説明

分析用の薄膜試料切断器およびそれを用いた蛍光X線分析方法

【課題】分析用の薄膜試料切断器を提供し、薄膜試料の切り取りの作業性を向上させるとともに、薄膜試料の分析精度を向上させることを目的とする。
【解決手段】分析用の薄膜試料Sを円形に切断するための薄膜試料切断器であって、円筒状で、薄膜試料Sに押圧される輪状の下端面22を有する押圧部2と、押圧部2と同心の円柱状または円筒状で軸心回りに回転自在に押圧部2に収納され、下方に突出する複数の刃34を周方向に均等に有している回転部3と、押圧部の上部21を貫通して突出する回転部の上部33に固定される把持部41とを備え、薄膜試料Sを円形に切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析用の薄膜試料を円形に切断する薄膜試料切断器および前記切断器によって切断された薄膜試料を分析する蛍光X線分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
PETフイルム、ポリマー性フイルム、剥離紙、金属ホイルなど多種類の薄膜が多くの産業分野で開発・製造され、いろいろな用途に使用されている。そのため、薄膜の開発や製造段階で、主にこれらの薄膜の表面に施されているコーティングなどの表面処理部分に含まれているSi、Al、Fなどの元素の付着量や表面処理部分の膜厚測定が行われている。また、薄膜材料に含有されている元素や薄膜そのものの膜厚測定も行われている。
【0003】
従来から蛍光X線分析法などにより薄膜試料の分析が行われてきたが、分析を行うときは、この薄膜試料を円形に切り取り、切り取った円形試料を蛍光X線分析用の円筒形試料ホルダにセットして分析を行っている。しかし、厚みが1μm〜数百μmの薄膜試料の1枚を円形に切り取るのに適した切断器は市販されていない。
【0004】
紙、布地などのシート状物を円形に切り取る道具として、工作やアートワーク用としてコンパスの原理を応用したサークルカッターが市販されている。サークルカッターはコンパスで円を描く要領で、回転中心軸の先端をシート状物の平面上の所望の位置に保持し、刃をその回転中心軸を中心にして回転させてシート状物を円形に切り取る。このサークルカッターを薄膜試料の切り取りに使用すると、回転中心軸が薄膜試料の分析面の中心部分と接触するため、薄膜試料の分析部位が汚染したり、傷が付くなどするため、分析試料を切り取る道具としては適していない。また、サークルカッターを用いて薄膜試料を切り取るときに、薄膜試料が移動しないように薄膜試料の一部を作業者が手で押さえて行うが、極薄い薄膜試料であるため、サークルカッターの切断刃の回転力に引っ張られて薄膜試料がひずんだり、皺が寄ったりするために、いびつな円形になり易い。
【0005】
そのため、薄膜試料をはさみで円形に切り取っているが、薄膜試料の厚みが1μm〜数百μmであるため、はさみの刃が薄膜試料に接触すると薄膜試料が変形し易く、いびつな円形や円形の切断面がぎざぎざなどの凹凸状になり易く、真円形状に切り取ることは難しく、長時間を要し、また切り取り作業中に薄膜試料の分析面を汚染させたり、傷付けたりすることがあり、作業性がよくない。
【0006】
従来、薄膜試料を蛍光X線分析方法で分析する場合は、はさみなどで円形に切り取った円形薄膜試料を試料ホルダにセットして分析を行うが、円形薄膜試料の切断面が凹凸状であったり、いびつな円形であったりすると薄膜試料をセットする試料ホルダの円筒部の円筒内径に適合せず、薄膜試料が試料ホルダの分析セット面にぴったりと配置することができず、図7に示すように薄膜試料の全面や一部の面が浮いているために、照射X線に対する薄膜試料の高さの変動により蛍光X線強度の変動が生じ、精度のよい分析を行うことができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたもので、分析用の薄膜試料切断器を提供し、薄膜試料の切り取りの作業性を向上させるとともに、薄膜試料の分析精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の第1構成は分析用の薄膜試料を円形に切断するための薄膜試料切断器であって、円筒状で、前記薄膜試料に押圧される輪状の下端面を有する押圧部と、その押圧部と同心の円柱状または円筒状で軸心回りに回転自在に前記押圧部に収納され、下方に突出する複数の刃を周方向に均等に有している回転部と、前記押圧部の上部を貫通して突出する前記回転部の上部に固定される把持部とを備え、薄膜試料を円形に切断する。
【0009】
本発明の第1構成においては、押圧部は、円筒状であり、薄膜試料を押圧する輪状の下端面と回転部が貫通する上部とを有し、上部で回転部を支持する。円筒の外径および輪状の下端面の内径は切断円の大きさに適合した径に形成すればよく、円筒の外径は切断円径より10〜35mm大きい外径が好ましく、5〜20mm大きい外径がより好ましい。輪状の下端面の内径は切断円径より10〜35mm大きい内径が好ましく、5〜20mm大きい内径がより好ましい。上部は回転部の機構に適合した形状にすることが好ましい。例えば、押圧部はポリエチレンやポリプロピレンなどの高分子樹脂やステンレスなどの金属で形成される。
【0010】
回転部は、押圧部と同心の円柱状または円筒状であり、軸心周りに回転自在に押圧部に収納され、下方に突出する複数の刃を周方向に均等に配置する刃保持部と、押圧部の上部を貫通し把持部が固定される上部とを有している。回転部は、押圧部の上部と把持部とで保持される。押圧部の上部を貫通する回転部の上部は把持部を取り付けて、手で回転する強度に耐えられる直径であればよい。
【0011】
刃保持部は刃固定部と刃止め具とで形成されている。刃固定部は所望の切断径と同径の外径の円筒または円柱が好ましい。刃は両方の長辺に刃を有する両刃かみそりまたは片側の長辺に刃を有する片刃かみそり刃、工作ナイフやアートワークナイフなどの替え刃が好ましく、両刃かみそり刃がより好ましい。1つの輪状の複数部分に複数の刃が周方向に均等に設けられている輪状刃であってもよい。
【0012】
例えば、刃止め具は内径が刃固定部の円筒または円柱の外径と同径か、0.5mm程度小さい内径の円筒の一部で厚み3〜8mmの板材であり、幅は固定する刃の大きさに適合した大きさで形成される。刃固定部と刃止め具の間に刃が挟み込まれ、刃止め具がネジなどで刃固定部に押さえられ刃が所定の位置に固定される。回転部はポリエチレンやポリプロピレンなどの高分子樹脂やステンレスやアルミニウムなどの金属材料で形成される。
【0013】
把持部は、押圧部の上部を貫通する回転部の上部に固定されて、回転させることにより回転部を回転させる。
【0014】
押圧部の上部と前記把持部との間に弾性部材を配置することが好ましく、この弾性部材により把持部および回転部が上方に付勢されて、薄膜試料切断器の未使用時には、刃の先端が押圧部の輪状の下端面よりも上方に位置し押圧部に収納される。使用時には、把持部を下方に押圧することにより、刃の先端が押圧部の輪状の下端面より突出する。
【0015】
本発明の第1構成によれば、薄膜試料の切断円の直近の外周が押圧部の輪状の下端面で押圧されているので、薄膜試料が切断台にしっかり固定され、切断時に、刃の回転押圧力により薄膜試料が回転方向に引っ張られることがなく、短時間で容易に真円状に切断することができる。さらに、回転部が複数の刃を有し、各刃が回転円周上に均等に配置されているので、切断刃の回転押圧力が薄膜試料の切断平面に偏って加わることがなく、均等に加わり、皺や偏りが生じず、容易に真円状に切断することができる。また、複数の刃を有しているので、把持部を1回転未満の操作で薄膜試料を円形に切断することができ、短時間で容易に真円状に切断することができる。
【0016】
薄膜試料が真円状に切断されているので、試料ホルダの分析セット面の内径にぴったりと適合し、所定の分析セット面に撓むことなく、ぴったりと配置することができ、照射X線に対する薄膜試料の高さの変動がなくなり、安定した蛍光X線強度を測定することができ、精度のよい分析を行うことができる。押圧部の上部と前記把持部との間に弾性部材を配置している場合には、この弾性部材により把持部および回転部が上方に付勢されて、薄膜試料切断器の未使用時には、刃の先端が押圧部の輪状の下端面よりも上方に位置し押圧部に収納され、刃が押圧部の輪状の下端面より突出することがなく、使用者の指や手など身体を傷付けることがなく、安全に取り扱うことができる。本発明の薄膜試料切断器は、1枚の薄膜試料を切断するために考え出された切断器であるが、複数枚の薄膜試料を重ねて1度に切断するためにも使用することができる。
【0017】
第1構成にかかる薄膜試料切断器は蛍光X線分析方法以外の分析方法でも使用することができ、例えば、原子吸光分析方法、ICP分光分析法などにおいて、第1構成にかかる薄膜試料切断器を使用して薄膜試料を切断すると、薄膜試料を一定の直径を有する真円状にサンプリングすることができ、切断された薄膜試料は厚さが同一であれば、一定の重量を有し、試料の秤量誤差を軽減することができ、精度のよい分析を行うことができる。
【0018】
本発明の第2構成にかかる蛍光X線分析方法は、第1構成にかかる薄膜試料切断器によって円形に切断された薄膜試料を蛍光X線分析方法で分析する。
【0019】
本発明の第2構成においては、蛍光X線分析用の試料ホルダに第1構成にかかる薄膜試料切断器によって切断された薄膜試料を試料ホルダにセットし、薄膜試料がセットされた試料ホルダを蛍光X線分析装置の分析位置に載置し、測定を開始し、薄膜試料の表面に施されているコーティングなどの表面処理部分に含まれているSi、Al、Fなどの元素の付着量、表面処理部分の膜厚測定、薄膜試料に含有されている元素や薄膜そのものの膜厚測定が行われる。試料ホルダおよび蛍光X線分析装置は従来から用いられている下面型あるいは上面型のどちらを用いてもよい。また、波長分散型蛍光X線分析装置でも、エネルギー分散型蛍光X線分析装置のどちらを用いてもよい。
【0020】
本発明の第2構成によれば、前記の第1構成にかかる薄膜試料切断器によって切断された薄膜試料を分析するので、第1構成と同様の作用効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施形態である蛍光X線分析用の薄膜試料を円形に切断する薄膜試料切断器について説明する。図1に示すように、押圧部2は、円筒状であり、薄膜試料を押圧する輪状の下端面22と、回転部3が貫通する上部21とを有し、上部21で把持部である取っ手41とで回転部3を支持する。円筒の外径は50〜80mmが好ましく、55〜65mmがより好ましい。輪状の下端面の内径は35〜70mmが好ましく、40〜60mmがより好ましい。例えば、円筒の外径は60mm、内径は54mmである。上部21はコイルばね43とカラーリング44の下部が貫通孔24の全周にわたってはめ込まれる輪状溝23が形成されている。例えば、押圧部2はポリエチレンやポリプロピレンなどの高分子樹脂やステンレスやアルミニウムなどの金属で形成される。
【0022】
回転部3は、押圧部2と同心の円柱状であり、その上部33が押圧部の貫通孔24を貫通し、その貫通部分に把持部4である取っ手41が取っ手固定ねじ42で固定されており、刃保持部30で、例えば2枚の刃34を保持しており、取っ手41を回転させることにより、軸心回りに回転する。例えば、刃34は両刃かみそり刃である。刃保持部30は刃固定部32と刃止め具35とで形成されている。例えば、刃固定部32の径は43.7mm、高さ30mmであり、回転部の上部33の径は20mm、高さ25mmである。押圧部の貫通孔24と回転部の上部33とのはめ合は通常の設計値程度でよい。例えば、回転部3はポリエチレンやポリプロピレンなどの高分子樹脂やステンレスやアルミニウムなどの金属材料で形成される。刃止め具35は、例えば、外径54mm、内径43.7mm程度の円筒の半周部分で、幅25mm、厚み5mmの板状に、形成される。
【0023】
図2に示すように、刃固定部32と刃止め具35の間に刃であるかみそり刃34が2枚挟み込まれる。図3に示すように、かみそり刃の刃面37が右側下がりに傾斜した状態で挟み込まれ、刃止め具固定ねじ36を締めることにより刃止め具35が刃固定部32に押さえ付けられ、回転部3の底面よりかみそり刃の刃面37が所定の長さ突出した状態で固定される。図2に示すように、2枚のかみそり刃34は直径44mm(公差+0〜−0.5mm)の刃固定部32の円周上に対向して均等に配置されているので、切断される薄膜試料の直径も44mm(公差+0〜−0.5mm)の円形になる。刃面37が突出する所定の長さは、例えば1.0mm未満程度が望ましい。2枚のかみそり刃34の突出長さが1.0mm未満の同程度になるように刃止め具固定ねじ36の孔径が工夫されている。3枚以上の刃を回転円周上に均等に配置してもよい。図3に示すように、両刃かみそり刃の角を使用すると、4箇所の角を使用することができ、1枚で4回使用することができ替え刃として好ましい。刃はアートワーク用カッターや工作用カッターの替え刃を使用してもよい。
【0024】
押圧部の輪状溝23と取っ手溝45との間に配置された弾性部材であるコイルばね43
により、取っ手41および回転部3が上方に付勢されて、刃34の先端が押圧部の下端面22よりも、例えば2mm程度上方に位置している。コイルばね43の位置ずれ防止のためと回転部3を下方に押し下げた時に、刃が突出し過ぎないためのストッパーとしてカラーリング44がコイルばね43の外側に配置されている。コイルばね43は通常のばね材で製作すればよく、回転部の上部33が貫通できる直径であり、例えば10mm程度の長さであればよい。カラーリング44は、コイルばね43の外形より大きく、輪状溝23と取っ手溝45とが形成する溝に配置できればよく、例えば外径30mm、内径24mm、長さ11mmである。取っ手41を下方に押し下げることによって回転部が下方に押し下げられ、取っ手41を開放することによって、コイルばね43の弾力により回転部3が上方に押し上げられる。取っ手41の上下手動操作が行い易いストローク長が望ましく、例えば1〜数mm程度になるように設計されるのが好ましい。
【0025】
薄膜試料切断器1の操作方法と動作について説明する。薄膜試料を切断するための切断台、例えば市販の工作マットやアートワークのカティング台を準備し、この切断台に分析対象の薄膜試料の測定面を上方にし、所望の測定個所を汚染させないようにして切断台に載置する。薄膜試料切断器1の押圧部2の円筒側面を一方の手で把持し、薄膜試料の所望の測定個所と薄膜試料切断器1の中心がほぼ一致するように、輪状の下端面22を薄膜試料に接触させ、上方から押圧部2を手で押さえ、薄膜試料を固定する。この操作により所望の測定個所の直近周辺が輪状の下端面22で固定される。薄膜試料を輪状の下端面22で固定した状態で、押圧部2を押えていない他方の手で取っ手41を下方に下げ、図1に示されている回転矢印のように、上から見て時計回りの方向に取っ手41を回転させる。この取っ手41の回転により、回転部3に保持されている複数の刃34が回転し、薄膜試料を円形に切断される。取っ手41から手を離し、薄膜試料切断器1を上方に持ち上げると、薄膜試料の所望の測定個所が円形に切断された円形薄膜試料が作製されている。
【0026】
なお、複数の刃を円周上に均等に配置しているので、1回転させなくても薄膜試料を円形に切断できる。図3では、刃面37が右側下がりに傾斜するように配置したが、左側下がりに傾斜するように配置した場合は、取っ手41を図1に示されている回転矢印と逆の方向で、上から見て反時計回りの方向に回転させればよい。操作者が操作し易い方向に刃を配置すればよい。
【0027】
次に、前記した第1実施形態の薄膜試料切断器1によって切断された薄膜試料を分析する本発明の第2実施形態である蛍光X線分析方法について説明する。図4に示す蛍光X線分析用の下面型の試料ホルダ400に第1実施形態の薄膜試料切断器1によって切断されたポリエステルシートSの全面が試料ホルダの分析セット面402に密着するようにセットする。ポリエステルシートSがセットされた試料ホルダ400を下面型の蛍光X線分析装置の分析位置に載置し、測定を開始し、ポリエステルシートSの表面に施されているコーティングに含まれているシリコン(Si)の付着量の測定を行う。
【0028】
試料ホルダ400の内径は、例えば44mm+0.数mm(公差)で製作されている。薄膜試料切断器1によって切断されたポリエステルシートSは、直径44mm(公差0〜−0.5mm)であり、真円状に切断されているので、図4に示すように分析セット面402に密着してセットすることができる。
【0029】
はさみで円形に切り取ったポリエステルシートSがいびつな円形になり、分析セット面402にぴったりと密着して配置することができず、図7に示すようにポリエステルシートSの一部の面が1mm程度浮いている状態で測定した蛍光X線強度Bと、薄膜試料切断器1によって切断されたポリエステルシートSが図4に示すように分析セット面402に密着してセットされた状態で測定した蛍光X線強度Aとの比較データを図5に示す。図5から分かるように、ポリエステルシートSが浮いていると、分析セット面402に密着している状態に比べて、ポリエステルシートSからの蛍光X線強度が小さくなっている。したがって、ポリエステルシートSの浮いている度合によって蛍光X線強度が変動し、分析精度が低下する。
【0030】
それに比べ、薄膜試料切断器1によって切断されたポリエステルシートSは分析セット面402に密着してセットされるので、ポリエステルシートSからの蛍光X線強度を安定して測定することができ、精度のよい分析を行うことができる。
【0031】
図7は、ポリエステルシートSの一部の面が浮いている距離は1mm程度であるが、浮いている状態を分かり易く示すために浮いている距離を大きく描いている。
【0032】
薄膜試料切断器1によって切断されたポリエステルシートSを下面型の試料ホルダ400にセットした場合について上述したが、上面型の試料ホルダにセットして測定した場合も同様の作用効果がある。
【0033】
ポリエステルシートSを測定した蛍光X線分析装置の測定条件を表1に、作成した検量線を図6に、分析結果を表2に示している。表2の分析結果から分かるように分析値と標準値と誤差が少なく、精度のよい良好な分析結果が得られている。
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の第1実施形態である薄膜試料切断器の縦断面図である。
【図2】同切断器の下面図である。
【図3】同切断器のかみそり刃の配置図である。
【図4】同切断器で切断された薄膜試料Sが下面型の試料ホルダにセットされている縦断面図である。
【図5】薄膜試料Sが試料ホルダに密着してセットされた状態と薄膜試料Sが浮いている状態の蛍光X線強度の比較図である。
【図6】第2実施形態の分析方法で作成した検量線図である。
【図7】薄膜試料Sが浮いている状態でセットされた試料ホルダの縦断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 薄膜試料切断器
2 押圧部
3 回転部
21 押圧部の上部
22 輪状の下端面
34 刃
41 把持部(取っ手)
43 弾性部材(コイルばね)
S 薄膜試料(ポリエステルシート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析用の薄膜試料を円形に切断するための薄膜試料切断器であって、
円筒状で、前記薄膜試料に押圧される輪状の下端面を有する押圧部と、
その押圧部と同心の円柱状または円筒状で軸心回りに回転自在に前記押圧部に収納され、下方に突出する複数の刃を周方向に均等に有している回転部と、
前記押圧部の上部を貫通して突出する前記回転部の上部に固定される把持部とを備えた薄膜試料切断器。
【請求項2】
請求項1において、
前記押圧部の上部と前記把持部との間に配置された弾性部材により、前記把持部および回転部が上方に付勢されて、前記刃の先端が前記押圧部の下端面よりも上方に位置している薄膜試料切断器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の薄膜試料切断器によって切断された薄膜試料を分析する蛍光X線分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−39717(P2008−39717A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−217819(P2006−217819)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(000250351)理学電機工業株式会社 (44)
【Fターム(参考)】