分析のために流体を処理する装置および方法
【課題】試薬処理装置における試薬を装填する装置および方法
【解決手段】装置は、複数の位置がその上に画定されているデッキを含む、その位置それぞれは第1組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。複数のトレイそれぞれは、デッキ上の位置の選択された位置に取り外し可能に固定可能であり、位置の選択されたところを視覚的に印付ける第1組のアイコンの別個のアイコンを含む。複数のトレイそれぞれの上にある試薬レセプタクルは、第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。キットは、選択された試薬が入った複数の容器を備える。各容器は、試薬が注がれるレセプタクルを視覚的に印付ける第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。検体サンプルおよび試薬を含む液体は、処理の間、試薬が汚染することがあり得る管の上を直接通過するのではなく、管の間を移動される。
【解決手段】装置は、複数の位置がその上に画定されているデッキを含む、その位置それぞれは第1組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。複数のトレイそれぞれは、デッキ上の位置の選択された位置に取り外し可能に固定可能であり、位置の選択されたところを視覚的に印付ける第1組のアイコンの別個のアイコンを含む。複数のトレイそれぞれの上にある試薬レセプタクルは、第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。キットは、選択された試薬が入った複数の容器を備える。各容器は、試薬が注がれるレセプタクルを視覚的に印付ける第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。検体サンプルおよび試薬を含む液体は、処理の間、試薬が汚染することがあり得る管の上を直接通過するのではなく、管の間を移動される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体の検査に関し、詳細には、検査のために検体を処理する間、試薬などの液体を適切に加える装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的検体のサンプルの検査は、たとえば、対象のアイテムの存在を調べるために一般に行われる。そのアイテムは、DNA、RNAまたはそれらの断片の特定領域のすべてまたは一部分、補体、ペプチド、ポリペプチド、酵素、プリオン、蛋白質、メッセンジャRNA、転移RNA、ミトコンドリアRNAまたはDNA、抗体、抗原、アレルゲン、または細胞もしくはバイロン(virons)などの生物学的存在物の部分、表面蛋白質、または上記のものと機能的に等価なものである、またはそれらを含むことができる。患者の健康についての情報を提供するために、患者の体液(たとえば、血清、全血、尿、スワブ(swabs)、血漿、大脳骨髄液、リンパ液、組織体(tissue solids))などの検体が、多くの異なる検査を用いて分析されることができる。
【0003】
そうした検査において、汚染が外部環境からまたは検体間で、検体に入り込まないようにした方法で、検体が処理されることが絶対必要である。たとえば、意図せずに、1つの検体からのHIVウイルスが、違う患者の検体を汚染させた場合、結果的に、後にそれに続く検査で誤りがわかったとしても、場合によっては間違った陽性結果によって患者が深刻な心理的影響を受ける。さらに、そうした検査は非常に敏感であり、最小量の汚染でさえ誤った検査結果の原因となり得る。簡単に言えば、検体が適切に処理されることが絶対必要である。
【0004】
そうした複雑な検査において、汚染を避けるためだけでなく、確実に適量の適切な試薬が適当な回数使用されるようにするためにも、検査で使用され得る様々な試薬も、また適切に処理されることも絶対必要である。
【0005】
一般に、そうした検査は、複数の検体および流体(一般に試薬)を処理する自動装置を使用して行われる。そうした自動装置には、一般に、様々な流体を、それらの原容器(一般に上部が開いた管などのレセプタクル)と検体がその中で処理される容器との間で移動させるように、複数組のピペットが使用される。たとえば、1組の8個の検体は、装置のラック内に装着されている8本の管または他のレセプタクル内に入れられ、8本のピペットを担持するヘッドが、プログラムされた動きによってそのピペットをそれら8本の管内へと移動させ、そこで減圧が加えられてその管からピペット内に選択された量の各検体を抜き取る。次いで、ヘッドは、管からピペットを後退させ、処理ステーションに配置されている他の組の管の上まで移動し、抜き取った量の各検体を、ピペットから複数組の試験管に入れる。
【0006】
そうした自動装置の処理ステーションにおいて、検体は、(培養、調製、溶解、溶離、分析、解読など)検査の目的に従って様々に処理される。たとえば検体からDNAまたはRNAを分離することによって、たとえば、分析のために検体が調製されることができる。検体は分析もされてよく、または調製の代わりに分析されてよい。一般に、そうしたプロセスは、各管内の検体に様々な流体(一般に試薬)を加えることを含む。たとえば、第1のステップにおいて、試薬が、検体を洗浄するように管それぞれに加えられ、第2および第3(およびそれ以上)の試薬が、たとえば、対象のDNAまたはRNAを結合解除するかつ/または分離するように、他の処理を実施する過程で検体に加えられ、それは後で行う検査のために各管内の検体から抜き取られることが可能にされる。同様のまたは異なる試薬が管に加えられる同様のプロセスが、調製済検体の分析の一部として、検体が調製された後に行われることもできる。
【0007】
そうした自動装置での試薬および他の流体の処理には問題があることがある。試薬は、すでに述べたように、ヘッドおよびピペットの使用によって、レセプタクルから処理ステーションにある検体入りの管に自動的に移動されることができるが、第一に、処理においてヘッドおよびピペットが、適切なときに適切な試薬を適切な検体入りの管に加えることを確実にするために、適切な試薬を装置の適切なレセプタクルに装填する必要がある。さらに、起こり得る汚染を取り除く、または異なるプロセスに関連して異なる液体の使用を可能にするように、レセプタクルは、簡単に清浄化される必要があると理解されたい。そうした要件の結果として、レセプタクルは、一般に、そうした処置のために装置から簡単に取り外すことができる。
【0008】
従来、適切なレセプタクルへの適切な試薬の装填は、いくつか異なる方法で実施されてきた。1つのそうした手順において、装置を制御する操作者が、手動で試薬を計量しそれをレセプタクルに加え、次いでそれらのレセプタクルを装置に配置する。他のそうした手順において、試薬の装填は、試薬を装置とともに提供される大容量試薬供給装置から移す(上記で述べたヘッドおよびピペットなど)いくつかの移送装置を使用する装置自体によって自動的に実施される。
【0009】
しかし、すでに述べたように、上記の手順のどちらにも問題が起こり得る。たとえば、手動で試薬を加えることは、試薬を誤って調製する、または誤ったレセプタクルに試薬を加える、場合によっては装置にレセプタクルを誤って取り付けるという、人的過誤を招き得る。後者の場合、たとえ正しい試薬が正しい量装填されても、試薬は装置上の誤った場所にあり、その結果、処理のある段階で、ヘッドおよびピペットが使用する試薬を自動的に抜き取るとき、誤った試薬であることがあり得る、またはヘッドおよびピペットがそれを抜き取るように進むころにまったく試薬がないこともあり得る。さらに、そうした過誤は、(装置自体が大容量供給装置から試薬を装填するという)第2の手順を使用することで低減されることができるが、大容量供給装置自体が、装置において望ましい空間よりも多くを占めることがあり得る。さらに、このプロセスが装置によって実施され得ることにより、これらの段階を実行する間、装置が当然停滞させられる。装置の停滞により、所与の日数の間に行われる検査量が低減され、それによって試験完了が遅らされる、または所望の検査能力レベルを可能にするために追加の装置に追加の莫大な設備投資が必要とされ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記で述べた問題の1つまたは複数の問題を克服することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの態様において、(1)1組のアイコンの別個のアイコンによってそれぞれが視覚的に印付けられている選択された試薬入りの複数の容器を有する、キットを提供するステップと、(2)その1組のアイコンから選択されたアイコンによってそれぞれが視覚的に印付けられている少なくとも1つの試薬レセプタクルをそれぞれ有する、複数のトレイを提供するステップと、(3)試薬を、容器の少なくともいくつかのそれぞれから、その容器を視覚的に印付けるその1組のアイコンと同じ別個のアイコンで視覚的に印付けられている試薬レセプタクル内に移すステップと、(4)トレイを検体処理装置の選択された位置に取り付けるステップとを含む、試薬を検体処理装置に装填する方法が提供される。
【0012】
本発明のこの態様の他の形態において、キットは、複数のサブセットの容器を備え、各サブセットの容器は、選択された数Xの検体に使用するのに十分な量の選択された試薬それぞれを含み、試薬を移すステップが、Y個のサブセットの容器に移すステップを含む。ここで、Y=[処理すべき検体の数/X]であり、Yは、端数が切り上げられたY=の整数である。
【0013】
本発明のこの態様の他の形態において、検体処理装置およびトレイの選択された位置にはアイコンが印付けられており、その場合、トレイを取り付けるステップが、トレイを選択された位置に取り付けることを含む。その場合、トレイそれぞれは、トレイが取り付けられる選択された位置に印付けられたアイコンと対応するアイコンで印付けられている。
【0014】
本発明の他の態様において、複数の位置がその上に画定されているデッキと、それぞれが、デッキ上のその位置の特定位置のみに取り外し可能に固定可能である複数のトレイと、複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが選択された試薬を含むように構成されている少なくとも1つの試薬レセプタクルとを含む、検体処理装置が提供される。
【0015】
この態様の1つの形態において、かみ合う複数の対の取り付け部材が、トレイおよびデッキ上にそれぞれ設けられている。各トレイ上の取り付け部材は、デッキの取り付け部材の1つのみとかみ合い、デッキの取り付け部材は、かみ合う取り付け部材を有するトレイが取り外し可能に固定可能である、デッキ上の位置の特定の位置にある。
【0016】
本発明の他の態様において、複数の位置がその上に画定されているデッキと、それぞれが、デッキ上の位置の特定位置に取り外し可能に固定可能であり、かつ光学的可読識別子を有する複数のトレイと、複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが選択された試薬を含むように構成されている少なくとも1つの試薬レセプタクルとを含む、検体処理装置が提供される。
【0017】
本発明のこの態様の1つの形態において、各光学的可読識別子は、第1組のアイコンの別個のアイテムであり、その第1組のアイコンの各別個のアイコンが、デッキ上の位置の特定位置を視覚的に印付け、特定位置に、第1組の中のアイコンの別個のアイテムを有するトレイが、取り外し可能に固定可能である。
【0018】
本発明のこの態様の他の形態において、各光学的可読識別子は、別個のバーコードであり、位置の1つの位置に固定されたとき、トレイのバーコードを読むように構成されているバーコード読取装置と、試験体処理装置のための制御装置とをさらに備え、制御装置は、バーコード読取装置が、特定位置に固定可能なトレイに関連していない位置の特定位置でトレイのバーコードを読む場合に、エラーを示す。
【0019】
本発明のさらに他の態様において、検体処理装置は、複数の位置がデッキの上に画定され、かつ位置それぞれが、第1組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けされているデッキと、それぞれが、デッキ上の位置から選択された位置に取り外し可能に固定可能であり、かつ位置の選択された位置を視覚的に印付ける第1組のアイコンの別個のアイコンを含む複数のトレイとを備える。少なくとも1つの試薬レセプタクルは、複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが、第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。選択された試薬入りの複数の容器を含む、キットも提供され、各容器は、容器内の選択された試薬が移される試薬レセプタクルの選択された試薬レセプタクルを視覚的に印付ける第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。
【0020】
本発明のこの態様の1つの形態において、検体処理装置は、Z個の検体の処理が可能であり、キットは、S個のサブセットの容器を含み、各サブセットの容器は、選択された数Xの検体に使用するのに十分な量の選択された各試薬を含む。ここで、XはZ/Sにほぼ等しい。少なくとも2つの試薬レセプタクルは、Z個の検体に使用するのに十分な量の選択された試薬の少なくとも1つを保持することができない。画像表示は、試薬レセプタクルの少なくとも2つに設けられ、画像表示は、少なくとも1個の検体が処理される場合、どの試薬レセプタクルに、第1のサブセットの容器からの選択された試薬の少なくとも1つの試薬の容器を注ぐかを示し、少なくともX+1個の検体が処理される場合、どの試薬レセプタクルに、第2のサブセットの容器からの選択された試薬の少なくとも1つの試薬の容器を注ぐかを示し、かつ少なくとも[(S−1)×X]+1個の検体が処理される場合、どの試薬レセプタクルに、Sのサブセットの容器からの選択された試薬の少なくとも1つの試薬の容器を注ぐかを示す。
【0021】
本発明のさらに他の態様において、検体処理装置が提供され、この検体処理装置は、複数の位置が上に画定され、かつ試薬が中に入った上部が開いた複数のレセプタクルを有するデッキと、デッキの上でX本のピペットに入った選択された液体を運搬するように構成され、ここでXが3以上であり、ピペットが均一な間隔の列に互いに配置されているヘッドと、X本のグループのそれぞれ上部が開いた管を、各グループの管を均一な間隔の状態で支持するデッキ上のラックと、ピペット内の試薬から選択された試薬を、試薬のその選択された試薬を含むレセプタクルから、選択されたグループの管に移すようにヘッドを制御する制御装置とを備え、ヘッドが、選択されたグループの管以外のグループの管の上を、ピペットが、他のグループの管の上であり、かつ他のグループの管の間にある状態で通過する。
【0022】
本発明のまださらなる他の態様において、機器および試薬キットを含む検体処理システムが提供される。機器は、X本のピペット内の選択された液体を運搬するように構成されているヘッドと、ヘッドの侵入を可能にするように構成され、かつ手動の試薬注入によって充填可能である試薬レセプタクルと、検体を受ける反応管のアレイのためのホルダとを含む。試薬キットは、事前に測定された量の液体内に事前に測定された量粒子を有する容器を含み、粒子は、対象の生物学的分析物との親和性を有し、容器は、試薬レセプタクルへと注がれるように構成されている。
【0023】
本発明の他の態様において、上記の検体処理システムは、容器の中身が試薬レセプタクルへと注がれる前に、内部対照分析物が容器の中身に加えられる、対象の生物学的分析物を検出する方法で用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を組み込んだ自動試験装置を示す部分斜視図である。
【図2】図1の試験装置に使用される試薬容器およびトレイを示す斜視図である。
【図3】図1の試験装置に使用される試薬容器およびトレイを示す斜視図である。
【図4】図1の試験装置に使用される試薬容器およびトレイを示す斜視図である。
【図5】図1の試験装置に使用される試薬容器およびトレイを示す斜視図である。
【図6】図2〜5のトレイに使用可能な試薬キットを示す斜視図である。
【図7】図1の検査装置のデッキを示す簡易平面図である。
【図8】本発明による図1の試験装置の処理ステーションに使用可能な覆いを示す簡易断面図である。
【図9】本発明を組み込んだ自動試験装置の一代替実施形態のデッキおよびトレイを示す部分図である。
【図10a】本発明を組み込んだ自動試験装置を使用するためのプロセスを示す流れ図である。
【図10b】本発明を組み込んだ自動試験装置を使用するためのプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、本明細書に記載されている発明を組み込んだ自動試験装置20が示されている。本発明の説明の簡略化のために、図には、試験装置20の構成要素の多くが示されてない(また示す必要がない)。自動試験装置は、生物学的サンプルからの核酸の単離および検査を含む、生物学的サンプルから核酸を実質的に単離するように構成されることができる。この状況において、図1には、検体サンプルの検査がその上で行われることができる試験装置20のデッキ22が全体的に示されている。本明細書で述べるような試験装置20において、検体は、試薬およびピペットなど所望の検査に必要な他のアイテムとともに、装置20のデッキ22上に装填されることができる。図1には、装置20が配置されている環境からの汚染を防ぐフード26も全体的に示されている。フード26は、当技術分野で知られているような外部汚染がその中に入らないようにするどんな適当なエンクロージャであってもよい。使用される特定のフード26は、一般的に、装置操作者がデッキ22にアクセスできるように開けられることができる限り、それ以外は本発明にとって重要ではない。図示されていないが、自動試験装置は、有利には、以下の特徴の1つまたは複数を含むこともできる。すなわち、(1)それぞれが、最大168ml(48管×3.5ml/管)までの容積を、少なくとも50℃までより好ましくは少なくとも75℃まで制御可能に加熱することができる2つの加熱要素、(2)使用済先端部からの汚染を最低限に抑えるように、サンプルおよび試薬使用済ピペット先端部を保持しかつサンプルおよび試薬使用済ピペット先端部から分離されているレセプタクル、(3)たとえば、制限なしに、(a)サンプル管または試薬管シーラ、(b)核酸を変性(modify)することが可能な電流で、表面および/または液体を処理するための電極、(c)核酸を分解または変性することが可能な紫外光源、(d)自動試験装置内または自動試験装置のまわりに層流の空気流れを発生させる装置、であるエアゾール制御装置、(4)PCRに好適な方法で、サンプルおよび/または試薬の温度の繰り返しを可能にする温度調整器、(5)磁粉が懸濁され得る液体から磁粉を実質的に分離することが可能な、ピペッタまたは他の吸引システムと組み合わせて使用するマグネット、および(6)処理済サンプルの吸光度または蛍光を測定する(たとえば蛍光測定器である)光学検出器である。
【0026】
フード26内部でデッキ22の上には、ヘッド30が配設されている。ヘッド30は、ピペッタ32の直線アレイを含み、ピペッタ32のアレイは、知られているような使い捨てピペットが解放可能に固定されるように適当に構成される。ピペッタ32のアレイは、有利には、明らかになるであろう目的のために、選択された均一な間隔に配置されることができる。さらに、ヘッド30は、ピペッタ32の間の均一な間隔が選択的に調整され得るように、ピペッタ32を適当に支持することができる。ヘッド30およびピペッタ32の運動を制御するために、適当な駆動および制御装置が、装置20に提供される。
【0027】
適当なラック34は、検体が入った管36を保持するように設けられる。ラック34は、以下にさらに詳細に述べるように、デッキ22に取り外し可能に固定される。
【0028】
デッキ22上には処理ステーション40が配置され、処理ステーション40で、検体サンプルが処理される。本説明において、処理とは、検体から対象分析物(たとえばDNAまたはRNA)を単離することである。その処理の後、単離された分析物は、適切なプロトコルに従ってさらに検査されることができる。しかし、本発明は、そうした処理に多少なりとも限定せず、異なる処理またはプロトコルが実行される装置で簡単に使用され得ると理解されたい。
【0029】
開示の実施形態において、処理ステーション40は、4つのステーション40a〜40dを含み、4つのステーション40a〜40dで、ラック34内の管36からの検体サンプルが、検査要件に従って処理されることができる。支持ブラケット44内の試験管または反応容器42は、ステーション40a〜40dの間を、たとえば望むようにフード26内において支持ブラケットを持ち上げ移動させるように、適当に制御されかつ駆動される移送アーム46によって、適当に移動されることができる。たとえば、ブラケット44は、図1ではステーション40bに示されているが、処理開始の間、支持されている試験管42に検体サンプルが最初に装填されるステーション40aにあってよい。以下により詳細に述べるように、ステーション40aでは検体サンプルの洗浄などのいくつか処理が行われることができ、その後、移送アーム46が支持ブラケット44を第2のステーション40bまで移動させ、そこで異なる処理(たとえば溶解)が行われることができる。行われる処理のプロトコルに従って、異なるステーション40a〜40dにおいて、異なる条件(たとえば、加熱、冷却、磁場)がもたらされることができる。やはりまた以下により詳細に述べるように、各ステーションにおいて、異なる試薬が試験管42内に導入されることができる。
【0030】
本発明の範囲内で、種々の試薬が(試薬が、主に、検体サンプルの所望の処理に応じて)使用されることができるが、処理が、対象の特定の生物学的アイテムが分析される検体調製である場合、試薬は、有利には、対象のそうした生物学的アイテムとの親和性を有する粒子を含むことができる。本発明の状況において有用である、対象の生物学的分析物との親和性を有する粒子は、制限なく、ガラス、シリカ、または金属酸化物表面を有する粒子を含む。同様に、自動試験装置は、強塩基(たとえば水酸化カリウム)の腐食作用、および核酸の単離に一般に使用される高濃度のカオトロープ(たとえば、4.5M(またはそれより高濃度)のイソチオシアン酸グアニジニウムまたは5M(またはそれより高濃度)の尿素)を含む試薬に耐えるような構造にされることができる。
【0031】
デッキ22には、種々の試薬のためのレセプタクル52を有する複数のトレイ50a〜50dも、以下により詳細に述べるように取り外し可能に固定されて設けられている。さらに、デッキ22には、装置20によって使用されるために、異なる寸法の供給装置および使い捨てピペット62が装填されている、ピペット供給ステーション60も固定されている。
【0032】
デッキ22には、処理済の検体サンプルのための管68を支持するラック66も取り外し可能に固定される。図示の実施形態において、たとえば処理ステーション40で単離されたDNAは、ヘッド30、ピペッタ32、および適当なピペット62によって試験管42から取り出され、ラック66内の管68に移送されることができる。次に、単離されたDNAのさらなる処理は、たとえばDNAの特定領域の分析に適したプロトコルに従って別に行われることができる。そうしたプロトコルに必要ならば、装置20に追加の機器を含むこともできる。この場合も、事実上どんなタイプの処理、具体的には試薬などの種々の流体が使用される処理に、本発明は使用されることができることにも留意されたい。ラック66は、ラック66の洗浄および汚染除去を可能にするように、デッキ22に解放可能に固定されることができる。
【0033】
図2〜図5には、事前に混合されかつ計量された容器またはパッケージ70、72、74、76、78とともに、4つのトレイ50a〜50dが示されている。容器70〜78は、図示の実施形態において、すべてが特定数の検体サンプルの処理に使用される5つの異なる容器70〜78を含むキット(図6参照)80で提供される。キット80は、4つのグループの容器70〜78を有する。
【0034】
キット80は、単一の箱82が2つの箱84、86を中に備え、各内箱84、86が、容器70〜78の2つの異なるグループを分ける仕切り板88をその中に含む、図6に示されているものも含めた任意の適当なかたちでまとめられることができる。キットは、任意に、核酸の調製のためのキットの使用および/または疾患もしくは病状の診断におけるそうした調製済核酸の使用に関する指示を含むこともできる。
【0035】
図示の実施形態において、一例として、最大96個の検体が一度に処理されるこができると認識されたい。したがって、試験管36は、支持ブラケット44によって8本ずつ6列に配置され、一方2つの異なる支持ブラケット44が、一度に異なるステーションの間に使用されかつシフトされることができる。最大4個のラック34それぞれが一列にある検体の24本の管36を支持し、同様に、最大4個のラック66それぞれが、処理済の検体サンプルの24本の管68を支持することができる。キット80の4つのグループの容器70〜78それぞれは、24個の検体サンプルの処理に必要な計量された試薬を含む。そうした数の検体および分量が好都合である(たとえば、8本のピペット62を担持するヘッド30は、好都合には、そうし管のアレイ間で多量のサンプルおよび試薬を移動することができる)が、本発明は、そうした数のアレイが使用される装置20に明確に限定しないと理解されたい。
【0036】
図2〜図5を再び参照すると、各トレイ50a〜50dが、上部が開いたレセプタクル52a〜52jを含むことを見ることができる。レセプタクル52a〜52jは、処理に使用すべき特定の試薬を表すアイコン90、92、94、96、98で印付けされている。たとえば、アイコン94、96は、洗浄流体を表す。しかし、アイコン90〜98に含まれる特定の画像描写は、数字、文字、他の記号、色、またはそれらの組み合わせを含むどんなものでもよい。重要な態様は、特定のレセプタクル52に使用されるアイコンが、特定のレセプタクルの中に注がれるべき試薬を含む容器70〜78のアイコンと一致することである。
【0037】
さらに、レセプタクル52a〜52jには、処理される検体サンプルの数に応じて、キット80からいくつの試薬容器70〜78がレセプタクル内に注がれるべきかを示す指標が印付けられることができる。たとえば、1〜24個のサンプルを処理する場合、1つのグループの容器70〜78が使用されるべきであり、25〜48個のサンプルの場合、2つのグループが使用されるべきであり、49〜72個のサンプルの場合、3つのグループが使用されるべきであり、73〜96個のサンプルの場合、4つすべてのグループが使用されるべきであることが操作者に理解されよう。
【0038】
所与の試薬用レセプタクル80〜88が、全量検査(たとえば96個のサンプル)するとしても必要とされる試薬すべてを保持するのに適当な寸法である場合、適切な数のそうした容器70〜78が、検査されるサンプル数に応じてレセプタクル52a〜52jへと注がれなければならない。
【0039】
容器70(図2)および78(図5)の試薬のように、より小さな相対量で使用される試薬の場合、各試薬すべてが、1つのレセプタクルに注がれることができる。したがって、96個のサンプル全量を処理するとき、それらの試薬の4つの容器70、78それぞれが、対応するアイコン90、98が印付けられたレセプタクル52a、52hへと注がれる。他の例として、25〜48個のサンプルのみの処理の場合、そうした各試薬の2つの容器70、78のみが、各レセプタクル52a、52hへと加えられる。
【0040】
個々のレセプタクル52によって保持され得るよりも多い量の特定の試薬が使用される場合、処理されるサンプルの数に基づいて、どれを入れるかを示す印が付けられている複数のレセプタクル52b〜52g、52i〜52jが、その試薬のために使用される。したがって、たとえば、比較的大量の容器72の試薬が使用されることを見ることができる図2、図3を参照すると、1〜24個のサンプルの処理用に1つの容器72が、レセプタクル52b(A1−24”で印が付けられている)に注がれ、25〜48個のサンプルの処理用に第2の容器72が、レセプタクル52c(A25〜48”で印が付けられている、図示せず)にさらに注がれ、49〜72個のサンプルの処理用に第3の容器72が、レセプタクル52d(A49〜72”で印が付けられている)にさらに注がれ、73〜96個のサンプルの処理用に第4の容器72が、レセプタクル52e(A73〜96”で印が付けられている、図示せず)にさらに注がれる。したがって、(本例において)73個より少ないサンプルが処理されるとき、そうした印は、適切な試薬が使用されることを確実にする助けとなる(たとえば、ヘッド30は、72個のサンプル用のレセプタクル52b〜52dのみへと動くように制御され、またその試薬が入った3つの容器の1つが、レセプタクル52eへと注がれ、レセプタクル52b〜52dの1つが空のままの場合、エラーが発生する)。
【0041】
同様に、中間の量で使用される(容器74、76などの)試薬の場合、2つのレセプタクル(それぞれ52f、52g、52i、52j)が使用されることができ、特定の試薬の2つの第1の容器(74または76)が、A1〜48”(それぞれ52fまたは52i)の印が付いた第1のレセプタクルへと注がれ、48個より多いサンプルが処理される場合、追加の試薬の容器が、A49〜96”の印の付いた第2のレセプタクル(それぞれ52gまたは52j)へと注がれる。しかし、複数のレセプタクルへの特定試薬の注入量の代替方法は、本発明の範囲内である。
【0042】
したがって、キット80、ならびにレセプタクル52a〜52jおよびアイコン90〜98を有するトレイ50a〜50dの使用によって、装置20の個々の操作者が、そうする際の最低限の操作者エラーリスクで、機械によって使用される試薬の正確な量および混合を簡単にかつ確実に提供することができると理解することができる。さらに、この操作は、装置自体が、そうするようにプログラムされる際に一時的に休止される、またはそうする際に大容量を保持することを要求される必要なしに行われることもできる。さらに、特定の容器70〜78のそうした調製済試薬の使用により、事前選択された量の内部対照粒子(internal control particles)が試薬に精確にかつ確実に加えられることを容易に可能とし、それによって有利には、処理によって対象の分析物(たとえばDNA)がどれほど効果的に単離されるかというその先の推定が可能にされる。そうした内部対照粒子は、特定の容器70〜78の知られている標準量の試薬に使用するための知られている特定量に簡単に計量されることができ、それによって所望サンプル処理のために適切な流体混合が行われることができる。
【0043】
図2〜図5にも示されているように、適量の適当な試薬が処理に使用されていることを確実にするアイコン90〜98の使用に加えて、操作者が、各トレイ50a〜50dをデッキ22上の適当な位置に簡単に確実に配置することを確実にするように、第2組のアイコン100、102、104、106も、デッキ22上の対応アイコン100〜106とあわせてトレイ50a〜50dの端部に使用されている。これらのアイコン100〜106もまた、数字、文字、他の記号、色、またはそれらの組み合わせを含むどんなものでもよい。したがって、これらのアイコン100〜106の使用により、トレイ50a〜50dおよびレセプタクル52a〜52jが、デッキ22上に正確に位置決めされることがさらに確実にされ、それによって、ヘッド30が、その試薬のレセプタクルが配置されると考えられる特定の位置まで、そのプログラムされた操作に従って進むとき、適当な試薬が選ばれるようになる。
【0044】
次に図7を参照して、96個のサンプルが処理される操作を全体的に説明する。ヘッド30は、この図には示されてないが、ヘッド30が、図示の構成要素上を移動し、ピペット62を管36、42、68およびレセプタクル52a〜52j内へと降ろして、流体(すなわち検体サンプルおよび試薬)を抜き取り、次いで、デッキ22上を、抜き取った流体が放出される、異なる管42、68上の異なる位置まで移動すると理解されたい。
【0045】
たとえば、ヘッド30は、まず、ピペット供給ステーション60上に移動して、適切な寸法の1組の8本のピペット62を持ち上げ、次いで、検体の管の第1の列120まで移動して、(たとえば、列120の(図7の上部にある)最後の8本の管から)8個の検体サンプルを抜き取り、次いで、ステーション40aの列140aに配置されている8本の試験管42まで移動し、そこでそれらの検体サンプルを放出する。一般に、第1の8個の検体サンプルのいくつか(たとえば6個)は、知られている物質を含んでおり、それによって処理が完了したときその分析結果を、精度に関して確認することができる。
【0046】
次いで、ヘッド30は、排出シュート146上に移動し、排出シュート146で、汚染されたピペット62を落とし(シュート146は、デッキ22真下のごみ受けに開口している)、次いで、ステーション40aの列140bに配置されている8本の試験管42に移送させるために、(たとえば列120の他の8本の管から)8個の検体サンプルを抜き取ることに使用される新しいピペット62のために、ピペット供給ステーション60まで進む。この工程は、96本の試験管42すべて(6列120、122、124、126、128、130)が検体サンプルを提供されるまで、1組の8個の検体ごとに繰り返される。
【0047】
この時点で、ヘッド30は、第1のステップの処理のために、必要に応じて適当なレセプタクル52a〜52jから適当な試薬を抜き取り、次いで、その試薬を様々な試験管42それぞれに放出するように使用される。8本のピペット62を有するヘッド30の場合、そうした工程は、第1の試薬の抜き取りにおいて最大12ステップまで含むことができる。
【0048】
その後、処理ステーション40で適当な処理が行われる。これは、たとえば、処理の異なるステップのために、異なる追加の試薬が、そうした異なるステップで様々なレセプタクル52a〜52jから加えられながら、移送アーム46を使用して、異なるステーション40a〜40dの間で支持ブラケット44が移動されることを含むことができる。この処理が完了すると、対象のアイテム(たとえば単離されたDNA)は、ヘッド30およびピペット62の使用により、はじめに検体が保持されていた列120〜130の管36に対応する、列(150、152、154、156、158、160)におけるトレイ66の管68へと移される。
【0049】
レセプタクル52a〜52j用のトレイ50a〜50dの場合ように、検体用のラック34、66は、有利には、ラック34、66がデッキ22上に正確に配置されることを確実にするように、デッキ22上アイコンと一致するアイコンをその上に備えることもできる。これによって、操作者が、ラック66内の管68内の処理済検体サンプルを、ラック34内の管36内の検体と確実に対応させることが可能になり、本質的に、操作者が、どの処理済サンプルがどの検体に関係するかを確実に見分けることが可能になる。
【0050】
上記の操作において、ヘッド30の動きは、有利には、検体サンプルの汚染の可能性を最小限に抑えるように、ピペット62を様々な管36、42の上をおよび様々な管36、42の間で動かすように制御され得ることにも留意されたい。すなわち、選択された間隔が管の列の間隔と一致するように、ヘッド30上にピペット62を支持することによって、ヘッド30の動きは、ピペット62が管36、42の列上を通過するとき、ピペット62が管の列の間隔と同じになるように、管36、42の間になるように制御されることができる。さらに、ピペッタが、前記で示したような調整可能な間隔の場合、そうした利点が得られると同時に、様々な構成要素の体裁をコンパクトにすることが可能になる。たとえば、図7で見ることができるように、レセプタクル52a〜52jおよびピペット供給ステーション60は、試験管42が可能な長さよりも十分により短い列の長さで配置されることができ、したがって、各構成要素が、他の構成要素の比較的大きな空間要件にもかかわらず、デッキ22上の最小限の空間を占めるように設けられることが可能になる。たとえば、試験管42には、ピペットのスタックよりも多くの空間が必要とされ得る。というのも、試験管42が比較的大きいだけでなく、デッキ22上の処理には、他の構成要素には必要とされない、ある程度の間隔を管42の間に置く必要があるからである(たとえば、管アレイのすべての管を確実に均一に加熱するには、適当な熱源(およびそれらの熱源用の空間)が、管アレイ全体にわたって設けられる必要があり、またマグネットなどのサンプル処理構成要素は、同様に、管アレイ中に分散される必要があり得る)。したがって、ピペッタ32の間隔は、有利には、どんな均一な間隔の構成要素であっても、支持されたピペットが、構成要素上をおよび構成要素間を通過することができるように、通過する構成要素に応じて様々な一定量に調整されることができ、それによって、汚染のリスクが最低限に抑えられる。
【0051】
図8には、一代替実施形態が示され、その実施形態は、汚染を防止するように、ピペット62が、管36、42の間をそれらの上を通過するように移動される、上記で述べた操作とは別個または上記で述べた操作とあわせて使用されることができる。具体的には、重なり合う覆い170が、処理ステーション40の管上に設けられることができる。覆い170のパネル172、174、176は、重なり合う位置まで矢印の方向に移動されて、ピペット62が流体(サンプルまたは試薬)をその中に放出する管42の特定の列を覆わない一方、残りの管42を覆い、それによって起こり得る汚染から保護されたままにする。
【0052】
図9には、さらに他の代替実施形態が示され、その実施形態は、デッキ22上のトレイ50a〜50dの適切な配置を確実にするようにアイコン100〜106を使用する上記で述べた構成とは別個に、または上記で述べた構成とあわせて使用されることができる。この代替実施形態において、デッキ22は、トレイ50a〜50dが位置決めされる各位置において、デッキ22から突き出ている独特な形のピン180a〜180dを備える。トレイ50a〜50dは、その底部に対応する形のスロット182a〜182dも備え、それによって各トレイ50a〜50dは、デッキ22上の1つの位置のみに固定されることができる。
【0053】
さらに、図9にも示されているように、各トレイ50a〜50dは、トレイ50a〜50dごとに特有な適当な機械可読表示(バーコードなど)186a〜186dも備えることができ、正確な位置決めを確かめるように、表示186a〜186dを走査する適当な読取装置188が、装置20とともに提供される。読取装置188の検証は、操作者にトレイ50a〜50dの装填におけるエラーを通知することに使用されるか、またはヘッド30の制御装置を調整して、ヘッド30が、処理の間の適切な時に適切なレセプタクル52a〜52jまで行くことを確実にすることに使用されることができる。図9についての上記の説明は、試薬レセプタクル52a〜52jを有するトレイ50a〜50dに関してなされてきたが、同じ構造が、検体および処理済サンプルラック34、66の適切な位置決めを確実にするために使用されることもできると理解されたい。
【0054】
図10a、図10bには、図9に示されているようなバーコード読取装置188を使用する、上記で述べたような装置20の操作プロセスが示されている。開始200の前に、操作者は、処理する検体サンプルの数に従って、キット80の容器70〜78から様々な試薬を、様々なレセプタクル52a〜52jに注いでおき、また試薬トレイ50a〜50j、ならびに検体および処理済サンプルラック34、66は、ピペットの適当な供給装置とともにデッキ22上に位置決めされてある。
【0055】
操作者が、開始可能な装置20に適当に指示を与え、読取装置188が、202で、トレイ50a〜50d(およびラック34、66)上の表示186a〜186d(たとえばバーコード)を読み取る。読取装置188は、204で、トレイ50a〜50d(およびラック34、66)が、適切に位置決めされていないことを検出すると、206で、エラーメッセージを操作者に送り、208で、操作者が、トレイおよびラックを適切な位置に再位置決めするまで操作を止め、再び開始する。読取装置188が、204で、すべてが適切に位置決めされていることを検出すると、操作は継続し、210で、ヘッド30が移動して8本のピペット62を持ち上げ、次いで212で、ピペットが動かされて適当なレセプタクル52a〜52jから試薬を抜き取る。次いで、抜き取られた試薬が、214で、試験管42に送達される。
【0056】
ピペット62は、216で、その先端部での汚染が懸念される場合、1回だけ使用した後に廃棄されてよい。その場合、218に示されているように、第1の試薬が、処理すべき検体サンプルを受ける試験管42すべてに装填されるまで、ステップ210〜ステップ216が必要に応じて繰り返される。あるいは、試薬が、8本の試験管42より多く(たとえば48本の試験管42)に加えられる場合、そのステップの間、他の物質の汚染が懸念されない場合、ステップ210は飛ばされてよく、第1の試薬が、処理すべき管42すべてに加えられるとき起こり得るような、新しいものが決定されピペットが廃棄されることができる/されなければならなくなるまで、ステップ212〜ステップ216が(たとえば48本の試験管42で6回)繰り返される。
【0057】
第1の試薬が、試験管42すべてに装填された後、ステップ210〜ステップ216は、望み通りに、試験管42に追加の試薬を加えるように(218にも示されているように)さらに繰り返されてよい。たとえば、管42に、まず超微粒子(uParticles)が加えられ、次いで溶解バッファが加えられてよい。もちろん、使用される試薬は、所望される処理によって変えることができ、本発明は任意の特定の試薬の使用に限られない。
【0058】
219で決定されるようにサンプルが加えられる場合、次いで、第1ステップのサンプル処理のために、サンプルが、8本のサンプル入りの管36から8本の試験管42に移され、そのようなステップが、検査すべき検体サンプルすべてが試験管42に配置されるまで228で繰り返されるという同様のプロセスが、220〜228で繰り返される。一般に、検体サンプルを送達することに使用されたピペットは、汚染を防止するために、使用後その都度226で廃棄される必要があるが、本発明の範囲内で、(たとえば、追加の量の同じ検体サンプルが、管42に1ステップより多く送達される場合に起こり得るように)汚染が新しいピペットの使用を必要としない場合、ピペットは再利用されよう。
【0059】
230で決定されるように、検体サンプルが試験管42に送達された後に追加の試薬が必要な場合、操作は、必要に応じて戻ってステップ210〜ステップ218の繰り返しのために、210でピペットを持ち上げる。十分な試薬が加えられた後、次に、(サンプルは、ステップ220〜ステップ228ですでに加えられおり、したがって加えられる必要がないので)操作は、219でステップ234まで飛び、処理が行われるべきかが決定される。
【0060】
次いで、234で、サンプル処理を行う用意ができると、サンプル処理は236に進む。洗浄、培養、および溶解を含め、どんな種類の処理ステップもこの段階で行われることができる。とはいえこの場合も、本発明は、有利には、サンプルに行われる特定の処理に関係なく使用され得ると理解されたい。
【0061】
238で、さらなる検体処理に追加の試薬の使用が必要な場合、ステップ210〜ステップ236は、それらの試薬を加えサンプルを処理するように繰り返される。
【0062】
234で決定されるように、サンプル処理が完了した後、240で、ピペット62が、処理済サンプルをラック68の管68に送達することに使用され、その時点(242)で、この処理段階は終了する。
【0063】
上記で述べた操作のようにサンプルより前に試薬を試験管42に加えることによって、サンプル間における汚染のリスクが最小限に抑えられることができる。しかし、上記の操作は、本明細書で開示される本発明が使用され得る単なる1つの例であり、その操作の変形形態が、本発明の範囲内で十分に使用され得るであろうことを理解されたい。したがって、本発明は、有利には、たとえば異なる順序(たとえば、試薬が加えられる前にサンプルが試験管42に加えられることができる)の試薬およびサンプルの添加で使用されることができると理解されたい。
【0064】
上記より、本発明は、サンプルおよび試薬が、最低限の操作者エラーのリスクで、試験装置20の操作者によって適切に処理され、サンプル汚染の深刻なリスクなしに処理されることができることを確実にするように使用され得ることが、これで明らかなはずである。
【0065】
本発明のさらに他の態様、目的、および利点は、明細書、図面、および添付の特許請求の範囲の調査から得られる。しかし、本発明は、本発明の目的および利点ならびに上記で述べた好ましい実施形態すべてが得られるとは言えない代替形態で使用されることができると理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体の検査に関し、詳細には、検査のために検体を処理する間、試薬などの液体を適切に加える装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生物学的検体のサンプルの検査は、たとえば、対象のアイテムの存在を調べるために一般に行われる。そのアイテムは、DNA、RNAまたはそれらの断片の特定領域のすべてまたは一部分、補体、ペプチド、ポリペプチド、酵素、プリオン、蛋白質、メッセンジャRNA、転移RNA、ミトコンドリアRNAまたはDNA、抗体、抗原、アレルゲン、または細胞もしくはバイロン(virons)などの生物学的存在物の部分、表面蛋白質、または上記のものと機能的に等価なものである、またはそれらを含むことができる。患者の健康についての情報を提供するために、患者の体液(たとえば、血清、全血、尿、スワブ(swabs)、血漿、大脳骨髄液、リンパ液、組織体(tissue solids))などの検体が、多くの異なる検査を用いて分析されることができる。
【0003】
そうした検査において、汚染が外部環境からまたは検体間で、検体に入り込まないようにした方法で、検体が処理されることが絶対必要である。たとえば、意図せずに、1つの検体からのHIVウイルスが、違う患者の検体を汚染させた場合、結果的に、後にそれに続く検査で誤りがわかったとしても、場合によっては間違った陽性結果によって患者が深刻な心理的影響を受ける。さらに、そうした検査は非常に敏感であり、最小量の汚染でさえ誤った検査結果の原因となり得る。簡単に言えば、検体が適切に処理されることが絶対必要である。
【0004】
そうした複雑な検査において、汚染を避けるためだけでなく、確実に適量の適切な試薬が適当な回数使用されるようにするためにも、検査で使用され得る様々な試薬も、また適切に処理されることも絶対必要である。
【0005】
一般に、そうした検査は、複数の検体および流体(一般に試薬)を処理する自動装置を使用して行われる。そうした自動装置には、一般に、様々な流体を、それらの原容器(一般に上部が開いた管などのレセプタクル)と検体がその中で処理される容器との間で移動させるように、複数組のピペットが使用される。たとえば、1組の8個の検体は、装置のラック内に装着されている8本の管または他のレセプタクル内に入れられ、8本のピペットを担持するヘッドが、プログラムされた動きによってそのピペットをそれら8本の管内へと移動させ、そこで減圧が加えられてその管からピペット内に選択された量の各検体を抜き取る。次いで、ヘッドは、管からピペットを後退させ、処理ステーションに配置されている他の組の管の上まで移動し、抜き取った量の各検体を、ピペットから複数組の試験管に入れる。
【0006】
そうした自動装置の処理ステーションにおいて、検体は、(培養、調製、溶解、溶離、分析、解読など)検査の目的に従って様々に処理される。たとえば検体からDNAまたはRNAを分離することによって、たとえば、分析のために検体が調製されることができる。検体は分析もされてよく、または調製の代わりに分析されてよい。一般に、そうしたプロセスは、各管内の検体に様々な流体(一般に試薬)を加えることを含む。たとえば、第1のステップにおいて、試薬が、検体を洗浄するように管それぞれに加えられ、第2および第3(およびそれ以上)の試薬が、たとえば、対象のDNAまたはRNAを結合解除するかつ/または分離するように、他の処理を実施する過程で検体に加えられ、それは後で行う検査のために各管内の検体から抜き取られることが可能にされる。同様のまたは異なる試薬が管に加えられる同様のプロセスが、調製済検体の分析の一部として、検体が調製された後に行われることもできる。
【0007】
そうした自動装置での試薬および他の流体の処理には問題があることがある。試薬は、すでに述べたように、ヘッドおよびピペットの使用によって、レセプタクルから処理ステーションにある検体入りの管に自動的に移動されることができるが、第一に、処理においてヘッドおよびピペットが、適切なときに適切な試薬を適切な検体入りの管に加えることを確実にするために、適切な試薬を装置の適切なレセプタクルに装填する必要がある。さらに、起こり得る汚染を取り除く、または異なるプロセスに関連して異なる液体の使用を可能にするように、レセプタクルは、簡単に清浄化される必要があると理解されたい。そうした要件の結果として、レセプタクルは、一般に、そうした処置のために装置から簡単に取り外すことができる。
【0008】
従来、適切なレセプタクルへの適切な試薬の装填は、いくつか異なる方法で実施されてきた。1つのそうした手順において、装置を制御する操作者が、手動で試薬を計量しそれをレセプタクルに加え、次いでそれらのレセプタクルを装置に配置する。他のそうした手順において、試薬の装填は、試薬を装置とともに提供される大容量試薬供給装置から移す(上記で述べたヘッドおよびピペットなど)いくつかの移送装置を使用する装置自体によって自動的に実施される。
【0009】
しかし、すでに述べたように、上記の手順のどちらにも問題が起こり得る。たとえば、手動で試薬を加えることは、試薬を誤って調製する、または誤ったレセプタクルに試薬を加える、場合によっては装置にレセプタクルを誤って取り付けるという、人的過誤を招き得る。後者の場合、たとえ正しい試薬が正しい量装填されても、試薬は装置上の誤った場所にあり、その結果、処理のある段階で、ヘッドおよびピペットが使用する試薬を自動的に抜き取るとき、誤った試薬であることがあり得る、またはヘッドおよびピペットがそれを抜き取るように進むころにまったく試薬がないこともあり得る。さらに、そうした過誤は、(装置自体が大容量供給装置から試薬を装填するという)第2の手順を使用することで低減されることができるが、大容量供給装置自体が、装置において望ましい空間よりも多くを占めることがあり得る。さらに、このプロセスが装置によって実施され得ることにより、これらの段階を実行する間、装置が当然停滞させられる。装置の停滞により、所与の日数の間に行われる検査量が低減され、それによって試験完了が遅らされる、または所望の検査能力レベルを可能にするために追加の装置に追加の莫大な設備投資が必要とされ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記で述べた問題の1つまたは複数の問題を克服することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の1つの態様において、(1)1組のアイコンの別個のアイコンによってそれぞれが視覚的に印付けられている選択された試薬入りの複数の容器を有する、キットを提供するステップと、(2)その1組のアイコンから選択されたアイコンによってそれぞれが視覚的に印付けられている少なくとも1つの試薬レセプタクルをそれぞれ有する、複数のトレイを提供するステップと、(3)試薬を、容器の少なくともいくつかのそれぞれから、その容器を視覚的に印付けるその1組のアイコンと同じ別個のアイコンで視覚的に印付けられている試薬レセプタクル内に移すステップと、(4)トレイを検体処理装置の選択された位置に取り付けるステップとを含む、試薬を検体処理装置に装填する方法が提供される。
【0012】
本発明のこの態様の他の形態において、キットは、複数のサブセットの容器を備え、各サブセットの容器は、選択された数Xの検体に使用するのに十分な量の選択された試薬それぞれを含み、試薬を移すステップが、Y個のサブセットの容器に移すステップを含む。ここで、Y=[処理すべき検体の数/X]であり、Yは、端数が切り上げられたY=の整数である。
【0013】
本発明のこの態様の他の形態において、検体処理装置およびトレイの選択された位置にはアイコンが印付けられており、その場合、トレイを取り付けるステップが、トレイを選択された位置に取り付けることを含む。その場合、トレイそれぞれは、トレイが取り付けられる選択された位置に印付けられたアイコンと対応するアイコンで印付けられている。
【0014】
本発明の他の態様において、複数の位置がその上に画定されているデッキと、それぞれが、デッキ上のその位置の特定位置のみに取り外し可能に固定可能である複数のトレイと、複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが選択された試薬を含むように構成されている少なくとも1つの試薬レセプタクルとを含む、検体処理装置が提供される。
【0015】
この態様の1つの形態において、かみ合う複数の対の取り付け部材が、トレイおよびデッキ上にそれぞれ設けられている。各トレイ上の取り付け部材は、デッキの取り付け部材の1つのみとかみ合い、デッキの取り付け部材は、かみ合う取り付け部材を有するトレイが取り外し可能に固定可能である、デッキ上の位置の特定の位置にある。
【0016】
本発明の他の態様において、複数の位置がその上に画定されているデッキと、それぞれが、デッキ上の位置の特定位置に取り外し可能に固定可能であり、かつ光学的可読識別子を有する複数のトレイと、複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが選択された試薬を含むように構成されている少なくとも1つの試薬レセプタクルとを含む、検体処理装置が提供される。
【0017】
本発明のこの態様の1つの形態において、各光学的可読識別子は、第1組のアイコンの別個のアイテムであり、その第1組のアイコンの各別個のアイコンが、デッキ上の位置の特定位置を視覚的に印付け、特定位置に、第1組の中のアイコンの別個のアイテムを有するトレイが、取り外し可能に固定可能である。
【0018】
本発明のこの態様の他の形態において、各光学的可読識別子は、別個のバーコードであり、位置の1つの位置に固定されたとき、トレイのバーコードを読むように構成されているバーコード読取装置と、試験体処理装置のための制御装置とをさらに備え、制御装置は、バーコード読取装置が、特定位置に固定可能なトレイに関連していない位置の特定位置でトレイのバーコードを読む場合に、エラーを示す。
【0019】
本発明のさらに他の態様において、検体処理装置は、複数の位置がデッキの上に画定され、かつ位置それぞれが、第1組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けされているデッキと、それぞれが、デッキ上の位置から選択された位置に取り外し可能に固定可能であり、かつ位置の選択された位置を視覚的に印付ける第1組のアイコンの別個のアイコンを含む複数のトレイとを備える。少なくとも1つの試薬レセプタクルは、複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが、第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。選択された試薬入りの複数の容器を含む、キットも提供され、各容器は、容器内の選択された試薬が移される試薬レセプタクルの選択された試薬レセプタクルを視覚的に印付ける第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている。
【0020】
本発明のこの態様の1つの形態において、検体処理装置は、Z個の検体の処理が可能であり、キットは、S個のサブセットの容器を含み、各サブセットの容器は、選択された数Xの検体に使用するのに十分な量の選択された各試薬を含む。ここで、XはZ/Sにほぼ等しい。少なくとも2つの試薬レセプタクルは、Z個の検体に使用するのに十分な量の選択された試薬の少なくとも1つを保持することができない。画像表示は、試薬レセプタクルの少なくとも2つに設けられ、画像表示は、少なくとも1個の検体が処理される場合、どの試薬レセプタクルに、第1のサブセットの容器からの選択された試薬の少なくとも1つの試薬の容器を注ぐかを示し、少なくともX+1個の検体が処理される場合、どの試薬レセプタクルに、第2のサブセットの容器からの選択された試薬の少なくとも1つの試薬の容器を注ぐかを示し、かつ少なくとも[(S−1)×X]+1個の検体が処理される場合、どの試薬レセプタクルに、Sのサブセットの容器からの選択された試薬の少なくとも1つの試薬の容器を注ぐかを示す。
【0021】
本発明のさらに他の態様において、検体処理装置が提供され、この検体処理装置は、複数の位置が上に画定され、かつ試薬が中に入った上部が開いた複数のレセプタクルを有するデッキと、デッキの上でX本のピペットに入った選択された液体を運搬するように構成され、ここでXが3以上であり、ピペットが均一な間隔の列に互いに配置されているヘッドと、X本のグループのそれぞれ上部が開いた管を、各グループの管を均一な間隔の状態で支持するデッキ上のラックと、ピペット内の試薬から選択された試薬を、試薬のその選択された試薬を含むレセプタクルから、選択されたグループの管に移すようにヘッドを制御する制御装置とを備え、ヘッドが、選択されたグループの管以外のグループの管の上を、ピペットが、他のグループの管の上であり、かつ他のグループの管の間にある状態で通過する。
【0022】
本発明のまださらなる他の態様において、機器および試薬キットを含む検体処理システムが提供される。機器は、X本のピペット内の選択された液体を運搬するように構成されているヘッドと、ヘッドの侵入を可能にするように構成され、かつ手動の試薬注入によって充填可能である試薬レセプタクルと、検体を受ける反応管のアレイのためのホルダとを含む。試薬キットは、事前に測定された量の液体内に事前に測定された量粒子を有する容器を含み、粒子は、対象の生物学的分析物との親和性を有し、容器は、試薬レセプタクルへと注がれるように構成されている。
【0023】
本発明の他の態様において、上記の検体処理システムは、容器の中身が試薬レセプタクルへと注がれる前に、内部対照分析物が容器の中身に加えられる、対象の生物学的分析物を検出する方法で用いられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を組み込んだ自動試験装置を示す部分斜視図である。
【図2】図1の試験装置に使用される試薬容器およびトレイを示す斜視図である。
【図3】図1の試験装置に使用される試薬容器およびトレイを示す斜視図である。
【図4】図1の試験装置に使用される試薬容器およびトレイを示す斜視図である。
【図5】図1の試験装置に使用される試薬容器およびトレイを示す斜視図である。
【図6】図2〜5のトレイに使用可能な試薬キットを示す斜視図である。
【図7】図1の検査装置のデッキを示す簡易平面図である。
【図8】本発明による図1の試験装置の処理ステーションに使用可能な覆いを示す簡易断面図である。
【図9】本発明を組み込んだ自動試験装置の一代替実施形態のデッキおよびトレイを示す部分図である。
【図10a】本発明を組み込んだ自動試験装置を使用するためのプロセスを示す流れ図である。
【図10b】本発明を組み込んだ自動試験装置を使用するためのプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1には、本明細書に記載されている発明を組み込んだ自動試験装置20が示されている。本発明の説明の簡略化のために、図には、試験装置20の構成要素の多くが示されてない(また示す必要がない)。自動試験装置は、生物学的サンプルからの核酸の単離および検査を含む、生物学的サンプルから核酸を実質的に単離するように構成されることができる。この状況において、図1には、検体サンプルの検査がその上で行われることができる試験装置20のデッキ22が全体的に示されている。本明細書で述べるような試験装置20において、検体は、試薬およびピペットなど所望の検査に必要な他のアイテムとともに、装置20のデッキ22上に装填されることができる。図1には、装置20が配置されている環境からの汚染を防ぐフード26も全体的に示されている。フード26は、当技術分野で知られているような外部汚染がその中に入らないようにするどんな適当なエンクロージャであってもよい。使用される特定のフード26は、一般的に、装置操作者がデッキ22にアクセスできるように開けられることができる限り、それ以外は本発明にとって重要ではない。図示されていないが、自動試験装置は、有利には、以下の特徴の1つまたは複数を含むこともできる。すなわち、(1)それぞれが、最大168ml(48管×3.5ml/管)までの容積を、少なくとも50℃までより好ましくは少なくとも75℃まで制御可能に加熱することができる2つの加熱要素、(2)使用済先端部からの汚染を最低限に抑えるように、サンプルおよび試薬使用済ピペット先端部を保持しかつサンプルおよび試薬使用済ピペット先端部から分離されているレセプタクル、(3)たとえば、制限なしに、(a)サンプル管または試薬管シーラ、(b)核酸を変性(modify)することが可能な電流で、表面および/または液体を処理するための電極、(c)核酸を分解または変性することが可能な紫外光源、(d)自動試験装置内または自動試験装置のまわりに層流の空気流れを発生させる装置、であるエアゾール制御装置、(4)PCRに好適な方法で、サンプルおよび/または試薬の温度の繰り返しを可能にする温度調整器、(5)磁粉が懸濁され得る液体から磁粉を実質的に分離することが可能な、ピペッタまたは他の吸引システムと組み合わせて使用するマグネット、および(6)処理済サンプルの吸光度または蛍光を測定する(たとえば蛍光測定器である)光学検出器である。
【0026】
フード26内部でデッキ22の上には、ヘッド30が配設されている。ヘッド30は、ピペッタ32の直線アレイを含み、ピペッタ32のアレイは、知られているような使い捨てピペットが解放可能に固定されるように適当に構成される。ピペッタ32のアレイは、有利には、明らかになるであろう目的のために、選択された均一な間隔に配置されることができる。さらに、ヘッド30は、ピペッタ32の間の均一な間隔が選択的に調整され得るように、ピペッタ32を適当に支持することができる。ヘッド30およびピペッタ32の運動を制御するために、適当な駆動および制御装置が、装置20に提供される。
【0027】
適当なラック34は、検体が入った管36を保持するように設けられる。ラック34は、以下にさらに詳細に述べるように、デッキ22に取り外し可能に固定される。
【0028】
デッキ22上には処理ステーション40が配置され、処理ステーション40で、検体サンプルが処理される。本説明において、処理とは、検体から対象分析物(たとえばDNAまたはRNA)を単離することである。その処理の後、単離された分析物は、適切なプロトコルに従ってさらに検査されることができる。しかし、本発明は、そうした処理に多少なりとも限定せず、異なる処理またはプロトコルが実行される装置で簡単に使用され得ると理解されたい。
【0029】
開示の実施形態において、処理ステーション40は、4つのステーション40a〜40dを含み、4つのステーション40a〜40dで、ラック34内の管36からの検体サンプルが、検査要件に従って処理されることができる。支持ブラケット44内の試験管または反応容器42は、ステーション40a〜40dの間を、たとえば望むようにフード26内において支持ブラケットを持ち上げ移動させるように、適当に制御されかつ駆動される移送アーム46によって、適当に移動されることができる。たとえば、ブラケット44は、図1ではステーション40bに示されているが、処理開始の間、支持されている試験管42に検体サンプルが最初に装填されるステーション40aにあってよい。以下により詳細に述べるように、ステーション40aでは検体サンプルの洗浄などのいくつか処理が行われることができ、その後、移送アーム46が支持ブラケット44を第2のステーション40bまで移動させ、そこで異なる処理(たとえば溶解)が行われることができる。行われる処理のプロトコルに従って、異なるステーション40a〜40dにおいて、異なる条件(たとえば、加熱、冷却、磁場)がもたらされることができる。やはりまた以下により詳細に述べるように、各ステーションにおいて、異なる試薬が試験管42内に導入されることができる。
【0030】
本発明の範囲内で、種々の試薬が(試薬が、主に、検体サンプルの所望の処理に応じて)使用されることができるが、処理が、対象の特定の生物学的アイテムが分析される検体調製である場合、試薬は、有利には、対象のそうした生物学的アイテムとの親和性を有する粒子を含むことができる。本発明の状況において有用である、対象の生物学的分析物との親和性を有する粒子は、制限なく、ガラス、シリカ、または金属酸化物表面を有する粒子を含む。同様に、自動試験装置は、強塩基(たとえば水酸化カリウム)の腐食作用、および核酸の単離に一般に使用される高濃度のカオトロープ(たとえば、4.5M(またはそれより高濃度)のイソチオシアン酸グアニジニウムまたは5M(またはそれより高濃度)の尿素)を含む試薬に耐えるような構造にされることができる。
【0031】
デッキ22には、種々の試薬のためのレセプタクル52を有する複数のトレイ50a〜50dも、以下により詳細に述べるように取り外し可能に固定されて設けられている。さらに、デッキ22には、装置20によって使用されるために、異なる寸法の供給装置および使い捨てピペット62が装填されている、ピペット供給ステーション60も固定されている。
【0032】
デッキ22には、処理済の検体サンプルのための管68を支持するラック66も取り外し可能に固定される。図示の実施形態において、たとえば処理ステーション40で単離されたDNAは、ヘッド30、ピペッタ32、および適当なピペット62によって試験管42から取り出され、ラック66内の管68に移送されることができる。次に、単離されたDNAのさらなる処理は、たとえばDNAの特定領域の分析に適したプロトコルに従って別に行われることができる。そうしたプロトコルに必要ならば、装置20に追加の機器を含むこともできる。この場合も、事実上どんなタイプの処理、具体的には試薬などの種々の流体が使用される処理に、本発明は使用されることができることにも留意されたい。ラック66は、ラック66の洗浄および汚染除去を可能にするように、デッキ22に解放可能に固定されることができる。
【0033】
図2〜図5には、事前に混合されかつ計量された容器またはパッケージ70、72、74、76、78とともに、4つのトレイ50a〜50dが示されている。容器70〜78は、図示の実施形態において、すべてが特定数の検体サンプルの処理に使用される5つの異なる容器70〜78を含むキット(図6参照)80で提供される。キット80は、4つのグループの容器70〜78を有する。
【0034】
キット80は、単一の箱82が2つの箱84、86を中に備え、各内箱84、86が、容器70〜78の2つの異なるグループを分ける仕切り板88をその中に含む、図6に示されているものも含めた任意の適当なかたちでまとめられることができる。キットは、任意に、核酸の調製のためのキットの使用および/または疾患もしくは病状の診断におけるそうした調製済核酸の使用に関する指示を含むこともできる。
【0035】
図示の実施形態において、一例として、最大96個の検体が一度に処理されるこができると認識されたい。したがって、試験管36は、支持ブラケット44によって8本ずつ6列に配置され、一方2つの異なる支持ブラケット44が、一度に異なるステーションの間に使用されかつシフトされることができる。最大4個のラック34それぞれが一列にある検体の24本の管36を支持し、同様に、最大4個のラック66それぞれが、処理済の検体サンプルの24本の管68を支持することができる。キット80の4つのグループの容器70〜78それぞれは、24個の検体サンプルの処理に必要な計量された試薬を含む。そうした数の検体および分量が好都合である(たとえば、8本のピペット62を担持するヘッド30は、好都合には、そうし管のアレイ間で多量のサンプルおよび試薬を移動することができる)が、本発明は、そうした数のアレイが使用される装置20に明確に限定しないと理解されたい。
【0036】
図2〜図5を再び参照すると、各トレイ50a〜50dが、上部が開いたレセプタクル52a〜52jを含むことを見ることができる。レセプタクル52a〜52jは、処理に使用すべき特定の試薬を表すアイコン90、92、94、96、98で印付けされている。たとえば、アイコン94、96は、洗浄流体を表す。しかし、アイコン90〜98に含まれる特定の画像描写は、数字、文字、他の記号、色、またはそれらの組み合わせを含むどんなものでもよい。重要な態様は、特定のレセプタクル52に使用されるアイコンが、特定のレセプタクルの中に注がれるべき試薬を含む容器70〜78のアイコンと一致することである。
【0037】
さらに、レセプタクル52a〜52jには、処理される検体サンプルの数に応じて、キット80からいくつの試薬容器70〜78がレセプタクル内に注がれるべきかを示す指標が印付けられることができる。たとえば、1〜24個のサンプルを処理する場合、1つのグループの容器70〜78が使用されるべきであり、25〜48個のサンプルの場合、2つのグループが使用されるべきであり、49〜72個のサンプルの場合、3つのグループが使用されるべきであり、73〜96個のサンプルの場合、4つすべてのグループが使用されるべきであることが操作者に理解されよう。
【0038】
所与の試薬用レセプタクル80〜88が、全量検査(たとえば96個のサンプル)するとしても必要とされる試薬すべてを保持するのに適当な寸法である場合、適切な数のそうした容器70〜78が、検査されるサンプル数に応じてレセプタクル52a〜52jへと注がれなければならない。
【0039】
容器70(図2)および78(図5)の試薬のように、より小さな相対量で使用される試薬の場合、各試薬すべてが、1つのレセプタクルに注がれることができる。したがって、96個のサンプル全量を処理するとき、それらの試薬の4つの容器70、78それぞれが、対応するアイコン90、98が印付けられたレセプタクル52a、52hへと注がれる。他の例として、25〜48個のサンプルのみの処理の場合、そうした各試薬の2つの容器70、78のみが、各レセプタクル52a、52hへと加えられる。
【0040】
個々のレセプタクル52によって保持され得るよりも多い量の特定の試薬が使用される場合、処理されるサンプルの数に基づいて、どれを入れるかを示す印が付けられている複数のレセプタクル52b〜52g、52i〜52jが、その試薬のために使用される。したがって、たとえば、比較的大量の容器72の試薬が使用されることを見ることができる図2、図3を参照すると、1〜24個のサンプルの処理用に1つの容器72が、レセプタクル52b(A1−24”で印が付けられている)に注がれ、25〜48個のサンプルの処理用に第2の容器72が、レセプタクル52c(A25〜48”で印が付けられている、図示せず)にさらに注がれ、49〜72個のサンプルの処理用に第3の容器72が、レセプタクル52d(A49〜72”で印が付けられている)にさらに注がれ、73〜96個のサンプルの処理用に第4の容器72が、レセプタクル52e(A73〜96”で印が付けられている、図示せず)にさらに注がれる。したがって、(本例において)73個より少ないサンプルが処理されるとき、そうした印は、適切な試薬が使用されることを確実にする助けとなる(たとえば、ヘッド30は、72個のサンプル用のレセプタクル52b〜52dのみへと動くように制御され、またその試薬が入った3つの容器の1つが、レセプタクル52eへと注がれ、レセプタクル52b〜52dの1つが空のままの場合、エラーが発生する)。
【0041】
同様に、中間の量で使用される(容器74、76などの)試薬の場合、2つのレセプタクル(それぞれ52f、52g、52i、52j)が使用されることができ、特定の試薬の2つの第1の容器(74または76)が、A1〜48”(それぞれ52fまたは52i)の印が付いた第1のレセプタクルへと注がれ、48個より多いサンプルが処理される場合、追加の試薬の容器が、A49〜96”の印の付いた第2のレセプタクル(それぞれ52gまたは52j)へと注がれる。しかし、複数のレセプタクルへの特定試薬の注入量の代替方法は、本発明の範囲内である。
【0042】
したがって、キット80、ならびにレセプタクル52a〜52jおよびアイコン90〜98を有するトレイ50a〜50dの使用によって、装置20の個々の操作者が、そうする際の最低限の操作者エラーリスクで、機械によって使用される試薬の正確な量および混合を簡単にかつ確実に提供することができると理解することができる。さらに、この操作は、装置自体が、そうするようにプログラムされる際に一時的に休止される、またはそうする際に大容量を保持することを要求される必要なしに行われることもできる。さらに、特定の容器70〜78のそうした調製済試薬の使用により、事前選択された量の内部対照粒子(internal control particles)が試薬に精確にかつ確実に加えられることを容易に可能とし、それによって有利には、処理によって対象の分析物(たとえばDNA)がどれほど効果的に単離されるかというその先の推定が可能にされる。そうした内部対照粒子は、特定の容器70〜78の知られている標準量の試薬に使用するための知られている特定量に簡単に計量されることができ、それによって所望サンプル処理のために適切な流体混合が行われることができる。
【0043】
図2〜図5にも示されているように、適量の適当な試薬が処理に使用されていることを確実にするアイコン90〜98の使用に加えて、操作者が、各トレイ50a〜50dをデッキ22上の適当な位置に簡単に確実に配置することを確実にするように、第2組のアイコン100、102、104、106も、デッキ22上の対応アイコン100〜106とあわせてトレイ50a〜50dの端部に使用されている。これらのアイコン100〜106もまた、数字、文字、他の記号、色、またはそれらの組み合わせを含むどんなものでもよい。したがって、これらのアイコン100〜106の使用により、トレイ50a〜50dおよびレセプタクル52a〜52jが、デッキ22上に正確に位置決めされることがさらに確実にされ、それによって、ヘッド30が、その試薬のレセプタクルが配置されると考えられる特定の位置まで、そのプログラムされた操作に従って進むとき、適当な試薬が選ばれるようになる。
【0044】
次に図7を参照して、96個のサンプルが処理される操作を全体的に説明する。ヘッド30は、この図には示されてないが、ヘッド30が、図示の構成要素上を移動し、ピペット62を管36、42、68およびレセプタクル52a〜52j内へと降ろして、流体(すなわち検体サンプルおよび試薬)を抜き取り、次いで、デッキ22上を、抜き取った流体が放出される、異なる管42、68上の異なる位置まで移動すると理解されたい。
【0045】
たとえば、ヘッド30は、まず、ピペット供給ステーション60上に移動して、適切な寸法の1組の8本のピペット62を持ち上げ、次いで、検体の管の第1の列120まで移動して、(たとえば、列120の(図7の上部にある)最後の8本の管から)8個の検体サンプルを抜き取り、次いで、ステーション40aの列140aに配置されている8本の試験管42まで移動し、そこでそれらの検体サンプルを放出する。一般に、第1の8個の検体サンプルのいくつか(たとえば6個)は、知られている物質を含んでおり、それによって処理が完了したときその分析結果を、精度に関して確認することができる。
【0046】
次いで、ヘッド30は、排出シュート146上に移動し、排出シュート146で、汚染されたピペット62を落とし(シュート146は、デッキ22真下のごみ受けに開口している)、次いで、ステーション40aの列140bに配置されている8本の試験管42に移送させるために、(たとえば列120の他の8本の管から)8個の検体サンプルを抜き取ることに使用される新しいピペット62のために、ピペット供給ステーション60まで進む。この工程は、96本の試験管42すべて(6列120、122、124、126、128、130)が検体サンプルを提供されるまで、1組の8個の検体ごとに繰り返される。
【0047】
この時点で、ヘッド30は、第1のステップの処理のために、必要に応じて適当なレセプタクル52a〜52jから適当な試薬を抜き取り、次いで、その試薬を様々な試験管42それぞれに放出するように使用される。8本のピペット62を有するヘッド30の場合、そうした工程は、第1の試薬の抜き取りにおいて最大12ステップまで含むことができる。
【0048】
その後、処理ステーション40で適当な処理が行われる。これは、たとえば、処理の異なるステップのために、異なる追加の試薬が、そうした異なるステップで様々なレセプタクル52a〜52jから加えられながら、移送アーム46を使用して、異なるステーション40a〜40dの間で支持ブラケット44が移動されることを含むことができる。この処理が完了すると、対象のアイテム(たとえば単離されたDNA)は、ヘッド30およびピペット62の使用により、はじめに検体が保持されていた列120〜130の管36に対応する、列(150、152、154、156、158、160)におけるトレイ66の管68へと移される。
【0049】
レセプタクル52a〜52j用のトレイ50a〜50dの場合ように、検体用のラック34、66は、有利には、ラック34、66がデッキ22上に正確に配置されることを確実にするように、デッキ22上アイコンと一致するアイコンをその上に備えることもできる。これによって、操作者が、ラック66内の管68内の処理済検体サンプルを、ラック34内の管36内の検体と確実に対応させることが可能になり、本質的に、操作者が、どの処理済サンプルがどの検体に関係するかを確実に見分けることが可能になる。
【0050】
上記の操作において、ヘッド30の動きは、有利には、検体サンプルの汚染の可能性を最小限に抑えるように、ピペット62を様々な管36、42の上をおよび様々な管36、42の間で動かすように制御され得ることにも留意されたい。すなわち、選択された間隔が管の列の間隔と一致するように、ヘッド30上にピペット62を支持することによって、ヘッド30の動きは、ピペット62が管36、42の列上を通過するとき、ピペット62が管の列の間隔と同じになるように、管36、42の間になるように制御されることができる。さらに、ピペッタが、前記で示したような調整可能な間隔の場合、そうした利点が得られると同時に、様々な構成要素の体裁をコンパクトにすることが可能になる。たとえば、図7で見ることができるように、レセプタクル52a〜52jおよびピペット供給ステーション60は、試験管42が可能な長さよりも十分により短い列の長さで配置されることができ、したがって、各構成要素が、他の構成要素の比較的大きな空間要件にもかかわらず、デッキ22上の最小限の空間を占めるように設けられることが可能になる。たとえば、試験管42には、ピペットのスタックよりも多くの空間が必要とされ得る。というのも、試験管42が比較的大きいだけでなく、デッキ22上の処理には、他の構成要素には必要とされない、ある程度の間隔を管42の間に置く必要があるからである(たとえば、管アレイのすべての管を確実に均一に加熱するには、適当な熱源(およびそれらの熱源用の空間)が、管アレイ全体にわたって設けられる必要があり、またマグネットなどのサンプル処理構成要素は、同様に、管アレイ中に分散される必要があり得る)。したがって、ピペッタ32の間隔は、有利には、どんな均一な間隔の構成要素であっても、支持されたピペットが、構成要素上をおよび構成要素間を通過することができるように、通過する構成要素に応じて様々な一定量に調整されることができ、それによって、汚染のリスクが最低限に抑えられる。
【0051】
図8には、一代替実施形態が示され、その実施形態は、汚染を防止するように、ピペット62が、管36、42の間をそれらの上を通過するように移動される、上記で述べた操作とは別個または上記で述べた操作とあわせて使用されることができる。具体的には、重なり合う覆い170が、処理ステーション40の管上に設けられることができる。覆い170のパネル172、174、176は、重なり合う位置まで矢印の方向に移動されて、ピペット62が流体(サンプルまたは試薬)をその中に放出する管42の特定の列を覆わない一方、残りの管42を覆い、それによって起こり得る汚染から保護されたままにする。
【0052】
図9には、さらに他の代替実施形態が示され、その実施形態は、デッキ22上のトレイ50a〜50dの適切な配置を確実にするようにアイコン100〜106を使用する上記で述べた構成とは別個に、または上記で述べた構成とあわせて使用されることができる。この代替実施形態において、デッキ22は、トレイ50a〜50dが位置決めされる各位置において、デッキ22から突き出ている独特な形のピン180a〜180dを備える。トレイ50a〜50dは、その底部に対応する形のスロット182a〜182dも備え、それによって各トレイ50a〜50dは、デッキ22上の1つの位置のみに固定されることができる。
【0053】
さらに、図9にも示されているように、各トレイ50a〜50dは、トレイ50a〜50dごとに特有な適当な機械可読表示(バーコードなど)186a〜186dも備えることができ、正確な位置決めを確かめるように、表示186a〜186dを走査する適当な読取装置188が、装置20とともに提供される。読取装置188の検証は、操作者にトレイ50a〜50dの装填におけるエラーを通知することに使用されるか、またはヘッド30の制御装置を調整して、ヘッド30が、処理の間の適切な時に適切なレセプタクル52a〜52jまで行くことを確実にすることに使用されることができる。図9についての上記の説明は、試薬レセプタクル52a〜52jを有するトレイ50a〜50dに関してなされてきたが、同じ構造が、検体および処理済サンプルラック34、66の適切な位置決めを確実にするために使用されることもできると理解されたい。
【0054】
図10a、図10bには、図9に示されているようなバーコード読取装置188を使用する、上記で述べたような装置20の操作プロセスが示されている。開始200の前に、操作者は、処理する検体サンプルの数に従って、キット80の容器70〜78から様々な試薬を、様々なレセプタクル52a〜52jに注いでおき、また試薬トレイ50a〜50j、ならびに検体および処理済サンプルラック34、66は、ピペットの適当な供給装置とともにデッキ22上に位置決めされてある。
【0055】
操作者が、開始可能な装置20に適当に指示を与え、読取装置188が、202で、トレイ50a〜50d(およびラック34、66)上の表示186a〜186d(たとえばバーコード)を読み取る。読取装置188は、204で、トレイ50a〜50d(およびラック34、66)が、適切に位置決めされていないことを検出すると、206で、エラーメッセージを操作者に送り、208で、操作者が、トレイおよびラックを適切な位置に再位置決めするまで操作を止め、再び開始する。読取装置188が、204で、すべてが適切に位置決めされていることを検出すると、操作は継続し、210で、ヘッド30が移動して8本のピペット62を持ち上げ、次いで212で、ピペットが動かされて適当なレセプタクル52a〜52jから試薬を抜き取る。次いで、抜き取られた試薬が、214で、試験管42に送達される。
【0056】
ピペット62は、216で、その先端部での汚染が懸念される場合、1回だけ使用した後に廃棄されてよい。その場合、218に示されているように、第1の試薬が、処理すべき検体サンプルを受ける試験管42すべてに装填されるまで、ステップ210〜ステップ216が必要に応じて繰り返される。あるいは、試薬が、8本の試験管42より多く(たとえば48本の試験管42)に加えられる場合、そのステップの間、他の物質の汚染が懸念されない場合、ステップ210は飛ばされてよく、第1の試薬が、処理すべき管42すべてに加えられるとき起こり得るような、新しいものが決定されピペットが廃棄されることができる/されなければならなくなるまで、ステップ212〜ステップ216が(たとえば48本の試験管42で6回)繰り返される。
【0057】
第1の試薬が、試験管42すべてに装填された後、ステップ210〜ステップ216は、望み通りに、試験管42に追加の試薬を加えるように(218にも示されているように)さらに繰り返されてよい。たとえば、管42に、まず超微粒子(uParticles)が加えられ、次いで溶解バッファが加えられてよい。もちろん、使用される試薬は、所望される処理によって変えることができ、本発明は任意の特定の試薬の使用に限られない。
【0058】
219で決定されるようにサンプルが加えられる場合、次いで、第1ステップのサンプル処理のために、サンプルが、8本のサンプル入りの管36から8本の試験管42に移され、そのようなステップが、検査すべき検体サンプルすべてが試験管42に配置されるまで228で繰り返されるという同様のプロセスが、220〜228で繰り返される。一般に、検体サンプルを送達することに使用されたピペットは、汚染を防止するために、使用後その都度226で廃棄される必要があるが、本発明の範囲内で、(たとえば、追加の量の同じ検体サンプルが、管42に1ステップより多く送達される場合に起こり得るように)汚染が新しいピペットの使用を必要としない場合、ピペットは再利用されよう。
【0059】
230で決定されるように、検体サンプルが試験管42に送達された後に追加の試薬が必要な場合、操作は、必要に応じて戻ってステップ210〜ステップ218の繰り返しのために、210でピペットを持ち上げる。十分な試薬が加えられた後、次に、(サンプルは、ステップ220〜ステップ228ですでに加えられおり、したがって加えられる必要がないので)操作は、219でステップ234まで飛び、処理が行われるべきかが決定される。
【0060】
次いで、234で、サンプル処理を行う用意ができると、サンプル処理は236に進む。洗浄、培養、および溶解を含め、どんな種類の処理ステップもこの段階で行われることができる。とはいえこの場合も、本発明は、有利には、サンプルに行われる特定の処理に関係なく使用され得ると理解されたい。
【0061】
238で、さらなる検体処理に追加の試薬の使用が必要な場合、ステップ210〜ステップ236は、それらの試薬を加えサンプルを処理するように繰り返される。
【0062】
234で決定されるように、サンプル処理が完了した後、240で、ピペット62が、処理済サンプルをラック68の管68に送達することに使用され、その時点(242)で、この処理段階は終了する。
【0063】
上記で述べた操作のようにサンプルより前に試薬を試験管42に加えることによって、サンプル間における汚染のリスクが最小限に抑えられることができる。しかし、上記の操作は、本明細書で開示される本発明が使用され得る単なる1つの例であり、その操作の変形形態が、本発明の範囲内で十分に使用され得るであろうことを理解されたい。したがって、本発明は、有利には、たとえば異なる順序(たとえば、試薬が加えられる前にサンプルが試験管42に加えられることができる)の試薬およびサンプルの添加で使用されることができると理解されたい。
【0064】
上記より、本発明は、サンプルおよび試薬が、最低限の操作者エラーのリスクで、試験装置20の操作者によって適切に処理され、サンプル汚染の深刻なリスクなしに処理されることができることを確実にするように使用され得ることが、これで明らかなはずである。
【0065】
本発明のさらに他の態様、目的、および利点は、明細書、図面、および添付の特許請求の範囲の調査から得られる。しかし、本発明は、本発明の目的および利点ならびに上記で述べた好ましい実施形態すべてが得られるとは言えない代替形態で使用されることができると理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体処理装置に試薬を装填する方法であって、
1組のアイコンの別個のアイコンによってそれぞれが視覚的に印付けられている選択された試薬入りの複数の容器を有する、キットを提供するステップと、
前記1組のアイコンから選択されたアイコンによってそれぞれが視覚的に印付けられている少なくとも1つの試薬レセプタクルをそれぞれ有する、複数のトレイを提供するステップと、
試薬を、前記容器の少なくともいくつかのそれぞれから、前記容器を視覚的に印付ける前記1組のアイコンと同じ別個のアイコンで視覚的に印付けられている試薬レセプタクル内に移すステップと、
前記トレイを検体処理装置の選択された位置に取り付けるステップとを含む方法。
【請求項2】
前記キットが、複数のサブセットの容器を備え、該サブセットの容器それぞれが、選択された数Xの検体に使用するのに十分な量の前記選択された試薬それぞれを含み、
前記試薬を移すステップが、Y個のサブセットの前記容器を移すことを含み、ここでY=[処理すべき検体の数/X]であり、Yは、端数が切り上げられたY=の整数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検体処理装置および前記トレイの前記選択された位置にアイコンで印付けるステップをさらに含み、前記トレイを取り付けるステップが、前記トレイを前記選択された位置に取り付けることを含み、前記トレイそれぞれが、前記トレイが取り付けられる前記選択された位置に印付けられたアイコンと対応するアイコンで印付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の位置がその上に画定されているデッキと、
それぞれが、前記デッキ上の前記位置の特定位置のみに取り外し可能に固定可能である複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが選択された試薬を含むように構成されている少なくとも1つの試薬レセプタクルとを備える検体処理装置。
【請求項5】
前記トレイおよび前記デッキそれぞれに、かみ合う複数の対の取り付け部材をさらに備え、各トレイの前記取り付け部材が、前記デッキの前記取り付け部材の1つのみとかみ合い、前記デッキの前記取り付け部材が、かみ合う取り付け部材を有する前記トレイが取り外し可能に固定可能である、前記デッキ上の前記位置の特定位置にある、請求項4に記載の検体処理装置。
【請求項6】
複数の位置がその上に画定されているデッキと、
それぞれが、前記デッキ上の前記位置の特定位置に取り外し可能に固定可能であり、かつ光学的可読識別子を有する複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが選択された試薬を含むように構成されている少なくとも1つの試薬レセプタクルとを備える検体処理装置。
【請求項7】
各光学的可読識別子が、第1組のアイコンの別個のアイコンであり、前記第1組のアイコンの前記各別個のアイコンが、前記デッキ上の前記位置の前記特定位置を視覚的に印付け、前記特定位置に、前記第1組のアイコンの前記別個のアイコンを含む前記トレイが、取り外し可能に固定可能である、請求項6に記載の検体処理装置。
【請求項8】
各光学的可動識別子が、別個のバーコードであり、
前記位置の1つの位置に固定されたとき、前記トレイのバーコードを読むように構成されているバーコード読取装置と、
前記検体処理装置のための制御装置とをさらに備え、前記制御装置は、前記バーコード読取装置が、前記特定位置に固定可能なトレイに関連していない前記位置の特定位置でトレイのバーコードを読む場合に、エラーを示す、請求項6に記載の検体処理装置。
【請求項9】
複数の位置がその上に画定され、かつ前記位置それぞれが、第1組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられているデッキと、
それぞれが、前記デッキ上の前記位置から選択された位置に取り外し可能に固定可能であり、かつ前記位置から前記選択された位置を視覚的に印付ける前記第1組のアイコンの前記別個のアイコンを含む複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが、第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている少なくとも1つの試薬レセプタクルと、
キットとを備え、該キットが、選択された試薬入りの複数の容器を含み、前記各容器が、前記容器内の前記選択された試薬が移される前記試薬レセプタクルの選択された試薬レセプタクルを視覚的に印付ける前記第2組のアイコンの前記別個のアイコンによって視覚的に印付けられる、検体処理装置。
【請求項10】
検体処理装置は、Z個の検体の処理が可能であり、
前記キットが、S個のサブセットの容器を含み、各サブセットの容器が、選択された数Xの検体に使用するのに十分な量の前記選択された各試薬を含み、ここでXが、Z/Sにほぼ等しく、
少なくとも2つの前記試薬レセプタクルは、Z個の検体に使用するのに十分な量の前記選択された試薬の少なくとも1つを保持することができなく、
前記少なくとも2つの前記試薬レセプタクルに画像表示をさらに備え、該画像表示は、少なくとも1個の検体が処理される場合、どの前記試薬レセプタクルに、第1のサブセットの容器からの前記選択された試薬の少なくとも1つの試薬の前記容器を注ぐかを示し、少なくともX+1個の検体が処理される場合、どの前記試薬レセプタクルに、第2のサブセットの容器からの前記選択された試薬の少なくとも1つの試薬の前記容器を注ぐかを示し、少なくとも[(S−1)×X]+1個の検体が処理される場合、どの前記試薬レセプタクルに、S個のサブセットの容器からの前記選択された試薬の少なくとも1つの試薬の前記容器を注ぐかを示す、請求項1に記載の検体処理装置。
【請求項11】
複数の位置がその上に画定されており、かつ試薬が中に入った上部が開いた複数のレセプタクルを有するデッキと、
前記デッキの上でX本のピペットに入った選択された液体を運搬するように構成され、Xが3以上であり、前記ピペットが互いに均一な間隔の列に配置されているヘッドと、
X本のグループのそれぞれ上部が開いた管を、各グループの管を前記均一な間隔の状態で支持するデッキ上のラックと、
前記ピペット内の前記試薬から選択された試薬を、前記試薬から前記選択された試薬を含む前記レセプタクルから、選択されたグループの前記管に移すように前記ヘッドを制御する制御装置とを備え、前記ヘッドが、前記選択されたグループの前記管以外のグループの前記管の上を、前記ピペットが、前記他のグループの管の上であり、かつ前記他のグループの管の間にある状態で通過する、検体処理装置。
【請求項12】
前記ヘッドによって担持される前記ピペット間の前記均一な間隔が、調整可能であり、前記制御装置が、前記ピペットの間の前記間隔を調整するように前記ヘッドをさらに制御して、前記ピペットが上を通過するラックの均一な間隔に合わせる、請求項11に記載の検体処理装置。
【請求項13】
機器と試薬キットとを備え、
前記機器が、
X本のピペット内の選択された液体を運搬するように構成されているヘッドと、
ヘッドの侵入を可能にするように構成され、かつ手動の試薬注入によって充填可能である試薬レセプタクルと、
検体を受ける反応容器のアレイのためのホルダとを含み、
前記試薬キットが、事前に測定された量の液体内に事前に測定された量の粒子を有する容器を含み、
粒子が、対象の生物学的分析物との親和性を有し、
容器が、試薬レセプタクルへと注がれるように構成されている、検体処理システム。
【請求項14】
対象の生物学的分析物を検出する方法であって、請求項13のシステムを用い、容器の中身が試薬レセプタクルへと注がれる前に、内部対照分析物が容器の中身に加えられることを含む方法。
【請求項1】
検体処理装置に試薬を装填する方法であって、
1組のアイコンの別個のアイコンによってそれぞれが視覚的に印付けられている選択された試薬入りの複数の容器を有する、キットを提供するステップと、
前記1組のアイコンから選択されたアイコンによってそれぞれが視覚的に印付けられている少なくとも1つの試薬レセプタクルをそれぞれ有する、複数のトレイを提供するステップと、
試薬を、前記容器の少なくともいくつかのそれぞれから、前記容器を視覚的に印付ける前記1組のアイコンと同じ別個のアイコンで視覚的に印付けられている試薬レセプタクル内に移すステップと、
前記トレイを検体処理装置の選択された位置に取り付けるステップとを含む方法。
【請求項2】
前記キットが、複数のサブセットの容器を備え、該サブセットの容器それぞれが、選択された数Xの検体に使用するのに十分な量の前記選択された試薬それぞれを含み、
前記試薬を移すステップが、Y個のサブセットの前記容器を移すことを含み、ここでY=[処理すべき検体の数/X]であり、Yは、端数が切り上げられたY=の整数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検体処理装置および前記トレイの前記選択された位置にアイコンで印付けるステップをさらに含み、前記トレイを取り付けるステップが、前記トレイを前記選択された位置に取り付けることを含み、前記トレイそれぞれが、前記トレイが取り付けられる前記選択された位置に印付けられたアイコンと対応するアイコンで印付けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の位置がその上に画定されているデッキと、
それぞれが、前記デッキ上の前記位置の特定位置のみに取り外し可能に固定可能である複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが選択された試薬を含むように構成されている少なくとも1つの試薬レセプタクルとを備える検体処理装置。
【請求項5】
前記トレイおよび前記デッキそれぞれに、かみ合う複数の対の取り付け部材をさらに備え、各トレイの前記取り付け部材が、前記デッキの前記取り付け部材の1つのみとかみ合い、前記デッキの前記取り付け部材が、かみ合う取り付け部材を有する前記トレイが取り外し可能に固定可能である、前記デッキ上の前記位置の特定位置にある、請求項4に記載の検体処理装置。
【請求項6】
複数の位置がその上に画定されているデッキと、
それぞれが、前記デッキ上の前記位置の特定位置に取り外し可能に固定可能であり、かつ光学的可読識別子を有する複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが選択された試薬を含むように構成されている少なくとも1つの試薬レセプタクルとを備える検体処理装置。
【請求項7】
各光学的可読識別子が、第1組のアイコンの別個のアイコンであり、前記第1組のアイコンの前記各別個のアイコンが、前記デッキ上の前記位置の前記特定位置を視覚的に印付け、前記特定位置に、前記第1組のアイコンの前記別個のアイコンを含む前記トレイが、取り外し可能に固定可能である、請求項6に記載の検体処理装置。
【請求項8】
各光学的可動識別子が、別個のバーコードであり、
前記位置の1つの位置に固定されたとき、前記トレイのバーコードを読むように構成されているバーコード読取装置と、
前記検体処理装置のための制御装置とをさらに備え、前記制御装置は、前記バーコード読取装置が、前記特定位置に固定可能なトレイに関連していない前記位置の特定位置でトレイのバーコードを読む場合に、エラーを示す、請求項6に記載の検体処理装置。
【請求項9】
複数の位置がその上に画定され、かつ前記位置それぞれが、第1組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられているデッキと、
それぞれが、前記デッキ上の前記位置から選択された位置に取り外し可能に固定可能であり、かつ前記位置から前記選択された位置を視覚的に印付ける前記第1組のアイコンの前記別個のアイコンを含む複数のトレイと、
前記複数のトレイそれぞれの上にあり、かつそれぞれが、第2組のアイコンの別個のアイコンによって視覚的に印付けられている少なくとも1つの試薬レセプタクルと、
キットとを備え、該キットが、選択された試薬入りの複数の容器を含み、前記各容器が、前記容器内の前記選択された試薬が移される前記試薬レセプタクルの選択された試薬レセプタクルを視覚的に印付ける前記第2組のアイコンの前記別個のアイコンによって視覚的に印付けられる、検体処理装置。
【請求項10】
検体処理装置は、Z個の検体の処理が可能であり、
前記キットが、S個のサブセットの容器を含み、各サブセットの容器が、選択された数Xの検体に使用するのに十分な量の前記選択された各試薬を含み、ここでXが、Z/Sにほぼ等しく、
少なくとも2つの前記試薬レセプタクルは、Z個の検体に使用するのに十分な量の前記選択された試薬の少なくとも1つを保持することができなく、
前記少なくとも2つの前記試薬レセプタクルに画像表示をさらに備え、該画像表示は、少なくとも1個の検体が処理される場合、どの前記試薬レセプタクルに、第1のサブセットの容器からの前記選択された試薬の少なくとも1つの試薬の前記容器を注ぐかを示し、少なくともX+1個の検体が処理される場合、どの前記試薬レセプタクルに、第2のサブセットの容器からの前記選択された試薬の少なくとも1つの試薬の前記容器を注ぐかを示し、少なくとも[(S−1)×X]+1個の検体が処理される場合、どの前記試薬レセプタクルに、S個のサブセットの容器からの前記選択された試薬の少なくとも1つの試薬の前記容器を注ぐかを示す、請求項1に記載の検体処理装置。
【請求項11】
複数の位置がその上に画定されており、かつ試薬が中に入った上部が開いた複数のレセプタクルを有するデッキと、
前記デッキの上でX本のピペットに入った選択された液体を運搬するように構成され、Xが3以上であり、前記ピペットが互いに均一な間隔の列に配置されているヘッドと、
X本のグループのそれぞれ上部が開いた管を、各グループの管を前記均一な間隔の状態で支持するデッキ上のラックと、
前記ピペット内の前記試薬から選択された試薬を、前記試薬から前記選択された試薬を含む前記レセプタクルから、選択されたグループの前記管に移すように前記ヘッドを制御する制御装置とを備え、前記ヘッドが、前記選択されたグループの前記管以外のグループの前記管の上を、前記ピペットが、前記他のグループの管の上であり、かつ前記他のグループの管の間にある状態で通過する、検体処理装置。
【請求項12】
前記ヘッドによって担持される前記ピペット間の前記均一な間隔が、調整可能であり、前記制御装置が、前記ピペットの間の前記間隔を調整するように前記ヘッドをさらに制御して、前記ピペットが上を通過するラックの均一な間隔に合わせる、請求項11に記載の検体処理装置。
【請求項13】
機器と試薬キットとを備え、
前記機器が、
X本のピペット内の選択された液体を運搬するように構成されているヘッドと、
ヘッドの侵入を可能にするように構成され、かつ手動の試薬注入によって充填可能である試薬レセプタクルと、
検体を受ける反応容器のアレイのためのホルダとを含み、
前記試薬キットが、事前に測定された量の液体内に事前に測定された量の粒子を有する容器を含み、
粒子が、対象の生物学的分析物との親和性を有し、
容器が、試薬レセプタクルへと注がれるように構成されている、検体処理システム。
【請求項14】
対象の生物学的分析物を検出する方法であって、請求項13のシステムを用い、容器の中身が試薬レセプタクルへと注がれる前に、内部対照分析物が容器の中身に加えられることを含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【公開番号】特開2012−127975(P2012−127975A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−63306(P2012−63306)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【分割の表示】特願2009−188227(P2009−188227)の分割
【原出願日】平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−63306(P2012−63306)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【分割の表示】特願2009−188227(P2009−188227)の分割
【原出願日】平成15年7月2日(2003.7.2)
【出願人】(391008788)アボット・ラボラトリーズ (650)
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
【Fターム(参考)】
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