分析物の決定に関係する方法、混合物、キットおよび組成物
本発明は、質量分析法による分析物の決定に関係する方法、混合物、キットおよび組成物に関する。本発明は、質量分析による分析物(単数または複数)の決定に関する。分析物は、関心のあるいずれの分子であってもよい。複合混合物中の分析物の相対および/または絶対定量を可能にする固有の標識試薬を使用して、分析物を決定することができる。これらの標識試薬は、複合サンプル混合物の分析のためにセットで使用することができ、この場合、標識試薬は、異性体のものおよび/または同重体のものであり得る。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式I(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される化合物:
【化1】
(式中、
Yは、置換されている、または非置換であることがある、および場合によっては支持体に切断可能に連結されていることがある5、6または7員複素環であり、この場合、前記複素環は、基Jに共有結合によって連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;ならびに
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;
R3、R4、R5、R6および/またはR7のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
R3’、R4’、R5’および/またはR6’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項2】
レポーター部分を形成する基Y−Jが、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記基が、下記式I#によって表され(この基はバランス部分を形成する)、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含む、請求項1に記載の化合物:
【化2】
(式中、
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;および
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−である)。
【請求項4】
式Y−Jによって表される基(この基はレポーター部分を形成する)が、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含み、および下記式I#によって表される基(この基はバランス部分を形成する)が、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含む、請求項1に記載の化合物:
【化3】
(式中、
Yは、置換されている、または非置換であることがある、および場合によっては支持体に切断可能に連結されていることがある5、6または7員複素環であり、この場合、前記複素環は、基Jに共有結合によって連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;および
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−である)。
【請求項5】
下記式II(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項1に記載の化合物:
【化4】
(式中、
Wは、前記6員複素環の少なくとも1つのM基を置換し、およびその6員環の窒素に対してオルト、メタまたはパラに位置し、および−N(H)−、−N(R’’)−、−N(R’’’)−、−P(R’’)−、−P(R’’’)−、−O−または−S−である、原子または基であり;
残りの基Mのそれぞれは、他から独立して、−CM’2−であり、式中、それぞれのM’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R8、−OR8、−SR8、−R8’OR8または−R8’SR8であり;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;
それぞれのR’’は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;
それぞれのR’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;
R3、R4、R5、R6、R7、R8および/またはR10のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
R3’、R4’、R5’R6’、R8’および/またはR9’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項6】
下記式III(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項5に記載の化合物:
【化5】
(式中、
sは、1から5の整数であり、およびtは、1から10の整数であり;
R1は、水素、重水素またはR6であり;
R2は、水素、重水素またはR7であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3、他のアルキルまたは−R’’’であり;
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;ならびに
R6、R7および/またはR10のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項7】
前記化合物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項6に記載の化合物:
【化6】
【化7】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;
R1は、水素またはR6であり;
R2は、水素またはR7であり;
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;および
R6および/またはR7は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項8】
前記化合物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項6に記載の化合物:
【化8】
【化9】
【請求項9】
下記式IV(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項5に記載の化合物:
【化10】
(式中、
tは、1から10の整数であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3または−R’’’であり;
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;ならびに
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンであり;および
それぞれのR10は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項10】
前記化合物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項9に記載の化合物:
【化11】
【化12】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;および
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンである)。
【請求項11】
少なくとも1つの同位体富化部位を含む、請求項1、5、6または9のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
2つ以上の同位体濃縮部位を含む、請求項1、5、6または9のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
Zが、ペプチドまたはタンパク質である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
Zが、−OHである、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
Zが、活性エステルの脱離基である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
Zが、N−ヒドロキシスクシンイミドである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が、較正用標準である、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
a)それぞれのサンプルが1つ以上の反応性分析物を含む2つ以上のサンプルと、標識試薬セットの異なる標識試薬とを反応させて、それによって、それぞれが1つ以上の標識された分析物を含む2つ以上の差別的に標識されたサンプルを形成すること[この場合、前記セットの異なる標識試薬は、下記式I’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表され:
【化13】
(式中、
Yは、置換されている、または非置換であることがある、および場合によっては支持体に切断可能に連結されていることがある5、6または7員複素環であり、この場合、前記複素環は、基Jに共有結合により連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R3、R4、R5、R6および/またはR7のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
R3’、R4’、R5’および/またはR6’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)、ならびに
前記セットのそれぞれの異なる標識試薬は、同じ総質量を有するが、それぞれの異なる標識試薬の基Y−J(この基がレポーター部分を形成する)は、1つ以上の同位体濃縮部位において固有にコード化されており、質量分析計内で前記基Y−Jの基Jと前記標識試薬の残部との結合がフラグメント化すると、固有質量のレポーターイオンが生成される];および
b)前記2つ以上の差別的に標識されたサンプルまたはその一部分と、場合によっては1つ以上の較正用標準とを混合して、それによって、サンプル混合物を生成すること
を含む、方法。
【請求項19】
c)前記サンプル混合物またはその画分に関する第一質量分光分析を行うこと;
d)前記第一質量分光分析からの選択質量対電荷比の標識された分析物のイオンを解離エネルギーレベルに付して、それによって、レポーターイオンと前記選択イオンの少なくとも一部の娘フラグメントイオンとを形成すること;および
e)前記選択イオン、レポーターイオンおよび娘フラグメントイオンまたはそれらの画分についての第二の質量分析を行うこと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
f)前記第二質量分析におけるそれぞれのレポーターイオンの総質量および相対量、ならびに前記娘フラグメントイオンの一部またはすべての総質量および/または絶対質量を決定すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
g)前記娘フラグメントイオンの分析により前記選択質量対電荷比に関連する標識された分析物を決定すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
異なる選択質量対電荷比での標識された分析物の選択イオンに対して、工程(d)から(g)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
各回、前記サンプル混合物の異なる画分を用いて、工程(c)から(g)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
基Yが、置換または非置換モルホリン、ピペリジンまたはピペラジン部分である、請求項18から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
それぞれのサンプルが、粗製もしくは加工された細胞溶解物、体液、組織抽出物または細胞抽出物である、請求項18から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
それぞれのサンプルが、分離プロセスからの画分である、請求項18から24のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記分析物のうちの1つ以上が、ペプチドおよび/またはタンパク質である、請求項18から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
Z’によって表される反応性基が、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル(NHSS)、ペンタフルオロフェニルエステル(Pfp)、2−ニトロフェニルエステル、3−ニトロフェニルエステル(3−NP)、4−ニトロフェニルエステル(4−NP)、2,4−ジニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル(Pfp)、ペンタクロロフェニルエステル(Pcp)、3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オンエステル(Dhbt)、ヒドロキシピロリジノンエステル(NHP)、2,4−ジハロフェニルエステル、2,2,2−トリフルオロエタニルエステルまたは1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパニルエステルである活性エステルの脱離基である、請求項18から26のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
固有質量のそれぞれのレポーターイオンによって、それぞれの標識された分析物の源となったサンプルが同定される、請求項19から27のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記セットのそれぞれの異なる標識試薬が、支持体に結合されており、前記支持体には切断可能リンカーによって連結されており、それぞれの異なるサンプルは、前記セットの異なる標識試薬を担持する支持体と反応する、請求項18から29のいずれかに記載の方法であって;前記方法は、工程(b)を行う前に、
i)前記支持体を場合によっては洗浄して、前記標識試薬の反応性基と反応しないサンプルの成分を除去すること;
ii)前記切断可能リンカーを切断して、それによって、それぞれのサンプルが1つ以上の標識された分析物を含む2つ以上の差別的に標識されたサンプルを回収のために放出させること(ここで、特定のサンプルに関連する標識された分析物を、それらに連結された固有質量のレポーター部分により、同定可能および/または定量可能である);および
iii)標識された分析物のそれぞれのサンプルを、それらを混合する前に、場合によっては回収すること
をさらに含む、方法。
【請求項31】
c)それぞれのサンプルを少なくとも1つの酵素で消化して、前記サンプルもしくはサンプル混合物の成分を部分的または完全に分解すること;または
d)前記サンプル混合物を分離すること;または
e)c)とd)の両方
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記第二質量分析において固有質量のそれぞれのレポーターイオンの相対量が、他のレポーターイオンに対して決定される、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記同定された分析物に関連する固有質量のそれぞれのレポーターイオンの相対量を、前記サンプル混合物を形成するために合わせたそれぞれの差別的に標識されたサンプルの量と相関させて、それによって、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の分析物の相対量を決定する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
i)前記サンプル混合物が、前記同定された分析物についての、固有質量のレポーター部分を含む、既知量の較正用標準を含み、および固有質量のそれぞれのレポーターイオンの絶対量が、前記較正用標準に関連する固有レポーターイオンの量を参照することによって決定される;ならびに
ii)前記サンプル混合物のそれぞれの異なるサンプル中の同定された分析物の絶対量が、固有質量のそれぞれの異なるレポーターイオンの相対量を参照して決定される、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
異なる選択質量対電荷比での標識された分析物の選択イオンに対して工程(d)から(g)を1回以上繰り返して、それによって、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上の他の分析物の相対量を同定および/または決定することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
異なる選択質量対電荷比での標識された分析物の選択イオンに対して工程(d)から(g)を1回以上繰り返して、それによって、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上の他の分析物の絶対量を同定および/または決定することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記分析物が、ペプチドであり、ならびに前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上のタンパク質の正体および相対量が、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上のペプチドの正体および相対量に基づいて決定される、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記分析物が、ペプチドであり、ならびに前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上のタンパク質の正体および絶対量が、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上のペプチドの正体および絶対量に基づいて決定される、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記標識試薬が、下記式III’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項18に記載の方法:
【化14】
(式中、
sは、1から5の整数であり、およびtは、1から10の整数であり;
R1は、水素、重水素またはR6であり;
R2は、水素、重水素またはR7であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3、他のアルキルまたは−R’’’であり;
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;
R6、R7および/またはR10のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項40】
少なくとも1つの標識試薬が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項39に記載の方法:
【化14−1】
【化15】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;
R1は、水素またはR6であり;
R2は、水素またはR7であり;
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R6および/またはR7は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項41】
少なくとも1つの標識試薬が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項39に記載の方法:
【化16】
【化17】
【請求項42】
前記標識試薬が、下記式IV’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項18に記載の方法:
【化18】
(式中、
tは、1から10の整数であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3または−R’’’であり;
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンであり;および
それぞれのR10は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項43】
少なくとも1つの標識試薬が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項42に記載の方法:
【化19】
【化20】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;ならびに
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基である)。
【請求項44】
少なくとも2つの標識された分析物を含む混合物であって、前記少なくとも2つの標識された分析物は、異なるサンプルに由来し、前記混合物のそれぞれの標識された分析物は、下記式I’’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される:
【化21】
(式中、
Yは、置換されている、または非置換であることがある5、6または7員複素環であり、前記複素環は、基Jに共有結合により連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;ならびに
Z’’は、共有結合で連結された分析物であり;この場合、
R3、R4、R5、R6および/またはR7のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;
R3’、R4’、R5’および/またはR6’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンであり;ならびに
基Y−J(この基がレポーター部分を形成する)は、1つ以上の同位体濃縮部位において固有にコード化されており、質量分析計内で前記基Y−Jの基Jと前記標識された分析物の残部との結合がフラグメント化すると、固有質量のレポーターイオンを生じさせ、それによって、2つ以上の標識された分析物それぞれの標識反応が起こったサンプルが同定される)。
【請求項45】
前記分析物の1つ以上が、ペプチドおよび/またはタンパク質である、請求項44に記載の混合物。
【請求項46】
前記分析物の1つ以上が、核酸である、請求項44に記載の混合物。
【請求項47】
前記分析物の1つ以上が、脂質および/またはステロイドである、請求項44に記載の混合物。
【請求項48】
前記分析物の1つ以上が、1500ダルトン未満の質量を有する小分子である、請求項44に記載の混合物。
【請求項49】
前記分析物の2つ以上が、異なる分析物の型である、請求項44に記載の混合物。
【請求項50】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式III’’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項44に記載の混合物:
【化22】
(式中、
sは、1から5の整数であり、およびtは、1から10の整数であり;
R1は、水素、重水素またはR6であり;
R2は、水素、重水素またはR7であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3、他のアルキルまたは−R’’’であり;
Z’’は、共有結合で連結された分析物であり;この場合、
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−またはHS−R9’−であり;
R6、R7および/またはR10のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項51】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項50に記載の混合物:
【化23】
【化24】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;
R1は、水素またはR6であり;
R2は、水素またはR7であり;
Z’’は、共有結合で連結された分析物であり;この場合、
R6および/またはR7は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項52】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項50に記載の混合物:
【化25】
【請求項53】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式IV’’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項44に記載の混合物:
【化26】
(式中、
tは、1から10の整数であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3または−R’’’であり;
Z’’は、共有結合で連結された分析物であり;この場合、
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−またはHS−R9’−であり;
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンであり;および
それぞれのR10は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項54】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項53に記載の混合物:
【化27】
【化28】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;
Z’’は、共有結合で連結された分析物である)。
【請求項55】
請求項1から17のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を含むキット。
【請求項56】
サンプルを差別的に標識することによって、2つ以上の異なるサンプル中の1つ以上の分析物を定量するためのアッセイを行うために選択された、少なくとも1つの追加の試薬をさらに含む、請求項55に記載のキット。
【請求項57】
前記化合物が、固有質量のレポーター部分を含む標識された較正用標準である、請求項55に記載のキット。
【請求項58】
前記化合物が、固有質量のレポーター部分を含む標識試薬である、請求項55に記載のキット。
【請求項59】
a)置換または非置換ジアミンと、置換または非置換ジカルボン酸または酸無水物とを反応させて、それによって、少なくとも1つのアミドまたはチオアミド結合を含むアミノ酸生成物を形成すること;
b)前記アミノ酸生成物と、レポーター部分を含む化合物とを反応させること(この場合、前記レポーター部分を含む化合物は、置換または非置換N−アルキル化酢酸部分と、前記酢酸部分に共有結合で連結された窒素原子とを含む);および
c)前記アミノ酸生成物の酸またはチオ酸基を修飾して、それによって、分析物の官能基と反応することができる反応性基を形成すること(この場合、前記工程(c)の生成物は、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含む)
を含む方法。
【請求項60】
下記式I’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される化合物を生成する、請求項59に記載の方法:
【化29】
(式中、
Yは、5、6または7員複素環であり、前記複素環は、基Jに共有結合により連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;ならびに
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R3、R4、R5、R6および/またはR7のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
R3’、R4’、R5’および/またはR6’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項61】
少なくとも2つの差別的に標識された分析物分子のフラグメント化後に、質量分析計内に存在するフラグメントイオン組成物であって、前記標識された分析物分子のうちの少なくとも1つは、
【化30】
から成る群より選択される式の化合物であり、ならびに
前記フラグメントイオンは、正または負のいずれかの電荷を有する、
フラグメントイオン組成物。
【請求項62】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+、13C3C3H1315N2+、13C3C3H1315NN+、13C2C4H1315NN+、13CC5H1315NN+、13CC5H13N2+またはC6H13N2+を有する、請求項61に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項63】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+または13C3C3H1315N2+を有する、請求項61に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項64】
前記分析物の差別的に標識された分子のフラグメント化によって誘導されたフラグメントイオンを含む混合物であって、前記差別的に標識された分析物分子のフラグメントイオンは、質量分析計内で生成され、ならびに前記差別的に標識された分析物分子の少なくとも一つは、
【化31】
から成る群より選択される式の化合物であり、かつ
前記フラグメントイオンは、正または負のいずれかの電荷を有する、
混合物。
【請求項65】
少なくとも1つのフラグメントイオンが、分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+、13C3C3H1315N2+、13C3C3H1315NN+、13C2C4H1315NN+、13CC5H1315NN+、13CC5H13N2+またはC6H13N2+を有する、請求項64に記載の混合物。
【請求項66】
少なくとも1つのフラグメントイオンが、分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+または13C3C3H1315N2+を有する、請求項64に記載の混合物。
【請求項67】
同重体標識された分析物分子を含む組成物の、質量分析計内での、フラグメント化によって生成されるフラグメントイオンであって、前記分子の少なくとも1つは、
【化32】
から成る群より選択される式の化合物であり、ならびに
前記フラグメントイオンは、正または負のいずれかの電荷を有する、
フラグメントイオン。
【請求項68】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+、13C3C3H1315N2+、13C3C3H1315NN+、13C2C4H1315NN+、13CC5H1315NN+、13CC5H13N2+またはC6H13N2+を有する、請求項67に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項69】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+または13C3C3H1315N2+を有する、請求項67に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項70】
少なくとも2つの差別的に標識された分析物分子を含むサンプル混合物の画分を質量分析計内でイオン化すること;
フラグメント化のために、選択されたm/z値で、前記差別的に標識された分析物分子のうちの少なくとも2つを選択すること;および
解離エネルギーレベルの印加により、前記選択された分析物分子をフラグメント化すること;
によって生成される、フラグメントイオンであって、
この場合、前記差別的に標識された分析物分子の少なくとも1つは、
【化33】
から成る群より選択される式の化合物であり、ならびに
前記フラグメントイオンは、正または負のいずれかの電荷を有する、
フラグメントイオン。
【請求項71】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+、13C3C3H1315N2+、13C3C3H1315NN+、13C2C4H1315NN+、13CC5H1315NN+、13CC5H13N2+またはC6H13N2+を有する、請求項70に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項72】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+または13C3C3H1315N2+を有する、請求項70に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項1】
下記式I(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される化合物:
【化1】
(式中、
Yは、置換されている、または非置換であることがある、および場合によっては支持体に切断可能に連結されていることがある5、6または7員複素環であり、この場合、前記複素環は、基Jに共有結合によって連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;ならびに
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;
R3、R4、R5、R6および/またはR7のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
R3’、R4’、R5’および/またはR6’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項2】
レポーター部分を形成する基Y−Jが、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記基が、下記式I#によって表され(この基はバランス部分を形成する)、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含む、請求項1に記載の化合物:
【化2】
(式中、
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;および
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−である)。
【請求項4】
式Y−Jによって表される基(この基はレポーター部分を形成する)が、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含み、および下記式I#によって表される基(この基はバランス部分を形成する)が、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含む、請求項1に記載の化合物:
【化3】
(式中、
Yは、置換されている、または非置換であることがある、および場合によっては支持体に切断可能に連結されていることがある5、6または7員複素環であり、この場合、前記複素環は、基Jに共有結合によって連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;および
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−である)。
【請求項5】
下記式II(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項1に記載の化合物:
【化4】
(式中、
Wは、前記6員複素環の少なくとも1つのM基を置換し、およびその6員環の窒素に対してオルト、メタまたはパラに位置し、および−N(H)−、−N(R’’)−、−N(R’’’)−、−P(R’’)−、−P(R’’’)−、−O−または−S−である、原子または基であり;
残りの基Mのそれぞれは、他から独立して、−CM’2−であり、式中、それぞれのM’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R8、−OR8、−SR8、−R8’OR8または−R8’SR8であり;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;
それぞれのR’’は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;
それぞれのR’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;
R3、R4、R5、R6、R7、R8および/またはR10のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
R3’、R4’、R5’R6’、R8’および/またはR9’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項6】
下記式III(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項5に記載の化合物:
【化5】
(式中、
sは、1から5の整数であり、およびtは、1から10の整数であり;
R1は、水素、重水素またはR6であり;
R2は、水素、重水素またはR7であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3、他のアルキルまたは−R’’’であり;
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;ならびに
R6、R7および/またはR10のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項7】
前記化合物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項6に記載の化合物:
【化6】
【化7】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;
R1は、水素またはR6であり;
R2は、水素またはR7であり;
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;および
R6および/またはR7は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項8】
前記化合物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項6に記載の化合物:
【化8】
【化9】
【請求項9】
下記式IV(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項5に記載の化合物:
【化10】
(式中、
tは、1から10の整数であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3または−R’’’であり;
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンであり;
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;ならびに
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンであり;および
それぞれのR10は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項10】
前記化合物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項9に記載の化合物:
【化11】
【化12】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;および
Zは、−OH、−SH、−O−V+、−S−V+、反応性基、反応性基の脱離基、または共有結合で連結された分析物であり;この場合、
V+は、正電荷を有する対イオンである)。
【請求項11】
少なくとも1つの同位体富化部位を含む、請求項1、5、6または9のいずれかに記載の化合物。
【請求項12】
2つ以上の同位体濃縮部位を含む、請求項1、5、6または9のいずれかに記載の化合物。
【請求項13】
Zが、ペプチドまたはタンパク質である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項14】
Zが、−OHである、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項15】
Zが、活性エステルの脱離基である、請求項1〜12のいずれかに記載の化合物。
【請求項16】
Zが、N−ヒドロキシスクシンイミドである、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が、較正用標準である、請求項1〜13のいずれかに記載の化合物。
【請求項18】
a)それぞれのサンプルが1つ以上の反応性分析物を含む2つ以上のサンプルと、標識試薬セットの異なる標識試薬とを反応させて、それによって、それぞれが1つ以上の標識された分析物を含む2つ以上の差別的に標識されたサンプルを形成すること[この場合、前記セットの異なる標識試薬は、下記式I’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表され:
【化13】
(式中、
Yは、置換されている、または非置換であることがある、および場合によっては支持体に切断可能に連結されていることがある5、6または7員複素環であり、この場合、前記複素環は、基Jに共有結合により連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R3、R4、R5、R6および/またはR7のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
R3’、R4’、R5’および/またはR6’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)、ならびに
前記セットのそれぞれの異なる標識試薬は、同じ総質量を有するが、それぞれの異なる標識試薬の基Y−J(この基がレポーター部分を形成する)は、1つ以上の同位体濃縮部位において固有にコード化されており、質量分析計内で前記基Y−Jの基Jと前記標識試薬の残部との結合がフラグメント化すると、固有質量のレポーターイオンが生成される];および
b)前記2つ以上の差別的に標識されたサンプルまたはその一部分と、場合によっては1つ以上の較正用標準とを混合して、それによって、サンプル混合物を生成すること
を含む、方法。
【請求項19】
c)前記サンプル混合物またはその画分に関する第一質量分光分析を行うこと;
d)前記第一質量分光分析からの選択質量対電荷比の標識された分析物のイオンを解離エネルギーレベルに付して、それによって、レポーターイオンと前記選択イオンの少なくとも一部の娘フラグメントイオンとを形成すること;および
e)前記選択イオン、レポーターイオンおよび娘フラグメントイオンまたはそれらの画分についての第二の質量分析を行うこと
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
f)前記第二質量分析におけるそれぞれのレポーターイオンの総質量および相対量、ならびに前記娘フラグメントイオンの一部またはすべての総質量および/または絶対質量を決定すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
g)前記娘フラグメントイオンの分析により前記選択質量対電荷比に関連する標識された分析物を決定すること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
異なる選択質量対電荷比での標識された分析物の選択イオンに対して、工程(d)から(g)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
各回、前記サンプル混合物の異なる画分を用いて、工程(c)から(g)を1回以上繰り返すことをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
基Yが、置換または非置換モルホリン、ピペリジンまたはピペラジン部分である、請求項18から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
それぞれのサンプルが、粗製もしくは加工された細胞溶解物、体液、組織抽出物または細胞抽出物である、請求項18から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
それぞれのサンプルが、分離プロセスからの画分である、請求項18から24のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記分析物のうちの1つ以上が、ペプチドおよび/またはタンパク質である、請求項18から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
Z’によって表される反応性基が、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)、N−ヒドロキシスルホスクシンイミジルエステル(NHSS)、ペンタフルオロフェニルエステル(Pfp)、2−ニトロフェニルエステル、3−ニトロフェニルエステル(3−NP)、4−ニトロフェニルエステル(4−NP)、2,4−ジニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル(Pfp)、ペンタクロロフェニルエステル(Pcp)、3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オンエステル(Dhbt)、ヒドロキシピロリジノンエステル(NHP)、2,4−ジハロフェニルエステル、2,2,2−トリフルオロエタニルエステルまたは1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパニルエステルである活性エステルの脱離基である、請求項18から26のいずれかに記載の方法。
【請求項29】
固有質量のそれぞれのレポーターイオンによって、それぞれの標識された分析物の源となったサンプルが同定される、請求項19から27のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
前記セットのそれぞれの異なる標識試薬が、支持体に結合されており、前記支持体には切断可能リンカーによって連結されており、それぞれの異なるサンプルは、前記セットの異なる標識試薬を担持する支持体と反応する、請求項18から29のいずれかに記載の方法であって;前記方法は、工程(b)を行う前に、
i)前記支持体を場合によっては洗浄して、前記標識試薬の反応性基と反応しないサンプルの成分を除去すること;
ii)前記切断可能リンカーを切断して、それによって、それぞれのサンプルが1つ以上の標識された分析物を含む2つ以上の差別的に標識されたサンプルを回収のために放出させること(ここで、特定のサンプルに関連する標識された分析物を、それらに連結された固有質量のレポーター部分により、同定可能および/または定量可能である);および
iii)標識された分析物のそれぞれのサンプルを、それらを混合する前に、場合によっては回収すること
をさらに含む、方法。
【請求項31】
c)それぞれのサンプルを少なくとも1つの酵素で消化して、前記サンプルもしくはサンプル混合物の成分を部分的または完全に分解すること;または
d)前記サンプル混合物を分離すること;または
e)c)とd)の両方
をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
前記第二質量分析において固有質量のそれぞれのレポーターイオンの相対量が、他のレポーターイオンに対して決定される、請求項21に記載の方法。
【請求項33】
前記同定された分析物に関連する固有質量のそれぞれのレポーターイオンの相対量を、前記サンプル混合物を形成するために合わせたそれぞれの差別的に標識されたサンプルの量と相関させて、それによって、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の分析物の相対量を決定する、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
i)前記サンプル混合物が、前記同定された分析物についての、固有質量のレポーター部分を含む、既知量の較正用標準を含み、および固有質量のそれぞれのレポーターイオンの絶対量が、前記較正用標準に関連する固有レポーターイオンの量を参照することによって決定される;ならびに
ii)前記サンプル混合物のそれぞれの異なるサンプル中の同定された分析物の絶対量が、固有質量のそれぞれの異なるレポーターイオンの相対量を参照して決定される、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
異なる選択質量対電荷比での標識された分析物の選択イオンに対して工程(d)から(g)を1回以上繰り返して、それによって、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上の他の分析物の相対量を同定および/または決定することをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
異なる選択質量対電荷比での標識された分析物の選択イオンに対して工程(d)から(g)を1回以上繰り返して、それによって、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上の他の分析物の絶対量を同定および/または決定することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記分析物が、ペプチドであり、ならびに前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上のタンパク質の正体および相対量が、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上のペプチドの正体および相対量に基づいて決定される、請求項34に記載の方法。
【請求項38】
前記分析物が、ペプチドであり、ならびに前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上のタンパク質の正体および絶対量が、前記サンプル混合物を形成するために合わせた2つ以上の差別的に標識されたサンプルそれぞれの中の1つ以上のペプチドの正体および絶対量に基づいて決定される、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記標識試薬が、下記式III’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項18に記載の方法:
【化14】
(式中、
sは、1から5の整数であり、およびtは、1から10の整数であり;
R1は、水素、重水素またはR6であり;
R2は、水素、重水素またはR7であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3、他のアルキルまたは−R’’’であり;
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;
R6、R7および/またはR10のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項40】
少なくとも1つの標識試薬が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項39に記載の方法:
【化14−1】
【化15】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;
R1は、水素またはR6であり;
R2は、水素またはR7であり;
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R6および/またはR7は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項41】
少なくとも1つの標識試薬が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項39に記載の方法:
【化16】
【化17】
【請求項42】
前記標識試薬が、下記式IV’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項18に記載の方法:
【化18】
(式中、
tは、1から10の整数であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3または−R’’’であり;
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−、HS−R9’−、または前記化合物を支持体に切断可能に連結させる切断可能リンカーであり;
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンであり;および
それぞれのR10は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項43】
少なくとも1つの標識試薬が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項42に記載の方法:
【化19】
【化20】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;ならびに
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基である)。
【請求項44】
少なくとも2つの標識された分析物を含む混合物であって、前記少なくとも2つの標識された分析物は、異なるサンプルに由来し、前記混合物のそれぞれの標識された分析物は、下記式I’’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される:
【化21】
(式中、
Yは、置換されている、または非置換であることがある5、6または7員複素環であり、前記複素環は、基Jに共有結合により連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;ならびに
Z’’は、共有結合で連結された分析物であり;この場合、
R3、R4、R5、R6および/またはR7のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;
R3’、R4’、R5’および/またはR6’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンであり;ならびに
基Y−J(この基がレポーター部分を形成する)は、1つ以上の同位体濃縮部位において固有にコード化されており、質量分析計内で前記基Y−Jの基Jと前記標識された分析物の残部との結合がフラグメント化すると、固有質量のレポーターイオンを生じさせ、それによって、2つ以上の標識された分析物それぞれの標識反応が起こったサンプルが同定される)。
【請求項45】
前記分析物の1つ以上が、ペプチドおよび/またはタンパク質である、請求項44に記載の混合物。
【請求項46】
前記分析物の1つ以上が、核酸である、請求項44に記載の混合物。
【請求項47】
前記分析物の1つ以上が、脂質および/またはステロイドである、請求項44に記載の混合物。
【請求項48】
前記分析物の1つ以上が、1500ダルトン未満の質量を有する小分子である、請求項44に記載の混合物。
【請求項49】
前記分析物の2つ以上が、異なる分析物の型である、請求項44に記載の混合物。
【請求項50】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式III’’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項44に記載の混合物:
【化22】
(式中、
sは、1から5の整数であり、およびtは、1から10の整数であり;
R1は、水素、重水素またはR6であり;
R2は、水素、重水素またはR7であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3、他のアルキルまたは−R’’’であり;
Z’’は、共有結合で連結された分析物であり;この場合、
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−またはHS−R9’−であり;
R6、R7および/またはR10のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項51】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項50に記載の混合物:
【化23】
【化24】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;
R1は、水素またはR6であり;
R2は、水素またはR7であり;
Z’’は、共有結合で連結された分析物であり;この場合、
R6および/またはR7は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項52】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項50に記載の混合物:
【化25】
【請求項53】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式IV’’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項44に記載の混合物:
【化26】
(式中、
tは、1から10の整数であり;
R11は、水素、重水素、メチル、−C(H)2D、−C(H)D2、−CD3または−R’’’であり;
Z’’は、共有結合で連結された分析物であり;この場合、
R’’’は、H2N−R9’−、H(R10)N−R9’−、(R10)2N−R9’−、HO−R9’−またはHS−R9’−であり;
それぞれのR9’は、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンであり;および
それぞれのR10は、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルである)。
【請求項54】
少なくとも1つの標識された分析物が、下記式(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される、請求項53に記載の混合物:
【化27】
【化28】
(式中、
*は、適宜、12Cの代わりに13C、および14Nの代わりに15Nを含む、同位体濃縮部位を示し;
Z’’は、共有結合で連結された分析物である)。
【請求項55】
請求項1から17のいずれか一項に記載の少なくとも1つの化合物を含むキット。
【請求項56】
サンプルを差別的に標識することによって、2つ以上の異なるサンプル中の1つ以上の分析物を定量するためのアッセイを行うために選択された、少なくとも1つの追加の試薬をさらに含む、請求項55に記載のキット。
【請求項57】
前記化合物が、固有質量のレポーター部分を含む標識された較正用標準である、請求項55に記載のキット。
【請求項58】
前記化合物が、固有質量のレポーター部分を含む標識試薬である、請求項55に記載のキット。
【請求項59】
a)置換または非置換ジアミンと、置換または非置換ジカルボン酸または酸無水物とを反応させて、それによって、少なくとも1つのアミドまたはチオアミド結合を含むアミノ酸生成物を形成すること;
b)前記アミノ酸生成物と、レポーター部分を含む化合物とを反応させること(この場合、前記レポーター部分を含む化合物は、置換または非置換N−アルキル化酢酸部分と、前記酢酸部分に共有結合で連結された窒素原子とを含む);および
c)前記アミノ酸生成物の酸またはチオ酸基を修飾して、それによって、分析物の官能基と反応することができる反応性基を形成すること(この場合、前記工程(c)の生成物は、少なくとも1つの同位体濃縮部位を含む)
を含む方法。
【請求項60】
下記式I’(その塩形態および/または水和物形態を含む)によって表される化合物を生成する、請求項59に記載の方法:
【化29】
(式中、
Yは、5、6または7員複素環であり、前記複素環は、基Jに共有結合により連結された少なくとも1個の環窒素原子を含み;
Jは、式−CJ’2−によって表される基であり、式中、それぞれのJ’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R3、−OR3、−SR3、−R3’OR3または−R3’SR3であり;
Kは、式−(CK’2)n−または−((CK’2)m−X3−(CK’2)m)p−によって表される基であり、式中、nは、2から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのK’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R4、−OR4、−SR4、−R4’OR4または−R4’SR4であり;
Lは、式−(CL’2)q−または−((CL’2)m−X3−(CL’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのL’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R5、−OR5、−SR5、−R5’OR5または−R5’SR5であり;
1)R1は、水素、重水素またはR6であり、およびR2は、水素、重水素またはR7であるか;
2)R1およびR2は、一緒に、前記2個の窒素原子を架橋する環を形成する、式−(CR’2)q−または−((CR’2)m−X3−(CR’2)m)p−によって表される基であり、式中、qは、1から10の整数であり、それぞれのmは、他から独立して、1から5の整数であり、pは、1から4の整数であり、およびそれぞれのR’は、他から独立して、水素、重水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、−R6、−OR6、−SR6、−R6’OR6または−R6’SR6であり;
X1は、=O、=S、=NHまたは=NR7であり;
それぞれのX2は、他から独立して、=Oまたは=Sであり;
それぞれのX3は、他から独立して、−O−または−S−であり;ならびに
Z’は、反応性基、または反応性基の脱離基であり;この場合、
R3、R4、R5、R6および/またはR7のそれぞれは、他から独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアリールアルキルであり;ならびに
R3’、R4’、R5’および/またはR6’のそれぞれは、他から独立して、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンまたはアルキルアリーレンである)。
【請求項61】
少なくとも2つの差別的に標識された分析物分子のフラグメント化後に、質量分析計内に存在するフラグメントイオン組成物であって、前記標識された分析物分子のうちの少なくとも1つは、
【化30】
から成る群より選択される式の化合物であり、ならびに
前記フラグメントイオンは、正または負のいずれかの電荷を有する、
フラグメントイオン組成物。
【請求項62】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+、13C3C3H1315N2+、13C3C3H1315NN+、13C2C4H1315NN+、13CC5H1315NN+、13CC5H13N2+またはC6H13N2+を有する、請求項61に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項63】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+または13C3C3H1315N2+を有する、請求項61に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項64】
前記分析物の差別的に標識された分子のフラグメント化によって誘導されたフラグメントイオンを含む混合物であって、前記差別的に標識された分析物分子のフラグメントイオンは、質量分析計内で生成され、ならびに前記差別的に標識された分析物分子の少なくとも一つは、
【化31】
から成る群より選択される式の化合物であり、かつ
前記フラグメントイオンは、正または負のいずれかの電荷を有する、
混合物。
【請求項65】
少なくとも1つのフラグメントイオンが、分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+、13C3C3H1315N2+、13C3C3H1315NN+、13C2C4H1315NN+、13CC5H1315NN+、13CC5H13N2+またはC6H13N2+を有する、請求項64に記載の混合物。
【請求項66】
少なくとも1つのフラグメントイオンが、分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+または13C3C3H1315N2+を有する、請求項64に記載の混合物。
【請求項67】
同重体標識された分析物分子を含む組成物の、質量分析計内での、フラグメント化によって生成されるフラグメントイオンであって、前記分子の少なくとも1つは、
【化32】
から成る群より選択される式の化合物であり、ならびに
前記フラグメントイオンは、正または負のいずれかの電荷を有する、
フラグメントイオン。
【請求項68】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+、13C3C3H1315N2+、13C3C3H1315NN+、13C2C4H1315NN+、13CC5H1315NN+、13CC5H13N2+またはC6H13N2+を有する、請求項67に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項69】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+または13C3C3H1315N2+を有する、請求項67に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項70】
少なくとも2つの差別的に標識された分析物分子を含むサンプル混合物の画分を質量分析計内でイオン化すること;
フラグメント化のために、選択されたm/z値で、前記差別的に標識された分析物分子のうちの少なくとも2つを選択すること;および
解離エネルギーレベルの印加により、前記選択された分析物分子をフラグメント化すること;
によって生成される、フラグメントイオンであって、
この場合、前記差別的に標識された分析物分子の少なくとも1つは、
【化33】
から成る群より選択される式の化合物であり、ならびに
前記フラグメントイオンは、正または負のいずれかの電荷を有する、
フラグメントイオン。
【請求項71】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+、13C3C3H1315N2+、13C3C3H1315NN+、13C2C4H1315NN+、13CC5H1315NN+、13CC5H13N2+またはC6H13N2+を有する、請求項70に記載のフラグメントイオン組成物。
【請求項72】
分子式:13C6H1315N2+、13C4C2H1315N2+または13C3C3H1315N2+を有する、請求項70に記載のフラグメントイオン組成物。
【図1−1】
【図1−2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28】
【図29】
【図1−2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図24A】
【図24B】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28】
【図29】
【公表番号】特表2009−524688(P2009−524688A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552544(P2008−552544)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/060921
【国際公開番号】WO2007/087534
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(505123697)アプレラ コーポレイション (21)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【国際出願番号】PCT/US2007/060921
【国際公開番号】WO2007/087534
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(505123697)アプレラ コーポレイション (21)
【Fターム(参考)】
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