説明

分析装置、及び円盤ディスクの回転制御方法

【課題】本発明の目的は、円盤ディスクを用いた自動分析装置において、ランダムに依頼される、前処理時間が異なるサンプルや測定時間が異なるサンプルを高いスループットで処理することに関する。
【解決手段】本発明は、円周上に複数のサンプルポジションを有する円盤ディスクを用いた試料分析において、調節回転,原点回帰回転、及び測定回転を実施することに関する。
調節回転とは、円盤ディスクへのサンプル導入や廃棄のために、所望のサンプルポジションを特定位置に配置する動作である。原点回帰回転とは、円盤ディスクの原点を特定位置に配置する動作である。測定回転とは、円盤ディスクに保持された複数サンプルを測定するために円盤ディスクを所定の速度で回転させる動作である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数試料を保持できる円盤ディスクを備えた分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿等の自動分析装置として、複数試料を保持できる円盤ディスクを備えた分析装置が知られている。当該分析装置においては、円盤ディスクの周囲に検出器と、サンプル導入機構,試薬添加機構、及び洗浄機構等を備えることが一般的である。そして、特定位置から連続的に円盤ディスクにサンプルを導入し、円盤ディスクを回転させながら検出器を動作させることにより、経時的にサンプルシグナルを検出する。
【0003】
円盤ディスクの駆動方法としては、経時的なサンプルシグナルの検出に要する所定時間以内に、円盤ディスクを1回転以上,1方向回転させることが一般的である。これにより、サンプル導入位置が特定位置に固定されていても、経時的にサンプルシグナルを検出し、且つ連続的にサンプルを導入することできる。
【0004】
一例として、反応セルが160個設置された円盤ディスクでサンプル検出を18秒毎に実施する分析装置の場合、4.5秒おきに41個分回転し、18秒で165個(1回転+5個)分回転させる。これにより、サンプル導入位置に配置される反応セルをNo.1,No.42,No.83,No.124,No.5,No.46,No.87,No.128,…No.199,No.160といった順に1測定毎に変更し、経時的なサンプルシグナル検出と、連
続的なサンプル導入を実現する。
【0005】
尚、特開2003−21645号公報(特許文献1)には、円盤ディスクの回転方向及び移動量を変更する自動分析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−21645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明者が、複数サンプルを保持できる円盤ディスクを用いた核酸分析について鋭意検討した結果、次のような知見を得るにいたった。
【0008】
円盤ディスクに核酸含有サンプルを導入する前、サンプルには反応液調整等の前処理を施す必要があるが、この前処理に要する時間が、依頼される分析項目によって異なる場合がある。例えば、DNA増幅検査とRNA増幅検査では前処理が異なる。核酸分析方法としてPCR法を用いた場合、PCR法はDNAを直接増幅できるが、RNAに対しては逆転写酵素を用いて鋳型RNAからDNAを合成する工程が必要となり、前処理時間が大きく異なる。また、核酸分析法としてRNAを鋳型として検出するNucleic Acid Sequence based Amplification法(以下、NASBA法)を用いた場合、NASBA法はRNAを
直接検出できるが、DNAに対しては鋳型DNAを制限酵素処理する工程が必要となり、同様に前処理時間が大きく異なる。また、核酸抽出工程を含めた核酸検査においても、患者検体の違い(血液,血清,血漿,喀痰,尿,便、等)や、抽出対象の鋳型核酸の種類により前処理方法が変化する。つまり、上記のように前処理方法が変化する場合、サンプルを連続的に同じ時間で処理することは非常に困難となる。
【0009】
このため、円盤ディスクを用いてサンプルを連続的に分析する自動分析装置において、前処理時間が異なるアッセイがランダムに依頼される場合、常に一定のタイミングで円盤ディスクにサンプルを導入することができないため、従来の駆動方法で円盤ディスクを制御していると、円盤ディスクに導入されるサンプルが飛び飛びになり、円盤ディスクの最大架設数が減少し、検査スループットを低下させる。
【0010】
また、前処理時間が同じ分析方法でも、測定時間の異なるサンプルがランダムに依頼される場合がある。例えば、増幅させる遺伝子領域の増幅効率は検査項目毎に異なるため、増幅の最大値に達する時間が異なる。より具体的には、NASBA法では、核酸の増幅が最大値に達するまで30秒毎の測定間隔でリアルタイムに測定するが、当該測定時間は、HIVウイルス検査(NucliSENS HIV-1 kit,ビオメリュー社)で60分、Enterovirus検査(NucliSENS Enterovirus kit,ビオメリュー社)で180分と大きく異なる。また、生化学自動分析においても、検査項目によって反応のタイムコースが異なるため測定時間
が異なる。このため、測定時間の短いサンプルと測定時間の長いサンプルが円盤ディスクにランダムに導入される自動分析の場合、測定完了のタイミングがサンプル毎に異なるため、従来の円盤ディスク駆動方法では、測定完了しても測定完了サンプルがサンプル廃棄ポジションに停止するまで測定完了サンプルを廃棄できない。また、サンプル導入の可能なサンプルポジションが他に存在していても、廃棄完了したサンプルポジションがサンプル導入ポジションに来るまで、次のサンプルを導入できない。
【0011】
更に、円盤ディスクを用いた自動分析装置において、前処理時間が異なる分析と、測定時間が異なる分析とがランダムに依頼されると、スループットは極端に低下する。
【0012】
本発明の目的は、円盤ディスクを用いた自動分析装置において、ランダムに依頼される、前処理時間が異なるサンプルや測定時間が異なるサンプルを高いスループットで処理することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、円周上に複数のサンプルポジションを有する円盤ディスクを用いた試料分析において、調節回転,原点回帰回転、及び測定回転を実施することに関する。調節回転とは、円盤ディスクへのサンプル導入や廃棄のために、所望のサンプルポジションを特定位置に配置する動作である。原点回帰回転とは、円盤ディスクの原点を特定位置に配置する動作である。測定回転とは、円盤ディスクに保持された複数サンプルを測定するために円盤ディスクを所定の速度で回転させる動作である。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、前処理時間の異なるサンプルがランダムに依頼されても、円盤ディスクに隙間なくサンプルを導入でき、前処理時間の異なる分析のランダムな依頼に対して、スループットを向上できる。また、測定時間の異なる分析がランダムに依頼されても、サンプルの測定完了後に素早くサンプルを廃棄でき、新規サンプルの導入が可能となり、スループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例における自動分析装置の基本構成を説明する概略図。
【図2】実施例における反応容器移送機構等を説明する概略図。
【図3】実施例における自動分析装置と周辺機器との関連を示す概略図。
【図4】実施例における円盤ディスクやその周辺機構の概略図。
【図5】実施例における円盤ディスク,検出器、及びサンプル導入・廃棄機構の動作フロー図。
【図6】実施例における測定開始動作から測定回転までの動作フロー図。
【図7】実施例における遮蔽ユニット,円盤ディスク,検出器、及びサンプル導入・廃棄機構の動作フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前処理時間が異なる分析を依頼される自動分析装置や、測定時間が異なる分析を依頼される自動分析装置に対して、スループットを最大限に保ちつつ連続的にサンプルを導入又は廃棄可能な円盤ディスクの駆動方法について様々な検討を行った結果、本願発明者は実施例に開示された装置や方法に至った。
【0017】
実施例では、調節回転によってサンプルを導入可能な円盤ディスク上のサンプルポジションを、サンプル導入および廃棄の可能な機構がアクセス可能な導入ポジションに移動させ、サンプル導入機構によってサンプルを導入している。次に、円盤ディスクに導入される全てのサンプルに対して測定間隔を常に一定にするために、原点回帰回転によって円盤ディスクを測定回転の起点となる原点に移動させる。最後に、円盤ディスクを原点から一定速度で回転させることにより、導入された全てのサンプルを測定する。なお、調節回転,原点回帰回転,測定回転を実施する時間サイクルは分析法によって決められた所定の測定間隔で実施する。
【0018】
また、実施例では、調節回転、及び原点回帰回転の回転速度は、測定回転の回転速度よりも速く実施している。また、調節回転、及び原点回帰回転は右回転、及び左回転のどちらも可能とし、目的のポジションに最短の移動距離で移動できるようにしてある。これらにより、サンプル導入や廃棄に要する時間をより長く確保している。
【0019】
実施例では、サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクと、円盤ディスクにサンプルを導入するサンプル導入装置と、円盤ディスクの周囲に配置され、円盤ディスクに配置されたサンプルを測定する検出器と、円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置と、を備え、サンプル導入機構がアクセス可能な導入ポジションへサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、導入ポジションに配置されたサンプルポジションにサンプル導入機構によってサンプルを導入し、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する自動分析装置を開示する。
【0020】
また、実施例では、サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクと、円盤ディスクにサンプルを導入し、円盤ディスクからサンプルを廃棄するサンプル導入装置と、円盤ディスクの周囲に配置され、円盤ディスクに配置されたサンプルを測定する検出器と、円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置と、を備え、サンプル導入廃棄機構がアクセス可能な導入廃棄ポジションへ不要なサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、導入廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル導入廃棄機構によってサンプルを廃棄し、当該サンプルポジションにサンプルを導入し、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する自動分析装置を開示する。
【0021】
また、実施例では、サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクと、円盤ディスクにサンプルを導入し、円盤ディスクからサンプルを廃棄するサンプル導入廃棄装置と、円盤ディスクの周囲に配置され、円盤ディスクに配置されたサンプルを測定する検出器と、円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置と、を備、サンプル廃棄機構がアクセス可能な廃棄ポジションへ不要なサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル廃棄機構によってサンプルを廃棄し、サンプル導入機構がアクセス可能な導入ポジションへサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、導入ポジションに配置されたサンプルポジションにサンプル導入機構によってサンプルを導入し、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する自動分析装置を開示する。
【0022】
また、実施例では、サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクと、円盤ディスクからサンプルを廃棄できるサンプル廃棄装置と、円盤ディスクの周囲に配置され、円盤ディスクに配置されたサンプルを測定する検出器と、円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置と、を備えた自動分析装置であって、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定し、サンプル廃棄機構がアクセス可能な廃棄ポジションへ測定が完了したサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル廃棄機構によってサンプルを廃棄する自動分析装置を開示する。
【0023】
また、実施例では、サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクを備えた分析装置において、円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置により、サンプル導入機構がアクセス可能な導入ポジションへサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、導入ポジションに配置されたサンプルポジションにサンプル導入機構によってサンプルが導入された後、回転制御装置により、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、回転制御装置により、円盤ディスクを所定速度で回転させ、円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する、円盤ディスクの回転制御方法を開示する。
【0024】
また、実施例では、サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクを備えた分析装置において、円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置により、サンプル導入廃棄機構がアクセス可能な導入廃棄ポジションへ不要なサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、導入廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル導入廃棄機構によってサンプルを廃棄し、当該サンプルポジションにサンプルを導入した後、回転制御装置により、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、回転制御装置により、円盤ディスクを所定速度で回転させ、円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する、円盤ディスクの回転制御方法を開示する。
【0025】
また、実施例では、サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクを備えた分析装置において、円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置により、サンプル廃棄機構がアクセス可能な廃棄ポジションへ不要なサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル廃棄機構によってサンプルを廃棄した後、回転制御装置により、サンプル導入機構がアクセス可能な導入ポジションへサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、導入ポジションに配置されたサンプルポジションにサンプル導入機構によってサンプルを導入した後、回転制御装置により、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、回転制御装置により、円盤ディスクを所定速度で回転させ、円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する、円盤ディスクの回転制御方法を開示する。
【0026】
また、実施例では、サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクを備えた分析装置において、円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置により、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定し、回転制御装置により、サンプル廃棄機構がアクセス可能な廃棄ポジションへ測定が完了したサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル廃棄機構によってサンプルを廃棄する、円盤ディスクの回転制御方法を開示する。
【0027】
また、実施例では、円盤ディスクの回転速度又は/及び回転方向が可変であることを開示する。
【0028】
また、実施例では、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させる際に、移動時間が最短となるように回転方向を制御することを開示する。
【0029】
また、実施例では、円盤ディスクの特定のサンプルポジションを導入ポジションに移動させる際に、移動時間が最短となるように回転方向を制御することを開示する。
【0030】
また、実施例では、円盤ディスクの特定のサンプルポジションを廃棄ポジションに移動させる際に、移動時間が最短となるように回転方向を制御することを開示する。
【0031】
また、実施例では、円盤ディスクに保持されるサンプルが、前処理済試料であることを開示する。
【0032】
また、実施例では、円盤ディスクに保持されるサンプルが、所望温度とすることにより標的核酸を増幅できる反応溶液であることを開示する。
【0033】
また、実施例では、サンプル導入機構、又はサンプル導入廃棄機構が、サンプルが保持された反応容器を円盤ディスクに移送する反応容器搬送機構を含むことを開示する。
【0034】
また、実施例では、前記サンプル廃棄機構、又はサンプル導入廃棄機構が、サンプルが保持された反応容器を円盤ディスクから搬出する反応容器搬送機構を含むことを開示する。
【0035】
以下、上記及びその他の本発明の新規な特徴と効果について図面を参酌して説明する。
尚、図面は専ら発明の理解に用いるものであり、権利範囲を減縮するものではない。また、各実施形態は適宜組み合わせることが可能である。
【0036】
〔実施例〕
図1は、本実施例における自動分析装置の基本構成を示す。本装置は、被検試料が納められた試料容器1がセットできる試料容器ラック2と、試料の各種成分と反応する試薬を納めた複数の試薬容器3を収納した試薬ラック4と、試料と試薬を混ぜる反応容器5を収納した反応容器ラック6と、分注チップ7が収められた分注チップラック8と、2つ以上の異なる温度に設定された複数の定温器9と、円周上に複数の反応容器キャリアー10を配置した円盤ディスク11と、反応を検出する検出器12とを有する。
【0037】
尚、本実施例における反応容器5は、検出性能への影響が少なければいかなる容器でもよいが、好ましくは0.2mlシングルチューブ(グライナー社、ドイツ)である。
【0038】
図2は、各ラック間で試料または試薬を分注するための分注プローブ20と、反応容器を移送するための反応容器移送機構21と、これらを接続するヘッド22と、当該ヘッドをX軸方向およびY軸方向に動かすためのサイドレール23とセンターレール24と、を説明するための概略図である。
【0039】
以下、本装置における試料自動分析の基本的動作を説明する。分注プローブ20は、サイドレール23とセンターレール24の動作により分注チップラック8の位置に移動し、分注チップ7を取り付ける。分注チップ7が取り付けられた分注プローブ20は、試料容器1から試料を分取し、反応容器5に排出する。次に、分注チップ7を交換し、試薬容器3から試薬を分取し、反応容器5に排出し、分注プローブ20は吸引と排出の繰返しにより反応液を混合する。反応液の入った反応容器5は、反応容器移送機構21により定温器9の1つに移送され、反応液の温度を変化させる。定温器で所定の時間保持した後、反応容器移送機構により別の定温器9に移送し、反応液の温度を変化させ、同様に定温器で所定の時間保持する。当該定温器間の移送を分析方法に定められた条件で実施する。定められた分析法に従い、当該定温器間の温度変化の後、又は途中で、分注チップ7が取り付けられた分注プローブ20が、試薬容器3から試薬を分取し、反応容器5に試薬を排出してもよい。当該温度変化の後、反応容器移送機構21は、前処理済試料を含む反応容器5をサンプル導入・廃棄機構の近傍の待機領域に移送する。尚、前処理済試料とは、被検試料と、反応に必要な試薬が混合された反応溶液のことである。例えば、核酸分析の場合、前処理済試料とは、所望温度とすることにより、被検試料である標的核酸を増幅できる反応溶液である。
【0040】
そして、サンプル導入・廃棄機構は、待機領域にある反応容器5を、円盤ディスク11に配置された所定の反応容器キャリアー10に置く。また、必要に応じて、所定の反応容器キャリアー10に置かれている反応容器5を廃棄する。当該反応容器キャリアー10は、円盤ディスクの温度制御機構により、反応が最も効果的に進む温度に保持されている。
当該反応は検出器12により検出される。光によるサンプルの劣化や、検出時における外乱光の混入を防ぐために、円盤ディスク11及び検出器12全体は外乱光から遮蔽されている。
【0041】
本実施例では、反応容器を移送する移送機構として、分注プローブと反応容器の双方を移送するものを開示しているが、分注プローブと反応容器を別の移送機構で取り扱ってもよい。また、本実施例では移送機構は一つだけだが、複数の恒温機構や分析機構に対応して、複数の移送機構を配置してもよい。また、本実施例では移送機構とサンプル導入・廃棄機構が別々となっているが、これらを一つに纏め、移送機構が円盤ディスク11の反応キャリアー10に反応容器5を直接移送するように構成してもよい。
【0042】
図3に、本自動分析装置と周辺機器との関連を示す。本装置には、検出データを記憶する記憶装置30,記憶された検出データを演算処理する演算機31、及び演算結果を出力するモニター32が接続される。これら周辺機器は、自動分析装置と通信ケーブル34で接続され独立して機能してもよいし、自動分析装置に内蔵されてもよい。検出器12で検出された検出データは記憶装置30に送られ、演算機31により演算処理され、検出結果はモニター32に出力される。
【0043】
図4に、円盤ディスクの周辺機構の概略を示す。本装置では、円盤ディスク101と、円盤ディスク101を回転させる駆動装置102,反応容器中の前処理済試料を分析するための検出器103,円盤ディスクにサンプルを導入する機構、及び、円盤ディスク11の所定の反応容器キャリアー10に反応容器を移送し、所定の反応容器キャリアー10に保持されている反応容器を廃棄するサンプル導入・廃棄機構104を備える。これら機構は、記憶装置30や演算機31を含む制御PC106により、通信ケーブル105を介して制御される。
【0044】
本実施例における円盤ディスクは、図4(B)に示すように円形の回転盤であり、その縁に複数の反応キャリアーを備え、ここに反応容器を保持することができる。円盤ディスクにおける反応キャリアーの位置は、サンプルポジションと考えることができる。尚、円盤ディスクの縁に複数のサンプル容器を設け、当該サンプル容器に直接前処理済試料を分注してもよい。この場合、当該サンプル容器の存在する位置をサンプルポジションと考えることができる。また、円盤ディスク101には、測定回転の起点となる原点(円盤ディスク側)が仮想的に設けられている。尚、円盤ディスク101に目印等を設け、物理的に設けてもよい。
【0045】
本実施例におけるサンプル導入・廃棄機構とは、前処理済試料が保持された反応容器5を円盤ディスクにおける特定の反応キャリアーに導入し、また、特定の反応キャリアーに保持されている反応容器5を持ち上げて廃棄するものである。言い換えると、反応容器搬送機構であり、装置本体上の特定位置に設定されているサンプル導入・廃棄ポジション109に配置されている反応キャリアーに対して反応容器を移送し、また、反応キャリアーから反応容器を搬出するものとも言える。
【0046】
尚、サンプル導入・廃棄機構は反応容器を移送するものだけに限られない。例えば、円盤ディスクに反応容器が直接設けられている場合には、当該反応容器に直接前処理済試料を分注し、当該容器から不要な試料を吸引する機構でもよい。この場合は、サンプル導入・廃棄機構に、反応容器の洗浄機構を設けることが望ましい。つまり、本明細書における「サンプル導入」とは、反応容器搬送機構による反応容器の架設の他、サンプル分注による円盤ディスクへの試料添加も意味する場合がある。また、本明細書における「サンプル廃棄」とは、反応容器搬送機構による円盤ディスクからの反応容器の取り出しの他、円盤ディスクからの試料吸引や、吸引後の円盤ディスクの洗浄も意味する場合がある。
【0047】
また、サンプル導入機構と、サンプル廃棄機構を、それぞれ個別に設けてもよい。この場合、スループットの向上が見込まれる。この場合、サンプル導入・廃棄ポジションを分割し、サンプル導入機構が反応キャリアーに反応容器を移送するための位置をサンプル導入ポジションとし、サンプル廃棄機構が反応キャリアーから反応容器を搬出するための位置をサンプル廃棄ポジションとしてもよい。更に、一体型のサンプル導入・廃棄機構を用いる場合であっても、サンプル導入ポジションとサンプル廃棄ポジションを分けてもよい。
【0048】
本実施例における駆動装置102は、円盤ディスク101の回転角度を制御するものであり、円盤ディスク101を一定速度で回転させる。回転方向は、必要に応じて、時計回りと反時計回りを選択することができるが、基本は時計回りである。尚、目的に応じて、回転方向を一方向に限定したりしてもよい。また、回転速度は目的に応じて可変するが、目的に応じて、常にほぼ一定速度で回転するようにしてもよい。
【0049】
また、駆動装置102は、必要に応じて円盤ディスク101を所望の状態で停止させる。一つが原点状態であり、もう一つがサンプル導入・廃棄状態である。
【0050】
原点状態は、円盤ディスク101の回転角度が初期状態となっている状態である。言い換えると、円盤ディスク101の原点(円盤ディスク側)が、装置本体に対して特定位置となっている状態である。この原点状態は、後述の「原点回帰回転」等にて用いられる。
【0051】
サンプル導入・廃棄状態とは、サンプル導入・廃棄ポジションに所望の反応キャリアーが位置している状態である。言い換えると、サンプル導入・廃棄ポジションに所望のサンプルポジションが位置している状態である。このサンプル導入・廃棄状態は、後述の「サンプル導入」や「サンプル廃棄」等にて用いられる。尚、サンプル導入ポジションと、サンプル廃棄ポジションを分けている場合には、サンプル導入状態とサンプル廃棄状態に区別されることとなる。
【0052】
本実施例における検出器103は、円盤ディスク101の反応キャリアーに保持された反応容器中の前処理済試料を分析するものであり、円盤ディスク101の上方又は下方、若しくは側方に設けられている。測定対象となる前処理済試料を分析可能であればいかなる検出器を用いてもよい。例えば、蛍光色素で標識された前処理済試料を分析する場合は、励起光源と蛍光発光を検出する検出器を備える。また、測定対象が吸光度の変化であれば、光源ランプと光度計を備える。
【0053】
制御PC106は、駆動装置102(円盤ディスク101),検出器103、及びサンプル導入・廃棄機構を制御可能することができる。好ましくは、測定データ記憶機能,演算処理機能,測定結果表示機能を備える。また、好ましくは、通信機能を備え、演算結果を他の機器、例えば印刷機能を持つ機器や、検査データ管理する機器等に転送する。
【0054】
以下、円盤ディスクの駆動方法について説明する。本装置における円盤ディスクの回転パターンは、測定回転,調節回転、及び原点回帰回転に大別できる。
【0055】
図5に、円盤ディスク,検出器、及びサンプル導入・廃棄機構の動作フローの概要を示す。また、図6に、測定開始動作から測定回転までの動作フローを詳細に示す。
【0056】
本装置においては、測定動作開始後の円盤ディスクの駆動動作として調節回転を実施する。そして、測定動作開始時に廃棄すべき試料や導入すべき前処理済試料がある場合は、試料の廃棄や導入を行い、原点回帰回転する。測定動作開始時に廃棄すべき試料や導入すべき前処理済試料が無い場合は、調節回転やサンプル導入・廃棄に割り当てられた時間だけ円盤ディスクを停止させる。その後、測定回転してサンプルを測定し、前処理済試料のデータを収集する。この動作を繰り返すことにより、多数サンプルを分析する。
【0057】
本実施例における「調節回転」とは、サンプル導入が可能なサンプルポジションを、サンプル導入ポジションに移動させるための回転を意味する。サンプル導入可能なサンプルポジションとは、サンプルポジションに試料が不在か、導入されている試料が測定完了しているサンプルポジションを意味する。測定完了している試料が存在している場合は、サンプル導入・廃棄機構により、円盤ディスク内の測定完了サンプルを廃棄後、新規な前処理済試料を導入する。
【0058】
この調節回転を実施することによって、どのようなタイミングで前処理済試料の分析が依頼されても、円盤ディスクのいずれのサンプルポジションにも、隙間無く新規な前処理済試料を導入できる。また、測定時間の異なる前処理済試料がどのような順番で円盤ディスクに導入されても、最も速く測定の完了した前処理済試料から順に廃棄できる。
【0059】
駆動装置は、円盤ディスクの所望のサンプルポジションをサンプル導入・廃棄ポジションに最短の距離で回転できるように、円盤ディスクの回転方向と回転速度を選択する。これらの回転速度可変機能および回転距離の最短化により、調節回転を迅速に実施し、サンプル導入および/またはサンプル廃棄の時間をより長く確保できる。
【0060】
本実施例における「原点回帰回転」とは、測定回転や調節回転の後、次の測定回転で原点から回転を開始するために円盤ディスクの位置を原点に戻す動作である。この原点回帰回転により、測定回転や調節回転により、円盤ディスクがどのような位置で停止しても、測定回転前に円盤ディスクを原点に戻すことによって、円盤ディスク内のどのポジションの前処理済試料も一定間隔で確実に測定することができる。
【0061】
駆動装置は、円盤ディスクが素早く原点状態となるように、円盤ディスクの回転方向と回転速度を選択する。これらの回転速度可変機能および回転距離の最短化により、原点回帰回転を迅速に実施でき、サンプル導入および/またはサンプル廃棄の時間をより長く確保できる。なお、調節回転及び測定回転後の円盤ディスクが原点状態となっていた場合、原点回帰回転は実施されず、原点回帰回転に割り当てられた時間の間、円盤ディスクは停止する。
【0062】
本実施例における「測定回転」とは、サンプルポジションに導入された前処理済試料を測定するための回転であり、原点を起点として回転を開始し、導入された前処理済試料の全てを測定した後に停止する動作である。当該測定回転を常に原点状態から開始し、同じ速度で円盤ディスクを回転し、同じタイミングで前処理済試料を測定することにより、円盤ディスク内のどのサンプルポジションの前処理済試料も一定間隔で確実に測定することができる。
【0063】
調節回転,サンプル導入及び/又は廃棄,原点回帰回転,測定回転を実施する時間サイクルは、分析法より要求される測定間隔から決定される。本実施例における測定間隔とは、前処理済試料をリアルタイムで検出する際の各検出ポイント間の時間である。より具体的には、NASBA法であれば測定間隔は30秒であり、生化学分析の測定間隔は18秒である。もちろん、分析法が許す限りいかなる測定間隔でもよい。測定間隔をX、調節回転の時間をA、サンプル導入そして/または廃棄の時間をB、原点回帰回転の時間をC、測定回転の時間をDとすると、各動作時間の関係は式1で示される。
【0064】
A+B+C+D=X …(1)
【0065】
つまり、調節回転や原点回帰回転において回転速度や回転方向を制御し、調節回転の時間Aや原点回帰回転の時間Cを短縮すれば、サンプル導入または廃棄に要する時間Bをより長く確保できる。
【0066】
以上説明したように、本実施例によれば、前処理時間の異なるプロトコールをランダムに試料に施しても、円盤ディスクに隙間無く反応容器を架設することができる。また、測定時間の異なる検査項目がランダムに依頼されても、測定が完了したサンプルを迅速に廃棄できる。更に、調節回転と原点回帰回転を短時間で実施できるため、反応容器の廃棄や架設に割り当てる時間を長くすることができる。
【0067】
以下、より詳細な例として、本装置をNASBA法による核酸分析に用いた場合の円盤ディスク駆動方法をについて説明する。
【0068】
1.測定条件
核酸分析法の一つであるNASBA法の測定条件を表1に、使用する試薬及び試料を表2に、試料調整方法を表3に示す。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
【表3】

【0072】
2.装置構成
NASBA法により核酸分析をする場合の装置構成の詳細について表4に示す。
【0073】
【表4】

【0074】
3.検出動作
NASBA法により核酸分析をする場合の装置動作について説明する。図7に、遮蔽ユニット,円盤ディスク,検出器、及びサンプル導入・廃棄機構の動作フローの詳細を示す。本例では、サンプル導入部に装備された自動開閉シャッターを、調節回転の時点で開放し、原点回帰回転の時点で閉鎖している。これにより、試料のコンタミを防止できる。また、各動作に割り振られた時間であるが、調節回転が2.6秒、サンプル導入又は/及び廃棄が5.2秒、原点回帰回転が2.3秒、測定回転が19.6秒である。つまり、30秒を一つの区切りとして、前処理試料の導入や廃棄、及び測定を実施することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
前処理時間や測定時間が異なる前処理済試料をランダムに測定する核酸分析装置に利用できる。核酸分析は、核酸を一定温度で増幅する恒温増幅法の他、PCR法のように温度を変化させてディネイチャーやアニールする核酸増幅法にも利用できる。更に、核酸分析のみならず、抗原抗体反応等を利用した血液や尿等の生体試料の自動分析装置にも利用できる。
【符号の説明】
【0076】
1,3 試薬容器
2 試料容器ラック
4 試薬ラック
5 反応容器
6 反応容器ラック
7 分注チップ
8 分注チップラック
9 定温器
10 反応容器キャリアー
11,101 円盤ディスク
12,103 検出器
20 分注プローブ
21 反応容器移送機構
22 ヘッド
23 サイドレール
24 センターレール
25 分析テーブル面
30 記憶装置
31 演算機
32,107 モニター
33 自動分析装置
34,105 通信ケーブル
102 駆動装置
104 サンプル導入・廃棄機構
106 制御PC
108 サンプルポジション
109 サンプル導入・廃棄ポジション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクと、
円盤ディスクにサンプルを導入するサンプル導入装置と、
円盤ディスクの周囲に配置され、円盤ディスクに配置されたサンプルを測定する検出器と、
円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置と、を備えた自動分析装置であって、
サンプル導入機構がアクセス可能な導入ポジションへサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、導入ポジションに配置されたサンプルポジションにサンプル導入機構によってサンプルを導入し、
円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する装置。
【請求項2】
サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクと、
円盤ディスクにサンプルを導入し、円盤ディスクからサンプルを廃棄するサンプル導入装置と、
円盤ディスクの周囲に配置され、円盤ディスクに配置されたサンプルを測定する検出器と、
円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置と、を備えた自動分析装置であって、
サンプル導入廃棄機構がアクセス可能な導入廃棄ポジションへ不要なサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、導入廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル導入廃棄機構によってサンプルを廃棄し、当該サンプルポジションにサンプルを導入し、
円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する装置。
【請求項3】
サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクと、
円盤ディスクにサンプルを導入し、円盤ディスクからサンプルを廃棄するサンプル導入廃棄装置と、
円盤ディスクの周囲に配置され、円盤ディスクに配置されたサンプルを測定する検出器と、
円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置と、を備えた自動分析装置であって、
サンプル廃棄機構がアクセス可能な廃棄ポジションへ不要なサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル廃棄機構によってサンプルを廃棄し、
サンプル導入機構がアクセス可能な導入ポジションへサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、導入ポジションに配置されたサンプルポジションにサンプル導入機構によってサンプルを導入し、
円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する装置。
【請求項4】
サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクと、
円盤ディスクからサンプルを廃棄できるサンプル廃棄装置と、
円盤ディスクの周囲に配置され、円盤ディスクに配置されたサンプルを測定する検出器と、
円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置と、を備えた自動分析装置であって、
円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定し、
サンプル廃棄機構がアクセス可能な廃棄ポジションへ測定が完了したサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル廃棄機構によってサンプルを廃棄する装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか記載の自動分析装置であって、
円盤ディスクの回転速度又は/及び回転方向が可変であることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか記載の自動分析装置であって、
円盤ディスクの原点を特定位置に移動させる際に、移動時間が最短となるように回転方向を制御することを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1〜3のいずれか記載の自動分析装置であって、
円盤ディスクの特定のサンプルポジションを導入ポジションに移動させる際に、移動時間が最短となるように回転方向を制御することを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項2〜4のいずれか記載の自動分析装置であって、
円盤ディスクの特定のサンプルポジションを廃棄ポジションに移動させる際に、移動時間が最短となるように回転方向を制御することを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか記載の自動分析装置であって、
前記サンプルが、前処理済試料であることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれか記載の自動分析装置であって、
前記サンプルが、所望温度とすることにより標的核酸を増幅できる反応溶液であることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1〜3のいずれか記載の自動分析装置であって、
前記サンプル導入機構、又はサンプル導入廃棄機構が、サンプルが保持された反応容器を円盤ディスクに移送する反応容器搬送機構を含むことを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項2〜4のいずれか記載の自動分析装置であって、
前記サンプル廃棄機構、又はサンプル導入廃棄機構が、サンプルが保持された反応容器を円盤ディスクから搬出する反応容器搬送機構を含むことを特徴とする装置。
【請求項13】
サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクの回転制御方法であって、
円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置により、サンプル導入機構がアクセス可能な導入ポジションへサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、
導入ポジションに配置されたサンプルポジションにサンプル導入機構によってサンプルが導入された後、回転制御装置により、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、
その後、回転制御装置により、円盤ディスクを所定速度で回転させ、円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する方法。
【請求項14】
サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクの回転制御方法であって、
円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置により、サンプル導入廃棄機構がアクセス可能な導入廃棄ポジションへ不要なサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、
導入廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル導入廃棄機構によってサンプルを廃棄し、当該サンプルポジションにサンプルを導入した後、回転制御装置により、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、
その後、回転制御装置により、円盤ディスクを所定速度で回転させ、円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する方法。
【請求項15】
サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクの回転制御方法であって、
円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置により、サンプル廃棄機構がアクセス可能な廃棄ポジションへ不要なサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、
廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル廃棄機構によってサンプルを廃棄した後、回転制御装置により、サンプル導入機構がアクセス可能な導入ポジションへサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、
導入ポジションに配置されたサンプルポジションにサンプル導入機構によってサンプルを導入した後、回転制御装置により、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、
その後、回転制御装置により、円盤ディスクを所定速度で回転させ、円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定する方法。
【請求項16】
サンプルを保持できるサンプルポジションを円周上に複数備えた円盤ディスクの回転制御方法であって、
円盤ディスクの回転を制御する回転制御装置により、円盤ディスクの原点を特定位置に移動させるように円盤ディスクを回転させ、その後、円盤ディスクを所定速度で回転させながら円盤ディスク上の複数サンプルを検出器で測定し、
回転制御装置により、サンプル廃棄機構がアクセス可能な廃棄ポジションへ測定が完了したサンプルを保持するサンプルポジションを移動させるように円盤ディスクを回転させ、廃棄ポジションに配置されたサンプルポジションからサンプル廃棄機構によってサンプルを廃棄する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−175421(P2010−175421A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18961(P2009−18961)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】