説明

分析システムおよび分析装置

【課題】下流側に接続される分析装置が上流側の分析装置よりも処理速度が遅いことなどに起因して上流側の分析装置を待機モードに設定したときに、検体分注用のノズル内に空気が進入することに起因して検体の分注量に誤差が発生することを適切に防止することが可能な分析システムを提供する。
【解決手段】第1の分析装置A1は、第2の分析装置A2が検体容器30を受け取ることが不可能な情況となって、検体の分析処理を一時的に中断した待機モードに設定された場合に、その後に待機モードが解除されて分注装置よって検体容器30から検体を取り出す動作が新たに開始される迄に、分注用のノズル50内に洗浄液を送り込むエアパージ動作を実行するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿などの所望の検体を分析するのに用いられる分析システム、およびこの分析システムを構成する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や尿などの検体の分析を行なうための分析システムとしては、分析処理内容が相違する複数の分析装置を接続し、これら複数の分析装置どうしの間において複数の検体容器を順次受け渡すように構成されたものがある(たとえば、特許文献1,2を参照)。このような構成によれば、複数の分析処理を連続して行なうことができるために、分析処理効率がよい。
【0003】
前記したような分析システムを構成する分析装置としては、ノズル洗浄機能を有する分注装置を備えたものがある(たとえば、特許文献3を参照)。この分注装置は、分注用のノズルに連結されているポンプが、別途設けられている洗浄液槽から洗浄液を汲み上げ可能な構成とされており、分注用のノズル内に検体が吸排出されて検体の分注動作を完了した後には、前記ノズル内に洗浄液が送り込まれ、このノズルが洗浄されるようになっている。このような構成によれば、検体の分注作業を行なう都度、ノズルを洗浄することが可能であり、ノズル内に検体を新たに吸入させた際に、ノズル内に残留していた先の検体が新たに吸入された検体に混入する不具合を好適に回避することができる。
【0004】
また、分析装置としては、試薬が塗布された試験片を利用するものもある。このような分析装置では、複数の試験片をホッパ状やボックス状の試験片保管部に保管させておき、分析処理を行なう際には、ドラム型あるいはアーム型などの移送手段を利用して、前記試験片を前記試験片保管部から1つずつ取り出すようにしている。取り出された試験片は、検体容器内に挿入されて検体中に浸漬されたり、あるいは分注装置を利用してこの試験片上に検体が点着されるような態様で用いられる。このようにして試験片に検体が添加された後には、たとえば試験片の色調変化を光学的な手法を用いて測定し、その測定結果に基づいて所定成分の濃度などが判断される。
【0005】
しかしながら、従来においては、次に述べるように、改善すべき点があった。
【0006】
すなわち、分析システムを構成する複数の分析装置は、それらの分析処理速度が相違する場合が多く、上流側の分析装置の方が下流側の分析装置よりも分析処理速度が速い場合がある。この場合、上流側の分析装置によって複数の検体の分析処理を連続して実行させたのでは、下流側の分析装置の処理が追い付かず、下流側の分析装置が上流側の分析処理から検体を受け入れることが困難な情況となる。そこで、上流側の分析装置については、下流側の分析装置が検体を受け入れることが困難な情況になった場合には、その情況が解消される迄の期間中は、新たな分析処理を実行しない待機モードとされる。
【0007】
従来においては、上流側の分析装置がノズル洗浄機能を有する分注装置を備えたものである場合、この分析装置が待機モードに設定されるときには、分注装置についても単にその駆動が停止されているに過ぎない。このため、待機モード時間が比較的長くなった場合には、分注用のノズル内の洗浄液が蒸発し、このノズル内に空気が進入する虞があった。一方、検体の分注量を正確に規定するには、分注用のノズルからポンプに至るまでの洗浄液流路内に空気ができる限り存在しないようにする必要があり、その空気量が多くなるほど、検体の分注量に大きな誤差を生じ易い。このようなことから、従来においては、待機モードが解除された後に検体の分注処理を再開させたときには、待機モード時にノズル内に進入した空気の存在に起因して、検体の分注量に誤差を生じる場合がある。このような分注量の誤差は、分析誤差の原因となる。
【0008】
また、従来においては、上流側の分析装置が試験片を用いるものである場合、この分析装置が待機モードに設定される際には、試験片を試験片保管部から取り出すための機構が単に停止するに過ぎない構成とされていた。このため、従来では、待機モードの期間中、試験片が試験片保管部の外部に取り出された状態のまま放置される場合があった。これでは、試験片が外気に長時間曝露されるために、試験片に塗布されている試薬が乾燥し、あるいは大気中の湿気によって変質する虞を生じる。したがって、待機モードが解除されて分析処理を再開させたときには、前記したような試験片を用いた分析処理において分析誤差を生じ易くなる。
【0009】
【特許文献1】特許第3616744号公報
【特許文献2】特開平7−92171号公報
【特許文献3】特開2000−321270号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、下流側に接続される分析装置が上流側の分析装置よりも処理速度が遅いことなどに起因して上流側の分析装置を待機モードに設定した場合において、その後この待機モードを解除して分析処理を再開させたときに分析誤差が発生し易くなる不具合を適切に防止することが可能な分析システム、および分析装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0012】
本発明の第1の側面により提供される分析システムは、サンプラによって移送される複数の検体容器に収容されている検体の分析処理を順次行なう第1の分析装置と、この第1の分析装置から前記複数の検体容器を順次受け取って検体の分析処理を行なう第2の分析装置と、を備えており、前記第1の分析装置は、前記第2の分析装置が検体容器を受け取ることが不可能な情況となって、所定数の検体容器が前記サンプラ上に溜められたときには、検体の分析処理を一時的に中断した待機モードに設定され、この待機モードが設定された場合には、前記第1の分析処理において分析処理に利用される所定の機器または部材の性能または品質がこの待機モード時に低下することを防止するための予め定められた動作が実行されるように構成されていることを特徴としている。
【0013】
このような構成によれば、下流側の第2の分析装置が上流側の第1の分析装置よりも分析処理速度が遅いなどの理由から、第1の分析装置が待機モードに設定された際に、第1の分析装置の分析処理に利用される所定の機器または部材の性能または品質が低下することは適切に防止される。したがって、待機モードが解除されて、第1の分析装置による分析処理が再開された際に、分析精度が低くなるという不具合は適切に防止される。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1の分析装置は、前記サンプラによって移送される複数の検体容器のそれぞれから検体を順次取り出して分析処理用の所定部位に分注する分注装置を有しており、この分注装置は、分注用のノズルに連結されたポンプの駆動によって前記ノズル内への検体の吸排出が行なわれた後に、このノズル内に洗浄液を供給することが可能なノズル洗浄機能を有しており、前記第1の分析装置が前記待機モードに設定された場合には、その後に前記待機モードが解除されて前記分注装置が検体容器から検体を取り出す動作を新たに開始する迄に、前記ポンプが駆動されて前記ノズル内に前記洗浄液が供給されるエアパージ動作が行なわれるように構成されている。
【0015】
このような構成によれば、第1の分析装置が待機モードに設定された際に、分注用のノズル内の洗浄液が蒸発し、このノズル内に不当な空気進入が生じたとしても、その後に待機モードが解除されて新たな検体取り出し動作が開始される迄に、前記ノズル内に洗浄液が送り込まれるエアパージ動作が実行され、前記ノズル内の空気がノズルの外部に排出される。したがって、第1の分析装置の待機モード時にノズル内に空気が進入することに起因して検体の分注量に大きな誤差を生じることが適切に防止される。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記エアパージ動作は、前記待機モードの継続時間が所定時間を超えたときにのみ実行されるように構成されている。
【0017】
このような構成によれば、待機モードの継続時間が比較的短く、分注用のノズル内の洗浄液が蒸発して内部に空気が進入する可能性が低いときには、エアパージ動作がなされないために、無駄なエアパージ動作が省略され、洗浄液の節約などを図ることができる。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記エアパージ動作は、前記待機モードの継続時間が前記所定時間に達した時点で開始されるように構成されている。
【0019】
このような構成によれば、エアパージ動作を早期に完了することができるために、たとえば待機モードが解除された以降であって検体の新たな吸入動作を開始する直前にエアパージ動作を行なう場合と比較すると、検体を吸入する動作を迅速に開始することができる利点が得られる。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記待機モードの継続時間が前記所定時間を超えたときには、前記エアパージ動作がその後も一定の時間が経過する都度、繰り返して実行されるように構成されている。
【0021】
このような構成によれば、分注用のノズル内に不当な空気進入を生じたまま検体の新たな吸入動作が開始されることがより徹底して防止される。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記ノズル内への検体の吸入動作は、前記エアパージ動作が行なわれることによって前記ポンプから前記ノズルのノズル口に至る経路にわたって洗浄液が充満した状態において、前記ポンプを駆動させることにより前記ノズル内に所定量だけ空気を吸入させた後に行なわれ、前記ノズル内に吸入された検体と前記洗浄液との間に空気層が形成されるように構成されている。
【0023】
このような構成によれば、分注用のノズル内に検体を吸入させた際に、この検体に洗浄液が接触することが防止され、検体に洗浄液が混合しないようにすることができる。もちろん、前記空気層は、検体と洗浄液とを分離させるのに必要最小限の僅かな量であればよく、この空気層の存在によって分注量に大きな誤差を生じないようにすることが可能である。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1の分析装置は、試験片保管部に収容された複数の試験片を1つずつ前記試験片保管部の外部に取り出してから、前記分注装置によって検体の点着が行なわれる位置に供給する試験片供給手段を備えており、この試験片供給手段は、前記待機モード時には、検体の点着がなされていない未使用の試験片を前記試験片保管部の外部に存在させないように構成されている。
ここで、前記試験片保管部は、底部を試験片の取り出し口とするホッパ状のもの、あるいは底部が閉塞されたボックス状のものなど、種々の構造とすることができる。また、試験片保管部から試験片を1枚ずつ取り出すための具体的な手段としても、回転ドラムやその他の種々の機器を用いることができる。
【0025】
このような構成によれば、第1の分析装置が待機モードとされた際に、未使用の試験片が試験片保管部の外部に存在したままとなって、この試験片の試薬がたとえば大気中の湿気の影響を受けて劣化するといった不具合が好適に防止される。
【0026】
本発明の第2の側面により提供される分析装置は、複数の検体容器を一定の経路で順次移送し、かつ後段に他の分析装置が接続されたときにこの分析装置に対して前記複数の検体容器を順次供給することが可能なサンプラと、このサンプラにより移送される複数の検体容器のそれぞれから検体を順次取り出してこの検体を分析処理用の所定部位に分注する分注装置と、前記他の分析装置との間でデータ通信が可能であり、かつこのデータ通信に基づいて前記他の分析装置が前記サンプラから検体容器を受け取ることが不可能であると判断した場合であって、所定数の検体容器が前記サンプラ上に溜められたときに、検体の分析処理を一時的に中断した待機モードとする制御手段と、を備えており、前記分注装置は、分注用のノズルに連結されたポンプの駆動によって前記ノズル内への検体の吸排出が行なわれた後に、このノズル内に洗浄液を供給することが可能なノズル洗浄機能を有している、分析装置であって、前記分注装置は、前記待機モードが設定された場合には、その後に前記待機モードが解除されて検体容器から検体を取り出す動作が新たに開始される迄に、前記ポンプを駆動させて前記ノズル内に前記洗浄液を供給するエアパージ動作を行なうように構成されていることを特徴としている。
【0027】
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される分析システムの上流側の分析装置として好適に使用することができ、先に述べたのと同様な効果が得られる。
【0028】
また、本発明では、第1の側面により提供される分析システムにおいて、前記第1の分析装置は、検体の分析処理に利用される試験片を内部に保管する試験片保管部と、この試験片保管部から前記試験片を1つずつ取り出して前記検体容器内の検体中に浸漬させる動作が可能な試験片供給手段と、を備えており、前記第1の分析装置が前記待機モードに設定されたときには、検体中への浸漬がなされていない未使用の試験片を前記試験片保管部の外部に存在させないようにして、前記試験片の曝露を防止可能な構成とすることもできる。
なお、試験片とは、一般的には、適当なベース材料に試薬が塗布されて、この試薬の色調の変化に基づいて検体の分析が可能とされたものをいうが、本発明でいう試験片は、これに限らない。本発明でいう試験片とは、たとえば試薬部とこの試薬部に繋がった電極とを備え、検体と試薬との反応状況を電極を介して検出できるように構成されたようなものも含む概念である。もちろん、試験片が使い捨てタイプであるか否かも問わない。
【0029】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0031】
図1および図2は、本発明が適用された分析システムの一実施形態を示している。図1によく表われているように、本実施形態の分析システムASは、たとえば尿の分析処理が可能な第1および第2の分析装置A1,A2が横並びに接続され、第1の分析装置A1から第2の分析装置A2に向けて複数の検体ラック3が1つずつ供給されるように構成されている。各検体ラック3は、検体としての尿を収容した複数の検体容器30を起立保持している。
【0032】
第1の分析装置A1は、たとえば尿に含まれるヘモグロビン、グルコース、あるいはタンパク質などの特定成分の濃度を、後述する試験片60を利用して測定可能とされたものである。この第1の分析装置A1は、分析装置本体1Aの前面下部に、サンプラ2Aが連結された構成を有している。
【0033】
サンプラ2Aは、循環駆動ベルト22a,22bを有する2つの移送路20A,20Bを有しており、移送路20Aの手前側の始端領域Saに検体ラック3が供給されると、これが図示されていないセンサにより検出されて、分析装置本体1Aに向けて矢印N1方向に移送されるようになっている。その後、この検体ラック3は、プッシャ(図示略)によって矢印N2方向に移送される。この矢印N2方向の移送過程においては、後述する分注用のノズル50によって、複数の検体容器30のそれぞれから検体が所定量だけ順次取り出される。このような検体の取り出しを終えた検体ラック3は、その後矢印N3方向に移送されて移送路20Bの終端領域Eaに到達する。この終端領域Eaに検体ラック3が到達したときには、その旨がセンサ(図示略)により検出され、プッシャ26によって第2の分析装置A2に向けて矢印N4方向に送られる。ただし、第2の分析装置A2が検体ラック3を適切に受け取ることが可能な情況にないときには、プッシャ26は停止したままである。このような情況が継続すると、後述するように、制御部4の制御によって第1の分析装置A1は待機状態とされ、新たな検体の分析処理は中止された状態となる。
【0034】
図2に示すように、始端領域Saに検体ラック3が供給される動作は、たとえば補助サンプラ8Aを利用して行なわれる。この補助サンプラ8Aは、その上面上に複数の検体ラック3が順次投入された場合に、これらを矢印N20方向に移送させてから待機させておき、始端領域Saに検体ラック3が存在しない状態になると、始端領域Saに向けて矢印N21に示すように検体ラック3を供給するように構成されている。サンプラ2Aの一側壁には、補助サンプラ8Aから始端領域Saに向けて検体ラック3を通過させるための切欠き部25Aが設けられている。
【0035】
分析装置本体1Aは、図3に示すように、ノズル洗浄機能を有する分注装置5や、試験片供給装置6を備えている。
【0036】
試験片供給装置6は、尿分析用の試薬部を有する試験片60を所定のポジションP1に供給するためのものであり、複数の試験片60を収容するホッパ61(本発明でいう試験片保管部の一例に相当する)と、このホッパ61から試験片60を1枚ずつ取り出すための回転ドラム62とを備えている。ホッパ61は、その上部開口が蓋61aにより閉塞され、かつその底部開口が回転ドラム62によって閉塞されるなどして、ある程度の密閉性を有しており、このホッパ61内は、試験片60の品質低下を防止するのに適した雰囲気とされている。回転ドラム62は、その外周面に試験片60を1枚のみ嵌入可能とする凹部62aを有しており、この回転ドラム62が回転することによって凹部62aに嵌入した試験片60はホッパ61の外部に移送されてから、一対のガイド63内に投入されるようになっている。これら一対のガイド63内に投入された試験片60は、図示されていない移送装置により、所定のポジションP1に移送され、このポジションP1において試験片60の試薬部に対して検体の点着(分注)が行なわれる。この分析装置本体1Aには、試薬部に検体が点着された場合の反応を光学的に計測するための計測手段(図示略)が設けられており、この計測手段により計測されたデータに基づいて、検体中の特定成分の濃度が求められるようになっている。
【0037】
分注装置5としては、従来既知のもの(たとえば特許文献3に記載のもの)と同様な構成とすることが可能であり、分注用のノズル50、蒸留水などの洗浄液を貯留した洗浄液槽51、シリンジポンプ52A,52B、三方弁などの方向切換弁53、および洗浄液槽51からノズル50まで一連に形成された洗浄液流路54を備えている。洗浄液流路54は、適当なチューブを用いて構成されている。ノズル50は、図示されていないアクチュエータなどの駆動により、上下ならびに水平方向に移動自在であり、前記したポジションP1に加えて、サンプラ2Aによって移送される検体ラック3から検体の取り出しを行なうためのポジションP2や、洗浄用容器55が設置されたポジションP3にも移動可能である。
【0038】
分注装置5の概略の動作を説明すると、まず初期設定として、ノズル50内および洗浄液流路54内の全域に洗浄液が満たされた状態にしておく。これは、シリンジポンプ52Aを動作させて洗浄液槽51から洗浄液をシリンジポンプ52Aのシリンジ内に吸入させた後に、この洗浄液をノズル50側に向けて吐出させることによって行なうことができる。この初期設定状態では、図4(a)に示すように、ノズル50内は、洗浄液Wで満たされた状態である。次いで、ノズル50内に検体を吸引する場合には、ノズル50をポジションP2に移動させてから検体を吸引させるが、その直前には、シリンジポンプ52Bを駆動させてノズル50側の洗浄液を微小量だけ吸引し、図4(b)に示すように、ノズル50内に若干量だけ空気を流入させる。このようにすると、その後シリンジポンプ52Bをさらに駆動させてノズル50内に検体を吸入させたときには、図4(c)に示すように、ノズル50内における検体Uと洗浄液Wとの間に空気層90が形成され、検体Uに洗浄液Wが混入することが防止される。検体Uを試験片60に点着する動作は、ノズル50をポジションP1に移動させてから、シリンジポンプ52Bを所定量だけ動作させて、検体Uをノズル口50aから吐出させることにより行なわれる。
【0039】
前記した検体Uの点着動作後には、ノズル50の洗浄動作が行なわれる。この洗浄動作は、ノズル50がポジションP3に移動して洗浄用容器55内に進入した状態において、シリンジポンプ52Aを駆動させてノズル50内に洗浄液を送り込むことにより行なわれる。この動作によって、ノズル50内に残留する検体Uが外部に吐出されて、ノズル50内が洗浄液により洗浄される。また、洗浄用容器55内に供給された洗浄液によってノズル50の外面も洗浄される。洗浄用容器55内に供給された洗浄液は、空気ポンプ56や複数の開閉弁Vの切り換え動作により、中間ボトル57を経て廃液槽58に供給される。
【0040】
図1および図2において、第2の分析装置A2は、第1の分析装置A1のサンプラ2Aから検体ラック3を受け取り、かつこの検体ラック3の検体容器30に収容されている検体について、第1の分析装置A1とは異なる項目の分析処理を行なうように構成されている。この第2の分析装置A2の分析処理項目は、たとえば尿中の有形成分分析であり、その分析処理速度は、第1の分析装置A1の分析処理速度よりも遅い。
【0041】
第2の分析装置A2は、前記した分析処理を行なうための各種の機器(図示略)が設けられた操作装置本体1Bと、その前面下部に連結されたサンプラ2Bとを備えている。サンプラ2Bは、上部が凹溝状に形成された接続部材29を介してサンプラ2Aに接続されており、接続部材29によって検体ラック3の移送ガイドを行なわせながら、この検体ラック3をサンプラ2Aからサンプラ2Bに1つずつ送り込むことが可能である。サンプラ2Bは、サンプラ2Aと同様な構成であって、循環駆動ベルト22a’,22b’が設けられた移送路20A’,20B’を有しており、移送路20A’の始端領域Sa’に検体ラック3が供給されると、これを矢印N5〜N7方向に順次移送させて移送路20B’の終端領域Ea’に到達させるように構成されている。この終端領域Ea’に到達した検体ラック3は、その後プッシャ26’を利用して切欠き部25Bに向けて矢印N22方向に押動され、サンプラ2Bの外部に排出される。
【0042】
図2の仮想線に示すように、サンプラ2Bには、たとえば補助サンプラ8Bが接続されており、終端領域Ea’から排出された検体ラック3は、この補助サンプラ8B上に供給される。この補助サンプラ8Bは、検体ラック3を受けると直ちにこれを矢印N23方向に移送させるように構成されており、複数の検体ラック3をストックさせておくことが可能である。
【0043】
第2の分析装置A2の分析装置本体1Bには、たとえば検体容器30が矢印N6方向に移送される際に検体の取り出しを行なってこの検体を所定の測定部位に分注するためのノズル50’や、尿中の有形成分分析を画像解析の手法を用いて実行するためのCCDカメラなどの分析用機器(いずれも図示略)が設けられている。
【0044】
第1および第2の分析装置A1,A2は、検体の分析処理などを実行するための各部の動作制御やデータ処理制御を実行する制御部4A,4Bを有している。これらの制御部4A,4Bは、ともにCPUや各種のメモリを具備して構成されたものであって、通信線Lを利用してデータ通信を行なうための信号入出力部40a,40bを備えている。制御部4A,4B間においては、検体ラック3の受け渡しを制御するためのデータ通信が実行される。より具体的には、サンプラ2Aの終端領域Eaに検体ラック3が到達してその旨が所定のセンサにより検出されると、制御部4Aは、制御部4Bに対してその旨の信号を出力する。これに対応して、制御部4Bが検体ラック3を受け取ることを許容する旨の所定の応答信号を制御部4Aに返信したときには、制御部4Aは、プッシャ26を動作させて検体ラック3を矢印N4方向に押動し、サンプラ2Bに供給する。前記の応答信号が返信されてこない場合には、前記の応答信号が返信されてくる迄、プッシャ26は停止状態を維持する。前記の応答信号は、たとえばサンプラ2Bの始端領域Sa’に他の検体ラック3が存在せず、かつ移送路20A’のベルト22a’が停止状態にあるときに返信されてくる。
【0045】
サンプラ2Aは、移送路20B上に複数(たとえば、数個程度)の検体ラック3を並べて溜めておくことが可能となっており、第2の分析装置A2への検体ラック3の供給が比較的長時間停止された場合には、移送路20B上に複数の検体ラック3が溜まった状態となる。制御部4Aは、移送路20B上に所定数nの検体ラック3が溜まったときには、第1の分析処理装置A1を待機モードとする。この待機モード時には、分注用のノズル50内の洗浄液が蒸発してその内部に空気が進入する虞があるが、制御部4はこれに対処するための所定の制御を実行する。これらの詳細については、後述する。
【0046】
次に、前記した分析システムASの作用について説明する。併せて、制御部4Aの動作処理手順の一例を、図7に示したフローチャートを参照して説明する。
【0047】
まず、図2に示された補助サンプラ8Aからサンプラ2Aの始端領域Saに検体ラック3が供給されると、この検体ラック3は、既述したように、サンプラ2A上を矢印N1〜N3で示した経路で順次移送され、かつその移送過程において分注用のノズル50によって検体が取り出されるなどして所定の検体分析処理が実行される(S1:YES,S2)。検体ラック3が終端領域Eaに到達すると、制御部4Aは、第2の分析装置A2がこの検体ラック3を受け取り可能な状態にあるか否かを制御部4Bとのデータ通信に基づいて判断し、受け取り可能であると判断したときには、プッシャ26を動作させて、検体ラック3を第2の分析装置A2の始端領域Sa’に供給する(S3:YES,S4:YES,S5)。この場合、その後第2の分析装置A2においては、検体ラック3が矢印N5〜N7で示した経路で順次移送されるとともに、分注用のノズル50’によって検体が取り出されるなどして、所定の検体分析処理が実行され、この分析処理を終えた検体の検体ラック3は、最終的に補助サンプラ8B上に供給されてストックされる。
【0048】
この分析システムASにおいては、第2の分析装置A2の方が第1の分析装置A1よりも検体の分析処理速度が遅いために、この分析システムASの各部が正常に動作している場合であっても、稼働開始から暫くの時間が経過すると、第2の分析装置A2が第1の分析装置A1から受け取り不可能な状況となる。この状況は、サンプラ2Aの終端領域Eaに検体ラック3が到達したにも拘わらず、サンプラ2Bの始端領域Sa’の検体ラック3が矢印N5方向に未だ移送されていない状況である。このような状況下においても、第1の分析装置A1は直ちに停止することはなく、始端領域Saに供給されてくる検体の移送およびその処理が継続されるために、サンプラ2Aの移送路20B上には複数の検体ラック3が順次貯留する。制御部4Aは、このような検体ラック3の貯留数が、所定数nに達すると、第1の分析装置A1を待機状態し、分析処理を中止する(S4:NO,S6:YES,S7)。ここで、所定数nは、移送路20B上に貯留可能な数であればいずれでもよく、最小数として「1」とすることも可能である。
【0049】
待機モードを設定する場合、検体の分析処理が丁度実行されている際にこの処理を途中で中断することは適切ではない。このため、待機モードは、そのような中断を生じないタイミングで設定される。試験片供給装置6においては、回転ドラム62の駆動が停止され、ホッパ61内の試験片60がホッパ61の外部に新たに取り出されないようにされる。試験片60が、既にホッパ61の外部に取り出されている場合には、この試験片60を利用した分析処理を完了した後に、前記待機モードが設定される。このようにすると、未使用の試験片60がホッパ61の外部に長時間晒されることがなく、品質低下を防止することができる。
【0050】
制御部4Aは、前記待機モードを設定したときには、この待機モードの継続時間を計測するためのタイマをセットする(S8)。その後、第2の分析装置A2が検体ラック3を受け取り可能な状況となって、第2の分析装置A2に検体ラック3を供給させていくことにより移送路20B上の検体ラック3の貯留数が所定数mまで減少すると、制御部4は、その時点で待機モードを解除し、第1の分析装置A1による検体分析処理を再開させる(S9:YES,S10,S11:YES,S12)。所定数mは、先に述べた所定数nよりも小さい値であればよく、ゼロでもよい。
【0051】
一方、前記した場合とは異なり、待機モードが解除されることなく、この待機モードが所定時間継続することによって前記タイマがタイムアップになると、制御部4は、その時点で分注装置5にエアパージ動作を実行させる(S9:NO,S11:NO,S13:YES,S14)。このエアパージ動作は、図3に示したシリンジポンプ52Aを駆動させて、そのシリンジ内に洗浄液槽51内の洗浄液を一旦吸入させた後に、この洗浄液を前記シリンジから分注用のノズル50側に吐出させることにより行なう。この場合のノズル50内への洗浄液の送り込み量は、ノズル50から洗浄液が吐出されて、このノズル50内に洗浄液が充満した状態が保証される程度の量とする。待機モードがある程度の時間にわたって継続すると、ノズル50内の洗浄液が蒸発し、図5(a)に示すように、ノズル50内に空気が流入する虞がある。前記したエアパージ動作は、そのような空気をノズル50の外部に追い出すものであり、この動作を実行することにより、同図(b)に示すように、ノズル50内は洗浄液が充満した状態となる。
【0052】
前記したエアパージ動作を行なうと、その後に待機モードが解除されて検体の分析処理が再開された場合に、検体の分注処理を適切に行なうことが可能となる。この点を図6に示す対比例を用いて説明する。まず、待機モード時に洗浄液が蒸発し、図6(a)に示すようにノズル50内に空気が流入した状態のままで、その後同図(b),(c)に示すように、若干量の空気を吸入させてから、検体Uをノズル50内に吸入させると、空気層の長さs2は、図4(c)の空気層90の長さs1よりもかなり長くなる。一方、空気層のボリュームが大きいほど、洗浄液を吐出する際の吐出量に誤差を生じ易くなる。したがって、図6に示した対比例では、ノズル50内の検体Uを吐出させて試験片60への点着を行なう場合に、その点着量に誤差を生じ易くなる。これに対し、本実施形態においては、そのような虞は少なく、待機モードの解除後においても、図4(a)〜(c)に示したような状態での検体吸入が可能であり、試験片60に対する検体Uの点着量を正確なものとすることができる。
【0053】
本実施形態においては、待機モードが所定時間以上継続した場合に限り、エアパージ動作が実行されている。すなわち、待機モード時間が短く、分注用のノズル50内に空気が進入している可能性が殆どない場合には、エアパージ動作は実行されない。このため、エアパージ動作が効果的に行なわれることとなって、洗浄液の消費量を抑制することが可能である。ただし、本発明では、本実施形態とは異なり、待機モードが設定される都度、エアパージ動作が実行されるように構成してもよい。
【0054】
また、本実施形態においては、エアパージ動作が実行された後には、前記タイマがリセットされ、待機モードがなおも継続することにより前記タイマが再度タイムアップになると、前記したエアパージ動作が再度繰り返される(S14,S8,S9:NO,S13:YES)。すなわち、待機モードが長時間継続した場合には、一定時間が経過する都度、エアパージ動作が実行される。したがって、待機モードが解除された時点で、ノズル50内に空気が進入している可能性を少なくするのにより好ましいものとなる。
【0055】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る分析システム、および分析装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0056】
エアパージ動作の実行時期については、たとえば検体の吸引動作を実行する直前の時期(図4では、同図(b)の動作を行なう直前)とすることもできる。
【0057】
本発明は、分析装置を3台以上接続したシステムにも適用することができる。この場合、3台以上の分析装置のうち、互いに接続されたいずれか2つの分析装置が、本発明でいう第1および第2の分析装置の関係にあれば、この構成は、本発明の技術的範囲に包摂されることとなる。本発明でいう第2の分析装置は、第1の分析装置から複数の検体容器を順次受け取って検体の分析処理を行なう構成であればよく、たとえば第1の分析装置に具備されているような分析装置を具備している必要はない。
【0058】
本発明に係る分析装置は、尿の特定成分の濃度測定を行なうものに限らず、たとえば血液の特定成分の濃度測定を行なうものとすることもでき、検体の具体的な種類や、分析処理の具体的内容は、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る分析システムの一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す分析システムの概略平面図である。
【図3】図1および図2に示す分析システムを構成する第1の分析装置の概略構成を示す説明図である。
【図4】(a)〜(c)は、分注用のノズル内に検体を吸引する一連の工程を示す説明図である。
【図5】(a),(b)は、待機モード時に実行されるエアパージ動作の工程を示す説明図である。
【図6】(a)〜(c)は、本発明との対比例を示す説明図である。
【図7】図1および図2に示された第1の分析装置の制御部で実行される動作制御の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
AS 分析システム
A1 第1の分析装置
A2 第2の分析装置
Sa,Sa’ 始端領域
Ea,Ea’ 終端領域
1A,1B 分析装置本体
2A,2B サンプラ
3 検体ラック
4A,4B 制御部(制御手段)
5 分注装置
6 試験片供給装置(試験片供給手段)
20A,20B 移送路
30 検体容器
40 信号入出力部
50 分注用のノズル
51 洗浄液槽
52A,52B シリンジポンプ(ポンプ)
60 試験片
61 ホッパ(試験片保管部)
62 回転ドラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプラによって移送される複数の検体容器に収容されている検体の分析処理を順次行なう第1の分析装置と、
この第1の分析装置から前記複数の検体容器を順次受け取って検体の分析処理を行なう第2の分析装置と、を備えており、
前記第1の分析装置は、前記第2の分析装置が検体容器を受け取ることが不可能な情況となって、所定数の検体容器が前記サンプラ上に溜められたときには、検体の分析処理を一時的に中断した待機モードに設定され、
この待機モードが設定された場合には、前記第1の分析処理において分析処理に利用される所定の機器または部材の性能または品質がこの待機モード時に低下することを防止するための予め定められた動作が実行されるように構成されていることを特徴とする、分析システム。
【請求項2】
前記第1の分析装置は、前記サンプラによって移送される複数の検体容器のそれぞれから検体を順次取り出して分析処理用の所定部位に分注する分注装置を有しており、
この分注装置は、分注用のノズルに連結されたポンプの駆動によって前記ノズル内への検体の吸排出が行なわれた後に、このノズル内に洗浄液を供給することが可能なノズル洗浄機能を有しており、
前記第1の分析装置が前記待機モードに設定された場合には、その後に前記待機モードが解除されて前記分注装置が検体容器から検体を取り出す動作を新たに開始する迄に、前記ポンプが駆動されて前記ノズル内に前記洗浄液が供給されるエアパージ動作が行なわれるように構成されている、請求項1に記載の分析システム。
【請求項3】
前記エアパージ動作は、前記待機モードの継続時間が所定時間を超えたときにのみ実行されるように構成されている、請求項2に記載の分析システム。
【請求項4】
前記エアパージ動作は、前記待機モードの継続時間が前記所定時間に達した時点で開始されるように構成されている、請求項3に記載の分析システム。
【請求項5】
前記待機モードの継続時間が前記所定時間を超えたときには、前記エアパージ動作がその後も一定の時間が経過する都度、繰り返して実行されるように構成されている、請求項4に記載の分析システム。
【請求項6】
前記ノズル内への検体の吸入動作は、前記エアパージ動作が行なわれることによって前記ポンプから前記ノズルのノズル口に至る経路にわたって洗浄液が充満した状態において、前記ポンプを駆動させることにより前記ノズル内に所定量だけ空気を吸入させた後に行なわれ、前記ノズル内に吸入された検体と前記洗浄液との間に空気層が形成されるように構成されている、請求項2ないし5のいずれかに記載の分析システム。
【請求項7】
前記第1の分析装置は、試験片保管部に収容された複数の試験片を1つずつ前記試験片保管部の外部に取り出してから、前記分注装置によって検体の点着が行なわれる位置に供給する試験片供給手段を備えており、
この試験片供給手段は、前記待機モード時には、検体の点着がなされていない未使用の試験片を前記試験片保管部の外部に存在させないように構成されている、請求項2ないし6のいずれかに記載の分析システム。
【請求項8】
複数の検体容器を一定の経路で順次移送し、かつ後段に他の分析装置が接続されたときにこの分析装置に対して前記複数の検体容器を順次供給することが可能なサンプラと、
このサンプラにより移送される複数の検体容器のそれぞれから検体を順次取り出してこの検体を分析処理用の所定部位に分注する分注装置と、
前記他の分析装置との間でデータ通信が可能であり、かつこのデータ通信に基づいて前記他の分析装置が前記サンプラから検体容器を受け取ることが不可能であると判断した場合であって、所定数の検体容器が前記サンプラ上に溜められたときに、検体の分析処理を一時的に中断した待機モードとする制御手段と、を備えており、
前記分注装置は、分注用のノズルに連結されたポンプの駆動によって前記ノズル内への検体の吸排出が行なわれた後に、このノズル内に洗浄液を供給することが可能なノズル洗浄機能を有している、分析装置であって、
前記分注装置は、前記待機モードが設定された場合には、その後に前記待機モードが解除されて検体容器から検体を取り出す動作が新たに開始される迄に、前記ポンプを駆動させて前記ノズル内に前記洗浄液を供給するエアパージ動作を行なうように構成されていることを特徴とする、分析装置。
【請求項9】
前記第1の分析装置は、検体の分析処理に利用される試験片を内部に保管する試験片保管部と、この試験片保管部から前記試験片を1つずつ取り出して前記検体容器内の検体中に浸漬させる動作が可能な試験片供給手段と、を備えており、
前記第1の分析装置が前記待機モードに設定されたときには、検体中への浸漬がなされていない未使用の試験片を前記試験片保管部の外部に存在させないようにして、前記試験片の曝露を防止可能な構成とされている、請求項1に記載の分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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