説明

分析装置および分析方法

【課題】精度および信頼性の高い分析結果を得ることができる分析装置および分析方法を提供すること。
【解決手段】本発明の分析装置1は、検量線作成時の環境温度とともに所定の環境温度エリア毎に検量線を保存する記憶部104と、分析装置1が設置される環境温度を測定する温度センサ12と、前記環境温度が所定の環境温度エリアのいずれに該当するか、および前記環境温度が属する環境温度エリアにおいて有効な検量線が存在するか否かを判定する判定部108と、判定部108により有効な検量線が存在すると判定された場合に、測定機構9により分析を行うよう制御する制御部101と、測定機構9により測定された測光データについて前記検量線に基づき分析結果を検量算出する分析部103と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、既知の結果を示すキャリブレーターに対する測定結果をもとに検量線を作成するキャリブレーション処理を行なって分析精度を維持する分析装置および分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
分析装置は、多数の検体に対する分析処理を同時に行ない、さらに、多成分を迅速に、かつ、高精度で分析できるため、免疫検査、生化学検査、輸血検査などさまざまな分野での検査に用いられている。このような分析において高精度な分析結果を得るためには、分析条件、特に反応温度の制御が非常に重要であり、反応温度を種々の手法により制御する方法や、反応温度が変化した場合でも精度よい分析結果を得るための検量方法等が提案されている。
【0003】
反応温度制御の手法として、分析に使用する試薬等を加温しながら試薬の供給を制御し、供給する試薬温度と最適温度との差に基づき分析結果を補正する分析装置が知られている(特許文献1参照)。
【0004】
一方、分析に使用する試薬や洗浄液の温度を測定して、反応温度と該温度の温度差に基づき分析結果を補正して分析結果を得る免疫分析装置や(特許文献2参照)、近赤外、赤外分光分析において、同一サンプルで異なる温度でスペクトル測定し、該スペクトルの差スペクトルを求めて、測定スペクトルの温度変化に応じた係数を乗じた差スペクトルを測定スペクトルに加減して検量する方法が開示されている(特許文献3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−37161号公報
【特許文献2】特開2001−74749号公報
【特許文献3】特開2005−331386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の分析装置は、加温手段を設置するためのコストが発生するだけでなく、装置が大掛かりになる。
【0007】
また、特許文献2に記載の分析装置は、試薬等の温度と反応槽温度との温度差に基づき分析結果を補正することができるが、温度差が大きい場合には補正による分析精度の向上にも限度が生じる。
【0008】
特許文献3に記載の検量方法においても、基準温度と測定温度の温度差が大きい場合には補正の精度が問題となる。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分析項目毎に、所定の環境温度エリアに対応する複数の検量線を保持し、適正な検量線を使用して分析結果を検量算出することにより、精度および信頼性の高い分析結果を得ることができる分析装置および分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、検体と試薬との反応物を測光分析し、検量線に基づき測光データから分析結果を検量算出する分析装置において、所定の環境温度エリア毎に検量線を保存する記憶手段と、当該分析装置が設置される環境温度を測定する温度測定手段と、前記環境温度が所定の環境温度エリアのいずれに該当するか、および前記環境温度が属する環境温度エリアにおいて有効な検量線が存在するか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により有効な検量線が存在すると判定された場合に、測定手段により分析を行うよう制御する制御手段と、前記測定手段により測定された測光データについて前記検量線に基づき分析結果を検量算出する検量手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記温度測定手段は分析終了後の環境温度も測定し、分析前後の温度差を算出して該温度差が所定範囲か否かを判定する温度判定手段と、温度差が所定範囲外の場合にフラグ付データとして出力する出力手段と、備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記判定手段が前記環境温度は所定の環境温度エリアのいずれにも該当しないと判定した場合、前記環境温度が所定の環境温度エリアのいずれかに該当するまで分析を停止するよう制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記環境温度エリア区分は測定する分析項目により異なるものであることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記制御手段は、前記判定手段により有効な検量線が存在しないと判定された場合にキャリブレーション処理を行なうよう制御し、前記検量手段は新たに作成した検量線に基づき測定結果を検量することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記出力手段は、前記判定手段により有効な検量線が存在しないと判定された場合に、ユーザにその旨通報し、ユーザが新たなキャリブレーション処理を選択しない場合、隣接の環境温度エリアの検量線で分析結果を検量し、環境温度エリア毎に設定された補正係数に基づき分析結果を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る分析方法は、検体と試薬との反応物を測光分析し、検量線に基づき測光データから分析結果を検量算出する分析方法において、分析を行う環境温度を測定する第1温度測定ステップと、前記第1温度測定ステップで測定された環境温度が、記憶手段に保存される所定の環境温度エリアのいずれに該当するか、および前記環境温度が属する環境温度エリアにおいて有効な検量線が存在するか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより有効な検量線が存在すると判定された場合に分析を行う測定ステップと、前記測定ステップにより測定された測光データについて前記検量線に基づき分析結果を検量算出する検量ステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記分析ステップ後、再度環境温度を測定する第2温度測定ステップと、前記第1温度測定ステップと第2温度測定ステップで測定された環境温度差を算出して、該環境温度差が所定範囲か否かを判定する温度判定ステップと、前記環境温度差が所定範囲外の場合にフラグ付データとして出力する第1出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記判定ステップで前記環境温度は所定の環境温度エリアのいずれにも該当しないと判定した場合、前記環境温度が所定の環境温度エリアのいずれかに該当するまで環境温度を調整する環境温度調整ステップを含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記環境温度エリア区分は分析項目により異なることを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記判定ステップで有効な検量線が存在しないと判定された場合に、キャリブレーション処理を行なうキャリブレーション処理ステップと、前記キャリブレーション処理ステップで作成された検量線を環境温度エリア毎に保存する記憶手段と、を含み、前記検量ステップは新たに作成した検量線に基づき測定結果を検量することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る分析装置は、上記発明において、前記判定ステップで有効な検量線が存在しないと判定された場合に、ユーザにその旨出力する第2出力ステップと、ユーザが新たなキャリブレーション処理を選択しない場合、隣接の環境温度エリアの検量線で分析結果を検出し、環境温度エリア毎に設定された補正係数に基づき分析結果を補正する補正ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、高精度な分析を妨げる設定範囲外の環境温度での分析を中断し、分析時の環境温度により近い検量線に基づき分析結果を算出することが可能となり、より信頼性の高い分析結果を得ることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について、生化学分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0024】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。実施の形態1においては、環境温度に対応する有効な検量線の有無を確認し、ない場合に新たにキャリブレーション処理を実行する場合について説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態1にかかる分析装置1を示す概略構成図である。図1に示すように、分析装置1は、検体と試薬との間の反応物を通過する光を測定する測定機構9と、測定機構9を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに、測定機構9における測定結果の分析を行なう制御機構10とを備える。自動分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の分析を自動的に行なう。
【0026】
測定機構9は、大別して検体テーブル2と、反応テーブル3と、試薬テーブル4と、検体分注装置5と、試薬分注装置7と、分注プローブ洗浄装置6および8とを備えている。
【0027】
検体テーブル2は、円盤状のテーブルを有し、該テーブルの周方向に沿って等間隔で複数配置された収納部21を備えている。各収納部21には、検体を収容した検体容器22が着脱自在に収納される。検体容器22は、上方に向けて開口する開口部22aを有している。また、検体テーブル2は、検体テーブル2の中心を通る鉛直線を回転軸として検体テーブル駆動部(図示せず)によって図1に矢印で示す方向に回転する。検体テーブル2が回転すると検体容器22は、検体分注機構5によって検体が吸引される検体吸引位置に搬送される。
【0028】
なお、検体容器22には、収容された検体の種類や分析項目に関する検体情報を有する識別ラベル(図示せず)が貼り付けてある。一方、検体テーブル2は、検体容器22の識別ラベルの情報を読み取る読取部23を備えている。
【0029】
反応テーブル3は、円環状のテーブルを有し、該テーブルの周方向に沿って等間隔で複数配置された収納部31を備えている。各収納部31には、検体と試薬を収容する透明な反応容器32が上方に向けて開口した形態で着脱自在に収納される。また、反応テーブル3は、反応テーブル3の中心を通る鉛直線を回転軸として反応テーブル駆動部(図示せず)によって図1に矢印で示す方向に回転する。反応テーブル3が回転すると反応容器32は、検体分注機構5によって検体が吐出される検体吐出位置や、試薬分注機構7によって試薬が吐出される試薬吐出位置に搬送される。
【0030】
試薬テーブル4は、円盤状のテーブルを有し、該テーブルの周方向に沿って等間隔で複数配置された収納部41を備えている。各収納部41には、試薬を収容した試薬容器42が着脱自在に収納される。試薬容器42は、上方に向いて開口する開口部42aを有している。また、試薬テーブル4は、試薬テーブル4の中心を通る鉛直線を回転軸として試薬テーブル駆動部(図示せず)によって図1に矢印で示す方向に回転する。試薬テーブル4が回転すると試薬容器42は、試薬分注機構7によって試薬が吸引される試薬吸引位置に搬送される。なお、試薬容器42には、収容された試薬の種類や試薬ID、有効期限などの試薬情報を有する識別ラベル(図示せず)が貼り付けてあり、検体テーブル2は、検体容器22の識別ラベルの情報を読み取る読取部43を備えている。
【0031】
なお、試薬容器42には、収容された試薬の種類や収容量に関する試薬情報(試薬ID)を記録するバーコードなどの情報コード(図示せず)が貼り付けてある。一方、試薬テーブル4は、試薬容器42の情報コードを読み取る読取部43を備えている。
【0032】
検体分注装置5は、検体の吸引および吐出を行なう分注プローブ(図示せず)が先端部に取り付けられ、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアームを備える。検体分注機構5は、検体テーブル2と反応テーブル3との間に設けられ、検体テーブル2によって所定位置に搬送された検体容器22内の検体を分注プローブによって吸引し、アームを旋回させ、反応テーブル3によって所定位置に搬送された反応容器32に分注して検体を所定タイミングで反応テーブル3上の反応容器32内に移送する。
【0033】
試薬分注装置7は、試薬の吸引および吐出を行なう分注プローブ(図示せず)が先端部に取り付けられ、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なうアームを備える。試薬分注機構7は、試薬テーブル4と反応テーブル3との間に設けられ、試薬テーブル4によって所定位置に搬送された試薬容器42内の試薬を分注プローブによって吸引し、アームを旋回させ、反応テーブル3によって所定位置に搬送された反応容器32に分注して試薬を所定タイミングで反応テーブル3上の反応容器32内に移送する。
【0034】
分注プローブ洗浄装置6は、検体テーブル2と反応テーブル3との間であって、検体分注装置5における分注プローブの水平移動の軌跡の途中位置に設けられ、分注プローブ洗浄機構8は、試薬テーブル4と反応テーブル3との間であって、試薬分注装置7における分注プローブの水平移動の軌跡の途中位置に設けられる。
【0035】
測光装置33は、光源33aおよび受光部33bを有している。光源33aは、所定波長の分析光を出射する。受光部33bは、光源33aから出射されて、反応容器32に収容された検体と試薬が反応した反応液を透過した光束を測定する。測光装置33は、前記光源33aと受光部33bが反応テーブル3の収納部31を挟んで半径方向に対向する位置に配置されている。なお、反応テーブル3は、測定後の反応液を反応容器32から排出し、該反応容器32を洗浄する洗浄機構34を備えている。洗浄機構34は、図示しない吸引用ノズルおよび吐出用ノズルによって反応容器32内の液体試料を吸引して排出し、洗剤や洗浄水等の洗浄液等を繰り返し注入し、吸引することにより、分析が終了した反応容器32を洗浄する。
【0036】
また、分析装置1は、分析装置1の筐体11外部に、分析装置外部の環境温度を測定する温度センサ12を備える。温度センサ12は、分析装置外部の環境温度を測定することを目的とするため、装置内部のモータやヒータ等の温度発生部位からの影響を受けにくい位置に設置するものとする。
【0037】
つぎに、制御機構10について説明する。図1に示すように、制御機構10は、制御部101、入力部102、分析部103、記憶部104、出力部105、送受信部107および判定部108を備える。制御機構10が備える各部は、制御部101に電気的に接続されている。分析部103は、制御部101を介して測光装置33に接続され、受光部33bが受光した光量に基づいて検体の成分濃度等の分析結果を算出し、制御部101に出力する。分析結果は、後述する記憶部104に保存された検量線に基づき検量されたものである。分析部104は、検量手段としての役割を果たす。入力部102は、制御部101へ検査項目等を入力する操作を行う部分であり、例えば、キーボードやマウス等が使用される。
【0038】
記憶部104は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、自動分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。また、記憶部104は、検量線作成時の環境温度とともに環境温度エリアごとに検量線を保存する。記憶部104は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0039】
出力部105は、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、制御部101の制御のもと、分析に関する諸情報を出力する。出力部105は、ディスプレイ等を用いて構成された表示部106を備える。表示部106は、分析内容や警報等を表示するもので、ディスプレイパネル等が使用される。入力部102および表示部106はタッチパネルによって実現するようにしてもよい。送受信部107は、図示しない通信ネットワークを介して所定の形式にしたがった情報の送受信を行なうインターフェースとしての機能を有する。送受信部107は、図示しないホストコンピュータから分析する検体の分析項目情報を受信する。
【0040】
判定部108は、制御部101を介して温度センサ12と接続され、温度センサ12から出力された環境温度が環境温度エリアのいずれに該当し、該当する環境温度エリアにおいて、有効期限内の検量線が存在するか否かを判定する。また、判定部108は、温度判定部109を備え、温度判定部109は、分析前の環境温度が設定範囲であるかを判定すると共に、分析前後の環境温度差を算出し、環境温度差が所定の温度範囲内であるか否かも判定する。温度判定部109は分析前後の環境温度差が所定の温度範囲外と判定した場合、その旨制御部101に出力し、制御部101の制御のもと出力部105はフラグ付きの分析結果を出力する。
【0041】
また、制御部101には、上述した測定機構9の各部および分析装置1の筐体外に設置される温度センサ12が接続され、制御機構10は、自動分析装置1の各処理にかかわる各種プログラムを用いて、測定機構9の各部の動作処理の制御を行なう。
【0042】
以上のように構成される分析装置1は、回転する反応テーブル3によって周方向に沿って搬送されてくる複数の反応容器32に、試薬分注装置7が試薬容器42から試薬を分注し、試薬が分注された反応容器32は、反応テーブル3によって周方向に沿って搬送され、検体分注装置5によって検体テーブル2に保持された検体容器22から検体が分注される。その後、測光装置33により反応液の透過光量を測定し、分析部103が検量線により分析結果を算出する。
【0043】
つぎに、分析装置1による分析処理の処理手順について説明する。図2は、分析装置1による分析処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、送受信部は分析を行う検体について、読取部23により読み取った検体ID等の検体情報に基づき、分析項目情報を抽出する(ステップS100)。その後、温度センサ12により分析装置外の環境温度(前)を測定する(ステップS101)。環境温度データは制御部101を介し温度判定部109に送信され、温度判定部109は、測定された環境温度が分析に適する所定温度範囲内(15℃〜30℃)であるか否か判定する(ステップS102)。分析可能な環境温度範囲は、事前に定められるものであり、ユーザによっても設定可能である。環境温度が所定の温度範囲外である場合は(ステップS102:No)、環境温度が所定範囲となるまで分析を中断して環境温度が調整される(ステップS103)。分析装置1が設置されている環境温度により、装置内温度ならびに反応温度も大きく影響されるため、環境温度が所定の温度範囲内に入るよう環境温度は調整される。
【0044】
温度判定部109が、環境温度が分析に適する所定の温度範囲であると判定した場合(ステップS102:Yes)、判定部108は、測定された環境温度が属する環境温度エリア内に検量線が保存されているか否か確認し(ステップS104)、検量線がある場合は(ステップS104:Yes)、該検量線が有効か否か、すなわち、検量線作成日時が有効期限内か否かを確認する(ステップS105)。記憶部104には、分析を行うべき所定の温度範囲が設定保存され、該温度範囲は、通常5℃毎の環境温度エリアに分割されている。また、該環境温度エリア内の環境温度で作成された検量線が、この環境温度エリア毎に保存されている。図3は、分析項目(該分析項目の分析に使用する試薬)毎の検量線の保存状況を示す図である。
【0045】
たとえば、検体についてまず、分析項目Aの分析がオーダーされ、ステップS101で環境温度が21℃と測定された場合、環境温度21℃は、温度判定部109により所定の温度範囲(15℃〜30℃)と判定される(ステップS102:Yes)。その後、判定部108は、環境温度21℃が属する環境温度エリア20℃〜25℃内に有効な検量線が保存されているか確認する(ステップS104)。図3に示すように、分析項目Aの環境温度エリア20℃〜25℃では検量線が保存されているが(ステップS104:Yes)、作成日は2009年1月10日であるのに対し、分析日がたとえば2009年1月26日であって、分析項目Aの検量線の有効期限が2週間である場合、有効期限内でないと判定部108は判定することになる(ステップS105:No)。検量線の有効期限は、分析項目(該分析項目の分析に使用する試薬)毎に異なるものであるため、分析項目毎に検量線の有効期限は判断される。なお、検量線(試薬)の有効期限は、試薬容器42の貼付された識別ラベルに記憶され、読取部43により読み取られる。その後、分析項目Bについて分析がオーダーされ、同様に判断を行なう場合は、環境温度が21℃のままであれば、温度判定部109は所定の温度範囲(15℃〜30℃)と判定し(ステップS102:Yes)、判定部108は、環境温度エリア20℃〜25℃の範囲に検量線なしと判定する(ステップS104:No)。実施の形態1では、分析を行う環境温度により近い環境温度でキャリブレーション処理が行なわれ、作成された検量線に基づき分析結果を算出することにより、より精度の高い分析結果が得られるものである。
【0046】
判定部108が、測定された環境温度が属する環境温度エリア内に検量線が保存されていないと判定した場合(ステップS104:No)、制御部101は、キャリブレーション処理を行なうよう制御する(ステップS106)。キャリブレーション処理により作成された検量線は、キャリブレーション処理が行なわれた環境温度および日時情報とともに、記憶部104に環境温度エリアに対応させて保存する(ステップS107)。また、判定部108により、測定された環境温度が属する環境温度エリア内に検量線が保存されているが(ステップS104:Yes)、保存されている検量線は有効でない(ステップS105:No)と判定された場合も、制御部101は、キャリブレーション処理を行ない(ステップS106)、記憶部104に環境温度エリアに対応させて新たに保存するよう制御する(ステップS107)。キャリブレーション処理に使用される試薬は変性防止のために保冷保存されているが、時間経過とともに反応性に多少の変化が見られる場合がある。したがって、信頼性の高い分析結果を得るためには、環境温度エリア内に検量線が存在する場合であっても有効期限を過ぎている場合は該検量線の使用はするべきでなく、新たにキャリブレーション処理を行うものである。
【0047】
判定部108により、測定された環境温度が属する環境温度エリア内に検量線が保存され(ステップS104:Yes)、保存されている検量線は有効であると判定された場合(ステップS105:Yes)、または新たにキャリブレーション処理が行なわれ、検量線が新たに保存された場合(ステップS106およびS107)、制御部101は、分析を開始するよう制御する(ステップS108)。分析終了後、環境温度エリア内の有効な検量線に基づき、分析部103は分析結果を検量・算出し(ステップS109)、温度センサ12により分析終了後の環境温度が測定される(ステップS110)。温度判定部109は、分析前後の環境温度差を算出し、環境温度差が所定の温度範囲内であるか否か、たとえば、2℃以内であるかを判定する(ステップS111)。分析開始時の環境温度が所定の温度範囲内であり、分析時の環境温度が属する環境温度エリアの検量線で分析結果を算出した場合でも、分析中に環境温度が変化することがあり、この温度変化により算出した分析結果の信頼性が低くなることがある。したがって、分析前後の環境温度差が所定の温度範囲内でない場合(ステップS111:No)、その旨のフラグをつけて分析結果を出力することにより(ステップS113)、ユーザに注意喚起をすることが可能になる。分析前後の環境温度差が所定の温度範囲内の場合は(ステップS111:Yes)、分析結果をそのまま出力する(ステップS112)。その後、検体についてすべての分析項目の分析が終了したか否か確認し(ステップS114)、分析が終了していない場合は(ステップS114:No)、ステップS101から繰り返す。
【0048】
なお、各分析項目に使用される試薬は、その種類によって環境温度から受ける影響が異なる。したがって、実施の形態1の変形例として、環境温度変化からの影響が大きい試薬を使用する分析項目については、環境温度エリアを5℃毎ではなく3℃毎にして、多くの検量線を保存できるようにしてもよい。検量線を多く保存することにより、温度変化による分析結果への影響をより小さくすることができるので好ましい。分析項目により異なる環境温度エリアとする場合は、例えば、図4および図5に示すように、同じ環境温度エリアの分析項目毎に検量線の保存状況をまとめて保有すればよい。図4は、環境温度エリアが5℃毎の分析項目の検量線の保存状況を示す図であり、図5は、環境温度エリアが3℃毎の分析項目の検量線の保存状況を示す図である。
【0049】
(実施の形態2)
実施の形態1は、判定部108が有効な適切な検量線の有無を判定して、有効な検量線がない場合にはキャリブレーション処理を実行させてより信頼性の高い分析結果を得ることを目的としているが、実施の形態2は、あまり分析精度が要求されない分析項目や、温度により影響を受けにくい分析項目については、ユーザにキャリブレーション処理実行の可否を判断させることにより、キャリブレーション処理にかかる時間やコストを削減することができるものである。適切な検量線がない場合でも、隣接温度の検量線が存在する場合には、当該検量線で分析結果を算出しこれを温度補正することにより、より早く分析結果を得ることができるものである。
【0050】
図6に、実施の形態2にかかる分析装置1Aの概略構成図を示す。図6に示すように、分析装置1Aにおいて、分析部103Aが補正部110を備える点で実施の形態1にかかる分析装置1と異なる。補正部110は、分析を行った環境温度エリアで有効な検量線が存在しない場合に、隣接の環境温度エリアの検量線で分析結果を検量し、前記検量線作成時の環境温度と分析時の環境温度との温度差を算出して、該環境温度差に基づき分析結果について補正する。
【0051】
つぎに、分析装置1Aによる分析処理の処理手順について説明する。図7は、分析装置1による分析処理の処理手順を示すフローチャートである。まず、送受信部は分析を行う検体について、読取部23により読み取った検体ID等の検体情報に基づき、分析項目、検量線の有効期限を含む分析条件等を抽出する(ステップS200)。その後、温度センサ12により分析装置外の環境温度(前)を測定する(ステップS201)。環境温度データは制御部101を介し温度判定部109に送信され、温度判定部109は、測定された環境温度が分析に適する所定温度範囲内(15℃〜30℃)であるか否か判定する(ステップS202)。分析可能な環境温度範囲は、事前に定められるものであり、ユーザによっても設定可能である。環境温度が所定の温度範囲外である場合は(ステップS202:No)、環境温度が所定範囲となるまで分析を中断して環境温度が調整される(ステップS203)。分析装置1が設置されている環境温度により、装置内温度ならびに反応温度も大きく影響されるため、環境温度が所定の温度範囲内に入るよう環境温度は調整される。
【0052】
温度判定部109が、環境温度が分析に適する所定の温度範囲であると判定した場合(ステップS202:Yes)、判定部108は、測定された環境温度が属する環境温度エリア内に検量線が保存されているか否か確認し(ステップS204)、検量線がある場合は(ステップS204:Yes)、該検量線が有効か否か、すなわち、検量線作成日時が有効期限内か否かを確認する(ステップS205)。記憶部104Aには、分析を行うべき所定の温度範囲が設定保存され、該温度範囲は、通常5℃毎の環境温度エリアに分割されている。また、該環境温度エリア内の環境温度で作成された検量線が、この環境温度エリア毎に保存されている(図3参照)。
【0053】
たとえば、検体についてまず、分析項目Aの分析がオーダーされ、ステップS201で環境温度が21℃と測定された場合、環境温度21℃は、温度判定部109により所定の温度範囲(15℃〜30℃)と判定される(ステップS202:Yes)。その後、判定部108は、環境温度21℃が属する環境温度エリア20℃〜25℃内に有効な検量線が保存されているか確認する(ステップS204)。図3に示すように、分析項目Aの環境温度エリア20℃〜25℃では検量線が保存されているが(ステップS204:Yes)、作成日は2009年1月10日であるのに対し、分析日がたとえば2009年1月26日であって、分析項目Aの検量線の有効期限が2週間である場合、有効期限内でないと判定部108は判定することになる(ステップS205:No)。検量線の有効期限は、分析項目(該分析項目の分析に使用する試薬)毎に異なるものであるため、分析項目毎に検量線の有効期限は判断される。なお、検量線(試薬)の有効期限は、試薬容器42の貼付された識別ラベルに記憶され、読取部43により読み取られる。その後、分析項目Bについて分析がオーダーされ、同様に判断を行なう場合は、環境温度が21℃のままであれば、温度判定部109は所定の温度範囲(15℃〜30℃)と判定し(ステップS202:Yes)、判定部108は、環境温度エリア20℃〜25℃の範囲に検量線なしと判定する(ステップS204:No)。実施の形態2では、環境温度エリアに検量線なしと判定される場合(ステップS204:No)や、有効な検量線がないと判定される場合(ステップS205:No)に、その旨出力して(ステップS206)、ユーザに報知する点で、実施の形態1と異なる。環境温度エリアに検量線なしと判定される場合(ステップS204:No)や、有効な検量線がないと判定される場合(ステップS205:No)でも、分析項目によりキャリブレーション処理を行なう必要性が低いと判断される場合があるため、キャリブレーション処理実行の可否(ステップS207)をユーザが行うようにしたものである。ユーザがキャリブレーション処理必要なしと判断し(ステップS207:No)、分析を続行する場合には、分析時間のおよびコストの短縮が可能となる。
【0054】
測定された環境温度が属する環境温度エリア内に検量線が保存されておらず(ステップS204:No)、ユーザがキャリブレーション処理要と判断した場合は(ステップS207:Yes)、入力部102の操作によってキャリブレーション処理の支持が入力され、当該指示に基づき、制御部101はキャリブレーション処理を行なうよう制御する(ステップS208)。キャリブレーション処理により作成された検量線は、キャリブレーション処理が行なわれた環境温度および日時情報とともに、記憶部104Aに環境温度エリアに対応させて保存する(ステップS209)。また、判定部108により、測定された環境温度が属する環境温度エリア内に検量線が保存されているが(ステップS204:Yes)、保存されている検量線は有効でない(ステップS205:No)と判定され、ユーザによりキャリブレーション処理要と判断された場合も(ステップS207:Yes)、同様にキャリブレーション処理が行なわれ(ステップS208)、記憶部104Aに環境温度エリアに対応させて新たに保存される(ステップS209)。キャリブレーション処理に使用される試薬は変性防止のために保冷保存されているが、時間経過とともに反応性に多少の変化が見られる場合がある。したがって、信頼性の高い分析結果を得るためには、環境温度エリア内に検量線が存在する場合であっても有効期限を過ぎている場合は該検量線の使用はするべきでなく、新たにキャリブレーション処理を行うものである。
【0055】
判定部108により、測定された環境温度が属する環境温度エリア内に検量線が保存され(ステップS204:Yes)、保存されている検量線は有効であると判定された場合(ステップS205:Yes)、または新たにキャリブレーション処理が行なわれ、検量線が新たに保存された場合(ステップS208およびS209)、制御部101は、分析を開始するよう制御する(ステップS210)。分析終了後、環境温度エリア内の有効な検量線に基づき、分析部103Aは分析結果を検量・算出し(ステップS211)、温度センサ12により分析終了後の環境温度が測定される(ステップS212)。温度判定部109は、分析前後の環境温度差を算出し、環境温度差が所定の温度範囲内であるか否か、たとえば、2℃以内であるかを判定する(ステップS213)。分析開始時の環境温度が所定の温度範囲内であり、分析時の環境温度が属する環境温度エリアの検量線で分析結果を算出した場合でも、分析中に環境温度が変化することがあり、この温度変化により算出した分析結果の信頼性が低くなることがある。したがって、分析前後の環境温度差が所定の温度範囲内でない場合(ステップS213:No)、その旨のフラグをつけて分析結果を出力することにより(ステップS218)、ユーザに注意喚起をすることが可能になる。分析前後の環境温度差が所定の温度範囲内の場合は(ステップS213:Yes)、分析結果をそのまま出力する(ステップS214)。
【0056】
一方、ユーザがキャリブレーション処理必要なしと判断した場合は(ステップS207:No)、分析を開始し(ステップS215)、隣接の環境温度エリアの検量線に基づき、得られた測定データから分析結果を検量・算出し(ステップS216)、補正部110は、環境温度エリア毎に設定された補正係数に基づき分析結果を補正する(ステップS217)。ここで使用する検量線は有効期限内に測定しているもののみとし、補正のための補正係数を記憶部104Aは分析項目毎に保有するものとする。図8は、記憶部104Aに保存される分析項目毎の補正係数表であり、縦が実測の環境温度、横が設定された環境温度エリアである。たとえば、分析項目Bについて分析がオーダーされ、環境温度が21℃で、対応する環境温度エリア20〜25℃の検量線がなく、環境温度エリア15〜20℃の検量線が存在する場合、環境温度エリア15〜20℃の検量線で環境温度20〜25℃の測定データを検量・算出する。得られた分析結果を補正部110が補正するが、補正係数は×1.2(図8参照、環境温度エリア15〜20℃と環境温度20〜25℃の交差欄)であるから、分析結果を1.2倍することになる。補正された分析結果は、出力部105により補正データである旨のフラグ付で出力される(ステップS218)。その後、検体についてすべての分析項目の分析が終了したか否か確認し(ステップS219)、分析が終了していない場合は(ステップS219:No)、ステップS201から繰り返す。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態1の分析装置による分析処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】分析項目(該分析項目の分析に使用する試薬)毎の検量線の保存状況を示す図である。
【図4】実施の形態1の変形例1にかかる分析項目の検量線の保存状況を示す図である(環境温度エリア5℃毎)。
【図5】実施の形態1の変形例1にかかる分析項目の検量線の保存状況を示す図である(環境温度エリア3℃毎)。
【図6】実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図7】実施の形態2の分析装置による分析処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態2の分析装置にかかる記憶部に保存される分析項目毎の補正係数表である。
【符号の説明】
【0058】
1、1A 分析装置
2 検体テーブル
3 反応テーブル
4 試薬テーブル
5 検体分注装置
6、8 分注プローブ洗浄装置
7 試薬分注装置
9 測定機構
10、10A 制御機構
11 筐体
12 温度センサ
21、31、41 収納部
22 検体容器
22a、42a 開口部
23、43 読取部
32 反応容器
33 測光装置
33a 光源
33b 受光部
34 洗浄機構
42 試薬容器
101 制御部
102 入力部
103、103A 分析部
104、104A 記憶部
105 出力部
106 表示部
107 送受信部
108 判定部
109 温度判定部
110 補正部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体と試薬との反応物を測光分析し、検量線に基づき測光データから分析結果を検量算出する分析装置において、
所定の環境温度エリア毎に検量線を保存する記憶手段と、
当該分析装置が設置される環境温度を測定する温度測定手段と、
前記環境温度が所定の環境温度エリアのいずれに該当するか、および前記環境温度が属する環境温度エリアにおいて有効な検量線が存在するか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により有効な検量線が存在すると判定された場合に、測定手段により測光分析を行うよう制御する制御手段と、
前記測定手段により測定された測光データについて前記検量線に基づき分析結果を検量算出する検量手段と、
を備えることを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記温度測定手段は分析終了後の環境温度も測定し、分析前後の温度差を算出して該温度差が所定範囲か否かを判定する温度判定手段と、
温度差が所定範囲外の場合にフラグ付データとして出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記判定手段が前記環境温度は所定の環境温度エリアのいずれにも該当しないと判定した場合、前記環境温度が所定の環境温度エリアのいずれかに該当するまで分析を停止するよう制御することを特徴とする請求項1または2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記環境温度エリア区分は測定する分析項目により異なるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記判定手段により有効な検量線が存在しないと判定された場合にキャリブレーション処理を行なうよう制御し、前記検量手段は新たに作成した検量線に基づき測定結果を検量することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項6】
前記出力手段は、前記判定手段により有効な検量線が存在しないと判定された場合に、ユーザにその旨通報し、
ユーザが新たなキャリブレーション処理を選択しない場合、隣接の環境温度エリアの検量線で分析結果を検量し、環境温度エリア毎に設定された補正係数に基づき分析結果を補正する補正手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項7】
検体と試薬との反応物を測光分析し、検量線に基づき測光データから分析結果を検量算出する分析方法において、
分析を行う環境温度を測定する第1温度測定ステップと、
前記第1温度測定ステップで測定された環境温度が、記憶手段に保存される所定の環境温度エリアのいずれに該当するか、および前記環境温度が属する環境温度エリアにおいて有効な検量線が存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより有効な検量線が存在すると判定された場合に分析を行う測定ステップと、
前記測定ステップにより測定された測光データについて前記検量線に基づき分析結果を検量算出する検量ステップと、
を含むことを特徴とする分析方法。
【請求項8】
前記分析ステップ後、再度環境温度を測定する第2温度測定ステップと、
前記第1温度測定ステップと第2温度測定ステップで測定された環境温度差を算出して、該環境温度差が所定範囲か否かを判定する温度判定ステップと、
前記環境温度差が所定範囲外の場合にフラグ付データとして出力する第1出力ステップと、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の分析装置。
【請求項9】
前記判定ステップで前記環境温度は所定の環境温度エリアのいずれにも該当しないと判定した場合、前記環境温度が所定の環境温度エリアのいずれかに該当するまで環境温度を調整する環境温度調整ステップを含むことを特徴とする請求項7または8に記載の分析方法。
【請求項10】
前記環境温度エリア区分は分析項目により異なることを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の分析方法。
【請求項11】
前記判定ステップで有効な検量線が存在しないと判定された場合に、キャリブレーション処理を行なうキャリブレーション処理ステップと、
前記キャリブレーション処理ステップで作成された検量線を環境温度エリア毎に保存する記憶ステップと、を含み、前記検量ステップは新たに作成した検量線に基づき測定結果を検量することを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の分析方法。
【請求項12】
前記判定ステップで有効な検量線が存在しないと判定された場合に、ユーザにその旨出力する第2出力ステップと、
ユーザが新たなキャリブレーション処理を選択しない場合、隣接の環境温度エリアの検量線で分析結果を検出し、環境温度エリア毎に設定された補正係数に基づき分析結果を補正する補正ステップと、
を含むことを特徴とする請求項7〜10のいずれか一つに記載の分析方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate