共重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、上記実施形態(A)において使用される粒子成分が挙げられる。
【0102】
本参考の発明のさらに他の実施形態(D)において使用される重合体としては、上記の実施形態(B)において使用される重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、上記の実施の形態(A)における不溶性粒子成分のバインダーとして、前記(ロ)の単量体を成分として有する炭化水素溶媒溶媒に不溶な樹脂を使用したものが挙げられる。また、固体粒子としてカーボンブラックや金属酸化物のようにグラフト化等により化学結合可能な物質を用いた場合はこれらの物質に前記(ロ)の単量体を反応させることにより、塩基性基を化学結合させてもよい。
【0103】
本参考の発明のさらに他の実施形態(E)において使用される重合体としては、上記の実施形態(B)において使用される重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、上記の実施の形態(A)における不溶性粒子成分のバインダーとして、前記(ロ)の単量体、および前記(ハ)の単量体を成分として有する炭化水素溶媒溶媒に不溶な樹脂を使用したものが挙げられる。また、固体粒子としてカーボンブラックや金属酸化物のようにグラフト化等により化学結合可能な物質を用いた場合はこれらの物質に前記(ロ)の単量体、および前記(ハ)の単量体を反応させることにより、塩基性基、および極性基を化学結合させてもよい。
【0104】
本参考の発明のさらに他の実施形態(F)において使用される重合体としては、炭化水素溶媒と相溶性がある単量体、一般式(I)で表される単量体、前記(イ)の単量体、および前記(ハ)の単量体との共重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、上記の実施形態(D)において使用される粒子成分が挙げられる。
【0105】
本参考の発明のさらに他の実施形態(G)において使用される重合体としては、上記の実施形態(F)において使用される共重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、上記の実施形態(E)において使用される粒子成分が挙げられる。
【0106】
本参考の発明のさらに他の実施形態(H)において使用される重合体としては、上記の実施形態(C)において使用される重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、上記の実施形態(A)における不溶性粒子成分のバインダーとして、前記(イ)の単量体を成分として有する炭化水素溶媒溶媒に不溶な樹脂を使用したものが挙げられる。また、固体粒子としてカーボンブラックや金属酸化物のようにグラフト化等により化学結合可能な物質を用いた場合はこれらの物質に前記(イ)の単量体を反応させることにより、塩基性基を化学結合させてもよい。
【0107】
本参考の発明のさらに他の実施形態(I)において使用される重合体としては、上記の実施形態(C)において使用される重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、上記の実施の形態(A)における不溶性粒子成分のバインダーとして、前記(イ)の単量体、および前記(ハ)の単量体を成分として有する炭化水素溶媒溶媒に不溶な樹脂を使用したものが挙げられる。また、固体粒子としてカーボンブラックや金属酸化物のようにグラフト化等により化学結合可能な物質を用いた場合はこれらの物質に前記(イ)の単量体、および前記(ハ)の単量体を反応させることにより、酸性基、および極性基を化学結合させてもよい。
【0108】
本参考の発明のさらに他の実施形態(J)において使用される重合体としては、炭化水素溶媒と相溶性がある単量体、一般式(I)で表される単量体、前記(ロ)の単量体、および前記(ハ)の単量体との共重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、上記実施形態(H)において使用される粒子成分が挙げられる。
【0109】
本参考の発明のさらに他の実施形態(K)において使用される重合体としては、上記の実施形態(J)において使用される共重合体が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な粒子成分としては、上記の実施形態(I)において使用される粒子成分が挙げられる。
【0110】
本参考の発明の分散液を作るには上記の実施形態(A)の場合を例にとれば、前記の各樹脂成分、及び固体粒子を炭化水素溶媒溶媒中に混合分散すればよい。この場合、分散手段としてボールミル、サンドミル、アトライター等を用いてもよい。なお混合順序は特に限定されるものではない。
【0111】
本参考の発明の分散溶媒として使用される炭化水素溶媒は、1000cSt(センチストークス)以下、好ましくは200cSt以下であると、分散安定に優れた特性が発現する。この理由については明らかになっていないが、炭化水素溶媒の粘性が上がるとオイルの分子量も大きくなり、ひいては本発明に使用する樹脂の溶解性あるいは樹脂とオイルの親和性が低下するためであろうと推測される。
【0112】
本参考の発明においては、適切な不溶解粒子成分の使用量は、好ましくは0.1〜20質量%、さらに好ましくは0.5〜15質量%である。この範囲の使用において、長期間保存に対しても非常に安定な分散液が得られる。
【0113】
(第2の分散液)
また、本発明を説明する参考の発明としての第2の分散液は、以上説明した発明と同じく炭化水素溶媒系の分散液に関するものである。
【0114】
本参考の発明の分散液においては、少なくとも室温における粘度が10mPa・s以上の炭化水素溶媒と、該溶媒に不溶な粒子成分と、該溶媒に可溶な樹脂とを含むことにより、炭化水素溶媒に可溶な樹脂が該溶媒に不溶な粒子に吸着することで、該粒子の立体効果が発現し分散安定性が得られる。
【0115】
また、本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒に可溶な樹脂が酸性基を有するが塩基性基を有しないことで、炭化水素溶媒に可溶な樹脂が吸着した粒子は正に帯電極性を制御することが可能となり、静電反発力により分散安定性が増す。
【0116】
また、本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒に可溶な樹脂が塩基性基を有するが酸性基を有しないことで、炭化水素溶媒に可溶な樹脂が吸着した粒子は負に帯電極性を制御することが可能となり、静電反発力により分散安定性が増す。
【0117】
また、本参考の発明の分散液においては、炭化水素溶媒に可溶な樹脂が更に非イオン性の極性成分を有することにより酸または塩基の溶媒和によって電荷生成量が多くなり、更に分散安定性が増す。
【0118】
また、本参考の発明の分散液においては、粒子が表面に酸性基を有するが塩基性基を有しないことで、粒子は負に帯電極性を制御することが可能となり、静電反発力により分散安定性が増す。
【0119】
また、本参考の発明の分散液においては、粒子が表面に塩基性基を有するが酸性基を有しないことで、粒子は正に帯電極性を制御することが可能となり、静電反発力により分散安定性が増す。
【0120】
また、本参考の発明の分散液においては、粒子が表面に更に非イオン性の極性成分を有することで、酸または塩基の溶媒和によって電荷生成量が多くなり、更に分散安定性が増す。
【0121】
また、本参考の発明の分散液においては、粒子が表面に酸性基を有するが塩基性基を有しない、且つ炭化水素溶媒に可溶な樹脂が塩基性基を有するが酸性基を有しないことで、あるいはまた、粒子が表面に塩基性基を有するが酸性基を有しない、且つ炭化水素溶媒に可溶な樹脂が酸性基を有するが塩基性基を有しないことで、粒子表面と粒子に吸着した樹脂との間の酸塩基解離により電荷が発生し、また吸着した樹脂による立体効果によって分散安定性の相乗効果が得られ、長期安定性と早い応答性の電気泳動特性が付与された分散液が提供できる。
【0122】
以下に、上記参考の発明の構成をさらに詳しく説明する。
【0123】
本参考の発明の1つの実施形態(L)において、分散液は溶媒と溶媒不溶性粒子と溶媒可溶性樹脂とから成る。
【0124】
本実施形態(L)における炭化水素溶媒としては、流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、パラフィン系炭化水素等で室温における粘度が10mPa・s以上の公知の炭化水素溶媒を使用することができる。また電気泳動ディスプレイなどの画像表示媒体用分散液に使用する場合には、炭化水素水溶媒に可溶で粒子とは異なる色の染料を分散液に添加することが好ましい。
【0125】
炭化水素溶媒に不溶な粒子としては、最も単純な例として金属酸化物などの固体粒子顔料等が挙げられる。また、炭化水素溶媒に不溶な樹脂単独、あるいは該樹脂をバインダーとして着色成分を分散乃至混合したものを使用することもできる。バインダー樹脂としては公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のうち炭化水素溶媒に不溶なものが全て使用できるが、とりわけ非粘着材系材料が好ましく使用できる。このような樹脂の端的な例として、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体などを例示することができる。あるいは後述の炭化水素溶媒との親和性が高いモノマーと架橋剤である多官能性モノマーの共重合体を使用することができる。また、着色成分としては、公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。これらの従来公知のいかなる染顔料を混合して使用することもできる。着色剤が使用できる量は、バインダー樹脂100重量部に対して着色剤0.1重量部〜300重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
【0126】
炭化水素溶媒に可溶な樹脂としては、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のうち炭化水素溶媒に可溶なものが全て使用できるが、炭化水素溶媒よりも粒子表面との引力相互作用が強いものが好ましく、粒子に樹脂が吸着することにより、その立体効果によって粒子の分散安定性が増大する。このような樹脂としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ビニルラウレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フエニル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン等のアルキルナフテン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、パラフィン系炭化水素等の炭化水素溶媒との親和性が高いモノマーの少くとも1種を成分として含む共重合体が挙げられる。
【0127】
本参考の発明の分散液を作るには、前記各成分を炭化水素溶媒中に混合分散すればよい。この場合、分散手段としてボールミル、サンドミル、アトライター等を用いてもよい。なお混合順序は特に限定されるものではない。
【0128】
本参考の発明の他の実施の形態(M)においては、分散液中には上記炭化水素溶媒に可溶な樹脂として酸性基を有するが塩基性基を有しない、または塩基性基を有するが酸性基を有しない樹脂を有する。これらの樹脂が炭化水素溶媒中において粒子に吸着することにより、粒子表面は溶媒可溶性樹脂の酸性基あるいは塩基性基に起因して一様に正または負の極性に帯電する。
【0129】
本参考の発明で使用される上記炭化水素溶媒に可溶な樹脂の具体例は次の通りである。
(a)酸性基を有するが、塩基性基を持たない炭化水素溶媒に可溶な樹脂(酸性基を有するモノマーを構成成分とする重合体又は共重合体)の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロキシエチルマレイン酸、2−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロキシエチルトリメリツト酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−クロロアミドホスホキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルアシツドホスフエート、ヒドロキシスチレン等の酸性基を有するモノマーの少くとも1種と、上記実施形態(L)における炭化水素溶媒との親和性が高いモノマーの少くとも1種とから得られる共重合体が挙げられる。
(b)塩基性基を有するが、酸性基を持たない炭化水素溶媒に可溶な樹脂(塩基性基を有するモノマーを構成成分とする重合体又は共重合体)の例としては、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N−フエニルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジフエニルアミノエチルメタクリレート、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフエニルアミノエチルスチレン、N−フエニルアミノエチルスチレン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジン等の塩基性基を有するモノマーの少くとも1種と、上記炭化水素溶媒との親和性が高いモノマーの少くとも1種とから得られる共重合体が挙げられる。
【0130】
本参考の発明さらに他の実施の形態(N)においては、分散液中には炭化水素溶媒に可溶な樹脂として(c)酸性基を有するが塩基性基を有しない、かつ非イオン性の極性基を有する樹脂、または(d)塩基性基を有するが酸性基を有しない、かつ非イオン性の極性基を有する樹脂、を有する。これらの樹脂が炭化水素溶媒中において粒子に吸着することにより、粒子表面は溶媒可溶性樹脂の酸性基あるいは塩基性基と極性基との相互作用に起因して一様に正または負の極性に帯電する。
【0131】
本参考の発明で使用される上記樹脂の具体例は次の通りである。
(c)酸性基を有するが塩基性基を有しない、かつ非イオン性の極性基を有する樹脂(酸性基を有するモノマーおよび非イオン性の極性基を有するモノマーを構成成分とする共重合体)の例としては、少なくとも上記の実施の形態(M)における前記酸性基を有するモノマーの具体例の内少なくとも1種と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−プロピルメタクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、イソブチル−2−シアノアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、メタクリルアセトン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、p−ニトロスチレン、ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド等の極性モノマーとの共重合体が挙げられる。また、さらに上記の実施の形態(M)における前記炭化水素溶媒との親和性が高いモノマーを1種以上成分として有する共重合体であっても良い。
(d)塩基性基を有するが酸性基を有しない、かつ非イオン性の極性基を有する樹脂(塩基性基を有するモノマーおよび非イオン性の極性基を有するモノマーを構成成分とする共重合体)の例としては、少なくとも上記の実施の形態(M)における前記塩基性基を有するモノマーの具体例の内少なくとも1種と、前記極性モノマーとの共重合体が挙げられる。また、さらに上記の実施の形態(M)における前記炭化水素溶媒との親和性が高いモノマーを1種以上成分として有する共重合体であっても良い。
【0132】
本参考の発明のさらに他の実施形態(O)においては、粒子が表面に酸性基を有するが塩基性基を有しない、または塩基性基を有するが酸性基を有しない。このような粒子は炭化水素溶媒中でその酸性基あるいは塩基性基に起因して一様に正または負の極性に帯電する。
【0133】
本参考の発明で使用される粒子としては、上記の実施の形態(L)における着色剤のバインダーとして、上記の実施の形態(M)における酸性基を有するモノマーあるいは塩基性基を有するモノマーを成分として有する炭化水素溶媒に不溶な樹脂を使用したものが挙げられる。また、固体粒子として金属酸化物やカーボンブラックのようにグラフト化等により化学結合可能な物質を用いた場合はこれらの物質に前記酸性基あるいは塩基性基を有するモノマーを反応させることにより、酸性基又は塩基性基を化学結合させてもよい。
【0134】
本参考の発明のさらに他の実施形態(P)においては、粒子が表面に非イオン性の極性基を有し且つ表面に(e)酸性基を有するが塩基性基を有しない、または(f)塩基性基を有するが酸性基を有しない。このような粒子は炭化水素溶媒中でその酸性基あるいは塩基性基と非イオン性の極性基との相互作用に起因して一様に正または負の極性に帯電する。
【0135】
本参考の発明で使用される粒子としては、上記の実施の形態(L)における着色剤のバインダーとして、上記の実施の形態(M)における酸性基を有するモノマーおよび上記の実施の形態(N)における極性モノマーを成分として有する炭化水素溶媒に不溶な樹脂、あるいは上記の実施の形態(M)における塩基性基を有するモノマーと前記極性モノマーを成分として有する炭化水素溶媒に不溶な樹脂を使用したものが挙げられる。また、固体粒子として金属酸化物やカーボンブラックのようにグラフト化等により化学結合可能な物質を用いた場合はこれらの物質に前記酸性基あるいは塩基性基を有するモノマーと極性モノマーを反応させることにより、酸性基又は塩基性基と極性基を化学結合させてもよい。
【0136】
本参考の発明のさらに他の実施形態(Q)においては、(g)粒子が表面に酸性基を有するが塩基性基を有しない、且つ炭化水素溶媒に可溶な樹脂が塩基性基を有するが酸性基を有しない、あるいは、(h)粒子が表面に塩基性基を有するが酸性基を有しない、且つ炭化水素溶媒に可溶な樹脂が酸性基を有するが塩基性基を有しない、のいずれかである。
【0137】
このとき粒子表面の酸性基または塩基性基、および炭化水素溶媒に可溶な樹脂の塩基性基または酸性基との間で酸塩基解離が起こる。また粒子表面及び/または炭化水素溶媒に可溶な樹脂が非イオン性の極性基を有する場合には、溶媒和を介してイオン生成が粒子表面と溶媒との界面で起こり、その結果、粒子は一様に正又は負の極性に帯電すると共にこの静電効果と更に立体効果との相剰作用により固体粒子は従来よりも安定に分散される。本実施形態における粒子としては、上記の実施の形態(O、P)における粒子を使用することができる。また、本実施形態における炭化水素溶媒に可溶な樹脂としては、上記の実施の形態(M、N)における炭化水素溶媒に可溶な樹脂を使用することができる。
【0138】
本参考の発明においては、適切な不溶解粒子成分の使用量は、0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15質量%が好適である。この範囲の使用において、長期間保存に対しても非常に安定な分散液が得られる。
【0139】
(第3の分散液)
また、本発明を説明するための参考の発明としての第3の分散液は、シリコーンオイル溶媒系の分散液に関するものである。
【0140】
本参考の発明の分散液においては、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、一般式(II)で表される単量体を構成要件として重合した重合体を含有することで、安定な分散液を提供することができる。
【0141】
また、本参考の発明の分散液においては、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、前記一般式(II)で表される単量体を構成要件として重合した重合体を含有して成る分散液において、該重合体が該シリコーンオイルに不溶であることで、分散粒子に立体安定化作用を与え、分散度を向上させたシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0142】
また、本参考の発明の分散液においては、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、一般式(II)で表される単量体と極性基を有する単量体の共重合体を含有する分散液において、該共重合体が該シリコーンオイルに可溶であることで、分散粒子と相互作用が強くさらにシリコーンオイルとの親和性に優れた分散系を提供することができる。
【0143】
また、本参考の発明の分散液においては、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、一般式(II)で表される単量体と酸性基または塩基性基を有する単量体の共重合体を含有することで、極性基が粒子と相互作用して立体効果を与え、分散安定なシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0144】
また、本参考の発明の分散液においては、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、一般式(II)で表される単量体と酸性基を有する単量体の共重合体と、一般式(II)で表される単量体と塩基性基を有する単量体の共重合体を含有することで、分散粒子に電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な分散液を提供することができる。
【0145】
また、本参考の発明の分散液においては、一般式(II)で表される単量体と酸性基を有する単量体の共重合体と、一般式(II)で表される単量体と塩基性基を有する単量体の共重合体のいずれか一方がシリコーンオイルに不溶であることで、分散粒子に立体安定化作用と静電反発による安定化作用の相乗効果によるさらに安定かつ電気泳動特性に優れた分散液を提供することができる。
【0146】
また、本参考の発明の分散液においては、一般式(II)で表される単量体と酸性基を有する単量体の共重合体と、一般式(II)で表される単量体と塩基性基を有する単量体の共重合体の一方乃至両方が極性基を有する単量体との共重合体であることで、粒子の帯電に係る帯電量を向上させた分散液を提供することができる。
【0147】
(第4の分散液)
また、本発明としての第4の分散液においては、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、一般式(II)で示される単量体、および前記一般式(III)で示される単量体を構成要件として重合した重合体を含有していることで、シリコーンオイルとの親和性に優れ、且つ分散粒子に立体安定化作用を与え、分散安定なシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0148】
また、本発明の分散液においては、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、一般式(II)で表される単量体、一般式(III)で示される単量体、及び酸性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体を含有していることで、また、本発明の分散液においては、シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、一般式(II)で表される単量体、一般式(III)で示される単量体、及び塩基性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体を含有していることで、分散粒子と相互作用が強くさらにシリコーンオイルとの親和性に優れた分散系を提供することができる。
【0149】
また、本発明の分散液においては、シリコーンオイルに不溶な粒子成分が少なくとも表面に塩基性基または酸性基を有することで、分散粒子に電荷を付与し、静電的反発力により分散性を向上させ、かつ電気泳動が可能な分散液を提供することができる。
【0150】
また、本発明の分散液においては、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分がポリオキシエチレン基以外の非イオン性極性基を有することで、また、本発明の分散液においては、少なくとも一般式(II)で表される単量体、一般式(III)で示される単量体、及び酸性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体がポリオキシエチレン基以外の非イオン性極性基を有することで、分散粒子に立体安定化作用と静電反発による安定化作用の相乗効果によるさらに安定かつ電気泳動特性に優れた分散液を提供することができる。
【0151】
また、本発明の分散液においては、シリコーンオイルに不溶な粒子成分、及び一般式(II)で表される単量体、一般式(III)で示される単量体、及び酸性基を有する単量体を構成要件として重合した重合体の両方がポリオキシエチレン基以外の非イオン性極性基を有することで、粒子の帯電に係る帯電量を向上させた分散液を提供することができる。
【0152】
また、本発明の第3および第4の分散液においては、シリコーンオイルの粘度が200cSt(センチストークス)以下であることで、保存特性に優れたシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0153】
また、本参考の発明の第3の分散液および本発明の第4の分散液においては、シリコーンオイルに不溶な粒子成分の含有量が、0.1〜20質量%であることで、低価格かつ保存特性に優れたシリコーンオイル分散液を提供することができる。
【0154】
以下に、本参考の発明の第3の分散液および本発明の第4の分散液の構成をさらに詳しく説明する。
【0155】
第3の分散液、及び第4の分散液の溶媒として使用されるシリコーンオイルとしては、下記一般式(IV)で示されるジアルキルシリコーンオイル;環状ポリジアルキルシロキサン又は環状ポリアルキルフェニルシロキサン;アルキルフェニルシロキサン等があげられる。その他、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、メチルハイドロジエンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等が使用できる。
【0156】
【化4】

〔但しR1,R2,R3,R,R4,R5,R6,R7,R8は−CnH2n+1(n=1〜20)を表し、これらは同一でも異なっていてもよい。xは0又は1以上の整数である。〕
上記一般式(IV)で表されるジアルキルシリコーンオイルが用いられた場合には、特に重合時の温度に自由に選択できる有利さがある。中でもジメチルポリシロキサンの使用が有利である。また、この一般式(IV)で表わされるシリコーンオイルは25℃における粘度が0.01〜1,000,000cSt(センチストークス)のものが好ましい。更にまたは一般式(IV)でxが1〜20,000であるものの使用が望ましい。
【0157】
更に環状ポリジアルキルシロキサン又は環状ポリアルキルフェニルシロキサンが用いられた場合には、得られる樹脂は重合溶媒の乾燥性があるため、殊に樹脂の塗膜性を向上させ光沢を出すのに有利である。アルキルフェニルシロキサン(特にメチルフェニルシリコーンオイルの使用が望ましい)が用いられた場合には、フェニル基が導入(5〜50モル%)されたことにより溶解性が向上するため、樹脂溶液の分散安定性を上げるのに有利である。これら各種シリコーンオイルの具体例を挙げれば下記のとおりである。
(i)ジアルキルシリコーンオイルの例:
下記表1に示すものが挙げられる。
【0158】
【表1】

(ii)環状ポリジアルキルシロキサン及び環状ポリアルキルフェニルシロキサン(フェニル基の含有量は各々5,10,20,50モル%)の例:
環状ポリジメチルシロキサン、環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリジエチルシロキサン、環状ポリエチルフェニルシロキサン、環状ポリジブチルシロキサン、環状ポリブチルフェニルシロキサン、環状ポリジヘキシルシロキサン、環状ポリヘキシルフェニルシロキサン、環状ポリジラウリルシロキサン、環状ポリメチルクロロフェニルシロキサン、環状ポリジステアリルシロキサン、環状ポリメチルブロムフェニルシロキサン。
(iii)アルキルフェニルシリコーンオイルの例:
下記表2に示すものが挙げられる。
【0159】
【表2】

これらシリコーンオイルの市販の例としては、信越化学工業(株)製のKF−96L〔0.65,1.0,1.5,2.0センチストークス〕、KF−96〔10,20,30,50,500,1000,3000〕、KF−56,KF−58,KF−54などがあげられ、また、東芝シリコーン(株)製のTSF451シリーズ、TSF456シリーズ、TSF410,411,440,4420,484,483,431,433シリーズ、THF450シリーズ、TSF404,405,406,451−5A,451−10A,437シリーズ、TSF440,400,401,4300,4445,4700,4450,4702,4730シリーズ、TSF434,4600シリーズ、更には東レシリコーン(株)製のHS−200などがあげられる。
【0160】
以上のようなシリコーンオイルにはシリコーンオイルの特性を損なわない程度に他の溶媒を混合することができる。このような溶媒としては、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤;エーテル類;エステル類;アルコール系溶剤;n−ヘキサン、n−オクタン、iso−オクタン、iso−ドデカン及びそれらの混合物等の脂肪族炭化水素(市販品ではエクソンケミカル社製アイソパーH.G.L.Vなど)等が挙げられる。このような他の溶媒の混合比は、シリコーンオイル100質量部に対し0.1〜500質量部程度である。
【0161】
次に、本発明に使用される重合可能な単量体について説明する。
【0162】
まず、一般式(II)で表される単量体は、シリコーンオイルとの親和力が強く、通常の高分子ではシリコーンオイルに溶解しにくい特徴を有するが、かかる単量体で構成される重合体は、単重合体の場合にはシリコーンオイルに可溶な重合体を与え、他の単量体との共重合体の場合においても可溶ないし不溶であってもシリコーンオイルとの親和性に富み、安定な分散液を与えることができる。
次に、一般式(II)で表される単量体と共重合しうる単量体としては、以下のものが挙げられ使用される。
(iv)酸性基を有する単量体の例:
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロキシエチルマレイン酸、2−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロキシエチルトリメリツト酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−クロロアミドホスホキシプロピルメタクリレート、2−メタクリロキシエチルアシツドホスフエート、ヒドロキシスチレン等が挙げられる。
(v)塩基性基を有する単量体の例:
N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N−フエニルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジフエニルアミノエチルメタクリレート、アミノスチレン、ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフエニルアミノエチルスチレン、N−フエニルアミノエチルスチレン、ビニルピロリドン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド等が挙げられる。
(vi)極性基を有する単量体の例:
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−プロピルメタクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、イソブチル−2−シアノアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、メタクリルアセトン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、トリフロロエチルメタクリレート、p−ニトロスチレン等が挙げられる。
(vii)多官能性単量体の例:
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、ベンタエリスリツトテトラ(メタ)アクリレート、1,3−ジブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(viii)その他の単量体の例:
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ビニルラウレート、ラウリルメタクリルアミド、ステアリルメタクリルアミド、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フエニル(メタ)アクリレート、スチレン、ビニルトルエン、ビニルアセテート等が挙げられる。
まず、一般式(II)で表される単量体を構成要件とする重合体としては、一般式(II)で表される単量体と前記(iv)〜(viii)の単量体との共重合体が挙げられる。また、一般式(II)の単量体と極性基を有する単量体の共重合体としては、少なくとも一般式(II)の単量体と極性基を有する単量体(vi)とを含む共重合体が挙げられる。また、一般式(II)の単量体と酸性基を有する単量体の共重合体としては、少なくとも一般式(II)の単量体と酸性基を有する単量体(iv)とを含む共重合体が挙げられる。また、一般式(II)の単量体と塩基性基を有する単量体の共重合体としては、少なくとも一般式(II)の単量体と塩基性基を有する単量体(v)とを含む共重合体が挙げられる。
なお、一般式(II)の単量体を含有する重合体がシリコーンオイルに不溶であるものとしては、少なくとも一般式(II)の単量体と前記(iv)〜(viii)の単量体との共重合体が挙げられる。ただし、この場合においては、これらの単量体を用いる比率を一義的に規定するわけにはいかず、経験的な使用により目的とする不溶性樹脂を得る。これは、溶媒としてのシリコーンオイルの特性―貧溶解性―によるものである。ただし、最も確実に不溶解性樹脂を得るには、一般式(vii)の単量体を比較的多量に使用することで達成することができる。
【0163】
また、上記一般式(II)の単量体とともに一般式(III)で表される単量体を含むと、オキシエチレン基の繰り返し単位が25以下のポリエチレングリコール鎖を有し、該単量体を構成要素に有する共重合体は、溶媒に不溶な粒子に吸着し、ポリエチレングリコール鎖により発現する立体効果により、粒子の分散が安定する。
【0164】
一方、本発明に使用されるシリコーンオイルに不溶な粒子成分としては、各種不溶性の樹脂、一般に公知の無機あるいは有機顔料、金属、金属酸化物、磁性体粉、ワツクス状物質(例えば低分子ポリオレフイン、ワツクス)、化学製品(例えば農薬)、膨張剤等が挙げられる。より具体的には、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローグミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料などの染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用できる。また、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、カルボニル鉄粉、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物、ガラスビーズ等などが挙げられる。
また、樹脂粒子の例として、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、 スチレン−アクリロニトリル共重合体、 スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレンーイソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体が挙げられる。
【0165】
さらに、使用目的によつてはシリコーンオイルに可溶な染料を分散液に添加するか、或いは分散質に化学結合させて分散液或いは分散質を着色させることもできる。
本発明の分散液を作るには、前記の各樹脂成分、及び固体粒子をシリコーンオイル溶媒中に混合分散すればよい。この場合、分散手段としてボールミル、サンドミル、アトライター等を用いてもよい。なお混合順序は特に限定されるものではない。
【0166】
本発明の分散溶媒として使用されるシリコーンオイルは、1000センチストークス以下、好ましくは200センチストークス以下であると、分散安定に優れた特性が発現する。この理由については明らかになっていないが、シリコーンオイルの粘性が上がるとオイルの分子量も大きくなり、ひいては本発明に使用する樹脂の溶解性あるいは樹脂とオイルの親和性が低下するためであろうと推測される。
【0167】
本発明においては、適切な不溶解粒子成分の使用量は、0.1〜20質量%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜15質量%が好適である。この範囲の使用において、長期間保存に対しても非常に安定な分散液が得られる。
【実施例】
【0168】
本発明を実施例及び参考例等によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び参考例等で用いる部は、全て質量部である。
(参考例1)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に、イソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーH)300部を採り、85℃に加熱した。この中にラウリルメタクリレート45部、下記構造式の化合物5部、
【0169】
【化5】

アゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。ついで90℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。均一で透明な樹脂溶液が重合率98.7%で得られた。次にこの樹脂溶液100部に酸化チタン7部を加えボールミルで分散して分散液を作った。長さ40cmのガラス管を垂直に立て、この分散液を高さ30cmのところまで注液した。一ヶ月間放置後、目視判定したが、沈殿はなく非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例2)
参考例1と同様な反応容器に、イソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーH)300部を採り、90℃に加熱した。この中にデシルメタクリレート43部、下記構造式の化合物5部、
【0170】
【化6】

メタクリル酸2部及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして均一で透明な樹脂溶液が重合率97.4%で得られた。次にこの樹脂溶液100部にカーボンブラック1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。参考例1と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例3)
参考例1と同様な反応容器に、イソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーG)300部を採り、90℃に加熱した。この中に2−エチルヘキシルメタクリレート40部、下記構造式の化合物5部、
【0171】
【化7】

ジメチルアミノエチルメタクリレート5部及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして均一で透明な樹脂溶液が重合率95.2%で得られた。次にこの樹脂溶液100部に酸化チタン7部を加えボールミルで分散して分散液を作った。参考例1と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例4)
参考例1で用いた反応容器にイソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーH)300部を採り、80℃に加熱した。この中にシクロヘキシルメタクリレート25部、ジブチルアミノエチルメタクリレート5部、エチレングリコールジメタクリレート20部、ベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を5時間に亘つて滴下した。次いで85℃で2時間撹拌して反応終了した。濾過、洗浄処理により不溶性の樹脂が重合率92.5%で得られた。次にこの樹脂5部を参考例2で作製した樹脂溶液50部に加えボールミルで分散して分散液を作った。参考例1と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例5)
参考例1と同様な反応容器にイソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーL)500部を採り、80℃に加熱した。この中にヘキシルメタクリレート20部、ジエチルアミノエチルメタクリレート5部、ヒドロキシエチルメタクリレート5部、エチレングリコールジメタクリレート20部、及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。濾過、洗浄処理により重合率94.7%で樹脂が得られた。次にアイソパーH45部にこの樹脂5部、参考例2で作製した樹脂溶液50部を加え超音波分散して分散液を作った。参考例1と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例6)
参考例1と同様な反応容器に、イソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーL)300部を採り、90℃に加熱した。この中に下記構造の化合物44部、下記構造式の化合物4部、
【0172】
【化8】

メタクリル酸1部、ビニルピロリドン1部、及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして均一で半透明な高分子ゲル分散液が重合率93.4%で得られた。次にこの高分子ゲル分散液100部に参考例4で作製した樹脂5部、酸化チタン7部、染料(バイエル マクロレックスブルーRR)0.1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。参考例1と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例7)
イソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーL)45部に参考例5で作製した樹脂5部、参考例6で作製した高分子ゲル分散液50部、を加え超音波分散して分散液を作った。この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、白色粒子は陰極にのみ電着し、陽極には析出が認められなかった。このことから、粒子は全て正の電荷を帯びていることが分かる。
(参考例8)
参考例1で用いた反応容器にイソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーG)500部を採り、80℃に加熱した。この中に2−エチルヘキシルメタクリレート20部、エチレングリコールジメタクリレート25部、2−ヒドロスチレンスルホン酸5部、ベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで85℃で3時間撹拌して反応終了した。濾過、洗浄処理により重合率91.2%で樹脂が得られた。アイソパーG45部この樹脂5部、参考例3で作製した樹脂溶液50部を加え超音波分散して分散液を作った。参考例1と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
【0173】
(参考例9)
参考例1と同様な反応容器にイソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーG)500部を採り、80℃に加熱した。この中にラウリルメタクリレート20部、メチルメタクリレート20部ラウリルメタクリルアミド5部、メタクリル酸5部及びアゾビスイソブチロニトリル5部よりなる溶液を3時間に亘つて滴下した。次いで85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。こうして樹脂分散液が重合率91.2%で得られた。次にこの樹脂分散液50部に参考例3で作製した樹脂溶液50部、銅フタロシアニン顔料5部を加えボールミルで分散して分散液を作った。参考例1と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例10)
参考例1と同様な反応容器に、イソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーG)300部を採り、90℃に加熱した。この中にラウリルメタクリレート37部、下記構造式の化合物5部、
【0174】
【化9】

ジメチルアミノエチルメタクリレート5部、ビニルピロリドン3部、及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして均一で透明な樹脂溶液が重合率94.1%で得られた。次にこの樹脂溶液50部に参考例8で作製した樹脂5部、カーボンブラック1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。参考例1と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例11)
参考例9で作製した樹脂分散液50部に参考例10で作製した樹脂溶液50部、N,N−ジエチルプロピオンアミド3部、酸化チタン7部、染料(バイエル マクロレックスブルーRR)0.1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。この分散液を、ITO透明電極ガラスを電極面が間隔1mmのスペーサーで向かい合うように配備されたセルに注ぎ、1000Vの直流電圧を1秒間印加した。電圧印加後、陽極側から観察すると電極面は白色であった。反対の陰極側から観察すると、電極面は染料で着色した色が見られた。このことから、粒子は全て負の電荷を帯びて陽極側にのみ電着していることが分かる。
(比較例1)
イソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーH)100部に酸化チタン7部、染料(バイエル マクロレックスブルーRR)0.1部を加えボールミルで分散して分散液を作製し、参考例1と同様にして分散安定性を調べたが、一日の放置で上澄み部分が20cm程現れ、非常に不安定な分散液であった。
(比較例2)
参考例1と同様な反応容器にイソパラフィン系炭化水素(エクソンケミカル、アイソパーL)500部を採り、80℃に加熱した。この中にデシルメタクリレート25部、メチルメタクリレート10部、エチレングリコールジメタクリレート15部、及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。濾過、洗浄処理により重合率90.9%で樹脂が得られた。この樹脂10部をアイソパーL100部、カーボンブラック1部とともにボールミルに投入し、分散液を得た。この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、陰極陽極の両極に黒色粒子の電着が観測された。
(参考例12)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に、アイソパーH(エクソンケミカル社)300部を採り、90℃に加熱した。この中にラウリルメタクリレート40部、メタクリル酸10部及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、アイソパーHに可溶な高分子を含む溶液が重合率95.6%で得られた。アイソパーHをエバポレーターで蒸発させた上記ポリマー5部と銅フタロシアニン2部を流動パラフィン100部に対して加えて、超音波分散し、平均粒径0.3μmの分散液を得た。長さ40cmのガラス管を垂直に立て、この分散液を高さ30cmのところまで注液した。
【0175】
一ヶ月間放置後、目視判定したが、沈殿はなく非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例13)
参考例12と同様な反応容器に、トルエン300部を採り、80℃に加熱した。この中にオクチルメタクリレート40部、ジエチルアミノエチルメタクリレート10部、アゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。ついで90℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。均一で透明な樹脂溶液が重合率93.6%で得られた。トルエンをエバポレーターで蒸発させた上記ポリマー5部と酸化チタン7部をイソパラフィン系炭化水素100部に対して加え、ボールミルで分散して平均粒径0.2μmの分散液を得た。長さ40cmのガラス管を垂直に立て、この分散液を高さ30cmのところまで注液した。
【0176】
一ヶ月間放置後、目視判定したが、沈殿はなく非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例14)
参考例12と同様な反応容器に、アイソパーH 300部を採り、80℃に加熱した。この中にオクチルメタクリレート35部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5部、ジエチルアミノエチルメタクリレート10部、アゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。ついで90℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。均一で透明な樹脂溶液が重合率94.1%で得られた。アイソパーHをエバポレーターで蒸発させた上記ポリマー5部と酸化チタン7部を流動パラフィン100部に対して加え、ボールミルで分散して平均粒径0.2μmの分散液を得た。長さ40cmのガラス管を垂直に立て、この分散液を高さ30cmのところまで注液した。
【0177】
一ヶ月間放置後、目視判定したが、沈殿はなく非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例15)
参考例12と同様な反応容器に、アイソパーH300部を採り、90℃に加熱した。この中に、ステアリルメタクリレート25部、エチレングリコールジメタクリレート10部、メタクリル酸5部及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、アイソパーHに不溶な高分子が重合率90.6%で得られた。濾過した上記高分子5部をイソパラフィン系炭化水素100部に対して加えて超音波分散し、平均粒径0.3μmの分散液を得た。参考例12と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例16)
参考例12と同様な反応容器に、アイソパーH300部を採り、85℃に加熱した。この中に、ラウリルメタクリレート20部、エチレングリコールジメタクリレート15部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5部、及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、アイソパーHに不溶な高分子が重合率90.9%で得られた。濾過した上記高分子5部とカーボンブラック3部を流動パラフィン100部に対して加えてボールミルで分散し、平均粒径0.2μmの分散液を得た。参考例12と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例17)
参考例12と同様な反応容器に、トルエン300部を採り、85℃に加熱した。この中に、ラウリルメタクリレート20部、エチレングリコールジメタクリレート10部、2−メトキシエチルメタクリレート5部、メタクリル酸5部及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、トルエンに不溶な高分子が重合率93.6%で得られた。濾過した上記高分子5部をイソパラフィン系炭化水素100部に対して加えて超音波分散し、平均粒径0.3μmの分散液を得た。参考例12と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例18)
参考例12で作製した炭化水素溶媒に可溶な高分子5部と参考例16で作製した溶媒不溶性高分子5部を流動パラフィン100部に対して加え、超音波分散し、平均粒径0.2μmの分散液を得た。この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、青色粒子は陰極にのみ電着し、陽極には析出が認められなかった。このことから、粒子は全て正の電荷を帯びていることが分かる。
(参考例19)
参考例14で作製した炭化水素溶媒に可溶な高分子5部と参考例17で作製した溶媒不溶性高分子5部と銅フタロシアニン2部をイソパラフィン系炭化水素溶媒100部に対して加え、ボールミルで分散し、平均粒径0.3μmの分散液を得た。この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、青色粒子は陽極にのみ電着し、陰極には析出が認められなかった。このことから、粒子は全て負の電荷を帯びていることが分かる。
(比較例3)
参考例13において樹脂を加えず酸化チタンのみを用いて分散液を作った以外は参考例13と同様に分散を作製し、参考例2と同様にして分散安定性を調べたが、一日の放置で上澄み部分が20cm程現れ、非常に不安定な分散液であることが分かった。
(比較例4)
参考例15においてメタクリル酸を加えなかった以外は参考例15と同様に反応させたところ、アイソパーHに不溶な高分子が重合率91.2%で得られた。濾過した上記高分子5部をイソパラフィン系炭化水素100部に加えて参考例4と同様に分散を作製し、参考例15と同様にして分散安定性を調べたが、一日の放置で上澄み部分が20cm程現れ、非常に不安定な分散液であることが分かった。
(比較例5)
比較例4の分散液を用いた以外は参考例18と同様に電圧印加したところ、陰極陽極の両極に粒子の付着が見られ、粒子の電界による泳動は認められなかった。
(参考例20)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;2cs)300部を採り、90℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物40部
【0178】
【化10】

及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、シリコーンオイルに可溶な高分子を含む溶液が重合率95.7%で得られた。
この樹脂液100部に対して、銅フタロシアニン2部を加えて、超音波分散し、平均粒径0.3μmの分散液を得た。長さ40cmのガラス管を垂直に立て、この分散液を高さ30cmのところまで注液した。一ヶ月間放置後、目視判定したが、沈殿はなく非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例21)
参考例20と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;5cs)300部を採り、90℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物37部、
【0179】
【化11】

エチレングリコールジメタクリレート3部及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして粒径1〜3μmの樹脂を含む分散液が重合率96.5%で得られた。参考例20と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(比較例6)
参考例20と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;2cs)300部を採り、90℃に加熱した。この中にラウリルメタクリレート20部、2−エチルヘキシルメタクリレート20部及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、シリコーンオイルに不溶な高分子隗を含む液が重合率89.2%で得られた。この液をボールミルで分散し、平均粒径5〜10μmの分散液を得た。参考例19と同様にして、分散安定性を調べたが、一日の放置で上澄み部分が20cm程現れ、非常に不安定な分散液であることが分かった。
次に、これらの各樹脂塗膜を作製し、撥水性、撥油性を測定し、表3に示すような結果を得た。
【0180】
【表3】

なお、表3の各測定法は、以下のとおりである。
撥水性:協和化学社製の接触角測定機を用いて、樹脂表面のイオン交換水に対する接触角を測定した。
撥油性:協和化学社製の接触角測定機を用いて、樹脂面のiso−ドデカンに対する接触角を測定した。
(参考例22)
参考例20と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;1cs)300部を採り、85℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物35部、
【0181】
【化12】

N−ビニルピロリドン5部及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、シリコーンオイルに可溶な高分子を含む溶液が重合率93.6%で得られた。
【0182】
この樹脂液100部に対して、カーボンブラック5部を加えて、ボールミル分散し、平均粒径0.3μmの分散液を得た。参考例21と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。なお、撥水性35.1、撥油性30.0であった。
(参考例23)
参考例22で用いたビニルピロリドンの代わりに、ジメチルアミノエチルメタクリレートを用いた他は参考例21と同様な試験を行った。その結果、重合率94.3%なの均一溶液を得、それを用いた平均粒径0.2μmのカーボンブラック分散液を得た。この分散液は、非常に安定であり、撥水性33.0、撥油性28.7であった。
(参考例24)
参考例20と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;1cs)300部を採り、90℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物32部、
【0183】
【化13】

下記構造式の化合物5部、
【0184】
【化14】

メタクリル酸3部及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして粒径2〜5μmの樹脂を含む分散液が重合率93.5%で得られた。参考例20と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後、上澄み部分が2cm現れただけで、安定な分散液であることが分かった。なお、撥水性31.4、撥油性29.0であった。
(参考例25)
参考例24で得た分散液50部と参考例22で作製した均一樹脂液50部を撹拌混合し、分散液を作製した。参考例19と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。なお、撥水性30.8、撥油性29.5であった。
この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、白色粒子は陽極にのみ電着し、陰極には析出が認められなかった。このことから、粒子は全て負の電荷を帯びていることが分かる。
比較のため、参考例24の分散液を同様にして電着を試みたが、陰極陽極の両極に白色粒子の電着が観測された。
さらに、比較のため、参考例23の均一溶液を同様にして電着を試みたが、陰極陽極のいずれにも何らの電着は生じなかった。
(参考例26)
参考例20と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;10cs)300部を採り、90℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物32部、
【0185】
【化15】

エチレングリコールジメタクリレート4部、ヘキサヒドロフタル酸2-メタクリロイルオキシエチル4部及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして粒径1〜3μmの樹脂を含む分散液が重合率94.8%で得られた。参考例20と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。なお、撥水性29.4、撥油性26.2であった。
(参考例27)
参考例26で得た分散液50部と参考例23で作製した均一樹脂液50部を撹拌混合し、分散液を作製した。参考例20と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。なお、撥水性30.2、撥油性28.0であった。
【0186】
この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、白色粒子は陽極にのみ電着し、陰極には析出が認められなかった。このことから、粒子は全て負の電荷を帯びていることが分かる。
比較のため、参考例26の分散液を同様にして電着を試みたが、陰極陽極の両極に白色粒子の電着が観測された。
(参考例28)
参考例20と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;20cs)300部を採り、85℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物31部、
【0187】
【化16】

N−ビニルピロリドン5部、ジエチルアミノエチルメタクリレート4部及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、シリコーンオイルに可溶な高分子を含む溶液が重合率93.6%で得られた。
この樹脂液100部に対して、カーボンブラック5部を加えて、ボールミル分散し、平均粒径0.2μmの分散液を得た。参考例20と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。なお、撥水性32.8、撥油性29.7であった。
(参考例29)
参考例20と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;5cs)300部を採り、85℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物37部、
【0188】
【化17】

マレイン酸2-メタクリロイルオキシエチル3及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、シリコーンオイルに可溶な高分子を含む溶液が重合率90.4%で得られた。
【0189】
この樹脂液50部に対して、参考例28の分散液45部を加えて良く撹拌し、参考例10の分散液を得た。参考例20と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。なお、撥水性33.1、撥油性28.3であった。
【0190】
この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、黒色粒子は陰極にのみ電着し、陽極には析出が認められなかった。このことから、粒子は全て正の電荷を帯びていることが分かる。
比較のため、参考例28の分散液を同様にして電着を試みたが、陰極陽極の両極に黒色粒子の電着が観測された。
(参考例30)
参考例20と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;5cs)300部を採り、85℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物30部、
【0191】
【化18】

エチレングリコールジメタクリレート3部、N-メタクリロイルモルホリン3ぶジターシャリーブチルアミノエチルメタクリレート4部及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして粒径1〜3μmの樹脂を含む分散液が重合率90.3%で得られた。この樹脂分散液100部に対して、フタロシアニン8部を加えて、ボールミル分散し、平均粒径0.4μmの分散液を得た。参考例20と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。なお、撥水性29.1、撥油性26.8であった。
(参考例31)
参考例20と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;1cs)300部を採り、85℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物33部、
【0192】
【化19】

2−ヒドロキシエチルメタクリレート4部、メタクリル酸3部及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして、シリコーンオイルに可溶な高分子を含む溶液が重合率95.6%で得られた。
参考例30の分散液50部に、この樹脂液40部を加えて良く撹拌し、参考例30の分散液を得た。撥水性28.3、撥油性26.0であった。
【0193】
参考例31の分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、青色粒子は陰極にのみ電着し、陽極には析出が認められなかった。このことから、粒子は全て正の電荷を帯びていることが分かる。
【0194】
比較のため、参考例30の分散液を同様にして電着を試みたが、陰極陽極の両極に青色粒子の電着が観測された。
(比較例7)
参考例19と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;2cs)300部を採り、85℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物28部、
【0195】
【化20】

マレイン酸2-メタクリロイルオキシエチル4部、ジメチルアミノエチルメタクリレート4部、ビニルピロリドン4部及びアゾビスイソブチロニトリル1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。この結果、反応器内には、シリコーンオイルと高分子とからなると考えられるゲル状物質が生成し、これを反応容器から取り出すことはできなかった。
(比較例8)
比較例7で得たゲル状物質を3部容器からかき取り、シリコーンオイル(SH−200;2センチストークス)10部、カーボンブラック1部とともにボールミルに投入し、分散液を得た。この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、陰極陽極の両極に黒色粒子の電着が観測された。
(実施例32)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器に、シリコーンオイル(東レダウコーニングシリコーンSH200、2cs)300部を採り、85℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物50部、
【0196】
【化21】

下記構造の化合物5部、
【0197】
【化22】

アゾビスイソブチロニトリル3部よりなる溶液を1.5時間に亘つて滴下した。ついで90℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。均一で透明な樹脂溶液が重合率99.1%で得られた。次にこの樹脂溶液100部に酸化チタン7部、染料(バイエル マクロレックスブルーRR)0.1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。長さ40cmのガラス管を垂直に立て、この分散液を高さ30cmのところまで注液した。一ヶ月間放置後、目視判定したが、沈殿はなく非常に安定な分散液であることが分かった。
(実施例33)
実施例32と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;1cs)300部を採り、90℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物43部、
【0198】
【化23】

下記構造式の化合物5部、
【0199】
【化24】

メタクリル酸2部及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして均一で透明な樹脂溶液が重合率96.9%で得られた。次にこの樹脂溶液100部にカーボンブラック1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。実施例32と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(実施例34)
実施例32と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;1cs)300部を採り、90℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物42部、
【0200】
【化25】

下記構造式の化合物3部、
【0201】
【化26】

ジメチルアミノエチルメタクリレート5部及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして均一で透明な樹脂溶液が重合率93.3%で得られた。実施例32と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(実施例35)
実施例32で用いた反応容器にシリコーンオイル(SH200、1cs)300部を採り、80℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物10部、
【0202】
【化27】

シクロヘキシルメタクリレート35部、ジブチルアミノエチルメタクリレート5部、ベンゾイルパーオキサイド3部よりなる溶液を5時間に亘つて滴下した。次いで85℃で2時間撹拌して反応終了した。こうして乳白色の樹脂分散液が重合率92.7%で得られた。次にこの樹脂分散液50部に実施例32で作製した樹脂溶液50部を加えボールミルで分散して分散液を作った。実施例32と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(実施例36)
実施例32と同様な反応容器にシリコーンオイル(SH200、1cs)500部を採り、80℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物25部、
【0203】
【化28】

エチレングリコールジメタクリレート20部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5部及びアゾビスイソブチロニトリル5部よりなる溶液を3時間に亘つて滴下した。次いで85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。濾過、洗浄処理により重合率94.1%で樹脂が得られた。次にシリコーンオイル(SH200、1cs)45部にこの樹脂5部、実施例32で作製した樹脂溶液50部を加え超音波分散して分散液を作った。参考例31と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(実施例37)
実施例32と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;1cs)300部を採り、90℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物44部、
【0204】
【化29】

下記構造式の化合物4部、
【0205】
【化30】

メタクリル酸1部、ビニルピロリドン1部、及びアゾビスイソブチロニトリル5部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして均一で半透明な高分子ゲル分散液が重合率95.4%で得られた。次にこの高分子ゲル分散液50部に参考例4で作製した樹脂分散液50部、酸化チタン7部、染料(バイエル マクロレックスブルーRR)0.1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。実施例32と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(参考例38)
シリコーンオイル(SH200、1cs)45部に参考例5で作製した樹脂5部、実施例36で作製した高分子ゲル分散液50部、を加え超音波分散して分散液を作った。この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、白色粒子は陰極にのみ電着し、陽極には析出が認められなかった。このことから、粒子は全て正の電荷を帯びていることが分かる。
(実施例39)
実施例32で用いた反応容器にシリコーンオイル(SH200、1cs)500部を採り、80℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物20部、
【0206】
【化31】

エチレングリコールジメタクリレート25部、2−ヒドロスチレンスルホン酸5部、ベンゾイルパーオキサイド3部よりなる溶液を5時間に亘つて滴下した。次いで85℃で2時間撹拌して反応終了した。濾過、洗浄処理により重合率90.3%で樹脂が得られた。次にシリコーンオイル(SH200、1cs)45部この樹脂5部、実施例34で作製した樹脂溶液50部を加え超音波分散して分散液を作った。実施例32と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(実施例40)
実施例32と同様な反応容器にシリコーンオイル(SH200、1cs)500部を採り、80℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物10部、
【0207】
【化32】

ラウリルメタクリレート30部、ラウリルメタクリルアミド5部、メタクリル酸5部及びアゾビスイソブチロニトリル5部よりなる溶液を3時間に亘つて滴下した。次いで85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。こうして樹脂分散液が重合率91.7%で得られた。次にこの樹脂分散液50部に実施例34で作製した樹脂溶液50部、酸化チタン7部、染料(バイエル マクロレックスブルーRR)0.1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。実施例32と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(実施例41)
実施例32と同様な反応容器に、シリコーンオイル(SH−200;1cs)300部を採り、90℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物44部、
【0208】
【化33】

下記構造式の化合物4部、
【0209】
【化34】

ジメチルアミノエチルメタクリレート1部、ビニルピロリドン1部、及びベンゾイルパーオキサイド1部よりなる溶液を1時間に亘つて滴下した。次いで同温度で5時間撹拌を続け、反応を終了した。こうして均一で透明な樹脂溶液が重合率92.4%で得られた。次にこの樹脂溶液50部に参考例8で作製した樹脂分散液50部、カーボンブラック1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。実施例32と同様にして、分散安定性を調べたが、一ヶ月間放置後も沈殿はなく、非常に安定な分散液であることが分かった。
(実施例42)
実施例40で作製した樹脂分散液50部、実施例40で作製した樹脂溶液50部、酸化チタン7部、染料(バイエル マクロレックスブルーRR)0.1部を加えボールミルで分散して分散液を作った。この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、白色粒子は陽極にのみ電着し、陰極には析出が認められなかった。このことから、粒子は全て負の電荷を帯びていることが分かる。
(比較例9)
シリコーンオイル(東レダウコーニングシリコーンSH200、2cs)100部に酸化チタン7部、染料(バイエル マクロレックスブルーRR)0.1部を加えボールミルで分散して分散液を作製し、参考例31と同様にして分散安定性を調べたが、一日の放置で上澄み部分が20cm程現れ、非常に不安定な分散液であった。
(比較例10)
実施例32と同様な反応容器にシリコーンオイル(SH200、1cs)500部を採り、80℃に加熱した。この中に下記構造式の化合物25部、
【0210】
【化35】

エチレングリコールジメタクリレート25部及びアゾビスイソブチロニトリル5部よりなる溶液を3時間に亘つて滴下した。次いで85℃に昇温し、この温度で4時間撹拌し、反応を終了した。濾過、洗浄処理により重合率90.5%で樹脂が得られた。この樹脂10部をシリコーンオイル(SH−200;2cs)100部、カーボンブラック1部とともにボールミルに投入し、分散液を得た。この分散液を、電極間隔5mmの平行に配備された真鍮電極を有するテフロン(登録商標)製容器に注ぎ、1000Vの直流電圧を1分間印加した。電圧印加後、電極を取り出して観察したところ、陰極陽極の両極に黒色粒子の電着が観測された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0211】
【特許文献1】特公昭40−7047号公報
【特許文献2】特開平9−255728号公報
【特許文献3】特開平10−30010号公報
【特許文献4】特開平6−41402号公報
【特許文献5】特開平6−65477号公報
【特許文献6】特開平7−146660号公報
【特許文献7】特開平7−292383号公報
【非特許文献】
【0212】
【非特許文献1】F. A. Waite, J. Oil Col. Chem. Assoc., 54, 342(1971)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンオイル中に、少なくともシリコーンオイルに不溶な粒子成分と、少なくとも下記一般式(II)で示される単量体を重合した重合体とを含有し、
【化1】

[式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは自然数を表す。]
前記重合体が下記一般式(III)で示される単量体、
【化2】

[式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、xは1〜3の整数、yは25以下の自然数を表す。]
をさらに含んで重合したものであることを特徴とする分散液。
【請求項2】
前記一般式(II)で示される単量体と、酸性基または塩基性基を有し前記一般式(II)で示される単量体と共重合し得る単量体との共重合体を含有することを特徴とする請求項1記載の分散液。
【請求項3】
前記一般式(II)で示される単量体と、酸性基を有し前記一般式(II)で示される単量体と共重合し得る単量体との共重合体、および前記一般式(II)で示される単量体と、塩基性基を有し前記一般式(II)で示される単量体と共重合し得る単量体との共重合体を含有することを特徴とする請求項1記載の分散液。
【請求項4】
前記一般式(II)で示される単量体と、酸性基を有し前記一般式(II)で示される単量体と共重合し得る単量体との共重合体、または前記一般式(II)で示される単量体と、塩基性基を有し前記一般式(II)で示される単量体と共重合し得る単量体との共重合体が前記シリコーンオイルに不溶であることを特徴とする請求項3記載の分散液。
【請求項5】
前記一般式(II)で示される単量体と、酸性基を有し前記一般式(II)で示される単量体と共重合し得る単量体との共重合体、および前記一般式(II)で示される単量体と、塩基性基を有し前記一般式(II)で示される単量体と共重合し得る単量体との共重合体の少なくともいずれか1つが、極性基を有し前記一般式(II)で示される単量体と共重合し得る単量体との共重合体であることを特徴とする請求項3または4に記載の分散液。
【請求項6】
前記シリコーンオイルの粘度が200cSt以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の分散液。
【請求項7】
前記粒子成分の含有量が、0.1〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の分散液。

【公開番号】特開2010−235948(P2010−235948A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106894(P2010−106894)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【分割の表示】特願2001−59300(P2001−59300)の分割
【原出願日】平成13年3月2日(2001.3.2)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】