説明

分析方法、及び該分析方法に用いる装置

【課題】 キャピラリー電気泳動、及び検出装置を組み合わせて、陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性物質を一括して分離、検出できる分析方法を提供する。
【解決手段】
キャピラリー電気泳動装置、及び検出装置を用いる分析方法であって:
該キャピラリー電気泳動装置に、充填剤の充填領域、及び非充填領域を有する分離用キャピラリーを装着する工程;
該分離用キャピラリーにおいて、該充填領域と該非充填領域との境界面に、分析試料を配置する工程;
該分離用キャピラリーに電圧を印加する工程;
該分離用キャピラリー内に該分析試料中の被分離物質を移動させるのに必要な圧力を加える工程;及び
前記工程で得られた各分画を検出装置で分析する工程を有する、該分析方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
キャピラリー電気泳動装置、及び検出装置を組み合わせて用いる分析方法に関する。さらに詳細に述べると、分離用キャピラリーの改良することにより、陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性物質を一括して分離検出することを可能にした分析方法、及び該分析方法に用いる装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、食品工業、製薬業、化学工業等における研究、開発及び品質管理において、陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性物質が様々な方法で分離、検出を行ってきた。
しかし、これらの検出はそれぞれの物質の性質に応じて、個別に行われてきた。例えば、陰イオン性物質を分離、検出する場合、イオンクロマトグラフィー(IC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、キャピラリー電気泳動(CE)などの方法がある。そして、高感度で高選択性を有するキャピラリー電気泳動/質量分析装置(CE/MS)を用いたイオン性物質の分析法も開発されているが(特許文献1)、やはり陽イオン性、及び非イオン性物質は個別に分離、検出する必要があった。
【0003】
また、同様に各種アミノ酸を分離、分析する場合、やはり従来から様々な方法が使用されており、短時間で一括してアミノ酸を分析することができるキャピラリー電気泳動/質量分析装置(CE/MS)を用いた分析方法も開発されているが(特許文献2)、該方法は、陽イオン性物質、及び陰イオン性物質を個別に測定する必要があり、さらに非イオン性物質に適用することはできなかった。
また、無機陰イオン、有機酸、アミノ酸、糖類を一括して分析するため、キャピラリー電気泳動を用いて、pH 11.0以上の泳動バッファを使用し、塩基性条件下で、間接吸光度法により、分析する方法が開発されている(特許文献3)。しかし、この方法は、陰イオン性物質を分離、分析する方法であって、陽イオン性物質、及び非イオン性物質は別途分析する必要があった。
【0004】
さらに、キャピラリー電気泳動と電圧補助マイクロ液体クロマトグラフィーを組み合わせて、酸性、中性、及び塩基性物質を一括して分析する方法(非特許文献1)も開発されている。しかし、該方法は各物質に対する分解能が十分でなく、かつ質量分析計に接続することができないなどの問題があった。
なお、近年、生体内で産生される代謝物質全体を網羅的に解析するメタボロームの研究が進展し、従来のゲノム、プロテオーム等に用いられていた解析技術だけでなく、物質の網羅的研究分野に対応した網羅的な分析技術が特に必要とされている(非特許文献2)。
【特許文献1】特開2003-035698号公報
【特許文献2】特開2001-083119号公報
【特許文献3】特開平11-337524号公報
【非特許文献1】I.S. Lurieらの論文, Analytical Chemistry, Vol.70, p.p. 4563-4569, 1998
【非特許文献2】「LC/イオントラップMSによる大腸菌メタボローム解析システムの解析」、ぶんせき、第11巻、第658頁〜第660頁、2004年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
キャピラリー電気泳動装置、及び検出装置を組み合わせて、陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性物質を一括して分離、検出できる分析方法、及び該分析方法に用いる装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために研究を行った結果、本件発明者は、充填剤が充填された充填領域、及び非充填領域を有する分離用キャピラリーを用いて、分析試料をキャピラリー電気泳動することにより、陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性物質を一括して、効率よく、かつ高分離能で分離できるという知見を得た。本発明は、かかる知見に基づいてなされたものである。
【0007】
したがって、本発明は、キャピラリー電気泳動装置、及び検出装置を用いる分析方法であって:
該キャピラリー電気泳動装置に、充填剤の充填領域、及び非充填領域を有する分離用キャピラリーを装着する工程;
該分離用キャピラリーにおいて、該充填領域と該非充填領域との境界面に、分析試料を配置する工程;
該分離用キャピラリーに電圧を印加する工程;
該分離用キャピラリー内に該分析試料中の被分離物質を移動させるのに必要な圧力を加える工程;及び
前記工程で得られた各分画を検出装置で分析する工程を有する、該分析方法を提供する。
【0008】
さらに本発明は、キャピラリー電気泳動装置、及び検出装置を含む分析装置であって、該分離用キャピラリーが、充填剤の充填領域、及び非充填領域を有するキャピラリーである、分析装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の分析方法、及び装置を使用することにより、陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性物質を効率的に分離し、かつ高い分離能を得ることができ、また、該分離装置を、必要に応じて質量分析計を含む各種検出装置に直接接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
まず、本発明で用いる、キャピラリー電気泳動装置について説明する。図1に示されているように、該電気泳動装置は、分離用キャピラリー2と、陽極3、陰極4、泳動緩衝液5を収納する容器、電源7、ネブライザーガス導入口8、シース液導入口9、及びエアポンプ10を備えている。該陽極は白金電極が好ましい。また、本電気泳動装置では、電源7により、陽極3と陰極4との間に、試料成分の分離に必要な電圧、通常、0.05〜45 kV、好ましくは1〜35 kV、特に好ましくは4〜30 kVの電圧を印加する。また、該キャピラリーに加える圧力は、特に制限する必要はないが、通常、0.005〜100 bar、好ましくは0.005〜20 bar、特に好ましくは0.005〜12 barである。
【0011】
また、前記電圧を印加するする時間は、前記キャピラリーの長さ、内径、試料の性質などで異なるが、通常、0.5〜360分間、好ましくは1〜90分間、特に好ましくは5〜60分間である。
前記キャピラリーは、図1の泳動緩衝液を入れた容器を密閉し、エアポンプ10などにより加圧される。なお、該電気泳動装置の末端は、検出すべき成分に応じた検出装置に接続されている。該検出装置は、特に制限されないが、電気化学検出器、蛍光検出器、及び質量分析計(MS)などがあり、特に質量分析計が好ましい。
【0012】
本発明で用いる分離用キャピラリーは、充填剤で満たされている充填領域と、非充填領域を有する。該キャピラリーの内径は、分離する試料によって異なるが、通常2μm〜4.6 mm、好ましくは10〜250μm、特に好ましくは20〜100μmである。また、該キャピラリーの長さは、分離する試料によって異なるが、通常0.5〜500 cm、好ましくは1〜200 cm、特に好ましくは5〜100 cmである。また、キャピラリーの該充填領域の長さは、特に制限されるものではないが、全長に対し、通常0.1〜95%、好ましくは0.1〜80%、特に好ましくは0.1〜50%である。
【0013】
前記分離用キャピラリーの充填領域の作製は、汎用されている充填剤を充填する方法に加えて、キャピラリー内にモノリス型の充填剤を形成する方法で行うことができる。該充填剤としては、球形や粉砕型等の形状、その表面の細孔径や細孔容量に特に制限はなく、またその材質もシリカ、アルミナ、ポリスチレン、デキストラン、ポリアクリルアミドなどの様々な材質で調製された充填剤の使用が可能である。またその表面への化学修飾基に関しても、オクタデシル基、オクチル基、アミノプロピル基、フェニル基、光学活性基を始め、様々な化学修飾基を導入することが可能である。またエンドキャッピング処理を行った充填剤も行っていない充填剤の使用も可能である。キャピラリー内で充填剤を作製するモノリス型カラムの場合は、シリカに加えて有機化合物や炭素などにより調製したモノリス体表面に、前記化学修飾基の導入やエンドキャッピング処理を必要に応じて行ったモノリス体を用いることができる。
【0014】
しかし、充填剤を充填する手法を用いて長い充填領域を作製した場合、カラムの背圧が高くなることから、充填領域の長さを短くする、もしくは充填剤の粒子径を大きくするなどの工夫が必要であることから、モノリス型の充填剤の方が好ましい。
【0015】
本発明では、泳動液として、検出にESI-MSを用いる場合、揮発性の溶媒として酢酸、ギ酸、アンモニア、トリエチルアミン、エタノールアミンやそれらの組み合わせた溶液を使用できる。さらに必要に応じてメタノールやアセトニトリルなどを添加して調製した溶液の使用も可能である。さらに添加剤としてペンタデカフルオロオクタン酸(CF3(CF2)7COOH)等を加えることも可能である。該泳動液のpHについては、泳動液のpHが試料の官能基の解離状態を反映するためpHを低くするほど、多くの試料がプラスの電荷を帯びている可能性が高いことから、陽イオン性物質の高速分離に適しており、逆にpHを高くするほど、多くの試料がマイナスの電荷を帯びている可能性が高いことから、陰イオン性物質の高速分離に適している。しかし、本発明の分析法は、試料の電荷状態に依存せず、全ての物質の分離を可能にする手法であることから、全てのpH範囲での使用が可能である。
【0016】
さらに検出にESI-MSではなくMALDI-MS、電気化学検出、可視紫外部吸収、蛍光等を使用した場合には、上記の溶液に加えて、リン酸、ホウ酸、Tris溶液又は該溶液にメタノールやアセトニトリルを混合したもの、さらにそれらにトリフルオロ酢酸、1-ペンタスルホン酸Na、1-ヘキサスルホン酸Na、1-ヘプタスルホン酸Naなどを添加した溶液も用いることができる。
また、本発明で分析する試料は、キャピラリーで泳動、及び非電気的に移動できるものであれば特に制限されるものではない。例を挙げると、食品、血液、血清などの生体サンプル、汚水などがあり、さらにキャピラリーの中で破壊できる細胞そのものや、被覆された物質、例えばリポソームなどを試料として用いることができる。
【0017】
次に本発明の試料の成分分離過程について説明する。図2に示すように、充填剤の充填領域と非充填領域を有する分離用キャピラリーを用意する。次いで、該キャピラリーを泳動緩衝液で満たし、加圧などの手段により、分析試料を非充填領域と充填領域の境界面に移動させる。続いて、適切な電圧を印加して陽イオン性物質、及び陰イオン性物質を移動させる。この際、充填領域、及び非充填領域には、その末端にある電極に向い、それぞれ反対の電荷を有する物質が移動する。続いて、電圧の印加を止め、非充填領域側から加圧することにより、電気的中性物質を充填領域に移動させる。加圧を継続することにより、図2のe)に示されているように分離された成分が充填領域末端に移動し、該末端部と連結した検出装置により検出される。なお、図2のc)の電圧の印加とd)非充填領域末端からの加圧を同時に行い、該試料を同時に分離することもできる。
【0018】
次に本発明の試料として細胞を用いる場合の成分分離過程について説明する。図3に示すように、充填剤の充填領域と非充填領域を有する分離用キャピラリーを用意する。次いで、該キャピラリーを泳動緩衝液で満たし、加圧などの手段により、分析する試料細胞を非充填領域と充填領域の境界面に移動させる。続いて、該細胞を、超音波、電気的刺激、イオン強度変化、及び薬物などで破壊した後、適切な電圧を印加して陽イオン性物質、及び陰イオン性物質を移動させる。この際、充填領域、及び非充填領域には、その末端にある電極に向い、それぞれ反対の電荷を有する物質が移動する。続いて、電圧の印加を止め、非充填領域側から加圧することにより、電気的中性物質を充填領域に移動させる。加圧を継続することにより、図3のf)に示されているように分離された成分が充填領域末端に移動し、該末端部と連結した検出装置により検出されることになる。なお、図3のe)の電圧の印加とf)非充填領域末端からの加圧を同時に行い、該試料を同時に分離することもできる。
【実施例】
【0019】
(実施例1)
(分析装置)
キャピラリー電気泳動装置には、Hewlett-Packard 3DCEを用い、検出装置としてエレクトロスプレイ/イオン化質量分析計(ESI-MS)としてAccuTOF(日本電子)を用いた。また、キャピラリーには、全長90 cm、内径75μmのフューズドシリカキャピラリーを用いた。そのカラムの一方の端60 cmに充填剤を充填した。該充填剤は下記の方法で調製した。
【0020】
(充填剤とキャピラリーの調製)
ポリエチレングリコール(分子量1万、Merck社)80 mg、0.01 M 酢酸水溶液 833μl、テトラメトキシシラン(TMOS、東京化成株式会社)333μlを混合し、0℃で45分間攪拌した。該溶液をキャピラリーの充填すべき領域のみ(60 cm)に充填した。該キャピラリーの両端に蓋をし、40℃で一晩放置した後、カラムの洗浄を行った。
【0021】
その後、キャピラリーを1 Mアンモニア水で満たし、90℃で1時間反応させた後、再びカラムを洗浄し、100℃で30分間乾燥させた。次に、クロロトリメトキシシラン(東京化成株式会社)40μl、ジエチルアミン80μl、及びトルエン880μlの混合液でキャピラリー内を満たし、室温で反応をさせた。その後、カラムを洗浄し、分析に使用した。
【0022】
(分離・検出条件)
泳動緩衝液として1 M ギ酸水溶液を、シース液として1%酢酸水溶液/メタノール=1/1(v/v)、又は10 mM アンモニア水/メタノール=1/1(v/v)を用いた。該シース液の流速を10μl/minとした。ESI-MSを用いる検出時のイオン化モードは、陰イオン測定時にはESI-モードで、また陽イオン測定時にはESI+モードとした。ESI+モードでは、リング電圧5 V、オリフィス1電圧30 V、オリフィス2電圧5 V、及びニードル電圧3000 Vとした。またESI-モードでは、リング電圧 -20 V、オリフィス1電圧 -70 V、オリフィス2電圧 -5V、及びニードル電圧 -2000 Vとした。
【0023】
5 barの圧力を20秒間加えることで、分析試料をキャピラリー内に導入した。その後、30 kVの電位差と5 barの圧力差をカラムの両端に印加することで分析を行った。分離を行う電圧の印加は、試料を導入したキャピラリーの端を陽極とし、逆の充填領域の端を陰極とした。
分析試料は、陽イオン性物質として各種アミノ酸、陰イオン性物質として、クエン酸、及びATP、非イオン性物質として、チオ尿素、及び尿素を含む生体内物質の混合液を使用した。
図4に、前記分析試料の混合液を分離し、かつ検出した分析結果のエレクトロフェログラムを示した。
【0024】
図4において、MTは各物質がキャピラリーに導入されてから質量分析計によって検出されるまでの時間を示している。各試料の質量数/電荷(m/z)の数値から±0.1の範囲にあるm/zのイオンのクロマトグラムを示した。例えばGlyは分子量が75.032であり、ESI+で検出した場合、プロトンが1つ付加するため質量数は76.040となり、その時に電荷は+1であることからm/zは76.040となる。そこでm/zが75.940-76.141の範囲にあるイオンを検出したクロマトグラムが図4の一番上のクロマトグラムであり、そのピークをGlyのピークとして、同様に試料溶液に入っている化合物のm/z±0.1の値で作製したクロマトグラムを並べたのが図4である。各ピークの溶出時間を左側に、m/zの値を右側に示した。
【0025】
言い換えると、本分離条件で正電荷を有するGlyは4.959分に、Alaは5.109分に検出された。また非イオン性物質であるチオ尿素(thiourea)、及び負電荷を有するクエン酸は、それぞれ5.942分と5.675分に溶出した。したがって、本発明の方法により、キャピラリー電気泳動、及び検出装置を組み合わせて、陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性物質を一括して分析できることは明らかである。
【0026】
(実施例2)
分離条件が異なる他は、実施例1と同じ条件で前記試料の分析を行った。すなわち、前記試料導入後、最初の2分間は4 barの圧力を加え、次いで、30 kVの電位差を13分間印加し、最後に、30 kVの電位差と4 barの圧力差を45分間、キャピラリーの両端に印加することで分析を行った。前記電圧の印加時には、前記試料を導入したキャピラリーの非充填領域の端を陽極とし、かつ充填領域の端を逆に陰極とした。
【0027】
分析試料の分離、及び検出の結果をエレクトロフェログラムとして図5に示した。本分離条件では、正電荷を有するAlaは18.186分で検出され、また中性物質であるチオ尿素は、19.319分で検出された。この実施例2の結果からも、本発明の方法により、キャピラリー電気泳動、及び検出装置を組み合わせて、陽イオン性、陰イオン性及び非イオン性物質を一括して分析できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明で用いるキャピラリー電気泳動装置の概念図である。
【図2】図2は、本発明で用いる充填/非充填部を有するキャピラリーと、その物質の分離過程を示す図である。
【図3】図3は、分析試料として、細胞を用いた場合の物質の分離過程を示す図である。
【図4】図4は、実施例1で行った分析の結果を示す、エレクトロフェログラムである。
【図5】図5は、実施例2で行った分析の結果を示す、エレクトロフェログラムである。
【符号の説明】
【0029】
1・・・キャピラリー電気泳動装置
2・・・キャピラリー
3・・・陽極
4・・・陰極
5・・・泳動緩衝液
6・・・分離試料の流れ
7・・・電源
8・・・ネブライザーガス導入口
9・・・シース液導入口
10・・・エアポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャピラリー電気泳動装置、及び検出装置を用いる分析方法であって:
該キャピラリー電気泳動装置に、充填剤の充填領域、及び非充填領域を有する分離用キャピラリーを装着する工程;
該分離用キャピラリーにおいて、該充填領域と該非充填領域との境界面に、分析試料を配置する工程;
該分離用キャピラリーに電圧を印加する工程;
該分離用キャピラリー内に該分析試料中の被分離物質を移動させるのに必要な圧力を加える工程;及び
前記工程で得られた各分画を検出装置で検出する工程を有する、該分析方法。
【請求項2】
前記電圧の印加、及び該分析試料中の被分離物質を移動させるのに必要な圧力を加えることを同時に行う、請求項1記載の分析方法。
【請求項3】
前記電圧の印加を停止した後、さらに該分離用キャピラリー内に該分析試料中の被分離物質を移動させるのに必要な圧力を継続的に加える工程を含む、請求項1記載の分析方法。
【請求項4】
該充填剤の充填領域の長さが、該分離用キャピラリー長さの5〜90%である、請求項1記載の分析方法。
【請求項5】
該分離用キャピラリーに印加する電圧が、-50〜50 kVである、請求項1記載の分析方法。
【請求項6】
該分離用キャピラリーに該電圧を0.5〜360分間印加する、請求項1記載の分析方法。
【請求項7】
該分離用キャピラリー内に加える圧力が0.005〜100 barである、請求項1記載の分析方法。
【請求項8】
前記検出装置が、質量分析計である、請求項1記載の分析方法。
【請求項9】
前記分析試料が、細胞、又は被覆に内包された物質である、請求項1記載の方法。
【請求項10】
キャピラリー電気泳動装置、及び検出装置を含む分析装置であって、該分離用キャピラリーが、充填剤の充填領域、及び非充填領域を有するキャピラリーである、分析装置。
【請求項11】
該充填剤の充填領域の長さが、該分離用キャピラリー長さの5〜90%である、請求項9記載の分析装置。
【請求項12】
前記検出装置が、質量分析計である、請求項9記載の分析装置。

【図4】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−40816(P2007−40816A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−224935(P2005−224935)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年8月1日 社団法人日本薬学会物理系薬学部会発行の「第18回 バイオメディカル分析科学シンポジウム講演要旨集」に発表
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】