説明

分析システム、分析方法及び分析プログラム

【課題】情報処理装置の操作者に関する分析の精度を向上させること。
【解決手段】ゲーム装置の操作者がゲームを操作した際のゲームの進行に関する履歴情報を記憶している履歴情報記憶装置と、履歴情報に基づいて得られる評価用情報と、評価用情報に対して予め定められている評価結果とを対応付けて記憶している評価情報記憶装置と、を備え、履歴情報記憶装置から履歴情報を読み出し、履歴情報に基づいて評価用情報を取得し、評価情報記憶装置において取得した評価用情報に対応付けられている評価結果を取得し、評価結果を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームの進行に関する履歴に基づいてゲームの操作者を分析する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置の発達及び普及により、情報処理装置に関する専門の知識を有する者に限らず一般の者が自由に情報処理装置を使いこなすことが可能となっている。そのため、一般の者を対象とした様々なアプリケーションが提供されている。それらの中には、入力される様々な情報に基づいて操作者を分析するアプリケーション(以下、「分析アプリケーション」という。)がある。例えば特許文献1には、3人の操作者に関する情報を入力することによって、それぞれの操作者間の相性を診断する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−325977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の分析アプリケーションでは分析結果の精度が充分ではなかった。そのため、例えば分析結果に基づいた教育などを操作者に対して提供しようとしても、提供しようとする教育の内容とそれを受ける者(操作者)との間における関係性が不一致となることがあり、適切な教育を提供することが困難であった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、情報処理装置の操作者に関する分析の精度を向上させる技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ゲーム装置の操作者がゲームを操作した際のゲームの進行に関する履歴情報を記憶している履歴情報記憶装置と、前記履歴情報に基づいて得られる評価用情報と、前記評価用情報に対して予め定められている評価結果とを対応付けて記憶している評価情報記憶装置と、前記履歴情報記憶装置から前記履歴情報を読み出し、前記履歴情報に基づいて前記評価用情報を取得し、前記評価情報記憶装置において前記取得した評価用情報に対応付けられている前記評価結果を取得する分析部と、前記評価結果を出力する出力部と、を備える分析システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上述した分析システムであって、前記履歴情報に含まれる情報と評価指標とを対応付けた分析情報を記憶する分析情報記憶装置をさらに備え、前記分析部は、前記履歴情報と前記分析情報とに基づいて、前記評価指標の値を前記評価用情報として取得する。
【0008】
本発明の一態様は、ゲーム装置の操作者がゲームを操作した際のゲームの進行に関する履歴情報を記憶している履歴情報記憶装置と、前記履歴情報に基づいて得られる評価用情報と、前記評価用情報に対して予め定められている評価結果とを対応付けて記憶している評価情報記憶装置と、を備えるシステムが、前記履歴情報記憶装置から前記履歴情報を読み出し、前記履歴情報に基づいて前記評価用情報を取得し、前記評価情報記憶装置において前記取得した評価用情報に対応付けられている前記評価結果を取得する分析ステップと、前記評価結果を出力する出力ステップと、を有する分析方法である。
【0009】
本発明の一態様は、ゲーム装置の操作者がゲームを操作した際のゲームの進行に関する履歴情報を記憶している履歴情報記憶装置と、前記履歴情報に基づいて得られる評価用情報と、前記評価用情報に対して予め定められている評価結果とを対応付けて記憶している評価情報記憶装置と、を備える情報処理装置に対し、前記履歴情報記憶装置から前記履歴情報を読み出し、前記履歴情報に基づいて前記評価用情報を取得し、前記評価情報記憶装置において前記取得した評価用情報に対応付けられている前記評価結果を取得する分析ステップと、前記評価結果を出力する出力ステップと、を実行させるための分析プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、情報処理装置の操作者に関する分析の精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】分析システムのシステム構成を表すシステム構成図である。
【図2】座標履歴テーブルの具体例を示す図である。
【図3】シナリオ履歴テーブルの具体例を示す図である。
【図4】コマンド履歴テーブルの具体例を示す図である。
【図5】座標分析テーブルの具体例を示す図である。
【図6】シナリオ分析テーブルの具体例を示す図である。
【図7】コマンド分析テーブルの具体例を示す図である。
【図8】分類テーブルの具体例を示す図である。
【図9】分類分析テーブルの具体例を示す図である。
【図10】第1評価テーブルの具体例を示す図である。
【図11】第2評価テーブルの具体例を示す図である。
【図12】アドバイス記憶部に記憶されているアドバイステーブルの具体例を示す図である。
【図13】履歴記録部の動作例を表すフローチャートである。
【図14】分析装置の動作例を表すフローチャートである。
【図15】第1の変形例(分析システム1a)のシステム構成を示す図である。
【図16】第2の変形例(分析システム1b)のシステム構成を示す図である。
【図17】第3の変形例(分析システム1c)のシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、分析システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。分析システム1は、ゲーム装置10及び分析装置20を備える。ゲーム装置10と分析装置20とは通信可能に接続されている。ゲーム装置10と分析装置20とが行う通信は、無線通信であっても良いし有線通信であっても良い。
【0013】
ゲーム装置10は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータやゲーム専用機器などの情報処理装置を用いて構成される。ゲーム装置10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、ゲームプログラムを実行することによって入力部11、ゲーム実行部12、出力部13、履歴記録部14、履歴情報記憶装置15を備える装置として機能する。
【0014】
なお、ゲーム装置10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。ゲームプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。ゲームプログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0015】
入力部11には、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置が接続される。入力部11は、操作者によって操作された入力装置を介して、ゲームに関するコマンドの入力を受け付ける。
【0016】
ゲーム実行部12は、ゲームのプログラムを実行する。ゲーム実行部12は、入力部11を介して入力されるコマンドに応じて、ゲームのプログラムに従った画面を生成し、出力部13に出力する。
【0017】
また、ゲーム実行部12は、ゲームの進行に関連する情報(以下、「進行情報」という。)の全部又は一部を履歴記録部14に出力する。進行情報とは、例えば操作者がゲームにおいて操作する対象物の位置や状態を表す情報であっても良いし、ゲームの進行状況を表す情報であっても良い。
【0018】
例えば、ゲーム実行部12によって実行されるゲームがロールプレイングゲームである場合は、進行情報の具体例として以下のような情報がある。操作者が操作する対象物(以下、「操作キャラクター」という。)の進化の程度を表す値(レベル:LV)、体力を示す値(ヒットポイント:HP)、魔法力を示す値(マジックポイント:MP)、経験の程度を表す値(経験値:EXP)、所持金を表す値(G)。ゲームに設定された空間における操作キャラクターの位置座標。操作キャラクターが所持している物(アイテム)の種類及び数量。現在進行中のシナリオの識別情報。操作者が入力したコマンドの内容。以下の説明では、ゲーム実行部12によって実行されるゲームがロールプレイングゲームである場合の例について説明する。ただし、ゲーム実行部12によって実行されるゲームの種類はロールプレイングゲームに限定される必要は無い。
【0019】
出力部13は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置に接続される。出力部13は、ゲーム実行部12によって実行されているゲームの画面を画像表示装置に表示させる。
【0020】
履歴記録部14は、ゲーム実行部12から受けた進行情報の内容に基づいて、所定のタイミングで、履歴情報記憶装置15に記憶されている履歴情報を更新する。所定のタイミングの具体例として以下のようなタイミングがある。操作キャラクターのレベル、ヒットポイント、マジックポイント、経験値、所持金を表す値(以下、これらの値をまとめて「ステータス値」という。)に変化が生じたタイミング。操作キャラクターのステータス値が所定の条件を満たした(例えば前回のタイミングからレベルが所定数上昇、ヒットポイントが閾値を下回ったなど)タイミング。操作キャラクターの位置座標が所定の位置座標となったタイミング。シナリオの識別情報が変化したタイミング。シナリオの識別情報が所定の識別情報に変化したタイミング。
【0021】
履歴情報記憶装置15は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。履歴情報記憶装置15は、ゲーム装置10の操作者がゲームを操作した際のゲームの進行に関する履歴情報を記憶する。履歴情報記憶装置15は、座標履歴記憶部151、シナリオ履歴記憶部152、コマンド履歴記憶部153として機能する。座標履歴記憶部151は、座標履歴テーブルを記憶する。シナリオ履歴記憶部152は、シナリオ履歴テーブルを記憶する。コマンド履歴記憶部153は、コマンド履歴テーブルを記憶する。本実施形態の説明では、上記各テーブルをまとめて履歴情報と呼んでいる。
【0022】
図2は、座標履歴テーブルの具体例を示す図である。座標履歴テーブルは複数のレコード51を有する。各レコード51は、操作キャラクターの位置座標と、その位置座標に到達した日時と、その位置座標に到達した時点のステータス値と、その位置座標に到達した時点に操作キャラクターが所持しているアイテムのリストとを対応付けている。例えば、図2に具体的に示されている二つのレコード51のうち、上段のレコード51は、2011年5月5日23時24分15秒に操作キャラクターが(x1,y1)という座標の位置に到達し、その時の操作キャラクターのステータスはレベルが“8”であり、ヒットポイントが“101”であり、マジックポイントが“89”であり、経験値が“10398”であり、所持していたアイテムは松明3つ、薬草5つ、金庫の鍵1つであったことが記録されたレコードである。
【0023】
図3は、シナリオ履歴テーブルの具体例を示す図である。シナリオ履歴テーブルは複数のレコード52を有する。各レコード52は、ゲームで進行中のシナリオの識別情報と、そのレコード52が記録された日時と、そのレコード52が記録された時点のステータス値と、そのレコード52が記録された時点に操作キャラクターが所持しているアイテムのリストとを対応付けている。例えば、図3に具体的に示されている二つのレコード52のうち、上段のレコード52は、2011年5月4日19時24分32秒に進行中のシナリオの識別子はS11であり、その時の操作キャラクターのステータスはレベルが“6”であり、ヒットポイントが“31”であり、マジックポイントが“49”であり、経験値が“6137”であり、所持していたアイテムは松明1つ、薬草2つであったことが記録されたレコードである。
【0024】
図4は、コマンド履歴テーブルの具体例を示す図である。コマンド履歴テーブルは複数のレコード53を有する。各レコード53は、操作者によって実行されたコマンドの内容と、そのコマンドが実行された日時と、そのコマンドが実行された時点のステータス値と、そのコマンドが実行された時点に操作キャラクターが所持しているアイテムのリストとを対応付けている。例えば、図4に具体的に示されている二つのレコード53のうち、上段のレコード53は、2011年5月4日19時24分32秒に300Gの投資を行うコマンドが実行され、その時の操作キャラクターのステータスはレベルが“6”であり、経験値が“6137”であり、所持金の額は“4032”であり、所持していたアイテムは松明1つ、薬草2つであったことが記録されたレコードである。
【0025】
分析装置20は、メインフレームやワークステーションやパーソナルコンピュータなどの情報処理装置を用いて構成される。分析装置20は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、分析プログラムを実行することによって分析情報記憶装置21、評価情報記憶部22、アドバイス記憶部23、分析部24、出力部25を備える装置として機能する。
【0026】
なお、分析装置20の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。分析プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。分析プログラムは、電気通信回線を介して送信されても良い。
【0027】
分析情報記憶装置21は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。分析情報記憶装置21は、履歴情報に含まれる情報と評価指標とを対応付けた分析情報を記憶している。評価指標とは、履歴情報に含まれる項目の値の所定の組合せ毎に予め付与された値である。本実施形態では、評価指標の積算値を算出することによって評価用情報を取得することができる。分析情報記憶部21が記憶している履歴情報に含まれる情報と評価指標との関係性は、事前に実験や統計などが行われることによって一定の精度や信頼性が予め確認されている。分析情報記憶装置21は、例えば座標分析情報記憶部211、シナリオ分析情報記憶部212、コマンド分析情報記憶部213、分類情報記憶部214、分類分析情報記憶部215として機能する。
【0028】
座標分析情報記憶部211は、座標分析テーブルを記憶する。シナリオ分析情報記憶部212は、シナリオ分析テーブルを記憶する。コマンド分析情報記憶部213は、コマンド分析テーブルを記憶する。分類情報記憶部214は、分類テーブルを記憶する。分類分析情報記憶部215は、分類分析テーブルを記憶する。
【0029】
本実施形態の説明では、上記各テーブルをまとめて分析情報と呼んでいる。分析情報では、少なくとも一種類のスコア(評価指標)と、履歴情報に含まれる値の一つ又は複数の組合せとが対応付けられたレコードが複数定義されている。本実施形態では、スコアとして2種類のスコア(第1スコア、第2スコア)が定義されている。各スコアは、特有の評価軸に応じた評価結果を得るための値を表す。各評価軸には、例えば間隔尺度が設定され、間隔尺度に応じて評価結果が設定されても良い。
【0030】
本実施形態では、第1スコアは操作者のリスク許容度を評価するためのスコアであり、第1評価軸に沿ってリスク許容度を表す評価結果が設定される。具体的には、第1スコアの累積値が低いほどリスクを回避する傾向であることを表す評価結果が設定され、第1スコアの累積値が高いほどリスクを好む傾向であることを表す評価結果が設定されても良い。
【0031】
本実施形態では、第2スコアは操作者の物に対する志向を評価するためのスコアであり、第2評価軸に沿って志向を表す評価結果が設定される。具体的には、第2スコアの累積値が低いほど物を採集する志向が強い傾向であることを表す評価結果(採集志向)が設定され、第2スコアの累積値が中間の値(中間値)に近いほど物を生産する志向が強い傾向であることを表す評価結果(生産志向)が設定され、第2スコアの累積値が高いほど物を販売する志向が強い傾向であることを表す評価結果(販売志向)が設定されても良い。
【0032】
評価情報記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。評価情報記憶部22は、履歴情報に基づいて得られる評価用情報と、評価用情報に対して予め定められている評価結果とを対応付けて記憶している。評価情報記憶部22が記憶している評価用情報と評価結果との関係性は、事前に実験や統計などが行われることによって一定の精度や信頼性が予め確認されている。
【0033】
評価情報記憶部22は、例えば、分析装置20で用いられるスコア(評価指標)の種類毎に、スコアの累積値(評価用情報)と、累積値に応じた評価結果とを対応付けた評価テーブルを記憶する。例えば、分析装置20において第1スコア及び第2スコアが用いられる場合には、評価情報記憶部22は第1スコアに関する評価テーブルと第2スコアに関する評価テーブルとを記憶する。
【0034】
アドバイス記憶部23は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて行使される。アドバイス記憶部23は、分析装置20で用いられるスコアとアドバイスの内容とを対応付けたアドバイステーブルを記憶する。分析装置20で用いられるスコアの種類が複数である場合には、アドバイステーブルでは複数種のスコアの組合せとアドバイスの内容とが対応付けられる。アドバイスの内容には、操作者に対するキャリア形成及びキャリアデザインに対するアドバイスが含まれている。
【0035】
分析部24は、分析情報に定義されたレコードの進行情報に含まれる値の一つ又は複数の組合せに合致する履歴情報を履歴記憶装置15から検索する。合致する履歴情報があった場合には、分析部24は、そのレコードに定義されたスコアを取得する。分析部24は、全ての履歴情報と分析情報とを照合してスコアを取得し、同種のスコア毎に取得したスコアの累積値を算出する。分析部24は、取得したスコアの累積値に応じた評価結果を評価情報記憶部22から読み出す。また、分析部24は、取得したスコアの累積値に応じたアドバイスをアドバイス記憶部23から読み出す。分析部24は、読み出した評価結果及びアドバイスを出力部25に出力する。
【0036】
出力部25は、分析部24から受けた評価結果及びアドバイスを所定の形式で出力する。出力部25が評価結果及びアドバイスを出力する際の態様はどのようなものであっても良い。例えば、出力部25は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の画像表示装置に接続され、画像や文字を画像表示装置に表示させることによって評価結果及びアドバイスを出力しても良い。例えば、出力部25は、プリンターに接続され、画像や文字をプリンターに印刷させることによって評価結果及びアドバイスを出力しても良い。例えば、出力部25は、無線又は有線の通信で他の情報処理装置に接続され、画像や文字を表すデータを送信することによって評価結果及びアドバイスを出力しても良い。
【0037】
図5は、座標分析テーブルの具体例を示す図である。座標分析テーブルは複数のレコード61を有する。各レコード61は、所定の位置座標に操作キャラクターが到達した時点の操作キャラクターの状態に応じた第1スコアを有する。
【0038】
所定の位置座標に到達した時点の操作キャラクターの状態が、ゲーム開始時の状態に近いほど(すなわち弱い状態(不利な状態)であるほど)第1スコアは高く設定される。一方、所定の位置座標に到達した時点の操作キャラクターの状態が、ゲーム開始時の状態よりも乖離しているほど(すなわち強い状態(有利な状態)であるほど)第1スコアは低く設定される。このような座標分析テーブルにしたがって分析が行われることにより、より慎重に操作キャラクターの位置を未到達の位置へ進めている操作者であるほど、第1スコアが低くなり、リスクを回避する傾向であると分析される。一方、より積極的に操作キャラクターの位置を未到達の位置へ進めている操作者であるほど、第1スコアが高くなり、リスクを選好する傾向であると分析される。
【0039】
図5の例では、各レコード61は、操作キャラクターの位置座標と、その位置座標に到達した時点の操作キャラクターのレベルと、その位置座標に到達した時点に操作キャラクターが所持しているアイテムのリストと、第1スコアとを対応付けている。例えば、図5に具体的に示されている複数のレコード61のうち最上段のレコード61は、操作キャラクターが(x1,y1)という座標の位置に到達した時点でレベルが1でありアイテムを松明しか持っていない場合には、第1スコアが10であることを示している。
【0040】
図6は、シナリオ分析テーブルの具体例を示す図である。シナリオ分析テーブルは複数のレコード62を有する。各レコード62は、所定のシナリオが開始した時点の操作キャラクターの状態に応じた第1スコアを有する。
【0041】
所定のシナリオが開始した時点の操作キャラクターの状態が、ゲーム開始時の状態に近いほど(すなわち弱い状態(不利な状態)であるほど)第1スコアは高く設定される。一方、所定のシナリオが開始した時点の操作キャラクターの状態が、ゲーム開始時の状態よりも乖離しているほど(すなわち強い状態(有利な状態)であるほど)第1スコアは低く設定される。このようなシナリオ分析テーブルにしたがって分析が行われることにより、より慎重にゲームのシナリオを進めている操作者であるほど、第1スコアが低くなり、リスクを回避する傾向であると分析される。一方、より積極的にゲームのシナリオを進めている操作者であるほど、第1スコアが高くなり、リスクを選好する傾向であると分析される。
【0042】
図6の例では、各レコード62は、開始したシナリオと、そのシナリオが開始した時点の操作キャラクターのレベルと、そのシナリオが開始した時点に操作キャラクターが所持しているアイテムのリストと、第1スコアとを対応付けている。例えば、図6に具体的に示されている複数のレコード62のうち最上段のレコード62は、S11というシナリオが開始した時点でレベルが1でありアイテムを松明しか持っていない場合には、第1スコアが10であることを示している。
【0043】
図7は、コマンド分析テーブルの具体例を示す図である。コマンド分析テーブルは複数のレコード63を有する。各レコード63は、所定のコマンドが実行されたのべ回数に応じた第2スコアを有する。
【0044】
コマンドごとに、そのコマンドを好んで実行する操作者の傾向を分析することが可能である。例えば、ゲームの中で何かを生産又は開発する類のコマンドには第2スコアは高く設定される。一方、ゲームの中で何かを生産又は開発しないコマンドには第2スコアは低く設定される。このようなコマンド分析テーブルにしたがって分析が行われることにより、より生産又は開発を好む操作者であるほど、第2スコアが高くなり、生産志向さらには販売志向が高い傾向であると分析される。一方、より生産又は開発を好まない操作者であるほど、第2スコアが低くなり、生産志向及び販売志向よりも採集志向が高い傾向であると分析される。
【0045】
図7の例では、各レコード63は、実行されたコマンドと、そのコマンドが実行されたのべ回数と、第2スコアとを対応付けている。例えば、図7に具体的に示されている複数のレコード63のうち最上段のレコード63は、交渉というコマンドがのべ1回しか行われていない場合には、第2スコアが2であることを示している。
【0046】
図8は、分類テーブルの具体例を示す図である。分類テーブルは複数のレコード64を有する。各レコード64は、操作キャラクターが所持できるアイテムと、そのアイテムの分類名とを有する。例えば、図8に具体的に示されている複数のレコード64のうち最上段のレコード64は、松明というアイテムの分類名は消耗品であることを示している。
【0047】
図9は、分類分析テーブルの具体例を示す図である。分類分析テーブルは複数のレコード65を有する。各レコード65は、操作キャラクターがゲーム終了時に所持していたアイテムの分類に応じた第2スコアを有する。
【0048】
操作キャラクターがゲームの終了時に所持していたアイテムの分類に基づいて、操作者の傾向を分析することが可能である。例えば、ゲームの中で何かを生産又は開発するために用いられる類のアイテムには第2スコアは高く設定される。一方、ゲームの中で生産又は開発によって得られる最終製品などのアイテムには第2スコアは低く設定される。このような分類分析テーブルにしたがって分析が行われることにより、生産又は開発に用いられるアイテム(例えば原材料)を最後までより多く所持していた操作者であるほど、第2スコアが高くなり、生産志向さらには販売志向が高い傾向であると分析される。一方、生産又は開発によって得られるアイテム(例えば最終生産物)を最後までより多く所持していた操作者であるほど、第2スコアが低くなり、生産志向及び販売志向よりも採集志向が高い傾向であると分析される。
【0049】
図9の例では、各レコード65は、操作キャラクターが最終的に所持していたアイテムのうち、消耗品に分類されるアイテムが一つある毎に第2スコアが0.5累積されることを示している。
【0050】
図10は、評価情報記憶部22に記憶されている評価テーブルのうち、第1スコアに関する評価テーブル(以下、「第1評価テーブル」という。)の具体例を示す図である。第1評価テーブルは複数のレコード71を有する。各レコード71は、第1スコアの累積値と、その累積値に応じた評価結果(第1評価結果)とを有する。図10の例では、第1スコアの累積値が30以下の値である場合にはリスク回避型との評価結果が得られ、第1スコアの累積値が31以上100以下の値である場合にはリスク中立型との評価結果が得られ、第1スコアの累積値が101以上の値である場合にはリスク選好型との評価結果が得られる。
【0051】
図11は、評価情報記憶部22に記憶されている評価テーブルのうち、第2スコアに関する評価テーブル(以下、「第2評価テーブル」という。)の具体例を示す図である。第2評価テーブルは複数のレコード72を有する。各レコード72は、第2スコアの累積値と、その累積値に応じた評価結果(第2評価結果)とを有する。図11の例では、第2スコアの累積値が55以下の値である場合には採集志向型との評価結果が得られ、第2スコアの累積値が56以上110以下の値である場合には生産志向型との評価結果が得られ、第2スコアの累積値が111以上の値である場合には販売志向型との評価結果が得られる。
【0052】
図12は、アドバイス記憶部23に記憶されているアドバイステーブルの具体例を示す図である。アドバイステーブルは複数のレコード81を有する。各レコード81は、第1スコアの累積値及び第2スコアの累積値との組合せと、アドバイスとを有する。
【0053】
図12の例では、第1スコアの累積値が60以下の値であって且つ第2スコアの累積値が70以下の値である場合には、ローリスク・ものづくり型アドバイス(アイデア商品化傾向へのアドバイス)が出力される。第1スコアの累積値が60以下の値であって且つ第2スコアの累積値が71以上の値である場合には、ローリスク・商売型アドバイス(SOHOビジネス傾向へのアドバイス)が出力される。第1スコアの累積値が61以上の値であって且つ第2スコアの累積値が70以下の値である場合には、ハイリスク・生産型アドバイス(ハイテク第2次産業型傾向へのアドバイス)が出力される。第1スコアの累積値が61以上の値であって且つ第2スコアの累積値が71以上の値である場合には、ハイリスク・販売型アドバイス(第3次産業傾向へのアドバイス)が出力される。
【0054】
図13は、履歴記録部14の動作例を表すフローチャートである。図13に示されるフローチャートでは、所定のタイミングとして、操作キャラクターの位置座標が所定の位置座標となったタイミング、新たなシナリオが開始されたタイミング、所定のコマンドが実行されたタイミングが設定されている。また、各タイミングによって記録される履歴の内容が異なる。以下、図13に示されるフローチャートについて説明する。
【0055】
履歴記録部14は、ゲーム実行部12から出力される進行情報を参照し、操作キャラクターの位置座標が所定の位置座標となったか否か判定する(ステップS101)。所定の位置座標となっている場合(ステップS101−YES)、履歴記録部14は、進行情報に基づいて座標履歴テーブルの新たなレコードを生成し、座標履歴テーブルに登録する(ステップS102)。
【0056】
所定の位置座標となっていない場合(ステップS101−NO)、履歴記録部14は、ゲーム実行部12から出力される進行情報を参照し、新たなシナリオが開始したか否か判定する(ステップS103)。例えば、履歴記録部14は、直前に出力された進行情報に含まれるシナリオの識別情報と新たに得られた進行情報に含まれるシナリオの識別情報とを比較し、異なっている場合には新たなシナリオが開始したと判定しても良い。
【0057】
新たなシナリオが開始した場合(ステップS103−YES)、履歴記録部14は、進行情報に基づいてシナリオ履歴テーブルの新たなレコードを生成し、シナリオ履歴テーブルに登録する(ステップS104)。
【0058】
新たなシナリオが開始していない場合(ステップS103−NO)、履歴記録部14は、ゲーム実行部12から出力される進行情報を参照し、所定のコマンドが実行されたか否か判定する(ステップS105)。所定のコマンドが実行された場合(ステップS105−YES)、履歴記録部14は、進行情報に基づいてコマンド履歴テーブルの新たなレコードを生成し、コマンド履歴テーブルに登録する(ステップS106)。
【0059】
所定のコマンドが実行されていない場合(ステップS105−NO)、履歴記録部14は、ゲーム実行部12から出力される進行情報を参照し、ゲームが終了したか否か判定する(ステップS107)。例えば、履歴記録部14は、進行情報に含まれるシナリオの識別情報がゲームの終了を表す識別子であるか否かに基づいてゲームの終了を判定しても良い。ゲームが終了していない場合(ステップS107−NO)、履歴記録部14は、ステップS101の処理に戻って以降の処理を繰り返し実行する。一方、ゲームが終了している場合(ステップS107−YES)、履歴記録部14は処理を終了する。
【0060】
図14は、分析装置20の動作例を表すフローチャートである。まず、分析部24が、座標分析テーブルに基づいて第1スコアの累積値を算出する(ステップS201)。具体的には以下の通りである。まず、分析部24は、座標履歴テーブルのレコード51の位置座標、レベル、アイテムの組合せを参照し、座標分析テーブルに記録されている全てのレコード61の位置座標、レベル、アイテムの組合せと一致するか否か比較する。
【0061】
一致する場合には、分析部24は、一致した座標分析テーブルのレコード61に記録されている第1スコアを読み出し、第1スコアの累積値に加算する。なお、第1スコアの累積値の初期値はゼロ(0)である。分析部24は、このような処理を座標履歴テーブルのレコード51毎に行い、全てのレコード51について処理が終わるとステップS201の処理を終了する。
【0062】
次に、分析部24が、シナリオ分析テーブルに基づいて第1スコアの累積値を算出する(ステップS202)。具体的には以下の通りである。まず、分析部24は、シナリオ履歴テーブルのレコード52を参照し、各シナリオが開始された際に記録されたレコード52(以下、「シナリオ開始時レコード」という。)を検出する。例えば、シナリオ履歴テーブルの各レコード52が図13に示されるフローチャートに従って記録されている場合には、全てのレコード52は新たなシナリオが開始したタイミングでのみ記録されており、全てのレコード52がシナリオ開始時レコードである。そのため、このような処理を行う必要は無い。
【0063】
一方、シナリオ履歴テーブルの各レコード52が、新たなシナリオが開始したタイミングとは異なるタイミングで記録されている場合には、上述したような検出を行う必要がある。この場合、分析部24は、例えばシナリオ履歴テーブルのレコード52のシナリオの識別子を時系列に沿って参照し、識別子が変化した場合に、そのレコード52をシナリオ開始時レコードとして検出しても良い。
【0064】
次に、分析部24は、シナリオ開始時レコードのシナリオ、レベル、アイテムの組合せを参照し、シナリオ分析テーブルに記録されている全てのレコード62の開始シナリオ、レベル、アイテムの組合せと一致するか否か比較する。一致する場合には、分析部24は、一致したシナリオ分析テーブルのレコード62に記録されている第1スコアを読み出し、第1スコアの累積値に加算する。なお、ステップS202の処理における第1スコアの累積値の初期値は、ステップS201で得られた累積値である。分析部24は、このような処理をシナリオ開始時レコード毎に行い、全てのシナリオ開始時レコードについて処理が終わるとステップS202の処理を終了する。
【0065】
次に、分析部24が、コマンド分析テーブルに基づいて第2スコアの累積値を算出する(ステップS203)。具体的には以下の通りである。まず、分析部24は、コマンド履歴テーブルのレコード53の全てを参照し、ゲームの最中に各コマンドが実行された回数を計数する。次に、分析部24は、コマンド分析テーブルのレコード63を参照し、コマンドと実行回数との組合せに対応する第2スコアを読み出す。そして、分析部24は、読み出した第2スコアを第2スコアの累積値に加算する。なお、ステップS203の処理における第2スコアの累積値の初期値はゼロ(0)である。分析部24は、全てのコマンドについて第2スコアを累積すると、ステップS203の処理を終了する。
【0066】
次に、分析部24が、分類分析テーブルに基づいて第2スコアの累積値を算出する(ステップS204)。具体的には以下の通りである。まず、分析部24は、シナリオ履歴テーブルを参照し、ゲーム終了時のレコード52(すなわち最後に記録されたレコード52:以下「最終レコード」という。)を検出する。次に、分析部24は、分類テーブルを参照して、最終レコードに記録されている各アイテムの分類を検出する。そして、分析部24は、分類分析テーブルを参照し、検出された各分類に応じた第2スコアを読み出し、第2スコアの累積値に加算する。このとき、読み出した第2スコアに対し、アイテムの所持数を掛けてから累積値に加算しても良い。なお、ステップS204の処理における第2スコアの累積値の初期値は、ステップS203で得られた累積値である。分析部24は、このような処理を最終レコードに記録されたアイテム毎に行い、全てのアイテムについて処理が終わるとステップS204の処理を終了する。
【0067】
次に、分析部24が、第1スコアの累積値に基づいて第1評価軸に応じた第1評価結果を取得する(ステップS205)。具体的には、分析部24は、評価情報記憶部22に記憶されている第1評価テーブルを参照し、ステップS202で算出された第1スコアの累積値に対応する評価結果を読み出す。
【0068】
次に、分析部24が、第2スコアの累積値に基づいて第2評価軸に応じた第2評価結果を取得する(ステップS206)。具体的には、分析部24は、評価情報記憶部22に記憶されている第2評価テーブルを参照し、ステップS204で算出された第2スコアの累積値に対応する評価結果を読み出す。
【0069】
次に、分析部24が、第1スコアの累積値及び第2スコアの累積値に基づいて、アドバイスを取得する(ステップS207)。具体的には、分析部24は、アドバイス記憶部23に記憶されているアドバイステーブルを参照し、ステップS202で算出された第1スコアの累積値及びステップS204で算出された第2スコアの累積値の組合せに対応するアドバイスを読み出す。
次に、出力部25が、分析部24によって取得された評価結果及びアドバイスを出力する(ステップS208)。
【0070】
以上のように構成された分析システム1によれば、操作者がゲーム装置10を操作してゲームを行うことによって、ゲームの進行に関する履歴が蓄積される。そして、ゲームの進行に関する履歴に基づいて、操作者に関する分析結果やアドバイスが出力される。これらの分析結果やアドバイスは、ゲーム装置10において実行されるゲームそのもののストーリー展開には一切関与せず、純粋に操作者に対する分析結果やアドバイスとして出力される。そのため、ゲームの進行に有利な分析結果を得ようとする誤った動機が操作者に生じることがなく、操作者の志向や考え方などがそのまま履歴として蓄積される。したがって、より精度の高い分析結果(評価結果)を得ることが可能となる。よって、その分析結果に応じたアドバイスも、より精度良く適したものを提供することが可能となる。
【0071】
例えば、上記の実施形態によれば、操作者のビジネスにおける感覚やリスクの許容度などについて精度良く分析結果を得ることが可能となる。
また、分析システム1によれば、ゲームの進行に対して分析結果が使われることがない。そのため、ゲームに応じて履歴記録部14や分析装置20を適宜設計することによって、どのようなゲームであっても利用することが可能である。そのため、分析システム1による分析のために専用のゲームを作成する必要が無く、開発コストや開発期間を抑えることが可能である。ただし、専用のゲームが作成されて本システムに適用されても良い。
【0072】
<変形例>
分析システム1のゲーム装置10に備えられている履歴記録部14及び履歴情報記憶装置15は、ゲーム装置10とは異なる装置として設けられても良い。例えば、以下のように構成されても良い。
【0073】
図15は、第1の変形例(分析システム1a)のシステム構成を示す図である。分析システム1aは、ゲーム装置10a、分析装置20a、履歴記録装置30を備える。ゲーム装置10aは、入力部11、ゲーム実行部12、出力部13を備える。履歴記録装置30とゲーム装置10aとは、有線又は無線で通信を行う。履歴記録装置30は、履歴記録部14及び履歴情報記憶装置15を備える。分析装置20aは、履歴記録装置30と有線又は無線で通信を行い、履歴情報記憶装置15に蓄積されている各履歴の情報を読み出す。
【0074】
図16は、第2の変形例(分析システム1b)のシステム構成を示す図である。分析システム1bは、ゲーム装置10b、分析装置20b、履歴情報記憶装置15を備える。ゲーム装置10bは、入力部11、ゲーム実行部12、出力部13、履歴記録部14を備える。履歴情報記憶装置15は、ゲーム装置10b及び分析装置20bに対して取り外し可能な記憶媒体として構成される。履歴情報記憶装置15は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置として構成されても良い。また、履歴情報記憶装置15は、例えばCD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体として構成されても良い。ただし、履歴情報記憶装置15が記録媒体として構成される場合には、各履歴の情報(座標履歴テーブル、シナリオ履歴テーブル、コマンド履歴テーブル)がゲーム装置10bの記憶装置(磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置など)に一度記憶され、最終的に完成した各履歴の情報が記録媒体に記録されることが望ましい。履歴の記録が行われる際には、履歴情報記憶装置15はゲーム装置10bに対して取り付けられる。一方、分析が行われる際には、履歴情報記憶装置15はゲーム装置10bから取り外され分析装置20bに対して取り付けられる。
【0075】
図17は、第3の変形例(分析システム1c)のシステム構成を示す図である。分析システム1cは、ゲーム装置10c及び分析装置20cを備える。ゲーム装置10cは、入力部11、ゲーム実行部12、出力部13、履歴記録部14を備える。分析装置20cは、履歴情報記憶装置15、分析情報記憶装置21、評価情報記憶部22、アドバイス記憶部23、分析部24、出力部25を備える。ゲーム装置10cと分析装置20cとは、有線又は無線で通信を行う。ゲーム装置10cの履歴記録部14は、分析装置20cと通信を行う事によって、分析装置20cが備える履歴情報記憶装置15に対して履歴を記録する。
上述した第1〜第3の変形例は、分析システム1の変形の具体例にすぎない。分析システム1の構成は、更に異なる態様に変形して構成されても良い。
【0076】
操作キャラクターは、必ずしもゲームに登場するキャラクターである必要は無い。例えば、ゲーム実行部12によって実行されるゲームが戦略シミュレーションゲームである場合は、操作対象となる国や軍隊やその兵隊などが操作キャラクターとして扱われても良い。例えば、ゲーム実行部12によって実行されるゲームが会社経営シミュレーションゲームである場合は、操作対象となる会社や取締役や社員などが操作キャラクターとして扱われても良い。
【0077】
ゲーム実行部12は、履歴記録部14に対して所定のタイミングで進行情報を出力しても良い。所定のタイミングとは、上述したゲーム実行部12が履歴情報を更新するタイミングと同じであっても良い。この場合、ゲーム実行部12は、所定のタイミングであるか否かについて判定せず、ゲーム実行部12から進行情報を受けたタイミングで履歴情報を更新しても良い。
【0078】
シナリオ分析テーブルは、履歴情報から検出されなかったシナリオ識別情報があった場合に付与される第1スコアをさらに記録しても良い。ロールプレイングゲームなどのゲームでは、一般的に必ず通らなければクリアできないメインシナリオと、必ずしも通らなくともクリアできるサブシナリオとがある。サブシナリオでは、新たなアイテムの入手が可能であったり、操作キャラクターのステータスを向上させることが可能である。このようなサブシナリオを通ることなくメインシナリオを先に進めてしまう者もいれば、全てのサブシナリオを通る者もいる。そのため、サブシナリオを通らずにクリアした操作者に対しては、第1スコアが多く付与され、リスクを選好する傾向があると判断される。
【0079】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0080】
1…分析システム, 10…ゲーム装置, 20…分析装置, 11…入力部, 12…ゲーム実行部, 13…出力部, 14…履歴記録部, 15…履歴情報記憶装置, 151…座標履歴記憶部, 152…シナリオ履歴記憶部, 153…コマンド履歴記憶部, 21…分析情報記憶装置, 211…座標分析情報記憶部, 212…シナリオ分析情報記憶部, 213…コマンド分析情報記憶部, 214…分類情報記憶部, 215…分類分析情報記憶部, 22…評価情報記憶部, 23…アドバイス記憶部, 24…分析部, 25…出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム装置の操作者がゲームを操作した際のゲームの進行に関する履歴情報を記憶している履歴情報記憶装置と、
前記履歴情報に基づいて得られる評価用情報と、前記評価用情報に対して予め定められている評価結果とを対応付けて記憶している評価情報記憶装置と、
前記履歴情報記憶装置から前記履歴情報を読み出し、前記履歴情報に基づいて前記評価用情報を取得し、前記評価情報記憶装置において前記取得した評価用情報に対応付けられている前記評価結果を取得する分析部と、
前記評価結果を出力する出力部と、
を備える分析システム。
【請求項2】
前記履歴情報に含まれる情報と評価指標とを対応付けた分析情報を記憶する分析情報記憶装置をさらに備え、
前記分析部は、前記履歴情報と前記分析情報とに基づいて、前記評価指標の値を前記評価用情報として取得する、請求項1に記載の分析システム。
【請求項3】
ゲーム装置の操作者がゲームを操作した際のゲームの進行に関する履歴情報を記憶している履歴情報記憶装置と、前記履歴情報に基づいて得られる評価用情報と、前記評価用情報に対して予め定められている評価結果とを対応付けて記憶している評価情報記憶装置と、を備えるシステムが、
前記履歴情報記憶装置から前記履歴情報を読み出し、前記履歴情報に基づいて前記評価用情報を取得し、前記評価情報記憶装置において前記取得した評価用情報に対応付けられている前記評価結果を取得する分析ステップと、
前記評価結果を出力する出力ステップと、
を有する分析方法。
【請求項4】
ゲーム装置の操作者がゲームを操作した際のゲームの進行に関する履歴情報を記憶している履歴情報記憶装置と、前記履歴情報に基づいて得られる評価用情報と、前記評価用情報に対して予め定められている評価結果とを対応付けて記憶している評価情報記憶装置と、を備える情報処理装置に対し、
前記履歴情報記憶装置から前記履歴情報を読み出し、前記履歴情報に基づいて前記評価用情報を取得し、前記評価情報記憶装置において前記取得した評価用情報に対応付けられている前記評価結果を取得する分析ステップと、
前記評価結果を出力する出力ステップと、
を実行させるための分析プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−66550(P2013−66550A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206072(P2011−206072)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(504145320)国立大学法人福井大学 (287)
【Fターム(参考)】